JP2005112834A - 外用剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ポリオキシエチレン付加界面活性剤を使用することなく、水溶性の成分と油溶性の成分を系内で均一、安定に混合せしめた外用剤組成物を提供する。
【解決手段】イソステアリルアルコール、ブチレングリコールヤシ脂肪酸エステル及びエチルセルロースを含有することを特徴とする外用剤組成物。

Description

本発明は外用組成物、特に水溶性成分と油溶性成分を系内で均一、安定な状態とした混合物からなる外用剤組成物とその製法に関する。
化粧品、医薬品等の外用剤組成物にあって、水溶性の成分と油溶性の成分を系内で均一、安定に混合せしめるために、従来、所謂界面活性剤が使用されている。この界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、半極性界面活性剤に大別され、多くの種類があるが、外用剤組成物には皮膚刺激の少ないノニオン性界面活性剤が主に用いられる。ノニオン性界面活性剤の中でも、親水基としてポリオキシエチレンを持つ構造の界面活性剤が多用されるが、その独特の異臭と、ポリオキシエチレン付加モル数の分布のバラツキによる乳化力の不確定さが避けられないという課題がある。また、近年極めて限られたものではあるが、特定構造を有するポリオキシエチレン付加界面活性剤は内分泌かく乱物質として、その使用が制限される傾向にある。
さらに、一部の界面活性剤はその配合の際、系を室温以上に加熱することが必須であり、そのために熱に不安定な成分は配合できず、また、生産上熱効率が悪い。
本発明は、前記のような状況下でなされたものであり、ポリオキシエチレン付加界面活性剤を使用することなく、水溶性の成分と油溶性の成分を系内で均一、安定に混合せしめた外用剤組成物を提供することを課題とする。
本発明は、
1.イソステアリルアルコール、ブチレングリコールヤシ脂肪酸エステル及びエチルセル ロースを含有することを特徴とする外用剤組成物。
2.イソステアリルアルコールが0.1〜10.0重量%、ブチレングリコールヤシ脂肪 酸エステルが0.1〜10.0重量%、エチルセルロースが0.01〜1.0重量% である特許請求の範囲第1項記載の外用剤組成物。
3.イソステアリルアルコール、ブチレングリコールヤシ脂肪酸エステル及びエチルセル ロースの混合物に油性成分を配合せしめて製造した油相ゲルを、水溶性成分からなる 水相ゲルに添加して外用剤組成物を得ることを特徴とする特許請求の範囲第1項及び 第2項記載の外用剤組成物の製造方法。
よりなる手段によって、前記課題を解決するものである。
本発明によれば、ポリオキシエチレン付加界面活性剤等、所謂界面活性剤を使用することなく、水溶性の成分と油溶性の成分を系内で均一、且つ安定に混合せしめた外用剤組成物を得ることができる。また、本発明によれば、加熱工程が不要であり、室温から加熱下での製造まで、広範な製造温度が選択できる。
以下、本発明の構成について詳述する。
(1)本発明の外用剤組成物の必須成分であるイソステアリルアルコールについて
本発明においてイソステアリルアルコールは後述のブチレングリコールヤシ脂肪酸エステルとの混合系で、広範な種類の油性成分と良好な親和性を有し、更にエチルセルロースとの併用により該油性成分を増粘、ゲル化する作用を発揮する。本発明の外用剤組成物においてはこの増粘、ゲル化が重要であり、多くの液状油性成分の中から本成分が見出された。
本発明の外用剤組成物において、イソステアリルアルコールの好ましい配合量は外用剤組成物中0.1〜10.0重量%(以下単に%と表す)、さらに好ましくは0.5〜5.0%配合される。0.1%未満では増粘、ゲル化能力が不十分であり、10.0%を超えるとべたつきなどが発現し使用性上好ましくないからである。
(2)本発明の外用剤組成物の必須成分であるブチレングリコールヤシ脂肪酸エステルについて
本発明においてブチレングリコールヤシ脂肪酸エステルは前記のイソステアリルアルコールとの混合系で、広範な種類の油性成分と良好な親和性を有し、更にエチルセルロースとの併用により該油性成分を増粘、ゲル化する作用を発揮する。本発明の外用剤組成物においてはこの増粘、ゲル化が重要であり、多くの液状エステル成分の中から本成分が見出された。
本発明の外用剤組成物において、ブチレングリコールヤシ脂肪酸エステルの好ましい配合量は外用剤組成物中0.1〜10.0%、さらに好ましくは0.5〜5.0%配合される。0.1%未満では増粘、ゲル化能力が不十分であり、10.0%を超えるとべたつきなどが発現し使用性上好ましくないからである。
(3)本発明の外用剤組成物の必須成分であるエチルセルロースについて
本発明においては、化粧品、医薬品原料として使用される増粘剤の中で、このエチルセルロースが、イソステアリルアルコールとブチレングリコールヤシ脂肪酸エステルとの混合系と相溶性が良く、且つ油性成分を増粘、ゲル化する作用に極めて優れる。
本発明の外用剤組成物において、エチルセルロースは外用剤組成物中0.01〜1.0%、好ましくは0.02〜0.5%配合される。0.01%未満では増粘、ゲル化効果が不十分であり、1.0%を超えると系全体の相溶性、粘稠性のバランスが崩れて好ましくないからである。
(4)本発明の外用剤剤組成物中の他の成分について
本発明の外用剤組成物はイソステアリルアルコール、ブチレングリコールヤシ脂肪酸エステル及びエチルセルロースを含有することを特徴とする。本発明の外用剤組成物は上記必須成分以外に、目的に応じて通常外用剤組成物に使用される他の成分を配合することができる。かかる他の成分としては下記成分が例示され、上記必須成分にこれらの一種又は二種以上を配合して常法に応じて製造される。
グリセリン、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、ムコ多糖、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、キトサンなどの保湿剤。マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、月見草油、ヒマシ油、ヒマワリ油、茶実油、コメヌカ油、ホホバ油、カカオ脂、ヤシ油、スクワレン、牛脂、モクロウ、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナバロウ、鯨ロウ、ラノリン、流動パラフィン、ポリオキシエチレン(8モル)オレイルアルコールエーテル、モノオレイン酸グリセリルなどの油分。カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、コレステロール、フィトステロールなどの高級アルコール。カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、ラノリン脂肪酸、リノール酸、リノレン酸などの高級脂肪酸。メチルセルロース、アラビアガム、ポリビニルアルコールなどの増粘剤。エタノール、1,3−ブチレングリコールなどの溶媒。ブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール、フィチン酸などの酸化防止剤。安息香酸、サリチル酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸エステル(エチルパラベン、ブチルパラベンなど)、ヘキサクロロフェンなどの抗菌防腐剤。グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、チロシン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン、タウリン、アルギニン、ヒスチジンなどのアミノ酸とこれらの塩酸塩。アシルサルコシン酸(例えばラウロイルサルコシン)、グルタチオン、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸などの有機酸。ビタミンA及びその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2及びその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15及びその誘導体などのビタミンB類、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステル(塩)、アスコルビン酸ジパルミテートなどのビタミンC類、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、ビタミンEアセテート、ビタミンEニコチネートなどのビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチンなどのビタミン類。ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル、γ−オリザノール、アラントイン、グリチルリチン酸(塩)、グリチルレチン酸及びその誘導体、ヒノキチオール、ムシジン、ビサボロール、ユーカリプトール、チモール、イノシトール、サポニン類(サイコサポニン、ニンジンサポニン、ヘチマサポニン、ムクロジサポニンなど)、パントテニルエチルエーテル、エチニルエストラジオール、トラネキサム酸、セファランチン、プラセンタエキスなどの各種薬剤。脂肪酸セッケン、高級アルキル硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩、リン酸エステル塩、 N−アシルグルタミン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩などのアニオン界面活性剤。ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイドなどのカチオン界面活性剤。グリセリルモノ脂肪酸エステル、ソルビトールモノ脂肪酸エステル、ソルビタンモノ脂肪酸エステル、砂糖脂肪酸エステルなどのノニオン界面活性剤。イミダゾリン系、ベタイン系の両性界面活性剤。ギシギシ、クララ、コウホネ、オレンジ、セージ、タイム、ノコギリソウ、ゼニアオイ、センキュウ、センブリ、トウキ、トウヒ、バーチ、スギナ、ヘチマ、マロニエ、ユキノシタ、アルニカ、ユリ、ヨモギ、シャクヤク、アロエ、クチナシ、サワラ、ブナの木の幼芽などの有機溶剤、アルコール、多価アルコール、水、水性アルコールなどで抽出した天然エキス。その他に、香料、スクラブ剤、精製水などを配合することができる。
本発明の外用剤組成物の剤型は粘稠液状、乳液状、クリーム状、ゲル状、エアゾールフォーム状、粉末分散系などの形態をとることができる。
(4)本発明の外用剤組成物の製造方法について
本発明の外用剤組成物の製造に際しては、先ずイソステアリルアルコール、ブチレングリコールヤシ脂肪酸エステル及びエチルセルロースを予め混合して均一な油状混合物とし、該油状混合物を所望の油性成分に添加して油相ゲルを得る。次に該油相ゲルを、水溶性成分からなる水相ゲルに添加して撹拌混合することにより、極めて微小な油性成分の粒子が水性成分中に均一に安定分散した外用剤組成物を得る。
水相ゲルの成分は任意であり、ゲル化剤としてはカラギーナン、アラギン酸ナトリウム、PVP、ヒドロキシプロピルセルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウムなどが用いられるが、特にカルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガムが好ましい。
本発明の外用剤組成物の製造法の利点は、加熱工程が不要であり、室温から加熱下での製造まで、広範な製造温度が選択できるということである。従って、熱に不安定な成分の配合が可能であり、また、加熱工程がない故に熱効率上、非常に有利な製造工程をとることが出来る。
次に本発明について、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。配合量は特に断りがない限り重量%で示す。
<メイキャップ リムーバー>
(I)
精製水 69.95
アクリレート/C10−30 アルキルアクリレート
クロスポリマー 0.25
キサンタンガム(2%溶液) 10.00
水酸化ナトリウム(10%溶液) 0.05
カラス麦エキス*1) 2.00
防腐剤 0.30
(II)
イソプロピルパルミテート 2.00
流動パラフィン 5.00
シクロメチコン 2.50
カプリリック/カプリック トリグリセライド*2) 3.50
イソステアリルアルコール*3) 1.90
ブチレングリコールヤシ脂肪酸エステル*3) 1.95
エチルセルロース*3) 0.15
(III)
水酸化ナトリウム(10%溶液) 0.45
*1)ガテフォッセ社商品:「VEGETOL OAT ME166 HYDRO」
*2)ガテフォッセ社商品:「LABRAFAC CC」
*3)ガテフォッセ社商品:「EMULFREE CBG」の組成成分
IにIIを室温で添加し、均一になるまで撹拌混合した後、IIIを添加、撹拌混合して、メイキャップ リムーバーを得た。このものは非常になめらかな乳液状であって、長期保存安定性にも優れるものであった。
<敏感肌用保湿剤>
(I)
イソステアリルアルコール*3) 2.15
ブチレングリコールヤシ脂肪酸エステル*3) 2.15
エチルセルロース*3) 0.20
セチルアルコール 2.00
防腐剤 0.30
ボリジ油 1.00
落花生油*4) 0.02
プロピレングリコール ジペラルゴネート*5) 6.00
(II)
精製水 76.88
グリセリン 5.00
カルボキシビニルポリマー 0.25
キサンタンガム 0.15
(III)
水酸化ナトリウム(10%溶液) 0.50
(IV)
ラナンキュラスフィカリアエキス*6) 0.10
ヨーロッパブナエキス*7) 2.00
カラス麦エキス*1) 1.00
(V)
防腐剤 0.30
*4)ガテフォッセ社商品:「ANTIOXYGENE WL 774」
*5)ガテフォッセ社商品:「DPPG」
*6)ガテフォッセ社商品:[GATULINE A」
*7)ガテフォッセ社商品:「GATULINE RC」
75℃下でIIにIを添加し、続いてIIIを添加混合した。その後、35℃まで冷却し、IV、Vを加えて、敏感肌用保湿剤を得た。このものは,非常になめらかな乳液状であって、長期保存安定性にも優れるものであった。
<マッサージ用レッグジェル>
(I)
イオン交換水 To 100
グリセリン 10.00
1,3−ブチレングリコール 10.00
キサンタンガム 0.15
色素 適量
(II)
アクリレート/アクリルアミドコポリマー、
ミネラルオイル、ポリソルベート−85 2.00
(III)
イソステアリルアルコール*3) 1.20
ブチレングリコールヤシ脂肪酸エステル*3) 1.20
エチルセルロース*3) 0.10
防腐剤 0.50
シクロメチコン 5.00
ミリスチン酸オクチルドデシル 3.00
ハッカ油等混合精油*8) 2.00
アルコール 96% 10.00
*8)ガテフォッセ社商品:「V−TONIC」
IにIIを加え、更に急速撹拌下でIIIを混合して、マッサージ用レッグジェルを得た。このものは、非常になめらかな不透明ジェル状であって、長期保存安定性にも優れるものであった。

Claims (3)

  1. イソステアリルアルコール、ブチレングリコールヤシ脂肪酸エステル及びエチルセルロースを含有することを特徴とする外用剤組成物。
  2. イソステアリルアルコールが0.1〜10.0重量%、ブチレングリコールヤシ脂肪酸エステルが0.1〜10.0重量%、エチルセルロースが0.01〜1.0重量%である特許請求の範囲第1項記載の外用剤組成物。
  3. イソステアリルアルコール、ブチレングリコールヤシ脂肪酸エステル及びエチルセルロースの混合物に油性成分を配合せしめて製造した油相ゲルを、水溶性成分からなる水相ゲルに添加して外用剤組成物を得ることを特徴とする特許請求の範囲第1項及び第2項記載の外用剤組成物の製造方法。
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