JP6445018B2 - 糖を基質とする微生物発酵プロセス及び当該プロセスにおける原子状、イオン状及び気体状の水素の使用 - Google Patents

糖を基質とする微生物発酵プロセス及び当該プロセスにおける原子状、イオン状及び気体状の水素の使用 Download PDF

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Description

本発明は、糖類の微生物発酵を通してアルコールを選択的に増産するための生化学プロセスに関する。
特に、プロセス中で微生物に適切な濃度の水素を添加し、これが連続的、半連続的又はバッチ生産方式において糖を含む麦汁と、微生物とを備えている。微生物は、自然に発生する又は特に選択され、改変された性質、又は組換えによる性質を備えた凝集された系統の真菌類又はバクテリア属であり、発酵中の麦汁又は固定化されたベッド(培養場所)及び微量栄養素中で懸濁されている。
アルコールは、1つ又はそれ以上の飽和炭素に結合する機能性の水酸基(OH)を有する有機化合物であり、1つ又はそれ以上の炭素原子を有している。このクラスで最もよく知られた化合物はエタノール、あるいはエチルアルコールである。エチルアルコールはアルコール飲料中、洗浄製品中、薬品中に含まれ、化学的溶媒及びエンジンの内部燃焼のための燃料等としても多く適用されている。
90%以上のエタノールは、世界的に、サトウキビ、糖蜜、果物の果肉、又はデンプン及びセルロースの加水分解により直接的に得られた材料等の糖源由来の糖類を発酵させることにより生産されている。これらのデンプンに似た老廃物及びセルロースグループには、トウモロコシ、カッサバ、他の小塊茎、ソルゴ、小麦、大麦、サトウキビのバガス、ジャガイモ、乳精等がある。
発酵及び蒸留によるエタノールの生産は、基本的に4つの段階、すなわち原料の準備又は糖化、液化、発酵及び蒸留に分かれている。
ワイン及びビールの製造には、蒸留段階がない。挽く、砕く、浸出させるといった原料の準備は、処理装置を通した糖源、デンプン又はセルロースを通過させる工程を含む。第二段階では、デンプンに似た又はセルロースの鎖を加水分解の効果によって糖分子へと発酵又は他の中間処理を通して開裂し、希釈された基質を得る。糖液又は麦汁は発酵へと導かれる。
発酵段階は、微生物、菌類又はバクテリアであって、いくつかの酵素反応によって糖をアルコールに変換するものを加える工程を含んでいる。このプロセスの後、工業的規模で表1に示す期間の発酵を行い、発酵された麦汁又はワインを得る。
ワインは、それから四番目及び最後のステップである分画分の蒸留が行われる。この蒸留プロセス及び脱水プロセスの性質によって、アルコールの水和又は脱水が生じる。
より直接的にアルコールの生産の結果に影響を与え、最も研究されたステップの1つのステップは、それ故、発酵である。スクロース、グルコース、グルコース、フルクトース及びキシロースのうち、トリオース、テトロース、ペントース、ヘキソース等の糖類をアルコールに変換する生化学プロセスであるロタエチルのケースでは、発酵は、アルコール発酵又はエチル発酵とも呼ばれる。このプロセスでは、通常解糖系と呼ばれるいくつかの細胞外酵素反応において、糖類をピルビン酸又はピルビン酸関連物の分子に変換するのは微生物である。続いて、嫌気性条件で2つの他の酵素反応が起こり、それは発酵プロセスを特徴づける。第1の反応は、ピルビン酸の脱炭酸反応であり、ピルビン酸デカルボキシラーゼによって行われ、ピルビン酸分子からカルボキシル基が除去され、二酸化炭素の放出を伴ってアセトアルデヒド分子に変換される。第2の反応はエタノールアセトアルデヒドの還元であり、アルコールデヒドロゲナーゼによって行われ、発酵プロセスが適切に完了する。
一般的に、発酵プロセスは、基質と、微生物のタイプ及び系統と、特に適切な操作条件の組み合わせによって特徴付けられる。発酵を活性化及び阻害する種々の条件が結果としてプロセス自体の効率及び品質の妨害となるので、操作条件は、収率を最大限にし、発酵において麦汁へ変換される特別な特徴の観点を持つ。
−発酵プロセスの収率−
全ての反応を特徴付ける主要な点は、化学的であるか又は酵素的であるかに関係なく、換算係数又はより具体的には変換の効率及び収率に関連する。自然発生理論の概念から進化しているので、実験的な評価や理論的な考察を受けたアルコール発酵は、従来技術によって最も成功したプロセスの1つとしてみなされている。大部分が単細胞真核生物としての真菌類である微生物の細胞の性質と結びつき、動物細胞の性質と同様に、研究及び理解は実験的利用が容易であるという特典を受けており、好気性及び嫌気性の呼吸プロセスのうち、後者はアルコール性及び乳酸発酵としても知られ、自由に発展する。
1810年にルイス・ジョセフ・ゲイリュサックはグルコースのアルコール発酵からのエタノール及び二酸化炭素の生産に関する下記のような化学量論式を公式化した。
グルコース エタノール 二酸化炭素
12 → 2COH + 2CO ・・・式(1)
100g 51.1g 48.8g
1863年に、ルイ・パスツールはグルコース(単糖)からエタノール及び二酸化炭素への変換が微生物の活動によるものであるという概念を導入した。34年後の1897年に、エドゥアルド・ブフナーは生きた微生物を用いることなく実験室において糖の発酵を行い、下記に示す発酵プロセスの酵素活動の概念を導入した。
グルコース 微生物 エタノール 二酸化炭素
12 + チマーゼ → 2COH + 2CO
チマーゼは、糖からエタノール及び二酸化炭素への発酵を触媒する酵素複合体を指す。
このように、ブフナーは酵母細胞が培地中に糖の発酵を引き起こすタンパク質を分泌しているという仮説を提示した。後に、これらの発酵反応は酵母細胞の内部で起こることが例示された。
この発展の全ては、自然発酵条件では1分子のグルコースが2分子のエタノールと2分子の二酸化炭素を生産しうるということの検証によって、糖類のアルコールへの変換効率又は収率の性質に呼応している。この理解はゲイリュサック(G-L)収率としてよく知られており、グルコース発酵における最大値は51.1%(質量/質量)である。図1及び図2は、反応の順序及びグルコース発酵における最大質量収率を示す。
比較のため、ペントース、ヘキソース、及び二糖類(スクロース)の発酵プロセスの収率の式を単純化したものを下に示す。二糖のスクロースは、サトウキビ中での主な糖である。
ペントース: 3C10 → 5COH + 5CO
100g 51.1g 48.8g
ヘキソース: C12 → 2COH + 2CO
100g 51.1g 48.8g
スクロース:C122211+HO+インベルターゼ→4COH+
4CO 100g 53.8g
51.4g
インベルターゼは、スクロースをヘキソース、フルクトース及びグルコースに加水分解するのを触媒する酵素を指し、これらの糖の混合物は転化糖シロップと呼ばれる。
糖類の発酵によるアルコール工業においては、プロセスの収率の追求は絶えず行われ、物理化学及び生物学の領域での完璧で複合的な研究及び実験が行われている。一般的な方法では、アルコールの効率及び収率の観点から、アルコール発酵のプロセスの完全な処理の式は次のように書ける。
[糖]+[微生物]→[エタノール]+[CO]+[生成物B]+エネルギー
ここで、真の最大収率は、変換における消費された糖の濃度に対する生産されたエタノールの濃度の比率であることを理解する。
発酵プロセスの間、酵母や真菌類以外のバクテリアなど、種々の微生物の性質が糖の消費に寄与する。これらの微生物は種の細胞成長のために糖の基質を消費し、酸や高級アルコールなどの副産物の生産においても寄生プロセスが生じると発酵収率の減少が生じる。
1937年にファーミン・ボイノットはフランスにおいて特許を受け、1941年に工業的なアルコール発酵の実施プロセスについてUS2230318の特許を得た。
1930年代にこのプロセスはブラジルに伝わり、発酵収率の増大に著しく寄与している。この方法は今では世界中に広がり、メレ・ボイノット(Melle-Boinot)のプロセスとして知られ、非限定的ではあるが、ほとんどが酵母を用いた発酵に適用される。このプロセスの長所は、糖の直接的な減少に伴って、微生物が再利用、処理及びリサイクルによって提供されることにある。遠心分離後に、濃縮された状態で24時間に対してpH2〜3の培地中で2時間の酸性処理を行うことにより、微生物の再利用が行われ、このことがバクテリア数の劇的な減少を促進する。この処理の後、酵母のミルク(乳液)と呼ばれる遠心された酵母は、プロセスに戻された場合、濃縮及び処理される。この操作は利用できる糖の1%未満の糖の消費の減少をもたらし得る。
ピルビン酸の脱炭酸工程で生成物として放出される二酸化炭素は、発酵プロセスの並列生成物とみなされる。
上で述べた寄生プロセスによる副生成物の他にも、グリセロール、有機酸(コハク酸、酢酸、ピルビン酸等)、高級アルコール、アセトアルデヒド、アセトン、ブチレングリコール及び他の化合物といった他の生成物が、アルコール発酵の間に生成される。プロセス中で利用できる糖の3%〜5%がこれらの転換によって消費されると見積もられている。
エネルギーの点から説明すると、嫌気性条件において酵母は、プロセス全体の排泄物がエタノール及び二酸化炭素の2つだけとなるアルコール発酵する代謝から逸脱する。アルコール発酵は次の通りである。
12+2Pi+2ADP→2COH+2CO+HO+2ATP (ΔG0=−56kcal/mole)
一方、好気性条件下で、特に細胞の増殖フェーズにおいて酵母は呼吸を行う。細胞質で生じる発酵とは異なり、呼吸はミトコンドリア内で生じ、下に示すように、アルコール発酵中で得られる19倍の量のATP(アデノシン三リン酸;エネルギー変換手段)の生成を導く。
12+6O+38Pi+38ADP→6CO+38ATP+6HO (ΔG0=−686kcal/mole)
寄生プロセスにおける糖の消費の低減及び望ましくない副生成物の低減するための手始めとして、発酵プロセスの間に多くの処置が取られる。発酵では、微量栄養素の制御及びコンタミネーションの存在と同様に、麦汁のpH及び温度の制御は変化しやすく、プロセスにおいて重要な位置を占めると推測され、生化学的活動力を刺激又は阻害する。
特に高い操作温度(最高温度>38℃)に関連付けられた培地の低いpH(pH<4.0)は、亜硫酸、乳酸、アルコール性の内容物及び高濃度の糖など他の阻害物質に比べて、エタノールの工業的生産のユニットで得られ且つ用いられる酵母への最も大きい生理学的な興味の要因であることが証明されている。麦汁のpHが4.5で温度が20℃〜37℃の範囲であることは、ストレス要因に対する保護を可能にする。上記の条件により、細胞の高い生存率、発芽、アルコール収率、酵母の正常な形態、糖の残渣の減少及び培地中へのアミノ酸の低い放出を得て、より良いエタノールの生産効率及びプロセスの安定性が提供される。
栄養源について、酵母は従属栄養性の微生物であり、吸収によって養われる。満足な発酵を行うための酵母の生育に必要な主要な養分は、(i)窒素(人工的な形質転換(トランスフォーメーション)因子);(ii)リン(エネルギーの移行因子であり、欠乏すると発酵が起こらない);(iii)カリウム;(iv)マグネシウム:(v)亜鉛;(vi)マンガンであり、これらの全ては酵素反応にとって重要である。また、養分には、コバルト、銅、イオウ、ホウ素といった微量栄養素の他に、発酵の促進剤であるビタミンB複合体もある。
酵母はまた腐性の微生物であり、炭素の同化源−主に炭素、酸素及び水素で構成される、化学的エネルギー及び細胞構造の炭素骨格を供給するグルコースや他の糖、を要求する。チアミン及びパントテン酸などいくつかのビタミンもまた要求される。
窒素源に関して、酵母はアンモニア(NH )、アミド(尿素)又はアミン(アミノ酸の形)の形で窒素を利用でき、硝酸塩は代謝できず、培地中のタンパク質を窒素として使用する能力はほとんど又は全くない。
アンモニアの形が主な窒素源であるので、酵母はアンモニアがない場合に、アミノ酸などの他の形態の窒素源を探し、これによってイソアミル、アミル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルアルコールなどの二次化合物の生産が増加する。イオウは硫酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩の形で消化吸収されるが、リンは、pH4.5で優勢なHPO イオンの形で吸収される。上で提示した通り、又は混合麦汁中で糖蜜を使用する際、酵母の処理に硫酸を用いると、イオウはプロセスに十分なことを示すので、過剰になった場合に致死的になるイオウの追加の使用を避ける。
上述の原則及び考慮に基づき、例えばグルコース又は他の発酵可能な糖を基質としてアルコール発酵を行う際の発酵収率は、最大理論収率である100%では、式(1)により質量でのG−Lの理論的最大収率が0.511m/mであるが、実際の発酵プロセスの最大収率はほぼ無菌状態で生産環境が制御されていても92%〜94%である。制御及び無菌性をより小さくすると、収率は85%以下に落ちるかもしれず、これは生産プロセスにおいてかなりのロスが生じることを意味する。
この点で、改善された適切な運転制御、微生物の系統及び性質、選択され、結合及び修正されたより高い生産性及びプロセス耐性の点に焦点を当て、全体及びそれぞれの効率の増大への継続的な努力が続けられている。工業的な培地中でのアルコール生産に関する数字の観点から、0.1%〜0.5%の発酵収率の増加は、既にかなりの投資が正当であることを理由付けている。
ここで例示するように、種々の論文がエタノール生産のプロセスの収率を改善するために進展している。
文献US4451566は、糖発酵によるエタノールを酵素的に生産するための方法及び装置を記載している。糖からエタノールへの変換を触媒するための一連の酵素は、反応区域の多様性が保持されている。発酵可能な糖液はこれらの区域を連続的に通過し、アルコールは最後の区域で回収される。通常のプロセスより効率的な反応であるにもかかわらず、当該文献は高価で、複雑且つ維持が難しい解決策を提示している。
特許出願WO2007/064546は、エタノールの収率を改善し、発酵時間を短縮し、培養器の酸化還元電位を監視及び制御することによって副生成物の形成を低減させるためのプロセスを記載している。しかしながら、このプロセスは非常に特殊でコストがかかるために監視を維持するのが難しく、この解決策の工業的応用への価値が損なわれている。
特許文献WO2008/024331には、発酵生成物中の生物学的材料の発酵を実行するために静磁場を生物学的材料に印加することを含む方法が記載されている。この発酵反応はアルカリ又は酸性の培地中で行われてもよく、磁場は正又は負であってもよい。当該文献では、微生物の細胞の再生産により適した環境を提供するために静磁場を使用する。アルコール発酵中での微生物数の増加にかかわらず、反応収率は増加し、絶え間のない監視及び反応を通した全体の制御が要求され、このために(この方法は)過度に高価となっており、それ故工業的に応用するには経済的に非現実的なものとなっている。
従来技術はまた、US8377665に記載されたように、炭素捕捉効率を改善するための方法を開示している。この方法は、バクテリア株中で起こる一連の酵素反応であるアセチルCoA経路(Wood- Ljungdahl pathway)による気体基質を用いたバクテリア発酵を含む。
エタノール生産の収率を改善するための発酵プロセスを記載した多くの参考文献があるにも関わらず、選択的な生産を目的とする代謝発酵プロセスを具体的に記載した従来技術はなく、このプロセスは革新的で独自の技術を構成する。さらに、開発されたプロセスの全てはG−L収率の理論的限界まで実際の収率を増やそうと努力している。
−発明の目的−
本発明は、天然の性質を備えるか、又は特に選択され、改変され、組換えられ、凝集され、又は発酵又は固定化されたベッドにおける麦汁中に懸濁された真菌類やバクテリアなどの微生物に水素を加えるステップを含む、糖を基質とする微生物発酵のプロセスを提供することを目的とする。
発明の第2の目的は、イオン状、原子状又は気体状、又はそれらを混合した水素を、天然の性質を備えるか、又は特に選択され、改変され、組換えられ、凝集され、又は発酵又は固定化されたベッドにおける麦汁中に懸濁された真菌類やバクテリアなどの微生物に、アルコールの選択的な生産のために加えることにある。
発明の第3の目的は、スクロース、グルコース、フルクトース、キシロースといったトリオース、テトロース、ペントース、ヘキソースなどの多糖類及び単糖類の発酵を通してアルコールの選択的な生産を行うための革新的な生化学プロセスを確立することにある。この生化学プロセスは、炭素をより多く利用するものであり、結果としてアルコール生産の選択性の増大、G−Lの理論的収率を超えること、及び発酵において排出される二酸化炭素の低減につながる。
「原子状又はイオン状」の語は、ここでは水素が原子(H)又はイオン(H)の形態を取っていることを意味するものとする。
「気体状」の語は、ここでは水素分子(H)であることを意味するものとする。
発明の第4の目的は、環境中に放出する二酸化炭素を低減する他、発酵において糖をアルコールに変換する際に炭素をよりよく利用する、効果的及び環境的に正当なプロセスを確立することにある。
発明の第5の目的は、遺伝学的に変更することなく微生物の細胞の代謝を変えて、高いレベルの効率の限定を取り除くことにある。その簡易性及び経済性及び効率の力で、本発明のプロセスは、新たな工業的生産ユニットや、既に実施された構造及びユニットに適用することができる。
発明に係るプロセスは、糖を基質とする微生物発酵に関し、糖及び微量栄養素を含む発酵における麦汁又は固定化されたベッド中で懸濁される真菌類又はバクテリアなどの微生物に水素を添加するステップを備えている。
前電解(pre-electrolysis)又は全体電解(full electrolysis)中の電圧を少なくとも2つの電極を用いて発酵における麦汁又は固定化されたベッドに直接印加することによって、原子状、イオン状又は気体状の水素を発酵中の微生物に添加することが行われる。この水素ガスはまた、水の電気分解を介したバイオリアクターから生産されたものであり、微生物の播種は前記バイオリアクター内への直接の噴出を介して行われる。
原子状、イオン状又は気体状の水素の制御は、発酵又は固定化されたベッドにおける麦汁上で作動させる電極に電圧を印加することによって行う。前電解では0.1V以上1.24V以下の範囲の電圧を印加し、全体電解では1.24V以上30V以下の範囲の電圧を印加する。流す電流は直流又は交流であり、交流の場合は50Hz〜100Hz、100Hz〜500Hz及び500Hz〜1000Hzのサイクルを有している。
本発明はまた原子状、イオン状、気体状又はこれらの混合の水素の利用に関し、アルコール生産の選択性のために、スクロース、グルコース、フルクトース及びキシロースといったトリオース、テトロース、ペントース、ヘキソースなどの多糖類及び単糖類であり、基質である糖を含む発酵用培養液中に存在する微生物に水素を添加することを特徴としている。
本発明で記載されたプロセスの本質は、それ故、アルコール生産の質量での収率の制限をパラメータをより高くするように改変し、微生物を遺伝学的に変えることなくそれらの細胞代謝を変更させることにある。水素の還元作用は、微生物の細胞膜に容易に浸透することと結びついており、内部の仕切り、細胞質、ミトコンドリア及び細胞内オルガネラにアクセスし、糖の発酵を通したアルコールの選択的生産のための生化学的且つ革新的なプロセスを提供する。また、水素の還元作用は、炭素のより良い使用をもたらし、結果として発酵反応の収率の増加と二酸化炭素の放出の低減とをもたらす。
図1は、グルコースを処理する際に、微生物、真核細胞又は原核細胞の細胞質内で起こる従来の解糖系(グリコリシス)を示し、この系は、ピルビン酸を生産するこのシークエンスの最終ステップを含む。 図2は、ピルビン酸デカルボキシラーゼを通した各ピルビン酸分子がカルボキシルの放出及び結果として二酸化炭素分子及びアセトアルデヒド分子の放出を経る従来の発酵プロセスに含まれるアルコール性発酵反応を図示したものである。アセトアルデヒド分子は、アルコールデヒドロゲナーゼの働きによってエタノールに変換される。 図3は、2つのピルビン酸分子からの脱炭酸により引き出された、水酸基を有するカルボキシル基の還元を含む、本発明に記載されたプロセス中で発酵反応を示す図である。還元の際には、同量の還元剤が添加され、好ましくは水素の利用による還元が、新たなアルコール発酵経路の生成物として二重のカルボキシル基を通して合成されたアセトアルデヒド分子の形成をもたらす。 図4は、スクロースを制限する曲線、水素、エタノール、二酸化炭素、質量(m/m)収率及び式(3)によるスクロースのG−Lの理論的な最大質量収率に関する収率の増加を含む、本発明のモル当量に基づくオペレーションレンジを表すグラフである。 図5は、質量収率曲線、パーセント表示での収率の増加、及び本発明において[H]、[エタノール]、[CO]のモル当量での濃度の対数での測定を含むグラフである。
先に記載したとおり、糖の発酵を通したアルコールの生産プロセスは既に当業者に公知であり、1810年にゲイリュサックにより公式化された化学量論式(式(1))による効率の制限は一般的に考慮されている。この公式によれば、現在の従来技術において、式(2)に示すように、発酵で1分子のグルコースは最大で2分子のエチルアルコールと2分子の二酸化炭素を生産できる。
12+チマーゼ→2COH+2CO ・・・式(2)
1kg 0.511kg 0.488kg
反対に、サトウキビ中の糖に実質的に存在するスクロースの発酵を考えると、下記式のようになる。
122211+HO+インベルターゼ→4COH+4CO・・・式(3)
1kg 0.538kg 0.514kg
式(2)、(3)から、グルコースの発酵での最大質量収率は0.511(m/m)であり、スクロースの発酵での最大質量収率は0.538m/mであることが分かる。この制限は、現在の従来技術によるプロセスのうちで包括的な収率において見積られ、最近の式の整理によってさえ、酵素反応の作用が考慮されている。
従来技術によれば、真核又は原核の単細胞生物である微生物の細胞質内で起こる一連の酵素反応である解糖系はグリコリシスとも呼ばれ、グルコース(分子中に6個の炭素原子を含む糖)の処理において、当該一連の最後のステップではピルビン酸が生産される。図1に示すように、ピルビン酸は酸性の、化1で表されるイオンであり、3つの炭素原子を分子中に有している。
それ故、これらの反応によって、1分子のグルコースから2分子のピルビン酸が生じる。それから、酸素が存在しない嫌気性条件下でアルコール発酵は起こる。この発酵プロセス中で、ピルビン酸デカルボキシラーゼを介して各ピルビン酸分子から結果として二酸化炭素及びアセトアルデヒド分子の放出だけでなく、カルボキシルの放出も起こり、その後、図2に示すように、アルコールデヒドロゲナーゼの作用によってアセトアルデヒド分子はエタノールに変換される。これらの酵素反応は可逆的である。
このように、従来技術によれば、エチル発酵とも呼ばれるアルコール発酵のプロセス中に各グルコース分子につき最大で2分子のエタノールと2分子の二酸化炭素が生産される関係にある。
このような、カルボ基(carbo group;化2)の還元は、カルボニル基の結合から導かれる。
還元当量(RE/ER)に加えて、ピルビン酸デカルボキシラーゼによって2分子のピルビン酸の脱炭酸により、アルコール及びフェノールの水酸基ラジカル( )−を伴うケトン及びアルデヒドのラジカル( )は生じる。好ましくは高い利用率及び豊富な水素によって還元され、新たなアルコール発酵の経路の生成物として、二重のカルボキシル基を介して合成されたアセトアルデヒド分子が形成される。水素が豊富な状態では、細胞質中又はミトコンドリアの酸化還元プロセス中での他の重要な電子キャリアのうち、NADH、NADPH及びFADHの濃度の増加が見られる。下の式はこれらの酵素の酸化還元プロセスを示す。
補酵素であるニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)の還元
NAD+H+2e←→ NADH ・・・式(4)
補酵素であるニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)の還元
NADP+H+2e←→ NADPH ・・・式(5)
補酵素であるフラビン及びアデニンジヌクレオチドの還元
FAD+2H+2e→ FADH ・・・式(6)
それから、図3に示すように、アルコールデヒドロゲナーゼの還元作用によってアセトアルデヒド分子はエタノール分子へと還元される。
このように、本発明は下記の式(7)のように、エタノール、二酸化炭素及び水のように、このタイプの発酵で糖、水素、微生物及び生成物の典型的濃度を表す一般的で簡略化された式を得ることを可能にする。
[糖]+[H]□[微生物]→□□COH]+[CO]+[HO] ・・・式(7)
[ ]の記号は、それぞれ糖、水素、生存している微生物、エタノール、二酸化炭素及び水の濃度を表している。それらは、水素存在下、酵母、すなわち真菌と呼ばれる単細胞真核生物を用いた糖を含む麦汁の典型的な発酵での反応において、アルコール発酵の薬剤及び生成物である。符号□は、微生物への水素添加を表している。
本発明の原則は、一般式(7)と合わせて、スクロース、グルコース、フルクトース及びキシロースといったトリオース、テトロース、ペントース、ヘキソースなどの多糖類及び単糖類のような炭水化物の処理を伴い、バクテリア、原核細胞を用いてエタノール又は高級アルコールを選択的に生産する発酵にもまた適用できる。
簡便性、経済性及び効率のため、本発明は新たな製造ユニット又は既に実施された構造及びユニットにも適用できる。
それ故、本発明は、真菌類やバクテリアなどの発酵に利用できる微生物を用いた糖を含む液体の発酵ステップにおいて、修正及び改良を通してアルコール生産の選択的収率を増加させるための生化学的プロセスに関する。これらの改良は、原子状、イオン状又は液状、これらの混合の水素を、糖を含む麦汁の発酵反応を行う微生物に添加する点にある。
発明に係るプロセスは、5%〜25%(質量/体積)の間の微生物に5%以上30%(質量/体積)以下の糖含有基質を加える工程を備えている。微生物は自動的且つ制御された方式で必要な内容の機能として完成され、発酵中の麦汁内で利用可能となっている。
水素の添加のために、そのような水素を発生させるシステムが必要とされるが、そのシステムは、(i)電極によって前電解電圧を発酵培地に供給する工程を備えている。当該電圧は培地中の水の電気分解に必要な電圧よりも低い電圧であり、発酵での麦汁のイオン条件の電圧が好ましくは0.1V以上1.124V以下であることを特徴とする。
上記システムは、(ii)水の全体電解電圧を発酵培地に供給する工程を備えている。発酵での麦汁のイオン条件の電圧は、好ましくは1.24V以上30V以下であり、より好ましくは1.24V以上20V以下であり、さらに好ましくは1.24V以上10V以下である。
上記システムは、(iii)1.5V以上30V以下の電圧で水の電気分解を発生させる反応器から水素を発生させることを含む。
発酵培地に電圧を印加する電極は、少なくとも1つのカソード及びアノードを有しており、このカソード及びアノードは発酵の際に好ましくは直接麦汁上に作用する。
発明の一実施形態では、アノード及びカソードである前記電極は、バイオリアクターに微生物を供給するフェーズにおいて、微生物に直接電圧を印加する。
発明の第2の実施形態では、発酵培地中に用いられる電極は、少なくとも1つのカソードと少なくとも1つのアノードとを有しており、当該アノードが代替物である食塩水であるもう1つの電解物質上に適用されてもよいのに対して当該カソードは発酵中の培地に直接的に好ましく適用される。2つの電解物質は、イオン透過膜によって分けられている。
糖含有麦汁は、スクロース、グルコース、フルクトース及びキシロース及びこれらの混合物といったトリオース、テトロース、ペントース、ヘキソースなどの多糖類及び単糖類などの糖を含んでいる。
発明の実施形態において、発明に係る発酵微生物は、サッカロマイセス属である真菌類の酵母、より具体的には発酵中の麦汁又は固定化されたベッド中で懸濁された、サッカロマイセス・セルビジア株及び当該属の種であるシゾサッカロマイセス・ポンベ、ピチア・スティパイト(Pichia stipites)、トルラ(Torula)、カンジダ・シェハタ(Candida shehatae)の自然発生系統又は特に選別された、あるいは改変又は遺伝子が組換えられ、凝集されたものから選ばれる。
発明の第2の実施形態では、発酵用の微生物は、発酵中の麦汁又は固定化されたベッド中で懸濁されたバクテリア、特にザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)、大腸菌及びクロストリジウム(Clostridium)の自然発生系統又は特に選別された、あるいは改変又は遺伝子が組換えられ、凝集されたものから選ばれる。
好ましい実施形態では、発酵用の選択された微生物は、サッカロマイセス・セルビジアの真菌種を含んでいる。
好ましい他の実施形態では、発酵用の選択された微生物は、ザイモモナス・モビリスのバクテリアを含んでいる。
発酵用麦汁にはまた窒素、リン、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、マンガン、銅、鉄、イオウ、コバルト、ヨウ素又はこれらの混合物といった微量栄養素を加えてもよい。
微生物は変数として追加され、必要に応じてプロセスの間制御されるべきである。
特に、発明に係るプロセスの本質は、プロセス中微生物内での前電解又は全体電解条件によって式(7)、表2及び図4により制御された方式で生成された原子状、イオン状又は分子状の水素を適切な濃度で添加することにある。
バッチ方式、連続及び半連続式の発酵プロセスは、本発明により熟考され、数及び容積、基質濃度、微生物及びイオン又は分子相での水素添加の利用性の操作条件における類似又は異なる機能の取り合わせを採用してもよい。
学問上未だ決定的に確立されていないにも関わらず、糖のアルコールへの変換経路は、嫌気性方式及び好気性方式の両方で、水素濃度が豊富な培地中真菌又はバクテリアの存在下、既にこれらの呼吸及び発酵プロセスでの基質の選択的生産を行うことが可能になっている。
本発明において行われた比較実験は、サッカロマイセス・セルビジアを用いて100%までの放出された二酸化炭素が低減されると、糖の発酵におけるエタノールの理論的な収率の増加は50%までであり、理論的な最大の質量収率は必然的に0.8m/mとなる。
本発明では、実施された試験を通して、酵母を用いた糖の発酵のエチル経路において、解糖によって生じた2分子のピルビン酸は、ピルビン酸デカルボキシラーゼによる脱炭酸により2つのカルボキシル(下記の化4)の放出が促進されることが観察される。続いて、培地中に豊富に存在する水素の作用によって還元当量(ER/RE)に沿って還元され、もう1つのアセトアルデヒド分子は、アルコールデヒドロゲナーゼによってその選択的な増加(sic)を引き起こす。結果として、図3から推測できるように、二酸化炭素の放出が低減される。
エタノール生産の増加が理論的限界の50%に達することが可能である間、従来のプロセスについて二酸化炭素の低減は、絶対的な理論的に100%のレベルに届いてもよい。さらにこの発酵モデルでは、利用できる水素濃度の増加の結果として、細胞内処理における糖濃度の濃度面での増加が生じる。このことは、酵素反応の複雑さを増加させ、発酵期間の増加を伴いうる、反応の動力学的な低減を検証することができる。
発酵培地中に存在する水素は、原子状、イオン状、気体状又はこれらの混合であってもよい。水素を得るために水素発生システムが必要であり、当該システムは、(i)発酵培地に前電解電圧(培地中の水の電気分解に必要な電圧よりも低い電圧であり、発酵中の麦汁のイオン条件によって特徴付けられる)を印加する工程を備えていてもよく、又、(ii)発酵培地に水の電気分解電圧と等しいかそれ以上であって、発酵中の麦汁のイオン条件によって特徴付けられる全体電解電圧を印加する工程を備えていてもよい。
前電解では、気体の水素を生じることなくイオン状及び原子状の水素が形成される。そのようなイオン状及び原子状の水素の形成は、発酵中の麦汁のイオン条件によって特徴付けられる、水の電気分解が起こるのに必要な電圧よりも低い電圧だけを要求する。この電圧範囲は、0.1V以上1.24V以下であり、好ましくは0.7V以上1.1V以下である。
前電解及び全体電解の水素を発生させるためのシステムは、直流電圧又は交流電圧で行ってもよく、交流電圧の場合は50Hz〜2000Hzであってもよく、好ましくは50Hz〜150Hzであってもよく、100Hz〜500Hz又は400Hz〜1000Hzであってもよい。
発明の実施形態では、全体電解条件での直流電流イオンを有し、嫌気性条件を保つため、発酵中に酸素が追加されるのを防ぐ。好みにより、発酵中に麦汁上にカソードを直接作用させ、アノードを食塩水である別の電解質に適用する。これら2つの電解質はイオン透過性の分離膜により分離された媒体を備え、当該分離膜は好ましくは多孔質材料からなる多孔膜である。
半連続式又は連続バッチ方式で運転するリアクターにおいて、水素を発生するシステムを開始するために、pH、温度、糖の濃度、水素濃度、生存する微生物の濃度、アルコール濃度、二酸化炭素の濃度及び微量栄養素の内容及び濃度を測定することにより、連続的に制御することが重要である。
付加的且つ排他的に、気体フェーズの水素は、バイオリアクター中で発酵下の麦汁に直接噴出させることによって発酵中のバイオリアクターに直接導入されてもよく、水素を供給する系統を通して供給してもよく、又はバイオリアクター内で麦汁を循環させてもよい。この水素ガスは、バクテリア発酵又は他の並行する発酵プロセス中で藻類によって生産されてもよく、リアクター外部での水の電気分解を通した水素の生産、又は工業的な水素であってもよいところに特徴がある。
さらに、水素は発酵プロセスの開始の際すぐに添加してもよいし、本ステップの前、すなわち微生物の準備中に添加してもよいことが指摘される。
本発明において記載されたプロセスは、以下のことにより、従来の発酵プロセスとは異なる振る舞いを反映している。
−強力な還元剤として作用する高濃度の水素への暴露、
−アルコール濃度のより高い収率を提供する、
−微生物の遺伝学的改変を行わない、
−放出される二酸化炭素の量の必然的な低減、
−反応の動力学の変更。
その上、発明に係るプロセスは、従来の発酵プロセスに対して以下のような利点を備えている。
(1)微生物、真菌又はバクテリアの細胞膜を通して拡散しやすい水素を供給し、細胞内の仕切りに到達させることができる。
(2)細胞の生理学的パラメーター(温度、圧力、pH、pO(酸素分圧))に影響を与えない。
(3)反応性の高いROS酸素種(活性酸素)を損なうことがなく、酸素の代謝反応及び細胞の信号伝達を妨げない。
(4)高い水素濃度がよく許容され、結果として全身性の副作用を小さくできる。
(5)半連続及び連続バッチ方式の発酵に適用可能であり、存在している発酵プロセスや備品に適合させやすい。
−本発明のプロセス及び生産収率の制御−
一般式(7)によれば、発酵プロセスは、プロセス変数の運転制御を提供及び要求するだろう。
一般式(7)によれば、プロセス変数の運転制御を提供及び要求する。変数のリストは従来技術に含まれ、従来技術に含まれた発酵プロセスにおいて典型的に用いられる物理的、化学的プロセス(pH及び温度、制御レベル、供給及び排出)の基準内にプロセスを維持するため、革新的な制御と、微量栄養素を含む反応物質及び生成物の濃度とを加える。この制御は生産プロセス全体の間作動し、適切で意図された運転条件になるようプロセスを導くことができる。
発明における濃度の制御は、高密度(VHG)の発酵の場合、可溶性固体及び糖の濃度の制御とは異なる。生産制御のツールとして発酵期間の制御又は制限をプロセスにおいて行うだけでなく、高用量の糖を含む麦汁の発酵処理から体積にして12%を越える濃度のアルコールを得て、微生物へのダメージ及び停止及びゆるやかな発酵を防ぐ。これらの伝統的なケースでは、糖及び微生物の濃度制御は、プロセスの運転制限を行うために低減される。
高密度発酵は、体積基準で典型的には12%を越える高い濃度のアルコールを含むワインを生産するために、高濃度の基質から発酵を開始する方法である。
過剰なアルコール含有量又は微生物にとっての構造的な微量栄養素の欠乏といったストレス要因の結果として、発酵プロセスが阻害された時に停止及びゆるやかな(stuck and sluggish)発酵が起こり、基質が存在していてさえ動力学的に劇的に減少する。
本発明によれば、生化学的な制御であって、一般式(7)に包含される概念内の生産収率を得ることを目的として、上述の限度を超える濃度での制御が行われる。一般的に簡略化された式(7)の図式的なバランスは、生産収率の限界に結びついているので、アルコールの選択的生産の観点及び結果として生じる二酸化炭素の生成量の低減の観点から、基質、糖、生存する微生物及び添加する水素の濃度の考慮する。
制御手順の確立を簡素化する観点から、アルコール濃度の低減を狙って基質及び水素の開始濃度の運転範囲は3つ規定される。本発明において、これらの定義は、しかしながら、連続制御モードにおいてより包括的に運転され、プロセスの運転範囲(オペレーショナルレンジ)の代表的な使用により制限されることはない。
図4は、隆起曲線のしきい値は下に示す表2に転写され、スクロースのモル数に基づいた運転範囲を示す。
図5は、質量収率曲線の対数による測定結果と、質量収率の増加のパーセンテージと[H]、[エタノール]、[CO]のモル当量での濃度を示す図である。これらの値は、細胞内の酵素反応の統計的状態を考慮して、運転上最も好ましい発見であり、より現実的であることが示されている。
−発明を証明する分析−
サトウキビのジュース及びサッカロマイセス・セルビジアである酵母を用いて工業上激しく使用される燃料エタノール及び飲料を生産する発酵において、麦汁の処置の効率を検証し、見積もるためにいくつかの分析を行った。
発明の保護範囲を制限する意図なしにプロセスの例を以下に示す。生化学的モデルの検証と同様に、分析条件及び結果は、後に報告する。
−実施例1−
<前電解での、従来の発酵と本発明の発酵との間の比較>
この試みでは、水の電気分解が起こるのに必要な電圧よりも低い電圧を印加する場合に、糖を含む麦汁のエチル発酵での水素の影響を調べた。この試験では、反応物質として未精製糖と工業的酵母であるサッカロマイセス・セルビジアを用いてバッチ発酵を行う。
2つのバイオリアクターが組立てられ、1つはベースあるいは従来のバイオリアクターとし、もう1つは発酵プロセスの間にイオン状及び原子状の水素を生成するための水素発生システム(0.95Vの直流電流を用いる)を組み付けた。
2つのバイオリアクターでは、体積を100リットルとし、反応物質と水を運転体積である50リットルになるように加えた。
より具体的には、それぞれのバイオリアクター内で2つの試験が行われ、2つの分離されたロットで、8kgの黒砂糖の基質(基本的にスクロースによって構成されている)に5kgの市販の酵母(真菌であるサッカロマイセス・セルビジア)を同時に加えて発酵を行った。
平坦な刃を有するスターラーを用いて60〜90rpmで攪拌されることで基質及び真菌は溶解され、バイオリアクター中で混合される前に調製される。2つの成分が混合された後、速やかにバイオリアクターから試料が集められ、可溶性固体(Brix)、温度(℃)及び酸性度(pH)等の初期パラメータが測定された。Brix、温度及びpHの測定は、蒸留器及びデジタルデンシメーター1時間ごとに行われ、変数を分離する観点から研究室の標準的な基準を採用した。
表3は、本実験で用いられた成分及び前電解試験での条件を明示する表である。2つの試験が2つのリアクター内で同時に行われた。
表4は、pH、温度、Brix及びエタノール濃度といったパラメータを制御するために行った準備を明示する表である。この試験では、発酵の制御のためにパラメータの変化を観察した。
これら2つの実験によって成された結果は、下の表5に記載される。
表5は、前電解において、水素発生システムを有するバイオリアクターを用いた発酵と従来のバイオリアクターを用いた発酵との結果を示している。
発酵の終了:6時間後に発明に係る発酵器の電気システムをオフにした。6時間での最後の測定の後、リアクターでは攪拌しながら運転が続けられた。残りの発酵はさらに16時間の間続けられた。
発明に係るプロセスでは糖が平均して1.62℃高いことが実証され、平均して6時間の時点でエタノールの生産量の増加は容易に観察された。この追加の糖は、ゲイリュサックの式(1)を用いて計算された糖のエタノールへの変換の理論的な値によれば、1.1°GLのより多くのエタノールを生じうる。
結果として、エタノール生産の収率は、同じ実験の基準及び収率計算を有する伝統的な理論期待値(ゲイリュサック収率)と比べて6.8%及び8.3%増加することが表5から直接的に読み取れる。エタノール濃度の増加及び観察された二酸化炭素の放出の減少は、化学的動力学の変更に伴うものであり、単純化された生化学モデルが適用されうることを示している。
−実施例2−
<全体電解での従来の発酵と発明に係る発酵との比較>
この試験では、2つのバイオリアクター(ベースとなるバイオリアクター及び発明に係るバイオリアクター)に9kgの黒砂糖と6kgの工業的な酵母であるサッカロマイセス・セルビジアを入れた。
2つのバイオリアクターは実施例1で用いられたものであり、1つはベース、あるいは従来のバイオリアクターであり、もう1つは水素発生システムを備えたバイオリアクターであり、これらのバイオリアクターが実施例2でも同様に用いられた。この例では、全体電解での電圧は1.6Vとし、発酵プロセス中にイオン状及び気体状の水素を発生させた。
表6は、本実験で用いられた成分及び全体電解試験での条件を明示する表である。
試料は成分を投入した直後に採取し、可溶性固体(Brix)、温度(℃)及び酸性度(pH)等の初期パラメータを測定した。Brix、温度、pH及びアルコール濃度の測定は1時間ごとに行った。変数を分離するという観点からプロセスに微量栄養素は加えなかった。2つのバイオリアクターで1つの試験のみ行った。
本実施例の試験の結果は表7及び8に示す。
表7及び8は、全体電解での水素発生システムを有するバイオリアクターと、従来のバイオリアクターとによる発酵の結果を示す。
発酵の終了:6時間後に発明に係る発酵器の電気システムをオフにした。6時間での最後の測定の後、リアクターでは攪拌しながら運転が続けられた。残りの発酵はさらに16時間の間続けられた。
□Et/□BxはG−L収率による部分収率を表す。表7及び8両方の最終行右側のカラムの値によれば、スクロースの場合の最大収率は0.538m/m及び0.682v/vである。
結果として、本発明のバイオリアクターにおけるエタノール生産の収率は、表11で明確に分かるように、伝統的な理論期待値(ゲイリュサック収率)の最大値よりも17%〜20%上回っていた。
部分的な値のための分析的方法は、発酵反応のより大きな動力学的な期間に採取した試料でさえ、試料の調製ステップと発酵プロセスの継続ステップとの間で誤りに耐える。試料は、発酵反応の動力学がより大きくなる期間の採取により重大な転換を生じ得る。
−生化学モデルの結果及び検証−
上の結果をよりよい方法で示すため、下表はプロセスの間及び発酵プロセス終了時でのエタノールの部分的生産に関する値を説明する。発酵プロセスでは、常に発明に係るバイオリアクターでの値と従来のプロセス又はベースのバイオリアクターで得られた値とを示している。表に示されたこれらの値は直接的に得られ、試験の間に得られた結果からのみ得られたものではない。
表9、10、11において、「増加した収率」の列は、蓄積された最終的な部分値を示しており、発明によって得られる値の方が常に高くなっている。最終の値である6.9%と8.3%は、それぞれ発酵収率の最大値であり、従来技術を考慮すると、前電解と全体電解の試験1と2でそれぞれ得られる収率は0.538質量/質量又は0.682体積/体積であり、直流(DC)それ自体は発明の生産限界を与えるだけである。[スクロース]、[水素]、[酵母]の濃度は、低(I)から中(II)のモル当量の範囲にある。
表11で示された値は、試験3での部分的及び最終の「増加した収率」に関連し、説得力があり、信頼が置けるものである。試験3において最終の又は蓄積された値である16.7%は、図4及び5により期待される効果を有する原子状及び気体状の水素の濃度の増加したことに対するプロセスへの適切な反応を反映している。
最初の2つの試験における生化学モデルは、試験3による値及び独自性を加味してその技術的及び革新的限界が技術的に確認されることを示している。
期待されたように、試験3では消費された糖(□Et/□Bx)によるエタノールの生産速度の減少がもたらされるので、培地中に存在する糖が大量にあるにもかかわらず、モード速度範囲(II)でのモル当量の操作によって反応の実質的な動力学が変わる。微量栄養素、主にN(窒素)が利用可能であることは、微生物の高い活動性につながり、発酵プロセス中での自然現象であるバイオマスの増加に必須である。主に窒素の欠乏は、発酵用の微生物の増殖を阻害し、発酵条件のストレスとなる。
ここでは、分析及びこの報告に加え、従来のバイオリアクターと同時にプロセスを行った場合と比べて二酸化炭素の発生が低減することの明確な証拠を持ったプロセス中の二酸化炭素の発生の低減は定性的に確認される。当業者が性質を見積もるためのこれらの手段は、外観や臭いなどである。
表12には、これら3つの試験で生産されたエタノールの体積を考慮した発酵の結果の概要を示す。
このように、研究室での結果により確認された発明に係るプロセスは、考慮される。
二酸化炭素の排出の低減は、アルコールの選択的な生産の増加を伴う生化学的プロセスの結果、環境上及び運転上大きな重要性の技術的な捕足物として現れる。発明により得られる経済的及び環境上の少数の利点は、下記の通りである。
(1)エタノール生産の増加による直接的な経済性の増加、
(2)工場エリアを増加させずに生産を増加すること、
(3)二酸化炭素の生産の低減、
(4)バイオリアクター及び蒸留装置の他には生産体積の調節するのにプロセス上の設備が必要とされないこと、
(5)発酵中、二酸化炭素によって引きずり出されたアルコールの再生設備において、サイズの低減及び消費エネルギーの低減、
(6)アルコール生産の増加及び放出される二酸化炭素の低減を伴う炭素クレジット(Carbon Credit)の増加、
(7)環境の改善を伴う標的とする技術。
エタノールはグリーン燃料として、より大きな経済的な実施可能性が備わっている。

Claims (13)

  1. 糖を含む基質の微生物発酵プロセスであって、
    糖及び微量栄養素を含有するとともに、サッカロマイセス属から選択された微生物が懸濁されている、発酵中の麦汁又は固定化されたベッド中に、原子状、イオン状、気体状又はこれらの混合である水素を添加するステップを備え、
    前記ステップでの水素の添加が、前記麦汁又は固定化されたベッドに設けられた少なくとも2つの電極に、直流又は交流の状態で、エタノール又はアルコールの選択的な製造のために、0.1V以上1.24V以下の電圧を印加する前電解と、1.24V以上30V以下の電圧を印加する全体電解と、によって発生する水素によって行われることを特徴とする発酵プロセス。
  2. 請求項に記載の発酵プロセスにおいて、
    水素は少なくとも1つのカソードと、少なくとも1つのアノードとに電圧を印加することにより発生され、
    前記カソードは、一方の電解質を構成する前記麦汁に用いられ、前記アノードは、他方の電解質を構成する食塩水に用いられこれら2つの電解質の間には、分離膜が設けられていることを特徴とする発酵プロセス。
  3. 請求項1に記載の発酵プロセスにおいて、
    5%(質量/体積)以上30%(質量/体積)以下の糖を含む基質と、5%(質量/体積)以上25%(質量/体積)以下のサッカロマイセス属から選択された微生物とを加えるステップを、更に備えていることを特徴とする発酵プロセス。
  4. 請求項に記載の発酵プロセスにおいて、
    前記前電解では、電圧範囲を0.7V以上1.1V以下にすることを特徴とする発酵プロセス。
  5. 請求項に記載の発酵プロセスにおいて、
    前記全体電解では、前記電極に印加される電圧範囲を1.24V以上20V以下にすることを特徴とする発酵プロセス。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の発酵プロセスにおいて、
    前記電極に印加される電圧は、直流電圧又は50Hz以上2000Hz以下のサイクルを有する交流電圧であることを特徴とする発酵プロセス。
  7. 請求項に記載の発酵プロセスにおいて、
    前記電極に印加される電圧は、直流電圧又は50Hz以上150Hz以下、100Hz以上500Hz以下、若しくは、400Hz以上1000Hz以下のサイクルを有する交流電圧であることを特徴とする発酵プロセス。
  8. 請求項1に記載の発酵プロセスにおいて、
    前記糖は、スクロース、グルコース、フルクトース、キシロース又はこれらの混合物を含むトリオース、テトロース、ペントース、若しくは、ヘキソースを有する多糖類及び単糖類から選ばれることを特徴とする発酵プロセス。
  9. 請求項1に記載の発酵プロセスにおいて、
    前記微生物は、サッカロマイセス・セルビジア株であることを特徴とする発酵プロセス。
  10. 請求項1に記載の発酵プロセスにおいて、
    前記微量栄養素は、窒素、リンカリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、マンガン、銅、鉄。コバルト、イオウ、ヨウ素又はこれらの混合物から選ばれることを特徴とする発酵プロセス。
  11. 請求項1に記載の発酵プロセスにおいて、
    前記前電解電圧を印加することによってバイオリアクターの外部で付加的に生産された気体状の水素は、その後直接前記バイオリアクター内に噴出されることを特徴とする発酵プロセス。
  12. 請求項1に記載の発酵プロセスにおいて、
    前記発酵プロセスは、連続式、半連続式又はバッチで行われることを特徴とする発酵プロセス。
  13. 請求項1〜12のうちいずれか1つに記載の発酵プロセスにおいて、
    前記発酵プロセスでは、pH、温度、レベルの制御、原料の供給及び排出、糖を含む反応物質の濃度、水素濃度、生存している微生物の濃度アルコールを含む生成物の濃度、二酸化炭素の濃度及び微量栄養素の濃度の内容が連続的に制御されることを特徴とする発酵プロセス。
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