JP6438180B1 - ポリアリーレンスルフィドの製造方法及びポリアリーレンスルフィドの製造装置 - Google Patents

ポリアリーレンスルフィドの製造方法及びポリアリーレンスルフィドの製造装置 Download PDF

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Abstract

水、ジハロ芳香族化合物、及び硫化水素を含有する気相と、有機極性溶媒及びPASを含有する液相と、を含む気液系における前記気相からの脱水時に揮散し得るジハロ芳香族化合物及び硫化水素を回収することができるPASの製造方法及びPASの製造装置を提供する。本発明に係るPASの製造方法は、前記気液系における前記気相からの凝縮により、ジハロ芳香族化合物及び硫化水素を含有する第1中間気相と、水、ジハロ芳香族化合物、及び硫黄源を含有する第1中間液相と、を得る凝縮工程と、前記第1中間気相を有機極性溶媒と接触させて、硫化水素を含有する第1回収気相と、有機極性溶媒、ジハロ芳香族化合物、及び硫黄源を含有する第1回収液相と、を得る第1回収工程と、前記第1回収気相をアルカリ金属水酸化物水溶液と接触させて、水、硫黄源、及びアルカリ金属水酸化物を含有する第2回収液相を得る第2回収工程と、を含む。

Description

本発明は、ポリアリーレンスルフィドの製造方法及びポリアリーレンスルフィドの製造装置に関する。
ポリフェニレンスルフィド(以下、「PPS」とも称する)に代表されるポリアリーレンスルフィド(以下、「PAS」とも称する)は、耐熱性、耐薬品性、難燃性、機械的強度、電気特性及び寸法安定性等に優れたエンジニアリングプラスチックである。PASは、押出成形、射出成形及び圧縮成形等の一般的溶融加工法により、各種成形品、フィルム、シート及び繊維等に成形可能である。そのため、電気機器、電子機器、自動車機器及び包装材料等の広範な技術分野において汎用されている。
PASの製造の際には、原料とともに反応系へと混入した水及び反応により生じる水が重合時に副反応を誘発し、PASの高分子量化が妨げられやすい。そこで、反応系内に存在する水分量を極力減らしてPASの重合を行う方法が提案されている。例えば、含水硫黄源からの脱水を行い、更に水を留去して脱水を行うことにより、反応系内に現存する水分量を一定量以下に低減させて、重合を行う方法が公知である(例えば、特許文献1)。
国際公開第2010/058713号
特許文献1等に開示された従来の方法においては、脱水により反応系内から反応系外に排出される水に、反応原料であるジハロ芳香族化合物、及び反応原料である硫黄源由来の硫化水素が同伴して揮散してしまう。そのため、収率の低下、及び特に硫化水素の場合には、環境負荷の増大が懸念される。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、水、ジハロ芳香族化合物、及び硫化水素を含有する気相と、有機極性溶媒及びPASを含有する液相と、を含む気液系における前記気相からの脱水時に揮散し得るジハロ芳香族化合物及び硫化水素を回収することができるPASの製造方法及びPASの製造装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記脱水後の気相を有機極性溶媒及びアルカリ金属水酸化物水溶液に順次接触させることにより、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明に係るPASの製造方法は、水、ジハロ芳香族化合物、及び硫化水素を含有する気相と、有機極性溶媒及びPASを含有する液相と、を含む気液系における前記気相からの凝縮により、ジハロ芳香族化合物及び硫化水素を含有する第1中間気相と、水、ジハロ芳香族化合物、及び硫黄源を含有する第1中間液相と、を得る凝縮工程と、
前記第1中間気相を有機極性溶媒と接触させて、硫化水素を含有する第1回収気相と、有機極性溶媒、ジハロ芳香族化合物、及び硫黄源を含有する第1回収液相と、を得る第1回収工程と、
前記第1回収気相をアルカリ金属水酸化物水溶液と接触させて、水、硫黄源、及びアルカリ金属水酸化物を含有する第2回収液相を得る第2回収工程と、
を含む。
本発明に係るPASの製造装置は、水、ジハロ芳香族化合物、及び硫化水素を含有する気相と、有機極性溶媒及びPASを含有する液相と、を含む気液系における前記気相からの凝縮により、ジハロ芳香族化合物及び硫化水素を含有する第1中間気相と、水、ジハロ芳香族化合物、及び硫黄源を含有する第1中間液相と、を生成する脱水部と、
前記第1中間気相を有機極性溶媒と接触させて、硫化水素を含有する第1回収気相と、有機極性溶媒、ジハロ芳香族化合物、及び硫黄源を含有する第1回収液相と、を生成する第1回収部と、
前記第1回収気相をアルカリ金属水酸化物水溶液と接触させて、水、硫黄源、及びアルカリ金属水酸化物を含有する第2回収液相を生成する第2回収部と、
を備える。
本発明によれば、水、ジハロ芳香族化合物、及び硫化水素を含有する気相と、有機極性溶媒及びPASを含有する液相と、を含む気液系における前記気相からの脱水時に揮散し得るジハロ芳香族化合物及び硫化水素を回収することができるPASの製造方法及びPASの製造装置を提供することができる。
図1は、本発明に係るPASの製造装置の一実施形態を示す模式図である。 図2は、PAS連続製造器である場合の重合部100の一実施形態を示す部分断面図である。 図3は、PAS連続製造器である場合の重合部100の別の実施形態を示す部分断面図である。 図4は、PAS連続製造器である場合の重合部100のさらに別の実施形態を示す部分断面図である。 図5は、PAS連続製造器である場合の重合部100のさらに別の実施形態を示す部分断面図である。
<PASの製造方法>
本発明の一実施形態に係るPASの製造方法は、水、ジハロ芳香族化合物、及び硫化水素を含有する気相と、有機極性溶媒及びPASを含有する液相と、を含む気液系における前記気相からの凝縮により、ジハロ芳香族化合物及び硫化水素を含有する第1中間気相と、水、ジハロ芳香族化合物、及び硫黄源を含有する第1中間液相と、を得る凝縮工程と、
前記第1中間気相を有機極性溶媒と接触させて、硫化水素を含有する第1回収気相と、有機極性溶媒、ジハロ芳香族化合物、及び硫黄源を含有する第1回収液相と、を得る第1回収工程と、
前記第1回収気相をアルカリ金属水酸化物水溶液と接触させて、水、硫黄源、及びアルカリ金属水酸化物を含有する第2回収液相を得る第2回収工程と、
を含む。本発明の一実施形態に係るPASの製造方法によれば、前記気液系における前記気相からの脱水時に揮散し得るジハロ芳香族化合物及び硫化水素を効果的に回収することができる。
[凝縮工程]
凝縮工程では、水、ジハロ芳香族化合物、及び硫化水素を含有する気相と、有機極性溶媒及びPASを含有する液相と、を含む気液系における前記気相からの凝縮により、ジハロ芳香族化合物及び硫化水素を含有する第1中間気相と、水、ジハロ芳香族化合物、及び硫黄源を含有する第1中間液相と、を得る。上記凝縮工程により、上記気液系における上記気相から十分に脱水を行うことができる。それに伴い、ジハロ芳香族化合物は、主に上記第1中間液相に偏在し、硫化水素は、主に上記第1中間気相に偏在する。
上記気液系としては、上記の構成をとるものであれば、特に限定されず、例えば、後述の重合工程で得られる気液系が挙げられる。ジハロ芳香族化合物及び有機極性溶媒としては、PASの製造において通常用いられるものを用いることができ、具体的には、重合工程に関する説明内で詳述する通りである。上記気相からの凝縮は、公知の方法により行うことができ、例えば、蒸留塔を用いて行うことができる。
上記第1中間気相におけるジハロ芳香族化合物(DH11)と上記第1中間液相におけるジハロ芳香族化合物(DH12)とのモル比DH11/DH12は、ジハロ芳香族化合物の回収の効率等から、通常、1未満であり、好ましくは0.5以下であり、より好ましくは0.2以下である。上記モル比の下限は、特に限定されず、例えば、0.03以上でよく、0.05以上でもよい。
上記第1中間気相における硫化水素のモル数(S1)と上記第1中間液相における硫黄源の硫化水素換算のモル数(S2)との比S1/S2は、硫黄源の回収の効率等から、通常、1以上であり、好ましくは2以上であり、より好ましくは5以上である。上記モル比の上限は、特に限定されず、例えば、1000以下でよく、500以下でもよい。
上記第1中間液相は、硫黄源の含有量が少ない。そのため、そのまま廃棄するか、ジハロ芳香族化合物を、例えば、液液分離法により液相として分離し回収した後、又は、固液分離法により固相として分離し回収した後、水と硫黄源とを含む混合物として廃棄してもよい。しかし、収率の向上、環境負荷の低減等の観点から、上記第1中間液相からジハロ芳香族化合物及び硫黄源を回収することが好ましい。回収したジハロ芳香族化合物の少なくとも一部及び回収した硫黄源の少なくとも一部は、それぞれ、例えば、後述の重合工程におけるジハロ芳香族化合物の少なくとも一部及び硫黄源の少なくとも一部として用いてもよい。なお、上記第1中間液相からの硫黄源の回収に際し、上記第1中間液相中の硫化水素の少なくとも一部を、(1)後述の第2回収工程において用いるアルカリ金属水酸化物水溶液に予め吸収させてもよく、(2)第2回収工程において、後述の第1回収気相とともに、アルカリ金属水酸化物水溶液と接触させてもよく、及び/又は、(3)後述の第2回収液相に吸収させてもよい。
[第1回収工程]
第1回収工程では、前記第1中間気相を有機極性溶媒と接触させて、硫化水素を含有する第1回収気相と、有機極性溶媒、ジハロ芳香族化合物、及び硫黄源を含有する第1回収液相と、を得る。上記第1回収工程により、上記第1中間気相から、主にジハロ芳香族化合物を、第1回収液相中に十分に回収することができる。また、上記第1回収工程により、上記第1中間気相から、硫化水素の一部を第1回収液相中に回収することもできる。
上記第1回収液相における硫黄源の硫化水素換算のモル数(S4)は、特に限定されない。しかし、第2回収工程の硫黄源の負荷を低減させる点等からは、上記モル数(S4)は、上記有機溶媒中の硫化水素飽和溶解濃度から計算される値、すなわち、モル換算の硫化水素飽和溶解度と第1回収工程で用いられる有機溶媒量との積([モル換算の硫化水素飽和溶解度]×[第1回収工程で用いられる有機溶媒量])で計算される値の5%以上、好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上である。上記モル数(S4)の上限についても、特に限定されないが、例えば、上記有機溶媒中の硫化水素飽和溶解濃度から計算される値以下でよく、その90%以下でもよい。
なお、上記有機極性溶媒はアルカリ性物質、好ましくはアルカリ金属水酸化物を含んでいてもよい。
ジハロ芳香族化合物は、ジハロ芳香族化合物の回収の効率が向上することによる費用削減等の面等から、そのほぼ全量が第1回収液相中に回収されることが好ましい。より具体的には、上記第1回収気相におけるジハロ芳香族化合物(DH22)と上記第1中間気相におけるジハロ芳香族化合物(DH11)とのモル比DH22/DH11は、好ましくは0以上0.2以下であり、より好ましくは0以上0.05以下であり、最も好ましくは0である。
収率の向上等の観点から、前記第1回収液相中のジハロ芳香族化合物の少なくとも一部を、後述の重合工程におけるジハロ芳香族化合物の少なくとも一部として用いることが好ましい。同様に、収率の向上等の観点から、前記第1回収液相中の硫黄源の少なくとも一部を、後述の重合工程における硫黄源の少なくとも一部として用いることが好ましい。
第1回収液相中のジハロ芳香族化合物を重合反応に用いる割合(重合に用いる第1回収液相中のジハロ芳香族化合物量/第1回収液相中のジハロ芳香族化合物量)は、ジハロ芳香族化合物の回収の効率が向上することによる費用削減等の面から、0.05以上、好ましくは0.2以上、より好ましくは0.5以上である。また、第1回収液相中の硫黄源を重合反応に用いる割合(重合に用いる第1回収液相中の硫黄源量/第1回収液相中の硫黄源量)は、硫黄源の回収の効率が向上することによる費用削減等の面から、0.05以上、好ましくは0.2以上、より好ましくは0.5以上である。
作業性の向上等の観点から、前記第1回収液相中の有機極性溶媒と後述の重合工程における有機極性溶媒とが同じ種類であることが好ましい。両方の有機極性溶媒が同じ種類であると、前記第1回収液相中のジハロ芳香族化合物の少なくとも一部及び前記第1回収液相中の硫黄源の少なくとも一部を、そのまま、後述の重合工程における重合反応に用いることができる。
[第2回収工程]
第2回収工程では、前記第1回収気相をアルカリ金属水酸化物水溶液と接触させて、水、硫黄源、及びアルカリ金属水酸化物を含有する第2回収液相を得る。上記第2回収工程により、上記第1回収気相から硫化水素を第2回収液相中に十分に回収することができる。アルカリ金属水酸化物水溶液の濃度は、特に制限ないが、硫化水素を十分に回収できる濃度であることが好ましくより好ましくは5〜80質量%、さらに好ましくは10〜77質量%である。なお、前記第1回収気相中の硫化水素は、アルカリ金属水酸化物水溶液中のアルカリ金属水酸化物と反応して、アルカリ金属硫化物及びアルカリ金属水硫化物を生成し得る。よって、第2回収液相は、アルカリ金属硫化物、アルカリ金属水硫化物、硫化水素等の硫黄源を含有する。なお、当該アルカリ金属水酸化物水溶液は有機極性溶媒を含んでいてもよい。
上記第2回収液相における硫黄源の量(硫化水素換算)は、上記第1回収気相における硫化水素の量を100モル%としたとき、好ましくは80〜100モル%であり、より好ましくは90〜100モル%である。
収率の向上等の観点から、前記第2回収液相中の硫黄源の少なくとも一部を、後述の重合工程における硫黄源の少なくとも一部として用いることが好ましい。
硫黄源は、硫黄源の回収の効率が向上することによる費用削減、環境、安全等の面から、その大半が第2回収液相中に回収されることが好ましい。より具体的には、上記第2回収液相における硫黄源(S5)と第1回収気相における硫化水素(S3)とのモル比S5/S3は、好ましくは0.5以上であり、より好ましくは0.7以上であり、さらに好ましくは0.8以上であり、最も好ましくは0.9以上である。
[重合工程]
本発明の一実施形態に係るPASの製造方法は、有機極性溶媒、水、硫黄源、及びジハロ芳香族化合物を含有する反応系の液相から前記反応系の気相へ水を蒸発させつつ、有機極性溶媒中で硫黄源とジハロ芳香族化合物とを重合させてPASを生成させて、前記気液系を得る重合工程を、前記凝縮工程の前に更に含んでもよい。有機極性溶媒、硫黄源、及びジハロ芳香族化合物としては、PASの製造において通常用いられるものを用いることができる。
有機極性溶媒としては、例えば、有機アミド溶媒;有機硫黄化合物からなる非プロトン性有機極性溶媒;環式有機リン化合物からなる非プロトン性有機極性溶媒が挙げられる。有機アミド溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド化合物;N−メチル−ε−カプロラクタム等のN−アルキルカプロラクタム化合物;N−メチル−2−ピロリドン(以下、「NMP」とも称する。)、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン等のN−アルキルピロリドン化合物又はN−シクロアルキルピロリドン化合物;1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノン等のN,N−ジアルキルイミダゾリジノン化合物;テトラメチル尿素等のテトラアルキル尿素化合物;ヘキサメチルリン酸トリアミド等のヘキサアルキルリン酸トリアミド化合物等が挙げられる。有機硫黄化合物からなる非プロトン性有機極性溶媒としては、ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホン等が挙げられる。環式有機リン化合物からなる非プロトン性有機極性溶媒としては、1−メチル−1−オキソホスホラン等が挙げられる。中でも、入手性、取り扱い性等の点で、有機アミド溶媒が好ましく、N−アルキルピロリドン化合物、N−シクロアルキルピロリドン化合物、N−アルキルカプロラクタム化合物、及びN,N−ジアルキルイミダゾリジノン化合物がより好ましく、NMP、N−メチル−ε−カプロラクタム、及び1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノンが更により好ましく、NMPが特に好ましい。有機極性溶媒の使用量は、重合反応の効率等の観点から、上記硫黄源1モルに対し、1〜30モルが好ましく、3〜15モルがより好ましい。
硫黄源としては、アルカリ金属硫化物、アルカリ金属水硫化物及び硫化水素を挙げることができ、アルカリ金属硫化物及びアルカリ金属水硫化物であることが好ましい。硫黄源は、例えば、水性スラリー又は水溶液の状態で扱うことができ、計量性、搬送性等のハンドリング性の観点から、水溶液の状態であることが好ましい。アルカリ金属硫化物としては、硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化ルビジウム、硫化セシウムが挙げられる。アルカリ金属水硫化物としては、水硫化リチウム、水硫化ナトリウム、水硫化カリウム、水硫化ルビジウム及び水硫化セシウムが挙げられる。
ジハロ芳香族化合物としては、o−ジハロベンゼン、m−ジハロベンゼン、p−ジハロベンゼン、ジハロトルエン、ジハロナフタレン、メトキシ−ジハロベンゼン、ジハロビフェニル、ジハロ安息香酸、ジハロジフェニルエーテル、ジハロジフェニルスルホン、ジハロジフェニルスルホキシド及びジハロジフェニルケトン等が挙げられ、ハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素の各原子を指す。ジハロ芳香族化合物における2個のハロゲン原子は、同じでも異なっていてもよい。中でも、入手性、反応性等の点で、p−ジハロベンゼン、m−ジハロベンゼン、及びこれら両者の混合物が好ましく、p−ジハロベンゼンがより好ましく、p−ジクロロベンゼン(以下、「pDCB」とも称する。)が特に好ましい。ジハロ芳香族化合物の使用量は、硫黄源の仕込み量1モルに対し、好ましくは0.90〜1.50モルであり、より好ましくは0.92〜1.10モルであり、更により好ましくは0.95〜1.05モルである。上記使用量が上記範囲内であると、分解反応が生じにくく、安定的な重合反応の実施が容易であり、高分子量ポリマーを生成させやすい。
有機極性溶媒、硫黄源、及びジハロ芳香族化合物の各々は、単独で用いてもよいし、PASの製造が可能である組み合わせであれば、2種類以上を混合して用いてもよい。
重合反応は、前記硫黄源と前記ジハロ芳香族化合物とを含む混合物を加熱して重合反応を開始させ、温度310℃及び剪断速度1,216sec−1で測定した溶融粘度が0.1Pa・s以上のポリマーを生成させる重合反応である。より高粘度のPASを得るために、2段階以上に分けて行うこともできる。前記重合反応は、例えば、前記硫黄源と前記ジハロ芳香族化合物との前段重合反応であることが好ましい。前段重合反応は、前記硫黄源と前記ジハロ芳香族化合物とを含む混合物を加熱して重合反応を開始させ、ジハロ芳香族化合物の転化率が50%以上のプレポリマーを生成させる重合反応である。
前記重合反応では、重合反応の効率等の観点から、温度170〜300℃の加熱下で重合反応を行うことが好ましい。前記重合反応での重合温度は、180〜280℃の範囲であることが、副反応や分解反応を抑制する上でより好ましい。特に、前段重合反応では、重合反応の効率等の観点から、温度170〜270℃の加熱下で重合反応を開始させ、ジハロ芳香族化合物の転化率が50%以上のプレポリマーを生成させることが好ましい。前段重合反応での重合温度は、180〜265℃の範囲から選択することが、副反応や分解反応を抑制する上で好ましい。
ジハロ芳香族化合物の転化率は、好ましくは50〜98%、より好ましくは60〜97%、更に好ましくは65〜96%、特に好ましくは70〜95%である。ジハロ芳香族化合物の転化率は、反応混合物中に残存するジハロ芳香族化合物の量をガスクロマトグラフィにより求め、その残存量とジハロ芳香族化合物の仕込み量と硫黄源の仕込み量に基づいて算出することができる。
上記重合工程における重合反応は、バッチ式で行ってもよいし、連続的に行ってもよい。例えば、上記重合工程において、少なくとも、
有機極性溶媒、硫黄源、及びジハロ芳香族化合物の供給と、
有機極性溶媒中での硫黄源とジハロ芳香族化合物との重合によるPASの生成と、
前記PASを含む反応混合物の回収と、
を同時並行で行うことにより、上記重合反応を連続的に行うことができる。
省資源化、省エネルギー化、及び設備コスト削減等が可能であることから、前記重合工程においては、
操作1:有機極性溶媒、硫黄源、及びジハロ芳香族化合物を連続的に供給する連続原料供給操作、
操作2:前記反応系内の水を前記反応系外に連続的に排出する連続脱水操作、
操作3:有機極性溶媒中で硫黄源とジハロ芳香族化合物とを連続的に重合させる連続重合操作、
操作4:前記反応系内の非凝縮性気体を前記反応系外に連続的に排出することにより前記反応系内の圧力を調整する圧力調整操作、並びに
操作5:生成した反応混合物を連続的に回収する連続回収操作、
を同時並行で行い、PASを連続的に生成させることが好ましい。
より具体的には、前記重合工程においては、
複数の反応槽を収容する収容室を備え、前記反応槽が直列に接続されるPASの製造装置内の前記収容室に、少なくとも、有機極性溶媒、アルカリ金属硫化物、アルカリ金属水硫化物、及び硫化水素からなる群より選ばれる少なくとも一種の硫黄源、並びにジハロ芳香族化合物を供給する工程と、
各反応槽において、前記有機極性溶媒中で、前記硫黄源と前記ジハロ芳香族化合物との重合反応を行うことにより、反応混合物を形成する工程と、
前記収容室内の水の少なくとも一部を、前記収容室における気相を介して、前記収容室から除去する工程と、
各反応槽に、前記反応混合物を順次移動させる工程と、
を同時並行で行い、PASを連続的に生成させることが好ましい。前記反応槽は、各反応槽が収容し得る液体の最大液面レベルの高い順番で直列に接続され、前記最大液面レベルの高低差により、前記順番に従って、前記最大液面レベルのより高い反応槽から前記最大液面レベルのより低い反応槽に、前記反応混合物を順次移動させることが好ましい。前記反応混合物の移動方向の下流側から上流側に向けて、前記気相に不活性ガスを送り込む工程を更に同時並行で行うことがより好ましい。このようにしてPASを連続的に生成させる重合工程は、後述の実施形態1及び2として開示するPAS連続製造器により行うことができる。
<PASの製造装置>
本発明の一実施形態に係るPASの製造装置は、水、ジハロ芳香族化合物、及び硫化水素を含有する気相と、有機極性溶媒及びポリアリーレンスルフィドを含有する液相と、を含む気液系における前記気相からの凝縮により、ジハロ芳香族化合物及び硫化水素を含有する第1中間気相と、水、ジハロ芳香族化合物、及び硫黄源を含有する第1中間液相と、を生成する脱水部と、
前記第1中間気相を有機極性溶媒と接触させて、硫化水素を含有する第1回収気相と、有機極性溶媒、ジハロ芳香族化合物、及び硫黄源を含有する第1回収液相と、を生成する第1回収部と、
前記第1回収気相をアルカリ金属水酸化物水溶液と接触させて、水、硫黄源、及びアルカリ金属水酸化物を含有する第2回収液相を生成する第2回収部と、
を備える。本発明に係るPASの製造装置によれば、前記気液系における前記気相からの脱水時に揮散し得るジハロ芳香族化合物及び硫化水素を効果的に回収することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るPASの製造装置の一実施形態を示す模式図である。以下、図1に基づき、上記実施形態の構成及び動作を説明する。
上記実施形態に係るPAS製造装置1000は、重合部100と、脱水部200と、第1回収部300と、第2回収部400と、を備える。重合部100には、ラインL1〜L3を通じて、それぞれ、有機極性溶媒、硫黄源、及びジハロ芳香族化合物が供給される。重合部100内部には、気相100aと液相100bとが収容されている。重合部100は、有機極性溶媒中で硫黄源とジハロ芳香族化合物とを重合させてPASを生成させる。重合部100で生成されたPAS、有機極性溶媒、及びアルカリ金属ハロゲン化物を含む反応混合物は、ラインL4を通じて、回収される。ラインL5を通じて、気相100aは、脱水部200と連通している。脱水部200は、水、ジハロ芳香族化合物、及び硫化水素を含有する気相100aからの凝縮により、ジハロ芳香族化合物(DH11)及び硫化水素(S1)を含有する第1中間気相と、水、ジハロ芳香族化合物(DH12)、及び硫黄源(S2)を含有する第1中間液相と、を生成する。よって、脱水部200中には、少なくとも、水、ジハロ芳香族化合物、硫化水素(気相中に存在する。)、及び硫黄源(液相中に存在する。)が含まれる。第1中間気相は、ラインL6を通じて、第1回収部300に供給される。一方、第1中間液相は、脱水部200の一部を構成する分離部(図示せず)により、水及び硫黄源と、ジハロ芳香族化合物と、に分離される。前記分離部としては、液液分離部でも固液分離部でもよく、具体例としては、静置槽等が挙げられる。第1中間液相のうち、水及び硫黄源(S2)は、ラインL7を通じて、廃棄され、ジハロ芳香族化合物(DH12)は、ラインL8を通じて、重合部100に供給され、重合反応の原料として再利用される。第1回収部300は、ラインL6を通じて供給された第1中間気相を、ラインL9を通じて第1回収部300に供給された有機極性溶媒と接触させて、硫化水素(S3)を含有する第1回収気相と、有機極性溶媒、ジハロ芳香族化合物、及び硫黄源(S4)を含有する第1回収液相と、を生成する。よって、第1回収部300中には、少なくとも、ジハロ芳香族化合物、硫化水素(気相中に存在する。)、硫黄源(液相中に存在する。)、及び有機極性溶媒が含まれる。第1回収気相は、ラインL10を通じて、第2回収部400に供給される。一方、第1回収液相は、ラインL11を通じて、重合部100に供給され、第1回収液相中の成分は、重合反応の原料として再利用される。第2回収部400は、ラインL10を通じて供給された第1回収気相を、ラインL12を通じて第2回収部400に供給されたアルカリ金属水酸化物水溶液と接触させて、水、硫黄源(S5)、及びアルカリ金属水酸化物を含有する第2回収液相と、残存する硫化水素を含有する廃棄気相と、を生成する。よって、第2回収部400中には、少なくとも、硫化水素(気相中に存在する。)、硫黄源(液相中に存在する。)、水、及びアルカリ金属水酸化物が含まれる。第2回収液相は、ラインL13を通じて、重合部100に供給され、第2回収液相中の成分は、重合反応の原料として再利用される。一方、廃棄気相は、ラインL14を通じて、廃棄される。廃棄気相における硫化水素の濃度は、低く抑えられているので、収率の低下や環境負荷の増大は生じにくい。
重合部100としては、特に限定されず、例えば、公知の重合容器を用いることができ、バッチ式でも連続式でもよい。脱水部200としては、特に限定されず、例えば、公知の蒸留塔を用いることができる。第1回収部300としては、第1中間気相を有機極性溶媒と接触させる方式を採用する限り、特に限定されず、例えば、湿式ガス洗浄塔が挙げられる。第2回収部400としては、第1回収気相をアルカリ金属水酸化物水溶液と接触させる方式を採用する限り、特に限定されず、例えば、湿式ガス洗浄塔が挙げられる。第1回収部300及び第2回収部400のいずれの場合も、湿式ガス洗浄塔としては、特に限定されず、例えば、充填塔、棚段塔、スプレー塔(スクラバー)、バブリング式吸収塔等が挙げられる。第1回収部300及び第2回収部400としては、充填塔を用いることが好ましい。充填塔では、保持される液量が少ないため、定常状態に至るまでの時間が早く、少ない液量で高い回収率を実現しやすいことに加え、圧損が少ない。なお、第1回収部300において、第1中間気相を有機極性溶媒と向流で接触させても並流で接触させてもよい。また、第2回収部400において、第1回収気相をアルカリ金属水酸化物水溶液と向流で接触させても並流で接触させてもよい。以下、重合部100としてPAS連続製造器を用いる場合の具体例について、詳述する。
[重合部100の実施形態1]
図2は、PAS連続製造器である場合の重合部100の一実施形態(以下、「実施形態1」という。)を示す部分断面図である。以下、図2に基づき、実施形態1の構成を説明する。
実施形態1に係るPAS連続製造器101は、反応槽1a、1b、及び1cを収容する収容室2を備える。PAS連続製造器101において、収容室2は、水平面Hに対し角度θをなすように、傾斜して設置されている。収容室2の形状としては、特に限定されず、例えば、反応槽1aに接する側壁3a及び反応槽1cに接する側壁3bを底面とする中空円柱形又は中空角柱形等が挙げられる。
収容室2の側壁3aには、収容室2に有機極性溶媒を供給する有機極性溶媒供給ライン4、収容室2にアルカリ金属硫化物、アルカリ金属水硫化物、及び硫化水素からなる群より選ばれる少なくとも一種の硫黄源を供給する硫黄源供給ライン5、及び収容室2にジハロ芳香族化合物を供給するジハロ芳香族化合物供給ライン6が接続されている。必要に応じて収容室2に水を供給する水供給ラインを接続してもよい。収容室2の側壁3bには、収容室2から反応混合物を回収する反応混合物回収ライン7が接続されている。有機極性溶媒、硫黄源、及びジハロ芳香族化合物は、気相を介して反応槽1aの液相に供給されてもよいし、直接、反応槽1aの液相に供給されてもよい。
反応槽1aと反応槽1bとは隔壁8aによって隔てられ、反応槽1bと反応槽1cとは隔壁8bによって隔てられている。反応槽1a、反応槽1b、及び反応槽1cは、収容室2における気相を介して、互いに連通している。その結果、収容室2における気相の圧力は均一となる。収容室2が、水平面Hに対し角度θをなすように、傾斜して設置されているため、収納し得る液体の最大液面レベルは、反応槽1a、反応槽1b、及び反応槽1cの順番で高い。反応槽1a、反応槽1b、及び反応槽1cは、上記順番で直列に接続されている。なお、前記反応混合物の移動方向の最上流の反応槽1aを除いた各反応槽において、前記移動方向の上流側の隔壁の最小高さは、その反応槽の前記最大液面レベルよりも高い。即ち、反応槽1bにおいて、前記移動方向の上流側の隔壁8aの最小高さは、反応槽1bの最大液面レベルよりも高く、反応槽1cにおいて、前記移動方向の上流側の隔壁8bの最小高さは、反応槽1cの最大液面レベルよりも高い。これにより、反応槽1bから反応槽1aへの逆流、及び、反応槽1cから反応槽1bへの逆流が防止される。反応槽1a、反応槽1b、及び反応槽1cは、それぞれ反応混合物9a、反応混合物9b、及び反応混合物9cを収容し得る。なお、別の実施形態においては、収容室2が上述の通りに傾斜して設置されていることによってだけでなく、隔壁高さの調整によっても、収納し得る液体の最大液面レベルを、反応槽1a、反応槽1b、及び反応槽1cの順番で高くしてもよい。
収容室2においては、反応槽1a中の反応混合物9aを撹拌する撹拌翼10a、反応槽1b中の反応混合物9bを撹拌する撹拌翼10b、及び反応槽1c中の反応混合物9cを撹拌する撹拌翼10cが、同一の軸11に設置されている。軸11は、収容室2外から側壁3aを貫き、側壁3bに達するように設置されている。軸11の側壁3a側の末端には、軸11を回転させる回転駆動装置12が設置されている。
収容室2の側壁3a近傍には、排気ライン13の一端が接続されている。排気ライン13の他端には、収容室2における気相からの脱水を行う脱水部200(図2において図示せず)が接続されている。脱水部200は、排気ライン13を通じて収容室2における気相と連通している。
収容室2の側壁3bには、収容室2における気相と連通し、反応混合物の移動方向の下流側から上流側に向けて、即ち、反応槽1cから反応槽1aに向けて、該気相に不活性ガスを送り込む送気部28が、送気ライン29を介して接続されている。不活性ガスとしては、特に限定されず、例えば、アルゴン等の希ガス;窒素等が挙げられる。なお、別の実施形態において、側壁3bには送気部28が接続されていなくてもよい。
次に、図2に基づき、実施形態1の動作を説明する。収容室2には、有機極性溶媒、アルカリ金属硫化物、アルカリ金属水硫化物、及び硫化水素からなる群より選ばれる少なくとも一種の硫黄源、並びにジハロ芳香族化合物が、それぞれ有機極性溶媒供給ライン4、硫黄源供給ライン5、及びジハロ芳香族化合物供給ライン6を通じて供給される。なお、原料の一部又は全部を予め混合してから収容室2に供給してもよい。例えば、有機極性溶媒とジハロ芳香族化合物とを混合物を予め調製し、この混合物を収容室2に供給してもよい。この場合、例えば、有機極性溶媒供給ライン4及びジハロ芳香族化合物供給ライン6に代えて、混合物供給ライン4a(図示せず)を側壁3aに接続させ、混合物供給ライン4aを通じて収容室2に上記混合物を供給することができる。
供給された有機極性溶媒、硫黄源、及びジハロ芳香族化合物は、反応槽1aにおいて混合され、前記有機極性溶媒中で、前記硫黄源と前記ジハロ芳香族化合物との重合反応が行われることにより、反応混合物9aが形成される。
なお、例えば、収容室2に供給される反応原料がほとんど無水状態の場合に、反応を促進するために、反応槽1a〜1cの少なくとも一部に水を添加してもよい。
反応混合物9aの高さが反応槽1aの最大液面レベルを超えると、隔壁8aを超えて、反応混合物9aが反応槽1bに流れ込む。反応槽1bでは、反応槽1aと同様に、前記有機極性溶媒中で、前記硫黄源と前記ジハロ芳香族化合物との重合反応が行われることにより、反応混合物9bが形成される。更に、反応混合物9bの高さが反応槽1bの最大液面レベルを超えると、隔壁8bを超えて、反応混合物9bが反応槽1cに流れ込む。反応槽1cでは、反応槽1a及び1bと同様に、前記有機極性溶媒中で、前記硫黄源と前記ジハロ芳香族化合物との重合反応が行われることにより、反応混合物9cが形成される。最後に、反応混合物9cの高さが反応槽1cの最大液面レベルを超えると、反応混合物回収ライン7を通じて、反応混合物9cが回収される。回収された反応混合物9cに対して、適宜、精製操作や追加の重合反応等を行って、PAS又はPASプレポリマーを得ることができる。なお、反応槽1cの最大液面レベルは、例えば、側壁3bにおける反応混合物回収ライン7の接続位置によって決まる。このように、反応槽1a〜1cにおける最大液面レベルの高低差により、反応混合物は、反応槽1a、1b、及び1cの順に、最大液面レベルのより高い反応槽から最大液面レベルのより低い反応槽に順次移動する。なお、反応混合物9a及び反応混合物9bが最大液面レベルを超えたときに、それぞれ隔壁8a及び隔壁8bを超えることができ、また、反応槽1a、反応槽1b、及び反応槽1cが、収容室2における気相を介して、互いに連通することを妨げない限り、隔壁8a及び隔壁8bの形状は、特に限定されず、任意の形状であってよい。
排気ライン13を通じて脱水部200の作用により、収容室2内の水の少なくとも一部が、収容室2における気相を介して、収容室2から除去される。収容室2内の水としては、例えば、収容室2に供給した水、前記重合反応で生成した水等が挙げられる。ここで、収容室2に供給した水とは、例えば、積極的に収容室2に供給した水、及び、積極的に水を収容室2に供給していない場合には、通常、反応原料に含まれた状態で反応原料とともに収容室2に供給された水を指す。水は蒸気圧が高いため、収容室2の気相に水分が多く含まれると、収容室2内が高圧となりやすく、収容室2の耐圧化が必要となる。そのため、省資源化、設備コスト削減等を図りにくい。脱水部200により脱水を行い、収容室2内を低圧化することで、省資源化、設備コスト削減等を効果的に実現することができる。収容室2内の圧力は、例えば、0.2〜0.3MPa程度まで低くすることができ、好ましくは0.04MPa程度まで低くすることができる。
反応槽1a〜1cは、収容室2における気相を介して、互いに連通しており、収容室2における気相の圧力は均一であることから、脱水部200により、反応槽1a〜1cのいずれからも同等に水が除去されるため、反応槽1aから反応槽1cに向かうほど、即ち、反応混合物の移動方向の上流側から下流側に向かうほど、反応混合物中の水の量が少なくなる。その結果、水による反応阻害が抑制され、重合反応が促進される。また、反応混合物の沸点が上昇するため、高温での重合が可能となり、更に重合反応を促進できる。そして、上述の重合反応促進により、反応混合物の温度が上昇しやすくなり、更に重合反応が促進されやすくなる。以上の通り、PAS連続製造器101では、例えば、上述の通りに各部を配置し、連続反応を行うこと全体を通じて、前記移動方向の上流側から下流側に向かうほど、反応槽1a〜1cの温度を上昇させる手段を備えることができる。
送気部28により、反応混合物の移動方向の下流側から上流側に向けて、即ち、反応槽1cから反応槽1aに向けて、収容室2における気相に不活性ガスが送り込まれる。上述の通りに、反応混合物の移動方向の上流側から下流側に向かうほど、反応混合物中の水の量が少なくなる状態を保つためには、反応混合物から蒸発した水分が上記下流側に流れて、反応混合物上で凝縮しないようにすることが好ましい。送気部28により上記の通り上記気相に不活性ガスを送り込むことにより、水蒸気が上記下流側に流れて反応混合物上で凝縮するのを効果的に防止することができる。なお、別の実施形態においては、収容室2における気相に不活性ガスが送り込まれなくてもよい。
不活性ガスの流速としては、水蒸気が上記下流側に流れにくくなる範囲である限り、特に限定されない。例えば、収容室2が側壁3a及び側壁3bを底面とする内径rの中空円柱形である場合、不活性ガスの流速をu、不活性ガスの体積流量をFとすると、u=F/(πr)と表される。ここで、水蒸気が上記下流側に流れにくくなる場合には、テーラー分散が成立している、即ち、分子拡散支配から対流拡散支配になっていると考えると、テーラー分散が成立する条件として、r・u≫D(但し、Dは水蒸気の拡散係数)が成り立つ。以上から、不活性ガスの流速としては、例えば、F≫D・πr、より具体的にはF>10D・πr、好ましくはF>25D・πr、より好ましくはF>50D・πrが成り立つような範囲の値が挙げられる。なお、収容室2が側壁3a及び側壁3bを底面とし、反応混合物の移動方向に垂直な断面が任意形状を有する中空柱形状である場合には、反応混合物の移動方向に垂直な方向における代表的な長さ、例えば、任意形状である断面の円相当径をrとして、上記の式を適用することができる。
回転駆動装置12により軸11が回転し、それに伴い、軸11に設置された撹拌翼10a〜10cが軸11の周りを回転して、反応混合物9a〜9cが撹拌される。撹拌翼10a〜10cは同一の軸11に設置されている。そのため、回転駆動装置12により軸11を回転させるだけで、撹拌翼10a〜10cの全てを同じ条件で回転させ、均質な撹拌を高い効率で実現することができる。上記重合反応が進むと、NaCl等のアルカリ金属ハロゲン化物が析出し、反応槽1a〜1cに蓄積する。その結果、例えば、反応槽1a〜1cにおいて十分な重合反応を進行させるのに有効な体積が減少し、生産性の低下等が生じやすい。そのため、蓄積したアルカリ金属ハロゲン化物を除去するための余計なメンテナンス作業が発生してしまう。撹拌翼10a〜10cにより反応混合物9a〜9cを撹拌することにより、アルカリ金属ハロゲン化物が反応混合物9a〜9c中に分散して、上記下流側に移動し、収容室2外に排出することが容易となる。一方で、撹拌が激しすぎると、反応混合物は、隔壁8a及び/又は隔壁8bを超えて、上流側の反応槽から下流側の反応槽へ不必要に混入しやすい。アルカリ金属ハロゲン化物の分散を促進し、反応槽間での反応混合物の不必要な混入を回避できるよう、適宜、撹拌翼の形状、枚数、回転数等を調整することが好ましい。このうち、撹拌翼の回転数としては、例えば、アルカリ金属ハロゲン化物が沈降しない条件、より具体的には、撹拌翼による撹拌速度が粒子浮遊限界撹拌速度以上となるような回転数が挙げられる。なお、撹拌翼の先端における回転速度の上限は、反応混合物が隔壁8a及び/又は隔壁8bを超えるのを防ぎやすい点で、撹拌翼の回転数が60rmp以下となるような速度が好ましく、20.5rmp以下となるような速度がより好ましい。また、撹拌が十分に行われるように、撹拌翼の回転経路等も、適宜、調整することが好ましい。例えば、撹拌翼は、少なくとも、反応槽1a〜1cの各々の平均深さよりも深い部分を通過することが好ましい。特に、反応槽1a〜1cの各々の最深部周辺で撹拌が十分に行われ、アルカリ金属ハロゲン化物が堆積しないように、撹拌翼10aと反応槽1aの底部との間隙、撹拌翼10aと隔壁8aとの間隙、拌翼10bと反応槽1bの底部との間隙、撹拌翼10bと隔壁8bとの間隙、撹拌翼10cと反応槽1cの底部との間隙、撹拌翼10cと側壁3bとの間隙の大きさを小さくすることが好ましい。
上記の通り、PAS連続製造器101は、複数の重合缶を必要としない。そのため、複数の重合缶間の配管、移送設備、及び計装類等が不要である。また、PAS連続製造器101の駆動には、最大液面レベルの高低差に基づき、重力を利用して反応混合物の移動等を行っており、多大なエネルギーが不要である。よって、PAS連続製造器101は、省資源化、省エネルギー化、設備コスト削減等を図りやすい。
[重合部100の実施形態2]
図3は、PAS連続製造器である場合の重合部100の別の実施形態(以下、「実施形態2」という。)を示す部分断面図である。以下、図3に基づき、実施形態2の構成及び動作を説明する。
実施形態2に係るPAS連続製造器102は、収容室2が水平に設置されている点、隔壁8aの高さが隔壁8bの高さより高い点、側壁3bにおける反応混合物回収ライン7の接続位置が異なる点を除いて、実施形態1に係るPAS連続製造器101と同様である。
隔壁8bの高さが隔壁8aの高さより低いことで、反応槽1a、1b、及び1cの順に、反応混合物が移動し、PAS連続製造器102は、PAS連続製造器101と同様に動作する。
PAS連続製造器102では、PAS連続製造器101と異なり、反応槽1a〜1c各々の深さは、場所によってほぼ一定である。よって、アルカリ金属ハロゲン化物が反応槽1a〜1cの底面全体に蓄積しやすいことから、撹拌翼10a〜10cによる撹拌が十分に行われることが特に好ましい。アルカリ金属ハロゲン化物が堆積しないように、撹拌翼10a〜10cによる撹拌が十分に行われるためには、撹拌翼10a〜10cの幅は広いことが好ましく、例えば、反応槽1a〜1cの幅の50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、更により好ましくは80%以上である。また、撹拌翼10a〜10cの全部又は一部は、撹拌に大きな偏りが生じにくい点等から、各反応槽の中央に位置することが好ましい。
本発明の一実施形態において、上記実施形態1及び2に記載の撹拌軸は、2軸又は3軸以上の多軸であってもよい。
本発明の一実施形態において、上記実施形態1及び2に記載の隔壁は、撹拌軸に設置されたものであってもよい。
さらに、上記実施形態2のPAS連続製造器は、以下の変形例で説明するような構成としてもよい。
(変形例)
変形例に係るPAS連続製造器(図示せず)は、収容室内において、複数の反応槽が鉛直方向に隣接して配置されている。互いに隣接する反応槽は仕切り板によって隔たれているとともに、連通管を通して上側の反応槽から下側の反応槽へと反応混合物が順次移動さするように構成されている。また各反応槽は連通管により、各反応槽の気相部が互いに連通している。そのため収容室における各反応槽の気相の圧力はほぼ同一である。気相部を連通する連通管は、反応混合物が順次移動する連通管と同一であってもよいし、別に設けた連通管であってもよい。ここで、鉛直方向上側から順に第1の反応槽と、第2の反応槽が設けられている場合を例にして具体的に説明する。第1の反応槽と第2の反応槽とは第1の連通管を通じて連通しており、第1の反応槽側には、第1の連通管の管壁が突出している。第1の連通管の管壁の高さは、第1の反応槽が収容し得る液体の最大液面レベルと等しくなるように設けられている。第1の連通管は、第1の反応槽と第2の反応槽とを隔てる第1の仕切り板を貫通している。
このような構成のPAS連続製造器において、反応混合物の高さが第1の反応槽の最大液面レベルを超えると、反応混合物は、第1の接続管の管壁を超えて第1の接続管に流れ込み、第1の接続管を介して第2の反応槽に流れ込む。このようなPAS連続製造器の構成として反応混合物を順次移動させてもよい。第1の反応槽における反応混合物の高さが第1の反応槽の最大液面レベルを下回っている間は、第一の反応槽と第二の反応槽は、連通管により第一の反応槽の気相部と第二の反応槽の気相部が、互いに連通している。
〔実施形態3〕
図4は、PAS連続製造器である場合の重合部100のさらに別の実施形態(以下、「実施形態3」という。)を示す部分断面図である。以下、図4に基づき、実施形態3の構成及び動作を説明する。
図4を参照して説明すると、連続重合器104は収容室2内で、反応槽を隔離する隔離手段が、隔壁ではなく、回転中心を有する仕切板である点において、実施形態1と異なる。
本実施形態では、反応槽1aと反応槽1bとは、仕切板20aによって隔てられ、反応槽1bと反応槽1cとは、仕切板20bによって隔てられている。反応槽1a、反応槽1b及び反応槽1cは、収容室2における気相部を介して、互いに連通している。
また、仕切板20aの片面には、反応槽1a中の反応混合物9aを撹拌する撹拌翼10aが取り付けられている。同様に、仕切板20bの片面には、反応槽1b中の反応混合物9bを撹拌する撹拌翼10bが取り付けられている。なお、本実施形態における撹拌翼10a及び10bは、内側に開口が設けられている構造を有している。
撹拌翼10a及び10b並びに仕切板20a及び20bは、いずれも同一の回転軸21に設置されている。回転軸21は、収容室2外から側壁3aを貫き、側壁3bに達するように設置されている。回転軸21の側壁3a側の末端には、回転軸21を回転させる回転駆動装置12が設置されている。
なお、撹拌翼は、仕切板に対して任意の位置に設置可能である。仕切板は撹拌翼の上流側であってもよく、下流側であってもよく、またこれらが混在してもよい。仕切板は撹拌翼と離れていても良いが、図4のように密着して連結させることにより、仕切板の固定及び補強ができるので好ましい。また、撹拌翼と仕切板は必ずしも、一対である必要はなく、隣接する仕切板の間に、撹拌翼が無いところがあってもよい。少なくとも1つの撹拌翼を設けることにより、重合反応の進行を補助すると共に、反応混合物中の固体の移動をよりスムーズにすることができる。あるいは、撹拌翼は設けなくてもよく、これにより、より簡素な装置構成が可能になる。
仕切板の形状としては、特に限定されず、回転中心を有し、且つ、収容室2内の鉛直断面を部分的に塞ぐ一方で、隣り合う反応槽が連通するように、所定の幅のクリアランス又は開口部を与える任意の形状であってよい。例えば、収容室2が中空円柱形である場合、図に示されるように、収容室の内部空間よりも一回り小さい半径を有する円盤状の仕切板であってよい。なお、仕切板の形状はこれに限定されず、中心軸を有しない、かご状回転物であってもよい。
回転軸上に設けられる仕切板の数は、収容室のサイズ及び重合反応の種類等に応じて、1以上の任意の数であってよい。
仕切板が2枚以上設けられている場合、これらは同一の形状であっても、又はそれぞれ異なっていてもよい。
また、各仕切板の位置は、特に限定されず、任意の位置に設けることができる。
一方、撹拌翼の形状としては、特に限定されず、仕切板と同軸に設けられ、反応混合物を撹拌する任意の形状であってよい。撹拌翼10は、図4に示されるように、仕切板20のいずれか一方の面に取り付けられていてもよく、又は、両面に取り付けられていてもよい。又は、仕切板とは別個に、回転軸21上に取り付けられていてもよい。
反応槽1a〜1cは、その液相部どうしが互いに連通している。その結果、反応槽1aに供給された原料及び溶媒は、反応混合物として重合反応を進行させながら、反応槽1b及び1cへと順次移動する。
また、反応槽1a〜1cは、その気相部どうしも互いに連通している。その結果、収容室2内の気相の圧力は均一となる。そして、各反応槽内で重合時に発生する蒸発成分は、装置内部の温度差等により、この気相部を介して反応槽1cから、1b及び1aの方向へと順次移動し、排気ライン13から排出される。
本実施形態における連続重合器103では、収容室2の内壁と、仕切板20a〜20bのそれぞれの外縁との間には、所定の幅のクリアランスが存在する。これにより、隣接する反応槽の気相部どうし、及び、液相部どうしが連通し、反応混合物、蒸発成分を含む気体等が移動する。なお、クリアランスを設ける代わりに、仕切板に開口部、例えば貫通孔又はスリットを設け、これを介して反応槽を連通させてもよい。又は、クリアランス及び開口部の両方を設けてもよい。あるいは、仕切板は、複数の細かい貫通孔を有するメッシュ状であってもよい。
クリアランスの幅又は開口部のサイズは、特に限定されず、容器の形状、仕切板の形状及び数等に応じて適宜に設定することができる。
[重合部100の実施形態4]
図5は、PAS連続製造器である場合の重合部100のさらに別の実施形態(以下、「実施形態4」という。)を示す部分断面図である。以下、図5に基づき、実施形態4の構成及び動作を説明する。
図5を参照して説明すると、連続製造器104は、第1の反応槽50、第2の反応槽51及び第3の反応槽52を備えている。第2の反応槽51は第1の反応槽50に対して、第3の反応槽52は第2の反応槽51に対して、それぞれ鉛直方向下方に配置されている。
第1の反応槽50と第2の反応槽51とは、第1の配管65によって接続されている。また、第2の反応槽51と第3の反応槽52とは、第2の配管67によって接続されている。なお、本実施形態における連続製造器104では、第1の反応槽50に反応原料が供給される。
重合溶媒及び反応原料が、有機極性溶媒供給ライン4から第1の反応槽50に供給され、第1の配管65は、第1の反応槽50中の反応混合物が最大液面レベルを超えたときに、反応混合物が第1の配管65を通って第2の反応槽51に移動するように設けられている。また、第2の配管67は、第2の反応槽51中の反応混合物が最大液面レベルを超えたときに、反応混合物が第2の配管67を通って第3の反応槽52に移動するように設けられている。そして、第3の反応槽52の反応混合物回収ライン7から回収される。
第1〜第3の反応槽50〜52のそれぞれは、通気部70が接続されている。通気部70を介して、第1〜第3の反応槽50〜52は気相を介して連通している。
このような連続製造器104の構成によって、第1の反応槽50及び第2の反応槽51のそれぞれの最大液面レベルの高低差を利用して反応混合物を順次移動させても、実施形態1と同様の効果が得られる。さらに連続製造器104によれば、実施形態1に示したような隔壁を設ける必要がない。
[まとめ]
本発明の一実施形態に係るPASの製造方法は、水、ジハロ芳香族化合物、及び硫化水素を含有する気相と、有機極性溶媒及びPASを含有する液相と、を含む気液系における前記気相からの凝縮により、ジハロ芳香族化合物及び硫化水素を含有する第1中間気相と、水、ジハロ芳香族化合物、及び硫黄源を含有する第1中間液相と、を得る凝縮工程と、
前記第1中間気相を有機極性溶媒と接触させて、硫化水素を含有する第1回収気相と、有機極性溶媒、ジハロ芳香族化合物、及び硫黄源を含有する第1回収液相と、を得る第1回収工程と、
前記第1回収気相をアルカリ金属水酸化物水溶液と接触させて、水、硫黄源、及びアルカリ金属水酸化物を含有する第2回収液相を得る第2回収工程と、
を含む。
本発明の一実施形態に係るPASの製造方法は、有機極性溶媒、水、硫黄源、及びジハロ芳香族化合物を含有する反応系の液相から前記反応系の気相へ水を蒸発させつつ、有機極性溶媒中で硫黄源とジハロ芳香族化合物とを重合させてPASを生成させて、前記気液系を得る重合工程を、前記凝縮工程の前に更に含むことが好ましい。
本発明の一実施形態に係るPASの製造方法において、前記第1回収液相中のジハロ芳香族化合物の少なくとも一部を、前記重合工程におけるジハロ芳香族化合物の少なくとも一部として用いることが好ましい。
本発明の一実施形態に係るPASの製造方法において、前記第1回収液相中の硫黄源の少なくとも一部を、前記重合工程における硫黄源の少なくとも一部として用いることが好ましい。
本発明の一実施形態に係るPASの製造方法において、前記第1回収液相中の有機極性溶媒と前記重合工程における有機極性溶媒とが同じ種類であることが好ましい。
本発明の一実施形態に係るPASの製造方法において、前記第2回収液相中の硫黄源の少なくとも一部を、前記重合工程における硫黄源の少なくとも一部として用いることが好ましい。
本発明に係るPASの製造方法の前記重合工程においては、
操作1:有機極性溶媒、硫黄源、及びジハロ芳香族化合物を連続的に供給する連続原料供給操作、
操作2:前記反応系内の水を前記反応系外に連続的に排出する連続脱水操作、
操作3:有機極性溶媒中で硫黄源とジハロ芳香族化合物とを連続的に重合させる連続重合操作、
操作4:前記反応系内の非凝縮性気体を前記反応系外に連続的に排出することにより前記反応系内の圧力を調整する圧力調整操作、並びに
操作5:生成した反応混合物を連続的に回収する連続回収操作、
を同時並行で行い、PASを連続的に生成させることが好ましい。
本発明の一実施形態に係るPASの製造方法では、前記第1中間液相中の硫化水素の少なくとも一部を、(1)前記第2回収工程において用いる前記アルカリ金属水酸化物水溶液に予め吸収させ、(2)前記第2回収工程において、前記第1回収気相とともに、アルカリ金属水酸化物水溶液と接触させ、及び/又は、(3)前記第2回収液相に吸収させることが好ましい。
本発明の一実施形態に係るPASの製造方法において、前記第1中間液相中のジハロ芳香族化合物の少なくとも一部を、前記重合工程におけるジハロ芳香族化合物の少なくとも一部として用いることが好ましい。
本発明に係るPASの製造装置は、水、ジハロ芳香族化合物、及び硫化水素を含有する気相と、有機極性溶媒及びPASを含有する液相と、を含む気液系における前記気相からの凝縮により、ジハロ芳香族化合物及び硫化水素を含有する第1中間気相と、水、ジハロ芳香族化合物、及び硫黄源を含有する第1中間液相と、を生成する脱水部と、
前記第1中間気相を有機極性溶媒と接触させて、硫化水素を含有する第1回収気相と、有機極性溶媒、ジハロ芳香族化合物、及び硫黄源を含有する第1回収液相と、を生成する第1回収部と、
前記第1回収気相をアルカリ金属水酸化物水溶液と接触させて、水、硫黄源、及びアルカリ金属水酸化物を含有する第2回収液相を生成する第2回収部と、
を備える。
本発明の一実施形態に係るPASの製造装置は、有機極性溶媒、水、硫黄源、及びジハロ芳香族化合物を含有する反応系の液相から前記反応系の気相へ水を蒸発させつつ、有機極性溶媒中で硫黄源とジハロ芳香族化合物とを重合させてPASを生成させて、前記気液系を生成する重合部を更に備える。
以下に実施例を示し、本発明の実施の形態について更に詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。
[実施例1]
図1に示すPASの製造装置を用いた。重合部100としては、収容室2が5枚の隔壁により仕切られて形成された6個の反応槽を有する以外は、図2に示すのと同様のPAS連続製造器を用いた。このPAS連続製造器は、隔壁が半円形状であり、直径100mm×300mmの寸法を有するTi製反応装置であった。上記PAS連続製造器に、NMP950gを仕込んだ後、上流側から1番目の隔壁と2番目の隔壁とで区切られた部分の温度1を230℃、3番目の隔壁と4番目の隔壁とで区切られた部分の温度2を260℃に保持し、各供給ラインより定量ポンプを用いてNMP−pDCB混合液3.52g/min(NMP:pDCB(質量比)=990:278)、36質量%NaSH水溶液0.84g/minの流量にて連続的に原料を供給した。同時にPAS連続製造器に接続された蒸留装置として脱水部200を用いて、圧力調整弁によって圧力をゲージ圧0.32MPaに制御しながら、PAS連続製造器より連続的に水を除去した。更に、除去した水中のpDCBについては、脱水部200の一部を構成する静置槽で分離してPAS連続製造器に戻した。第1中間液相のうち、水及び硫黄源はラインL7を通して廃棄した。脱水部200からのガスは、充填塔である第1回収部300に通じ、向流で0.5g/minの流量のNMPと接触させた。第1回収部300からの液相は、PAS連続製造器に戻した。一方、第1回収部300からのガスは、充填塔である第2回収部400に通じ、向流で1.37g/minの流量の15.84質量%水酸化ナトリウム水溶液と接触させた。第2回収部400からの液相は、PAS連続製造器に戻した。一方、第2回収部400からのガスは、5質量%の水酸化ナトリウム水溶液5kgに通じて硫化水素を完全に吸収・回収した後に、ラインL14を通じて排気した。重合反応物はPAS連続製造器から連続的に溢流させて抜出し、冷却した。
以上の操作を5時間継続し、硫黄源についてマテリアルバランスを調べた。具体的には、ラインL2を通じて供給された硫黄源の量、ラインL11及びL13を通じてリサイクルされた硫黄源の量、ラインL7及びL14を通じてロスした硫黄源の量を、硫化水素換算で測定した。結果を表1に示す。
Figure 0006438180
[実施例2]
操作時間を5時間から2時間に変更し、NMP−pDCB混合液の流量及び組成をそれぞれ3.54g/min及びNMP:pDCB(質量比)=988:286に変更した以外は、実施例1と同様にして、硫黄についてマテリアルバランスを調べた。結果を表2に示す。
Figure 0006438180
[実施例3]
操作時間を5時間から7時間に変更し、NMP−pDCB混合液の流量及び組成をそれぞれ3.55g/min及びNMP:pDCB(質量比)=986:294に変更し、15.84質量%水酸化ナトリウム水溶液の流量を1.36g/minに変更した以外は、実施例1と同様にして、硫黄についてマテリアルバランスを調べた。結果を表3に示す。
Figure 0006438180
[比較例1]
操作時間を5時間から7時間に変更し、第1回収部300及び第2回収部400を用いず、第2回収部400からのガスの代わりに脱水部200からのガスを用いた以外は、実施例1と同様にして、硫黄についてマテリアルバランスを調べた。結果を表4に示す。
Figure 0006438180
表1〜3から分かるように、第1回収部300及び第2回収部400を用いた実施例では、供給量された硫黄のうち、24モル%前後もの多くの硫黄がリサイクルされたのに対し、ロスした硫黄の量は約4〜約5モル%と非常に低く抑えることができた。
これに対し、表4から分かるように、第1回収部300も第2回収部400も用いなかった比較例では、供給量された硫黄のうち、約18モル%もの多くの硫黄がロスしたのに対し、リサイクルされた硫黄は全く存在しなかった。

Claims (11)

  1. 水、ジハロ芳香族化合物、及び硫化水素を含有する気相と、有機極性溶媒及び重合によって得られるポリアリーレンスルフィドを含有する液相と、を含む気液系における前記気相からの凝縮により、ジハロ芳香族化合物及び硫化水素を含有する第1中間気相と、水、ジハロ芳香族化合物、及び硫黄源を含有する第1中間液相と、を得る凝縮工程と、
    前記第1中間気相を有機極性溶媒と接触させて、硫化水素を含有する第1回収気相と、有機極性溶媒、ジハロ芳香族化合物、及び硫黄源を含有する第1回収液相と、を得る第1回収工程と、
    前記第1回収気相をアルカリ金属水酸化物水溶液と接触させて、水、硫黄源、及びアルカリ金属水酸化物を含有する第2回収液相を得る第2回収工程と、
    を含む、ポリアリーレンスルフィドの製造方法。
  2. 有機極性溶媒、水、硫黄源、及びジハロ芳香族化合物を含有する反応系の液相から前記反応系の気相へ水を蒸発させつつ、有機極性溶媒中で硫黄源とジハロ芳香族化合物とを重合させてポリアリーレンスルフィドを生成させて、前記気液系を得る重合工程を、前記凝縮工程の前に更に含む請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1回収液相中のジハロ芳香族化合物の少なくとも一部を、前記重合工程におけるジハロ芳香族化合物の少なくとも一部として用いる請求項2に記載の方法。
  4. 前記第1回収液相中の硫黄源の少なくとも一部を、前記重合工程における硫黄源の少なくとも一部として用いる請求項2又は3に記載の方法。
  5. 前記第1回収液相中の有機極性溶媒と前記重合工程における有機極性溶媒とが同じ種類である請求項3又は4に記載の方法。
  6. 前記第2回収液相中の硫黄源の少なくとも一部を、前記重合工程における硫黄源の少なくとも一部として用いる請求項2から5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記重合工程においては、
    操作1:有機極性溶媒、硫黄源、及びジハロ芳香族化合物を連続的に供給する連続原料供給操作、
    操作2:前記反応系内の水を前記反応系外に連続的に排出する連続脱水操作、
    操作3:有機極性溶媒中で硫黄源とジハロ芳香族化合物とを連続的に重合させる連続重合操作、
    操作4:前記反応系内の非凝縮性気体を前記反応系外に連続的に排出することにより前記反応系内の圧力を調整する圧力調整操作、並びに
    操作5:生成した反応混合物を連続的に回収する連続回収操作、
    を同時並行で行い、ポリアリーレンスルフィドを連続的に生成させる請求項2から6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記第1中間液相中の硫化水素の少なくとも一部を、(1)前記第2回収工程において用いる前記アルカリ金属水酸化物水溶液に予め吸収させ、(2)前記第2回収工程において、前記第1回収気相とともに、アルカリ金属水酸化物水溶液と接触させ、及び/又は、(3)前記第2回収液相に吸収させる請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記第1中間液相中のジハロ芳香族化合物の少なくとも一部を、前記重合工程におけるジハロ芳香族化合物の少なくとも一部として用いる請求項2から7のいずれか1項に記載の方法。
  10. 水、ジハロ芳香族化合物、及び硫化水素を含有する気相と、有機極性溶媒及び重合により得られるポリアリーレンスルフィドを含有する液相と、を含む気液系における前記気相からの凝縮により、ジハロ芳香族化合物及び硫化水素を含有する第1中間気相と、水、ジハロ芳香族化合物、及び硫黄源を含有する第1中間液相と、を生成する脱水部と、
    前記第1中間気相を有機極性溶媒と接触させて、硫化水素を含有する第1回収気相と、有機極性溶媒、ジハロ芳香族化合物、及び硫黄源を含有する第1回収液相と、を生成する第1回収部と、
    前記第1回収気相をアルカリ金属水酸化物水溶液と接触させて、水、硫黄源、及びアルカリ金属水酸化物を含有する第2回収液相を生成する第2回収部と、
    を備える、ポリアリーレンスルフィドの製造装置。
  11. 有機極性溶媒、水、硫黄源、及びジハロ芳香族化合物を含有する反応系の液相から前記反応系の気相へ水を蒸発させつつ、有機極性溶媒中で硫黄源とジハロ芳香族化合物とを重合させてポリアリーレンスルフィドを生成させて、前記気液系を生成する重合部を更に備える請求項10に記載の装置。
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