JP6451209B2 - 缶体の回転搬送装置におけるマンドレル - Google Patents
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Description
このような缶体外面にフィルムラベルを巻き付けて貼着するフィルムラベル貼着装置では、フィルムラベルの接着剤を貼着可能にするために、缶体を回転搬送装置のマンドレルに装着した状態で加熱する。この缶体の加熱は、例えば、マンドレルの移動経路に高周波誘導加熱コイルを配置し、これにより缶体を誘導加熱する。また、このときには、マンドレルが高温にならないように、その内部から温水と冷却水を適宜切り替えて供給して、その温度制御を行っている(特許文献1)。
そこで、本発明者は、缶体内面とマンドレル表面との間の接触面積の減少が貼着不良の発生の抑制等につながると考え、本発明に係る回転搬送装置におけるマンドレルを想到するに至った。
また、前記マンドレル表面の溝部を、軸方向に対して傾斜角を有しながら形成することにより、缶体へのマンドレルの挿入を容易とし、缶体を押圧する際に、缶体がマンドレル表面に形成した溝部に入り込む圧抜けを抑制することができる。
本実施形態に係るマンドレルを備える缶体の回転搬送装置1は、2ピース缶体の外周面にフィルムラベルを貼着するフィルムラベル貼着装置において、マンドレルに装着された缶体を自転させながら所定の軸を中心に回転搬送するように動作し、この回転搬送中に、缶体の外周面にフィルムラベルが貼着される。
このような動作を実現するために、マンドレルを備える回転搬送装置1は、以下のように構成されている。
このマンドレル軸10は、例えば、ステンレス材からなり、軸受支持部材20の両端部に設けられた軸受21により回転(自転)可能に支持されると共に、その両端が軸受21から突出するように取り付けられている。
そして、軸受21から突出する一方の端部に、缶体が装着されるマンドレル11を有している。
マンドレル11は、その外周面に酸化ジルコニュウム等のセラミックスで形成された外皮筒12を備え、この外皮筒12に缶体が装着される。
また、マンドレル11と軸受支持部材20との間には、フェライト板等からなる高周波遮蔽板13が配置され、缶体を誘導加熱させる際に、高周波の軸受支持部材20への伝達を遮蔽する。
尚、図1には、空気流通孔14と温度調節媒体流通孔15の一部を示す。
空気流通孔14の一端はマンドレル軸10の先端側で開口され、他端はマンドレル軸10の後端側においてエアー配管16に連結されている。このエアー配管16は、図示しないエアーポンプに接続され、マンドレル軸10の先端側開口から空気を吸気又は排気する。これにより、吸気状態ではマンドレル11に装着された缶体を吸引固定し、排気状態ではマンドレル11に装着された缶体を排出する。
供給側流通孔15aは、マンドレル11を支持するマンドレル軸10の側端部において開放され、帰還側流通孔15bは、前記マンドレル軸10の外周において開放され、外皮筒12内周面に形成された温度調節媒体循環溝121に連通している。他方側の端部はソケット部材17に連通され、温水又は冷却水供給装置及び回収装置に接続される温度調節媒体配管18a,18bに連結される。
温度調節媒体循環溝121は、図2(a)に示すように、螺旋状に形成され、温度調節媒体循環溝121の一端側は供給側流通孔15aに、他端側は帰還側流通孔15bに連通させることで、内周面を螺旋状に温水又は冷却水が循環可能となり、外皮筒12の温度制御をする。
これにより缶体にフィルムラベルを貼着する場合において、例えば、運転開始時には温水を流してマンドレル11の表面温度を所定温度まで上昇させ、運転開始後は冷水を流してマンドレル11が一定温度以上に上昇しないように制御する。
溝部形状は、例えば、マンドレル11の外皮筒12の軸方向一端から他端までに亘って、螺旋状につながる複数の溝部122からなり、外皮筒12(マンドレル11)の軸方向に対して、それぞれ傾斜角θ(<90°)を有しながら凹設形成されている。この場合、傾斜角θは、10〜80°であり、好ましくは、30〜60°である。
尚、図2(b)では、溝部122の一部を示す。
このように、溝部122を軸方向に対して傾斜角θ(<90°)を有しながら凹設形成したのは、以下の理由による。
軸方向と直交する方向に凹設形成すると、マンドレル11への缶体の挿入性が悪くなり、一方、軸方向と平行に凹設形成すると、押圧によってフィルムラベルを缶体に押しつける際に、缶体10が溝に入り込むように変形して圧抜けが発生し、フィルムラベルの貼着が不安定になるからである。
溝部122は、図2(c)に示すように、円弧R1(例えば、0.3mm)と円弧R2(例えば、1mm)とを滑らかにつなげた断面形状とすることもできるが、図2(d)に示すように、角度α(例えば、120°)によって規定される断面形状とすることもできる。
溝部幅W=0.5mm、ピッチP=0.75mmの螺旋状につながる溝部122を外皮筒12の表面に形成し、この外皮筒12を外周面に備えるマンドレル11を作製した。
溝幅W=1.0mm、ピッチP=1.5mmの螺旋状につながる溝部122を、外皮筒12の表面に形成し、この外皮筒12を外周面に備えるマンドレル11を作製した。
なお、前述した実施例1、2における溝部122の角度αは120°とし(図2(d)参照)、缶体内面とマンドレル11の外皮筒12表面との接触面積を約33%とした。
表面に溝部122を有しない外皮筒12を外周面に備えるマンドレル11を作製した。
実施例1、2及び比較例1のマンドレル11を回転搬送装置1に取り付けたフィルムラベル貼着装置を用い、50℃に温度制御したマンドレル11に缶体を装着し、高周波誘導加熱により缶体を190℃に加熱した後、缶体の外周面にフィルムラベルを供給すると共に貼着ローラで押圧して貼着した。
そして、この缶体の外周面へのフィルムラベルの貼着において、フィルムラベルを貼着する前の缶体の温度を放射温度計で計測し、また、貼着後の貼着不良(ラベル浮き)の確認を目視確認で行った。その結果を図3に示す。
図3(a)は貼着工程における缶体の温度の表、図3(b)はラベル浮き発生件数(貼着不良発生率)を示す表である。
また、図3(b)に示すように、溝部を形成することにより、ラベル浮き等の貼着不良の発生率が低いことが判る。
以上のような検証結果から、マンドレルに形成した溝部が貼着不良の発生を抑制させること、溝幅W、ピッチPが大きいほど貼着不良の発生率が低くなることが確認された。
また、本実施形態では、フィルムラベルを貼着するフィルムラベル貼着装置といった缶体の製造装置に適用した例を示したが、同様な形態のマンドレルを用いて、缶体に直接オフセット印刷を施す印刷装置の缶体の製造装置にも適用することができる。例えば、特開2001−129966、特開2012−176618等に開示されている印刷装置において、缶体を回転搬送する回転搬送装置のマンドレルに適用することができる。
さらに、筒状の缶胴に缶蓋と缶底とを巻き締めて取り付けた、いわゆる3ピース缶の製造装置に本発明を適用することもできる。
10 マンドレル軸
11 マンドレル
12 外皮筒
121 温度調節媒体循環溝
122 溝部
30 高周波誘導加熱コイル
Claims (3)
- 缶体を回転搬送する回転搬送装置におけるマンドレルであって、缶体が装着されると共に、缶体内面が接する表面に溝部を有し、前記溝部は、缶装着部の軸方向に対して90°未満の傾斜角θを有しながら凹設形成されていることを特徴とするマンドレル。
- 前記傾斜角θが、10〜80°である請求項1に記載のマンドレル。
- 前記溝部は、螺旋状に形成される請求項1又は2に記載のマンドレル。
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JP2014219984A JP6451209B2 (ja) | 2014-10-29 | 2014-10-29 | 缶体の回転搬送装置におけるマンドレル |
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JP2014219984A JP6451209B2 (ja) | 2014-10-29 | 2014-10-29 | 缶体の回転搬送装置におけるマンドレル |
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