JP6456796B2 - タイル - Google Patents

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本発明は、防滑性能及び温感性能を有するタイルに関する。
建材として用いられる一般的なタイルとして、セラミックス製のタイル本体からなる無釉タイルの他、タイル本体の表面に釉薬層が形成された施釉タイルが知られている。これらのタイルは、優れた耐久性を有するため、建材として広く用いられている。一方、この種の一般的なタイルは、低温環境下で人がその表面に触れた場合には冷たさを感じ易く、また、表面が滑り易いため、床材として利用した場合には転倒の危険がある等の不具合を有する。
上記不具合の解消のため、タイルの表面に凸部を設ける方法が提案されている。すなわち、タイルの表面に凸部を設けることで、静摩擦係数が増大するため滑り難くなる。タイルの表面に凸部を設ける方法として、例えば、プレス・成型時の金型に凹凸を設けタイル表面に凹凸をつけたり、釉薬の中に防滑剤を入れて施釉したり、施釉後に防滑剤を載せたりする方法や、タイルに防滑テープを貼る方法や、防滑骨材を散布後にクリアー塗料を重ね塗りする方法が提案されている。また、タイル表面上に樹脂ビーズを分散させた防滑塗料層を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。かかる方法によれば、タイルの美観を損なわず、かつ短い施行期間でタイルに防滑性等を付与できる。
特開2010−100767号公報
ところで、タイルの表面上に塗料層を形成する場合、その耐久性が問題となる。すなわち、タイル本体又は釉薬層と、塗料層の密着力、例えばシロキサン結合等による塗料層の密着力だけでは、塗料層が使用により容易に剥離する問題が生じる。この点において、特許文献1に記載された発明では、塗料層の膜厚よりも大きい平均粒子径を有する樹脂ビーズが塗料層中に配合されるため、タイル本体又は釉薬層と、塗料層との境界面において樹脂ビーズが存在することとなる。そのため、両者の接触面積が減少して塗料層の密着力が不十分となることも影響し、使用時の温水やアルカリ、椅子による摩耗等の影響により塗料層の剥離が生じていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、防滑性能及び温感性能を有する塗料層が形成されたタイルにおいて、該塗料層が釉薬層との高い密着力を有することにより、優れた耐久性を有するタイルを提供することにある。
(1)上記目的を達成するため本発明は、タイル本体と、前記タイル本体の表面上に形成される釉薬層と、前記釉薬層の表面上に形成される塗料層と、を有し、前記塗料層は、マトリクスを構成するアクリルシリコン樹脂と、樹脂ビーズと、を含み、前記樹脂ビーズは、前記樹脂ビーズが配置されていない部分における前記マトリクスの厚みよりも大きい平均粒子径を有し、前記釉薬層の表面の算術平均粗さRaは、1.6〜7.7μmであるタイルを提供する。
(2)(1)の発明に係るタイルにおいて、前記樹脂ビーズの比重は、前記塗料層の形成に用いられる塗料組成物の比重よりも大きいことが好ましい。
本発明によれば、防滑性能及び温感性能を有する塗料層が形成されたタイルにおいて、該塗料層が釉薬層との高い密着力を有することにより、優れた耐久性を有するタイルを提供できる。
本発明の一実施形態に係るタイルの断面図である。 上記実施形態に係るタイルのSEM断面写真である。 上記実施形態に係るタイルのSEM断面写真である。 実施例1〜6及び比較例1〜5の各タイルにおける釉薬層の表面粗さと汚染試験後のタイルの色差(ΔE)との関係を示したグラフである。
以下、本発明の好ましい一実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
本実施形態に係るタイルは、表面上に微細な凸部を有することにより、優れた防滑性能及び温感性能を有する。そのため、本実施形態に係るタイルは、住宅等の建築物における内装材として好ましく用いられる。特に、人が素肌で触れる機会が多い居室、浴室、キッチン等の床材として好ましく用いられる。
図1は、本実施形態に係るタイルの断面図である。図1に示すように、本実施形態に係るタイル10は、タイル本体20と、釉薬層30と、塗料層40と、を備える。
釉薬層30は、タイル本体20の表面に形成される。塗料層40は、釉薬層30の表面に形成され、樹脂ビーズ41を含む。樹脂ビーズ41は、塗料層40の表面から突出して微細な凸部を形成し、タイル10に優れた防滑性能及び温感性能を付与する。
タイル本体20は、例えば、花崗岩等の風化物である粘土を主原料とし、長石、陶石、石灰石、滑石等を必要に応じて混合し、押し出し成形又はプレス成形し、得られた成形体に後述する釉薬を施釉した後、焼成することにより製造される。
釉薬層30は、長石、珪石、粘土、石灰石、滑石、炭酸バリウム、フリット等を任意に混合し、溶融したもので、一部結晶を含むガラス質からなる。
釉薬層30は、タイル本体20にスプレー、幕掛け、フローコーター等で施釉した後焼成され、タイル本体20に融着する。この融着により釉薬層30は十分な密着力を有する。
釉薬層30は、表面の算術平均粗さRaが1.6μm以上である。これにより、釉薬層30の表面の凹部に塗料層40を形成する塗料組成物が入り込んで硬化し、釉薬層30と塗料層40の密着力が向上する効果が得られる。つまり、いわゆる投錨効果により密着力が向上する。また、釉薬層30は、表面の算術平均粗さRaが7.7μm以下である。これにより、タイルが汚染された場合であっても表面に付着した汚れが落ち易くなる。
上記表面粗さは、タイル本体の調整、釉薬層の調整、塗料層の調整、焼成方法の調整によって調整可能である。
タイル本体の調整としては、タイル本体の面状(表面粗さ)、プレス成型時圧力、セラミック紛体の粒度及び含水率、素地の吸水率の調整が挙げられる。
釉薬層の調整としては、調合(耐火度向上)、比重及び粘度、粒度、塗布量の調整が挙げられる。
塗料層の調整としては、塗装手法(幕掛け、スプレー)、幕掛け塗装時のスリット幅、スプレー塗装時の流量、エアー比、及びノズル径、塗装時の素地や釉薬の温度等の調整が挙げられる。
焼成方法の調整としては、焼成の温度及び時間の調整が挙げられる。特に釉薬の調合(耐火度向上)、釉薬の塗布量、釉薬の塗装方法(幕掛け、スプレー)、スプレー塗装時の流量、エアー比、及びノズル径の調整は、表面粗さに対する寄与度が高い。
また、上記算術平均粗さRaは、例えば、以下の測定条件によって測定することができる。
[算術平均粗さ測定条件]
測定機:株式会社東京精密製の表面粗さ輪郭形状測定機「surfcom1800G」
測定距離:12.5mm
測定速度:0.15mm/s
測定レンジ:±400.0μm
カットオフ波長:2.5mm
測定種別:粗さ測定
測定針:2μmR標準ピックアップ
カットオフ種別:ガウシアン
傾斜補正:最小二乗直線
塗料層40は、マトリクスを構成するアクリルシリコン樹脂及び樹脂ビーズ41を含む。樹脂ビーズ41が配置されていない部分における、マトリクスの厚みTは20〜80μmであることが好ましい。Tが20μm未満である場合、100μm以上の樹脂ビーズ41を固着できず、Tが80μmを超える場合、塗布量が多すぎるため乾燥硬化に過度の時間を要し、また、複数回の塗布が必要となるため非効率である。塗料層40は、タイルの美観を損なわないため透明であることが好ましいが、用途に応じて顔料を含んでいてもよい。
この塗料層40は、後段で詳述する樹脂ビーズを、マトリクスを構成するアクリルシリコン系塗料に配合した塗料組成物により形成される。
アクリルシリコン系塗料は、本実施形態においてマトリクスを構成する塗料組成物として用いられる。具体的には、アクリル系モノマーと、必要に応じ他のエチレン性不飽和モノマーと、アルコキシシリル基を有するビニル又はアクリルモノマーの共重合によって得られる。この共重合体の末端のアルコキシシリル基が、大気中の水分によりシラノール基に加水分解され、末端シラノール基同士の脱水縮合によりシロキサン結合(−Si−O−Si−)を形成して高分子化する。また末端シラノール基は、釉薬層30に含まれるSiとの間においてもシロキサン結合を形成するため、釉薬層30と塗料層40の密着力が向上する。つまり、釉薬層30と塗料層40との化学的相互作用による密着力向上効果が得られる。
樹脂ビーズ41は、メタアクリル酸エステル、スチレン、シリコーン、ナイロン、ポリエチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル等を中心としたモノマーを重合して得られた球状有機微粒子である。重合の方法としては、懸濁重合、乳化重合、溶液重合、沈殿重合等が挙げられる。樹脂ビーズ41としては上記方法により製造された市販のものを用いることができる。
樹脂ビーズ41は、タイル10に優れた防滑性能及び温感性能を付与するために、塗料組成物中における含有量は5〜20質量%であることが好ましい。含有量が5質量%未満である場合、十分な滑り止め効果や温感性能が得られず、20質量%を超える場合、汚れが付着しやすくなる。
また、樹脂ビーズ41の平均粒子径は、樹脂ビーズ41が配置されていない部分における、マトリクスの厚みTよりも大きい。具体的には、樹脂ビーズ41の平均粒子径は、90〜150μmであることが好ましい。平均粒子径が90μm未満である場合、十分な温感性能が得られず、150μmを超える場合、凹凸が大きくなりすぎるため汚れが付着しやすく、また汚れが落ちづらくなる。従って、樹脂ビーズ41は、塗料層40の表面から確実に突出して露出し、タイル表面に凸部を形成する。形成された凸部は、タイルに防滑性能及び温感性能を付与する。すなわち、形成された凸部によりタイル表面の静摩擦係数が増大するため、防滑性能が向上する。また、タイルの表層に、タイルよりも熱伝導率の低い樹脂ビーズを有することで、触れたときに冷たさを感じにくい温感性能を有する。
更に樹脂ビーズ41の比重は、上記アクリルシリコン系塗料の比重よりも大きいことが好ましい。樹脂ビーズ41の比重がアクリルシリコン系塗料よりも大きいことで、樹脂ビーズ41が塗料層40中で浮くことが無く、沈降した状態で塗料層40が形成される。すなわち、樹脂ビーズ41が塗料層40中で十分沈降することで、塗料層40と釉薬層30の境界面に樹脂ビーズ41が存在する箇所が生じるところ、本実施形態の塗料層40と釉薬層30は上述した投錨効果及び化学的相互作用により強固に密着しているため、係る状況においても塗料層40は釉薬層30より剥離することなく十分な耐久性が得られるようになっている。
ここで、図2は、本実施形態に係るタイル10の走査型電子顕微鏡(SEM)断面写真である。図2中、画像下方向の気孔を有する層がタイル本体の層であり、その上層に形成された層が釉薬層及び塗料層である。また、表面上に盛り上がっている球状の物質が塗料層に含まれる樹脂ビーズである。
また、図3は、図2を更に拡大したタイル10の走査型電子顕微鏡(SEM)断面写真である。図3より、タイル本体表面上に形成された塗料層に含まれる樹脂ビーズは、塗料層中で十分沈降していることが分かる。また、樹脂ビーズの平均粒子径は、樹脂ビーズ41が配置されていない部分における、マトリクスの厚みTよりも大きいため、塗料層から突出して露出し、タイル表面に微細な凸部が形成されていることが分かる。なお、SEM写真撮影は、以下の測定条件にて行った。
[SEM測定条件]
(測定機器)JXA−8500F(日本電子株式会社製)
(測定条件)加速電圧:5kV、観察モード:二次電子像、真空モード:高真空、作動距離:10.0mm、倍率:50倍、200倍
本実施形態に係るタイル10は、例えば、以下の方法により製造される。
まず、タイル本体20の原料となる粘土、長石、陶石等をボールミル等で粉砕し、スプレードライヤー等で含水率4〜8%に調整し造粒後、乾式プレス等で加圧成形し、乾燥後、釉薬をスプレー、幕掛け、ロールコーター等の方法で塗布し1000〜1300℃で焼成することでタイル本体20及び釉薬層30が形成される。また、アクリルシリコン系塗料に樹脂ビーズ41を混合し撹拌することで分散させ、塗料組成物を作製する。形成されたタイル本体20と釉薬層30の表面に、塗料組成物をスプレーやローラー等の方法で塗布し乾燥、硬化させることで、塗料層40を形成し、タイル10が得られる。
以上本実施形態のタイル10によれば、以下のような効果を奏する。
(1)タイル10を、タイル本体20と、表面上の算術平均粗さRaが1.6〜7.7μmである釉薬層30と、マトリクスを構成するアクリルシリコン樹脂及び樹脂ビーズ41を含む塗料層40と、により構成し、樹脂ビーズ41の平均粒子径を、樹脂ビーズ41が配置されていない部分における、マトリクスの厚みTよりも大きいものとして構成した。
これにより、アクリルシリコン樹脂の末端シラノール基が釉薬層30に含まれるSiとの間においてシロキサン結合を形成することで、釉薬層30と塗料層40の密着力が向上する。つまり、釉薬層30と塗料層40との化学的相互作用による密着力向上効果が得られる。また、釉薬層30の表面の凹凸によりいわゆる投錨効果が生じることで、釉薬層30と塗料層40の密着力が向上する。従って本実施形態によれば、塗料層40が釉薬層30と強固に密着することにより優れた耐久性を有し、樹脂ビーズ41によって形成された微細な凸部により得られる防滑性能及び温感性能を継続して発揮できるタイルを提供できる。
(2)また、樹脂ビーズ41の比重は、塗料層40の形成に用いられるアクリルシリコン系塗料の比重よりも大きいものとした。これにより、樹脂ビーズ41が塗料層40中で十分沈降した状態で塗料層40が形成される。すなわち、樹脂ビーズ41が塗料層40中で十分沈降することで、塗料層40と釉薬層30の境界面に樹脂ビーズ41が存在する箇所が生じるところ、本実施形態の塗料層40と釉薬層30は上述した投錨効果及び化学的相互作用により強固に密着しているため、係る状況においても塗料層40は釉薬層30より剥離することなく十分な耐久性が得られる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は本発明に含まれる。
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
<実施例1〜6、比較例1〜5>
実施例1〜6及び比較例1〜5のタイルを、以下の方法で作製した。
粘土、長石、陶石等をボールミル等で粉砕し、スプレードライヤー等で含水率4〜8%に調整し造粒後、乾式プレス等で加圧成形し、乾燥後、釉薬をスプレー、幕掛け、ロールコーター等の方法で塗布し1180℃で焼成した。この時、釉薬層の表面上の算術平均粗さRaがそれぞれ表1に示すとなるよう調整して釉薬層を形成した。すなわち、釉薬の調合(耐火度向上)、釉薬の塗布量、釉薬の塗装方法(幕掛け、スプレー)、スプレー塗装時の流量、エアー比、及びノズル径等を調整することで、釉薬層の表面の算術平均粗さRaが表1に示す数値となるように調整した。なお、算術平均粗さRaは、以下に示す方法で測定した。
次に、塗料層を形成する塗料組成物を、アクリルシリコン塗料(SBライズコート、大日本塗料製)に樹脂ビーズ(ガンツパール、アイカ工業製、105μm)を混合・撹拌し分散させて作製した。こうして作成した塗料組成物を、上記方法で形成した釉薬層上に、スプレーやローラー等の方法で塗布量100g/mとして塗布し乾燥させることで膜厚が40μmとなるように塗料層を形成し、実施例1〜6及び比較例1〜5のタイルを得た。上記方法で得られたタイルを用いて下記の評価を行った。結果を表1に示す。
<表面粗さ(算術平均粗さRa)測定>
実施例1〜6及び比較例1〜5のタイルにおける釉薬層の表面の算術平均粗さRaを、上述した測定条件に従って測定した。
<密着性試験>
実施例1〜6及び比較例1〜5のタイルを、合板上にエポキシ系接着剤で隙間なく貼り付け、その上に50kgの重しを載せた浴室用椅子を設置した。浴室用椅子は、一般的に使用されるものを用いた(材質:PET)。なお、浴室用椅子の脚部には通常軟質ゴムが取り付けられているが、軟質ゴムを取り外して本試験を行った。上記50kgの重しを載せた浴室用椅子を前後10cm稼動させ、5往復後のタイル表面の外観変化を目視にて観察し、以下の評価基準に従って評価した。評価3を合格とした。
[評価基準]
3:外観変化なし
2:塗膜に傷がついている
1:塗膜が剥がれ、タイル面が露出している
<汚染試験>
実施例1〜6及び比較例1〜5のタイルの表面の汚染度合いを、汚染試験前後のタイルのL*a*b*表色系におけるΔL*、Δa*、Δb*から算出される色差ΔE*ab(以下単にΔEという)によって評価した。なお、測定には色彩色差計(CR−400、コニカミノルタ製)を用いた。具体的には以下の手順によって汚染試験前後のL*a*b*を測定した。
汚染試験前のL*a*b*を測定した後、汚染試験を以下の方法によって行った。まず、墨汁入り容器を10回振とうした後、スポイトで10ml墨汁液を吸い取り、ウエス上にたらし、実施例1〜6、比較例1〜5のタイル上、15cm×15cmの面積に塗り広げて25±5℃の条件で24時間放置した。次に、水流下で亀の子束子(登録商標)を用いて手作業で表面を擦って可能な限り汚れを落とした。その後80℃のエアバスにて2時間放置した後、汚染試験後のL*a*b*を測定した。得られたΔEを表1に示す。また、評価基準としてはΔE<3を合格とした。
実施例1と、比較例3の結果から、実施例1のタイルの方が、比較例3のタイルと比較して、塗料層と釉薬層の密着力が高いことが分かった。この結果から、釉薬層の表面上の算術平均粗さRaが1.6μm以上であることで、塗料層が高い耐久力を有することが確認された。
実施例6と、比較例4の結果から、実施例6のタイルの方が、比較例4のタイルと比較して、汚染試験前後のΔE値が低いことが分かった。この結果から、釉薬層の表面上の算術平均粗さRaが7.7μm以下であることで、タイルが汚染された場合であっても表面に付着した汚れが落ちやすいことが確認された。
図3は、実施例1〜6、比較例1〜5のタイルの、釉薬層の表面粗さと汚染試験後のタイルの色差(ΔE)との関係を示したグラフである。図3中、縦軸は汚染試験前後のタイルの色差(ΔE)を示し、横軸はタイルの釉薬層の表面上の算術平均粗さRa(単位:μm)を示す。図3の結果より、算術平均粗さRaが増大するほど汚染試験後のタイルの色差(ΔE)も増大することが分かる。図3中、Raが大である領域(Raが7.7μmを超える点線で示した領域)は汚染試験後の色差(ΔE)が不合格となり、Raが小である領域(Raが1.6μm未満である点線で示した領域)は塗料層と釉薬層の密着力が不合格となる。従ってタイルの釉薬層の表面上の算術平均粗さRaの適切な範囲は、1.6〜7.7μmである、図3中、一点鎖線で示した領域であることが分かる。
10…タイル
20…タイル本体
30…釉薬層
40…塗料層
41…樹脂ビーズ

Claims (2)

  1. タイル本体と、
    前記タイル本体の表面上に形成される釉薬層と、
    前記釉薬層の表面上に形成される塗料層と、を有し、
    前記塗料層は、マトリクスを構成するアクリルシリコン樹脂と、樹脂ビーズと、を含み、
    前記樹脂ビーズは、前記樹脂ビーズが配置されていない部分における前記マトリクスの厚みよりも大きい平均粒子径を有し、
    前記釉薬層の表面の算術平均粗さRaは、1.6〜7.7μmであるタイル。
  2. 前記樹脂ビーズの比重は、前記塗料層の形成に用いられる塗料組成物の比重よりも大きい請求項1に記載のタイル。
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