以下において、図面を参照して、本発明の第1〜第6の実施の形態を説明し、新しいトイレットペーパーを使用位置に設置する際の手間や時間をかからないようにし、かつ、トイレットペーパーの落下の危険性が少ない紙巻器用の補助器具としての衛生設備器具の構造を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各部材の大きさの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚み、寸法、大きさ等は以下の説明から理解できる技術的思想の趣旨を参酌してより多様に判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
又、以下に示す本発明の第1〜第6の実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものではない。本発明の技術的思想は、本発明の第1〜第6の実施の形態で記載された内容に限定されず、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係る衛生設備器具は、図3に示したような既設された従来の紙巻器(トイレットペーパー・ホルダ)の本体左側板51及び本体右側板53に挟まれて懸架される補助器具であり、図1に示すように回転アーム15、第1保持軸21、第2保持軸23、可動域制限部30、回転軸27を備える。回転アーム15は互いに対向する第1及び第2の主面を有する板状の形状である。板状の形状をなす回転アーム15の第1の主面の長手方向の両端部には第1片持ちピン31及び第2片持ちピン33が設けられている。回転アーム15には、第1の主面から第2の主面に貫通する貫通孔41が長手方向の中央に設けられている。貫通孔41は、板状の形状の長手方向に長軸が沿った角丸長方形である。
一般に「角丸長方形」とは、二つの等しい長さの平行線で定義される長方形と、この長方形を両側から挟む二つの半円形からなる陸上競技場のような形状が該当する。しかし、「二つの半円形」は本質部分ではなく、本発明においては、二つの等しい長さの平行線で定義される長方形と、この長方形を両側から挟む二つの楕円形の一部からなるオーバルな形状も含みうる。このような両端に楕円形の一部を含んだ角丸長方形であってもよいことは、以下の説明の趣旨から容易に理解できるであろう。更に、長方形の4つの角が丸みを帯びた「角丸長方形」も含み得ることは、本発明の趣旨から容易に理解できるであろう。なお、以下において回転アーム15に設けられる貫通孔41の「角丸長方形」とは、二つの等しい長さの平行線の長手方向となる長軸が、板状の形状をなす回転アーム15の長手方向に沿った角丸長方形を意味する。
第1保持軸21は、柱軸方向に測った長さがトイレットペーパーの紙幅より長い第1の円柱状をなしている。以下において「紙幅」は、トイレットペーパーの紙幅を意味する。なお、以下において、「ロール紙」はトイレットペーパーのロール紙を意味し、特に「第1ロール紙」は、トイレットペーパーの第1ロール紙を意味し、「第2ロール紙」は、トイレットペーパーの第2ロール紙を意味する。第1保持軸21の円柱の柱軸方向が第2の主面に垂直となるように、第2の主面の上端側に第1の円柱状の一方の底面が固定され、第1の円柱状の他方の底面の一部に第3片持ちピン35が設けられている。第1保持軸21の第1の円柱状の部分に第1ロール紙を保持可能である。第2保持軸23は第1保持軸21と同一の柱軸方向の長さを有する第2の円柱状をなしている。第2保持軸23は第1保持軸21と平行に、第2の円柱状の一方の底面が第2の主面の下端側に固定され、第2の円柱状の他方の底面の一部に第4片持ちピン37が設けられている。第2保持軸23の第2の円柱状の部分に第2ロール紙を保持可能である。可動域制限部30は、第2保持軸23と平行に筒軸方向を定義し、貫通孔41を囲むように第2の主面に筒軸方向の一方の端部が固定された筒状の構造である。回転軸27は、第1保持軸21と平行に、可動域制限部30内の空間及び貫通孔41を貫通し、第1保持軸21よりも長い。
図3に示したような既設された紙巻器の本体左側板51及び本体右側板53に挟み込まれるために、第1の実施の形態に係る衛生設備器具は、更に、図1に示すように第1支持部13と第2支持部11を備える。第1支持部13は、第1の主面と平行に第1の主面に隣接して配置され、下端に回転軸27の一方の端部が貫通孔41を貫通して垂直に固定され、上端に第1片持ちピン31又は第2片持ちピン33を着脱自在に嵌合する凹部を有する。第2支持部11は、回転アーム15と平行に、回転アーム15から第1保持軸21の柱軸方向の長さ以上に離間して配置された板状をなし、下端に回転軸27の他方の端部が垂直に固定され、上端に第3片持ちピン35又は第4片持ちピン37を着脱自在に嵌合する凹部を有する。
図2(a)及び(b)に示すように、第1本体固定部17は、板状部材である第2支持部11の側面上部に設けられ、図2(a)及び(c)に示すように、第2本体固定部19は、板状部材である第1支持部13の側面上部に設けられている。第1の実施の形態に係る衛生設備器具は、既設の紙巻器の本体左側板51及び本体右側板53のそれぞれの内側に設けられているくぼみに、図3(a)及び(b)に示す第1本体固定部17及び第2本体固定部19を嵌め込んで設置される。既に述べたとおり、従来の紙巻器においては、図3に示すように、本体左側板51及び本体右側板53のそれぞれの内側には、ロール紙に挿入される既設(従来)の支持軸の両端を嵌め込むためのくぼみが設けられている。
図1においては、回転アーム15の一方の面(第2の主面)の上端側に垂直に固定されている第1保持軸21は第1の実施の形態に係る衛生設備器具の全体の上段(使用位置)に、回転アーム15の第2の主面の下端側に垂直に固定されている第2保持軸23は第1の実施の形態に係る衛生設備器具の全体の下段(予備位置)に位置している。回転アーム15の中央部には、長軸が第1の主面の長手方向に平行に沿った角丸長方形からなる貫通孔41を有する。第1保持軸21より下方かつ第2保持軸23より上方に、貫通孔41を囲むように、筒状の可動域制限部30が回転アーム15の第2の主面の中央部に垂直に固定されている。第1保持軸21及び第2保持軸23、可動域制限部30はそれぞれ互いに平行である。第1保持軸21及び第2保持軸23は、トイレットペーパーのロール紙の紙幅より長い円柱状(第1及び第2の円柱状)をなし、それぞれロール紙に挿入される支持軸となる。
図1に示すように、可動域制限部30は、右側の端部が回転アーム15の第2の主面の中央部に垂直に固定された中空円柱部25と、中空円柱部25の内壁面に内接して固定された中空長円柱状の摺動制御部29から構成される。本明細書中において「長円柱」とは、円柱構造の互いに平行な上面及び下面が角丸長方形(長円)である円柱のことを言う。摺動制御部29の中空部分が有する角丸長方形状の断面は、貫通孔41の角丸長方形状の面と互いに平行で同一形状である。摺動制御部29の角丸長方形状の断面を貫通孔41の角丸長方形状の面の方に平行移動させると、両者は過不足なく重なる位置関係と形状となっている。回転軸27は、可動域制限部30の摺動制御部29及び貫通孔41を貫通するが、摺動制御部29へ直接固定されず、摺動制御部29の内部を回転しながら、摺動制御部29の断面がなす角丸長方形の長軸に沿った摺動移動(平行移動)が可能である。回転軸27の可動域は、摺動制御部29の中空部分及び貫通孔41により移動方向と共に制限されている。
図1においては、摺動制御部29は、中空円柱部25の回転アーム15に固定されていない方の端部近傍の内壁面に内接して固定されているが、固定箇所は、中空円柱部25の内壁面であれば中空円柱部25の端部近傍でなくてもかまわない。又、摺動制御部29の中空部分の断面の角丸長方形の長軸の長さは、回転アーム15の回転時に必要な摺動距離に合わせて適宜調整すれば良い。
図1に示すように、板状の回転アーム15の他方の面(第1の主面)の一方の端部(図1において上端)には第1片持ちピン31、第1の主面の他方の端部(図1において下端)には、第1片持ちピン31と同一方向に延びるように第2片持ちピン33が固定されている。第1保持軸21の一方の端部(図1において左端)には、第1片持ちピン31と同一の高さかつ第1片持ちピン31と反対方向に延びるように、第3片持ちピン35が固定されている。第2保持軸23の一方の端部(図1において左端)には、第2片持ちピン33と同一の高さかつ第3片持ちピン35と同一方向に延びるように、第4片持ちピン37が固定されている。
図1に示すように、回転軸27の一方の端部(図1において左端)は板状の第2支持部11の下端部に垂直に固定され、回転軸27の他方の端部(図1において右端)は板状の第1支持部13の下端部に垂直に固定されている。第1支持部13及び第2支持部11、回転軸27とでコの字型を形成する。第1支持部13は回転アーム15の第1の主面と平行であり、第1の主面に隣接するように配置されている。第2支持部11は回転アーム15と平行であり、回転アーム15から第1保持軸21の長さ以上離間し、回転アーム15と共に第1保持軸21及び可動域制限部30を挟むようにして配置されている。第1支持部13の上端部には第1片持ちピン31又は第2片持ちピン33を着脱自在に嵌合することが可能なU字型の凹部(ピン溝)が設けられている。同様に、第2支持部11の上端部には第3片持ちピン35又は第4片持ちピン37を着脱自在に嵌合することが可能なU字型の凹部(ピン溝)が設けられている。第1支持部13のピン溝の深さや形状は、第1片持ちピン31又は第2片持ちピン33が着脱自在に嵌合することが可能であればいずれでもよく、図1のような丸みを帯びた形状でなくても、又、図1より深くても構わない。第2支持部11のピン溝についても同様である。
第2支持部11及び第1支持部13の両ピン溝にそれぞれ、第3片持ちピン35及び第1片持ちピン31が嵌め合わさっている場合、すなわち第1保持軸21が図1のように使用位置に位置している場合は、回転軸27は、摺動制御部29の中空部分及び貫通孔41の各中央部を貫通するように位置する。同様に、第2支持部11及び第1支持部13の両ピン溝にそれぞれ、第4片持ちピン37及び第2片持ちピン33が嵌め合わさっている場合、すなわち第2保持軸23が図1の第1保持軸21の位置に取って代わる場合も、回転軸27は、摺動制御部29の中空部分及び貫通孔41の各中央部を貫通するように位置する。
第1保持軸21及び第2保持軸23の素材は、ロール紙を保持するために必要な強度を有するものであればいずれでも良い。例えば、繊維強化プラスチック(FRP)などの各種プラスチックや木材、金属などである。円柱形状の内部に何らかの素材が充填されているタイプでも良いし、軽量化のため、内部が空洞となっているタイプでも良い。円柱形状の側面に相当する曲面は、ロール紙が回転しやすいように摩擦係数が小さいものが望ましい。又、ロール紙の回転に合わせて円柱状の曲面が回転するタイプの構造でも良い。更に、表面に抗菌加工がされた素材でも良い。
その他の部材、例えば可動域制限部30及び回転軸27、第2支持部11、第1支持部13、回転アーム15等の素材は、厚みを薄くしても強度を保てるものであればいずれでも良い。例えば、FRPなどの各種プラスチックや木材、金属などである。又、形状についても、例えば、図1によれば回転アーム15は角丸長方形の面を有する板状形状であるが、角のある長方形の面を有する板状形状でも良い。
冒頭で述べたとおり、第1の実施の形態に係る衛生設備器具は、図3(a)及び(b)に示すように、ロール紙を保持する紙巻器の本体左側板51及び本体右側板53の間に嵌め込まれて用いられる補助器具である。既設の紙巻器本体は、本体左側板51及び本体右側板53が本体背面板55に結合した構造である。紙切り板57は本体背面板55に結合し、結合部分を軸として上下に動かすことが可能であり、トイレットペーパーの使用時には、紙を押さえて任意の長さに切り取る機能を有する。第1の実施の形態に係る衛生設備器具の回転軸27及び第1保持軸21、第2保持軸23、中空円柱部25の横幅や太さは任意であり、既設の紙巻器本体に嵌め込むことができるように適宜調整すれば良い。
図4(a)及び(b)はそれぞれ、図3(a)及び(b)の状態に第1ロール紙65及び第2ロール紙67を設置した状態の図である。第1ロール紙65は使用位置にあり、第2ロール紙67は予備位置にある。紙切り板57が使用位置にある第1ロール紙65を埃やその他の汚れから保護し、より衛生的に第1ロール紙65を保管・使用する機能も兼ねている。トイレットペーパー(ロール紙)の設置の仕方は、衛生設備器具の全体の下段に位置する保持軸、すなわち図4(a)においては予備位置にある第2保持軸23の左側の開放部分からトイレットペーパーを差し込むだけで良い。両保持軸と可動域制限部30との間隔は、トイレットペーパーを設置できる程度に確保されていれば良い。
第1の実施の形態に係る衛生設備器具の使用によるトイレットペーパーの交換については、図5の(a)〜(d)の各図を用いて説明する。図5(a)は使用位置にあった第1ロール紙65を使用し終えた直後の状態であり、使用済みのロール紙の紙管69が第1保持軸21に保持されたままとなっている。この状態において、予備位置にある第2ロール紙67、又は、第2保持軸23を掴み、回転アーム15ごと矢印の方向に持ち上げると、図5(b)の状態となる。
図5(b)に示すように、第2支持部11の上端部の保持軸用のピン溝に嵌め合わされていた第3片持ちピン35はピン溝からはずれる。図示は省略するが、第2支持部11の反対側においても同様に、第1支持部13の上端部の保持軸用のピン溝に嵌め合わされていた第1片持ちピン31がピン溝からはずれる。第3片持ちピン35及び第1片持ちピン31が両ピン溝への嵌合状態から解放されたことにより、第1保持軸21は図5(b)の第2支持部11の左方(壁61に近づく方向)や右方(壁61から遠ざかる方向)に自在に動かすことができるようになる。
回転アーム15の下部を図5(b)の矢印の方向、すなわち右斜め上方に持ち上げると、回転軸27を中心に回転アーム15が回転し、図5(c)の中間状態となる。図5(c)に示すように、図5(a)において使用位置にあった使用済みのロール紙の紙管69は、第1保持軸21ごと下方に移動し、図5(a)において予備位置にあった第2ロール紙67及び第2保持軸23は、第1保持軸21より上方に位置することになる。回転アーム15が図5(c)の右方に移動するにつれ、第2支持部11は第1本体固定部17を中心に回転して、第2支持部11の下部が図5(c)の右方に移動する。
図示は省略するが、第1支持部13についても同様に連動して動く。この位置から更に図5(c)の矢印の方向に第2保持軸23を移動させ、第2支持部11の上端部のピン溝に第4片持ちピン37を嵌め合わせると、図5(d)の状態となる。図5(d)に示すように、図5(a)において使用位置にあった使用済みのロール紙の紙管69は予備位置に移動し、図5(a)において予備位置にあった第2ロール紙67が使用位置に移動し、トイレットペーパーの交換が完了したことになる。第2ロール紙67は直ちに使用することができる。予備位置にあるロール紙の紙管69は、第1保持軸21から容易に除くことができ、更に、第1保持軸21には新しい予備のトイレットペーパーを容易に差し込むことができる。
図5の(a)〜(d)の各図について回転軸27を中心に拡大した図が、図6の(a)〜(d)の各図である。図6(a)に示すように、回転軸27は端部で手前側にある第2支持部11に垂直に固定され、可動域制限部30は端部で奥側にある回転アーム15に垂直に固定されている。回転軸27は可動域制限部30の中央部に位置する。回転アーム15ごと可動域制限部30が上方にスライド(摺動)すると、図6(b)の状態となる。図6(b)に示すように、回転軸27及び第2支持部11の位置は変わらず、可動域制限部30の構成部材である摺動制御部29の中空部分の下部に回転軸27が位置している。
回転アーム15が回転すると、回転軸27は図6(b)における摺動制御部29の中空部分の上部であった位置に配置され、第2支持部11の長手方向が鉛直方向から角度のついた図6(c)の状態となる。回転アーム15が回転軸27を中心として180度回転し、トイレットペーパー交換が完了すると、図6(d)の状態となる。図6(d)に示すように、再び、回転軸27は可動域制限部30の中央部に位置する。
第1の実施の形態に係る衛生設備器具によれば、片手での簡便な操作で新しいトイレットペーパーを使用位置に設置することができるので、トイレットペーパー交換の手間や時間をかからないようにできる。かつ、交換作業途中で誤って衛生設備器具を手から離してしまったとしても、回転軸27を中心に、より大きな荷重がかけられている方の保持軸、すなわちトイレットペーパーの残量が多い方の保持軸が予備位置付近に移動するのみで床には落下しない構造であるので、トイレットペーパー自体の落下の危険性を少なくすることができる。第1の実施の形態に係る衛生設備器具に何らかの強い衝撃が加わり、保持軸が両支持部の両ピン溝との嵌合状態から解放されてしまった場合でも同様である。
更に、トイレットペーパー交換の後は、使用済みのロール紙の紙管を除かなくとも、新しいトイレットペーパーを直ちに使用することができる利点がある。又、使用済みのロール紙の紙管の回収や予備のトイレットペーパーの設置についても、紙管やトイレットペーパーの着脱をするのみであり、さらなる特別な操作をすることなく行える。なお、JIS規格(JIS P 4501)から外れた芯(紙管)がないタイプのトイレットペーパーであっても、芯なしペーパー用芯棒の構造に合わせるように第1保持軸21及び第2保持軸23の形状を変形すれば、第1の実施の形態に係る衛生設備器具は使用可能である。
(第1の実施の形態の変形例)
図7に示すように、第1の実施の形態の変形例に係る衛生設備器具は、互いに対向する第1及び第2の主面を有し、第1の主面の長手方向の両端部に第1片持ちピン31及び第2片持ちピン33が設けられ、角丸長方形からなる貫通孔41を中央に有する板状の回転アーム15を備える。そして、第1の実施の形態の変形例に係る衛生設備器具は更に、第1の円柱状をなし、その柱軸方向に測った長さが紙幅より長く、且つその柱軸方向が第2の主面に垂直となるように、第2の主面の上端側に第1の円柱状の一方の底面が固定され、第1の円柱状の他方の底面の一部に第3片持ちピン35が設けられた第1保持軸21と、第1保持軸21と同一の柱軸方向の長さを有する第2の円柱状をなし、第1保持軸21と平行に、第2の円柱状の一方の底面が第2の主面の下端側に固定され、第2の円柱状の他方の底面の一部に第4片持ちピン37が設けられた第2保持軸23を備える。第1保持軸21は、第1の円柱状の部分に第1ロール紙を保持可能であり、第2保持軸23は、第2の円柱状の部分に第2ロール紙を保持可能である。
第1の実施の形態の変形例に係る衛生設備器具は更に、第2保持軸23と平行に筒軸方向を定義し、貫通孔41を囲むように第2の主面に筒軸方向の一方の端部が固定された筒状の可動域制限部30と、第1保持軸21と平行に、可動域制限部30内の空間及び貫通孔41を貫通する、第1保持軸21よりも長い回転軸27と、第1の主面と平行に第1の主面に隣接して配置され、下端に回転軸27の一方の端部が貫通孔41を貫通して垂直に固定され、上端に第1片持ちピン31又は第2片持ちピン33を着脱自在に嵌合する凹部を有する第1支持部13と、回転アーム15と平行に、回転アーム15から第1保持軸21の柱軸方向の長さ以上に離間して配置された板状をなし、下端に回転軸27の他方の端部が垂直に固定され、上端に第3片持ちピン35又は第4片持ちピン37を着脱自在に嵌合する凹部を有する第2支持部11をも備え、既設の紙巻器の本体左側板51及び本体右側板53の間に懸架される(図3参照。)。
図7に示すように、第1の実施の形態の変形例に係る衛生設備器具については、第1の実施の形態に係る衛生設備器具との相違点は摺動制御部29の構造のみである。第1の実施の形態の変形例に係る衛生設備器具のその他の構造や構造間の関係、素材、使用方法、発明の効果等については、第1の実施の形態に係る衛生設備器具と同様である。
図7に示すように、第1の実施の形態の変形例に係る衛生設備器具の摺動制御部29は、中空円柱部25と同様、一方の端部が回転アーム15の中央部に垂直に固定されている。摺動制御部29の中空部分は長円柱状であり、中空部分の断面は貫通孔41の面と同一形状の角丸長方形であり、その中空部分を貫通孔41に合わせるように、摺動制御部29が回転アーム15に固定されている。回転軸27は、可動域制限部30の中空部分及び貫通孔41を貫通するが、可動域制限部30へ直接固定されてはいない。回転軸27の可動域は、摺動制御部29の中空部分及び貫通孔41により制限されている。
第1の実施の形態の変形例に係る衛生設備器具によれば、第1の実施の形態に係る衛生設備器具同様、片手での簡便な操作で新しいトイレットペーパーを使用位置に設置することができるので、トイレットペーパー交換の手間や時間をかからないようにできる。かつ、交換作業途中で誤って衛生設備器具を手から離してしまったとしても、あるいは衛生設備器具に何らかの強い衝撃が加わり、保持軸が両支持部の両ピン溝との嵌合状態から解放されてしまった場合でも、回転軸27を中心に、より大きな荷重がかけられている方の保持軸、すなわちトイレットペーパーの残量が多い方の保持軸が予備位置付近に移動するのみで床には落下しない構造であるので、トイレットペーパー自体の落下の危険性を少なくすることができる。
(第2の実施の形態)
図8に示すように、本発明の第2の実施の形態に係る衛生設備器具は、互いに対向する第1及び第2の主面を有し、第1の主面の長手方向の両端部に第1片持ちピン31及び第2片持ちピン33が設けられ、角丸長方形からなる貫通孔41を中央に有する板状の回転アーム15を備える。そして、第2の実施の形態に係る衛生設備器具は更に、第1の円柱状をなし、その柱軸方向に測った長さが紙幅より長く、且つその柱軸方向が第2の主面に垂直となるように、第2の主面の上端側に第1の円柱状の一方の底面が固定され、第1の円柱状の他方の底面の一部に第3片持ちピン35が設けられた第1保持軸21と、第1保持軸21と同一の柱軸方向の長さを有する第2の円柱状をなし、第1保持軸21と平行に、第2の円柱状の一方の底面が第2の主面の下端側に固定され、第2の円柱状の他方の底面の一部に第4片持ちピン37が設けられた第2保持軸23を備える。第1保持軸21は、第1の円柱状の部分に第1ロール紙を保持可能であり、第2保持軸23は、第2の円柱状の部分に第2ロール紙を保持可能である。
第2の実施の形態に係る衛生設備器具は更に、第2保持軸23と平行に筒軸方向を定義し、貫通孔41を囲むように第2の主面に筒軸方向の一方の端部が固定された筒状の可動域制限部30と、第1保持軸21と平行に、可動域制限部30内の空間及び貫通孔41を貫通する、第1保持軸21よりも長い回転軸27と、第1の主面と平行に第1の主面に隣接して配置され、下端に回転軸27の一方の端部が貫通孔41を貫通して垂直に固定され、上端に第1片持ちピン31又は第2片持ちピン33を着脱自在に嵌合する凹部を有する第1支持部13と、回転アーム15と平行に、回転アーム15から第1保持軸21の柱軸方向の長さ以上に離間して配置された板状をなし、下端に回転軸27の他方の端部が垂直に固定され、上端に第3片持ちピン35又は第4片持ちピン37を着脱自在に嵌合する凹部を有する第2支持部11をも備え、既設の紙巻器の本体左側板51及び本体右側板53の間に懸架される(図3参照。)。
第1本体固定部17が第2支持部11の側面上部に設けられ、第2本体固定部19が第1支持部13の側面上部に設けられ(図2参照。)、既設の紙巻器の本体左側板51及び本体右側板53のそれぞれの内側に設けられているくぼみに、第1本体固定部17及び第2本体固定部19を嵌め込んで設置される。
図8に示すように、本発明の第2の実施の形態に係る衛生設備器具については、第1の実施の形態に係る衛生設備器具との相違点は可動域制限部30の構造のみである。本発明の第2の実施の形態に係る衛生設備器具のその他の構造や構造間の関係、素材、使用方法、発明の効果等については、第1の実施の形態に係る衛生設備器具と同様である。
図8に示すように、本発明の第2の実施の形態に係る衛生設備器具の可動域制限部30は、長円柱状の中空部分を有する円柱構造であり、一方の端部が回転アーム15の中央部に垂直に固定されている。図8の可動域制限部30の中空部分の垂直な断面は貫通孔41と同一形状であり、可動域制限部30の中空部分を貫通孔41に合わせるように可動域制限部30が回転アーム15に固定されている。回転軸27は、可動域制限部30の中空部分及び貫通孔41を貫通するが、可動域制限部30へ直接固定されてはいない。回転軸27の可動域は、可動域制限部30の中空部分及び貫通孔41により制限されている。
本発明の第2の実施の形態に係る衛生設備器具によれば、第1の実施の形態に係る衛生設備器具同様、片手での簡便な操作で新しいトイレットペーパーを使用位置に設置することができるので、トイレットペーパー交換の手間や時間をかからないようにできる。かつ、交換作業途中で誤って衛生設備器具を手から離してしまったとしても、あるいは衛生設備器具に何らかの強い衝撃が加わり、保持軸が両支持部の両ピン溝との嵌合状態から解放されてしまった場合でも、回転軸27を中心に、より大きな荷重がかけられている方の保持軸、すなわちトイレットペーパーの残量が多い方の保持軸が予備位置付近に移動するのみで床には落下しない構造であるので、トイレットペーパー自体の落下の危険性を少なくすることができる。
(第3の実施の形態)
図9に示すように、本発明の第3の実施の形態に係る衛生設備器具は、互いに対向する第1及び第2の主面を有し、第1の主面の長手方向の両端部に第1片持ちピン31及び第2片持ちピン33が設けられ、角丸長方形からなる貫通孔41を中央に有する板状の回転アーム15を備える。そして、第3の実施の形態に係る衛生設備器具は更に、紙幅より長い第1の円柱状をなし、その柱軸方向が第2の主面に垂直となるように、第2の主面の上端側に第1の円柱状の一方の底面が固定され、第1の円柱状の他方の底面の一部に第3片持ちピン35が設けられた第1保持軸21と、第1保持軸21と同一の柱軸方向の長さを有する第2の円柱状をなし、第1保持軸21と平行に、第2の円柱状の一方の底面が第2の主面の下端側に固定され、第2の円柱状の他方の底面の一部に第4片持ちピン37が設けられた第2保持軸23を備える。第1保持軸21は、第1の円柱状の部分に第1ロール紙を保持可能であり、第2保持軸23は、第2の円柱状の部分に第2ロール紙を保持可能である。
第3の実施の形態に係る衛生設備器具は更に、第2保持軸23と平行に筒軸方向を定義し、貫通孔41を囲むように第2の主面に筒軸方向の一方の端部が固定された筒状の可動域制限部30と、第1保持軸21と平行に、可動域制限部30内の空間及び貫通孔41を貫通する、第1保持軸21よりも長い回転軸27と、第1の主面と平行に第1の主面に隣接して配置され、下端に回転軸27の一方の端部が貫通孔41を貫通して垂直に固定され、上端に第1片持ちピン31又は第2片持ちピン33を着脱自在に嵌合する凹部を有する第1支持部13と、回転アーム15と平行に、回転アーム15から第1保持軸21の柱軸方向の長さ以上に離間して配置された板状をなし、下端に回転軸27の他方の端部が垂直に固定され、上端に第3片持ちピン35又は第4片持ちピン37を着脱自在に嵌合する凹部を有する第2支持部11をも備え、既設の紙巻器の本体左側板51及び本体右側板53の間に懸架される(図3参照。)。
第1本体固定部17が第2支持部11の側面上部に設けられ、第2本体固定部19が第1支持部13の側面上部に設けられ(図2参照。)、既設の紙巻器の本体左側板51及び本体右側板53のそれぞれの内側に設けられているくぼみに、第1本体固定部17及び第2本体固定部19を嵌め込んで設置される。
図9に示すように、本発明の第3の実施の形態に係る衛生設備器具については、第1の実施の形態に係る衛生設備器具との相違点は可動域制限部30の構造のみである。本発明の第3の実施の形態に係る衛生設備器具のその他の構造や構造間の関係、素材、使用方法、発明の効果等については、第1の実施の形態に係る衛生設備器具と同様である。
図9に示すように、本発明の第3の実施の形態に係る衛生設備器具の可動域制限部30は、長円柱状の中空部分を有する長円柱構造であり、一方の端部が回転アーム15の中央部に垂直に固定されている。図9の可動域制限部30の中空部分の断面は貫通孔41の面と同一形状であり、可動域制限部30の中空部分を貫通孔41に合わせるように可動域制限部30が回転アーム15に固定されている。回転軸27は、可動域制限部30の中空部分及び貫通孔41を貫通するが、可動域制限部30へ直接固定されてはいない。回転軸27の可動域は、可動域制限部30の中空部分及び貫通孔41により制限されている。
本発明の第3の実施の形態に係る衛生設備器具によれば、第1及び第2の実施の形態に係る衛生設備器具同様、片手での簡便な操作で新しいトイレットペーパーを使用位置に設置することができるので、トイレットペーパー交換の手間や時間をかからないようにできる。かつ、交換作業途中で誤って衛生設備器具を手から離してしまったとしても、あるいは衛生設備器具に何らかの強い衝撃が加わり、保持軸が両支持部の両ピン溝との嵌合状態から解放されてしまった場合でも、回転軸27を中心に、より大きな荷重がかけられている方の保持軸、すなわちトイレットペーパーの残量が多い方の保持軸が予備位置付近に移動するのみで床には落下しない構造であるので、トイレットペーパー自体の落下の危険性を少なくすることができる。
(第4の実施の形態)
図10(a)、(b)、(c)に示すように、本発明の第4の実施の形態に係る衛生設備器具は、互いに対向する第1及び第2の主面を有し、第1の主面の長手方向の両端部に第1片持ちピン31及び第2片持ちピン33が設けられ、角丸長方形からなる貫通孔41を中央に有する板状の回転アーム15を備える。そして、第4の実施の形態に係る衛生設備器具は更に、紙幅より長い第1の円柱状をなし、その柱軸方向が第2の主面に垂直となるように、第2の主面の上端側に第1の円柱状の一方の底面が固定され、第1の円柱状の他方の底面の一部に第3片持ちピン35が設けられた第1保持軸21と、第1保持軸21と同一の柱軸方向の長さを有する第2の円柱状をなし、第1保持軸21と平行に、第2の円柱状の一方の底面が第2の主面の下端側に固定され、第2の円柱状の他方の底面の一部に第4片持ちピン37が設けられた第2保持軸23を備える。第1保持軸21は、第1の円柱状の部分に第1ロール紙を保持可能であり、第2保持軸23は、第2の円柱状の部分に第2ロール紙を保持可能である。
第4の実施の形態に係る衛生設備器具は更に、第2保持軸23と平行に筒軸方向を定義し、貫通孔41を囲むように第2の主面に筒軸方向の一方の端部が固定された筒状の可動域制限部30と、第1保持軸21と平行に、可動域制限部30内の空間及び貫通孔41を貫通する、第1保持軸21よりも長い回転軸27と、第1の主面と平行に第1の主面に隣接して配置され、下端に回転軸27の一方の端部が貫通孔41を貫通して垂直に固定され、上端に第1片持ちピン31又は第2片持ちピン33を着脱自在に嵌合する凹部を有する第1支持部14と、回転アーム15と平行に、回転アーム15から第1保持軸21の柱軸方向の長さ以上に離間して配置された板状をなし、下端に回転軸27の他方の端部が垂直に固定され、上端に第3片持ちピン35又は第4片持ちピン37を着脱自在に嵌合する凹部を有する第2支持部11をも備え、既設の紙巻器の本体左側板51及び本体右側板53の間に懸架される(図3参照。)。
第1本体固定部17が第2支持部11の側面上部に設けられ、第2本体固定部19が第1支持部14の上部に設けられ、既設の紙巻器の本体左側板51及び本体右側板53のそれぞれの内側に設けられているくぼみに、第1本体固定部17及び第2本体固定部19を嵌め込んで設置される。
図10(a)、(c)、(d)に示すように、本発明の第4の実施の形態に係る衛生設備器具については、第1の実施の形態に係る衛生設備器具の構成部材のうちの第1支持部13の代わりに、棒状の第1支持部14を有する点で相違する。本発明の第4の実施の形態に係る衛生設備器具のその他の構造や構造間の関係、素材、使用方法、発明の効果等については、第1の実施の形態に係る衛生設備器具と同様である。
図10(a)、(c)、(d)に示すように、本発明の第4の実施の形態に係る衛生設備器具の第1支持部14は、第1の実施の形態に係る衛生設備器具の板状の第1支持部13と異なり、棒状構造である。なお、以下において、「棒状」には円柱状、楕円柱状、角の丸い多角形柱状等、一般に「棒」と呼ばれるタイプの形状を広く含みうる。
本発明の第4の実施の形態に係る衛生設備器具によれば、第1〜第3の実施の形態に係る衛生設備器具同様、片手での簡便な操作で新しいトイレットペーパーを使用位置に設置することができるので、トイレットペーパー交換の手間や時間をかからないようにできる。かつ、交換作業途中で誤って衛生設備器具を手から離してしまったとしても、あるいは衛生設備器具に何らかの強い衝撃が加わり、保持軸が両支持部の両ピン溝との嵌合状態から解放されてしまった場合でも、回転軸27を中心に、より大きな荷重がかけられている方の保持軸、すなわちトイレットペーパーの残量が多い方の保持軸が予備位置付近に移動するのみで床には落下しない構造であるので、トイレットペーパー自体の落下の危険性を少なくすることができる。
更に、第1支持部14が棒状であるため、角のある板状の場合よりも、トイレットペーパー交換操作の際に手指に怪我をしにくいという効果がある。回転アーム15と第1支持部14とは構造的に接近しているため、トイレットペーパー交換操作の際、回転アーム15を回転させると第1支持部14との間で手指を挟みやすい。しかし、第1支持部14が棒状であるため、仮に手指を挟んだ場合でも怪我をしにくいのである。
(第5の実施の形態)
既に第1の実施の形態に係る衛生設備器具の説明で述べたとおり、本発明の衛生設備器具は、既存の紙巻器の本体左側板51及び本体右側板53の間に嵌め込まれて用いられる。図3〜図5を用いて説明したとおり、既設の紙巻器本体には、通常、紙切り板57が本体背面板55に結合されている。紙切り板57は結合部分を軸として上下に動かすことが可能である。このため、トイレットペーパーの使用時には、紙切り板57が上段側の使用位置にある第1ロール紙65又は第2ロール紙67の紙を押さえて切り取る機能と共に、使用位置にある第1ロール紙65又は第2ロール紙67を埃やその他の汚れから保護する。このように、第1〜第4の実施の形態で説明した衛生設備器具によれば、使用位置にあるロール紙は衛生的に保管される。しかしながら、第1〜第4の実施の形態で説明した衛生設備器具では、下段側の予備位置にある第1ロール紙65又は第2ロール紙67を埃やその他の汚れから保護する構造については、考慮がされていなかった。
図11(a)及び(b)に示すように、本発明の第5の実施の形態に係る衛生設備器具は、第1〜第4の実施の形態で説明した衛生設備器具の構造に加え、第1ロール紙カバー71及び第2ロール紙カバー73を含む「ロール紙カバー」を有する点が相違する。第1ロール紙カバー71及び第2ロール紙カバー73のそれぞれは、図11(a)及び(b)に示すように、回転アーム15に固定されている。第1ロール紙カバー71の形状は、第1保持軸21に第1ロール紙を差し込む際や、第1ロール紙を使用位置で使用する際に障害とならない形状であれば多様な形状が採用可能である。例えば山型、アーケード型、蒲鉾型、ヴォールト(穹窿)型、部分円筒型等の形状が採用可能であるが、ロール紙の表面に位置するトイレットペーパーを保護する目的のためには、自己の母線の方向が、第1保持軸21の柱軸方向に平行な曲面であることが好ましい。第2ロール紙カバー73の形状も第2保持軸23に第2ロール紙を差し込む際や、第2ロール紙を使用位置で使用する際に障害とならない形状であれば多様な形状が採用可能であるが、母線の方向が、第2保持軸23の柱軸方向に平行な曲面であることが好ましい。
なお、図11(a)及び(b)に示すように、本発明の第5の実施の形態に係る衛生設備器具は、第1〜第4の実施の形態で説明した衛生設備器具の構造と同様に、互いに対向する第1及び第2の主面を有し、第1の主面の長手方向の両端部に第1片持ちピン31及び第2片持ちピン33が設けられ、角丸長方形からなる貫通孔41を中央に有する板状の回転アーム15を備える。更に、第1〜第4の実施の形態で説明した衛生設備器具の構造と同様に、第5の実施の形態に係る衛生設備器具は更に、紙幅より長い第1の円柱状をなし、その柱軸方向が第2の主面に垂直となるように、第2の主面の上端側に第1の円柱状の一方の底面が固定され、第1の円柱状の他方の底面の一部に第3片持ちピン35が設けられた第1保持軸21と、第1保持軸21と同一の柱軸方向の長さを有する第2の円柱状をなし、第1保持軸21と平行に、第2の円柱状の一方の底面が第2の主面の下端側に固定され、第2の円柱状の他方の底面の一部に第4片持ちピン37が設けられた第2保持軸23を備える。第1保持軸21は、第1の円柱状の部分に第1ロール紙を保持可能であり、第2保持軸23は、第2の円柱状の部分に第2ロール紙を保持可能である。
第5の実施の形態に係る衛生設備器具は更に、第2保持軸23と平行に筒軸方向を定義し、貫通孔41を囲むように第2の主面に筒軸方向の一方の端部が固定された筒状の可動域制限部30と、第1保持軸21と平行に、可動域制限部30内の空間及び貫通孔41を貫通する、第1保持軸21よりも長い回転軸27と、第1の主面と平行に第1の主面に隣接して配置され、下端に回転軸27の一方の端部が貫通孔41を貫通して垂直に固定され、上端に第1片持ちピン31又は第2片持ちピン33を着脱自在に嵌合する凹部を有する第1支持部13と、回転アーム15と平行に、回転アーム15から第1保持軸21の柱軸方向の長さ以上に離間して配置された板状をなし、下端に回転軸27の他方の端部が垂直に固定され、上端に第3片持ちピン35又は第4片持ちピン37を着脱自在に嵌合する凹部を有する第2支持部11をも備え、既設の紙巻器の本体左側板51及び本体右側板53の間に懸架される。
第1本体固定部17が第2支持部11の側面上部に設けられ、第2本体固定部19が第1支持部13の側面上部に設けられ、既設の紙巻器の本体左側板51及び本体右側板53のそれぞれの内側に設けられているくぼみに、第1本体固定部17及び第2本体固定部19を嵌め込んで設置される。図11に示した第1保持軸21が上段、第2保持軸23が下段の回転アーム15の配向においては、第2ロール紙カバー73が予備状態となっている第2ロール紙67の上を被覆することにより、第2ロール紙67が大気中の埃等によって汚染されることを防止し、予備状態の第2ロール紙67を清潔に維持できる。図11とは逆に、第1保持軸21が下段、第2保持軸23が上段となる回転アーム15の配向状態になった場合は、第1保持軸21に保持される第1ロール紙65が予備状態となる。図示を省略した第2保持軸23が上段、第1保持軸21が下段の配向となった場合は、第1ロール紙カバー71が予備状態である第1ロール紙65の上を被覆して第1ロール紙65が汚染されることを防止し、予備状態である第1ロール紙65を清潔に維持できる。
第1ロール紙カバー71の固定位置は、第1保持軸21にトイレットペーパーを差し込む際や、トイレットペーパーを使用位置で使用する際に障害とならない位置であればいずれでも良いが、第1保持軸21を囲む曲面上に位置することが好ましい。第2ロール紙カバー73の固定位置についても同様であり、第2保持軸23を囲む曲面上に位置することが好ましい。本発明の第5の実施の形態に係る衛生設備器具のその他の構造や構造間の関係、素材、使用方法、発明の効果等については、第1の実施の形態に係る衛生設備器具と同様である。
本発明の第5の実施の形態に係る衛生設備器具によれば、第1〜第4の実施の形態に係る衛生設備器具同様、片手での簡便な操作で新しいトイレットペーパーを使用位置に設置することができるので、トイレットペーパー交換の手間や時間をかからないようにできる。かつ、交換作業途中で誤って衛生設備器具を手から離してしまったとしても、あるいは衛生設備器具に何らかの強い衝撃が加わり、保持軸が両支持部の両ピン溝との嵌合状態から解放されてしまった場合でも、回転軸27を中心に、より大きな荷重がかけられている方の保持軸、すなわちトイレットペーパーの残量が多い方の保持軸が予備位置付近に移動するのみで床には落下しない構造であるので、トイレットペーパー自体の落下の危険性を少なくすることができる。
以上の説明のとおり、本発明の第5の実施の形態に係る衛生設備器具によれば、下段側に位置する第1ロール紙カバー71又は第2ロール紙カバー73のいずれかのロール紙カバーが、予備位置にあるトイレットペーパーを埃やその他の汚れから保護することができるため、より衛生的にトイレットペーパーを保管・使用することが可能となる。
(第5の実施の形態の変形例)
図12(a)及び(b)に示すように、本発明の第5の実施の形態の変形例に係る衛生設備器具は、第1〜第4の実施の形態で説明した衛生設備器具の構造に加え、シャッター型ロール紙カバー77と、第1カバー固定リング75及び第2カバー固定リング76とを更に備える点が相違する。第1カバー固定リング75は、図12(a)及び(b)に示すように、中空円柱部25には直接固定はされていないが、中空円柱部25の円柱形状の外面を一周囲むようなリング状であり、中空円柱部25の柱軸方向に動かすことができ、かつ、中空円柱部25の柱軸に対する垂直な面上を自在に回転することができる。第2カバー固定リング76と中空円柱部25との関係についても同様であり、図12(a)に示すように、第2カバー固定リング76は第1カバー固定リング75の右方に配置されている。図12(a)及び(b)に示すように、シャッター型ロール紙カバー77は第1カバー固定リング75及び第2カバー固定リング76のそれぞれの外面に固定され、予備位置に第2ロール紙67がある場合、すなわち図12(a)及び(b)の場合は、第2ロール紙67のロール面の一部に被さるように配置されている。シャッター型ロール紙カバー77は複数のスラット部から構成され、各スラット部の間で折り曲げることが可能な構造である。
第1の実施の形態と同様に、トイレットペーパー交換は、図12(b)の状態から回転アーム15を回転させ、第2ロール紙67を第2保持軸23ごと使用位置に移動させて行う。シャッター型ロール紙カバー77は、回転アーム15の回転に伴い、第2ロール紙67に接した状態で共に移動する。第2ロール紙67が上方に移動し、使用位置に近くなると、シャッター型ロール紙カバー77は第2ロール紙67から離れる。第1カバー固定リング75及び第2カバー固定リング76がそれぞれ中空円柱部25の柱軸に対する垂直な面上を回転し(図12(b)では反時計回りに回転)、シャッター型ロール紙カバー77は中空円柱部25と壁61の間を通って下方に落ち、中空円柱部25にぶらさがるように位置することになる。シャッター型ロール紙カバー77が下方に落ちる際は、各スラット部間が折り曲がるので、衛生設備器具の他の構造や紙巻器、壁に引っかかることはない。万が一引っかかってしまった場合でも、シャッター型ロール紙カバー77の各スラット部間を更に折り曲げたり、回転アーム15や第1支持部13、第2支持部11を図12(b)の右方に少し引き出して隙間を調整したりすることで、中空円柱部25にぶらさがるように位置させることが可能である。中空円柱部25にぶらさがったシャッター型ロール紙カバー77の下端部は、予備位置に位置することになった第1保持軸21と壁61の間に存在する可能性もあるが、その際は、シャッター型ロール紙カバー77の各スラット部間を折り曲げて第1保持軸21の右方に移動させることが容易に可能である。これにより、第1保持軸21に保持されている紙管を除去した後に新しいトイレットペーパーを挿入した際に、新しいトイレットペーパーをシャッター型ロール紙カバー77で保護することが可能となる。
図13に示すように、シャッター型ロール紙カバー77は、表スラット78k(添え字k=1,2,3…)及び裏スラット79k(添え字k=1,2,3…)からなるスラット部を単位として連続して結合した構造である。表スラット78kは、図13のように衛生設備器具の側面方向から見た場合は、下底の底角αを有する等脚台形形状である。トイレットペーパー交換の際に回転アーム15を回転させる場合には、前述のようにシャッター型ロール紙カバー77を表スラット側へ折り曲げることが必要となるが、この曲がり度合を制限する要因のひとつが底角αの角度である。底角αが小さいほど、シャッター型ロール紙カバー77は表スラット側の方向に大きく折り曲げることが可能となる。又、折り曲げるだけでなく、シャッター型ロール紙カバー77の下側の端部から巻き込んでいくことも可能となる。
又、シャッター型ロール紙カバー77の表スラット側への曲がり度合には、表スラット78kの下底の長さも関与する。αが一定の場合、下底の長さが短く、スラット部の数が多くなるほど、シャッター型ロール紙カバー77は表スラット側の方向に大きく折り曲げることが可能となる。又、折り曲げるだけでなく、シャッター型ロール紙カバー77の下側の端部から巻き込んでいくことも可能となる。
図13における裏スラット79kの形状や曲がり度合の制限についても、表スラット78kと同様である。裏スラット79kの下底の底角βが小さいほど、シャッター型ロール紙カバー77は裏スラット側の方向に大きく折り曲げることが可能となる。又、底角βが一定の場合、下底の長さが短く、スラット部の数が多くなるほど、シャッター型ロール紙カバー77は裏スラット側の方向に大きく折り曲げることが可能となる。
表スラット78k及び裏スラット79kの素材については、繊維強化プラスチック(FRP)などの各種プラスチックや木材、金属等様々用いることができる。内部に何らかの素材が充填されているタイプでも良いし、軽量化のため、内部が空洞となっているタイプでも良い。特に裏スラット79kはロール紙に直接接触するので、表面に抗菌加工がされた素材が好ましい。
シャッター型ロール紙カバー77のスラット部間の結合用の素材については、シャッター型ロール紙カバー77を表スラット側又は裏スラット側に折り曲げることができる素材であればいずれでも良いが、耐久性や運動性能の観点から、ゴム又は樹脂での接着が好ましい。又、折り曲げを妨げないのであれば、各スラット部に細孔を設け、細孔に金属製等のリングを通して各スラット部を結合する形態も可能である。
なお、図12(a)及び(b)に示すように、本発明の第5の実施の形態の変形例に係る衛生設備器具は、第1〜第4の実施の形態で説明した衛生設備器具の構造と同様に、互いに対向する第1及び第2の主面を有し、第1の主面の長手方向の両端部に第1片持ちピン31及び第2片持ちピン33が設けられ、角丸長方形からなる貫通孔41を中央に有する板状の回転アーム15を備える。更に、第1〜第4の実施の形態で説明した衛生設備器具の構造と同様に、第5の実施の形態に係る衛生設備器具は更に、紙幅より長い第1の円柱状をなし、その柱軸方向が第2の主面に垂直となるように、第2の主面の上端側に第1の円柱状の一方の底面が固定され、第1の円柱状の他方の底面の一部に第3片持ちピン35が設けられた第1保持軸21と、第1保持軸21と同一の柱軸方向の長さを有する第2の円柱状をなし、第1保持軸21と平行に、第2の円柱状の一方の底面が第2の主面の下端側に固定され、第2の円柱状の他方の底面の一部に第4片持ちピン37が設けられた第2保持軸23を備える。第1保持軸21は、第1の円柱状の部分に第1ロール紙65を保持可能であり、第2保持軸23は、第2の円柱状の部分に第2ロール紙67を保持可能である。
第5の実施の形態に係る衛生設備器具は更に、第2保持軸23と平行に筒軸方向を定義し、貫通孔41を囲むように第2の主面に筒軸方向の一方の端部が固定された筒状の可動域制限部30と、第1保持軸21と平行に、可動域制限部30内の空間及び貫通孔41を貫通する、第1保持軸21よりも長い回転軸27と、第1の主面と平行に第1の主面に隣接して配置され、下端に回転軸27の一方の端部が貫通孔41を貫通して垂直に固定され、上端に第1片持ちピン31又は第2片持ちピン33を着脱自在に嵌合する凹部を有する第1支持部13と、回転アーム15と平行に、回転アーム15から第1保持軸21の柱軸方向の長さ以上に離間して配置された板状をなし、下端に回転軸27の他方の端部が垂直に固定され、上端に第3片持ちピン35又は第4片持ちピン37を着脱自在に嵌合する凹部を有する第2支持部11をも備え、既設の紙巻器の本体左側板51及び本体右側板53の間に懸架される。
図12(a)に示すように、第1本体固定部17が第2支持部11の側面上部に設けられ、第2本体固定部19が第1支持部13の側面上部に設けられ、既設の紙巻器の本体左側板51及び本体右側板53のそれぞれの内側に設けられているくぼみに、第1本体固定部17及び第2本体固定部19を嵌め込んで設置される。更に、第1支持部13の側面中央部には板バネ状の第1バネ型固定部43の一方の端部が固定され、第1バネ型固定部43の他方の端部は、第2本体固定部19がくぼみに嵌め込まれた際には本体右側板53の側面を外側から押さえつけるように接する。第1バネ型固定部43と第2本体固定部19とで本体右側板53を挟むように配置されるため、第2本体固定部19のみの場合より強固に第1支持部13を既設の紙巻器に固定することが可能となる。第2支持部11の側面中央部に固定されている板バネ状の第2バネ型固定部45についても、形状や機能等は第1バネ型固定部43と同様である。以上のように、本発明の第5の実施の形態の変形例に係る衛生設備器具を例にとり、第1バネ型固定部43及び第2バネ型固定部45を用いた紙巻器への固定方法を示したが、他の実施の形態に対しても本固定方法を導入できることは勿論である。本発明の第5の実施の形態の変形例に係る衛生設備器具のその他の構造や構造間の関係、素材、使用方法、発明の効果等については、第1の実施の形態に係る衛生設備器具と同様である。
図12(a)及び(b)に示した第1保持軸21が上段、第2保持軸23が下段の回転アーム15の配向においては、シャッター型ロール紙カバー77が予備状態となっている第2ロール紙67の上を被覆することにより、第2ロール紙67が大気中の埃等によって汚染されることを防止し、予備状態の第2ロール紙67を清潔に維持できる。図12(a)及び(b)とは逆に、第1保持軸21が下段、第2保持軸23が上段となる回転アーム15の配向状態になった場合は、第1保持軸21に保持される第1ロール紙65が予備状態となる。図示を省略した第2保持軸23が上段、第1保持軸21が下段の配向となった場合は、シャッター型ロール紙カバー77が予備状態である第1ロール紙65の上を被覆して第1ロール紙65が汚染されることを防止し、予備状態である第1ロール紙65を清潔に維持できる。
図12(a)及び(b)、図13において、第5の実施の形態の変形例の衛生設備器具のシャッター型ロール紙カバー77は、第1カバー固定リング75及び第2カバー固定リング76を介して中空円柱部25に接続され、スラット部の数は5であり、各スラット部は表スラットと裏スラットがセットとなった構造である。しかし、予備位置にある第1ロール紙65又は第2ロール紙67を埃その他の汚れから保護することができ、トイレットペーパー交換や補充の動作を妨げず、使用位置でのトイレットペーパーの使用を妨げないのであれば、衛生設備器具の他の構造への接続方法や接続位置、スラット部の数はこれに限ったものではなく、又、表スラット又は裏スラットのいずれか一方しかない構造であっても良い。又、同様の理由で、表スラットと裏スラットとが一体となった構造であり、分割できないような形状でも良い。更に同様の理由で、表スラット及び裏スラットは、図12(b)及び図13においては等脚台形形状であるが、下底の2つの底角が異なるような台形形状でも構わない。
本発明の第5の実施の形態の変形例に係る衛生設備器具によれば、第1〜第4の実施の形態に係る衛生設備器具同様、片手での簡便な操作で新しいトイレットペーパーを使用位置に設置することができるので、トイレットペーパー交換の手間や時間をかからないようにできる。かつ、交換作業途中で誤って衛生設備器具を手から離してしまったとしても、あるいは衛生設備器具に何らかの強い衝撃が加わり、保持軸が両支持部の両ピン溝との嵌合状態から解放されてしまった場合でも、回転軸27を中心に、より大きな荷重がかけられている方の保持軸、すなわちトイレットペーパーの残量が多い方の保持軸が予備位置付近に移動するのみで床には落下しない構造であるので、トイレットペーパー自体の落下の危険性を少なくすることができる。
以上の説明のとおり、本発明の第5の実施の形態の変形例に係る衛生設備器具によれば、シャッター型ロール紙カバー77が予備位置にあるトイレットペーパーを埃やその他の汚れから保護することができるため、より衛生的にトイレットペーパーを保管・使用することが可能となる。
(第6の実施の形態)
図14(a)及び(b)に示すように、本発明の第6の実施の形態に係る衛生設備器具は、互いに対向する第1及び第2の主面を有し、第1の主面の長手方向の両端部に第1片持ちピン31及び第2片持ちピン33が設けられ、角丸長方形からなる貫通孔41を中央に有する板状の回転アーム15を備える。そして、第6の実施の形態に係る衛生設備器具は更に、紙幅より長い第1の円柱状をなし、その柱軸方向が第2の主面に垂直となるように、第2の主面の上端側に第1の円柱状の一方の底面が固定され、第1の円柱状の他方の底面の一部に第3片持ちピン35が設けられた第1保持軸21と、第1保持軸21と同一の柱軸方向の長さを有する第2の円柱状をなし、第1保持軸21と平行に、第2の円柱状の一方の底面が第2の主面の下端側に固定され、第2の円柱状の他方の底面の一部に第4片持ちピン37が設けられた第2保持軸23を備える。第1保持軸21は、第1の円柱状の部分に第1ロール紙を保持可能であり、第2保持軸23は、第2の円柱状の部分に第2ロール紙を保持可能である。
第6の実施の形態に係る衛生設備器具は更に、第2保持軸23と平行に筒軸方向を定義し、貫通孔41を囲むように第2の主面に筒軸方向の一方の端部が固定された筒状の可動域制限部30と、第1保持軸21と平行に、可動域制限部30内の空間及び貫通孔41を貫通する、第1保持軸21よりも長い回転軸27と、第1の主面と平行に第1の主面に隣接して配置され、下端に回転軸27の一方の端部が貫通孔41を貫通して垂直に固定され、上端に第1片持ちピン31又は第2片持ちピン33を着脱自在に嵌合する凹部を有する第1支持部13と、回転アーム15と平行に、回転アーム15から第1保持軸21の柱軸方向の長さ以上に離間して配置された板状をなし、下端に回転軸27の他方の端部が垂直に固定され、上端に第3片持ちピン35又は第4片持ちピン37を着脱自在に嵌合する凹部を有する第2支持部11をも備え、既設の紙巻器の本体左側板51及び本体右側板53の間に懸架される。
図14(a)に示すように、本発明の第6の実施の形態に係る衛生設備器具については、第1の実施の形態に係る衛生設備器具の構成部材のうちの第1本体固定部17及び第2本体固定部19の代わりに、第1ボルト状凸部81及び第2ボルト状凸部85、第1ナット状留め具83及び第2ナット状留め具87を有する点が相違する。既設の紙巻器の本体左側板51及び本体右側板53のそれぞれに設けられている貫通した側孔に、第1ボルト状凸部81及び第2ボルト状凸部85を嵌め込み、更にそれぞれに第1ナット状留め具83及び第2ナット状留め具87を嵌め込んで設置される。本発明の第6の実施の形態に係る衛生設備器具のその他の構造や構造間の関係、素材、使用方法、発明の効果等については、第1の実施の形態に係る衛生設備器具と同様である。
図14(a)に示すように、本発明の第6の実施の形態に係る衛生設備器具の第1ボルト状凸部81は第2支持部11の上部に固定されている。図14(a)、(b)、(c)に示すように、第1ボルト状凸部81が既設の紙巻器本体の本体左側板51の側孔89に差し込まれ、第1ナット状留め具83が相補的に嵌められることで、第2支持部11が既設の紙巻器本体に固定される仕組みである。第1支持部13についても、第2ボルト状凸部85及び第2ナット状留め具87を使用することで、同様に既設の紙巻器本体に固定することができる。支持軸を嵌めるためのくぼみの代わりに貫通した側孔を有するタイプの紙巻器本体に対して有効な固定の仕方であり、第1〜第5の実施の形態に係る衛生設備器具のように既設の紙巻器本体のくぼみを利用して固定する方法より、衛生設備器具を強固に固定することが可能となる。
本発明の第6の実施の形態に係る衛生設備器具によれば、第1〜第5の実施の形態に係る衛生設備器具同様、片手での簡便な操作で新しいトイレットペーパーを使用位置に設置することができるので、トイレットペーパー交換の手間や時間をかからないようにできる。かつ、交換作業途中で誤って衛生設備器具を手から離してしまったとしても、あるいは衛生設備器具に何らかの強い衝撃が加わり、保持軸が両支持部の両ピン溝との嵌合状態から解放されてしまった場合でも、回転軸27を中心に、より大きな荷重がかけられている方の保持軸、すなわちトイレットペーパーの残量が多い方の保持軸が予備位置付近に移動するのみで床には落下しない構造であるので、トイレットペーパー自体の落下の危険性を少なくすることができる。
(第6の実施の形態の変形例)
図15(a)及び(b)に示すように、本発明の第6の実施の形態の変形例に係る衛生設備器具は、互いに対向する第1及び第2の主面を有し、第1の主面の長手方向の両端部に第1片持ちピン31及び第2片持ちピン33が設けられ、角丸長方形からなる貫通孔41を中央に有する板状の回転アーム15を備える。そして、第6の実施の形態の変形例に係る衛生設備器具は更に、紙幅より長い第1の円柱状をなし、その柱軸方向が第2の主面に垂直となるように、第2の主面の上端側に第1の円柱状の一方の底面が固定され、第1の円柱状の他方の底面の一部に第3片持ちピン35が設けられた第1保持軸21と、第1保持軸21と同一の柱軸方向の長さを有する第2の円柱状をなし、第1保持軸21と平行に、第2の円柱状の一方の底面が第2の主面の下端側に固定され、第2の円柱状の他方の底面の一部に第4片持ちピン37が設けられた第2保持軸23を備える。第1保持軸21は、第1の円柱状の部分に第1ロール紙を保持可能であり、第2保持軸23は、第2の円柱状の部分に第2ロール紙を保持可能である。
第6の実施の形態の変形例に係る衛生設備器具は更に、第2保持軸23と平行に筒軸方向を定義し、貫通孔41を囲むように第2の主面に筒軸方向の一方の端部が固定された筒状の可動域制限部30と、第1保持軸21と平行に、可動域制限部30内の空間及び貫通孔41を貫通する、第1保持軸21よりも長い回転軸27と、第1の主面と平行に第1の主面に隣接して配置され、下端に回転軸27の一方の端部が貫通孔41を貫通して垂直に固定され、上端に第1片持ちピン31又は第2片持ちピン33を着脱自在に嵌合する凹部を有する第1支持部13と、回転アーム15と平行に、回転アーム15から第1保持軸21の柱軸方向の長さ以上に離間して配置された板状をなし、下端に回転軸27の他方の端部が垂直に固定され、上端に第3片持ちピン35又は第4片持ちピン37を着脱自在に嵌合する凹部を有する第2支持部11をも備え、既設の紙巻器の本体左側板51及び本体右側板53の間に懸架される。
図15(a)に示すように、本発明の第6の実施の形態の変形例に係る衛生設備器具については、第1の実施の形態に係る衛生設備器具の構成部材のうちの第1本体固定部17及び第2本体固定部19の代わりに、第1円柱状凸部91及び第2円柱状凸部95、第1キャップ状留め具93及び第2キャップ状留め具97を有する点が相違する。既設の紙巻器の本体左側板51及び本体右側板53のそれぞれに設けられている貫通した側孔に、第1円柱状凸部91及び第2円柱状凸部95を嵌め込み、更にそれぞれに第1キャップ状留め具93及び第2キャップ状留め具97を嵌め込んで設置される。本発明の第6の実施の形態の変形例に係る衛生設備器具のその他の構造や構造間の関係、素材、使用方法、発明の効果等については、第1の実施の形態に係る衛生設備器具と同様である。
図15(a)に示すように、本発明の第6の実施の形態の変形例に係る衛生設備器具の第1円柱状凸部91は第2支持部11の上部に固定されている。図15(a)、(b)、(c)に示すように、第1円柱状凸部91が既設の紙巻器本体の本体左側板51の側孔89に差し込まれ、第1キャップ状留め具93が相補的に嵌められることで、第2支持部11が既設の紙巻器本体に固定される仕組みである。第1円柱状凸部91と第1キャップ状留め具93は摩擦力を利用して互いに結合している。第1支持部13についても、第2円柱状凸部95及び第2キャップ状留め具97を使用することで、同様に既設の紙巻器本体に固定することができる。支持軸を嵌めるためのくぼみの代わりに貫通した側孔を有するタイプの紙巻器本体に対して有効な固定の仕方であり、第1〜第5の実施の形態に係る衛生設備器具のように既設の紙巻器本体のくぼみを利用して固定する方法より、衛生設備器具を強固に固定することが可能となる。
本発明の第6の実施の形態の変形例に係る衛生設備器具によれば、第1〜第6の実施の形態に係る衛生設備器具同様、片手での簡便な操作で新しいトイレットペーパーを使用位置に設置することができるので、トイレットペーパー交換の手間や時間をかからないようにできる。かつ、交換作業途中で誤って衛生設備器具を手から離してしまったとしても、あるいは衛生設備器具に何らかの強い衝撃が加わり、保持軸が両支持部の両ピン溝との嵌合状態から解放されてしまった場合でも、回転軸27を中心に、より大きな荷重がかけられている方の保持軸、すなわちトイレットペーパーの残量が多い方の保持軸が予備位置付近に移動するのみで床には落下しない構造であるので、トイレットペーパー自体の落下の危険性を少なくすることができる。
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は第1〜第6の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、本発明の第1〜第6の実施の形態に係る衛生設備器具の説明では、図3〜図5に示したような既設(従来)の紙巻器の本体左側板51及び本体右側板53に挟まれて懸架される補助器具であるとして、便宜上説明した。しかし、従来の紙巻器に用いられている本体左側板51及び本体右側板53ではなく、特許請求の範囲に記載された発明特定事項によって規定される構造の衛生設備器具を挟んで懸架することの可能な機構を有していれば、いかなる構造でもよい。例えば、専用の側板を設けて、専用の側板の間に、本発明の衛生設備器具を適用することを除外するものでないことは容易に理解できるであろう。
又、第1〜第6の実施の形態で説明したそれぞれの技術的思想の一部を適宜、互いに組み合わせることも可能である。このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当と解釈しうる、特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。