JP6439477B2 - 立体造形装置、立体造形方法、プログラム - Google Patents

立体造形装置、立体造形方法、プログラム Download PDF

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本発明は立体造形装置、立体造形方法、プログラムに関する。
立体造形物(三次元造形物)を造形する立体造形装置(三次元造形装置)として、例えば積層造形法で造形するものが知られている。これは、例えば、造形ステージに平坦化された金属又は非金属の粉体層を形成し、粉体層に対して造形液をヘッドから吐出して、粉体が結合された薄層の造形層を形成し、この造形層上に粉体層を形成して再度造形層を形成する工程を繰り返して、造形層を積層することで立体造形物を造形する。
従来、レーザで焼結させる粉末焼結積層造形装置で、造形領域の上方などに加熱手段を配置して材料粉末の薄層の表面温度の均一化を図るものがある(特許文献1)。
特許文献1)。
特許第4917381号公報
上述したように粉体層に造形液を吐出して造形層を形成し、造形層を積層して立体造形物を造形するとき、造形液が乾燥するまで立体造形物を取出すことができず、立体造形物を取出せるまでの待ち時間が長くなるという課題がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、立体造形物を取り出すときの待ち時間を短くすることを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の請求項1に係る立体造形装置は、
粉体が供給されて粉体層が形成され、前記粉体層の粉体が結合された造形層が積層形成される造形槽と、
往復移動可能に配置され、前記造形槽における前記粉体の表面を平坦化して前記粉体層を形成する平坦化部材と、
前記造形槽の前記粉体層に対して造形液を吐出して前記造形層を形成する液体吐出手段と、
前記平坦化部材を加熱する加熱手段と、
前記平坦化部材を、前記加熱手段で加熱した状態で、前記造形層上の前記粉体に接触させて移動させる手段と、を有し、
積層方向で重なる領域を有して連続する前記造形層を形成するときに、前記重なる領域に前記液体吐出手段から吐出した液体量が所定量以上になったときには、前記平坦化手段の移動速度を、前記所定量未満であるときの移動速度よりも遅い速度とする制御をする
構成とした。
本発明によれば、立体造形物取り出しの待ち時間を短縮することができる。
本発明に係る立体造形装置の第1例の要部斜視説明図である。 同じく概略側面説明図である。 造形部の断面説明図である。 造形部の斜視説明図である。 平坦化ローラ周りの側面説明図である。 同じく要部拡大説明図である。 同じく平面説明図である。 制御部のブロック図である。 一般的な造形の流れの説明に供する造形部の模式的断面説明図である。 本発明の第1実施形態における制御部による粉体層形成動作に係わる制御の説明に供するフロー図である。 同じく具体的説明に供する断面説明図である。 本発明の第2実施形態における平坦化ローラの戻し速度の制御の説明に供する断面説明図である。 本発明の第3実施形態における平坦化ローラの戻し速度の制御の説明に供する平面説明図である。 本発明の第4実施形態における平坦化ローラの戻し速度の制御の説明に供する平面説明図である。 同じく造形層の積層数と戻し速度の関係の一例の説明に供する説明図である。 本発明の第5実施形態における平坦化ローラの戻し速度の制御の説明に供する平面説明図である。 本発明の第6実施形態における平坦化ローラの戻し速度の制御の説明に供する平面説明図である。 同じく造形層の積層数と戻し速度と造形液の着弾量の関係の一例の説明に供する説明図である。 立体造形装置の第2例の要部斜視説明図である。 同じく造形の流れと共に説明する造形部の断面説明図である。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。本発明に係る立体造形装置の一例について図1ないし図4を参照して説明する。図1は同立体造形装置の要部斜視説明図、図2は同じく概略側面説明図、図3は造形部の断面説明図、図4は造形部の斜視説明図である。なお、図3は造形時の状態で示している。
この立体造形装置は、粉体造形装置(粉末造形装置ともいう。)であり、粉体(粉末)が結合された造形層30が形成される造形部1と、造形部1に造形液10を吐出して立体造形物を造形する造形ユニット5とを備えている。
造形部1は、粉体槽11と、平坦化部材としての回転体である平坦化ローラ(リコータとも称される)12などを備えている。
粉体槽11は、粉体20を供給する供給槽21と、造形物が造形される造形槽22とを有している。供給槽21の底部は供給ステージ23として鉛直方向(高さ方向)に昇降自在となっている。同様に、造形槽22の底部は造形ステージ24として鉛直方向(高さ方向)に昇降自在となっている。造形ステージ24上に立体造形物が造形される。
供給ステージ23はモータ27によって矢印Z方向に昇降され、造形ステージ24はモータ28によって矢印Z方向に昇降される。
平坦化ローラ12は、供給槽21の供給ステージ23上に供給された粉体20を造形槽22に供給し、平坦化部材である平坦化ローラ12によって均して平坦化して、後述する粉体層31を形成する。
この平坦化ローラ12は、往復移動機構25によって、造形ステージ24のステージ面(粉体20が積載される面)に沿って矢印Y方向に、ステージ面に対して相対的に往復移動可能に配置され、モータ26によって回転駆動される。
造形ユニット5は、図3に示すように、造形ステージ24上の粉体層31に造形液10を吐出する1又は複数の液体吐出ヘッド(以下、「ヘッド」という。)50を有する吐出ユニット51を備えている。
この吐出ユニット51には、シアン造形液を吐出するヘッド、マゼンタ造形液を吐出するヘッド、イエロー造形液を吐出するヘッド、ブラック造形液を吐出するヘッド、及びクリア造形液を吐出するヘッドを備える。これらのシアン造形液、マゼンタ造形液、イエロー造形液、ブラック造形液及びクリア造形液の各々を収容した複数のタンクがタンク装着部56に装着される。
なお、造形ユニット5には、吐出ユニット51のヘッド50をクリーニングするヘッドクリーニング機構(図8のクリーニング装置555)なども備えている。
ヘッドクリーニング機構(装置)は、主にキャップとワイパで構成される。キャップをヘッド下方のノズル面に密着させ、ノズルから造形液を吸引する。ノズルに詰まった粉体の排出や高粘度化した造形液を排出するためである。その後、ノズルのメニスカス形成(ノズル内は負圧状態である)のため、ノズル面をワイピング(払拭)する。また、ヘッドクリーニング機構は、造形液の吐出が行われない場合に、ヘッドのノズル面を覆い、粉体がノズルに混入することや造形液が乾燥することを防止する。
造形ユニット5は、図2に示すように、ベース部材8上に配置されたガイド部材52に移動可能に保持されたスライダ部53を有し、造形ユニット5全体が矢印Y方向(副走査方向)に往復移動可能である。この造形ユニット5は、後述するモータ552を含む走査機構によって全体が矢印Y方向に往復移動される。
吐出ユニット51は、ガイド部材54、55で矢印X方向(主走査方向)に往復移動可能に支持され、後述するモータ550を含む走査機構によってX方向に往復移動される。
吐出ユニット51は、ガイド部材54、55とともに矢印Z方向に昇降可能に支持され、後述するモータ551を含む昇降機構によってZ方向に昇降される。
ここで、造形部1の詳細について上述した図3及び図4も参照して説明する。
粉体槽11は、箱型形状をなし、供給槽21と造形槽22の2つの上面が開放された槽を備えている。供給槽21内部には供給ステージ23が、造形槽22内部には造形ステージ24がそれぞれ昇降可能に配置される。
供給ステージ23の側面は供給槽21の内側面に接するように配置されている。造形ステージ24の側面は造形槽22の内側面に接するように配置されている。これらの供給ステージ23及び造形ステージ24の上面は水平に保たれている。
粉体槽11の周りには、図4に示すように、上面が開放された凹形状である粉体落下口29が設けられている(図3では省略)。粉体落下口29には、粉体層を形成するときに平坦化ローラ12によって集積された余剰の粉体20が落下する。粉体落下口29に落下した余剰の粉体20は供給槽21に粉体を供給する粉体供給部内に戻される。
なお、図1では図示しない粉体供給装置(粉体供給手段、図8の粉体供給装置554))は、タンク状をなし、供給槽21の上方に配置される。造形の初期動作時や供給槽21の粉体量が減少した場合に、タンク内の粉体を供給槽21に供給する。粉体供給のための粉体搬送方法としては、スクリューを利用したスクリューコンベア方式や、エアーを利用した空気輸送方式などが挙げられる。
平坦化ローラ12は、供給槽21から粉体20を造形槽22へと移送供給して、表面を均すことで所定の厚みの粉体層31を形成する。
この平坦化ローラ12は、造形槽22及び供給槽21の内寸(即ち、粉体が供される部分又は仕込まれている部分の幅)よりも長い棒状部材であり、前述した往復移動機構25によってステージ面に沿う方向(ステージ面と平行な矢印Y方向)に往復移動される。
この平坦化ローラ12は、モータ26によって回転されながら、供給槽21の外側から供給槽21及び造形槽22の上方を通過するようにして水平移動し、これにより粉体20が造形槽22上へと移送供給される。
また、図3に示すように、平坦化ローラ12の周面に接触して、平坦化ローラ12に付着した粉体20を除去するための粉体除去部材である粉体除去板13が配置されている。
粉体除去板13は、平坦化ローラ12の周面に接触した状態で、平坦化ローラ12とともに移動する。また、粉体除去板13は、平坦化ローラ12が平坦化を行うときの回転方向に回転するときにカウンタ方向になる状態で配置されている。
本実施形態では、造形部1の粉体槽11が供給槽21と造形槽22の二つの槽を有する構成としているが、造形槽22のみとして、造形槽22に粉体供給装置から粉体を供給して、平坦化手段で平坦化する構成とすることもできる。
次に、平坦化ローラ周りの構成について図5ないし図7を参照して説明する。図5は同平坦化ローラ周りの側面説明図、図6は同じく要部拡大説明図、図7は同じく平面説明図である。
平坦化ローラ12は、両側の軸端部12aが玉軸受け61を介してフレーム60に回転可能に保持されている。平坦化ローラ12の一方の軸端部12aにはプーリ63がねじ64で固定され、モータ26の回転軸26aに取り付けたプーリ65との間にベルト66が掛け回され、モータ26の回転が平坦化ローラ12に伝達されている。
なお、モータ26から平坦化ローラ12への駆動力伝達機構は、例えば、モータ26の軸と平坦化ローラ12の軸12aを同列にしてカップリングで繋ぐ構成や、モータ26と平坦化ローラ12をギア列で繋ぐ構成などを使用することもできる。
平坦化ローラ12の内部にはハロゲンヒータなどの加熱手段14を配置している。加熱手段14としては、例えば電熱線やIHコイルなどを使用することもできる。
ここで、加熱手段14はフレーム60に取り付けた加熱手段保持部材67に軸部14bが保持されている。加熱手段14の電源供給端子14aをねじ18でフレーム60に固定し、電源供給端子14aにケーブル17を接続している。
また、加熱手段14の軸部14bと平坦化ローラ12との間には玉軸受け15を介在して、加熱手段14は平坦化ローラ12に対して相対回転可能とし、平坦化ローラ12が回転されても加熱手段14は回転しない状態を保つことができるようにしている。
また、平坦化ローラ12の内部には、平坦化ローラ12の温度を検出する温度センサ562が配置されている。温度センサ562は平坦化ローラ12が粉体20と接する範囲に設けることが好ましい。
次に、上記立体造形装置の制御部の概要について図8を参照して説明する。図8は同制御部のブロック図である。
制御部500は、この立体造形装置全体の制御を司るCPU501と、CPU501に本発明に係わる処理を含む立体造形動作の制御を実行させるための本発明に係るプログラムを含むプログラム、その他の固定データを格納するROM502と、画像データ(印刷データ)等を一時格納するRAM503とを含む主制御部500Aを備えている。
制御部500は、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための不揮発性メモリ(NVRAM)504を備えている。また、制御部500は、画像データに対する各種信号処理等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC505を備えている。
制御部500は、外部の造形データ作成装置600から造形データを受信するときに使用するデータ及び信号の送受を行うためのI/F506を備えている。なお、造形データ作成装置600は、最終形態の造形物を各造形層にスライスした造形データを作成する装置であり、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置で構成されている。
制御部500は、各種センサの検知信号を取り込むためのI/O507を備えている。
制御部500は、吐出ユニット51の各ヘッド50を駆動制御するヘッド駆動制御部508を備えている。
制御部500は、吐出ユニット51を矢印X方向に移動させるX方向走査モータ550を駆動するモータ駆動部510と、造形ユニット5を矢印Y方向に移動させるY方向走査モータ552を駆動するモータ駆動部512を備えている。
制御部500は、吐出ユニット51を矢印Z方向に移動(昇降)させるZ方向昇降モータ551を駆動するモータ駆動部511を備えている。なお、矢印Z方向への昇降は造形ユニット5全体を昇降させる構成とすることもできる。
制御部500は、供給ステージ23を昇降させるモータ27を駆動するモータ駆動部513と、造形ステージ24を昇降させるモータ28を駆動するモータ駆動部514を備えている。
制御部500は、平坦化ローラ12を移動させる往復移動機構25のモータ553を駆動するモータ駆動部515と、平坦化ローラ12を回転駆動するモータ26を駆動する516を備えている。
制御部500は、供給槽21に粉体20を供給する粉体供給装置554を駆動する供給系駆動部517と、吐出ユニット51をクリーニング(メンテナンス、維持回復)するクリーニング装置555を駆動するクリーニング駆動部518を備えている。
制御部500は、平坦化ローラ12内の加熱手段14に対する給電のオン/オフ制御を行う加熱給電部519を備え、ている。加熱給電部519は、温度センサ562からの検知信号などに基づいて給電量を制御することで、加熱手段14の加熱温度を変更制御する。
つまり、制御部500は、造形槽22に粉体層31を形成するとき、加熱手段14により平坦化ローラ12を加熱した状態で造形層30上の粉体20に接触させて移動させる手段を兼ねている。
なお、「粉体層31を形成するとき」とは、平坦化ローラ12が造形槽22上を移動しているときの意味である。したがって、平坦化ローラ12で供給槽21から造形槽22に粉体20を供給しながら平坦化するとき(平坦化ローラ12の往路移動のとき)、及び、造形槽22の粉体層31の表面に接触させて平坦化ローラ12を戻すとき(平坦化ローラ12の復路移動のとき)の少なくともいずれかのときである。
制御部500のI/O507には、平坦化ローラ12の温度を検知する温度センサ562、装置の環境条件としての温度及び湿度を検出する温湿度センサ560、などの検知信号やその他のセンサ類の検知信号が入力される。
制御部500には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル522が接続されている。
なお、造形データ作成装置600と立体造形装置(粉体積層造形装置)601によって造形装置が構成される。
次に、一般的な造形の流れについて図9も参照して説明する。図9は造形の流れの説明に供する造形部の模式的断面説明図である。
造形槽22の造形ステージ24上に、1層目の造形層30が形成されている。
この造形層30上に次の造形層30を形成するときには、図9(a)に示すように、供給槽21の供給ステージ23を矢印Z1方向に上昇させ、造形槽22の造形ステージ24を矢印Z2方向に下降させる。
このとき、造形槽22の粉体層表面と平坦化ローラ12の下部(下方接線部)との間隔がΔt1となるように造形ステージ24の下降距離を設定する。この間隔Δt1が次に形成する粉体層31の厚さに相当する。間隔Δt1は、数十〜100μm程度であることが好ましい。
次いで、図9(b)に示すように、供給槽21の上面レベルよりも上方に位置する粉体20を、平坦化ローラ12を順方向(矢印方向)に回転しながらY2方向(造形槽22側)に移動することで、粉体20を造形槽22へと移送供給する(粉体供給)。
さらに、図9(c)に示すように、平坦化ローラ12を造形槽22の造形ステージ24のステージ面と平行に移動させ、図9(d)に示すように、造形ステージ24の造形層30上で所定の厚さΔt1になる粉体層31を形成する(平坦化)。粉体層31を形成後、平坦化ローラ12は矢印Y1方向に移動されて初期位置に戻される。
このとき、平坦化ローラ12は加熱手段14によって加熱されており、平坦化ローラ12が造形層30上を通過するときに、造形層30上に形成された粉体層31を通じて造形層30が加熱される。これにより、造形層30の乾燥が促進される。
ここで、平坦化ローラ12は、造形槽22及び供給槽21の上面レベルとの距離を一定に保って移動できるようになっている。一定に保って移動できることで、平坦化ローラ12で粉体20を造形槽22の上へと搬送させつつ、造形槽22上又は既に形成された造形層30の上に均一厚さΔt1の粉体層31を形成できる。
その後、図9(e)に示すように、吐出ユニット51のヘッド50から造形液10の液滴を吐出して、次の粉体層31に造形層30を積層形成する(造形)。
なお、造形層30は、例えば、ヘッド50から吐出された造形液10が粉体20と混合されることで、粉体20に含まれる接着剤が溶解し、溶解した接着剤同士が結合して粉体20が結合されることで形成される。
したがって、造形層30が加熱されることで造形液10の乾燥が促進されて、造形層30を積層して立体造形物を形成したとき、完成後速やかに立体造形物を取出すことができ、待ち時間が短くなる。
次いで、上述した粉体供給・平坦化工程、ヘッドによる造形液吐出工程を繰り返して新たな造形層を形成する。このとき、新たな造形層とその下層の造形層とは一体化して三次元形状造形物の一部を構成する。
以後、粉体の供給・平坦化工程、ヘッドによる造形液吐出工程を必要な回数繰り返すことによって、三次元形状造形物(立体造形物)を完成させる。
次に、上記立体造形装置で使用する立体造形用粉末材料(粉体)及び造形液の一例について説明する。なお、以下で説明する粉体及び造形液に限定されるものではない。
立体造形用粉末材料は、基材と、この基材を平均厚み5nm〜500nmで被覆し、造形液としての架橋剤含有水の作用により溶解し架橋可能な水溶性有機材料とを有してなる。
この立体造形用粉末材料においては、基材を被覆する水溶性有機材料が、架橋剤含有水の作用により溶解し架橋可能であるため、水溶性有機材料に架橋剤含有水が付与されると、水溶性有機材料は、溶解すると共に、架橋剤含有水に含まれる架橋剤の作用により架橋する。
これにより、上記立体造形用粉末材料を用いて薄層(粉体層)を形成し、粉体層に架橋剤含有水を造形液10として吐出することで、粉体層においては、溶解した水溶性有機材料が架橋する結果、粉体層が結合硬化して造形層30が形成される。
このとき、基材を被覆する水溶性有機材料の被覆量が平均厚みで5nm〜500nmであるため、水溶性有機材料が溶解したときに基材の周囲に必要最小量だけ存在し、これが架橋して三次元ネットワークを形成するため、粉体層の硬化は寸法精度良く、かつ、良好な強度をもって行われる。
この操作を繰り返すことにより、簡便かつ効率的に、焼結等の前に型崩れが生ずることなく、寸法精度良く複雑な立体造形物を形成することができる。
−基材−
基材としては、粉末ないし粒子の形態を有する限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。その材質としては、例えば、金属、セラミックス、カーボン、ポリマー、木材、生体親和材料、などが挙げられるが、高強度な立体造形物を得る観点からは、最終的に焼結処理が可能な金属、セラミックスなどが好ましい。
金属としては、例えば、ステンレス(SUS)鋼、鉄、銅、チタン、銀などが好適に挙げられ、該ステンレス(SUS)鋼としては、例えば、SUS316Lなどが挙げられる。
セラミックスとしては、例えば、金属酸化物などが挙げられ、具体的には、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、ジルコニア(ZrO)、チタニア(TiO)などが挙げられる。
カーボンとしては、例えば、グラファイト、グラフェン、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、フラーレンなどが挙げられる。
ポリマーとしては、例えば、水に不溶な公知の樹脂などが挙げられる。
木材としては、例えば、ウッドチップ、セルロースなどが挙げられる。
生体親和材料としては、例えば、ポリ乳酸、リン酸カルシウムなどが挙げられる。
これらの材料は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、基材として、これらの材料で形成された市販品の粒子ないし粉末を使用することができる。市販品としては、例えば、SUS316L(山陽特殊鋼製、PSS316L)、SiO(トクヤマ製、エクセリカSE−15)、AlO(大明化学工業製、タイミクロンTM−5D)、ZrO(東ソー製、TZ−B53)などが挙げられる。
また、基材としては、水溶性有機材料との親和性を高める目的等で、公知の表面(改質)処理がされていてもよい。
−水溶性有機材料−
水溶性有機材料としては、水に溶解し、架橋剤の作用により架橋可能な性質を有するものであれば、換言すれば、水溶性であって架橋剤によって架橋可能である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
ここでは、水溶性有機材料の水溶性は、例えば、30℃の水100gに水溶性有機材料を1g混合して撹拌したとき、その90質量%以上が溶解するものを意味する。
また、水溶性有機材料としては、その4質量%(w/w%)水溶液の20℃における粘度が、40mPa・s以下であるものが好ましく、1〜35Pa・sであるものがより好ましく、5〜30mPa・sであるものが特に好ましい。
水溶性有機材料の粘度が、40mPa・sを超えると、立体造形用粉末材料に架橋剤含有水を付与して形成した立体造形物用粉末材料(粉体層)による硬化物(立体造形物、焼結用硬化物)の強度が充分でないことがあり、その後の焼結等の処理ないし取扱い時に型崩れ等の問題が生ずることがある。また、立体造形用粉末材料に架橋剤含有水を付与して形成した立体造形物用粉末材料(粉体層)による硬化物(立体造形物、焼結用硬化物)の寸法精度が充分でないことがある。
水溶性有機材料の粘度は、例えば、JISK7117に準拠して測定することができる。
−架橋剤含有水−
造形液である架橋剤含有水としては、水性媒体中に架橋剤を含有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。なお、架橋剤含有水は、水性媒体、架橋剤のほか、必要に応じて適宜選択したその他の成分を含有していてもよい。
その他の成分としては、架橋剤含有水を付与する手段の種類、使用頻度や量などの諸条件を考慮して適宜選択することができる。例えば、液体吐出法によって架橋剤含有水を付与する場合には、液体吐出ヘッドのノズルへの目詰り等の影響を考慮して選択することができる。
水性媒体としては、例えば、水、エタノール等のアルコール、エーテル、ケトン、などが挙げられるが、水が好ましい。なお、水性媒体は、水がアルコール等の水以外の成分を若干量含有するものであってもよい。
上述した立体造形物用粉末材料及び造形液としての架橋剤含有水を使用することで、粉体(基材)を接着させるためのバインダーを液体吐出ヘッドから吐出する構成に比べて、ノズルの目詰まりが少なく、ヘッドの耐久性が向上する。
次に、本発明の第1実施形態について図10及び図11を参照して説明する。図10は同実施形態における制御部による立体造型動作に係わる制御の説明に供するフロー図、図11は同じく具体的説明に供する断面説明図である。なお、図10では平坦化ローラを「リコータ」と表記する。
まず、第n層目の造形層30を形成した後、前述したように供給ステージ23の上昇と造形ステージ24の下降を行う。
その後、図11(a)にも示すように、平坦化ローラ12(リコータ)を回転させながら速度v1で供給槽21から造形槽22側に移動させて、供給槽21から造形槽22に粉体20を供給して平坦化し、粉体層31を形成する。
そして、平坦化ローラ12が造形槽22側の終端位置まで到達した後、平坦化ローラ12の加熱手段14に給電して平坦化ローラ12を加熱状態にする。
その後、図11(b)にも示すように、加熱状態にある平坦化ローラ12を速度v2(v2≦v1)で初期位置側に移動させる。
このように、加熱状態にある平坦化ローラ12が造形槽22の粉体層31の粉体20に接触した状態で初期位置に戻る(復路移動する)ことで、粉体層31の下方にある前回造形された造形層30が加熱され、造形液10が乾燥する。
そして、平坦化ローラ12が造形槽22を通過したときには、加熱手段14による平坦化ローラ12の加熱を停止し、平坦化ローラ12が初期位置に戻ったときに、平坦化ローラ12を移動停止する。
ここで、図11(a)に示すように、平坦化ローラ12に移動させて造形槽22に粉体20を供給し平坦化するときの移動速度を速度v1とし、図11(b)に示すように、平坦化ローラ12を終端位置から造形槽22上を通って供給槽21側の初期位置に戻すときの移動速度(戻し速度)を速度v2とする。
このとき、速度v1よりも速度v2を遅くする(v2<v1)ことで、造形槽22上で平坦化ローラ12による造形層30の加熱をより確実に行うことができる。
このように、平坦化ローラ12によって粉体層31の粉体20を介して造形層30を加熱することで、造形液10の乾燥を促進することができる。
したがって、造形層30を積層して立体造形物を形成したとき、立体造型物完成後、速やかに、立体造形物を取出すことができ、待ち時間が短くなる。
なお、ここでは、平坦化ローラ12を造形槽22側の終端位置から戻す復路移動のときに平坦化ローラ12を加熱状態にしているが、供給槽21側から粉体20を造形槽22に供給しながら均す往路移動のときに加熱する構成とすることもできる。また、造形槽22上を移動させるときは平坦化ローラ12を常時加熱した状態とすることもできる。以下の実施形態においても同じである。
次に、本発明の第2実施形態について図12を参照して説明する。図12は同実施形態における平坦化ローラの戻し速度の制御の説明に供する断面説明図である。
本実施形態では、平坦化ローラ12を加熱状態で戻すとき、造形槽22上を通過する間は戻し速度(復路移動速度)vを速度v3として、造形槽22を通過した後は戻し速度を速度v2(v2>v3)に変更する。なお、供給槽21上を戻すときの戻し速度vは、前述した供給時の速度v1(v1>v2)とすることもできる(以下の実施形態でも同様である。)。
このように、造形槽22上を通過するときだけ平坦化ローラ12の速度を遅くすることで、造形層30を確実に加熱することができる。そして、供給槽21上を通過するときには平坦化ローラ12の速度を速くすることで、造形時間を短縮できる。
次に、本発明の第3実施形態について図13を参照して説明する。図13は同実施形態における平坦化ローラの戻し速度の制御の説明に供する平面説明図である。
本実施形態では、造形層30を造形(形成する)ときにヘッド50から吐出した造形液10の液体量(吐出液体量)Mに応じて平坦化ローラ12を戻すときの造形槽22上での戻し速度vを変更するようにしている。
例えば、造形層30を造形するときの吐出液体量Mが所定量M1未満である(M<M1)であるときには平坦化ローラ12は戻し速度v2で移動させ、造形層30を造形するときの吐出液体量Mが所定量M1以上であるときには平坦化ローラ12は戻し速度v3(v3<v2)で移動させる。
図13(a)に示すように、面積の小さな造形層30Aを造形する場合には吐出液体量Mが少なく、所定量M1未満(M<M1)であることから、速度v2で平坦化ローラ12を戻している。
一方、図13(b)に示すように、面積の大きな造形層30Bを造形する場合には吐出液体量Mが多く、所定量M1以上(M≧M1)であることから、速度v3で平坦化ローラ12を戻している。
つまり、造形層30を造形するために吐出した造形液10の液体量が少ないときには、乾燥しやすいので、平坦化ローラ12の速度を速くしても確実に造形層30を加熱できる。そこで、平坦化ローラ12の速度を速くして造形速度を向上する。
これに対し、造形層30を造形するために吐出した造形液10の液体量が多いときには、乾燥しにくくなるので、平坦化ローラ12の速度を遅くして戻すことで、乾燥時間が長くなり、確実に造形層30を加熱乾燥することができる。
このように、造形層を形成するときに液体吐出手段から吐出した吐出液体量に基づいて平坦化手段の移動速度を制御することで、立体造形物の取り出し待ち時間の短縮と造形速度の向上とを図ることができる。
この場合、吐出液体量が所定量以上であるときには、平坦化手段の移動速度を、所定量未満であるときの移動速度よりも遅い速度とすることで、確実に加熱時間を確保して乾燥することができる。
次に、本発明の第4実施形態について図14及び図15を参照して説明する。図14は同実施形態における平坦化ローラの戻し速度の制御の説明に供する平面説明図、図15は同じく造形層の積層数と戻し速度の関係の一例の説明に供する説明図である。
本実施形態では、積層方向で重なる領域を有して連続する造形層30を形成するときに、重なる領域に吐出した吐出液体量に応じて平坦化ローラ12を戻すときの造形槽22上での戻し速度vを変更するようにしている。
ここでは、重なる領域に吐出した吐出液体量を、積層方向で重なる領域を有して連続する造形層30の積層数(これを「連続積層数」という。)Lをカウントして得ている。そして、例えば、造形層30の連続積層数Lが所定値L1未満である間は戻し速度vを速度v2として、所定値L1以上(L≧L1)になったときは戻し速度vを速度v3(v3<v2)にする。
つまり、造形層30の面積自体が小さい場合でも、造形層30が同じ領域で積み重なるにつれて積み重ねられた複数の造形層30に含まれる造形液10の量が増えるので、乾燥しにくくなる。
例えば、図14の例では、第α層目の造形層30上に、第α層目の造形層30を含む形状(又は同じ形状)の第(α+1)層目の造形層30を造形し、同様の造形が繰り返され、第(α+n)層目の造形層30が造形されている。
このように、粉体層31を1層形成するごとに同じ領域に造形液10を吐出して造形層30を形成すると、造形層30の面積自体が小さい場合でも、1層の粉体層31の形成完了時の加熱だけでは造形液10がすべて乾燥しないことがある。つまり、造形層30が同じ領域で積み重なるにつれて、乾燥残りの造形液10の量が増えるので、乾燥しにくくなる。
そこで、例えば、図15に示すように、上記所定値L1を例えば4層(L1=4)に設定し、同じ領域における造形層30の連続積層数Lをカウントして、連続積層数Lが4層になったときには、平坦化ローラ12を戻すときの造形槽22上での移動速度vを速度v2よりも遅い速度v3にする。
これにより、同じ領域における造形層30の連続積層数Lが増加したときには、平坦化ローラ12による乾燥時間が長くなり、確実に造形層30を加熱乾燥することができる。
その後、図15に示す例では、平坦化ローラ12の戻し速度vを速度v2に戻している。つまり、連続積層数Lが所定値L1以上になって速度v3で平坦化ローラ12を戻したときには、連続積層数Lのカウント値をリセットしている。ただし、速度v3で所定回数戻したときに、連続積層数Lのカウント値をリセットして速度v2に戻すようにすることもできる。
これにより、粉体層を1層形成するごとに平坦化ローラ12を初期位置に戻す速度を遅くする必要がなくなる。
次に、本発明の第5実施形態について図16を参照して説明する。図16は同実施形態における平坦化ローラの戻し速度の制御の説明に供する平面説明図である。
本実施形態では、造形層30を造形するときに吐出された吐出液体量の分布に応じて平坦化ローラ12を戻すときの造形槽22上での戻し速度vを変更するようにしている。
例えば、図16に示すように、平坦化ローラ12が初期位置に戻る方向において所定長さ毎の複数の領域700に分割する(破線で区切られる領域)。そして、領域700内における造形液10の吐出液体量を、例えば、相対的に多い領域、中間の領域、少ない領域の三段階に分けている。
そこで、平坦化ローラ12の戻し速度vを、吐出液体量Maが多い領域700については速度v3、吐出液体量Maが中間の領域700については速度v5、吐出液体量Maが少ない領域700については速度v4(v3<v5<v4<v2)とする。なお、速度v2は供給槽21側での戻し速度vである。
つまり、1層の粉体層31の中で造形液10を吐出させる分布が大きく異なる場合がある。この場合、前記第3実施形態で説明したように、全体的な吐出液体量だけでは、乾燥が不十分になる領域が生じ、逆に、不要に乾燥を時間が長くなる領域が生じて効率的でない。
そこで、図16に示すように、造形層30の内、吐出液体量Maが相対的に多い領域700となる造形領域30aでは最も遅い速度v3で平坦化ローラ12を戻し、吐出液体量Maが相対的に少ない領域700となる造形領域30bでは最も速い速度v4で平坦化ローラ12を戻し、吐出液体量Maが相対的に中間の領域700となる造形領域30cでは中間の速度v5で平坦化ローラ12を戻す制御を行う。ただし、いずれの領域でも供給槽21側での戻し速度v2よりは遅くしている。
これにより、造形液10の吐出液体量の分布に応じた速度で平坦化ローラ12を移動させて、加熱時間の確保と戻し時間の短縮化を図ることができる。
なお、戻し速度の設定段階数は3段階に限らず、2段階でもよいし、あるいは4段階以上でもよい。
次に、本発明の第6実施形態について図17及び図18を参照して説明する。図17は同実施形態における平坦化ローラの戻し速度の制御の説明に供する平面説明図、図18は同じく造形層の積層数と戻し速度と造形液の吐出液体量の関係の一例の説明に供する説明図である。
本実施形態では、積層方向で重なる領域における造形層30の連続積層数Lと、同じ粉体層31内における造形液10の吐出液体量の分布とに応じて、平坦化ローラ12を戻すときの造形槽22上での戻し速度vを変更するようにしている。
すなわち、造形層30の連続積層数Lが所定値L1未満である間、及び、平坦化ローラ12が初期位置に戻る方向において所定長さ毎の複数の領域700における造形液10の吐出液体量Maが所定量Ma1未満であるときには、平坦化ローラ12を戻すときの造形槽22上での戻し速度vを速度v2とする。
一方、造形層30の連続積層数Lが所定値L1以上になったとき、或いは、平坦化ローラ12が初期位置に戻る方向において所定長さ毎の複数の領域700における造形液10の吐出液体量Maが所定量Ma1以上であるときには、平坦化ローラ12を戻すときの造形槽22上での戻し速度vを速度v3(v3<v2)とする。
例えば、図17に示すように、造形層30C〜30Fを造形した場合、平坦化ローラ12の移動方向において、造形層30C〜30Eが造形された領域Aと、造形層30がない領域Bと、造形層30Fが造形された領域Cとに分けることができる。
このとき、領域Aでは、図18(a)に示すように、1層の粉体層31に形成される造形層30C〜30Eを合わせた吐出液体量Maが所定量Ma1以上となる。領域Bでは、図18(b)に示すように、造形層30が造形されないので、連続積層数Lが所定値L1未満であり、かつ、吐出液体量Maが所定量Ma1未満となる。領域Cでは、図18(c)に示すように、造形層30Dの吐出液体量Maが所定量Ma1未満であるが、連続積層数Lが所定値L1(L1=3とする)以上になる。
そこで、領域Aでは、平坦化ローラ12の戻し速度vを速度v3にして移動させる。領域Bでは、平坦化ローラ12の戻し速度vを速度v2にして移動させる。領域Cでは、積層数Lが3層以上になるまでは平坦化ローラ12の戻し速度vを速度v2にして移動させ、3層以上になったときは平坦化ローラ12の戻し速度vを速度v3にして移動させる。
これにより、粉体層31を1層形成するごとに平坦化ローラ12を初期位置に戻す速度を遅くする必要がなくなり、造形層30の分布によって必要な箇所にだけ乾燥時間を長くすることができる。
なお、戻し速度を変更する着弾面積の段階を3段階以上とすることもできる。また、戻し速度を変更する積層数も2層、あるいは、4層以上とすることもできる。また、戻し速度を変更した後、所定回数は変更後の速度で戻した後、リセットするようにすることもできる。
上述した各実施形態における平坦化ローラの戻し速度の制御は主制御部500AのCPU501がROM502に格納されたプログラムに従って実行する。
また、平坦化部材の戻し速度の変更を行う前述した造形液の吐出液体量の所定量や連続積層数の所定値は、ホスト600や操作パネル522によって設定データを入力することで変更することができる。
次に、立体造形装置の第2例について図19及び図20を参照して説明する。図19は同装置の要部斜視説明図、図20は同じく造形の流れと共に説明する造形部の断面説明図である。
この立体造形装置は、粉体積層造形装置であり、前述した第1例の立体造形装置と同様に、粉体が結合された造形層が形成される造形部1と、造形部1に造形液の液滴を吐出して立体造形物を造形する造形手段としての造形ユニット5とを備えている。
造形部1は造形槽22のみを有し、粉体供給装置から造形槽22に粉体供給する構成としている。
造形ユニット5は、吐出ユニット51がガイド部材54、55で矢印X方向(これを「主走査方向」とする。)に往復移動可能に支持されている。
なお、その他の構成は前記第1例の立体造形装置と同様である。
この立体造形装置では、図20(a)に示すように、造形槽22の造形ステージ24上に供給された粉体20に吐出ユニット51のヘッド50から造形液10の液滴を吐出して造形層30を形成する。
このとき、吐出ユニット51を主走査方向に移動させて1スキャン分(1走査領域分)の造形を行い、その後、造形ユニット5を副走査方向(Y1方向)に1スキャン分移動させ、次の1走査領域分の造形を行うことを繰り返して、1層分の造形層30を造形する。なお、1層分の造形層30を造形後に造形ユニット5は図20(b)に示すように副走査方向上流側まで戻される。
その後、この造形層30上に次の造形層30を形成するために造形槽22の造形ステージ24を1層分の厚み分だけ矢印Z2方向に下降させる。
次いで、図20(b)に示すように、造形槽22に粉体供給装置から粉体20を供給する。そして、平坦化ローラ12を回転しながら造形槽22の造形ステージ24のステージ面に沿ってY2方向に移動させ、造形ステージ24の造形層30上で所定の厚さになる粉体層31を形成する(平坦化)。
そして、吐出ユニット51のヘッド50から造形液10の液滴を吐出して次の造形層30を形成する。
このように、粉体層31の形成と造形液10の吐出による粉体20の固化とを繰り返して造形層30を順次積層して立体造形物を造形する。
1 造形部
5 造形ユニット
10 造形液
12 平坦化ローラ(平坦化手段、回転体)
20 粉体
21 供給槽
22 造形槽
23 供給ステージ
24 造形ステージ
30 造形層
31 粉体層
50 液体吐出ヘッド
51 吐出ユニット

Claims (8)

  1. 粉体が供給されて粉体層が形成され、前記粉体層の粉体が結合された造形層が積層形成される造形槽と、
    往復移動可能に配置され、前記造形槽における前記粉体の表面を平坦化して前記粉体層を形成する平坦化部材と、
    前記造形槽の前記粉体層に対して造形液を吐出して前記造形層を形成する液体吐出手段と、
    前記平坦化部材を加熱する加熱手段と、
    前記平坦化部材を、前記加熱手段で加熱した状態で、前記造形層上の前記粉体に接触させて移動させる手段と、を有し、
    積層方向で重なる領域を有して連続する前記造形層を形成するときに、前記重なる領域に前記液体吐出手段から吐出した液体量が所定量以上になったときには、前記平坦化手段の移動速度を、前記所定量未満であるときの移動速度よりも遅い速度とする制御をする
    ことを特徴とする立体造形装置。
  2. 前記積層方向で重なる連続する前記造形層の積層数が所定値以上になったときに、前記平坦化手段の移動速度を、前記積層数が所定値未満であるときの移動速度よりも遅い速度とする制御をする
    ことを特徴とする請求項に記載の立体造形装置。
  3. 粉体が供給されて粉体層が形成され、前記粉体層の粉体が結合された造形層が積層形成される造形槽と、
    往復移動可能に配置され、前記造形槽における前記粉体の表面を平坦化して前記粉体層を形成する平坦化部材と、
    前記造形槽の前記粉体層に対して造形液を吐出して前記造形層を形成する液体吐出手段と、
    前記平坦化部材を加熱する加熱手段と、
    前記平坦化部材を、前記加熱手段で加熱した状態で、前記造形層上の前記粉体に接触させて移動させる手段と、を有し、
    前記平坦化手段を初期位置側に戻すときに、前記平坦化手段を前記加熱手段で加熱した状態にする
    ことを特徴とする立体造形装置。
  4. 前記加熱手段による前記平坦化手段の加熱温度を変更させる手段を備えている
    ことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の立体造形装置。
  5. 粉体が供給されて粉体層が形成され、前記粉体層の粉体が結合された造形層が積層形成される造形槽と、
    往復移動可能に配置され、前記造形槽における前記粉体の表面を平坦化して前記粉体層を形成する平坦化部材と、
    前記造形槽の前記粉体層に対して造形液を吐出して前記造形層を形成する液体吐出手段と、
    前記平坦化部材を加熱する加熱手段と、を有する立体造形装置による立体造形方法であって、
    前記平坦化部材を、前記加熱手段で加熱した状態で、前記造形層上の前記粉体に接触させて移動させ
    積層方向で重なる領域を有して連続する前記造形層を形成するときに、前記重なる領域に前記液体吐出手段から吐出した液体量が所定量以上になったときには、前記平坦化手段の移動速度を、前記所定量未満であるときの移動速度よりも遅い速度とする
    ことを特徴とする立体造形方法。
  6. 粉体が供給されて粉体層が形成され、前記粉体層の粉体が結合された造形層が積層形成される造形槽と、
    往復移動可能に配置され、前記造形槽における前記粉体の表面を平坦化して前記粉体層を形成する平坦化部材と、
    前記造形槽の前記粉体層に対して造形液を吐出して前記造形層を形成する液体吐出手段と、
    前記平坦化部材を加熱する加熱手段と、を有する立体造形装置による立体造形方法であって、
    前記平坦化部材を、前記加熱手段で加熱した状態で、前記造形層上の前記粉体に接触させて移動させ、
    前記平坦化手段を初期位置側に戻すときに、前記平坦化手段を前記加熱手段で加熱した状態にする
    ことを特徴とする立体造形方法。
  7. 粉体が供給されて粉体層が形成され、前記粉体層の粉体が結合された造形層が積層形成される造形槽と、
    往復移動可能に配置され、前記造形槽における前記粉体の表面を平坦化して前記粉体層を形成する平坦化部材と、
    前記造形槽の前記粉体層に対して造形液を吐出して前記造形層を形成する液体吐出手段と、
    前記平坦化部材を加熱する加熱手段と、
    を有する立体造形装置による立体造形動作の制御をコンピュータに行わせるためのプログラムであって、
    前記平坦化部材を、前記加熱手段で加熱した状態で、前記造形層上の前記粉体に接触させて移動させ
    積層方向で重なる領域を有して連続する前記造形層を形成するときに、前記重なる領域に前記液体吐出手段から吐出した液体量が所定量以上になったときには、前記平坦化手段の移動速度を、前記所定量未満であるときの移動速度よりも遅い速度とする制御をする処理をコンピュータに行わせるためのプログラム。
  8. 粉体が供給されて粉体層が形成され、前記粉体層の粉体が結合された造形層が積層形成される造形槽と、
    往復移動可能に配置され、前記造形槽における前記粉体の表面を平坦化して前記粉体層を形成する平坦化部材と、
    前記造形槽の前記粉体層に対して造形液を吐出して前記造形層を形成する液体吐出手段と、
    前記平坦化部材を加熱する加熱手段と、
    を有する立体造形装置による立体造形動作の制御をコンピュータに行わせるためのプログラムであって、
    前記平坦化部材を、前記加熱手段で加熱した状態で、前記造形層上の前記粉体に接触させて移動させ、
    前記平坦化手段を初期位置側に戻すときに、前記平坦化手段を前記加熱手段で加熱した状態にする処理をコンピュータに行わせるためのプログラム。
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