JP6449823B2 - 銅と樹脂の複合体及び塗料 - Google Patents

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本発明は、銅と樹脂を積層等により一体にした銅と樹脂の複合体及び塗料に関する。更に詳しくは、本発明は、銅形状物と熱可塑性樹脂とが強く一体に接合した自動車等の運輸機器、電機機器等の各種機器、構造物等に構造物に用いられる積層体、銅形状物と熱硬化性樹脂とが強く一体に接合した電機機器等の各種機器や構造物に用いられる積層体、又、銅粉と熱硬化性樹脂とが接合した船底塗料に用いられる塗料組成物等、銅と樹脂の複合体及び塗料に関する。
(射出接合技術、新NMT)
射出成形により金属と樹脂を接合する技術で、本発明者等が提唱した新NMT(New nano molding technologyの略)と称する射出接合技術がある。この射出接合技術とは、射出成形金型に何らかの形状物(例えば、金属片)をインサートし、そこへ特定の熱可塑性樹脂を射出して、形状物であるインサート物と射出成形された樹脂成形物とが強く接合一体化した物を得る技術をいう。新NMTは、その形状物は全金属種が対象の改良された射出接合技術であって、インサートする金属には「新NMT処理」と称する表面処理を少なくとも行う必要がある。
新NMT処理とは、金属材の表面を処理によって、(1)0.8〜10μm周期の凹凸ある粗面を有する物にすること、(2)その粗面上に5〜300nm周期の微細凹凸があるようにすること、(3)前記粗面と微細凹凸である2重凹凸面をなす表面は、金属酸化物、金属リン酸化物等の硬質なセラミック質の薄層で成っていること、これらの(1)〜(3)の3条件を満たすようにする処理法である。新NMTにて使用する樹脂組成物には2条件が必要で、それは、(4)ポリオレフィン類を除く高結晶性の熱可塑性樹脂を主成分とすること、及び、(5)従成分として前記主成分樹脂に相溶する異高分子を含むか、又は、前記主成分樹脂に相溶しない異高分子を従成分として含み、更にこの従成分樹脂の一部又は全部が主成分樹脂に相溶するようにできる相溶化剤的高分子を含むこと、である(特許文献1〜7)。
(接着剤接合技術、NAT)
前述した新NMT以前に、本発明者等が提唱したNAT(Nano adhesion technologyの略)と称する理論は、接着剤による金属と樹脂の接合技術である。NATは、あらゆる金属種が対象の接着剤による接合技術であって、金属には以下の3条件を満たすように、「NAT処理」と称する表面処理を行う必要がある。即ち、(i)0.8〜10μm周期の凹凸ある粗面を有すること、(ii)その粗面上に5〜300nm周期の微細凹凸があること、(iii)前記の2重凹凸面をなす表面は、金属酸化物、金属リン酸化物等の硬質なセラミック質の薄層で成っていること、の3つ条件を少なくとも満たすように各金属合金種に対して行う表面処理法である。この(i)〜(iii)だが、これは前述した(1)〜(3)の金属表面と実質的に同一であり、NAT処理と新NMT処理は同様のことを述べている。
NATは更に2条件を必要条件としており、(iv)は使用する接着剤種が1液性接着剤であることを要求している。又、接着方法にも言及し、条件(v)は「染み込まし処理」と称する工程を含めることを要求している(特許文献7〜13)。前述したNAT理論は、実質的には、1液性エポキシ接着剤を使った接着技術であり、金属材同士や金属材とCFRP材、金属材とセラミックの接着に非常に有用である。又、NAT処理した金属材は、熱硬化型塗料との接着性に優れている。これは前述した1液性エポキシ接着剤がNAT接着に使用されることと同じ原理による(特許文献14)。
(銅を使用した新NMTとNAT)
銅に注目して言えば、銅形状物とPPS系樹脂間の新NMTによる射出接合技術が、特許文献3に開示されている。又、銅片同士、又は、銅片とCFRP片の1液性エポキシ接着剤による接着剤接合技術が特許文献11に開示されている。
WO2008/069252 WO2008/081933 WO2008/047811 WO2009/078466 WO2008/078714 WO2009/011398 WO2009/084648 WO2008/114669 WO2008/133096 WO2008/133296 WO2008/126812 WO2008/133030 WO2008/146833 特開2009−101563 WO2012/070654
(新NMT技術と異なる射出接合技術)
本発明者等は銅の新NMT処理法を改善して、PPS系樹脂との射出接合物の接合強度を更に上げようとしていた。即ち、新NMT処理(NAT処理)した銅の表面形状(図1)の凹凸面形状に不満を抱いていた。図1の写真から観察されるように、平滑面の部分が多過ぎるからである。実際に新NMTで得られるC1100(タフピッチ銅)使用の射出接合物の接合力も、NATで得られる銅片同士の接着剤接合物の接着力も、他の金属(例えばアルミ合金類や鋼類)より常に低くかった。
一方、金属と熱可塑性樹脂を使用した射出接合技術、及び、射出接合物における金属樹脂間の接合力の強さが広く認められ、2015年7月、本発明者がいう射出接合技術で接合された、金属と樹脂の接合強度の測定方法は、ISO(International Organization for Standardization)に登録された。即ち、射出接合物における金属部と樹脂部間のせん断接合強度(tensile lap-shear strength)を測定するための測定用射出接合物(Overlapped test specimens)の形状(図2)、及び、引張り接合強度(tensile strength)を測定するための測定用射出接合物(Butt welded test specimens)の形状(図3)が規定された(ISO 19095-1〜5)。
この新たに制定された世界標準に従って、本発明者等が作成した表面処理済みの種々の金属片と射出接合用として多用されているPPS系樹脂組成物「SGX120(東ソー株式会社(本社:日本国東京都)製)」より、上記の接合力測定用の接合対を多数作成し、接合力を測定することにより種々のことが判明した。即ち、新NMTによるPPS系樹脂「SGX120」との射出接合物におけるせん断接合強度は、金属材がマグネシウム合金、アルミニウム、アルミ合金、銅、銅合金、ステンレス鋼、チタン、チタン合金、一般鋼材、アルミ鍍金鋼板、亜鉛鍍金鋼板、とほぼ全ての実用金属種において、40〜43MPaのせん断接合力が得られ、金属の材質に大きな違いはなかった。
ただ、僅かだがC1100銅では40MPa付近となり、前述した中でやや低い。しかしながら、劇的だったのは引張り接合強度である。引張り接合強度は、新NMT処理された金属で、最高の数値はマグネシウム合金、アルミ合金の38〜40MPaであった。その他の金属に関しては、前述したC1100銅(図1の写真の表面形状物)で22〜23MPaと低く、多くのステンレス鋼、SPCC(冷間圧延鋼板)等の一般鋼材では、25〜30MPaのレベルとなった。即ち、引張り接合強度は一様ではなく、表面処理金属毎にバラバラであり、このデータが金属と樹脂間の真の接合力を示していることが明らかである。又、このことは、金属と樹脂が直接接合した一体化物において、その接合力を更に上げるための金属側の処理法が、完全には完成していない、ということを示唆するものである。
(新型の表面処理)
前述した新NMT処理法、及びNAT処理法では、前記した(1)及び(2)、(i)及び(ii)に記述された条件に従うべく、各種金属材を化学処理するのだが、本発明ではそのような考え方を無視した。即ち、漠然と言えば、金属に理想的な超微細表面凹凸形状だけを与えられないかと考え、全くの試行錯誤型で化学処理をなし、その表面形状を電子顕微鏡による観察で判断する手法を採用した。いずれにしろ、化学的な処理をして得た金属片と、前述したPPS系樹脂「SGX120」とで、図2に示したような形状の射出接合物(試験片)を作成し、そして、せん断接合強度を測定した。そして、そのせん断接合強度が上がるように、試行錯誤で表面処理法を詰めて行き、遂には40MPa以上の表面処理法を獲得するに至った。同様に、その表面処理法を使い、前述した「SGX120」を使用して、図3形状の射出接合物を作り、引張り接合強度を測定した。そして更に、その引張り接合強度が、更に上昇しないかを見るために、その表面処理方法を微調整した。
この微調整した表面処理方法をC1100銅に採用して、前述した「SGX120」との接合強度を測定した。その結果、この射出接合物の引張り接合強度が、軽く30MPaを超える強度を示すようになり、そのせん断接合強度は42〜43MPaを示した。そこで、銅片を電子顕微鏡観察したのだが、以前とは全く異なる表面形状をしていることが明らかとなった。上記と同じ化学処理法を用いて、45mm×15mm×3mm厚のC1100銅片、及び、100mm×25mm×3mm厚のC1100銅片を処理し、これらを1液性エポキシ接着剤である「スコッチウエルドEW2040(スリーエムジャパン株式会社(本社:日本国東京都)発売)」で接着し、前者の銅片同士の接着対(図4参照)からせん断接着強さ、後者の銅片同士の接着対(図5参照)から、引張り接着強さを測定し、せん断接着強さは70〜80MPa、引張り接着強さ70〜90MPaという双方高い接着力を確認した。要するに、以前のNAT処理をしたC1100銅の場合より数値が双方高かった。
本発明は、新NMT処理法やNAT処理法に捉われない新型の表面超微細凹凸面形状をした銅材に関するものである。要するに、少なくとも本発明者等は、各種金属材は、前述した新NMTやNATによって最適の被着材にすることができると考えていたが、新しく制定されたISOの接合力評価は、引張り接合強度や引張り接着強さによるとの考え方により、これら既存理論に捉われぬ金属表面処理法の開発が始まったことを示す。本発明はその中の純銅に関するものである。
本発明は、以上のような背景で発明されたものであり、以下の目的を達成するものである。
本発明の目的は、射出成形により、銅と、熱可塑性樹脂との接合面での強い接合を行うことができる、銅と樹脂の複合体を提供することにある。
本発明の他の目的は、接着剤を使用した接合により、銅同士、又、銅と熱硬化性樹脂成形物やマトリックス樹脂に熱硬化性樹脂を使用したCFRP等やセラミック材との強い接合を行うことができる、銅と樹脂の複合体を提供することにある。
本発明の他の目的は、銅と、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、マトリックス樹脂に熱硬化性樹脂を使用したCFRP等、との間の接合面が高い密封度を保つことができる、封止性が必要な銅と樹脂の複合体を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、銅粉と、船底塗料等に使用される熱硬化性塗料組成物との間で強い接着力を得ることができる、銅と樹脂の塗料を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために以下の手段を採用する。
本発明1の銅と樹脂の複合体は、
電子顕微鏡による10万倍観察において、200nm四方に、酸化銅によるウイスカが10〜50本生えて上部では縺れる形となっている頭毛状の超微細凹凸面を有している銅形状物と、
前記超微細凹凸面に直接的に接合している熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂とからなるものである。
本発明2の銅と樹脂の複合体は、
電子顕微鏡による10万倍観察において、200nm四方に、長さ10〜120nmの棒状若しくは楕円体の金属酸化物からなる微小形状物、又は、長さ10〜150nmの棒状形状物が合計で10〜50個ばらまかれて付着したようになった超微細凹凸面で全面が覆われている銅形状物と、
前記超微細凹凸面に直接的に接合している熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂とからなるものである。
本発明3の銅と樹脂の複合体は、本発明1又は2の銅と樹脂を含む複合体において、
前記熱硬化性樹脂が、エポキシ接着剤含むエポキシ系樹脂組成物、不飽和ポリエステル系樹脂組成物、及びアクリル系樹脂組成物から選択される1種であることを特徴とする。
本発明4の銅と樹脂の複合体は、本発明1又は2に記載の銅と樹脂を含む複合体において、
前記熱可塑性樹脂が、ポリアミド系樹脂組成物、ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物、及びポリフェニレンサルファイド系樹脂組成物から選択される1種であることを特徴とする。
本発明5の銅と樹脂の塗料は、
塗料用組成物である銅と樹脂を含む塗料であって、
電子顕微鏡による10万倍観察において、
200nm四方に、酸化銅によるウイスカが10〜50本生えて上部では縺れる形となっている頭毛状の超微細凹凸面を有している銅粉、
200nm四方に、長さ10〜120nmの棒状若しくは楕円体の金属酸化物からなる微小形状物が合計で10〜50個ばらまかれて付着したようになった超微細凹凸面で全面が覆われている銅粉、及び
長さ10〜150nmの棒状形状物が合計で10〜50個ばらまかれて付着したようになった超微細凹凸面で全面が覆われている銅粉
から選択される1以上の前記銅粉、
熱硬化性樹脂、及び、溶剤
からなることを特徴とする。
[本発明の銅と樹脂の複合体の製造方法]
以上詳記した本発明の銅と樹脂の複合体の製造方法の概要は、
銅形状物を脱脂剤槽に浸漬し水洗して、前記銅形状物の表面の付着油剤、付着汚れを除き清浄な表面にする洗浄工程と、
前記洗浄工程後の前記銅形状物を、0.05〜0.5重量%の鉄イオンを含む希硝酸水溶液に浸漬して、化学エッチングする化学エッチング工程と、前記化学エッチング工程後の前記銅形状物を、強塩基下とした過マンガン酸カリ水溶液、又は0.05〜0.5重量%のクロムイオン含む強塩基性下とした過マンガン酸カリ水溶液に浸漬して表面を酸化する過マンガン酸カリ酸化工程と、
前記過マンガン酸カリ酸化工程後の前記銅形状物を、強塩基性下とした亜塩素酸ソーダの水溶液に浸漬して、更に表面層を酸化する亜塩素酸ソーダ酸化工程と、
前記工程後の銅形状物を射出成形金型にインサートして熱可塑性樹脂を射出し前記銅形状物と樹脂を一体化する、又は、前記工程後の銅形状物に熱硬化性樹脂組成物を付着し硬化接着させる一体化工程とからなる。
本発明の銅と樹脂の複合体は、銅と高結晶性熱可塑性樹脂等の硬質樹脂との強い接合強度を得ることができ、しかも射出成形により生産できるので生産性も高い。また、本発明の銅と樹脂の複合体は、接着剤を使用した接合によっても、銅と熱硬化性樹脂等の硬質樹脂、又はCFRPとが強く接合したものが得られた。更に、本発明の銅と樹脂の複合体は、銅と高結晶性熱可塑性樹脂、又は、熱硬化性樹脂等の硬質樹脂や熱硬化性樹脂から出来上がっているCFRPとが強く接合しているので、液体、気体等から強い密封度を保つことができ、耐候性も高い物が出来易い。更に、本発明の銅と樹脂の複合体は、高結晶性熱可塑性樹脂と銅、又は、熱硬化性樹脂硬化物から出来上がっているCFRPと銅とが強く接合しており、液体、気体等から強い密封度を保つことができ、耐候性も高い物が出来易い。更に、本発明の銅粉と樹脂の塗料は、銅粉と熱硬化性樹脂との間の接着力が強いので、船底塗料等の組成物にも使用できる。
図1は、C1020銅を純銅用の新NMT処理(従来技術)した物の電子顕微鏡写真であり、図1(a)は1万倍、及び図1(b)は10万倍の写真である。 図2は、ISOで規定されたせん断接合強度測定用の射出接合物の形状を示す外観図である。 図3は、ISOで規定された引張り接合強度測定用の射出接合物の形状を示す外観図である。 図4は、本発明の実験で使用したせん断接着強さ測定用の接着対の形状を示す外観図である。 図5は、本発明の実験で使用した引張り接着強さ測定用の接着対の形状を示す外観図である。 図6は、本発明の実験例2のC1100銅を、純銅用の新型表面処理(A)で処理した物の電子顕微鏡写真であり、図6(a)は千倍、図6(b)は1万倍、図6(c)は10万倍である。 図7は、本発明の実験例3のC1100銅を、純銅用の新型表面処理(A)で処理した物の電子顕微鏡写真であり、図7(a)は1万倍、図7(b)は10万倍である。 図8は、本発明の実験例4のC1100銅を、純銅用の新型表面処理(B)で処理した物の電子顕微鏡写真であり、図8(a)は千倍、図8(b)は1万倍、図8(c)は10万倍である。 図9は、射出接合物(図2)を収納して、せん断接合強度を測定するときに用いる補助治具の概要を示す側面図である。
以下、純銅、及び銅系金属である銅形状物と結晶性熱可塑性樹脂を使った射出接合、又はエポキシ接着剤等を使用した接着剤接合のための銅形状物の表面処理に関し、又、射出成形機を使用する射出接合技術、1液性エポキシ接着剤を使用した接着工程に関し、その各手段、要素等について説明する。
[1.銅の表面処理]
銅系金属として、本発明に使用できることを確認したのはC1020、C1100銅等の所謂、純銅であり、以下が本発明による表面処理の要点となる。即ち、使用する銅形状物、銅粉等は、何らかの機械加工、粉砕処理等がなされており、機械油、指脂等が付着している。それ故に、先ず(1)脱脂工程を行う。これは市販の金属用脱脂剤、洗剤等を温水に溶解した槽を作り、浸漬し、そして水洗する工程である。次いで、(2)化学エッチング工程を行う。種々の薬液が使用出来るが、本発明者等が使用したのは、数%〜10%濃度の硝酸水溶液であり、これに浸漬する方法である。何れも銅表面を全面腐食させ、脱脂後も付着していた汚れを表面銅層諸共に除去して、全体を数十ミクロンオーダー周期の粗面とする。しかし、この希薄硝酸水溶液処理時に、意図的に共存させた少量の金属イオンが、結果的に最終工程で得られる銅片の表面微細凹凸形状に大きな影響を与えることになる。
次いで(3)表面酸化工程を行う。これは前述した銅形状物表面を酸化させて酸化銅薄層が全面を覆うように仕組んだものであり、本来の目的は表面硬化であるが、意図的には(4)超微細凹凸面化も兼ねている。即ち、結晶状の金属酸化物は、一種のセラミックであることが多く金属よりも硬質である故に、元々は、新NMT処理やNAT処理で行う3条件の内の、前述した条件(3)に合わせんとしたものである。そして、この表面酸化工程は、表面の金属銅原子が一旦酸化剤で酸化されて銅イオンとなる工程を踏むので、その後に、銅イオンが酸素イオンと結合して酸化銅となって析出した時、その析出速度が場所によって異なれば、自動的に超微細凸部が出来上がる。その結果、表面に超微細凹凸面が出来ることも見越している。これは前述した新NMT処理やNAT処理で行う3条件の内の条件(2)に合わせたものである。
本発明で使用した酸化剤は結果的に、2段階による過マンガン酸カリと苛性カリの混合水溶液、及び、亜塩素酸ソーダと苛性ソーダの混合水溶液による酸化処理である。一般的に、後者は種々の酸化によく使用される物であるが、前者はあまり知られていない酸化系である。即ち、過マンガン酸カリは、酸性下で通常使用されるので、強塩基下での使用はその前例を本発明者等は知らない。前述した2種の酸化剤を使用順も含め、浸漬条件も含め、種々に実施している中で不思議な超微細凹凸形状が銅表面に生成することが分かった。更に言えば、過マンガン酸カリと苛性カリを加えて、意図的に別の金属イオンを少量加えることで前記超微細凹凸形状のパターンも劇的に変化した。
要するに、最も接合に好都合であると認識して獲得した2種類の超微細凹凸形状を有する銅片とは、(A)平面に長さ10〜200nmの棒状、又は楕円体(穀類状の楕円体形状)状の金属酸化物からなる微小形状物、及び、径50〜200nmで厚さ5〜20nmの円盤状物が、合計で10〜50個ばらまかれて付着したようになった超微細凹凸面で全面が覆われている銅形状物、及び、(B)平面に酸化銅によるウイスカが多数生え、この上部では縺(もつ)れる形となっている頭毛状の超微細凹凸面で全面が覆われている銅形状物、の2種である。
(A)パターンと(B)パターンの違いは、前述した過マンガン酸カリと苛性カリの混合水溶液に、何ら別の金属イオンを意図的に加えていないときは(A)パターンであり、一方、クロムイオンが少量加えられていると(B)パターンの形状になる。本発明者等は高い射出接合力、接着剤接合力が出現する化学処理法は如何なるものかと全くの試行錯誤法により、これら表面処理法を見出して開発したものであり、その表面形状変化、その変化のメカニズム等については検討していない。要するに実験と観察を繰り返して、全て結果論として発見したものである。更に言えば、(B)パターンの銅形状物に仕上げた場合、これを使用してPPS系樹脂を射出接合して得た銅・樹脂一体化物にはその接合力に高い耐湿熱性があった。
[2.射出接合用樹脂と射出接合法]
前述したNMT、新NMT用樹脂として、6ナイロン系樹脂、66ナイロン系樹脂、半芳香族ナイロン混合系樹脂、PBT系樹脂、PPS系樹脂、が市販されておりこれらが使用できる。又、PEEK系樹脂も未公開だがNMT、新NMT用樹脂組成物が、本発明者等によって接合力に関して、好結果が得られているので使用可能である。使用樹脂種は、射出接合物の使用環境により選ばれるが、一般機械用であれば吸湿性、吸水性、加水分解性がごく低いか皆無であり、且つ、耐熱性に優れるPPS系樹脂が使い易い。それ故に、本発明ではPPS系樹脂を樹脂群の代表として使うことで発明の具体的な中身を説明する。
(射出接合用PPS系樹脂)
射出接合力が強く、本発明者等が最もよく使用するPPS系樹脂は、前述した「SGX120」である。この樹脂組成物は、ガラス繊維(GF)が樹脂組成物全体の20%を占め、樹脂分が残分の80%を占める。そして、樹脂分の主成分をPPS、従成分を変性ポリオレフィン樹脂、更に、少量だが第3の樹脂成分として、PPSと変性ポリオレフィン樹脂が分子レベルで混ざり易くすべく、加えられた相溶化剤的高分子が含まれている。この第3成分樹脂が何かにつき、この樹脂メーカー(東ソー株式会社)は開示していない。しなしながら、この説明で、上記の「SGX120」が、新NMTにて射出樹脂に対して要求している2条件を完全に満たした樹脂組成物であることが分かる。
PPS系樹脂を使用した射出接合物は、その樹脂部に耐水性、低吸水性があるので、金属樹脂間の接合力に耐湿熱性ある射出接合物を作成せんとすれば使用に適した樹脂種ということになる。後記する実施例では、その接合力に耐湿熱性ある銅とPPS系樹脂の射出接合物についても、実験しその評価をしているが、そこで使用しているPPS系樹脂は、「SGX115(東ソー株式会社製)」である。この樹脂組成物は、GF含量が組成物全体の15%を占め、樹脂分が残分の85%を占める。そして樹脂分は、主成分のPPS、従成分の変性ポリオレフィン樹脂、及び、第3成分の相溶化剤的高分子が含まれるが、樹脂分中の変性ポリオレフィン含量が、上記「SGX120」での含有率よりも多少多くなっている。それ故、樹脂組成物全体として見ると、変性ポリオレフィン含量がかなり増えており、その結果として、吸水率、吸湿性等は、上記「SGX120」より、更に特性が良く、耐湿熱性を求める射出接合物には使用が好ましいPPS系樹脂となっている。但し、GF含量が低いだけに上記「SGX115」使用の射出接合物の最高せん断接合強度は、38〜40MPaとなり、上記「SGX120」より1割ほど弱くなる。
(射出接合法)
銅形状物と樹脂組成物を射出接合する方法は、射出成形金型に、本発明の化成処理方法で処理された銅形状物をインサートして金型を閉じ、上記した樹脂組成物を射出することで、十分高い接合力ある射出接合物を得ることが出来る。その射出成形条件は、通常の射出成形時と実質的には変わらない。敢えて言えば、射出温度はやや高め、金型温度はPEEK系樹脂の場合を除き、140℃程度にした方がよい。要するに、好ましくは、通常の射出成形条件で言われている金型温度よりもやや高めに設定する。PEEK系樹脂の場合、金型温度は180〜200℃が適している。
[3.接着剤接合技術]
(1液性エポキシ接着剤)
日本国を含めて国内外市場で、1液性エポキシ接着剤が多数市販されており、本発明の複合体を構成する樹脂として、これらのほぼ全てが使用できる。本発明者等が好ましく使用している1液性エポキシ接着剤は、「EP106NL(セメダイン株式会社(本社:日本国東京都)発売)」、及び上記「スコッチウエルドEW2040」である。この双方共に、NAT処理済み金属片同士の接着において、常温下で70MPa程度のせん断接着強さを示す。又、後者の「EW2040」は、NAT処理済み金属片同士の接着に、150℃下で35MPa程度のせん断接着強さを示す耐熱性がある。どのような1液性エポキシ接着剤であれ、このような高い接着力を発揮するには、「NAT接着法」と称する後述の接着手法を用いる必要がある。
(NAT接着法:染み込まし処理)
本発明による銅形状物同士を、1液性エポキシ接着剤を使用して接着操作する場合に必要な工程があり、これを「染み込まし処理」という。この工程を含んだ接着操作をNAT接着法と称している。これは常温下では高粘度の糊状、ペースト状である1液性エポキシ接着剤が、金属面の超微細凹部にも十分に侵入することを目論んだ工程である。
具体的には二つの方法があり、一つの方法は、予め60〜70℃に温めておいたデシケータを用意し、銅形状物に接着剤を塗った物をこのデシケータに入れて真空ポンプにて内部を一旦真空状態にし、その後空気を入れて常圧に戻す操作を数回繰り返すことである。デシケータから取り出して、接着剤塗布面同士を接合して、これをクリップ等の組み付け治具を使って固定し、熱風乾燥機にて昇温硬化する方法である。この製造方法は、デシケータや真空バッグ等に入る小物の複合体の製造しか使用できない。
二つ目の製造方法は、1液性エポキシ接着剤がジシアンジアミド硬化型の場合にしか使えないが、被着材の大きさに関係なく使用できる「染み込まし処理法」がある。これは接着剤を小容器に取り、ケトン系溶剤、例えばメチルイソブチルケトン(MIBK)を少量加えてよく混ぜ合せて一旦、低粘度の懸濁液とする手法である。被着材に、この懸濁液を十分に塗り、塗布済み金属片を55℃の温度で20分ほど温風乾燥する。即ち、ケトン系溶剤を揮発させて、元の接着剤組成に戻す操作を行う。温風乾燥機から出した後の接着剤塗布面を見て、塗布層が薄いのであれば、元の接着剤を更に塗り足す。その後の操作は、前述した方法と同一である。
[4.コート材と船底塗料としての可能性]
結論として、本発明の化成処理方法によって処理された銅粉は、銅系船底塗料として使用できる。現状の銅系船底塗料は、亜酸化銅粉末をアクリル系コート材に加えた物が使われている。実際のFRP船への使用法は、船底にエポキシ系塗料を塗布して半硬化させ、その塗膜上に亜酸化銅粉体を含むアクリル系塗料を塗布して硬化させ、2層塗りした船底塗料膜とするのが標準的である。これはFRP自体に十分な耐水性がなく、先ずFRPへの接着力が強く耐水性もあるエポキシ系塗料で塗膜を作り、水がFRP部に浸透してくることを抑制する必要があることから来ている。そして藻、牡蠣等の貝類の付着を防ぐ役目は、亜酸化銅が担っており、陽光に強いアクリル系樹脂でこの亜酸化銅粉を保持し、同時に陽光に弱いエポキシ系塗料塗膜を保護している。
一方、銅貨、銀貨が古代中東で使われ、これは広く世界中に広がったが、銅、銀に元々殺菌作用があることも古くから知られていた。実際、船底に銅板を貼ると銅板に藻はつかない。要するに船底塗料としては、ごく僅かであれ銅イオンが溶け出してくれれば基本的に役立つ。即ち、船底塗料として種々の樹脂製コート材に混合する銅成分として、現状は亜酸化銅が使われているが、この銅成分に限る必要は本来ない。銅粉でもよいが銅粉では樹脂製コート材との接着性が劣り、船の船底塗料の場合、水流でコート材が次第に削られて行くと銅粉が早く離脱する。この点、本発明(B型処理品)による銅粉は、芯は純銅だが樹脂と接触しているのは、その表面層の超微細凹凸ある結晶化した酸化銅(酸化銅ウイスカのこと)層であり、硬化したコート材との接着性は格段に優れている上に水分子との接触で変化し難い。それ故に、むしろコート材塗膜を強化し、樹脂分の水流による消耗速度を抑制すると予期される。実用的な船底塗料になるか否かは、船底塗料の専業各社の実船による試験結果を経なければならないが、過去に得られた知識からは実用化できる可能性、即ち、亜酸化銅製の船底塗料よりも耐久性に優れているというデータが出る可能性は十分高い。
[5.接合力、接着力の測定について]
接着物のせん断接着強さの測定法、引張り接着強さの測定法は、各々JIS(日本工業規格)に記載がある。即ち、JISK6849(ISO 6922 )、JISK6850(ISO 4587)である。しかしながら、NAT処理金属片同士の1液性エポキシ接着剤使用の接着対(試験片)の接着力は、これらJISの標準測定法では測れない。要するに、これらJIS基準が作られた時に想定した接着力よりもNATによる接着物では接着力が遥かに高く、JISに従った試料片で接着し引張り破断をすると、正確なせん断破断や引張り破断が生じる前に、材料片の変形が生じ大きな応力集中が起きて早く破断してしまうからである。同様に、本発明者等が発明し、開発し、商業化して行った金属と熱可塑性樹脂からなる射出接合物も、そのせん断接合強度、引張り接合強度をJISK6849、JISK6850と同じ形状とした試料を使って測定することは出来ない。これも同じ理由による。
そこで、射出接合技術に関しては日本国内関連部門が海外にも働きかけて頂き、2015年7月にISO基準として登録の運びとなった。具体的には、射出接合物のせん断接合強度を測定するときは、図2に示した形状であり、引張り接合強度を測定するときは図3に示した形状の射出接合物を作成し、引張り試験機にかけて測定することが標準化された。但し、せん断接合強度の測定は、図2形状物の両端を直接引張り破断するのではなく、ISOで規格化された図9に示した形状の補助治具に納めての引張り試験となる。又、接着剤による接合技術に関してだが、これも日本国内関連部門が海外にも働きかけている。正しくは金属材とCFRP材との接着剤接合技術についてだが、数年後にISO基準として登録される可能性がある。本発明者等が金属片同士や金属片とCFRP片の接着物のせん断接着強さを測定する時の形状候補は、図4に示した形状、引張り接着強さを測定する形状候補は図5に示した形状である。
[6.接合力、接着力の耐環境維持性の測定等]
(射出接合物に於ける耐湿熱性について)
射出接合技術には、前述した新NMTの他にNMT(Nano molding technologyの略)というAl合金専用のものがある。各種Al合金をこのNMT処理法の発展形のNMT2処理した物を、PPS系樹脂である前述した「SGX120」、「SGX115」等と射出接合した場合、得られる射出接合物のAl合金部と樹脂成形物部の間の接合面には、完全に近いガス封止性があり、且つ、その接合力はせん断接合強度約40MPaと高い。その上に、この接合面は、85℃で85%の湿度にした高温高湿試験機に、数千時間入れた後も殆ど接合力が変わらないという長期耐湿熱性がある(特許文献15参照)。このようなPPS系樹脂を使用して作成した射出接合物における接合力の長期耐湿熱性は、近年、Al合金、Al鍍金鋼板類だけでなく、TiやTi合金、及び、SUS304、SUS316というオーステナイト系ステンレス鋼の一部でも新NMT処理法を改善し、全くの新型表面処理法を開発して成功している。それ故、本発明の純銅の処理物でも確かめようとした。
本発明者等が用いた測定法(試験法)は2種あり、一つは、本発明者等が命名した「ポット耐湿熱性評価法」という簡易測定法であり、もう一つは85℃85%湿度にした高温高湿試験機に数千時間入れる本格的な長期耐湿熱性の測定法である。前者は本発明者等が開発した方法であり、市販の電気ポットを購入し、イオン交換水を入れて98℃設定にし、射出接合物を投入して1日〜数日おいて取り出し、乾燥した後に引張り試験機で接合力を測定するものである。本発明者等の場合、「ポット耐湿熱性評価法」も、高温高湿試験機を使用する方法も、付加試験後の乾燥条件を80℃×10時間+常温送風乾燥×10時間とした。
以下、本発明の実施の形態を実施例によって説明する。
この実験例で用いた主な機器は、次の3つである。
(a)電子顕微鏡観察
SEM型の電子顕微鏡「S−4800(株式会社日立製作所(本社:日本国東京都)製)」及び「JSM−6700F(日本電子株式会社(本社:日本国東京都)製)」を使用し、1〜2KVにて観察した。
(b)複合体の接合強度の測定
引張り試験機「AG−500N/1kN(株式会社島津製作(本社:日本国京都府)製)」を使用し、引張り速度10mm/分でせん断破断力を測定した。
(c)耐高温高湿試験
恒温恒湿試験機「IH400(ヤマト科学株式会社(本社:日本国東京都)製)」を使用し、85℃85%湿度に保って500〜8000時間連続保管した。
[実験例1](C1020銅の新NMT処理(NAT処理)):参考例
C1020銅板を入手し45mm×18mm×1.5mm、50mm×10mm×2mm、45mm×15mm×3mm、又、100mm×25mm×3mmの小板片多数を機械加工で作成した。そして、これら銅小片の端部に2mmφの穴を開け、塩ビカバーSUS鋼線(園芸用針金)を通して、銅片十数個がぶら下げられるようにした。
市販のアルミ合金用脱脂剤「NE−6(メルテックス株式会社(本社:日本国東京都)製)」を、7.5%含む水溶液を60℃として脱脂用水溶液とした。この脱脂用水溶液を満たした浸漬槽へ、前記銅小片を5分間浸漬して脱脂し、これを水道水で水洗した。次に別の浸漬槽に、1.5%苛性ソーダ水溶液(25℃)に1分間浸漬し、イオン交換水で水洗した。次に別の浸漬槽に、銅用エッチング材「CB5002(メック株式会社(本社:日本国兵庫県)製)」を20%と過酸化水素を6%含む水溶液(25℃)を銅エッチング液として用意し、これに前記銅片を1.5分間浸漬した後、イオン交換水で水洗した。次に別の浸漬槽に、苛性ソーダを10%と亜塩素酸ソーダを5%含む水溶液(65℃)を銅酸化用水溶液として用意し、前記銅片を1分間浸漬し、これをイオン交換水で水洗した。次に先ほどの銅エッチング液に再び1分間浸漬し、これをイオン交換水で水洗し、更に先程の酸化用水溶液にも再び1分間浸漬し、これをイオン交換水で水洗した。次に、これを90℃に設定した温風乾燥機に15分間入れて乾燥した。これらの処理をした銅小片の各々は、アルミ箔で纏めて包み保管した。上記と全く同じ処理をしたC1020銅の電子顕微鏡写真(1万倍と10万倍)を図1(a)及び図1(b)に示した。
[実験例2](C1100銅の新型の表面処理(A))
C1100銅板を入手し、実験例1と同様に各種大きさの銅小片多数を作成し、その端部に2mmφの穴を開け、塩ビカバーSUS鋼線(園芸用針金)を通して銅片十数個がぶら下げられるようにした。
浸漬槽にアルミ用脱脂剤「NE−6(メルテックス株式会社(本社:日本国東京都)製)」10%を含む水溶液を60℃としたもので満たし、この浸漬槽に前記銅小片を5分間浸漬した後、これを水道水で水洗した。次に別の浸漬槽に40℃とした1.5%濃度の苛性ソーダ水溶液を用意し、この浸漬槽に合金片を1分間浸漬した後、これをイオン交換水で水洗した。次に別の浸漬槽に、40℃とした10%濃度の硝酸水溶液を用意して前記銅小片を1分間浸漬し、次に別の浸漬槽に、3%濃度の硝酸水溶液(40℃)に10分間浸漬し、これをイオン交換水でよく水洗した。次に別の浸漬槽に、過マンガン酸カリ2%と苛性カリ3%を含む水溶液(70℃)を用意し、前記銅小片を35分間浸漬し、これをイオン交換水で水洗した。次に別の浸漬槽に、亜塩素酸ソーダ5%と苛性ソーダ10%を含む水溶液(55℃)を用意し、前記銅小片を10分間浸漬し、これをイオン交換水で水洗した。次に、これらの浸漬処理した銅小片を、80℃に設定した温風乾燥機に15分間入れて乾燥した。浸漬処理した銅小片の各々は、アルミ箔で纏めて包み保管した。
上記と全く同じ処理をしたC1100銅の電子顕微鏡写真(千倍、1万倍、10万倍)を図6に示した。図6(c)から、長さ10〜120nmの棒状又は楕円体の金属酸化物からなる微小形状物が、ばらまかれて付着したようになっており、それらが特殊な超微細凹凸面を構成していることが分かった。
[実験例3](C1100銅の新型の表面処理(A))
実験例2のものと同様に、穴あきのC1100銅片を用意した。槽にアルミ用脱脂剤「NE−6(メルテックス株式会社(本社:日本国東京都)製)」10%を含む水溶液(60℃)を用意し、前記銅小片を5分間浸漬して水道水で水洗した。次いで、別の浸漬槽に1.5%濃度の苛性ソーダ水溶液(40℃)を用意し、これに合金片を1分間浸漬して、これをイオン交換水で水洗した。次に別の浸漬槽に、10%濃度の硝酸水溶液(40℃)を用意して前記銅小片を1分間浸漬し、次に別の浸漬槽に、3%濃度の硝酸と0.25%濃度の水和硝酸第2鉄を含む水溶液(40℃)を用意して、前記銅小片を10分間浸漬し、イオン交換水で水洗した。次に別の浸漬槽に、2%濃度の過マンガン酸カリと3%濃度の苛性カリを含む水溶液(70℃)を用意し、前記銅小片を35分間浸漬し、イオン交換水で水洗した。次に別の浸漬槽に、亜塩素酸ソーダ5%と苛性ソーダ10%を含む水溶液(55℃)を用意し、前記銅片を10分間浸漬し、イオン交換水で水洗した。次に、この銅小片を、80℃に設定した温風乾燥機に15分間入れて乾燥した。これらの処理をした銅小片の各々は、アルミ箔でまとめて包み保管した。
上記と全く同じ処理をしたC1100銅の電子顕微鏡写真(1万倍、10万倍)を図7(a)〜(b)に示した。図7(b)の写真に表れているように、長さ10〜150nmの棒状形状物が非常に多数ばらまかれて付着した形になっており、図6(c)のものと較べて超微細凹凸形状が激しいことが分かる。
[実験例4](C1100銅の新型の表面処理(B))
実験例3と同様に穴あきのC1100銅小片を用意した。浸漬槽にアルミ用脱脂剤「NE−6(メルテックス株式会社(本社:日本国東京都)製)」10%を含む水溶液(60℃)を用意し、前記銅小片を5分間浸漬して、これを水道水で水洗した。次いで、別の浸漬槽に1.5%濃度の苛性ソーダ水溶液(40℃)を用意し、これに合金片を1分間浸漬してイオン交換水で水洗した。次に別の浸漬槽に、10%濃度の硝酸水溶液(40℃)を用意して前記銅片を1分間浸漬し、次に別の浸漬槽に、3%濃度の硝酸と0.25%濃度の水和硝酸第2鉄を含む水溶液(40℃)を用意して、前記銅小片を10分間浸漬し、イオン交換水で水洗した。次に別の浸漬槽に、2%濃度の過マンガン酸カリと3%濃度の苛性カリと0.1%濃度の水和硝酸クロムを含む水溶液(70℃)を用意し、前記銅小片を35分間浸漬し、イオン交換水で水洗した。次に別の浸漬槽に、亜塩素酸ソーダ5%と苛性ソーダ10%を含む水溶液(55℃)を用意し、前記銅小片を20分間浸漬し、イオン交換水で水洗した。次に、この銅小片を80℃に設定した温風乾燥機に15分間入れて乾燥した。これらの処理をした銅小片の各々は、アルミ箔でまとめて包み保管した。
上記と全く同じ処理をしたC1100銅の電子顕微鏡写真(千倍、1万倍、10万倍)を図8(a)〜(c)に示した。図8(b)、及び図8(c)から、その表面超微細凹凸形状は実験例2、3とは激変し、全面がウイスカで覆われて頭毛状になっていることが観察される。
[実験例5](射出接合実験:せん断接合強度の測定)
実験例1〜4で得た45mm×18mm×1.5mm厚の純銅小片につき、PPS系樹脂「SGX120」を使用して射出接合物(図2形状)を作り、これを補助治具(図9)使いせん断圧縮破断してせん断接合強度を求めた。この結果を表1に示した。表1よりせん断接合強度は何れも高いことが分かる。
[実験例6](射出接合実験:引張り接合強度の測定)
実験例1、3、4で得た50mm×10mm×2mm厚の純銅小片につき、PPS系樹脂「SGX120」を使用して射出接合物(図3形状)を作り、これを引張り破断して引張り接合強度を求めた。この結果を表2に示した。
この表2は、5個ずつ測定して得たデータの最高値を示した。表2に示す実験例3、4の35〜38MPaは、参考例である実験例1から得たデータより遥かに高い。本発明者等の経験では、金属と高結晶性熱可塑性樹脂から得た射出接合物において、せん断接合強度は比較的高い値が一律で出やすい。例えば、射出樹脂にPPS系樹脂「SGX120」を使用した場合、金属種に拘わらず新NMT処理をした物であれば、せん断接合強度として40〜43MPa(23℃)が得られた。しかしながら、引張り接合強度は最も高い場合(アルミ合金材で実現出来る)で38MPa、その他では20〜30MPaとなることが多かった。
[実験例7](射出接合物の耐湿熱性)
表1に示した実験例1、3、4の純銅小片と射出接合用のPPS系樹脂「SGX115」の射出接合物(図2に示す試験片)を大量に作成し、電気ポット(象印マホービン株式会社(本社:日本国大阪府)製)内の98℃に加熱したイオン交換水に浸漬し、1〜3日後に取り出して、これを80℃で10時間乾燥後、更に常温送風乾燥で10時間の乾燥処理をした。これを引張り試験機にかけて、せん断接合強度を測定した。その結果を表3に示した。表3より、Bウイスカ型のC1100銅片を使用した射出接合物において、その接合力に耐湿熱性が高いことが分かる。
[実験例8](射出接合物の長期耐湿熱性)
実験例7にて、実験例4で作成したBウイスカ型の銅片を使用したPPS系樹脂「SGX115」との射出接合物(複合体)で、その接合力に高い耐湿熱性が認められたので同じ形状物(図2に示す形状物)を大量に作成し、85℃で85%湿度に設定した高温高湿試験機に投入し、5百時間、千時間毎に3個単位で取り出して、80℃とした温風乾燥機で10時間乾燥させ、次に、これを常温送風に切り替えて10時間置き、これを取り出して23℃下で、引張り試験機にかけて、せん断接合強度を測定した。その結果を表4に示す。表4によればこの環境下でも1,000〜2,000時間までは接合力は落ちず、3,000時間経過後は低下が始まるようである。何れにしても、一般的な日本国内の自然環境下では、10年〜20年間は、殆ど接合状態が変化しないことを示している。
[実験例9](1液性エポキシ接着剤使用の接着試験)
実験例1〜3で得た45mm×15mm×3mm厚の純銅小片、及び100mm×25mm×3mm厚の純銅小片につき、1液性エポキシ接着剤を使用してNAT接着(染み込まし処理を含む接着法を使用すること)し、接着対(図4、5形状)を作り、これを引っ張って、せん断接着強さ、及び、引張り接着強さを求めた。
具体的に言えば、先ず紙コップに数gの1液性エポキシ接着剤である上記「スコッチウエルドEW2040」を取り、そこへ溶剤MIBKを同量程度加えて、これを攪拌棒でよく混ぜ合わせ低粘度懸濁液を得た。これを銅小片の所定の部分に塗り、55℃にセットした温風乾燥機に20分間入れて溶剤を揮発させた。その上で、銅小片上の接着剤塗膜に対し、更に、前述した「EW2040」を塗り加えた。そして接着剤が塗面された面同士を付き合せ、図4に示す形状物を作るときは、銅小片対をクリップ2個で固定する。図5に示す形状物を作るときは、銅小片同士を付き合せた形を作った上で、フッ素樹脂テープを突合せ部に巻き付け、接着部から接着剤が漏洩しないようにし、そしてクリップでフッ素樹脂テープ諸共固定し、両端面(接着面)を押し付けて、接着剤層厚をゼロに近づける操作をした。そして熱風乾燥機内に、このクリップで固めた接着対を縦にして2本ずつ立て、その頭部毎に500gの鋼材片(ウェイト)を載せた。そして熱風乾燥機を閉めて170℃に昇温させ、20分間接着剤を硬化させた。
硬化して得た図4、図5に示す形状物の2種類の接着対は、接着面から溢れて固化した物を回転砥石やナイフで削り取った。図4形状物は接着面積が約0.5cmであり、図5に示す形状物は、接着面積が25mm×3mmの0.75cmである。これらの5対の形状物をそれぞれ測定し、せん断接着強さは平均値、引張り接着強さは最高値を表5に示した。
射出接合力でも接着力でもその真の強さは、引張り接合強度(引張り接着破断応力)が示すものと本発明者等は理解している。その理解通り、せん断接着強度は、この実験例1〜4の物でやや実験例1の新NMT処理品がやや低いものの60〜70MPaと高い接着力を示した。ここに示していないが、前述した「EW2040」で、NAT処理した各種金属小片のNAT接着による接着対が示すせん断接着強さは、ほぼ全ての金属種で約70MPa以上となることが判明している。それ故に、新NMT処理C1100銅小片と同様に、本発明でいう新型処理による実験例3、4によるC1100銅小片もせん断接合強度はこの類に入ったということも言える。
しかしながら、引張り接着強さは大きく異なった。実験例3、4の物が70〜80MPaと高く、実験例1の写真で示した表面を有する形状物(図1(a)及び(b))のものは低かった。結局、全体の傾向は表1、2で示された射出接合物と同傾向であった。
[実験例10](銅粉の表面処理)
銅粉(昭和化学株式会社(本社:日本国東京都)製)を入手した。1Lビーカーに実験例1で使用した脱脂槽からアルミ用脱脂剤「NE−6(メルテックス株式会社(本社:日本国東京都)製)」10%を含む水溶液(60℃)の液を800ccほど掬い取り、そこへ前記銅粉50gを投入してガラス棒で3分間撹拌した。この懸濁液を濾紙置いた水流ポンプ付き濾過瓶で濾過し、更に水道水を注いで濾過して銅粉を洗浄した。瓶を一旦外して溜まった液を廃棄して再び濾過瓶セットを組立て、銅粉を濾過瓶の濾紙の上に残したまま1.5%濃度の苛性ソーダ水溶液500ccを注ぎ洗浄濾過し、更にイオン交換水を500cc注ぎ水洗濾過した。ここで再び瓶に溜まった液を廃棄して濾過瓶セットを組立て、銅粉を濾過瓶の濾紙の上に残したまま40℃の10%濃度の硝酸水溶液500ccを注ぎ洗浄濾過し、更にイオン交換水100ccを注ぎ水洗濾過した。
1Lビーカーに濾紙諸共に銅粉を取り、水和硝酸第2鉄を0.25%と硝酸を3%含む水溶液(40℃)500ccを入れてからピンセットで濾紙を取り除き、温度を保ちつつ撹拌子を入れ10分間撹拌した。次いで新濾紙を敷いた濾過瓶セットを用意して前記のビーカー液を注ぎ、硝酸水溶液と銅粉を分離し、イオン交換水500ccを更に注いで銅粉を洗浄濾過した。そして1Lビーカーに濾紙諸共に銅粉を取り、洗浄瓶で濾紙を洗いながらピンセットでビーカーから取り去った後、70℃とした過マンガン酸カリ2%と苛性カリ3%を含む水溶液500ccを加え、撹拌子を入れて40分間撹拌した。次に、再び新濾紙を敷いた濾過瓶セットを用意して、前記のビーカー液を注ぎ、過マンガン酸カリ水溶液と銅粉を分離し、イオン交換水500ccを更に注いで銅粉を洗浄濾過した。
そして1Lビーカーに濾紙諸共に銅粉を取り、洗浄瓶で濾紙を洗いながらピンセットでビーカーから取り去った後、55℃とした亜塩素酸ソーダ5%と苛性ソーダ10%を含む水溶液を500cc入れ、更に撹拌子も入れて10分間撹拌した。次いで、再び濾紙を敷いた濾過瓶セットを用意して前記のビーカー液を注ぎ、亜塩素酸ソーダ水溶液と銅粉を分離し、イオン交換水1000ccを更に注いで銅粉を洗浄濾過した。濾過瓶セットから濾紙諸共に皿に取り、80℃に設定した温風乾燥機に20分間入れて乾燥した。乳鉢に乾燥物を取り、濾紙を剥がして捨て、残分を乳棒で軽く叩いて粉末に戻す操作をした。やや厄介だったが実験例3とほぼ同操作を銅粉に対して行った。
[実験例11](塗料の調製)
上記実験例10で製造した銅粉を用いて、塗料を調製した。アクリルインキ「CAVメイバン・メジウム(株式会社セイコーアドバンス(本社:日本国東京都)製)」を入手してインキ10gを乳鉢に取り、上記処理で製造した銅粉7gを加えた。乳鉢で軽く潰しながら混ぜ上げた。更に希釈用溶剤「T−945(株式会社セイコーアドバンス)」を加え、結果的にポリマー、銅粉、溶剤の比率を重量比で、大凡40:30:30とし、塗料として使える物とした。この塗料を10cm四方のガラエポ板(エポキシガラス板)に厚塗りし、40℃とした温風乾燥機内に置いて終夜乾燥した。日本国横浜市の横浜港から取水した海水1Lをビーカーに取り、陽光当たる日本国神奈川県横浜市青葉区のマンションに設置した小温室内に置き、前記の塗膜付きガラエポ板を投入して1カ月(2015年2〜3月)放置した。海水からの蒸発分は、浄水器「SX902V(東レ株式会社(本社:日本国東京都)製)」で浄化処理した横浜市の公共水道水で補給したが、ビーカーガラスには緑色の藻のような物が付着したものの塗膜には藻は生じなかった。

Claims (5)

  1. 電子顕微鏡による10万倍観察において、200nm四方に、酸化銅によるウイスカが10〜50本生えて上部では縺れる形となっている頭毛状の超微細凹凸面を有している銅形状物と、
    前記超微細凹凸面に直接的に接合している熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂と
    からなるものである銅と樹脂の複合体。
  2. 電子顕微鏡による10万倍観察において、200nm四方に、長さ10〜120nmの棒状若しくは楕円体の金属酸化物からなる微小形状物、又は、
    長さ10〜150nmの棒状形状物
    が合計で10〜50個ばらまかれて付着したようになった超微細凹凸面で全面が覆われている銅形状物と、
    前記超微細凹凸面に直接的に接合している熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂と
    からなるものである銅と樹脂の複合体。
  3. 請求項1又は2項に記載の銅と樹脂を含む複合体において、
    前記熱硬化性樹脂が、エポキシ接着剤含むエポキシ系樹脂組成物、不飽和ポリエステル系樹脂組成物、及びアクリル系樹脂組成物から選択される1種である
    ことを特徴とする銅と樹脂の複合体。
  4. 請求項1又は2項に記載の銅と樹脂を含む複合体において、
    前記熱可塑性樹脂が、ポリアミド系樹脂組成物、ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物、及びポリフェニレンサルファイド系樹脂組成物から選択される1種である
    ことを特徴とする銅と樹脂の複合体。
  5. 塗料用組成物である銅と樹脂を含む塗料であって、
    電子顕微鏡による10万倍観察において、
    200nm四方に、酸化銅によるウイスカが10〜50本生えて上部では縺れる形となっている頭毛状の超微細凹凸面を有している銅粉、
    200nm四方に、長さ10〜120nmの棒状若しくは楕円体の金属酸化物からなる微小形状物が合計で10〜50個ばらまかれて付着したようになった超微細凹凸面で全面が覆われている銅粉、及び
    長さ10〜150nmの棒状形状物が合計で10〜50個ばらまかれて付着したようになった超微細凹凸面で全面が覆われている銅粉
    から選択される1以上の前記銅粉、
    熱硬化性樹脂、及び、溶剤
    からなることを特徴とする銅と樹脂の塗料
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