JP6440392B2 - 半導体発光素子 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体発光素子に関する。
半導体は今や日常生活に欠かせない存在である。照明の分野でも半導体装置の一種である発光ダイオード(LED)が、従来の蛍光灯や白熱灯にとって代わりつつある。また、LEDが、テレビジョン、パーソナルコンピュータおよび携帯電話などの液晶表示パネルのバックライトや、交通信号機などに用いられていることは多くの人の知るところである。
LEDに用いられる半導体には様々な種類のものがあるが、最近ではGaN、AlN、InNおよびそれらの混晶に代表される窒化物半導体が注目されている。窒化物半導体は、AlGaInAs系半導体およびAlGaInP系半導体に比べてバンドギャップEgが大きく、直接遷移型であるため、紫外光から緑色光にわたる広い波長領域での発光が可能である。窒化物半導体は、このような特質を生かして、各種波長の光を出力する半導体レーザ素子や、紫外光から赤色光までの広い発光波長範囲をカバーできるLEDなどに利用することができる。
窒化物半導体を用いた窒化物半導体発光素子は、発光波長範囲が広いため、プロジェクターやフルカラーディスプレイへの応用が考えられている。また、発光波長を短波長化できるという特質を生かして、殺菌、浄水および公害物質の高速分解などの公衆衛生および環境分野への適用、ならびに各種医療分野への適用に期待が高まっている。それに伴い、深紫外領域(波長:200nm〜350nm)で発光する半導体発光素子の研究開発が各研究機関で精力的に進められている。
たとえば特許文献1には、アルミナ(Al23)または窒化アルミニウム(AlN)等の基板上に、チップの同一面側に正負一対の電極を有するLEDがフェイスダウンまたはフェイスアップ実装された発光装置が開示されている(特許文献1の段落[0025])。ここで、LEDの発光波長は紫外光から赤外光まで種々選択が可能であり(特許文献1の段落[0052])、LEDは粉体ガラスを主成分とする封止材料を加熱プレスすることによって形成されたガラス封止部によって封止されている(特許文献1の段落[0031])。
特開2010−268013号公報
このような半導体発光素子の一形態として、近年、サファイア基板などの成長用基板上に複数の窒化物半導体層を成長させて半導体発光素子部を形成した後に成長用基板を分離し、p側電極とn側電極とが半導体発光素子部の両側にそれぞれ互いに向かい合うようにして設けられた縦型デバイス構造を有する窒化物半導体発光素子の研究開発が進められている。
しかしながら、特許文献1に記載されているように、粉体ガラスを主成分とする封止材料を加熱プレスすることによって縦型デバイス構造の窒化物半導体発光素子をガラス封止部で封止した場合には、加熱プレス時の加圧により半導体発光素子部が損傷することがあった。また、パッド電極に金属ワイヤーを形成する際の加圧により半導体発光素子部が損傷することもあった。
したがって、従来においては、半導体発光素子部の損傷によって、パッケージングされた縦型デバイス構造の半導体発光素子の性能および信頼性が低下することがあったため、その改善が要望されていた。
ここで開示された実施形態は、基板と、基板上の接合部と、接合部上のコンタクト電極と、コンタクト電極上の半導体発光素子部と、半導体発光素子部上の絶縁保護膜と、絶縁保護膜上のパッド電極とを備え、半導体発光素子部は、基板側から、第1導電型半導体層と、活性層と、第2導電型半導体層とを含んでおり、半導体発光素子部には、第2導電型半導体層の一部を露出するように開口部が形成されており、絶縁保護膜は、少なくとも、半導体発光素子部の側面および半導体発光素子部の開口部以外の上面を被覆しており、パッド電極は、絶縁保護膜上から開口部における第2導電型半導体層上まで延在しており、開口部のパッド電極上に封止材が設けられている半導体発光素子である。
ここで開示された実施形態においては、性能および信頼性の低下を抑制することが可能なパッケージングされた縦型デバイス構造の半導体発光素子を提供することができる。
実施形態の半導体発光素子の模式的な断面図である。 図1に示す実施形態の半導体発光素子を直上から直下に見下ろしたときの模式的な平面図である。 図1に示す実施形態の半導体発光素子の変形例を直上から直下に見下ろしたときの模式的な平面図である。 実施形態の半導体発光素子の製造方法の一例の製造工程の一部を図解する模式的な断面図である。 実施形態の半導体発光素子の製造方法の一例の製造工程の他の一部を図解する模式的な断面図である。 実施形態の半導体発光素子の製造方法の一例の製造工程の他の一部を図解する模式的な断面図である。 (a)〜(f)は、半導体発光素子部と基板との接合方法の他の一例を図解する図である。 実施形態の半導体発光素子の製造方法の一例の製造工程の他の一部を図解する模式的な断面図である。 実施形態の半導体発光素子の製造方法の一例の製造工程の他の一部を図解する模式的な断面図である。 エキシマレーザ光の照射領域の好ましい一例を図解する模式的な平面図である。 エキシマレーザ光の照射方法の好ましい一例を図解する模式的な平面図である。 エキシマレーザ光の照射方法の好ましい一例を図解する模式的な平面図である。 実施形態の半導体発光素子の製造方法の一例の製造工程の他の一部を図解する模式的な断面図である。 LLO法による成長用基板の剥離工程直後のAlNからなる半導体バッファ層の表面の光学顕微鏡による観察写真である。 LLO法による成長用基板の剥離工程後に、60℃のフッ酸に15分間浸漬させた後のAlNからなる半導体バッファ層の表面の光学顕微鏡による観察写真である。 実施形態の半導体発光素子の製造方法の一例の製造工程の他の一部を図解する模式的な断面図である。 実施形態の半導体発光素子の製造方法の一例の製造工程の他の一部を図解する模式的な断面図である。 実施形態の半導体発光素子の製造方法の一例の製造工程の他の一部を図解する模式的な断面図である。 実施形態の半導体発光素子の製造方法の一例の製造工程の他の一部を図解する模式的な断面図である。 実施形態の半導体発光素子の製造方法の一例の製造工程の他の一部を図解する模式的な断面図である。 実施形態の半導体発光素子の製造方法の一例の製造工程の他の一部を図解する模式的な断面図である。 実施形態の半導体発光素子の製造方法の一例の製造工程の他の一部を図解する模式的な断面図である。
以下、実施形態について説明する。なお、実施形態の説明に用いられる図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。
<半導体発光素子の構造>
図1に、実施形態の半導体発光素子の模式的な断面図を示す。図2に、図1に示す実施形態の半導体発光素子を直上から直下に見下ろしたときの模式的な平面図を示す。図1に示すように、実施形態の半導体発光素子は、縦型デバイス構造であって、基板111と、基板111上の接合部110と、接合部110上のp側電極108と、p側電極108上の半導体発光素子部115とを備えている。ここで、半導体発光素子部115は、p側電極108の側から順に、第1のp型半導体層107と、第2のp型半導体層106と、活性層105と、n型半導体層104と、半導体下地層103と、半導体バッファ層102とがこの順に積層された構造を有している。
半導体発光素子部115の上部には開口部114が形成されている。開口部114は、半導体バッファ層102および半導体下地層103のそれぞれの一部が厚さ方向に除去されることによって、n型半導体層104の表面の一部が露出するように形成されている。
半導体発光素子部115上には絶縁保護膜112が設けられている。絶縁保護膜112は、接合部110の表面110a、接合部110の側面110b、p側電極108の側面108a、半導体発光素子部115の側面115a、半導体発光素子部115の開口部114以外の上面115bを被覆するように設けられている。また、絶縁保護膜112は、接合部110の最端部110cを被覆するように設けられていてもよい。
絶縁保護膜112上にはn側パッド電極116が設けられている。n側パッド電極116の一端は、半導体発光素子部115の上面115b上の絶縁保護膜112上に設けられている。また、n側パッド電極116の他端は、開口部114内のn型半導体層104の表面上に位置している。したがって、n側パッド電極116は、絶縁保護膜112上から開口部114の内周面を通ってn型半導体層104の表面上まで延在している。
開口部114のn側パッド電極116上には封止材117が設けられている。封止材117は、開口部114を埋め込むようにして、n側パッド電極116上に設けられている。
なお、上記においては、半導体発光素子部115が図2に示すような矩形状である場合について説明したが、半導体発光素子部115の形状は特に限定されるものではなく、たとえば図3に示すような円形状であってもよい。
<半導体発光素子の製造方法>
以下、図面を参照して、実施形態の半導体発光素子の製造方法の一例について説明する。
[半導体発光素子部の形成工程]
まず、図4の模式的断面図に示すように、成長用基板101上に半導体発光素子部115を形成する。ここで、半導体発光素子部115は、たとえば、成長用基板101上に、半導体バッファ層102、半導体下地層103、n型半導体層104、活性層105、第2のp型半導体層106および第1のp型半導体層107をこの順に有機金属気相成長(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法により成長させることによって形成することができる。
成長用基板101としては、半導体発光素子部115を形成した後に剥離することができるものであれば特に限定されず、たとえば、サファイア基板、ガラス基板、AlN基板またはAlGaN基板等を用いることができる。なかでも、成長用基板101上に窒化物半導体層を成長させて半導体発光素子部115を形成する観点からは、成長用基板101としてはサファイア基板を用いることが好ましい。
また、半導体バッファ層102、半導体下地層103、n型半導体層104、活性層105、第2のp型半導体層106および第1のp型半導体層107は、半導体層であれば特に限定されないが、それぞれ独立に、AlxGayInzN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、0<(x+y+z)≦1)の式で表わされる窒化物半導体層を用いることが好ましい。なお、n型半導体層104にはn型ドーパントがドープされており、第2のp型半導体層106および第1のp型半導体層107にはp型ドーパントがドープされていることは言うまでもない。
[p側電極の形成工程]
次に、図5の模式的断面図に示すように、半導体発光素子部115上にp側電極108を形成する。ここで、p側電極108は、たとえば、電子ビーム(EB:Electron Beam)蒸着法またはスパッタリング法により、半導体発光素子部115の第1のp型半導体層107上に形成することができる。
p側電極108としては、半導体発光素子部115の第1のp型半導体層107と良好なオーミックコンタクトを形成するとともに、接合部110との優れた接合強度を有する材料を用いることが好ましく、たとえば、半導体発光素子部115側から厚さ20nm程度のPt膜と厚さ20nm程度のAu膜とがこの順に積層された積層体、または半導体発光素子部115側からNi膜とAu膜とがこの順に積層された積層体などを用いることができる。また、これらの積層体のAu膜上に、p側電極108の反射率向上の観点から、Al膜とAu膜とをこの順序でさらに積層してもよい。なお、接合部110がAgを含む場合には、p側電極108は、Pt膜、Pd膜およびTi膜からなる群から選択された少なくとも1つの膜を含むことが好ましい。この場合には、p側電極108中のPt膜、Pd膜およびTi膜の少なくとも1つの膜がバリアメタルの働きをすることによって、接合部110から半導体発光素子部115へのAgの拡散を抑制することができる。
[基板の接合工程]
次に、図6の模式的断面図に示すように、半導体発光素子部115と基板111とを接合する。ここで、半導体発光素子部115と基板111との接合は、たとえば、半導体発光素子部115上のp側電極108と、基板111上の接合部110とを接合することによって行うことができる。より具体的には、たとえば以下のようにして行うことができる。
まず、基板111として、たとえばCuW基板やp型半導体ドーパントがドープされたSi基板などの導電性の基板を用意する。次に、基板111の一方の表面に、たとえば厚さ20nm程度のNi膜と厚さ150nm程度のAu膜とがこの順に積層されてなる密着用金属層(図示せず)を形成する。
次に、密着用金属層上に接合部110を形成する。接合部110としては、p側電極108と接合可能な導電性材料を用いることができ、たとえば、Au、Sn、Pd、In、Ti、Ni、W、Mo、Au−Sn、Sn−Pd、In−Pd、Ti−Pt−AuまたはTi−Pt−Sn等を用いることもできる。接合部110に、これらの材料を用いた場合には、共晶反応により、p側電極108との接合が可能となる。なお、共晶反応により形成された共晶形成層は、p側電極108と接合部110との接合時にこれらの層から互いに拡散して共晶を形成することにより形成される。また、接合部110としては、上記の材料以外にも、たとえば、Agを含む熱硬化型の導電性接着剤またはナノ粒子などからなるAg接合剤などを用いることもできる。
次に、p側電極108と接合部110とを加熱加圧処理プロセスによって、半導体発光素子部115と基板111とを接合する。
接合部110にAgを含む熱硬化型の導電性接着剤を用いたときの基板111とp側電極108との加熱加圧処理プロセスの条件としては、たとえば、数百N〜数kN程度の加圧を行い、150℃〜400℃程度に加熱し、真空雰囲気、窒素雰囲気、または大気雰囲気下で、15分程度保持する条件などを挙げることができる。無加圧状態での接合条件としては、たとえば、真空雰囲気、窒素雰囲気、または大気雰囲気下で、200℃程度加熱し、60分程度保持する条件などを挙げることができる。
また、半導体発光素子部115と基板111との接合は、たとえば図7(a)〜図7(f)に例示される方法によっても行うことができる。以下、図7(a)〜図7(f)を参照して、半導体発光素子部115と基板111との接合方法の他の一例について説明する。
まず、図7(a)の模式的断面図に示すように成長用基板101上に半導体発光素子部115を形成した半導体ウェハ200を準備する。次に、図7(b)の模式的平面図に示される半導体ウェハ200を複数に分割して、図7(c)の模式的平面図に示すチップ201を作製する。
次に、図7(d)の模式的断面図に示すように、チップ201の半導体発光素子部115上にp側電極108を形成した後に、チップ201の外周を被覆するように保護膜202を形成する。なお、保護膜202としては、たとえばSiO2膜などを用いることができる。
次に、図7(e)の模式的断面図に示すように、保護膜202の形成後のチップ201を接合部110と接合する。このように、保護膜202を形成することによって、半導体発光素子部115と接合部110との接触を妨げることができる。
最後に、図7(f)の模式的断面図に示すように、保護膜202を除去することによって、半導体発光素子部115と接合部110との接触を防止しつつ、チップ201と基板111との接合が可能となるため、実施形態の半導体発光素子の性能および信頼性を向上させることができる。
[溝の形成工程]
次に、図8の模式的断面図に示すように、成長用基板101および半導体バッファ層102に溝120を形成する。溝120は、たとえば、レーザスクライブ法またはブレードダイシング法により、成長用基板101を貫通して半導体バッファ層102の表面が露出するまで、成長用基板101および半導体バッファ層102を除去することにより行うことができる。この場合には、後述するレーザリフトオフ(LLO)法で半導体バッファ層102を蒸散させた際に発生する窒素ガス等のガスを溝120から外部に放出することができるため、当該ガスによって半導体発光素子部115が受ける圧力を低減することができる。これにより、後述するLLO法による成長用基板101の剥離時に、半導体発光素子部115に損傷が発生するのを抑制することができる。
なお、上記の溝120の形成前に、成長用基板101の厚さを低減してもよい。成長用基板101の厚さの低減方法としては、たとえば、基板111の設置側と反対側から成長用基板101の研削および研磨を行う方法を挙げることができる。
[成長用基板の剥離工程]
次に、図9の模式的断面図に示すように、溝120の形成後の成長用基板101にエキシマレーザ光12を照射するLLO法によって、半導体発光素子部115から成長用基板101を剥離する。LLO法による成長用基板101の剥離工程は、たとえば、波長約193nm程度のエキシマレーザ光12を成長用基板101の裏面側から照射することによって行うことができる。このとき、エキシマレーザ光12のエネルギー密度は、たとえば約500mJ/cm2〜8000mJ/cm2とすることができる。
ここで、エキシマレーザ光12は、たとえば図10の模式的平面図に示すように、エキシマレーザ光12の照射領域12aの外周が溝120の内側に含まれるように照射されることが好ましい。この場合には、エキシマレーザ光12の照射により半導体バッファ層102が蒸散することによって発生したガス(たとえば、半導体バッファ層102が窒化物半導体からなる場合には窒素ガス)を溝120を通して外部に放出することができる。この場合には、当該ガスの圧力によって、半導体発光素子部115に損傷が発生するのを抑制することができるため、実施形態の半導体発光素子の性能および信頼性を向上することができる。
エキシマレーザ光12の照射は、たとえば図11の模式的平面図に示すように、エキシマレーザ光12の1ショット当たりの照射領域12aの一部が隣接するように矢印の方向に移動して繰り返し照射されることが好ましく、たとえば図12の模式的平面図に示すように、エキシマレーザ光12の1ショット当たりの照射領域12aを矢印13a,13b,13c,13dの方向に移動させながらエキシマレーザ光12を照射(ステップアンドリピート法)することが好ましく、照射領域12aの一辺の長さW1と、照射領域12aの成長用基板101の周縁からのはみ出し幅W2とが((W1)/5)≦W2≦((W1)/2)の関係を満たすようにステップアンドリピート法によりエキシマレーザ光12を照射することがより好ましい。この場合にも、エキシマレーザ光12の照射領域12aと成長用基板101との重複領域の端部においては、半導体バッファ層102および成長用基板101の一端が開放されているため、熱分解により発生する窒素ガスなどのガスを効果的に外部に逃がすことができる。なお、エキシマレーザ光12の1ショット当たりの照射領域12aの一部が重複するように照射することもできる。
以上のように、成長用基板101の全面にエキシマレーザ光12を照射するLLO法によって、図13の模式的断面図に示すように、成長用基板101を剥離することができる。
[高温フッ酸処理工程]
次に、上記のLLO法による成長用基板101の剥離によって露出した半導体バッファ層102の表面を40℃以上のフッ酸と接触させる。これにより、半導体バッファ層102がAlNから形成される場合には、LLO法による成長用基板101の剥離後に半導体バッファ層102の表面に残留したAlを含む残留物を除去することができる。
図14に、LLO法による成長用基板101の剥離工程直後のAlNからなる半導体バッファ層102の表面の光学顕微鏡による観察写真を示す。図14に示すように、AlNからなる半導体バッファ層102の表面全体には、Alを含む残留物が付着しており、AlNからなる半導体バッファ層102ではないモフォロジーを観察することができる。
図15に、LLO法による成長用基板101の剥離工程後に、60℃のフッ酸に15分間浸漬させた後のAlNからなる半導体バッファ層102の表面の光学顕微鏡による観察写真を示す。図15に示すように、フッ酸との接触後のAlNからなる半導体バッファ層102の表面には、AlN特有のモフォロジーが見えており、図14で確認されたようなAlを含む残留物が除去されている。
以上のように、フッ酸処理を行うことによって、LLO法により成長用基板101を剥離した後のAlxGa1-xN(0<x≦1)からなる半導体バッファ層102の表面に特有に発生するAlを含む残留物を除去することができる。これにより、後述するエッチング工程において、当該Alを含む残留物がエッチングマスクとなって、エッチング後のn側パッド電極116の形成面にピラー形状の突起物が発生するのを抑制することができるため、n側パッド電極116の形成不良の発生を抑制することができる。
[溝の掘り込み工程]
次に、図16および図17の模式的断面図に示すように、溝120を掘り込むことによって溝120の深さをさらに深くする。溝120の掘り込みは、たとえば以下のようにして行うことができる。まず、図16に示すように、半導体発光素子部115の半導体バッファ層102の表面上にレジストマスク131を形成する。次に、図17に示すように、レジストマスク131をマスクとして、p側電極108の表面が露出するまで、レジストマスク131が設置されていない溝120の下方の半導体発光素子部115の部分をエッチングする。これにより、溝120の深さをさらに深くすることができる。
[絶縁保護膜の形成工程]
次に、図18の模式的断面図に示すように、上記のエッチング工程後の半導体発光素子部115の表面の全面を覆うように絶縁保護膜112を形成する。絶縁保護膜112は、たとえば、スパッタ法により形成することができる。
絶縁保護膜112としては、たとえば、SiO2等の酸化物膜またはAlN等の窒化物膜を用いることができる。ただし、上記の高温フッ酸処理工程を絶縁保護膜の形成工程の後に行う場合には、絶縁保護膜112としては、AlN膜を用いることが好ましい。絶縁保護膜112としてAlN膜を用いた場合には、後述の高温フッ酸処理工程における耐性が高いため、高温フッ酸処理工程において保護膜として用いることができる。
また、絶縁保護膜112としては、活性層105の屈折率と空気の屈折率との間の屈折率を有する材質を用いることが好ましい。この場合には、活性層105から放出された光の活性層105と絶縁保護膜112との界面における全反射および絶縁保護膜112と空気との界面における全反射を抑制することができるため、活性層105からの光を外部に高効率で取り出すことができる。たとえば、活性層105にAlGaN膜を用いた場合には、絶縁保護膜112にAlN膜を用いることが好ましい。AlNの屈折率は、AlGaNの屈折率よりも小さく、空気の屈折率(1.0)よりも大きいためである。また、絶縁保護膜112にAlN膜を用いた場合には、絶縁保護膜112は、AlGaN膜からなる活性層105から放出される光に対して透光性を有するため、絶縁保護膜112における光の吸収が抑えられ、活性層105からの光の取り出し効率を高めることができる。また、AlN膜に代えて、SiN膜またはTiN膜を絶縁保護膜112として用いた場合でも、AlN膜と同様の効果を得ることができる。
次に、図19の模式的断面図に示すように、絶縁保護膜112を一部除去する。これにより、絶縁保護膜112が、半導体発光素子部115の側面を覆うとともに、p側電極108の露出部を覆うことになる。なお、絶縁保護膜112がAlN膜からなる場合には、リン酸などを用いて絶縁保護膜112の一部を除去することができる。また、絶縁保護膜112が半導体発光素子部115の側面を覆っていれば、p側電極108を覆っていなくてもよい。
[開口部の形成工程]
次に、図20の模式的断面図に示すように、半導体発光素子部115の上部に開口部114を形成する。開口部114の形成は、たとえば、半導体発光素子部115の上部に位置する半導体バッファ層102および半導体下地層103をそれぞれ厚さ方向に部分的にエッチングしてn型半導体層104の表面の一部を露出することによって行うことができる。
半導体バッファ層102および半導体下地層103のエッチングは、たとえば、塩素ガスを用いた反応性イオンエッチング(RIE)などのドライエッチングによって行われることが好ましい。本実施形態においては、図20に示すように、接合部110が絶縁保護膜112で保護された状態でドライエッチングを行うことができることから、当該ドライエッチングによって接合部110がエッチングされて飛散し、半導体発光素子部115に付着するのを抑制することができる。
[n側パッド電極の形成工程]
次に、図21の模式的断面図に示すように、半導体バッファ層102の上面上の絶縁保護膜112、開口部114の内周面の一部、および開口部114において露出しているn型半導体層104の表面を被覆するようにn側パッド電極116を形成することができる。n側パッド電極116は、たとえば、フォトリソグラフィーによって任意のパターンのレジスト(図示せず)を形成した後に所定の金属層を形成し、その後、リフトオフを行うことによって、図21に示すような任意のパターンに形成することができる。
n側パッド電極116は、たとえば、厚さ25nmのTi層と厚さ200nmのAl層とをEB蒸着法で順次積層することによって形成することができる。なお、EB蒸着法以外にもスパッタ法などを用いてn側パッド電極116を形成することもできる。
また、n側パッド電極116のうち、保護膜112上の部分のみ局所的にn側パッド電極116の厚さを厚くすることができる。このような構成とすることによって、n側パッド電極116の厚さを局所的に厚くした部分のみに金属ワイヤーを設置しやすくすることができる。
[封止材の充填工程]
次に、図22の模式的断面図に示すように、開口部114の内部に封止材117を充填する。ここで、封止材117としては、活性層105から放射された光を透過するものであれば特に限定されないが、屈折率が2.2以下である封止材を充填することが好ましい。この場合には、封止材117が、半導体発光素子部115と外部の空気との間の屈折率を有することから、半導体発光素子部115の活性層105から放射された光が、半導体発光素子部115から空気といった屈折率の急激な変化によって反射するのを抑制することができるため、半導体発光素子の光取り出し効率を高くすることができる。なお、たとえば、封止材117としてスピンオングラス(SOG)材料を使用する場合には、封止材117は、スピンコートによるSOG材料の塗布および焼結によって形成することができる。封止材117の屈折率は、たとえば、屈折率が既知の基板上に封止材117を塗布し、屈折率測定系で屈折率測定を行うことにより求めることができる。
封止材117の厚さは、15μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましい。封止材117の厚さが15μm以下である場合、特に10μm以下である場合には、封止材117を多量に用いる必要がないため、封止材117の設置コストを低減することができる。また、封止材117の厚さは、1μm以上であることが好ましい。封止材117の厚さが1μm以上である場合には、n側電極パッド116に金属ワイヤーを形成する際に半導体発光素子部に損傷が生じるおそれがある。
また、封止材117の上面の高さと、絶縁保護膜112の上面の高さとは揃っていることが好ましい。
また、封止材117における活性層105から放射された光の透過率が75%以上であることが好ましい。この場合には、半導体発光素子の光取り出し効率をさらに向上することができる。封止材117の透過率は、たとえば、石英基板上に封止材117を塗布し、透過率測定系で透過率測定を行うことにより求めることができる。
また、封止材117は、珪素と酸素とを含むことが好ましい。この場合には、紫外領域を含む広い波長範囲の光に対する封止材117の透過率を高くすることができる。また、封止材117が、主成分としてSiO2を含む場合には、スピンコートと焼結とにより封止材117を形成することが好ましい。これにより、封止材117を開口部114に形成する場合には、封止材117と開口部114との差異を視覚的に認識することができるため、選択的に封止材117を流し込んで硬化させることにより容易に封止材117を形成することができ、スループットが向上する。すなわち、開口部114に封止材117を選択的に充填することが可能となる。
また、封止材117は、主成分(全体の50質量%以上を占める成分)としてシリコーンを含むことが好ましい。この場合には、広い波長範囲の光に対する封止材117の透過率を高くすることができる。また、この場合には、封止材117と開口部114との差異を視覚的に認識することができるため、選択的に封止材117を流し込んで硬化させることにより容易に封止材117を形成することができ、スループットが向上する。すなわち、開口部114に封止材117を選択的に充填することが可能となる。
[素子分離工程]
次に、複数の半導体発光素子に分離することによって、図1に示す実施形態の半導体発光素子を作製する。半導体発光素子の分離は、たとえば、溝120に沿って、絶縁保護膜112、接合層110および基板11を切断することにより行うことができる。絶縁保護膜112、接合層110および基板11の切断は、たとえば、ダイヤモンドスクライブ、レーザスクライブ、ブレードダイシング、ブレードブレイク若しくはローラーブレイクの1種またはこれらの2種以上を組み合わせて行うことができる。
なお、実施形態の半導体発光素子の直上から直下に見下ろしたときの形状は、1辺が300μm以上の正方形であることが好ましく、1辺が500μm以上の正方形であることがより好ましく、1辺が800μm以上の正方形であることがさらに好ましい。
<作用効果>
実施形態の半導体発光素子は、n側パッド電極116が絶縁保護膜112上に形成されていることから、n側パッド電極116に金属ワイヤーを形成する際の圧力が半導体発光素子部115に直接に加わらず、絶縁保護膜112で緩和することができることから、半導体発光素子部115の損傷を抑制することができる。
また、実施形態の半導体発光素子においては、絶縁保護膜112が、半導体発光素子部115の側面および半導体発光素子部115の開口部114以外の上面を被覆しており、封止材117が開口部114から露出している半導体発光素子部115の表面を被覆している。そのため、絶縁保護膜112および封止材117によって、半導体発光素子部115を物理的に保護することができることから、半導体発光素子部115の損傷を抑制することができる。特に、封止材117として、特許文献1に記載のガラス封止部のような加熱プレスなどの加圧が要求されない材料を用いた場合には、封止材117の形成時における半導体発光素子部115への損傷も抑制することができるため、この観点からも半導体発光素子部115の損傷を抑制することができる。
さらに、封止材117として、半導体発光素子部115と外部の空気との間の屈折率を有するとともに、活性層105から放射された光を透過させる材料を用いた場合には、屈折率を段階的に減少させて光を外部に取り出すことができる。そのため、半導体発光素子の光取り出し効率が向上するため、半導体発光素子の性能を向上させることができる。
なお、上記において、n型とp型とを入れ替えても同様の効果が発現することは言うまでもない。
<実施例1>
まず、図4に示すように、市販されている厚さ350μmの両面研磨を施したサファイアからなる成長用基板101上に、厚さ約5μmのノンドープAlNからなる半導体バッファ層102、厚さ約1μmのノンドープn型Al0.6Ga0.4Nからなる半導体下地層103、厚さ約2μmのSiドープn型Al0.6Ga0.4Nからなるn型半導体層104、ノンドープAl0.4Ga0.6N量子井戸層とノンドープAl0.6Ga0.4N障壁層とが交互に5ペア積層されてなる活性層105、厚さ約15nmのMgドープp型Al0.7Ga0.3Nキャリアバリア層(図示せず)、厚さ約10nmのMgドープp型Al0.6Ga0.4Nからなる第2のp型半導体層106、および厚さ約20nmのMgドープp型GaNからなる第1のp型半導体層107がこの順序でMOCVD法により積層して、半導体発光素子部115を形成した。
次に、成長用基板101上に半導体発光素子部115を形成した半導体ウェハを酸素雰囲気下で800℃で10分程度熱処理した。これにより、p型窒化物半導体層(Mgドープp型Al0.7Ga0.3Nキャリアバリア層、第2のp型半導体層106および第1のp型半導体層107)中のp型ドーパントであるMgを活性化させて、p型の半導体としての機能を発現させた。
次に、レーザスクライブ法を用いて、半導体ウェハから、一辺が8mmの正方形状にチップを切り出した。また、一辺が15mmの正方形状の表面を有し、厚さ1.0mmのタングステン板からなる基板11の表面の有機洗浄を行なった。
次に、上記のようにして作製したチップおよびタングステン板からなる基板11を窒素雰囲気中に120℃程度の温度で保持して、10分程度のベーキングを行なった。
次に、図5に示すように、EB蒸着装置により、上記のベーキング後のチップの第1のp型半導体層107の表面上に、Ni膜を厚さ20nmで、Au膜を厚さ50nmで蒸着することによって、p側電極108を形成した。そして、p側電極108の形成後のチップを500℃の窒素雰囲気で、10分程度放置することによって、電極アロイを実施した。
次に、図6に示すように、厚さ100μm程度の熱硬化型の導電性接着剤からなる接合部110とp側電極108とを接合することによって、タングステン板からなる基板11と半導体発光素子部115とを接合した。p側電極108と基板11とを接合する際、導電性接着剤からなる接合部110のはみ出しの無いように貼り付けを行なった。
次に、成長用基板101の半導体発光素子部115の設置側の面とは反対側の裏面を研削することによって、成長用基板101を50μm程度の厚さまで薄くした。その後、成長用基板101の裏面の研削により生じたスクラッチ傷を除去して研磨することによって研削後の荒れた成長用基板101の裏面の鏡面性を向上させた。
次に、図8に示すように、レーザスクライブ法により、成長用基板101および半導体バッファ層102の一部を除去することによって、幅20μmで、ピッチが800μmの溝120を形成した。
次に、図10に示すように、エキシマレーザ光12の照射領域12aの外周が溝120の内側に含まれるようにエキシマレーザ光を照射していくことによって、成長用基板101の裏面の全面にエキシマレーザ光を照射した。このとき、エキシマレーザ光の1回の照射当たりの照射領域12aの形状は、メタルマスクを用いて、一辺の長さW1が800μmの正方形に整形した形状であった。エキシマレーザ光の1回の照射当たりの照射エネルギー密度が1500mJ/cm2以上5000mJ/cm2以下の範囲である場合に、成長用基板101の剥離が確認された。
次に、チップを常温で60℃に加熱したフッ酸に10分程度浸漬させることによって、エキシマレーザ光の照射によってAlを含む残留物の除去を行った。
次に、図16および図17に示されるように、RIEによって溝120を掘り込んでp側電極108の表面を露出させた。次に、図18に示すように、溝120を掘り込んだ後の半導体発光素子部115の表面の全面にAlN膜からなる絶縁保護膜112を形成した後に、リン酸によって絶縁保護膜112の一部を除去することによって、図19に示すように、半導体バッファ層102の表面を露出させた。
次に、図20に示すように、絶縁保護膜112をエッチングマスクとしたRIEによって、半導体バッファ層102および半導体下地層103を除去し、n型半導体層104の表面を露出させることによって、開口部114を形成した。
次に、図21に示すように、フォトリソグラフィーによって任意のパターンのレジスト(図示せず)を形成した後、n側パッド電極116を形成した。その後、リフトオフを行うことによって、図21に示されるような形状にn側パッド電極116を形成した。n側パッド電極116は、厚さ25nm程度のTi膜と、厚さ200nm程度のAl膜とをこの順序でEB蒸着装置で順次積層することによって形成した。
次に、開口部114にシリコーンを主成分とする封止材117を、開口部114へ流し込み、200℃程度で硬化させた。これにより、実施例1の半導体発光素子を作製した。
以上のようにして作製された実施例1の半導体発光素子の封止材117の波長270nm付近の光の透過率は85%程度であった。なお、半導体発光素子の光出力を向上させる観点からは、封止材117の波長270nm付近の光の透過率は、75%以上であることが好ましい。このような封止材117を開口部114に充填することによって、封止材117が存在しない場合と比べて、半導体発光素子の光出力を増大することができる。
<実施例2>
実施例2の半導体発光素子は、半導体発光素子部115の構成を変更したこと以外は実施例1と同様にして説明した。
すなわち、厚さ350μmの両面研磨を施したサファイアからなる成長用基板101上に、厚さ約0.3μmのノンドープAlNからなる半導体バッファ層102、厚さ約3μmのノンドープGaNからなる半導体下地層103、厚さ約2μmのSiドープGaNからなるn型半導体層104、約1.5nmのノンドープGaN層と約1.5nmのノンドープIn0.03Ga0.97N層とが交互に積層された超格子構造を有する厚さ約0.6μmの超格子バッファ層(図示せず)、約3.5nmのノンドープIn0.4Ga0.6N量子井戸層と約15nmのノンドープGaN障壁層とが交互に6ペア積層されてなる活性層105、厚さ約15nmのp型AlGaNキャリアバリア層(図示せず)、厚さ約80nmのMgドープp型GaNからなる第2のp型半導体層106、および厚さ約20nmのMgドープp型GaNからなる第1のp型半導体層107をこの順序でMOCVD法により積層して、半導体発光素子部115を形成した。
上記のようにして作製された実施例2の半導体発光素子は、実施例1の半導体発光素子と同様の効果が得られる。
<実施例3>
開口部114に封止材117を充填する前に光取出しのためのAlN膜を形成したこと以外は実施例1と同様にして実施例3の半導体発光素子を作製した。実施例3の半導体発光素子においては、実施例1の半導体発光素子と比較して、半導体発光素子部115から外部に取り出される光が通過する層の屈折率の変化がさらに多段となるため、光取り出し効率を向上することができた。
また、AlN膜に代えて、AlN膜よりも屈折率が低いMgO膜を形成した場合には、光取り出し効率を向上することができる。なお、開口部114に、封止材117の前に形成される膜としては、n型Al0.6Ga0.4Nからなるn型半導体層104よりも屈折率が小さく、封止材117よりも屈折率が大きい材料を用いることが好ましい。
<実施例4>
n側パッド電極116に配線用の金属ワイヤーを形成したこと以外は実施例1と同様にして実施例4の半導体発光素子を作製した。配線用の金属ワイヤーを半導体発光素子部115に直接形成する場合と比べて、半導体発光素子部115が損傷するのを抑制することができるため、歩留まりを向上させることができた。
<実施例5>
開口部114に充填する封止材117をSiO2を主成分とする材料としたこと以外は実施例1と同様にして実施例5の半導体発光素子を作製した。このような封止材117としては、たとえばSOGなどはスピンコートにより塗布して500℃程度で硬化させたものを用いた。
以上のようにして作製された実施例5の半導体発光素子の封止材117の波長270nm付近の光の透過率は90%程度であった。実施例5の封止材117を開口部114に充填することによって、開口部114に封止材117が存在しない場合と比べて、実施例5の半導体発光素子の光取出し効率を向上することができた。なお、実施例4においては、スピンコートにより開口部114に平坦な封止材117を容易に形成することができた。また、封止材117として、ガラス系の封止材を用いる場合には、硬化温度が比較的高温であるため、接合部110にはAg系の接合部を用いることが好ましい。また、封止材117の上面と絶縁保護膜112の上面とは高さが揃っていることが好ましい。
<実施例6>
実施例1の半導体発光素子をさらに樹脂またはガラスによって加圧して封止することによって実施例6の半導体発光素子を作製した。実施例1の半導体発光素子の半導体発光素子部115は絶縁保護112および封止材117で保護されているため、後工程での加圧プロセスに耐え得ることができる。これにより、砲弾型のガラスまたは樹脂形状によって発光分布を制御することが可能となった。
[付記]
(1)ここで開示された実施形態は、基板と、基板上の接合部と、接合部上のコンタクト電極と、コンタクト電極上の半導体発光素子部と、半導体発光素子部上の絶縁保護膜と、絶縁保護膜上のパッド電極とを備え、半導体発光素子部は、基板側から、第1導電型半導体層と、活性層と、第2導電型半導体層とを含んでおり、半導体発光素子部には、第2導電型半導体層の一部を露出するように開口部が形成されており、絶縁保護膜は、少なくとも、半導体発光素子部の側面および半導体発光素子部の開口部以外の上面を被覆しており、パッド電極は、絶縁保護膜上から開口部における第2導電型半導体層上まで延在しており、開口部のパッド電極上に封止材が設けられている半導体発光素子である。このような構成とすることにより、n側パッド電極の下方の絶縁保護膜によって、n側パッド電極に金属ワイヤーを形成する際の衝撃を緩和することができるため、半導体発光素子部の損傷を抑制することができる。また、絶縁保護膜および封止材によって半導体発光素子部を保護することができるため、半導体発光素子部の損傷を抑制することができる。封止材が半導体発光素子部と外部の空気との間の屈折率を有する場合には、屈折率を段階的に減少させて光を外部に取り出すことができるため、半導体発光素子の光取り出し効率を向上させることができる。
たとえば、一般的な横型デバイス構造の半導体発光素子においては、活性層から放射された光は、半導体発光素子部および成長用基板を通して外部へ取り出される。そして、封止に樹脂が用いられている場合には、成長用基板からさらに樹脂を通じて光が外部に取り出される。すなわち、屈折率を段階的に減少させる構造となっている。
一方、縦型デバイス構造の半導体発光素子においては、成長用基板が剥離されているため、何の処理も施さなければ、半導体発光素子部から直接外部に光が放出される。横型デバイス構造の半導体発光素子と、縦型デバイス構造の半導体発光素子とを単純に比較した場合には、半導体発光素子部と外部の空気との間の屈折率変化が大きいために、これらの界面での光の反射による光取出し効率の低下が課題となっている。
封止材として、半導体発光素子部と外部の空気との間の屈折率を有する材料を用いた場合には、半導体発光素子部から外部の空気までの屈折率変化をより段階的に行うことが可能となるため、半導体発光素子部内に光が留まるのを押さえ、効率的に外部に光を取り出すことが可能となる。また、封止材が、半導体発光素子部を被覆することによって、ベアチップよりも、信頼性を高くすることができる。
(2)ここで開示された実施形態においては、封止材の屈折率が2.2以下であることが好ましい。この場合には、封止材が、半導体発光素子部と外部の空気との間の屈折率を有することから、半導体発光素子部の活性層から放射された光が、半導体発光素子部から空気といった屈折率の急激な変化によって反射するのを抑制することができるため半導体発光素子の光取り出し効率を高くすることができる。
(3)ここで開示された実施形態においては、封止材の厚さが15μm以下であることが好ましい。封止材の厚さが15μm以下である場合には、封止材を多量に用いる必要がないため、封止材の設置コストを低減することができる。
(4)ここで開示された実施形態においては、封止材における活性層から放射された光の透過率が75%以上であることが好ましい。この場合には、半導体発光素子の光取り出し効率をさらに向上することができる。
(5)ここで開示された実施形態においては、封止材は、珪素と酸素とを含むことが好ましい。この場合には、紫外領域を含む広い波長範囲の光に対する封止材の透過率を高くすることができる。また、封止材が、主成分としてSiO2を含む場合には、スピンコートと焼結とにより封止材を形成することが好ましい。これにより封止材を開口部に形成する場合には、封止材と開口部との差異を視覚的に認識することができるため、選択的に封止材を流し込んで硬化させることにより容易に封止材を形成することができ、スループットが向上する。すなわち、開口部に封止材を選択的に充填することが可能となる。
(6)ここで開示された実施形態においては、封止材は、主成分としてシリコーンを含むことが好ましい。この場合には、広い波長範囲の光に対する封止材の透過率を高くすることができる。また、この場合には、封止材と開口部との差異を視覚的に認識することができるため、選択的に封止材を流し込んで硬化させることにより容易に封止材を形成することができ、スループットが向上する。すなわち、開口部に封止材を選択的に充填することが可能となる。
(7)ここで開示された実施形態においては、接合部は、銀(Ag)を含むことが好ましい。たとえば、主成分としてSiO2を含む封止材を形成する際のプロセスにおいて、たとえば200℃以上のプロセスとなる場合であっても、耐熱性に優れているため、接合部の劣化を抑制することができる。また、接合部にAgを含む樹脂からなる導電性接着剤を用いた場合には、弾性率が小さく、熱プロセスの際、体積弾性率の高い固い物質と比べて、収縮する範囲があるため、半導体発光素子部への負荷を減らすことができる。Agを含む樹脂からなる導電性接着剤におけるAgの含有量は、導電性接着剤全体の50質量%以上であることが好ましい。また、Agは、Agナノ粒子などから形成されていてもよい。Agナノ粒子は、低温で接合可能であり、また、放熱性および耐熱性に優れており、実施形態のプロセスに好適である。
(8)ここで開示された実施形態においては、第1導電型半導体層、活性層および第2導電型半導体層は、それぞれ、窒化物半導体を含み、活性層から放射される光の波長は210nm以上350nm以下であることが好ましい。活性層から放射される光が紫外領域の範囲である場合には、封止材として樹脂系材料を使用すると、活性層からの光により封止材が大幅に劣化し、長期信頼性が得られない場合がある。この構成は、特に紫外領域、さらに好ましくは、300nm以下の深紫外領域で効果を発揮する。また、この波長帯は、活性層が、高いAl組成のAlGaN半導体から構成される。InGaN系の活性層を有するよりも、高いAl組成のAlGaN半導体から構成される活性層の方が、衝撃に対する耐性が弱い傾向にある。そこで、本構成とすることで、縦型のデバイス構造を有する窒化物半導体発光素子において非常に有効な構成となる。
以上のように本発明の実施形態および実施例について説明を行なったが、上述の各実施形態および各実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、窒化物半導体発光素子および窒化物半導体発光素子の製造方法に利用できる可能性がある。
12 エキシマレーザ光、12a 照射領域、101 成長用基板、102 半導体バッファ層、103 半導体下地層、104 n型半導体層、105 活性層、106 第2のp型半導体層、107 第1のp型半導体層、108 p側電極、108a 側面、110 接合部、110a 表面、110b 側面、110c 最端部、111 基板、112 絶縁保護膜、114 開口部、115 半導体発光素子部、115a 側面、115b 上面、116 n側パッド電極、117 封止材、120 溝、200 半導体ウェハ、201 チップ、202 保護膜。

Claims (10)

  1. 基板と、
    前記基板上の接合部と、
    前記接合部上のコンタクト電極と、
    前記コンタクト電極上の半導体発光素子部と、
    前記半導体発光素子部上の絶縁保護膜と、
    前記絶縁保護膜上のパッド電極と、を備え、
    前記半導体発光素子部は、前記基板側から、第1導電型半導体層と、活性層と、第2導電型半導体層と、AlxGayInzN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、0<(x+y+z)≦1)からなる2つの層と、を含んでおり、
    前記半導体発光素子部には、前記第2導電型半導体層の一部を露出するように開口部が形成されており、
    前記絶縁保護膜は、少なくとも、前記半導体発光素子部の側面および前記半導体発光素子部の前記開口部以外の上面を被覆しており、
    前記パッド電極は、前記絶縁保護膜上から前記開口部における前記第2導電型半導体層上まで延在しており、
    前記開口部の前記パッド電極および前記露出された前記第2導電型半導体層の上に封止材が設けられており、
    前記封止材の屈折率が2.2以下である、半導体発光素子。
  2. 前記パッド電極は、前記半導体発光素子部の側面上から上面上に延在する前記絶縁保護膜から前記開口部における前記第2導電型半導体層上まで延在している、請求項1に記載の半導体発光素子。
  3. 前記コンタクト電極に前記第1導電型半導体層の平坦部分全域が接触する、請求項1に記載の半導体発光素子。
  4. 前記パッド電極の前記絶縁保護膜に接する領域が露出するように、前記開口部の前記パッド電極上に前記封止材が設けられている、請求項1に記載の半導体発光素子。
  5. 前記封止材における前記活性層から放射された光の透過率が75%以上である、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  6. 前記接合部は、銀を含む、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  7. 前記封止材の厚さが15μm以下である、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  8. 前記封止材は、珪素と酸素とを含む、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  9. 前記封止材は、主成分としてシリコーンを含む、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  10. 前記第1導電型半導体層、前記活性層および前記第2導電型半導体層は、それぞれ、窒化物半導体を含み、
    前記活性層から放射される光の波長は210nm以上350nm以下である、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
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