JP6446539B2 - 持続力が改善されたゲルタイプの化粧料組成物 - Google Patents

持続力が改善されたゲルタイプの化粧料組成物 Download PDF

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Description

本発明は、ケラチン物質、特に皮膚および/または唇、特に皮膚、ならびにケラチン繊維、特に眉毛をケアし、かつ/またはメーキャップする分野に対して、技術的な性能に関して、かつ特にケラチン物質への、特に皮膚へのその適用中に使用者が得る感覚に関して特に最も有利である、新規なガレヌス形態を提案することを対象とする。
用語「ケラチン物質」は、特に皮膚、唇、眉毛および/またはまつ毛、特に皮膚および/または眉毛、好ましくは皮膚を意味する。
化粧料組成物、例えばファンデーションは、一般に、皮膚に審美的な色をもたらすだけではなく、皺および/または瘢痕などの皮膚起状の欠陥を隠し、かつ/または均一にするために使用される。これに関して、多くの固体または流体、無水または非無水配合物が、現在までに開発されている。
現時点で、組成物が付与するメーキャップ特性、特に艶消し効果およびカバー力に関して有利な多相組成物が存在している。しかし、現在利用可能な対応する組成物は、完全に満足できるものではいない。具体的には、それらの組成物は、艶消し効果の持続力を経時的に常に確保することはできず、一日の間に崩れる傾向がある。
結果的に、艶消し効果の経時的な持続力およびメーキャップの均質性を含めた、得られるメーキャップの持続力に関して、多相組成物の他の性能の質を損なうことなく、多相組成物を化粧上の使用に合わせて最適化することが有利となり得る。
具体的には、脂肪分の多い皮膚が組み合わさっている使用者は、これらの配合物が持続することを期待する。こうした使用者は、特にこれらの生成物が、艶消し効果をもたらすと同時に一日中皮膚をてからせることなく、また、均一なメーキャップの結果をもたらすことを望んでいる。
例えば、眉毛を整えるための他の化粧料組成物も、当業者に公知である。これらの組成物は、通常、特にペンシル形態の無水構造である。皮膚および眉毛に適用されるこれらのペンシルは、眉毛を描き直すことが企図されている。
しかし、これらの配合物には、眉毛よりも皮膚を着色する、移動しまたはさらには流れて、メーキャップの結果を経時的に不均一にするという欠点がある。
結果として、まず、本質的に皮膚上ではなく眉毛の表面、すなわちケラチン繊維の表面上に染料を沈着させることができ、次に、この沈着の満足な持続力を経時的に確保することができる、眉毛をメーキャップすることを企図された利用可能な化粧料組成物を備えることが、やはり有利となり得る。
本発明は、具体的には、これらの必要を満たすことを対象とする。
したがって、本発明は、その態様の1つによれば、ケラチン物質、特に皮膚および/または唇、ならびにケラチン繊維、特に眉毛をメーキャップし、かつ/またはケアするための組成物、特に化粧料組成物であって、
− 少なくとも1つの親水性ゲル化剤でゲル化された少なくとも1つの水相、および
− 少なくとも1つの親油性ゲル化剤でゲル化された少なくとも1つの油相
を含み、
そこにおいて、前記相が、巨視的に均質な混合物を形成し、
前記組成物が、少なくとも1つの疎水性膜形成ポリマーも含む、
組成物に関する。
好ましい一実施形態では、本発明による組成物は、顔料を、極性添加剤と組み合わせて含む。
本発明の目的では、用語「極性添加剤」は、3.0(J/cm31/2以上の極性パラメーターδaによって特徴付けられる極性化合物を意味する。
本発明の目的では、用語「極性パラメーター」は、分子の極性を反映する平均パラメーターδaを意味し、δa値が高いほど、分子の極性が高い。
平均パラメーターδaは、以下の関係式:δa=√(δp2+δh2)に従って、Hansen溶解パラメーターδpおよびδhの関数として定義される。
パラメーターδpおよびδhは、それぞれ、永久双極子間のDebye相互作用力、および水素結合をもたらす化合物の能力を特徴付ける。これらのパラメーターは、文献J.Paint Technology 39, 195 (1967) “The Three Dimensional Solubility Parameter - Key to Paint Component Affinities”のHansen溶解パラメーター空間に従って定義される。
予想に反して、以下に示す実施例から明らかになる通り、本発明者らは、先に定義の通りのゲル−ゲル構造の疎水性膜形成ポリマーの配合物が、艶消し効果の経時的な持続力を促進し、メーキャップの沈着の持続力を著しく改善可能にすることを見出した。
さらに、これらの組成物は、さっぱり感(freshness)および軽さをもたらすと同時に、皮膚起伏の不良な領域または眉毛の縁の毛がない領域を隠すことを可能にする。
「ゲル−ゲル」組成物は、化粧品分野で既に提案されている。このタイプの配合物は、ゲル化された水相をゲル化された油相と組み合わせたものである。したがって、ゲル/ゲル配合物は、Almeida et al., Pharmaceutical Development and Technology, 2008, 13:487, tables 1 and 2, page 488;国際公開第99/65455号;PI0405758−9;国際公開第99/62497号;公開特許公報2005−112834号および国際公開第2008/081175号に記載されている。しかし、本発明者らの知識では、現時点において、このタイプの組成物では、製品を取り扱う際の心地良い質感、粘性がなく快適で均一なメーキャップの沈着、または配合物の経時安定性などの、化粧分野で期待される必須特性すべてを確保することは不可能である。
前述の通り、本発明者らは、本発明による多相組成物において疎水性膜形成ポリマーを使用することによって、実施例で示される通り、艶消し効果の経時的な持続力を確保可能であることを見出した。
したがって、本発明による組成物は、艶消し効果の非常に良好な経時的な持続力を示すと同時に、さっぱりした軽い感覚を使用者にもたらす。最後に、この組成物は、標的とされるケラチン物質の表面に容易に適用できることが証明されている。
本発明の態様の別の態様によれば、本発明の主題は、また、ケラチン物質、特に皮膚および/または唇、ならびにケラチン繊維、特に眉毛をメーキャップし、かつ/またはケアするための組成物、特に化粧料組成物を調製する方法であって、
−少なくとも1つの親水性ゲル化剤でゲル化された水相、および
−少なくとも1つの親油性ゲル化剤でゲル化された少なくとも1つの油相
を、巨視的に均質な混合物を得るのに適した条件下で混合する少なくとも1つの工程を含み、
前記組成物が、少なくとも1つの疎水性膜形成ポリマーも含む、
方法である。
一実施形態の変形形態によれば、この方法は、有利には、少なくとも3つまたはさらにそれより多いゲル化された相を混合する工程を含むことができる。
明白な理由で、本発明による組成物を形成するために検討されるゲル化された水相およびゲル化された油相の数は、2つのタイプの2つを超える相のそれぞれに対する範囲をとり得る。
有利には、相の混合は、室温で実施することができる。
しかし、本発明の方法は、必要に応じて、混合物を加熱する工程を含むことができる。
一実施形態の変形形態によれば、最終配合物は、様々な構成成分の特定の導入順序に従わずに製造することができ、ある特定の場合には、「ワンポット」製造を実施することができる。
特定の一実施形態によれば、同じタイプの構造の代表的なゲル化された相は、異なるゲル化剤でゲル化される。
したがって、多相配合物を開発することができる。
本発明の主題は、その態様の別の態様によれば、また、ケラチン物質、特に皮膚および/または唇、ならびにケラチン繊維、特に眉毛をメーキャップし、かつ/またはケアするための方法、特に化粧方法であって、前記ケラチン物質に、本発明による組成物を適用することからなる少なくとも1つの工程を含む、方法である。
本発明は、その態様のさらに別の態様によれば、ケラチン物質、特に皮膚および/または唇、ならびにケラチン繊維、特に眉毛をメーキャップし、かつ/またはケアするための化粧方法であって、前記ケラチン物質に適用する前または適用するときに、少なくとも1つの親水性ゲル化剤でゲル化された少なくとも1つの水相、および少なくとも1つの親油性ゲル化剤でゲル化された少なくとも1つの油相を即時に混合することによって得られた巨視的に均質な組成物を、前記物質に適用する工程を少なくとも含み、前記組成物が、少なくとも1つの疎水性膜形成ポリマーも含む、方法に関する。
化粧料組成物
最初に、本発明による組成物がエマルションとは異なることに留意することが重要である。
エマルションは、一般に、油性液相および水性液相からなる。エマルションは、2つの液相の一方の液滴が他方の液滴に分散したものである。エマルションの分散相を形成する液滴のサイズは、典型的に、およそマイクロメータ(0.1〜100μm)である。さらにエマルションは、その安定性を経時的に確保するために、界面活性剤または乳化剤の存在を必要とする。
それとは対照的に、本発明による組成物は、2つの非混和性のゲル化された相の巨視的に均質な混合物からなる。これら二相の両方が、ゲルタイプの質感を有する。この質感は、特に、粘稠度がある(consistent)かつ/またはクリーム状の外観によって視覚的に反映される。
用語「巨視的に均質な混合物」は、ゲル化された相のそれぞれが肉眼によって個別に認識できない混合物を意味する。より正確には、本発明による組成物において、ゲル化された水相およびゲル化された油相は互いに浸透し、したがって、粘稠度がある安定な生成物を形成する。この粘稠度は、互いに浸透したマクロドメインを混合することによって達成される。これらの互いに浸透したマクロドメインは、測定不可能な対象である。したがって、本発明による組成物は、顕微鏡ではエマルションとは大きく異なる。本発明による組成物は、「ある感覚」、すなわちO/WまたはW/Oの感覚を有するものとして特徴付けることはできず、このことは、連続相(phsase)および分散相が定義できないことを意味する。
したがって、本発明による組成物は、ゲルタイプの粘稠度を有する。組成物の安定性は、界面活性剤なしに持続する。結果的に、本発明による組成物、特に化粧料組成物は、その安定性を経時的に確保するためにいかなる界面活性剤またはシリコーン乳化剤も必要としない。
本発明による組成物は、以下の試験:染料を使用する試験、滴下試験および希釈試験の少なくとも1つを用いることによってエマルションと区別することができる。
染料を使用する試験
従来技術では、ゲルタイプの組成物における水性ゲルおよび油性ゲルの混合物の固有の性質を、例えば、染料を水性のゲル化された相または親油性のゲル化された相に導入した後に、ゲルタイプの組成物を形成することによって観測するのが、公知の慣習となっている。ゲルタイプの組成物を視覚的に点検する間、染料がゲル化された水相だけまたはゲル化された油相中だけに存在する場合でも、染料は均一に分散しているように見える。具体的には、異なる色の2つの異なる染料を、油相および水相にそれぞれ導入した後に、ゲルタイプの組成物を形成する場合、2つの色がゲルタイプの組成物中に均一に分散することを観測することができる。このことは、水溶性または油溶性の染料を、水相および油相にそれぞれ導入した後に、エマルションを形成する場合に、存在する染料の色が、外側相にだけ観測されるエマルションとは異なる(Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 19th Edition (1995), Chapter 21, page 282)。
滴下試験
「滴下試験」を実施することによって、ゲルタイプの組成物をエマルションと区別することも、公知の慣習である。この試験は、ゲルタイプの組成物の二相連続的な(bi−continuous)性質を実証することからなる。具体的には、組成物の粘稠度は、既に言及した通り、水性および油性のゲル化されたドメインの相互浸透を用いることによって得られる。結果的に、ゲルタイプの組成物の二相連続的な性質は、それぞれ親水性および疎水性溶媒を用いる簡単な試験を用いることによって実証することができる。この試験は、まず、一滴の親水性溶媒を、被検組成物の第1の試料上に堆積させ、次に、一滴の疎水性溶媒を、同じ被検組成物の第2の試料上に堆積させ、2滴の溶媒の挙動を分析することからなる。O/Wエマルションの場合、親水性溶媒の液滴は、試料に拡散し、疎水性溶媒の液滴は、試料の表面に残る。W/Oエマルションの場合、親水性溶媒の液滴は、試料の表面に残り、疎水性溶媒の液滴は、試料中に拡散する。最後に、ゲルタイプの組成物(二相連続的な系)の場合、親水性および疎水性の液滴は、試料中に拡散する。
希釈試験
本発明の場合、ゲルタイプの組成物をエマルションと区別するのに好ましい試験は、希釈試験である。具体的には、ゲルタイプの組成物では、水性のゲル化されたドメインと油性のゲル化されたドメインは相互浸透して、粘稠度がある安定な組成物を形成し、水中および油中での挙動は、エマルションの挙動とは異なる。結果的に、ゲルタイプの組成物(二相連続的な系)の希釈の間の挙動をエマルションの挙動と比較することができ、ゲル/ゲルタイプの組成物の希釈の間の挙動とエマルションの挙動は明白に異なる。
より具体的には、希釈試験は、生成物40gおよび希釈溶媒(水または油)160gを500mLのプラスチックビーカーに入れることからなる。任意の乳化を回避するために、希釈は撹拌を制御しながら実施される。特に、この希釈は、惑星形ミキサー:Speed Mixer TM DAC400FVZを使用して実施される。ミキサー速度は、4分間で1500rpmに設定される。最後に、得られた試料の観察は、光学的顕微鏡を使用して拡大率100倍(×10×10)で実施される。Dow Corningから販売されているParleam(登録商標)およびXiameter PMX−200 Silicone Fluid 5CS(登録商標)などの油は、組成物に含有されている油の1つと同様に希釈溶媒として適していることが分かる。
ゲルタイプの組成物(二相連続的な系)の場合、油または水で希釈すると、不均質な外観が常に観測される。ゲルタイプの組成物(二相連続的な系)を水で希釈すると、懸濁液に油性ゲルの塊が観測され、ゲルタイプの組成物(二相連続的な系)を油で希釈すると、懸濁液に水性ゲルの塊が観測される。
それとは対照的に、エマルションは、希釈の間に異なる挙動を有する。O/Wエマルションを水性溶媒で希釈すると、不均質で塊のある外観を呈することなく、徐々に薄まる。この同じO/Wエマルションは、油で希釈すると、不均質な外観を呈する(O/Wエマルションの塊が油に懸濁している)。W/Oエマルションを水性溶媒で希釈すると、不均質な外観を呈する(W/Oエマルションの塊が水に懸濁している)。この同じW/Oエマルションは、油で希釈すると、不均質で塊のある外観を呈することなく、徐々に薄まる。
本発明によれば、本発明による組成物を形成する水性のゲル化された相および油性のゲル化された相は、組成物中に95/5〜5/95の範囲の質量比で存在する。より優先的には、水相および油相は、30/70〜80/20の範囲の質量比で存在する。
2つのゲル化された相の比は、所望の化粧特性に従って調節される。
したがって、特に顔用のメーキャップ組成物の場合、水性のゲル化された相/油性のゲル化された相の質量比を、1超、特に60/40〜90/10、好ましくは60/40〜80/20、優先的には60/40〜70/30の範囲に設定し、さらにより優先的には、水性のゲル化された相/油性のゲル化された相の質量比を、60/40または70/30に設定することが有利となる。
これらの好ましい比は、さっぱりしていて軽い組成物を得るのに特に有利である。
したがって有利には、本発明による組成物は、外部の機械的応力に付されない限り流動しない最小応力を有する、クリーム状のゲルの形態で存在することができる。
以下の本明細書から明らかになる通り、本発明による組成物は、1.5Pa、特に10Pa超の最小限界応力を有することができる。
本発明による組成物は、10000Pa、好ましくは5000Paの最大限界応力を有することができる。
また、硬度係数(stiffness modulus)G*は、少なくとも400Paに等しく、好ましくは1000Pa超であることが有利である。本発明による組成物は、好ましくは50000Paよりも低い、より好ましくは5000Paよりも低い硬度係数G*を有することができる。
親水性相の粘度/親油性相の粘度の比(25℃および100s-1で測定される)は、好ましくは0.2〜3の範囲である。
有利な一実施形態の変形形態によれば、本発明による組成物を形成するために検討されるゲル化された相は、それぞれ、1.5Pa超、好ましくは10Pa超の限界応力を有する。
本発明による組成物を形成するために検討されるゲル化された相は、10000Paより低い、好ましくは5000Paより低い限界応力を有することができる。
限界応力の特徴付けは、振動レオロジー測定によって実施される。その方法は、本明細書の実施例の章に提案されている。
一般に、対応する測定は、蒸発防止装置(ガラス鐘)を固定したプレート−プレート測定本体(直径60mm)を備えたHaake RS600負荷応力レオメータを使用して、25℃で行われる。測定ごとに、試料をその位置に慎重に置き、ガラス鐘(jaws)内に試料(2mm)を置いてから5分後に測定を開始する。次に、被検組成物を、設定周波数1Hzで10-2〜103Paの応力勾配に付す。
本発明による組成物はまた、ある特定の弾性を有することができる。この弾性は、この最小応力閾値の下で、少なくとも400Paに等しく、好ましくは1000Pa超であり得る硬度係数G*によって特徴付けることができる。組成物のG*値は、検討される組成物を、設定周波数1Hzで10-2〜103Paの応力勾配に付すことによって得ることができる。
親水性ゲル化剤
本発明の目的では、用語「親水性ゲル化剤」は、本発明による組成物の水相をゲル化できる化合物を意味する。
ゲル化剤は、親水性であり、したがって、組成物の水相中に存在する。
ゲル化剤は、水溶性または水分散性であってよい。
前述の通り、本発明による組成物の水相は、少なくとも1つの親水性ゲル化剤でゲル化される。
親水性ゲル化剤は、合成ポリマーゲル化剤、天然であるまたは天然起源のものであるポリマーゲル化剤、シリケートとヒュームドシリカの混合物、およびこれらの混合物から選択することができる。
好ましくは、親水性ゲル化剤は、合成ポリマーゲル化剤から選択することができる。
I.天然であるまたは天然起源のものであるポリマーゲル化剤
本発明で使用するのに適したポリマー親水性ゲル化剤は、天然であってよく、または天然起源のものであってよい。
本発明の目的では、用語「天然起源の」は、天然ポリマーゲル化剤を修飾することによって得られたポリマーゲル化剤を示すことを企図する。
これらのゲル化剤は、粒子状または非粒子状であってよい。
より具体的には、これらのゲル化剤は、多糖の分類に該当する。
一般に、多糖は、いくつかの分類に分けることができる。
したがって、本発明で使用するのに適した多糖は、ホモ多糖、例えばフルクタン、グルカン、ガラクタンおよびマンナンまたはヘテロ多糖、例えばヘミセルロースであってよい。
同様に、そのような多糖は、直鎖多糖、例えばプルラン、または分岐多糖、例えばアラビアガムおよびアミロペクチン、または混合多糖、例えばデンプンであってよい。
より具体的には、本発明で使用するのに適した多糖は、デンプン質であるか否かに従って区別することができる。
I.A.デンプン質多糖
この分類の代表として、最も具体的には、天然デンプン、加工デンプンおよび粒子状デンプンを挙げることができる。
天然デンプン
本発明で使用することができるデンプンは、より具体的には、α(1,4)結合を介して連結している化学式(C6105nの無水グルコース単位(ブドウ糖)である基本部分からなるポリマーの形態の巨大分子である。これらの部分およびそれらの集合体の数により、直鎖状に連結している約600〜1000個のグルコース分子から形成された分子であるアミロースと、およそ25個のグルコース残基ごとに分岐している(α(1,6)結合)ポリマーであるアミロペクチンを、区別することが可能となる。鎖全体は、10000〜100000個のグルコース残基を含むことができる。
デンプンは、特にKirk-Othmer's Encyclopaedia of Chemical Technology、3rd edition、volume 21、pages 492-507, Wiley Interscience, 1983に記載されている。
アミロースとアミロペクチンの相対的割合、およびそれらの重合度は、デンプンの植物起源に応じて変わる。平均すると、天然デンプンの試料は、約25%アミロースおよび75%アミロペクチンからなる。
時折、フィトグリコーゲンが存在し(0%〜20%のデンプン)、これはアミロペクチンの類似体であるが、10〜15個のグルコース残基ごとに分岐している。
デンプンは、半結晶性顆粒の形態であってよい。アミロペクチンは、リーフレット状に編成され、アミロースは、様々なリーフレットの間に十分には編成されていない非晶質帯域を形成する。
アミロースは、直鎖らせんに編成され、1旋回当たり6個のグルコースを有する。アミロースは、アミラーゼ酵素の作用の下で、同化できるグルコースに解離するが、アミロペクチン形態である場合は、より一層容易に解離する。具体的には、らせんの形成により、酵素がデンプンを利用しにくくなる。
デンプンは、一般に、冷水に不溶性である白色粉末の形態であり、その基本的な粒径は、3〜100μmの範囲である。
デンプンを温水で処理することによって、デンプンペーストが得られる。デンプンは、産業ではその増粘特性およびゲル化特性が利用されている。
本発明で使用されるデンプン分子の植物起源は、穀物または塊茎であってよい。したがって、デンプンは、例えば、トウモロコシデンプン、コメデンプン、キャッサバデンプン、タピオカデンプン、オオムギデンプン、バレイショデンプン、コムギデンプン、モロコシデンプンおよびエンドウマメデンプンから選択される。
天然デンプンは、例えば、Cargill社により名称C*AmilogelTM、Cargill GelTM、C* GelTM、Cargill GumTM、DryGelTMおよびC*Pharm GelTMで、Roquette社により名称Corn Starchで、ならびにNational Starch社により名称Tapioca Pureで販売されている製品によって提示される。
加工デンプン
本発明の組成物で使用される加工デンプンは、以下の反応、アルファ化、分解(酸加水分解、酸化、デキストリン化)、置換(エステル化、エーテル化)、架橋(エステル化)、漂白の1つまたは複数を介して加工することができる。
より具体的には、これらの反応は、以下の方式で実施することができる。
− デンプン顆粒を分割することによってアルファ化する(例えば、乾燥ドラム中で乾燥および調理する)、
− 冷却しながら酸加水分解させて、非常に急速に老化変性させる、
− 強力な酸化剤(アルカリ媒体、例えば次亜塩素酸塩ナトリウムNaOClの存在下)で酸化させて、デンプン分子を脱重合させ、カルボキシル基をデンプン分子に導入する(主にC6におけるヒドロキシル基の酸化)、
− 酸性媒体中、高温でデキストリン化させる(加水分解の後に再重合させる)、
− デンプン分子のヒドロキシル基と反応し、したがって一緒に結合することができる官能性薬剤(例えば、グリセリルおよび/またはリン酸基を有する)で架橋する、
− 官能基、特にC1−C6アシル(アセチル)、C1−C6ヒドロキシアルキル(ヒドロキシエチルまたはヒドロキシプロピル)、カルボキシメチルまたはオクテニルコハク酸をグラフトするためにアルカリ媒体中でエステル化する。
リン酸一デンプン(St−O−PO−(OX)2のタイプ)、リン酸二デンプン(St−O−PO−(OX)−O−Stのタイプ)もしくはさらにはリン酸三デンプン(St−O−PO−(O−St)2のタイプ)またはこれらの混合物は、特に、リン化合物で架橋することによって得ることができる。
Xは、特に、アルカリ金属(例えば、ナトリウムまたはカリウム)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウムまたはマグネシウム)、アンモニウム塩、アミン塩、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、3−アミノ−1,2−プロパンジオールの塩、または塩基性アミノ酸、例えばリシン、アルギニン、サルコシン、オルニチンもしくはシトルリンから導出されるアンモニウム塩を示す。
リン化合物は、例えば、トリポリリン酸ナトリウム、オルトリン酸ナトリウム、オキシ塩化リンまたはトリメタリン酸ナトリウムであってよい。
本発明によれば、両性デンプンを使用することも可能であり、これらの両性デンプンは、1つまたは複数のアニオン基および1つまたは複数のカチオン基を含有する。アニオン基およびカチオン基は、デンプン分子の同じ反応性部位または異なる反応性部位に連結することができ、好ましくは同じ反応性部位に連結される。アニオン基は、カルボン酸、リン酸または硫酸タイプ、好ましくはカルボン酸基であってよい。カチオン基は、第一級、第二級、第三級または第四級アミンタイプのものであってよい。
両性デンプンは、特に、次式を有する化合物から選択される
[式中、
− St−Oは、デンプン分子を表し、
− Rは、同じでも異なっていてもよく、水素原子またはメチルラジカルを表し、
− R’は、同じでも異なっていてもよく、水素原子、メチルラジカルまたは−COOH基を表し、
− nは、2または3に等しい整数であり、
− Mは、同じでも異なっていてもよく、水素原子、アルカリ金属またはアルカリ土類金属、例えばNa、K、LiもしくはNH4、第四級アンモニウムまたは有機アミンを示し、
− R’’は、水素原子または1〜18個の炭素原子を含有するアルキルラジカルを表す]。
これらの化合物は、特に、米国特許第5 455 340号および同第4 017 460号に記載されている。
デンプン分子は、任意の植物起源のデンプン、例えば、特にトウモロコシ、バレイショ、エンバク、コメ、タピオカ、モロコシ、オオムギまたはコムギから導出され得る。デンプン分子はまた、先に列挙したデンプン加水分解物を使用することが可能である。
加工デンプンは、例えば、Cargill社によって名称C*Tex−Instant(アルファ化アジピン酸)、C*StabiTex−Instant(アルファ化リン酸)、C*PolarTex−Instant(アルファ化ヒドロキシプロピル)、C*Set(酸加水分解、酸化)、C*size(酸化)、C*BatterCrisp(酸化)、C*DrySet(デキストリン化)、C*TexTM(アセチルアジピン酸二デンプン)、C*PolarTexTM(ヒドロキシプロピルリン酸二デンプン)、C*StabiTexTM(リン酸二デンプン、アセチルリン酸二デンプン)で販売されている製品、リン酸二デンプンまたはリン酸二デンプンが豊富な化合物、例えばAvebe社によって参照名Prejel VA−70−T AGGL(ゼラチン化ヒドロキシプロピルキャッサバリン酸二デンプン)もしくはPrejel TK1(ゼラチン化キャッサバリン酸二デンプン)もしくはPrejel 200(ゼラチン化アセチルキャッサバリン酸二デンプン)で販売されている製品、またはNational Starch製のStructure Zea(ゼラチン化トウモロコシリン酸二デンプン)によって提示される。
酸化デンプンの例として、特にCargill社から名称C*sizeで販売されているものが使用される。
前述の天然または加工デンプンは、有利には、水相の総質量に対して0.1質量%〜8質量%、好ましくは約1質量%の固体の割合で使用することができる。
粒子状デンプン
特に挙げることができる粒子状デンプンには、以下が含まれる。
− アクリルポリマー(ホモポリマーまたはコポリマー)、特にポリアクリル酸ナトリウムでグラフト化されたデンプン、例えばSanyo Chemical Industries社によって名称Sanfresh ST−100MCで、またはDaito Kasei社によってMakimousse 25、Makimousse 12で販売されているもの(INCI名:ポリアクリル酸ナトリウムデンプン)、
− アクリルポリマー(ホモポリマーまたはコポリマー)、特にアクリロアクリルアミド/アクリル酸ナトリウムコポリマーでグラフト化された加水分解デンプン、例えばGrain Processing社によって名称Water Lock A−240、A−180、B−204、D−223、A−100、C−200およびD−223で販売されているもの(INCI名:デンプン/アクリルアミド/アクリル酸ナトリウムコポリマー)、
− デンプン、ガムおよびセルロース誘導体をベースとするポリマー、例えばデンプンおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムを含有する製品、例えばLysac社によって名称Lysorb 220で販売されている製品。
最も具体的には、本明細書で以下カルボキシアルキルデンプンとも呼ばれるC1−C4カルボキシアルキルデンプンを挙げることができる。これらの化合物は、カルボキシアルキル基をデンプンの1つまたは複数のアルコール官能基上にグラフトすることによって、特にアルカリ媒体中でデンプンとモノクロロ酢酸ナトリウムを反応させることによって得られる。
カルボキシアルキル基は、一般に、エーテル官能基を介して、より具体的には炭素1に付着している。C1−C4カルボキシアルキルデンプンのカルボキシアルキル単位による置換度は、好ましくは0.1〜1、より具体的には0.15〜0.5の範囲である。置換度は、本発明に従って、多糖の単糖単位1つ当たり、エステル基またはエーテル基で置換されているヒドロキシル基の平均数と定義される。
カルボキシアルキルデンプンは、有利には、塩、特にアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩、例えばNa、K、Li、NH4、または第四級アンモニウムもしくは有機アミン、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミンもしくはトリエタノールアミンの塩の形態で使用される。C1−C4カルボキシアルキルデンプンは、本発明の文脈では、有利にはカルボキシメチルデンプンである。カルボキシメチルデンプンは、好ましくは、次式を有する単位を含む
[式中、共有結合によりカルボキシル単位に任意選択で結合しているXは、水素原子、アルカリ金属またはアルカリ土類金属、例えばNa、K、Li、NH4、第四級アンモニウムまたは有機アミン、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミンまたはトリエタノールアミンを示す]。
好ましくは、Xは、Na+カチオンを示す。本発明に従って使用することができるカルボキシアルキルデンプンは、好ましくは非アルファ化カルボキシアルキルデンプンである。本発明に従って使用することができるカルボキシアルキルデンプンは、好ましくは部分的または全体的に架橋されたカルボキシアルキルデンプンである。
一般に、架橋カルボキシアルキルデンプンは、非架橋カルボキシアルキルデンプンとは対照的に、制御可能な高い粘度および高い安定性を有する。したがって、架橋により、シネレシス現象を低減し、せん断効果に対するゲルの抵抗性を増大することが可能になる。
本発明に従って検討されるカルボキシアルキルデンプンは、より具体的には、バレイショカルボキシアルキルデンプンである。したがって、本発明に従って使用することができるカルボキシアルキルデンプンは、好ましくはカルボキシアルキルデンプンのナトリウム塩、特にDMV International社によって名称Primojel(登録商標)で、またはRoquette社によってGlycolys(登録商標)およびGlycolys(登録商標)LVで販売されているバレイショカルボキシメチルデンプンのナトリウム塩である。
具体的な一態様によれば、特に、Roquette社によって名称Glycolys(登録商標)で販売されているバレイショカルボキシメチルデンプンが使用される。既に記載されている通り、C1−C4カルボキシアルキルデンプン粒子は、本発明による組成物中に、膨潤した非分割形態で存在する。この膨潤は、膨潤力Qによって特徴付けることができ、この膨潤力は、乾燥粒子状物質1g当たり、有利には10〜30ml/g、好ましくは15〜25ml(吸収された液体の体積)/g(乾燥粒子状物質)であり得る。
したがって、本発明に従って使用される膨潤カルボキシアルキルデンプン粒子のサイズは、一般に、25〜300μmの範囲である。例えば、水に10質量%のバレイショカルボキシアルキルデンプンおよびナトリウム塩を含有するゲルであるPrimojel(登録商標)は、直径が50μm超、より具体的には100μm超のこのデンプンの膨潤粒子を、80%を超えて含有している。
本発明の好ましい一実施形態の変形形態によれば、これらの粒子は、本発明による組成物を膨潤粒子状態で調製するために使用される。このために、これらの粒子は、有利には予め調製されたまたは既に市販されている水性ゲルの形態で使用される。本発明に従って検討されるゲルは、有利には半透明である。
例えば、カルボキシメチルデンプンゲル、例えば10質量%濃度であるPrimojel(登録商標)は、期待される組成物を調製するために使用する前に、必要な濃度に調節することができる。
このような粒子状デンプンは、水相の総質量に対して0.1質量%〜5質量%、好ましくは0.5質量%〜2.5質量%の固体の割合で、特に水相の総質量に対して約1.5質量%の固体の割合で使用することができる。
一実施形態の変形形態によれば、親水性ゲル化剤は、非デンプン質である。
I.B.非デンプン質多糖
一般に、非デンプン質多糖は、微生物によって生成された多糖:藻類から単離された多糖、および高等植物の多糖、例えば同種多糖、特にセルロースおよびその誘導体またはフルクトサン、異種多糖、例えばアラビアガム、ガラクトマンナン、グルコマンナンおよびペクチン、およびその誘導体;ならびにこれらの混合物から選択することができる。
特に、多糖は、フルクタン、ジェラン、グルカン、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン、プルラン、デキストラン、セルロースおよびその誘導体、特にメチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース、マンナン、キシラン、リグニン、アラバン、ガラクタン、ガラクツロナン、アルギン酸ベースの化合物、キチン、キトサン、グルクロノキシラン、アラビノキシラン、キシログルカン、グルコマンナン、ペクチン酸およびペクチン、アラビノガラクタン、カラゲニン、寒天、グリコサミノグリカン(glycosaminoglucans)、アラビアガム、トラガントガム、ガッチ(ghatti)ガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、ガラクトマンナン、例えばグアーガムおよびその非イオン性誘導体、特にヒドロキシプロピルグアー、およびそのイオン性誘導体、微生物起源のバイオ多糖(biopolysaccharide)ガム、特にスクレログルカンまたはキサンタンガム、ムコ多糖、特にコンドロイチン硫酸、ならびにこれらの混合物から選択することができる。
これらの多糖は、特に尿素もしくはウレタン基で、または加水分解、酸化、エステル化、エーテル化、硫酸化、リン酸化(phosphatation)、アミノ化、アミド化もしくはアルキル化反応によって、またはこれらの修飾のいくつかによって化学的に修飾することができる。
得られた誘導体は、アニオン性、カチオン性、両性または非イオン性であってよい。
有利には、多糖は、カラゲニン、特にカッパカラゲニン、ジェランガム、寒天、キサンタンガム、アルギン酸ベースの化合物、特にアルギン酸ナトリウム、スクレログルカンガム、グアーガム、イヌリンおよびプルラン、ならびにこれらの混合物から選択することができる。
一般に、本発明で使用することができるこのタイプの化合物は、特にKirk-Othmer's Encyclopaedia of Chemical Technology, Third Edition, 1982, volume 3, pp. 896-900, and volume 15, pp. 439-458、John Wiley & Sonsによって刊行されたE.A. MacGregor and C.T. GreenwoodによるPolymers in Nature, Chapter 6, pp. 240-328, 1980、McGraw Hill Book Companyによって刊行された表題Handbook of Water-Soluble Gums and ResinsのRobert L. Davidsonによる文献(1980)およびAcademic Press Inc.によって刊行されたIndustrial Gums - Polysaccharides and their Derivatives, edited by Roy L. Whistler, Second Editionに記載のものから選択される。
このような、ゲル化剤は、水相の総質量に対して0.1質量%〜8質量%、特に0.1質量%〜6質量%、好ましくは0.5質量%〜2.5質量%の固体の割合で、特に水相の総質量に対して約1質量%の固体の割合で、あるいは約1.5質量%の固体の割合で使用することができる。
より正確には、本発明で使用するのに適したこれらの多糖は、微生物、藻類または高等植物に由来しているかどうかに従って区別することができ、それらを以下に詳説する。
微生物によって生成された多糖
キサンタン
キサンタンは、細菌Xanthomonas campestrisの好気性発酵によって、工業規模で生成されたヘテロ多糖である。その構造は、セルロースに類似のβ(1,4)連結β−D−グルコースの主鎖からなる。2つのうち一方のグルコース分子は、α−D−マンノース、β−D−グルクロン酸、および末端β−D−マンノースから構成された三糖側鎖を担持している。内部マンノース残基は、一般に炭素6上でアセチル化されている。末端マンノース残基の約30%は、炭素4と6の間にキレート化形態で連結しているピルビン酸基を担持している。荷電ピルビン酸およびグルクロン酸は、イオン化することができ、したがって、キサンタンのアニオン性質に関与する(pH1に低下するまでの負電荷)。ピルビン酸残基および酢酸残基の含量は、細菌株、発酵方法、後発酵条件および精製工程に従って変わる。これらの基は、Na+、K+またはCa2+イオンを有する市販品で中和され得る(Satia company、1986)。中和形態は、イオン交換または酸性溶液の透析によって酸形態に変換することができる。
キサンタンガムは、分子量が1000000〜50000000であり、1%のキサンタンガムを含有する水性組成物では0.6〜1.65Pa.sの粘度を有する(LVTタイプのBrookfield粘度計により60rpmで25℃において測定する)。
キサンタンガムは、例えば、Rhodia Chimie社によって名称Rhodicareで、Cargill Texturizing Solutions社によって名称Satiaxane(商標)で(食品、化粧および医薬品産業について)、ADM社によって名称Novaxan(商標)で、ならびにCP−Kelco社によって名称Kelzan(登録商標)およびKeltrol(登録商標)で販売されている製品によって提示される。
プルラン
プルランは、名称α(1,4)−α(1,6)−グルカンで公知のマルトトリオース単位からなる多糖である。マルトトリオースにおける3つのグルコース単位は、α(1,4)グリコシド結合を介して結合しており、連続マルトトリオース単位は、α(1,6)グリコシド結合を介して互いに結合している。
プルランは、例えば、日本の林原グループによって参照名Pullulan PF 20で生成されている。
デキストランおよびデキストラン硫酸
デキストランは、ヒドロキシル基だけを含有するテンサイ糖の発酵によって調製された、いずれの荷電基も担持していない中性多糖であり、生物学的に不活性である。
天然デキストランから加水分解および精製によって、異なる分子量のデキストラン画分を得ることが可能である。デキストランは、特にデキストラン硫酸の形態であってよい。
デキストランは、例えば、Pharmacosmos社によって名称DextranもしくはDextran Tで、またはMeito Sangyo Co.社によって名称Dextran 40 PowderもしくはDextran 70 Powderで販売されている製品によって提示される。デキストラン硫酸は、PK Chemical A/S社によって名称Dextran sulfateで販売されている。
スクシノグリカン
スクシノグリカンは、八糖繰り返し単位(8つの糖の反復)からなる、細菌発酵によって生成された高分子量の細胞外ポリマーである。スクシノグリカンは、例えば、Rhodia社によって名称Rheozanで販売されている。
スクレログルカン
スクレログルカンは、β−D−グルカン単位からなる非イオン性の分岐ホモ多糖である。この分子は、β(1,3)結合を介して連結したD−グルコース単位から形成された直鎖主鎖からなり、その3つの単位のうち1つは、β(1,6)結合を介して側鎖D−グルコース単位に連結している。
スクレログルカンおよびそれらの調製のより完全な説明は、米国特許第3 301 848号に見出すことができる。
スクレログルカンは、例えば、Alban Muller社によって名称Amigelで、またはCargill社によって名称Actigum(商標)CSで販売されている。
ジェランガム
ジェランガムは、4つの糖(テトラ−オシド)から構成されるオリゴシド単位をベースとするアニオン性直鎖ヘテロポリオシドである。ジェランガムには、D−グルコース、L−ラムノースおよびD−グルクロン酸が、モノマー成分の形態で、2:1:1の割合で存在する。
ジェランガムは、例えば、CP Kelco社によって名称Kelcogel CG LAで販売されている。
藻類から単離された多糖
ガラクタン
本発明による多糖は、特に寒天およびカラゲニンから選択されるガラクタンであってよい。
カラゲニンは、スギノリ科(Gigartinacae)、イバラノリ科(Hypneaceae)、ススカケベニ科(Furcellariaceae)およびウラボシ科(Polyideaceae)に属する様々な赤色藻類(紅藻類(Rhodophyceae))の細胞壁を構成するアニオン性多糖である。カラゲニンは、一般に、前記藻類の天然株から温水抽出することによって得られる。二糖単位によって形成されたこれらの直鎖ポリマーは、α(1,3)結合およびβ(1,4)結合によって交互に連結した2つのD−ガラクトピラノース単位から構成される。それらは、高度に硫酸化された多糖(20〜50%)であり、α−D−ガラクトピラノシル残基は、3,6−アンヒドロ形態であり得る。分子の繰り返し二糖上の硫酸エステル基の数および位置に応じて、いくつかのタイプのカラゲニンが区別され、すなわち、1つの硫酸エステル基を担持しているカッパ−カラゲニン、2つの硫酸エステル基を担持しているイオタ−カラゲニン、および3つの硫酸エステル基を担持しているラムダ−カラゲニンである。
カラゲニンは、多糖硫酸エステルのカリウム、ナトリウム、マグネシウム、トリエタノールアミンおよび/またはカルシウム塩から本質的に構成される。
カラゲニンは、特に、SEPPIC社によって名称Solagum(登録商標)で、Gelymar社によって名称Carragel(登録商標)、Carralact(登録商標)およびCarrasol(登録商標)で、Cargill社によって名称Satiagel(商標)およびSatiagum(商標)で、ならびにCP−Kelco社によって名称Genulacta(登録商標)、Genugel(登録商標)およびGenuvisco(登録商標)で販売されている。
寒天タイプのガラクタンは、これらの赤色藻類(紅藻類)の種の一部の細胞壁に含有されているガラクトース多糖である。それらは、基本主鎖がβ(1,3)D−ガラクトピラノースおよびα(1,4)L3−6アンヒドロガラクトース鎖であるポリマー基から形成され、これらの単位は、規則的に交互に繰り返す。寒天科の差異は、溶媒和されたメチル基またはカルボキシエチル基の存否に起因する。これらのハイブリッド構造は、一般に、藻類の種類および収穫時期に応じて可変百分率で存在する。
寒天は、40000〜300000g.mol-1の高い分子量の多糖(アガロースおよびアガロペクチン)の混合物である。寒天は、一般に高圧蒸気殺菌法によって藻類抽出液を製造し、約2%の寒天を含むこれらの液を処理して、寒天を抽出することによって得られる。
寒天は、例えば、グループB&V Agar Producersによって名称Gold Agarで、Hispanagar社によってAgariteおよびGrand Agarで、ならびにSetexam社によって名称Agar−Agar、QSA(Quick Soluble Agar)、およびPuragarで生成されている。
ファーセレラン
ファーセレランは、赤色藻類Furcellaria fasztigiataから商業的に得られる。ファーセレランは、例えば、Est−Agar社によって生成されている。
アルギン酸ベースの化合物
本発明の目的では、用語「アルギン酸ベースの化合物」は、アルギン酸、アルギン酸誘導体およびアルギン酸の塩(アルギン酸塩)または前記誘導体の塩を意味する。
好ましくは、アルギン酸ベースの化合物は、水溶性である。
褐藻またはある特定の細菌由来の天然物質であるアルギン酸は、1,4−グリコシド結合によって連結された2つのウロン酸であるβ−D−マンヌロン(M)酸およびα−L−グルクロン酸(G)酸から構成されるポリウロン酸である。
アルギン酸は、アルカリ金属、例えばナトリウム、カリウムまたはリチウム、低級アミンおよび置換アンモニウムの置換カチオン、例えばメチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミンまたはトリエタノールアミンと共に水溶性の塩(アルギン酸塩)を形成することができる。これらのアルギン酸塩は、4に等しいpHでは水性媒体に水溶性であるが、4未満のpHではアルギン酸に解離する。
この(これらの)アルギン酸ベースの化合物は、少なくとも1つの架橋剤の存在下で、前記アルギン酸ベースの化合物と前記架橋剤の間にイオン結合を形成することによって架橋することができる。前記アルギン酸ベースの化合物のいくつかの分子間に複数の架橋が形成されると、水溶性ゲルが形成される。
10000〜1000000、好ましくは15000〜500000、さらにより好ましくは20000〜250000の範囲の質量平均分子量を有するアルギン酸ベースの化合物を使用するのが好ましい。
好ましい一実施形態では、アルギン酸ベースの化合物は、アルギン酸および/またはその塩である。
有利には、アルギン酸ベースの化合物は、アルギン酸塩、好ましくはアルギン酸ナトリウムである。
アルギン酸ベースの化合物は、特に尿素もしくはウレタン基で、または加水分解、酸化、エステル化、エーテル化、硫酸化、リン酸化、アミノ化、アミド化もしくはアルキル化反応によって、またはこれらの修飾のいくつかによって化学的に修飾することができる。
得られた誘導体は、アニオン性、カチオン性、両性または非イオン性であってよい。
本発明で使用するのに適したアルギン酸ベースの化合物は、例えば、Cargill Products社によって名称Kelcosol、Satialgine(商標)、Cecalgum(商標)またはAlgogel(商標)で、FMC Biopolymer社によって名称Protanal(商標)で、Danisco社によって名称Grindsted(登録商標)Alginateで、Kimica社によって名称Kimica Alginで、ならびにISP社によって名称Manucol(登録商標)およびManugel(登録商標)で販売されている製品によって提示され得る。
高等植物の多糖
この分類の多糖は、同種多糖(1種類の糖だけ)およびいくつかのタイプの糖から構成される異種多糖に分けることができる。
a)同種多糖およびその誘導体
本発明による多糖は、セルロースおよび誘導体またはフルクトサンから選択することができる。
セルロースおよび誘導体
本発明による多糖は、セルロースまたはその誘導体、特にセルロースエーテルまたはエステル(例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルプロピルセルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース、ニトロセルロース)であってもよい。
本発明は、セルロースベースの会合性ポリマーを含有することもできる。本発明によれば、用語「セルロースベースの化合物」は、その構造内にβ(1,4)結合を介して一緒になって連結したアンヒドログルコピラノース残基(AGU)の直鎖配列を担持する任意の多糖化合物を意味する。繰り返し単位は、セロビオースダイマーである。AGUは、椅子型立体構造であり、2つの第二級アルコール(位置2および3)および第一級アルコール(位置6)の3つのヒドロキシル官能基を担持している。こうして形成されたポリマーは、水素結合タイプの分子内結合を介して一緒になって組み合わさり、したがってセルロースは繊維状構造になる(繊維1つ当たり分子約1500個)。
重合度は、セルロースの起源に応じて大きく異なり、その値は、数百から数万の範囲になる場合がある。
セルロースは、以下の化学的構造を有する。
セルロースのヒドロキシル基は、部分的または全体的に様々な化学試薬と反応して、固有の特性を有するセルロース誘導体を生じることができる。セルロース誘導体は、アニオン性、カチオン性、両性または非イオン性であってよい。これらの誘導体の中でも、セルロースエーテル、セルロースエステルおよびセルロースエステルエーテルが区別される。
非イオン性セルロースエーテルの中でも、アルキルセルロース、例えばメチルセルロースおよびエチルセルロース;ヒドロキシアルキルセルロース、例えばヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロース;ならびに混合ヒドロキシアルキルアルキルセルロース、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロースおよびヒドロキシブチルメチルセルロースを挙げることができる。
アニオン性セルロースエーテルの中でも、カルボキシアルキルセルロースおよびその塩を挙げることができる。例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルメチルセルロースおよびカルボキシメチルヒドロキシエチルセルロースおよびそれらのナトリウム塩を挙げることができる。
カチオン性セルロースエーテルの中でも、架橋または非架橋四級化ヒドロキシエチルセルロースを挙げることができる。
四級化剤は、特に、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリドまたは脂肪族アミン、例えばラウリルアミンまたはステアリルアミンであってよい。挙げることができる別のカチオン性セルロースエーテルは、ヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムである。
四級化セルロース誘導体は、特に、以下のものである。
− 少なくとも8個の炭素原子を含むアルキル、アリールアルキルもしくはアルキルアリール基などの少なくとも1つの脂肪鎖を含む基で修飾された四級化セルロース、またはこれらの混合物、
− 少なくとも8個の炭素原子を含むアルキル、アリールアルキルもしくはアルキルアリール基などの少なくとも1つの脂肪鎖を含む基で修飾された四級化ヒドロキシエチルセルロース、またはこれらの混合物。
先の四級化セルロースまたはヒドロキシエチルセルロースが担持しているアルキルラジカルは、好ましくは8〜30個の炭素原子を含有する。アリールラジカルは、好ましくはフェニル、ベンジル、ナフチルまたはアントリル基を示す。
示され得るC8−C30脂肪鎖を含有する四級化アルキルヒドロキシエチルセルロースの例として、Amerchol社によって販売されている製品Quatrisoft LM 200、Quatrisoft LM−X 529−18−A、Quatrisoft LM−X 529−18B(C12アルキル)およびQuatrisoft LM−X 529−8(C18アルキル)、ならびにCroda社によって販売されている製品Crodacel QM、Crodacel QL(C12アルキル)およびCrodacel QS(C18アルキル)が挙げられる。
セルロース誘導体の中でも、以下を挙げることもできる。
− 少なくとも1つの脂肪鎖を含む基で修飾されたセルロース、例えば、少なくとも1つの脂肪鎖、例えば特にC8−C22のアルキル基、アリールアルキル基およびアルキルアリール基を含む基で修飾されたヒドロキシエチルセルロース、例えばAqualon社によって販売されているNatrosol Plus Grade 330 CS(C16アルキル)、ならびに
− ポリアルキレングリコールアルキルフェニルエーテル基で修飾されたセルロース、例えばAmerchol社によって販売されている製品Amercell Polymer HM−1500(ノニルフェニルポリエチレングリコール(15)エーテル)。
セルロースエステルの中には、セルロースの無機エステル(硝酸セルロース、硫酸セルロース、リン酸セルロース等)、有機セルロースエステル(モノ酢酸セルロース、三酢酸セルロース、アミドプロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロースおよび酢酸トリメット酸セルロース等)、ならびにセルロースの混合有機/無機エステル、例えば酢酸酪酸硫酸セルロースおよび酢酸プロピオン酸硫酸セルロースが含まれる。セルロースエステルエーテルの中でも、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートおよびエチルセルローススルフェートを挙げることができる。
本発明のセルロースベースの化合物は、非置換セルロースおよび置換セルロースから選択することができる。
セルロースおよび誘導体は、例えば、FMC Biopolymers社によって名称Avicel(登録商標)(微結晶性セルロース、MCC)で、Noviant(CP−Kelco)によって名称Cekol(カルボキシメチルセルロース)で、Akzo Nobel社によって名称Akucell AF(カルボキシメチルセルロースナトリウム)で、Dow社によって名称Methocel(商標)(セルロースエーテル)およびEthocel(商標)(エチルセルロース)で、ならびにHercules Aqualon社によって名称Aqualon(登録商標)(カルボキシメチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム)、Benecel(登録商標)(メチルセルロース)、Blanose(商標)(カルボキシメチルセルロース)、Culminal(登録商標)(メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、Klucel(登録商標)(ヒドロキシプロピルセルロース)、Polysurf(登録商標)(セチルヒドロキシエチルセルロース)およびNatrosol(登録商標)CS(ヒドロキシエチルセルロース)で販売されている製品によって提示される。
フルクトサン
本発明による多糖は、特に、イヌリンおよびその誘導体(特にジカルボキシおよびカルボキシメチルイヌリン)から選択されるフルクトサンであってよい。
フルクタンまたはフルクトサンは、フルクトース以外のいくつかの糖残基と任意選択で結合しているアンヒドロフルクトース単位の配列を含むオリゴ糖または多糖である。フルクタンは、直鎖または分岐であってよい。フルクタンは、植物源もしくは微生物源から直接得られた産物、または分画、合成もしくは加水分解、特に酵素的加水分解によってその鎖長が変更(増加または減少)された生成物であってよい。フルクタンは、一般に、2〜約1000、好ましくは2〜約60の重合度を有する。
3つの群のフルクタンが区別される。第1の群は、そのフルクトース単位が、大部分、β(2,1)結合を介して連結されている生成物に相当する。これらは、本質的に直鎖フルクタン、例えばイヌリンである。
第2の群も、直鎖フルクトースに相当するが、フルクトース単位は、本質的にβ(2,6)結合を介して連結されている。これらの生成物は、レバンである。
第3の群は、混合フルクタン、すなわちβ(2,6)およびβ(2,1)配列を含有する混合フルクタンに相当する。これらは、本質的に、分岐フルクタン、例えばグラミナン(graminan)である。
本発明による組成物の好ましいフルクタンは、イヌリンである。イヌリンは、例えばチコリ、ダリアまたはキクイモ、好ましくはチコリから得ることができる。
特に多糖、特にイヌリンは、重合度が2〜約1000、好ましくは2〜約60であり、置換度がフルクトース単位1つ当たり2つ未満である。
本発明で使用されるイヌリンは、例えばOrafti社によって名称Beneo(商標)イヌリンで、およびSensus社によって名称Frutafit(登録商標)で販売されている製品によって提示される。
b)異種多糖およびその誘導体
本発明に従って使用され得る多糖は、ガム、例えばカシアガム、カラヤガム、コンニャクガム、トラガカントガム、タラガム、アカシアガムまたはアラビアガムであってよい。
アラビアガム
アラビアガムは、高度に分岐した酸性多糖であり、カリウム、マグネシウムおよびカルシウム塩の混合物の形態である。遊離酸(アラビン酸)のモノマー成分は、D−ガラクトース、L−アラビノース、L−ラムノースおよびD−グルクロン酸である。
ガラクトマンナン(グアー、ローカストビーン、コロハ、タラガム)および誘導体(リン酸グアー、ヒドロキシプロピルグアー等)
ガラクトマンナンは、貯蔵炭水化物を構成するマメ科種子の胚乳から抽出された非イオン性ポリオシドである。
ガラクトマンナンは、β(1,4)連結D−マンノピラノース単位の主鎖からなる巨大分子であり、主鎖にα(1,6)連結した単一のD−ガラクトピラノース単位からなる側分岐を担持している。様々なガラクトマンナンは、第1に、ポリマー中に存在するα−D−ガラクトピラノース単位の割合が異なっており、第2にマンノース鎖に沿ったガラクトース単位の分布に関して、有意な差異がある。
マンノース/ガラクトース(M/G)比は、グアーガムでは約2、タラガムでは約3、ローカストビーンガムでは約4である。
ガラクトマンナンは、以下の化学的構造を有する。
グアー
グアーガムは、2/1程度のマンノース/ガラクトース比によって特徴付けられる。ガラクトース基は、マンノース鎖に沿って規則的に分布している。
本発明に従って使用され得るグアーガムは、非イオン性、カチオン性またはアニオン性であってよい。本発明によれば、化学的に修飾されたまたは非修飾の非イオン性グアーガムを使用することができる。
非修飾非イオン性グアーガムは、例えば、Unipektin社によって名称Vidogum GH、Vidogum GおよびVidocremで、ならびにRhodia社によって名称Jaguarで、Danisco社によって名称Meypro(登録商標)Guarで、Cargill社によって名称Viscogum(商標)で、ならびにAqualon社によって名称Supercol(登録商標)グアーガムで販売されている製品である。
本発明に従って使用され得る、加水分解された非イオン性グアーガムは、例えば、Danisco社によって名称Meyprodor(登録商標)で販売されている製品によって提示される。
本発明に従って使用され得る、修飾された非イオン性グアーガムは、好ましくはC1−C6ヒドロキシアルキル基で修飾されており、その中でも、例えばヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピルおよびヒドロキシブチル基を挙げることができる。
ヒドロキシアルキル基により任意選択で修飾されているこのような非イオン性グアーガムは、例えば、Rhodia社によって商標Jaguar HP 60、Jaguar HP 105およびJaguar HP 120(ヒドロキシプロピルグアー)で、またはAqualon社によって名称N−Hance(登録商標)HP(ヒドロキシプロピルグアー)で販売されている。
カチオン性ガラクトマンナンガムは、好ましくは、1.5meq/gまたはそれ未満、より具体的には0.1〜1meq/gのカチオン電荷密度を有する。電荷密度は、ケルダール方法によって決定され得る。電荷密度は、一般に3〜9程度のpHに相当する。
一般に、本発明の目的では、用語「カチオン性ガラクトマンナンガム」は、カチオン基および/またはカチオン基にイオン化できる基を含有する任意のガラクトマンナンガムを意味する。
好ましいカチオン基は、第一級、第二級、第三級および/または第四級アミン基を含むカチオン基から選択される。
一般に使用されるカチオン性ガラクトマンナンガムは、質量平均分子量が、およそ500〜5×106、好ましくはおよそ103〜3×106である。
本発明に従って使用され得るカチオン性ガラクトマンナンガムは、例えば、トリ(C1−C4)アルキルアンモニウムカチオン基を含むガムである。好ましくは、これらのガムのヒドロキシル官能基数の2%〜30%は、トリアルキルアンモニウムカチオン基を担持している。
これらのトリアルキルアンモニウム基の中でも、最も具体的には、トリメチルアンモニウムおよびトリエチルアンモニウム基を挙げることができる。
さらにより優先的に、これらの基は、修飾ガラクトマンナンガムの総質量に対して5質量%〜20質量%である。
本発明によれば、カチオン性ガラクトマンナンガムは、好ましくはヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム基を含むグアーガム、すなわち例えば2,3−エポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドで修飾されているグアーガムである。
これらのガラクトマンナンガム、特にカチオン基で修飾されたグアーガムは、それ自体公知の製品であり、例えば米国特許第3 589 578号および同第4 031 307号に記載されている。このような製品は、さらに、特にRhodia社によって商標Jaguar EXCEL、Jaguar C13 S、Jaguar C 15、Jaguar C 17およびJaguar C162(グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド)で、Degussa社によって名称Amilan(登録商標)グアー(グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド)で、ならびにAqualon社によって名称N−Hance(登録商標)3000(グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド)で販売されている。
本発明に従って使用され得るアニオン性グアーガムは、カルボン酸、スルホン酸、スルフェン酸、リン酸、ホスホン酸またはピルビン酸から導出された基を含むポリマーである。アニオン基は、好ましくはカルボン酸基である。アニオン基は、酸塩、特にナトリウム、カルシウム、リチウムまたはカリウム塩の形態であってもよい。
本発明に従って使用され得るアニオン性グアーガムは、優先的にはカルボキシメチルグアー誘導体(カルボキシメチルグアーまたはカルボキシメチルヒドロキシプロピルグアー)である。
ローカストビーン
ローカストビーンガムは、ローカストビーンの木の種子(イナゴマメ)から抽出される。
本発明に従って使用され得る非修飾ローカストビーンガムは、例えば、Cargill社によって名称Viscogum(商標)で、Unipektin社によって名称Vidogum Lで、およびDanisco社によって名称Grinsted(登録商標)LBGで販売されている。
本発明に従って使用され得る化学的に修飾されたローカストビーンガムは、例えば、Toho社によって名称Catinal CLB(ローカストビーンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド)で販売されているカチオン性ローカストビーンによって提示され得る。
タラガム
本発明の文脈で使用され得るタラガムは、例えば、Unipektin社によって名称Vidogum SPで販売されている。
グルコマンナン(コンニャクガム)
グルコマンナンは、およそ50または60単位ごとに分岐を有するD−マンノースおよびD−グルコース単位から構成される高分子量(500000<グルコマンナンM<2000000)の多糖である。グルコマンナンは、木に見出されるが、コンニャクガムの主要構成成分である。コンニャク(Amorphophallus konjac)は、サトイモ科の植物である。
本発明に従って使用され得る製品は、例えば、清水社によって名称Propol(登録商標)およびRheolex(登録商標)で販売されている。
LMおよびHMペクチン、ならびに誘導体
ペクチンは、位置1および4に、メタノール基でエステル化されたある特定の割合のカルボン酸基が連結している、α−D−ガラクツロン酸(少なくとも65%)の直鎖ポリマーである。ペクチン分子を構成する糖の約20%は、天然糖(L−ラムノース、D−グルコース、D−ガラクトース、L−アラビノース、D−キシロース)である。L−ラムノース残基は、あらゆるペクチンに見出され、位置1,2で主鎖に組み込まれている。
ウロン酸分子は、カルボキシル官能基を担持している。この官能基は、COO-形態である場合に、ペクチンにイオン交換能を付与する。二価イオン(特にカルシウム)は、2つの異なるペクチン分子の2つのカルボキシル基間にイオン架橋を形成する能力を有する。
天然状態では、ある特定の割合のカルボン酸基が、メタノール基でエステル化される。ペクチンの天然エステル化度は、使用される供給源に応じて70%(リンゴ、レモン)と10%(イチゴ)の間の範囲であり得る。高度のエステル化を有するペクチンを使用する場合、弱くエステル化されたペクチンを得るために、−COOCH3基を加水分解することが可能である。したがって、メチル化または非メチル化モノマーの割合に応じて、鎖は、多かれ少なかれ酸性である。したがって、HM(高メトキシ)ペクチンは、50%超のエステル化度を有すると定義され、LM(低メトキシ)ペクチンは、50%未満のエステル化度を有すると定義される。
アミド化ペクチンの場合、−OCH3基は、−NH2基で置換されている。
ペクチンは、特に、Cargill社によって名称Unipectine(商標)で、CP−Kelco社によって名称Genuで、およびDaniscoによって名称Grinsted Pectinで販売されている。
他の多糖
本発明に従って使用され得る他の多糖の中でも、キチン(ポリ−N−アセチル−D−グルコサミン、β(1,4)−2−アセトアミド−2−デオキシ−D−グルコース)、キトサンおよび誘導体(キトサン−ベータ−グリセロリン酸、カルボキシメチルキチン等)、例えばFrance−Chitine社によって販売されているもの;グリコサミノグリカン(GAG)、例えばヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、好ましくはヒアルロン酸;キシラン(またはアラビノキシラン)および誘導体を挙げることもできる。
アラビノキシランは、キシロースとアラビノースのポリマーであり、すべて名称ペントサンでグループ化されている。
キシランは、β(1,4)連結D−キシロース単位の主鎖からなり、その主鎖上には、酸単位と、α−L−アラビノフラノース単位と、アラビノース、キシロース、ガラクトースおよびグルクロン酸を含有し得る側鎖の3つの置換基が見出される(Rouau & Thibault、1987)。
この変形形態によれば、多糖は、好ましくはヒアルロン酸、またはその塩、例えばナトリウム塩(ヒアルロン酸ナトリウム)である。
II.合成ポリマーゲル化剤
本発明の目的では、用語「合成」は、そのポリマーが、天然に存在せず、天然起源のポリマーの誘導体でもないことを意味する。
本発明に従って検討される合成ポリマー親水性ゲル化剤は、粒子状であってもそうでなくてもよい。
本発明の目的では、用語「粒子状」は、ポリマーが、粒子、好ましくは球形粒子の形態であることを意味する。
以下の本明細書から明らかになる通り、ポリマー親水性ゲル化剤は、有利には、特に以下に定義の架橋アクリルホモポリマーまたはコポリマー;会合性ポリマー、特にポリウレタンタイプの会合性ポリマー;ポリアクリルアミドならびに架橋および/または中和2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ポリマーおよびコポリマー;修飾または非修飾カルボキシビニルポリマー、ならびにこれらの混合物から選択される。
II.A.粒子状合成ポリマーゲル化剤
このゲル化剤は、好ましくは架橋ポリマーから選択される。
このゲル化剤は、特に架橋アクリルホモポリマーまたはポリマーであってよく、好ましくは部分的に中和され、または中和されており、粒子状形態である。
一実施形態によれば、本発明による粒子状ゲル化剤は、架橋ポリアクリル酸ナトリウムから選択される。好ましくは、平均サイズが100μm以下、好ましくは50μm以下の乾燥または非水和物状態を有する。粒子の平均サイズは、レーザー粒径分析または当業者に公知の等価な別の方法によって測定される質量平均直径(D50)に相当する。
したがって、好ましくは、本発明による粒子状ゲル化剤は、好ましくは100μm以下の平均サイズ(または平均直径)を有する粒子の形態の、より好ましくは球形粒子の形態の架橋ポリアクリル酸ナトリウムから選択される。
架橋ポリアクリル酸ナトリウムの例として、Avecia社によって商品名Octacare X100、X110およびRM100で販売されているもの、SNF社によって名称Flocare GB300およびFlosorb 500によって販売されているもの、BASF社によって名称Luquasorb 1003、Luquasorb 1010、Luquasorb 1280およびLuquasorb 1110で販売されているもの、Grain Processing社によって名称Water Lock G400およびG430(INCI名:アクリルアミド/アクリル酸ナトリウムコポリマー)で販売されているものを挙げることができる。
架橋ポリアクリレートミクロスフェア、例えば、Sumitomo Seika社によって名称Aquakeep(登録商標)10 SH NFで販売されているものを挙げることもできる。
このようなゲル化剤は、水相の総質量に対して0.1質量%〜5質量%、特に0.5質量%〜2質量%の固体の割合で、特に、水相の総質量に対して約0.8質量%〜1.7質量%の固体の割合で使用することができる。
II.B.非粒子状合成ポリマーゲル化剤
このファミリーのゲル化剤は、以下のサブファミリーの下で詳説することができる。
1.会合性ポリマー、
2.ポリアクリルアミド、ならびに架橋および/または中和2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ポリマーおよびコポリマー、ならびに
3.修飾または非修飾カルボキシビニルポリマー。
II.B.1会合性ポリマー
本発明の目的では、用語「会合性ポリマー」は、その構造内に少なくとも1つの脂肪鎖および少なくとも1つの親水性部分を含む、任意の両親媒性ポリマーを意味する。本発明による会合性ポリマーは、アニオン性、カチオン性、非イオン性または両性であってよい。
会合性アニオン性ポリマー
挙げることができる会合性アニオン性ポリマーは、少なくとも1つの親水性の単位および少なくとも1つの脂肪鎖アリルエーテル単位を含むもの、より具体的には、親水性の単位が、不飽和エチレンアニオン性モノマーによって、より具体的にはビニルカルボン酸によって、最も具体的には、アクリル酸もしくはメタクリル酸またはこれらの混合物によって形成され、脂肪鎖アリルエーテル単位が、以下の式(I)のモノマーに相当するものである。
CH2=C(R’)CH2OBnR (I)
[式中、R’は、HまたはCH3を示し、Bは、エチレンオキシラジカルを示し、nは0であるか、または1〜100の整数を示し、Rは、8〜30個の炭素原子、好ましくは10〜24、さらにより具体的には12〜18個の炭素原子を含むアルキル、アリールアルキル、アリール、アルキルアリールおよびシクロアルキルラジカルから選択される炭化水素ベースのラジカルを示す]。
このタイプのアニオン性両親媒性ポリマーは、欧州特許第0 216 479号のエマルション重合方法に従って記載され、調製される。
また挙げることができる会合性アニオン性ポリマーは、無水マレイン酸/C30−C38−α−オレフィン/マレイン酸アルキルターポリマー、例えばNew Phase Technologies社によって名称Performa V 1608で販売されている製品である無水マレイン酸/C30−C38−α−オレフィン/マレイン酸イソプロピルコポリマーである。
会合性アニオン性ポリマーの中でも、好ましい一実施形態によれば、それらのモノマーのうちα,β−モノエチレン不飽和カルボン酸およびα,β−モノエチレン不飽和カルボン酸とオキシアルキレン化脂肪アルコールのエステルを含むコポリマーを挙げることができる。
優先的に、これらの化合物はまた、モノマーとして、α,β−モノエチレン不飽和カルボン酸とC1−C4アルコールのエステルを含む
挙げることができるこのタイプの化合物の例には、メタクリル酸/エチルアクリレート/オキシアルキレン化ステアリルメタクリレート(20個のEO単位を含む)ターポリマーである、Rohm&Haas社によって販売されているAculyn 22(登録商標)、またはAculyn 28(登録商標)(メタクリル酸/エチルアクリレート/オキシエチレン化ベヘニルメタクリレート(25EO)ターポリマー)が含まれる。
また、挙げることができる会合性アニオン性ポリマーには、不飽和オレフィン性カルボン酸タイプの少なくとも1つの親水性の単位、および排他的に不飽和カルボン酸の(C10−C30)アルキルエステルなどのタイプの少なくとも1つの疎水性の単位を含むアニオン性ポリマーが含まれる。挙げることができる例には、米国特許第3 915 921号および同第4 509 949号に従って記載され調製されるアニオン性ポリマーが含まれる。
また、挙げることができる会合性アニオン性ポリマーには、アニオン性ターポリマーが含まれる。
本発明に従って使用されるアニオン性ターポリマーは、N,N−ジメチルアクリルアミドおよび2−ヒドロキシエチルアクリレートから選択される非イオン性モノマー(2)で部分的または全体的に塩化されている、遊離形態の酸官能基を担持している少なくとも1つのモノマー(1)と、以下の式(I)の少なくとも1つのポリオキシエチレン化アルキルアクリレートモノマー(3)の、直鎖または分岐および/または架橋ターポリマーである。
[式中、R1は、水素原子を表し、Rは、直鎖または分岐C2−C8アルキルラジカルを表し、nは、1〜10の範囲の数を表す]。
用語「分岐ポリマー」は、このポリマーを水に溶解させると、高度の絡み合いが生じ、低速勾配で非常に高い粘度をもたらすような、ペンダント鎖を担持する非直鎖ポリマーを示す。
用語「架橋ポリマー」は、水に不溶性であるが、水中で膨潤できる3次元ネットワークの形態であり、化学的ゲルを生成する、非直鎖ポリマーを示す。
モノマー(1)の酸官能基は、特にスルホン酸またはホスホン酸官能基であり、前記官能基は、遊離しているか、または部分的もしくは全体的に塩化形態である。
モノマー(1)は、遊離しているか、または部分的もしくは全体的に塩化形態のスチレンスルホン酸、エチルスルホン酸および2−メチル−2−[(1−オキソ−2−プロペニル]アミノ]−1−プロパンスルホン酸(アクリロイルジメチルタウレートとしても公知である)から選択することができる。モノマー(1)は、アニオン性ターポリマーに、好ましくは5mol%〜95mol%、より具体的には10mol%〜90mol%のモル割合で存在する。モノマー(1)は、より具体的には、遊離しているか、または部分的もしくは全体的に塩化形態の2−メチル−2−[(1−オキソ−2−プロペニル)アミノ]−1−プロパンスルホン酸である。
部分的または全体的に塩化形態の酸官能基は、好ましくは、アルカリ金属塩、例えばナトリウム塩もしくはカリウム塩、アンモニウム塩、アミノアルコール塩、例えばモノエタノールアミン塩、またはアミノ酸塩、例えばリシン塩である。
モノマー(2)は、アニオン性ターポリマーに、好ましくは4.9mol%〜90mol%、より具体的には9.5mol%〜85mol%、さらにより具体的には19.5mol%〜75mol%のモル割合で存在する。
式(I)では、挙げることができる直鎖C8−C16アルキルラジカルの例には、オクチル、デシル、ウンデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシルおよびヘキサデシルが含まれる。
式(I)では、挙げることができる分岐C8−C16アルキルラジカルの例には、2−エチルヘキシル、2−プロピルヘプチル、2−ブチルオクチル、2−ペンチルノニル、2−ヘキシルデシル、4−メチルペンチル、5−メチルヘキシル、6−メチルヘプチル、15−メチルペンタデシル、16−メチルへプタデシルおよび2−ヘキシルオクチルが含まれる。
式(I)の本発明の特定の形態によれば、Rは、C12−C16アルキルラジカルを示す。
式(I)の本発明の特定の形態によれば、nは、3〜5の範囲である。
テトラエトキシル化ラウリルアクリレートは、より具体的には、式(I)のモノマーとして使用される。
式(I)のモノマー(3)は、アニオン性ターポリマー中に、好ましくは0.1mol%〜10mol%、より具体的には0.5mol%〜5mol%のモル割合で存在する。
本発明の具体的な一態様によれば、アニオン性ターポリマーは、使用されるモノマーの総量に対して表される0.005mol%〜1mol%、好ましくは0.01mol%〜0.5mol%、より具体的には0.01mol%〜0.25mol%の割合で、ジエチレン化合物またはポリエチレン化合物で架橋および/または分岐されている。
架橋剤および/または分岐剤は、好ましくは、エチレングリコールジメタクリレート、ジアリルオキシ酢酸またはその塩、例えばジアリルオキシ酢酸ナトリウム、テトラアリルオキシエタン、エチレングリコールジアクリレート、ジアリル尿素、トリアリルアミン、トリメチロールプロパントリアクリレートおよびメチレンビス(アクリルアミド)、またはこれらの混合物から選択される。
アニオン性ターポリマーは、錯化剤、移動剤または連鎖制限薬剤などの添加剤を含有することができる。
より具体的には、INCI名ポリアクリレートクロスポリマー−6の、アンモニウム塩の形態で部分的または全体的に塩化された2−メチル−2−[(1−オキソ−2−プロペニル)アミノ]−1−プロパンスルホン酸、N,N−ジメチルアクリルアミド、およびトリメチロールプロパントリアクリレートで架橋されたテトラエトキシル化ラウリルアクリレートの、アニオン性ターポリマー、例えばSEPPIC社によって商標Sepimax Zen(登録商標)で販売されている製品が使用される。
カチオン性会合性ポリマー
挙げることができるカチオン性会合性ポリマーには、アミン側基を担持しているポリアクリレートが含まれる。
四級化または非四級化アミノ側基を担持しているポリアクリレートは、例えば、ステアレス−20(ポリオキシエチレン化(20)ステアリルアルコール)などのタイプの疎水性基を含有する。
挙げることができるアミノ側鎖を担持しているポリアクリレートの例は、National Starch社製のポリマー8781−121Bまたは9492−103である。
非イオン性会合性ポリマー
非イオン性会合性ポリマーは、以下から選択することができる。
− ビニルピロリドンと脂肪鎖疎水性モノマーのコポリマー、
− C1−C6アルキルメタクリレートまたはアクリレートと、少なくとも1つの脂肪鎖を含む両親媒性モノマーのコポリマー、
− 親水性メタクリレートまたはアクリレートと、少なくとも1つの脂肪鎖を含む疎水性モノマーのコポリマー、例えばポリエチレングリコールメタクリレート/ラウリルメタクリレートコポリマー、
− 会合性ポリウレタン。
会合性ポリウレタンは、鎖中に、通常はポリオキシエチレン性質の親水性ブロックと(ポリウレタンは、ポリウレタンポリエーテルと呼ぶこともできる)、脂肪族配列だけおよび/または脂環式配列および/または芳香族配列であり得る疎水性ブロックの両方を含む、非イオン性ブロックコポリマーである。
特に、これらのポリマーは、親水性ブロックによって分離された、6〜30個の炭素原子を含有する少なくとも2つの炭化水素ベースの親油性鎖を含み、この炭化水素ベースの鎖は、場合によりペンダント鎖または親水性ブロックの末端にある鎖である。特に、1つまたは複数のペンダント鎖を想定することが可能である。さらに、ポリマーは、親水性ブロックの一端または両端に炭化水素ベースの鎖を含むことができる。
会合性ポリウレタンは、トリブロックまたはマルチブロック形態のブロックポリマーであってよい。したがって、疎水性ブロックは、鎖の各末端にあってよく(例えば、親水性の中心ブロックを含有するトリブロックコポリマー)、または両端および鎖内の両方に分布していてよい(例えば、マルチブロックコポリマー)。これらのポリマーは、グラフトポリマーまたはスターポリマーであってもよい。好ましくは、会合性ポリウレタンは、親水性ブロックが、50〜1000個のオキシエチレン基を含むポリオキシエチレン鎖であるトリブロックコポリマーである。一般に、会合性ポリウレタンは、親水性ブロック間にウレタン結合を含んでおり、そのことに名称が由来している。
好ましい一実施形態によれば、ポリウレタンタイプの非イオン性会合性ポリマーは、ゲル化剤として使用される。
本発明で使用され得る非イオン性脂肪鎖ポリウレタンポリエーテルの例として、Elementis社によって販売されているRheolate(登録商標)FX1100(ステアレス−100/PEG136/HDI(ヘキサメチルジイソシアネート)コポリマー)、尿素官能基を含有するRheolate(登録商標)205、またはRheolate(登録商標)208、204もしくは212、およびAcrysol(登録商標)RM184またはAcrysol(登録商標)RM2020を使用することも可能である。
Akzo製の、C12−C14アルキル鎖を含有する製品Elfacos(登録商標)T210、およびC16-18アルキル鎖を含有する製品Elfacos(登録商標)T212(PPG−14パルメス−60ヘキシルジカルバメート)を挙げることもできる。
水中20%の固形分で販売されている、C20アルキル鎖およびウレタン結合を含有するRohm&Haas製の製品DW1206B(登録商標)を使用することもできる。
これらのポリマーの、特に水中または水性アルコール性媒体中の溶液または分散液を使用することもできる。挙げることができるこのようなポリマーの例は、Elementis社によって販売されているRheolate(登録商標)255、Rheolate(登録商標)278およびRheolate(登録商標)244である。Rohm&Haas社によって販売されている製品DW1206FおよびDW1206Jを使用することもできる。
本発明に従って使用され得る会合性ポリウレタンは、特にG. Fonnum, J. Bakke and Fk. Hansenによる論文Colloid Polym. Sci., 271, 380-389(1993)に記載されているものである。
さらにより具体的には、本発明によれば、(i)150〜180molのエチレンオキシドを含む少なくとも1つのポリエチレングリコール、(ii)ステアリルアルコールまたはデシルアルコール、および(iii)少なくとも1つのジイソシアネートを含む、少なくとも3つの化合物の縮重合によって得ることができる会合性ポリウレタンを使用することもできる。
このようなポリウレタンポリエーテルは、特に、Rohm&Haas社によって、名称Aculyn(登録商標)46およびAculyn(登録商標)44で販売されている。Aculyn(登録商標)46は、150または180molのエチレンオキシドを含有するポリエチレングリコールと、ステアリルアルコールと、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)(SMDI)との重縮合体(マルトデキストリン(4%)および水(81%)のマトリックス中15質量%)であり、Aculyn(登録商標)44は、150または180molのエチレンオキシドを含有するポリエチレングリコールと、デシルアルコールと、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)(SMDI)の重縮合体(プロピレングリコール(39%)および水(26%)の混合物中35質量%)である。
これらのポリマーの、特に水中または水性アルコール性媒体中の溶液または分散液を使用することもできる。挙げることができるこのようなポリマーの例には、Elementis社製のSER AD FX1010、SER AD FX1035およびSER AD1070、ならびにElementis社によって販売されているRheolate(登録商標)255、Rheolate(登録商標)278およびRheolate(登録商標)244が含まれる。Rohm&Haas社製の製品Aculyn(登録商標)44、Aculyn(登録商標)46、DW1206FおよびDW1206J、ならびにAcrysol(登録商標)RM184、あるいはBorchers社製のBorchigel LW44、ならびにこれらの混合物を使用することもできる。
両性会合性ポリマー
本発明の会合性両性ポリマーの中でも、
1)式(IVa)または(IVb)の少なくとも1つのモノマー
[式中、R4およびR5は、同じでも異なっていてもよく、水素原子およびメチルラジカルを表し、
6、R7およびR8は、同じでも異なっていてもよく、1〜30個の炭素原子を含有する直鎖または分岐アルキルラジカルを表し、
Zは、NH基または酸素原子を表し、
nは、2〜5の整数であり、
-は、無機または有機酸由来のアニオン、例えばメトスルフェートアニオンまたはハロゲン化アニオン、例えば塩化アニオンもしくは臭化アニオンである]、
2)式(V)の少なくとも1つのモノマー
[式中、R9およびR10は、同じでも異なっていてもよく、水素原子またはメチルラジカルを表し、
1は、基OHまたは基NHC(CH32CH2SO3Hを表す]、
3)式(VI)の少なくとも1つのモノマー
[式中、R9およびR10は、同じでも異なっていてもよく、水素原子またはメチルラジカルを表し、Xは、酸素原子または窒素原子を示し、R11は、1〜30個の炭素原子を含有する直鎖または分岐アルキルラジカルを示す]、
4)任意選択で少なくとも1つの架橋剤または分岐剤
の共重合によって得ることができる、架橋または非架橋の分岐または非分岐の両性ポリマーを挙げることができる[式(IVa)、(IVb)または(VI)のモノマーの少なくとも1つは、8〜30個の炭素原子を含有する少なくとも1つの脂肪鎖を含み、式(IVa)、(IVb)、(V)および(VI)のモノマーの前記化合物は、場合により、例えばC1−C4アルキルハライドまたはC1−C4ジアルキルスルフェートで四級化されている]。
本発明の式(IVa)および(IVb)のモノマーは、好ましくは、
− ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、
− ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、
− ジメチルアミノプロピルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート、
− ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(任意選択で、例えば、C1−C4アルキルハライドまたはC1−C4ジアルキルスルフェートで四級化されている)
からなる群から選択される。
より具体的には、式(IVa)のモノマーは、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドおよびメタクリルアミドプロピル−トリメチルアンモニウムクロリドから選択される。
本発明の式(V)の化合物は、好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、2−メチルクロトン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸および2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸によって形成される群から選択される。より具体的には、式(V)のモノマーは、アクリル酸である。
本発明の式(VI)のモノマーは、好ましくは、C12−C22、より具体的にはC16−C18アルキルアクリレートまたはメタクリレートによって形成される群から選択される。
架橋剤または分岐剤は、好ましくはN,N’−メチレンビスアクリルアミド、トリアリルメチルアンモニウムクロリド、アリルメタクリレート、n−メチロールアクリルアミド、ポリエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレートおよびアリルスクロースから選択される。
本発明によるポリマーはまた、非イオン性モノマー、例えば特にC1−C4アルキルアクリレートまたはメタクリレートなどの他のモノマーを含有することができる。
これらの両性ポリマーのカチオン電荷/アニオン電荷数の比は、好ましくは約1に等しい。
会合性両性ポリマーの質量平均分子量は、500超、好ましくは10000〜10000000、さらにより優先的には100000〜8000000の質量平均分子量である。
好ましくは、本発明の会合性両性ポリマーは、1mol%〜99mol%、より優先的には20mol%〜95mol%、さらにより優先的には25mol%〜75mol%の式(IVa)または(IVb)の化合物を含有する。本発明の会合性両性ポリマーはまた、好ましくは1mol%〜80mol%、より優先的には5mol%〜80mol%、さらにより優先的には25mol%〜75mol%の式(V)化合物を含有する。式(VI)の化合物の含量は、好ましくは0.1mol%〜70mol%、より優先的には1mol%〜50mol%、さらにより優先的には1mol%〜10mol%である。架橋剤または分岐剤は、存在する場合、好ましくは0.0001mol%〜1mol%、さらにより優先的には0.0001mol%〜0.1mol%である。
好ましくは、式(IVa)または(IVb)の化合物と式(V)の化合物のモル比は、20/80〜95/5、より優先的には25/75〜75/25の範囲である。
本発明による会合性両性ポリマーは、例えば国際出願第98/44012号に記載されている。
本発明による特に好ましい両性ポリマーは、アクリル酸/アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/ステアリルメタクリレートコポリマーから選択される。
好ましい一実施形態では、会合性ポリマーは、非イオン性会合性ポリマーから、より具体的には、会合性ポリウレタン、例えばElementisによって名称Rheolate FX1100で販売されているステアレス−100/PEG−136/HDIコポリマーから選択される。
このような会合性ポリマーは、有利には、水相の総質量に対して0.1質量%〜8質量%、好ましくは0.5%〜4質量%の固体の割合で使用される。
II.B.2ポリアクリルアミドおよび2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ポリマーおよびコポリマー
本発明の水性ゲル化剤として適している、使用されるポリマーは、少なくとも2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS(登録商標))モノマーを、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどの水性アンモニア以外の無機塩基で部分的または全体的に中和された形態で含む、架橋または非架橋ホモポリマーまたはコポリマーであってよい。
それらは、好ましくは全体的にまたはほぼ全体的に中和されており、すなわち少なくとも90%中和されている。
本発明によるこれらのAMPS(登録商標)ポリマーは、架橋または非架橋であってよい。
ポリマーが架橋される場合、架橋剤は、ラジカル重合によって得られたポリマーを架橋するために一般に使用されるポリオレフィン性不飽和化合物から選択することができる。
挙げることができる架橋剤の例には、ジビニルベンゼン、ジアリルエーテル、ジプロピレングリコールジアリルエーテル、ポリグリコールジアリルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ヒドロキノンジアリルエーテル、エチレングリコールまたはテトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミド、トリアリルアミン、トリアリルシアヌレート、ジアリルマレエート、テトラアリルエチレンジアミン、テトラアリルオキシエタン、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、アリル(メタ)アクリレート、糖系列のアルコールのアリルエーテル、または多官能性アルコールの他のアリルエーテルもしくはビニルエーテル、ならびにリン酸および/またはビニルホスホン酸誘導体のアリルエステル、あるいはこれらの化合物の混合物が含まれる。
本発明の好ましい一実施形態によれば、架橋剤は、メチレンビスアクリルアミド、アリルメタクリレートおよびトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)から選択される。架橋度は、一般に、ポリマーに対して0.01mol%〜10mol%、より具体的には0.2mol%〜2mol%の範囲である。
本発明で使用するのに適したAMPS(登録商標)ポリマーは、水溶性または水分散性である。この場合、それらのポリマーは、
− AMPSモノマーだけ、かつ架橋される場合には、先に定義したものなどの1つまたは複数の架橋剤を含む「ホモポリマー」、
− あるいはAMPS(登録商標)および1つまたは複数の親水性または疎水性エチレン不飽和モノマーから、かつ架橋される場合には、先に定義したものなどの1つまたは複数の架橋剤から得られたポリマー
である。前記コポリマーが疎水性エチレン不飽和モノマーを含む場合、これらのモノマーは、脂肪鎖を含まず、好ましくは少量で存在する。
本発明の目的では、用語「脂肪鎖」は、少なくとも7個の炭素原子を含む任意の炭化水素ベースの鎖を意味することを企図する。
用語「水溶性または水分散性」は、水相中に25℃で1%に等しい質量濃度で導入されると、巨視的に均質な透明溶液、すなわち500nmに等しい波長で、厚さ1cmの試料を通して少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%の最大光線透過率値を有する溶液を得ることを可能にするポリマーを意味する。
本発明による「ホモポリマー」は、好ましくは架橋され、中和され、以下の工程を含む調製方法に従って得ることができる。
(a)遊離形態のAMPSなどのモノマーを、tert−ブタノールの溶液または水とtert−ブタノールの溶液に分散または溶解させる工程、
(b)(a)で得られたモノマー溶液または分散液を、90%〜100%の範囲のポリマーのスルホン酸官能基の中和度を得ることを可能にする量で、1つまたは複数の無機または有機塩基、好ましくはアンモニアNH3水溶液で中和する工程、
(c)架橋モノマーを、(b)で得られた溶液または分散液に添加する工程、
(d)標準フリーラジカル重合を、フリーラジカル開始剤の存在下、10℃〜150℃の範囲の温度で実施し、ポリマーを、tert−ブタノールベースの溶液または分散液から沈殿させる工程。
本発明による水溶性または水分散性AMPS(登録商標)コポリマーは、水溶性エチレン不飽和モノマー、疎水性モノマー、またはこれらの混合物を含有する。
水溶性コモノマーは、イオン性または非イオン性であってよい。
イオン性の水溶性コモノマーの中でも、挙げることができる例には、以下の化合物、およびその塩が含まれる。
− (メタ)アクリル酸、
− スチレンスルホン酸、
− ビニルスルホン酸および(メタ)アリルスルホン酸、
− ビニルホスホン酸、
− マレイン酸、
− イタコン酸、
− クロトン酸、
− 以下の式(A)の水溶性ビニルモノマー。
[式中、
1は、H、−CH3、−C25および−C37から選択され、
1は、−OR2タイプのアルキルオキシドから選択される(R2は、少なくとも1つのスルホン酸基(−SO3−)および/またはスルフェート基(−SO4−)および/またはホスフェート基(−PO42−)で置換されている、1〜6個の炭素原子を含有する直鎖または分岐の飽和または不飽和炭化水素ベースのラジカルである)]。
非イオン性水溶性コモノマーの中でも、挙げることができる例には、
− (メタ)アクリルアミド、
− N−ビニルアセトアミドおよびN−メチル−N−ビニルアセトアミド、
− N−ビニルホルムアミドおよびN−メチル−N−ビニルホルムアミド、
− 無水マレイン酸、
− ビニルアミン、
− 4〜9個の炭素原子を含有する環式アルキル基を含むN−ビニルラクタム、例えばN−ビニルピロリドン、N−ブチロラクタムおよびN−ビニルカプロラクタム、
− 式CH2=CHOHのビニルアルコール、
− 以下の式(B)の水溶性ビニルモノマー
[式中、
3は、H、−CH3、−C25および−C37から選択され、
2は、−OR4タイプのアルキルオキシド(R4は、任意選択でハロゲン(ヨウ素、臭素、塩素またはフッ素)原子で置換されている、1〜6個の炭素原子を含有する直鎖または分岐の飽和または不飽和の炭化水素ベースのラジカル)、ヒドロキシル(−OH)基、エーテルから選択される]
が含まれる。
例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、およびエチレングリコール、ジエチレングリコールまたはポリアルキレングリコールの(メタ)アクリレートが挙げられる。
脂肪鎖を含まない疎水性のコモノマーの中でも、例えば、以下を挙げることができる。
− スチレンおよびその誘導体、例えば4−ブチルスチレン、α−メチルスチレンおよびビニルトルエン、
− 式CH2=CH−OCOCH3の酢酸ビニル、
− 式CH2=CHORのビニルエーテル(式中、Rは、1〜6個の炭素を含有する直鎖または分岐の飽和または不飽和の炭化水素ベースのラジカルである)、
− アクリロニトリル、
− カプロラクトン、
− 塩化ビニルおよび塩化ビニリデン、
− 重合後にメタクリルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランおよびシリコーンメタクリルアミドなどのシリコーンポリマーをもたらすシリコーン誘導体、
− 以下の式(C)の疎水性ビニルモノマー
[式中、
4は、H、−CH3、−C25および−C37から選択され、
3は、−OR5タイプのアルキルオキシドから選択される(R5は、1〜6個の炭素原子を含有する直鎖または分岐の飽和または不飽和炭化水素ベースのラジカルである)]。
例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリレートが挙げられる。
本発明の水溶性または水分散性AMPS(登録商標)ポリマーは、好ましくは、モル質量が50000g/mol〜10000000g/mol、好ましくは80000g/mol〜8000000g/mol、さらにより好ましくは100000g/mol〜7000000g/molの範囲である。
本発明で使用するのに適した水溶性または水分散性AMPSホモポリマーとして、例えば、ナトリウムアクリルアミド−2−メチルプロパンスルホネートの架橋または非架橋ポリマー、例えば市販品Simulgel 800で使用されるもの(CTFA名:ナトリウムポリアクリロイルジメチルタウレート)、架橋アンモニウムアクリルアミド−2−メチルプロパンスルホネートポリマー(INCI名:アンモニウムポリアクリルジメチルタウラミド)、例えば、欧州特許0 815 928に記載されているもの、および例えばClariant社によって商標Hostacerin AMPS(登録商標)で販売されている製品を挙げることができる。
本発明による水溶性または水分散性AMPSコポリマーとして、挙げることができる例には、以下が含まれる。
− 架橋アクリルアミド/ナトリウムアクリルアミド−2−メチルプロパンスルホネートコポリマー、例えば市販品Sepigel 305(登録商標)で使用されているもの(CTFA名:ポリアクリルアミド/C13−C14イソパラフィン/ラウレス−7)、またはSEPPIC社によって名称Simulgel 600で販売されている市販品で使用されているもの(CTFA名:アクリルアミド/ナトリウムアクリロイルジメチルタウレート/イソヘキサデカン/ポリソルベート−80)、
− AMPS(登録商標)とビニルピロリドンまたはビニルホルムアミドのコポリマー、例えばClariant社によって名称Aristoflex AVC(登録商標)で販売されている市販品で使用されているもの(CTFA名:アンモニウムアクリロイルジメチルタウレート/VPコポリマー)(但し、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムで中和されている)、
− AMPS(登録商標)とアクリル酸ナトリウムのコポリマー、例えば、AMPS/アクリル酸ナトリウムコポリマー、例えばSEPPIC社によって名称Simulgel EG(登録商標)で販売されている市販品で使用されているもの、
− AMPS(登録商標)とヒドロキシエチルアクリレートのコポリマー、例えば、AMPS(登録商標)/ヒドロキシエチルアクリレートコポリマー、例えばSEPPIC社によって名称Simulgel NS(登録商標)で販売されている市販品で使用されているもの(CTFA名:ヒドロキシエチルアクリレート/ナトリウムアクリロイルジメチルタウレートコポリマー(および)スクアラン(および)ポリソルベート60)、または例えば名称ナトリウムアクリルアミド−2−メチルプロパンスルホネート/ヒドロキシエチルアクリレートコポリマーで販売されている製品、例えば市販品Sepinov EMT 10または商標Sepinov EM(INCI名:ヒドロキシエチルアクリレート/ナトリウムアクリロイルジメチルタウレートコポリマー)
が含まれる。
本発明による好ましい水溶性または水分散性AMPSコポリマーとして、AMPS(登録商標)とヒドロキシエチルアクリレートのコポリマーを挙げることができる。
一般に、本発明による水相は、その総質量に対して、0.1質量%〜8質量%、好ましくは0.2質量%〜5質量%、より優先的には0.7質量%〜5質量%の、ポリアクリルアミドおよび/または架橋および/または中和2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ポリマーおよびコポリマーの固体を含むことができる。
II.B.3修飾または非修飾カルボキシビニルポリマー
修飾または非修飾カルボキシビニルポリマーは、α,β−エチレン不飽和カルボン酸またはそのエステルから選択される少なくとも1つのモノマー(a)と、疎水性の基を含む少なくとも1つのエチレン不飽和モノマー(b)の重合から導出されるコポリマーであってよい。
用語「コポリマー」は、2つのタイプのモノマーから得られたコポリマーと、3つ以上のタイプのモノマーから得られたもの、例えば3つのタイプのモノマーから得られたターポリマーの両方を意味する。
それらの化学的構造は、より具体的には、少なくとも1つの親水性の単位および少なくとも1つの疎水性の単位を含む。用語「疎水性の基または単位」は、少なくとも8個の炭素原子、好ましくは10〜30個の炭素原子、特に12〜30個の炭素原子、より優先的には18〜30個の炭素原子を含む、飽和または不飽和の直鎖または分岐炭化水素ベースの鎖のラジカルを意味する。
好ましくは、これらのコポリマーは、
− 以下の式(1)の少なくとも1つのモノマー
[式中、R1は、HまたはCH3またはC25を示す]、すなわちアクリル酸、メタクリル酸またはエタクリル酸モノマー、および
− 以下の式(2)のモノマーに対応する不飽和カルボン酸(C10−C30)アルキルエステルタイプの少なくとも1つのモノマー
[式中、R2は、HまたはCH3またはC25(すなわちアクリレート、メタクリレートまたはエタクリレート単位)、好ましくはH(アクリレート単位)またはCH3(メタクリレート単位)を示し、R3は、C10−C30、好ましくはC12−C22アルキルラジカルを示す]
の重合から導出されたコポリマーから選択される。
不飽和カルボン酸(C10−C30)アルキルエステルは、好ましくは、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、デシルアクリレート、イソデシルアクリレートおよびドデシルアクリレート、ならびに対応するメタクリレート、例えばラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、デシルメタクリレート、イソデシルメタクリレートおよびドデシルメタクリレート、ならびにこれらの混合物から選択される。
好ましい一実施形態では、これらのポリマーは、架橋されている。
使用されるこのタイプのコポリマーの中には、より具体的には、以下を含むモノマー混合物の重合から導出されたポリマーが含まれる。
− 本質的にアクリル酸、
− 前述の式(2)のエステル[式中、R2は、HまたはCH3を示し、R3は、12〜22個の炭素原子を含有するアルキルラジカルを示す]、および
− 公知の共重合可能な不飽和ポリエチレンモノマーである架橋剤、例えばジアリルフタレート、アリル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、(ポリ)エチレングリコールジメタクリレートおよびメチレンビスアクリルアミド。
このタイプのコポリマーの中でも、より具体的には、95質量%〜60質量%のアクリル酸(親水性単位)、4質量%〜40質量%のC10−C30アルキルアクリレート(疎水性単位)および0〜6質量%の架橋重合可能なモノマーからなるもの、あるいは先に記載したものなどの98質量%〜96質量%のアクリル酸(親水性単位)、1質量%〜4質量%のC10−C30アルキルアクリレート(疎水性単位)および0.1質量%〜0.6質量%の架橋重合可能なモノマーからなるものが使用される。
前述のポリマーの中でも、本発明に従って特に最も好ましいポリマーは、アクリレート/C10−C30−アルキルアクリレートコポリマー(INCI名:アクリレート/C1030アルキルアクリレートクロスポリマー)、例えばLubrizol社から商標Pemulen TR−1、Pemulen TR−2、Carbopol 1382、Carbopol EDT 2020およびCarbopol Ultrez 20 Polymerで販売されている製品、さらにより優先的にはPemulen TR−2である。
修飾または非修飾カルボキシビニルポリマーの中でも、ポリアクリル酸ナトリウム、例えば90%の固体および10%の水を含有する、名称Cosmedia SP(登録商標)で販売されているもの、または約60%の固体、油(水素化ポリデセン)および界面活性剤(PPG−5ラウレス−5)を含有する逆エマルションとしてのCosmedia SPL(登録商標)を挙げることもでき、これらは共にCognis社によって販売されている。
少なくとも1つの極性油を含む逆エマルションの形態である、部分的に中和されたポリアクリル酸ナトリウム、例えばBASF社によって名称Luvigel(登録商標)EMで販売されている製品を挙げることもできる。
修飾または非修飾カルボキシビニルポリマーは、架橋(メタ)アクリル酸ホモポリマーから選択することもできる。
本特許出願の目的では、用語「(メタ)アクリル」は、「アクリルまたはメタクリル」を意味する。
挙げることができる例には、Lubrizolによって名称Carbopol 910、934、940、941、934P、980、981、2984、5984およびCarbopol Ultrez 10 Polymerで販売されている製品、または3V−Sigmaによって名称Synthalen(登録商標)K、Synthalen(登録商標)LもしくはSynthalen(登録商標)Mで販売されている製品が含まれる。
修飾または非修飾カルボキシビニルポリマーの中でも、特に、Lubrizol社によって販売されているCarbopol(INCI名:カルボマー)およびPemulen(CTFA名:アクリレート/C10-30アルキルアクリレートクロスポリマー)を挙げることができる。
修飾または非修飾カルボキシビニルポリマーは、水相の質量に対して0.1質量%〜5質量%、特に水相の質量に対して0.3質量%〜1質量%、好ましくは0.4%〜1質量%の固体の割合で存在することができる。
有利には、本発明による組成物は、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ポリマーおよびコポリマーから選択される合成ポリマー親水性ゲル化剤を含む。
好ましい一変形形態によれば、合成ポリマー親水性ゲル化剤は、架橋ポリアクリル酸ナトリウム、または好ましくは、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とヒドロキシエチルアクリレートのコポリマーである。
別の好ましい変形形態によれば、合成ポリマー親水性ゲル化剤は、少なくとも1つのアンモニウム2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホネートポリマーである。
III.他の親水性ゲル化剤
これらのゲル化剤は、より具体的には、混合シリケートおよびヒュームドシリカから選択される。
III.A.混合シリケート
本発明の目的では、用語「混合シリケート」は、アルカリ金属(例えば、Na、Li、K)またはアルカリ土類金属(例えば、Be、Mg、Ca)、遷移金属およびアルミニウムから選択されるいくつか(2個以上)のタイプのカチオンを含有する天然または合成起源のあらゆるシリケートを意味する。
特定の一実施形態によれば、混合シリケートは、粒子の総質量に対して少なくとも10質量%の少なくとも1つのシリケートを含有する、固体粒子の形態である。本説明の残りでは、これらの粒子は、「シリケート粒子」と呼ばれる。
好ましくは、シリケート粒子は、粒子の総質量に対して1質量%未満のアルミニウムを含有する。さらにより好ましくは、シリケート粒子は、粒子の総質量に対して0〜1質量%のアルミニウムを含有する。
好ましくは、シリケート粒子は、粒子の総質量に対して少なくとも50質量%、さらに良好には少なくとも70質量%のシリケートを含有する。粒子の総質量に対して少なくとも90質量%のシリケートを含有する粒子が、特に好ましい。
特に、シリケート粒子は、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属、アルミニウムもしくは鉄シリケート、またはシリケート混合物である。
好ましくは、シリケート粒子は、ナトリウム、マグネシウムおよび/またはリチウムシリケートである。
良好な化粧特性を確保するために、これらのシリケートは、一般に、微粉砕形態、特に平均サイズが2nm〜1μm(2nm〜1000nm)、好ましくは5nm〜600nm、さらにより優先的には20〜250nmの範囲の粒子の形態である。
シリケート粒子は、任意の形態、例えば球、フレーク、針、小板状のもの、ディスク、リーフレット、または全体的にランダムな形態を有することができる。好ましくは、シリケート粒子は、ディスクまたはリーフレットの形態である。
したがって、粒子の「平均サイズ」という用語は、個々の粒子上の、2つの正反対の点の間で測定可能な最大寸法(長さ)の数平均サイズを意味する。サイズは、例えば、透過型電子顕微鏡によって、またはBET方法によって比表面積を測定することによって、またはレーザー粒径分析によって決定することができる。
粒子が、ディスクまたはリーフレットの形態である場合、一般に、その厚さは約0.5nm〜5nmの範囲である。
シリケート粒子は、例えば、その様々な構成成分の熱溶融によって得られた、金属または半金属の酸化物との合金からなり得る。粒子がこのような金属または半金属酸化物も含む場合、この酸化物は、好ましくは、ケイ素、ホウ素または酸化アルミニウムから選択される。
本発明の特定の一実施形態によれば、シリケートは、フィロシリケート、すなわちSiO4四面体がリーフレットに編成され、そのリーフレットの間に金属カチオンが封入されている構造を有するシリケートである。
本発明で使用するのに適した混合シリケートは、例えば、モンモリロナイト、ヘクトライト、ベントナイト、バイデライトおよびサポナイトから選択することができる。本発明の好ましい一実施形態によれば、使用される混合シリケートは、より具体的にはヘクトライトおよびベントナイトから選択され、より良好にはラポナイトから選択される。
したがって、本発明の組成物において特に好ましいシリケートファミリーは、ラポナイトファミリーである。ラポナイトは、場合によりリチウムも含有するナトリウムマグネシウムシリケートであり、これは、モンモリロナイトに類似の層構造を有する。ラポナイトは、ヘクトライトとして公知の天然鉱物の合成形である。このファミリーのシリケートの合成起源は、製品の組成を良好に制御できるので、天然形態よりもかなり有利である。さらに、ラポナイトは、天然のミネラルヘクトライトおよびベントナイトの粒径よりもかなり小さいという利点を有する。
特に挙げることができるラポナイトには、Rockwood Additives Limited社によって以下の名称Laponite(登録商標)XLS、Laponite(登録商標)XLG、Laponite(登録商標)RD、Laponite(登録商標)RDS、Laponite(登録商標)XL21(これらの製品は、ナトリウムマグネシウムシリケートおよびナトリウムリチウムマグネシウムシリケート)で販売されている製品が含まれる。
このようなゲル化剤は、水相の総質量に対して0.1質量%〜8質量%、特に水相の総質量に対して0.1質量%〜5質量%、特に0.5質量%〜3質量%の固体の割合で使用することができる。
III.B.親水性のヒュームドシリカ
本発明によるヒュームドシリカは、親水性である。
親水性のヒュームドシリカは、水素と酸素の存在下で1000℃の連続炎中で四塩化ケイ素(SiCl4)を熱分解することによって得られる。本発明に従って使用することができる親水性の性質のヒュームドシリカの中でも、特に、DegussaまたはEvonik Degussa社によって商標Aerosil(登録商標)90、130、150、200、300および380で、またはCabot社によって名称Carbosil H5で販売されている製品を挙げることができる。
このようなゲル化剤は、水相の総質量に対して0.1質量%〜10質量%、特に水相の総質量に対して0.1質量%〜5質量%、特に0.5質量%〜3質量%の固体の割合で使用することができる。
親油性ゲル化剤
本発明の目的では、用語「親油性ゲル化剤」は、本発明による組成物の油相をゲル化できる化合物を意味する。
ゲル化剤は、親油性であり、したがって、組成物の油相中に存在する。
ゲル化剤は、脂溶性または油分散性である。
後述の文章から明らかになる通り、親油性ゲル化剤は、有利には、粒子状ゲル化剤、オルガノポリシロキサンエラストマー、半結晶性ポリマー、デキストリンエステルおよび水素結合ポリマー、ならびにその混合物から選択される。
I.粒子状ゲル化剤
本発明による組成物に使用される粒子状ゲル化剤は、粒子、好ましくは、球形粒子の形態にある。
本発明における使用に適する代表的な親油性粒子状ゲル化剤として、極性および無極性ワックス、変性粘土、ならびにヒュームドシリカおよび疎水性シリカエーロゲルのようなシリカが、最も具体的に挙げることができる。
ワックス
本発明の文脈において考慮される用語「ワックス」は、最大200℃、特に、最大120℃であってもよい、30℃以上の融点を有する、固体/液体の状態の可逆変化を伴う、室温(25℃)で固体である、親油性化合物を一般に意味する。
本発明の目的では、融点は、標準ISO11357−3;1999に記載の熱分析(DSC)において観察される最大吸熱ピークの温度に対応する。ワックスの融点は、示差走査熱量計(DSC)、例えば、TA Instruments社により、名称MDSC2920で販売されている熱量計を使用して測定され得る。
測定プロトコールは、以下の通りである。
るつぼに入れられたワックスである試料5mgを、加熱速度10℃/分にて−20℃から100℃の第1の温度上昇にかけ、次に、冷却速度10℃/分にて100℃から−20℃まで冷却し、最後に、加熱速度5℃/分にて−20℃から100℃の第2の温度上昇にかける。第2の温度上昇中、空のるつぼにより吸収される力とワックスである試料を含有するるつぼにより吸収される力の差の変化を温度の関数として測定する。化合物の融点は、温度の関数として吸収される力の差の変化を表す曲線のピークのトップに対応する温度値である。
本発明による組成物に使用され得るワックスは、動物、植物、鉱物または合成起源である、室温で固形であるワックス、およびその混合物から選択される。
ワックスは、本発明の目的では、化粧品または皮膚科分野において一般に使用されるものであり得る。それらは、エステルもしくはヒドロキシル官能基を任意選択で含む、特に、極性または無極性、および炭化水素ベースの、シリコーンならびに/あるいはフッ化ワックスであり得る。それらはまた、天然または合成起源のものであってもよい。
a)無極性ワックス
本発明の目的では、用語「無極性ワックス」は、以下で定義される、25℃における溶解度パラメーター、δaが、0(J/cm31/2と等しい、ワックスを意味する。
ハンセンの3次元溶解度空間における溶解度パラメーターの定義および計算は、C.M. Hansen:The three-dimensional solubility parameters, J. Paint Technol. 39, 105 (1967)による論文において記載される。
ハンセンの空間によると、
− δDは、分子的影響中に誘導された双極子の形成からもたらされたロンドン分散力を特徴付ける;
− δpは、永久双極子の間のデバイ相互作用力、および誘導された双極子と永久双極子の間のキーソン相互作用力も特徴付ける;
− δhは、特定の相互作用力(水素結合、酸/塩基、供与体/受容体などのような)を特徴付ける;
− δaは、方程式:δa=(δp 2+δh 21/2により決定される。
パラメーターδp、δh、δDおよびδaは、(J/cm31/2で表される。
無極性ワックスは、炭素および水素原子のみから構成され、N、O、SiおよびPのようなヘテロ原子を含まない、特に、炭化水素ベースのワックスである。
無極性ワックスは、微結晶ワックス、パラフィンワックス、オゾケライトおよびポリエチレンワックス、ならびにその混合物から選択される。
挙げることができるオゾケライトは、オゾケライトワックスSP1020Pである。
使用され得る微結晶ワックスとして、Sonneborn社により販売されているMultiwax W 445(登録商標)、ならびにParamelt社により販売されているMicrowax HW(登録商標)およびBase Wax 30540(登録商標)、ならびにBaerlocher社により販売されているCerewax(登録商標)No.3を挙げることができる。
無極性ワックスとして本発明による組成物に使用され得るマイクロワックスとして、Micro Powders社により名称Micropoly 200(登録商標)、220(登録商標)、220L(登録商標)および250S(登録商標)で販売されているもののようなポリエチレンマイクロワックスを特に挙げることができる。
挙げることができるポリエチレンワックスは、New Phase Technologiesにより販売されているPerformalene 500-L PolyethyleneおよびPerformalene 400 Polyethylene、ならびにHoneywell社により販売されているAsensa(登録商標) SC 211を含む。
b)極性ワックス
本発明の目的では、用語「極性ワックス」は、25℃における溶解度パラメーター、δaが、0(J/cm31/2以外である、ワックスを意味する。
特に、用語「極性ワックス」は、炭素および水素原子から本質的に形成されるか、またはもっと言えばからなり、少なくとも1つの、酸素、窒素、ケイ素もしくはリン原子のような高度に電気陰性なヘテロ原子を含む、ワックスを意味する。
極性ワックスは、特に、炭化水素ベースの、フッ化またはシリコーンワックスであり得る。
優先的には、極性ワックスは、炭化水素ベースのワックスであり得る。
用語「炭化水素ベースのワックス」は、炭素および水素原子、ならびに任意選択で酸素および窒素原子から本質的に形成されるか、またはさらにはこれらから構成され、任意のケイ素もしくはフッ素原子を含有しない、ワックスを意味することが意図される。それはまた、アルコール、エステル、エーテル、カルボン酸、アミンおよび/またはアミド基も含有してもよい。
本発明によると、用語「エステルワックス」は、少なくとも1つのエステル官能基を含むワックスを意味することが意図される。本発明によると、用語「アルコールワックス」は、少なくとも1つのアルコール官能基を含む、すなわち、少なくとも1つの遊離ヒドロキシル(OH)基を含むワックスを意味することが意図される。
以下のものが、エステルワックスとして特に使用され得る:

i)式R1COOR2[式中、R1およびR2は、直鎖、分岐、または環式脂肪族鎖(ここで、原子の数は、10〜50の範囲にある)を表す]のワックスであって、O、NまたはPのようなヘテロ原子を含有してもよく、その融点が25〜120℃の範囲にある、ワックス;
ii)Heterene社により名称Hest 2T−4S(登録商標)で販売されている、ビス(1,1,1−トリメチロールプロパン)テトラステアレート;
iii)1つもしくは複数の不飽和を含んでもよいか、または含まなくてもよく、好ましくは、直鎖であり、不飽和である、一般式R3−(−OCO−R4−COO−R5)[式中、R3およびR5は、同一であるか、または異なり、好ましくは、同一であり、C4−C30アルキル基(4〜30個の炭素原子を含むアルキル基)を表し、R4は、直鎖または分岐のC4−C30脂肪族基(4〜30個の炭素原子を含むアルキル基)を表す]のジカルボン酸のジエステルワックス;
iv)直鎖もしくは分岐のC8−C32脂肪鎖を有する動物または植物油の接触水素化により得られるワックス、例えば、水素添加ホホバ油、水素添加ヒマワリ油、水素添加ヒマシ油、水素添加ヤシ油、ならびにセチルアルコールでエステル化されたヒマシ油の水素化により得られるワックスも挙げることができる;
V)蜜ろう、合成蜜ろう、ポリグリセロール化蜜ろう、カルナバワックス、カンデリラワックス、オキシプロピレン化ラノリンワックス、米ぬかワックス、オーリキュリーワックス(ouricury wax)、エスパルト繊維ワックス、コルク繊維ワックス、サトウキビワックス、日本ろう、木ろう、モンタンワックス、オレンジワックス、ローレル蝋、水素添加ホホバワックス、ヒマワリワックス、レモンワックス、オリーブワックスまたはベリーワックスから選択されるもののようなエステルワックス。
別の実施形態によると、極性ワックスは、アルコールワックスであってもよい。本発明によると、用語「アルコールワックス」は、少なくとも1つのアルコール官能基を含む、すなわち、少なくとも1つの遊離ヒドロキシル(OH)基を含むワックスを意味する。挙げることができるアルコールワックスは、例えば、New Phase Technologies社により販売されているC30-50アルコールワックスPerformacol(登録商標)550 Alcohol、ステアリルアルコール、およびセチルアルコールを含む。
有利には、置換ポリシロキサン、好ましくは、低融点の置換ポリシロキサンであり得る、シリコーンワックスを使用することも可能である。
用語「シリコーンワックス」は、少なくとも1つのケイ素原子を含む、特に、Si−O基を含む、油を意味することが意図される。
このタイプの市販のシリコーンワックスのうち、特に、名称Abilwax 9800、9801もしくは9810(Goldschmidt)、KF910およびKF7002(Shin−Etsu)、または176−1118−3および176−11481(General Electric)で販売されているものを挙げることができる。
使用され得るシリコーンワックスはまた、アルキルまたはアルコキシジメチコンであってもよく、またGE−Bayer Silicones社により名称SF−1642で販売されているシリコーンワックスのような、(C20−C60)アルキルジメチコン、特に、(C30−C45)アルキルジメチコン、またはDow Corning社により名称SW−8005(登録商標)C30 Resin Waxで販売されているC30-45アルキルジメチルシリルポリプロピルシルセスキオキサンであってもよい。
本発明の文脈において、挙げることができる特に有利なワックスは、ポリエチレンワックス、ホホバワックス、カンデリラワックスおよびシリコーンワックス、特に、カンデリラワックスを含む。
それらは、油相の質量に対して0.5質量%〜30質量%、例えば、油相の5%〜20%、より具体的には、油相の質量に対して2質量%〜15質量%の割合で油相に存在し得る。
改質粘土
本発明による組成物は、少なくとも1つの親油性粘土を含み得る。
粘土は、天然または合成であってもよく、それらは、C10−C22アンモニウムクロリドのようなアルキルアンモニウム塩、例えば、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリドでの処理により、親油性にされる。
それらは、ベントナイト、特に、ヘクトライトおよびモンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ノントロナイト、セピオライト、黒雲母、アタパルジャイト、バーミキュライト、ならびにゼオライトから選択され得る。
それらは、ヘクトライトから好ましくは選択される。
ジステアリルジメチルアンモニウムクロリドで修飾されたヘクトライトのような、C10−C22アンモニウムクロリドで修飾されたヘクトライト、例えば、Elementis社により名称Bentone 38V(登録商標)で販売されている製品、またはElementis社により名称Bentone Gel ISD V(登録商標)(87%イソドデカン/10%ジステアルジモニウムヘクトライト/3%プロピレンカーボネート)が、親油性粘土として好ましく使用される。
親油性粘土は、0.1質量%〜15質量%、特に、油相の総質量に対して0.5質量%〜10質量%、より具体的には、1質量%〜10質量%の範囲にある含有量で特に存在し得る。
シリカ
本発明による組成物の油相はまた、ゲル化剤、ヒュームドシリカ、またはシリカエーロゲル粒子も含んでよい。
a)ヒュームドシリカ
疎水性表面処理を受けたヒュームドシリカは、本発明における使用に最も具体的に適当である。詳細には、シリカの表面に存在するシラノール基の数の低減を生じる化学反応により、シリカの表面を化学的に修飾することが可能である。特に、シラノール基を疎水基で置換することが可能であり、次に、疎水性シリカが得られる。
疎水基は、
− トリメチルシロキシル基であってもよく、それは、特に、ヒュームドシリカをヘキサメチルジシラザンの存在下で処理することにより、得られる。このように処理されたシリカは、CTFA(第8編、2000年)によるシリル化シリカとして公知である。それらは、例えば、Degussa社による参考商品Aerosil R812(登録商標)、およびCabot社によるCab−O−Sil TS−530(登録商標)で販売されている。
疎水基は、
− ジメチルシリルオキシルまたはポリジメチルシロキサン基であってもよく、それは、特に、ヒュームドシリカをポリジメチルシロキサンもしくはジメチルジクロロシランの存在下で処理することにより、得られる。このように処理されたシリカは、CTFA(第8編、2000年)によるジメチルシリル化シリカとして公知である。それらは、例えば、Degussa社による参考商品Aerosil R972(登録商標)およびAerosil R974(登録商標)、ならびにCabot社によるCab−O−Sil TS−610(登録商標)およびCab−O−Sil TS−720(登録商標)で販売されている。
ヒュームドシリカは、油相の総質量に対して0.1質量%〜40質量%、より具体的には、1質量%〜15質量%、なおより具体的には、2質量%〜10質量%の含有量で本発明による組成物に存在し得る。
b)疎水性シリカエーロゲル
本発明による組成物の油相はまた、ゲル化剤として、少なくともシリカエーロゲル粒子も含み得る。
シリカエーロゲルは、シリカゲルの液体成分を空気で置換することにより(乾燥させることにより)得られる多孔性材料である。
それらは、液体媒体におけるゾル−ゲル法を介して一般に合成され、次に、通常、最も一般的に使用されるものが超臨界CO2である、超臨界液体での抽出により、乾燥される。このタイプの乾燥は、孔の、および材料の収縮を回避することを可能にする。ゾル−ゲル法、および様々な乾燥操作が、Brinker C.J. and Scherer G.W., Sol-Gel Science, New York:Academic Press, 1990において詳細に記載される。
本発明に使用される疎水性シリカエーロゲル粒子は、500〜1500m2/g、好ましくは、600〜1200m2/g、なお良好には、600〜800m2/gの範囲にある単位質量当たりの比表面積(SM)、および1〜1500μm、なお良好には、1〜1000μm、好ましくは、1〜100μm、特に、1〜30μm、より好ましくは、5〜25μm、なお良好には、5〜20μm、なおより良好には、5〜15μmの範囲にある体積平均径(D[0.5])として表されるサイズを有する。
一実施形態によると、本発明に使用される疎水性シリカエーロゲル粒子は、1〜30μm、好ましくは、5〜25μm、なお良好には、5〜20μm、なおより良好には、5〜15μmの範囲にある体積平均径(D[0.5])として表されるサイズを有する。
単位質量当たりの比表面積は、国際標準ISO5794/1(添付D)に対応する、American Chemical Society, vol. 60, page 309, February 1938の論文において記載される、BET(ブルナウアー−エメット−テラー)法として公知の、窒素吸収法により決定され得る。BET比表面積は、考慮中の粒子の総比表面積に対応する。
シリカエーロゲル粒子のサイズは、MalvernのMasterSizer 2000機のような市販の粒子サイズ分析機器を使用した静的光散乱により測定され得る。データは、ミー散乱理論に基づき処理される。この理論は、等方性粒子に適しており、非球形粒子の場合において、「有効な」粒子径を決定することを可能にする。この理論は、Van de Hulst, H.C., Light Scattering by Small Particles, Chapters 9 and 10, Wiley, New York, 1957による刊行物において特に記載される。
有利な実施形態によると、本発明に使用される疎水性シリカエーロゲル粒子は、600〜800m2/gの範囲にある単位質量当たりの比表面積(SM)を有する。
本発明に使用されるシリカエーロゲル粒子は、0.02g/cm3〜0.10g/cm3、好ましくは、0.03g/cm3〜0.08g/cm3の範囲にある、特に、0.05g/cm3〜0.08g/cm3の範囲にあるタップ密度ρを有利に有し得る。
本発明の文脈において、タップ密度として公知のこの密度は、以下のプロトコールにより評価され得る。
粉末40gをメスシリンダーに注ぎ入れ、次に、メスシリンダーをStampf VolumeterのStav 2003機上に置き、次に、メスシリンダーを一連の2500回のタッピング行為にかけ(この操作は、2回の連続する試験間の体積の差が2%未満になるまで、繰り返す)、次に、タッピングされた粉末の最終体積Vfをメスシリンダー上で直接測定する。タップ密度は、比m/Vf、この場合、40/Vf(Vfはcm3で、mはgで表される)により決定される。
好ましい一実施形態によると、本発明に使用される疎水性シリカエーロゲル粒子は、5〜60m2/cm3、好ましくは、10〜50m2/cm3、なお良好には、15〜40m2/cm3の範囲にある単位体積当たりの比表面積SVを有する。
単位体積当たりの比表面積は、関係式:SV=SM×ρ[式中、上で定義された通り、ρは、g/cm3で表されるタップ密度であり、SMは、m2/gで表される単位質量当たりの比表面積である]により与えられる。
好ましくは、本発明による疎水性シリカエーロゲル粒子は、5〜18ml/g、好ましくは、6〜15ml/g、なお良好には、8〜12ml/gの範囲にある、ウエットポイントにて測定される油吸収能を有する。
有名なWpと示すウエットポイントで測定される吸収能は、均質なペーストを得るために粒子100gに加えることを必要とする油の量に対応する。
それは、ウエットポイント法、または基準NF T 30−022に記載される粉末の油取り込みを決定する方法により測定される。それは、後述される、ウエットポイントの測定による、粉末の利用可能な表面上に吸収された、および/または粉末により吸収された油の量に対応する。
量m=2gの粉末をガラスプレート上に置き、次に、油(イソノナン酸イソノニル)を滴下する。油4〜5滴を粉末に添加した後、スパチュラを使用して混合を行い、油と粉末の集塊が形成されるまで、油の添加を継続する。このポイントから、油を一度に1滴の速度で加え、対で、混合物をスパチュラで粉砕する。固い、滑らかなペーストが得られたとき、油の添加を停止する。このペーストは、割ることも塊を形成することなく、ガラスプレート上に広げることができなければならない。次に、使用した油の体積Vs(mlで表される)が示される。
油取り込みは、比Vs/mに対応する。
本発明により使用されるエーロゲルは、疎水性シリカ、好ましくは、シリル化シリカ(INCI名:シリカシリレート)のエーロゲルである。
用語「疎水性シリカ」は、シリル基Si−Rn、例えば、トリメチルシリル基でOH基を官能化するように、表面をシリル化剤、例えば、アルキルクロロシランのようなハロゲン化シラン、シロキサン、特に、ヘキサメチルジシロキサンのようなジメチルシロキサン、またはシラザンで処理した任意のシリカを意味する。
シリル化により表面修飾された疎水性シリカエーロゲル粒子の調製に関して、文書米国特許第7 470 725号が参照され得る。
トリメチルシリル基で表面修飾された疎水性シリカエーロゲル粒子、好ましくは、INCI名シリカシリレートが、好ましくは使用されるだろう。
本発明に使用され得る疎水性シリカエーロゲルとして挙げることができる例は、Dow Corning社により名称VM−2260またはVM−2270(INCI名:シリカシリレート)で販売されているエーロゲルであり、その粒子は、平均サイズ約1000μm、および600〜800m2/gの範囲にある単位質量当たりの比表面積を有する。
Cabot社により、参照番号Aerogel TLD 201、Aerogel OGD 201およびAerogel TLD 203、ならびにEnova(登録商標)Aerogel MT 1100およびEnova Aerogel MT 1200で販売されているエーロゲルも挙げることができる。
好ましくは、粒子が5〜15μmの範囲にある平均サイズ、および600〜800m2/gの範囲にある単位質量当たりの比表面積を有する、Dow Corning社により名称VM−2270(INCI名:シリカシリレート)で販売されているエーロゲルが使用されるであろう。
かかるエーロゲルは、有利には、沈着物の皮脂に対する、および汗に対する抵抗性を促進することを可能にする。
好ましくは、疎水性シリカエーロゲル粒子は、油相の総質量に対して0.1質量%〜8質量%、好ましくは、0.2質量%〜5質量%、好ましくは、0.2質量%〜1.5質量%の範囲にある固形含有量で本発明による組成物中に存在する。
II.オルガノポリシロキサンエラストマー
親油性ゲル化剤として使用され得るオルガノポリシロキサンエラストマーは、本発明による組成物に良好な適用特性を付与するという利点を有する。それは、非常に柔らかい感触、および適用後にマットな効果を提供し、特に皮膚への適用に有利である。また、ケラチン材料に存在する中空の効率的な充填も可能にし得る。
用語「オルガノポリシロキサンエラストマー」または「シリコーンエラストマー」は、粘弾特性を有し、特に、スポンジもしくは柔軟な球の固さを有する、柔軟な、変形可能なオルガノポリシロキサンを意味する。その弾力係数は、この材料が、変形に逆らい、拡大する、および縮小する制限された能力を有するようである。この材料は、伸びた後、その本来の形を取り戻す能力がある。
それは、より具体的には、架橋オルガノポリシロキサンエラストマーである。
したがって、オルガノポリシロキサンエラストマーは、特に、白金触媒の存在下での、ケイ素に結合した少なくとも1つの水素を含有するジオルガノポリシロキサン、およびケイ素に結合したエチレン性不飽和基を含有するジオルガノポリシロキサンの架橋付加反応により、または特に、有機スズの存在下での、ヒドロキシル末端基を含むジオルガノポリシロキサンと、ケイ素に結合した少なくとも1つの水素を含有するジオルガノポリシロキサンとの間の脱水素架橋縮合反応により、またはヒドロキシル末端基を含むジオルガノポリシロキサン、および加水分解可能なオルガノポリシランの架橋縮合反応により、または特に、オルガノペルオキシド触媒の存在下でのオルガノポリシロキサンの熱架橋により、またはガンマ線、紫外線、もしくは電子ビームのような高エネルギー照射を介したオルガノポリシロキサンの架橋により得られる。
好ましくは、オルガノポリシロキサンエラストマーは、例えば、欧州特許出願公開第295886号において記載される、特に、白金触媒の存在下(C)での、それぞれケイ素に結合した少なくとも2個の水素を含有するジオルガノポリシロキサンの架橋付加反応(A)、およびケイ素に結合した少なくとも2個のエチレン性不飽和基を含有するジオルガノポリシロキサンの架橋付加反応(B)により得られる。
特に、オルガノポリシロキサンエラストマーは、白金触媒の存在下での、ジメチルビニルシルオキシ末端基を含むジメチルポリシロキサン、およびトリメチルシルオキシ末端基を含むメチルヒドロゲノポリシロキサンの反応により得られる。
化合物(A)は、オルガノポリシロキサンエラストマーの形成のための基礎試薬であり、架橋は、触媒(C)の存在下での化合物(A)の化合物(B)での付加反応により行われる。
化合物(A)は、特に、少なくとも2つの、それぞれの分子中の異なるケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノポリシロキサンである。
化合物(A)は、任意の分子構造、特に、直鎖もしくは分岐鎖構造、または環式構造を有し得る。
化合物(A)は、特に、化合物(B)と混和性であるように、1〜50000センチストークの範囲にある25℃での粘度を有し得る。
化合物(A)のケイ素原子に結合した有機基は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチルのようなアルキル基、2−フェニルエチル、2−フェニルプロピルまたは3,3,3−トリフルオロプロピルのような置換アルキル基、フェニル、トリル、キシリルのようなアリール基、フェニルエチルのような置換アリール基、およびエポキシ基、カルボキシレートエステル基またはメルカプト基のような置換された1価の炭化水素ベース基であり得る。
したがって、化合物(A)は、トリメチルシルオキシ末端基を含むメチルヒドロゲノポリシロキサン、トリメチルシルオキシ末端基を含むジメチルシルオキサン−メチルヒドロシルオキサンコポリマー、およびジメチルシルオキサン−メチルヒドロシルオキサン環式コポリマーから選択され得る。
化合物(B)は、有利には、少なくとも2個の低級アルケニル基(例えば、C2−C4)を含有するジオルガノポリシロキサンであり、低級アルケニル基は、ビニル、アリールおよびプロペニル基から選択され得る。これらの低級アルケニル基は、オルガノポリシロキサン分子上の任意の位置に位置され得るが、オルガノポリシロキサン分子の末端に好ましくは位置される。オルガノポリシロキサン(B)は、分岐鎖、直鎖、環式またはネットワーク構造を有し得るが、直鎖構造が好ましい。化合物(B)は、液体状態からゴム状態の範囲にある粘度を有し得る。好ましくは、化合物(B)は、25℃での粘度少なくとも100センチストークを有する。
上述のアルケニル基に加えて、化合物(B)中のケイ素原子に結合した他の有機基は、メチル、エチル、プロピル、ブチルまたはオクチルのようなアルキル基、2−フェニルエチル、2−フェニルプロピルまたは3,3,3−トリフルオロプロピルのような置換アルキル基、フェニル、トリルまたはキシリルのようなアリール基、フェニルエチルのような置換アリール基、およびエポキシ基、カルボキシレートエステル基またはメルカプト基のような置換された1価の炭化水素ベース基であり得る。
オルガノポリシロキサン(B)は、メチルビニルポリシロキサン、メチルビニリシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー、ジメチルビニルシルオキシ末端基を含むジメチルポリシロキサン、ジメチルビニルシルオキシ末端基を含むジメチルシロキサン−メチルフェニルシロキサンコポリマー、ジメチルビニルシルオキシ末端基を含むジメチルシロキサン−ジフェニルシロキサン−メチルビニルシロキサンコポリマー、トリメチルシルオキシ末端基を含むジメチルシロキサン−メチルビニルシロキサンコポリマー、トリメチルシルオキシ末端基を含むジメチルシロキサン−メチルフェニルシロキサン−メチルビニルシロキサンコポリマー、ジメチルビニルシルオキシ末端基を含むメチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)ポリシロキサン、およびジメチルビニルシルオキシ末端基を含むジメチルシロキサン−メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)シロキサンコポリマーから選択され得る。
特に、オルガノポリシロキサンエラストマーは、白金触媒の存在下での、ジメチルビニルシルオキシ末端基を含むジメチルポリシロキサン、およびトリメチルシルオキシ末端基を含むメチルヒドロゲノポリシロキサンの反応により得られ得る。
有利には、化合物(B)の1分子当たりのエチレン基の数と、化合物(A)の1分子当たりのケイ素原子に結合した水素原子の数の合計は、少なくとも5である。
化合物(A)中のケイ素原子に結合した水素原子の総量の、化合物(B)中のすべてのエチレン性不飽和基の総量に対する分子比が、1.5/1〜20/1の範囲内であるような量で、化合物(A)が加えられることが有利である。
化合物(C)は、架橋反応のための触媒であり、特に、塩化白金酸、塩化白金酸−オレフィン複合体、塩化白金酸−アルケニルシロキサン複合体、塩化白金酸−ジケトン複合体、担持白金黒および白金である。
触媒(C)は、化合物(A)と(B)の総量の1000質量部当たり、混じりけのない白金金属として、0.1〜1000質量部、なお良好には1〜100質量部の量で好ましくは加えられる。
エラストマーは、有利には、非乳化エラストマーである。
用語「非乳化」は、親水性鎖を含有しない、特に、ポリオキシアルキレン単位(特に、ポリオキシエチレンもしくはポリオキシプロピレン)またはポリグリセリル単位を含有しないオルガノポリシロキサンエラストマーを定義する。したがって、本発明の一の特定の様式によると、組成物は、ポリオキシアルキレン単位およびポリグリセリル単位を含まないオルガノポリシロキサンエラストマーを含む。
特に、本発明に使用されるシリコーンエラストマーは、ジメチコンクロスポリマー(INCI名)、ビニルジメチコンクロスポリマー(INCI名)、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー(INCI名)、ジメチコンクロスポリマー−3(INCI名)から選択される。
オルガノポリシロキサンエラストマー粒子は、少なくとも1種の炭化水素ベースの油および/または1種のシリコーン油に含まれるエラストマーオルガノポリシロキサンから形成されるゲルの形態で運ばれ得る。これらのゲルにおいて、オルガノポリシロキサン粒子は、しばしば非球形粒子である。
非乳化エラストマーは、欧州特許第242 219号、第285 886号および第765 656号において、ならびに日本国特許出願公開第61−194009号において特に記載される。
シリコーンエラストマーは、一般に、ゲル、ペーストまたは粉末の形態であるが、有利には、シリコーンエラストマーが、直鎖シリコーン油(ジメチコン)もしくは環式シリコーン油(例えば、シクロペンタシロキサン)中に、有利には、直鎖シリコーン油中に分散される、ゲルの形態である。
使用され得る非乳化エラストマーは、より具体的には、Shin-Etsu社により名称KSG−6、KSG−15、KSG−16、KSG−18、KSG−41、KSG−42、KSG−43およびKSG−44、Dow Corning社によりDC9040およびDC9041、ならびにGeneral Electric社によりSFE 839で販売されているものを含む。
特定の様式によると、シクロペンタジメチルシロキサン、ジメチコン、ジメチルシロキサン、メチルトリメチコン、フェニルメチコン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチコンおよびシクロメチコンを含む非網羅的リストから選択されるシリコーン油、好ましくは、任意選択でフッ素化されている脂肪族基で、またはヒドロキシル、チオールおよび/もしくはアミン基のような官能基で任意選択で修飾されている、1〜500cStの範囲にある25℃での粘度を有するポリジメチルシロキサン(PDMS)あるいはジメチコンから選択される直鎖シリコーン油中に分散されたシリコーンエラストマーのゲルが使用される。
特に、以下のINCI名を有する化合物:
− Shin−Etsu社のUSG−105およびUSG−107A、Dow Corning社のDC9506およびDC9701のような、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー;
− Shin−Etsu社のKSG−6およびKSG−16のような、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー(および)ジメチコン;
− KSG−15のような、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー(および)シクロペンタシロキサン;
− Dow Corning社のDC9040、DC9045およびDC5930のような、シクロペンタシロキサン(および)ジメチコンクロスポリマー;
− Dow Corning社のDC9041のような、ジメチコン(および)ジメチコンクロスポリマー;
− Dow Corning社のDow Corning EL−9240(登録商標)Silicone Elastomer Blend(ヘキサジエン/ポリジメチルシロキサンと架橋したポリジメチルシロキサンの混合物(2cSt))のような、ジメチコン(および)ジメチコンクロスポリマー;
− Alzo社のNuLastic Silk MAのような、C4-24アルキルジメチコン/ジビニルジメチコンクロスポリマー
を挙げることができる。
本発明により有利に使用され得る直鎖シリコーン油中に分散されたシリコーンエラストマーの例として、以下の参照:
− Shin−Etsu社のKSG−6およびKSG−16のような、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー(および)ジメチコン;
− Dow Corning社のDC9041のような、ジメチコン(および)ジメチコンクロスポリマー;ならびに
− Dow Corning社のDow Corning EL−9240(登録商標)Silicone Elastomer Blend(ヘキサジエン/ポリジメチルシロキサンと架橋したポリジメチルシロキサンの混合物(2cSt))のような、ジメチコン(および)ジメチコンクロスポリマー
を特に挙げることができる。
好ましい実施形態によると、本発明による組成物は、Dow Corning社により名称DC 9041で販売されているヘキサジエン/ポリジメチルシロキサンと架橋したポリジメチルシロキサンの混合物(5cSt)、またはDow Corning社により名称EL−9240(登録商標)で販売されているヘキサジエン/ポリジメチルシロキサンと架橋したポリジメチルシロキサンの混合物(2cSt)のような、好ましくは、25℃で1〜100cSt、特に、1〜10cStの範囲にある粘度を有するジメチコンを用いた、INCI名「ジメチコンクロスポリマー」または「ジメチコン(および)ジメチコンクロスポリマー」を有する少なくとも1つの架橋シリコーンエラストマーを含む。
特に好ましい実施形態によると、本発明による組成物は、Dow Corning社により名称DC 9041で販売されているヘキサジエン/ポリジメチルシロキサンと架橋したポリジメチルシロキサンの混合物(5cSt)のような、好ましくは、25℃で1〜100cSt、特に、1〜10cStの範囲にある粘度を有するジメチコンを用いた、INCI名「ジメチコン(および)ジメチコンクロスポリマー」を有する少なくとも1つの架橋シリコーンエラストマーを含む。
オルガノポリシロキサンエラストマー粒子はまた、粉末の形態で用いられてもよく、Dow Corning社により名称Dow Corning 9505 PowderおよびDow Corning 9506 Powderで販売されている粉末が、特に述べられ得、これらの粉末はINCI名:ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマーを有する。
オルガノポリシロキサン粉末はまた、例えば、米国特許第5538793号において記載される通り、シルセスキオキサン樹脂でコートされてもよい。かかるエラストマー粉末は、Shin−Etsu社により名称KSP−100、KSP−101、KSP−102、KSP−103、KSP−104およびKSP−105で販売され、INCI名:ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサンクロスポリマーを有する。
本発明により有利に使用され得る、シルセスキオキサン樹脂でコートされたオルガノポリシロキサン粉末の例として、Shin−Etsu社の参照KSP−100を特に挙げることができる。
オルガノポリシロキサンエラストマータイプの好ましい親油性ゲル化剤として、ジメチコンクロスポリマー(INCI名)、ジメチコン(および)ジメチコンクロスポリマー(INCI名)、ビニルジメチコンクロスポリマー(INCI名)、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー(INCI名)、ジメチコンクロスポリマー−3(INCI名)から選択される架橋オルガノポリシロキサンエラストマー、特に、ジメチコンクロスポリマー(INCI名)を挙げることができる。
オルガノポリシロキサンエラストマーは、組成物の総質量に対して0.1質量%〜35質量%、特に、1質量%〜20質量%、より具体的には、2質量%〜10質量%の固形物の含有量で本発明の組成物に存在し得る。
III.半結晶性ポリマー
本発明による組成物は、少なくとも1つの半結晶性ポリマーを含んでもよい。好ましくは、半結晶性ポリマーは、有機的構造、および30℃以上の融点を有する。
本発明の目的では、用語「半結晶性ポリマー」は、結晶性部分および非結晶性部分を含み、相温度、特に、融点(固形−液体移行)の一次可逆変化を有するポリマーを意味することが意図される。結晶性部は、側鎖(もしくはペンダント鎖)、または骨格中のブロックのいずれかである。
半結晶性ポリマーの結晶性部分がポリマー骨格のブロックであるとき、この結晶性ブロックは、非結晶性ブロックのものと異なる化学的性質を有し、この場合において、半結晶性ポリマーは、例えば、ジブロック、トリブロック、またはマルチブロックタイプのブロックコポリマーである。結晶性部分が、骨格上に垂下する鎖であるとき、半結晶性ポリマーは、ホモポリマーまたはコポリマーであり得る。
半結晶性ポリマーの融点は、好ましくは、150℃未満である。
半結晶性ポリマーの融点は、好ましくは、30℃以上かつ100℃未満である。より好ましくは、半結晶性ポリマーの融点は、30℃以上かつ70℃未満である。
本発明による半結晶性ポリマー(複数可)は、30℃以上の融点を伴い、室温(25℃)および大気圧(760mmHg)にて固形である。融点値は、1分当たり5〜10℃の温度上昇で、Mettler社により名称DSC 30で販売されている熱量計のような、示差走査熱量計(DSC)を使用して測定された融点に対応する(考慮中の融点は、サーモグラムにおける最大吸熱ピークの温度に対応するポイントである)。
本発明による半結晶性ポリマー(複数可)は、好ましくは、前記組成物を受け取ることが意図される角質支持、特に、皮膚、唇または眉の温度より高い融点を有する。
本発明によると、半結晶性ポリマーは、有利には、それらの融点より高い温度にて、脂肪相に、特に、少なくとも1質量%まで可溶性である。結晶性の鎖またはブロックに加えて、ポリマーのブロックは非結晶である。
本発明の目的では、用語「結晶性の鎖またはブロック」は、それが単独であったなら、温度が融点より上であるか下であるかに依存して、非結晶状態から結晶状態まで可逆的に変化するであろう、鎖またはブロックを意味することが意図される。本発明の目的では、鎖は、ポリマー骨格に対してペンダントまたは外側である、原子の群である。「ブロック」は、骨格に属する原子の群であり、この群は、ポリマーの繰り返し単位の1つを構成する。
好ましくは、半結晶性ポリマーのポリマー骨格は、それらの融点より上の温度にて脂肪相に可溶性である。
好ましくは、半結晶性ポリマーの結晶性ブロックまたは鎖は、それぞれのポリマーの総質量の少なくとも30%、なお良好には、少なくとも40%を表す。結晶性側鎖を含有する半結晶性ポリマーは、ホモポリマーまたはコポリマーである。結晶性ブロックを含有する本発明の半結晶性ポリマーは、ブロックまたはマルチブロックコポリマーである。それらは、反応性2重結合(もしくはエチレン結合)を含有するモノマーの重合作用を介して、または重縮合を介して得られ得る。本発明のポリマーが、結晶性側鎖を含有するポリマーであるとき、これらの側鎖は、有利には、ランダムまたは統計学的な形態である。
好ましくは、本発明の半結晶性ポリマーは、合成起源のものである。
好ましい実施形態によると、半結晶性ポリマーは、
− 結晶性疎水性側鎖(複数可)を生じる1つまたは複数のモノマーの重合作用からもたらされる単位を含むホモポリマーおよびコポリマー、
− 骨格において少なくとも1つの結晶性ブロックを生じるポリマー、
− 脂肪族または芳香族または脂肪族/芳香族ポリエステルタイプの重縮合体、
− メタロセン触媒作用を介して調製されるエチレンとプロピレンのコポリマー、ならびに
− アクリレート/シリコーンコポリマー
から選択される。
本発明に使用され得る、半結晶性ポリマーは、特に、
− そのモノマーが欧州特許第0951897号において記載される、制御された結晶化のポリオレフィンのブロックコポリマー、
− 特に、脂肪族または芳香族または脂肪族/芳香族ポリエステルタイプの重縮合体、 − メタロセン触媒作用を介して調製されるエチレンとプロピレンのコポリマー、
− 小冊子Intelimer(登録商標) Polymers, Landec IP22 (Rev. 4-97)において記載される、Landec社のIntelimer(登録商標)製品、例えば、分子量約145000および融点49℃を有するポリステアリルアクリレートである、Landec社の製品Intelimer(登録商標)IPA 13−1に対応する(C10−C30)アルキルポリアクリレートのような、文書米国特許第5156911号において記載されるもののような、少なくとも1つの結晶性側鎖を生じるホモポリマーまたはコポリマーおよび骨格において少なくとも1つの結晶性ブロックを生じるホモポリマーまたはコポリマー、 − 国際特許出願公開第01/19333号の文書において記載される、特に、フッ素基(複数可)を含有する、少なくとも1つの結晶性側鎖を生じるホモポリマーまたはコポリマー、
− ポリジメチルシロキサングラフトを生じるアクリル酸とステアリルアクリレートのコポリマーのような、アクリレート/シリコーンコポリマー、ポリジメチルシロキサングラフトを生じるステアリルメタクリレートのコポリマー、ポリジメチルシロキサングラフトを生じるアクリル酸とステアリルメタクリレートのコポリマー、ポリジメチルシロキサングラフトを生じるメチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートおよびステアリルメタクリレートのコポリマー(Shin−Etsu社により名称KP−561(CTFA名:アクリレート/ジメチコン)、KP−541(CTFA名:アクリレート/ジメチコンおよびイソプロピルアルコール)、KP−545(CTFA名:アクリレート/ジメチコンおよびシクロペンタシロキサン)で販売されているコポリマーを特に挙げることができる)、
− ならびにその混合物
から選択され得る。
好ましくは、結晶性側鎖を生じる半結晶性ポリマーから好ましくは選択される、半結晶性ポリマー(複数可)の量が、油相の総質量に対して0.1質量%〜30質量%、例えば、油相の総質量に対して、0.5質量%〜25質量%、なお良好には、5質量%〜20質量%、またはなお5質量%〜12質量%の固体を表す。
IV.デキストリンエステル
本発明による組成物は、親油性ゲル化剤として少なくとも1つのデキストリンエステルを含み得る。
特に、組成物は、好ましくは、少なくとも1つの、デキストリンの好ましくはC12−C24、特に、C14−C18脂肪酸エステル、またはその混合物を含む。
好ましくは、デキストリンエステルは、デキストリンとC12−C18、特に、C14−C18脂肪酸のエステルである。
好ましくは、デキストリンエステルは、ミリスチン酸デキストリン、および/またはパルミチン酸デキストリン、ならびにその混合物から選択される。
特定の実施形態によると、デキストリンエステルは、Chiba Flour Milling社により特に、名称Rheopearl MKL−2で販売されている製品のような、ミリスチン酸デキストリンである。
好ましい実施形態によると、デキストリンエステルは、パルミチン酸デキストリンである。この製品は、例えば、Chiba Flour Milling社により名称Rheopearl TL(登録商標)、Rheopearl KL(登録商標)、およびRheopearl(登録商標)KL2で販売されているものから選択され得る。
特に好ましい方法において、本発明による組成物の油相は、油相の総質量に対して0.1質量%〜30質量%、好ましくは、2質量%〜25質量%、好ましくは、7.5質量%〜17質量%のデキストリンエステル(複数可)を含み得る。
特に好ましい方法において、本発明による組成物は、油相の総質量に対して0.1質量%〜10質量%、好ましくは、0.5質量%〜5質量%のパルミチン酸デキストリンを含み得る。パルミチン酸デキストリンは、特に、Chiba Flour Milling社により名称Rheopearl TL(登録商標)、Rheopearl KL(登録商標)、またはRheopearl(登録商標)KL2で販売されている製品であり得る。
V.水素結合ポリマー
本発明における使用に適当である水素結合ポリマーの代表例として、ポリアミド、特に、炭化水素ベースのポリアミドおよびシリコーンポリアミドを最も具体的に挙げることができる。
ポリアミド
本発明による組成物の油相は、炭化水素ベースのポリアミドおよびシリコーンポリアミド、ならびにその混合物から選択される、少なくとも1つのポリアミドを含み得る。
好ましくは、ポリアミド(複数可)の総含有量は、油相の総質量に対して固体として表して、0.1質量%〜30質量%、好ましくは、0.1質量%〜20質量%、好ましくは、0.5質量%〜10質量%である。
本発明の目的では、用語「ポリアミド」は、少なくとも2個の繰り返しアミド単位、好ましくは、少なくとも3個の繰り返しアミド単位、なお良好には、10個の繰り返しアミド単位を含有する化合物を意味する。
a)炭化水素ベースのポリアミド
用語「炭化水素ベースのポリアミド」は、炭素および水素原子、任意選択で酸素または窒素原子から本質的に形成され、実になおそれらからなり、ケイ素またはフッ素原子を含まない、ポリアミドを意味する。それは、アルコール、エステル、エーテル、カルボン酸、アミン、および/またはアミド基を含有してもよい。
本発明の目的では、用語「官能化された鎖」は、1つもしくは複数の官能基、またはヒドロキシル、エーテル、エステル、オキシアルキレン、およびポリオキシアルキレン基から特に選択される試薬を含む、アルキル鎖を意味する。
有利には、本発明による組成物のこのポリアミドは、100000g/mol未満、特に、1000〜100000g/molの範囲にあり、特に、50000g/mol未満、特に、1000〜50000g/molの範囲にあり、より具体的には、1000〜30000g/mol、好ましくは、2000〜20000g/mol、なお良好には、2000〜10000g/molの範囲にある質量平均分子量を有する。
このポリアミドは、特に、25℃において水に溶解しない。
本発明の第1の実施形態によると、使用されるポリアミドは、式(I)のポリアミド、およびその混合物である
[式中、Xは、基−N(R12あるいは基−OR1(式中、R1は、同一であるか、もしくは異なっていてもよい、直鎖または分岐のC8−C22アルキルラジカルである)を表し、R2は、C28−C42二酸ダイマー残基であり、R3は、エチレンジアミンラジカルであり、nは、2〜5である]。
特定の様式によると、使用されるポリアミドは、式(Ia)のアミド終結ポリアミド、およびその混合物である
[式中、Xは、基−N(R12[式中、R1は、同一であるか、もしくは異なっていてもよい、直鎖または分岐のC8−C22アルキルラジカルである)を表し、R2は、C28−C42二酸ダイマー残基であり、R3は、エチレンジアミンラジカルであり、nは、2〜5である]。
本発明による組成物の油相はまた、さらにこの場合において、そのINCI名は、エチレンジアミン/ステアリルダイマージリノール酸コポリマーである、Arizona Chemical社により名称Uniclear 80、およびUniclear 100またはUniclear 80 V、Uniclear 100 V、およびUniclear 100 VGで販売されている市販の製品のような、少なくとも1つのさらなる式(Ib)のポリアミドを含んでもよい
[式中、Xは、基−OR1(式中、R1は、同一であるか、もしくは異なっていてもよい、直鎖または分岐のC8−C22、好ましくは、C16−C22アルキルラジカルである)を表し、R2は、C28−C42二酸ダイマー残基であり、R3は、エチレンジアミンラジカルであり、nは、2〜5である]。
b)シリコーンポリアミド
シリコーンポリアミドは、好ましくは、室温(25℃)および大気圧(760mmHg)にて固体である。
シリコーンポリアミドは、優先的には、少なくとも1つの式(III)または(IV)の単位を含むポリマーであり得る
[式中、
・ R4、R5、R6およびR7は、同一であるか、または異なっていてもよく、
− それらの鎖において、1つもしくは複数の酸素、硫黄、および/または窒素原子を含有してもよく、フッ素原子で部分的にまたは全体的に置換されていてもよい、飽和または不飽和のC1−C40直鎖、分岐、あるいは環式炭化水素ベースの基、
− 1つまたは複数のC1−C4アルキル基で任意選択で置換されている、C6−C10アリール基、
− 1つもしくは複数の酸素、硫黄、および/または窒素原子をできる限り含有する、ポリオルガノシロキサン鎖
から選択される基を表し、
・ 基Xは、同一であるか、または異なっていてもよく、その鎖において、1つもしくは複数の酸素、および/または窒素原子をできる限り含有する、直鎖あるいは分岐のC1−C30アルキレンジイル基を表し、
・ Yは、飽和もしくは不飽和のC1−C50直鎖または分岐のアルキレン、アリーレン、シクロアルキレン、アルキルアリーレン、あるいはアリールアルキレン2価の基であり、1つもしくは複数の酸素、硫黄、および/または窒素原子を含有してもよく、ならびに/あるいは置換基として以下の原子または原子の基:フッ素、ヒドロキシル、C3−C8シクロアルキル、C1−C40アルキル、C5−C10アリール、1〜3個のC1−C3アルキルで任意選択で置換されているフェニル、C1−C3ヒドロキシアルキル、およびC1−C6アミノアルキル基の1つを生じてもよいか、あるいは
・ Yは、式に対応する基を表し、
(式中、
− Tは、ポリオルガノシロキサン鎖で任意選択で置換されている、O、NおよびSから選択される1つまたは複数の原子をできる限り含有する、直鎖もしくは分岐の、飽和または不飽和のC3−C24の3価あるいは4価の炭化水素ベースの基を表すか、あるいはTは、N、PおよびAlから選択される3価の原子を表し、
− R8は、1つもしくは複数のエステル、アミド、ウレタン、チオカルバメート、尿素、チオウレア、および/またはスルホンアミド基をできる限り含有する、直鎖あるいは分岐のC1−C50アルキル基、あるいはポリオルガノシロキサン鎖を表し、ポリマーの別の鎖にできる限り結合され得る)
・ nは、2〜500、好ましくは、2〜200の範囲にある整数であり、mは、1〜1000、好ましくは、1〜700、なおより良好には、6〜200の範囲にある整数である]。
特定の様式によると、シリコーンポリアミドは、少なくとも1つの式(III)の単位を含む[式中、mは、50〜200、特に、75〜150の範囲にあり、好ましくは、約100である]。
より好ましくは、R4、R5、R6およびR7は、式(III)において、独立して、直鎖または分岐のC1−C40アルキル基、好ましくは、基CH3、C25、n−C37、またはイソプロピル基を表す。
使用され得るシリコーンポリマーの例として、文書米国特許第5981680号の実施例1〜3に従い得られるシリコーンポリアミドの1つが、述べられてもよい。
Dow Corning社により名称DC 2−8179(DP 100)およびDC 2−8178(DP 15)で販売されている化合物が述べられてもよく、そのINCI名は、ナイロン−611/ジメチコンコポリマー、すなわち、ナイロン−611/ジメチコンコポリマーである。シリコーンポリマー、および/またはコポリマーは、45℃〜190℃の範囲にある、固体状態から液体状態への移行の温度を有利に有する。好ましくは、それらは、70〜130℃、なお良好には、80℃〜105℃の範囲にある、固体状態から液体状態への移行の温度を有する。
好ましくは、ポリアミド(複数可)、および/またはシリコーンポリアミド(複数可)の総含有量は、油相の総質量に対して0.5質量%〜25質量%、特に、2質量%〜20質量%、好ましくは、2質量%〜12質量%の固体である。
有利には、水素結合ポリマーは、エチレンジアミン/ステアリルダイマージリノール酸コポリマー、およびナイロン−611/ジメチコンコポリマーから選択される。
有利な変形形態によると、本発明による組成物は、粒子状ゲル化剤、オルガノシロキサンエラストマー、半結晶性ポリマー、デキストリンエステルおよび水素結合ポリマー、ならびにその混合物から選択される親油性ゲル化剤、特に、少なくとも1つのオルガノポリシロキサンエラストマーを含む。
親水性ゲル化剤/親油性ゲル化剤システム
好ましい合成ポリマー親水性ゲル化剤として、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ポリマー、例えば、Clariant社により商品名Hostacerin AMPS(登録商標)で販売されているアンモニウム2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ポリマーのような、AMPS、および2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸コポリマー、特に、AMPS(登録商標)およびヒドロキシエチルアクリレートのコポリマー、例えば、SEPPIC社により名称Simulgel NS(登録商標)で販売されている市販の製品(CTFA名:ヒドロキシエチルアクリレート/ナトリウムアクリロイルジメチルタウレートコポリマー(および)スクアラン(および)ポリソルベート60)に使用されるもののような、または市販の製品Sepinov EMT 10(INCI名:ヒドロキシエチルアクリレート/ナトリウムアクリロイルジメチルタウレートコポリマー)のような、名称ナトリウムアクリルアミド−2−メチルプロパンスルホネート/ヒドロキシエチルアクリレートコポリマーで販売されている製品のような、AMPS(登録商標)/ヒドロキシエチルアクリレートコポリマーを、より具体的に挙げることができる。
好ましい親油性ゲル化剤として、ジメチコンクロスポリマー(INCI名)、ジメチコン(および)ジメチコンクロスポリマー(INCI名)、ビニルジメチコンクロスポリマー(INCI名)、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー(INCI名)、ジメチコンクロスポリマー−3(INCI名)、特に、ジメチコンクロスポリマー(INCI名)、ならびにジメチコン(および)ジメチコンクロスポリマー(INCI名)から好ましくは選択される、オルガノポリシロキサンエラストマーを挙げることができる。
好ましい様式によると、好ましい親油性ゲル化剤として、シルセスキオキサン樹脂でコートされたオルガノポリシロキサンエラストマーのシリコーン油および/または粉末において分散されたシリコーンエラストマーのゲルをより具体的に挙げることができる。
したがって、特定の様式によると、シクロペンタジメチルシロキサン、ジメチコン、ジメチルシロキサン、メチルトリメチコン、フェニルメチコン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチコン、およびシクロメチコン、好ましくは、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、または25℃にて1〜500cStの範囲にある25℃での粘度を有するジメチコンから選択される直鎖シリコーン油、特に、以下の参照:
− Shin−Etsu社のKSG−6およびKSG−16のような、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー(および)ジメチコン;
− Dow Corning社のDC9041のような、ジメチコン(および)ジメチコンクロスポリマー;ならびに
− Dow Corning社のDow Corning EL−9240(登録商標)Silicone Elastomer Blendのような、ジメチコン(および)ジメチコンクロスポリマー
を含む非網羅的リストから選択されるシリコーン油中に分散されたシリコーンエラストマーのゲルが、使用される。
特に好ましい実施形態によると、本発明による組成物は、親油性ゲル化剤として、Dow Corningにより名称 DC 9041で販売されている、ポリジメチルシロキサンのヘキサジエン/ポリジメチルシロキサンとの混合物(5cSt)、およびDow Corningにより名称EL−9240(登録商標)Silicone Elastomer Blendで販売されているポリジメチルシロキサンのヘキサジエン/ポリジメチルシロキサンとの混合物(2cSt)のような、INCI名「ジメチコン(および)ジメチコンクロスポリマー」を有する架橋少なくとも1つのシリコーンエラストマー、好ましくは1〜100cSt、特に、25℃にて1〜10cStの範囲にある粘度を有するジメチコンを用いるものを含む。
別の特に好ましい様式によると、本発明による組成物は、少なくとも1つの、Shin−Etsu社により販売されている参照KSP−100のような、INCI名:ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサンクロスポリマーの、シルセスキオキサン樹脂でコートされたオルガノポリシロキサンエラストマーの粉末を含む。
本発明における使用に最も特に適当である、親水性ゲル化剤/親油性ゲル化剤システムの非限定的な説明として、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸/オルガノポリシロキサンエラストマーのポリマーまたはコポリマーシステムを特に挙げることができる。
したがって、本発明による組成物は、親水性ゲル化剤/親油性ゲル化剤システムとして、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸/オルガノポリシロキサンエラストマー(複数可)のポリマーシステム、または2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびヒドロキシエチルアクリレート/オルガノポリシロキサンエラストマー(複数可)のコポリマーを有利に含み得る。
好ましくは、本発明による組成物は、親水性ゲル化剤/親油性ゲル化剤システムとして、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびヒドロキシエチルアクリレート/オルガノポリシロキサンエラストマー粉末のコポリマーシステムを含み得る。
疎水性膜形成ポリマー
既に述べられた通り、主張される組成物は、少なくとも1つの、特に、以下で詳述される、疎水性膜形成ポリマーを含む。
このタイプのポリマーは、長時間に渡るマット効果の耐久力を有意に増大させることを可能にする限り、特に有利である。既に示された通り、これらのポリマーの性能は、本発明による組成物においてそれらを使用することにより、有利に増大される。
本発明の目的では、用語「ポリマー」は、1つまたは複数の単位(これらの単位は、モノマーとして公知の化合物からもたらされる)の繰り返しに対応する化合物を意味する。この、またはこれらの単位は、少なくとも2回、好ましくは、少なくとも3回繰り返される。
本発明の目的では、用語「疎水性膜形成ポリマー」は、水に対する親和性を有さず、この点において、それ自体に水性媒体中の溶質の形態の配合物を与えない、膜形成ポリマーを示すことが意図される。特に、用語「疎水性ポリマー」は、1質量%未満の25℃での水における溶解度を有するポリマーを意味する。
用語「膜形成ポリマー」は、それ自体により、または補助膜形成剤の存在下で、支持体、特に、ケラチン材料上の肉眼的につながった膜、好ましくは、粘着性膜、なお良好には、結合および機械特性が、例えば、前記膜が、非棒状表面、例えば、テフロンコートまたはシリコーンコート表面上に注入されることにより調製されるとき、前記膜が、単離において分離可能かつ操作可能であり得るような膜を形成する能力がある、ポリマーを意味する。
特に、疎水性膜形成ポリマーは、
− 有機溶媒媒体に可溶性である膜形成ポリマー、特に、脂溶性ポリマー、;これは、ポリマーが有機媒体に可溶性または混和性であり、それが媒体に組み込まれると、単一の均一な相を形成することを意味する;
− 有機溶媒媒体に分散性である膜形成ポリマー、これは、ポリマーが有機媒体に不溶性の相を形成し、この媒体に組み込まれると、安定性および/または適合性を維持することを意味する、(特に、かかるポリマーは、ポリマー粒子の非水性分散液、好ましくは、シリコーン油または炭化水素ベースの油における分散液の形態であり得、一実施形態では、非水性ポリマー分散液は、少なくとも1種の安定剤でそれらの表面上にて安定化されたポリマー粒子を含み、これらの非水性分散液は、NADとしてしばしば言及される);
− ポリマー粒子の水性分散液の形態の膜形成ポリマー、これはm、ポリマーが、水に不溶性の相を形成し、水に組み込まれると、安定性および/または適合性を維持し、ポリマー粒子が、少なくとも1種の安定剤でそれらの表面上にてできる限り安定化されることを意味する
を含む群から選択されるポリマーである。これらのポリマー粒子は、ラテックスとしてしばしば公知である。
特に挙げることができる疎水性膜形成ポリマーは、エチレン単位を生じる化合物のホモポリマーおよびコポリマー、アクリルポリマーおよびコポリマー、ポリウレタン、ポリエステル、ポリウレア、ニトロセルロースのようなセルロースベースのポリマー、シリコーン樹脂のようなシリコーンポリマー、シリコーンポリアミド、ポリシロキサンを含有するモノマーでグラフト化された非シリコーン有機骨格を生じるポリマー、ポリアミドポリマーおよびコポリマー、ならびにポリイソプレンを含む。
本発明による組成物は、組成物の総質量に対して0.1質量%〜30質量%、好ましくは、0.2質量%〜20質量%、なおより優先的には、0.5質量%〜15質量%の疎水性膜形成ポリマー(複数可)を含み得る。
特に、前記疎水性膜形成ポリマー(複数可)は、ゲル化された油相において全体的または部分的に存在し、好ましくは、ゲル化された油相中にのみ存在する。
本発明における使用に最も特に適当である疎水性膜形成ポリマーとして、エチレンブロックポリマー、少なくとも1つのカルボシロキサンデンドリマー誘導体およびシリコーン樹脂(T樹脂、MQ樹脂)を含むビニルポリマーを特に挙げることができる。
I.シリコーン樹脂
一実施形態の変形形態によると、本発明による組成物は、疎水性膜形成ポリマーとして、少なくとも1つのシリコーン樹脂を含み得る。
より一般には、用語「樹脂」は、構造が3次元である化合物を意味する。「シリコーン樹脂」はまた、「シロキサン樹脂」としても言及される。したがって、本発明の目的では、ポリジメチルシロキサンはシリコーン樹脂ではない。
シリコーン樹脂(シロキサン樹脂としても公知)の命名法は、名称「MDTQ」の下で公知であり、樹脂は、それが含む様々なシロキサンモノマー単位の機能として記載され、文字「MDTQ」のそれぞれが単位のタイプを特徴付ける。
文字Mは、式R1R2R3SiO1/2の単機能単位を表し、ケイ素原子は、この単位を含むポリマーにおける1つのみの酸素原子に結合する。
文字Dは、二機能単位R1R2SiO2/2[式中、ケイ素原子は2個の酸素原子に結合する]を意味する。
文字Tは、式R1SiO3/2の三機能単位を表す。
かかる樹脂は、例えば、Encyclopaedia of Polymer Science and Engineering, vol. 15, John Wiley & Sons, New York, (1989), pp. 265-270、ならびに米国特許第2 676 182号、米国特許第3 627 851号、米国特許第3 772 247号、米国特許第5 248 739号または米国特許第5 082 706号、米国特許第5 319 040号、米国特許第5 302 685号および米国特許第4 935 484号において記載される。
既に定義された単位M、DおよびTにおいて、R、すなわち、R1およびR2は、1〜10個の炭素原子を含有する炭化水素ベースのラジカル(特に、アルキル)、フェニル基、フェニルアルキル基、またはヒドロキシル基を表す。
最後に、文字Qは、四官能性単位SiO4/2[式中、ケイ素原子は、ポリマーの残りに結合するそれ自体である、4個の水素原子に結合する]を意味する。
異なる特性を有する様々なシリコーン樹脂は、これらの異なる単位、モノマー(または単位)のタイプの機能として変動するこれらのポリマーの特性、ラジカルRの性質および数、ポリマー鎖の長さ、分岐の程度、ならびにペンダント鎖のサイズから得られ得る。
本発明による組成物に使用され得るシリコーン樹脂として、例えば、MQタイプの、Tタイプの、またはMQTタイプのシリコーン樹脂が、使用され得る。
MQ樹脂
MQタイプのシリコーン樹脂の例として、式[(R1)3SiO1/2x(SiO4/2y(MQ単位)[式中、xおよびyは、50〜80の範囲にある整数であり、基R1は、既に定義されたラジカルを表し、好ましくは、1〜8個の炭素原子を含有するアルキル基、またはヒドロキシル基、好ましくは、メチル基である]ようなのアルキルシロキシシリケートを挙げることができる。
トリメチルシロキシシリケートタイプであるMQタイプの固体シリコーン樹脂の例として、General Electric社により参照SR1000の下で、Wacker社により参照TMS 803の下で、またはShin−Etsu社により名称KF−7312Jの下で、またはDow Corning社によりDC749もしくはDC593で販売されているものを挙げることができる。
MQシロキシシリケート単位を含むシリコーン樹脂として、フェニルプロピルジメチルシロキシシリケート(General Electric社により販売されているSilshine 151)のような、フェニルアルキルシロキシシリケート樹脂も挙げることができる。かかる樹脂の調製は、米国特許第5 817 302号において特に記載される。
T樹脂
挙げることができる、Tタイプのシリコーン樹脂の例は、式(RSiO3/2x(単位T)[式中、xは100より大きく、基Rは、1〜10個の炭素原子を含有するアルキル基であり、前記ポリシルセスキオキサンはまたSi−OH末端基もできる限り含む]ようなのポリシルセスキオキサンを含む。
好ましくは使用され得る、ポリメチルシルセスキオキサン樹脂は、Rが、メチル基を表すものであり、例えば、
− Belsil PMS MK:CH3SiO3/2繰り返し単位(単位T)を含み得、最大1質量%(CH32SiO2/2単位(単位D)も含み、平均分子量約10000g/molを有するポリマーのような、Wacker社により参照Resin MKの下で、または
− Shin−Etsu社により、式CH3SiO3/2の単位Tを含み、Si−OH(シラノール)末端基を有する、参照KR−220Lの下で、98%単位T、および2%ジメチル単位Dを含み、Si−OH末端基を有する、参照KR−242Aの下で、あるいは88%単位T、および12%ジメチル単位Dを含み、Si−OH末端基を有する、参照KR−251の下で販売されているものである。
MQT樹脂
特に公知である、MQT単位を含む樹脂は、文書米国特許第5 110 890号において述べられるものである。
MQTタイプの樹脂の好ましい形態は、MQT−プロピル(MQTprとしても公知である)樹脂である。本発明による組成物に使用され得る、かかる樹脂は、特に、特許出願公開第2005/075 542号において記載され、調製される樹脂である。
MQ−T−プロピル樹脂は、単位:
(i)(R13SiO1/2a
(ii)(R22SiO2/2b
(iii)(R3SiO3/2c、および
(iv)(SiO4/2d
(但し、
− R1、R2およびR3は、1〜10個の炭素原子を含有する、炭化水素ベースのラジカル、特に、アルキル、フェニル基、フェニルアルキル基、またはヒドロキシル基、好ましくは、1〜8個の炭素原子を含有するアルキルラジカル、またはフェニル基を独立して表し、
− aは0.05〜0.5であり、
− bは0〜0.3であり、
− cは0より大きく、
− dは0.05〜0.6であり、
− a+b+c+d=1であり、a、b、cおよびdはモル分率であり、
40mol%より多いシロキサン樹脂の基R3がプロピル基であるという条件である)
を好ましくは含む。
好ましくは、シロキサン樹脂は、以下の単位:
(i)(R13SiO1/2a
(iii)(R3SiO3/2c、および
(iv)(SiO4/2d
(但し、
− R1、およびR3は、1〜8個の炭素原子を含有するアルキル基を独立して表し、R1は、好ましくは、メチル基であり、R3は、好ましくは、プロピル基であり、
− aは0.05〜0.5、好ましくは、0.15〜0.4であり、
− cは0より大きく、好ましくは、0.15〜0.4であり、
− dは0.05〜0.6、好ましくは、0.2〜0.6、あるいは0.2〜0.55であり、
− a+b+c+d=1であり、a、b、cおよびdはモル分率であり、
40mol%より多いシロキサン樹脂の基R3がプロピル基であるという条件である)
を含む。
本発明により使用され得る、シロキサン樹脂は、
A)少なくとも80mol%単位(R13SiO1/2a、および(SiO4/2dを含むMQ樹脂;但し、
− R1は、1〜8個の炭素原子を含有するアルキル基、アリール基、カルビノール基、またはアミノ基を表し、
− aおよびdは0より大きく、
− 比a/dは0.5〜1.5である;
ならびに、
B) 少なくとも80mol%単位(R3SiO3/2cを含むT−プロピル樹脂;但し、 − R3は、1〜8個の炭素原子を含有するアルキル基、アリール基、カルビノール基、またはアミノ基を表し、
− cは0より大きく、
少なくとも40mol%の基R3がプロピル基であるという条件である)
の反応を含むプロセスを介して、得られ得、
ここで、質量比A/Bは、95/5〜15/85であり、好ましくは、質量比A/Bは30/70である。
有利には、A/B質量比は、95/5〜15/85である。好ましくは、A/B比は、70/30以下である。これらの好ましい比は、沈着物におけるMQ樹脂の固い粒子の浸透の不存在に起因して、十分な沈着物を可能にすることが証明された。
したがって、好ましくは、シリコーン樹脂は、
a) MQタイプの樹脂、特に、
(i)式[(R1)3SiO1/2x(SiO4/2y[式中、xおよびyは、50〜80の範囲にある整数であり、基R1は、1〜10個の炭素原子を含有する炭化水素ベースのラジカル、フェニル基、フェニルアルキル基、もしくはヒドロキシル基を表し、好ましくは、1〜8個の炭素原子を含有するアルキル基、好ましくは、メチル基である]ようなのトリメチルシロキシシリケートであり得る、アルキルシロキシシリケート、ならびに(ii)フェニルプロピルジメチルシロキシシリケートのようなフェニルアルキルシロキシシリケート樹脂、ならびに/または
b)式(RSiO3/2x[式中、xは、100より大きく、基Rは、1〜10個の炭素原子を含有するアルキル基、例えば、メチル基である]のポリシルセスキオキサンから特に選択されるTタイプの樹脂、前記ポリシルセスキオキサンは、Si−OH末端基もできる限り含む、ならびに/または
c)単位(i)(R13SiO1/2a、(ii)(R22SiO2/2b、(iii)(R3SiO3/2c、および(iv)(SiO4/2dを含み得る、MQTタイプの、特に、MQT−プロピルタイプの樹脂、
− 但し、R1、R2、およびR3は、1〜10個の炭素原子を含有する炭化水素ベースのラジカル、特に、アルキル、フェニル基、フェニルアルキル基、もしくはヒドロキシル基、好ましくは、1〜8個の炭素原子を含有するアルキルラジカル、またはフェニル基を独立して表し、
− aは0.05〜0.5であり、
− bは0〜0.3であり、
− cは0より大きく、
− dは0.05〜0.6であり、
− a+b+c+d=1であり、a、b、cおよびdはモル分率であり、
40mol%より多いシロキサン樹脂の基R3がプロピル基であるという条件である
を含む群から選択される。
有利には、本発明による組成物は、疎水性膜形成ポリマーとして、少なくとも1つのトリメチルシロキシシリケート樹脂を含んでもよい。
II.NADとしても公知の、ポリマー粒子の非水性分散液の形態の脂分散性膜形成ポリマー
別の実施形態の変形形態によると、本発明による組成物は、疎水性膜形成ポリマーとして、少なくとも1つの、NADとしても公知の、ポリマー粒子の非水性分散液の形態の脂分散性膜形成ポリマーから選択されるポリマーを含み得る。
使用され得る、疎水性膜形成ポリマーの非水性分散は、液体油相:
− 文書国際特許出願公開第04/055 081号に特に記載される、粒子の表面においてさらなる安定剤の不存在下で分散されたエチレンポリマー粒子の形態、
− または液体脂肪相において分散された表面が安定化された粒子の形態のいずれか
におけるグラフト化エチレンポリマー、好ましくは、アクリルポリマーの粒子の分散液を含む。表面が安定化されたポリマー粒子の分散液は、文書欧州特許出願公開第749747号において記載される通り、製造され得る。ポリマー粒子は、単独または混合物として、ブロックポリマー、グラフト化ポリマー、および/もしくはランダムなポリマーであり得る、安定剤により、特に、表面が安定化され得る。安定剤の存在下での、液体脂肪相における膜形成ポリマーの分散液は、文書欧州特許出願公開第748 746号、欧州特許出願公開第923 928号、および欧州特許出願公開第930 060号において特に記載される。
有利には、前記粒子の表面にてさらなる安定剤の不存在下で分散されたエチレンポリマー粒子の分散液が、使用される。
挙げることができる、NADタイプのポリマーの例は、イソドデカン中のアクリル分散液、例えば、Chimex社により販売されているMexomer PAP(登録商標)(ピレン/イソプレンコポリマーを含むイソドデカン中の分散液(25%)としてのアクリルコポリマー)を、より具体的には含む。
III.ブロックエチレンコポリマー
本発明の第1の実施形態によると、疎水性膜形成ポリマーは、40℃以上のガラス転移温度(Tg)を有し、1つもしくは複数の第1のモノマーから全体的または部分的にもたらされ、これらのモノマーから調製されるホモポリマーが、40℃以上のガラス転移温度を有するようなものである、少なくとも第1のブロック、および20℃以下のガラス転移温度を有し、1つもしくは複数の第2のモノマーから全体的または部分的にもたらされ、これらのモノマーから調製されるホモポリマーが、20℃以下のガラス転移温度を有するようなものである、少なくとも第2のブロックを含有するブロックエチレンコポリマーであり、前記第1のブロックならびに前記第2のブロックは、第1のブロックの前記第1の構成モノマーの少なくとも1つ、および第2のブロックの前記第2の構成モノマーの少なくとも1つを含む統計的中間セグメントを介して一緒に結合され、前記ブロックコポリマーが、2以上の多分散性指数Iを有する。
したがって、本発明により使用されるブロックポリマーは、少なくとも1つの第1のブロック、および少なくとも1つの第2のブロックを含む。
用語「少なくとも1つのブロック」は、1つまたは複数のブロックを意味することが意図される。
用語「ブロック」ポリマーは、少なくとも2つの異なるブロック、好ましくは、少なくとも3個の異なるブロックを含むポリマーを意味する。
用語「エチレンポリマー」は、エチレン不飽和を含むモノマーの重合作用により得られるポリマーを意味することが意図される。
本発明により使用される、エチレンブロックポリマーは、単機能モノマーのみから調製される。
これは、本発明により使用されるエチレンブロックポリマーが、多機能モノマーを含有せず、多機能モノマーの含有量の関数として、分岐、または架橋ポリマーでさえ得るように、ポリマーの直線性を崩壊することを可能にすることを意味する。本発明により使用されるポリマーは、グラフト化ポリマーの調製に使用される、マクロモノマー(用語「マクロモノマー」は、重合体の性質である垂下した基を含有し、好ましくは、500g/molより大きい分子量を有する、単機能モノマー、あるいはその末端の1つのみに、重合可能な(またはエチレン性不飽和の)末端基を含むポリマーを意味する)をいずれも含有しない。
前述および後述の文章において、用語「第1の」ならびに「第2の」ブロックは、ポリマーの構造において前記ブロックの並びをいずれの方法でも条件付けないことが指摘される。
本発明に使用される、ポリマーの第1のブロックおよび第2のブロックは、有利には、互いに不適合であってもよい。
用語「互いに非相溶性のブロック」は、第1のブロックに対応するポリマーならびに第2のブロックに対応するポリマーにより形成される混合物が、重合溶媒中で混和性でなく、前記ポリマーと前記重合溶媒の混合物の総質量に対して5質量%以上の前記ポリマーの混合物の含有量について、室温(25℃)および大気圧(105Pa)にて、ブロックポリマーの質量で主な量であり、
i)前記ポリマーが、それぞれの質量比が10/90〜90/10の範囲にあるように含有量において、混合物に存在すること、および
ii)第1のおよび第2のブロックに対応するポリマーのそれぞれが、ブロックポリマーのものと等しい平均(質量平均または数平均)モル質量±15%を有すること
が理解されることを意味する。
重合溶媒の混合物の場合において、および2種以上の溶媒が、同一の質量割合で存在する現象において、前記ポリマー混合物は、それらの少なくとも1種に混和性でない。
述べる必要はないが、単一の溶媒において行われる重合作用の場合において、この溶媒は、主要な量である溶媒である。
本発明によるブロックポリマーは、第1のブロックの少なくとも1つの構成モノマー、および第2のブロックの少なくとも1つの構成モノマーを含む中間セグメントを介して互いに結合する、少なくとも第1のブロックならびに少なくとも第2のブロックを含む。中間セグメント(中間ブロックとしても公知)は、第1のブロックと第2のブロックの間のガラス転移温度である、ガラス転移温度Tgを有する。
中間セグメントは、ポリマーの第1のブロックの少なくとも1つの構成モノマー、および第2のブロックの少なくとも1つの構成モノマーを含むブロックであり、これらのブロックが「適合される」ことを可能にする。
有利には、ポリマーの第1のブロックの少なくとも1つの構成モノマー、および第2のブロックの少なくとも1つの構成モノマーを含む中間セグメントは、統計的ポリマーである。
好ましくは、中間ブロックは、第1のブロックおよび第2のブロックの構成モノマーから本質的にもたらされる。
用語「本質的に」は、少なくとも85%、好ましくは、少なくとも90%、なお良好には、95%、なおより良好には、100%を意味する。
本発明によるブロックポリマーは、有利には、膜形成エチレンブロックポリマーである。
用語「エチレンポリマー」は、エチレン不飽和を含むモノマーの重合作用により得られるポリマーを意味することが意図される。
用語「膜形成ポリマー」は、それ自体により、または補助膜形成剤の存在下で、支持体、特に、ケラチン材料上のつながった沈着物を形成する能力がある、ポリマーを意味する。
優先的には、本発明によるポリマーは、その骨格においてケイ素原子を含まない。用語「骨格」は、垂下した側鎖に向かい合った、ポリマーの主鎖を意味する。
好ましくは、本発明によるポリマーは、水溶性でなく、すなわち、ポリマーは、固体含有量少なくとも1質量%において、室温(25℃)でpHを修飾することなく、水または水の混合物、および2〜5個の炭素原子を含有する直鎖または分岐の低級モノアルコール、例えば、エタノール、イソプロパノール、もしくはn−プロパノールに溶解しない。
好ましくは、本発明によるポリマーは、エラストマーではない。
用語「非エラストマーポリマー」は、それが、(例えば、その開始の長さに対して30%)それを引っ張ることが意図される制約の対象にされるとき、制約を中止するとき、その開始の長さと実質的に同一の長さまで戻らない、ポリマーを意味する。
より具体的には、用語「非エラストマーポリマー」は、30%の伸長にかけた後、瞬間回復Ri<50%、および遅延回復R2h<70%を有するポリマーを示す。好ましくは、Riは、<30%であり、R2hは、<50%である。
より具体的には、ポリマーの非エラストマーの性質は、以下のプロトコールに従い決定される。
ポリマー膜は、ポリマーの溶液をテフロンでコートした型に注ぐこと、続いて、7日間、23±5℃、および相対湿度50±10%に条件付けられた環境において乾燥させることにより、調製される。
したがって、膜厚約100μmは、それから、長方形の試験試料(例えば、パンチを使用して)を幅15mmおよび長さ80mmに切断することから得られる。
この試料は、乾燥のためと同一の温度および湿度条件下で、参照Zwickで販売されている機械を使用して引張応力の対象にされる。
試験試料は、速度50mm/分で引っ張られ、挟んだ部分の間の距離は50mmであり、それは、試験試料の開始の長さ(I0)に対応する。
瞬間回復Riは、以下の方法:
− 試験試料が、30%(εmax)、すなわち、約0.3倍のその開始の長さ(I0)引っ張られる、
− 引張速度と等しい戻速度、すなわち、50mm/分を課すことにより、応力が取り除かれ、試料の残りの伸長が、負荷した0応力(εi)まで戻った後のパーセンテージとして測定される、
において決定される。
パーセンテージ瞬間回復(Ri)は、以下の式:
i=((εmax-εi)/εmax)×100
により与えられる。
遅延回復を決定するために、試験試料のパーセンテージ残りの伸長(ε2h)は、2時間後、負荷した0応力まで戻った2時間後に測定される。
パーセンテージ遅延回復(R2h)は、以下の式:
2h=(εmax-ε2h)/εmax)×100
により与えられる。
単にガイドとして、本発明の一実施形態によるポリマーは、瞬間回復Ri10%、および遅延回復R2h30%を好ましくは有する。
本発明のポリマーの多分散性指数は、2より大きい。
有利には、本発明による組成物に使用されるブロックポリマーは、2より大きい、例えば、2〜9の範囲にある、好ましくは、2.5以上、例えば、2.5〜8の範囲にある、なお良好には、2.8以上、特に、2.8〜6の範囲にある多分散性指数Iを有する。
ポリマーの多分散性指数Iは、質量平均質量Mwの数平均質量Mnに対する比と等しい。
質量平均分子量(Mw)、および数平均モル質量(Mn)は、ゲルパーミエーション液体クロマトグラフィー(THF溶媒、線状ポリスチレン標準で確立された較正曲線、屈折率検出器)により決定される。
本発明によるポリマーの質量平均質量(Mw)は、好ましくは、300000以下であり、それは、例えば、35000〜200000、なお良好には、45000〜150000g/molの範囲にある。
本発明によるポリマーの数平均質量(Mn)は、好ましくは、70000以下であり、それは、例えば、10000〜60000、なお良好には、12000〜50000g/molの範囲にある。
好ましくは、本発明によるポリマーの多分散性指数は、2より大きく、例えば、2〜9の範囲にあり、好ましくは、2.5以上、例えば、2.5〜8の範囲にあり、なお良好には、2.8以上、特に、2.8〜6の範囲にある。
40℃以上のTgを有する第1のブロック
40℃以上のTgを有するブロックは、例えば、40〜150℃の範囲にある、好ましくは、50℃以上、例えば、50℃〜120℃の範囲にある、なお良好には、60℃以上、例えば、60℃〜120℃の範囲にあるTgを有する。
第1のおよび第2のブロックについて示されるガラス転移温度は、ブロックのそれぞれの構成モノマーの理論上のTg値から決定される理論上のTg値であり得、フォックスの法則として公知の、以下の関係:
1/Tg=Σ(ωi/Tgi),i
(ωiは、考慮中のブロックにおけるモノマーiの質量分率であり、Tgiは、モノマーiのホモポリマーのガラス転移温度である)
に従い、Polymer Handbook, 3rd Edition, 1989, John Wileyのような参照マニュアルにおいて見られ得る。
別段示されない限り、本特許出願において第1のおよび第2のブロックについて示されるTg値は、理論上のTg値である。
第1のおよび第2のブロックのガラス転移温度間の差は、一般に、10℃より大きく、好ましくは、20℃より大きく、なお良好には、30℃より大きい。
本発明において、表現「...〜...」は、述べられた境界が除かれる、値の範囲を示すことが意図され、「...〜...の」および「...〜...の範囲にある」は、境界が含まれる、値の範囲を示すことが意図される。
40℃以上のTgを有するブロックは、ホモポリマーまたはコポリマーであり得る。
40℃以上のTgを有するブロックは、これらのモノマーから調製されるホモポリマーが、40℃以上のガラス転移温度を有するようなものである、1つまたは複数のモノマーから全体的もしくは部分的にもたらされ得る。このブロックはまた、「固いブロック」としても言及され得る。
このブロックがホモポリマーである場合において、それは、これらのモノマーから調製されるホモポリマーが、40℃以上のガラス転移温度を有するようなものである、モノマーからもたらされる。この第1のブロックは、1タイプのモノマー(対応するホモポリマーのそのTgは、40℃以上である)のみからなるホモポリマーであり得る。
第1のブロックがコポリマーである場合において、それは、1つまたは複数のモノマーから全体的もしくは部分的にもたらされ得、その性質および濃度は、得られたコポリマーのTgが、40℃以上であるように選択される。
コポリマーは、例えば、
− これらのモノマーから調製されるホモポリマーが、40℃以上、例えば、40℃〜150℃の範囲にあるTg、好ましくは、50℃以上、例えば、50℃〜120℃の範囲にある、なお良好には、60℃以上、例えば、60℃〜120℃の範囲にあるTg値を有するようなものである、モノマー、および
− これらのモノマーから調製されるホモポリマーが、後述される、20℃〜40℃のTgを有するモノマー、および/または20℃以下、例えば、−100℃〜20℃の範囲にある、好ましくは、15℃未満、特に、−0℃〜15℃の範囲にある、なお良好には、10℃未満、例えば、−50℃〜0℃の範囲にあるTgを有するモノマーから選択される、40℃未満のTg値を有するようなものである、モノマー
を含んでもよい。
ホモポリマーが40℃以上のガラス転移温度を有する、第1のモノマーは、主モノマーとしても公知の、以下のモノマー:
− 式CH2=C(CH3)−COOR1のメタクリレート
[式中、R1は、メチル、エチル、プロピル、またはイソブチル基のような、1〜4個の炭素原子を含有する、直鎖または分岐の置換されていないアルキル基を表すか、またはR1は、C4−C12シクロアルキル基、好ましくは、イソボルニルメタクリレートのような、C8−C12シクロアルキルを表す]、
− 式CH2=CH−COOR2のアクリレート、
[式中、R2は、イソボルニル基またはtert−ブチル基のような、C4−C12シクロアルキル基を表す]、
− 式の(メタ)アクリルアミド:
[式中、R7、およびR8は、同一であるか、または異なっていてもよく、それぞれが、水素原子、あるいはn−ブチル、t−ブチル、イソプロピル、イソヘキシル、イソオクチルもしくはイソノニル基のような、直鎖または分岐のC1−C12アルキル基を表すか、あるいはR7は、Hを表し、R8は、1,1−ジメチル−3−オクソブチル基を表し、
R’は、Hまたはメチルを表す]
から好ましくは選択される。挙げることができるモノマーの例は、N−ブチルアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミドおよびN,N−ジブチルアクリルアミド、ならびにその混合物を含む。
第1のブロックは、少なくとも1つの式CH2=CH−COOR2のアクリレートモノマー、および少なくとも1つの式CH2=C(CH3)−COOR2[式中、R2は、C4−C12シクロアルキル基、好ましくは、イソボルニルのような、C8−C12シクロアルキルを表す]のメタクリレートモノマーから有利に得られる。モノマーおよびその割合は、第1のブロックのガラス転移温度が40℃以上であるように、好ましくは選択される。
一実施形態によると、第1のブロックは、
i)少なくとも1つの式CH2=CH−COOR2
[式中、R2は、C4−C12シクロアルキル基、好ましくは、イソボルニルのような、C8−C12シクロアルキル基を表す]のアクリレートモノマー、
ii)および少なくとも1つの式CH2=C(CH3)−COOR’2[式中、R'2は、C4−C12シクロアルキル基、好ましくは、イソボルニルのような、C8−C12シクロアルキル基を表す]のメタアクリレートモノマー
から得られる。
一実施形態によると、第1のブロックは、少なくとも1つの式CH2=CH−COOR2[式中、R2は、イソボルニルのような、C8−C12シクロアルキル基を表す]のアクリレートモノマー、および少なくとも1つの式CH2=C(CH3)−COOR'2[式中、R'2は、イソボルニルのような、C8−C12シクロアルキル基を表す]のメタクリレートモノマーから得られる。
好ましくは、R2、およびR'2は、イソボルニル基を独立してまたは同時に表す。
好ましくは、ブロックコポリマーは、50質量%〜80質量%イソボルニルメタクリレート/アクリレート、10質量%〜30質量%イソブチルアクリレート、および2質量%〜10質量%アクリル酸を含む。
第1のブロックは、前記アクリレートモノマーから、および前記メタクリレートモノマーからもっぱら得られ得る。
アクリレートモノマーおよびメタクリレートモノマーは、好ましくは、30/70〜70/30、好ましくは、40/60〜60/40、特に、50/50の順の質量割合である。
第1のブロックの割合は、有利には、20質量%〜90質量%、なお良好には、30質量%〜80質量%、よりなお良好には、60質量%〜80質量%ポリマーの範囲にある。
一実施形態によると、第1のブロックは、イソボルニルメタクリレートおよびイソボルニルアクリレートの重合作用により得られる。
20℃未満のガラス転移温度を有する第2のブロック
第2のブロックは、有利には、20℃以下、例えば、−100℃〜20℃の範囲にあるTg、好ましくは、15℃以下、特に、−80℃〜15℃の範囲にあり、なお良好には、10℃以下、例えば、−100℃〜10℃の範囲にある、特に、−30℃〜10℃の範囲にあるガラス転移温度Tgを有する。
第2のブロックは、1つまたは複数の第2のモノマーから全体的もしくは部分的にもたらされ、それらのモノマーから調製されるホモポリマーが、20℃以下のガラス転移温度を有するようである。
このブロックはまた、「柔軟なブロック」としても言及され得る。
20℃以下のTgを有するモノマー(第2のモノマーとして公知)は、以下のモノマー:
− 式CH2=CHCOOR3(R3は、tert−ブチル基を除く、直鎖または分岐のC1−C12の置換されていないアルキル基を表し、ここで、O、N、およびSから選択される、1つまたは複数のヘテロ原子が任意選択で挿入される)のアクリレート、
− 式CH2=C(CH3)−COOR4(R4は、直鎖または分岐のC6−C12の置換されていないアルキル基を表し、ここで、O、N、およびSから選択される、1つまたは複数のヘテロ原子が任意選択で挿入される)のメタクリレート、
− 式R5−CO−O−CH=CH2[式中、R5は、直鎖または分岐のC4−C12アルキル基を表す]のビニルエステル、
− ビニルアルコールおよびC4−C12アルコールのエーテル、
− N−オクチルアクリルアミドのような、N−(C4−C12)アルキルアクリルアミド、
− ならびにその混合物
から好ましくは選択される。
20℃以下のTgを有する好ましいモノマーは、イソブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、またはすべての割合のその混合物である。
第1のおよび第2のブロックのそれぞれは、少ない割合で少なくとも1つの、他のブロックの構成モノマーを含有してもよい。
したがって、第1のブロックは、少なくとも1つの、第2のブロックの構成モノマーを含有してもよく、逆もまた同様である。
第1のおよび/または第2のブロックのそれぞれは、上で示されたモノマーに加えて、上述の主モノマーと異なる、1つまたは複数の、さらなるモノマーとして公知の他のモノマーを含んでもよい。
このまたはこれらのさらなるモノマーの性質および量は、それらが存在するブロックが、所望のガラス転移温度を有するように選択される。
このさらなるモノマーは、例えば、
− 少なくとも1つの3級アミン官能基、例えば、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレートおよびジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ならびにその塩を含む、エチレン性不飽和のモノマー、
− 式CH2=C(CH3)−COOR6[式中、R6は、メチル、エチル、プロピル、もしくはイソブチル基のような、1〜4個の炭素原子を含有する直鎖または分岐のアルキル基を表し、前記アルキル基は、ヒドロキシル基(例えば、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートおよび2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ならびにトリフルオロエチルメタクリレートのような、ハロゲン原子(Cl、Br、IまたはF)から選択される、1つまたは複数の置換基で置換されている]のメタクリレート、
− 式CH2=C(CH3)−COOR9(R9は、直鎖または分岐のC6−C12アルキル基(ここで、O、N、およびSから選択される、1つまたは複数のヘテロ原子が任意選択で挿入され、前記アルキル基は、ヒドロキシル基、ならびにハロゲン原子(Cl、Br、I、およびF)から選択される、1つまたは複数の置換基で置換されている)のメタクリレート、
− 式CH2=CHCOOR10(R10は、2−ヒドロキシプロピルアクリレートおよび2−ヒドロキシエチルアクリレートのような、ヒドロキシル基ならびにハロゲン原子(Cl、Br、IもしくはF)から選択される、1つまたは複数の置換基で置換されている、直鎖または分岐のC1−C12アルキル基を表すか、あるいはR10は、オキシエチレン単位の繰り返しを5〜10回有するC1−C12アルキル−O−POE(ポリオキシエチレン)、例えば、メトキシ−POEを表すか、あるいはR10は、5〜10個のエチレンオキシド単位を含むポリオキシエチレン化基を表す]のアクリレート
から選択される。
特に、第1のブロックは、さらなるモノマーとして、
− (メタ)アクリル酸、好ましくは、アクリル酸、
− tert−ブチルアクリレート、
− 式CH2=C(CH3)−COOR1[式中、R1は、メチル、エチル、プロピル、またはイソブチル基のような、1〜4個の炭素原子を含有する直鎖または分岐の置換されていないアルキル基を表す]のメタクリレート、
− 式:
[式中、R7、およびR8は、同一であるか、もしくは異なっていてもよく、それぞれが、水素原子、あるいはn−ブチル、t−ブチル、イソプロピル、イソヘキシル、イソオクチルもしくはイソノニル基のような、直鎖または分岐のC1−C12アルキル基を表すか、あるいはR7はHを表し、R8は、1,1−ジメチル−3−オクソブチル基を表し、
R’は、Hまたはメチルを示す]
の(メタ)アクリルアミド、(挙げることができるモノマーの例は、N−ブチルアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、およびN,N−ジブチルアクリルアミドを含む)
− ならびにその混合物
を含み得る。
さらなるモノマーは、ポリマーの質量に対して0.5質量%〜30質量%を表し得る。一実施形態によると、本発明のポリマーは、さらなるモノマーを含有しない。
好ましくは、本発明のポリマーは、第1のブロックにおいて、少なくともイソボルニルアクリレートおよびイソボルニルメタクリレートモノマー、ならびに第2のブロックにおいてイソブチルアクリレートおよびアクリル酸モノマーを含む。
好ましくは、ポリマーは、第1のブロックにおいて均等な質量割合で少なくともイソボルニルアクリレートおよびイソボルニルメタクリレートモノマー、ならびに第2のブロックにおいてイソブチルアクリレートおよびアクリル酸モノマーを含む。
好ましくは、ポリマーは、少なくとも、第1のブロックにおいて均等な質量割合でイソボルニルアクリレートおよびイソボルニルメタクリレートモノマー、ならびに第2のブロックにおいてイソブチルアクリレートおよびアクリル酸モノマーを含み、第1のブロックは、70質量%のポリマーを表す。
好ましくは、ポリマーは、第1のブロックにおいて均等な質量割合で少なくともイソボルニルアクリレートおよびイソボルニルメタクリレートモノマー、ならびに第2のブロックにおいてイソブチルアクリレートおよびアクリル酸モノマーを含む。好ましくは、40℃未満のTgを有するブロックは、70質量%のポリマーを表し、アクリル酸は、5質量%のポリマーを表す。
一実施形態によると、第1のブロックは、さらなるモノマーを含まない。
好ましい一実施形態によると、第2のブロックは、アクリル酸をさらなるモノマーとして含む。特に、第2のブロックは、アクリル酸モノマーから、および少なくとも1つの、20℃以下のTgを有する他のモノマーから有利に得られる。
ブロックコポリマーは、有利には、前記コポリマーの総質量に対して2質量%より多いアクリル酸モノマー、特に、2質量%〜15質量%、例えば、3質量%〜15質量%、特に、4質量%〜15質量%、なお4質量%〜10質量%のアクリル酸モノマーを含み得る。
第2のブロックの構成モノマー、およびその割合は、第2のブロックのガラス転移温度が、20℃以下であるように、選択される。
中間セグメント
中間セグメント(中間ブロックとしても公知)は、本発明により使用されるポリマーの第1のブロックと第2のブロックを結合させる。中間セグメントは、
i)第1のブロックを形成するための90%の変換である最大程度までのそれらの重合作用後、利用可能なままである、第1のモノマー(複数可)の、任意選択で、さらなるモノマー(複数可)の
ii)および反応混合物に加えられる、第2のモノマー(複数可)の、任意選択で、さらなるモノマー(複数可)の、
重合作用から生じる。
第1のモノマーが、もはや反応しないか、もしくはポリマー鎖にもはや取り込まれないかのいずれかのとき、それらは、すべて消費されているので、あるいはそれらの反応性は、それらが反応することをもはや可能にしないので、第2のブロックの形成が開始される。
したがって、中間セグメントは、ポリマーの合成中の第2のモノマー(複数可)の導入中に、これらの第1のモノマーの変換の程度90%以下からもたらされる、第1の利用可能なモノマーを含む。
ブロックポリマーの中間セグメントは、統計的ポリマー(統計的ブロックとしても言及され得る)である。これは、それが、ランダムな配分の第1のモノマー(複数可)および第2のモノマー(複数可)、および任意選択で存在するさらなるモノマー(複数可)も含むことを意味する。
したがって、第1のブロックおよび第2のブロックである、それらが、ホモポリマーでないなら(すなわち、それらが共に、少なくとも2つの異なるモノマーから形成されるなら)、中間セグメントは、統計的ブロックである。
コポリマーを調製するプロセス
本発明によるブロックエチレンコポリマーは、このタイプの重合作用について周知である技術に従い、遊離ラジカル重合作用により調製される。
遊離ラジカル重合作用は、その性質が、所望の重合作用温度および重合溶媒の機能として、公知の方法で、適合される、開始剤の存在下で行われる。特に、開始剤は、当業者に公知の、過酸化能官物基を生じる開始剤、レドックス対、または他の遊離ラジカル重合作用開始剤から選択され得る。
特に、挙げることができる過酸化物官能基を生じる開始剤の例は、
a.tert−ブチルペルオキシアセテート、tert−ブチルペルベンゾエート、tert−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート(Akzo NobelのTrigonox 21S)または2、5−ビス(2−エチルヘキサノイルペルオキシ)−2、5−ジメチルヘキサン(Akzo NobelのTrigonox 141)のようなペルオキシエステル;
b.ジイソプロピルペルオキシジカルボネートのようなペルオキシジカルボネート;
c.メチルエチルケトンペルオキシドのようなペルオキシケトン;
d.過酸化水素水溶液(H22)またはtert−ブチルヒドロペルオキシドのようなヒドロペルオキシド;
e.アセチルペルオキシドまたはベンゾイルペルオキシドのようなジアシルペルオキシド;
f.ジ−tert−ブチルペルオキシドのようなジアルキルペルオキシド;
g.ペルオキソ二硫酸カリウム(K228)のような鉱物過酸化物
を含む。
レドックス対の形態の開始剤として、チオ硫酸カリウムおよびペルオキソ二硫酸カリウム対などを挙げることができる。
好ましい実施形態によると、開始剤は、8〜30個の炭素原子を含む有機過酸化物から選択される。好ましくは、使用される開始剤は、Akzo Nobel社により参照Trigonox(登録商標)141で販売されている、2、5−ビス(2−エチルヘキサノイルペルオキシ)−2、5−ジメチルヘキサンである。
本発明により使用されるブロックコポリマーは、遊離ラジカル重合作用により調製され、制御された、または現在の重合作用によっては調製されない。特に、ブロックエチレンコポリマーの重合作用は、制御剤の不存在下、特に、ニトロオキシド、アルコキシアミン、ジチオエステル、ジチオカバメート、ジチオカルボナートもしくはキサンテート、トリチオカルボネート、または銅ベースの触媒などのような、現在または制御された重合作用プロセスにおいて従来使用される制御剤の不存在下で行われる。
既に述べられた通り、第1のブロックおよび第2のブロックである、それらが、ホモポリマーでないなら(すなわち、それらが共に、少なくとも2つの異なるモノマーから形成されるなら)、中間セグメントは、ランダムブロックである。
ブロックコポリマーは、遊離ラジカル重合作用により、特に、同一の反応器において、重合溶媒、開始剤、少なくとも1つの40℃以上のガラス転移温度を有するモノマー、および少なくとも1つの20℃以下のガラス転移温度を有するモノマーを、以下の順序:
− 第1の添加のため、重合溶媒の一部、および任意選択で、開始剤の一部、およびモノマーの一部が、反応器に注がれ、混合物が、60℃〜120℃の反応温度まで加熱され、
− 次に、前記少なくとも1つの、40℃以上のTgを有する第1のモノマー、および任意選択で、開始剤の一部が、第1の添加において注がれ、混合物が、前記モノマーの90%の変換である最大程度に対応する時間Tの間反応させられる、
− 次に、さらなる重合作用開始剤、および前記少なくとも1つの、20℃以下のガラス転移温度を有する第2のモノマーが、第2の添加において、反応器に注がれ、混合物が、前記モノマーの変換の程度がプラトーに達する後の時間T’の間反応させられる、
− 反応混合物が、室温まで冷却される、
に従い、混合することからなるプロセスにより、調製され得る。
好ましくは、コポリマーは、遊離ラジカル重合作用により、特に、同一の反応器において、重合溶媒、開始剤、アクリル酸モノマー、少なくとも1つの20℃以下のガラス転移温度を有するモノマー、少なくとも1つの式CH2=CH−COOR2[式中、R2は、C4−C12シクロアルキル基を表す]のアクリレートモノマー、および少なくとも1つの式CH2=C(CH3)−COOR'2[式中、R'2は、C4−C12シクロアルキル基を表す]のメタクリレートモノマーを、以下の工程順序:
− 第1の添加のため、重合溶媒の一部、および任意選択で、開始剤の一部、およびモノマーの一部が、反応器に注がれ、混合物が、60℃〜120℃の反応温度まで加熱され、
− 次に、40℃以上のTgを有するモノマーとして、前記少なくとも1つの式CH2=CH−COOR2のアクリレートモノマーおよび前記少なくとも1つの式CH2=C(CH3)−COOR'2のメタクリレートモノマー、ならびに任意選択で、開始剤の一部が、第1の添加において注がれ、混合物が、前記モノマーの90%の変換である最大程度に対応する時間Tの間反応させられる、
− 次に、さらなる重合作用開始剤、アクリル酸モノマー、および前記少なくとも1つの20℃以下のガラス転移温度を有するモノマーが、第2の添加において、反応器に注がれ、混合物が、前記モノマーの変換の程度がプラトーに達する後の時間T’の間反応させられる、
− 反応混合物が、室温まで冷却される、
に従い、混合することからなるプロセスにより、調製され得る。
用語「重合溶媒」は、溶媒または溶媒の混合物を意味することが意図される。特に、使用され得る重合溶媒として、
− メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、イソフォロン、シクロヘキサノン、またはアセトンのような、室温にて液体であるケトン;
− プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、またはジプロピレングリコールモノn−ブチルエーテルのような、室温にて液体であるプロピレングリコールエーテル;
− エチルアセテート、メチルアセテート、プロピルアセテート、n−ブチルアセテート、またはイソペンチルアセテートのような、トータルで3〜8個の炭素原子を含有する短鎖エステル;
− ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、またはジクロロジエチルエーテルのような、室温にて液体であるエーテル;
− デカン、ヘプタン、ドデカン、イソドデカン、シクロヘキサン、およびイソヘキサデカンのような、室温にて液体であるアルカン;
− トルエン、およびキシレンのような、室温にて液体である芳香族環式化合物;ベンズアルデヒド、およびアセトアルデヒドのような、室温にて液体であるアルデヒド、ならびにその混合物
を挙げることができる。
従来、重合溶媒は、80℃未満の引火点を有する揮発油である。引火点は、特に、標準ISO3679に従い測定される。
重合溶媒は、酢酸エチル、酢酸ブチル、イソプロパノールまたはエタノールのようなアルコール、およびイソドデカンのような脂肪族アルカン、ならびにその混合物から特に選択され得る。好ましくは、重合溶媒は、酢酸ブチルとイソプロパノールまたはイソドデカンの混合物である。
別の実施形態によると、コポリマーは、以下の工程順序:
− 第1の添加のため、重合溶媒の一部、および任意選択で、開始剤の一部、およびモノマーの一部が、反応器に注がれ、混合物が、60℃〜120℃の反応温度まで加熱され、
− 次に、前記少なくとも1つの20℃以下のガラス転移温度を有するモノマー、および任意選択で、開始剤の一部が、第1の添加において、注がれ、混合物が、前記モノマーの90%の変換である最大程度に対応する時間Tの間反応させられる、
− 次に、さらなる重合作用開始剤、および前記少なくとも1つの40℃以上のTgを有するモノマーが、第2の添加において、反応器に注がれ、前記モノマーの変換の程度がプラトーに達する後の時間T’の間反応させられる、
− 反応混合物が、室温まで冷却される、
に従い、同一の反応器において、重合溶媒、開始剤、少なくとも1つの20℃以下のガラス転移温度を有するモノマー、および少なくとも1つの40℃以上のTgを有するモノマーを混合することからなる調製プロセスに従った、遊離ラジカル重合作用により、調製され得る。
好ましい実施形態によると、コポリマーは、
以下の工程順序:
− 第1の添加のため、重合溶媒の一部、および任意選択で、開始剤の一部、およびモノマーの一部が、反応器に注がれ、混合物が、60℃〜120℃の反応温度まで加熱され、
− 次に、アクリル酸モノマー、および前記少なくとも1つの20℃以下のガラス転移温度を有するモノマー、および任意選択で、開始剤の一部が、第1の添加において、注がれ、混合物が、前記モノマーの90%の変換である最大程度に対応する時間Tの間反応させられる、
− 次に、さらなる重合作用開始剤、40℃以上のTgを有するモノマーとして、前記少なくとも1つの式CH2=CH−COOR2のアクリレートモノマーおよび前記少なくとも1つの式CH2=C(CH3)−COOR’2のメタクリレートモノマーが、第2の添加において、反応器に注がれ、混合物が、前記モノマーの変換の程度がプラトーに達する後の時間T’の間反応させられる、
− 反応混合物が、室温まで冷却される、
に従い、同一の反応器において、重合溶媒、開始剤、アクリル酸モノマー、少なくとも1つの20℃以下のガラス転移温度を有するモノマー、少なくとも1つの40℃以上のTgを有するモノマー、特に、40℃以上のTgを有するモノマーとして、少なくとも1つの式CH2=CH−COOR2[式中、R2は、C4−C12シクロアルキル基を表す]のアクリレートモノマー、および少なくとも1つの式CH2=C(CH3)−COOR’2[式中、R'2は、C4−C12シクロアルキル基を表す]のメタクリレートモノマーを混合することからなる調製プロセスに従った、遊離ラジカル重合作用により、調製され得る。
重合作用温度は、好ましくは、約90℃である。
第2の添加後の反応時間は、好ましくは、3〜6時間である。
好ましくは、ブロックエチレンコポリマーは、組成物の総質量に対して0.1質量%〜60質量%、なお良好には、0.5質量%〜50質量%、なお良好には、1質量%〜30質量%、なおより良好には、1質量%〜40質量%の範囲にある固体含有量で組成物において存在する。
合成溶媒の蒸留
前記揮発油または溶媒(従来、イソドデカン)の全体的または部分的除去の工程を行うことが可能である。次に、これは、特に、任意選択で真空下での、蒸留、およびオクチルドデシルネオペンタノエート(特に、2−オクチルドデシルネオペンタノエート)のような、少なくとも16個の炭素原子を含み、モル質量650g/mol未満を有する不揮発炭化水素ベースのエステル油の場合による添加により行われる。
この工程は、上昇した温度にて、任意選択で真空下で行われ、最大量の揮発性合成溶媒が留去され、当業者に公知である。
ポリアミドシリコーンブロックポリマー
別の実施形態の変形形態によると、本発明による組成物は、疎水性膜形成ポリマーとして、少なくとも1つの、シリコーンポリアミドとしても公知の、ポリアミドシリコーンブロックポリマーを含む。
シリコーンポリアミドは、好ましくは、室温(25℃)および大気圧(760mmHg)にて固体である。
本発明の目的では、用語「ポリマー」は、少なくとも2個の繰り返し単位、好ましくは、少なくとも3個の繰り返し単位、なお良好には、10個の繰り返し単位を含有する化合物を意味する。
本発明の組成物のシリコーンポリアミドは、ポリオルガノシロキサンタイプのポリマー、例えば、文書米国特許出願公開第5 874 069号、米国特許出願公開第5 919 441号、米国特許出願公開第6 051 216号、および米国特許出願公開第5 981 680号において記載されるものであり得る。本発明によると、シリコーンポリマーは、以下の2つのファミリー:
(1)少なくとも2個のアミド基を含むポリオルガノシロキサン、これらの2個の基は、ポリマー鎖に位置する、および/または
(2)少なくとも2個のアミド基を含むポリオルガノシロキサン、これらの2個の基は、グラフトもしくは分岐上に位置する
に属し得る。
第1の変形形態によると、シリコーンポリマーは、上で定義されたポリオルガノシロキサンであり、ここで、水素相互作用を確立することができる単位は、ポリマー鎖に位置する。
シリコーンポリマーは、より具体的には、一般式I:
[式中、
− R4、R5、R6、およびR7は、同一であるか、もしくは異なっていてもよく、 − それらの鎖において、1つもしくは複数の酸素、硫黄および/または窒素原子を含有してもよく、フッ素原子で部分的または全体的に置換されていてもよい、飽和あるいは不飽和の、直鎖、分岐、または環式C1−C40炭化水素ベースの基、
− 1つまたは複数のC1−C4アルキル基で任意選択で置換されている、C6−C10アリール基、
− 1つもしくは複数の酸素、硫黄、および/または窒素原子をできる限り含有する、ポリオルガノシロキサン鎖
から選択される基を表し、
基Xは、同一であるか、または異なっていてもよく、その鎖において、1つもしくは複数の酸素、および/または窒素原子をできる限り含有する、直鎖あるいは分岐のC1−C30アルキレンジイル基を表し、
− Yは、飽和もしくは不飽和のC1−C50直鎖または分岐のアルキレン、アリーレン、シクロアルキレン、アルキルアリーレン、あるいはアリールアルキレン2価の基であり、1つもしくは複数の酸素、硫黄および/または窒素原子を含んでもよく、置換基として、以下の原子または原子の基:フッ素、ヒドロキシル、C3−C8シクロアルキル、C1−C40アルキル、C5−C10アリール、1〜3個のC1−C3アルキルで任意選択で置換されているフェニル、C1−C3ヒドロキシアルキル、およびC1−C6アミノアルキル基の1つを生じてもよいか、あるいは
− Yは、式:
[式中、
− Tは、ポリオルガノシロキサン鎖で任意選択で置換されている、O、NおよびSから選択される1つまたは複数の原子をできる限り含有する、直鎖もしくは分岐の、飽和または不飽和のC3−C24の3価あるいは4価の炭化水素ベースの基を表すか、あるいはTは、N、PおよびAlから選択される3価の原子を表し、
− R8は、1つもしくは複数のエステル、アミド、ウレタン、チオカルバメート、尿素、チオウレア、および/もしくはスルホンアミド基をできる限り含む、直鎖または分岐のC1−C50アルキル基あるいはポリオルガノシロキサン鎖を表し、ポリマーの別の鎖にできる限り結合してもよく;
− 基Gは、同一であるか、または異なっていてもよく、
(式中、ポリマーの基R9の少なくとも50%が、水素原子を表し、ポリマーの基Gの少なくとも2つが、
以外の基であるという条件で、R9は、水素原子、または直鎖もしくは分岐のC1−C20アルキル基を表す)
から選択される2価の基を表し、
nは、2〜500、好ましくは、2〜200の範囲にある整数であり、mは、1〜1000、好ましくは、1〜700、なお良好には、6〜200の範囲にある整数である]
に対応する少なくとも1つの単位を含むポリマーであり得る。
本発明によると、ポリマーの基R4、R5、R6、ならびにR7の80%が、メチル、エチル、フェニル、および3,3,3−トリフルオロプロピル基から好ましくは選択される。
本発明によると、Yは、ポリマーまたはコポリマーの他の部分との結合を確立するための1または2の自由原子価をさらに任意選択で含む、様々な2価の基を表し得る。好ましくは、Yは、
− 直鎖C1−C20、好ましくは、C1−C10アルキレン基、
− 環および結合していない不飽和をできる限り含む、C30−C56分岐のアルキレン基、
− C5−C6シクロアルキレン基、
− 1つまたは複数のC1−C40アルキル基で任意選択で置換されている、フェニレン基、
− 1〜5個のアミド基を含む、C1−C20アルキレン基、
− ヒドロキシル、C3−C8シクロアルカン、C1−C3ヒドロキシアルキル、およびC1−C6アルキルアミン基から選択される1つまたは複数の置換基を含む、C1−C20アルキレン基、
− 式:
(式中、R4、R5、R6、R7、T、およびmは、上で定義された通りである)
のポリオルガノシロキサン鎖、ならびに
− 式:
のポリオルガノシロキサン鎖
から選択される基を表す。
第2の変形形態によると、ポリオルガノシロキサンは、少なくとも1つの、式(II):
[式中、
− R4およびR6は、同一であるか、もしくは異なっていてもよく、式(I)について上で定義された通りであり、
− R10は、R4およびR6について上で定義された基を表すか、または式−X−G−R12(式中、XおよびGは、式(I)について上で定義された通りである)の基を表し、R12は、その鎖において、O、S、およびNから選択される1つまたは複数の原子を任意選択で含む、1つもしくは複数のフッ素原子、および/または1つもしくは複数のヒドロキシル基、あるいは1つまたは複数のC1−C4アルキル基で任意選択で置換されているフェニル基で任意選択で置換されている、水素原子、あるいは直鎖、分岐、もしくは環式の飽和または不飽和のC1−C50炭化水素ベースの基を表し、
− R11は、式−X−G−R12[式中、X、G、およびR12は、上で定義された通りである]の基を表し、
− m1は、1〜998の範囲にある整数であり、
− m2は、2〜500の範囲にある整数である]
に対応する単位を含むポリマーであり得る。
本発明によると、構造化剤として使用されるシリコーンポリマーは、ホモポリマー、すなわち、いくつかの同一の単位、特に、式(I)または式(II)の単位を含むポリマーであり得る。
本発明によると、いくつかの異なる式(I)の単位を含むコポリマーから形成されるシリコーンポリマー、すなわち、基R4、R5、R6、R7、X、G、Y、m、およびnの少なくとも1つが、単位の1つにおいて異なる、ポリマーを使用することも可能である。コポリマーはまた、いくつかの式(II)[式中、基R4、R6、R10、R11、m1、およびm2の少なくとも1つが、単位の少なくとも1つにおいて異なる]の単位から形成されてもよい。
少なくとも1つの式(I)の単位、および少なくとも1つの式(II)の単位を含むポリマーを使用することも可能であり、式(I)の単位および式(II)の単位は、できる限り、互いに同一であるか、または異なる。
本発明の一変形形態によると、エステル、アミド、スルホンアミド、カルバメート、チオカルバメート、尿素、ウレタン、チオウレア、オキサミド、グアニジノおよびビグアニジノ基、ならびにその組合せから選択される、水素相互作用を確立することができる2つの基を含む、少なくとも1つの炭化水素ベースの単位をさらに含むポリマーを使用することも可能である。
これらのコポリマーは、ブロックポリマーまたはグラフト化ポリマーであり得る。
本発明の有利な実施形態によると、水素相互作用を確立することができる基は、式−C(O)NH−、および−HN−C(O)−のアミド基である。この場合において、構造化剤は、式(III)または(IV):
[式中、R4、R5、R6、R7、X、Y、m、およびnは、上で定義される通りである]
の少なくとも1つの単位を含むポリマーであり得る。
かかる単位は、いずれかの、以下の反応スキーム:
に従い、α,ω−カルボン酸末端を含有するシリコーンと1つまたは複数のジアミンとの間の縮合反応により、
または以下の反応スキーム:
に従い、α−不飽和のカルボン酸の2つの分子のジアミンとの反応により、
続いて、以下のスキーム:
[式中、X1−(CH22−は、上で定義されたXに対応し、Y、R4、R5、R6、R7、およびmは、上で定義された通りである]
に従い、シロキサンのエチレン不飽和への添加により、
または以下の反応スキーム:
に従い、α,ω−NH2末端を含有するシリコーンと式HOOC−Y−COOHの二酸の反応により、
得られ得る。
式(III)または(IV)のこれらのポリアミドにおいて、mは、1〜700、特に、15〜500、特に、50〜200の範囲にあり、nは、特に、1〜500、好ましくは、1〜100、なお良好には、4〜25の範囲にあり、
Xは、好ましくは、1〜30個の炭素原子、特に、1〜20個の炭素原子、特に、5〜15の炭素原子、より具体的には、10個の炭素原子を含有する、直鎖または分岐のアルキレン鎖であり、Yは、好ましくは、直鎖または分岐であるか、または1〜40個の炭素原子、特に、1〜20個の炭素原子、なお良好には、2〜6個の炭素原子、特に、6個の炭素原子を含有する、環および/または不飽和を含み得る、アルキレン鎖である。
式(III)および(IV)において、XまたはYを表すアルキレン基は、そのアルキレン部分において、以下の成分:
− 1〜5個のアミド、尿素、ウレタン、もしくはカルバメート基、
− C5またはC6シクロアルキル基、および
− 1〜3個の同一もしくは異なるC1−C3アルキル基で任意選択で置換されているフェニレン基
の少なくとも1つを任意選択で含有し得る。
式(III)および(IV)において、アルキレン基はまた、
− ヒドロキシル基、
− C3−C8シクロアルキル基、
− 1〜3個のC1−C40アルキル基、
− 1〜3個のC1−C3アルキル基で任意選択で置換されているフェニル基、
− C1−C3ヒドロキシアルキル基、および
− C1−C6アミノアルキル基
からなる群から選択される少なくとも1つの成分で置換されていてもよい。
これらの式(III)および(IV)において、Yはまた、
[式中、R8は、ポリオルガノシロキサン鎖を表し、Tは、式:
(式中、a、b、およびcは、独立して、1〜10の範囲にある整数であり、R13は、水素原子、またはR4、R5、R6、およびR7について定義されたもののような基である)
の基を表す]
も表し得る。
式(III)、および(IV)において、R4、R5、R6、およびR7は、好ましくは、直鎖または分岐のC1−C40アルキル基、好ましくは、CH3、C25、n−C37、あるいはイソプロピル基、ポリオルガノシロキサン鎖、または1〜3個のメチルもしくはエチル基で任意選択で置換されているフェニル基を独立して表す。
既に見られた通り、ポリマーは、同一または異なる、式(III)もしくは(IV)の単位を含み得る。
したがって、ポリマーは、異なる長さのいくつかの式(III)または(IV)の単位を含有するポリアミド、すなわち、式(V):
[式中、X、Y、n、およびR4〜R7は、上で与えられた意味を有し、m1、およびm2は、異なり、1〜1000の範囲で選択され、pは、2〜300の範囲にある整数である]
に対応するポリアミドであり得る。
この式において、単位を構造化して、ブロックコポリマー、またはランダムコポリマー、または代替コポリマーのいずれかが形成され得る。このコポリマーにおいて、単位は、異なる長さであるばかりでなく、例えば、異なる基Yを含有する、異なる化学構造でもあり得る。この場合において、ポリマーは、式VI:
[式中、R4〜R7、X、Y、m1、m2、n、およびpは、上で与えられた意味を有し、Y1は、Yと異なるが、Yについて定義された基から選択される]
に対応し得る。既にある通り、様々な単位を構造化して、ブロックコポリマー、またはランダムコポリマー、または代替コポリマーのいずれかが形成され得る。
本発明のこの第1の実施形態において、構造化剤はまた、グラフト化コポリマーからなり得る。したがって、シリコーン単位を含有するポリアミドは、グラフト化され、アミド基を含有するシリコーン鎖で任意選択で架橋されていてもよい。かかるポリマーは、三機能アミンで合成されてもよい。
この場合において、ポリマーは、少なくとも1つの式(VII):
[式中、X1、およびX2は、同一であるか、または異なり、式(I)においてXについて与えられた意味を有し、nは、式(I)において定義された通りであり、YおよびTは、式(I)において定義された通りであり、R14〜R21は、R4〜R7と同一の基から選択される基であり、m1、およびm2は、1〜1000の範囲にある数であり、pは、2〜500の範囲にある整数である]
の単位を含み得る。
式(VII)において、
− Pが、1〜25、なお良好には、1〜7の範囲にあり、
− R14〜R21が、メチル基であり、
− Tが、以下の式:
[式中、R22は、水素原子、またはR4〜R7について定義された基から選択される基であり、R23、R24、およびR25は、独立して、直鎖または分岐のアルキレン基である]
の1つに対応し、より好ましくは、式:
(特に、但し、R23、R24、およびR25は、−CH2−CH2−を表し、m1、およびm2は、15〜500であり、なお良好には、15〜45であり、X1、およびX2は、−(CH210−を表し、Yは、−CH2−を表す)
に対応する
ことが好ましい。
式(VII)のグラフト化シリコーン単位を含有するこれらのポリアミドを、式(II)のポリアミド−シリコーンと共重合化して、ブロックコポリマー、代替コポリマー、またはランダムコポリマーが形成され得る。コポリマーにおけるグラフト化シリコーン単位(VII)の質量パーセンテージは、0.5質量%〜30質量%の範囲にあり得る。
本発明によると、既に見られた通り、シロキサン単位は、ポリマーの主鎖または骨格にあり得るが、それらは、グラフト化またはペンダント鎖に存在してもよい。主鎖において、シロキサン単位は、上で記載される通り、セグメントの形態であり得る。垂下したまたはグラフト化鎖において、シロキサン単位は、個別にまたはセグメントにおいて出現し得る。
本発明の一実施形態の変形形態によると、シリコーンポリアミドおよび炭化水素ベースのポリアミドのコポリマー、または式(III)もしくは(IV)の単位を含むコポリマー、および炭化水素ベースのポリアミド単位が、使用され得る。この場合において、ポリアミド−シリコーン単位は、炭化水素ベースのポリアミドの末端に位置し得る。
好ましい一実施形態によると、シリコーンポリアミドは、式III(好ましくは、式中、基R4、R5、R6、およびR7は、メチル基を表し、XおよびYのうち1つが、6個の炭素原子のアルキレン基を表し、他は、11の炭素原子のアルキレン基を表し、nは、ポリマーの重合作用の程度、DPを表す)の単位を含む。かかるシリコーンポリアミドの例示の目的で、Dow Corning社により、名称DC 2−8179(DP 100)、およびDC 2−8178(DP 15)で販売されている化合物が述べられ得、そのINCI名は、ナイロン−611/ジメチコンコポリマーである。
有利には、本発明による組成物は、約15の指標m値を有する、少なくとも1つの、一般式(I)のポリジメチルシロキサンブロックポリマーを含む。
より好ましくは、本発明による組成物は、少なくとも1つの、式(III)[式中、mは、5〜100、特に、10〜75の範囲にあり、なおより具体的には、約15であり、なおより好ましくは、R4、R5、R6、およびR7は、式(III)において、独立して、直鎖または分岐のC1−C40アルキル基、好ましくは、基CH3、C25、nC37、またはイソプロピルを表す]の単位を含む、少なくとも1つのポリマーを含む。
好ましい様式によると、Dow Corning社により名称DC 2−8179(DP100)で販売されているポリアミドシリコーンポリマーが、使用される。
使用され得るシリコーンポリマーの例として、文書米国特許出願公開第5 981 680号の実施例1〜3に従い得られるシリコーンポリアミドの1つを挙げることができる。
IV.少なくとも1つのカルボシロキサンデンドリマーベースの単位を含むビニルポリマー
特定の一実施形態によると、本発明により使用される組成物は、疎水性膜形成ポリマーとして、少なくとも1つのカルボシロキサンデンドリマーベースの単位を含む少なくとも1つのビニルポリマーを含み得る。
本発明により使用されるビニルポリマーは、特に、骨格、および少なくとも1つの側鎖を有し、カルボシロキサンデンドリマー構造を有するカルボシロキサンデンドリマーベースの単位を含む。
Dow Corning社による出願、国際特許出願公開第03/045 337号および欧州特許出願公開第963 751号において記載される、少なくとも1つのカルボシロキサンデンドリマー単位を含むビニルポリマーが、特に使用され得る。
用語「カルボシロキサンデンドリマー構造」は、本発明の文脈において、大きな分子量の分岐基を有する分子構造を表し、前記構造は、骨格への結合から開始する径方向において高度な規則性を有する。かかるカルボシロキサンデンドリマー構造は、公開された日本国特許出願公開第9−171 154号における高度に分岐のシロキサン−シリルアルキレンコポリマーの形態で記載される。
本発明によるビニルポリマーは、以下の一般式:
[式中、R1は、1〜10個の炭素原子を含有するアリール基またはアルキル基を表し、Xiは、i=1のとき、式:
(式中、R1は、上で定義される通りであり、R2は、2〜10個の炭素原子を含有するアルキレン基を表し、R3は、1〜10個の炭素原子を含有するアルキル基を表し、Xi+1は、水素原子、1〜10個の炭素原子を含有するアルキル基、アリール基、または上で定義されるシリルアルキル基、但し、i=i+1、を表し、iは、前記シリルアルキル基の生成を表す、1〜10の整数であり、aiは、0〜3の整数であり、Yは、
− メタクリル基またはアクリル基を含有し、式:
(式中、R4は、水素原子またはアルキル基を表し、R5は、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、もしくはブチレン基のような、1〜10個の炭素原子を含有するアルキレン基を表し、メチレン基およびプロピレン基が、好ましい)
により表される、有機基;ならびに
− スチリル基を含有し、式:
(式中、R6は、水素原子またはアルキル基を表し、R7は、メチル基、エチル基、プロピル基、もしくはブチル基のような、1〜10個の炭素原子を含有するアルキル基を表し、メチル基が好ましく、R8は、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、もしくはブチレン基のような、1〜10個の炭素原子を含有するアルキレン基を表し、エチレン基が好ましく、bは、0〜4の整数であり、cが0であるなら、−(R8c−が結合を表すように、cは、0または1である)
により表される有機基
から選択されるラジカルの助けで、重合可能である有機基を表す)
により表される、シリルアルキル基を表す]
により表され得る、カルボシロキサンデンドリマーベースの単位を含有し得る。
一実施形態によると、R1は、1〜10個の炭素原子を含有する、アリール基またはアルキル基を表し得る。アルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロペンチル基、またはシクロヘキシル基により好ましくは表され得る。アリール基は、フェニル基、およびナフチル基により好ましくは表され得る。メチルおよびフェニル基が、より具体的には、好ましく、メチル基が、とりわけ好ましい。
少なくとも1つのカルボシロキサンデンドリマーベースの単位を生じるビニルポリマーは、カルボシロキサンデンドリマー構造を含有する分子側鎖を有し、
(A)ビニルモノマー0〜99.9質量部;および
(B)一般式:
[式中、Yは、ラジカル重合可能な有機基を表し、R1は、1〜10個の炭素原子を含有するアリール基またはアルキル基を表し、Xiは、i=1のとき、式:
(式中、R1は、上で定義される通りであり、R2は、2〜10個の炭素原子を含有するアルキレン基を表し、R3は、1〜10個の炭素原子を含有するアルキル基を表し、Xi+1は、水素原子、1〜10個の炭素原子を含有するアルキル基、アリール基、または上で定義されるシリルアルキル基、但し、i=i+1、を表し、iは、前記シリルアルキル基の生成を表す、1〜10の整数であり、aiは、0〜3の整数である)
により表される、シリルアルキル基を表す)
により表される、ラジカル重合可能な有機基を含有する、カルボシロキサンデンドリマー100〜0.1質量部
の重合作用からもたらされ得、
ここで、成分(B)に含有される前記ラジカル重合可能な有機基は、
− メタクリル基またはアクリル基を含有し、式:
(式中、R4は、水素原子またはアルキル基を表し、R5は、1〜10個の炭素原子を含有するアルキレン基を表す)
により表される、有機基:
− スチリル基を含有し、式:
(式中、R6は、水素原子またはアルキル基を表し、R7は、1〜10個の炭素原子を含有するアルキル基を表し、R8は、1〜10個の炭素原子を含有するアルキレン基を表し、bは、0〜4の整数であり、cが0であるなら、−(R8c−が結合を表すように、cは、0または1である)
により表される、有機基
からもたらされ得る。
ビニルポリマーにおける成分(A)であるビニルタイプのモノマーは、ラジカル重合可能なビニル基を含有する、ビニルタイプのモノマーである。
かかるモノマーに関して、特定の制限は存在しない。
以下が、ビニルタイプのこのモノマーの例である:メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、または類似の低級アルキルのメタクリレート;グリシジルメタクリレート;ブチルメタクリレート、ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、またはより高級の類似メタクリレート;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、または類似の低級脂肪酸のビニルエステル;カプロン酸ビニル、ビニル2−エチルヘキソエート、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、または類似の高級脂肪酸のエステル;スチレン、ビニルトルエン、ベンジルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、ビニルピロリドン、または同様のビニル芳香族モノマー;メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−メトキシメチル−メタクリルアミド、イソブトキシメトキシメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、またはアミド基を含有するビニルタイプの同様のモノマー;ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアルコールメタクリレート、またはヒドロキシル基を含有するビニルタイプの同様のモノマー;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、またはカルボン酸基を含有するビニルタイプの同様のモノマー;テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ブトキシエチルメタクリレート、エトキシジエチレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ヒドロキシブチルビニルエーテル、セチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、またはエーテル結合を有するビニルタイプの同様のモノマー;メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、その分子末端の1つにメタクリル基を含有するポリジメチルシロキサン、その分子末端の1つにスチリル基を含有するポリジメチルシロキサン、または不飽和の基を含有する同様のシリコーン化合物;ブタジエン;塩化ビニル;塩化ビニリデン;メタクリロニトリル;フマル酸ジブチル;無水マレイン酸;無水コハク酸;メタクリルグリシジルエーテル;アミンの有機塩、アンモニウム塩、およびメタクリル酸のアルカリ金属塩、またはイタコン酸のアルカリ金属塩、クロトン酸のアルカリ金属塩、マレイン酸のアルカリ金属塩、またはフマル酸のアルカリ金属塩;スチレンスルホン酸基のような、スルホン酸基を含有するラジカル重合可能な不飽和のモノマー;2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドのような、メタクリル酸由来の4級アンモニウム塩;ならびにジエチルアミンのメタクリル酸エステルのような、3級アミン基を含有するアルコールのメタクリル酸エステル。
ビニルタイプの多機能モノマーも使用され得る。
以下が、かかる化合物の例である:トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリチルトリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチルメタクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジメタクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリメタクリレート、2つの末端にジビニルベンゼン基を生じるスチリル基でキャッピングされたポリジメチルシロキサン、または不飽和の基を生じる同様のシリコーン化合物。
成分(B)である、カルボシロキサンデンドリマーは、以下の式:
[式中、Yは、既に定義された、ラジカル重合可能な有機基を表し
(以下が、ラジカル重合可能な有機基Yの好ましい例である:アクリルオキシメチル基、3−アクリルオキシプロピル基、メタクリルオキシメチル基、3−メタクリル−オキシプロピル基、4−ビニルフェニル基、3−ビニルフェニル基、4−(2−プロペニル)フェニル基、3−(2−プロペニル)フェニル基、2−(4−ビニルフェニル)エチル基、2−(3−ビニルフェニル)エチル基、ビニル基、アリル基、メタアリル基、および5−ヘキセニル基)、
R’は、既に定義された通りであり、
iは、iが1と等しいとき、以下の式:
[式中、R1は、上で定義された通りであり、
2は、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基または同様の直鎖アルキレン基;メチルメチレン基、メチルエチレン基、1−メチルペンチレン基、1,4−ジメチルブチレン基、または同様の分岐アルキレン基のような、2〜10個の炭素原子を含有するアルキレン基を表し(エチレン、メチルエチレン、ヘキシレン、1−メチルペンチレン、および1,4−ジメチルブチレン基が、とりわけ好ましい)、
− R3は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、およびイソプロピル基のような、1〜10個の炭素原子を含有するアルキル基を表し、
i+1は、水素原子、1〜10個の炭素原子を含有するアルキル基、アリール基、またはシリルアルキル基を表し、但し、i=i+1、
iは、0〜3の整数であり、iは、シリルアルキル基の繰り返しの数を表す、生成数を示す、1〜10の整数である)
により表される、シリルアルキル基を表す]
により表され得る。
例えば、生成数が1と等しいとき、カルボシロキサンデンドリマーは、以下に示される第1の一般式[式中、Y、R1、R2、およびR3は、上で定義されたものと同一であり、R12は、水素原子を表すか、またはR1と同一であり、a1は、aiと同一である)により表され得る。好ましくは、分子中の基OR3の総平均数は、0〜7の範囲内である。
生成数が2と等しいとき、カルボシロキサンデンドリマーは、以下に示される第2の一般式[式中、Y、R1、R2、R3、およびR12は、上で定義されたものと同一であり、a1およびa2は、示される生成のaiを表す]により表され得る。好ましくは、分子中の基OR3の総平均数は、0〜25の範囲内である。
生成数が3と等しいとき、カルボシロキサンデンドリマーは、以下に示される第3の一般式[式中、Y、R1、R2、R3、およびR12は、上で定義されたものと同一であり、a1、a2、およびa3は、示される生成のaiを表す]により表される。好ましくは、分子中の基OR3の総平均数は、0〜79の範囲内である。
ラジカル重合可能な有機基を含有する、カルボシロキサンデンドリマーは、以下の平均的構造式:
により表され得る。
カルボシロキサンデンドリマーは、日本国特許出願公開第平9−171 154号に記載される、分岐シラルキレンシロキサンを製造するプロセスに従い、製造され得る。
例えば、それは、以下の一般式:
により表される、ケイ素原子に結合した水素原子を含有する有機シリコーン化合物、およびアルケニル基を含有する有機シリコーン化合物を、ヒドロシリル化反応の対象にすることにより、生成され得る。
上の式において、有機シリコーン化合物は、3−メタクリルオキシプロピルトリス(ジメチルシロキシ)シランにより表されてもよく、3−アクリルオキシプロピルトリス−は、カルボシロキサンデンドリマーベースの単位が、(ジメチルシロキシ)シラン、および4−ビニルフェニルトリス(ジメチルシロキシ)シランであるように、ポリマーから選択されてもよい。アルケニル基を含有する有機シリコーン化合物は、ビニルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、ビニルトリス(ジメチルフェニルシロキシ)シラン、および5−ヘキセニルトリス(トリメチルシロキシ)シランにより表されてもよい。
ヒドロシリル化反応は、塩化白金酸、ビニルシロキサンの複合体、白金の複合体、または同様の移行金属触媒の存在下で行われる。
少なくとも1つのカルボシロキサンデンドリマーベースの単位を含有するビニルポリマーは、カルボシロキサンデンドリマーベースの単位が、式(I):
[式中、Zは、2価の有機基であり、pは、0または1であり、R1は、1〜10の炭素原子のアリールまたはアルキル基であり、Xiは、式(II):
(式中、R1は、上で定義される通りであり、R2は、1〜10個の炭素原子を含有するアルキレン基であり、R3は、1〜10個の炭素原子を含有するアルキル基であり、Xi+1は、水素原子を含む基、最大10個の炭素原子を含有するアリール基およびアルキル基、ならびにシリルアルキル基Xi(式中、力「i」は、式(I)における基Xiについて1である値を有するそれぞれのカルボシロキサン樹枝状構造における開始シリルアルキル基の生成を示す、1〜10の整数である)から選択される基であり、指標「ai」は、整数0〜3である)
により表されるシリルアルキル基である]
により表される、カルボシロキサン樹枝状構造であるように、ポリマーから選択され得る。
少なくとも1つのカルボシロキサンデンドリマーベースの単位を生じるビニルポリマーにおいて、成分(A)と(B)の間の重合作用比は、(A)と(B)の間の質量比の点において、0/100〜99.9/0.1、またはなお0.1/99.9〜99.9/0.1の範囲内、好ましくは、1/99〜99/1の範囲内であり得る。成分(A)と(B)の間の比0/100は、化合物が、成分(B)のホモポリマーになることを意味する。
少なくとも1つのカルボシロキサンデンドリマーベースの単位を生じるビニルポリマーは、成分(A)と(B)の共重合作用により、または成分(B)単独の重合作用により得られ得る。
重合作用は、遊離ラジカル重合作用、またはイオン性重合作用であり得るが、遊離ラジカル重合作用が好ましい。
重合作用は、成分(A)と(B)の間の反応を、溶液において3〜20時間、ラジカル開始剤の存在下で、温度50℃〜150℃にて引き起こすことにより、行われ得る。
この目的に適当な溶媒は、ヘキサン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、または同様の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、または同様の芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、または同様のエーテル;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、または同様のケトン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、または同様のエステル;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、または同様のアルコール;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、または同様のオルガノシロキサンオリゴマーである。
ラジカル開始剤は、標準的遊離ラジカル重合作用反応について当技術分野で公知の任意の化合物であり得る。かかるラジカル開始剤の特定の例は、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、またはアゾビスタイプの同様の化合物;過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、tert−ブチルペルオキシベンゾエート、tert−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、または同様の有機過酸化物である。これらのラジカル開始剤は、単独、または2つ以上の組合せで使用され得る。ラジカル開始剤は、成分(A)および(B)の100質量部当たり0.1〜5質量部の量で使用され得る。連鎖移動剤が加えられてもよい。連鎖移動剤は、2−メルカプトエタノール、ブチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピル基を含有するポリジメチルシロキサン、またはメルカプトタイプの同様の化合物;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ブチルブロミド、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、または同様のハロゲン化化合物であり得る。
ビニルタイプのポリマーの製造において、重合作用後、未反応の残りのビニルモノマーは、真空下での加熱条件下で取り除かれ得る。
化粧製品のための開始材料混合物の調製を促進するために、カルボシロキサンデンドリマーを生じるビニルポリマーの数平均分子量は、3000〜2000000、好ましくは、5000〜800000の範囲内から選択され得る。それは、液体、ゴム、ペースト、固体、粉末、または任意の他の形態であり得る。好ましい形態は、溶媒における分散液または粉末の希釈液からなる溶液である。
ビニルポリマーは、シリコーン油、有機油、アルコール、または水のような液体における、その分子側鎖においてカルボシロキサンデンドリマー構造を有するビニルタイプのポリマーの分散液であり得る。
シリコーン油は、トリメチルシロキシ基でキャッピングされた2つの分子末端を有するジメチルポリシロキサン、メチルフェニルシロキサンと、トリメチルシロキシ基でキャッピングされた2つの分子末端を有するジメチルシロキサンのコポリマー、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシロキサンと、トリメチルシロキシ基でキャッピングされた2つの分子末端を有するジメチルシロキサンのコポリマー、または同様の未反応の直鎖シリコーン油、およびまたヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、または同様の環式化合物であり得る。未反応のシリコーン油に加えて、末端上または分子側鎖内にシラノール基、アミノ基、およびポリエーテル基のような官能基を含有する修飾されたポリシロキサンが、使用されてもよい。
有機油は、イソドデカン、液体パラフィン、イソパラフィン、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、2−オクチルドデシルミリステート;パルミチン酸イソプロピル、2−エチルヘキシルパルミテート、ステアリン酸ブチル、オレイン酸デシル、2−オクチルドデシルオレエート、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、酢酸ラノリン、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、アボカド油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ油、ホホバ油、ゴム油、ヒマワリ油、ダイズ油、ツバキ油、スクアラン、ヒマシ油、綿実油、ココナッツ油、卵黄油、ポリプロピレングリコールモノオレート、ネオペンチルグリコール2−エチルヘキサノエート、または同様のグリコールエステル油;イソステアリン酸トリグリセリル、ココナッツ油または多価アルコールエステルの同様の油の脂肪酸のトリグリセリド;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシプロピレンセチルエーテル、または同様のポリオキシアルキレンエーテルであり得る。
アルコールは、化粧製品の出発材料との組合せに使用するために適当である、任意のタイプであり得る。例えば、それは、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、または同様の低級アルコールであり得る。
アルコールの溶液または分散液は、25℃にて10〜109mPaの範囲内の粘度を有するべきである。化粧製品における感覚上の使用特性を改善するために、粘度は、100〜5×108mPa.sの範囲内にあるべきである。
溶液および分散液は、少なくとも1つのカルボシロキサンデンドリマーベースの単位を生じるビニルポリマーを、シリコーン油、有機油、アルコール、または水と混合することにより、容易に調製され得る。液体は、少なくとも1つのカルボシロキサンデンドリマーベースの単位を有するビニルタイプのポリマーの重合作用の工程に存在し得る。この場合において、未反応の残りのビニルモノマーは、大気圧もしくは減圧下での溶液または分散液の加熱処理により完全に取り除かれるべきである。
分散液の場合において、ビニルタイプのポリマーの分散度は、界面活性剤を加えることにより、改善され得る。
かかる剤は、ヘキシルベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、デシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、セチルベンゼンスルホン酸、ミリスチルベンゼンスルホン酸、またはこれらの酸のナトリウム塩の陰イオン界面活性剤;水酸化オクチルトリメチルアンモニウム、水酸化ドデシルトリメチルアンモニウム、水酸化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、水酸化オクチルジメチルベンジルアンモニウム、水酸化デシルジメチルベンジルアンモニウム、水酸化ジオクタデシルジメチルアンモニウム、牛脂−水酸化トリメチルアンモニウム、ココナッツ油−水酸化トリメチルアンモニウム、または同様の陽イオン界面活性剤;ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェノール、ポリオキシアルキレンアルキルエステル、ポリオキシアルキレンのソルビトールエステル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジエチレングリコールトリメチルノナノールのエチレンオキシド付加物、およびポリエステルタイプの非イオン界面活性剤、ならびにまた混合物であり得る。
加えて、溶媒および分散液は、化粧製品との使用に適当な酸化鉄、または同様の顔料、およびまた粉末形態の酸化亜鉛、酸化チタン、酸化シリコーン、雲母、タルク、もしくは同様の酸化鉱物であり得る。分散液において、ビニルタイプのポリマーの平均粒子径は、0.001〜100μm、好ましくは、0.01〜50μmの範囲内であり得る。この理由は、推奨される範囲の外側で、乳剤と混合された化粧製品は、皮膚上もしくはタッチに十分良好な感触、または不足ない塗布特性もしくは快適な感触を有しないであろう。
分散液または溶液において含有されるビニルポリマーは、0.1質量%〜95質量%、好ましくは、5質量%〜85質量%の範囲にある濃度を有し得る。しかしながら、混合物の取り扱いおよび調製を促進するために、範囲は、好ましくは、10質量%〜75質量%であるべきである。
好ましい一様式によると、本発明における使用に適当である、ビニルポリマーは、欧州特許出願公開第0 963 751号の実施例において記載されるポリマーの1つであり得る。
好ましい一実施形態によると、カルボシロキサンデンドリマーでグラフト化されたビニルポリマーは、
(A)0.1〜99質量部1つまたは複数のアクリレートまたはメタクリレートモノマー;および
(B)100〜0.1質量部トリス[トリ(トリメチルシロキシ)シリルエチルジメチルシロキシ]シリルプロピルカルボシロキサンデンドリマーのアクリレートまたはメタクリレートモノマー
の重合作用の産物であり得る。
一実施形態によると、少なくとも1つのカルボシラキサンデンドリマーベースの単位を生じるビニルポリマーは、式:
の1つに対応するトリス[トリ(トリメチルシロキシ)シリルエチル−ジメチルシロキシ]シリルプロピルカルボシロキサンデンドリマーベースの単位を含み得る。
好ましい一様式によると、本発明に使用される、少なくとも1つのカルボシロキサンデンドリマーベースの単位を生じるビニルポリマーは、少なくとも1つのブチルアクリレートモノマーを含む。
一実施形態によると、ビニルポリマーはまた、少なくとも1つのフッ素有機基も含み得る。フッ素化ビニルポリマーは、国際特許出願公開第03/045 337号の実施例において記載されるポリマーの1つであり得る。
好ましい一実施形態によると、本発明の認識においてグラフト化されたビニルポリマーは、好ましくは、特に、シリコーン油および炭化水素ベースの油、ならびにその混合物から選択される揮発性である、油、または油の混合物において運ばれ得る。
特定の一実施形態によると、本発明における使用に適当である、シリコーン油は、シクロペンタシロキサンであり得る。
別の特定の実施形態によると、本発明における使用に適当である、炭化水素ベースの油は、イソドデカンであり得る。
本発明における使用に特に適当であり得る、少なくとも1つのカルボシロキサンデンドリマーベースの単位でグラフト化されたビニルポリマーは、Dow Corning社により名称TIB 4−100、TIB 4−101、TIB 4−120、TIB 4−130、TIB 4−200、FA 4002 ID(TIB 4−202)、TIB 4−220、およびFA 4001 CM(TIB 4−230)で販売されているポリマーである。Dow Corning社により名称FA 4002 ID(TIB 4−202)、およびFA 4001 CM(TIB 4−230)で販売されているポリマーが、好ましくは使用されるだろう。
好ましくは、本発明の組成物に使用され得る、少なくとも1つのカルボシロキサンデンドリマーベースの単位でグラフト化されたビニルポリマーは、アクリレート/ポリトリメチルシロキシメタクリレートコポリマー、特に、Dow Corning社により名称Dow Corning FA 4002 ID Silicone Acrylateの下でイソドデカンにおいて販売されている製品である。
V.シリコーンアクリレートコポリマー
特定の一実施形態によると、本発明により使用される組成物は、疎水性膜形成ポリマーとして、カルボキシレート基、およびポリジメチルシロキサン基を含む少なくとも1つのコポリマーを含み得る。
本出願において、用語「カルボキシレート基およびポリジメチルシロキサン基を含コポリマー」は、(a)1つまたは複数のカルボン酸(酸もしくはエステル)モノマー、および(b)1つまたは複数のポリジメチルシロキサン(PDMS)鎖から得られるコポリマー意味する。
本出願において、用語「カルボキシモノマー」は、両方の、カルボン酸モノマー、およびカルボン酸エステルモノマーを意味する。したがって、モノマー(a)は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、そのエステル、およびこれらのモノマーの混合物から選択され得る。挙げることができるエステルは、以下のモノマー:アクリレート、メタクリレート、マレエート、フマルエート、イタコネート、および/またはクロトネートを含む。本発明の好ましい一実施形態によると、エステル形態のモノマーは、より具体的には、直鎖または分岐の、好ましくは、C1−C24、なお良好には、C1−C22アルキルアクリレートおよびメタクリレートから選択され、アルキルラジカルは、メチル、エチル、ステアリル、ブチル、および2−エチルヘキシルラジカル、ならびにその混合物から好ましくは選択される。
したがって、本発明の特定の一実施形態によると、コポリマーは、カルボキシレート基として、アクリル酸およびメタクリル酸、ならびにメチル、エチル、ステアリル、ブチル、または2−エチルヘキシルアクリレートもしくはメタクリレート、ならびにその混合物から選択される少なくとも1つの基を含む。
本出願において、用語「ポリジメチルシロキサン」(オルガノポリシロキサンとしても公知であり、PDMSとして省略される)は、一般に受け入れられるものに従い、重合作用、および/もしくは適当に官能基化されたシランの重縮合により得られ、ケイ素原子が、炭素原子を介して前記ケイ素原子に直接結合したトリメチルラジカルを含み、酸素原子を介して一緒に結合する(シロキサン結合≡Si−O−Si≡)、主な単位の繰り返しから本質的になる、可変の分子量の、直鎖構造の任意の有機シリコーンポリマーまたはオリゴマーを示す。本発明により使用されるコポリマーを得るために使用され得る、PDMS鎖は、好ましくは、鎖の末端の少なくとも1つに位置する、少なくとも1つの重合可能なラジカル基を含み、すなわち、PDMSは、例えば、鎖の2つの末端上の重合可能なラジカル基、または鎖の1つの末端上の1つの重合可能なラジカル基、および鎖の他の末端上の1つのトリメチルシリル末端基を含有し得る。重合可能なラジカル基は、特に、アクリルまたはメタクリル基、特に、基CH2=CR1−CO−O−R2[式中、R1は、水素もしくはメチル基を表し、R2は、−CH2−、−(CH2n−、但し、n=3、5、8もしくは10、−CH2−CH(CH3)−CH2−、CH2−CH2−O−CH2−CH2−、−CH2−CH2−O−CH2−CH2−CH(CH3)−CH2−、−CH2−CH2−O−CH2CH2−O−CH2−CH2−CH2−を表す]であり得る。
本発明の組成物に使用されるコポリマーは、例えば、文書米国特許出願公開第5 061 481号、および米国特許出願公開第5 219 560号において記載される通り、重合作用およびグラフト化の通常の方法に従い、例えば、(A)少なくとも1つの重合可能なラジカル基(例えば、鎖の末端の1つ上、または両方の末端上)を含むPDMSの、および(B)少なくとも1つのカルボキシモノマーの遊離のラジカル重合作用により、一般に得られる。
得られたコポリマーは、約3000〜200000、好ましくは、約5000〜100000の範囲にある分子量を一般に有する。
本発明の組成物に使用されるコポリマーは、その天然の形態、または2〜8個の炭素原子を含有する低級アルコール、例えば、イソプロピルアルコール、もしくは油、例えば、揮発性シリコーン油(例えば、シクロペンタシロキサン)のような溶媒において分散された形態であり得る。
本発明の組成物に使用され得るコポリマーとして、例えば、アクリル酸およびポリジメチルシロキサングラフトを含有するステアリルアクリレートのコポリマー、ポリジメチルシロキサングラフトを含有するステアリルメタクリレートのコポリマー、アクリル酸およびポリジメチルシロキサングラフトを含有するステアリルメタクリレートのコポリマー、ポリジメチルシロキサングラフトを含有するメチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートならびにステアリルメタクリレートのコポリマーを挙げることができる。本発明の組成物に使用され得るコポリマーとして、Shin−Etsu社により、名称KP−561(CTFA名:アクリレート/ジメチコン)、コポリマーが、イソプロピルアルコールにおいて60質量%にて分散される、KP−541(CTFA名:アクリレート/ジメチコン、およびイソプロピルアルコール)、ならびにコポリマーが、シクロペンタシロキサンにおいて30%にて分散される、KP−545(CTFA名:アクリレート/ジメチコン、およびシクロペンタシロキサン)で販売されているコポリマーを特に挙げることができる。本発明の好ましい一実施形態によると、KP561が好ましくは使用され、このコポリマーは、溶媒において分散されないが、ろう様の形態であり、その融点は約30℃である。
Shin−Etsu社により名称KP−550で販売されている、イソドデカンにおいて溶解されるポリアクリル酸およびジメチルポリシロキサンのグラフト化コポリマーも挙げることができる。
水相
本発明による組成物の水相は、水、および任意選択で水溶性溶媒を含む。
本発明において、用語「水溶性溶媒」は、室温にて液体であり、水と混和する(25℃および大気圧にて50質量%より高い水との混和性)、化合物を示す。
本発明の組成物に使用され得る、水溶性溶媒はまた、揮発性であり得る。
本発明に従い組成物に使用され得る水溶性溶媒のうち、エタノールおよびイソプロパノールのような、1〜5個の炭素原子を含有する低級モノアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、およびジプロピレングリコールのような2〜8個の炭素原子を含有するグリコール、C3およびC4ケトン、ならびにC2−C4アルデヒドを特に挙げることができる。
水相(水、および任意選択で水と混和可能な溶媒)は、前記組成物の総質量に対して5質量%〜95質量%、なお良好には、30質量%〜80質量%、好ましくは、40質量%〜75質量%の範囲にある含有量で、組成物において存在し得る。
別の実施形態の変形形態によると、本発明による組成物の水相は、少なくとも1つのC2−C32ポリオールを含み得る。
本発明の目的では、用語「ポリオール」は、少なくとも2つの遊離ヒドロキシル基を含む、任意の有機分子を意味すると理解されるべきである。
好ましくは、本発明に従い、ポリオールは、室温において液体形態で存在する。
本発明に適当なポリオールは、アルキル鎖上に、少なくとも2個の−OH官能基、特に、少なくとも3個の−OH官能基、より具体的には、少なくとも4個の−OH官能基を有する、飽和または不飽和の、かつ直鎖、分岐、または環式アルキルタイプの化合物であり得る。
本発明による組成物の形成に有利な適当なポリオールは、特に、2〜32個の炭素原子、好ましくは、3〜16個の炭素原子を提示するものである。
有利には、ポリオールは、例えば、エチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、ブチレングリコール、イソプレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセロール、グリセロールオリゴマーのようなポリグリセロール、例えば、ジグリセロール、およびポリエチレングリコール、ならびにその混合物から選択され得る。
本発明の好ましい実施形態によると、前記ポリオールは、エチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、プロピレングリコール、グリセロール、ポリグリセロール、ポリエチレングリコール、およびその混合物から選択される。
特定の様式によると、本発明の組成物は、少なくともプロピレングリコールを含み得る。
別の特定の様式によると、本発明の組成物は、少なくともグリセロールを含み得る。
油相
本発明の目的では、油相は、少なくとも1種の油を含む。
用語「油」は、室温および大気圧にて液体形態である、任意の脂肪性物質を意味する。
組成物、特に、本発明による化粧料組成物を調製するのに適当である油相は、炭化水素ベースの油、シリコーン油、フッ素油もしくは非フッ素油、またはその混合物を含み得る。
油は、揮発性または不揮発性であり得る。
それらは、動物、植物、鉱物、または合成起源のものであり得る。一実施形態の変形形態によると、シリコーン起源の油が好ましい。
本発明の目的では、用語「不揮発油」は、0.13Pa未満の蒸気圧を有する油を意味する。
本発明の目的では、用語「シリコーン油」は、少なくとも1つのケイ素原子、特に、少なくとも1つのSi−O基を含む油を意味する。
用語「フッ素油」は、少なくとも1つのフッ素原子を含む油を意味する。
用語「炭化水素ベースの油」は、水素および炭素原子を主に含有する油を意味する。
油は、例えば、ヒドロキシルもしくは酸ラジカルの形態で、酸素、窒素、硫黄、および/またはリン原子を任意選択で含み得る。
本発明の目的では、用語「揮発油」は、室温および大気圧にて、1時間未満で、皮膚で接触した際に蒸発させることができる、任意の油を意味する。揮発油は、特に、室温および大気圧にて、ゼロ以外の蒸気圧を有する、特に、0.13Pa〜40000Pa(10-3〜300mmHg)の範囲にある、特に、1.3Pa〜13000Pa(0.01〜100mmHg)の範囲にある、より具体的には、1.3Pa〜1300Pa(0.01〜10mmHg)の範囲にある蒸気圧を有する、揮発性化粧料化合物であり、室温にて液体である。
揮発油
揮発油は、炭化水素ベースの油またはシリコーン油であり得る。
8〜16の炭素原子を含有する揮発性炭化水素ベースの油のうち、C8−C16イソアルカン(イソパラフィンとしても公知の)のような、分岐C8−C16アルカン、イソドデカン、イソデカン、イソヘキサデカン、および、例えば、商品名IsoparまたはPermethylで販売されている油、イソヘキシルネオペンタノエートのような、分岐C8−C16エステル、ならびにその混合物を特に挙げることができる。好ましくは、揮発性炭化水素ベースの油は、8〜16個の炭素原子を含有する揮発性炭化水素ベースの油、およびその混合物から、特に、イソドデカン、イソデカンおよびイソヘキサデカンから選択され、特に、イソヘキサデカンである。
8〜16個の炭素原子、特に、10〜15個の炭素原子、より具体的には、11〜13個の炭素原子を含む揮発性直鎖アルカン、例えば、Sasolによりそれぞれの参照Parafol 12−97およびParafol 14−97で販売されているn−ドデカン(C12)およびn−テトラデカン(C14)、ならびにその混合物、ウンデカン−トリデカン混合物、Cognis社の国際特許出願公開第2008/155 059号の実施例1および2において得られるn−ウンデカン(C11)およびn−トリデカン(C13)の混合物、ならびにその混合物も挙げることができる。
挙げることができる、揮発性シリコーン油は、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、テトラデカメチルヘキサシロキサン、ヘキサデカメチルヘプタシロキサン、およびドデカメチルペンタシロキサンのような直鎖揮発性シリコーン油を含む。
挙げることができる、揮発性環式シリコーン油は、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、およびドデカメチルシクロヘキサシロキサンを含む。
不揮発油
不揮発油は、特に、不揮発性炭化水素ベースの、フッ素および/またはシリコーン油から選択され得る。
特に挙げることができる、不揮発性炭化水素ベースの油は、
− 動物起源の炭化水素ベースの油、
− 植物起源の炭化水素ベースの油、ジカプリルエーテルのような、10〜40個の炭素原子を含有する合成エーテル、
− 式R1COOR2(式中、R1は、1〜40個の炭素原子を含む、直鎖または分岐の脂肪酸残基を表し、R2は、1〜40個の炭素原子を含有し、特に、分岐である、炭化水素ベースの鎖を表し、R1+R2≧10という条件である)の油のような合成エステル
(エステルは、特に、脂肪酸アルコールエステル、例えば、セトステアリルオクタノエート、ミリスチン酸イソプロピルもしくはパルミチン酸イソプロピルのようなイソプロピルアルコールエステル、パルミチン酸エチル、2−エチルヘキシルパルミテート、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸オクチル、乳酸イソステアリルまたはオクチルヒドロキシステアレートのようなヒドロキシル化エステル、リシノール酸アルキルまたはポリアルキル、ラウリン酸ヘキシル、ネオペンタン酸イソデシルまたはネオペンタン酸イソトリデシルのようなネオペンタン酸エステル、およびイソノナン酸イソノニルまたはイソノナン酸イソトリデシルのようなイソノナン酸エステルから選択され得る)、
− ジペンタエリスリチルテトラヒドロキシステアレート/テトライソステアレートのような、ポリオールエステルおよびペンタエリスリトールエステル、
− 12〜26個の炭素原子を含有する分岐および/または不飽和の炭素ベースの鎖を有する、室温にて液体である、脂肪アルコール、例えば、2−オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、およびオレイルアルコール、
− オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、およびその混合物のような、C12−C22のより高級な脂肪酸、
− 非フェニルシリコーン油、例えば、カプリリルメチコン、ならびに
− フェニルシリコーン油、例えば、フェニルトリメチコン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン、および2−フェニルエチルトリメチルシロキシシリケート、粘度100cSt以下を有する、ジメチコンまたはフェニルトリメチコン、およびトリメチル−ペンタフェニル−トリシロキサン、ならびにその混合物;およびまたこれらの様々な油の混合物
を含む。
好ましくは、本発明による組成物は、揮発性および/または不揮発性シリコーン油を含む。かかるシリコーン油は、親油性ゲル化剤がオルガノポリシロキサンエラストマーであるとき、特に好ましい。
本発明による組成物は、前記組成物の総質量に対して5質量%〜95質量%、なお良好には、5質量%〜40質量%、好ましくは、7質量%〜35質量%の油を含み得る。
上で述べた通り、本発明によりゲル化された油相は、1.5Paより大きい、好ましくは、10Paより大きい限界応力を有し得る。
本発明によりゲル化された油相は、10000Pa未満、好ましくは、5000Pa未満の限界応力を有し得る。
この限界応力値は、この油相のゲルタイプの質感を反映する。
染料
本発明による組成物はまた、少なくとも1つの粒子または非粒子、水溶性または水不溶性染料も、好ましくは、組成物の総質量に対して少なくとも0.01質量%の割合で含み得る。
明らかな理由のため、この量は、考慮中の染料により提供される所望の色調効果および色調強度に関して有意に変動しがちであり、その調節は、明確に、当業者の力量の範囲内である。
本発明による組成物は、前記組成物の総質量に対して0.01質量%〜25質量%、特に、0.1質量%〜25質量%、特に、1質量%〜20質量%、好ましくは、5質量%〜15質量%の染料を含み得る。
上で述べられた通り、本発明における使用に適当である、染料は、水溶性であり得るが、脂溶性であってもよい。
本発明の目的では、用語「水溶性染料」は、水相または水混和性溶媒において可溶性であり、色調を授けることができる、任意の天然または合成の、一般に、有機化合物を意味する。
本発明における使用に適当である、水溶性染料は、合成または天然の水溶性染料、例えば、FDC Red 4、DC Red 6、DC Red 22、DC Red 28、DC Red 30、DC Red 33、DC Orange 4、DC Yellow 5、DC Yellow 6、DC Yellow 8、FDC Green 3、DC Green 5、FDC Blue 1、ベタニン(ビートルート)、カルミン、銅クロロフィリン、メチレンブルー、アントシアニン(エノシアニン、ブラックキャロット、ハイビスカス、およびニワトコ)、カラメル、ならびにリボフラビンを特に挙げることができる。
水溶性染料は、例えば、ビートルートジュース、およびカラメルである。
本発明の目的では、用語「脂溶性染料」は、油相、または脂肪性物質と混和性である溶媒において可溶性であり、色調を授けることができる、任意の天然または合成の、一般に、有機化合物を意味する。
本発明における使用に適当である脂溶性染料として、合成または天然の脂溶性染料、例えば、DC Red 17、DC Red 21、DC Red 27、DC Green 6、DC Yellow 11、DC Violet 2、DC Orange 5、Sudan red、カロテン(β−カロテン、リコピン)、キサントフィル(カプサンチン、カプソルビン、ルテイン)、パーム油、スダンブラウン、キノリンイエロー、アナットー、およびクルクミンを特に挙げることができる。
着色粒子材料は、それらを含有する前記組成物の総質量に対して0.01質量%〜25質量%、特に、0.1質量%〜25質量%、特に、1質量%〜20質量%、好ましくは、5質量%〜15質量%の割合で存在し得る。
それらは、特に、顔料、真珠層、および/または金属の色合いを有する粒子であり得る。
用語「顔料」は、水溶液において不溶性であり、それらを含有する組成物を着色し、および/もしくは不透明にする、白色または着色された、鉱物あるいは有機粒子を意味すると理解されるべきである。
本発明による組成物は、前記組成物の総質量に対して0.01質量%〜25質量%、特に、0.1質量%〜25質量%、特に、1質量%〜25質量%、好ましくは、5質量%〜15質量%の顔料を含み得る。
好ましくは、本発明による組成物がメーキャップ組成物であるとき、それは、前記組成物の総質量に対して少なくとも5質量%、優先的に少なくとも10質量%の顔料を含み得る。
顔料は、白色もしくは着色された、鉱物および/または有機であり得る。
本発明に使用され得る鉱物顔料として、酸化チタン、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、二酸化ジルコニウム、酸化セリウムまたは二酸化セリウム、およびまた酸化亜鉛、酸化鉄もしくは酸化クロム、フェリックブルー、マンガンバイオレット、群青および水酸化クロム、ならびにその混合物を挙げることができる。
それはまた、例えば、セリサイト/酸化鉄粉/二酸化チタン/シリカタイプのものであり得る構造を有する顔料でもあり得る。かかる顔料は、例えば、Chemicals and Catalysts社により参照Coverleaf NSまたはJSで販売され、コントラスト比領域30を有する。
それらはまた、例えば、酸化鉄を含有するシリカ小球体タイプのものであり得る構造も有する顔料でもあり得る。この構造を有する顔料の例は、Miyoshi社により参照PC Ball PC−LL−100 Pで販売されている製品であり、この顔料は、鉄黄を含有するシリカ小球体からなる。
有利には、本発明に従った顔料は、酸化鉄および/または二酸化チタンである。
用語「真珠層」は、光干渉を介した色調効果を有する任意の形状、特に、それらの貝殻におけるある種の軟体動物により産生される、あるいは合成される、真珠光沢のまたは非真珠光沢の着色された粒子を意味すると理解されるべきである。
本発明による組成物は、前記組成物の総質量に対して0質量%〜15質量%、特に、1質量%〜8質量%の真珠層を含み得る。
真珠層は、酸化鉄でコートされたチタンマイカ、オキシ塩化ビスマスでコートされたチタンマイカ、酸化クロムでコートされたチタンマイカ、有機染料でコートされたチタンマイカ、およびまたオキシ塩化ビスマスに基づく真珠層の顔料のような、真珠層の顔料から選択され得る。それらはまた、その表面にて、酸化金属および/または有機染料の少なくとも2つの連続する層が重ねられる、マイカ粒子でもあり得る。
また挙げることができる真珠層の例は、酸化チタンで、酸化鉄で、天然の顔料で、またはオキシ塩化ビスマスでコートされた天然のマイカを含む。
挙げることができる市販の真珠層のうち、Engelhard社により販売されている真珠層Timica、FlamencoおよびDuochrome(マイカベース上)、Merck社により販売されているTimiron nacres、Eckart社により販売されているマイカベース上のPrestige nacres、およびSun Chemical社により販売されている合成マイカベース上のSunshine nacresである。
真珠層は、より具体的には、黄色、ピンク色、赤色、ブロンズ色、オレンジ色、茶色、および/または赤味を帯びた茶色もしくは色合いを有し得る。
有利には、本発明に従った真珠層は、二酸化チタンで、または酸化鉄で、およびまたオキシ塩化ビスマスでコートされたマイカである。
本発明の目的では、用語「金属の色合いを有する粒子」は、その性質、サイズ、構造、および表面フィニッシュが、それが、特に非真珠光沢の方法で、入射光に反射することを可能にする、任意の化合物を意味する。
本発明に使用され得る、金属の色合いを有する粒子は、
− 少なくとも1つの金属、および/または少なくとも1つの金属誘導体の粒子、
− 少なくとも1つの金属、および/もしくは少なくとも1つの金属誘導体を含む、金属の色合いを有する少なくとも1つの層で少なくとも部分的にコートされる、一材料または複数の材料の、有機あるいは鉱物物質を含む粒子、ならびに
− 前記粒子の混合物
から特に選択される。
前記粒子に存在し得る金属のうち、例えば、Ag、Au、Cu、Al、Ni、Sn、Mg、Cr、Mo、Ti、Zr、Pt、Va、Rb、W、Zn、Ge、TeおよびSe、ならびにその混合物または合金を挙げることができる。Ag、Au、Cu、Al、Zn、Ni、MoおよびCr、ならびにその混合物または合金(例えば、ブロンズおよび黄銅)が、好ましい金属である。
用語「金属誘導体」は、金属、特に、酸化物、フッ化物、塩化物、および硫化物からもたらされる化合物を示す。
挙げることができるこれらの粒子の説明は、Siberline社により名称Starbrite 1200 EAC(登録商標)で販売されているもの、およびEckart社によるMetalure(登録商標)のような、アルミニウム粒子、および金属層でコートされたガラス粒子、特に、文書日本国特許出願公開第09188830号、日本国特許出願公開第10158450号、日本国特許出願公開第10158541号、日本国特許出願公開第07258460号、および日本国特許出願公開第05017710号において記載されるものを含む。
染料の疎水性処理
既に記載された、粉末状染料は、特に、それらが油との良好な湿潤性を有するように、疎水性の剤で、全体的または部分的に表面処理されて、それらを、本発明の組成物の油相とより適合可能にし得る。したがって、これらの処理された顔料は、油相において十分に分散される。
疎水性処理された顔料は、文書欧州特許出願公開第1 086 683号において特に記載される。
疎水性処理剤は、メチコン、ジメチコン、およびペルフルオロアルキルシランのようなシリコーン;ステアリン酸のような、脂肪酸;ジミリスチン酸アルミニウム、水素化獣脂グルタメートのアルミニウム塩のような、金属せっけん;パーフルオロアルキルホスフェート、酸化ポリヘキサフルオロプロピレン;ペルフルオロポリエーテル;アミノ酸;N−アクリルアミノ酸またはその塩;レシチン、イソプロピルトリイソステアリルチタネート、セバシン酸イソステアリル、およびその混合物から選択され得る。
上で引用された化合物において述べられる、用語「アルキル」は、1〜30個の炭素原子を含有する、好ましくは、5〜16個の炭素原子を含有するアルキル基を特に示す。
極性添加剤(複数可)
有利には、本発明による組成物はまた、特に、それが顔料を含有するとき、1つまたは複数の極性添加剤も含み得る。
本発明によると、かかる極性添加剤の使用は、顔料の存在下で分散液の均質化を促進する。
極性添加剤は、良好な水素結合供与体または受容体、例えば、脂肪アルコール、脂肪酸、ジオールおよびエステル、ならびにその混合物とみなされる化合物から選択され得る。
一実施形態によると、本発明の極性添加剤は、極性油、例えば、
− 多い含有量の、グリセロールの脂肪(C8−C24)酸エステルからなるトリグリセリドを有する炭化水素ベースの植物油(ここで、脂肪酸は、多彩な鎖の長さを有し得、これらの鎖は、できる限り、直鎖または分岐の、および飽和または不飽和であり、これらの油は、特に、小麦胚芽油、コーン油、ヒマワリ油、シアオイル、ヒマシ油、スイートアーモンドオイル、マカダミア油、アプリコットオイル、ダイズ油、ナタネ油、綿実油、アルファルファオイル、ケシ油、カボチャ種子油、ゴマ油、マローオイル、アボカド油、ヘーゼルナッツオイル、グレープシードオイル、カシスオイル、メマツヨイグサ油、キビ油、大麦油、キノア油、オリーブ油、ライムギ油、サフラワー油、ククイ油、トケイソウオイル、およびマスクローズオイル;またはStearineries Dubois社により販売されているもの、もしくはDynamit Nobel社により名称Miglyol 810、812および818で販売されているもののような、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリドである);
− 式R5COOR6[式中、R5は、7〜40の炭素原子を含む、直鎖または分岐のより高級な脂肪酸残基を表し、R6は、3〜40の炭素原子を含有する、分岐の炭化水素ベースの鎖、例えば、ピュアセリンオイル(オクタノン酸セトステアリル)、イソノナン酸イソノニル、またはC12−C15アルキルベンゾエートを表す]の合成油;
− ミリスチン酸イソプロピル、2−エチルヘキシルパルミテート、オクタノン酸、デカノン酸もしくはリシノール酸アルコールまたはポリアルコール、乳酸イソステアリルのようなヒドロキシル化エステル、リンゴ酸ジイソステアリル;およびペンタエリスリトールエステルのような合成エステルならびにエーテル;
− 12〜22の炭素原子を含有する脂肪酸、例えば、オレイン酸、リノール酸、またはリノレン酸;ならびに
− その混合物
であり得る。
別の実施形態によると、本発明の極性添加剤は、両親媒性化合物であり得る。
本発明の組成物に使用され得る、両親媒性化合物(複数可)は、極性部分に結合した親油性部分、少なくとも8個の炭素原子、特に、18〜32の炭素原子、なお良好には、18〜28の炭素原子を含有する、炭素ベースの鎖をできる限り含む親油性部分を含む。好ましくは、このまたはこれらの両親媒性化合物(複数可)の極性部分は、アルコール、および1〜12のヒドロキシル基を含有するポリアルコール、少なくとも2個のオキシアルキレン単位を含み、0〜20個のオキシプロピレン単位、および/または0〜20個のオキシエチレン単位を含有する、ポリオキシアルキレンから選択される化合物の残基である。
特に、両親媒性化合物は、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、もしくはイソステアリン酸グリセリル、ソルビタンまたはメチルグルコース、あるいはオクチルドデカノールのような分岐C12−C26脂肪アルコール、およびその混合物から選択されるエステルである。これらのエステルのうち、モノエステル、ならびにモノエステルおよびジエステルの混合物が、特に好ましい。
両親媒性化合物はまた、シリコーンベースでもあり得る。これらの両親媒性シリコーンは、本発明の組成物の高度にシリコーン媒体と適合可能である、シリコーン部分、ならびに例えば、1〜12のヒドロキシル基を含有する、アルコールおよびポリオール、少なくとも2個のオキシアルキレン単位を含み、0〜20のオキシプロピレン単位、および/または0〜20のオキシエチレン単位を含有する、ポリオキシアルキレンから選択される化合物の残基であり得る、親水性部分を含む。したがって、この親水性部分は、親水性粒子に対する親和性を有し、シリコーン媒体におけるそれらの分散を促進する。
本発明の極性添加剤は、UV−Bおよび/またはUV−A線をスクリーニングするための剤であり得、スクリーニング剤の総量は、できる限り、組成物の総質量に対して0.01質量%〜10質量%である。
本発明による組成物は、0.01質量%〜10質量%、特に、0.05質量%〜5質量%、特に、0.05質量%〜1質量%極性添加剤を含み得る。
フィラー
有利には、本発明による組成物はまた、ケアおよび/またはメーキャップ組成物において従来使用される、1つまたは複数のフィラーも含み得る。
これらのフィラーは、組成物の媒体において不溶性であり、分散される、任意の形態の無色または白色の固体粒子である。
鉱物もしくは有機、天然または合成性質であるこれらのフィラーは、それらを含有する組成物に柔らかさを与え、メーキャップ結果にマットな効果および均一性を与える。加えて、これらのフィラーは、有利には、それが、皮脂または汗のような様々な攻撃要因と戦うことを可能にする。
これらのフィラーの説明として、タルク、マイカ、シリカ、カオリン、ポリ−β−アラニン粉末およびポリエチレン粉末、テトラフルオロエチレンポリマーの粉末(Teflon(登録商標))、ラウロイルリシン、スターチ、窒化ホウ素、塩化ポリビニリデン/アクリロニトリルのもの、例えば、Expancel(登録商標)(Nobel Industrie)のような、中空ポリマー微小球体、アクリル酸コポリマー、シリコーン樹脂ミクロビーズ(例えば、ToshibaのTospearls(登録商標))、ポリオルガノシロキサンエラストマー粒子、沈殿した炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、ポリウレタン粉末、混成フィラー、中空シリカ小球体、およびガラスまたはセラミックマイクロカプセルを挙げることができる。日本国特許出願公開第2003 128 788号、および日本国特許出願公開第2000 191 789号において記載される、中空球形部分の形態である、粒子も使用され得る。
特に、かかるフィラーは、組成物の総質量に対して0.01質量%〜25質量%、特に、0.1質量%〜20質量%、特に、1質量%〜10質量%の含有量で本発明による組成物において存在し得る。
本発明の一実施形態によると、組成物は、顔料、および/またはフィラーのような少なくとも固体粒子を含み得る。
有利には、本発明による組成物は、組成物の総質量に対して0.01質量%〜25質量%、特に、0.1質量%〜25質量%、特に、1質量%〜20質量%、好ましくは、5質量%〜15質量%の固体粒子を含み得る。
分散剤
有利には、本発明による組成物はまた、分散剤も含み得る。
かかる分散剤は、界面活性剤、オリゴマー、ポリマー、またはそれらのいくつかの混合物であり得る。
特定の一実施形態によると、本発明に従った、分散剤は、界面活性剤である。
活性剤
本発明による組成物は、特に、ケア適用のため、少なくとも1つの保湿剤(保水剤としても公知である)を含み得る。
好ましくは、保湿剤はグリセロールである。
保湿剤は、前記組成物の総質量に対して0.1質量%〜15質量%、特に、0.5質量%〜10質量%、なお、1質量%〜6質量%の範囲にある含有量で組成物において存在し得る。
本発明の組成物に使用され得る他の活性剤として、挙げることができる例は、ビタミンおよび日焼け止め、ならびにその混合物を含む。
好ましくは、本発明による組成物は、少なくとも1つの活性剤を含む。
当業者にとって、その所望の化粧特性が、それにより影響されないように、本発明に従い、組成物において存在する添加剤の性質および量を調整することは、日常的な操作事項である。
一実施形態によると、本発明の組成物は、有利には、皮膚および/もしくはケラチン繊維、身体、または顔、特に、顔をケアするための組成物の形態であり得る。
別の実施形態によると、本発明の組成物は、有利には、皮膚および/もしくはケラチン繊維、身体、または顔、特に、顔をメーキャップするための組成物の形態であり得る。
したがって、この実施形態の半様式によると、本発明の組成物は、有利には、メーキャップベース組成物の形態であり得る。
本発明の組成物は、有利には、ファンデーションの形態であり得る。
この実施形態の別の半様式によると、本発明の組成物は、有利には、皮膚、特に、顔をメーキャップするための組成物の形態であり得る。したがって、それは、アイシャドーまたはフェースパウダーであり得る。
この実施形態のなお別の半様式によると、本発明の組成物は、有利には、唇用製品、特に、口紅の形態の形態であり得る。
この実施形態のなお別の半様式によると、本発明の組成物は、まつ毛用製品、特に、マスカラの形態であり得る。
この実施形態のなお別の半様式によると、本発明の組成物は、有利には、眉毛用製品、特に、アイブローペンシルの形態であり得る。
かかる組成物は、当業者の一般的な知識により、特に調製される。
請求項を含み、記載を通じて、用語「1つを含むこと」は、別段特定されない限り、「少なくとも1つを含むこと」と同義であると理解されるべきである。
用語「...〜...」、および「...〜...の範囲にある」は、別段特定されない限り、境界を含むと理解されるべきである。
本発明は、以下で提示される実施例および図面により、より詳細に説明される。別段述べられない限り、示される量は、質量パーセンテージとして表される。
振動動的レオロジー測定の方法論
これらは、弾性率を測定するための、調和体制のレオロジー測定である。
測定は、レートローターφ60mmおよびギャップ2mmを有する、25℃にて静止した製品上のHaake RS600 rheometerを使用して行われる。
調和体制の測定は、製品の粘弾特性を特徴付けることを可能にする。この技術は、材料を、経時的に正弦的に変動する応力の対象にし、材料のこの応力に対する応答を測定することからなる。挙動が、直線的な粘弾性挙動である範囲(張りが力に比例する、ゾーン)において、力(τ)、および張り(γ)は、以下の方法:
τ(t)=τ0sin (ωt)
γ(t)=γ0sin (ωt+δ)
[式中、
τ0は、力の最大振幅(Pa)を表し;
γ0は、張りの最大振幅(−)を表し;
ω=2ΠNは、角周波数(rad.s-1)を表し、但し、Nは、周波数(Hz)を表し;δは、張りに対する力のフェーズシフト(rad)を表す]
で記される、2つのシヌソイド関数である。
したがって、2つの関数は、同一の角周波数を有するが、それらは、角度δでシフトする。τ(t)とγ(t)の間のフェーズシフトδに依存して、システムの挙動が、把握され得る:
− δ=0なら、材料は純粋に弾性であり;
− δ=Π/2なら、材料は純粋に粘性であり(ニュートン流体);
− 0<δ<Π/2なら、材料は粘弾性である。
一般に、力、および張りは、
τ*(t)=τ0iωt
γ*(t)=γ0 e(iωt+δ)
の複合体で記される。
次に、それが弾性または粘性起源であるかどうかにかかわらず、材料の張りに対する全体的抵抗を表す、複合体剛性係数が、
*=τ*/γ*=G’+iG’’
[式中、
G’は、サイクル中に貯蔵され、全体的に戻されるエネルギーを特徴付ける、貯蔵係数または弾性係数であり、G’=(τ0/γ0)cosδ;
G’’は、サイクル中に内部摩擦により放散されるエネルギーを特徴付ける、喪失係数または粘性係数である]、G’’=(τ0/γ0)sinδ
により定義される。
維持されるパラメーターは、周波数1Hzにて測定される、プラトーにて記録される、平均剛性係数G*である。
例1:ケア組成物
本発明に従ったケア製剤を、後述の通り調製する。
ビーカーにおいて、相Aの成分を計り分け、室温にてRayneriブレンダーで撹拌する。
相Bの成分を計り分け、相Aに加え、室温にてRayneriブレンダーで勢いよく撹拌する。
スパチュラを使用して、ビーカーの壁および底をこすり取り、混合物が完全に均一になるまで、混合物をそのまま室温にて勢いよく撹拌しながらホモジナイズする。
白色の双ゲル組成物を形成させる。
後述の質量割合を使用して、製剤を調製する。組成物の総質量に対する質量立てで、パーセンテージを付与する。
組成物の技術的効果を評価するプロトコール
組成物のマット効果の耐久力を評価するために、in vitroグロス試験を行った。
これを行うために、それぞれの式の沈着物25μmを、対比カード上にて生成する。
Byk光沢計(角度60°)を使用して、いくつかのグロスの測定値を、T=0にて、および次にT=24時間にて取得する。
結果は、組成物2、3、および4が、対照組成物1よりずっと強い耐久力のマット効果を示すことを明確に示す。したがって、ゲル−ゲル組成物における疎水性膜形成ポリマーの存在は、マット効果のずっと強い経時的耐久力を確実にすることを可能にする。
言い換えると、本発明による組成物は、24時間後のマット効果の耐久力を有意に改善する。
例2:本発明によるファンデーション組成物
本発明に従ったファンデーション製剤を、後述の通り調製する。
相Aの成分を計り分け、室温にてRayneriブレンダーで撹拌する。
相Bの成分を計り分け、室温にてRayneriブレンダーで撹拌する。
相Bの成分を相Aに加え、室温にてRayneriブレンダーで勢いよく撹拌する。
スパチュラを使用して、ビーカーの壁および底をこすり取り、完全に均一になるまで、混合物をそのまま室温にて勢いよく撹拌しながらホモジナイズする。
ゲル−ゲル組成物が形成される。
後述の質量割合を使用して、製剤を調製する。組成物の総質量に対する質量立てで、パーセンテージを付与する。
組成物の技術的効果を評価するプロトコール
皮脂に対するそれらの抵抗性を試験するために、室温にて3時間に渡り、標準条件下で、および汗に対するそれらの抵抗性を試験するために極端な条件(37℃、RH60%にて30分)下での機器評価において、in vivoで組成物を試験した。
疎水性膜形成ポリマーを含有しない多相組成物と比較して、本発明による組成物は、皮脂および汗に対する良好な抵抗性を示す。
例3:眉毛メーキャップ組成物
本発明に従った眉毛メーキャップ製剤を、後述の通り調製する。
相Aの成分を計り分け、室温にてRayneriブレンダーで撹拌する。
相Bの成分を計り分け、室温にてRayneriブレンダーで撹拌する。
相Bの成分を相Aに加え、室温にてRayneriブレンダーで勢いよく撹拌する。
スパチュラを使用して、ビーカーの壁および底をこすり取り、完全に均一になるまで、混合物をそのまま室温にて勢いよく撹拌しながらホモジナイズする。
ゲル−ゲル組成物が形成される。
後述の質量割合を使用して、製剤を調製する。組成物の総質量に対する質量立てで、パーセンテージを付与する。
組成物は、眉毛に輝きと明るさを付与することを可能にする。それは、良好な結末、すなわち、眉毛上での良好な沈着を与え、それらが自然に引き直されることを可能にする。
それは、一日中快適であるので、メーキャップ結果の経時的耐久力は非常に良好である。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕ケラチン物質、特に皮膚および/または唇、ならびにケラチン繊維、特に眉毛をメーキャップおよび/またはケアするための組成物、特に化粧料組成物であって、
−少なくとも1種の親水性ゲル化剤でゲル化された少なくとも1つの水相、および
−少なくとも1種の親油性ゲル化剤でゲル化された少なくとも1つの油相
を含み、
そこにおいて、前記相が、巨視的に均質な混合物を形成し、
前記組成物が、少なくとも1種の疎水性膜形成ポリマーも含むことを特徴とする、組成物。
〔2〕前記組成物の総質量に対して0.1質量%〜30質量%、好ましくは0.2質量%〜20質量%、さらにより優先的には0.5質量%〜15質量%の疎水性膜形成ポリマーを含む、前記〔1〕に記載の組成物。
〔3〕前記疎水性膜形成ポリマーが、前記ゲル化された油相中に、全体的または部分的に存在し、好ましくは前記ゲル化された油相中にのみ存在する、前記〔1〕または〔2〕に記載の組成物。
〔4〕前記疎水性膜形成ポリマーが、エチレンブロックポリマー、少なくとも1種のカルボシロキサンデンドリマー誘導体を含むビニルポリマー、およびシリコーン樹脂(T樹脂、MQ樹脂)から選択される、前記〔1〕から〔3〕までのいずれか1項に記載の組成物。
〔5〕前記疎水性膜形成ポリマーが、トリメチルシロキシシリケート樹脂である、前記〔1〕から〔4〕までのいずれか1項に記載の組成物。
〔6〕親水性ゲル化剤として、少なくとも1種の合成ポリマーゲル化剤を含む、前記〔1〕から〔5〕までのいずれか1項に記載の組成物。
〔7〕前記合成ポリマー親水性ゲル化剤が、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ポリマーおよびコポリマーから選択される、前記〔6〕に記載の組成物。
〔8〕前記合成ポリマー親水性ゲル化剤が、少なくとも1種のアンモニウム2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ポリマーである、前記〔6〕および〔7〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔9〕前記合成ポリマー親水性ゲル化剤が、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とヒドロキシエチルアクリレートの少なくとも1種のコポリマーである、前記〔6〕および〔7〕のいずれか1項に記載の組成物。
〔10〕前記親油性ゲル化剤が、粒子状ゲル化剤、オルガノポリシロキサンエラストマー、半結晶性ポリマー、デキストリンエステルおよび水素結合ポリマー、ならびにこれらの混合物から選択される、前記〔1〕から〔9〕までのいずれか1項に記載の組成物。
〔11〕親油性ゲル化剤として、少なくとも1種のオルガノポリシロキサンエラストマー、好ましくはジメチコンクロスポリマー、ジメチコン(および)ジメチコンクロスポリマー、ビニルジメチコンクロスポリマー、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー、ジメチコンクロスポリマー−3、そして特にジメチコンクロスポリマーならびにジメチコン(および)ジメチコンクロスポリマーから選択されるものを含む、前記〔1〕から〔10〕までのいずれか1項に記載の組成物。
〔12〕親油性ゲル化剤として、INCI名ジメチコン(および)ジメチコンクロスポリマーの少なくとも1種の架橋シリコーンエラストマー、好ましくは25℃で1〜100cSt、特に1〜10cStの範囲の粘度を有するジメチコンを用いるものを含む、前記〔1〕から〔11〕までのいずれか1項に記載の組成物。
〔13〕親水性ゲル化剤/親油性ゲル化剤系として、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ポリマーまたはコポリマー/オルガノポリシロキサンエラストマー系を含有する、前記〔1〕から〔12〕までのいずれか1項に記載の組成物。
〔14〕前記水相および前記油相を、95/5〜5/95、好ましくは30/70〜80/20の水相/油相質量比で含有する、前記〔1〕から〔13〕までのいずれか1項に記載の組成物。
〔15〕少なくとも、顔料および/またはフィラーなどの固体粒子も含む、前記〔1〕から〔14〕までのいずれか1項に記載の組成物。
〔16〕顔料を、極性添加剤と組み合わせて含む、前記〔1〕から〔15〕までのいずれか1項に記載の組成物。
〔17〕揮発性および/または不揮発性シリコーン油も含む、前記〔1〕から〔16〕までのいずれか1項に記載の組成物。
〔18〕少なくとも1種の保湿剤、好ましくはグリセロールも含む、前記〔1〕から〔17〕までのいずれか1項に記載の組成物。
〔19〕皮膚および/またはケラチン繊維、身体または顔、特に顔をメーキャップするための組成物の形態の、前記〔1〕から〔18〕までのいずれか1項に記載の組成物。
〔20〕ケラチン物質、特に皮膚および/または唇、ならびにケラチン繊維、特に眉毛をメーキャップおよび/またはケアするための組成物、特に化粧料組成物を調製する方法であって、
−少なくとも1種の親水性ゲル化剤でゲル化された水相、および
−少なくとも1種の親油性ゲル化剤でゲル化された少なくとも1つの油相
を、巨視的に均質な混合物を得るのに適した条件下で混合する少なくとも1つの工程を含み、
前記組成物が、少なくとも1種の疎水性膜形成ポリマーも含むことを特徴とする、方法。
〔21〕少なくとも3つまたはさらにそれより多いゲル化された相を混合する工程を含む、前記〔20〕に記載の方法。
〔22〕前記混合工程が、室温で実施される、前記〔20〕および〔21〕のいずれか1項に記載の方法。
〔23〕ケラチン物質、特に皮膚および/または唇、ならびにケラチン繊維、特に眉毛をメーキャップおよび/またはケアするための化粧方法であって、前記ケラチン物質に、前記〔1〕から〔19〕までのいずれか1項に記載の組成物を適用することからなる少なくとも1つの工程を含むことを特徴とする、化粧方法。
〔24〕ケラチン物質、特に皮膚および/または唇、ならびにケラチン繊維、特に眉毛をメーキャップおよび/またはケアするための化粧方法であって、
前記ケラチン物質に適用する前または適用するときに、少なくとも1種の親水性ゲル化剤でゲル化された少なくとも1つの水相、および少なくとも1種の親油性ゲル化剤でゲル化された少なくとも1つの油相を即時に混合することによって得られた巨視的に均質な組成物を、前記物質に適用する工程を少なくとも含み、
前記組成物が、少なくとも1種の疎水性膜形成ポリマーも含むことを特徴とする、化粧方法。

Claims (17)

  1. ケラチン物質およびケラチン繊維をメーキャップおよび/またはケアするための組成物であって、
    −少なくとも1種の親水性ゲル化剤でゲル化された少なくとも1つの水相、および
    −少なくとも1種の親油性ゲル化剤でゲル化された少なくとも1つの油相
    を含み、
    そこにおいて、前記相が、巨視的に均質な混合物を形成し、前記巨視的に均質な混合物が、ゲル化された相のそれぞれが肉眼によって個別に認識できない混合物であり、
    前記組成物が、少なくとも1種の疎水性膜形成ポリマーも含み、
    前記親水性ゲル化剤/親油性ゲル化剤系が、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びヒドロキシエチルアクリレートのコポリマー/オルガノポリシロキサンエラストマーの系であることを特徴とする、組成物。
  2. 前記組成物の総質量に対して0.1質量%〜30質量%の疎水性膜形成ポリマーを含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記疎水性膜形成ポリマーが、前記ゲル化された油相中に、全体的または部分的に存在している、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記疎水性膜形成ポリマーが、エチレンブロックポリマー、少なくとも1種のカルボシロキサンデンドリマー誘導体を含むビニルポリマー、およびシリコーン樹脂(T樹脂、MQ樹脂)から選択される、請求項1から3までのいずれか1項に記載の組成物。
  5. 前記疎水性膜形成ポリマーが、トリメチルシロキシシリケート樹脂である、請求項1から4までのいずれか1項に記載の組成物。
  6. 親油性ゲル化剤として、INCI名ジメチコン(および)ジメチコンクロスポリマーの少なくとも1種の架橋シリコーンエラストマーを含む、請求項1からまでのいずれか1項に記載の組成物。
  7. 前記水相および前記油相を、95/5〜5/95の水相/油相質量比で含有する、請求項1からまでのいずれか1項に記載の組成物。
  8. 少なくとも固体粒子も含む、請求項1からまでのいずれか1項に記載の組成物。
  9. 顔料を、極性添加剤と組み合わせて含む、請求項1からまでのいずれか1項に記載の組成物。
  10. 揮発性および/または不揮発性シリコーン油も含む、請求項1からまでのいずれか1項に記載の組成物。
  11. 少なくとも1種の保湿剤も含む、請求項1から10までのいずれか1項に記載の組成物。
  12. 皮膚および/またはケラチン繊維、身体または顔をメーキャップするための組成物の形態の、請求項1から11までのいずれか1項に記載の組成物。
  13. ケラチン物質およびケラチン繊維をメーキャップおよび/またはケアするための組成物を調製する方法であって、
    −少なくとも1種の親水性ゲル化剤でゲル化された水相、および
    −少なくとも1種の親油性ゲル化剤でゲル化された少なくとも1つの油相
    を、巨視的に均質な混合物を得るのに適した条件下で混合する少なくとも1つの工程を含み、前記巨視的に均質な混合物が、ゲル化された相のそれぞれが肉眼によって個別に認識できない混合物であり、
    前記組成物が、少なくとも1種の疎水性膜形成ポリマーも含み、
    前記親水性ゲル化剤/親油性ゲル化剤系が、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びヒドロキシエチルアクリレートのコポリマー/オルガノポリシロキサンエラストマーの系であることを特徴とする、方法。
  14. 少なくとも3つまたはさらにそれより多いゲル化された相を混合する工程を含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記混合工程が、室温で実施される、請求項13および14のいずれか1項に記載の方法。
  16. ケラチン物質およびケラチン繊維をメーキャップおよび/またはケアするための化粧方法であって、前記ケラチン物質に、請求項1から12までのいずれか1項に記載の組成物を適用することからなる少なくとも1つの工程を含むことを特徴とする、化粧方法。
  17. ケラチン物質およびケラチン繊維をメーキャップおよび/またはケアするための化粧方法であって、
    前記ケラチン物質に適用する前または適用するときに、少なくとも1種の親水性ゲル化剤でゲル化された少なくとも1つの水相、および少なくとも1種の親油性ゲル化剤でゲル化された少なくとも1つの油相を即時に混合することによって得られた巨視的に均質な組成物を、前記物質に適用する工程を少なくとも含み、
    前記巨視的に均質な組成物が、ゲル化された相のそれぞれが肉眼によって個別に認識できない混合物であり、前記組成物が、少なくとも1種の疎水性膜形成ポリマーも含み、
    前記親水性ゲル化剤/親油性ゲル化剤系が、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びヒドロキシエチルアクリレートのコポリマー/オルガノポリシロキサンエラストマーの系であることを特徴とする、化粧方法。
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