JPH107798A - ポリアリーレンスルフィドの製造方法 - Google Patents
ポリアリーレンスルフィドの製造方法Info
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- JPH107798A JPH107798A JP8167298A JP16729896A JPH107798A JP H107798 A JPH107798 A JP H107798A JP 8167298 A JP8167298 A JP 8167298A JP 16729896 A JP16729896 A JP 16729896A JP H107798 A JPH107798 A JP H107798A
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Abstract
ンスルフィドを、高効率かつ安定に製造する。 【解決手段】 精留塔を有する反応容器を使用し、有機
アミド系極性溶媒中でアルカリ金属硫化物とポリハロ芳
香族化合物を反応させるにおいて、系内水分を留去せし
めて反応させるにおいて、精留塔の塔頂温度を「ポリハ
ロ芳香族化合物と水の水蒸気蒸留温度T+10℃」以下
に維持することを特徴とする。
Description
ルフィド(以下、PASと略称する。)の重合方法に関
する。さらに詳しくは、高分子量でかつ安定性にすぐれ
たポリフェニレンスルフィド(以下PPSと略称す
る。)等のPASを高効率かつ安定に製造する方法であ
る。
極性溶媒中で結晶水を有する硫化アルカリ金属化合物と
ポリハロ芳香族化合物を重縮合反応させて得られること
が特公昭45−3368により知られている。
縮合反応に先立ち余剰の水分が除去される。この脱水反
応工程において通常の蒸留塔や精留塔を用いて余剰の水
を常圧で極性溶媒と分離する方法が特開昭59−981
13、特開昭61−7332、特開昭63−3992
6、USP4368321、USP4371671によ
り知られている。
45531によりしられている。加圧下で余剰の水分を
除去する方法も特開昭58−42622、特開昭58−
42623により知られている。しかしこれらの方法は
いずれも脱水反応中に溶媒のアミド化合物の加アルカリ
分解反応に使用された水までは分離除去できない。
製造するに際し副生する遊離水はPASの反応を妨害す
る。
275334号公報に開示されている。更に精留塔を設
置し、遊離水を除去する方法が特開平3−35023号
公報に開示されている。しかし、溶媒成分である極性溶
媒の飛散損失があり、かつ留出物の回収精製工程を必要
とするなどの問題点があった。
は、脱水しながら重縮合するとしながら、反応溶媒が多
量に系外に留出した結果となっており、どの様な温度条
件で精留塔を制御すれば好適な結果が得られるのか、重
縮合のどの段階で脱水を行ったら特に好適な結果が得ら
れるのかについては記載がなく、当業者においても、そ
の最適条件を見い出すことが期待されている。
術の欠点をいずれも解決するものであって、特に、特開
平3−35023号公報の発明の欠点を改良するもので
あり、重縮合反応工程において遊離する水分を効率的に
分離し、かつ極性アミド系溶媒の反応系外への逃散を防
止する方法を提供するものである。
を解決する為に鋭意検討した結果、精留塔の塔頂温度に
着目し、その温度を特定温度範囲となる様に制御するこ
とにより、反応により遊離する水分のみを選択的に分離
して、反応系内に存在する反応溶媒量を出来るだけ一定
とすることが出来、廃液処理の負荷が小さく、高分子量
であって良好な安定性を有するPASが簡便に得られる
ことを見い出し、本発明を完成するに至った。
使用し、有機アミド系極性溶媒中でアルカリ金属硫化物
とポリハロ芳香族化合物を反応させるにおいて、系内水
分を留去せしめて反応させるにおいて、精留塔の塔頂温
度を「ポリハロ芳香族化合物と水の水蒸気蒸留温度T+
10℃」以下に維持することにより、反応で遊離する水
分を選択的に効率的に分離し、アミド系極性溶媒の反応
系外への逃散を防止できるポリアリーレンスルフィドの
製造方法を提供する。
製造装置に於いては、反応容器の気相部分に精留塔を設
け、分離蒸留を行う機構を有している。
あることが好ましい。また、腐蝕に出来るだけ強い容器
材質であるのが好ましい。
〜300℃、圧力0〜30Kg/cm2で行うのが一般
的であり、ここに設ける精留塔は、望ましくは反応容器
と同一圧力で制御される。
ス入口、ガス出口を有するものであって、従来から使用
されている棚段構造の塔あるいは充填塔を使用すること
が出来る。
き、例えば泡鐘トレイ、多孔盤トレイなどが設けられた
ものが使用できる。また充填塔としても、公知慣用のも
のが使用でき、それの充填物の構造、種類にしても特に
制限はなく、いずれのものも使用できる。これらの材質
は、運転時の圧力内外の圧力差に耐えられる耐圧構造で
あって、更に腐食性のないものであることが好ましい。
除去する場合には、精留塔の塔頂温度を、ポリハロ芳香
族化合物と水の水蒸気蒸留温度T以上であって、かつT
+10℃以下に保つことが必要である。好ましくは、T
+6℃以下、更に好ましくはT+4℃以下に保つことが
必要である。これにより、精留塔の塔頂より系外へ留出
逃散する高沸点の有機アミド系極性溶媒の量を、ゼロに
向けて極力低減せしめることが可能になる。
入口より塔頂に向けて導入されることになる。本発明に
おいては、ポリハロ芳香族化合物、有機アミド系極性溶
媒、水分等のガス成分が導入されることになるが、上記
制御を行うことにより、有機アミド系極性溶媒の塔頂か
らの飛散を抑制し、水分が選択的に系外に除去される。
塔内で高沸点の有機アミド系極性溶媒と低沸点の水とポ
リハロ芳香族化合物の共沸物の分離、精留が行われる。
水およびポリハロ芳香族化合物が、塔頂部を経て系外
へ、有機アミド系極性溶媒は精留塔底部に分離され、凝
縮し、反応容器に戻される。
の圧力は、各成分の純物質の蒸気圧の和に等しい。この
時、この蒸留系を水蒸気蒸留系という(化学工学便覧第
4版第466頁参照。)。例えば、本発明のPAS重縮
合反応系においては、ポリハロ芳香族化合物と水とは、
互いに溶解度が低くその混合物は高度に溶解し合わな
い。本発明者は、PASの重縮合工程中の遊離水分除去
工程において、その蒸留塔塔頂に存在する物質の化学組
成が、水とポリハロ芳香族化合物のみであり、水蒸気蒸
留系を形成するとき、有機アミド系極性溶媒の飛散が大
幅に抑制されることを見いだしたのである。
化合物の沸点に関係なく、水蒸気蒸留温度に近いとき、
塔頂からの当該アミド系溶媒の逃散がきわめて少ないこ
とを見いだし本発明に至ったのである。
囲に制御することが重要である。本発明で使用するポリ
ハロ芳香族化合物と水の水蒸気蒸留温度は次の様に計算
することができる。
ばアントワン(ANTOINE)の式により簡便に表す
ことが出来るので、これを利用すればよい。尚、A[m
mHg]を、A[kPa]に変換する場合には、A[m
mHg]−0.87510=A[kPa]から求めるこ
とが出来る。
なアントワン定数である。そこで、本発明では、当該式
(1)に従って、つぎの3式を満たすように水蒸気蒸留
温度Tを決定することができる。
式 LOG(P1)=A1−B1/(C1+T) (2)
香族化合物のアントワン定数である。また同様に、A
1、B2、C2は、水のアントワン定数である。
は、よく知られている(化学工学便覧第4版等)。参考
までに、例えばp−ジクロルベンゼン(PDCB)と、
水の各アントワン定数は次の通りである(表1参照。m
mHg単位に基づく値。)。
期の効果を得るための制御を行うが、その制御の方法と
しては、例えば塔内に液媒体(還流液)を塔頂に供給し
て、還流液を還流させる方法や、還流液を供給すること
なくインタークーラーを用いて還流させる方法が挙げら
れる。
すれば、その内部の温度制御も達成される。この液媒体
は、精留塔内部のみを循環し、実質的に凝縮して反応容
器に戻ることは無いか、あっても極少量である。還流の
ための液媒体は、公知慣用のものが使用できるが、例え
ば水及び/又はポリハロ芳香族化合物が使用できる。こ
れらは精留塔外部に放出された留出液をそのまま用いて
もよいし、両成分を含む場合にはそれらを分離した個々
のものを用いてもよいし、別途準備されたものを個別
に、或いは併用して用いることができる。蒸発潜熱が大
きく、融点も大きい点で、水のほうが、より好ましい。
リハロ芳香族化合物と水は、コンデンサにより凝縮液化
せしめ静置分離し、ポリハロ芳香族化合物を還流液とし
て使用することが、好適には行われる。ポリハロ芳香族
化合物を還流液として使用することにより反応容器より
留出するポリハロ芳香族化合物の量を極力低減せしめ、
これにより、重縮合反応中に大きく変動しうる、アルカ
リ金属硫化物とポリハロ芳香族化合物とのモル比が一定
または一定範囲となる様に、極めて精度良く維持され
る。
交換器のことを言い、この熱交換器内部に液体の冷媒を
循環させることにより、その冷媒が、塔内のガス成分と
直接接触することなく、交換器内外を通じて熱交換が行
われる様になっているものである。即ちこの熱交換器内
部の循環する冷媒と、反応容器から上昇して精留塔内部
に導入されたガス成分とが熱交換され、所定のガス成分
のみが凝縮することにより、反応容器に戻る様になって
いる。
に比べれば、インタークーラーを用いて行うほうが、ポ
リハロ芳香族化合物の反応系内の原料モル比の制御がよ
り容易になるという副次的効果もある。
は内部に設置し、精留塔上部又は内部の内部還流により
精留効果を発揮する。勿論、それは一つのみであっても
よいが、より多いほうが好ましい。そして、最も塔頂に
近いところにあるインタークーラーが、精留塔の塔頂温
度を「ポリハロ芳香族化合物と水の水蒸気蒸留温度T+
10℃」以下に維持できるように調節される。インター
クーラーを複数個、塔内部に設ける場合には、それぞれ
個々のインタークーラーの熱交換のための条件を傾斜し
て調節することもできる。
御弁を精留塔の出口以降に設置するのが好ましい。圧力
制御弁の位置はこれに制約されるものではないが、例え
ば精留塔塔頂に続くコンデンサの出口ラインのひとつに
設けたり(後述、図1参照。)、あるいは精留塔塔頂と
コンデンサを結ぶラインに設ける様にすることが出来
る。本発明を好適に実施するためには、圧力を精確に制
御できる機構、精度を有することが、より重要である。
圧力制御弁の弁開度制御は重要な項目である。
際の反応に関与しない、例えば窒素、アルゴン、ヘリウ
ムなどの不活性の非凝縮性ガスを使用することも、好ま
しい実施態様である。
芳香族化合物の不存在下で、必要に応じて不活性の非凝
縮性ガスの雰囲気下、予め含水アルカリ金属硫化物と、
有機アミド系極性溶媒との混合物を加熱して、脱水を行
ってから、そこにポリハロ芳香族化合物を共存させて重
縮合反応を行わせる。
化合物と有機アミド系極性溶媒の混合系に、含水アルカ
リ金属硫化物を滴下、或いは分割ないしは一括仕込みす
ることにより反応させる方法という方法も、上記したの
と同様に、好適に行うことが出来る。
極性溶媒に対し、出来るだけ少なくなる様に、例えば5
wt(重量)%以下の範囲になるように予め留去せしめ
てから、重縮合反応させることが好ましい。さらに3w
t%以下の範囲になるように予め留去せしめることが、
より好ましい。
金属水硫化物をも含んだものを用いる場合には、ポリハ
ロ芳香族化合物の不存在下で、必要に応じて不活性の非
凝縮性ガスの雰囲気下、予め含水アルカリ金属硫化物
と、有機アミド系極性溶媒との混合物に、さらにそこに
アルカリ金属水酸化物を含めて加熱して、脱水を行って
から、そこにポリハロ芳香族化合物を共存させて重縮合
反応を行わせる。
リ金属硫化物としては、例えば硫化リチウム、硫化ナト
リウム、硫化カリウム、硫化ルビジウム、硫化セシウム
およびこれらの混合物が含まれる。かかるアルカリ金属
硫化物は、水和物および/あるいは水性混合物として、
あるいは無水の形で用いることができる。
アルカリ金属水硫化物とアルカリ金属水酸化物、あるい
はN,N−ジメチル−4−アミノ酪酸ナトリウムを共用
することもできる。また通常、アルカリ金属硫化物が、
アルカリ金属水硫化物、チオ硫酸アルカリ金属を微量含
んでいる場合には、それと反応させて微量成分をも全て
アルカリ金属硫化物とするために、それに小量のアルカ
リ金属水酸化物を加えても差し支えない。尚、上記した
通り、アルカリ金属化合物又はアルカリ金属水硫化物の
各水和物を使用する場合には、予め溶媒中で脱水せしめ
た後に、重縮合反応に用いる必要がある。
系極性溶媒は、その温度および圧力において実質的に液
状である有機アミド系極性溶媒が好ましい。具体的に
は、ホルムアミド、アセトアミド、N−メチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピ
ロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、ε−カプロラ
クタム、N−メチル−ε−カプロラクタム、ヘキサメチ
ルホスホルアミド等のアミド系極性溶媒およびこれらの
混合物を挙げることができる。さらに、テトラメチル尿
素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、尿素お
よびラクタム類類等あるいはスルホラン、ジメチルスル
ホラン等のスルホン類;ベンゾニトリル等のニトリル
類;メチルフェニルケトン等のケトン類;ポリエチレン
グリコール等の非プロトン性有機極性溶媒を混合使用し
ることもできる。
ては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エ
チル−2−ピロリドン、N−メチル−ε−カプロラクタ
ム、ヘキサメチルホスホルアミド等あるいはこれらの混
合物より選択される。これらの溶媒の中でN−メチル−
2−ピロリドンが好ましい。
使用量は、後述するジハロ芳香族化合物を含むポリハロ
芳香族化合物1モルに対し硫黄元素が0.8〜1.2モ
ル、好ましく0.9〜1.1モルとなるように選択され
る。また有機アミド系極性溶媒の使用量は、ジハロ芳香
族化合物を含むポリハロ芳香族化合物に対するモル比で
1.5ないし20の範囲で、好ましくは2.5ないし1
0の範囲で選択して使用される。
いては、公知慣用の条件が採用できるが、常圧下、18
0〜220℃で、0.5〜4時間行われるのが、一般的
である。この重縮合反応前の脱水については、上記精留
塔の塔頂温度は上記特定の温度範囲制御しないで行うこ
ともできる。本発明では、むしろ重縮合反応開始後の脱
水が極めて重要であり、専らこの工程における精留塔の
塔頂温度の制御が発明の効果の発現に主体的役割を擁し
ている。重縮合反応開始後に発生してくる水分種は、前
記原料成分に含まれる水分種と区別して、本発明では、
専ら遊離水と呼ぶ。
ロ芳香族化合物は、芳香族に直接結合した2個以上のハ
ロゲン原子を有するハロゲン化芳香族化合物であり、具
体的には、p−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼ
ン、o−ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、テト
ラクロロベンゼン、ジクロロナフタレン、トリクロロナ
フタレン、ジブロモベンゼン、トリブロモベンゼン、ジ
ブロモナフタレン、ジヨードベンゼン、トリヨードベン
ゼン、ジクロロジフェニルスルホン、ジブロモジフェニ
ルスルホン、ジクロロベンゾフェノン、ジブロモベンゾ
フェノン、ジクロロジフェニルエーテル、ジブロモジフ
ェニルエーテル、ジクロロジフェニルスルフィド、ジブ
ロモジフェニルスルフィド、ジクロロビフェニル、ジブ
ロモビフェニル等、及びこれらの混合物があげられる。
通常、PASの合成ではジハロ芳香族化合物が使用され
るが、ポリマーに分岐構造をもたせ、粘度増大を図るた
めに1分子中に3個以上のハロゲン置換基をもつポリハ
ロ芳香族化合物を少量ジハロ芳香族化合物と併用させる
こともできる。
アルカリ金属硫化物を混合し、好ましくは不活性雰囲気
下で加熱する事により製造され得る。勿論、公知慣用の
水以外の重合助剤を系内に任意の段階で添加することも
出来る。各成分の混合の順序は特に制限はなく、重縮合
工程に際して、上記成分を部分的に少量づつ分割仕込み
したり、あるいは一時に一括仕込みして、反応容器に加
える事により行われる。
できるが、例えば有機スルホン酸金属塩、有機カルボン
酸金属塩、有機燐酸金属塩、アルカリ金属ハロゲン化物
等を、任意量使用することができる。
0〜300℃、好ましくは210〜300℃である。圧
力は、有機アミド系極性溶媒及びポリハロ芳香族化合物
を実質的に液相に保持するような温度で、0.1から2
0Kg/cm2の範囲により選択される。反応時間は温
度、圧力により異なるが、通常、1時間〜100時間で
ある。
囲に塔頂温度を制御して脱水(遊離水除去)を行うこと
を必須要件とする。この遊離水除去の開始時は、重縮合
反応中の如何なる反応率の時でもよく、当該反応初期で
あってもよいが、ポリハロ芳香族化合物の反応率が50
モル%以上、好ましくは70モル%以上となったところ
で脱水を行い、反応率がそれ未満の間は、特定温度範囲
での脱水を行わないようにするのが、より高分子量のP
ASを得る上では、好ましい。
容器の圧力は、反応容器温度あるいは系内水分量により
異なるが、通常0.1〜10Kg/cm2とする。
系外への逃散を極力抑制できる。しかも共沸して精留塔
塔頂から回収される留出液はそのままで、或いは、ポリ
ハロ芳香族化合物のみ、水のみを環流液として使用する
ことが出来るし、それとは別に、ポリハロ芳香族化合物
のみを液体状態にて反応容器に戻して再利用に供するこ
ともできる。本発明では、PASの反応阻害成分である
水を反応系(反応容器)外へ効率よく分離除去すること
ができる。
分が、例えばコンデンサなどにより更に冷却されて凝縮
することにより得られる液体成分、例えばデカンタ内の
2相系が、水に溶解する有機アミド系極性溶媒を含むこ
とによるCOD(化学的酸素需要量)負荷の増大などの
公害問題を大幅に軽減できる。さらに回収するPDCB
などのポリハロ芳香族化合物中の有機アミド系極性溶媒
の濃度も低減できる。
促進されその高分子量化とともに安定性が向上する。
は、例えば溶融粘度で表すことができるが、本発明にお
ける溶融粘度(MV5と称す。単位:ポイズ。)は、A
STMD−1238−86に従い、荷重5Kg、31
5.6゜C、ホールド時間5分で測定したメルトフロー
値で295000を除した値で表すことが出来る。
V5と、前項のMV5の溶融粘度の測定法においてホー
ルド時間を25分とする以外は同様方法にて測定した溶
融粘度値(MV25と称す。同前の単位。)との比であ
り次式にて表現される。
が、本発明の好適な実施形態は、上記した各単位操作に
おける個々の好ましい条件の全てを連結することによ
り、達成することが可能である。
機アミド系極性溶媒中でアルカリ金属硫化物とポリハロ
芳香族化合物を反応させるにおいて、系内水分を留去せ
しめて反応させるにおいて、精留塔の塔頂温度を「ポリ
ハロ芳香族化合物と水の水蒸気蒸留温度T+10℃」以
下に維持することを特徴とするポリアリーレンスルフィ
ドの製造方法。
し、系内水分を5wt(重量)%以下の範囲になるよう
に留去せしめて反応させる上記1記載のポリアリーレン
スルフィドの製造方法。
ポリハロ芳香族化合物を使用して塔頂温度を制御する上
記1または2記載のポリアリーレンスルフィドの製造方
法。
たポリハロ芳香族化合物と水を併用使用して塔頂温度を
制御する上記1または2記載のポリアリーレンスルフィ
ドの製造方法。
を用いて塔頂温度を制御する上記1または2記載のポリ
アリーレンスルフィドの製造方法。
モル%以上の条件で系内水分を留去せしめる上記1、
2、3、4または5記載のポリアリーレンスルフィドの
製造方法。
1は、本発明の方法を実施するための製造装置の代表的
な例を示したものである。以下、本発明を実施例に従っ
て説明する。
器(オートクレーブ)の気相部分に、塔型250mm
で、多孔盤構造を有する精留塔を設置した。この精留塔
は、9段の棚段を有しており、6段目に温度センサーを
設けると同時に、水を還流液として用いて精留塔の温度
制御を行える様にした。
和物189.0Kg,N−メチル−2−ピロリドン(N
MP)473.6Kg、更に硫化ナトリウム水和物中に
存在する水硫化ナトリウムを反応させるための量に相当
する48.0%水酸化ナトリウム2.0Kgを仕込み、
窒素雰囲気下で200℃まで2時間かけて昇温し、水及
び若干のN−メチルピロリドンの混合物を留出させた
(重縮合反応前脱水工程)。尚、この時の系内水分量
は、2wt%未満であった。
に、P−ジクロルベンゼン(PDCB)220.3Kg
及びN−メチルピロリドン127.1Kgを1時間を要
して加え、220℃で4時間反応を行った。この反応過
程に於いて、遊離水の発生にともない圧力が4.1Kg
/cm2まで上昇した。
上記アントワン式と各定数を用いて計算を行い、精留塔
の塔頂温度を、T(ポリハロ芳香族化合物と水の水蒸気
蒸留温度)+2℃以下になるように、外套温度を制御し
つつ、反応温度220±2℃の範囲内で、釜内圧力を
4.1Kg/cm2より1.2Kg/cm2まで、30分
を要して等速で降圧させた。還流液としては、水を用
い、0.9L/分の流速を保持した。尚、この実施例1
では、P−ジクロルベンゼンの反応率が79モル%の時
点から系内水分の留去が行われた。
は、NMP 0.3Kg、水 58.2Kg、PDCB
26.1Kgであった。H2S 0.21Kgであっ
た。
で4Hr(時間)ホールド後、45分を要して、255
℃に昇温し、3Hrホールド後、常温まで冷却した。
0℃)洗浄、ろ過を3回繰り返し、以後、150℃で3
時間乾燥したところ、溶融粘度MV5値が1300ポイ
ズの白色粉末のPPSを得た。尚、MV25値も同様に
測定し、留出液組成とともに、表2にまとめて示した。
の塔頂温度を、T+4℃以内、T+6゜C以内とする他
は、それぞれ実施例1と同様な操作を行う様にして、白
色粉末の各PPSを得た(順に、実施例2、3とす
る。)。尚、実施例2では、P−ジクロルベンゼンの反
応率が78モル%の時点から系内水分の留去が行われ、
実施例3では、P−ジクロルベンゼンの反応率が80モ
ル%の時点から系内水分の留去が行われた。結果を表2
にまとめて示した。
頂温度を、T+10℃を越える様にする以外は、上記実
施例1と同様に操作して比較例1を行った。留出液組成
および得られたPPSの物性につき、表2にまとめて示
した。
わかる通り、留出液組成中のNMP含有量は、実施例の
精留塔の塔頂温度制御して得た本発明の各PPSでは、
従来法に比べて著しく少なく、また得られたポリマーは
高粘度で分子量も高く安定性に優れている。
実施例1相当例) 図1に示す精留塔を含む装置を用いて、そのオートクレ
ーブに、硫化ナトリウム5水塩 229kg(1363
モル)、N−メチル−2−ピロリドン 762L(リッ
トル)、P−ジクロルベンゼン 200kg(1363
モル)を仕込んだ。
料が仕込まれたオートクレーブを常圧下で徐々に昇温し
たところ、118℃を越えた時点で還流が始まった。こ
こで還流水を用いることなく、更に反応系を昇温せしめ
た。そのまま昇温を続けて、2.0Kg/cm2、内温
220〜225℃で1時間、4.0Kg/cm2、内温
245〜255℃で3時間脱水−重縮合反応を行った。
尚、2.0Kg/cm2の条件下では、精留塔の塔頂温
度は最高148℃であり、一方、4.0Kg/cm2、
の条件下では、同最高162℃を示し、それぞれの平衡
温度122℃、141℃を10℃を越えた温度に塔頂温
度がなっていた。
2kg、水 131kg、N−メチル−2−ピロリドン
52kgであった。また、得られたポリマー生成物
は、異臭がし、粘度は低く50ポイズ以下であり、分子
量の小さいポリマーであった。
わかる通り、やはり、留出液組成中のNMP含有量は、
実施例の精留塔の塔頂温度制御して得た本発明の各PP
Sでは、従来法に比べて著しく少なく、また得られたポ
リマーは高粘度で分子量も高く安定性に優れている。
工程を設けず、しかも重縮合反応工程の脱水を行うに当
たって精留塔塔頂温度を制御しないで反応を行った比較
例2(これは、特開平3−35023号公報実施例1に
相当する。)や、重縮合反応前脱水工程は設けるが、重
縮合反応工程の脱水を行うに当たって精留塔塔頂温度を
制御しないで反応を行った比較例1の方法の様に、重縮
合反応工程の脱水を行うに当たって精留塔塔頂温度を制
御しないで反応を行った従来の方法は、NMPの留出分
が多く、従来法に比べて、本発明の効果は明らかであ
る。
件で使用し、1.4Kg/cm2まで30分を要して等
速で降圧した以外は、実施例1と同様にして行いPPS
を得た。
8.3Kg、PDCB 140.1Kg、H2S 0.
18Kgであった。
では少なく、また得られたポリマーは1200ポイズと
高粘度で分子量も高い。溶融増粘性は98%と優れてい
る。
分、および水を0.6L/分の条件で併用使用し、1.
4Kg/cm2まで30分を要して等速で降圧した以外
は、実施例1と同様にして行いPPSを得た。
4.1Kg、PDCB 95.2Kg、H2S 0.2
1Kgであった。
では少なく、また得られたポリマーは1280ポイズと
高粘度で分子量も高い。溶融増粘性は103%と優れて
いる。
条件として、精留塔の塔頂温度に着目し、それを特定温
度範囲に制御して反応を行うので、選択的に水を留去す
ることができ、高分子量でかつ熱安定性に優れたポリア
リーレンスルフィドが、より高効率かつより安定的に製
造できるという格別顕著な技術的効果を奏する。
一例の全体図(実施例1で用いた反応装置。)。
タ 6 デカンタ上層部の液体を精留塔に戻す還流ポンプ 7 デカンタ下層部の液体を精留塔に戻す還流ポンプ 8 精留塔及びコンデンサ内部のガス成分の圧力を調製
する圧力制御弁
Claims (5)
- 【請求項1】 精留塔を有する反応容器を使用し、有機
アミド系極性溶媒中でアルカリ金属硫化物とポリハロ芳
香族化合物を反応させるにおいて、系内水分を留去せし
めて反応させるにおいて、精留塔の塔頂温度を「ポリハ
ロ芳香族化合物と水の水蒸気蒸留温度T+10℃」以下
に維持することを特徴とするポリアリーレンスルフィド
の製造方法。 - 【請求項2】 系内水分を有機アミド系極性溶媒に対
し、系内水分を5wt%以下の範囲になるように留去せ
しめて反応させる請求項1記載のポリアリーレンスルフ
ィドの製造方法。 - 【請求項3】 精留塔の還流液に水および/またはポリ
ハロ芳香族化合物を使用する請求項1または2記載のポ
リアリーレンスルフィドの製造方法。 - 【請求項4】 精留塔の還流液に精留塔より留出したポ
リハロ芳香族化合物と水を併用使用する請求項1、2ま
たは3記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。 - 【請求項5】ポリハロ芳香族化合物の反応率が50モル
%以上の条件で系内水分を留去せしめる請求項1記載の
ポリアリーレンスルフィドの製造方法。
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