JP6448642B2 - マイクロダクトチューブ巻取り機、ダブルステーション巻取り機、空のマイクロダクトプラスチックチューブ用の処理システム、並びにこのようなチューブを巻き取る方法 - Google Patents

マイクロダクトチューブ巻取り機、ダブルステーション巻取り機、空のマイクロダクトプラスチックチューブ用の処理システム、並びにこのようなチューブを巻き取る方法 Download PDF

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Description

本発明は、約2〜約20mmの外径を有する押し出された空のマイクロダクトプラスチックチューブを巻き取るマイクロダクトチューブ巻取り機であって、1つの回転軸線を中心として回転可能なボビンであって、半径方向に突出する2つのフランジの間に配置された1つの芯を有し、該芯には前記チューブを好適には複数の層をなして巻き取ることができるボビンと、好適には該ボビンの手前に配置され移動可能な、前記ボビンに前記チューブを供給するチューブ案内装置とを備え、該チューブ案内装置には、前記マイクロダクトチューブ巻取り機の運転状態で前記チューブが前記チューブ案内装置と接触しなくなる第1の引き渡し点が存在しており、かつ前記ボビンに割り当てられた第2の引き渡し点が存在していて、該第2の引き渡し点では、前記チューブが前記芯又は該芯に巻き付けられたチューブ層に接触する、マイクロダクトチューブ巻取り機に関する。マイクロダクトチューブ巻取り機は巻取りアセンブリとも呼ぶことができ、このアッセンブリにより空のマイクロダクトプラスチックチューブをボビンに巻き取り可能である。
先行技術により、例えば独国実用新案第29612732号明細書により既に、巻取り可能なプラスチックチューブを製造し貯える装置が公知である。この公知のものでは、プラスチックチューブを製造するための連続的に作業可能な押出成形装置を備えた設備が開示されていて、この設備には、製造されたプラスチックチューブ用の後続の巻取り装置が設けられている。この場合、押出成形装置と巻取り装置との間では、連続的に押し出されたプラスチックチューブを巻き取り装置停止時に中間貯蔵するための中間貯蔵装置が使用されている。
複数の個別線材から形成されている金属撚線を処理する場合には、片撚ケーブル製造機の使用も公知である。例えば独国特許第19614404号明細書には、ケーブル製造オープンロータを備えた片撚ケーブル製造機が開示されている。この公知のものでは、1つのボビンの両側でプレートが、ボビン側面の対応する開口上に装着されていて、少なくとも引張り力を伝達する手段が、ボビンの駆動部とは離れて位置するプレートに作用する。
類似の先行技術は独国特許出願公開第4340360号明細書によっても公知であり、この明細書には、ストランド状の物品を中間貯蔵する方法と装置が開示されている。
包装機械において包装された帯材を補償して貯える方法及び装置も欧州特許第0139088号明細書により公知である。しかしながらこの公知技術は別の技術分野、即ち包装された帯材に関するものである。
独国実用新案第202005004817号明細書も、空のプラスチックチューブに関するものではなく、ましてや空のマイクロダクトプラスチックチューブに関するものではなく、繊維に関するものであり、その関係でダンサー制御装置が開示されている。この場合、糸を継続的に巻き取るためにダブルスピンドル巻取り機が使用され、この巻取り機では、第1のスピンドルから第2のスピンドルへの糸交換を継続運転中に行うことができ、この場合、糸はトラバース装置によって一方のスピンドルに供給され、さらに両スピンドルは互いに隣接して、平行に方向付けられかつずらされたスピンドル軸線を有するように配置されており、糸は糸テンション制御装置を介してトラバースユニットに供給される。
本発明はさらに、2つのマイクロダクトチューブ巻取り機を備えたダブルステーション巻取り機に関する。この場合、完全自動化されたダブル巻取り機が、高い押出速度を有する高出力押出成形装置における別の利用領域で既に使用されている。
ボビンの駆動には、ダンサー制御される、又は引張り力に関して制御される三相モータがしばしば使用される。トラバース運動は場合によっては、巻取り駆動装置の回転数に同期化されていて、無段階に調節することができる。バンドル化されたコイルをフィルム状に巻き取るのと同様に、帯材によってバンドル化された形成されたコイルをストラッピングすることがこれまで公知である。この場合、しばしばコンビネーション巻取り機が使用される、又は、束をフィルム内に半径方向でくるむのに適したものが使用される。バンドル化されたコイルを直接にボール箱にパッキングする自動巻取り機の使用も公知である。
不動に固定された巻取りステーションと、摺動可能かつ移動可能なトラバースアームとを備えたマイクロダクトチューブ巻取り機が通常のものである。トラバースアームは、この場合、マイクロダクトチューブの供給方向に対して横方向に移動する。残念なことにこの場合、多くの遊びが生じ、結果として不正確なものとなり、これにより粗悪なトラバースパターンが生じてしまう。極端な場合、巻取りが中断される恐れがある。これまでは、エラーが生じるまでは極めて短いコイル長さしか可能ではなかった。この問題を解消するために、しばしば、手動での往復運動が求められているが、これはCEマークに対応したものではない。またこの場合、50m/分の速度しか可能ではなく、これは極めて非効率である。
にもかかわらず、巻取り結果はこれまで不十分なものであった。何故ならば、なおもエラー個所やチューブの交絡の恐れがあるからである。この場合「エラー個所」とは、チューブが、その前に配置されたチューブ部分に横方向で継ぎ目なしに接続するものではなく、隙間が生じていることを意味する。
「交絡」とは、2つのチューブ部分が交差することを意味する。このような交絡は、チューブに屈曲を生じさせる。こうなるとプラスチックチューブの空の空間を貫通させることはもはや不可能であり、又はもはや容易に行えるものではない。従って、空のプラスチックチューブには、グラスファイバのような導電エレメントを挿入する、例えば吹き込むことはもはやできない。このような「吹き込み長さ」は著しく減じられる。
約3又は4mm〜約10mmまでの小さなチューブ直径は今のところ、手動による介入なしには完全自動化では巻くことができない。しかしながら、結果として操作員の危険は高まる。
上述したような問題点は、主として木材をベースとして又はプラスチックをベースとして形成された、若しくはしばしば鋼のような金属をベースとして形成された安価なボビンを使用することによりさらに増長される。このようなボビンの寸法安定性は既にこれまで所望のコスト削減には不十分なものとして認識されている。従って、既存の巻取りアッセンブリを使用する場合、上述したような問題がかなりの確率で生じる。
例えば空気圧操作形式の前置されたリザーバを使用して、コイル交換時間を補償しようとする試みがなされた。「コイル交換時間」とは、チューブが完全に巻かれたボビンを交換するために、チューブが巻かれていない新しいボビンに交換し終わるまでに必要な時間を意味する。しかしながらこのようなリザーバは、巻取り機又は後続の帯材引出装置がリザーバを介してチューブを引き出し、これによりチューブは延伸され、これはチューブの精密性を損なうので望ましくないという欠点をしばしば有している。
既存の巻取り機を変更した場合でも、極めて小さいマイクロダクトチューブの場合、高速では満足いく結果は得られない。極めて小さいマイクロダクトチューブとは、2mm以下の、又は3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、10mm、12mm、14mm、16mm、18mm、20mm以下のチューブ外径を有しているようなチューブである。この場合、勿論中間値も含まれる。この場合、このような空のマイクロダクトプラスチックチューブは約0.6mm〜2mmの壁厚さを有している。この壁厚さは、プラスチック材料に条件付けられている材料厚さと、内面に存在する波形溝又は約0.15mmのシリコン被覆とから成るものである。1メートル辺りのキログラム数である重量メートル比は、0.0145〜0.1115である。通常の生産出力は104kg/時〜421kg/時である。引き出し速度は、63m/分、80m/分、108m/分、120m/分の間で変化する。
「高い速度」とは、100〜125m/分、さらには約200m/分以上の範囲を意味している。
本発明の課題は、先行技術の欠点を解消し、空のマイクロダクトプラスチックチューブを交絡なしに巻くことができるようにすることである。また、巻取り過程中の引張応力による長さの膨張も阻止されるのが望ましく、楕円性は排除され、例えば交絡による屈曲個所は回避されるべきである。巻取り精度は高められるのが望ましい。にもかかわらず、安価な木製ボビンの使用が引き続き可能であり、湿度や不精密な製造による誤差変動が巻取りパターンに影響を与えないのが望ましい。特に最下層は、その上に続く層にとって重要であるので、チューブの挿入が巻取りパターンに不都合な作用を与えないことも所望される。「吹き込み長さ」、即ち、グラスファイバを後から空のマイクロダクトプラスチックチューブ内に挿入することのできる長さはできるだけ長いのが望ましい。複数の空のマイクロダクトプラスチックチューブを1つのチューブ束の内側に束ねることは依然として可能であるのが望ましい。
この課題は、本発明によれば、冒頭で述べた形式のマイクロダクトチューブ巻取り機において、チューブ案内装置が、ボビンの横断平面で、即ち、ボビンの回転軸線に対して垂直な平面で移動可能であって、かつできるだけ、運転状態で、第2の引き渡し点における巻取り角度が、即ち、ボビン側のチューブとチューブ案内装置側のチューブとの間の、若しくはボビン側のチューブ部分と、チューブ案内装置側のチューブ部分との間の、3次元的な空間内に存在する角度が常に不変に維持されるようにボビンが回転軸線の方向で移動可能であるように調整されていることにより解決される。
この場合、きれいなトラバースパターンは、規定された巻取り長さ及び最大速度のもと、空のマイクロダクトプラスチックチューブの交絡ない精密な往復運動の結果として保証されている。
好適な態様は、従属請求項に記載されていて以下で説明される。
従って、前記ボビンは、前記回転軸線を中心とした回転と、前記回転軸線方向、即ち、チューブの供給方向に対して横方向での横移動とを同時に実行するように支持されているならば有利である。従って、チューブは、ボビンの回転により巻き付けられる間に、チューブは、ボビンの横方向移動と、横方向で固定されたチューブ案内装置とを介して遊びなしに巻き付けられる。結果として、良好なトラバースパターンが得られる。
従って換言すると、チューブ案内装置は、第2の引き渡し点に関して運転状態で、横断平面でしか移動可能ではないように、支持されていることが所望される。これにより精度は高まる。
巻取り速度と、チューブ外径と、前記チューブ案内装置の移動速度とが、前記運転状態で、前記第1の引き渡し点と前記第2の引き渡し点との間の間隔が常に不変のままであるように、調整されていても好適である。この場合、第1の引き渡し点と第2の引き渡し点との間の関係は不変であり、チューブ案内装置はブレーキをかけられず、又は巻取り過程を妨げる作用をせず、特に所定の状態以降ブレーキをかけられないので、ボビンが充填された場合に第2の引き渡し点から離れることは望ましい結果である。結果として良好に折り合いがつく。
前記ボビンの前記回転速度により生じる前記巻取り速度と、前記チューブの供給速度とは、前記チューブが前記第2の引き渡し点で実質的に/ほぼ又は完全に引張応力なしに前記ボビンに引き渡されるように互いに調整されていても好適である。チューブに生じる楕円性は排除され、同様に長さの伸張や、ボビンの領域における巻き取られたチューブの個々の層に対する不都合な応力の高まりも排除され、又は少なくとも著しく減じることができる。
前記チューブ案内装置は、アーム状の刀状部材が取り付けられているメインボディを有しており、前記刀状部材に沿って前記チューブが案内されているならば、ガイドはさらに改善される。
この場合、刀状部材の遠位側の、ボビンに面した端部に、第1の引き渡し点において、若しくは直接隣接して2つのローラが配置されていて、これらのローラの間にチューブが貫通案内されるならば、好適である。これにより刀状部材からチューブが飛び出すことは効果的に阻止される。
距離をできるだけ精密に調整し又は制御することができるようにするために、刀状部材に、好適には遠位側端部に、刀状部材とボビン、例えばそのフランジ、芯及び/又は芯上に少なくとも部分的に存在するチューブ層との間の間隔を調整するように設計された距離センサが配置されていると好適である。
距離センサは機械的センサ、又は無接触式に作動するセンサ、例えば容量型、又は誘導型、又は例えばカメラを使用する感光型センサとして設計されていると効果的である。
メインボディが移動のためにガイドレールに結合されているならば、チューブ案内装置又はその部分の所定の移動可能性を保証するために好適である。ガイドレールが、回転軸線を第2の移行点に結ぶ半径方向接続線に対して平行に向けられている、又はこれに対して傾けられている、例えばボビンから離れる方向に傾けられているならば、常に同様の比にすることができる。これにより、巻取り結果の再現可能性は巻取りプロセス全体にわたって改善されている。
刀状部材が長手方向軸線を中心として旋回可能にメインボディに配置されているならば、好適である。このようにして、チューブをフランジに可能な限り近くに配置することができ、この場合、刀状部材は間隔を規定したり、若しくは妨げたりすることはない。これにより結果として、巻取りにより、フランジ間に存在しているボビン幅を最大限利用することができる。
芯、又は芯上に配置されたチューブ層に接触するために、載置楔のような載置エレメントが、刀状部材の遠位側端部に配置されていても好適である。この場合、滑り接触は可能ではあるが、全ての使用例で必要若しくは所望とされるわけではない。
チューブ案内装置にギロチン形式の裁断装置が設けられていても好適である。このようなギロチン裁断機は、制御装置によって必要に応じて、例えば既に巻き取れたチューブに応じて操作することができる。運転状態に先行する掛止状態で、刀状部材は、横断平面から出て、フランジの方向に能動的に旋回することができる。この場合、チューブの一部を、ボビンのフランジに設けられた、穴のような切欠を通して案内することができ、このときに、形状接続的に保持することができる。掛止状態後には、刀状部材は再び、運転状態で離れない位置に戻され、即ち、両運転点、即ち第1の運転点と第2の運転点とが位置する横断平面内に留まる。
刀状部材が短く、内実な金属部分、例えば鋼製の構成部分として形成されていると遊びは最小になる。
芯にコーティングが、例えば回転軸線方向で摩擦を高める作用を有する、かつ/又は回転軸線方向に対して直交する方向で、特に半径方向で圧縮される、発泡ゴムのような材料が被覆されていても好適である。
本発明はさらに、本発明によるマイクロダクトチューブ巻取り機と、該マイクロダクトチューブ巻取り機の手前に位置するリザーバと、該リザーバの手前に位置する帯材引出装置とを備えた、押出成形装置によって成形された空のマイクロダクトプラスチックチューブ用の処理システムに関する。
この処理システムでは、本発明による形式の2つのマイクロダクトチューブ巻取り機が使用されるダブルステーション巻取り機を使用することもできる。このダブルステーション巻取り機は、フレーム構造、例えば管から成るフレーム構造のような1つの共通のフレームを有することができる。
前記帯材引出装置と前記リザーバとの間に、好適には電気的なダンサー制御装置が配置されているならばさらに好適である。
本発明による処理システムのさらに好適な態様は以下の通りである。
リザーバが、電気的に、かつ/又は空気圧的に、かつ/又は液圧的に互いに移動可能な、チューブを少なくとも部分的に巻き付けられる2つのボビンを有しているならば好適である。このようにして約20秒の交換時間を保証することができるが、より大きな交換時間を実現することもできる。これにより少なくとも60秒のバッファ時間を実現することができる。
リザーバとマイクロダクトチューブ巻取り機との間に、張力軽減引出装置及び/又はボビン交換の際に選択的に操作可能な付加的な搬送装置が設けられているならば、ボビンの交換は容易であり、同時に使用されていない時間はより短くなる。
本発明はさらに、押出成形装置と本発明による処理システムとを備えた製造システムに関する。
最後に、本発明はさらに、約2mm〜約20mmの外径を有した空のマイクロダクトプラスチックチューブを、2つのフランジの間に配置されたボビンの芯に巻き取る方法であって、前記チューブを、第1の引き渡し点にあるチューブ案内装置から前記ボビンにある第2の引き渡し点へと引き渡し、前記チューブ案内装置は、チューブのボビンへの引き渡しが行われ次いでそこで巻取りが行われるような運転状態で、回転軸線を中心として回転する前記ボビンの横断平面でのみ移動され、前記ボビンは前記回転軸線の方向で連続的に又はステップ式に移動され、これにより巻取り角度が常にほぼ不変に維持されるようになっている方法に関する。
この場合、チューブを配置する前に、チューブ案内装置が、ティーチイン過程中に、これをセンシングする一方のフランジから、センシングすべき他方のフランジへと走行するならば特に好適である。このようにして、様々なボビンの品質及び寸法の変更を考慮することができ、場合によっては必要な調整過程を省くことができる。
チューブ案内装置の刀状部材が芯を(この場合)、ほぼ無接触式に又は機械的に走査するならば、制御装置は、その後のプロセスに必要な情報を得ることができる。走査の際に得られるデータはその後のプロセス経過において好適にはさらに使用される。
従って、運転状態で、両フランジの一方の目下の状態を検出した後又は芯の終了後、ボビンの回転軸線に沿ったボビンの直線移動方向が逆にされると好適である。従ってこれにより、ボビンが連続回転しながら、ボビンの直線移動の方向変更が行われる。
直線移動方向は好適には、検出後すぐに又は、ボビンが180°回転するのに必要な時間経過後すぐに逆にされる。これにより結果として、最良の空間利用が可能である。
複数層の、例えば30又はそれ以上の層のチューブ部分/チューブが芯に巻き付けられているならば、十分に長いチューブ構造を敷設場所に設けることができる。
層の上に投影するレーザー識別も好適であり、この場合、チューブによって形成された1つ又は複数の層の最上層のチューブ部分上に線を投影し、パターン識別システムを介してレーザー識別を検出し、検出されたデータを評価ユニットへと供給し、この評価ユニットによって巻取り品質を検出する。
上述した態様は様々に組み合わせ可能であって、交換可能である。
チューブが加熱されるほど処理は危険になる。何故ならば、冷却の際、若しくは冷却過程中、収縮が生じ、交絡や交差が極めて危険に作用するからである。モノチューブの直径誤差は、本発明によれば補償され、同様に速度変化も大きな影響を有さない。
換言すると、200m/分の範囲までのチューブ速度が可能である。3〜14mmの範囲の、場合によってはさらに大きな範囲のチューブ直径が処理可能である。完全自動化又は半自動化されたダブルステーション巻取り機が形成される。システム全体には僅かな誤差しか生じない。コイル交換のために操作員に十分な時間を提供するために、例えば少なくとも1分ぶんのリザーバ容量を提供するために、ダブルステーション巻取り機の手前でダンサー制御装置を有した電気的なリザーバが使用されると好適である。800〜1000mmの十分な接触長さと、適合された引き出し力とを備えた帯材引出装置も好適である。
本発明はさらに、精密な調節装置を有した横移動ボビン、例えば、補強された/堅剛なトラバースガイドの僅かな遊びを有するボールスピンドル/ボールねじ伝動装置の使用により改良され、この場合、巻取りステーションは移動するが、トラバースアームは移動しない。このトラバースアームは相応の構成では剛性的である。巻取り軸の支持が、例えば太い軸を使用する際に補強されると好適である。
手動の掛止は、拡張機能として自動的な掛止に置き換えることができ、これにより始動時にシステムが不安定になることはない。巻取り機への進入時には駆動される2つのローラを介して挿入補助を利用することができ、これにより第2の巻取りステーションへの自動的な押込みが得られる。往復運動自体は、両巻取りステーションにおいて剛性的である。チューブガイドには選択的に、例えば機械的な載置楔又は例えば超音波センサのような無接触式の配線を設けることができる。無接触式の配線には、旋回するガイドローラを用いることができる。位置制御は、所定のサイクルで行われる往復運動と同様に所望される。
垂直軸線方向でのシフト、即ち、フランジ走査を伴う又は伴わないシフトの際に刀状部材を引き戻す時の位置の提供も可能である。
ボビン幅が400mm〜800mmまで変化することができる様々なボビンを使用することができる。ボビン直径は800mm〜1200mmまで変化することができる。ボビンのフランジと芯とを貫通する芯の領域に設けられた収容孔は、40mm又は50mm又は60mmであって良い。芯自体の直径はその外面で600mm〜800mmであって良い。ボビン全体の重量は約300kgであって良い。
ボビンの前面及び背面の保持角度は別個に入力することができる。保持角度は、シリンダ直径にわたって変化することができる。制御時のボビンの寸法を確認することができるように、その都度のボビン寸法の「ティーチイン」プロセスをフランジ走査を介して行うことができる。ボビンが要求を満たさない場合、後続の報知を伴うボビンの挿入の際のボビン品質の走査により、補正作用可能である。芯の被覆材としては、様々な材料、例えば発泡ゴムが提供される。
特に点状の1つの経路又は複数の経路における製造精度、湿度等に関するボビンの品質は、巻取りパターンに大きく影響を与える。
制御装置には、操作員の手動の介入可能性を保証するために、修正用の操作ボタンを設けることができる。位置決めは、巻取り位置で行われる。「ティーチイン」は反転点(即ち、ボビンの横移動の方向転換時)のためにも行うことができる。モノチューブ/空のマイクロダクトプラスチックチューブにおいて回避すべき長手方向で導入される引張応力は効果的に低く維持される。特に、ポリエチレンチューブ/HDPEチューブの処理を行うことができる。
各マイクロダクトモノチューブの生産性の向上が達成される。200m/分までの速度が実現可能である。交絡を有さない、従って屈曲形成されないきれいなトラバースパターンが結果として得られる。複数の自動化ステップにより操作員にとっての快適性も向上させることができる。このようにして、手動を離れたマイクロダクト線の製造に関し効率の高い完全なラインを提供することができる。
次に、図面につき本発明を詳しく説明する。
2つのマイクロダクトチューブ巻取り機を備えた本発明によるダブルステーション巻取り機を示す斜視図であって、この図では、マイクロダクトチューブ巻取り機の各ボビン用のチューブ案内装置は示されているが、トラバースされる、又はトラバースされるべきチューブは図示されていない。 図1のダブルステーション巻取り機を前方から見た図である。 図1及び図2のダブルステーション巻取り機を、チューブが供給される側から見た図である。 ボビンが前方に最大限横移動された状態にある図3のダブルステーション巻取り機を上方から見た図である。 チューブを巻き取る1つのボビンのみを示す斜視図である。 図1の領域VIを示す詳細図である。 図1の領域VIIを示す詳細図である。 図1の領域VIIIを示す詳細図である。 ダブルステーション巻取り機の各ボビンに対して横移動を行わせるモータ駆動される横移動ユニットを前方から見た図である。 図9のモータ駆動される横移動ユニットの領域を拡大して示す図である。 図1の例と類似のダブルステーション巻取り機の別の態様を前方から見た別の図である。 本発明によるダブルステーション巻取り機のボビンの摺動性を概略的に示す図である。 最小限に横移動されたボビンを示す図である。 最大限に横移動されたボビンを示す図である。 図1及び図11の態様のダブルステーション巻取り機で使用されるような2つのチューブ案内装置を拡大して示す図である。 図13の両チューブ案内装置の一方を拡大して示す図である。 図14のチューブ案内装置を示す別の斜視図である。 刀状部材を備えたチューブ案内装置の一態様を示す図である。 刀状部材を備えたチューブ案内装置の図16aとは異なる態様を示す図である。 回転可能な刀状部材を有したチューブ案内装置を示す斜視図である。 図17のチューブ案内装置を前方から見た図である。 図17及び図18のチューブ案内装置を上方から見た図である。 チューブ案内装置にチューブを供給する側からチューブ案内装置を見た図である。 図19のチューブ案内装置をXXI−XXI線に沿って断面した図である。 複数のチューブ層を形成するための、連続的にずらされたチューブ部分の巻取りを概略的に示す図である。 周期的にトラバースされた場合の層の構成と、光センサ、容量型センサ、機械的センサ、及び/又は誘導型センサの使用とを示した図である。 本発明による処理システムを前方から見た図である。 図24の本発明による処理システムを上方から見た図である。 図24の処理システムをチューブ供給側から見た図である。 図24、図25の処理システムを示す斜視図である。
図面は単に概略的な本質を示すものであり、本発明の理解のためだけに利用される。同じ部材には同じ符号が付与されている。本発明による構成部分を省く、又は取り替えることができる。所定の実施態様の特徴は別の実施態様に転用可能である。
図1には、本発明によるダブルステーション巻取り機1が示されている。ダブルステーション巻取り機1はフレーム2を有している。フレーム2は個々の支持管/管3を組み合わせて1つのフレーム構造4を形成している。支持管/管3は円形の又は角形の中空管として形成することができる。
フレーム構造4の内側には2つのマイクロダクトチューブ巻取り機5が設けられている。各マイクロダクトチューブ巻取り機5はそれぞれチューブ案内装置6を有している。チューブ案内装置6はこの場合、移動可能に2つのガイドレール7に支持されている。チューブ案内装置6は、ボビン8に空のマイクロダクトプラスチックチューブ(図示せず)を供給し、この場合、ボビン8は2つのフランジ10の間に1つの芯9を有している。フランジ10は、掛止を可能とするために、チューブの始端領域を貫通案内するように、穿孔されていて良く、特に、穴を有していて良い。
フレーム構造4には、怪我する危険を最小限にするためにいくつかの個所で格子柵11を設けることができる。
ガイドレール7には案内軌道12を取り付けることができて、この案内軌道12に沿って、チューブ案内装置6のメインボディ13が移動することができる。芯9に面して、メインボディ13から刀状部材14が突出している。
フレーム構造4の入口には、図2〜図4に示したように、付加的な搬送装置15が設けられている。刀状部材14は、運転状態で、横断平面内で、即ち、ボビン8の回転軸線16に対して垂直な平面で移動可能に支持されている。図1の領域VI〜VIIIにおける結合形式並びに詳細は図6〜図8に示されている。
図9では、各マイクロダクトチューブ巻取り機ユニット5に、それぞれ1つのモータ駆動される横移動ユニット17が配属されている。この場合、横移動ユニット17はそれぞれ1つのガイドプレート18上に取り付けられていて、案内レール19に沿って移動可能である。この案内レール19は図10にも良好に示されており、この場合、電気モータの形式のモータ20は、横移動ユニット17の一部である。
ボビン8の横断平面では、図11に示したように、チューブ案内装置6の刀状部材14に対して角度αが形成されていて、この角度αはこの平面における巻取り角度に相当する。巻取り角度は、水平平面と刀状部材14との間に形成され、横断平面に延在している。従って運転状態では、チューブは、刀状部材14の遠位端部における第1の引き渡し点と、ボビン8の領域における第2の引き渡し点との間でまっすぐ延びている。即ちこのチューブ区分は横断平面内に位置している。
図11により、端部分21が切欠22に形状接続的に掛止されていることがよく判る。処理すべき空のマイクロダクトプラスチックチューブの他の部分は図示されていない。
図12aには、矢印23の方向でのボビン8の横方向摺動性が示されている。矢印24はチューブ供給方向24を示している。ボビン8の様々な移動位置が、図12b及び図12cに示されている。
図13により、チューブ案内装置6が、既に通過したチューブ長さを検出するエンコーダ/符号器25を有していることが判る。付加的な搬送装置15は、「マイクロ引取装置」とも呼ぶことができる。エンコーダ25及び付加的な搬送装置15の手前にはセンタリングユニット26も配置されていて、即ち、案内装置6の押出成形機(図示せず)の側に配置されている。
メインボディ13はスリーブとして形成することができ、又は屈曲された支持体として形成することができる。刀状部材14の遠位側端部27には2つのガイドローラ28が取り付けられていて、これらのガイドローラ28の間に空のマイクロダクトプラスチックチューブが通されてガイドされる。付加的なガイドローラがメインボディ13の領域に配置されていて、符号29で示されている。
チューブ案内装置6は、二重軸案内ユニットの形式で形成されている。ギロチン形式の裁断装置30もチューブ案内装置6に取り付けられている。
図13に示したチューブ案内装置6のうちの一方が図14に拡大されて示されている。しかしながら、遠位側端部における2つのガイドローラ28は図示されておらず、その代わり、楔形式で形成されているスペーサエレメント31が設けられている。この場合、擦り接触に適した材料が選択されている。空のマイクロダクトプラスチックチューブを受容するためにガイド部分32が設けられている。刀状部材14は回転可能/旋回可能にメインボディ13に取り付けられている。この場合、図15が参照される。
間隔検出のための機械的センサ又は超音波センサを刀状部材14に設けることができることは、図16bを見ると明らかである。同様に図17〜図21によっても判る。従って、例えば図17には、刀状部材14の旋回軸線33を中心とした旋回可能性が示されていて、同様に、掛止状態における回転軸線34を中心とした旋回も矢印35で示されている。
メインボディ13の領域XXIにおける軸受の構成は図21に示されている。
図22と図23には、空のマイクロダクトプラスチックチューブの巻取りが複数の層で図示されている。この場合、図22では連続的にずれが形成されていて、図23では断続的にずれが形成されている。この場合、チューブ若しくはチューブ部分の1つの層は幅Wを有していて、チューブの外径はdで示されている。
搬送ラインにおける個々のアッセンブリの配置順序は図24〜図27により判る。押出成形機は図示されていないが、両マイクロダクトチューブ巻取り機5のさらに右側に、即ち離れて配置されている。押出成形機によって形成された空のマイクロダクトプラスチックチューブは、帯材引出装置36に到り、ダンサー制御装置37を通過し若しくは貫通し、リザーバ38、特に電気的なリザーバへと案内される。
付加的なダンサー及び/又は付加的な搬送装置15を備えた後続の張力軽減引出装置が、ダブルステーション巻取り機1に、空のマイクロダクトプラスチックチューブを巻き取るために供給する。リザーバ38とダブルステーション巻取り機1との間のダンサーの代わりに、例えば超音波センサを用いて弛み測定が行われても良い。
1 ダブルステーション巻取り機
2 フレーム
3 管
4 フレーム構造
5 マイクロダクトチューブ巻取り機
6 チューブ案内装置
7 ガイドレール
8 ボビン
9 芯
10 フランジ
11 格子柵
12 案内軌道
13 メインボディ
14 刀状部材
15 付加的な搬送装置
16 回転軸線
17 横移動ユニット
18 ガイドプレート
19 案内レール
20 モータ
21 チューブの端部分
22 切欠
23 矢印/横摺動方向
24 チューブ供給方向
25 エンコーダ/符号器
26 センタリング装置/センタリングユニット
27 刀状部材の遠位側端部
28 ガイドローラ
29 付加的なガイドローラ
30 裁断装置
31 スペーサエレメント
32 ガイド部分
33 旋回軸線
34 回転軸線
35 矢印/掛止状態における旋回方向
36 帯材引出装置
37 ダンサー制御装置
38 リザーバ

Claims (10)

  1. 約2〜約20mmの外径を有する押し出し成形された空のマイクロダクトプラスチックチューブを巻き取るマイクロダクトチューブ巻取り機(5)であって、1つの回転軸線(16)を中心として回転可能なボビン(8)であって、半径方向に突出する2つのフランジ(10)の間に配置された1つの芯(9)を有し、該芯(9)には前記チューブを巻き取ることができるボビン(8)と、該ボビン(8)に前記チューブを供給するチューブ案内装置(6)とを備え、該チューブ案内装置(6)には、前記マイクロダクトチューブ巻取り機(5)の運転状態で前記チューブが前記チューブ案内装置(6)と接触しなくなる第1の引き渡し点が存在しており、かつ前記ボビンに割り当てられた第2の引き渡し点が存在していて、該第2の引き渡し点では、前記チューブが前記芯(9)又は該芯に巻き付けられたチューブ層に接触する、マイクロダクトチューブ巻取り機において、
    前記運転状態で、前記第2の引き渡し点における巻取り角度(α)が常に不変に維持されるように、前記チューブ案内装置(6)は前記ボビン(8)の横断平面内で移動可能であって、かつ前記ボビン(8)は前記回転軸線(16)の方向で移動可能であることを特徴とする、マイクロダクトチューブ巻取り機(5)。
  2. 前記ボビン(8)は、前記回転軸線(16)を中心とした回転と、前記回転軸線方向での横移動とを同時に実行するように支持されている、請求項1記載のマイクロダクトチューブ巻取り機(5)。
  3. 巻取り速度と、チューブ外径と、前記チューブ案内装置(6)の移動速度とは、前記運転状態で、前記第1の引き渡し点と前記第2の引き渡し点との間の間隔が常に不変に維持されるように互いに調整されている、請求項1又は2記載のマイクロダクトチューブ巻取り機(5)。
  4. 前記ボビン(8)の回転速度により生じる前記巻取り速度と、前記チューブの供給速度とは、前記チューブが前記第2の引き渡し点でほぼ引張応力なしに前記ボビン(8)に引き渡されるように互いに調整されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のマイクロダクトチューブ巻取り機(5)。
  5. 前記チューブ案内装置(6)は、アーム状の刀状部材(14)が取り付けられているメインボディ(13)を有しており、前記刀状部材(14)に沿って前記チューブが案内されている、請求項1から4までのいずれか1項記載のマイクロダクトチューブ巻取り機。
  6. 請求項1から5までのいずれか1項記載のマイクロダクトチューブ巻取り機を2つ備えている、ダブルステーション巻取り機(1)。
  7. 請求項1から5までのいずれか1項記載のマイクロダクトチューブ巻取り機(5)と、前記チューブの搬送方向で見て該マイクロダクトチューブ巻取り機の手前に位置するリザーバ(38)と、該リザーバの、前記チューブの搬送方向で見て手前に位置する帯材引出装置(36)とを備えた、押出成形装置から提供された空のマイクロダクトプラスチックチューブ用の処理システム。
  8. 前記帯材引出装置(36)と前記リザーバ(38)との間に、好適には電気的なダンサー制御装置(37)が配置されている、請求項7記載の処理システム。
  9. 押出成形装置と請求項7又は8記載の処理システムとを備えた製造システム。
  10. 約2mm〜約20mmの外径を有する空のマイクロダクトプラスチックチューブを、ボビン(8)の2つのフランジ(10)の間に配置された1つの芯(9)に巻き取る方法であって、
    前記チューブを、該チューブがチューブ案内装置(6)と接触しなくなる第1の引き渡し点において前記チューブ案内装置(6)から前記ボビン(8)の第2の引き渡し点へと引き渡し、前記チューブ案内装置(6)は運転状態で、回転軸線(16)を中心として回転する前記ボビン(8)の横断平面でのみ移動され、前記ボビン(8)は前記回転軸線(16)の方向で連続的に又はステップ式に移動され、これにより巻取り角度(α)が常に不変に維持されるようになっている、空のマイクロダクトプラスチックチューブを巻き取る方法。
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