以下に添付図面を参照して、この発明に係る浸水防止構造の実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念について説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、建物の壁の開口部を開閉するシャッターカーテンを備えたシャッターを対象とした浸水防止構造であり、シャッターカーテンと開口部との相互間の隙間から水が浸入することを防止する、浸水防止構造に関するものである。
ここで、「建物」とは、その具体的な構造や種類は任意であるが、例えば、戸建て住宅、アパートやマンションの如き集合住宅、オフィスビル、商業施設、及び公共施設等を含む概念である。また、「建物の壁の開口部」とは、建物の壁(建物の躯体を構成する壁や、外壁を含む)において窓や入り口を設置するために形成された開口である。また、「シャッター」とは、防犯や防火のために、建物の開口部に取り付けられる巻上げ戸であり、例えば、窓シャッター、軽量シャッター、重量シャッター等を含む概念である。また、シャッターの駆動方式は任意であり、例えば、「手動式のシャッター」や「電動式のシャッター」として構成することができる。また、シャッターの開閉構造は任意であり、例えば、「上下開閉式のシャッター」として構成することができる。また、「水が浸入する」とは、開閉体よりも建物の外側にある水が、開閉体よりも建物の内側に入りこむことを意味する。以下、実施の形態では、シャッターが、集合住宅の如き建物の壁に設けられた上下開閉式且つ電動式の重量シャッターである場合について説明する。
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
(構成)
最初に、実施の形態に係る浸水防止構造が適用されるシャッターの構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るシャッターであって、後述する開口部全閉状態のシャッターを示す図であり、(a)は屋内側から見た正面図、(b)は(a)のA−A矢視断面図である。図2は、図1(b)の下方領域の拡大図である。なお、以下の説明では、図1のX方向をシャッターの左右方向(−X方向をシャッターの左方向、+X方向をシャッターの右方向)、図1のY方向をシャッターの前後方向(+Y方向をシャッターの前方向(建物の外側の方向)、−Y方向をシャッターの後方向(建物の内側の方向))、図1のZ方向をシャッターの上下方向(+Z方向をシャッターの上方向、−Z方向をシャッターの下方向)と称する。
これら図1(a)、図1(b)に示すように、シャッター1は、概略的に、シャッター収納部10と、ガイドレール20、シャッターカーテン30と、開閉機40と、くつずり部50とを備えて構成されている。ただし、シャッター1に関する特記しない構成については、従来と同様であるものとして説明を省略する。
(構成−シャッター収納部)
シャッター収納部10は、シャッター1の各部を収納するための中空体であり、建物における開口部3の上端近傍位置に取り付けられている。このシャッター収納部10の内部には、開閉機40と、巻き取り軸41とが収容されている。また、巻き取り軸41にてシャッターカーテン30が巻き取られた状態では、シャッターカーテン30の少なくとも一部も、シャッター収納部10の内部に収容される。このシャッター収納部10の下側部における建物の外側及び建物の内側には、まぐさ(図示省略)が固定されている。これらまぐさの相互間には、開口部3の左右方向全長にわたるまぐさ開口(図示省略)が形成されており、このまぐさ開口を介してシャッターカーテン30の出し入れが行われる。
(構成−ガイドレール)
ガイドレール20は、シャッターカーテン30を開口部3の開閉方向(すなわち、上下方向)に沿って移動するように案内するものである。このガイドレール20は、横断面形状が略コ字状となるように形成された長尺体であり、シャッター1の左右の各端部において、上下方向に略沿う方向で配置されており、建物の壁に対して直接的に固定されたり、又は下地材(図示省略)を介して間接的に固定されている。
(構成−シャッターカーテン)
シャッターカーテン30は、巻き取り軸41によって巻き取り又は巻き出しされることで、開口部3を全開した状態、開口部3を全閉した状態、あるいは半開状態とする遮蔽手段である。図2に示すように、このシャッターカーテン30は、複数のスラット30aを備えて構成されており、各スラット30aの上下の両端部には嵌合部30bが設けられている。この嵌合部30bは、複数のスラット30aを相互に嵌合接続するために各スラット30aの上下の両端部に設けられたもので、これら両端部を屈曲させることによって形成されている。また、このシャッターカーテン30の左右方向の両端部の各々は、ガイドレール20のコ字状の開放端部を介してガイドレール20の内部に挿入されており、上下方向においてはガイドレール20の内部をスライド移動可能であり、かつ、前後方向においてはガイドレール20の外部に脱落しないように規制されている。
また、シャッターカーテン30の下端部には、座板31が設けられている。この座板31は、シャッターカーテン30によって開口部3を全閉した状態(以下、「開口部全閉状態」と称する)において建物の床面と近接するように配置されたものであり、シャッターカーテン30の下端部の左右方向全長にわたって形成されている。この座板31は、通常、座板バー32と、座板バー32の下端部に取り付けられた略水平状の座板片とを備えて構成されているが、実施の形態では、座板片を省略して、座板バー32のみで構成されている。また、この座板バー32の上端部には嵌合部31aが設けられており、この嵌合部31aをシャッターカーテン30の最下方側のスラット30aにおける下端部の嵌合部30bに嵌合させることで、座板バー32がシャッターカーテン30に取付けられている。
(構成−くつずり部)
くつずり部50は、開口部全閉状態において、後述する止水部60の下面と接触するものである。このくつずり部50が設けられた理由は、以下の通りである。すなわち、開口部全閉状態において、後述する止水部60と建物の床面とを直接接触させた場合に、建物の床面の形状が凹凸状である場合に、建物の床面の形状が平坦状である場合に比べて、後述する止水部60と建物の床面とを密着させづらくなるので、後述する止水部60と建物の床面との相互間の隙間から水が浸入する可能性があった。そこで、このような問題を解消するために、くつずり部50が設けられている。このくつずり部50は、建物の床面における後述する止水部60と対向する部分に形成された溝部4に配置されており、台座部51と、当接部52と、補強部53とを備えている。
台座部51は、当接部52及び補強部53を支持するものである。この台座部51は、略矩形状の肉厚な板状体であり、後述する止水部60の左右方向全長にわたって形成されており、溝部4の底面に配置されている。
当接部52は、開口部全閉状態において、後述する止水部60と接触するものである。この当接部52は、縦断面形状が逆凹状に形成されており(特に、上面が平坦状に形成されており)、後述する止水部60の左右方向全長にわたって形成されている。また、この当接部52は、台座部51の上面に載置されており、台座部51に対してボルト等により固定されている。ここで、この当接部52の大きさ及び配置については任意であるが、実施の形態においては、開口部全閉状態において、当接部52と後述する止水部60とを確実に接触できるように、当接部52の上面が建物の床面よりも突出し、且つ水平となるように配置されている。また、この当接部52の上面の前後方向の長さ(幅)は、後述する止水部60が水圧によって建物の内側に向けて撓んだ場合であっても、後述する止水部60が当接部52の上面に常に当接可能となるような長さに設定されている。
補強部53は、当接部52を補強するためのものである。この補強部53は、例えば、モルタルや鉄筋とを含む公知のコンクリート体等を用いて構成されており、当接部52と台座部51とによって囲繞された空間内に充填されている。
このようなくつずり部50によって、開口部全閉状態において、くつずり部50と後述する止水部60の下面とを密着させることができるので、後述する止水部60とくつずり部50との相互間の隙間から水が浸入することを抑制することが可能となる。
(構成−開閉機)
開閉機40は、巻き取り軸41を回転駆動することによって電動でシャッターカーテン30を昇降させる昇降手段であり、操作スイッチやリモコン(いずれも図示せず)を介して操作される。
(構成−浸水防止構造)
次に、シャッター1の構成の詳細について説明する。図3は、図1(a)のB−B矢視断面図である。図4は、後述する止水部60を示す図であり、(a)は正面図、(b)は(a)のC−C矢視断面図、(c)は(a)のD−D矢視断面図である。図5は、開口部3を全開状態とした場合のシャッター1を示す正面図である。このシャッター1は、開口部全閉状態において、シャッターカーテン30と開口部3との相互間の隙間から水が浸入することを防止するための浸水防止構造を備えている。ここで、「シャッターカーテン30と開口部3との相互間の隙間」とは、建物の床面と後述する止水部60の下端部との相互間の隙間(下方隙間)、左側のガイドレール20と後述する止水部60の左側端部との相互間の隙間(左側方隙間)、及び右側のガイドレール20と後述する止水部60の右側端部との相互間の隙間(右側方隙間)とを含む概念である。また、図1から図4に示すように、この浸水防止構造は、止水部60と、支持部90a〜90dとを備えて構成されている。以下では、この浸水防止構造について説明する。
(構成−浸水防止構造−止水部)
最初に、止水部60について説明する。この止水部60は、開口部全閉状態において、シャッターカーテン30と開口部3との相互間の隙間を覆うことにより、この隙間から水が浸入することを防止するための止水手段である。図1から図4に示すように、この止水部60は、座板バー32の下端部において、開口部3の幅方向(すなわち、左右方向)の少なくとも一方の端部側に設置されており(実施の形態では、開口部3の左右方向の略全長にわたって設置されており)、本体部70と、当接部80a〜80dとを備えている。
(構成−浸水防止構造−止水部−本体部)
本体部70は、止水部60の基本構造体である。この本体部70は、座板バー32の下端部から下方に向けて張り出すように配置されており、枠部71と、表面材73a、73bと、補強材74とを備えて構成されている。
枠部71は、本体部70の剛性を主として担うものである。この枠部71は、複数のスチール製の枠材72a〜72dを溶接等により組み合わせることによって、正面形状が矩形環状となるように形成されている。また、これら複数の枠材72a〜72dは、左右一対の縦枠材72a、72b、及び上下一対の横枠材72c、72dから構成されている。このうち、左右一対の縦枠材72a、72bは、長手方向の長さが相互に略同一となるように形成されており、上下方向に略沿うように配置されている。また、上下一対の横枠材72c、72dは、長手方向の長さが相互に略同一となるように形成されており、左右方向に略沿うように配置されている。以下では、必要に応じて、縦枠材72a、72bのうち、左側の縦枠材72aを「左側縦枠材72a」と称し、右側の縦枠材72bを「右側縦枠材72b」と称し、横枠材72c、72dのうち、上側の横枠材72cを「上側横枠材72c」と称し、下側の横枠材72dを「下側横枠材72d」と称する。
ここで、左側縦枠材72a及び右側縦枠材72bの各々の上下方向の長さについては、実施の形態においては、建物の床面から想定される水面までの距離(例えば、300mm等)と略同一の長さに設定されている(あるいは、建物の床面から想定される水面までの距離よりも長く設定されてもよい)。また、上側横枠材72c及び下側横枠材72dの各々の左右方向の長さについては、実施の形態では、左側のガイドレール20と右側のガイドレール20との相互間の間隔の長さよりもよりも若干短い長さに設定されている。
表面材73a、73bは、建物の外側と建物の内側から相互に対向するように配置されることで、中空箱状体を構成する。表面材73aは、本体部70の建物の外側に配置され、表面材73bは、本体部70の建物の内側に配置されており、枠部71に対して接着剤等によって固定されている。また、表面材73a、73bの形状については任意であるが、実施の形態では、表面材73a、73bによって形成される中空箱状体の左右方向の長さ(幅)が枠部71の左右方向の長さと略同一となり、当該中空箱状体の前後方向の長さ(奥行き)が枠部71の前後方向の長さと略同一となり、当該中空箱状体の上下方向の長さ(高さ)が枠部71の上下方向の長さと略同一となるように、これら表面材73a、73bが形成されている。なお、これら表面材73a、73bは、任意の方法で製造することができるが、例えば、ステンレス製の板状体を折り曲げ成形することによって製造することができる。以下では、必要に応じて、表面材73a、73bのうち、建物の外側に配置された表面材73aを「屋外側表面材73a」と称し、建物の内側に配置された表面材73bを「屋内側表面材73b」と称する。
補強材74は、本体部70を補強するためのものである。この補強材74は、縦断面形状が略U字状(又は略逆U字状)となるように形成されており、当該補強材74の左右方向の長さが上側横枠材72c(又は下側横枠材72d)の左右方向の長さと略同一となるように形成されている。また、この補強材74は、枠部71の内部において、当該補強材74の長手方向が左右方向に略沿うように配置されていると共に、所定間隔を隔てて上下方向に沿って複数並設配置されている。そして、これら複数の補強材74の各々は、屋外側表面材73a及び屋内側表面材73bに対して接着剤等によって固定されていると共に、上側横枠材72c(又は下側横枠材72d)は溶接等により固定されている。なお、このような補強材74は、任意の方法で製造することができるが、例えば、スチール製の板状体を折り曲げ成形することによって製造することができる。
また、この本体部70には、接続片75と、張出部76とが設けられている。このうち、接続片75は、本体部70と座板バー32とを接続するためのものである。この接続片75は、縦断面形状がL字状になるように形成されており、座板バー32と本体部70との相互間に配置されている。また、この接続片75の接続については、具体的には、接続片75の第1側片75aが、本体部70の上面と当接するように配置され、上側横枠材72cに対してビス等により接続されている。また、接続片75の第2側片75bが、座板バー32の前面と当接するように配置され、当該第2側片75b及び座板バー32の各々に形成された挿通孔(いずれも図示省略)を介して、座板バー32に対してボルト及びナット等にて接続されている。なお、この接続片75は、任意の方法で製造することができるが、例えば、公知のL型のアングル鋼に対して、複数の挿通孔を打ち抜き形成することにより、製造することができる。このような接続片75により、止水部60を座板バー32に対して容易に取り付けることが可能となる。また、図1、図5に示すように、シャッターカーテン30の上下方向の移動に伴って止水部60を移動させることができるので、止水部60を座板バー32に常時取り付けた状態で、シャッター1を使用することが可能となる。
また、張出部76は、ガイドレール20の内部において、止水部60を上下方向に沿ってスライド移動させるためのものである。この張出部76は、ステンレス製の肉厚板状部材であり、本体部70の左右方向の両端部の各々において、本体部70の上下方向全長にわたって設置されている。具体的には、各張出部76が、対応するガイドレール20のコ字状の開放端部を介して当該ガイドレール20の内部に挿入可能となるように、本体部70の左端部(又は右端部)から外側に向けてそれぞれ張り出されており、左側縦枠材72a(又は右側縦枠材72b)に対して溶接又は固定具等により接続されている。このような張出部76により、ガイドレール20の内部において止水部60を上下方向に沿って安定してスライド移動させることができる。
(構成−浸水防止構造−止水部−当接部)
当接部80a〜80dは、開口部全閉状態において、支持部90と直接的又は間接的に接触するものである。このうち、当接部80a、80cは、本体部70から建物の外側に向けて突出するように配置されており、当接部80b、80dは、本体部70から建物の内側に向けて突出するように配置されている。また、これら当接部80a〜80dの各々は、表面材81と、接続片82とを備えている。
表面材81は、一側面(例えば、本体部70と対向する側面等)を開放した中空箱状体にて形成されており、具体的には、表面材81の左右方向の長さ(幅)が、支持部90の左右方向の長さ(幅)よりも短く、表面材81の上下方向の長さ(高さ)が、建物の床面から想定される水面までの距離(例えば、300mm等)と略同一の長さとなるように形成されている。また、この表面材81の開放面が本体部70と当接するように、当該表面材81は本体部70に設置されている。なお、この表面材81は、任意の方法で製造することができるが、例えば、ステンレス製の板状体を折り曲げ成形することによって製造することができる。
接続片82は、表面材81を本体部70に接続させるためのものである。接続片82が、横断面形状が略U字状となるように形成されており、表面材81の内部において、この接続片82の第1側片82aが本体部70と当接するように配置され、この接続片82の第2側片82bが当接部80の左面と当接するように配置され、及び、この接続片82の第3側片82cが当接部80の右面と当接するように配置されている。また、この接続片82による表面材81と本体部70との接続については、具体的には、第1側片82aが、本体部70の表面材81及び本体部70の左側縦枠材72a(又は右側縦枠材72b)に対してビス等によって接続されている。また、これら第2側片82b及び第3側片82cの各々が、表面材81に対してビスによって接続されている。この場合において、表面材81と本体部70との境界部分に水が浸入しないように、例えば、この境界部分が公知のコーキング材によって被覆されてもよい。
このように構成された当接部80a〜80dの各々は、任意の方法で製造することができるが、例えば、ステンレス製の板状体を折り曲げ成形することによって製造することができる。なお、以下では、必要に応じて、当接部80a〜80dのうち、建物の外側且つ左側の当接部80aを「左屋外側当接部80a」と称し、建物の内側且つ左側の当接部80bを「左屋内側当接部80b」と称し、建物の外側且つ右側の当接部80cを「右屋外側当接部80c」と称し、建物の内側且つ右側の当接部80dを「右屋内側当接部80d」と称する。なお、これら左屋外側当接部80a、左屋内側当接部80b、右屋外側当接部80c、及び右屋内側当接部80dを特に区別する必要のないときは、単に「当接部80」と総称する。
(構成−浸水防止構造−支持部)
支持部90a〜90dは、開口部全閉状態において、止水部60を支持するための支持手段である。これら支持部90a、90bは、開口部3の幅方向の一方の端部側(すなわち、開口部3の左端部側)に配置されており、これら支持部90c、90dは、開口部3の幅方向の他方の端部側(すなわち、開口部3の右端部側)に配置されている。また、これら支持部90a〜90dの各々は、表面材91と、第1枠材92と、第2枠材93とを備えている。
表面材91は、一側面(例えば、建物の壁面(躯体2)と対向する側面等)を開放した中空箱状体にて形成されており、具体的には、表面材91の上下方向の長さ(高さ)が、建物の床面から想定される水面までの距離(例えば、300mm等)よりも長くなるように形成されている。この表面材91の設置については、実施の形態では、開口部全閉状態において、止水部60と接触可能となるように、建物の壁面から開口部3の中央側に向けて突出するように、建物の床面に載置されている。そして、表面材91と建物の壁面との境界部分、及び表面材91と建物の床面との境界部分に水が浸入しないように、例えば、これら境界部分が公知のコーキング材によって被覆されている。なお、この表面材91は、任意の方法で製造することができるが、例えば、ステンレス製の板状体を折り曲げ成形することによって製造することができる。
第1枠材92は、表面材91における止水部60側の部分を補強するためのものである。この第1枠材92は、横断面形状が略L字状となるように形成されており、具体的には、表面材91の上下方向全長にわたって形成されていると共に、止水部60によって加えられる圧力に対して抵抗できるように、第2枠材93よりも肉厚に形成されている。また、この第1枠材92の接続については、具体的には、第1枠材92の第1側片92aが表面材91における止水部60の当接部80と対応する部分と当接するように配置され、表面材91に対してビス等によって接続されている。また、第1枠材92の第2側片92bが、建物の壁面と当接するように配置され、当該第2側片92bに形成された挿通孔(図示省略)及び建物の壁面に形成されたネジ孔(図示省略)を介して、建物の壁面に対して取付ネジやアンカーボルト等によって接続されている。また、この第2側片92bの構成については任意であるが、実施の形態では、当該第2側片92bの上側部分の一部が上下方向に沿うように切り欠かれている。なお、この第1枠材92は、任意の方法で製造することができるが、例えば、公知のL型アングル鋼のうち、第2側片92bに対応する部分の一部を切断することによって製造することができる。
第2枠材93は、表面材91における止水部60側とは反対側の部分を補強するためのものである。この第2枠材93は、横断面形状が略L字状となるように形成されており、表面材91の上下方向全長にわたって形成されている。また、この第2枠材93の接続については、具体的には、第2枠材93の第1側片93aが建物の壁面と当接するように配置され、当該第1側片93aに形成された挿通孔(図示省略)、及び建物の壁面に形成されたネジ孔(図示省略)を介して、建物の壁面に対して取付ネジやアンカーボルト等によって接続されている。また、第2枠材93の第2側片93bが表面材91における止水部60側とは反対側の部分と当接するように配置され、表面材91に対してビスによって接続されている。なお、この第2枠材93は、任意の方法で製造することができるが、例えば、スチール製の板状体を折り曲げ成形することによって製造することができる。
このような支持部90a〜90dにより、開口部全閉状態において、建物の内側又は建物の外側から止水部60と接触することにより、止水部60を支持することが可能となる。以下では、必要に応じて、支持部90a〜90dのうち、建物の外側且つ左側の支持部90aを「左屋外側支持部90a」と称し、建物の内側且つ左側の支持部90bを「左屋内側支持部90b」と称し、建物の外側且つ右側の支持部90cを「右屋外側支持部90c」と称し、建物の内側且つ右側の支持部90dを「右屋内側支持部90d」と称する。なお、これら左屋外側支持部90a、左屋内側支持部90b、右屋外側支持部90c、及び右屋内側支持部90dを特に区別する必要のないときは、単に「支持部90」と総称する。
(構成−浸水防止構造−止水部と支持部との構成の詳細)
次に、止水部60と支持部90との構成の詳細については、下記に示す工夫が施されている。
最初に、止水部60及び支持部90の形状の関係については、開口部全閉状態において、止水部60における支持部90側の側面のうち、支持部90と接触する側面110(以下、「第1接触側面110」)と、支持部90における止水部60側の側面のうち、止水部60と接触する側面120(以下、「第2接触側面120」)とが上下方向に沿うように直線状に形成されることも考えられるが、実施の形態では、第1接触側面110と第2接触側面120とが傾斜状に形成されている。このような形状にした理由は以下の通りである。すなわち、第1接触側面110と第2接触側面120と上下方向に沿うように直線状に形成された場合に、開口部全閉状態においてこれら第1接触側面110と第2接触側面120を相互に接触させるためには、これら第1接触側面110と第2接触側面120とのクリアランスをほぼゼロとした上で、止水板60を上下方向に沿って正確に下ろす必要がある。しかしながら、シャッターカーテン30の振動(又は揺動)に伴って止水部60が振動(又は揺動)すると、止水部60を正確に下ろすことが難しくなり、開口部全閉状態において第1接触側面110と第2接触側面120とを接触させることが難しくなる可能性がある。また、止水部60を支持部90の上端部から下端部まで移動させるまでの間において、上述した第1接触側面110と第2接触側面120とが常に接触することになるため、この接触による抵抗を止水部60が受けることで、止水部60をスムーズに移動させることが難しくなる可能性がある。そこで、このような問題を解消するために、実施の形態においては、止水部60の第1接触側面110と支持部90の第2接触側面120とが傾斜状に形成されている。なお、実施の形態では、後述する側方気密部130における支持部90側の側面を、止水部60の第1接触側面110として説明する。
具体的には、図2に示すように、止水部60の第1接触側面110は、上方から下方に向かうにしたがって本体部70に接近するように傾斜する傾斜状に形成されている。より具体的には、第1接触側面110の上端部から本体部70に至る距離が、第1接触側面110の下端部から本体部70に至る距離よりも長くなるように、第1接触側面110が傾斜状に形成されている。また、支持部90の第2接触側面120は、この第1接触側面110と平行に傾斜する傾斜状に形成されている。なお、当接部80の支持部90側の側面の形状については任意であるが、実施の形態においては、第1接触側面110と同様に、傾斜状に形成されている。このような形状の関係により、止水部60を支持部90の上端部から下端部まで移動させるまでの間であって、開口部全閉状態に至るまでの間において、第1接触側面110と第2接触側面120との相互間の隙間を確保することができる。よって、シャッターカーテン30の振動(又は揺動)に伴って止水部60が振動(又は揺動)した場合でも、開口部全閉状態において第1接触側面110と第2接触側面120とを接触させることが容易となる。また、上記止水部60を支持部90の上端部から下端部まで移動させるまでの間において、第1接触側面110と第2接触側面120とが接触しにくくなるので、止水部60をスムーズに移動させることが可能となる。
また、支持部90の下面と第2接触側面120とがなす内角αの設定については任意であるが、実施の形態においては、開口部全閉状態において、水圧によって止水部60が浮き上がることを抑制できるように、当該内角αを45度よりも大きく、且つ、90度よりも小さく設定されている。ただし、これに限られず、例えば、上記内角αを0度よりも大きく、且つ、45度よりも小さく設定されてもよい。これにより、当該内角αを0度よりも大きく、且つ、45度よりも小さくした場合に比べて、開口部全閉状態において、水圧によって止水部60が浮き上がることを抑制でき、止水部60を安定して支持することが可能となる。また、支持部90の高さ寸法を浸水防止のために必要になる高さ寸法とするためには、支持部90の幅寸法についてもある程度長くする必要があるが、上記内角を大きくした場合には、上記内角を45度よりも小さくした場合に比べて、支持部90の幅寸法を抑制することが可能になり、浸水防止構造の設置スペースを抑制することが可能になる。
次に、当接部80と支持部90との設置関係については、以下に示す特徴を有する。まず、第1の特徴として、実施の形態においては、開口部全閉状態において、建物の内側から止水部60と接触し、且つ、当該建物の外側から当該止水部60と接触することにより、当該止水部60を支持できるように、開口部3よりも建物の内側と外側との各々に支持部90が配置されている。このような設置にした理由は以下の通りである。すなわち、例えば、開口部全閉状態において、建物の外側から止水部60と接触することにより、当該止水部60を支持できるように、開口部3よりも建物の外側のみに支持部90を配置することも考えられる。しかしながら、この場合には、止水部60に比較的大きな水圧が加えられた場合に、止水部60が建物の内側に向けて移動することにより、シャッターカーテン30と開口部3との相互間の隙間から水が浸入する可能性がある。そこで、このような問題を解消するために、実施の形態においては、開口部3よりも建物の内側と外側との各々に支持部90が配置されている。
また、第2の特徴として、実施の形態においては、本体部70における支持部90と対応する部分のみに、当接部80が設置されている。このような設置にした理由は以下の通りである。すなわち、例えば、当接部80を、本体部70の左右方向全長にわたって設置することも考えられる。しかしながら、この場合には、本体部70の左右方向の長さ(幅)が比較的長くなると、当接部80の重量が増大する。このため、実施の形態に係る浸水防止構造を既設のシャッターに設置した場合には、シャッターカーテン30に止水部60を加えた重量が、シャッター1の既設の開閉機40の巻き上げ荷重を超えてしまい、開閉機40の交換が必要になる可能性がある。そこで、このような問題を解消するために、実施の形態においては、本体部70における支持部90と対応する部分のみに、当接部80が設置されている。
これら第1の特徴及び第2の特徴を踏まえた当接部80及び支持部90の設置としては、具体的には、図2、図3に示すように、開口部3の左端部において、左屋外側支持部90aが開口部3よりも建物の外側に配置され、左屋内側支持部90bが開口部3よりも建物の内側に配置されている。また、開口部3の右端部において、右屋外側支持部90cが開口部3よりも建物の外側に配置され、右屋内側支持部90dが開口部3よりも建物の内側に配置されている。また、図3、図4(c)に示すように、左屋外側当接部80aが、本体部70における左屋外側支持部90aと対応する部分(すなわち、本体部70における建物の外側の側面の左端部)のみに設置され、左屋内側当接部80bが、本体部70における左屋内側支持部90bと対応する部分(すなわち、本体部70における建物の内側の側面の左端部)のみに設置される。また、右屋外側当接部80cが、本体部70における右屋外側支持部90cと対応する部分(すなわち、本体部70における建物の外側の側面の右端部)のみに設置され、右屋内側当接部80dが、本体部70における右屋内側支持部90dと対応する部分(すなわち、本体部70における建物の内側の側面の右端部)のみに設置される。以上のように、開口部3よりも建物の内側と外側との各々に支持部90が配置されているので、開口部3よりも建物の外側(又は建物の内側)のみに支持部90を配置した場合に比べて、止水部60を安定して支持できることから、止水部60と支持部90との相互間の隙間から水が浸入することを一層抑制することが可能となる。また、本体部70における支持部90と対応する部分のみに、当接部80が設置されているので、当接部80を本体部70の左右方向全長にわたって設置した場合に比べて、当接部80の重量を低減できる。このため、本実施の形態に係る浸水防止構造を既設のシャッター1に設置した場合でも、シャッターカーテン30に止水部60を加えた重量が、シャッター1の既設の開閉機40の巻き上げ荷重を超えることを回避することができ、既設の開閉機40をそのまま使用することが可能となる。
次に、止水部60と支持部90との接触構造については、開口部全閉状態において、当接部80を支持部90に直接的に接触させることも考えられるが、実施の形態では、当接部80と支持部90との気密性を高めるために、当接部80に側方気密部130を設けて、当接部80を側方気密部130を介して支持部90に接触させることとしている。この側方気密部130が設けられた理由は以下の通りである。すなわち、例えば、開口部全閉状態において、当接部80を支持部90に直接的に接触させる場合に、当接部80又は支持部90に製造誤差が生じた場合には、当接部80と支持部90とを密着させづらくなる。このため、当接部80と支持部90との気密性が低下することにより、当接部80と支持部90との相互間の隙間から水が浸入する可能性があった。そこで、このような問題を解消するために、側方気密部130が設けられている。この側方気密部130は、止水部60(具体的には、当接部80)と支持部90との気密性を高めるための気密手段である。図2から図4に示すように、この側方気密部130は、例えば、略矩形状の板状体にて形成されており、左屋外側当接部80a、左屋内側当接部80b、右屋外側当接部80c、及び右屋内側当接部80dの各々にそれぞれ設置され、左屋外側当接部80a、左屋内側当接部80b、右屋外側当接部80c、及び右屋内側当接部80dの各々に対して接着剤等によって固定されている。
ここで、側方気密部130の大きさ及び配置位置は任意であるが、実施の形態においては、開口部全閉状態において、側方気密部130の第1接触側面110及び支持部90の第2接触側面120において、防水に必要な接触面積が得られるように、配置されている。具体的には、図2から図4に示すように、側方気密部130が、当接部80の側面のうち、支持部90側の側面全体、下面全体、及び本体部70の下面の一部にわたって配置されている。また、側方気密部130の厚さは任意であるが、実施の形態においては、開口部全閉状態において、当接部80によって押圧されて変形することにより、当接部80と支持部90との気密性を高めることができるように、開口部全閉状態における当接部80と支持部90との相互間の距離よりも側方気密部130の厚みが大きくなるように設定されている(例えば、開口部全閉状態における当接部80と支持部90との相互間の距離=10mm程度である場合に、側方気密部130の厚さ=15mmから20mm程度等)。このような配置により、開口部全閉状態において、側方気密部130の第1接触側面110及び支持部90の第2接触側面120において、防水に必要な接触面積を得ることができるので、当接部80と支持部90との相互間の隙間から水が浸入することを一層抑制することが可能となる。
また、側方気密部130は、任意の材質で製造することができるが、実施の形態においては、耐水性を有し、且つ、変形可能な材質で製造されており、比較的硬度が低い樹脂材(例えば、ゴム発泡体等)で製造されている。
上述したように、側方気密部130が構成されることで、開口部全閉状態において、支持部90によって側方気密部130が押圧されて変形することにより、側方気密部130と支持部90とを密着させることができる。よって、当接部80と支持部90との気密性を高めることができるので、当接部80と支持部90との相互間の隙間から水が浸入することを抑制することが可能となる。特に、当接部80に側方気密部130を設けたので、支持部90に側方気密部130を設けた場合に比べて、側方気密部130に水や埃等の異物が溜まりにくいことから、側方気密部130の劣化を抑制することが可能となる。
次に、止水部60とくつずり部50との接触構造については、開口部全閉状態において、本体部70をくつずり部50に直接的に接触させることも考えられるが、実施の形態では、本体部70とくつずり部50との気密性を高めるために、本体部70に下方気密部140を設けて、本体部70を下方気密部140を介してくつずり部50に接触させることとしている。この下方気密部140が設けられた理由は、以下の通りである。すなわち、開口部全閉状態において、本体部70をくつずり部50に直接的に接触させる場合に、本体部70又はくつずり部50に製造誤差が生じた場合には、本体部70とくつずり部50とを密着させづらくなる。このため、本体部70とくつずり部50との気密性が低下することにより、本体部70とくつずり部50との相互間の隙間から水が浸入する可能性があった。そこで、このような問題を解消するために、下方気密部140が設けられている。この下方気密部140は、止水部60(具体的には、本体部70)とくつずり部50との気密性を高めるためのものである。図2、図4に示すように、この下方気密部140は、肉厚な板状体(例えば、厚さ10mmから20mmの板状体等)であり、本体部70の左右方向全長にわたって形成されている。また、この下方気密部140は、本体部70の下面におけるくつずり部50と対向する部分(具体的には、本体部70の下面の略中央部分)に配置されており、本体部70の下側横枠材72dに対してビス等によって固定されている。
また、下方気密部140には、切欠部141が形成されている。切欠部141は、下方気密部140をくつずり部50とを線接触させたり、上記ビスのヘッドを収容するための空間を形成するためのものである。この切欠部141は、下方気密部140の下面において、下方気密部140の左右方向全長にわたって形成されている。また、この切欠部141の縦断面形状については任意であるが、実施の形態においては、ビスを容易に打つことができるように、矩形状にて形成されている(あるいは、台形状、半円形状にて形成されてもよい)。このような切欠部141によって、下方気密部140をくつずり部50とを線接触させることができるため、開口部全閉状態において、下方気密部140とくつずり部50との相互間の隙間から水が浸入することを一層抑制できる。また、切欠部141によって形成された空間内に上記ビスのヘッドを収容できるため、上記ビスのヘッドによって、下方気密部140とくつずり部50とが密着しにくくなることを防止できる。
また、この下方気密部140は、任意の材質で製造することができるが、実施の形態においては、耐水性を有し、且つ、耐久性を有する変形可能な材質で製造されており、具体的には、下方気密部140の硬度が側方気密部130の硬度よりも高い樹脂材(例えば、エチレンプロピレンジエンゴム等)で製造されている。
このような下方気密部140により、開口部全閉状態において、くつずり部50によって下方気密部140が押圧されて変形することにより、下方気密部140とくつずり部50とを密着させることができる。よって、本体部70とくつずり部50との気密性を高めることができ、本体部70とくつずり部50との相互間の隙間から水が浸入することを抑制することが可能となる。特に、本体部70に下方気密部140を設けたので、くつずり部50に下方気密部140を設けた場合に比べて、下方気密部140に水や埃等の異物が溜まりにくいことから、下方気密部140の劣化を抑制することが可能となる。
以上のような浸水防止構造により、開口部全閉状態において、シャッターカーテン30と開口部3との相互間の隙間から水が浸入することを防止できる。特に、第1接触側面110と第2接触側面120とが上記傾斜状に形成されているので、第1接触側面110と第2接触側面120とが上下方向に沿うように直線状に形成された場合と比べて、止水部60を支持部90の上端部から下端部まで移動させるまでの間であって、開口部全閉状態の直前に至るまでの間において、第1接触側面110と第2接触側面120との相互間の隙間を確保することができる。よって、シャッターカーテン30の振動(又は揺動)に伴って止水部60が振動(又は揺動)した場合でも、開口部全閉状態において第1接触側面110と第2接触側面120とを接触させることが容易となる。また、上記止水部60を支持部90の上端部から下端部まで移動させるまでの間において、第1接触側面110と第2接触側面120とを常に接触させる必要がなくなるので、止水部60をスムーズに移動させることが可能となる。特に、第1接触側面110又は第2接触側面120のいずれか一方に側方気密部130が設けられた場合に、シャッターカーテン30の上下移動が繰り返されたとしても、第1接触側面110と第2接触側面120とが上下方向に沿うように直線状に形成された場合と比べて、側方気密部130と支持部90とが擦れにくくなるので、側方気密部130の劣化を抑制することが可能となる。
(構成−浸水防止構造−止水部の製造方法)
次に、浸水防止構造の構成のうち、止水部60の製造方法について説明する。
最初に、止水部60の本体部70を製造するために、以下の工程を行う。まず、正面形状が矩形環状となるように、左側縦枠材72a、右側縦枠材72b、上側横枠材72c、及び下側横枠材72dを組み合わせた後、各接続部分を溶接等によって接続することにより、枠部71を形成する。次に、枠部71内において、複数の補強材74を所定位置に配置した後、これら補強材74の各々を枠部71に対して溶接等により接続する。次いで、屋内側表面材73bの内面が上向きとなるように、屋内側表面材73bを組立台(図示省略)の上面に載置する。次に、この屋内側表面材73bの各側面のうち、枠部71及び補強材74と当接する面に接着剤を塗布した後、補強材74と接続された枠部71を屋内側表面材73bの内面における所定の固定位置に載置することにより、この枠部71を屋内側表面材73bに固定する。続いて、屋外側表面材73aの各側面のうち、枠部71及び補強材74に対して当接する面に接着剤を塗布した後、この塗布面を下側にして屋外側表面材73aを枠部71及び補強材74に対して載置することにより、屋外側表面材73aをこれら枠部71及び補強材74に固定する。そして、接続片75を上側横枠材72cに対してビスにより接続すると共に、張出部76を、枠部71の左側縦枠材72a及び右側縦枠材72bに対して溶接により接続する。
次に、本体部70に左屋外側当接部80a、左屋内側当接部80b、右屋外側当接部80c、及び右屋内側当接部80dの各々を取り付けるために、以下の工程を行う。まず、本体部70における各当接部80が設置される部分に対して、各当接部80の接続片82をビスによって接続した後に、この接続片82が中空箱状体に形成された当該当接部80の表面材81内に収容されるように、当該表面材81を配置する。そして、この表面材81を接続片82に対してビスによって接続する。
次に、左屋外側当接部80a、左屋内側当接部80b、右屋外側当接部80c、及び右屋内側当接部80dの各々に、側方気密部130を取り付けるために、以下の工程を行う。すなわち、各当接部80における支持部90側の側面及び下面、並びに本体部70の下面に接着剤を塗布した後、この塗布面に側方気密部130を当接させることにより、この側方気密部130を各当接部80に接続する。
また、側方気密部130の取り付けの前後いずれかの時点において、本体部70に、下方気密部140を取り付けるために、以下の工程を行う。すなわち、本体部70の下面に下方気密部140を当接した状態で、この下方気密部140を本体部70に対してビスによって接続する。これにて、止水部60の製造が終了する。
(構成−浸水防止構造−取付方法)
次に、浸水防止構造の取付方法について説明する。
まず、左屋外側支持部90a、左屋内側支持部90b、右屋外側支持部90c、及び右屋内側支持部90dの各々を開口部3の左端部又は右端部に設置するために、以下の工程を行う。まず、各支持部90の第1枠材92及び第2枠材93を建物の壁面に対して取付ネジによって接続した後に、これら第1枠材92及び第2枠材93が中空箱状体にて形成された各支持部90内に収容されるように、当該表面材91を建物の床面に載置する。次いで、この表面材91を、第1枠材92及び第2枠材93に対してビスによって接続した後、表面材91と建物の壁面との境界部分、及び表面材91と建物の床面との境界部分を、公知のコーキング材によって被覆する。
また、左屋外側支持部90a、左屋内側支持部90b、右屋外側支持部90c、及び右屋内側支持部90dの設置の前後いずれかの時点において、止水部60を座板バー32に取り付けるために、以下の工程を行う。まず、開口部3が半開状態となるように、シャッターカーテン30を上下動させる。具体的には、支持部90の設置を行う前に止水部60の取り付けを行う場合には、建物の床面から座板バー32の下端部に至るまでの距離(高さ)が、止水部60の上下方向の長さ(高さ)を上回るように、シャッターカーテン30を移動させる。また、支持部90の設置を行った後に止水部60の取り付けを行う場合には、建物の床面から座板バー32の下端部に至るまでの距離(高さ)が、支持部90の上下方向の長さ(高さ)と、止水部60の上下方向の長さ(高さ)とを加算した合計長さ(合計高さ)を上回るように、シャッターカーテン30を移動させる。次に、座板31に水平の座板片が取り付けられている場合には、座板片を取り外す。そして、止水部60の左端部(又は右端部)に取り付けられた張出部76が左側(又は右側)のガイドレール20に挿入されるように、止水部60を建物の床面に載置する。次いで、この止水部60の接続片75を座板バー32に対してボルト及びナットで接続することで、止水部60を座板バー32に取り付ける。これにて、浸水防止構造の取り付けが終了する。なお、浸水防止構造を取り外す場合には、上述した方法とは逆手順の作業を行うことにより、浸水防止構造を取り外すことができる。
(効果)
このように実施の形態によれば、止水部60を上方から下方に向けて支持部90に接触させる場合に、止水部60における支持部90と接触する第1接触側面110全体が、支持部90における止水部60と接触する第2接触側面120全体と接触可能となるように、第1接触側面110と第2接触側面120とをそれぞれ傾斜状に形成し、開口部全閉状態において、第1接触側面110と第2接触側面120との相互間の隙間から水が浸入しないように、第1接触側面110と第2接触側面120とを接触させたので、開口部全閉状態において、シャッターカーテン30と開口部3との相互間の隙間から水が浸入することを防止できる。特に、第1接触側面110と第2接触側面120とが上記傾斜状に形成されているので、第1接触側面110と第2接触側面120とが上下方向に沿うように直線状に形成された場合と比べて、止水部60を支持部90の上端部から下端部まで移動させるまでの間であって、開口部全閉状態の直前に至るまでの間において、第1接触側面110と第2接触側面120との相互間の隙間を確保することができる。よって、シャッターカーテン30の振動(又は揺動)に伴って止水部60が振動(又は揺動)した場合でも、開口部全閉状態において第1接触側面110と第2接触側面120とを接触させることが容易となる。また、上記止水部60を支持部90の上端部から下端部まで移動させるまでの間において、第1接触側面110と第2接触側面120とを接触させる必要がないため、止水部60をスムーズに移動させることが可能となる。
また、止水部60は、シャッターカーテン30の下端部から下方に向けて張り出された本体部70と、本体部70における支持部90と対応する部分のみから建物の内側又は建物の外側に向けて突出するように設けられた当接部80と、を備えたので、当接部80を本体部70の幅方向全長にわたって設置した場合に比べて、当接部80の重量を低減できる。よって、実施の形態に係る浸水防止構造を既設のシャッターに設置する場合でも、このシャッターの開閉機が持ち上げることが可能な重量を超えることを回避することができ、当該開閉機の交換を行うことなく、当該開閉機をそのまま使用することが可能となる。
また、開口部3よりも建物の内側と外側との各々に支持部90を配置したので、開口部3よりも建物の外側(又は建物の内側)のみに支持部90を配置した場合に比べて、止水部60を安定して支持できることから、止水部60と支持部90との相互間の隙間から水が浸入することを一層抑制することが可能となる。
また、止水部60における支持部90側の側面には、開口部全閉状態において、支持部90によって押圧されて変形することにより、止水部60と支持部90との気密性を高めるための側方気密部130を設けたので、開口部全閉状態において、支持部90によって下方気密部140が押圧されて変形することにより、側方気密部130と支持部90とを密着させることができる。よって、止水部60と支持部90との気密性を高めることができるので、止水部60と支持部90との相互間の隙間から水が浸入することを抑制することが可能となる。また、止水部60に側方気密部130を設けたので、支持部90に側方気密部130を設けた場合に比べて、気密部に水や埃等の異物が溜まりにくいことから、側方気密部130の劣化を抑制することが可能となる。さらに、傾斜面である第1接触側面110に側方気密部130を設けているので、シャッターカーテン30の上下移動が繰り返されたとしても、第1接触側面110と第2接触側面120とが上下方向に沿うように直線状に形成された場合と比べて、側方気密部130と支持部90とが擦れにくくなるため、側方気密部130の劣化を抑制することが可能となる。
また、支持部90の下面と第2接触側面120とがなす内角αを、45度よりも大きく、且つ、90度よりも小さくしたので、当該内角αを0度よりも大きく、且つ、45度よりも小さくした場合に比べて、開口部全閉状態において、水圧によって止水部60が浮き上がることを抑制でき、止水部60を安定して支持することが可能となる。また、支持部90の高さ寸法を浸水防止のために必要になる高さ寸法とするためには、支持部90の幅寸法についてもある程度長くする必要があるが、上記内角を大きくした場合には、上記内角を45度よりも小さくした場合に比べて、支持部90の幅寸法を抑制することが可能になり、浸水防止構造の設置スペースを抑制することが可能になる。
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。例えば、本発明に係る浸水防止構造の浸水防止性能が従来と同程度であっても、従来と異なる構造により従来と同程度の浸水防止性能となっている場合には、本願の課題は解決している。
(浸水防止構造について)
上記実施の形態では、浸水防止構造が、シャッターカーテン30と開口部3との相互間の隙間、すなわち、上述した下方隙間、左側方隙間、及び右側方隙間からの水の浸入を防止するものであると説明したが、これに限られず、例えば、この下方隙間、左側方隙間、又は右側方隙間のいずれか1つ又は2つのみからの水の浸入を防止するものであってもよい。
また、上記実施の形態では、本発明の浸水防止構造のみをシャッター1に適用すると説明したが、これに限られず、例えば、本発明の浸水防止構造と従来の浸水防止構造とをシャッター1に適用してもよい。具体的には、シャッター1の左端部側においては、本発明の浸水防止構造を構成する止水部60と、支持部90とが設置され、シャッター1の右端部側においては、上述した従来の浸水防止構造を構成する止水板と、シール部材が取り付けられた止水用ガイドレールとが設置されてもよい。
また、上記実施の形態では、浸水防止構造が、止水部60と、支持部90とを備えていると説明したが、これに限られず、例えば、これらの構成要素に加えて、光電センサを備えてもよい。光電センサは、障害物を検知する障害物検知手段である。この光電センサは、光を送信する送光部と、送光部からの光を受ける受光部とを備えており、送光部が左屋外側支持部90a又は左屋内側支持部90bのいずれか一方に取付けられ、受光部が左屋外側支持部90a又は左屋内側支持部90bのいずれか他方に取付けられる。このような光電センサにより、障害物を検知した際にシャッターカーテン30の下降を停止させる等の公知の制御を行うことで、止水部60を安全に上下移動させることが可能となる。
(止水部について)
上記実施の形態では、本体部70と当接部80とが別体にて形成されていると説明したが、これに限られず、本体部70と当接部80とが一体形成されてもよい。
また、上記実施の形態では、止水部60が本体部70を備えていると説明したが、これに限られない。例えば、座板31が浸水防止機能を備えている場合には、本体部70を省略してもよい。図6は、止水部60の変形例を示す図である。上述したように、本体部70を省略した場合には、以下に示す構成が採用される。具体的には、図6に示すように、座板バー32の下端部に、肉厚板状の連結部材34が接続される。また、この連結部材34の下端部に設けられた座板片33の下面に、下方気密部140が取り付けられる。そして、側方気密部130が取り付けられた当接部80が、連結部材34における建物の外側の側面及び建物の内側の側面の各々に対してビス等により接続される。
(張出部について)
上記実施の形態では、張出部76が、本体部70の左右方向の両端部の各々において、本体部70の上下方向全長にわたって設置されていると説明したが、これに限られず、例えば、本体部70の左右方向の両端部の各々において、所定間隔を隔てて上下方向に沿って複数並設されてもよい。
(当接部について)
上記実施の形態では、当接部80が本体部70における支持部90と対応する部分のみに設けられていると説明したが、これに限られず、例えば、当接部80が本体部70の左右方向全長にわたって設けられてもよい。
(支持部について)
上記実施の形態では、左屋外側支持部90a、左屋内側支持部90b、右屋外側支持部90c、及び右屋内側支持部90dが設けられていると説明したが、これに限られない。例えば、左屋外側支持部90a及び右屋外側支持部90cのみ、又は、左屋内側支持部90b及び右屋内側支持部90dのみが設けられてもよい。あるいは、左屋外側支持部90a及び右屋内側支持部90dのみ、又は、左屋内側支持部90b及び右屋外側支持部90cのみが設けられてもよい。これらの場合において、当接部80が本体部70における支持部90と対応する部分のみに設けられてもよく、例えば、左屋外側支持部90a及び右屋外側支持部90cのみが設けられた場合には、左屋外側当接部80a及び右屋外側当接部80cのみが設けれる。
(側方気密部について)
上記実施の形態では、側方気密部130が、止水部60のみに設けられていると説明したが、これに限られない。例えば、側方気密部130を支持部90における止水部60側の側面のみに設けてもよい。この場合には、当接部80における支持部90側の側面が、止水部60の第1接触側面110となり、側方気密部130における止水部60側の側面が、支持部90の第2接触側面120となる。また、側方気密部130が、止水部60及び支持部90の各々に設けられてもよい。この場合には、止水部60に設けられた側方気密部130における支持部90側の側面が、止水部60の第1接触側面110となり、支持部90に設けられた側方気密部130における止水部60側の側面が、支持部90の第2接触側面120となる。また、側方気密部130を省略してもよい。この場合には、当接部80における支持部90側の側面が、止水部60の第1接触側面110となり、支持部90における止水部60側の側面が、支持部90の第2接触側面120となる。
また、上記実施の形態では、当接部80の支持部90側の側面を傾斜状に形成した上で、この傾斜状の側面に直線状の側方気密部130を取り付けることにより、止水部60の第1接触側面110を傾斜状にしているが、これに限られない。例えば、当接部80の支持部90側の側面を直線状に形成した上で、支持部90側の側面を傾斜状とした側方気密部130を取り付けることで、止水部60の第1接触側面110を傾斜状にしてもよい。あるいは、これら当接部80の支持部90側の側面と側方気密部130の支持部90側の側面との両方を傾斜状に形成して相互に組み合わせることにより、止水部60の第1接触側面110を傾斜状にしてもよい(なお、支持部90に側方気密部130が取り付けられた場合における側方気密部130の止水部60側の側面及び支持部90の止水部60側の側面についても同様とする)。
(下方気密部について)
上記実施の形態では、下方気密部140が、止水部60に設けられていると説明したが、これに限られない。例えば、下方気密部140がくつずり部50に設けられてもよい。あるいは、下方気密部140を省略してもよい。
(くつずり部について)
上記実施の形態では、くつずり部50が設けられていると説明したが、これに限られず、例えば、くつずり部50を省略してもよい。
(付記)
付記1の浸水防止構造は、建物の壁の開口部を開閉するシャッターカーテンを備えたシャッターを対象とした浸水防止構造であり、前記シャッターカーテンと前記開口部との相互間の隙間から水が浸入することを防止するための浸水防止構造であって、前記シャッターカーテンの下端部において、前記開口部の幅方向の少なくとも一方の端部側に設けられた止水手段と、前記開口部の幅方向の少なくとも一方の端部側であり、前記止水手段側の端部側に設けられた支持手段であって、前記シャッターカーテンによって当該開口部を全閉した状態において、前記建物の内側又は前記建物の外側から当該止水手段と接触することにより、当該止水手段を支持する支持手段と、を備え、前記止水手段を上方から下方に向けて前記支持手段に接触させる場合に、当該止水手段における当該支持手段と接触する第1接触側面全体が、当該支持手段における当該止水手段と接触する第2接触側面全体と接触可能となるように、当該第1接触側面と当該第2接触側面とをそれぞれ傾斜状に形成し、前記シャッターカーテンによって前記開口部を全閉した状態において、前記第1接触側面と前記第2接触側面との相互間の隙間から水が浸入しないように、当該第1接触側面と当該第2接触側面とを接触させた。
付記2の浸水防止構造は、付記1に記載の浸水防止構造において、前記止水手段は、前記シャッターカーテンの下端部から下方に向けて張り出された本体部と、前記本体部における前記支持手段と対応する部分のみから前記建物の内側又は前記建物の外側に向けて突出するように設けられた当接部と、を備え、前記シャッターカーテンによって前記開口部を全閉した状態において、前記当接部と前記支持手段との相互間で、前記第1接触側面と前記第2接触側面とを接触させた。
付記3の浸水防止構造は、付記1又は2に記載の浸水防止構造において、前記シャッターカーテンによって前記開口部を全閉した状態において、前記建物の内側から前記止水手段と接触し、且つ、当該建物の外側から当該止水手段と接触することにより、当該止水手段を支持できるように、前記開口部よりも当該建物の内側と外側との各々に前記支持手段を配置した。
付記4の浸水防止構造は、付記1から3のいずれか一項に記載の浸水防止構造において、前記止水手段における前記支持手段側の側面には、前記シャッターカーテンによって前記開口部を全閉した状態において、当該支持手段によって押圧されて変形することにより、当該止水手段と当該支持手段との気密性を高めるための気密手段を設け、前記気密手段における前記支持手段側の側面を、前記第1接触側面とした。
付記5の浸水防止構造は、付記1から4のいずれか一項に記載の浸水防止構造において、前記支持手段の下面と前記第2接触側面とがなす内角を、45度よりも大きく、且つ、90度よりも小さくした。
(付記の効果)
付記1に記載の浸水防止構造によれば、止水手段を上方から下方に向けて支持手段に接触させる場合に、止水手段における支持手段と接触する第1接触側面全体が、支持手段における止水手段と接触する第2接触側面全体と接触可能となるように、第1接触側面と第2接触側面とをそれぞれ傾斜状に形成し、シャッターカーテンによって開口部を全閉した状態において、第1接触側面と第2接触側面との相互間の隙間から水が浸入しないように、第1接触側面と第2接触側面とを接触させたので、上記開口部を全閉した状態において、シャッターカーテンと開口部との相互間の隙間から水が浸入することを防止できる。特に、第1接触側面と第2接触側面とが上記傾斜状に形成されているので、第1接触側面と第2接触側面とが上下方向に沿うように直線状に形成された場合と比べて、止水手段を支持手段の上端部から下端部まで移動させるまでの間であって、上記開口部を全閉した状態の直前に至るまでの間において、第1接触側面と第2接触側面との相互間の隙間を確保することができる。よって、シャッターカーテンの振動(又は揺動)に伴って止水手段が振動(又は揺動)した場合でも、開口部を全閉した状態において第1接触側面と第2接触側面とを接触させることが容易となる。また、上記止水手段を支持手段の上端部から下端部まで移動させるまでの間において、第1接触側面と第2接触側面とが接触しにくくなるので、止水手段をスムーズに移動させることが可能となる。
付記2に記載の浸水防止構造によれば、止水手段は、シャッターカーテンの下端部から下方に向けて張り出された本体部と、本体部における支持手段と対応する部分のみから建物の内側又は建物の外側に向けて突出するように設けられた当接部と、を備えたので、当接部を本体部の幅方向全長にわたって設置した場合に比べて、当接部の重量を低減できる。このため、当該浸水防止構造を既設のシャッターに設置した場合でも、シャッターカーテンに止水手段を加えた重量が、シャッターの既設の開閉機の巻き上げ荷重を超えることを回避することができ、既設の開閉機をそのまま使用することが可能となる。
付記3に記載の浸水防止構造によれば、開口部よりも建物の内側と外側との各々に支持手段を配置したので、開口部よりも建物の外側(又は建物の内側)のみに支持手段を配置した場合に比べて、止水手段を安定して支持できることから、止水手段と支持手段との相互間の隙間から水が浸入することを一層抑制することが可能となる。
付記4に記載の浸水防止構造によれば、止水手段における支持手段側の側面には、シャッターカーテンによって開口部を全閉した状態において、支持手段によって押圧されて変形することにより、止水手段と支持手段との気密性を高めるための気密手段を設けたので、上記開口部を全閉した状態において、支持手段によって気密手段が押圧されて変形することにより、気密手段と支持手段とを密着させることができる。よって、止水手段と支持手段との気密性を高めることができるので、止水手段と支持手段との相互間の隙間から水が浸入することを抑制することが可能となる。また、止水手段に気密手段を設けたので、支持手段に気密手段を設けた場合に比べて、気密手段に水や埃等の異物が溜まりにくいことから、気密手段の劣化を抑制することが可能となる。さらに、傾斜面である第1接触側面に気密手段を設けているので、シャッターカーテンの上下移動が繰り返されたとしても、第1接触側面と第2接触側面とが上下方向に沿うように直線状に形成された場合と比べて、気密手段と支持手段とが擦れにくくなるため、気密手段の劣化を抑制することが可能となる。
付記5に記載の浸水防止構造によれば、支持手段の下面と第2接触側面とがなす内角を、45度よりも大きく、且つ、90度よりも小さくしたので、当該内角を0度よりも大きく、且つ、45度よりも小さくした場合に比べて、シャッターカーテンによって開口部を全閉した状態において、水圧によって止水手段が浮き上がることを抑制でき、止水手段を安定して支持することが可能となる。また、支持手段の高さ寸法を浸水防止のために必要になる高さ寸法とするためには、支持手段の幅寸法についてもある程度長くする必要があるが、上記内角を大きくした場合には、上記内角を45度よりも小さくした場合に比べて、支持手段の幅寸法を抑制することが可能になり、浸水防止構造の設置スペースを抑制することが可能になる。