JP6435228B2 - モールディング - Google Patents

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本発明は、モールディングに関するものである。
従来から、車両には、アウトサイドモール等のモールディングが装着されている。通常このようなモールディングは、ドアパネルの上側縁部に取り付けられ、例えばドアパネルと窓板との間の隙間に水等が侵入することを防止している。
特開2005−254915号公報 特開2009−196391号公報
ところで、例えば、特許文献1においては、ドアパネルの取付後にドアパネルに対して傾くことを防止するため、ドアパネルの縁部の表面に付勢されるリップ(特許文献1では振止リップ15)を有している。このようなリップがドアパネルの表面に側方から付勢されることによって、モールディングに外力が作用したときに、リップから受ける反力によってモールディングが傾くことを防止することができる。
しかしながら、従来のモールディングでは、ドアパネルの傾きをより確実に防止するために、リップのドアパネルへの付勢力を高めている。リップのドアパネルへの付勢力は、リップをドアパネルに押し付けることによって生じる反力(すなわちリップやその支持部の復元力)によって生じる。このため、従来のモールディングでは、リップ等の復元力を高めるため、リップ等が肉厚に形成されている。この結果、リップ等を変形させるためには大きな力が必要となり、モールディングのドアパネルへの取付作業の負荷が増加することになる。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、車両に対して取り付けられるモールディングであって、ドアパネルに対する傾きを効果的に抑止でき、かつ、ドアパネルへの取付作業を容易とすることを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
第1の発明は、車両のドアパネルの縁部に固定されるモールディングであって、可撓性を有する首部を介してベース部に対して接続されると共に上記ドアパネルの上記縁部の表面に付勢される転倒防止リップと、上記首部よりも剛性が高くかつ上記ベース部に対して固定されると共に、上記ドアパネルの上記縁部の先端に当接する当接部とを備えるという構成を採用する。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記当接部が、上記ドアパネルの上記縁部の表面にも当接されているという構成を採用する。
第3の発明は、上記第2の発明において、上記当接部が、上記縁部の先端が収容される凹部を有するという構成を採用する。
本発明においては、可撓性を有する首部を介してベース部に接続される転倒防止リップを備えている。このため、本発明によれば、首部が変形され、その復元力によって転倒防止リップがドアパネルの表面に付勢されることによって、ドアパネルに対して傾くことを抑止することができる。さらに、本発明においては、首部よりも剛性が高い当接部がドアパネルの縁部の先端に当接されている。このように当接部がドアパネルの先端に当接することによって、摩擦力等によってモールディングがドアパネルに対して変位することを防止することができる。つまり、本発明によれば、転倒防止リップがドアパネルから受ける反力のみならず、当接部がドアパネルから受ける摩擦力等によってもモールディングの傾きを防止することができる。このため、本発明によれば、転倒防止リップのみによってモールディングの傾きを防止する場合と比較して、転倒防止リップの付勢力を低減させることができ、首部の肉厚を薄くして首部が容易に撓むようにすることができる。さらに、当接部はドアパネルの先端に当接するのみであることから、モールディングをドアパネルに取り付けるときの抵抗とならない。したがって、本発明によれば、車両に対して取り付けられるモールディングであって、ドアパネルに対する傾きを効果的に抑止でき、かつ、ドアパネルへの取付作業を容易とすることが可能となる。
本発明の第1実施形態におけるアウトサイドモールが設置される車両のフロントドアの正面図である。 図1のA−A線断面図である。 本発明の第1実施形態におけるアウトサイドモールが備える転倒防止部を含む拡大図である。 本発明の第2実施形態におけるアウトサイドモールが備える転倒防止部を含む拡大図である。
以下、図面を参照して、本発明に係るモールディングの一実施形態について説明する。なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態のアウトサイドモール1(モールディング)が設置される車両のフロントドア10の正面図である。この図に示すように、車両のフロントドア10は、ドアパネル11と、窓枠12と、窓板13と、アウトサイドモール1とを備えている。ドアパネル11は、鋼板からなる強度部材であり、外装パネルであるドアアウタパネル11aと、当該ドアアウタパネル11aの内側に配置されるドアインナパネル11b(図2参照)とを有している。窓枠12は、ドアパネル11の上部に設けられる枠体である。窓板13は、窓枠12で囲われた領域に配置されており、不図示の昇降機構によって昇降される。
本実施形態のアウトサイドモール1は、ドアパネル11の上端11c1(図2参照)に車両の前後方向(図1の左右方向)に延在して固定されており、ドアパネル11と窓板13との隙間を埋めるように配置されている。以下、本実施形態のアウトサイドモール1について、図2を参照して詳細に説明する。図2は、図1のA−A線断面図である。
図2に示すように、本実施形態のアウトサイドモール1が取り付けられるドアパネル11は、ドアアウタパネル11aの上端部がドアインナパネル11bの上端部を覆うように、車両の外側から内側に向けて折り返されている。このようにドアアウタパネル11aが折り返された部位を以下、折り返し部11c(縁部)と称する。ドアパネル11は、上述の折り返し部11cが車両の前後方向の端部まで設けられた形状を有している。
アウトサイドモール1は、図2に示すように、芯材2aと、車内側シールリップ部2bと、低摩擦層2cと、車外側シールリップ部2dと、パネル当接部2eと、抜け止め部2fと、転倒防止部2gとを備えている。
芯材2aは、ステンレス鋼がロール成形されることによって成形された部品であり、図2に示すように、車内側シールリップ部2b、低摩擦層2c、車外側シールリップ部2d、パネル当接部2e、抜け止め部2f及び転倒防止部2gを直接的または間接的に支持している。この芯材2aは、車内側シールリップ部2b、パネル当接部2e及び抜け止め部2fが固着される平板領域2a1と、車外側シールリップ部2dが固着される先端領域2a2と、平板領域2a1と先端領域2a2を繋ぐ中間領域2a3とを有している。平板領域2a1と先端領域2a2とは、ドアパネル11の折り返し部11cを挟むように対向配置されており、平板領域2a1が車内側に配置され、先端領域2a2が車外側に配置されている。また、中間領域2a3は、平板領域2a1と先端領域2a2とを繋ぐように湾曲されている。
車内側シールリップ部2bは、芯材2aの平板領域2a1の車内側全面に固着される樹脂部品である。この車内側シールリップ部2bは、車内側に突出する2つのリップ2b1と、上方に突出する装飾リップ2b2とを有している。リップ2b1は、低摩擦層2cを介して窓板13に当接しており、窓板13と本実施形態のアウトサイドモール1との間に雨水等が入り込むことを防止する。また、リップ2b1は、窓板13の昇降を阻害しない程度の可撓性を有している。低摩擦層2cは、リップ2b1よりも低摩擦なナイロンパイル等を植毛した層であり、リップ2b1の表面に形成され、窓板13に対して直接当接される。
車外側シールリップ部2dは、芯材2aの先端領域2a2の車内側表面に固着される樹脂部品である。この車外側シールリップ部2dは、下方に突出してドアアウタパネル11aの表面に当接するリップ2d1を備えている。リップ2d1は、ドアアウタパネル11aと本実施形態のアウトサイドモール1との間に雨水等が入り込むことを防止している。
パネル当接部2eは、芯材2aの平板領域2a1の車外側の表面上部に固着される樹脂部品である。このパネル当接部2eは、車外側シールリップ部2dのリップ2d1と共にドアパネル11を挟持する。これらのパネル当接部2eと車外側シールリップ部2dのリップ2d1とがドアパネル11を挟持することによって、アウトサイドモール1がドアパネル11に対して固定される。
抜け止め部2fは、パネル当接部2eの下部に設けられており、パネル当接部2eと同様に樹脂によって形成されている。この抜け止め部2fは、車外側に突出されており、折り返し部11cを形成するために下方に向けられたドアアウタパネル11aの端部11a1に下方から当接する。これによって、アウトサイドモール1がドアパネル11に対して上方に抜けることが防止される。
なお、図2に示すように、車内側シールリップ部2b、車外側シールリップ部2d、パネル当接部2e及び抜け止め部2fは、同一樹脂材によって一体的に設けられており、例えば押出成形によって形成されている。
転倒防止部2gは、台部2g1(当接部)と、首部2g2と、転倒防止リップ2g3とを備えている。台部2g1は、芯材2a(ベース部)の中間領域2a3の下側面に対して固着されており、首部2g2及び転倒防止リップ2g3を支える基礎部である。図3(a)は、本実施形態のアウトサイドモール1がドアパネル11に固定されていない状態における転倒防止部2gの形状を示す部分拡大図である。また、図3(b)は、本実施形態のアウトサイドモール1がドアパネル11に固定された状態における転倒防止部2gの形状を示す部分拡大図である。なお、図3(a)においては、ドアパネル11を仮想線にて示している。
これらの図に示すように、転倒防止部2gが備える台部2g1の下面の一部は、ドアパネル11の折り返し部11cの上端11c1(先端)に当接される当接面2g4とされている。この当接面2g4は、ドアパネル11の折り返し部11cの上端11c1に沿うよう、上方に凹む湾曲面とされている。
首部2g2は、当接面2g4を避けて台部2g1の下面に接続されており、台部2g1の下面から下方に向けて突出された部位である。この首部2g2は、図3(a)及び図3(b)に示すように、車幅方向(図3における左右方向)に台部2g1よりも薄肉化されており、外力によって容易に撓むことが可能とされている。つまり、本実施形態のアウトサイドモール1においては、首部2g2よりも剛性が高くかつ芯材2aに固定された台部2g1と、可撓性を有する首部2g2とを有している。
転倒防止リップ2g3は、首部2g2の下端に接続され、先端2g5がドアパネル11側に向くように延設された断面弓上の部位である。この転倒防止リップ2g3は、首部2g2との接続箇所から先端2g5に向けてせり上がるように傾斜して配置されている。このような転倒防止リップ2g3は、図3(b)に示すように、先端2g5側の下側面がドアパネル11の折り返し部11cの表面に当接される。
このような転倒防止部2gにおいては、図3(b)に示すように本実施形態のアウトサイドモール1がドアパネル11に固定されると、転倒防止リップ2g3の下面が折り返し部11cの表面に当接されて押し込まれることによって、首部2g2及び転倒防止リップ2g3が変形する。また、このように首部2g2及び転倒防止リップ2g3が変形することによって生じる首部2g2及び転倒防止リップ2g3の復元力によって、転倒防止リップ2g3がドアパネル11の表面に付勢される。
以上のような本実施形態のアウトサイドモール1によれば、可撓性を有する首部2g2を介して芯材2aに接続される転倒防止リップ2g3を備えている。このような、本実施形態のアウトサイドモール1によれば、首部2g2及び転倒防止リップ2g3が変形され、その復元力によって転倒防止リップ2g3がドアパネル11の表面に付勢される。このため、アウトサイドモール1が、ドアパネル11に対して傾くことを抑止することができる。さらに、本実施形態のアウトサイドモール1においては、首部2g2よりも剛性が高い台部2g1がドアパネル11の折り返し部11cの上端11c1に当接されている。このように台部2g1がドアパネル11の上端11c1に当接することによって、摩擦力等によってアウトサイドモール1がドアパネル11に対して変位することを防止することができる。つまり、本実施形態のアウトサイドモール1によれば、転倒防止リップ2g3がドアパネル11から受ける反力のみならず、台部2g1がドアパネル11から受ける摩擦力等によってもアウトサイドモール1の傾きを防止することができる。
このため、本実施形態のアウトサイドモール1によれば、転倒防止リップ2g3のみによってアウトサイドモール1の傾きを防止する場合と比較して、転倒防止リップ2g3の付勢力を低減させることができ、首部2g2及び転倒防止リップ2g3の肉厚を薄くして首部2g2及び転倒防止リップ2g3が容易に撓むようにすることができる。さらに、台部2g1はドアパネル11の上端11c1に当接するのみであることから、アウトサイドモール1をドアパネル11に取り付けるときの抵抗とならない。したがって、本実施形態のアウトサイドモール1によれば、ドアパネル11に対する傾きを効果的に抑止でき、かつ、ドアパネル11への取付作業を容易とすることが可能となる。
また、本実施形態のアウトサイドモール1においては、台部2g1の当接面2g4がドアパネル11に沿って湾曲されている。このため、台部2g1の当接面の一部が車両の外側から、ドアパネル11の折り返し部11cの表面にも当接されている。このため、台部2g1がドアパネル11の上端11c1のみに当接する場合と比較してアウトサイドモール1の傾きをより効果的に抑止することが可能となる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、図4(a)及び図4(b)を参照して説明する。なお、本第2実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
図4(a)は、本実施形態のアウトサイドモールがドアパネル11に固定されていない状態における転倒防止部2gの形状を示す部分拡大図である。また、図4(b)は、本実施形態のアウトサイドモールがドアパネル11に固定された状態における転倒防止部2gの形状を示す部分拡大図である。なお、図4(a)においては、ドアパネル11を仮想線にて示している。
これらの図に示すように、本実施形態のアウトサイドモールにおいて、転倒防止部2gは、台部2g1にドアパネル11の上端11c1を収容する凹部2g6を有している。この凹部2g6の内側面の一部は、ドアパネル11に本実施形態のアウトサイドモールが取り付けられたときに、折り返し部11cの表面に対して、車両の外側及び内側から当接されている。このため、台部2g1がドアパネル11の上端11c1のみに当接する場合と比較してアウトサイドモール1の傾きをより効果的に抑止することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態においては、芯材2aに台部2g1が固定され、この台部2g1を介して首部2g2が芯材2aに接続された構成を採用している。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、首部2g2を芯材2aに直接固定する構成を採用することも可能である。この場合、首部2g2及び転倒防止リップ2g3と、台部2g1(すなわちドアパネル11の上端11cと当接する当接部)とは別体として設けられることになる。このとき、例えば、首部2g2及び転倒防止リップ2g3は、ドアパネル11の折り返し部11c側方に配置する構成を採用することも可能である。
また、上記実施形態においては、転倒防止部2gが、車内側シールリップ部2b等と同一の樹脂材料からなる構成を採用した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、首部2g2の可撓性を高める等のために、車内側シールリップ部2b等と異なる材料によって転倒防止部2gを形成することも可能である。
また、上記実施形態においては、芯材2aの表面が車外から視認できない構成のアウトサイドモールに本発明を適用した例について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、芯材2aの表面が外部から視認できる意匠面とされた構成(すなわち車内側シールリップ部2bと車外側シールリップ部2dとが分離された構成)のアウトサイドモールに本発明を適用することも可能である。
1……アウトサイドモール、2a……芯材(ベース部)、2g……転倒防止部、2g1……台部、2g2……首部、2g3……転倒防止リップ、2g4……当接面、2g5……先端、2g6……凹部、11……ドアパネル、11c……折り返し部(縁部)、11c1……上端(先端)

Claims (2)

  1. 車両のドアパネルの縁部に固定されるモールディングであって、
    可撓性を有する首部を介して金属製のベース部に対して接続されると共に前記ドアパネルの前記縁部の表面に付勢される転倒防止リップと、
    前記首部よりも剛性が高くかつ前記ベース部に対して固定されると共に、前記ドアパネルの前記縁部の先端に当接する当接部と
    を備え、
    前記ドアパネルは、前記ドアパネルが湾曲されて折り返されることで形成された折り返し部からなる前記縁部を有し、
    前記当接部は、前記ドアパネルの前記先端の湾曲面の少なくとも一部に面で当接されている
    ことを特徴とするモールディング。
  2. 前記当接部は、前記縁部の先端が収容される凹部を有することを特徴とする請求項記載のモールディング。
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