JP6456796B2 - タイル - Google Patents
タイル Download PDFInfo
- Publication number
- JP6456796B2 JP6456796B2 JP2015170776A JP2015170776A JP6456796B2 JP 6456796 B2 JP6456796 B2 JP 6456796B2 JP 2015170776 A JP2015170776 A JP 2015170776A JP 2015170776 A JP2015170776 A JP 2015170776A JP 6456796 B2 JP6456796 B2 JP 6456796B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tile
- layer
- resin beads
- glaze
- glaze layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Floor Finish (AREA)
Description
本実施形態に係るタイルは、表面上に微細な凸部を有することにより、優れた防滑性能及び温感性能を有する。そのため、本実施形態に係るタイルは、住宅等の建築物における内装材として好ましく用いられる。特に、人が素肌で触れる機会が多い居室、浴室、キッチン等の床材として好ましく用いられる。
釉薬層30は、タイル本体20の表面に形成される。塗料層40は、釉薬層30の表面に形成され、樹脂ビーズ41を含む。樹脂ビーズ41は、塗料層40の表面から突出して微細な凸部を形成し、タイル10に優れた防滑性能及び温感性能を付与する。
タイル本体の調整としては、タイル本体の面状(表面粗さ)、プレス成型時圧力、セラミック紛体の粒度及び含水率、素地の吸水率の調整が挙げられる。
釉薬層の調整としては、調合(耐火度向上)、比重及び粘度、粒度、塗布量の調整が挙げられる。
塗料層の調整としては、塗装手法(幕掛け、スプレー)、幕掛け塗装時のスリット幅、スプレー塗装時の流量、エアー比、及びノズル径、塗装時の素地や釉薬の温度等の調整が挙げられる。
焼成方法の調整としては、焼成の温度及び時間の調整が挙げられる。特に釉薬の調合(耐火度向上)、釉薬の塗布量、釉薬の塗装方法(幕掛け、スプレー)、スプレー塗装時の流量、エアー比、及びノズル径の調整は、表面粗さに対する寄与度が高い。
[算術平均粗さ測定条件]
測定機:株式会社東京精密製の表面粗さ輪郭形状測定機「surfcom1800G」
測定距離:12.5mm
測定速度:0.15mm/s
測定レンジ:±400.0μm
カットオフ波長:2.5mm
測定種別:粗さ測定
測定針:2μmR標準ピックアップ
カットオフ種別:ガウシアン
傾斜補正:最小二乗直線
この塗料層40は、後段で詳述する樹脂ビーズを、マトリクスを構成するアクリルシリコン系塗料に配合した塗料組成物により形成される。
また、樹脂ビーズ41の平均粒子径は、樹脂ビーズ41が配置されていない部分における、マトリクスの厚みTよりも大きい。具体的には、樹脂ビーズ41の平均粒子径は、90〜150μmであることが好ましい。平均粒子径が90μm未満である場合、十分な温感性能が得られず、150μmを超える場合、凹凸が大きくなりすぎるため汚れが付着しやすく、また汚れが落ちづらくなる。従って、樹脂ビーズ41は、塗料層40の表面から確実に突出して露出し、タイル表面に凸部を形成する。形成された凸部は、タイルに防滑性能及び温感性能を付与する。すなわち、形成された凸部によりタイル表面の静摩擦係数が増大するため、防滑性能が向上する。また、タイルの表層に、タイルよりも熱伝導率の低い樹脂ビーズを有することで、触れたときに冷たさを感じにくい温感性能を有する。
また、図3は、図2を更に拡大したタイル10の走査型電子顕微鏡(SEM)断面写真である。図3より、タイル本体表面上に形成された塗料層に含まれる樹脂ビーズは、塗料層中で十分沈降していることが分かる。また、樹脂ビーズの平均粒子径は、樹脂ビーズ41が配置されていない部分における、マトリクスの厚みTよりも大きいため、塗料層から突出して露出し、タイル表面に微細な凸部が形成されていることが分かる。なお、SEM写真撮影は、以下の測定条件にて行った。
[SEM測定条件]
(測定機器)JXA−8500F(日本電子株式会社製)
(測定条件)加速電圧:5kV、観察モード:二次電子像、真空モード:高真空、作動距離:10.0mm、倍率:50倍、200倍
まず、タイル本体20の原料となる粘土、長石、陶石等をボールミル等で粉砕し、スプレードライヤー等で含水率4〜8%に調整し造粒後、乾式プレス等で加圧成形し、乾燥後、釉薬をスプレー、幕掛け、ロールコーター等の方法で塗布し1000〜1300℃で焼成することでタイル本体20及び釉薬層30が形成される。また、アクリルシリコン系塗料に樹脂ビーズ41を混合し撹拌することで分散させ、塗料組成物を作製する。形成されたタイル本体20と釉薬層30の表面に、塗料組成物をスプレーやローラー等の方法で塗布し乾燥、硬化させることで、塗料層40を形成し、タイル10が得られる。
(1)タイル10を、タイル本体20と、表面上の算術平均粗さRaが1.6〜7.7μmである釉薬層30と、マトリクスを構成するアクリルシリコン樹脂及び樹脂ビーズ41を含む塗料層40と、により構成し、樹脂ビーズ41の平均粒子径を、樹脂ビーズ41が配置されていない部分における、マトリクスの厚みTよりも大きいものとして構成した。
これにより、アクリルシリコン樹脂の末端シラノール基が釉薬層30に含まれるSiとの間においてシロキサン結合を形成することで、釉薬層30と塗料層40の密着力が向上する。つまり、釉薬層30と塗料層40との化学的相互作用による密着力向上効果が得られる。また、釉薬層30の表面の凹凸によりいわゆる投錨効果が生じることで、釉薬層30と塗料層40の密着力が向上する。従って本実施形態によれば、塗料層40が釉薬層30と強固に密着することにより優れた耐久性を有し、樹脂ビーズ41によって形成された微細な凸部により得られる防滑性能及び温感性能を継続して発揮できるタイルを提供できる。
実施例1〜6及び比較例1〜5のタイルを、以下の方法で作製した。
粘土、長石、陶石等をボールミル等で粉砕し、スプレードライヤー等で含水率4〜8%に調整し造粒後、乾式プレス等で加圧成形し、乾燥後、釉薬をスプレー、幕掛け、ロールコーター等の方法で塗布し1180℃で焼成した。この時、釉薬層の表面上の算術平均粗さRaがそれぞれ表1に示すとなるよう調整して釉薬層を形成した。すなわち、釉薬の調合(耐火度向上)、釉薬の塗布量、釉薬の塗装方法(幕掛け、スプレー)、スプレー塗装時の流量、エアー比、及びノズル径等を調整することで、釉薬層の表面の算術平均粗さRaが表1に示す数値となるように調整した。なお、算術平均粗さRaは、以下に示す方法で測定した。
実施例1〜6及び比較例1〜5のタイルにおける釉薬層の表面の算術平均粗さRaを、上述した測定条件に従って測定した。
実施例1〜6及び比較例1〜5のタイルを、合板上にエポキシ系接着剤で隙間なく貼り付け、その上に50kgの重しを載せた浴室用椅子を設置した。浴室用椅子は、一般的に使用されるものを用いた(材質:PET)。なお、浴室用椅子の脚部には通常軟質ゴムが取り付けられているが、軟質ゴムを取り外して本試験を行った。上記50kgの重しを載せた浴室用椅子を前後10cm稼動させ、5往復後のタイル表面の外観変化を目視にて観察し、以下の評価基準に従って評価した。評価3を合格とした。
[評価基準]
3:外観変化なし
2:塗膜に傷がついている
1:塗膜が剥がれ、タイル面が露出している
実施例1〜6及び比較例1〜5のタイルの表面の汚染度合いを、汚染試験前後のタイルのL*a*b*表色系におけるΔL*、Δa*、Δb*から算出される色差ΔE*ab(以下単にΔEという)によって評価した。なお、測定には色彩色差計(CR−400、コニカミノルタ製)を用いた。具体的には以下の手順によって汚染試験前後のL*a*b*を測定した。
20…タイル本体
30…釉薬層
40…塗料層
41…樹脂ビーズ
Claims (2)
- タイル本体と、
前記タイル本体の表面上に形成される釉薬層と、
前記釉薬層の表面上に形成される塗料層と、を有し、
前記塗料層は、マトリクスを構成するアクリルシリコン樹脂と、樹脂ビーズと、を含み、
前記樹脂ビーズは、前記樹脂ビーズが配置されていない部分における前記マトリクスの厚みよりも大きい平均粒子径を有し、
前記釉薬層の表面の算術平均粗さRaは、1.6〜7.7μmであるタイル。 - 前記樹脂ビーズの比重は、前記塗料層の形成に用いられる塗料組成物の比重よりも大きい請求項1に記載のタイル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015170776A JP6456796B2 (ja) | 2015-08-31 | 2015-08-31 | タイル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015170776A JP6456796B2 (ja) | 2015-08-31 | 2015-08-31 | タイル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017048536A JP2017048536A (ja) | 2017-03-09 |
JP6456796B2 true JP6456796B2 (ja) | 2019-01-23 |
Family
ID=58279167
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015170776A Active JP6456796B2 (ja) | 2015-08-31 | 2015-08-31 | タイル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6456796B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021066119A (ja) * | 2019-10-25 | 2021-04-30 | 株式会社Lixil | タイル |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2576322B2 (ja) * | 1991-10-22 | 1997-01-29 | 株式会社イナックス | 滑り止めタイル及びその製造方法 |
JP2002285695A (ja) * | 1996-06-28 | 2002-10-03 | Toto Ltd | 建材およびその製造方法 |
JP2008038446A (ja) * | 2006-08-04 | 2008-02-21 | Inax Corp | 置き敷き用タイルユニット |
JP5271666B2 (ja) * | 2008-10-27 | 2013-08-21 | イサム塗料株式会社 | セラミックタイル張り床面の迅速防滑施工法および塗料 |
JP5820997B2 (ja) * | 2011-12-15 | 2015-11-24 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 建材 |
-
2015
- 2015-08-31 JP JP2015170776A patent/JP6456796B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2017048536A (ja) | 2017-03-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20050170098A1 (en) | Glass, ceramic and metal substrates with a self-cleaning surface, method of making them and their use | |
CN104870575A (zh) | 抗污耐磨构造及其制备方法 | |
JP2010502865A (ja) | 改良された床仕上げ材 | |
JP7490836B2 (ja) | 面材 | |
JP6456796B2 (ja) | タイル | |
JP2024050901A (ja) | 面材の製造方法 | |
JP2020513464A (ja) | 固体ポリマー高耐久性表面材 | |
JPH05105559A (ja) | 滑り止めタイル及びその製造方法 | |
JP2019025881A (ja) | 建築資材の製造方法及び建築資材 | |
JPH0575472B2 (ja) | ||
JP2021066119A (ja) | タイル | |
JP7144169B2 (ja) | 面材 | |
JP6470670B2 (ja) | 建材及びその製造方法 | |
KR101492760B1 (ko) | 적층체 | |
JP2010018458A (ja) | 板ガラス | |
JP3140975U (ja) | 防滑性タイル | |
JP2019085308A (ja) | 建築資材及び建築資材の製造方法 | |
JP6471596B2 (ja) | 化粧材 | |
JP2020011404A (ja) | コンクリート成形用型枠およびその製造方法 | |
JP7220086B2 (ja) | コンクリート成形用型枠およびその製造方法ならびに着色コンクリートの製造方法 | |
JP7421885B2 (ja) | 面材 | |
JP7438803B2 (ja) | 面材 | |
JP7390965B2 (ja) | コンクリート成形用型枠の製造方法 | |
JPH0653251B2 (ja) | 浴室用床材の製造方法 | |
JP2004106188A (ja) | 超撥水性部材及び超撥水性部材形成用超撥水剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180129 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20181116 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20181204 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20181219 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6456796 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |