JP6434688B2 - 磁気メモリ素子及び磁性素子 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体メモリ素子に係り、より詳しくは、磁気メモリ素子に関する。
携帯可能なコンピューティング装置及び無線通信装置が広く採用されることによって、高密度、低電力、不揮発性の特性を有するメモリ素子が求められている。磁気メモリ素子は、これらの技術的要求の充足が期待できるので、これに対する研究が活発に進められてきた。
特に、磁気トンネル接合(magnetic tunnel junction;MTJ)のトンネル磁気抵抗(tunnel magnetoresistance;TMR)効果は、磁気メモリ素子でのデータ格納メカニズムとして注目されており、2000年代に入って、数百%から数千%のTMRの磁気トンネル接合(magnetic tunnel junction、MTJ)が報告され、前記磁気トンネル接合を備える磁気メモリ素子が最近活発に研究されている。
米国特許第8,169,810号公報
本発明の課題は、電気的特性が強化された磁気メモリ素子を提供することにある。
本発明の課題は、上述の課題に制限されず、言及されていない他の課題は、下の記載から当業者が明確に理解できる。
本発明の課題を解決するためになされた本発明の一実施形態に係る磁気メモリ素子は、基板から第1高さに配置された第1トンネルバリア層と、前記基板から前記第1高さよりも大きい第2高さに配置されて前記第1トンネルバリア層より薄い第2トンネルバリア層と、前記第1トンネルバリア層と前記第2トンネルバリア層との間に配置された自由層と、前記第1トンネルバリア層下に配置された第1基準磁性層と、前記第2トンネルバリア層に配置された第2基準磁性層とを含み、前記第1基準磁性層、前記第2基準磁性層、及び前記自由層は、前記基板の上部面に対して垂直な磁化方向を有し、前記第1基準磁性層は、前記第1トンネルバリア層の下部面に直接接触して、L1 (super lattice)構造を有し、前記第1トンネルバリア層前記第2トンネルバリア層よも前記基板に近いことを特徴とする。
本発明の課題を解決するためになされた本発明実施形態に係る磁素子は、基板上に配置された第1基準磁性層と、前記第1基準磁性層上に配置された第1トンネルバリア層と、前記第1トンネルバリア層上に配置された自由層と、前記自由層上に配置された第2トンネルバリア層と、前記第2トンネルバリア層上第2基準磁性層とを含み、前記第1基準磁性層、前記第2基準磁性層、及び前記自由層のうちの少なくともいずれか一つは、基板の上部面に対して垂直な磁化方向を有し、前記第1基準磁性層は、前記第1トンネルバリア層の下部面に直接接触して、L1 (super lattice)構造を有し、前記第1トンネルバリア層の厚さは、前記第2トンネルバリア層の厚さよりも大きく、前記自由層は、第1自由層と第2自由層との間に介在された自由交換結合層を含み、前記第1トンネルバリア層は、前記第2トンネルバリア層よりも前記基板に近いことを特徴とする。
他の実施形態の具体的な事項は詳細な説明及び図面に含まれている。
本発明の実施形態に係る磁気メモリ素子によると、例えばMgOからなる第1及び第2トンネルバリア層を含む磁気メモリ素子において、結晶性が優れた厚いMgO膜を薄いMgO膜の下に配置する。これによって、その上部に位置する磁性層及び薄いMgO膜が結晶化する時、厚いMgO膜をシードとして利用するので、厚いMgO膜上の磁性層及び薄いMgO膜の結晶性を向上させる。したがって、磁気メモリ要素の結晶性が向上して、抵抗値分布とRA値が減少する。
本発明の一実施形態に係る磁気メモリ素子のメモリアレイを概略的に示す図である。 本発明の一実施形態に係る磁気メモリ素子の単位メモリセルを示す図である。 本発明の第1実施形態に係る磁気メモリ素子の磁気メモリ要素を示す図である。 本発明の実施形態に係る磁気メモリ要素での結晶化方向を示す図である。 本発明の実施形態に係る磁気メモリ要素での磁性層の結晶構造を示す図である。 (A)、(B)は、本発明の実施形態に係る磁気メモリ要素において、第1及び第2トンネルバリア層の厚さによる結晶性の違いを比較するためのTEMイメージである。 本発明の実施形態に係る磁気メモリ要素において、第1及び第2トンネルバリア層の厚さによる抵抗値分布を示す図である。Aは、第1トンネルバリア層が、第2トンネルバリア層より薄い場合の抵抗値分布を示し、Bは、第1トンネルバリア層が、第2トンネルバリア層より厚い場合の抵抗値分布を示す。 本発明の実施形態に係る磁気メモリ要素において、第1及び第2トンネルバリア層の厚さによる磁気抵抗比を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る磁気メモリ素子の変形例を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係る磁気メモリ素子を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る磁気メモリ素子を示す図である。 本発明の第4実施形態に係る磁気メモリ素子を示す図である。 本発明の第5実施形態に係る磁気メモリ素子を示す図である。 本発明の第6実施形態に係る磁気メモリ素子を示す図である。 本発明の実施形態に係る磁気メモリ素子の製造方法を示すフローチャートである。 本発明の概念による実施形態に係る磁気メモリ素子を含むメモリシステムの一例を示す概略ブロック図である。 本発明の概念による実施形態に係る磁気メモリ素子を備えるメモリカードの一例を示す概略ブロック図である。 本発明の概念による実施形態に係る磁気メモリ素子を装着した情報処理システムの一例を示す概略ブロック図である。
本発明の利点及び特徴、そしてそれらを達成する方法は添付する図面とともに詳細に後述する実施形態を参照すれば明らかになる。しかし、本発明は後述の実施形態に限定されず、様々な形態に実現可能であり、本発明の実施形態は、本発明を完全に説明するために提供されるものである。明細書の全体において同一の参照符号は同一の構成要素を示す。
本明細書で使われる用語は、特定の実施例を記述するための目的として用いられるものであり、本発明の範囲を制限するためのものではない。本明細書で、単数として使われた用語は、それについての単数であることを示す明白な背景に関する言及がない限り、複数も含むものである。また、本明細書で使われる「包含する」という用語は、言及された構成要素、段階、動作及び/又は素子は、1つ又はそれ以上の他の構成要素、段階、動作及び/又は素子の存在又は付加を除外するものではない。
次いで、本発明の理想的な実施例を概略的に示した断面図を参照して本発明の実施例を説明する。各実施例は、例えば、製造技術及び/又は許容誤差の結果として図示された形状からの変動がありえる。したがって、本発明の実施例は、図示された特定の形状にのみ制限されると解釈されてはならず、例えば、製造結果から得られる形状における偏差を含むと解釈されねばならない。例えば、直角を有すると示されたものは、典型的にラウンド形状を有することができる。したがって、図面に示された領域は、事実上概略的なものであり、それらの形状は、素子の領域の正確な形状を説明しようとするものではなく、本発明の範囲を制限するものではない。
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る磁気メモリ素子について詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る磁気メモリ素子のメモリアレイを概略的に示す図である。図2は、本発明の一実施形態に係る磁気メモリ素子の単位メモリセルを示す図である。
図1及び図2を参照すると、複数の単位メモリセルMCを2次元的又は3次元的に配列される。単位メモリセルMCは、互いに交差する第1配線10と第2配線20との間に接続される。第1及び第2配線10、20の一つは、ワードラインに、他の1つは、ビットラインとして使用される。
各々の単位メモリセルMCは、磁気メモリ要素40(magnetic memory element)と選択素子30(select element)とを含んでいる。選択素子30と磁気メモリ要素40は、電気的に直列に接続される。磁気メモリ要素40は、第2配線20と選択素子30との間に接続され、選択素子30は、磁気メモリ要素40と、第1配線10との間に接続される。
磁気メモリ要素40は、磁気トンネル接合(magnetic tunnel junction、MTJ)を含む。選択素子30は、磁気トンネル接合MTJを通る電荷の流れを選択的に制御するように構成される。例えば、選択素子30は、ダイオード、PNPバイポーラトランジスタ、NPNバイポーラトランジスタ、NMOS電界効果トランジスタ、及びPMOS電界効果トランジスタのうちの一つからなる。選択素子30が3端子素子のバイポーラトランジスタ又はMOS電界効果トランジスタで構成される場合、追加の配線(図示せず)を選択素子30に接続される。
磁気メモリ要素40は、複数の磁性層41、42と、磁性層41、42の間のトンネルバリア層50からなる磁気トンネル接合を含む。磁性層のうちの一つ41は、通常の使用環境下では、外部磁界(external magnetic field)に関係なく、固定された磁化方向を有する基準層になる。磁性層のうちの他の一つ42は、外部磁界によって磁化方向が自由に変化する自由層(free layer)になる。
磁気トンネル接合MTJの電気的抵抗は、基準層と自由層の磁化方向が平行な場合に比べてこれらが反平行(antiparallel)な場合により大きくなる。つまり、磁気トンネル接合MTJの電気的抵抗は、自由層の磁化方向を変更することによって調整できる。これにより、磁気メモリ要素40の磁化方向に応じた電気的抵抗を利用して単位メモリセルMCにデータを格納する。
図3は、本発明の第1実施形態に係る磁気メモリ素子の磁気メモリ要素を示す図である。
図3を参照すると、基板100上に下部コンタクトプラグ103を含む第1層間誘電膜101を配置する。下部コンタクトプラグ103は、選択素子(図2の30参照)と電気的に接続される。第1層間誘電膜101は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、又は低誘電(low−k)物質からなる。これに加えて、第1層間誘電膜101は、単一膜として形成するか、又は複数の膜が積層された積層膜として形成することができる。また、第1層間誘電膜101は積層された複数の絶縁膜を含むことができ、積層された絶縁膜の間に導電膜又は半導体膜を含むことができる。下部コンタクトプラグ103は、導電性物質を含む。例えば、下部コンタクトプラグ103は、ドーパントがドーピングされた半導体(例えば、ドープトシリコン、ドープトゲルマニウム、ドープトシリコン−ゲルマニウムなど)、金属(例えば、チタン、タンタル、タングステンなど)、導電性金属窒化物(例えば、窒化チタン、窒化タンタルなど)などから選択された少なくとも一つを含む。
第1層間誘電膜101上に磁気メモリ要素を配置する。一実施形態によると、磁気メモリ要素は、第1磁気トンネル接合パターン(MTJ1、first magnetic tunnel junction pattern)と、第2磁気トンネル接合パターンMTJ2とを含む。実施形態では、追加の磁性層を図3に示された磁気メモリ要素上に形成できる。
詳細には、磁気メモリ要素は、第1基準磁性層120と、第1トンネルバリア層130と、自由層140と、第2トンネルバリア層150と、第2基準磁性層160とを含む。これに加えて、磁気メモリ要素は、下部コンタクトプラグ103と、第1基準磁性層120との間のシード電極層110を含み、第2基準磁性層160と上部コンタクトプラグ203との間にキャッピング電極層170を含む。ここで、第1基準磁性層120、第1トンネルバリア層130、及び自由層140は、第1磁気トンネル接合パターンMTJ1を構成する。そして、自由層140、第2トンネルバリア層150及び第2基準磁性層160は、第2磁気トンネル接合パターンMTJ2を構成する。
第1基準磁性層120は、基板100の上部面に実質的に垂直であり、一方向に固定された第1磁化方向を有する。第1基準磁性層120の上部面は、第1トンネルバリア層130と直接接触するので、第1基準磁性層120の上部面は、良好な表面の粗さを有することが好ましい。つまり、第1基準磁性層120は、第1トンネルバリア層130を形成する時、良好な格子整合(lattice matching)を提供する。例えば、第1基準磁性層120は、約2Å以下の平均表面粗さを有する。
第1基準磁性層120は、基板に対して実質的に垂直であり、固定された第1磁化方向を有する物質及び/又は構造を有する。例えば、第1基準磁性層120は、垂直磁性物質(例えば、CoFeTb、CoFeGd又はCoFeDyなど)、L1構造を有する垂直磁性物質、稠密六方格子(Hexagonal Close Packed Lattice)構造のCoPt、L1(super lattice)構造を有する垂直磁性物質、又はこれらを含む合金などの少なくとも一つを含む。L1構造を有する垂直磁性物質はL1構造のFePt、L1構造のFePd、L1構造のCoPd、又はL1構造のCoPtなどの少なくとも一つを含む。第1基準磁性層120がCoFeTbを含む場合には、CoFeTb内でTbの含有量比は約10%以上になる。同様に、第1基準磁性層120がCoFeGdを含む場合には、CoFeGd内でGdの含有量比は約10%以上になる。一実施形態によれば、第1基準磁性層120は、交互にそして繰り返して積層された磁性層及び非磁性層を有する垂直磁性構造体を含むことができる。例えば、垂直磁性構造体は、(Co/Pt)n、(CoFe/Pt)n、(CoFe/Pd)n、(Co/Pd)n、(Co/Ni)n、(CoNi/Pt)n、(CoCr/Pt)n又は(CoCr/Pd)n(nは積層回数)などの少なくとも一つを含む。
第1基準磁性層120の下に配置されているシード電極層110は、第1基準磁性層120のシードの役割を果たす。シード電極層110は、反応性が低い導電物質を含む。例えば、第1基準磁性層120がL1構造を有する垂直磁性物質を含む場合には、シード電極層110は、塩化ナトリウム型構造を有する導電性金属窒化物(例えば、窒化チタン、窒化タンタル、窒化クロム又は窒化バナジウムなど)を含む。
第1トンネルバリア層130は、スピン拡散長(spin diffusion length)より薄い厚さを有する。ここで、スピン拡散長は、電子が偏極状態を維持する距離になる。つまり、スピン拡散長は、電子がスピンの向きを変更せずに移動できる距離である。第1トンネルバリア層130は、絶縁物質を含む。例えば、第1トンネルバリア層130は、酸化マグネシウム(magnesium oxide)、酸化チタン(titanium oxide)、酸化アルミニウム(aluminum oxide)、酸化マグネシウム亜鉛(magnesium−zinc oxide)又は酸化マグネシウムホウ素(magnesium−boron oxide)などの少なくとも一つを含む。一実施形態によれば、第1トンネルバリア層130は、酸化マグネシウムMgOからなり、第1トンネルバリア層130の上部面は、基板の上部面に平行な(001)結晶面を有する。一実施形態によれば、酸化マグネシウムMgOからなる第1トンネルバリア層130の厚さは約8Åないし15Åである。
第1トンネルバリア層130は、RFスパッタリング蒸着法を用いて形成できる。例えば、第1トンネルバリア層130は、不活性ガス(アルゴン(Ar))雰囲気でMgOターゲット(target)を用いてスパッタリング蒸着するか、又は、酸素雰囲気でMgターゲットを用いて酸化反応を利用したスパッタリング蒸着を行うことができる。これと異なり、第1トンネルバリア層130は、第1基準磁性層120の上部面に金属Mg膜を蒸着することと、金属Mg膜を酸化させることとを交互に繰り返して実行することによって形成することも可能である。別の例として、第1トンネルバリア層130は、分子ビームエピタキシ(MBE)又はMgOを用いる電子ビーム蒸着法を用いて形成することができる。
自由層140は、第1トンネルバリア層130の上部面と直接接触し、第2トンネルバリア層150の下部面と直接接触する。自由層140は、基板の上部面に垂直な磁化方向を有し、さらに磁化方向が変更可能な磁性層になる。自由層140の磁化方向は、第1及び第2基準磁性層120、160の磁化方向に平行又は反平行に変更可能である。
自由層140は、垂直磁気異方性を有する磁性物質で形成する。さらに、自由層140は、第1トンネルバリア層130の(001)結晶面に配向された磁性物質からなることができる。自由層140は、第1トンネルバリア層130の(001)結晶面上に形成されるので、自由層140は(001)方向に結晶成長する。これにより、自由層140の上部面は、基板に実質的に平行な(001)面を有する。
自由層140は、例えば、垂直磁性物質(例えば、CoFeTb、CoFeGd又はCoFeDyなど)、L1構造を有する垂直磁性物質、稠密六方格子(Hexagonal Close Packed Lattice)構造のCoPt、又はこれらを含む合金などの少なくとも一つを含む。
第2トンネルバリア層150は、スピン拡散長より薄い厚さを有する。第2トンネルバリア層150は、絶縁物質を含む。例えば、第2トンネルバリア層150は、酸化マグネシウム(magnesium oxide)、酸化チタン(titanium oxide)、酸化アルミニウム(aluminum oxide)、酸化マグネシウム亜鉛(magnesium−zinc oxide)又は酸化マグネシウムホウ素(magnesium−boron oxide)などの少なくとも一つを含む。
一実施形態によると、第2トンネルバリア層150は、酸化マグネシウムMgOからなり、第1トンネルバリア層130より薄い厚さを有する。一実施形態によると、第1トンネルバリア層130は、第2トンネルバリア層150より厚い厚さを有し、第2及び第1トンネルバリア層150、130の厚さ比は、例えば約1:1.5ないし1:3になる。例えば、第2トンネルバリア層150は、約5Åないし10Åの厚さを有する。
第2トンネルバリア層150は、RFスパッタリング蒸着法を用いて形成されたMgO膜であり得る。これと異なり、第2トンネルバリア層150は、自由層140の上部面に金属Mg膜を蒸着することと、金属Mg膜を酸化させることとを交互に繰り返して実行することによって形成することも可能である。別の例として、第2トンネルバリア層150は、分子ビームエピタキシ(MBE)又はMgOを用いる電子ビーム蒸着法を用いて形成することができる。
実施形態では、第1トンネルバリア層130及び第2トンネルバリア層150は、酸化アルミニウムのような絶縁物質により形成することも可能である。
第2トンネルバリア層150は、MgO膜を蒸着した後、高温熱処理工程によって結晶化されることによって結晶性を有する。第2トンネルバリア層150は、高温熱処理工程によって結晶化される時、下部膜の結晶性に影響を受けるので、第2トンネルバリア層150の上部面は、第1トンネルバリア層130と自由層140の上部面に平行な(001)結晶面を有する。
第2基準磁性層160は、第2トンネルバリア層150の上部面と直接接触する。第2基準磁性層160は、自由層140の上部面に実質的に垂直に固定された第2磁化方向を有する。第2基準磁性層160の第2磁化方向は、第1基準磁性層120の第1磁化方向と反対になる。
第2基準磁性層160は、例えば、垂直磁性物質(例えば、CoFeTb、CoFeGd又はCoFeDyなど)、L1構造を有する垂直磁性物質、稠密六方格子(Hexagonal Close Packed Lattice)構造のCoPt、又はこれらを含む合金などの少なくとも一つを含む。
L1構造を有する垂直磁性物質はL1構造のFePt、L1構造のFePd、L1構造のCoPd、又はL1構造のCoPtなどの少なくとも一つを含む。第2基準磁性層160がCoFeTbを含む場合には、CoFeTb内でTbの含有量比は約10%以上になる。第2基準磁性層160がCoFeGdを含む場合には、CoFeGd内でGdの含有量比は約10%以上になる。一実施形態によれば、第2基準磁性層160は、交互にそして繰り返して積層された磁性層及び非磁性層を有する垂直磁性構造体を含むことができる。例えば、垂直磁性構造体は、(Co/Pt)n、(CoFe/Pt)n、(CoFe/Pd)n、(Co/Pd)n、(Co/Ni)n、(CoNi/Pt)n、(CoCr/Pt)n又は(CoCr/Pd)n(nは積層回数)などの少なくとも一つを含む。
第2基準磁性層160の上部面上に配置されたキャッピング電極層170は、導電材料で形成する。キャッピング電極層170は、金属を含む。例えば、キャッピング電極層170は、ルテニウム(Ru)、タンタル(Ta)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)、白金(Pt)、銀(Ag)、金(Au)又は銅(Cu)などの少なくとも一つを含む。
このような磁気メモリ要素が形成された第1層間誘電膜101上に第2層間誘電膜201を配置する。第2層間誘電膜201内にキャッピング電極層170と電気的に接続される上部コンタクトプラグ203を形成する。第2層間誘電膜201上に上部コンタクトプラグ203と電気的に接続される配線210を配置する。ここで、配線210は、図2に示した第2配線20(つまり、ビットライン)になる。
第2層間誘電膜201は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、又は低誘電(low−k)物質からなる。上部コンタクトプラグ203は、導電性物質を含み、例えば、金属(例えば、チタン、タンタル、銅、アルミニウム又はタングステンなど)、又は導電性金属窒化物(例えば、窒化チタン、窒化タンタルなど)などの少なくとも1つを含む。配線210は、金属(例えば、チタン、タンタル、銅、アルミニウム、又はタングステンなど)、又は導電性金属窒化物(例えば、窒化チタン、窒化タンタルなど)などの少なくとも一つを含む。
このように、第1及び第2磁気トンネル接合を含む磁気メモリ要素のプログラム動作について説明する。
第1基準磁性層120の第1磁化方向と自由層140の磁化方向が反平行である場合には、プログラム電流は、キャッピング電極層170からシード電極層110の方向に流れる。そして、電子は、第1基準磁性層120から自由層140に流れる。ここで、メジャー電子は、第1基準磁性層120の第1磁化方向と平行なスピンを有し、マイナー電子は、第1基準磁性層120の第1磁化方向と反平行なスピンを有する。
プログラム電流がキャッピング電極層170からシード電極層110の方向に流れる時、第1基準磁性層120の第1磁化方向と平行なメジャー電子は自由層140内に蓄積される。自由層140内に蓄積されたメジャー電子のスピントルク(spin torque)によって自由層140の磁化方向が第1基準磁性層120の第1磁化方向と平行になる。
前記自由層140を通過するメジャー電子は、第2磁化方向を有する第2基準磁性層160によって反射され、自由層140内に蓄積される。これにより、前記反射されたメジャー電子は自由層140の磁化方向を変更させることに寄与する。また、前記マイナー電子は、前記第2基準磁性層160の第2磁化方向と平行なスピンを有することで、前記第2基準磁性層160を介して円滑に流れる。これにより、磁化方向をスイッチングするのに必要な臨界電流密度が減少する。
一方、プログラム電流は、シード電極層110からキャッピング電極層170の方向に流れることができる。この場合、電子は、キャッピング電極層170からシード電極層110の方向に流れる。そして、電子は、第2基準磁性層160から自由層140に流れる。ここで、メジャー電子は、第2基準磁性層160の第2磁化方向と平行なスピンを有し、マイナー電子は、第2基準磁性層160の第2磁化方向と反平行なスピンを有する。
第2基準磁性層160を通過したメジャー電子は自由層140に蓄積されて、自由層140の磁化方向を反転させる。前記自由層140を通過したメジャー電子は、第1磁化方向を有する第1基準磁性層120によって反射され、自由層140内に蓄積されることによって、自由層140の磁化方向を反転させるのに寄与する。自由層140を通過したマイナー電子は、前記第1基準磁性層120の磁化方向と平行なスピンを有することにより、前記第1基準磁性層120を円滑に通過する。
図4は、本発明の実施形態に係る磁気メモリ素子において、磁気メモリ要素の結晶化方向を示す図である。図5は、本発明の実施形態に係る磁気メモリ要素において、磁性層の結晶構造を示す図である。図6(A)及び(B)は、本発明の実施形態に係る磁気メモリ要素において、第1及び第2トンネルバリア層の厚さに応じた結晶性の違いを比較するためのTEMイメージである。
実施形態によれば、高性能及び高集積の磁気メモリ要素を実現するために、高い磁気抵抗(MR、magnetic resistance)比と低い接合抵抗を有する磁気トンネル接合が要求される。特に、磁気トンネル接合の抵抗(resistance)と面積(area)の積であるRA値は、磁気メモリ素子で信号対ノイズ比(S/N、signal to noise ratio)とRC(Resistance Capacitor)時間定数を決める重要な変数である。そして、磁気トンネル接合の抵抗は、磁気トンネル接合の厚さによって変わる。
さらに、図4を参照すると、第1及び第2磁気トンネル接合パターンを含む磁気メモリ素子において、データの書き込みと読み出しのための第1トンネルバリア層130の抵抗と第2トンネルバリア層150の抵抗が異なって形成される。
このため、第1及び第2トンネルバリア層130、150が、MgO膜で形成される時、第1トンネルバリア層130の厚さが、第2トンネルバリア層150より薄いか、又は厚い厚さを有する。そして、MgO膜で形成された第1及び第2トンネルバリア層130、150の抵抗は、MgO膜が厚いほど増加する。
第1トンネルバリア層130の厚さが、第2トンネルバリア層150の厚さより薄い場合、自由層140に作用する漏洩磁界(Stray field)の制御が容易になる。しかし、MgO膜厚が薄いほど結晶性が低下するので、図6(A)に示すように、第1トンネルバリア層130が、第2トンネルバリア層150より薄い場合、上部に位置する磁性層(つまり、自由層140)及び第2トンネルバリア層150の結晶性を低下させる。図6(A)を参照すると、第1トンネルバリア層130が、第2トンネルバリア層150に比べて薄い場合、厚い第2トンネルバリア層150が不均一な結晶方向を有することを確認できる。これにより、第1及び第2トンネルバリア層130、150のRA(resistance−area product)値と抵抗値分布が増加する。したがって、第1トンネルバリア層130と第2トンネルバリア層150との間の抵抗差が減少する。そして、抵抗差の減少は、磁気メモリ要素でデータの読み出しを難しくする。
一方、図6(B)に示すように、第1トンネルバリア層130の厚さが、第2トンネルバリア層150の厚さより厚い場合、結晶性の良好な第1トンネルバリア層130をシードとして利用して、磁性層(すなわち、自由層140)及び第2トンネルバリア層150が結晶化されるので、磁性層及び第2トンネルバリア層150の結晶性を向上させる。図6(B)を参照すると、第2トンネルバリア層150に比べて厚い第1トンネルバリア層130は、均一な結晶方向を有することを確認でき、厚い第1トンネルバリア層130上の磁性層(つまり、自由層140)及び第2トンネルバリア層が均一な結晶性を有することを確認できる。第1及び第2トンネルバリア層150の結晶性が向上することによって、RA値と抵抗値分布を減らすことができる。これにより、第1トンネルバリア層130と第2トンネルバリア層150との間の抵抗差が増加する。
図4に示すように、第1トンネルバリア層130が、第2トンネルバリア層150より厚い場合、第1トンネルバリア層130の抵抗が、第2トンネルバリア層150の抵抗より大きい。これにより、第1トンネルバリア層130のRA(resistance−area product)値は、第2トンネルバリア層150のRA値より大きい値を有する。ここで、第2トンネルバリア層150と第1トンネルバリア層130のRA比は、約1:5ないし1:10になる。この時、第1及び第2トンネルバリア層130、150を含む磁気メモリ要素において全体RA値(つまり、第1トンネルバリア層130のRA値と第2トンネルバリア層150のRA値の合計)は最大30になる。
これに加えて、MgO膜からなるトンネルバリア層を形成する時、トンネルバリア層の下部に位置する膜の表面粗さ(surface roughness)がMgO膜の結晶性に影響を与える。これにより、結晶性の良好な第1トンネルバリア層130を形成するために、第1トンネルバリア層130の下に位置する第1基準磁性層120の表面粗さを減少させることが望ましい。したがって、一実施形態では、第1基準磁性層120の表面粗さは、約2Å以下になる。また、第1基準磁性層120をL1(super lattice)構造を有する垂直磁性物質で形成して、第1基準磁性層120上に結晶性が優れた第1トンネルバリア層130を形成することができる。
より詳細には、第1基準磁性層120は、図5に示すように、L1結晶構造を有する垂直磁性物質からなることができる。L1結晶構造を有する垂直磁性物質は、CoとPtを約2Åの厚さで交互に繰り返して蒸着して形成する。
一実施形態によると、MgO膜からなる第1及び第2トンネルバリア層130、150は、RFスパッタリング蒸着法によって形成できる。他の実施形態によると、MgO膜からなる第1及び第2トンネルバリア層130、150は、第1基準磁性層120上にMg膜蒸着工程と、酸化工程とを交互に繰り返して実行して形成することがてきる。ここで、Mg膜を蒸着するのは、金属Mgターゲットを用いたDC又はRFスパッタリング蒸着法を用いる。酸化工程は、ラジカル酸化法を利用できる。
一実施形態によると、第1及び第2トンネルバリア層130、150と接する第1基準磁性層120、自由層140、及び第2基準磁性層160は、非晶質磁性物質で形成する。これにより、磁気メモリ要素を形成した後、磁気トンネル接合の特性を向上させるために、高温熱処理工程を実行する。つまり、第1トンネルバリア層130上の磁性層及び第2トンネルバリア層150は、第1トンネルバリア層130をシードとして利用して結晶化できる。高温熱処理工程は、約300℃ないし360℃の温度で行う。高温熱処理工程は、磁気アニーリング工程又はその他のアニーリング工程で行うことができる。高温熱処理工程時に基板100の下部に配置されたヒータ(図示せず)を熱源として使用する。高温熱処理工程により、第1トンネルバリア層130をシードとして使用して、自由層140及び第2トンネルバリア層150を結晶化する。これにより、第1トンネルバリア層130の上部に位置する自由層140及び第2トンネルバリア層150の結晶性を向上できる。
第1トンネルバリア層130をシードとして利用することにより、第1トンネルバリア層130が接する自由層140の下部面は第1トンネルバリア層130の上部面と同一の結晶面を有する。例えば、第1トンネルバリア層130の上部面が(001)結晶面を有する場合、第1トンネルバリア層130と接する自由層の下部面は、(001)結晶面である。
図7は、本発明の実施形態に係る磁気メモリ要素において、第1及び第2トンネルバリア層の厚さによる抵抗値分布を示す図である。
図7のAは、第1トンネルバリア層130が、第2トンネルバリア層150より薄い場合の抵抗値分布を示し、Bは、第1トンネルバリア層130が、第2トンネルバリア層150より厚い場合の抵抗値分布を示す。
図7を参照すると、第1トンネルバリア層130が、第2トンネルバリア層150より薄い場合(図7のA)、第1トンネルバリア層130の結晶性が低下するので、第1及び第2トンネルバリア層130、150の結晶性が低下して抵抗値分布が大きく、RA値が増加する。
一方、第1トンネルバリア層130が、第2トンネルバリア層150より厚い場合(図7のB)、結晶性が向上した第1トンネルバリア層130によって、第2トンネルバリア層150の結晶性を確保できる。これにより、抵抗値分布及びRA値が減少する。
図8は、本発明の実施形態に係る磁気メモリ要素において、第1及び第2トンネルバリア層の厚さに応じた磁気抵抗比を示す図である。
図8において、Aは、第1トンネルバリア層130が、第2トンネルバリア層150より薄い場合の磁気抵抗比(TMR)を示し、図8のBは、第1トンネルバリア層130が第2トンネルバリア層150より厚い場合の磁気抵抗比を示す。
図8を参照すると、第2トンネルバリア層150より厚い第1トンネルバリア層130を含む磁気メモリ要素の磁気抵抗比が、第2トンネルバリア層150より薄い第1トンネルバリア層130を含む磁気メモリ要素の磁気抵抗比より増加する。
図9は、本発明の一実施形態に係る磁気メモリ素子の変形例を説明するための図である。
図9を参照すると、非晶質磁性層120、140、160と、第1及び第2トンネルバリア層130、150との間に結晶質磁性層200が介在する。詳細には、結晶質磁性層200は、第1基準磁性層120の上部面と第1トンネルバリア層130の下部面との間に介在する。結晶質磁性層200は、第1トンネルバリア層130の上部面と自由層140の下部面との間に介在する。結晶質磁性層200は、第2トンネルバリア層150の下部面と自由層140の上部面との間に介在する。結晶質磁性層200は、第2トンネルバリア層150の上部面と第2基準磁性層160の下部面との間に介在する。このような結晶質磁性層200は、Fe、Co、FeCo、及びこれらの合金のうちの少なくともいずれか一つを含む。そして、結晶質磁性層200は、約4Å~5Åの厚さを有する。
アニーリング工程を実行して、第1トンネルバリア層130をシードとして使用して自由層140、第2トンネルバリア層150、及び第2基準磁性層160を結晶化する場合、結晶質磁性層200によって、第1及び第2トンネルバリア層130、150の結晶性がより向上する。
図10は、本発明の第2実施形態に係る磁気メモリ素子を示す図である。第2実施形態では、図3を参照して説明した構成要素と同一の構成要素については、重複を避けるために省略する。
図10を参照すると、下部コンタクトプラグ103と上部コンタクトプラグ203との間に磁気メモリ要素を配置する。磁気メモリ要素は、一実施形態で説明したように、第1磁気トンネル接合パターンMTJ1と第2磁気トンネル接合パターンMTJ2とを含む。つまり、磁気メモリ要素は、シード電極層110とキャッピング電極層170との間に第1基準磁性層120と、第1トンネルバリア層130と、自由層140と、第2トンネルバリア層150と、第2基準磁性層160とを含む。
この実施形態によれば、第1及び第2トンネルバリア層130、150の間の自由層140は、順に積層された第1自由層141と、自由交換結合層143と、第2自由層145とを含む。第1自由層141は、第1トンネルバリア層130と自由交換結合層143と接触する。第2自由層145は、自由交換結合層143と第2トンネルバリア層150と接触する。
第1及び第2自由層141、145は、基板100の上部面に実質的に垂直な磁化方向を有し、第1磁化方向又は第2磁化方向に変更可能である。第2自由層145の磁化方向は自由交換結合層143によって第1自由層141の磁化方向と反平行に結合する。
第1及び第2自由層141、145は、磁性物質を含む。例えば、第1及び第2自由層141、145は、CoFeB、CoFe、NiFe、CoFePt、CoFePd、CoFeCr、CoFeTb、CoFeGd又はCoFeNiなどの少なくとも一つを含む。一実施形態によると、第1及び第2自由層141、145がCoFeTbを含む場合には、第1及び第2自由層141、145のCoFeTb内のTbの含有量比は約10%以上になる。同様に、第1及び第2自由層141、145がCoFeGdを含む場合には、第1及び第2自由層141、145のCoFeGd内のGdの含有量比は約10%以上になる。別の例として、第1及び第2自由層141、145は、L1構造を有する垂直磁性物質、稠密六方格子(Hexagonal Close Packed Lattice)構造のCoPt、又はこれらを含む合金などの少なくとも一つを含むことができる。
自由交換結合層143は、第1自由層141の磁化方向と第2自由層145の磁化方向とを互いに反平行に結合させる。自由交換結合層143によって、第1及び第2自由層141、145の磁化方向の間の平行結合が強化(enhanced)する。自由交換結合層143は、希少金属(例えば、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)又はロジウム(Rh))のうちの少なくとも一つを含むことができる。チタン、タンタル又はマグネシウムなどの非磁性金属、これらの酸化物、又は窒化物などの少なくとも一つを含むことができる。
図11は、本発明の第3実施形態に係る磁気メモリ素子を示す図である。第1実施形態で説明した構成要素と同一の構成要素については、重複を避けるために省略する。
図11を参照すると、磁気メモリ要素は、一実施形態で説明したように、第1磁気トンネル接合パターンMTJ1と第2磁気トンネル接合パターンMTJ2とを含む。つまり、磁気メモリ要素は、シード電極層110とキャッピング電極層170との間に第1基準磁性層120と、第1トンネルバリア層130と、自由層140と、第2トンネルバリア層150と、第2基準磁性層160とを含む。ここで、第1及び第2トンネルバリア層130、150は、MgO膜からなり、第1トンネルバリア層130が、第2トンネルバリア層150より厚い厚さを有する。さらに、第1トンネルバリア層130のRA値が、第2トンネルバリア層150のRA値より大きい値を有する。
この実施形態によれば、第1基準磁性層120は、基準垂直磁性層121、スピン偏極層125、及びこれらの間に介在された基準交換結合層123を含む。スピン偏極層125は、第1トンネルバリア層130に接触し、基準垂直磁性層121は、シード電極層110と接触する。基準垂直磁性層121は、基板100の上部面に垂直であり、固定された第1磁化方向を有する。スピン偏極層125は、基板の上部面に垂直であり、固定された第2磁化方向を有する。
基準垂直磁性層121は、自然に前記第1磁化方向を有する物質及び/又は構造を有する。例えば、基準垂直磁性層121は、垂直磁性物質(例えば、CoFeTb、CoFeGd又はCoFeDyなど)、L1構造を有する垂直磁性物質、稠密六方格子(Hexagonal Close Packed Lattice)構造のCoPt、又はこれらを含む合金などの少なくとも一つを含む。前記L1構造を有する垂直磁性物質はL1構造のFePt、L1構造のFePd、L1構造のCoPd、又はL1構造のCoPtなどの少なくとも一つを含む。基準垂直磁性層121がCoFeTbを含む場合には、CoFeTb内でTbの含有量比は約10%以上になる。同様に、基準垂直磁性層121がCoFeGdを含む場合には、CoFeGd内でGdの含有量比は約10%以上になる。
一実施形態によると、基準垂直磁性層121は交互にそして繰り返して積層された磁性層と非磁性層とを有する垂直磁性構造体を含むことができる。例えば、前記垂直磁性構造体は、(Co/Pt)n、(CoFe/Pt)n、(CoFe/Pd)n、(Co/Pd)n、(Co/Ni)n、(CoNi/Pt)n、(CoCr/Pt)n又は(CoCr/Pd)n(nは積層回数)などの少なくとも一つを含む。
スピン偏極層125は、磁性物質を含む。スピン偏極層125の第2磁化方向は、基準垂直磁性層121によって固定する。例えば、スピン偏極層125は、CoFeB、CoFe、NiFe、CoFePt、CoFePd、CoFeCr、CoFeTb、CoFeGd又はCoFeNiなどの少なくとも一つを含む。スピン偏極層125が鉄及びコバルトを含む場合には、スピン偏極層125内の鉄の含有量比は、スピン偏極層125内のコバルトの含有量比より大きい含有量比を有する。これにより、スピン偏極層125の第2磁化方向が基板100の上部面に垂直であることが容易になる。
基準交換結合層123は、基準垂直磁性層121の磁化方向とスピン偏極層125の磁化方向とを互いに反平行に結合させる。これにより、第1基準磁性層120による磁気ストレイフィールド(magnetic stray field)を最小化し、磁気記憶素子の信頼性を向上させる。基準交換結合層123によって、基準垂直磁性層121とスピン偏極層125の磁化方向間の結合力が強化(enhanced)する。例えば、基準交換結合層123は、希少金属(例えば、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、又はロジウム(Rh))のうちの少なくとも一つを含む。
これとは異なり、基準交換結合層123は、スピン偏極層125及び基準垂直磁性層121の磁化方向を平行に結合させることができる。この場合には、基準交換結合層123は、チタン、タンタル、又はマグネシウムなどの非磁性金属、これらの酸化物又は窒化物などの少なくとも一つを含む。
一方、他の実施形態によれば、スピン偏極層125と基準垂直磁性層121が接触することができる。スピン偏極層125が基準垂直磁性層121に接触した場合には、スピン偏極層125の磁化方向は、基準垂直磁性層121の第1磁化方向と平行になる。
図12は、本発明の第4実施形態に係る磁気メモリ素子を示す図である。第1の実施形態で説明した構成要素と同一の構成要素については、重複を避けるために省略する。
図12を参照すると、下部コンタクトプラグ103と上部コンタクトプラグ203との間に磁気メモリ要素を配置する。磁気メモリ要素は、一実施形態で説明したように、第1磁気トンネル接合パターンMTJ1と第2磁気トンネル接合パターンMTJ2とを含む。つまり、磁気メモリ要素は、シード電極層110とキャッピング電極層170との間に第1基準磁性層120と、第1トンネルバリア層130と、自由層140と、第2トンネルバリア層150と、第2基準磁性層160とを含む。ここで、第1及び第2トンネルバリア層130、150は、MgO膜からなり、第1トンネルバリア層130が、第2トンネルバリア層150より厚い厚さを有する。さらに、第1トンネルバリア層130のRA値が、第2トンネルバリア層150のRA値より大きい値を有する。
この実施形態によると、第2トンネルバリア層150上の第2基準磁性層160は、基準垂直磁性層165と、スピン偏極層161と、これらの間に介在する基準交換結合層163とを含む。ここで、スピン偏極層161は、第2トンネルバリア層150の上部面と接触する。
基準垂直磁性層165は、基板の上部面に実質的に垂直に固定された第1磁化方向を有する。スピン偏極層161は、基板の上部面に実質的に垂直であり、固定された第2の磁化方向を有する。基準垂直磁性層165は、自然に前記第1磁化方向を有する物質及び/又は構造を有する。スピン偏極層161は、磁性物質を含む。スピン偏極層161の第2磁化方向は、基準垂直磁性層165によって固定できる。基準交換結合層163は、基準垂直磁性層165の磁化方向及びスピン偏極層161の磁化方向を互いに平行又は反平行に結合させる。
一方、他の実施形態によれば、第2基準磁性層160は、基準垂直磁性層165とスピン偏極層161とを含み、基準垂直磁性層165とスピン偏極層161が接触することができる。
図13は、本発明の第5実施形態に係る磁気メモリ素子を示す図である。第1、第3、及び第4実施形態で説明した構成要素と同一の構成要素については、重複を避けるために省略する。
図13を参照すると、下部コンタクトプラグ103と上部コンタクトプラグ203との間に磁気メモリ要素を配置する。磁気メモリ要素は、一実施形態で説明したように、第1磁気トンネル接合パターンMTJ1と第2磁気トンネル接合パターンMTJ2とを含む。つまり、磁気メモリ要素は、シード電極層110とキャッピング電極層170との間に第1基準磁性層120と、第1トンネルバリア層130と、自由層140と、第2トンネルバリア層150と、第2基準磁性層160とを含む。ここで、第1及び第2トンネルバリア層130、150は、MgO膜からなり、第1トンネルバリア層130が、第2トンネルバリア層150より厚い厚さを有する。さらに、第1トンネルバリア層130のRA値が、第2トンネルバリア層150のRA値より大きい値を有する。
この実施形態によれば、第1基準磁性層120は、基準垂直磁性層121’と、スピン偏極層125’と、これらの間に介在する基準交換結合層123’とを含む。一実施形態によれば、第1基準磁性層120のスピン偏極層125’は、第1トンネルバリア層130の下部面と接触する。第1基準磁性層120の基準垂直磁性層121’は、基板100の上部面に垂直であり、固定された第1磁化方向を有する。第1基準磁性層120のスピン偏極層125’は、基板100の上部面に垂直であり、第1基準磁性層120の基準交換結合層123’によって基準垂直磁性層121’と平行であるか、又は、反平行な磁化方向を有する。
第2基準磁性層160は、スピン偏極層161’と、基準垂直磁性層165’と、これらの間に介在する基準交換結合層163’とを含む。ここで、第2基準磁性層160のスピン偏極層161’は、第2トンネルバリア層150の上部面と接触する。第2基準磁性層160の基準垂直磁性層165’は、基板100の上部面に垂直であり、固定された第2磁化方向を有する。第2基準磁性層160のスピン偏極層161’は、基板100の上部面に垂直であり、基準交換結合層163’によって第2基準磁性層160の基準垂直磁性層165’と平行であるか、又は反平行な磁化方向を有する。
図14は、本発明の第6実施形態に係る磁気メモリ素子を示す図である。第1、第2、第3、及び第4実施形態で説明した構成要素と同一の構成要素については、重複を避けるために省略する。
図14を参照すると、下部コンタクトプラグ103と上部コンタクトプラグ203との間に磁気メモリ要素を配置する。磁気メモリ要素は、一実施形態で説明したように、第1磁気トンネル接合パターンMTJ1と第2磁気トンネル接合パターンMTJ2とを含む。つまり、磁気メモリ要素は、シード電極層110とキャッピング電極層170との間に第1基準磁性層120と、第1トンネルバリア層130と、自由層140と、第2トンネルバリア層150と第2基準磁性層160とを含む。ここで、第1及び第2トンネルバリア層130、150は、MgO膜からなり、第1トンネルバリア層130が、第2トンネルバリア層150より厚い厚さを有する。さらに、第1トンネルバリア層130のRA値が、第2トンネルバリア層150のRA値より大きい値を有する。
この実施形態によると、第1基準磁性層120は、基準垂直磁性層121’と、スピン偏極層125’と、これらの間に介在する基準交換結合層123’とを含む。一実施形態によると、第1基準磁性層120のスピン偏極層125’は、第1トンネルバリア層130の下部面と接触する。第1基準磁性層120の基準垂直磁性層121’は、基板100の上部面に垂直であり、固定された第1磁化方向を有する。第1基準磁性層120のスピン偏極層125’は、基板100の上部面に垂直であり、基準交換結合層123’によって第1基準磁性層120の基準垂直磁性層と平行するか、又は反平行な磁化方向を有する。
第2基準磁性層160は、スピン偏極層161’と、基準垂直磁性層165’と、これらの間に介在する基準交換結合層163’とを含む。ここで、第2基準磁性層160のスピン偏極層161’は、第2トンネルバリア層150の上部面と接触する。第2基準磁性層160の基準垂直磁性層165’は、基板100の上部面に垂直であり、固定された第2磁化方向を有する。第2基準磁性層160のスピン偏極層161’は、基板の上部面に垂直であり、第2基準磁性層160の基準交換結合層163’によって第2基準磁性層160の基準垂直磁性層165’と平行であるか、又は反平行な磁化方向を有する。
自由層140は、第1自由層141、自由交換結合層143、第2自由層145を順に積層する。第1自由層141は、第1トンネルバリア層130と自由交換結合層143と接触する。第2自由層145は、自由交換結合層143と第2トンネルバリア層150と接触する。第1及び第2自由層141、145は、基板100の上部面に実質的に垂直な磁化方向を有し、第1磁化方向又は第2磁化方向に変更可能である。第2自由層145の磁化方向は自由交換結合層143によって第1自由層141の磁化方向と反平行に結合する。
図15は、本発明の実施形態に係る磁気メモリ素子の製造方法を示すフローチャートである。単純のために、段階の省略及び組み合わせを行うことができる。
図15を参照すると、基板上に第1基準磁性層を形成する(ステップ301)。第1トンネルバリア層を第1基準磁性層上に形成する(ステップ303)。自由層を第1トンネルバリア層上に形成する(ステップ305)。続いて、第2トンネルバリア層を自由層上に形成する(ステップ307)。実施形態では、第2トンネルバリア層は、第1トンネルバリア層より薄く形成する。第1トンネルバリア層のRA(resistance−area product)値は、第2トンネルバリア層のRA値より大きい値を有する。第2基準磁性層を第2トンネルバリア層上に形成する(ステップ309)。実施形態では、第1基準磁性層、第2基準磁性層、自由層のうちの少なくともいずれか1つは、基板の上部面に実質的に垂直な磁化方向を有する。一方、第1基準磁性層、第2基準磁性層、自由層のうちの少なくともいずれか一つは面垂直(perpendicular−to−plane)及び平面的な成分を含む磁化方向を有する。
図16は、本発明の概念による実施形態に係る磁気メモリ素子を含むメモリシステムの一例を示す概略ブロック図である。
図16を参照すると、本発明の一実施形態に係るメモリシステム1100は、コントローラ1110と、入出力装置(I/O)1120と、記憶装置1130(memory device)と、インタフェース1140と、バス(bus)1150とを含む。前記コントローラ1110、入出力装置1120、記憶装置1130及び/又はインタフェース1140は、バス1150を介して互いに結合する。バス1150は、データが移動する通路(path)に該当する。コントローラ1110、入出力装置(I/O)1120、記憶装置1130、及び/又はインターフェース1140は、本発明の実施形態に係る半導体装置を含む。
コントローラ1110は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセス、マイクロコントローラ、及びこれらと同様の機能を実行する論理素子の中の少なくとも一つを含む。入出力装置1120は、キーパッド(keypad)、キーボード、及びディスプレイ装置などを含む。記憶装置1130は、データ及び/又は命令語などを格納する。記憶装置1130は、上述の実施形態の磁気メモリ素子のうちの少なくとも一つを含む。インタフェース1140は、通信ネットワークにデータを伝送するか、又は、通信ネットワークからデータを受信する機能を実行する。インタフェース1140は、有線又は無線の形態であり得る。例えば、インタフェース1140は、アンテナ又は有線及び無線トランシーバを含む。図示しないが、メモリシステム1100は、コントローラ1110の動作を向上させるための動作記憶素子として、高速のDRAM素子及び/又はSRAM素子をさらに含むことも可能である。
メモリシステム1100は、PDA(personal digital assistant)、ポータブルコンピュータ(portable computer)、ウェブタブレット(web tablet)、無線電話機(wireless phone)、携帯電話(mobile phone)、デジタル音楽プレーヤ(digital music player)、メモリカード(memory card)、又は情報を無線環境で送信及び/又は受信できるすべての電子製品に適用可能である。
図17は、本発明の概念による実施形態による磁気メモリ素子を備えるメモリカードの一例を示す概略ブロック図である。
図17を参照すると、メモリカード1200は、記憶装置1210を含む。記憶装置1210は、上述の実施形態に開示された磁気メモリ装置のうちの少なくとも一つを含む。また、記憶装置1210は、他の形態の半導体メモリ素子(例えば、DRAM装置及び/又はSRAM装置など)をさらに含むことができる。メモリカード1200は、ホスト(Host)と記憶装置1210との間のデータ交換を制御するメモリコントローラ1220を含む。
メモリコントローラ1220は、メモリカードの全体的な動作を制御する中央プロセッシングユニット1222を含む。また、メモリコントローラ1220は、中央プロセッシングユニット1222の動作メモリとして使用されるSRAM1221を含む。これに加えて、メモリコントローラ1220は、ホストインターフェース1223と、メモリインターフェース1225とをさらに含む。ホストインタフェース1223は、メモリカード1200とホスト(Host)との間のデータ交換プロトコルを備える。メモリインタフェース1225は、メモリコントローラ1220と記憶装置1210とを接続させる。さらに、メモリコントローラ1220は、エラー訂正ブロック(ECC)1224をさらに含む。エラー訂正ブロック1224は、記憶装置1210から読出されたデータのエラーを検出及び訂正する。図示しないが、メモリカード1200は、ホスト(Host)とのインタフェースのためのコードデータを格納するROM装置をさらに含むこともできる。メモリカード1200は、携帯用データ格納カードとして使用可能である。一方、メモリカード1200は、コンピュータシステムのハードディスクを代替することができるSSD(Solid State Disk)でも実現可能である。
図18は、本発明の概念による実施形態に係る磁気メモリ素子を装着した情報処理システムの一例を示す概略ブロック図である。
図18を参照すると、本発明の実施形態に係る磁気メモリ装置のうちの少なくとも1つはメモリシステム1310内に装着可能であり、メモリシステム1310は、モバイル機器やデスクトップコンピュータなどの情報処理システム1300に装着される。本発明の概念による実施形態に係る情報処理システム1300はメモリシステム1310と、各々システムバス1360に電気的に接続されたモデム1320と、中央処理装置1330と、RAM1340と、ユーザインターフェース1350とを含む。メモリシステム1310は、上述の図16のメモリカード1200と実質的に同様に構成される。つまり、メモリシステム1310は、メモリ素子1311とメモリ素子1311の全体的な動作を制御するメモリコントローラ1312とを含む。フラッシュメモリシステム1310には、中央処理装置1330によって処理されたデータ又は外部から入力されたデータが格納される。ここで、上述のメモリシステム1310は、半導体ディスク装置(SSD)で構成され得る。この場合、情報処理システム1300は、大容量のデータをメモリシステム1310に安定的に格納できる。そして信頼性の増大に応じて、メモリシステム1310は、エラー訂正に必要な資源を節減できるので、高速のデータ交換機能を情報処理システム1300に提供するようになる。図示していないが、本発明の概念による実施形態に係る情報処理システム1300には、アプリケーションチップセット(Application Chipset)、カメライメージプロセッサ(Camera Image Processor、CIS)、入出力装置などがさらに提供できることは、この分野の通常の知識を習得した者に自明である。
また、本発明の概念による実施形態に係る磁気メモリ素子又はメモリシステムは様々な形態のパッケージとして実装可能である。例えば、本発明の概念による実施形態に係る磁気メモリ素子又はメモリシステムはPoP(Package on Package)、Ball grid arrays(BGAs)、Chip scale packages(CSPs)、Plastic Leaded Chip Carrier(PLCC)、Plastic Dual In−Line Package(PDIP)、Die in Waffle Pack、Die in Wafer Form、Chip On Board(COB)、Ceramic Dual In−Line Package(CERDIP)、Plastic Metric Quad Flat Pack(MQFP)、Thin Quad Flatpack(TQFP)、Small Outline(SOIC)、Shrink Small Outline Package(SSOP)、Thin Small Outline(TSOP)、Thin Quad Flatpack(TQFP)、System In Package(SIP)、Multi Chip Package(MCP)、Wafer−level Fabricated Package(WFP)、Wafer−Level Processed Stack Package(WSP)などのような方式によってパッケージ化して実装できる。
なお、本発明は、上述の実施例に限られるものではない。本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で様々な変更実施が可能である。
100 基板
101 第1層間誘電膜
103 下部コンタクトプラグ
110 シード電極層
120 第1基準磁性層
121、121’、165、165’ 基準垂直磁性層
123、123’、163、163’ 基準交換結合層
125、125’、161、161’ スピン偏極層
130 第1トンネルバリア層
140 自由層
141 第1自由層
143 自由交換結合層
145 第2自由層
150 第2トンネルバリア層
160 第2基準磁性層
170 キャッピング電極層
200 結晶質磁性層
201 第2層間誘電膜
203 上部コンタクトプラグ
210 配線
1100、1310 メモリシステム
1110 コントローラ
1120 入出力装置(I/O)
1130、1210 記憶装置
1140 インタフェース
1150 バス(bus)
1200 メモリカード
1220 メモリコントローラ
1221 SRAM
1222 中央プロセッシングユニット
1223 ホストインターフェース
1224 エラー訂正ブロック(ECC)
1225 メモリインターフェース
1300 情報処理システム
1311 メモリ素子
1312 メモリコントローラ
1320 モデム
1330 中央処理装置
1340 RAM
1350 ユーザインターフェース
1360 システムバス
MC 単位メモリセル
MTJ1,MTJ2 磁気トンネル接合パターン

Claims (10)

  1. 基板から第1高さに配置された第1トンネルバリア層と、
    前記基板から前記第1高さよりも大きい第2高さに配置されて前記第1トンネルバリア層より薄い第2トンネルバリア層と、
    前記第1トンネルバリア層と前記第2トンネルバリア層との間に配置された自由層と、
    前記第1トンネルバリア層の下に配置された第1基準磁性層と、
    前記第2トンネルバリア層上に配置された第2基準磁性層とを含み、
    前記第1基準磁性層、前記第2基準磁性層、及び前記自由層は、前記基板の上部面に対して垂直な磁化方向を有し、
    前記第1基準磁性層は、前記第1トンネルバリア層の下部面に直接接触して、L1(super lattice)構造を有し、
    前記第1トンネルバリア層は、前記第2トンネルバリア層よりも前記基板に近いことを特徴とする磁気メモリ素子。
  2. 前記第1トンネルバリア層のRA(resistance−area product)値が前記第2トンネルバリア層のRA値よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の磁気メモリ素子。
  3. 前記第2トンネルバリア層と前記第1トンネルバリア層のRA値の比は1:5〜1:10であることを特徴とする請求項1に記載の磁気メモリ素子。
  4. 前記第1及び第2トンネルバリア層は、前記基板の上部面に平行な(001)結晶面を有するMgOからなることを特徴とする請求項1に記載の磁気メモリ素子。
  5. 前記第1基準磁性層は、前記第1トンネルバリア層の第1面と接触し、前記自由層は、前記第1トンネルバリア層の前記第1面に対向する第2面と接触し、前記自由層の上部面は、(001)結晶面を有することを特徴とする請求項1に記載の磁気メモリ素子。
  6. 前記自由層は、前記第1トンネルバリア層の(001)結晶面に配向された磁性物質からなることを特徴とする請求項1に記載の磁気メモリ素子。
  7. 基板上に配置された第1基準磁性層と、
    前記第1基準磁性層上に配置された第1トンネルバリア層と、
    前記第1トンネルバリア層上に配置された自由層と、
    前記自由層上に配置された第2トンネルバリア層と、
    前記第2トンネルバリア層上の第2基準磁性層と、を含み、
    前記第1基準磁性層、前記第2基準磁性層、及び前記自由層のうちの少なくともいずれか一つは、前記基板の上部面に対して垂直な磁化方向を有し、
    前記第1基準磁性層は、前記第1トンネルバリア層の下部面に直接接触して、L1(super lattice)構造を有し、
    前記第1トンネルバリア層の厚さは、前記第2トンネルバリア層の厚さよりも大きく、
    前記自由層は、第1自由層と第2自由層との間に介在された自由交換結合層を含み、
    前記第1トンネルバリア層は、前記第2トンネルバリア層よりも前記基板に近いことを特徴とする磁性素子。
  8. 前記第1及び第2基準磁性層の少なくともいずれか1つは、スピン偏極層と基準垂直磁性層との間に介在された基準交換結合層を含むことを特徴とする請求項に記載の磁性素子。
  9. 前記自由層は非晶質磁性物質で形成されることを特徴とする請求項に記載の磁性素子。
  10. 前記第2トンネルバリア層は、スピン拡散長より小さい厚さを有することを特徴とする請求項に記載の磁性素子。
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