JP2011189897A - 車両前部構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】周辺の他部品との干渉を避けるために、ウォーターポンプを車両前下方に傾けて搭載できるようにすると共に、斜突時には該ウォーターポンプを車両上方へ逃がして、該ウォーターポンプの車両下方に位置する他部品に対する干渉を抑制できるようにする。
【解決手段】車両前部14のエンジンコンパートメント16内におけるインバータトレイ20(所定部位)に設けられ、ウォーターポンプ22を固定するための取付け面24が、車両側面視で車両前下方に傾斜すると共に、車両正面視で車幅方向外側に向かって車両上方に傾斜した取付けブラケット10を有している。
【選択図】図2
【解決手段】車両前部14のエンジンコンパートメント16内におけるインバータトレイ20(所定部位)に設けられ、ウォーターポンプ22を固定するための取付け面24が、車両側面視で車両前下方に傾斜すると共に、車両正面視で車幅方向外側に向かって車両上方に傾斜した取付けブラケット10を有している。
【選択図】図2
Description
本発明は、車両前部構造に関する。
車両用モータアシスト装置の、モータを内蔵したモータハウジングにエンジンの冷却路に連通する冷却通路を設け、この冷却通路をラジエータ、ウォーターポンプ及びエンジンと順次接続してアシスト用冷却装置を形成した構造が開示されている(特許文献1参照)。
ところで、近年の車両のパッケージングにおいては、車室空間を広くして行くことが主流となっているため、エンジンコンパートメントが縮小している。車両前部にウォーターポンプを搭載するにあたっては、その組付け性や周囲の多くの他部品との隙間も考慮する必要があり、搭載スペースは限られている。このため、周辺の他部品との関係から、該ウォーターポンプを車両前下方に傾けて組み付ける場合がある。しかしながら、この場合、車両が斜め前方からの衝突である斜突を受け、衝突荷重が入力されると、該ウォーターポンプがより車両下方に変位してしまい、該車両下方にある他部品との干渉が生じることが考えられる。
また上記した従来例では、斜突時におけるウォーターポンプの変位や、他部品との干渉については何ら考慮されていない。
本発明は、上記事実を考慮して、周辺の他部品との干渉を避けるために、ウォーターポンプを車両前下方に傾けて搭載できるようにすると共に、斜突時には該ウォーターポンプを車両上方へ逃がして、該ウォーターポンプの車両下方に位置する他部品に対する干渉を抑制できるようにすることを目的とする。
請求項1の発明は、車両前部のエンジンコンパートメント内における所定部位に設けられ、ウォーターポンプを固定するための取付け面が、車両側面視で車両前下方に傾斜すると共に、車両正面視で車幅方向外側に向かって車両上方に傾斜した取付けブラケットを有している。
請求項1に記載の車両前部構造では、取付けブラケットにおけるウォーターポンプ用の取付け面が、車両側面視で車両前下方に傾斜しているので、ウォーターポンプを、同様に車両側面視で車両前下方に傾けて搭載することができる。これにより、ウォーターポンプの車両上側にある他部品との干渉を避けることができる。
また取付けブラケットの取付け面が、車両正面視で車幅方向外側に向かって車両上方に延びているので、車両が斜突を受け、ウォーターポンプが取り付けられている取付けブラケットの取付け面に衝突荷重が入力された際に、該取付け面が車両上方側に変位する。従って、ウォーターポンプを車両上方へ逃がして、該ウォーターポンプの車両下方に位置する他部品に対する干渉を抑制することができる。
請求項2の発明は、請求項1に記載の車両前部構造において、前記取付けブラケットは、前記所定部位に固定される固定部を有し、前記取付け面は、該固定部の前縁に沿った基部と、該基部における車幅方向内側部位から車両前下方へ延び、更に車幅方向外側に向かって車両上方に延びて終端する片持ち状の湾曲部とを有している。
請求項2に記載の車両前部構造では、取付け面は、該固定部の前縁に沿った基部と、該基部における車幅方向内側部位から車両前下方へ延び、更に車幅方向外側に向かって車両上方に延びて終端する片持ち状の湾曲部とを有しているので、車両が斜突を受け、湾曲部に対して車幅方向外側の斜め前方から衝突荷重が入力された際に、該衝突荷重が湾曲部を通じて取付けブラケットの車幅方向内側部位に伝達される。このため、取付けブラケットにおけるウォーターポンプの取付け面を全体的に車両上方に変位させることができる。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の車両前部構造において、前記湾曲部の少なくとも先端部における車幅方向外側の端縁から車両前側の端縁にかけての領域に、フランジが設けられている。
請求項3に記載の車両前部構造では、湾曲部の少なくとも先端部における車幅方向外側の端縁から車両前側の端縁にかけての領域に、フランジが設けられているので、車両が斜突を受けた際に、湾曲部の先端部において、より広い方向から衝突荷重を受けることができる。このため、取付けブラケットにおけるウォーターポンプの取付け面を、より安定的に車両上方に変位させることができる。
以上説明したように、本発明に係る請求項1に記載の車両前部構造によれば、周辺の他部品との干渉を避けるために、ウォーターポンプを車両前下方に傾けて搭載できるようにすると共に、斜突時には該ウォーターポンプを車両上方へ逃がして、該ウォーターポンプの車両下方に位置する他部品に対する干渉を抑制することができる、という優れた効果が得られる。
請求項2に記載の車両前部構造によれば、斜突時に、取付けブラケットにおけるウォーターポンプの取付け面を全体的に車両上方に変位させることができる、という優れた効果が得られる。
請求項3に記載の車両前部構造によれば、斜突時に、取付けブラケットにおけるウォーターポンプの取付け面を、より安定的に車両上方に変位させることができる、という優れた効果が得られる。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づき説明する。図1から図3において、本実施の形態に係る車両前部構造Sは、例えばハイブリッド車に適用される構造であり、取付けブラケット10を有している。
取付けブラケット10は、例えば金属板のプレス成形品であり、車両前部14のエンジンコンパートメント16内における所定部位、例えばインバータ18を搭載するためのインバータトレイ20に設けられている。取付けブラケット10には、ウォーターポンプ22を固定するための取付け面24が設けられている。なお、インバータトレイ20は、図示しない車体に対して固定されている。
ここで、エンジンコンパートメント16内における最前部には、ラジエータ26が配設されている。ラジエータ26の車両後方におけるエンジンコンパートメント16の上部には、インバータ18が、インバータトレイ20を介して取り付けられている。このインバータ18の車両下方には、モータ・トランスミッション部28が配設されている。ラジエータ26、インバータ18、ウォーターポンプ22及びモータ・トランスミッション部28は、ホース30により接続されており、ウォーターポンプ22が作動することで、冷却水(図示せず)が循環するように構成されている。なお、ホースの図示は一部省略されている。
図1,図4から図8において、取付けブラケット10は、取付け面24に加えて、インバータトレイ20(図1)に固定される固定部12を有している。具体的には、図1に示されるように、インバータトレイ20の下面には、車幅方向に伸びる断面逆ハット形の補強部材32が固着され、閉断面構造が形成されている。取付けブラケット10は、該補強部材32を介してインバータトレイ20に固定されている。図5において、この補強部材32の底部32Aの上面側には、例えば2個のナット36が、車幅方向に離間して、夫々溶接等により固着されている。この底部32Aには、ナット36の位置に対応して貫通孔(図示せず)が形成されている。
図4から図7に示されるように、取付けブラケット10の固定部12には、ナット36の位置に対応した貫通孔38,40が形成されている。このうち貫通孔40については、2個のナット36の位置に対する貫通孔38,40の寸法のばらつきを吸収するために、車幅方向に長い長孔とされている。この貫通孔38,40に、車両下側からボルト41(図5)を夫々差し込んでナット36に締結することで、取付けブラケット10の固定部12が補強部材32に固定される。
図4から図7に示されるように、取付けブラケット10における固定部12の前縁には、車両下方に向かって延びる縦壁部34が設けられている。固定部12から縦壁部34にかけての領域には、補強のための例えばビード42が設けられている。そして、縦壁部34の下縁から車両前方側に、ウォーターポンプ22を固定するための取付け面24が設けられている。
取付け面24は、図1,図5に示されるように、車両側面視で車両前下方に傾斜すると共に、図2,図6に示されるように、車両正面視で車幅方向外側に向かって車両上方に傾斜している。具体的には、取付け面24は、取付けブラケット10における固定部12の前縁に沿った基部24Aと、該基部24Aにおける車幅方向内側部位から車両前下方へ延び、更に車幅方向外側に向かって車両上方に延びて終端する片持ち状の湾曲部24Bとを有している。
この基部24A及び湾曲部24Bは、車両平面視で例えば略U字形の連続的な平坦面として構成されており、取付け面24全体として上記のように傾斜している。図5において、車両側面視での水平方向に対する取付け面24の傾斜角度αは、反時計回りに略7°である。また図6において、車両正面視での水平方向に対する取付け面24の傾斜角度βは、反時計回りに略15°である。なお、傾斜角度α,βの数値は、これに限られるものではない。
取付け面24の下面側には、ウォーターポンプ22(図1)を固定するための例えば3個のナット44が、夫々溶接等により固着されている。3個のナット44は、車両平面視で、ウォーターポンプ22の中心(図示せず)を基準として均等に配置されている。図示の例では、基部24Aに1個のナット44が配置され、湾曲部24Bに2個のナットが配置されている。取付け面24には、ナット44に対応して、ボルト46(図1から図3)を通すための貫通孔48が形成されている。このボルト46を、ナット44に対して夫々締結することで、取付けブラケット10の取付け面24にウォーターポンプ22が固定される。
湾曲部24Bの少なくとも先端部24Cにおける車幅方向外側の端縁から車両前側の端縁にかけての領域には、例えば車両上側に折曲げ形成されたフランジ50が設けられている。図7に示されるように、このフランジ50は、湾曲部24Bの先端部24Cの車幅方向外側の端縁から車両前側の端縁だけでなく、更に湾曲部24Bの車両前側の端縁、該湾曲部24B、縦壁部34及び固定部12の車幅方向内側の端縁まで連続的に設けられている。なお、図3に示されるように、ウォーターポンプ22の固定状態において、湾曲部24Bの先端部24Cは、該ウォーターポンプ22よりも車幅方向外側の斜め前方に張り出している。
一方、基部24A、縦壁部34及び固定部12の車幅方向外側の端縁には、例えば車両下側に折曲げ形成されたフランジ52が連続的に設けられている。
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図1に示されるように、本実施形態に係る車両前部構造Sでは、取付けブラケット10におけるウォーターポンプ22用の取付け面24が、車両側面視で車両前下方に傾斜している。従って、ウォーターポンプ22を、同様に車両側面視で車両前下方に傾けて搭載することができる。これにより、ウォーターポンプ22の車両上側にある他部品、例えばインバータ18との干渉を避けることができる。
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図1に示されるように、本実施形態に係る車両前部構造Sでは、取付けブラケット10におけるウォーターポンプ22用の取付け面24が、車両側面視で車両前下方に傾斜している。従って、ウォーターポンプ22を、同様に車両側面視で車両前下方に傾けて搭載することができる。これにより、ウォーターポンプ22の車両上側にある他部品、例えばインバータ18との干渉を避けることができる。
また図2に示されるように、本実施形態では、取付けブラケット10の取付け面24が、車両正面視で車幅方向外側に向かって車両上方に延びている。従って、図7に示されるように、車両が斜突を受け、ウォーターポンプ22(図2)が取り付けられている取付けブラケット10の取付け面24に衝突荷重Fが入力された際に、該取付け面24が車両上方側(矢印U方向)に変位する。ここで、斜突とは、例えば車幅方向外側の斜め30°方向からの衝突をいう。
具体的には、取付けブラケット10の取付け面24は、固定部12の前縁に沿った基部24Aと、該基部24Aにおける車幅方向内側部位から車両前下方へ延び、更に車幅方向外側に向かって車両上方に延びて終端する片持ち状の湾曲部24Bとを有している。従って、車両が斜突を受け、湾曲部24Bに対して車幅方向外側の斜め前方から衝突荷重Fが入力されると、該衝突荷重Fが湾曲部24Bを通じて、基部24Aの車幅方向内側部位に、矢印A方向に伝達される。
このとき、本実施形態では、湾曲部24Bの先端部24Cが、ウォーターポンプ22よりも車幅方向外側の斜め前方に張り出しているので、衝突荷重Fは、該ウォーターポンプ22よりも先に先端部24Cに入力される。また湾曲部24Bの少なくとも先端部24Cにおける車幅方向外側の端縁から車両前側の端縁にかけての領域に、フランジ50が設けられているので、車両が斜突を受けた際に、湾曲部24Bの先端部24Cにおいて、より広い方向から衝突荷重Fを受けることができる。
このように伝達された荷重が、取付け面24と縦壁部34との境界部54と、該縦壁部34と固定部12との境界部56とに夫々作用することで、固定部12、縦壁部34及び取付け面24が、車幅方向外側からの側面視で略逆Z形に屈曲する。このとき、取付けブラケット10の取付け面24が、車両正面視で車幅方向外側に向かって車両上方に延びていることから、境界部54において矢印B方向への屈曲が生じ易い。このようにして、取付けブラケット10の取付け面24が車両上方側(矢印U方向)に変位する。
また図4において、本実施形態では、衝突荷重F(図8)の入力位置である湾曲部24Bの先端部24Cが、取付けブラケット10における車幅方向外側に位置しているのに対し、該衝突荷重Fが伝達される位置は取付けブラケット10における車幅方向内側部位(基部24Aの車幅方向内側部位)である。換言すれば、車両平面視において、湾曲部24Bの先端部24Cと、基部24Aの車幅方向内側部位とは、取付け面24の対角方向に位置している。このように衝突荷重Fを、対角方向に位置する部位に伝達することで、境界部54,56を均一に屈曲させることができる。
このように、本実施形態によれば、車両の斜突時に、取付けブラケット10におけるウォーターポンプ22(図1から図3)の取付け面24を、全体的に、かつより安定的に車両上方に変位させることができる。またこれによって、ウォーターポンプ22を車両上方へ逃がして、該ウォーターポンプ22の車両下方に位置する他部品に対する干渉を抑制することができる。
なお、取付けブラケット10が固定される所定部位として、インバータ18を搭載するためのインバータトレイ20や補強部材32を挙げたが、取付けブラケット10が固定される部位はこれに限られるものではない。
10 取付けブラケット
12 固定部
14 車両前部
16 エンジンコンパートメント
20 インバータトレイ(所定部位)
22 ウォーターポンプ
24 取付け面
24A 基部
24B 湾曲部
24C 先端部
32 補強部材(所定部位)
50 フランジ
S 車両前部構造
12 固定部
14 車両前部
16 エンジンコンパートメント
20 インバータトレイ(所定部位)
22 ウォーターポンプ
24 取付け面
24A 基部
24B 湾曲部
24C 先端部
32 補強部材(所定部位)
50 フランジ
S 車両前部構造
Claims (3)
- 車両前部のエンジンコンパートメント内における所定部位に設けられ、ウォーターポンプを固定するための取付け面が、車両側面視で車両前下方に傾斜すると共に、車両正面視で車幅方向外側に向かって車両上方に傾斜した取付けブラケットを有する車両前部構造。
- 前記取付けブラケットは、前記所定部位に固定される固定部を有し、
前記取付け面は、該固定部の前縁に沿った基部と、該基部における車幅方向内側部位から車両前下方へ延び、更に車幅方向外側に向かって車両上方に延びて終端する片持ち状の湾曲部とを有している請求項1に記載の車両前部構造。 - 前記湾曲部の少なくとも先端部における車幅方向外側の端縁から車両前側の端縁にかけての領域に、フランジが設けられている請求項1又は請求項2に記載の車両前部構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010059692A JP2011189897A (ja) | 2010-03-16 | 2010-03-16 | 車両前部構造 |
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Cited By (2)
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JP2013139222A (ja) * | 2012-01-05 | 2013-07-18 | Mazda Motor Corp | 自動車の補機取付構造 |
CN111301154A (zh) * | 2020-03-24 | 2020-06-19 | 重庆长安汽车股份有限公司 | 一种电子水泵安装结构 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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