JP6434943B2 - 組立装置 - Google Patents

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Description

本発明は、サイドパネルにルーフパネルを取り付けて車体を組み立てる組立装置に関する。
車体を製造する過程には、サイドパネルに対してルーフパネルを溶接する工程が含まれる。この溶接に先んじ、サイドパネルとルーフパネルの相対的位置を合わせる位置合わせが行われる。位置合わせを行うことにより、サイドパネルの正規位置にルーフパネルを溶接することが容易となるからである。
本出願人は、特許文献1において、サイドパネルを位置決めするための連結具を含み、サイドパネルにルーフパネルをクランプ又は押圧するクランプ治具と、位置決めされたサイドパネルに対してルーフパネルを搬入するルーフ搬送ロボットと、サイドパネルとルーフパネルを溶接する溶接ロボットとを備える車体の組立装置を提案している。前記クランプ治具は、治具ロボットによって搬送される。
ロボットでは、該ロボットを構成するアームの動作量が、例えば、温度変化に応じて相違することがある。従って、上記のように治具ロボットによってクランプ治具を搬送する場合、アームの動作量の相違に起因してクランプ治具の搬送位置に誤差が生じる懸念がある。
そこで、特許文献1記載の組立装置では、さらに、その上端に治具連結機構が設けられた支柱を設けるようにしている。この治具連結機構に前記連結具が連結されることにより、前記クランプ治具の地面に対する誤差が吸収される。
特開2014−129024号公報
上記の構成では、クランプ治具の重量が支柱に作用する。このため、治具連結機構、支柱及び連結具を、十分な剛性を示すものとして構成する必要がある。その結果として、組立装置が大型してしまう。また、連結具がサイドパネルに干渉しないようにすることが容易ではない。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、構成が簡素であり、しかも、サイドパネルとルーフパネルの相対的位置合わせが容易な組立装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、サイドパネルにルーフパネルを取り付けて車体を組み立てる組立装置であって、
前記サイドパネルと前記ルーフパネルとの位置を合わせる位置合わせ機構を備え、
前記位置合わせ機構は、ロボットと、
前記ロボットの先端アームに取り付けられる基部と、
前記基部に、車幅方向外側に支持され且つ車幅方向左右に変位することで前記ルーフパネルを位置決め可能なルーフ位置決め部と、
前記基部に、車幅方向外側に支持され且つ車幅方向左右に変位することで前記サイドパネルを位置決め可能なサイドパネル位置決め部と、
前記基部から車幅方向右方、車幅方向左方向かってそれぞれ延在する第1ビーム部及び第2ビーム部と、
前記第1ビーム部の先端に設けられた方マーキング部と、
前記第2ビーム部の先端に設けられた方マーキング部と、
前記左方マーキング部の位置を検知する左方視覚センサと、
前記右方マーキング部の位置を検知する右方視覚センサと、
を有し、
前記左方視覚センサ及び前記右方視覚センサは、車体の左方及び右方にそれぞれ配設されることを特徴とする。
すなわち、本発明においては、視覚センサでマーキング部の絶対位置を検出するとともに該絶対位置の基準位置からのズレ量を求め、その結果に基づいて、ロボットが、ズレ量を相殺するための補正動作を行う。これによりサイドパネルとルーフパネルの位置合わせがなされるため、剛性が大きな治具連結機構や支柱、連結具等が不要となる。従って、組立装置が大型化することを回避し得るとともに、構成の簡素化を図ることができる。
組立装置に、車体の前後方向に沿って移動させる移動機構を設けるようにしてもよい。この場合、移動機構の車幅方向方及び方に、第1溝及び第2溝をそれぞれ形成するとともに、方視覚センサ及び方視覚センサとロボットを、第1溝及び第2溝の外方に設置するとよい。
第1溝及び第2溝は、移動機構から発生した振動を遮断する。このため、左方視覚センサ、右方視覚センサ及びロボットに振動が伝播することが回避される。従って、左方視覚センサ及び右方視覚センサによるマーキング部の検出精度が向上するとともに、ルーフ位置決め部及びサイドパネル位置決め部が振動することなくルーフパネル及びサイドパネルをそれぞれ位置決めする。
なお、左方視覚センサを、その光軸が上方を指向する左下視覚センサと、その光軸が車幅方向内方を指向する左上視覚センサとで構成し、同様に、右方視覚センサを、その光軸が上方を指向する右下視覚センサと、その光軸が車幅方向内方を指向する右上視覚センサとで構成することが好ましい。この場合、左下視覚センサ及び右下視覚センサは、それぞれ、左方マーキング部及び右方マーキング部の前後及び左右の変位を検出する。一方、左上視覚センサと右上視覚センサは、それぞれ、左方マーキング部及び右方マーキング部の前後及び上下の変位を検出する。以上により、ルーフ位置決め部及びサイドパネル位置決め部の基準位置からの3次元ズレ量(捻れ量)を求めることができる。従って、例えば、車体が理想的な基準姿勢に近づくように矯正することが可能となる。
左上視覚センサ及び右上視覚センサを左下視覚センサ及び右下視覚センサよりも上方とするには、上視覚センサを第1支柱に支持するとともに、上視覚センサを第2支柱に支持すればよい。
いずれの場合においても、左方マーキング部及び右方マーキング部を、ルーフ位置決め部及びサイドパネル位置決め部よりも車幅方向外方に配置することが好ましい。例えば、車体が基準姿勢からズレを起こしているビーム部の振れ幅は、車体方向内方よりも外方で大きくなる。従って、視覚センサによってマーキング部を検出するときの感度が良好となる。換言すれば、車体のズレ量が僅かであっても、ビーム部の端部では振れ幅が大きいので、ズレを検出することが可能となる。
このため、ズレ量を相殺するためのロボットの補正動作量を精度よく求めることができる。その結果として、補正の精度が向上する。
本発明によれば、視覚センサでマーキング部の絶対位置を検出するとともに該絶対位置の基準位置からのズレ量を求め、そのズレ量を相殺するべく、ロボットが補正動作を行う。その結果、サイドパネルとルーフパネルの位置合わせがなされる。
このように、視覚センサで補正を行うことが可能であることから、剛性が大きな治具連結機構や支柱、連結具等が不要となる。これにより、組立装置が大型化することを回避し得るとともに、構成の簡素化を図ることができる。
本発明の実施の形態に係る組立装置の要部概略背面図である。 図1の組立装置の要部概略右側面図である。 図1の組立装置の概略平面図である。 図1の組立装置を構成する後方位置合わせ機構の要部拡大側面図である。 図1とは別の位置にて視覚センサでマーキング部を検出する組立装置の要部概略背面図である。
以下、本発明に係る組立装置につき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、以下における「前」、「後」、「左」及び「右」は、自動車の運転席に着座したユーザから見た前方、後方、左方及び右方を指称する。図面中の「Fr」、「Rr」、「L」及び「R」も同様である。
図1〜図3は、それぞれ、本実施の形態に係る組立装置10の要部概略背面図、要部概略右側面図、概略平面図である。組立装置10は、サイドパネル12に対してルーフパネル14を取り付けることで車体を組み立てるためのものであり、車体を移動させる移動機構16と、車体の前方に位置する前方位置合わせ機構18と、後方に位置する後方位置合わせ機構20とを含んで構成される。前方位置合わせ機構18及び後方位置合わせ機構20は、それぞれ、第1先端アーム22a、第2先端アーム22bのみを図示した前方側ロボット、後方側ロボットを含んで構成される。なお、参照符号23はフロアパネルを示す。
移動機構16は、例えば、床24上に設けられたコンベアを含む(特に図1参照)。この場合、サイドパネル12は、運転席が設けられる前方が流側を向くように、コンベア上に載置された状態で搬送される。換言すれば、コンベアは、側面視でサイドパネル12の下方に位置する。また、その搬送方向は、車体の進行方向後方である。すなわち、搬送方向流は、図2では左方、図3では上方である。
特に図3に示すように、コンベアの外方、すなわち、車幅方向の右方及び左方には、該コンベアと略平行に延在する第1溝26a、第2溝26bが形成される。なお、特に図示していないが、第1溝26a及び第2溝26bにグレーチング等の蓋を被せるようにしてもよい。
第1溝26aの外方には、右前方支柱28a(第1支柱)、右後方支柱28b(第1支柱)及び前方側ロボットが立設される。右前方支柱28a及び右後方支柱28bと第1溝26aの間には、右前方台座30a、右後方台座30bがそれぞれ配設される。同様に、第2溝26bの外方には、左前方支柱32a(第2支柱)、左後方支柱32b(第2支柱)及び後方側ロボットが立設されるとともに、左前方支柱32a及び左後方支柱32bと第2溝26bの間に、左前方台座34a、左後方台座34bがそれぞれ配設される。
なお、上記とは逆に、前方側ロボットを第2溝26bの外方に立設する一方で、後方側ロボットを第1溝26aの外方に立設してもよい。さらに、前方側ロボット及び後方側ロボットの双方を、第1溝26a又は第2溝26bのいずれかの外方に立設するようにしてもよい。
前方位置合わせ機構18につき説明すると、該前方位置合わせ機構18を構成する前記第1先端アーム22aは、第1ATC(オートツールチェンジャ)40aを介して第1基部42aに連結される。第1基部42aからは、右前方ビーム部44a(第1ビーム部)と左前方ビーム部46a(第2ビーム部)が突出し、車幅方向に沿って延在する。右前方ビーム部44a及び左前方ビーム部46aは、第1基部42aに形成された挿通孔に挿通された1本のビーム部材の各端部であってもよいし、個別のビーム部材であってもよい。
右前方ビーム部44aの終端部は、サイドパネル12の右側面よりも外方に位置する。この終端部には、第1右方マーキング部48aが設けられる。第1右方マーキング部48aは、鉛直下方を臨む第1右下方マーキング50aと、右方外方を臨む第1右側方マーキング52aとを有する。
一方、サイドパネル12の左側面よりも外方に位置する左前方ビーム部46aの終端部には、第1左方マーキング部54aが設けられる。第1左方マーキング部54aは、鉛直下方を臨む第1左下方マーキング56aと、左方外方を臨む第1左側方マーキング58aとを有する。第1基部42aと第1右方マーキング部48aとの離間距離と、第1基部42aと第1左方マーキング部54aとの離間距離とは略同等である。
図3及び図4に示すように、第1基部42aにおいて、右前方ビーム部44a及び左前方ビーム部46aの後方には、車幅方向に沿って延在する第1右前方アーム部60a及び第1左前方アーム部62aがさらに設けられる。これら第1右前方アーム部60a及び第1左前方アーム部62aには、右前方サイドパネル位置決め部64a、左前方サイドパネル位置決め部66aがそれぞれ設けられる。右前方サイドパネル位置決め部64a及び左前方サイドパネル位置決め部66aは、例えば、ラック・ピニオン機構やシリンダ等によって、車幅方向に沿って変位することが可能である。なお、第1右前方アーム部60a及び第1左前方アーム部62aを車幅方向に沿って変位可能に構成するようにしてもよい。
さらに、第1右前方アーム部60a及び第1左前方アーム部62aの後方には、車幅方向に沿って延在する第2右前方アーム部68a及び第2左前方アーム部70aが設けられる。これら第2右前方アーム部68a及び第2左前方アーム部70aは、第1右前方アーム部60a及び第1左前方アーム部62aに比して短尺であり、その終端部には、右前方ルーフ位置決め部72a、左前方ルーフ位置決め部74aがそれぞれ設けられる。右前方ルーフ位置決め部72a及び左前方ルーフ位置決め部74aは、例えば、ボールネジ機構やラック・ピニオン機構及びエアシリンダ機構等によって、車幅方向及び車高(鉛直)方向に沿って変位することが可能である。
以上の構成において、第1基部42aと第1右方マーキング部48a、右前方サイドパネル位置決め部64a、右前方ルーフ位置決め部72aとの各離間距離と、第1基部42aと第1左方マーキング部54a、左前方サイドパネル位置決め部66a、左前方ルーフ位置決め部74aとの離間距離は、略同等である。
前記右前方台座30aには、その光軸が上方を指向する前方右下視覚センサ80a(例えば、カメラ。以下同じ)が設けられる。また、前記右前方支柱28aには、その光軸が車幅方向内方を指向する前方右上視覚センサ82aが設けられる。さらに、前記左前方台座34aには、その光軸が上方を指向する前方左下視覚センサ84aが設けられ、前記左前方支柱32aには、その光軸が車幅方向内方を指向する前方左上視覚センサ86aが設けられる。
後方位置合わせ機構20は、前方位置合わせ機構18と略同様に構成されている。すなわち、後方側ロボットの第2先端アーム22bは、第2ATC40bを介して第2基部42bに連結される。第2基部42bからは、車幅方向に沿って延在する第2右後方アーム部68b及び第2左後方アーム部70b、第1右後方アーム部60b及び第1左後方アーム部62b、右後方ビーム部44b(第1ビーム部)及び左後方ビーム部46b(第2ビーム部)が、車体前方側からこの順序で並ぶように突出する。
第2右後方アーム部68b及び第2左後方アーム部70bの各終端部には、右後方ルーフ位置決め部72b、左後方ルーフ位置決め部74bが設けられる。これら右後方ルーフ位置決め部72b及び左後方ルーフ位置決め部74bは、右前方ルーフ位置決め部72a及び左前方ルーフ位置決め部74aと同様に、ボールネジ機構やラック・ピニオン機構及びエアシリンダ機構等によって、車幅方向及び車高(鉛直)方向に沿って変位することが可能である。
比較的長尺な第1右後方アーム部60b及び第1左後方アーム部62bの各終端部には、右後方サイドパネル位置決め部64b、左後方サイドパネル位置決め部66bがそれぞれ設けられる。これら右後方サイドパネル位置決め部64b及び左後方サイドパネル位置決め部66bは、例えば、ボールネジ機構やラック・ピニオン機構、エアシリンダ機構等によって、車幅方向に沿って変位することが可能である。
サイドパネル12の右側面よりも外方に位置する右後方ビーム部44bの終端部には、鉛直下方を臨む第2右下方マーキング50bと、右方外方を臨む第2右側方マーキング52bとを有する第2右方マーキング部48bが設けられる。同様に、サイドパネル12の左側面よりも外方に位置する左後方ビーム部46bの終端部には、鉛直下方を臨む第2左下方マーキング56bと、左方外方を臨む第2左側方マーキング58bとを有する第2左方マーキング部54bが設けられる。
そして、第2基部42bと右後方ルーフ位置決め部72b、右後方サイドパネル位置決め部64b、第2右方マーキング部48bとの各離間距離と、第2基部42bと左後方ルーフ位置決め部74b、左後方サイドパネル位置決め部66b、第2左方マーキング部54bとの各離間距離は、略同等である。
前記右後方台座30b及び前記右後方支柱28bには、後方右下視覚センサ80b、後方右上視覚センサ82bがそれぞれ設けられる。後方右下視覚センサ80bの光軸は上方を指向し、一方、後方右上視覚センサ82bの光軸は車幅方向内方を指向する。同様に、前記左後方台座34bには、その光軸が上方を指向する後方左下視覚センサ84bが設けられ、前記左後方支柱32bには、その光軸が車幅方向内方を指向する後方左上視覚センサ86bが設けられる。
組立装置10はさらに、溶接ガンを有する溶接用ロボット(いずれも図示せず)を含む。この溶接用ロボットは、互いに位置合わせがなされたサイドパネル12とルーフパネル14の突き合わせ部を溶接する役割を果たす。
本実施の形態に係る組立装置10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、その作用効果につき、サイドパネル12に対してルーフパネル14の位置合わせを行う際の動作との関係で説明する。
先ず、フロアパネル23、サイドパネル12及びルーフパネル14が仮組み合わせされた車体が移動機構16によって前方側ロボットと後方側ロボットの間となる位置まで搬送される。この搬送の際、移動機構16から床24に振動が伝播する懸念があるが、この振動は、床24に形成された第1溝26a、第2溝26bによって遮断される。すなわち、第1溝26a、第2溝26bが振動を吸収する。従って、上記した各台座30a、30b、34a、34bや各支柱28a、28b、32a、32bに振動が伝播することが困難となるので、各視覚センサ80a、80b、82a、82b、84a、84b、86a、86bが振動することが回避される。
次に、前方側ロボットの第1先端アーム22aが適宜動作し、前方位置合わせ機構18を構成する右前方ルーフ位置決め部72a、左前方ルーフ位置決め部74aをルーフパネル14の右前方、左前方にそれぞれ位置させるとともに、右前方サイドパネル位置決め部64a、左前方サイドパネル位置決め部66aをサイドパネル12の右前方、左前方にそれぞれ位置させる。略同時に、後方側ロボットの先端アーム22bが適宜動作し、後方位置合わせ機構20を構成する右後方ルーフ位置決め部72b、左後方ルーフ位置決め部74bをルーフパネル14の右後方、左後方にそれぞれ位置させるとともに、右後方サイドパネル位置決め部64b、左後方サイドパネル位置決め部66bをサイドパネル12の右後方、左後方にそれぞれ位置させる。
この状態で、4個のルーフ位置決め部72a、72b、74a、74bが左右ないし上下に適宜変位し、ルーフパネル14を若干押圧する。また、4個のサイドパネル位置決め部64a、64b、66a、66bが左右に適宜変位し、サイドパネル12を若干押圧する。これにより、サイドパネル12とルーフパネル14の仮の位置決め(位置合わせ)がなされる。
車体と、前方側ロボット及び後方側ロボットとの間には第1溝26a、第2溝26bが介在する。このため、上記と同様の理由から、移動機構16の振動が前方側ロボット及び後方側ロボットに伝播することが防止される。従って、前方側ロボット及び後方側ロボット、ひいては、ルーフ位置決め部72a、72b、74a、74bや、サイドパネル位置決め部64a、64b、66a、66b等が振動することを回避することができる。従って、サイドパネル12とルーフパネル14との位置合わせ精度が良好となる。
ここで、前方右下視覚センサ80aが第1右下方マーキング50aをモニタリングしており、前方右上視覚センサ82aが第1右側方マーキング52aをモニタリングしている。また、前方左下視覚センサ84aが第1左下方マーキング56aを、前方左上視覚センサ86aが第1左側方マーキング58をそれぞれモニタリングしている。同様に、後方右下視覚センサ80bが第2右下方マーキング50bを、後方右上視覚センサ82bが第2右側方マーキング52bを、後方左下視覚センサ84bが第2左下方マーキング56bを、後方左上視覚センサ86bが第2左側方マーキング58bをそれぞれモニタリングしている。
前方右下視覚センサ80a、前方左下視覚センサ84a、後方右下視覚センサ80b及び後方左下視覚センサ84bにより、第1右下方マーキング50a、第1左下方マーキング56a、第2右下方マーキング50b、第2左下方マーキング56bの前後及び左右の位置ズレ量がそれぞれ如何なる程度であるかが検出される。その一方で、前方右上視覚センサ82a、前方左上視覚センサ86a、後方右上視覚センサ82b、後方左上視覚センサ86bにより、第1右側方マーキング52a、第1左側方マーキング58a、第2右側方マーキング52b、第2左側方マーキング58bの前後及び上下の位置ズレ量がそれぞれ如何なる程度であるかが検出される。その結果、車体の、基準姿勢からの3次元ズレ量が得られる。以下、基準姿勢からの3次元ズレを「捻れ」、3次元ズレ量を「捻れ量」と表記する。
第1右方マーキング部48a、第1左方マーキング部54a、第2右方マーキング部48b及び第2左方マーキング部54bは、ルーフ位置決め部72a、72b、74a、74bや、サイドパネル位置決め部64a、64b、66a、66bに比して車幅方向外方に配置されている。このため、各視覚センサ80a、80b、82a、82b、84a、84b、86a、86bは、捻れに対する感度が優れる。車体が基準姿勢からズレを起こしている(捻れが生じている)場合、右前方ビーム部44a、左前方ビーム部46a、右後方ビーム部44b及び左後方ビーム部46bの振れ幅が、車体方向内方よりも外方で大きくなるからである。
この捻れ量は、前方側ロボット及び後方側ロボットに制御情報として伝達される。従って、前方側ロボット及び後方側ロボットは、捻れ量が相殺されるように、換言すれば、前後、左右及び上下の捻れ量がゼロとなるように補正動作する。これに伴って基部42a、42bの姿勢が矯正され、ルーフ位置決め部72a、72b、74a、74b及びサイドパネル位置決め部64a、64b、66a、66bが、位置ズレを起こしていない基準位置となる。この結果、車体の姿勢が矯正される。
上記したように、本実施の形態では、捻れを感度よく検出することが可能である。従って、車体の姿勢を矯正して捻れ量を可及的に相殺するために、前方側ロボット及び後方側ロボットを如何なる程度で補正動作させればよいかを精度よく求めることができる。このため、補正精度が良好となる。
上記のようにして補正を行うことにより、例えば、温度が上昇又は下降したために先端アーム22a、22bの動作量が異なる場合であっても、車体の姿勢を容易に矯正することができる。すなわち、先端アーム22a、22bの動作量に誤差が生じたときには、補正によって吸収することができる。
次に、溶接用ロボットが、サイドパネル12とルーフパネル14との突き合わせ部に沿って溶接ガンが移動するように動作する。溶接ガンが前記突き合わせ部を溶接することにより、サイドパネル12とルーフパネル14が接合される。すなわち、車体が組み立てられる。補正精度が良好であるので、サイドパネル12に対してルーフパネル14を精度よく取り付けることができる。
以上のように、本実施の形態によれば、車体に捻れが生じているときには、前方側ロボット及び後方側ロボットが補正動作して位置合わせを行うようにしている。このため、剛性が大きな治具連結機構、支柱及び連結具等が不要となる。しかも、組立装置10が大型化することを回避することもできる。すなわち、組立装置10の構成を簡素化することができる。
また、車種が異なるためにサイドパネル12やルーフパネル14の寸法が相違するときには、ルーフ位置決め部72a、72b、74a、74bないしサイドパネル位置決め部64a、64b、66a、66bの変位量を適宜変更すればよい。このように、組立装置10は汎用性に優れる。
本発明は、上記した実施の形態に特に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、この実施の形態では、ルーフ位置決め部72a、72b、74a、74b及びサイドパネル位置決め部64a、64b、66a、66bでルーフパネル14及びサイドパネル12を位置決めした後に前方側ロボット及び後方側ロボットの補正動作を行って車体の姿勢を矯正するようにしているが、図5に示すように、ルーフパネル14及びサイドパネル12を位置決めする前に、車体の上方で前方位置合わせ機構18、後方位置合わせ機構20の捻れ量を求め、この状態から、姿勢の矯正を行うようにしてもよい。なお、この場合、前方右上視覚センサ82a、前方左上視覚センサ86a、後方右上視覚センサ82b及び後方左上視覚センサ86bの設置位置を、図1に示す場合よりも高くすればよい。
10…組立装置 12…サイドパネル
14…ルーフパネル 16…移動機構
18…前方位置合わせ機構 20…後方位置合わせ機構
22a、22b…先端アーム 26a、26b…溝
28a、28b、32a、32b…支柱
30a、30b、34a、34b…台座
42a、42b…基部
44a、44b、46a、46b…ビーム部
48a、48b…右方マーキング部 50a、50b…右下方マーキング
52a、52b…右側方マーキング 54a、54b…左方マーキング部
56a、56b…左下方マーキング 58a、58b…左側方マーキング
64a、64b、66a、66b…サイドパネル位置決め部
72a、72b、74a、74b…ルーフ位置決め部
80a、80b…右下視覚センサ 82a、82b…右上視覚センサ
84a、84b…左下視覚センサ 86a、86b…左上視覚センサ

Claims (4)

  1. サイドパネルにルーフパネルを取り付けて車体を組み立てる組立装置であって、
    前記サイドパネルと前記ルーフパネルとの位置を合わせる位置合わせ機構を備え、
    前記位置合わせ機構は、ロボットと、
    前記ロボットの先端アームに取り付けられる基部と、
    前記基部に、車幅方向外側に支持され且つ車幅方向左右に変位することで前記ルーフパネルを位置決め可能なルーフ位置決め部と、
    前記基部に、車幅方向外側に支持され且つ車幅方向左右に変位することで前記サイドパネルを位置決め可能なサイドパネル位置決め部と、
    前記基部から車幅方向右方、車幅方向左方向かってそれぞれ延在する第1ビーム部及び第2ビーム部と、
    前記第1ビーム部の先端に設けられた方マーキング部と、
    前記第2ビーム部の先端に設けられた方マーキング部と、
    前記左方マーキング部の位置を検知する左方視覚センサと、
    前記右方マーキング部の位置を検知する右方視覚センサと、
    を有し、
    前記左方視覚センサ及び前記右方視覚センサは、車体の左方及び右方にそれぞれ配設されることを特徴とする組立装置。
  2. 請求項1記載の組立装置において、前記車体を、該車体の前後方向に沿って移動可能な移動機構を備えるとともに、前記移動機構の車幅方向方及び方に、第1溝及び第2溝がそれぞれ形成され、
    前記方視覚センサ及び前記左方視覚センサと前記ロボットは、前記第1溝及び前記第2溝の外方に設置されることを特徴とする組立装置。
  3. 請求項1又は2記載の組立装置において、前記左方視覚センサは、その光軸が上方を指向し、前記左方マーキング部の前後及び左右の変位を検出する左下視覚センサと、その光軸が車幅方向内方を指向し、前記左方マーキング部の前後及び上下の変位を検出する左上視覚センサとを有し、
    前記右方視覚センサは、その光軸が上方を指向し、前記右方マーキング部の前後及び左右の変位を検出する右下視覚センサと、その光軸が車幅方向内方を指向し、前記右方マーキング部の前後及び上下の変位を検出する右上視覚センサとを有し、
    前記上視覚センサが第1支柱に支持されるとともに、前記上視覚センサが第2支柱にそれぞれ支持されることを特徴とする組立装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の組立装置において、前記左方マーキング部及び前記右方マーキング部は、前記ルーフ位置決め部及び前記サイドパネル位置決め部よりも車幅方向外方に配置されることを特徴とする組立装置。
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