JP4870723B2 - カーテンウォール、およびカーテンウォールの施工方法 - Google Patents
カーテンウォール、およびカーテンウォールの施工方法 Download PDFInfo
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Description
このようなカーテンウォールで構成した外壁において、グレーチングからなる歩行デッキや遮光用あるいは外観意匠のためのルーバーなど、外壁面から屋外側に突出して取り付けられた外装システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このような構成によれば、中間外壁体と屋外突出部とが連結されていることで、これらを一体化してから建物に取り付ける施工手順を採用した場合の一体性を高め、施工時の取り扱いが良好にでき、施工性を向上させることができる。また、中間外壁体を貫通する屋外突出部の突出支持材が中間上枠や中間下枠に固着されることで、風などの外力が屋外突出部に作用した場合でも突出支持材と中間外壁体との相対移動を防止することができ、貫通部における止水性能が維持できる。
また、本発明のカーテンウォールでは、前記中間外壁体は、前記中間上枠および中間下枠の両端部同士を連結して上下に延びる左右の中間縦枠を有して構成され、前記屋外突出部の突出支持材は、前記中間上枠、中間下枠および左右の中間縦枠で囲まれた内部に挿通され、前記中間縦枠と、隣り合う他の中間外壁体の中間縦枠または窓部の縦枠とが乾式の止水構造を介して接続されていてもよい。
このような構成によれば、中間外壁体の左右側端縁に設けた側方止水材を隣り合う他の中間外壁体や窓部の側端縁に接続させるか、または中間外壁体における左右の中間縦枠を隣り合う他の中間外壁体の中間縦枠または窓部の縦枠と乾式の止水構造を介して接続することで、中間外壁体の側端縁における止水性能を確保することができる。
図1は、本実施形態に係るカーテンウォール10を備える建物1の一部を示す外観姿図である。図2は、カーテンウォール10を示す縦断面図であり、図3は、カーテンウォール10の一部を示す横断面図である。図4は、カーテンウォール10の一部を拡大して示す縦断面図である。図5は、カーテンウォール10に設けられる中間外壁体20およびバルコニー30を示す斜視図である。図6は、中間外壁体20部分を拡大して示す正面図である。
図1〜図4において、建物1の外壁面を構成するカーテンウォール10は、建物1の各階の床レベル(図中FLで示す)間の距離(階高)よりも若干小さい高さ寸法を有する複数の窓部としてのカーテンウォールユニット11と、上下階のカーテンウォールユニット11同士の間である各階の床レベル近傍に設けられる中間外壁体20と、この中間外壁体20と略同一高さレベルにてカーテンウォールユニット11よりも屋外側に略水平に突出する屋外突出部としてのバルコニー30とを備えて構成されている。
中間外壁体20の中間上枠21の上面には、上方に突出する止水材21Aと、この止水材21Aよりも屋内側の気密材21Bとが、それぞれ当該中間上枠21の略全長に渡って設けられている。一方、上階のカーテンウォールユニット11の下枠13の下面には、図4に示すように、下方に突出する第1止水材13Aおよび第2止水材13Bと、第2止水材13Bよりも屋内側の気密材13Cとが、それぞれ当該下枠13の略全長に渡って設けられている。さらに、中間上枠21の上面には、位置決め部品21Cが設けられ、カーテンウォールユニット11の下枠13の下面には、位置決め部品13Dが設けられている。また、下階のカーテンウォールユニット11の上枠12の上面には、上方に突出する止水材12Aと、この止水材12Aよりも屋内側の気密材12Bとが、それぞれ当該上枠12の略全長に渡って設けられている。一方、中間外壁体20の中間下枠22の下面には、下方に突出する第1止水材22Aおよび第2止水材22Bと、第2止水材22Bよりも屋内側の気密材22Cとが、それぞれ当該中間下枠22の略全長に渡って設けられている。さらに、カーテンウォールユニット11の上枠12の上面には、位置決め部品12Cが設けられ、中間下枠22の下面には、位置決め部品22Dが設けられている。
本実施形態におけるカーテンウォールユニット11の取り付け手順としては、先ず所定の階(下階)において、カーテンウォールユニット11が左右に並べて建物躯体に取り付けられた状態から、その上階の床レベルに中間外壁体20およびバルコニー30を取り付ける。この取り付けに際し、予め地上の地組ヤードや工場において、中間外壁体20とバルコニー30とを連結して一体化しておく。すなわち、バルコニー30の片持ち梁31,32を、中間外壁体20の中間上枠21と中間下枠22との間に挿通し、ボルト36で片持ち梁31,32と中間上枠21および中間下枠22とを固定する。そして、中間面材23と片持ち梁31,32との隙間にシール材25を充填してシールするとともに、中間外壁体20の両側端縁に第1側方止水材27および第2側方止水材28を貼り付けて固定しておく。さらに、バルコニー30の先端梁33を片持ち梁31,32の先端に固定するとともに、片持ち梁31,32の上側にグレーチング34を固定し、先端梁33に手摺り35を固定してバルコニー30を略完全に組み立てておく。
(1)すなわち、中間外壁体20の中間上枠21と中間下枠22との間を通って建物内部側に延びる片持ち梁31,32が梁2に固定されているので、バルコニー30の取付強度を高めることができ、このバルコニー30を避難用として利用することができる。また、バルコニー30の片持ち梁31,32が中間外壁体20の中間上枠21と中間下枠22との間に挿通され、片持ち梁31,32と中間面材23とがシール材25によってシールされているので、中間外壁体20位置において貫通部の止水構造を完結させることができ、カーテンウォールユニット11に貫通部を設ける必要がないことから、カーテンウォールユニット11の止水性が確保できる。
例えば、前記実施形態では、カーテンウォール10が複数のカーテンウォールユニット11から構成されていたが、これに限らず、建物の取付位置にて上枠12、下枠13、縦枠14、ガラスパネル17等が組み立てられるノックダウン式にてカーテンウォール10が構成されてもよい。このようなノックダウン式のカーテンウォールであっても、前述のように、中間外壁体20の中間上枠21と中間下枠22との間を通ってバルコニー30の片持ち梁31,32が屋内側に延びて建物躯体に固定され、中間外壁体20と下階の上枠12および上階の下枠13とが乾式の止水構造で接続されていれば、止水性能を確保しつつ施工効率を向上させることができる。
また、前記実施形態では、屋外突出部として避難用のバルコニー30を例示して説明したが、これに限らず、屋外突出部としては、清掃用や点検用のデッキ床などでもよく、またルーバーや意匠用の装飾、看板などであってもよい。
図9において、中間外壁体20Aは、前記中間上枠21および中間下枠22と同様の中間上枠21および中間下枠(図示略)と、これら中間上枠21および中間下枠の両端部を連結して上下に延びる左右の中間縦枠41とを有して、全体四角枠状に構成されている。中間縦枠41は、前記カーテンウォールユニット11の縦枠14と略同一断面を有して構成され、その側面には、前記止水材14Aおよび気密材14Bと同様の止水材41Aおよび気密材41Bが設けられている。これらの止水材41Aおよび気密材41Bは、中間上枠21の気密材21Bおよび中間下枠の気密材22C(図4参照)と略同一見込み位置に設けられ、これらの気密材21B,22Cと接続されている。そして、バルコニー30における両端部の片持ち梁31は、中間縦枠41の内側に沿って、中間上枠21、中間下枠および左右の中間縦枠41で囲まれた枠の内部に挿通されている。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (5)
- 上枠、下枠、および左右の縦枠の内部に面材を支持した複数の窓部と、この窓部よりも屋外側に略水平に突出する屋外突出部とを備えたカーテンウォールであって、
前記複数の窓部のうち下側に設けられる下側窓部と、この下側窓部の上側に設けられる上側窓部との間には、建物躯体に支持される中間外壁体が設けられ、この中間外壁体は、少なくとも中間上枠および中間下枠と、中間面材とを有して構成されるとともに、前記中間下枠と前記下側窓部の上枠とが、乾式の止水構造を介して接続され、前記中間上枠と前記上側窓部の下枠とが、乾式の止水構造を介して接続され、
前記屋外突出部は、略水平に延びる水平面材と、この水平面材を支持するとともに前記中間外壁体の中間上枠と中間下枠との間を通って建物内部側に延びる突出支持材とを備えて構成され、この突出支持材が前記中間外壁体よりも屋内側にて建物躯体に連結されているカーテンウォール。 - 前記中間外壁体の中間上枠および中間下枠の少なくとも一方と、前記屋外突出部の突出支持材とが固着具によって互いに固定されている請求項1に記載のカーテンウォール。
- 前記屋外突出部の突出支持材は、前記中間外壁体における中間上枠および中間下枠の左右両端位置に対応した少なくとも一対で設けられ、
前記中間外壁体の左右両側端縁には、前記中間上枠、突出支持材および中間下枠に渡って上下に連続した側方止水材が設けられ、この側方止水材が隣り合う他の中間外壁体の側端縁または窓部の側端縁に接続されている請求項1または請求項2に記載のカーテンウォール。 - 前記中間外壁体は、前記中間上枠および中間下枠の両端部同士を連結して上下に延びる左右の中間縦枠を有して構成され、
前記屋外突出部の突出支持材は、前記中間上枠、中間下枠および左右の中間縦枠で囲まれた内部に挿通され、
前記中間縦枠と、隣り合う他の中間外壁体の中間縦枠または窓部の縦枠とが乾式の止水構造を介して接続されている請求項1または請求項2に記載のカーテンウォール。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載のカーテンウォールの施工方法であって、
前記中間外壁体と前記屋外突出部とを互いに連結して一体化しておき、
前記下側窓部を建物躯体に固定してから、前記連結した中間外壁体および屋外突出部を吊り上げるとともに当該中間外壁体を前記下側窓部の上側に載置し、これらの中間外壁体および屋外突出部の突出支持材を建物躯体に固定し、前記中間外壁体の上側に前記上側窓部を載置して建物躯体に固定するカーテンウォールの施工方法。
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