JP2013176893A - 立体造形装置 - Google Patents

立体造形装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2013176893A
JP2013176893A JP2012041924A JP2012041924A JP2013176893A JP 2013176893 A JP2013176893 A JP 2013176893A JP 2012041924 A JP2012041924 A JP 2012041924A JP 2012041924 A JP2012041924 A JP 2012041924A JP 2013176893 A JP2013176893 A JP 2013176893A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heating
powder
modeling
unit
dimensional
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012041924A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuya Ezaka
竜也 江坂
Eiichi Fujiwara
栄一 藤原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP2012041924A priority Critical patent/JP2013176893A/ja
Publication of JP2013176893A publication Critical patent/JP2013176893A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】造形層の乾燥を制御し、効率良く立体造形物を造形することができる立体造形装置を提供する。
【解決手段】立体造形装置のCPUは、造形データに基づきステージ面に印刷される印刷面積を算出し(S5)、テーブル記憶領域に記憶されている印刷面積テーブルに従い、粉体加熱部による加熱条件を決定する(S6)。CPUは、造形データに基づきステージ面の印刷位置を算出し(S7)、テーブル記憶領域に記憶されている加熱位置テーブルに従い、粉体加熱部による加熱位置を決定する(S8)。全ての層の加熱条件、加熱位置を決定し、これを乾燥条件とし印刷を実行する。
【選択図】図12

Description

本発明は、立体造形物を造形する立体造形装置に関する。
従来、立体的な造形対象物を平行な複数の面で切断した各断面に対応する粉末の薄層を結合剤(以下、バインダという。)により順次結合させることによって、造形対象物の三次元モデルとなる造形物を生成する技術が知られている。このような技術は、ラピッドプロトタイピングと呼ばれる試作に利用することができる。
例えば、特許文献1には、バインダを吐出する吐出手段により吐出されたバインダの領域を乾燥させる手段を有する三次元造形装置(立体造形装置に相当)が開示されている。まず、この装置では、ブレード機構により粉末の薄層を平らな表面上に均一に拡げる。次に、この粉末の薄層における所定の領域に対して、ノズルヘッドを走査させてバインダを吐出する。バインダが吐出された領域の粉末材料は、乾燥され、接合状態となるとともに、既に形成済の下層とも結合する。そして、造形物全体が完成するまで、粉末層を上部に順次堆積させて、バインダを吐出する工程を繰り返す。最終的に、バインダが付着されなかった領域は、粉末が個々に独立した状態、すなわち互いに非結合な状態であるため、作業者が造形物を装置から取り出す際に落下させることで分離する。これにより、所望の三次元造形物が得られる。
特開2001−150556号公報
しかしながら、バインダ吐出手段により吐出されたバインダの領域を乾燥させるために、乾燥プロセスを追加することにより、立体造形物の造形時間が長くなり、立体造形物を造形する効率が下がるという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、造形層の乾燥を制御し、効率良く立体造形物を造形することができる立体造形装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様の立体造形装置は、造形液と混合することで固化する立体造形粉体が載置されるステージ面と、前記ステージ面又は前記ステージ面の一端部の外側に設けられ、前記立体造形粉体が供給される供給部と、前記供給部に前記立体造形粉体を供給可能な粉体供給手段と、前記ステージ面に対し、前記ステージ面に平行な一方向である第一方向に相対移動することで、前記粉体供給手段によって前記供給部に供給された前記立体造形粉体を前記ステージ面上に拡げつつ、前記立体造形粉体の表面を平坦化して前記立体造形粉体の層である粉体層を形成可能な平坦化手段と、前記平坦化手段によって形成された前記粉体層に前記造形液を吐出して前記立体造形粉体を固化して造形層を造形可能な吐出手段と、前記ステージ面に垂直な方向における、前記ステージ面と前記平坦化手段との間の距離を変更する昇降手段とを備え、立体造形物の形状を示す造形データに基づき、前記粉体供給手段による前記立体造形粉体の供給と、前記平坦化手段による前記粉体層の形成と、前記吐出手段による前記造形層の造形と、前記昇降手段による前記ステージ面と前記平坦化手段との間の距離の変更とを繰り返すことで、前記造形層が積層された前記立体造形物を作成する立体造形装置であって、前記ステージ面に造形された前記造形層を乾燥させるために前記造形層又は前記立体造形粉体を加熱する加熱手段と、前記ステージ面において、前記加熱手段によって加熱される前記造形層の加熱位置を前記造形データに基づき決定する加熱位置決定手段と、前記加熱手段による加熱強度、又は加熱時間である加熱条件を前記造形データに基づき決定する加熱条件決定手段と、前記加熱位置決定手段にて決定された前記加熱位置と、前記加熱条件決定手段により決定される前記加熱条件とに基づいて、前記加熱手段を制御する加熱制御手段とを備える。
この場合、立体造形物の形状を示す造形データに基づき、粉体供給手段による立体造形粉体の供給と、平坦化手段による粉体層の形成と、吐出手段による造形層の造形と、昇降手段によるステージ面と平坦化手段との間の距離の変更とを繰り返し、造形層が積層された立体造形物を作成する。吐出手段により造形された造形層のうち加熱位置決定手段により決定された加熱位置を加熱手段により加熱することで乾燥させる。加熱による乾燥のプロセスを追加することで、一般的には、立体造形物の造形に要する時間が増大する、又は立体造形物の造形に要するエネルギー(例えば、立体造形装置の消費電力など)が増大するなどのデメリットがある。しかしながら、予め造形層の加熱位置を絞ることにより、加熱手段による加熱を必要最小限にとどめることができ、ひいては立体造形物を効率的に造形することができる。
前記立体造形装置において、前記ステージ面において、前記造形層の印刷領域の面積を算出する印刷面積算出手段を備え、前記印刷面積算出手段によって算出された前記造形層の前記印刷領域の面積に応じて、前記加熱条件決定手段は前記加熱条件を決定してもよい。この場合、印刷面積算出手段により、加熱による乾燥が必要な印刷領域の面積が算出される。算出された印刷領域の面積の大きさに応じて、加熱手段による加熱条件を決定することができる。例えば、印刷領域の面積が小さい場合には加熱手段による加熱の時間を短くするように加熱条件を決定することができ、印刷領域面積に応じて加熱手段による加熱を必要最小限に抑えることができる。
前記立体造形装置において、前記印刷面積算出手段によって算出された前記造形層の前記印刷領域の面積が所定値より小さい場合、前記加熱条件決定手段は前記加熱手段による加熱の加熱温度を下げる、又は加熱時間を短くするように前記加熱条件を決定してもよい。この場合、印刷面積算出手段によって算出された印刷領域の面積の大きさが、所定値より小さい場合、加熱手段による加熱の加熱温度を下げる、又は加熱時間を短くするように加熱条件を決定することができる。これにより、加熱手段による加熱を必要最小限に抑えることができる。
前記立体造形装置において、前記造形層の積層ピッチに応じて、前記加熱条件決定手段は前記加熱条件を決定してもよい。この場合、加熱による乾燥が必要な造形層の積層ピッチに応じて、加熱手段による加熱条件を決定することができる。例えば、積層ピッチの面積が小さい場合には加熱手段による加熱の時間を短くするように加熱条件を決定することができ、積層ピッチに応じて加熱手段による加熱を必要最小限に抑えることができる。
前記立体造形装置において、前記積層ピッチ記憶手段が記憶している前記造形層の前記積層ピッチが所定値より小さい場合、前記加熱条件決定手段は前記加熱手段による加熱の加熱温度を下げる、又は加熱時間を短くするように前記加熱条件を決定してもよい。この場合、加熱による乾燥が必要な造形層の積層ピッチの大きさが、所定値より小さい場合、加熱手段による加熱の加熱温度を下げる、又は加熱時間を短くするように加熱条件を決定することができる。これにより、加熱手段による加熱を必要最小限に抑えることができる。
前記立体造形装置において、前記加熱手段は、前記平坦化手段によって前記粉体層として積層される前記立体造形粉体を選択的に加熱するように設けられていてもよい。この場合、平坦化手段によって立体造形粉体を積層する前に、予め立体造形粉体を加熱しておくことによって、ステージ面上の立体造形粉体を均一に加熱することができ、均一に乾燥させることができる。また、立体造形粉体が積層された後の乾燥のプロセスを省略することができる。
前記立体造形装置において、前記加熱制御手段は、前記供給部に前記立体造形粉体を供給する前記粉体供給手段において前記立体造形粉体を加熱するように設けられていてもよい。この場合、供給部に立体造形粉体を供給する粉体供給手段の内部において立体造形粉体を加熱し、乾燥させる。積層された立体造形粉体を加熱する場合と比べて、より多くの立体造形粉体を均一に加熱することができる。
前記立体造形装置において、前記加熱制御手段は、前記供給部より前記立体造形粉体が落下する位置である粉体落下部を加熱するように設けられていてもよい。この場合、供給部にある立体造形粉体の全てを加熱する必要はなく、供給部から粉体落下部に落下した立体造形粉体のみを加熱し、乾燥させることができる。平坦化手段による平坦化に必要な量の立体造形粉体を加熱すればよいので、効率的に立体造形物を造形することができる。
前記立体造形装置において、前記加熱手段は前記平坦化手段に設けられており、前記平坦化手段は平坦化ローラからなり、前記加熱制御手段は、前記平坦化ローラを加熱するように前記加熱手段を制御してもよい。この場合、平坦化ローラによる平坦化と加熱手段の加熱による乾燥を同時に行うことができるので、立体造形物を造形する時間を短縮することができる。
前記立体造形装置において、前記平坦化手段によって形成された前記粉体層に前記吐出手段により前記造形液を吐出して前記立体造形粉体を固化して前記造形層を造形している場合において、前記加熱制御手段は、前記造形層の前記印刷領域を加熱するように前記加熱手段を制御してもよい。この場合、立体造形粉体を固化して造形層を造形している場合、印刷領域のみを加熱することによって、効率的に立体造形物を造形することができる。
前記立体造形装置において、前記加熱手段は、赤外線ランプが用いられ、前記吐出手段の近辺に装着されており、前記加熱制御手段は、前記吐出手段により造形された直後の前記造形層の前記印刷領域を加熱するように前記加熱手段を制御してもよい。この場合、吐出手段の移動方向の後方側に設けられた赤外線ランプによって、吐出手段により造形された直後の造形層を加熱することができる。造形層が造形された直後に乾燥することができるので、効率的に立体造形物を造形することができる。
立体造形装置1の外観斜視図である。 造形台6の斜視図である。 図2におけるA−A線矢視方向断面図である。 粉体供給部15の斜視図である。 立体造形装置1の内部構成を右側面から見た図である。 粉体供給部15および平坦化ローラ16の近傍の拡大斜視図である。 粉体落下部74に供給された立体造形粉体75を示す図である。 平坦化ローラ16によって平坦化される立体造形粉体75を示す図である。 立体造形装置1の電気的構成を示すブロック図である。 印刷面積テーブル321の概念図である。 加熱位置テーブル322の概念図である。 第一加熱データ作成処理のフローチャートである。 積層ピッチテーブル323の概念図である。 第二加熱データ作成処理のフローチャートである。 赤外線ランプ49A、49Bが造形層を加熱する例を示した図である。
以下、本発明の第一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、参照する図面は、本発明が採用し得る技術的特徴を説明するために用いられるものである。以下の説明では、図1及び図2の紙面左下側、右上側、左側、右側、上側、下側を、それぞれ立体造形装置1の前側、後側、左側、右側、上側、下側と定義して説明する。また、立体造形装置1の右方をX座標の正方向、後方をY座標の正方向、上方をZ座標の正方向とする。
本発明の立体造形装置1は、造形層を乾燥させつつ立体造形物を造形する。図1を参照して、立体造形装置1の概略構成について説明する。立体造形装置1は、立体造形物の形状を示す造形データに従ってヘッド20等を駆動することで、立体造形物を造形することができる。パーソナルコンピュータ(以下、「PC」という。)100は、造形データを作成し、ネットワーク等を介して立体造形装置1に送信する。立体造形装置1は、PC100から受信した造形データに従って立体造形物を造形する。なお、立体造形装置1は造形データを他のデバイスから取得し、作業者は立体造形装置1が取得した造形データを編集することができる。
図1に示すように、立体造形装置1は、土台2と、造形台6と、粉体供給部15と、平坦化ローラ16と、ヘッド20と、粉体回収部23、赤外線ランプ49A、49Bとを主に備える。土台2は、左右方向(X軸方向)を長手方向とする矩形板状に形成されており、立体造形装置1の全体を支持する。造形台6はステージ11を備えている。ステージ11の上面をステージ面110という(図2参照)。ステージ面110上で立体造形物が造形される。粉体供給部15は、造形台6の供給面14(後述)上に立体造形粉体を供給する。例えば、この供給される立体造形粉体は、粉体加熱部50(後述)により加熱可能である。平坦化ローラ16は、供給面14上に供給された立体造形粉体をステージ面110上に拡げつつ、立体造形粉体の表面を平坦化して立体造形粉体の層(以下、「粉体層」という。)を形成する。また、平坦化ローラ16は、回転軸17の内部に左右方向に延びる棒状の加熱部116(図5、6参照)を備え、内部に立体造形粉体をステージ面110上に拡げながら加熱することが可能である。ヘッド20は、ステージ面110上に形成された粉体層に造形液を吐出する。ヘッド20には、左右に赤外線ランプ49A、49Bが設けられている。粉体回収部23は、ステージ面110上で固化せずに残存した立体造形物周辺の余分な立体造形粉体(以下、「未硬化粉体」という。)を回収する。以下、各構成について説明する。
造形台6について説明する。図2に示すように、造形台6は、造形台6を支持する基部7と、基部7の上部に支持される枠部9とを備える。基部7の左右の各々には、前後方向(Y軸方向)に貫通する貫通孔8が形成されている。図1に示すように、土台2の略中央には、前後方向に平行に延びる2本のレール3が設けられている。2本のレール3は、土台2の前端部に設けられた支持部4と、後端部に設けられた支持部(図示せず)とによって、土台2の上面から所定の高さで支持されている。2本のレール3の各々は、造形台6の基部7に形成された2つの貫通孔8(図2参照)の各々を貫通する。さらに、土台2の後端部には、造形台6を前後動させるための造形台前後動モータ41(図9参照)が設けられる。造形台前後動モータ41が駆動すると、キャリッジベルト(図示せず)を介して動力が造形台6に伝わり、造形台6は2本のレール3に沿って前後方向(Y軸方向)に移動する。つまり、造形台前後動モータ41が駆動すると、粉体供給部15、平坦化ローラ16、およびヘッド20は、造形台6のステージ面110に対して前後方向(ステージ面110と平行な方向)に相対移動する。
図2に示すように、枠部9は、略立方体の箱型形状を成す。枠部9は、上面が開放された平面視矩形状の凹部であるステージ保持部10を備えている。ステージ保持部10の内側には、立体造形物が造形されるステージ11が昇降可能に保持されている。ステージ11の周囲には、前側の壁部である前壁901、後側の壁部である後壁902、左側の壁部である左壁903、及び右側の壁部である右壁904が設けられている。各壁901〜904は、ステージ保持部10の一部であり、ステージ面110に接し、且つステージ面110の昇降範囲の外周を取り囲む。枠部9の上面の前部には、粉体供給部15から立体造形粉体が供給される供給面14が設けられている。言い換えると、供給面14は、ステージ面110の前端部の外側に設けられている。供給面14は、前方に向けて突出している。
枠部9の右側面には、未硬化粉体をステージ保持部10から粉体回収部23(図1参照)に導くための回収路12が接続している。ステージ保持部10の後方には、上面が開放された平面視矩形の凹部である粉体落下口13が設けられている。粉体落下口13には、平坦化ローラ16によって粉体層を形成する際に余った余剰粉体が落下する。粉体落下口13に落下した余剰粉体は、作業者によって、造形台6の上方に位置する粉体供給部15(図1、図4〜図6参照)内に戻される。しかし、立体造形装置1は、粉体落下口13に落下した余剰粉体を吸引等によって回収し、粉体供給部15に自動的に戻してもよい。
図3に示すように、ステージ11は、上部ステージ51および下部ステージ52を備える。上部ステージ51は矩形板状の部材であり、水平に配置される。上部ステージ51には、上下方向に貫通する孔71(図2参照)が複数設けられている。下部ステージ52は、上部ステージ51と略同一形状の板状部材であり、上部ステージ51の下方において上部ステージ51と平行に配置される。下部ステージ52にも、上部ステージ51と同様に複数の孔(図示せず)が設けられている。しかし、平面視において、上部ステージ51に設けられた孔71の位置と、下部ステージ52に設けられた孔の位置とが重複しないように、上部ステージ51および下部ステージ52が形成されている。従って、上部ステージ51に立体造形粉体が載置されると、孔71が設けられていない位置では、上部ステージ51の上面に立体造形粉体が堆積する。孔71が設けられている位置では、立体造形粉体は孔71から下部ステージ52に落下する。しかし、落下地点には下部ステージ52の孔は形成されていない。よって、上部ステージ51から落下した立体造形粉体は、下部ステージ52の上面に堆積する。その結果、ステージ面110上に立体造形粉体が堆積する。
下部ステージ52の下方には、上部ステージ51および下部ステージ52を支持する受け皿53が設けられている。受け皿53は、下部ステージ52の全体の下部を覆うように、平面視略矩形状に形成されている。受け皿53の右端部近傍における前後方向略中心には、下部ステージ52から落下した未硬化粉体を回収路12に導く誘導口55が形成されている。受け皿53は、誘導口55に近づく程高さが低くなるように傾斜している。誘導口55の鉛直下方には、回収路12の入口である回収口65が配置されている。
受け皿53の中心下部にはボールねじ57が接続している。ボールねじ57は、受け皿53から鉛直下方へ延び、ナット(図示せず)に装着されている。造形台6の下部には、ボールねじ57を回転させるためのステップモータであるステージ昇降モータ42(図9参照)が設けられている。ステージ昇降モータ42が駆動すると、ボールねじ57が回転して昇降し、ボールねじ57に接続している受け皿53が昇降する。その結果、受け皿53によって支持されているステージ11が昇降する。
立体造形装置1は、立体造形物を造形する場合、回収口65よりも高い位置にステージ11を位置させる。詳細には、立体造形装置1は、昇降範囲の上部からステージ面110を、造形、粉体平坦化を繰り返し、徐々に下降させながら立体造形物を造形する。立体造形装置1は、立体造形物の造形が完了すると、ステージ11を昇降範囲の下端まで下降させて、誘導口55を回収口65に連結する。次いで、粉体吸引モータを駆動し、受け皿53上や、孔71より未硬化の粉体を吸引させ、ステージ11に未硬化粉体が無くなるまで吸引を続ける。吸引された未硬化粉体は、誘導口55および回収口65を通じて回収される。
粉体供給部15について説明する。図4に示すように、粉体供給部15は、箱状部材151、粉体供給ローラ152、シャッター153、及び加熱部115を備えている。なお、図4では、粉体供給部15に固定されている板状のブレード18(図5参照)の図示は省略している。箱状部材151は、上方へ向けて徐々に前後方向の幅が広がる箱状に形成されており、内部に立体造形粉体を収容する。箱状部材151の下端には、左右方向に長い矩形状の開口154が設けられている。左右方向に延びる円柱状の粉体供給ローラ152は、箱状部材151の下端の開口154の内側に回転可能に設けられている。粉体供給ローラ152の回転軸(図示外)は、箱状部材151に回転可能に支持されている。粉体供給ローラ152の外周面には、左右方向(つまり、粉体供給ローラ152の軸線方向)に長く、且つ粉体供給ローラ152の中心に向かって凹んだ凹部155が設けられている。凹部155には、箱状部材151の内部に収納された立体造形粉体が溜まる。粉体供給ローラ152の凹部155以外の外周面は、箱状部材151の下端の開口154に隙間無く接触している。このため、箱状部材151に収容された立体造形粉体は、粉体供給ローラ152の凹部155以外の外周面と開口154との間からは落下しない。粉体供給ローラ152は、粉体供給モータ44(図9参照)の駆動によって一方向及び逆方向に回転する。粉体供給ローラ152が回転すると凹部155に溜まった立体造形粉体が供給面14に落下する。
シャッター153は、粉体供給ローラ152の下側において、粉体供給ローラ152の外周側面に沿って設けられている。シャッター153の左右方向の長さは、粉体供給ローラ152と略同一である。シャッター153は、シャッター駆動モータ47(図9参照)の駆動によって、左右方向に移動し、粉体供給ローラ152の凹部155を開閉する。加熱部115は、粉体供給部15の内部にあって、左右方向に延びる棒状に形成されている。また、加熱部115は、粉体供給部15の中の立体造形粉体を加熱することが可能である。
シャッター153が最も左端まで移動した場合、シャッター153によって、粉体供給ローラ152の外周側面の下部が全て覆われる。このため、仮に粉体供給ローラ152が回転しても、凹部155に溜まった立体造形粉体が下方に落下することがない。一方、シャッター153が右方向に移動した場合、図4に示すように、シャッター153が移動した左右方向(X軸方向)の長さ分、粉体供給ローラ152の外周面の下部が下方に露出される。このため、粉体供給ローラ152が回転すると、凹部155に溜まった立体造形粉体のうち、外部に露出する凹部155の左部(シャッター153が移動した左右方向の長さに対応する部分)から、粉体が落下する。これによって、シャッター153が移動した左右方向の長さ分の立体造形粉体が供給面14に供給される。このように、本実施形態では、シャッター153を移動させることで、確実に立体造形粉体の供給位置を変更できる。
平坦化ローラ16について説明する。平坦化ローラ16は、造形台6のステージ面110に対して、ステージ面110に平行な一方向(本実施形態では、後方向。以下、「平坦化方向」という。)に相対移動することで、供給面14上に供給された立体造形粉体をステージ面110上に均一に拡げつつ、粉体層を形成する。図5および図6に示すように、平坦化ローラ16の回転軸17は、ステージ面110と平行且つ平坦化方向に直交する方向(本実施形態ではX軸方向)に延びる。回転軸17は、粉体回収部23(図1参照)に配置されたローラ回転モータ43(図9参照)に接続している。ローラ回転モータ43が駆動すると、平坦化ローラ16は、図6に示す矢印方向(右側面視反時計回りの方向)に回転する。立体造形装置1は、粉体層を形成する場合、平坦化ローラ16を回転させながら造形台6を後方から前方へ(Y軸の負の方向へ)移動させる。その結果、供給面14に載置された立体造形粉体は、平坦化ローラ16によってステージ面110に均一に拡げられつつ、平坦化される。また、上述したように、平坦化と同時に加熱部116による加熱を行うことも可能である。尚、加熱部116は、平坦化ローラ16の内部にあって左右方向に延びる棒状に形成されているが、平坦化ローラ16の表面近く内側に筒状に左右方向に形成されてもよい。
図5および図6に示すように、粉体供給部15の箱状部材151の正面には板状のブレード18が固定されている。平坦化ローラ16の表面に付着した立体造形粉体は、ブレード18によって除去される。
ヘッド20(図1参照)について説明する。図示しないが、ヘッド20は、シアンヘッド、マゼンタヘッド、イエローヘッド、ブラックヘッド、およびクリアヘッドを備える。立体造形装置1の左胴部25(図1参照)の内部には、シアン造形液、マゼンタ造形液、イエロー造形液、ブラック造形液、およびクリア造形液(無色の造形液)の各々を収容した複数のタンクが装着されている。ヘッド20が備える各色のヘッドの各々は、可撓性を有するチューブ(図示せず)によって、対応する色の造形液を収容したタンクに接続されている。ヘッド20は、CPU30(図9参照)の制御によって、各色の造形液を粉体層に吐出する。なお、前記ヘッド20は、造形液用のクリアヘッドと着色用のヘッドを含めばいかなるものであってもよく、例えば、シアンヘッド、マゼンタヘッド、イエローヘッド、クリアヘッドの合計4つのヘッドを備えていてもよい。この場合、印刷用のブラックヘッドをクリアヘッドとして代用することでも実施でき、量産などによる低コスト化が期待できる。尚、ヘッド20には、左右に赤外線ランプ49A、49Bが設けられているが、詳しくは後述する。
図1に示すように、造形台6の上方、且つ粉体供給部15の前方には、ヘッド20のX軸方向の移動を案内するためのガイドレール21が設けられている。ガイドレール21は、立体造形装置1の左胴部25の右側面から右方へ真っ直ぐに水平に延び、粉体回収部23の左側面に接続されている。ガイドレール21は、ヘッド20を左右方向に貫通しており、ヘッド20はガイドレール21に沿って左右に移動できる。立体造形装置1の左胴部25には、ヘッド20を移動させるためのヘッド移動モータ45(図9参照)が設けられている。ヘッド移動モータ45が駆動すると、キャリッジベルト(図示せず)を介して動力がヘッド20に伝わり、ヘッド20が左右方向(X軸方向)に移動する。
図1に示すように、粉体回収部23は、造形台6と右胴部26との間に配置される。粉体回収部23は、造形台6のステージ保持部10(図2および図3参照)内の未硬化粉体を吸引するための粉体吸引ポンプ48(図9参照)を備える。粉体吸引ポンプ48が吸引を開始すると、ステージ保持部10内の未硬化粉体は、回収路12(図2、図3、および図6参照)および粉体回収部23を通じて、粉体供給部15の箱状部材151に戻される。
次に、図7、8を参照して、造形層76を形成する前に、立体造形粉体75を粉体加熱部50によって加熱する例について説明する。図7、8は、図1における立体造形装置を右側面から見た図である。図7に示すように、粉体加熱部50は、粉体供給部15の加熱部115、平坦化ローラ16の加熱部116、粉体落下部74に落下した立体造形粉体75を加熱する左右方向に長い角柱状に形成された加熱部73を含む。粉体供給部15の加熱部115は、粉体供給部15の中にある立体造形粉体75を加熱する。粉体供給部15で加熱された立体造形粉体75が粉体落下部74に落下し、平坦化ローラ16によってQ方向(図8参照)に平坦化される。
また、平坦化ローラ16の加熱部116は、ステージ面110において、粉体供給部15から粉体落下部74に落下した立体造形粉体75をQ方向に平坦化しながら加熱する。また、加熱部73は、粉体供給部15から粉体落下部74に落下した立体造形粉体75を加熱する。粉体落下部74で加熱された立体造形粉体75は、平坦化ローラ16によってQ方向に平坦化される。例えば、粉体加熱部50の一例として、石英管ヒータ等を利用することがある。尚、粉体加熱部50は、加熱部115、加熱部116、加熱部73のうち少なくとも一つを含む構成であってもよい。また、粉体加熱部50は、全体加熱だけでなく、左右方向に領域を選択して加熱できるよう、左右方向に分割配置されていてもよい。
図9を参照して、立体造形装置1の電気的構成について説明する。立体造形装置1は、立体造形装置1の制御を司るCPU30を備える。CPU30には、RAM31、ROM32、モータ駆動部33、ヘッド駆動部35、粉体吸引ポンプ48、操作パネル27、外部通信I/F37、および加熱制御部38が、バス39を介して接続されている。
RAM31には、PC100から受信した造形データ等の各種データが一時的に記憶される。ROM32には、立体造形装置1の動作を制御するための制御プログラム、初期値等が記憶されている。モータ駆動部33は、造形台前後動モータ41、ステージ昇降モータ42、ローラ回転モータ43、粉体供給モータ44、ヘッド移動モータ45、及びシャッター駆動モータ47の各々の動作を制御する。また、ROM32は、テーブル記憶領域320を備えている。加熱制御部38は、粉体加熱部50を制御する。例えば、粉体加熱部50は、電気ヒータにより加熱を行う構造であって、石英管ヒータなどが利用される。ヘッド駆動部35はヘッド20に接続しており、ヘッド20の各吐出チャンネルに設けられた圧電素子を駆動し、造形液を吐出する。外部通信I/F37は、立体造形装置1をPC100等の外部機器に接続する。なお、立体造形装置1は、USBインタフェース、インターネット等を介して、他のデバイス(例えば、USBメモリ、サーバ等)からデータを取得することも可能である。
図10を参照して、印刷面積テーブル321について説明する。立体造形装置1のCPU30は、印刷面積テーブル321を参照し、ヘッド20により印刷される印刷面積に応じて粉体加熱部50の加熱温度や加熱時間を制御する。この印刷面積テーブル321は、予め実験を行って最適な加熱条件となるように定められている。印刷面積テーブル321は、立体造形装置1のROM32のテーブル記憶領域320に記憶されている。印刷面積テーブル321には、印刷面積と、加熱条件である加熱温度と加熱時間とが各々対応づけられて記憶されている。印刷面積は、ステージ面110上に形成された粉体層のXY面における印刷面積である。加熱温度は、例えば、印刷前に、粉体供給部15の中にある立体造形粉体を加熱部115(図7参照)により加熱する温度である。加熱時間は、例えば、印刷前に、粉体供給部15の中にある立体造形粉体を加熱部115により加熱する時間である。例えば、印刷面積が1cm以上〜5cm未満の場合、加熱温度は50℃、加熱時間は10秒となるように加熱制御部38は粉体加熱部50である加熱部115を制御する。また、印刷面積が1cm未満の場合、加熱を行わないようにするため、加熱制御部38は加熱部115による加熱を行わないように制御する。尚、加熱温度(加熱強度)は、所定の値で一定で、加熱時間のみ印刷面積に応じて決められていてもよいし、また、加熱時間は、一定であったり、特に、規定しないで、加熱温度(加熱強度)のみ印刷面積に応じて決められていてもよい。
図11を参照して、加熱位置テーブル322について説明する。立体造形装置1のCPU30は、加熱位置テーブル322を参照し、ヘッド20により印刷されるステージ面110上の位置に応じて粉体加熱部50による加熱の位置を制御する。この加熱位置テーブル322は、予め実験を行って最適な加熱条件となるように定められている。加熱位置テーブル322は、立体造形装置1のROM32のテーブル記憶領域320に記憶されている。加熱位置テーブル322には、例えば、ステージ面110に形成された粉体層の位置と、平坦化ローラ16の加熱部116による加熱位置が対応付けられて記憶されている。例えば、加熱部116が加熱する位置は、ステージ面110の左部110L、中央部110C、右部110Rの3つであり、加熱をする場合はON、加熱を行わない場合はOFFである。例えば、ステージ面110内の粉体層の位置が左部110Lと中央部110Cである場合、つまりL+Cである場合、左部110Lと中央部110Cに対応する位置を加熱するように加熱制御部38は加熱部116を制御する。
図12を参照して、立体造形装置1が実行する第一加熱データ作成処理について説明する。前述したように、立体造形装置1のROM32には、立体造形装置1の動作を制御するための制御プログラムが記憶されている。立体造形装置1のCPU30は、造形の開始指示を入力すると、制御プログラムに従って、図12に示す第一加熱データ作成処理を実行する。
図12に示すように第1加熱データ作成処理では、まず、作業者によって指定された立体造形物の形状を示す造形データが取得される(S1)。なお、この造形データは、予めPC100に備えられているハードディスク(HDD)等に記憶されている造形データでもよいし、作業者が作成した三次元形状のデータであってもよい。次いで、立体造形物を造形する際の積層ピッチが、作業者による操作パネル27の操作によって決定される(S2)。例えば、操作パネル27に表示された80μm、100μm、200μmを表す3つのアイコンから作業者が選択することによって積層ピッチが決定される。積層ピッチが小さいほど、立体造形物を造形するのに要する時間はかかるが、立体造形物をより精密に造形することができる。CPU30は、S2で決定された積層ピッチに従って、S1において取得された造形データを層別に分割する(S3)。例えば、立体造形物のZ軸方向の長さが1cm、積層ピッチが100μmである場合、層の全数は100になる。次いで、CPU30は、積層順Nを1に設定する(S4)。CPU30は、積層順Nのステージ面110における印刷面積を積層順Nの造形データを参照して算出する(S5)。
CPU30は、テーブル記憶領域320に記憶されている印刷面積テーブル321(図10参照)に従って加熱条件を決定する(S6)。S5において算出された印刷面積に従い、印刷面積テーブル321を参照して、加熱温度、加熱時間を決定する。例えば、印刷面積が5cm以上〜25cm未満の場合、加熱温度は60℃、加熱時間は20秒である。CPU30は、積層順Nの造形データを参照してステージ面110内の印刷位置を算出する(S7)。テーブル記憶領域320に記憶されている加熱位置テーブル322(図11参照)に従って加熱位置を決定する(S8)。S7において算出された印刷位置に従い、加熱位置テーブル322を参照して加熱位置を決定する。例えば、ステージ面110内の印刷位置がC+Rである場合、ステージ面110の中央部110Cと右部110Rに対応する位置を加熱するように加熱制御部38は加熱部116を制御する。CPU30は、全ての層の加熱条件、加熱位置を決定したか否を判断する(S9)。CPU30は、全ての層の加熱条件、加熱位置を決定していないと判断した場合(S9:NO)、積層順Nがインクリメントされて(S10)、処理はS5に戻り、一つ上の層の造形データに対応する加熱データが作成される(S5〜S8)。CPU30は、全ての層の加熱条件、加熱位置を決定したと判断した場合(S9:YES)、決定された加熱条件、加熱位置を乾燥条件としてRAM31に記憶させ、第一加熱データ作成処理を終了する。第一加熱データ作成処理において決定されRAM31に記憶された乾燥条件に基づいて印刷を実行する。また、各層の造形の間に加熱条件を決め、加熱してもよい。例えば、S5の処理の前に加熱を実行する処理があってもよい。
以上説明したように、本実施形態の立体造形装置1では、ステージ面110に印刷される印刷面積の大きさに従って、粉体加熱部50による加熱温度、又は加熱時間を制御することができる。また、粉体加熱部50は、ステージ面110を左部110L、中央部110C、右部110RというX軸の方向に分割した領域に分けられており、加熱制御部38は、印刷領域を含む領域のみを選択的に加熱するように粉体加熱部50を制御する。例えば、右部110Rに印刷される場合には、右部110Rを加熱するように、加熱制御部38は、粉体加熱部50を制御する。印刷面積の大きさ、積層ピッチの大きさや印刷位置に従って加熱制御部38が粉体加熱部50を制御することによって立体造形装置1による立体造形物の造形を短時間に効率良く行うことができる。
また、上記第一実施形態に種々の変更を加えることも可能である。以下の説明では、第一実施形態の変形例である第二実施形態について説明する。
図13、14を参照して、第二実施形態について説明する。第二実施形態では、第二加熱データ作成処理が、積層ピッチテーブル323(図13参照)と加熱位置テーブル322(図11参照)を参照して実行される。
図13を参照して、積層ピッチテーブル323について説明する。立体造形装置1のCPU30は、積層ピッチテーブル323を参照し、ステージ面110上に形成される粉体層のZ軸方向における粉体層の厚みに応じて粉体加熱部50の加熱温度や加熱時間を制御する。この積層ピッチテーブル323は、予め実験を行って最適な加熱条件となるように定められている。積層ピッチテーブル323は、立体造形装置1のROM32のテーブル記憶領域320に記憶されている。積層ピッチテーブル323には、積層ピッチと、加熱条件である加熱温度と加熱時間とが各々対応づけられて記憶されている。積層ピッチは、ステージ面110上に形成された粉体層のZ軸方向おける粉体層の厚みである。加熱温度は、粉体加熱部50によって加熱、乾燥されるステージ面110に形成された粉体層の温度である。加熱時間は、ステージ面110に形成された粉体層を乾燥する場合における粉体加熱部50による加熱の時間である。例えば、積層ピッチが100μmの場合、加熱温度は60℃、加熱時間は20秒となるように加熱制御部38は粉体加熱部50を制御する。
図14を参照して、立体造形装置1が実行する第二加熱データ作成処理について説明する。前述したように、立体造形装置1のROM32には、立体造形装置1の動作を制御するための制御プログラムが記憶されている。立体造形装置1のCPU30は、造形の開始指示を入力すると、制御プログラムに従って、図14に示す第二加熱データ作成処理を実行する。
図14に示すように第二加熱データ作成処理において実行されるS21〜S24の処理は、上述した第一加熱データ作成処理のS1〜S4と同じ処理である。次いで、CPU30は、テーブル記憶領域320に記憶されている積層ピッチテーブル323(図13参照)に従って、加熱条件を決定する(S25)。CPU30は、S22において決定された積層ピッチに従い、積層ピッチテーブル323を参照して、加熱温度、加熱時間を決定する。例えば、積層ピッチが200μmの場合、加熱温度は70℃、加熱時間は30秒である。続いて実行されるS26〜S29の処理は、上述した第一加熱データ作成処理のS7〜S10の処理と同じ処理である。
以上説明したように、第二実施形態の立体造形装置1では、第一実施形態の立体造形装置と異なる特徴として、ステージ面110に印刷される粉体層の積層ピッチの大きさによって粉体加熱部50による加熱の条件を決定しており、積層ピッチが大きくなるほど、加熱温度を上げ、加熱時間を長くするように粉体加熱部50の加熱温度や加熱時間を制御している。従って、積層ピッチの大きさが大きい場合であっても、粉体加熱部50の加熱条件を制御することによって立体造形装置1による立体造形物の造形を短時間に効率良く行うことができる。
以上の第一実施形態、第二実施形態では、造形層76を間接的に加熱し、乾燥を促進する例を説明してきたが、次に、図15を参照して、造形層76を、直接、乾燥させる例(第三実施形態)について説明する。図15は、図1における立体造形装置1を前面から見た図である。ステージ面110には第一粉体層111、第二粉体層112、第三粉体層113が形成されている。第一粉体層111は、第二粉体層112の上に堆積された立体造形粉体75にヘッド20から造形液77が吐出されることによって形成される造形層76が形成されている。同様に、第二粉体層112は、第三粉体層113の上に堆積された立体造形粉体75にヘッド20から造形液77が吐出されることによって形成される造形層(図示外)が形成されている。加熱手段によって、最上層に形成された造形層は加熱され、乾燥が促進される。例えば、図8に示す、造形層76は赤外線ランプ49A、又は49Bによって加熱され、乾燥が促進される。
加熱制御部38は、ステージ面110へ印刷する際のヘッド20の移動する方向に従って、赤外線ランプ49A、又は49Bの点灯、消灯を制御する。赤外線ランプ49A、49Bは、ヘッド20の近傍に取り付けられており、印刷と同期して加熱時間や加熱位置を制御することができる。印刷方向がA方向の場合は赤外線ランプ49Aを点灯し、印刷方向がB方向の場合は赤外線ランプ49Bを点灯する。印刷後の印刷位置を加熱するように赤外線ランプ49A、又は49Bを制御し、印刷と乾燥の工程を並行して進めることができる。これにより、立体造形物の造形の効率を上げることができる。尚、造形層76を直接、加熱し乾燥させる別の例として、平坦化ローラ16の前方(平坦化によって前方に押し出された粉体よりさらに前方)に平坦化ローラ16と連動し、平坦化ローラ16とほぼ同一の幅の領域を照射可能な赤外線ランプを備えていてもよい。この場合、印刷領域を通過する箇所の赤外線ランプのみを作動させることによって乾燥領域を限定することができ、効率良く乾燥をすることができる。尚、造形層を直接的、間接的に乾燥させるために、第一実施形態、第二実施形態、第三実施形態のいずれを採用してもよく、例えば、第一実施形態または、第二実施形態を採用する場合は、赤外線ランプ49A、49Bを省いてよい。また、より乾燥を速めるために、全ての実施形態を採用してもよいことは言うまでもない。
上記第一、第二実施形態において、立体造形装置1が、本発明の「立体造形装置」に相当する。供給面14が、本発明の「供給部」に相当する。粉体供給部15が、本発明の「粉体供給手段」に相当する。平坦化ローラ16が、本発明の「平坦化手段」に相当する。ヘッド20が、本発明の「吐出手段」に相当する。加熱制御部38が、本発明の「加熱制御手段」に相当する。ステージ昇降モータ42が、本発明の「昇降手段」に相当する。赤外線ランプ49A、赤外線ランプ49B、加熱部115、加熱部116、及び加熱部73が、本発明の「加熱手段」に相当する。粉体落下部74が、本発明の「粉体落下部」に相当する。ステージ面110が、本発明の「ステージ面」に相当する。印刷面積テーブル321が、本発明の「印刷面積記憶手段」に相当する。加熱位置テーブル322が、本発明の「加熱位置記憶手段」に相当する。S5の処理を実行するCPU30が、本発明の「印刷面積算出手段」に相当する。S8の処理を実行するCPU30が、本発明の「加熱位置決定手段」に相当する。S9の処理を実行するCPUが30、本発明の「加熱条件決定手段」に相当する。
なお、上記第一、第二実施形態で示した立体造形データ作成処理を、メーカが保有するサーバ等で実行してもよい。この場合、サーバが本発明の「立体造形データ作成処理」に相当する。
1 立体造形装置
14 供給面
15 粉体供給部
16 平坦化ローラ
20 ヘッド
30 CPU
38 加熱制御部
42 ステージ昇降モータ
49A 赤外線ランプ
49B 赤外線ランプ
50 粉体加熱部
73 加熱部
115 加熱部
116 加熱部
74 粉体落下部
110 ステージ面
321 印刷面積テーブル
322 加熱位置テーブル

Claims (11)

  1. 造形液と混合することで固化する立体造形粉体が載置されるステージ面と、
    前記ステージ面又は前記ステージ面の一端部の外側に設けられ、前記立体造形粉体が供給される供給部と、
    前記供給部に前記立体造形粉体を供給可能な粉体供給手段と、
    前記ステージ面に対し、前記ステージ面に平行な一方向である第一方向に相対移動することで、前記粉体供給手段によって前記供給部に供給された前記立体造形粉体を前記ステージ面上に拡げつつ、前記立体造形粉体の表面を平坦化して前記立体造形粉体の層である粉体層を形成可能な平坦化手段と、
    前記平坦化手段によって形成された前記粉体層に前記造形液を吐出して前記立体造形粉体を固化して造形層を造形可能な吐出手段と、
    前記ステージ面に垂直な方向における、前記ステージ面と前記平坦化手段との間の距離を変更する昇降手段とを備え、
    立体造形物の形状を示す造形データに基づき、前記粉体供給手段による前記立体造形粉体の供給と、前記平坦化手段による前記粉体層の形成と、前記吐出手段による前記造形層の造形と、前記昇降手段による前記ステージ面と前記平坦化手段との間の距離の変更とを繰り返すことで、前記造形層が積層された前記立体造形物を作成する立体造形装置であって、
    前記ステージ面に造形された前記造形層を乾燥させるために前記造形層又は前記立体造形粉体を加熱する加熱手段と、
    前記ステージ面において、前記加熱手段によって加熱される前記造形層の加熱位置を前記造形データに基づき決定する加熱位置決定手段と、
    前記加熱手段による加熱強度、又は加熱時間である加熱条件を前記造形データに基づき決定する加熱条件決定手段と、
    前記加熱位置決定手段にて決定された前記加熱位置と、前記加熱条件決定手段により決定される前記加熱条件とに基づいて、前記加熱手段を制御する加熱制御手段と
    を備えることを特徴とする立体造形装置。
  2. 前記ステージ面において、前記造形層の印刷領域の面積を算出する印刷面積算出手段を備え、
    前記印刷面積算出手段によって算出された前記造形層の前記印刷領域の面積に応じて、前記加熱条件決定手段は前記加熱条件を決定することを特徴とする請求項1に記載の立体造形装置。
  3. 前記印刷面積算出手段によって算出された前記造形層の前記印刷領域の面積が所定値より小さい場合、前記加熱条件決定手段は前記加熱手段による加熱の加熱温度を下げる、又は加熱時間を短くするように前記加熱条件を決定することを特徴とする請求項2に記載の立体造形装置。
  4. 前記造形層の積層ピッチに応じて、前記加熱条件決定手段は前記加熱条件を決定することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の立体造形装置。
  5. 前記積層ピッチ記憶手段が記憶している前記造形層の前記積層ピッチが所定値より小さい場合、前記加熱条件決定手段は前記加熱手段による加熱の加熱温度を下げる、又は加熱時間を短くするように前記加熱条件を決定することを特徴とする請求項4に記載の立体造形装置。
  6. 前記加熱手段は、前記平坦化手段によって前記粉体層として積層される前記立体造形粉体を選択的に加熱するように設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の立体造形装置。
  7. 前記加熱制御手段は、前記供給部に前記立体造形粉体を供給する前記粉体供給手段において前記立体造形粉体を加熱するように設けられていることを特徴とする請求項6に記載の立体造形装置。
  8. 前記加熱制御手段は、前記供給部より前記立体造形粉体が落下する位置である粉体落下部を加熱するように設けられていることを特徴とする請求項6又は7に記載の立体造形装置。
  9. 前記加熱手段は前記平坦化手段に設けられており、
    前記平坦化手段は平坦化ローラからなり、前記加熱制御手段は、前記平坦化ローラを加熱するように前記加熱手段を制御することを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の立体造形装置。
  10. 前記平坦化手段によって形成された前記粉体層に前記吐出手段により前記造形液を吐出して前記立体造形粉体を固化して前記造形層を造形している場合において、前記加熱制御手段は、前記造形層の前記印刷領域を加熱するように前記加熱手段を制御することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の立体造形装置。
  11. 前記加熱手段は、赤外線ランプが用いられ、前記吐出手段の近辺に装着されており、
    前記加熱制御手段は、前記吐出手段により造形された直後の前記造形層の前記印刷領域を加熱するように前記加熱手段を制御することを特徴とする請求項10に記載の立体造形装置。
JP2012041924A 2012-02-28 2012-02-28 立体造形装置 Pending JP2013176893A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012041924A JP2013176893A (ja) 2012-02-28 2012-02-28 立体造形装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012041924A JP2013176893A (ja) 2012-02-28 2012-02-28 立体造形装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013176893A true JP2013176893A (ja) 2013-09-09

Family

ID=49269073

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012041924A Pending JP2013176893A (ja) 2012-02-28 2012-02-28 立体造形装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013176893A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103639412A (zh) * 2013-12-30 2014-03-19 王利民 一种3d打印机
JP2016147374A (ja) * 2015-02-10 2016-08-18 株式会社リコー 立体造形装置、立体造形方法、プログラム
CN109130192A (zh) * 2018-09-10 2019-01-04 湖南华曙高科技有限责任公司 3d打印供粉量确定方法、装置、计算机设备和存储介质
JP2019510661A (ja) * 2016-05-12 2019-04-18 ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー.Hewlett‐Packard Development Company, L.P. 付加製造における層生成時間の設定
JP2019119162A (ja) * 2018-01-09 2019-07-22 株式会社リコー 立体造形装置
US10632732B2 (en) 2016-11-08 2020-04-28 3Dbotics, Inc. Method and apparatus for making three-dimensional objects using a dynamically adjustable retaining barrier
US11383448B2 (en) 2018-03-28 2022-07-12 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Generating objects in additive manufacturing utilizing a predefined portion within a threshold distance of a wall of fabrication chamber
US11911962B2 (en) 2015-02-04 2024-02-27 Seiko Epson Corporation Three-dimensionally shaped article production apparatus with a porous stage and support body

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103639412A (zh) * 2013-12-30 2014-03-19 王利民 一种3d打印机
US11911962B2 (en) 2015-02-04 2024-02-27 Seiko Epson Corporation Three-dimensionally shaped article production apparatus with a porous stage and support body
JP2016147374A (ja) * 2015-02-10 2016-08-18 株式会社リコー 立体造形装置、立体造形方法、プログラム
JP2019510661A (ja) * 2016-05-12 2019-04-18 ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー.Hewlett‐Packard Development Company, L.P. 付加製造における層生成時間の設定
US10632732B2 (en) 2016-11-08 2020-04-28 3Dbotics, Inc. Method and apparatus for making three-dimensional objects using a dynamically adjustable retaining barrier
JP2019119162A (ja) * 2018-01-09 2019-07-22 株式会社リコー 立体造形装置
US11383448B2 (en) 2018-03-28 2022-07-12 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Generating objects in additive manufacturing utilizing a predefined portion within a threshold distance of a wall of fabrication chamber
CN109130192A (zh) * 2018-09-10 2019-01-04 湖南华曙高科技有限责任公司 3d打印供粉量确定方法、装置、计算机设备和存储介质
CN109130192B (zh) * 2018-09-10 2021-02-12 湖南华曙高科技有限责任公司 3d打印供粉量确定方法、装置、计算机设备和存储介质

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2013176893A (ja) 立体造形装置
JP5408151B2 (ja) 立体造形装置
JP5759850B2 (ja) 三次元造形装置
KR102319039B1 (ko) 제조 방법 및 제조 장치
JP5759851B2 (ja) 三次元造形装置及び三次元造形方法
JP5685052B2 (ja) 三次元造形装置及び三次元造形方法
US9302431B2 (en) Rapid prototyping apparatus for producing three-dimensional ceramic object
JP2013075390A (ja) 立体造形装置および立体造形データ作成プログラム
JP2021503398A (ja) 三次元物体の製造のための方法および装置
JP2003245981A (ja) 三次元形状造形物の製造方法及びその製造装置
JP6443410B2 (ja) 三次元造形システムおよび三次元造形方法
JP2014104683A (ja) 立体造形装置
JP5759849B2 (ja) 三次元造形装置
JP2017087469A (ja) 立体造形装置
CN107073817A (zh) 制造装置及制造方法
JP5921732B2 (ja) 三次元造形装置及び三次元造形方法
JP2013208878A (ja) 立体造形装置および立体造形データ作成プログラム
JP2013067117A (ja) 三次元造形装置用の設定データ作成装置、三次元造形装置及び三次元造形装置用の設定データ作成プログラム並びにコンピュータで読み取り可能な記録媒体
KR102122229B1 (ko) 광중합형 3차원 프린터
JP2013136169A (ja) 立体造形装置及び立体造形データ作成プログラム
WO2015146885A1 (ja) 立体造形装置
JP7114444B2 (ja) 三次元造形装置
JP2017170875A (ja) 立体造形物を造形する装置、プログラム、立体造形物を造形する方法
JP2013208757A (ja) 合成造形データ作成装置および合成造形データ作成プログラム
US11518097B2 (en) Selective powder dispenser configurations for additive manufacturing