JP2014120511A - 半導体装置の製造方法及び半導体装置 - Google Patents

半導体装置の製造方法及び半導体装置 Download PDF

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孝信 赤木
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竜舞 斎藤
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崇子 千野根
Ryosuke Kawai
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Abstract

【課題】半導体素子の一方の面側に形成された複数の電極を、対向基板の電極に接合するための新規な技術を提供する。
【解決手段】成長基板上に第1半導体層、活性層、第2半導体層の積層構造を形成し、第2半導体層上に第2半導体層側電極を形成し、積層構造を第2半導体層側からエッチングして第1半導体層を露出する凹部を形成し、凹部底面の第1半導体層上に、第2半導体層側電極の形成材料より低融点の材料を用い、第2半導体層側電極の上面よりも突き出すような厚さで、第1半導体層側電極を形成し、支持基板上、第1、第2半導体層側電極と対応する位置にそれぞれ第1、第2支持基板側電極を形成し、成長基板と支持基板を対向させて第1半導体層側電極と第1支持基板側電極を接触させ、加熱しながら圧力を加え第1半導体層側電極を押し潰し、第2半導体層側電極と第2支持基板側電極を接触させる。
【選択図】図2−5

Description

本発明は、半導体装置の製造方法及び半導体装置に関する。
一方の面側で複数の電極が形成された半導体素子が用いられており、複数の電極を対向基板の電極に接合する技術が提案されている(例えば特許文献1、2参照)。
特開平02−065181号公報 特表2010−525585号公報
本発明の一目的は、半導体素子の一方の面側に形成された複数の電極を、対向基板の電極に接合するための新規な技術を提供することである。
本発明の一観点によれば、
成長基板上に、第1導電型を有する第1半導体層、活性層、及び前記第1導電型と逆の第2導電型を有する第2半導体層を有する積層構造を形成する工程と、
前記第2半導体層上に、第2半導体層側電極を形成する工程と、
前記積層構造を前記第2半導体層側からエッチングして、底面に前記第1半導体層を露出する凹部を形成する工程と、
前記凹部の底面に露出した前記第1半導体層上に、前記第2半導体層側電極を形成する材料よりも低融点の材料を用いて、上面が前記第2半導体層側電極の上面よりも突き出すような厚さで、第1半導体層側電極を形成する工程と、
支持基板上において、前記第1半導体層側電極と対応する位置に第1支持基板側電極を形成し、前記第2半導体層側電極と対応する位置に第2支持基板側電極を形成する工程と、
前記成長基板の前記第1及び第2半導体層側電極の形成側と、前記支持基板の前記第1及び第2支持基板側電極の形成側とを対向させて、前記第1半導体層側電極と前記第1支持基板側電極とを接触させる工程と、
加熱しながら、前記成長基板と前記支持基板との間に圧力を加えて、前記第1半導体層側電極を押し潰し、前記第2半導体層側電極と前記第2支持基板側電極とを接触させる工程と
を有する半導体装置の製造方法
が提供される。
低融点の材料を用いて第2半導体層側電極の上面よりも突き出すように第1半導体層側電極を形成し、第1半導体層側電極を押し潰すことにより、第1及び第2半導体層側電極を、支持基板側の第1及び第2支持基板側電極と接触させることが容易になる。
図1A及び図1Bは、実施例による発光素子のp側電極及びn側電極の概略構造を示す平面図及び断面図である。 図2A〜図2Cは、実施例による半導体発光装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。 図2D及び図2Eは、実施例による半導体発光装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。 図2F及び図2Gは、実施例による半導体発光装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。 図2H〜図2Jは、実施例による半導体発光装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。 図2K及び図2Lは、実施例による半導体発光装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。 図2M及び図2Nは、実施例による半導体発光装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。 図2O及び図2Pは、実施例による半導体発光装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。 図3A及び図3Bは、実施例の変形例による半導体発光装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。 図4A及び図4Bは、応用例による車両用灯具の概略断面図である。
本発明の実施例による半導体発光装置について説明する。本実施例では、一方向に並んだ複数の発光素子が直列接続された発光ダイオード(LED)アレイを形成する。成長基板上に形成された複数の発光素子が、支持基板に貼り合せられることにより、支持基板上の電極を介して直列接続される。
図1A及び図1Bを参照する。図1Aは、実施例による発光素子のp側電極及びn側電極の概略配置を示す平面図である。一例として、2つの発光素子が並んだ部分を示す。各発光素子において、p側電極Epは、素子のほぼ全面上に亘って配置されている。p側電極Epの内側に、p側電極Epの形成されていない領域が離散的に、例えば行列状に分布して設けられ、その領域にn側電極Enが配置されている。
図1B(後述の図2Oと同一の図)は、支持基板(21)に貼り合わされた発光素子(10a及び10b)のp側電極Ep及びn側電極Enを示す概略断面図である。p側電極Epは、p型半導体層4上に形成され、n側電極Enは、p型半導体層4側から掘られてn型半導体層2に達する凹部の底面に露出したn型半導体層2上に形成されている。p側電極Epとn側電極Enとの間に電圧を印加することにより、発光が生じる。複数のn側電極Enを面内に分布させることにより、面内での電流分布均一化を図って、発光分布の均一化を図ることができる。
p側電極Epは、例えば一辺1000μm程度の矩形状である。n側電極Enは、例えば行方向及び列方向のピッチを200μmとして、一行(一列)当り5個、全部で25個程度配置され、各n側電極Enは、(支持基板との貼り合せ前の状態で)例えば直径が20μm程度の円状である。
素子内のp側電極Epの面積に対する全n側電極Enの面積の比率は、電流を流しやすくする観点から0.1%以上が好ましく、また、n側電極Enの形成領域ではpn接合形成部が除去され発光が得られないので、発光量低下抑制の観点から20%以下が好ましい。素子内で、p側電極Epの面積は、全n側電極Enの面積に比べて広くなる。
図2A〜図2Pは、実施例による半導体発光装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。n側電極の配置領域に沿った断面を示す。図2A〜図2Oは、代表的に、1つ分の発光素子の形成領域、及びその隣接発光素子の接続部分近傍を図示する。
図2Aを参照する。成長基板1上に、発光を生じるデバイス構造層5を形成する。例えば、成長基板1はサファイアが用いられ、デバイス構造層5は窒化物系半導体層の積層で形成される。半導体層の成長方法として、例えば有機金属化学気相堆積(MOCVD)が用いられる。
具体的には、例えば、サファイア基板1をMOCVD装置に投入後、サーマルクリーニングを行い、GaNバッファ層及びアンドープのGaN層を成長させた後に、Si等をドープした膜厚5μm程度のn型GaN層2を成長させる。なお、断面図において、GaNバッファ層及びアンドープGaN層を、n型GaN層2とまとめて示す。
さらに、n型GaN層2上に、InGaN量子井戸層を含む多重量子井戸発光層(活性層)3を成長させ、活性層3上に、Mg等をドープした膜厚0.5μm程度のp型GaN層4を成長させる。n型GaN層2、活性層3、及びp型GaN層4を含んで、GaN系デバイス構造層5が形成される。
成長基板1は、GaNのエピタキシャル成長が可能な格子定数を有する単結晶基板であり、後でレーザーリフトオフによる基板剥離を可能にするよう、GaNの吸収端波長である362nmの光に対して透明なものから選択される。サファイア以外に、スピネル、SiC、ZnO等を用いることもできる。
図2Bを参照する。p型GaN層4上に、例えば、電子ビーム蒸着及びリフトオフを用い、Ni層(膜厚0.5nm)、Ag層(膜厚200nm)、及びNi層(膜厚0.5nm)が積層された金属膜(全体の膜厚201nm)により、p側電極層6を形成する。p側電極層6は、反射電極層としても機能させる。反射電極材料として、Ag、Pt、Ni、Al、Pd及びこれらの合金を用いることができる。
図2Cを参照する。p側電極層6上に、例えば、スパッタリング及びリフトオフを用い、p側電極層6側からTiW層(膜厚300nm)、Pt層(膜厚100nm)、及びAu層(膜厚500nm)が積層された金属膜(全体の膜厚900nm)により、p側接着層7を形成する。
TiW層及びPt層は、p側電極層(反射電極層)6に含まれるAg層の拡散防止層として機能し、拡散防止層は、p側電極層6の全面を覆うように、p側電極層6よりも一回り大きく形成することが好ましい。例えば、Ag層の拡散防止層として、Ti、W、Pt、Pd、Mo、Ru、Ir、Au及びこれらの合金を用いることができる。
p側接着層7は、支持基板との接着層として機能させるとともに、電極層としても機能させる。p側電極層6とp側接着層7とをまとめて、発光素子のp側電極Epと捉えることができる。
図2Dを参照する。p側接着層7を覆ってp型GaN層4上に、レジストパターンRP1を形成する。レジストパターンRP1は、n側電極の形成部に開口を有する。レジストパターンRP1をマスクとしたエッチングにより、開口内のデバイス構造層5を、p型GaN層4側から、n型GaN層2に達する深さまでエッチングして、凹部8を形成する。例えば、Cl及びArをエッチングガスとしたドライエッチングが用いられる。その後、レジストパターンRP1を除去する。
例えば、膜厚5μm程度のn型GaN層2、膜厚0.1μm程度の活性層3、及び、膜厚0.5μm程度のp型GaN層4を含むデバイス構造層5に対し、p型GaN層4側から深さ1μm程度のエッチングを行う。凹部8の底面の直径は、例えば30μm程度である。
図2Eを参照する。凹部8の底面に露出したn型GaN層2上に、例えば、電子ビーム(EB)蒸着及びリフトオフを用い、n型GaN層2側からTi層(膜厚1nm)、Al層(膜厚200nm)、Ti層(膜厚100nm)、Pt層(膜厚200nm)、Au層(膜厚1000nm)、In層(膜厚1100nm)、及びAu層(膜厚200nm)が積層された金属膜(全体の膜厚2801nm)により、n側電極層9を形成する。p側電極層6とp側接着層7とをまとめて捉えたp側電極Epに対して、n側電極層9を、発光素子のn側電極Enと捉えることができる。
In(融点156.6℃)の層は、融点400℃以下の低融点の金属層として設けられており、後述するn側電極層9の突き出し高さと支持基板側の凹部深さとの差分である、n側電極層9が押し潰される高さ(厚さ)よりも厚く積まれている。
n側電極層9は、上面が、p側接着層7の上面から突き出すように形成される。例えば、凹部8の深さは1μmであり、p側電極層6とp側接着層7とを合わせたp側電極Epの厚さは1101nmであり、n側電極層9の厚さは2801nmである。従って例えば、n側電極層9の上面の、p側接着層7の上面からの突き出し高さは、700nm程度となる。
なお(後述の第1比較例参照)、例えばp側電極とn側電極の上面を厳密に揃えて(面一に)形成することは難しい。p型半導体層上に形成されるp側電極と、凹部底面のn型半導体層上に形成されるn側電極とは、別々の成膜工程で形成されるからである。なお、p側電極は、平坦性高く形成することができる。
図2Fを参照する。個々の発光素子へ分割するためのマスクとして、各発光素子を覆う形状のレジストパターンRP2を形成する。レジストパターンRP2をマスクとしたエッチングにより、素子間でデバイス構造層5を成長基板1が露出するまでエッチングして、発光素子10a、発光素子10b等を分離する。例えば、Cl及びArをエッチングガスとしたドライエッチングが用いられる。その後、レジストパターンRP2を除去する。
図2Gを参照する。例えば、スパッタリング及びリフトオフを用い、酸化シリコンにより、絶縁保護膜11を形成する。絶縁保護膜11は、p側電極Ep及びn側電極Enを露出し、その他の領域を覆う。凹部8の側面及び素子側面に露出したn型GaN層2、活性層3、及びp型GaN層4が、絶縁保護膜11で覆われて、pn接合の短絡が抑制される。
図2Hを参照する。支持基板21を準備する。支持基板21として、例えばシリコン基板が用いられる。シリコン基板21上に、まず、熱酸化により酸化シリコン絶縁膜22を形成する。絶縁膜22の膜厚は、絶縁性を確保する目的を達成できる厚さであればよい。
次に、絶縁膜22上に、例えば、EB蒸着及びリフトオフを用い、絶縁膜22側からTi層(膜厚100nm)、Pt層(膜厚200nm)、及びAu層(膜厚2000nm)が積層された金属膜(全体の膜厚2300nm)により、素子ごとに配置された支持基板n側電極層23を形成する。
図2Iを参照する。支持基板n側電極層23を覆って絶縁膜22の上方に、例えば、スパッタリングにより、膜厚600nmの酸化シリコン層を堆積する。フォトリソグラフィ及びドライエッチングにより、この酸化シリコン層をパターニングして、絶縁膜24を形成する。
絶縁膜24は、後に形成される支持基板p側接着層25pの下方に配置され、支持基板p側接着層25pと支持基板n側電極層23とを素子内で電気的に分離する。絶縁膜24は、後に形成される支持基板n側接着層25nの形成領域上には配置されない。
図2Jを参照する。支持基板n側電極層23及び絶縁膜24を覆って絶縁膜22の上方に、例えば、EB蒸着及びリフトオフを用い、絶縁膜22側からTi層(膜厚600nm)、Pt層(膜厚50nm)、及びAu層(膜厚1000nm)が積層された金属膜(全体の膜厚1650nm)により、支持基板p側接着層25p及び支持基板n側接着層25nを形成する。
支持基板p側接着層25pは、発光素子10a、10bに形成されたp側接着層7と対向する位置に配置される。支持基板n側接着層25nは、発光素子10a、10bに形成されたn側電極層9と対向する位置に配置される。支持基板p側接着層25p及び支持基板p側接着層25nは、発光素子10a、10bとの接着層として機能させるとともに、電極層としても機能させる(発光素子10a、10bと支持基板21とが接着された状態は、図2L参照)。
発光素子10aに接続される支持基板p側接着層25p、支持基板n側接着層25n、及び、支持基板n側電極層23を、それぞれ、支持基板p側接着層25pa、支持基板n側接着層25na、及び、支持基板n側電極層23aと呼ぶ。
発光素子10bに接続される支持基板p側接着層25p、支持基板n側接着層25n、及び、支持基板n側電極層23を、それぞれ、支持基板p側接着層25pb、支持基板n側接着層25nb、及び、支持基板n側電極層23bと呼ぶ。
支持基板p側接着層25paは、発光素子10b側端部が、支持基板n側電極層23bの発光素子10a側端部上に重なるように形成されて、支持基板n側電極層23bと電気的に接続されている。
本実施例では、支持基板p側接着層25p及び支持基板p側接着層25nを、同一の成膜工程で形成している。支持基板n側電極層23上に、支持基板p側接着層25pは絶縁膜24を介して形成され、支持基板n側接着層25nは、直接形成される。このため、支持基板n側接着層25nの上面は、絶縁膜24の厚さ分、支持基板p側接着層25pの上面よりも低く形成されている。
支持基板21は、熱膨張係数が、成長基板1として用いられているサファイア(7.5×10−6/K)や、デバイス構造層5を形成しているGaN(5.6×10−6/K)に近く、熱伝導率が高い材料が好ましい。例えば、Si、AlN、Mo、W、CuW等を用いることができる。
図2Kを参照する。素子のp側接着層7及びn側電極層9と、支持基板p側接着層25p及び支持基板n側接着層25nとを位置合わせして、成長基板1と支持基板21とを対向させる。図2Kは、成長基板1と支持基板21とを近づけ、n側電極層9が、支持基板n側接着層25nと接触した状態を示す。
n側電極層9は、p側接着層7の表面から例えば700nm程度、突き出して形成されている。支持基板n側接着層25nは、支持基板p側接着層25pの表面に対して、絶縁膜24の厚さ分、例えば600nm程度、凹んで形成されている。
n側電極層9の突き出し高さは、支持基板n側接着層25nの凹み深さよりも、大きく設定されており、この差分は、この例では100nmとなっている。n側電極層9の突き出し高さは、支持基板n側接着層25nの凹み深さよりも大きく設定されていればよい。この差分は、好ましくは20nm以上2000nm以下とし、20nm以上500nm以下とすることがより好ましい。
図2Lを参照する。成長基板1と支持基板21との間に、例えば、200℃で加熱しながら、3MPa程度の圧力を加えることにより、n側電極層9を押し潰す。n側電極層9の材料として、例えばp側接着層7を形成するAuに比べて低融点の材料、例えばInを用いることにより、n側電極層9を押し潰すことが容易になる。加熱により、In層は潰しやすくなっている。加熱温度は、Inの融点(156.6℃)以上とすることが好ましく、p側接着層7のAuの融点よりは低くすることが好ましい。n側電極層9が、上述の差分の厚さ押し潰されることにより、p側接着層7と支持基板p側接着層25pとが接触する。
なお、n側電極層9が、例えばp側接着層7に比べて狭いことにより、n側電極層9に加わる圧力を大きくすることができ、n側電極層9を押し潰すことが容易になっている。
例えば200℃の加熱及び3MPa程度の加圧を行う状態を、例えば1時間程度保持する。n側電極層9に含まれるInは、融点以上の加熱により融け、支持基板n側接着層25nに含まれるAuとInAu合金を生成する。このようにして、n側電極層9と支持基板n側接着層25nとが共晶接合される。一方、p側接着層7と支持基板p側接着層25pとは、p側接着層7のAu層と、支持基板p側接着層25pのAu層とが固相拡散接合される。
このように、n側電極層9と支持基板n側接着層25nとを接着するとともに、p側接着層7と支持基板p側接着層25pとを接着して、発光素子10a、10bを支持基板21に接合することができる。
p側電極及びn側電極が、対向する支持基板側電極と揃った高さで形成されている構造を、第1比較例とする。しかし、発光素子のp側電極とn側電極、及び、支持基板側の電極の表面高さを、成膜時に厳密に制御することは容易でない。
これに起因して、第1比較例では、発光素子のp側電極と複数のn側電極を同時に、支持基板側電極に接触させることが難しい。良好な接触を得ようとすると、例えば、電極高さを平坦に揃える高さ揃え工程が必要となる。
本実施例では、n側電極を、低融点材料により十分な突き出し高さで形成している。これにより、貼り合せ時に各n側電極を押し潰し、発光素子のp側電極が支持基板側電極と接触しているとともに、各n側電極が支持基板側電極と接触しているような形状に、n側電極形状を変形させることが容易になる。なお、複数のn側電極の成膜時の高さがばらついていたとしても、それぞれのn側電極が押し潰されることにより、それぞれのn側電極について接触を確保できる。
このように、本実施例では、発光素子のp側電極と、複数のn側電極を同時に、支持基板側電極に接触させることが容易となる。なお、n側電極は、例えばp側電極に比べて狭い。このため、貼り合せ時に掛かる圧力を高め、n側電極を押し潰すことが容易となる。
p側電極とn側電極の両方が、Inを含む低融点材料で形成されている構造を、第2比較例とする。p側電極とn側電極の両方が低融点材料であれば、支持基板側電極との接触がより容易になるようにも思われる。第2比較例では、p側電極及びn側電極が、InAu合金により共晶接合される。しかし、InAu合金による共晶接合は、Au−Au固相拡散接合に比べて接着強度が低い。第2比較例では、高い接着強度が得られない。また、InAu混晶層は、純金属に比べて熱抵抗が大きく、その接合面での放熱能力は、Au−Au固相拡散接合面で得られる放熱能力に比べて低い。第2比較例では、高い放熱能力が得られない。
本実施例では、相対的に広いp側電極を、Au−Au固相拡散接合で接着し、相対的に狭いn側電極を、InAu合金による共晶接合で接着している。これにより、高い接着強度とともに高い放熱能力が得られる。
図2Mを参照する。例えばUVエキシマレーザの光Luvを成長基板(サファイア基板)1の裏面側から照射し、バッファ層を加熱分解することで、レーザーリフトオフによる成長基板1の剥離を行う。なお、成長基板1の剥離あるいは除去は、エッチング等の別の手法を用いてもよい。
レーザーリフトオフにより発生したGaを熱水などで除去し、その後塩酸で表面処理する。これにより、n型GaN層2が露出する。なお、表面処理に用いる薬剤は、窒化物半導体をエッチングできるものであればよく、リン酸、硫酸、KOH、NaOHなどの酸やアルカリなどの薬剤を用いることができる。また、表面処理はArプラズマや塩素系プラズマを用いたドライエッチングや、研磨などで行ってもよい。
さらに、n型GaN層2の表面の、反応性イオンエッチング(RIE)等のドライエッチング装置を用いたCl、Ar処理により、または、CMP研磨装置を用いた平滑化処理により、レーザー痕やレーザーダメージ層を除去する。
図2Nを参照する。光取り出し効率を向上させるため、露出したn型GaN層2の表面に、例えば、KOHやTMAH等のアルカリ性溶液への浸漬によるウェットエッチングで、凹凸加工を施す(光取り出し構造を形成する)。
図2Oを参照する。例えば、スパッタリング及びリフトオフを用い、膜厚100nm〜600nm程度の酸化シリコン膜を形成して、n型GaN層2の表面に、保護膜12を形成する。なお、保護膜12のパターニングは、上述のリフトオフに限らず、バッファードフッ酸によるウェットエッチングや、RIEによるドライエッチング等を用いることもできる。
各発光素子において、p側電極Epとn側電極Enとの間に電圧を印加することにより、デバイス構造層5から発光が得られる。発光素子10aのp側電極Ep(p側電極層6及びp側接着層7)が、支持基板p側接着層25pa、支持基板n側電極層23b、及び支持基板n側接着層25nbを介して、発光素子10bのn側電極En(n側電極層9)に接続されている。このようにして、発光素子10aと発光素子10bとが、直列接続される。
発光素子10bと発光素子10aとの接続関係と同様にして、発光素子10aは、さらに紙面左方に形成された発光素子と直列接続される。あるいは、発光素子10aがLEDアレイ左端に配置されている場合は、支持基板n側電極層23aを介して、n側電極が外部に取り出される。
発光素子10aと発光素子10bとの接続関係と同様にして、発光素子10bは、さらに紙面右方に形成された発光素子と直列接続される。あるいは、発光素子10bがLEDアレイ右端に配置されている場合は、支持基板p側接着層25pbを介して、p側電極が外部に取り出される。このようにして、複数個の発光素子が直列接続されたLEDアレイが形成される。
図2Pを参照する。図2Pは、4つの発光素子が直列接続されたLEDアレイを例示する。支持基板21をレーザースクライブまたはダイシングにより分割して、個々のLEDアレイAR1、AR2等に分割する。なお、n側電極を、支持基板21を通して裏面から取る電極構造とすることもできる。なお、青色GaNの発光素子を白色化するには発光素子を封止充填する樹脂に蛍光体(例えば黄色発光)を入れる。このようにして、実施例による半導体発光装置が形成される。
以上説明したように、発光素子のp型半導体層上に形成されたp側電極、及び、p型半導体層を掘り込んで形成された凹部に露出したn型半導体層上に形成されたn側電極のうち、n側電極を、p側電極の形成材料に比べて低融点の材料を用いて、p側電極上面から突き出した形状で形成しておくことにより、支持基板との貼り合せ時にn側電極を押し潰して、p側電極及びn側電極の支持基板側電極との良好な接触を得ることが容易になる。
n側電極に用いる低融点材料として、例えば、Inを含む金属が挙げられる。なお、In単体の他、Inを含む合金を用いることもできる。p側電極(の支持基板側電極との接着表層部分)に用いる材料として、例えば、Auが挙げられる。
支持基板側電極(のp側電極との接着表層部分)を形成する材料として、p側電極(の接着表層部分)と同一材料、例えばAuを用いることができる。これにより、大面積のp側電極と支持基板側電極との間で固相拡散接合を行い、単一金属による接合部を形成して、接着強度が高く、また熱抵抗が低い接合部を得ることができる。
p側電極の接着表層部分と、支持基板側電極の接着表層部分を形成し、固相拡散接合が得られる材料として、Auの他、例えば、Cu、Ag等を用いることもできるであろう。
n側電極は、p側電極の形成材料よりも低融点、より好ましくは例えば400℃以下の低融点を持つ材料を用いることにより、溶融させ支持基板側電極材料との合金を形成させて、支持基板側電極と共晶接合させることが容易となる。400℃以下の低融点を持つ材料として、Inを含む金属の他に、例えばSnを含む金属が挙げられる。なお、Snの融点は232.0℃である。Sn層を用いる場合は、接合時に例えば310℃の加熱を行うことができる。
例えば、支持基板側電極にAu、Cu、あるいはAgを用いたとき、Inを含むn側電極であれば、InAu合金、InCu合金、あるいはInAg合金を形成して共晶接合でき、Snを含むn側電極であれば、SnAu合金、SnCu合金、あるいはSnAg合金を形成して共晶接合できる。
次に、上記実施例の変形例による半導体発光装置について説明する。上記実施例では、支持基板側電極について、支持基板p側接着層25p及び支持基板n側接着層25nを、同一の成膜工程で形成した。これにより、支持基板n側接着層25nの上面は、(絶縁膜24の厚さ分)支持基板p側接着層25pの上面よりも低く形成された。
変形例として、支持基板n側接着層25nと支持基板p側接着層25pとを別工程で成膜することもできる。別工程での成膜により、支持基板n側接着層25nと支持基板p側接着層25pの表面高さを、独立に設定することができる。また、支持基板n側接着層25nと支持基板p側接着層25pの形成材料を異ならせることもできる。
ここでは、支持基板n側接着層25nと支持基板p側接着層25pの形成材料を異ならせて、貼り合せ時に押し潰される電極を、発光素子側ではなく、支持基板側に形成する例について説明する。
図3A及び図3Bは、変形例による半導体発光装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。実施例で図2K及び図2Lを参照して説明した、成長基板1と支持基板21との貼り合せ工程に対応する。
図3Aに示すように、本変形例では、発光素子のn側電極層9が、例えばp側接着層7と揃った高さに形成されている。n側電極層9は、例えば、表層部をAu接着層とした積層金属膜で形成されている。また、支持基板n側接着層25nが、例えば支持基板p側接着層25pの形成材料に比べて低融点の材料、例えばInを含む材料を用いて形成され、支持基板p側接着層25pの上面よりも突き出した高さに形成されている。本変形例では、成長基板1と支持基板21とを近づけていくと、まず、支持基板n側接着層25nが、n側電極層9と接触する。
図3Bに示すように、支持基板n側接着層25nに含まれる低融点金属層の融点以上の加熱、及び、加圧を行いながら、支持基板n側接着層25nを押し潰す。支持基板n側接着層25nが押し潰されることにより、さらに、支持基板p側接着層25pとp側接着層7とが接触する。支持基板n側接着層25nとn側電極層9とが共晶接合し、p側接着層7と支持基板p側接着層25pとが、固相拡散接合する。その後の工程は、実施例と同様である。
変形例の方法のように、発光素子のn側電極に対向する支持基板側電極部分を、低融点材料を用い突き出した形状で形成することにより、発光素子のp側電極及びn側電極と、支持基板側電極との良好な接触を容易にすることもできる。
押し潰される電極を発光素子側に形成する実施例の方法では、支持基板側のn側接着層25nとp側接着層25pとを同一プロセスで同時形成することができる。一方、押し潰される電極を支持基板側に形成する変形例の方法では、n側電極層9の形成後に、アニール処理を行うことができ、n側電極層9の接触抵抗低減が図られる。
なお、上記実施例では、発光素子と支持基板との接合を例示した。実施例の接合技術は、発光素子に限らず、厚さ方向にpn接合構造が形成され、一方の面側にp側電極及びn側電極が形成された半導体素子を、対向基板に接合する場合に広く応用することができると考えられる。例えば、受光素子の接合に応用することもできよう。なお、上述の説明で、n型とp型の導電型を入れ替えた素子構造に対して適用することもできる。
以上実施例に沿って説明したように、複数の発光素子が直列接続されたLEDアレイを形成することができる。このようなLEDアレイは、車両用灯具のように高出力で使用される発光装置に適している。
次に、実施例によるLEDアレイを組み込んだ、応用例による車両用灯具(ヘッドランプ)について説明する。図4A及び図4Bは、応用例による車両用灯具の概略断面図である。
図4Aに示す車両用灯具50は、照射光学系51として、照射レンズ105を使用した例である。照射レンズ105は、LEDアレイ100の光源像106が、車両前端部に正対した仮想鉛直スクリーン(照射面)107上に投影されるように設定されている。
図4Bは、他の照射光学系51を有する車両用灯具50の例である。照射光学系51は、図4Bに示すようにマルチリフレクタ(反射面)103と照射レンズ105を用いても良い。この例による車両用灯具50は、LEDアレイ100の発光面を覆うように配置された蛍光体層(波長変換層)108からなる光源102と、複数の小反射領域に区画されたマルチリフレクタである反射面103、シェード104及び照射レンズ105を含む照射光学系51とを含んで構成される。
図4Bに示すように、光源102は、照射方向(発光面)が上向きとなるように配置され、反射面103は、第1焦点が光源102近傍に設定され、第2焦点がシェード104の上端縁近傍に設定された回転楕円形の反射面であり、光源102からの光が入射するように、光源102の側方から前方にかけての範囲を覆うように配置されている。
反射面103は、図4Bに示すように、光源102のLEDアレイ100の光源像106を所定の配光形状で車両前方に照射し、車両前端部に正対した仮想鉛直スクリーン(照射面)107上に、LEDアレイ100の光源像106が投影されるように構成されている。
シェード104は、反射面103からの反射光の一部を遮光してヘッドランプに適したカットオフラインを形成するための遮光部材であり、上端縁を照射レンズ105の焦点近傍に位置させた状態で照射レンズ105と光源102の間に配置されている。
照射レンズ105は、車両前方側に配置され、反射面103からの反射光を照射面107上に照射する。
なお、実施例によるLEDアレイの応用例として車両用灯具を例示したが、その他、一般照明や大型バックライト等の発光装置に応用することもできる。
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
1 成長基板
2 n型GaN層
3 活性層
4 p型GaN層
5 デバイス構造層
6 p側電極層
7 p側接着層
8 凹部
9 n側電極層
10a、10b 発光素子
11、12 絶縁保護膜
21 支持基板
22、24 絶縁膜
23 支持基板n側電極層
25p 支持基板p側接着層
25n 支持基板n側接着層
Ep p側電極
En n側電極
RP1、RP2 レジストパターン
AR1、AR2 LEDアレイ
Luv 紫外光

Claims (10)

  1. 成長基板上に、第1導電型を有する第1半導体層、活性層、及び前記第1導電型と逆の第2導電型を有する第2半導体層を有する積層構造を形成する工程と、
    前記第2半導体層上に、第2半導体層側電極を形成する工程と、
    前記積層構造を前記第2半導体層側からエッチングして、底面に前記第1半導体層を露出する凹部を形成する工程と、
    前記凹部の底面に露出した前記第1半導体層上に、前記第2半導体層側電極を形成する材料よりも低融点の材料を用いて、上面が前記第2半導体層側電極の上面よりも突き出すような厚さで、第1半導体層側電極を形成する工程と、
    支持基板上において、前記第1半導体層側電極と対応する位置に第1支持基板側電極を形成し、前記第2半導体層側電極と対応する位置に第2支持基板側電極を形成する工程と、
    前記成長基板の前記第1及び第2半導体層側電極の形成側と、前記支持基板の前記第1及び第2支持基板側電極の形成側とを対向させて、前記第1半導体層側電極と前記第1支持基板側電極とを接触させる工程と、
    加熱しながら、前記成長基板と前記支持基板との間に圧力を加えて、前記第1半導体層側電極を押し潰し、前記第2半導体層側電極と前記第2支持基板側電極とを接触させる工程と
    を有する半導体装置の製造方法。
  2. さらに、前記第1半導体層側電極と前記第1支持基板側電極とを接着させ、前記第2半導体層側電極と前記第2支持基板側電極とを接着させる工程を有する請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記第1半導体層側電極と前記第1支持基板側電極とを接着させる工程は、前記第1半導体層側電極と前記第1支持基板側電極とを共晶接合させる請求項2記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記第2半導体層側電極と前記第2支持基板側電極とを接着させる工程は、前記第2半導体層側電極と前記第2支持基板側電極とを固相拡散接合させる請求項2または3記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記凹部を形成する工程は、前記積層構造の面内に、離散的に複数の凹部を形成し、前記第1半導体層側電極を形成する工程は、前記複数の凹部に、前記第1半導体層側電極を形成する請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 支持基板と、
    支持基板上に形成された第1支持基板側電極及び第2支持基板側電極と、
    前記支持基板上方に配置された半導体素子と
    を有し、
    前記半導体素子は、
    前記支持基板側から、第2導電型を有する第2半導体層、活性層、及び前記第2導電型と逆の第1導電型を有する第1半導体層の積層された積層構造と、
    前記第2半導体層側から前記積層構造を掘り込んで形成され、底面に前記第1半導体層を露出する凹部と、
    前記凹部の底面に露出した前記第1半導体層の表面上に形成された第1半導体層側電極と、
    前記第2半導体層の表面上に形成された第2半導体層側電極と
    を有し、
    前記第1支持基板側電極は、前記第1半導体層側電極と対向する位置に配置され、前記第1半導体層側電極を介して前記第1半導体層に電気的に接続され、
    前記第2支持基板側電極は、前記第2半導体層側電極と対向する位置に配置され、前記第2半導体層側電極を介して前記第2半導体層に電気的に接続されており、
    前記第1半導体層側電極が、前記第2半導体層側電極に比べて、低融点の材料を用いて形成されているか、または、前記第1支持基板側電極が、前記第2支持基板側電極に比べて、低融点の材料で形成されている半導体装置。
  7. 前記凹部は、前記積層構造の面内に離散的に複数形成され、前記第1半導体層側電極は、前記複数の凹部に形成されている請求項6に記載の半導体装置。
  8. 前記第1半導体層側電極は、前記第2半導体層側電極に比べて面積が狭い請求項6または7に記載の半導体装置。
  9. 前記第2支持基板側電極の表層部と、前記第2半導体層側電極の表層部とは、同一材料で形成されて、接合部を形成している請求項6〜8のいずれか1項に記載の半導体装置。
  10. 成長基板上に、第1導電型を有する第1半導体層、活性層、及び前記第1導電型と逆の第2導電型を有する第2半導体層を有する積層構造を形成する工程と、
    前記第2半導体層上に、第2半導体層側電極を形成する工程と、
    前記積層構造を前記第2半導体層側からエッチングして、底面に前記第1半導体層を露出する凹部を形成する工程と、
    前記凹部の底面に露出した前記第1半導体層上に、第1半導体層側電極を形成する工程と、
    支持基板上において、前記第1半導体層側電極と対応する位置に第1支持基板側電極を形成し、前記第2半導体層側電極と対応する位置に第2支持基板側電極を形成し、第1支持基板側電極は、前記第2支持基板側電極を形成する材料よりも低融点の材料を用いて、上面が前記第2支持基板側電極の上面よりも突き出すような厚さで形成する工程と、
    前記成長基板の前記第1及び第2半導体層側電極の形成側と、前記支持基板の前記第1及び第2支持基板側電極の形成側とを対向させて、前記第1支持基板側電極と前記第1半導体層側電極とを接触させる工程と、
    加熱しながら、前記成長基板と前記支持基板との間に圧力を加えて、前記第1支持基板側電極を押し潰し、前記第2支持基板側電極と前記第2半導体層側電極とを接触させる工程と
    を有する半導体装置の製造方法。
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