JP7235543B2 - 開閉装置 - Google Patents
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Description
このようなシャッター装置では、開閉体を開放した際の開口部に、人や車等、高さの異なる物体が通過する。このため、前記開口部の上下方向にわたる範囲で物体を感知することが求められる。
空間を仕切るようにして下方へ閉鎖動作する開閉体と、前記開閉体の近傍の物体を感知する物体感知センサとを備えた開閉装置において、前記開閉体の下部側には、全閉時に仕切られる一方側の空間を浸水想定領域とみなし、該浸水想定領域に溜まる水が他方側の空間に流れるのを阻むように、所定高さの止水板が設けられ、前記物体感知センサは、全閉位置にある前記止水板の上端よりも上側に、電気配線の接続部分を配置し、前記物体感知センサは、前記他方側の空間に設けられ、前記物体感知センサは、上下方向へ多数並ぶ一対の投光部及び受光部によって多数の光路を形成し、これら光路のうち、少なくとも一部を物体が遮ることを感知するようにした多光軸センサであり、前記物体感知センサは、感知状態に応じて信号出力する制御回路を備え、この制御回路を、全閉位置にある前記止水板の上端よりも上側に配置しており、前記止水板は、該止水板の下端側に配設される水密性を確保する止水部と、前記他方側へ突出して前記物体感知センサによる多数の光路の一部を遮る遮光部とを有し、前記止水部は、前記開閉体の全閉時には前記物体感知センサよりも下方に位置し、前記遮光部は、前記開閉体の幅方向の一端側において前記止水板の下端よりも上側に位置し、前記制御回路は、前記開閉体の閉動作中に前記遮光部が前記物体感知センサの前記多数の光路を通過するときに実行されるブランキング制御モードを実行するものであって、このブランキング制御モードにおいて、前記制御回路は、前記多数の光路のうち、二以上の一部の光路が前記遮光部によって閉鎖方向の順番で遮断される毎に、これら遮断された光路を含んで開放方向寄りに位置する光路について遮断の有無を無視するとともに、この無視された光路よりも閉鎖方向側の光路について遮断の有無に応じた信号を出力することを特徴とする開閉装置。
第一の特徴は、空間を仕切るようにして下方へ閉鎖動作する開閉体と、前記開閉体の近傍の物体を感知する物体感知センサとを備えた開閉装置において、前記開閉体の下部側には、全閉時に仕切られる一方側の空間を浸水想定領域とみなし、該浸水想定領域に溜まる水が他方側の空間に流れるのを阻むように、所定高さの止水板が設けられ、前記物体感知センサは、全閉位置にある前記止水板の上端よりも上側に、電気配線の接続部分を配置している(図1参照)。
この構成によれば、開閉体の全閉時に浸水想定領域に水が溜まった場合でも、多光軸センサの電気配線の接続部分が浸水して、ショートや絶縁不良等が生じるのを防ぐことができる。
次に、上記特徴を有する具体的な実施態様について、図面に基づいて詳細に説明する。以下の説明において、「開閉体厚さ方向」とは、閉鎖状態の開閉体の厚さ方向を意味する。また、「開閉体幅方向」とは、開閉体の開閉方向と略直交する方向であって、開閉体の厚さ方向ではない方向を意味する。また、「開閉体開閉方向」とは、開閉体が空間を仕切ったり開放したりするためにスライドする方向を意味する。
この開閉装置1は、空間を仕切るようにして閉動作する開閉体10と、開閉体10をその開放方向側で収納したり繰り出したりする収納部20と、開閉体10の横幅方向の両端部をそれぞれ横断面凹状に囲んで上下方向へ案内する二つのガイドレール30,30と、開閉体10の下端部に対向する下枠部35(図2参照)と、開閉体10近傍の物体を感知する物体感知センサ40(多光軸センサ)と、制御回路50とを備える。
この開閉装置1は、例えばガレージや工場等の躯体の開口部に装着され、全閉時に仕切られる一方側(図3によれば屋外側)の空間を浸水想定領域とみなし、該浸水想定領域に溜まる水が他方側(図3によれば屋内側)の空間に流れるのを止水板12によって阻む止水シャッター装置を構成する。
この止水板本体12aは、単数又は複数の金属板を、厚み方向の隙間や孔のないように適宜に加工したものとすればよい。
一方の止水部12bは、止水板本体12aの横幅方向の両端側に、それぞれ、上下方向へ連続する長尺状に配設される。この止水部12bは、図3に示すように、止水板本体12aの幅方向端部に固定されたブラケット12eを介して、止水板本体12aに対し一体的に止着される。
他方の止水部12cは、止水板12の下端側に、開閉体幅方向へ連続する長尺状に配設される。この止水部12cは、図示しないブラケット等により、止水板12に対し一体的に止着される。
この遮光部12dは、図4に例示するように、上下に傾斜面を有する縦断面台形状であって、所定の横幅寸法に形成される。
この遮光部12dは、本実施の形態の好ましい一例によれば、弾性合成樹脂材料(例えば合成ゴムやエラストマー樹脂を含む)等の弾性材料からなるが、他例としては、硬質合成樹脂材料からなる態様や、金属材料からなる態様とすることも可能である。
この遮光部12dを止水板本体12a表面に固定する手段は、例えば、接着や嵌合、適宜な止着具(例えば、ネジやボルト、リベット、ブラケット等)による止着とすればよい。
この開閉機23には、開閉体10の全閉位置と全開位置にて接点信号を出力する全閉全開感知部23aが設けられる。この全閉全開感知部23aは、開閉機23の回転部分の回転量が所定値になった際に接点信号を出力する機械式カウンター構造のスイッチである。
このガイドレール30の下端側には、止水板12の幅方向端部に対し凹状にはまり合って、水密性を保持しながら止水板12を上下方向へ案内する止水板ガイド部31が設けられる。また、ガイドレール30の屋内側の面には、物体感知センサ40を収容するセンサ収容部32が設けられる(図3参照)。
そして、このガイドレール30は、図示しないブラケット等を介して、当該開閉装置1の装着対象である躯体の壁面(図示せず)に固定される。
このセンサ収容部32は、屋内側を向く開口を有する横断面凹状の収容ケース部32aと、前記開口を塞ぐようにして着脱可能に装着されるカバー部32bとから構成される。
この下枠部35には、開閉体10よりも屋内側で上方へ突出する突片部35aが設けられる。この突片部35aは、開閉体10に沿って開閉体幅方向へ連続している。この突片部35aは、全閉時における開閉体10下端側の止水部12cに水密に接触する(図2(b)参照)。
この物体感知センサ40は、投光部40a1及び受光部40b1によって多数の光路Rを形成し、これら多数の光路のうち、少なくとも一部を物体が遮るのを感知する。
この物体感知センサ40から出力される信号は、開閉体10の閉動作を制限するための閉動作制限信号として扱われる。
所定寸法Hは、150~1500mmの範囲内に設定され、より好ましくは、150~500mmの範囲内に設定される。
電気配線e1と第一のユニット40aの接続部分40a2は、全閉位置にある止水板12の上端よりも上側に位置する。
電気配線e2と第二のユニット40bの接続部分40b2、及びセンサ制御回路41は、全閉位置にある止水板12の上端よりも上側に位置する。
なお、この制御回路50は、全閉位置にある止水板12よりも上方側に配置すれば、単数又は三以上の構成(図示せず)とすることが可能である。
制御回路50を複数とした場合、後述するブランキングモードや、通常感知モード、その他の制御等の機能分担は、任意に設定することが可能である。
また、制御回路50を単数とした場合には、この単数の制御回路(例えば開閉体制御回路51)が、後述するブランキングモード、通常感知モード等の制御を全て行うようにする。
センサ制御回路41は、ブランキング制御モードと通常感知モードとのうち、いずれか一方のモードを、所定の条件に応じて実行する。
ブランキング制御モードは、開閉体10の閉動作中に遮光部12dが物体感知センサ40の多数の光路Rを通過するときに実行されるモードである。
このブランキング制御モードにおいて、センサ制御回路41は、多数の光路のうち、二以上の一部の光路が遮光部12dによって閉鎖方向の順番で遮断される毎に、これら遮断された光路を含んで開放方向寄りに位置する光路について遮断の有無を無視するとともに、この無視された光路よりも閉鎖方向側の光路について遮断の有無に応じて、後述する閉動作制限信号の出力をON又はOFFにする。
ここで、前記「遮断された光路を含んで開放方向寄りに位置する光路」とは、図1に示す一例によれば、遮光部12dによって閉鎖方向の順番で遮断される二つの光路の下方側に隣接する光路R1以上の全ての光路である。
なお、本実施の形態の一例では、複数の光路Rのうち、一番下側の二つの光路Rを、遮光部12dが物体感知センサ40の下端側に達したことの感知専用とし、障害物感知しないようにしているが、他例としては、これら二つの光路Rも障害物感知に用いることが可能である。
通常感知モードは、所定の条件でリセット動作が行われた際に、実行されるモードである。前記所定の条件は、例えば、電源投入時の信号や、一番上側の二つの光路Rが閉鎖方向へ順番に遮られた際の信号等とすればよい。
この通常感知モードにおいて、センサ制御回路41は、閉鎖方向の順番に拘わらずに、多数の通常感知用光路Rについて、少なくとも一部の遮断の有無に応じて閉動作制限信号の出力をON又はOFFにする。
ここで、前記「通常感知用光路R」は、最も開放方向寄りの上下二つの光路R,Rと、最も閉鎖方向寄りの上下二つの光路R,Rとの間に位置する複数の光路Rである。なお、最も開放方向寄りの上下二つの光路R,Rと、最も閉鎖方向寄りの上下二つの光路R,Rは、遮光部12dが物体感知センサ40の感知領域に入出したのを感知するのに用いられる。
なお、図示しない停止スイッチの操作による開閉体10の停止は、上述してきたステップの何れの時点でも可能である。
上記構成の開閉装置1によれば、物体感知センサ40が、開閉体厚さ方向において浸水想定領域に対する逆側(図示例によれば屋内側)の空間に、止水部12b,12cから離れて当接対象部位G上方に位置する。このため、開閉体10の全閉状態で浸水想定領域に水が溜まった場合でも、物体感知センサ40が浸水してしまうのを防ぐことができる上、止水部12b,12cの劣化や破損に起因して若干の水が屋内側へ流れた場合でも、物体感知センサ40が浸水するのを阻むことができる。
その上、遮光部12dを弾性材料により形成しているため、この遮光部12dが物体に接触して強い衝撃を与えてしまうようなことも防ぐことができる。
上記実施の形態の開閉装置1によれば、物体感知センサ40を構成する第一のユニット40aと第二のユニット40bを、それぞれ、センサ収容部32内に直接装着するようにしたが、他例としては、第一のユニット40aと第二のユニット40bを、それぞれ、図6に示す防水ケース60に収納し、この収納状態で、センサ収容部32内に装着するようにしてもよい。
防水ケース60は、少なくとも全閉位置にある止水板12の上端よりも下側で、第一のユニット40aと第二のユニット40bをそれぞれ水密に覆う中空箱状に形成される。この防水ケース60の外壁部には、光路Rの形成を可能にする透光部61が設けられる。
各投光部61は、例えば、アクリル樹脂板やガラス板等の透光性の材料から形成される。なお、他例としては、上下方向へ長尺な投光部(図示せず)により複数の光路Rを透過させるようにした態様や、防水ケース60全体を透光性の材料から形成した態様とすることも可能である。
よって、この防水ケース60を用いれば、物体感知センサ40の防水性能をより向上することができる上、組立性やメンテナンス性も良好である。
物体感知センサ40’は、レーザ光や赤外線等の障害物感知媒体を放射して、この放射された障害物感知媒体中に障害物が侵入したことを非接触感知するセンサである。
この物体感知センサ40’は、感知信号を開閉体制御回路51へ入力するように開閉体制御回路51に対し電気配線され、その電気配線や制御回路等を、止水板12よりも上方に配置している。
よって、この開閉装置1によれば、電気配線の接続部分や電子部品等が浸水して、ショートや絶縁不良等が生じるのを防ぐことができる。しかも、浸水想定領域に実際に水が溜まるのを、物体感知センサ40’によって感知することも可能である。
10:開閉体
12:止水板
12a:止水板本体
12b,12c:止水部
12d:遮光部
40:物体感知センサ(多光軸センサ)
40a:第一のユニット
40b:第二のユニット
40a2,40b2:接続部分
41:センサ制御回路
50:制御回路
51:開閉体制御回路
60:防水ケース
61:透光部
e1,e2:電気配線
R,R1:光路
Claims (6)
- 空間を仕切るようにして下方へ閉鎖動作する開閉体と、前記開閉体の近傍の物体を感知する物体感知センサとを備えた開閉装置において、
前記開閉体の下部側には、全閉時に仕切られる一方側の空間を浸水想定領域とみなし、該浸水想定領域に溜まる水が他方側の空間に流れるのを阻むように、所定高さの止水板が設けられ、
前記物体感知センサは、全閉位置にある前記止水板の上端よりも上側に、電気配線の接続部分を配置し、
前記物体感知センサは、前記他方側の空間に設けられ、
前記物体感知センサは、上下方向へ多数並ぶ一対の投光部及び受光部によって多数の光路を形成し、これら光路のうち、少なくとも一部を物体が遮ることを感知するようにした多光軸センサであり、
前記物体感知センサは、感知状態に応じて信号出力する制御回路を備え、この制御回路を、全閉位置にある前記止水板の上端よりも上側に配置しており、
前記止水板は、該止水板の下端側に配設される水密性を確保する止水部と、前記他方側へ突出して前記物体感知センサによる多数の光路の一部を遮る遮光部とを有し、
前記止水部は、前記開閉体の全閉時には前記物体感知センサよりも下方に位置し、
前記遮光部は、前記開閉体の幅方向の一端側において前記止水板の下端よりも上側に位置し、
前記制御回路は、前記開閉体の閉動作中に前記遮光部が前記物体感知センサの前記多数の光路を通過するときに実行されるブランキング制御モードを実行するものであって、このブランキング制御モードにおいて、前記制御回路は、前記多数の光路のうち、二以上の一部の光路が前記遮光部によって閉鎖方向の順番で遮断される毎に、これら遮断された光路を含んで開放方向寄りに位置する光路について遮断の有無を無視するとともに、この無視された光路よりも閉鎖方向側の光路について遮断の有無に応じた信号を出力することを特徴とする開閉装置。 - 前記物体感知センサは、中空状の防水ケース内に設けられ、
前記防水ケースは、少なくとも全閉位置にある前記止水板の上端よりも下側で前記物体感知センサを水密に覆う中空箱状に形成され、その外壁部に、前記光路の形成を可能にする透光部を有することを特徴とする請求項1記載の開閉装置。 - 前記物体感知センサは、第一のユニットと、第二のユニットとを備え、
前記第一のユニットは、その長手方向に略一定の間隔を置いた前記多数の投光部を備え、
前記第二のユニットは、その長手方向に略一定の間隔を置いた前記多数の受光部と、これら受光部の感知状態に応じて信号出力する前記制御回路とを備えることを特徴とする請求項1又は2記載の開閉装置。 - 前記第一のユニット及び前記第二のユニットのそれぞれの開閉体開閉方向の長さは、前記止水板の開閉体開閉方向の長さよりも長いことを特徴とする請求項3記載の開閉装置。
- 前記開閉体の幅方向の両端部を上下方向へ案内する左右のガイドレールを備え、
前記ガイドレールの下端側には、前記止水板の幅方向端部に対し凹状にはまり合って、水密性を保持しながら前記止水板を上下方向へ案内する止水板ガイド部が設けられることを特徴とする請求項1~4何れか1記載の開閉装置。 - 前記止水板ガイド部は、前記止水板の浸水想定領域側の面に対向する内面に、前記止水板の下端側に摺接して前記止水板を傾斜面により下方へ導くガイド部が設けられることを特徴とする請求項5記載の開閉装置。
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