JP6432420B2 - 液体吐出装置及び動力伝達切換装置 - Google Patents

液体吐出装置及び動力伝達切換装置 Download PDF

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Description

本発明は、液体吐出装置及び動力伝達切換装置に関する。
特許文献1には、記録ヘッドがキャップによってキャッピングされた待機中に、画像記録指令を受信したときに、ギアの噛み合わせのための揺動動作処理を実行する画像記録装置について記載されている。この画像記録装置の揺動動作処理は、切換ギアが第1又は第2受けギアと噛み合うように行う揺動動作であって、正回転及び逆回転を所定回数だけ行うようにASFモータを制御する。このように揺動動作処理を行うことで、切換ギアと所望の受けギアとが噛み合い、動力を伝達することが可能となる。また、複数の受けギアに対して、切換ギアを個別に噛み合わせて動力を伝達させることが可能であるため、駆動源を複数設ける必要がなくなる。
特開2013−71407号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の画像記録装置における揺動動作処理は、切換ギアを第1又は第2受けギアに噛み合わせるために、切換ギアを所定回数だけ正回転及び逆回転させるため、非常に時間を要する。この結果、記録ヘッドがキャッピングされた待機状態において、画像記録指令を受信してから画像記録された記録媒体を排出するまでに要する時間が長くなる。
そこで、本発明の目的は、切換ギアを第1出力ギアから第2出力ギア、若しくは、切換ギアを第2出力ギアから第1出力ギアに噛み合わせるために要する時間を短くすることが可能な液体吐出装置及び動力伝達切換装置を提供することである。
本発明の液体吐出装置は、第1の観点では、液体を吐出する吐出面を有する液体吐出ヘッドと、記録媒体の搬送方向と直交する方向に前記液体吐出ヘッドを往復移動させることが可能な移動機構と、第1被駆動機構と、第2被駆動機構とを備えた液体吐出装置において、第1駆動源と、第2駆動源と、前記第1駆動源からの駆動力を前記移動機構に伝達する第1伝達機構と、前記第2駆動源からの駆動力を前記第1被駆動機構及び前記第2被駆動機構に選択的に伝達する第2伝達機構とを備えている。そして、前記第2伝達機構は、前記第2駆動源からの駆動力によって回転する第1軸部材と、前記第1被駆動機構に駆動力を伝達する第1出力ギアと、前記第2被駆動機構に駆動力を伝達する第2出力ギアと、前記第1軸部材の中心軸と平行な第2軸部材と、前記第2軸部材に回転可能に支持されつつ、前記第1出力ギアと噛み合う第1位置と前記第2出力ギアと噛み合う第2位置との間で移動可能に前記第2軸部材に支持される切換ギアと、前記第1軸部材とともに回転するように前記第1軸部材に支持され、前記切換ギアが前記第1及び第2位置のいずれにあるときでも当該切換ギアと噛み合う入力ギアと、前記移動機構による前記液体吐出ヘッドの特定位置への移動に伴って前記切換ギアを前記第1位置から前記第2位置に移動させる切換ギア移動機構と、前記切換ギアを前記第2位置から前記第1位置に向けて付勢する付勢機構とを有しており、前記入力ギア及び前記第1軸部材の一方は、前記第1軸部材の回転方向に向き合い互いに離隔された一対の面を有しており、前記入力ギア及び前記第1軸部材の他方は、前記一対の面間に配置され、前記面と当接することで前記第1軸部材の回転力を前記入力ギアに伝達する当接部を有しており、前記回転方向に関して前記一対の面と前記当接部との間には、隙間が形成されている。
これによると、移動機構によって液体吐出ヘッドが特定位置からこれ以外の位置に移動したときに、付勢機構によって切換ギアが第2位置から第1位置に向かって移動する。このとき、回転方向に関して第1軸部材と入力ギアとの間には、遊びがあるため、切換ギアは当該遊び分だけ回転可能である。このため、第1出力ギアが切換ギアと噛み合う位置に配置されていなくても、切換ギアが第2位置から第1位置に移動しながら第1出力ギアに噛み合うように回転することが可能となる。第2出力ギアが切換ギアと噛み合う位置に配置されていなくても、切換ギアが第1位置から第2位置に移動しながら第2出力ギアに噛み合うように回転することも可能となる。したがって、切換ギアと第1出力ギア又は第2出力ギアとを噛み合わせるために、第2駆動源を駆動して切換ギアを回転させる揺動動作を行う必要がなくなり、切換ギアを第1出力ギア又は第2出力ギアに噛み合わせるために要する時間を短くすることが可能となる。また、第1軸部材と入力ギアとの間の遊びを、簡単に構成することが可能となる。
また、本発明において、前記第1及び第2駆動源を制御する制御手段をさらに備えており、前記制御手段は、前記液体吐出ヘッドが前記特定位置にあるときに前記第2駆動源を制御して前記第2出力ギアを一方向に回転させた時点から、前記第1駆動源を制御して前記液体吐出ヘッドが前記特定位置からこれ以外の位置に到達するまでの間に、前記第1軸部材を前記一方向とは逆方向に回転させて前記当接部と前記一対の面とが離隔するように、前記第2駆動源を制御することが好ましい。これにより、液体吐出ヘッドが特定位置にあるときに第2出力ギアを一方向に回転させた時点から液体吐出ヘッドがこれ以外の位置に到達するまでの間に、当接部を一対の面から離隔させることが可能となる。このため、第1出力ギアが切換ギアと噛み合う位置に配置されていなくても、切換ギアを第2位置から第1位置に移動させながら第1出力ギアに噛み合うように、効果的に回転させることが可能となる。
また、本発明において、前記制御手段は、前記液体吐出ヘッドが前記特定位置にあるときに前記第2駆動源を制御して前記第2出力ギアを一方向に回転させた時点から、前記第1駆動源を制御して前記液体吐出ヘッドが前記特定位置からこれ以外の位置に到達するまでの間に、前記回転方向に関して前記一対の面間の前記当接部側の離隔距離から前記当接部の幅を差し引いた距離の半分の距離に相当する角度だけ、前記第1軸部材が前記一方向とは逆方向に回転するように、前記第2駆動源を制御することが好ましい。これにより、液体吐出ヘッドが特定位置にあるときに第2出力ギアを一方向に回転させた時点から液体吐出ヘッドがこれ以外の位置に到達するまでの間に、当接部を一対の面間の略中央に配置することが可能となる。このため、第1出力ギアが切換ギアと噛み合う位置に配置されていなくても、切換ギアを第2位置から第1位置に移動させながら第1出力ギアに噛み合うように、より効果的に回転させることが可能となる。
また、本発明において、前記制御手段は、前記特定位置とは別の位置であるフラッシング位置において、液体を予備吐出させるように前記液体吐出ヘッドを制御し、前記フラッシング位置は、前記これ以外の位置であることが好ましい。これにより、例えば、液体吐出ヘッドから印刷前の予備吐出をさせるために、液体吐出ヘッドをフラッシング位置に移動させるまでの間に、当接部を一対の面から離隔させることが可能となる。
また、本発明において、前記第1被駆動機構は、記録媒体を搬送する搬送機構から構成されており、前記第2被駆動機構は、キャップと、前記移動機構によって前記液体吐出ヘッドが前記特定位置であるメンテナンス位置に配置されているときに、前記キャップで前記吐出面を封止する封止状態と前記吐出面を封止しない非封止状態とを選択的にとるように前記キャップを移動させるキャップ移動機構とで構成されていることが好ましい。これによると、移動機構によって液体吐出ヘッドがメンテナンス位置からこれ以外の位置に移動したときに、付勢機構によって切換ギアが第2位置から第1位置に向かって移動する。このとき、回転方向に関して第1軸部材と入力ギアとの間には、遊びがあるため、切換ギアは当該遊び分だけ回転可能である。このため、第1出力ギアが切換ギアと噛み合う位置に配置されていなくても、切換ギアが第2位置から第1位置に移動しながら第1出力ギアに噛み合うように回転することが可能となる。したがって、切換ギアと第1出力ギアとを噛み合わせるために、第2駆動源を駆動して切換ギアを回転させる揺動動作を行う必要がなくなり、切換ギアを第1出力ギアに噛み合わせるために要する時間を短くすることが可能となる。この結果、液体吐出ヘッドがキャップに覆われた待機状態において、印刷指令を受信してから印刷された記録媒体を排出するまでに要する時間を短くすることができる。
また、本発明の液体吐出装置は、第2の観点では、液体を吐出する吐出面を有する液体吐出ヘッドと、記録媒体の搬送方向と直交する方向に前記液体吐出ヘッドを往復移動させることが可能な移動機構と、第1被駆動機構と、第2被駆動機構とを備えた液体吐出装置において、第1駆動源と、第2駆動源と、前記第1駆動源からの駆動力を前記移動機構に伝達する第1伝達機構と、前記第2駆動源からの駆動力を前記第1被駆動機構及び前記第2被駆動機構に選択的に伝達する第2伝達機構とを備えている。そして、前記第2伝達機構は、前記第2駆動源からの駆動力によって回転する第1軸部材と、前記第1被駆動機構に駆動力を伝達する第1出力ギアと、前記第2被駆動機構に駆動力を伝達する第2出力ギアと、前記第1軸部材の中心軸と平行な第2軸部材と、前記第2軸部材に回転可能に支持されつつ、前記第1出力ギアと噛み合う第1位置と前記第2出力ギアと噛み合う第2位置との間で移動可能に前記第2軸部材に支持される切換ギアと、前記第1軸部材とともに回転するように前記第1軸部材に支持され、前記切換ギアが前記第1及び第2位置のいずれにあるときでも当該切換ギアと噛み合う入力ギアと、前記移動機構による前記液体吐出ヘッドの特定位置への移動に伴って前記切換ギアを前記第1位置から前記第2位置に移動させる切換ギア移動機構と、前記切換ギアを前記第2位置から前記第1位置に向けて付勢する付勢機構とを有している。前記第1被駆動機構は、第3出力ギアを有しており、前記第2伝達機構は、前記第1出力ギアに噛み合う第4出力ギアをさらに有しており、前記第4出力ギアは、前記第1出力ギアの第1回転方向の回転により当該第1回転方向に沿って移動して前記第3出力ギアに前記第1出力ギアからの駆動力を伝達する第3位置と、前記第1出力ギアの前記第1回転方向とは逆方向の第2回転方向の回転により当該第2回転方向に沿って移動して前記第3出力ギアに前記第1出力ギアからの駆動力を伝達させずに前記第1出力ギアとともに回転可能状態となる第4位置とを選択的にとることが可能に構成されている。
これによると、移動機構によって液体吐出ヘッドが特定位置からこれ以外の位置に移動したときに、付勢機構によって切換ギアが第2位置から第1位置に向かって移動する。このとき、第4出力ギアが第4位置にあると、第1出力ギアが回転可能状態となる。このため、第1出力ギアが切換ギアと噛み合う位置に配置されていなくても、切換ギアが第2位置から第1位置に移動する際に、第1出力ギアが切換ギアに噛み合うように回転することが可能となる。また、第2出力ギアが切換ギアと噛み合う位置に配置されていなくても、切換ギアが第1位置から第2位置に移動する際に、第2出力ギアが切換ギアに噛み合うように回転することが可能となる。したがって、切換ギアと第1出力ギア又は第2出力ギアとを噛み合わせるために、第2駆動源を駆動して切換ギアを回転させる揺動動作を行う必要がなくなり、切換ギアを第1出力ギア又は第2出力ギアに噛み合わせるために要する時間を短くすることが可能となる。
また、本発明において、前記第4出力ギアは、前記第3位置において前記第3出力ギアと噛み合い、前記第4位置において前記第3出力ギアと離隔することが好ましい。これにより、第3位置において第3出力ギアに駆動力を確実に伝達することが可能となり、第4位置において第1出力ギアとともに確実に回転可能状態となる。
また、本発明の液体吐出装置は、第3の観点では、液体を吐出する吐出面を有する液体吐出ヘッドと、記録媒体の搬送方向と直交する方向に前記液体吐出ヘッドを往復移動させることが可能な移動機構と、第1被駆動機構と、第2被駆動機構とを備えた液体吐出装置において、第1駆動源と、第2駆動源と、前記第1駆動源からの駆動力を前記移動機構に伝達する第1伝達機構と、前記第2駆動源からの駆動力を前記第1被駆動機構及び前記第2被駆動機構に選択的に伝達する第2伝達機構とを備えている。そして、前記第2伝達機構は、前記第2駆動源からの駆動力によって回転する第1軸部材と、前記第1被駆動機構に駆動力を伝達する第1出力ギアと、前記第2被駆動機構に駆動力を伝達する第2出力ギアと、前記第1軸部材の中心軸と平行な第2軸部材と、前記第2軸部材に回転可能に支持されつつ、前記第1出力ギアと噛み合う第1位置と前記第2出力ギアと噛み合う第2位置との間で移動可能に前記第2軸部材に支持される切換ギアと、前記第1軸部材とともに回転するように前記第1軸部材に支持され、前記切換ギアが前記第1及び第2位置のいずれにあるときでも当該切換ギアと噛み合う入力ギアと、前記移動機構による前記液体吐出ヘッドの特定位置への移動に伴って前記切換ギアを前記第1位置から前記第2位置に移動させる切換ギア移動機構と、前記切換ギアを前記第2位置から前記第1位置に向けて付勢する付勢機構とを有している。前記第1被駆動機構は、第3出力ギアを有しており、前記第2伝達機構は、前記第1出力ギアからの駆動力によって回転する第4出力ギアと、前記第4出力ギアに噛み合う第5出力ギアとをさらに有しており、前記第5出力ギアは、前記第4出力ギアの第1回転方向の回転により当該第1回転方向に沿って移動して前記第3出力ギアに前記第1出力ギアからの駆動力を伝達する第3位置と、前記第4出力ギアの前記第1回転方向とは逆方向の第2回転方向の回転により当該第2回転方向に沿って移動して前記第3出力ギアに前記第1出力ギアからの駆動力を伝達させずに前記第1出力ギアとともに回転可能状態となる第4位置とを選択的にとることが可能に構成されている。
これによると、移動機構によって液体吐出ヘッドが特定位置からこれ以外の位置に移動したときに、付勢機構によって切換ギアが第2位置から第1位置に向かって移動する。このとき、第5出力ギアが第4位置にあると、第1出力ギアが回転可能状態となる。このため、第1出力ギアが切換ギアと噛み合う位置に配置されていなくても、切換ギアが第2位置から第1位置に移動する際に、第1出力ギアが切換ギアに噛み合うように回転することが可能となる。また、第2出力ギアが切換ギアと噛み合う位置に配置されていなくても、切換ギアが第1位置から第2位置に移動する際に、第2出力ギアが切換ギアに噛み合うように回転することが可能となる。したがって、切換ギアと第1出力ギア又は第2出力ギアとを噛み合わせるために、第2駆動源を駆動して切換ギアを回転させる揺動動作を行う必要がなくなり、切換ギアを第1出力ギア又は第2出力ギアに噛み合わせるために要する時間を短くすることが可能となる。
また、本発明の動力伝達切換装置は、駆動源と、第1被駆動機構と、第2被駆動機構と、前記駆動源からの駆動力を前記第1被駆動機構及び前記第2被駆動機構に選択的に伝達する伝達機構と、を備え、前記伝達機構は、前記駆動源からの駆動力によって回転する入力ギアと、前記第1被駆動機構駆動力を伝達する第1出力ギアと、前記第2被駆動機構駆動力を伝達する第2出力ギアと、前記入力ギアの軸方向と平行な方向において第1位置と第2位置に移動可能な切換ギアであって、前記第1位置で前記第1出力ギアと噛み合い、前記第2位置で前記第2出力ギアと噛み合い、前記第1位置及び前記第2位置のいずれにあるときでも前記入力ギアと噛み合う前記切換ギアと、前記切換ギアを前記第1位置から前記第2位置、前記第2位置から前記第1位置に移動させる切換部と、前記入力ギアを有し、前記駆動力を前記駆動源から前記切換ギアに伝達する伝達部であって、前記入力ギアがその回転方向に回転可能な所定の遊び量を有する前記伝達部と、制御部と、を備え前記制御部は、前記切換ギアの位置を切り換える前に、前記入力ギアを一方向に前記遊び量以上の回転量分の回転をさせるように、前記駆動源を制御し、その後、前記入力ギアを前記一方向とは逆方向に前記遊び量未満の回転量分の回転をさせるように、前記駆動源を制御する
また、本発明の動力伝達切換装置は、別の観点では、駆動源と、第1被駆動機構と、第2被駆動機構と、前記駆動源からの駆動力を前記第1被駆動機構及び前記第2被駆動機構に選択的に伝達する伝達機構と、を備え、前記伝達機構は、前記駆動源からの駆動力によって回転する入力ギアと、前記第1被駆動機構に駆動力を伝達する第1出力ギアと、前記第2被駆動機構に駆動力を伝達する第2出力ギアと、前記入力ギアの軸方向と平行な方向において第1位置と第2位置に移動可能な切換ギアであって、前記第1位置で前記第1出力ギアと噛み合い、前記第2位置で前記第2出力ギアと噛み合い、前記第1位置及び前記第2位置のいずれにあるときでも前記入力ギアと噛み合う前記切換ギアと、前記切換ギアを前記第1位置から前記第2位置、前記第2位置から前記第1位置に移動させる切換部と、前記入力ギアを有し、前記駆動力を前記駆動源から前記切換ギアに伝達する伝達部と、を有し、前記伝達部には、前記入力ギアがその回転方向に回転可能な遊びが形成されており、前記駆動源は、駆動軸を有し、前記伝達部は、前記駆動源の前記駆動軸に嵌合する駆動ギアを更に有し、前記駆動ギアと前記入力ギアの間に、前記入力ギアが前記駆動ギアに対して回転方向に回転可能な遊びを有するように構成される。
これによると、切換部により切換ギアが第1位置から第2位置、第2位置から第1位置に移動させられるとき、伝達部には、入力ギアがその回転方向に回転可能な遊びがあるため、切換ギアはその遊び分だけ回転可能である。そのため、第1出力ギアが切換ギアと噛み合う位置に配置されていなくても、切換ギアが第2位置から第1位置に移動しながら第1出力ギアに噛み合うように回転できる。また、第2出力ギアが切換ギアと噛み合う位置に配置されていなくても、切換ギアが第1位置から第2位置に移動しながら第2出力ギアに噛み合うように回転することもできる。したがって、切換ギアと第1出力ギア又は第2出力ギアとを噛み合わせるために、駆動源を駆動して切換ギアを回転させる揺動動作を行う必要がなくなり、切換ギアを第1出力ギア又は第2出力ギアに噛み合わせるために要する時間を短くすることが可能となる。
本発明の液体吐出装置の第1の観点によると、移動機構によって液体吐出ヘッドが特定位置からこれ以外の位置に移動したときに、付勢機構によって切換ギアが第2位置から第1位置に向かって移動する。このとき、回転方向に関して第1軸部材と入力ギアとの間には、遊びがあるため、切換ギアは当該遊び分だけ回転可能である。このため、第1出力ギアが切換ギアと噛み合う位置に配置されていなくても、切換ギアが第2位置から第1位置に移動しながら第1出力ギアに噛み合うように回転することが可能となる。第2出力ギアが切換ギアと噛み合う位置に配置されていなくても、切換ギアが第1位置から第2位置に移動しながら第2出力ギアに噛み合うように回転することも可能となる。したがって、切換ギアと第1出力ギア又は第2出力ギアとを噛み合わせるために、第2駆動源を駆動して切換ギアを回転させる揺動動作を行う必要がなくなり、切換ギアを第1出力ギア又は第2出力ギアに噛み合わせるために要する時間を短くすることが可能となる。また、第1軸部材と入力ギアとの間の遊びを、簡単に構成することが可能となる。
本発明の液体吐出装置の第2の観点によると、移動機構によって液体吐出ヘッドが特定位置からこれ以外の位置に移動したときに、付勢機構によって切換ギアが第2位置から第1位置に向かって移動する。このとき、第4出力ギアが第4位置にあると、第1出力ギアが回転可能状態となる。このため、第1出力ギアが切換ギアと噛み合う位置に配置されていなくても、切換ギアが第2位置から第1位置に移動する際に、第1出力ギアが切換ギアに噛み合うように回転することが可能となる。また、第2出力ギアが切換ギアと噛み合う位置に配置されていなくても、切換ギアが第1位置から第2位置に移動する際に、第2出力ギアが切換ギアに噛み合うように回転することが可能となる。したがって、切換ギアと第1出力ギア又は第2出力ギアとを噛み合わせるために、第2駆動源を駆動して切換ギアを回転させる揺動動作を行う必要がなくなり、切換ギアを第1出力ギア又は第2出力ギアに噛み合わせるために要する時間を短くすることが可能となる。
本発明の液体吐出装置の第3の観点によると、移動機構によって液体吐出ヘッドが特定位置からこれ以外の位置に移動したときに、付勢機構によって切換ギアが第2位置から第1位置に向かって移動する。このとき、第5出力ギアが第4位置にあると、第1出力ギアが回転可能状態となる。このため、第1出力ギアが切換ギアと噛み合う位置に配置されていなくても、切換ギアが第2位置から第1位置に移動する際に、第1出力ギアが切換ギアに噛み合うように回転することが可能となる。また、第2出力ギアが切換ギアと噛み合う位置に配置されていなくても、切換ギアが第1位置から第2位置に移動する際に、第2出力ギアが切換ギアに噛み合うように回転することが可能となる。したがって、切換ギアと第1出力ギア又は第2出力ギアとを噛み合わせるために、第2駆動源を駆動して切換ギアを回転させる揺動動作を行う必要がなくなり、切換ギアを第1出力ギア又は第2出力ギア
に噛み合わせるために要する時間を短くすることが可能となる。
本発明の動力伝達切換装置によると、切換部により切換ギアが第1位置から第2位置、第2位置から第1位置に移動させられるとき、伝達部には、入力ギアがその回転方向に回転可能な遊びがあるため、切換ギアはその遊び分だけ回転可能である。そのため、第1出力ギアが切換ギアと噛み合う位置に配置されていなくても、切換ギアが第2位置から第1位置に移動しながら第1出力ギアに噛み合うように回転できる。また、第2出力ギアが切換ギアと噛み合う位置に配置されていなくても、切換ギアが第1位置から第2位置に移動しながら第2出力ギアに噛み合うように回転することもできる。したがって、切換ギアと第1出力ギア又は第2出力ギアとを噛み合わせるために、駆動源を駆動して切換ギアを回転させる揺動動作を行う必要がなくなり、切換ギアを第1出力ギア又は第2出力ギアに噛み合わせるために要する時間を短くすることが可能となる。
複合機の斜視図である。 図1に示すプリンタ部の内部構造を示す概略側面図である。 搬送ローラ、排紙ローラ及びベルト伝達機構の平面図である。 図1に示すプリンタ部の平面図である。 図4に示す保守機構を示しており、(a)はキャップが吐出面から離隔した離隔状態を示す状況図であり、(b)はキャップが吐出面に接触した接触状態を示す状況図である。 プリンタ部の電気的構成を示すブロック図である。 プリンタ部が有する伝達機構を前方から見たときの側面図であり、(a)は切換ギアが第1位置に配置されている状況を示す図であり、(b)は切換ギアが第2位置に配置されている状況を示す図である。 (a)は伝達機構の平面図であって切換ギアが第1位置に配置されている状況を示す図であり、(b)は伝達機構の平面図であって切換ギアが第2位置に配置されている状況を示す図であり、(c)は軸部材72及び入力ギアの側面図である。 図7に示す伝達機構の状況を示しており、(a)は用紙を搬送するときの状況図であり、(b)は記録ヘッドの吐出面を封止状態とするときの状況図であり、(c)は記録ヘッドの吐出面を非封止状態とするときの状況図であり、(d)は軸部材の当接部を入力ギアの一対の面の略中央に配置するときの状況図である。 切換ギアが第2位置から第1位置に移動するときの状況を示し、(a)は図7に示すXA−XA線の断面図であり、(b)は切換ギアが第2位置から第1位置に移動する途中の状況を示す断面図であり、(c)は図7に示すXC−XC線の断面図である。 本発明の一実施形態の第1変形例の伝達機構の状況を示し、(a)は遊星ギアが伝達位置に配置されているときの状況図であり、(b)は遊星ギアが退避位置に配置されているときの状況図である。 本発明の一実施形態の第2変形例の伝達機構の状況を示し、(a)は遊星ギアが伝達位置に配置されているときの状況図であり、(b)は遊星ギアが退避位置に配置されているときの状況図である。
以下、本発明の一実施形態に係るプリンタ部が採用された複合機10について説明する。複合機10は、図1に示す状態に設置されて使用される。本実施形態において、図1に矢印を付して示す3つの方向が、上下方向7、前後方向8、及び左右方向9である。図1に示す3つの方向は、他の図面においても同様である。
<複合機10の概要>
図1に示すように、複合機10は、概ね薄型の直方体に形成されている。本発明の液体吐出装置の一例であるプリンタ部11が、複合機10の下部に設けられている。複合機10は、ファクシミリ機能及びプリント機能などの各種の機能を有している。
プリンタ部11は筐体14によって覆われている。前壁17が、筐体14の前側に配置され、上下方向7及び左右方向9にそれぞれ拡がっている。開口13が、前壁17の略中央に形成されている。給紙トレイ15及び排紙トレイ16が、開口13から前後方向に挿抜可能である。所望のサイズの用紙Pが給紙トレイ15に載置される。
複合機10は、パーソナルコンピュータ(以下PCと称する)などの外部機器と接続可能であり、PCからの指令に基づいて各種機能を実行する。
<プリンタ部11の内部構造>
次に、プリンタ部11の内部構造について説明する。図2に示すように、プリンタ部11は、給送部30と、搬送ローラ対55と、記録部20と、排紙ローラ対56と、キャリッジ駆動モータ201(図6参照:本発明の第1駆動源)と、駆動モータ202(図6参照:本発明の第2駆動源)と、軸部材38a(図4参照)と、伝達機構70(図7参照)と、制御装置5(本発明の制御手段:図6参照)とを含む。給送部30は、給紙トレイ15に載置される用紙Pを搬送路27へ給送する。搬送ローラ対55は、給送部30によって給紙された用紙Pを記録部20に搬送する。記録部20は、例えば、インクジェット記録方式の構成を有し、搬送ローラ対55によって搬送された用紙Pに画像を記録する。排紙ローラ対56は、記録部20によって記録された用紙Pを排紙トレイ16に排紙する。
<給送部30>
図2に示すように、給送部30が給紙トレイ15の上側に設けられている。給送部30は、給紙ローラ31、給紙アーム34、及び、ギア列35を有する。給紙ローラ31は、給紙アーム34の端部により軸支されている。給紙アーム34は、プリンタ部11のフレーム(不図示)に回動可能に取り付けられている。これにより、給紙ローラ31が給紙トレイ15に対して上下動可能に構成される。ギア列35は、給紙アーム34中に配列された複数のギアから構成される。この構成において、駆動モータ202が正転駆動されたときの駆動力が伝達機構70、ギア59(ともに後述する)、さらに不図示の伝達機構を介してギア列35に伝達されると、給紙ローラ31が図2中時計回りに回転する。給紙ローラ31は、給紙トレイ15上の用紙Pに圧接された状態で回転する。この給紙ローラ31の回転により、積載された用紙Pが、搬送路27へ給送される。
<給紙トレイ15>
図2に示すように、給紙トレイ15は、斜壁部12を有する。斜壁部12は、給紙トレイ15に載置される用紙Pが給紙ローラ31によって給送されるときに、用紙Pを搬送路27に案内する。
<搬送路27>
図2に示すように、搬送路27は、給紙トレイ15の後側の端部から上方且つプリンタ部11の前側へ曲がって、プリンタ部11の背面側(後側)から正面側(前側)へ延出されている。さらに、搬送路27は、搬送ローラ対55による挟持位置、記録部20の下側、及び排紙ローラ対56による挟持位置を通過して排紙トレイ16へ通じている。給紙トレイ15から給送された用紙Pは、搬送路27により下方から上方へUターンするように案内されて記録部20に至る。記録部20により画像記録が用紙Pに行われた後、記録された用紙Pは排紙トレイ16に排紙される。搬送路27は、記録部20などが配設されている箇所以外は、所定間隔で対向する外側ガイド部材29及び内側ガイド部材28によって形成されている。
<搬送ローラ対55、及び、排紙ローラ対56>
以下、用紙Pが、搬送路27に沿って搬送される向き(図2中二点鎖線の矢印で示す向き)を、搬送向きAとして説明する。図2に示すように、搬送ローラ対55が、記録部20よりも搬送向きAの上流側に設けられている。搬送ローラ対55は、搬送路27に対して下側に配置された搬送ローラ55aと搬送路27に対して上側に配置されたピンチローラ55bとを有する。搬送ローラ55aは、左右方向9に延在する軸部材55a1と、軸部材55a1に外嵌されて一体回転するローラ55a2とで構成される。ピンチローラ55bも、左右方向9に延在する軸部材55b1と、軸部材55b1に外嵌されて一体回転するローラ55b2とで構成される。ピンチローラ55bは、搬送ローラ55aの回転に伴って連れ回る。搬送ローラ55aとピンチローラ55bとは、協働して用紙Pを上下方向7から挟持し、搬送向きAに搬送する。なお、搬送ローラ55aがピンチローラ55bよりも上方に設けられていてもよい。
排紙ローラ対56は、記録部20よりも搬送向きAの下流側に設けられている。排紙ローラ対56は、搬送路27に対して下側に配置された排紙ローラ56aと、搬送路27に対して上側に配置された拍車ローラ56bとを有する。排紙ローラ56aは、左右方向9に延在する軸部材56a1と、軸部材56a1に外嵌されて一体回転するローラ56a2とで構成される。拍車ローラ56bも、左右方向9に延在する軸部材56b1と、軸部材56b1に外嵌されて一体回転する拍車56b2とで構成される。拍車ローラ56bは、排紙ローラ56aの回転に伴って連れ回る。排紙ローラ56aと拍車ローラ56bとは、協働して用紙Pを上下方向7から挟持し、搬送向きAに搬送する。排紙トレイ16が排紙ローラ対56よりも搬送向きAの下流側に配置されている。排紙トレイ16は、記録部20よりも搬送向きAの下流側に設けられている。
これら搬送ローラ対55及び排紙ローラ対56の各軸部材55a1,55b1,56a1,56b1は、図3に示す一対のフレーム57によって回転可能に支持されている。図3においては、搬送ローラ55a及び排紙ローラ56aを支持する状況を示すが、ピンチローラ55b及び拍車ローラ56bも同様に一対のフレーム57によって支持されている。一対のフレーム57は、左右方向に離隔して配置されている。軸部材55a1の右側端部には、軸部材55a1に外嵌されて一体回転するギア59が設けられている。このギア59は、後述の第1出力ギア81と噛み合っている(図9(a)参照)。また、ギア59は、ギア列35に駆動力を伝達する伝達機構(不図示)に駆動力を伝達するように構成されている。軸部材55a1,56a1の左側端部には、ベルト伝達機構50が設けられている。ベルト伝達機構50は、2つのプーリ51,52と、タイミングベルト53とを有する。プーリ51は、軸部材56a1の左側端部に外嵌されて、軸部材56a1と一体的に回転する。プーリ52は、軸部材55a1の左側端部に外嵌されて、軸部材55a1と一体的に回転する。タイミングベルト53は、これらプーリ51,52に架け渡された無端状のベルトである。この構成において、駆動モータ202が正転駆動されたときの駆動力が伝達機構70を介してギア59に伝達されると、搬送ローラ55a及び排紙ローラ56aがともに図2中時計回りに回転する。これにより、給紙トレイ15から給送された用紙Pが、搬送ローラ対55及び排紙ローラ対56によって、搬送向きAに搬送される。このように給送部30、搬送ローラ対55、排紙ローラ対56、及び、ベルト伝達機構50によって、用紙Pを搬送する本発明の搬送機構である第1被駆動機構が構成されている。
<記録部20>
図2及び図4に示すように、記録部20は、記録ヘッド21(本発明の液体吐出ヘッド)と、移動機構40と、プラテン22とを有する。移動機構40は、キャリッジ23を含む。キャリッジ23は、走査方向(左右方向9であって、搬送向きAと直交する方向)へ往復移動する。記録ヘッド21は、キャリッジ23の下側に設けられている。また、記録ヘッド21の下面は、当該記録ヘッド21の下方に搬送された用紙Pに対してインクを吐出する複数のノズルが形成された吐出面21aである。プラテン22は、吐出面21aの下方に配置され、搬送ローラ対55によって搬送される用紙Pを支持する。
図4に示すように、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色インクが、不図示のインクタンクからインクチューブ33を通じて、記録ヘッド21に供給される。記録ヘッド21は、印刷指令に基づく制御装置5の制御により、ノズルから各色のインクを微小なインク滴として吐出する。つまり、キャリッジ23が左右方向9へ往復移動することにより、記録ヘッド21が用紙Pに対して走査されると共に、ノズルから、各色のインクを微小なインク滴として吐出することで、プラテン22上を搬送される用紙Pに画像が記録される。
図4に示すように、移動機構40は、一対のガイドレール24、及び、ベルト伝達機構37を含む。一対のガイドレール24は、前後方向8に離隔して配置されている。これら一対のガイドレール24は左右方向9に互いに平行に延在している。キャリッジ23は、これら一対のガイドレール24を跨ぐように配置され、当該一対のガイドレール24上を左右方向9に沿って往復移動される。
また、ベルト伝達機構37は、前側のガイドレール24の上面に配置されている。ベルト駆動機構37は、2つのプーリ38,39と、タイミングベルト36とを含む。プーリ38は、前側のガイドレール24の右端部に設けられ、プーリ39は前側のガイドレール24の左端部に設けられている。タイミングベルト36は、これらプーリ38、39に架け渡された無端状のベルトである。
軸部材38a(本発明の第1伝達機構)は、前側のガイドレール24に回転可能に支持されている。また、軸部材38aは、上下方向7に延在する。プーリ38は、軸部材38aに外嵌されて、軸部材38aと一体的に回転する。軸部材38aは、キャリッジ駆動モータ201からの駆動力(軸周り方向の回転力)が入力される。これにより、プーリ38が回転し、タイミングベルト36が周運動する。タイミングベルト36は、キャリッジ23に固着されている。したがって、キャリッジ23の往復移動はタイミングベルト36の周運動によって実現される。このように軸部材38aは、キャリッジ駆動モータ201の駆動力を移動機構40に伝達する。
後側のガイドレール24には、図4に示すように、レバーガイド91が設けられている。レバーガイド91は、ガイドレール24の右側(後述する保守機構60側)に形成された図示しない嵌合孔に嵌め込まれてガイドレール24に固定されている。レバーガイド91の下方に伝達機構70(本発明の第2伝達機構:図7参照)が配置されている。レバーガイド91は、内側に所定形状のガイド孔95が形成された略平板状の部材である。ガイド孔95には、後述する入力レバー74の入力部74aが下側から挿入されて、後側のガイドレール24の上側へ突出される。ガイド孔95に挿入された入力部74aは、外力が付与されていなければ、ガイド孔95における装置内側(図4の左側)の端部に当接された第1駆動伝達位置(図7(a)に示す位置)に維持される。本実施形態では、入力部74aが第1駆動伝達位置にあるときに、後述の切換ギア71が第1出力ギア81と噛み合うことができる位置(以下「第1位置」という。)に配置される。
図4に示すように、キャリッジ23の後側の端部には、後方に突出するガイド片92が設けられている。ガイド片92は、キャリッジ23とともに左右方向9へ往復移動する。キャリッジ23の移動過程において、ガイド片92が、ガイド孔95から突出する入力部74a(図7参照)と当接する。より詳細には、記録ヘッド21が後述のキャップ61と対向するメンテナンス位置に配置されるように、キャリッジ23が右方に移動すると、ガイド片92が入力部74aを右方に押して、入力レバー74が第2駆動伝達位置(図7(b)に示す位置)に配置される。本実施形態では、入力部74aが第2駆動伝達位置にあるときに、後述の切換ギア71が第2出力ギア82と噛み合うことができる位置(以下「第2位置」という。)に配置される。このように入力部74aの位置は、キャリッジ23の往復位置を制御することにより選択的に変更することができる。入力レバー74の入力部74aが所定の位置(第1駆動伝達位置、第2駆動伝達位置)に選択的に移動されると、後述する切換ギア71が入力部74aの位置に対応する位置(本発明の第1位置又は第2位置)に位置決めされる。
また、図4に示すように、プラテン22の左側には、廃インクトレイ42が配置されている。廃インクトレイ42は、例えば、記録ヘッド21が待機状態から復帰して印刷を開始する前に記録ヘッド21から予備吐出されたインクを受けるものである。また、この予備吐出は所謂フラッシングと呼ばれる。記録ヘッド21は、フラッシングを実行することによって、ノズル内の気泡や混色インクの除去等のメンテナンスが実行される。また、廃インクトレイ42には、フェルトが敷設されている。記録ヘッド21がフラッシングを実行すると、予備吐出されたインクはこのフェルトに吸収される。
<保守機構60>
次に、保守機構60について、図4及び図5を参照しつつ説明する。保守機構60は、吐出面21aに形成されたノズルのインク乾燥の防止やノズル内の気泡および異物の除去を行う。図4に示すように、プラテン22の右側には保守機構60が配置されている。保守機構60が配置される具体的な位置は、プラテン22上を搬送される用紙Pが通過し得る領域、すなわち、搬送路27よりも左右方向9において右側に外れるメンテナンス位置(本発明の特定位置)に配置されている。なお、メンテナンス位置とは左右反対の位置であって、廃インクトレイ42が配置されている位置は、フラッシング位置である。保守機構60は、図5に示すように、キャップ61と、リフトアップ機構65と、吸引ポンプ68とを含む。
キャップ61は、図5に示すように、ゴム材料等からなり、一体成型された底壁部62と、底壁部62の周縁から上方に突出したリップ部63とを有している。本実施形態においては、底壁部62もリップ部63もゴム材料から構成されているが、少なくともリップ部63が弾性材料から構成されておれば、リップ部63以外の部分についてはゴム以外の材料(例えば、ポリアセタール等)から構成されていてもよい。底壁部62は、吐出面21aよりも若干小さい、矩形平面形状を有する板状部であり、キャリッジ23をメンテナンス位置に移動させたときに、その上面62aが吐出面21aのすべてのノズルと対向する。これら底壁部62とリップ部63により、キャップ61は、上方に開口する凹形状を有する。また、底壁部62には、接続口62bが形成されている。接続口62bは、上面62aの略中央に形成されており、キャップ61内につながる。
リフトアップ機構65は、図5(a)に示すように、軸部材65aと、カム65bと、伝達機構66とを有し、図示しないフレームに支持されている。軸部材65aは、前後方向8に沿って延在する。カム65bは、軸部材65aに外嵌されて、軸部材65aと一体的に回転する。また、カム65bは、所定の輪郭を有し、外周面が底壁部62に当接するように配置されている。伝達機構66は、2つの傘歯車66a,66bと、軸部材67と、ギア69とを含む。傘歯車66aは、軸部材65aの前端部に外嵌されて、軸部材65aと一体的に回転する。傘歯車66bは、軸部材67の左端部に外嵌されて、軸部材67と一体的に回転する。軸部材67は、左右方向9に平行に延在し、2つの傘歯車66a,66bは互いに噛み合って配置されている。ギア69は、軸部材67の右端部に外嵌されて、軸部材67と一体的に回転する。ギア69は、後述する第2出力ギア82と噛み合っている。
この構成において、駆動モータ202が正転駆動されたときの駆動力が伝達機構70を介してギア69に伝達されると、伝達機構66によって軸部材65a及びカム65bが図5中反時計回りに回転駆動される。図5(a)に示すように、吐出面21aがキャップ61と対向している状態(すなわち、記録ヘッド21がメンテナンス位置にあるとき)で、カム65bが図5(a)に示す状態から反時計回りの方向に90°回転すると、カム65bの輪郭によってキャップ61が押し上げられる。こうして、図5(b)に示すように、リップ部63が吐出面21aから離隔する離隔状態から接触する接触状態となる。この接触状態では、キャップ61が吐出面21aに形成されたノズルを封止する封止状態となり、吐出面21aとキャップ61とで囲まれる空間が、外部に対して密閉される。一方、駆動モータ202が逆転駆動されたときの駆動力が伝達機構70を介してギア69に伝達されると、伝達機構66によって軸部材65a及びカム65bが図5中時計回りに回転駆動される。図5(b)に示す状態からカム65bを時計回りの方向に90°回転させると、図5(a)に示すように、カム65bの輪郭に応じてキャップ61が降下する。こうして、リップ部63が吐出面21aから離れ、離隔状態となる。この離隔状態では、キャップ61が吐出面21aに形成されたノズルを封止しない非封止状態となる。このようにキャップ61及びリフトアップ機構65が、本発明の第2被駆動機構を構成している。
なお、キャップ移動機構としてのリフトアップ機構は、駆動モータ202からの駆動力でキャップ61を昇降させることが可能な構成であれば、どのような構成であってもよい。
吸引ポンプ68は、チューブ68aを介して接続口62bに接続されている。チューブ68aは可撓性を有しているが、特に可撓性を有していなくてもよく、中空の配管部材であれば、どのようなものであってもよい。吸引ポンプ68は、チューブポンプであり、吐出面21aが封止状態であるときに吸引ポンプ68が駆動されると、吐出面21aとキャップ61とで囲まれる空間が減圧されて、当該空間に連通するノズルからインクが排出される(吸引パージ)。本実施形態における吸引ポンプ68は駆動源を有しており、制御装置5によって制御されることで駆動されるが、駆動源を有さず、駆動モータ202の駆動力を吸引ポンプに伝達する伝達機構を設け、当該駆動モータ202を駆動することで吸引ポンプを動作させてもよい。この場合、吸引ポンプ及びこれに駆動力を伝達する伝達機構が本発明の第2被駆動機構となる。
図6に示すように、制御装置5は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などを含み、これらが協働して、キャリッジ駆動モータ201、記録ヘッド21、駆動モータ202、吸引ポンプ68等の動作を制御する。例えば、制御装置5は、PCから送信された印刷指令に基づいて、記録ヘッド21、キャリッジ駆動モータ201、駆動モータ202等を制御して、用紙Pに画像等を印刷させる。また、制御装置5は、キャリッジ駆動モータ201、駆動モータ202、吸引ポンプ68等を制御して、吐出面21aのキャッピング(封止状態)や吸引パージなどのメンテナンス動作を行う。なお、本実施形態の制御装置5では、CPU及びASICを1つずつ有しているが、制御装置5は、CPUを1つだけ含み、この1つのCPUが必要な処理を一括して行うものであってもよいし、CPUを複数含み、これら複数のCPUが必要な処理を分担して行うものであってもよい。また、制御装置5は、ASICを1つだけ含み、この1つのASICが必要な処理を一括して行うものであってもよいし、ASICを複数含み、これら複数のASICが必要な処理を分担して行うものであってもよい。
次に、伝達機構70について、図7〜図9を参照しつつ以下に説明する。伝達機構70は、図7及び図8に示すように、切換ギア71、3つの軸部材72,77,83、入力ギア73、第1出力ギア81、第2出力ギア82、コイルバネ75、及び、切換ギア移動機構78を含む。3つの軸部材72,77,83は、左右方向9に互いに平行に延在しており、フレーム(不図示)に支持されている。つまり、3つの軸部材72,77,83は互いに左右方向9に延びる中心軸が互いに平行に配置されている。これら3つの軸部材72,77,83のうち、軸部材72だけフレームに回転可能に支持されている。また、軸部材72(本発明の第1軸部材)は、駆動モータ202の駆動力が直接的に伝達されて回転する。つまり、軸部材72は、駆動モータ202が正転駆動されると、図9(a)に示すように、反時計回りに回転し、駆動モータ202が逆転駆動されると、図9(c)に示すように、時計回りに回転する。
入力ギア73は、軸部材72に回転可能に支持されている。また、入力ギア73は、複数の歯が周方向に沿って形成された歯形成部73aと、歯が形成されていない円筒部73bとを有する。歯形成部73aの左右方向9の幅は、切換ギア71の幅よりも大きい。より詳細には、歯形成部73aは、切換ギア71が第1位置及び第2位置のいずれに配置されていても、当該切換ギア71と噛み合うように形成されている。このように入力ギア73と切換ギア71は常に噛み合っており、互いの回転力が伝達可能な状態に構成されている。
円筒部73bには、図8に示すように、切り欠き部73cが形成されている。この切り欠き部73cが形成されることで、円筒部73bは、軸部材72の回転方向(軸周り方向)に向き合い互いに離隔された一対の面73c1,73c2を有する。軸部材72は、切り欠き部73c内に配置された当接部72aを有する。当接部72aは、軸部材72の外周面から軸部材72の径方向外側に向かって突出して形成されている。図8(c)に示すように、軸部材72の回転方向に関して、当接部72aの幅Wは、一対の面73c1,73c2の当接部72a側の離隔距離Mの半分よりも小さい。このように軸部材72の回転方向に関して、当接部72aと一対の面73c1,73c2との間には、遊びとなる隙間L1,L2が切り欠き部73c内に構成されている。隙間L1,L2は、軸部材72の回転方向に関して当接部72aが一対の面73a1,73c2の略中央に配置されているときにほぼ等しい大きさとなる。このときの隙間L1,L2は、後述する切換ギア71が切換ギア71の歯71a(図10参照)の半ピッチ(1/2ピッチ)に相当する角度だけ回転することで、当該切換ギア71と噛み合う入力ギア73が回転しても、当接部72aと一対の面73c1,73c2とが当接しない大きさである。なお、本実施形態において、軸部材72の回転方向に関して当接部72aが一対の面73a1,73c2の略中央に配置されているときの隙間L1,L2は、切換ギア71が切換ギア71の歯71aの1ピッチに相当する角度だけ回転するのに伴って入力ギア73が回転すると、当接部72aと一対の面73c1,73c2とが当接する大きさである。このような構成おいて、軸部材72が回転すると、当接部72aと一対の面73c1,73c2のいずれかと当接し、入力ギア73が軸部材72と同方向に回転する。
なお、第1出力ギア81と第2出力ギア82との間に1以上の別の出力ギアが設けられたとき、第1出力ギア81及び第2出力ギア82を含む出力ギア数をn(nは自然数)とした場合、隙間L1,L2は、(n−1)×切換ギア71の歯71aの半ピッチに相当する角度以上、切換ギア71が回転するのに伴って入力ギア73が回転すると、当接部72aと一対の面73c1,73c2とが当接する大きさとすればよい。
切換ギア71は、軸部材77に回転可能且つ、軸部材77の軸方向(左右方向9)に沿って移動可能に支持されている。コイルバネ75(本発明の付勢機構)は、その内部に軸部材77が挿通され、左右方向9に伸縮可能に軸部材77に支持されている。コイルバネ75は、切換ギア71に対して右側に配置されている。軸部材77(本発明の第2軸部材)には、コイルバネ75の右端部を軸部材77に固定するための固定部75aを有する。
切換ギア移動機構78は、入力レバー74、コイルバネ76を有する。入力レバー74は、入力部74aと、軸部材77に軸方向に沿って移動可能に支持された円筒部74bとを有する。円筒部74bは、左右方向9に関して、切換ギア71とコイルバネ75との間に配置されている。入力部74aは、円筒部74bの外周面から上方に向かって突出して形成されている。また、入力部74aは、その先端がガイド孔75から上方に突出しており、ガイド片92と当接可能に配置されている。コイルバネ76は、その内部に軸部材77が挿通され、左右方向9に伸縮可能に軸部材77に支持されている。コイルバネ76は、切換ギア71に対して左側に配置されている。軸部材77には、コイルバネ76の左端部を軸部材77に固定するための固定部76aを有する。
第1出力ギア81及び第2出力ギア82は、図7に示すように、軸部材83の軸方向(左右方向9)に沿って並んで軸部材83に回転可能に支持されている。なお、本実施形態における第1及び第2出力ギア81,82は、ともに切換ギア71とサイズ、形状など同じものである。また、軸部材83は、軸部材77の下方に配置されている。このため、第1出力ギア81及び第2出力ギア82は、切換ギア71の下方において当該切換ギア71と噛み合うことが可能である。また、第1出力ギア81は、図9(a)に示すように、ギア59と噛み合って配置されている。第2出力ギア82は、図9(b)に示すように、ギア69と噛み合って配置されている。なお、ギア59及びギア69は、図9に示すように、互いに前後方向8にずれて配置されている。このため、軸部材55a1及び軸部材67が互いに緩衝しない。
2つのコイルバネ75,76は、図7(a)に示すように、入力部74aがガイド片92に押圧されていない状態、すなわち、記録ヘッド21がメンテナンス位置以外の位置(記録ヘッド21がプラテン22と対向する位置やフラッシング位置)にあるときは、入力部74aがガイド孔95の左端部に当接された第1駆動伝達位置に維持されるように、互いに圧縮して配置されている。このとき、切換ギア71は第1出力ギア81と噛み合う第1位置に配置される。記録ヘッド21がメンテナンス位置に移動することで、入力部74aがガイド片92に押圧されガイド孔95の右端部に当接する第2駆動伝達位置に配置されると、図7(b)に示すように、入力レバー74がコイルバネ75をさらに圧縮し、コイルバネ75の付勢力が切換ギア71に作用しないようになる。このとき、コイルバネ76が右方に伸張しつつ切換ギア71を右方に押圧する。このため、切換ギア71が第2出力ギア82と噛み合う第2位置に配置される。
給紙トレイ15から用紙Pを搬送する際は、切換ギア71が第1位置に配置された状態で駆動モータ202を正転駆動する。この場合、図9(a)に示すように、軸部材72、入力ギア73、切換ギア71、第1出力ギア81、ギア59が図中矢印方向に回転する。こうして、上述したように給紙ローラ31が回転して用紙Pが、給紙トレイ15から搬送路27に給送される。このとき、搬送ローラ55a及び排紙ローラ56aも回転するため、給紙トレイ15から給送された用紙Pが搬送ローラ対55及び排紙ローラ対56によって搬送される。
記録ヘッド21の吐出面21aを封止状態とする際は、切換ギア71が第2位置に配置された状態で駆動モータ202を正転駆動する。この場合、図9(b)に示すように、軸部材72、入力ギア73、切換ギア71、第2出力ギア82、ギア69が図中矢印方向に回転する。こうして、上述したように伝達機構66によって軸部材65a及びカム65bが回転して、キャップ61が吐出面21aに形成されたノズルを封止する封止状態となる。一方、記録ヘッド21の吐出面21aを封止状態から非封止状態とする際は、切換ギア71が第2位置に配置された状態で駆動モータ202を逆転駆動する。この場合、図9(c)に示すように、軸部材72、入力ギア73、切換ギア71、第2出力ギア82、ギア69が図中矢印方向に回転する。こうして、上述したように伝達機構66によって軸部材65a及びカム65bが回転して、キャップ61が吐出面21aに形成されたノズルを封止しない非封止状態となる。
続いて、待機状態から印刷を実行する際の動作について、図7、図9及び図10を参照しつつ以下に説明する。ここでいう待機状態とは、プリンタ部11が所定時間使用されなかった場合、吐出面21aに形成されたノズルのインクの乾燥を防止するために、キャップ61が吐出面21aを封止した封止状態をとる状態をいう。また、吸引パージを実行し、キャップ61内に排出されたインクを廃インクタンク(不図示)に排出した後に、キャップ61が吐出面21aを封止して印刷指令を待っている待機状態でもある。この待機状態をとるときは、上述したように記録ヘッド21はメンテナンス位置に配置され、図7(b)に示すように、切換ギア71は第2位置をとる。そして、制御装置5がPCから印刷指令を受信すると、制御装置5は、まず、駆動モータ202を制御して、逆転駆動する。すると、図9(c)に示すように、第2出力ギア82及びギア69が回転し、キャップ61が吐出面21aから離隔して非封止状態となる。
この後、制御装置5は、駆動モータ202を制御して、図9(d)に示すように、当接部72aが一対の面73c1,73c2の略中央に配置されるように、駆動モータ202を正転駆動する。より詳細には、封止状態から非封止状態とする際に、当接部72aは、図9(c)に示すように、面73c2と当接している。このため、駆動モータ202を正転駆動すると、当接部72aが面73c2から面73c1に向かって移動するように、軸部材72が回転する。このときの軸部材72の回転量(回転角度)を、軸部材72の回転方向に関する一対の面73c1,73c2の離隔距離Mから当接部72aの幅Wを差し引いた距離の半分の距離に相当する角度とする。こうすることで、当接部72aが一対の面73c1,73c2の略中央に配置される。
次に、制御装置5は、キャリッジ駆動モータ201を制御して記録ヘッド21をフラッシング位置に移動させる。本実施形態においては、当接部72aを一対の面73c1,73c2の略中央に配置させるように、駆動モータ202を制御してからキャリッジ駆動モータ201を制御したが、フラッシング位置に記録ヘッド21が到達する前に、当接部72aを一対の面73c1,73c2の略中央に配置させることが可能であれば、駆動モータ202よりも先にキャリッジ駆動モータ201の駆動を開始してもよいし、駆動モータ202と同時にキャリッジ駆動モータ201の駆動を開始してもよい。こうすれば、後述の印刷前のフラッシングを実行させるために、記録ヘッド21をフラッシング位置に移動させるまでの間に、当接部72aを一対の面73c1,73c2間の略中央に配置させることが可能となる。
記録ヘッド21がメンテナンス位置からフラッシング位置に移動すると、ガイド片92による入力レバー74の右方への押圧が解除される。これにより、コイルバネ75がコイルバネ76の付勢力に抗して切換ギア71を第2位置から第1位置へ移動するように付勢する。このときの切換ギア71の移動状況について、図10を参照しつつ以下に説明する。なお、図10においては、ギアの種類をわかりやすくするため、切換ギア71だけハッチングを施しておらず、第1及び第2出力ギア81,82だけハッチングを施している。
図10に示すように、各ギア71,81,82の歯71a,81a,82aの各角部(回転方向に沿う面と左右方向に沿う面との角部)にはテーパ面71b,81b,82bが形成されている。切換ギア71が第2位置にあるときは、図10(a)に示すように、切換ギア71の歯71aが、第2出力ギア82の歯82a間に配置され、切換ギア71と第2出力ギア82とが噛み合っている。このとき、図10(a)に示すように、第1出力ギア81の歯81aと第2出力ギア82の歯82aとが、例えば、所定距離Tに相当する角度だけ回転方向に沿ってずれていることがある。この状態において、切換ギア71が左方に移動(第2位置から第1位置に移動)すると、図10(b)に示すように、切換ギア71の歯71aのテーパ部71bが第1出力ギア81の歯81aのテーパ部81bと当接する。このとき、軸部材72の回転方向に関して、当接部72aと一対の面73c1,73c2との間には遊びとなる隙間L1,L2が存在するため(図8(c)参照)、切換ギア71が当該隙間L1又は隙間L2分に相当する角度だけ回転可能となる。このため、図10(c)に示すように、切換ギア71の歯71aが第1出力ギア81の歯81a間に入るように、回転方向に移動しながら左方に移動する。こうして、切換ギア71と第1出力ギア81とが噛み合う第1位置に移動する。切換ギア71は、ガイド片92による入力レバー74の右方への押圧が解除されると直ぐに(記録ヘッド21がフラッシング位置に到達する前に)、第1位置への移動が完了する。
なお、記録ヘッド21をメンテナンス位置以外の位置からメンテナンス位置に移動させる場合、すなわち、切換ギア71を第1位置から第2位置の移動させる場合、記録ヘッド21がメンテナンス位置以外の位置からメンテナンス位置に到達するまでに、当接部72aを一対の面73c1,73c2の略中央に配置させるように、駆動モータ202を制御すればよい。こうすれば、上述と同様に、切換ギア71の歯71aが第2出力ギア82の歯82a間に入るように、回転方向に移動しながら右方に移動する。こうして、切換ギア71と第2出力ギア82とが噛み合う第2位置に移動する。
記録ヘッド21がフラッシング位置に到達すると、制御装置5は、記録ヘッド21を制御して、廃インクトレイ42にインクを予備吐出するフラッシングを実行する。
この後、制御装置5は、駆動モータ202を制御して、正転駆動させる。これにより、給紙ローラ31が回転して用紙Pが、給紙トレイ15から搬送路27に給送される。このとき、搬送ローラ55a及び排紙ローラ56aも回転するため、給紙トレイ15から給送された用紙Pが搬送ローラ対55及び排紙ローラ対56によって搬送される。また、制御装置5は、印刷指令に基づいて、キャリッジ駆動モータ201及び記録ヘッド21も制御し、搬送ローラ対55によって搬送されてくる用紙Pに所望の画像を記録する。こうして、画像が記録された用紙Pが排紙トレイ16に排紙され、待機状態からの印刷動作が終了する。
以上に述べたように、本実施形態によるプリンタ1によると、移動機構40によって記録ヘッド21がメンテナンス位置からこれ以外の位置(記録ヘッド21がプラテン22と対向する位置やフラッシング位置)に移動したときに、コイルバネ75によって切換ギア71が第2位置から第1位置に向かって移動する。このとき、回転方向に関して当接部72a(軸部材72)と入力ギア73との間には、遊びとしての隙間L1,L2があるため、切換ギア71は当該隙間L1又は隙間L2分だけ回転可能である。このため、第1出力ギア81が切換ギア71と噛み合う位置に配置されていなくても、切換ギア71が第2位置から第1位置に移動しながら第1出力ギア81に噛み合うように回転することが可能となる。したがって、切換ギア71と第1出力ギア81とを噛み合わせるために、駆動モータ202を駆動して切換ギア71を回転させる揺動動作を行う必要がなくなり、切換ギア71を第1出力ギア81に噛み合わせるために要する時間を短くすることが可能となる。この結果、記録ヘッド21がキャップに覆われた待機状態において、印刷指令を受信してから印刷された用紙Pを排出するまでに要する時間を短くすることができる。また、切換ギア71と第2出力ギア82とを噛み合わせるために、駆動モータ202を駆動して切換ギア71を回転させる揺動動作を行う必要がなくなり、切換ギア71を第2出力ギア82に噛み合わせるために要する時間を短くすることが可能となる。
また、入力ギア73に一対の面73c1,73c2が形成され、軸部材72に当接部72aが形成され、軸部材72の回転方向に関して一対の面73c1,73c2間と当接部72aとの間に遊びとしての隙間が形成されている。これにより、軸部材72と入力ギア73との遊びを、簡単に構成することが可能となる。
変形例として、軸部材72に溝を形成し、当該軸部材72の回転方向に向き合い互いに離隔された一対の面を軸部材72が有していてもよい。この場合、入力ギア73が、径方向内側に向かって突出し、軸部材72の溝内に配置される当接部を有しておればよい。この構成においても、上述の実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。
また、制御装置5は、吐出面21aを非封止状態とするように第2出力ギア82を回転させた時点から記録ヘッド21がフラッシング位置に到達するまでの間に、キャップ61を非封止状態にするための逆転駆動から駆動モータ202を正転駆動し、当接部72aと一対の面73c1,73c2とを離隔させる。このため、第1出力ギア81の歯81aと第2出力ギア82の歯82aとが所定距離Tに相当する角度だけ回転方向に沿ってずれ、切換ギア71の左方への移動だけでは切換ギア71と噛み合う位置に第1出力ギア81が配置されていなくても、切換ギア71を左方に(第2位置から第1位置に)移動させながら第1出力ギア81に噛み合うように、効果的に回転させることが可能となる。また、このとき、制御装置5は、当接部72aを一対の面73c1,73c2間の略中央に配置するように、駆動モータ202を制御する。このため、切換ギア71を左方に移動させながら第1出力ギア81に噛み合うように、より効果的に回転させることが可能となる。
上述の実施形態においては、記録ヘッド21がメンテナンス位置からこれ以外の位置に移動し、切換ギア71が第2位置から第1位置に移動する際に、切換ギア71が第1出力ギア81に噛み合うように回転可能な遊びとしての隙間Lが、軸部材72と入力ギア73との間に構成されていたが、第1出力ギア81とギア59(本発明の第3出力ギア)との間に遊星ギア85を設け、切換ギア71が第2位置から第1位置に移動する際に、第1出力ギア71が切換ギア71に噛み合うように回転可能な構成としてもよい。
この第1変形例における伝達機構270は、図11に示すように、入力ギア73と軸部材72との間に上述の隙間Lが設けられておらず、軸部材72の回転に伴って入力ギア73も一体的に回転する。なお、上述の実施形態と同様な構成については同符号で示し、詳細の説明を省略する。伝達機構270の遊星ギア85(本発明の第4出力ギア)は、常に第1出力ギア81に噛み合って配置されている。遊星ギア85は、その軸部材85aを介して、図示しないフレームに形成された溝86に回転可能に支持されている。溝86は、遊星ギア85が第1出力ギア71に噛み合った状態で第1出力ギア71の周囲を所定範囲内で移動可能に、遊星ギア85を支持する。より詳細には、駆動モータ202が逆転駆動されると、図11(a)に示すように、軸部材72、入力ギア73、切換ギア71、及び、第1出力ギア81が図中矢印方向に回転する。このとき、溝86は、第1出力ギア81の回転に伴って遊星ギア85がギア59と噛み合う伝達位置(本発明の第3位置)に移動するように案内する。つまり、遊星ギア85は、第1出力ギア81の時計回りの方向(本発明の第1回転方向)の回転により、当該回転方向に沿って移動し伝達位置をとる。これにより、第1出力ギア81から伝達される駆動モータ202の駆動力(回転力)が遊星ギア85を介してギア59に伝達される。こうして、給紙ローラ31、搬送ローラ対55,排紙ローラ対56による用紙Pの搬送が行われる。なお、本変形例においては、駆動モータ202を逆転駆動することで、用紙Pの搬送が行われるが、遊星ギア85とギア59との間に別のギアを設ける場合は、上述の実施形態と同様に、駆動モータ202を正転駆動することで、用紙Pの搬送が行われる。
一方、駆動モータ202が正転駆動されると、図11(b)に示すように、軸部材72、入力ギア73、切換ギア71、及び、第1出力ギア81が図中矢印方向に回転する。このとき、溝86は、第1出力ギア81の回転に伴って遊星ギア85がギア59と離隔する退避位置(本発明の第4位置)に移動するように案内する。つまり、遊星ギア85は、第1出力ギア81の反時計回りの方向(本発明の第2回転方向)の回転により、当該回転方向に沿って移動し退避位置をとる。これにより、第1出力ギア81から伝達される駆動モータ202の駆動力(回転力)がギア59に伝達されない状態となる。
本変形例における制御装置5は、駆動モータ202を逆転駆動することで行う用紙Pの搬送などが終了した時点から記録ヘッド21がメンテナンス位置に到達するまでの間に、駆動モータ202を制御して正転駆動する。このとき、本変形例においては、第1出力ギア81が略半回転するように、駆動モータ202を駆動する。これにより、遊星ギア85が図11(a)に示す伝達位置から図11(b)に示す退避位置に移動する。なお、遊星ギア85が伝達位置から退避位置に移動することが可能であれば、第1出力ギア81は半回転未満であってもよいし、半回転を超えて回転させてもよい。
このように遊星ギア85を退避位置に移動させることで、第1出力ギア81が切換ギア71に噛み合うように回転可能な状態となる。つまり、上述の実施形態と同様に、待機状態において印刷指令を受信すると、制御装置5は、非封止状態としてから記録ヘッド21をメンテナンス位置からフラッシング位置に移動するように、駆動モータ202及びキャリッジ駆動モータ201を制御する。この記録ヘッド21のフラッシング位置への移動によって、ガイド片92による入力レバー74の右方への押圧が解除され、切換ギア71が第2位置から第1位置へ移動する。このとき、上述の実施形態と同様に、図10(b)に示すように、切換ギア71の歯71aのテーパ部71bが第1出力ギア81の歯81aのテーパ部81bと当接しても、第1出力ギア81は遊星ギア85とともに回転可能な状態であるため、切換ギア71の歯71aが第1出力ギア81の歯81a間に入るように、切換ギア71の左方への移動に伴って第1出力ギア81及び遊星ギア85がともに回転する。こうして、切換ギア71と第1出力ギア81とが噛み合う第1位置に移動する。本変形例においても、切換ギア71は、ガイド片92による入力レバー74の右方への押圧が解除されると直ぐに(記録ヘッド21がフラッシング位置に到達する前に)、第1位置への移動が完了する。
以上に述べたように、本変形例においても、移動機構40によって記録ヘッド21がメンテナンス位置からこれ以外の位置(フラッシング位置)に移動したときに、コイルバネ75によって切換ギア71が第2位置から第1位置に向かって移動する。このとき、遊星ギア85が退避位置にあると、第1出力ギア81が回転可能状態となる。このため、第1出力ギア81が切換ギア71と噛み合う位置に配置されていなくても、切換ギア71が第2位置から第1位置に移動する際に、第1出力ギア81が切換ギア71に噛み合うように回転することが可能となる。したがって、切換ギア71と第1出力ギア81とを噛み合わせるために、駆動モータ202を駆動して切換ギア71を回転させる揺動動作を行う必要がなくなり、切換ギア71を第1出力ギア81に噛み合わせるために要する時間を短くすることが可能となる。この結果、記録ヘッド21がキャップに覆われた待機状態において、印刷指令を受信してから印刷された用紙Pを排出するまでに要する時間を短くすることができる。また、切換ギア71と第2出力ギア82とを噛み合わせるために、駆動モータ202を駆動して切換ギア71を回転させる揺動動作を行う必要がなくなり、切換ギア71を第2出力ギア82に噛み合わせるために要する時間を短くすることが可能となる。
また、遊星ギア85は、伝達位置においてギア59と噛み合い、退避位置においてギア59と離隔する。これにより、伝達位置においてギア59に駆動力を確実に伝達することが可能となり、退避位置において第1出力ギア81とともに確実に回転可能状態となる。
また、第2変形例として、第1出力ギア81とギア59との間に、遊星ギア85と、3つのギア87〜89とが設けられていてもよい。本変形例における伝達機構370も、第1変形例と同様に、軸部材72の回転に伴って入力ギア73も一体的に回転する。なお、上述の実施形態及び第1変形例と同様な構成については同符号で示し、詳細の説明を省略する。
伝達機構370のギア87は、第1出力ギア81に噛み合った状態で軸部材87aに対して回転可能に支持されている。ギア88(本発明の第4出力ギア)は、ギア87に噛み合った状態で軸部材88aに対して回転可能に支持されている。遊星ギア85(本発明の第5出力ギア)は、常にギア88に噛み合って配置されている。ギア89は、ギア59に噛み合った状態で軸部材89aに対して回転可能に支持されている。遊星ギア85は、上述と同様に、その軸部材85aを介して溝86に回転可能に支持されている。より詳細には、駆動モータ202が正転駆動されると、図12(a)に示すように、軸部材72、入力ギア73、切換ギア71、第1出力ギア81、2つのギア87,88が図中矢印方向に回転する。このとき、溝86は、ギア88の回転に伴って遊星ギア85がギア89と噛み合う伝達位置(第3位置)に移動するように案内する。つまり、遊星ギア85は、ギア88の反時計回りの方向(第1回転方向)の回転により、当該回転方向に沿って移動し伝達位置をとる。これにより、ギア88から伝達される駆動モータ202の駆動力(回転力)が遊星ギア85を介してギア89に伝達される。そして、駆動モータ202の駆動力(回転力)がギア89からギア59に伝達される。こうして、給紙ローラ31、搬送ローラ対55,排紙ローラ対56による用紙Pの搬送が行われる。
一方、駆動モータ202が逆転駆動されると、図12(b)に示すように、軸部材72、入力ギア73、切換ギア71、第1出力ギア81、2つのギア87,88が図中矢印方向に回転する。このとき、溝86は、ギア88の回転に伴って遊星ギア85がギア89と離隔する退避位置(第4位置)に移動するように案内する。つまり、遊星ギア85は、ギア88の時計回りの方向(第2回転方向)の回転により、当該回転方向に沿って移動し退避位置をとる。これにより、ギア88から伝達される駆動モータ202の駆動力(回転力)がギア89に伝達されない状態となる。つまり、ギア59に駆動モータ202の駆動力(回転力)が伝達されない状態となる
本変形例における制御装置5も、第1変形例とほぼ同様に、駆動モータ202を正転駆動することで行う用紙Pの搬送などが終了した時点から記録ヘッド21がメンテナンス位置に到達するまでの間に、駆動モータ202を制御して逆転駆動する。このとき、本変形例においては、ギア88が略半回転するように、駆動モータ202を駆動する。これにより、遊星ギア85が図12(a)に示す伝達位置から図12(b)に示す退避位置に移動する。なお、遊星ギア85が伝達位置から退避位置に移動することが可能であれば、ギア88は半回転未満であってもよいし、半回転を超えて回転させてもよい。
このように遊星ギア85を退避位置に移動させることで、第1出力ギア81が切換ギア71に噛み合うように回転可能な状態となる。つまり、上述の実施形態及び第1変形例と同様に、待機状態において印刷指令を受信すると、制御装置5は、非封止状態としてから記録ヘッド21をメンテナンス位置からフラッシング位置に移動するように、駆動モータ202及びキャリッジ駆動モータ201を制御する。この記録ヘッド21のフラッシング位置への移動によって、ガイド片92による入力レバー74の右方への押圧が解除され、切換ギア71が第2位置から第1位置へ移動する。このとき、上述の実施形態及び第1変形例と同様に、図10(b)に示すように、切換ギア71の歯71aのテーパ部71bが第1出力ギア81の歯81aのテーパ部81bと当接しても、第1出力ギア81は2つのギア87,88及び遊星ギア85とともに回転可能な状態であるため、切換ギア71の歯71aが第1出力ギア81の歯81a間に入るように、切換ギア71の左方への移動に伴って第1出力ギア81、2つのギア87,88及び遊星ギア85がともに回転する。こうして、切換ギア71と第1出力ギア81とが噛み合う第1位置に移動する。この第2変形例においても、切換ギア71は、ガイド片92による入力レバー74の右方への押圧が解除されると直ぐに(記録ヘッド21がフラッシング位置に到達する前に)、第1位置への移動が完了する。
以上に述べたように、本変形例においても、移動機構40によって記録ヘッド21がメンテナンス位置からこれ以外の位置(フラッシング位置)に移動したときに、コイルバネ75によって切換ギア71が第2位置から第1位置に向かって移動する。このとき、遊星ギア85が退避位置にあると、第1出力ギア81が回転可能状態となる。このため、第1出力ギア81が切換ギア71と噛み合う位置に配置されていなくても、切換ギア71が第2位置から第1位置に移動する際に、第1出力ギア81が切換ギア71に噛み合うように回転することが可能となる。また、第2出力ギア82が切換ギア71と噛み合う位置に配置されていなくても、切換ギア71が第1位置から第2位置に移動する際に、第2出力ギア82が切換ギア71に噛み合うように回転することが可能となる。したがって、切換ギア71と第1出力ギア81とを噛み合わせるために、駆動モータ202を駆動して切換ギア71を回転させる揺動動作を行う必要がなくなり、切換ギア71を第1出力ギア81に噛み合わせるために要する時間を短くすることが可能となる。この結果、記録ヘッド21がキャップに覆われた待機状態において、印刷指令を受信してから印刷された用紙Pを排出するまでに要する時間を短くすることができる。また、切換ギア71と第2出力ギア82とを噛み合わせるために、駆動モータ202を駆動して切換ギア71を回転させる揺動動作を行う必要がなくなり、切換ギア71を第2出力ギア82に噛み合わせるために要する時間を短くすることが可能となる。これにより、
上述の第1及び第2変形例における遊星ギア85は、溝86によって伝達位置と退避位置との間を案内されていたが、遊星ギア85に常に噛み合うギア(第1出力ギア81、ギア88)の軸部材に対して回動可能に連結された連結部材によって、遊星ギア85が回転可能に支持されていてもよい。この場合でも、連結部材によって遊星ギア85が伝達位置と退避位置との間において移動可能に構成されておればよい。これにおいても、上述の第1及び第2変形例と同様の効果を得ることができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、上述の実施形態においては、記録ヘッド21をメンテナンス位置からメンテナンス位置以外の位置に移動するまでに、駆動モータ202を制御して、当接部72aを一対の面73c1,73c2の略中央に配置させていたが、特にこの制御を行わなくてもよい。この場合でも、当接部72aと一対の面73c1,73c2の少なくともいずれかの面との間には隙間(遊び)が存在するので、切換ギア71を第2位置から第1位置に移動する際に、切換ギア71は隙間が存在する方向に回転可能状態となる。このため、切換ギア71は、第1出力ギア81に噛み合うように回転しながら第2位置から第1位置に移動する。この結果、上述の実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。また、上述の実施形態においては、印刷前に記録ヘッド21からフラッシングを行っているが、特にフラッシングを行わずに印刷を行わせてもよい。この場合、記録ヘッド21をメンテナンス位置からプラテン22と対向する位置(メンテナンス位置以外の位置)に移動させてもよく、この位置に到達するまでに、駆動モータ202を制御して、当接部72aを一対の面73c1,73c2の略中央に配置させればよい。これにおいても、上述と同様の効果を得ることができる。また、キャップ移動機構としてのリフトアップ機構は、駆動モータ202からの駆動力でキャップ61を昇降させる構成以外であってもよい。例えば、リフトアップ機構は駆動モータ202がなく、代わりに、キャップ61を支持する支持部材と、この支持部材に設けられるキャリッジ23と当接可能な当接部と、左右方向9に延び、支持部材を案内する傾斜面を有する構成でもよい。キャリッジ23の移動に連動して、キャップ61を昇降させることができる為、駆動モータ202が不要な分、部品点数を減らすことができる。
上述のプリンタ部11は、メインの給紙トレイ15とは別のサブの給紙トレイと、当該サブの給紙トレイから用紙を給紙するための給紙機構とを有していてもよい。この場合、第2被駆動機構がサブの給紙トレイから用紙を給紙するための給紙機構であってもよい。また、上述のプリンタ部11は、吐出面21aを払拭するための払拭機構を有していてもよい。この場合、第1被駆動機構が払拭機構、第2被駆動機構が上述の実施形態の搬送機構又はキャップ61及びリフトアップ機構65であってもよい。上述の実施形態における第1被駆動機構は、用紙Pを搬送するための搬送機構であるが、第1被駆動機構が給送部30だけから構成されていてもよい。このように第1及び第2被駆動機構は、液体吐出装置としてもプリンタ部11に採用される駆動機構であれば、どのような機構であってもよい。
上述の実施形態及び変形例においては、プリンタ部11は、切換ギア71を選択的に第1位置又は第2位置に位置決めすることにより駆動モータ202による駆動力を複数の部材に選択的に伝達する動力伝達切換装置を備えている。上述の実施形態においては、切換ギア71を第1位置及び第2位置に選択的に位置決めし、切換ギア71の正転及び逆転を切り換えることにより、用紙Pの搬送やキャップ61の移動などが行われた。しかしながら、本発明はこの構成に限定されない。例えば、1つのモータで複数の給紙トレイから選択的に給紙を行う用紙搬送装置に本動力伝達切換装置を適用することも可能である。この場合、例えば、動力伝達切換装置は、モータが生み出す駆動力を、複数の給紙トレイにそれぞれ設けられた給紙ローラに選択的に伝達する。
上述のプリンタ部11は、キャリッジ23の移動により切換ギア移動機構78が切換ギア71を移動させたが、他の駆動源により切換ギア移動機構78を作動させ、切換ギア71を移動させてもよい。例えば、切換ギア移動機構78専用のモータを設け、切換ギア移動機構78を作動させてもよい。
なお、上述のプリンタ部11において、軸部材72と軸部材55b1とは同じ部材であってもよい。また、駆動モータ202に用紙搬送量を検出するロータリーエンコーダ(図示省略)を設けてもよく、このロータリーエンコーダにより、軸部材(軸部材72、軸部材55b1)の回転量を検出することができる。プリンタ部11をこのような構成とする場合、例えば、制御装置5は、吐出面21aを非封止状態とするように第2出力ギア82を一方向に回転させた時点から記録ヘッド21がフラッシング位置に到達するまでの間に、キャップ61を非封止状態にするための逆転駆動から駆動モータ202を正転駆動し軸部材を逆方向に回転させ、ロータリーエンコーダが軸部材の所定量の回転量を検出したとき、その軸部材の回転を止めるように駆動モータ202を制御してもよい。
上述のプリンタ部11においては、切換ギア71が第2位置から第1位置に移動する際に、切換ギア71が第1出力ギア81に噛み合うように回転可能な遊びとしての空間が、軸部材72と入力ギア73との間に構成されていたが、遊びは入力ギア73と駆動モータ202との間のいずれの位置に形成されもよい。言い換えれば、遊びは、入力ギア73やモータギア等を含み、駆動モータ202の動力を切換ギア71に伝達する伝達系のいずれの部材の間に設けられてもよい。例えば、プリンタ部11は、駆動モータ202の駆動軸に嵌合する駆動ギアを伝達機構70がさらに備え、その駆動ギアと入力ギア73の間に、入力ギア73が駆動ギアに対して回転方向に回転可能な遊びを有するように構成してもよい。さらに、プリンタ部11は、伝達機構70が上記駆動ギアと切換ギア71の間に中間ギアをさらに備えてもよい。この場合、例えば、プリンタ部11は以下のように構成される。駆動ギヤに入力ギア73に向かって突出する突起が設けられ、中間ギアの駆動ギア側の面には凹部が設けられている。駆動ギアに設けられた突起は中間ギアの凹部に嵌合されており、凹部は突起よりも両ギアの回転周方向に関して大きい。このように構成しても、上述した実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、以上では、ノズルからインクを吐出することによって印刷を行うインクジェットプリンタに本発明を適用した例について説明したがこれには限られない。ノズルからインク以外の液体を吐出する、インクジェットプリンタ以外の液体吐出装置に本発明を適用することも可能である。
5 制御装置(制御手段)
11 プリンタ部(液体吐出装置)
21 記録ヘッド(液体吐出ヘッド)
21a 吐出面
38a 軸部材(第1伝達機構)
40 移動機構
55a1 軸部材
55a2 ローラ
59 ギア(第3出力ギア)
61 キャップ
65 リフトアップ機構(キャップ移動機構)
70 伝達機構(第2伝達機構)
71 切換ギア
72 軸部材(第1軸部材)
72a 当接部
73 入力ギア
73c1,73c2 面
75 コイルバネ(付勢機構)
77 軸部材(第2軸部材)
78 切換ギア移動機構
81 第1出力ギア
82 第2出力ギア
85 遊星ギア(第4出力ギア、第5出力ギア)
88 ギア(第4出力ギア)
201 キャリッジ駆動モータ(第1駆動源)
202 駆動モータ(第2駆動源)
L 隙間
M 離隔距離

Claims (14)

  1. 液体を吐出する吐出面を有する液体吐出ヘッドと、記録媒体の搬送方向と直交する方向に前記液体吐出ヘッドを往復移動させることが可能な移動機構と、第1被駆動機構と、第2被駆動機構とを備えた液体吐出装置において、
    第1駆動源と、
    第2駆動源と、
    前記第1駆動源からの駆動力を前記移動機構に伝達する第1伝達機構と、
    前記第2駆動源からの駆動力を前記第1被駆動機構及び前記第2被駆動機構に選択的に伝達する第2伝達機構とを備えており、
    前記第2伝達機構は、
    前記第2駆動源からの駆動力によって回転する第1軸部材と、
    前記第1被駆動機構に駆動力を伝達する第1出力ギアと、
    前記第2被駆動機構に駆動力を伝達する第2出力ギアと、
    前記第1軸部材の中心軸と平行な第2軸部材と、
    前記第2軸部材に回転可能に支持されつつ、前記第1出力ギアと噛み合う第1位置と前記第2出力ギアと噛み合う第2位置との間で移動可能に前記第2軸部材に支持される切換ギアと、
    前記第1軸部材とともに回転するように前記第1軸部材に支持され、前記切換ギアが前記第1及び第2位置のいずれにあるときでも当該切換ギアと噛み合う入力ギアと、
    前記移動機構による前記液体吐出ヘッドの特定位置への移動に伴って前記切換ギアを前記第1位置から前記第2位置に移動させる切換ギア移動機構と、
    前記切換ギアを前記第2位置から前記第1位置に向けて付勢する付勢機構とを有しており、
    前記入力ギア及び前記第1軸部材の一方は、前記第1軸部材の回転方向に向き合い互いに離隔された一対の面を有しており、
    前記入力ギア及び前記第1軸部材の他方は、前記一対の面間に配置され、前記面と当接することで前記第1軸部材の回転力を前記入力ギアに伝達する当接部を有しており、
    前記回転方向に関して前記一対の面と前記当接部との間には、隙間が形成されていることを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記第1及び第2駆動源を制御する制御手段をさらに備えており、
    前記制御手段は、前記液体吐出ヘッドが前記特定位置にあるときに前記第2駆動源を制御して前記第2出力ギアを一方向に回転させた時点から、前記第1駆動源を制御して前記液体吐出ヘッドが前記特定位置からこれ以外の位置に到達するまでの間に、前記第1軸部材を前記一方向とは逆方向に回転させて前記当接部と前記一対の面とが離隔するように、前記第2駆動源を制御することを特徴とする請求項に記載の液体吐出装置。
  3. 前記制御手段は、前記液体吐出ヘッドが前記特定位置にあるときに前記第2駆動源を制御して前記第2出力ギアを一方向に回転させた時点から、前記第1駆動源を制御して前記液体吐出ヘッドが前記特定位置からこれ以外の位置に到達するまでの間に、前記回転方向に関して前記一対の面間の前記当接部側の離隔距離から前記当接部の幅を差し引いた距離の半分の距離に相当する角度だけ、前記第1軸部材が前記一方向とは逆方向に回転するように、前記第2駆動源を制御することを特徴とする請求項に記載の液体吐出装置。
  4. 前記制御手段は、前記特定位置とは別の位置であるフラッシング位置において、液体を予備吐出させるように前記液体吐出ヘッドを制御し、
    前記フラッシング位置は、前記これ以外の位置であることを特徴とする請求項2又は3に記載の液体吐出装置。
  5. 前記第1被駆動機構は、記録媒体を搬送する搬送機構から構成されており、
    前記第2被駆動機構は、キャップと、前記移動機構によって前記液体吐出ヘッドが前記特定位置であるメンテナンス位置に配置されているときに、前記キャップで前記吐出面を封止する封止状態と前記吐出面を封止しない非封止状態とを選択的にとるように前記キャップを移動させるキャップ移動機構とで構成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  6. 液体を吐出する吐出面を有する液体吐出ヘッドと、記録媒体の搬送方向と直交する方向に前記液体吐出ヘッドを往復移動させることが可能な移動機構と、第1被駆動機構と、第2被駆動機構とを備えた液体吐出装置において、
    第1駆動源と、
    第2駆動源と、
    前記第1駆動源からの駆動力を前記移動機構に伝達する第1伝達機構と、
    前記第2駆動源からの駆動力を前記第1被駆動機構及び前記第2被駆動機構に選択的に伝達する第2伝達機構とを備えており、
    前記第2伝達機構は、
    前記第2駆動源からの駆動力によって回転する第1軸部材と、
    前記第1被駆動機構に駆動力を伝達する第1出力ギアと、
    前記第2被駆動機構に駆動力を伝達する第2出力ギアと、
    前記第1軸部材の中心軸と平行な第2軸部材と、
    前記第2軸部材に回転可能に支持されつつ、前記第1出力ギアと噛み合う第1位置と前記第2出力ギアと噛み合う第2位置との間で移動可能に前記第2軸部材に支持される切換ギアと、
    前記第1軸部材とともに回転するように前記第1軸部材に支持され、前記切換ギアが前記第1及び第2位置のいずれにあるときでも当該切換ギアと噛み合う入力ギアと、
    前記移動機構による前記液体吐出ヘッドの特定位置への移動に伴って前記切換ギアを前記第1位置から前記第2位置に移動させる切換ギア移動機構と、
    前記切換ギアを前記第2位置から前記第1位置に向けて付勢する付勢機構とを有しており、
    前記第1被駆動機構は、第3出力ギアを有しており、
    前記第2伝達機構は、前記第1出力ギアに噛み合う第4出力ギアをさらに有しており、
    前記第4出力ギアは、前記第1出力ギアの第1回転方向の回転により当該第1回転方向に沿って移動して前記第3出力ギアに前記第1出力ギアからの駆動力を伝達する第3位置と、前記第1出力ギアの前記第1回転方向とは逆方向の第2回転方向の回転により当該第2回転方向に沿って移動して前記第3出力ギアに前記第1出力ギアからの駆動力を伝達させずに前記第1出力ギアとともに回転可能状態となる第4位置とを選択的にとることが可能に構成されていることを特徴とする液体吐出装置。
  7. 前記第4出力ギアは、前記第3位置において前記第3出力ギアと噛み合い、前記第4位置において前記第3出力ギアと離隔することを特徴とする請求項に記載の液体吐出装置。
  8. 液体を吐出する吐出面を有する液体吐出ヘッドと、記録媒体の搬送方向と直交する方向に前記液体吐出ヘッドを往復移動させることが可能な移動機構と、第1被駆動機構と、第2被駆動機構とを備えた液体吐出装置において、 第1駆動源と、
    第2駆動源と、
    前記第1駆動源からの駆動力を前記移動機構に伝達する第1伝達機構と、
    前記第2駆動源からの駆動力を前記第1被駆動機構及び前記第2被駆動機構に選択的に伝達する第2伝達機構とを備えており、
    前記第2伝達機構は、
    前記第2駆動源からの駆動力によって回転する第1軸部材と、
    前記第1被駆動機構に駆動力を伝達する第1出力ギアと、
    前記第2被駆動機構に駆動力を伝達する第2出力ギアと、
    前記第1軸部材の中心軸と平行な第2軸部材と、
    前記第2軸部材に回転可能に支持されつつ、前記第1出力ギアと噛み合う第1位置と前記第2出力ギアと噛み合う第2位置との間で移動可能に前記第2軸部材に支持される切換ギアと、
    前記第1軸部材とともに回転するように前記第1軸部材に支持され、前記切換ギアが前記第1及び第2位置のいずれにあるときでも当該切換ギアと噛み合う入力ギアと、
    前記移動機構による前記液体吐出ヘッドの特定位置への移動に伴って前記切換ギアを前記第1位置から前記第2位置に移動させる切換ギア移動機構と、
    前記切換ギアを前記第2位置から前記第1位置に向けて付勢する付勢機構とを有しており、
    前記第1被駆動機構は、第3出力ギアを有しており、
    前記第2伝達機構は、前記第1出力ギアからの駆動力によって回転する第4出力ギアと、前記第4出力ギアに噛み合う第5出力ギアとをさらに有しており、
    前記第5出力ギアは、前記第4出力ギアの第1回転方向の回転により当該第1回転方向に沿って移動して前記第3出力ギアに前記第1出力ギアからの駆動力を伝達する第3位置と、前記第4出力ギアの前記第1回転方向とは逆方向の第2回転方向の回転により当該第2回転方向に沿って移動して前記第3出力ギアに前記第1出力ギアからの駆動力を伝達させずに前記第1出力ギアとともに回転可能状態となる第4位置とを選択的にとることが可能に構成されていることを特徴とする液体吐出装置。
  9. 駆動源と、
    第1被駆動機構と、
    第2被駆動機構と、
    前記駆動源からの駆動力を前記第1被駆動機構及び前記第2被駆動機構に選択的に伝達する伝達機構と、を備え、
    前記伝達機構は、
    前記駆動源からの駆動力によって回転する入力ギアと、
    前記第1被駆動機構駆動力を伝達する第1出力ギアと、
    前記第2被駆動機構駆動力を伝達する第2出力ギアと、
    前記入力ギアの軸方向と平行な方向において第1位置と第2位置に移動可能な切換ギアであって、前記第1位置で前記第1出力ギアと噛み合い、前記第2位置で前記第2出力ギアと噛み合い、前記第1位置及び前記第2位置のいずれにあるときでも前記入力ギアと噛み合う前記切換ギアと、
    前記切換ギアを前記第1位置から前記第2位置、前記第2位置から前記第1位置に移動させる切換部と、
    前記入力ギアを有し、前記駆動力を前記駆動源から前記切換ギアに伝達する伝達部であって、前記入力ギアがその回転方向に回転可能な所定の遊び量を有する前記伝達部と、
    制御部と、を備え
    前記制御部は、前記切換ギアの位置を切り換える前に、
    前記入力ギアを一方向に前記遊び量以上の回転量分の回転をさせるように、前記駆動源を制御し、その後、前記入力ギアを前記一方向とは逆方向に前記遊び量未満の回転量分の回転をさせるように、前記駆動源を制御することを特徴とする動力伝達切換装置。
  10. 前記伝達部は、
    前記駆動源からの駆動力によって回転する軸部材であって、前記入力ギアとともに回転するように前記入力ギアを支持する前記軸部材を更に備え、
    前記入力ギア及び前記軸部材は、前記軸部材の回転方向に関して、前記入力ギアが前記軸部材に対して前記所定の遊びを有するように構成される請求項に記載の動力伝達切換装置。
  11. 駆動源と、
    第1被駆動機構と、
    第2被駆動機構と、
    前記駆動源からの駆動力を前記第1被駆動機構及び前記第2被駆動機構に選択的に伝達する伝達機構と、を備え、
    前記伝達機構は、
    前記駆動源からの駆動力によって回転する入力ギアと、
    前記第1被駆動機構に駆動力を伝達する第1出力ギアと、
    前記第2被駆動機構に駆動力を伝達する第2出力ギアと、
    前記入力ギアの軸方向と平行な方向において第1位置と第2位置に移動可能な切換ギアであって、前記第1位置で前記第1出力ギアと噛み合い、前記第2位置で前記第2出力ギアと噛み合い、前記第1位置及び前記第2位置のいずれにあるときでも前記入力ギアと噛み合う前記切換ギアと、
    前記切換ギアを前記第1位置から前記第2位置、前記第2位置から前記第1位置に移動させる切換部と、
    前記入力ギアを有し、前記駆動力を前記駆動源から前記切換ギアに伝達する伝達部と、を有し、
    前記伝達部には、前記入力ギアがその回転方向に回転可能な遊びが形成されており、
    前記駆動源は、駆動軸を有し、
    前記伝達部は、
    前記駆動源の前記駆動軸に嵌合する駆動ギアを更に有し、
    前記駆動ギアと前記入力ギアの間に、前記入力ギアが前記駆動ギアに対して回転方向に回転可能な遊びを有するように構成されることを特徴とする動力伝達切換装置。
  12. 前記伝達部は、
    前記駆動ギアと前記入力ギアの間に中間ギアを有し、
    前記中間ギアと前記駆動ギアの一方に凸部が設けられ、他方に凹部が設けられ、前記凸部が前記凹部に嵌合されており、前記駆動ギアと前記中間ギアが一体的に回転可能に構成され、
    前記凹部は、前記駆動ギアと前記中間ギアの回転方向に関して、前記凸部との間に遊びを有する請求項11に記載の動力伝達切換装置。
  13. 前記入力ギア及び前記軸部材の一方は、前記回転方向に向き合い互いに離隔された一対の面を有しており、
    前記入力ギア及び前記軸部材の他方は、前記一対の面間に配置され、前記面と当接することで前記軸部材の回転力を前記入力ギアに伝達する当接部を有しており、
    前記回転方向に関して前記一対の面と前記当接部との間には、前記所定の遊びとしての隙間が形成されていることを特徴とする請求項10に記載の動力伝達切換装置。
  14. 液体を吐出する吐出面を有する液体吐出ヘッドと、
    記録媒体が前記吐出面に対向するように記録媒体を搬送方向に搬送するための搬送部と、
    前記請求項に記載の動力伝達切換装置と、を備える液体吐出装置。
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