JP6444419B2 - スポロラクトバチルス・テラエおよびその使用 - Google Patents

スポロラクトバチルス・テラエおよびその使用 Download PDF

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Description

本発明はD-乳酸の製造技術分野における菌株及びその使用方法に関する。具体的には、安価の窒素源であるコーンスティープリカーパウダーを有機窒素源とした、高光学純度で高濃度のD-乳酸のスポロラクトバチルス・テラエの製造及びその使用方法である。
乳酸(lactic acid)は、α-ヒドロキシプロピオン酸(α-hydroxypropionic acid)ともいい、光学活性によってD-乳酸、L-乳酸とDL-乳酸に分けられる。その製造方法は、主として化学合成法と微生物発酵法がある。化学法では、L-乳酸のみが合成されるが、発酵法では、採用する菌株によって単一のL-乳酸、D-乳酸またはDL-乳酸の合成が可能である。現時点では、約90%の乳酸が微生物発酵法で製造されたものである。人体には、L-乳酸を代謝できるL-乳酸脱水素酵素しか存在していないため、L-乳酸は食品添加剤等として広く使われている。その上、L-乳酸のポリ乳酸における使用や、L-乳酸高収率菌の選択培養及び効率的な製造プロセスが大いに開発されているが、それに比べてD-乳酸に関する研究は比較的少ない。
D-乳酸は重要なキラル中間体として、医薬、農薬及び化学工業などの分野における複数のキラル物質の合成に広く使われている。特に、D-乳酸が次世代の高強度生分解性プラスチックであるポリ乳酸のモノマーとなりうることが、世界中の大手会社や科学家に大いに注目されている。D-乳酸のグローバル需要が毎年6〜8%のスピードで増えている。現在、全世界のD-乳酸生産量が1.6万トンであることに対し、その需要量が約2.6万トンであることから、D-乳酸の市場に幅広い将来性を有することが分かる。
ここ数年以来、アリールオキシプロピオン酸系除草剤の農業における使用がますます広くなり、この種の除草剤は世界で一番最初に工業化生産が実現された光学活性除草剤であり、その中にはキラル炭素原子が1つ含まれている。そのうち、D(-)型はL(+)型に比べて、薬性が6〜12倍高くなる。この種の除草剤の合成で最も重要な原料がR-(+)-2-クロロプロピオン酸である。D-乳酸を原料にすることで、光学活性のR-(+)-2-クロロプロピオン酸が得られ、即ち、D-乳酸が前記除草剤を製造するための光学活性前駆体である。
新型の生物材料の普及に伴い、L-乳酸、D-乳酸は新規な材料の応用面で大きな発展があった。例えば、乳酸を原料にしてポリ乳酸系(PLA)の生分解性プラスチックを製造することが挙げられる。ポリ乳酸は良い生分解性と優れた使用特性(透明性、熱可塑性、製品安全性など)を有するため、従来のプラスチックの代わりになる理想的な生物材料の1つとされている。ポリ乳酸(PLA)は、ポリD-乳酸(PDLA)、ポリL-乳酸(PLLA)とポリDL-乳酸(PDLLA)に分けられる。純粋なD-乳酸、L-乳酸又はDL-乳酸を重合して得られるポリ乳酸は、より優れた安定性を有する。そのうち、PDLAはより優れた熱安定性を備える。ポリ乳酸は良い生分解性を持ち、使用した後に自然界の微生物によって完全に分解され、環境を汚染することなく、環境保護という点で非常に有利である。
南京工業大学の丁子建氏等が2004年に、スポロラクトバチルス(Sporolactobacillus sp.)を用いたブドウ糖から発酵させてD-乳酸を製造するプロセス、発酵72h後の酸生成量が40.7 g/Lであり、光学純度が96%であることを初めて開示した。南京工業大学の楊文革氏等が2006年に、組合せ発酵によるD-乳酸の製造プロセス(中国特許出願番号CN200610097453.6)において、ラクトバシラス菌(Lactobacillus)で好気性・微好気性・嫌気性の3段組合せ発酵を行う技術を発表し、発酵時間25〜38 h、乳酸生成量が75〜131 g/Lに達したこと開示した。出願番号がCN201010101421.5である中国発明特許では、大腸菌の組み換えを利用してグリセリンを原料とした発酵によるD-乳酸の製造方法が開示されているが、菌株の耐酸性が悪く、生産率が低いことにより、D-乳酸の製造における大腸菌の実際利用に限界があった。出願番号がCN201010247826.Xである中国発明特許では、遺伝子工程手段を利用して高光学純度のD-乳酸の遺伝子工程菌の構築に成功したとともに、それを乳酸の発酵生産に用いた場合におけるD-乳酸の生成量が40 g/L以上に達し、純度が99%以上であることが開示されている。出願番号がCN201010235511.3である中国発明特許では、同源組み換えの方法により、純粋なD-乳酸を生成する遺伝子工程菌を得てから、それを乳酸の発酵生産に用いた場合におけるD-乳酸の生成量が僅か20 g/L以上で、純度が99%以上であることが開示されている。上記の従来技術におけるD-乳酸の生成量は全体的に高くない。さらに検索して、出願番号がCN200810098908.5である中国発明特許では、高光学純度のD-乳酸生成菌及びそれを発酵させてD-乳酸を製造するプロセスが開示され、出願番号であるCN201210472413.0である中国発明特許では、ラクトバシラス菌及びそれを用いた発酵によるD-乳酸の製造方法が開示され、出願番号がCN201010208148.6である中国発明特許では、ピーナッツミールを用いた同時糖化発酵による高濃度D-乳酸の製造方法及びその専用培地が開示されていることが分かった。前記従来技術の発酵時間が長すぎ、いずれも70 h 以上である。これらの公開技術を、L-乳酸を生成する菌株及びその製造方法と比較させた結果、D-乳酸を生成する菌株及びその製造方法には、発酵時間が長すぎ、又は生成されるD-乳酸の濃度が比較的低いであるという欠点が存在しているため、高効率のD-乳酸に基づく菌株の製造方法をさらに開発することが必要とされている。
本発明は、従来技術に存在する上記の不足に対し、D-乳酸を製造するスポロラクトバチルス及びその使用方法を提供しており、ヘキソース(例えば、ブドウ糖、麦芽糖、乳糖、ショ糖など)を炭素源とし、イースト、ペプトン、ピーナッツミール、コーンスティープリカーパウダーを窒素源として用いて、D-乳酸の発酵生産を行い、高濃度で高化学純度のD-乳酸を直接製造することができ、コストの削減とともに生産性の向上が可能になり、工業生産における活用の推進に向いている。前記スポロラクトバチルスは、スポロラクトバチルス・テラエ(Sporolactobacillus terrae) HKM-1であり、中国典型培養物保蔵センター(CCTCC)に寄託されている(受託番号:CCTCC NO: M 2013389、寄託日:2013年9月2日、寄託機関の住所:中国 武漢 武漢大学、分類名:スポロラクトバチルス・テラエ Sporolactobacillus terrae)。
本発明は、下記の技術方案で実現される。本発明は上記のD-乳酸を製造するためのスポロラクトバチルスの使用方法に関する。まずは、スポロラクトバチルスに対する種培養を行って種培養液を得てから、ブドウ糖、麦芽糖、乳糖、及びショ糖を炭素源とし、イースト、ペプトン、ピーナッツミール、及びコーンスティープリカーパウダー窒素源とした発酵培地にて発酵培養を行い、D-乳酸を得る。
具体的には、下記のステップが含まれる。
1)斜面培養
スポロラクトバチルス・テラエ(HKM-1)の菌種を20g/Lの寒天培地を含有する固体斜面培地に接種し、40〜45℃の条件下で24〜48h培養する。
2)種培養
斜面培養をしたスポロラクトバチルスを無菌条件下で種培地に接種し、35〜45℃の条件下で24〜36h静置培養後、中和剤を投入して発酵液のpHを制御し、種培養液を調製する。
3)発酵培養
接種量を5〜20%の体積比で発酵培地に移し、35℃〜45℃の環境下において48〜72h培養する。42℃の温度が好ましい。
ステップ2)に記載の前記種培地は1Lあたり、ブドウ糖100〜120 g、イースト8〜12 g、ペプトン 3〜8 g、炭酸カルシウム50 gを含有し、残りが水であることが好ましく、ブドウ糖100 g、イースト10 g、ペプトン5 g、炭酸カルシウム50 g、残りが水であることが好ましい。当該種培地のpHが6.0であり、115℃の条件下で15 min滅菌し、中和剤にはNaOH、NH4OHとCa(OH)2の中の一種又は多種が含まれる。
ステップ3)に記載の発酵培地の組成及びその含有量は、炭素源40〜120 g/L、窒素源添加量5〜20 g/Lであることが好ましい。
ステップ3)に記載の発酵培地の組成及びその含有量は、ブドウ糖/ショ糖/麦芽糖/果糖 40〜120 g/L、コーンスティープリカーパウダー10〜20 g/L、イースト3〜10 g/L、ペプトン3〜10 g/L、ピーナッツミール5〜20 g/L、培地のpHを調整・制御する中和剤(NH4OH、NaOH、Ca(OH)2)を含有し、残りは水であることが好ましい。115℃の条件下で15 min滅菌する。
ステップ3)に記載の発酵プロセスは流加式工程であって、当該流加式工程とは、発酵液における総還元糖の含有量が20〜30g/Lより低い時に、総還元糖の含有量を30〜70 g/Lに維持させ、或いは50〜70 g/Lになるように炭素源を添加する工程であることが好ましい。
前記発酵培地のpHが5.0〜7.0であることが好ましい。
ブドウ糖、ショ糖、果糖、及び麦芽糖を炭素源とし、イースト、ペプトン、ピーナッツミール、及びコーンスティープリカーパウダーを窒素源とする。前記原料は市販ルートから入手可能である。
本発明は、ブドウ糖、ショ糖、麦芽糖、及び果糖を炭素源とし、イースト、ペプトン、ピーナッツミール、及びコーンスティープリカーパウダーを窒素源として選択し、それに対応する発酵プロセスの条件を提供することにより、当該D-乳酸の製造プロセスの原料が得られやすくなり、低コストでD-乳酸の生成量が最大197 g/Lまでに、光学純度が99.9%以上、糖から酸への変換率が最大0.94 g/gに、発酵生産力が4.19 g/L/hになることを可能にした。よって、本発明の方法を用いてD-乳酸の製造を行う場合、コストの削減や作業フローの簡略化を実現することができ、工業上における幅広い活用の将来性がある。
スポロラクトバチルス・テラエ(HKM-1)の16S rRNA進化系統樹解析図である。図1の中で、実線で示した水平距離(長さの和)は菌株間の進化距離を表し、参照菌株として選ばれたのは、本発明が提供するスポロラクトバチルス・テラエ(HKM-1)と近縁関係が比較的近い菌株であり、合計10株がある。
以下に本発明の実施例を具体的に説明する。本実施例は、本発明の技術方案を前提として実施され、詳細な実施形態と具体的な操作過程が示されているが、本発明の保護範囲は下記の実施例に限定されるものではない。
下記の実施例にかかるスポロラクトバチルス・テラエ(HKM-1)の分離、スクリーニング及び同定方法は下記の通りである。
一、菌株の分離・スクリーニング
当該実施例で用いられた培地の組成は下記のとおりである。
栄養液体培地:ブドウ糖80 g/L、イースト8 g/L、ペプトン3 g/L、炭酸カルシウム35 g/L、pH 6。
栄養寒天培地:ブドウ糖 40 g/L、イースト10 g/L、ペプトン5%、炭酸カルシウム2 g/L、寒天粉20 g/L、pH 6、115℃で15 min滅菌。
菌株スクリーニング培地:ブドウ糖 120 g/L、イースト10 g/L、ペプトン5g/L、炭酸カルシウム50 g/L、pH 6、115℃で15 min滅菌。
当該実施例の具体的な操作過程は下記の通りである。
雲南から採取した土壌から2gを測り、40 mLの栄養液体培地に溶解させ、42℃で24h集積培養をする。その後、無菌の生理食塩水で培養液の希釈を行い、培養液をそれぞれ10倍、100倍、1000倍、10000倍に希釈した後に栄養寒天培地を含有する培養プレードに塗布し、42℃で48h培養する。シングルコロニーが生えた後に、コロニーの面積が大きいもの、及びコロニーの周りの透明斑の面積が大きいものを選んで、発酵培地に接種し、42℃で48h静置培養を行い、D-乳酸の生成量を測定し、複数回のスクリーニングを経て、D-乳酸の生成量が比較的高い菌株を1株選出する。
前記の菌株を栄養寒天プレード上に画線塗抹することを数回繰り返して分離、純化させた後、発酵テストのサイクルを10回行い、10回の発酵サイクルで生成されたD-乳酸生成量及び変換率は、ほとんど元のレベルを維持していることから前記菌株はHKM-1という名称のターゲット菌株であることが証明されている。
二、菌株の同定
1. 菌株HKM-1の生理学的同定:
生理学的同定は中国典型培養物保蔵センター(CCTCC)にて完成され、具体的には表1、表2に示す通りである。
2. 菌株HKM-1 16S rRNA進化系統樹解析
菌株HKM-1を培養し、OD600が2〜5である時に、菌株HKM-1の全ての遺伝子群を抽出し、菌株HKM-1の16S rRNAのDNA配列を増やす。選ばれる参照菌は、本発明で提供する菌株と、近縁関係が比較的近い合計10株の菌株である。菌株HKM-1の進化系統樹解析図を図1に示す。
Figure 0006444419
Figure 0006444419
前述の測定結果に基づき、16S rRNAシーケンス解析を踏まえ、菌株HKM-1をスポロラクトバチルス・テラエ(Sporolactobacillus terrae)と同定し、受託番号DSM No.27555でドイツ微生物細胞培養コレクションに寄託し、また受託番号CCTCC NO: M 2013389で中国典型培養物保蔵センターに寄託した。
3. スポロラクトバチルス・テラエHKM-1と公開菌株DSM11697との比較
スポロラクトバチルス・テラエHKM-1とDSM11697の2つの菌株を16SrRNAのDNA配列で比較した結果、類似性は100%である。しかしながら、Yanagida F, Suzuki K I, Kozaki M, et al. Proposal of Sporolactobacillus nakayamae subsp. nakayamae sp. nov., subsp. nov., Sporolactobacillus nakayamae subsp. racemicus subsp. nov., Sporolactobacillus terrae sp. nov., Sporolactobacillus kofuensis sp. nov., and Sporolactobacillus lactosus sp. nov[J]. International journal of systematic bacteriology, 1997, 47(2): 499-504.という文献で報告された情報によると、表1「スポロラクトバチルス・テラエHKM-1の生理学的性質―炭素源を用いた酸生成」という部分と比較した結果、表3で示したように、これら2つの菌株はヘキソースの使用に明らかな相違が存在していることが分かった。
Figure 0006444419
gyrB遺伝子は、DNAジャイレースのサブユニットBタンパク質における遺伝子である。その遺伝子配列は、細菌の近縁菌種の鑑別や同定において、ノンコーディング遺伝子16S rDNAよりも高い解像度を有する。スポロラクトバチルス・テラエHKM-1のgyrB保守遺伝子配列は、配列表(二)に示したように、長さが1,920 bpであり、DSM 11697のgyrB遺伝子配列と比べて、2つの塩基の差がある。
上述によって、スポロラクトバチルス・テラエHKM-1は、これまで開示されたスポロラクトバチルス・テラエの基準株であるDSM 11697と異なり、1株の新規なスポロラクトバチルス・テラエであると考えてもよい。
本実施例は、コーンスティープリカーパウダーを窒素源として用いてD-乳酸を生成できる菌株を1株提供するものである。
前記菌株はグラム陽性菌であり、棒状桿菌の細胞形態を有し、栄養細胞の菌体のサイズが(0.8〜0.9)μm ×(3.0〜5.0)μmであり、内生胞子を形成する。前記菌株はブドウ糖、イースト及びペプトンを含有する寒天プレート上において、表面が滑らかで、クリーム色を呈し、外縁が規則正しく縁取られている円形コロニーを形成している。当該菌株は、細くて小さい形状で、薄いクリーム色を呈し、外縁が規則正しく縁取られている円形コロニーを形成している。
下記の実施例にかかるスポロラクトバチルス・テラエHKM-1を用いた、発酵によるD-乳酸の製造方法のステップは、下記の通りである。
(1)斜面培養:スポロラクトバチルス・テラエHKM-1菌株を20 g/Lの寒天を含有する固体斜面培地に接種し、40〜45℃の条件下で、24〜48 h培養する。
(2)種培養:ステップ(1)の斜面培養物を、無菌条件下で40 mLの種培地に接種し、35〜45℃の条件下で、24〜36 h静置培養を行い、中和剤を投入して発酵液のpHを制御して、種培養液を調製する。
(3)発酵培養:接種量を5〜20%の体積比で、種培養液を発酵培地に接種し、35〜45℃の条件下で、48〜72 h培養する。
そのうち、ステップ(1)、(2)、(3)に記載の菌体培養温度は42℃が好ましい。
そのうち、ステップ(2)、(3)に記載の培養過程において投入する中和剤は、炭酸カルシウムであり、pHを制御するものである。
上記の発酵培養過程中に、5h毎に発酵液を1回抽出して、まずは、12,000 rpmで5 min遠心分離した後に、上澄み液を採取して、沸騰水浴中で10 min加熱する。そして、12,000 rpmで5 min遠心分離した後に、上澄み液を採取して、発酵液の中のL-乳酸濃度、D-乳酸濃度、及びブドウ糖濃度を測定し、糖から酸への変換率、発酵によるD-乳酸生産速度及びD-乳酸光学純度を算出する。
総還元糖の測定方法はDNS法である。ブドウ糖の測定方法は、発酵液を希釈した後に遠心分離して、バイオセンサ解析装置SBA-40D(山東省科学院)を利用して測定を行う。バイオセンサ解析装置SBA-40Dは、固定化酵素をセンサーとする解析装置である。ブドウ糖、酸素と水は、酵素の触媒作用の下でオキシドールを生成する。反応により放出されるオキシドールは、白金-銀電極と接触し、電流信号が発生する。当該電流信号がブドウ糖濃度と線形比例関係にあり、電流信号の強度を測定することで、ブドウ糖濃度が得られる。
L-乳酸の測定方法は、下記の通りである。バイオセンサ解析装置SBA-40Dを採用し、発酵液を100倍に希釈し、注射器で25 μLの希釈液を吸い取ってから、ハイスピードでバイオセンサ解析装置SBA-40Dに注入すれば、L-乳酸の含有量を直接読み取ることができる。
D-乳酸の測定は、キラルカラム(日本三菱化学株式会社、MCI GEL-CRS10W(3μ)4.6 ID × 50mm、光学異性体分離用)付きの、Agilent 1100高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用した。具体的な操作条件は、移動相を0.005 mol/Lの硫酸銅、流量を0.7 mL/min、注入量を5 μl、UV検出器、検出波長を254 nm、操作温度を25℃とした。D-乳酸標準品を使用して標準曲線を作成し、さらに標準曲線に基づいて発酵液に含まれるD-乳酸の含有量を算出した。
本発明において、標準品として用いたD-乳酸は、ドイツSigma−Aldrich社製の製品(品番:L0625-25MG)である。前記のクロマトグラフ条件下でのD-乳酸の保持時間は6.5 minである。
光学純度(optical purity)は、光学活性試料に含まれる一方のエナンチオマーが、他方のエナンチオマーより多く存在している量を測るものであり、エナンチオマー過剰率(enantiomeric excess,ee)で示すことができる。本発明において、L-乳酸の光学純度(ee)は、下記の計算式により算出する。
[(D-乳酸生成量(g/L)− L-乳酸生成量(g/L)) ÷ (D-乳酸生成量+L-乳酸生成量)]× 100%。
糖から酸への変換率(g/g)の定義を、D-乳酸生成量(g) ÷ 基質消費量(g)とした。
D-乳酸生産速度(g/L/h)を:L-乳酸生成量(g/L)÷ 発酵時間(h)とした。
スポロラクトバチルス・テラエ(HKM-1)を用いた、三角フラスコにおいて、ブドウ糖を炭素源とし、コーンスティープリカーパウダーを窒素源とする、回分式発酵によるD-乳酸の製造方法である。
本実施例に使用した各培地の組成は、下記の通りである。
斜面培地1Lあたり、ブドウ糖30〜50 g、イースト5〜10g、ペプトン2〜8 g、炭酸カルシウム50 g、及び寒天粉15〜25 gを含有し、残りは水である。前記種培地のpHが6.0であり、115℃で15 min滅菌する。
種培地1Lあたり、ブドウ糖40〜120 g、イースト5〜10g、ペプトン2〜8 g、及び炭酸カルシウム50 gを含有し、残りは水である。前記種培地のpHが5.0〜7.0であり、115℃で15 min滅菌する。
発酵培地1Lあたり、ブドウ糖60〜120 g、コーンスティープリカーパウダー20g、及び炭酸カルシウム50 gを含有し、残りは水である。前記発酵培地のpHが5.5〜6.5であり、115℃の条件下で15 min滅菌する。
本実施例でいう発酵によるD-乳酸の製造方法は、次のステップを含む。
(1)斜面培養:スポロラクトバチルス・テラエ(HKM-1)を斜面培地に接種し、42℃で24h培養する。
(2)種培養:種培地40 mLを入れた100 mLの三角フラスコに、ステップ(1)で培養した菌株を、無菌条件下で接種用ループを使用して2回接種し、42℃で24h静置培養して、種培養液を得る。
(3)発酵培養:ステップ(2)で得られた5 mLの種培養液を、40 mLの発酵培地を入れた100 mLの三角フラスコに移し、42℃で静置培養を行い、D-乳酸の変化速度がゼロになった時点で、発酵終了と見なす。
発酵終了後、前記具体的な実施形態に記載の測定方法及び算出方法に基づき、発酵液におけるD-乳酸濃度と総還元糖濃度を測定し、糖から酸への変換率及び生産速度を算出する。
当該発酵実験を3回繰り返すように設けられ、結果を表4に示す。
Figure 0006444419
スポロラクトバチルス・テラエ(HKM-1)を用いた、三角フラスコにおいて、ショ糖を炭素源とし、コーンスティープリカーパウダーを窒素源とする、回分式発酵によるD-乳酸の製造方法である。
本実施例に使用した各培地の組成は、下記の通りである。
斜面培地と種培地は実施例1と同様である。
発酵培地1Lあたり、ショ糖60〜120 g、コーンスティープリカーパウダー20 g、及び炭酸カルシウム50 gを含有し、残りは水である。前記発酵培地のpHが5.0〜7.0であり、115℃の条件下で15 min滅菌する。
当該発酵によるD-乳酸の製造方法は次のステップを含む。
(1)斜面培養:実施例1と同様である。
(2)種培養:実施例1と同様である。
(3)発酵培養:ステップ(2)で得られた5 mLの種培養液を、40 mLの発酵培地を入れた100 mLの三角フラスコに移し、42℃で静置培養を行い、D-乳酸の変化速度がゼロになった時点で、発酵終了と見なす。
発酵終了後、前記具体的な実施形態に記載の測定方法及び算出方法に基づき、発酵液におけるD-乳酸濃度と総還元糖濃度を測定し、糖から酸への変換率及び生産速度を算出する。
当該発酵実験を3回繰り返すように設けられ、結果を表5に示す。
Figure 0006444419
スポロラクトバチルス・テラエ(HKM-1)を用いた、三角フラスコにおいて、麦芽糖を炭素源とし、コーンスティープリカーパウダーを窒素源とし、42℃で振とう静置して、発酵によるD-乳酸の製造方法である。ブドウ糖とD-乳酸の含有量が安定的に維持されている時点で、発酵を終了させる。
本実施例に使用した各培地の組成は、下記の通りである。
斜面培地と種培地は実施例1と同様である。
発酵培地1Lあたり、麦芽糖60〜120 g、コーンスティープリカーパウダー20 g、及び炭酸カルシウム100 gを含有し、残りは水である。前記発酵培地のpHが5.0〜7.0であり、115℃の条件下で15 min滅菌する。
当該発酵によるD-乳酸の製造方法は次のステップを含む。
(1)斜面培養:実施例1と同様である。
(2)種培養:実施例1と同様である。
(3)発酵培養:ステップ(2)で得られた5mLの種培養液を、40mLの発酵培地を入れた100mLの三角フラスコに移し、42℃で静置培養を行い、D-乳酸の変化速度がゼロになった時点で、発酵終了と見なす。
発酵終了後、前記具体的な実施形態に記載の測定方法及び算出方法に基づき、発酵液におけるD-乳酸濃度と総還元糖濃度を測定し、糖から酸への変換率及び生産速度を算出する。
当該発酵実験を3回繰り返すように設けられ、結果を表6に示す。
Figure 0006444419
スポロラクトバチルス・テラエ(HKM-1)を用いた、三角フラスコにおいて、果糖を炭素源とし、コーンスティープリカーパウダーを窒素源とし、42℃で振とう静置して、発酵によるD-乳酸の製造方法である。ブドウ糖とD-乳酸の含有量が安定的に維持されている時点で、発酵を終了させる。
本実施例に使用した各培地の組成は、下記の通りである。
斜面培地と種培地は実施例1と同様である。
発酵培地1Lあたり、アラビノース60〜120 g、コーンスティープリカーパウダー20 g、及び炭酸カルシウム100 gを含有し、残りは水である。前記発酵培地のpHが5.0〜7.0であり、115℃の条件下で15 min滅菌する。
当該発酵によるD-乳酸の製造方法は次のステップを含む。
(1)斜面培養:実施例1と同様である。
(2)種培養:実施例1と同様である。
(3)発酵培養:ステップ(2)で得られた5mLの種培養液を、40mLの発酵培地を入れた100mLの三角フラスコに移し、42℃で静置培養を行い、D-乳酸の変化速度がゼロになった時点で、発酵終了と見なす。
発酵終了後、前記具体的な実施形態に記載の測定方法及び算出方法に基づき、発酵液におけるD-乳酸濃度と総還元糖濃度を測定し、糖から酸への変換率及び生産速度を算出する。
当該発酵実験を3回繰り返すように設けられ、結果を表7に示す。
Figure 0006444419
スポロラクトバチルス・テラエ(HKM-1)を用いた、三角フラスコにおいて、ブドウ糖、ショ糖、麦芽糖、及び果糖をそれぞれ炭素源として選び、イースト、ペプトン、ピーナッツミールパウダー、及びコーンスティープリカーパウダーを窒素源とし、42℃で振とう静置して、発酵によるD-乳酸の製造方法である。D-乳酸の含有量が安定的に維持されている時点で、発酵を終了させる。
本実施例に使用した各培地の組成は、下記の通りである。
斜面培地と種培地は実施例1と同様である。
発酵培地1Lあたり、ブドウ糖、ショ糖、麦芽糖、及び果糖60〜120 g、イースト3〜10 g、ペプトン3〜10 g、ピーナッツミールパウダー5〜20 g、コーンスティープリカーパウダー5〜20 g、炭酸カルシウム100 gを含有し、残りは水である。前記発酵培地のpHが5.0〜7.0であり、115℃の条件下で15 min滅菌する。
当該発酵によるD-乳酸の製造方法は次のステップを含む。
(1)斜面培養:実施例1と同様である。
(2)種培養:実施例1と同様である。
(3)発酵培養:ステップ(2)で得られた5mLの種培養液を、40mLの発酵培地を入れた100mLの三角フラスコに移し、42℃で静置培養を行い、D-乳酸の変化速度がゼロになった時点で、発酵終了と見なす。
発酵終了後、前記具体的な実施形態に記載の測定方法及び算出方法に基づき、発酵液におけるD-乳酸濃度を測定する。
当該発酵実験を3回繰り返すように設けられ、結果を表8に示す。
Figure 0006444419
スポロラクトバチルス・テラエ(HKM-1)を用いた、5Lの全自動発酵槽において、120 g/Lのブドウ糖を炭素源とし、20g/Lのコーンスティープリカーパウダー、10 g/Lのイースト、10 g/Lのペプトン、40 g/Lのピーナッツミールパウダーを窒素源とする、試料(糖)を添加して流加発酵によるD-乳酸の製造方法である。
本実施例に使用した各培地の組成は、下記の通りである。
斜面培地と種培地は実施例1と同様である。
発酵培地1Lあたり、ブドウ糖120 g、コーンスティープリカーパウダー20 g、イースト10 g、ペプトン10 g、ピーナッツミールパウダー40 gを含有し、残りは水である。前記発酵培地のpHが5.5〜6.5であり、115℃の条件下で15 min滅菌する。
当該発酵によるD-乳酸の製造方法は次のステップを含む。
(1)斜面培養:実施例1と同様である。
(2)種培養:種培地40mLを入れた40 mLの三角フラスコに、ステップ(1)で培養した菌株を、無菌条件下で接種用ループを使用して2回接種し、42℃で24h静置培養して、種培養液1を得る。5mLの種培養液1を、無菌条件下で種培地100 mLを入れた500 mLの三角フラスコに移し、42℃で24h静置培養して、種培養液2を得る。
(3)発酵培養:ステップ(2)で得られた400 mLの種培養液2を、無菌条件下で3.6 Lの発酵培地が入っている発酵槽に移し、42℃の温度で、70 rpmで攪拌培養を行い、10h毎にサンプリング抽出を1回行って、発酵液における残存糖の含有量を測定し、ブドウ糖の濃度が20〜30 g/Lに下げた時に、ブドウ糖を流加して、ブドウ糖の濃度が50〜70 g/Lになるように糖添加を合計2回行う。発酵過程において、ブドウ糖消費速度がゼロに近づいた時点で、発酵を終了させる。
発酵終了後、前記具体的な実施形態に記載の測定方法及び算出方法に基づき、発酵液におけるD-乳酸濃度を測定する。
当該発酵実験を3回繰り返すように設けられ、結果を表9に示す。
Figure 0006444419
スポロラクトバチルス・テラエ(HKM-1)を用いた、5Lの全自動発酵槽において、120 g/Lのブドウ糖を炭素源とし、5g/Lのコーンスティープリカーパウダー、0.9 g/Lのリン酸水素ニカリウム、3.5 g/Lのクエン酸アンモニウムで、接種量を20%とした、試料(糖)を添加して流加発酵によるD-乳酸の製造方法である。
本実施例に使用した各培地の組成は、下記の通りである。
斜面培地と種培地は実施例1と同様である。
発酵培地1Lあたり、ブドウ糖120 g、コーンスティープリカーパウダー5 g、リン酸水素ニカリウム0.9 g、クエン酸アンモニウム3.5 gを含有し、残りは水である。前記発酵培地のpHが5.5〜6.5であり、115℃の条件下で15 min滅菌する。
当該発酵によるD-乳酸の製造方法は下記のステップを含む。
(1)斜面培養:実施例1と同様である。
(2)種培養:種培地40mLを入れた40 mLの三角フラスコに、ステップ(1)で培養した菌株を、無菌条件下で接種用ループを使用して2回接種し、42℃で24h静置培養して、種培養液1を得る。5mLの種培養液1を、無菌条件下で種培地100 mLを入れた500 mLの三角フラスコに移し、42℃で24h静置培養して、種培養液2を得る。
(3)発酵培養:ステップ(2)で得られた800 mLの種培養液2を、無菌条件下で3.2 Lの発酵培地を入れた発酵槽に移し、42℃の温度で、70 rpmで攪拌培養を行い、10h毎にサンプリング抽出を1回行って、発酵液における残存糖の含有量を測定し、ブドウ糖の濃度が20〜30 g/Lに下げた時に、ブドウ糖を流加して、ブドウ糖の濃度が50〜70 g/Lになるように糖添加を合計2回行う。発酵過程において、ブドウ糖消費速度がゼロに近づいた時点で、発酵を終了させる。
発酵終了後、前記具体的な実施形態に記載の測定方法及び算出方法に基づき、発酵液におけるD-乳酸濃度を測定する。
当該発酵実験を3回繰り返すように設けられ、72hで発酵終了。D-乳酸生成量が152 ± 3 g/Lであり、生産速度が2.05 g/L/hで、糖から酸への変換率が0.79 g/gである。
スポロラクトバチルス・テラエ(HKM-1)を用いた、5Lの全自動発酵槽において、初糖濃度が120 g/Lであるブドウ糖、ショ糖、キシロース、アラビノース、乳糖、及び麦芽糖を炭素源とし、20 g/Lのコーンスティープリカーパウダーを窒素源とし、10 mol/LのNaOH、250 g/Lの NH4OH、及び250 g/Lの炭酸カルシウムを中和剤とした、試料(糖)を添加して流加発酵によるD-乳酸の製造方法である。
本実施例に使用した各培地の組成は、下記の通りである。
斜面培地と種培地は実施例1と同様である。
発酵培地1Lあたり、ブドウ糖、ショ糖、果糖、麦芽糖120 g、コーンスティープリカーパウダー20 gを含有し、残りは水である。20 g/Lのコーンスティープリカーパウダーは窒素源であり、前記発酵培地のpHが5.0〜7.0であり、115℃の条件下で15 min滅菌する。
当該発酵によるD-乳酸の製造方法は次のステップを含む。
(1)斜面培養:実施例1と同様である。
(2)種培養:種培地40mLを入れた100 mLの三角フラスコに、ステップ(1)で培養した菌株を、無菌条件下で接種用ループを使用して2回接種し、42℃で24h静置培養して、種培養液1を得る。40mLの種培養液1を無菌条件下で、種培地100 mLを入れた500 mLの三角フラスコに移し、42℃で24h静置培養して、種培養液2を得る。引き続き同じ方法で拡大培養して、400 mLの種培養液3を得る。
(3)発酵培養:ステップ(2)で得られた4 mLの種培養液3を、無菌条件下で3.6Lの発酵培地を入れた5Lの全自動発酵槽(上海百倫製)に移し、42℃の温度で、50〜100 rpmで攪拌培養を行う。10h毎にサンプリング抽出を1回行って、発酵液における残存糖の含有量及びD-乳酸の濃度を測定し、炭素源の濃度が20〜30 g/Lに下げた時に、糖の濃度が50〜70 g/Lになるように流加式による糖の添加を行う。48hの時点で発酵を終了させ、D-乳酸濃度を測定する。
発酵終了後、前記具体的な実施形態に記載の測定方法及び算出方法に基づき、発酵液におけるD-乳酸濃度を測定する。
当該発酵実験を3回繰り返すように設けられ、結果を表10に示す。
Figure 0006444419
上記にて本発明のより好ましい具体的な実施例を詳細に述べている。当業者ならば、創造的な労力を費やすことなく、本発明の構想に基づき複数の改変や変型を生み出すことが可能であると解されるべきである。そのため、当業者が本発明の構想に基づいて従来技術をベースに論理的な分析、推理または限られた実験を通じて得られる技術方案については、すべて特許請求の範囲で定められた保護範囲内に含まれるもとのされなければならない。

Claims (10)

  1. 一種のスポロラクトバチルスであって、前記スポロラクトバチルスは、中国典型培養物保蔵センターに受託番号CCTCC NO: M 2013389で寄託したスポロラクトバチルス・テラエHKM−1である
  2. 求項1に記載のスポロラクトバチルス・テラエHKM−1)を用いた発酵によるD−乳酸の製造方法。
  3. ヘキソースを炭素源とし、イースト、コーンスティープリカーパウダー、ペプトン、及びピーナッツミールの一種又は多種を窒素源とした発酵によってD−乳酸生成することを特徴とする、請求項に記載のD−乳酸の製造方法
  4. 前記ヘキソースがブドウ糖、麦芽糖、乳糖、ショ糖の一種又は多種であることを特徴とする、請求項に記載のD−乳酸の製造方法
  5. 請求項2〜4のいずれか1項に記載のD−乳酸の製造方法であって、下記のステップ1)〜3)を含むことを特徴とするD−乳酸の製造方法。
    ステップ1)斜面培養
    スポロラクトバチルス・テラエ(HKM−1)の菌種を20g/Lの寒天培地を含有する固体斜面培地に接種し、40〜45℃の条件下で24〜48h培養する。
    ステップ2)種培養
    斜面培養をした前記スポロラクトバチルス・テラエ(HKM−1)を無菌条件下で種培地に接種し、35〜45℃の条件下で24〜36h静置培養後、中和剤を投入して発酵液のpHを制御し、種培養液を調製する。
    ステップ3)発酵培養
    接種量を5〜20%の体積比で発酵培地に移し、35℃〜45℃の環境下で48〜72h培養する。
  6. 前記ステップ2)に記載の種培地1Lあたり、ブドウ糖100〜120g、イースト8〜12g、ペプトン3〜8g、炭酸カルシウム30〜60gを含有することを特徴とする、請求項5に記載のD−乳酸の製造方法。
  7. 前記ステップ3)に記載の発酵培地の組成及びその含有量が、炭素源40〜120g/L、窒素源添加量5〜20g/Lであることを特徴とする、請求項5に記載のD−乳酸の製造方法。
  8. 前記ステップ3)に記載の発酵培地の組成及びその含有量が、炭素源40〜120g/L、コーンスティープリカーパウダー10〜20g/L、イースト3〜10g/L、ペプトン3〜10g/L、ピーナッツミール5〜20g/Lであることを特徴とする、請求項5に記載のD−乳酸の製造方法。
  9. 前記ステップ3)に記載の発酵工程は流加式工程であって、前記流加式工程は、発酵液における総還元糖の含有量が20〜30g/Lより少ない時に、総還元糖の含有量を30〜70g/Lに維持させ、或いは50〜70g/Lになるように炭素源を添加することを特徴とする、請求項8に記載のD−乳酸の製造方法。
  10. 前記中和剤は、NaOH、NHOH及びCa(OH)の一種又は多種を含み、前記発酵液のpHは5.0〜7.0の範囲内に制御されていることを特徴とする、請求項5に記載のD−乳酸の製造方法。
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