JP6429792B2 - ステップアンドリピート方式のインプリント技術を用いた構造体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ステップアンドリピート方式のインプリント技術を用いた構造体の製造方法に関する。
インプリント技術とは、微細パターンを有するモールドを、基板上の液状樹脂等の樹脂層へ押し付け、これによりモールドのパターンを樹脂層に転写する微細加工技術である。微細パターンとしては、10nmレベルのナノスケールのものから、100μm程度のものまで存在し、半導体材料、光学材料、記憶メディア、マイクロマシン、バイオ、環境等、様々な分野で用いられている。
ところで、ナノオーダーの微細パターンを表面に有するモールドは、パターンの形成に時間がかかるため非常に高価である。そのため、ナノオーダーの微細パターンを表面に有するモールドの大型化(大面積化)は困難である。
そこで、特許文献1では、小さいモールドを用いたインプリントを、加工領域が重ならないようにモールドの位置をずらしながら繰り返し行うことによって大面積のインプリントを可能にしている(ステップアンドリピート方式)。
特開2013−000944号公報
ステップアンドリピート方式のインプリント技術では、大面積の樹脂層に、微細パターンを有する小さいモールドを押し付けた状態でモールドが押し付けられている部位の樹脂層を硬化させる工程を、モールドの位置を変えながら繰り返し行うことによって大面積の微細パターンを得る。モールドが押し付けられていない領域の樹脂層が硬化されると良好な微細パターンが得られないので、特許文献1では、雰囲気中の酸素濃度を高めることによってモールドが押し付けられていない領域の樹脂層が硬化されることを抑制している。
本発明者は、特許文献1とは違って、光開始剤を含有する光硬化性樹脂組成物からなる樹脂層の一部にモールドを押し付け、このモールドの周囲の領域の樹脂層を遮光マスクで覆った状態で硬化光を照射することによってモールドが押し付けられていない領域の樹脂層の硬化を防ぐことを試みた。しかし、この方法を実際に試してみたところ、迷光等の影響によって、樹脂層のうち遮光マスクで覆われている部分も1.5mm以上の幅で硬化されてしまうという現象が起こった。以下、このような現象を「マスク内硬化侵食」と称する。
このような状況において、本発明者が、硬化光の照射量を低減させたり、光開始剤の添加量を減少させたりすることによってマスク内硬化侵食を抑制することを試みた。しかし、これらの手段を採用した結果、マスク内硬化侵食は抑制されたが、その代わりに、微細パターンをモールドを押し付けた部分の樹脂層の硬化が不十分となり、樹脂層に転写される微細パターンの形状安定性が低下するという新たな問題が生じた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、樹脂層に転写される微細パターンの形状安定性に与える影響を最小限にしつつ、マスク内硬化侵食を抑制することが可能な構造体の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、光重合性のモノマーと、前記モノマー100質量部に対して光開始剤及び重合禁止剤をそれぞれ0.1質量部以上含有するインプリント用光硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を透明基材上に備える積層体を形成する積層体形成工程と、前記樹脂層よりも面積が小さく且つ微細パターンを有するモールドの前記微細パターンを前記樹脂層に押し当てると共に前記樹脂層のうち前記モールドが押し当てられている領域の少なくとも一部が露出領域となるように前記積層体を遮光マスクで被覆する被覆工程と、前記樹脂層に対して硬化光を照射することによって前記樹脂層のうち前記露出領域にある部分を硬化させる硬化工程と、前記モールドを前記樹脂層の未硬化部分に移動させて前記被覆工程と前記硬化工程を1回以上繰り返す繰り返し工程とを備える、構造体の製造方法が提供される。
本発明者は、マスク内硬化侵食を抑制するための別の手段として、樹脂層を構成する光硬化性樹脂組成物に対して比較的多量の重合禁止剤を添加してみたところ、マスク内硬化侵食が抑制されたことに加えて微細パターンの形状安定性の低下がほとんど又は全く起こらないという現象を見出し、本発明の完成に到った。
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は、互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、前記硬化工程において、前記樹脂層のうち前記遮光マスクで覆われた部分が硬化される幅は、前記遮光マスクの端から200μm以下である。 好ましくは、前記遮光マスクは、前記透明基材側に配置されて前記積層体を被覆し、前記硬化光は、前記透明基材側から前記樹脂層に対して照射される。 好ましくは、前記光硬化性樹脂組成物中の前記重合禁止剤の含有量は、前記モノマー100質量部に対して20質量部以下である。 好ましくは、前記重合禁止剤の質量は、前記光開始剤の質量に対して0.01〜0.5倍である。
本発明の第1実施形態の構造体の製造方法での積層体形成工程を説明するための断面図である。 本発明の第1実施形態の構造体の製造方法での被覆工程及び硬化工程を説明するための断面図である。 本発明の第1実施形態の構造体の製造方法での硬化工程後の積層体の状態を示す断面図である。 本発明の第1実施形態の構造体の製造方法での繰り返し工程を説明するための断面図である。 本発明の第1実施形態の構造体の製造方法によって得られた構造体を示す断面図である。 本発明の第2実施形態の構造体の製造方法での被覆工程及び硬化工程を説明するための断面図である。 本発明の第2実施形態の構造体の製造方法での硬化工程後の積層体の状態を示す断面図である。 本発明の第2実施形態の構造体の製造方法での繰り返し工程を説明するための断面図である。 参考例での図3及び図7に対応する断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の好ましい実施の形態について具体的に説明する。
1.第1実施形態
本発明の第1実施形態の構造体の製造方法は、ステップアンドリピート方式のインプリント技術を用いた方法であり、積層体形成工程、被覆工程、硬化工程、及び繰り返し工程を備える。
以下、図1〜図5を用いて、各工程について詳細に説明する。
(1)積層体形成工程
この工程では、図1に示すように、光重合性のモノマーと、前記モノマー100質量部に対して光開始剤及び重合禁止剤をそれぞれ0.1質量部以上含有するインプリント用光硬化性樹脂組成物からなる樹脂層9を透明基材7上に備える積層体11を形成する。
<透明基材>
透明基材7は、樹脂基材、石英基材などの透明材料で形成され、その材質は、特に限定されないが、樹脂基材であることが好ましい。樹脂基材を用いることによって、本発明のインプリント方法によって所望するサイズの(大面積も可能な)構造体が得られるからである。樹脂基材を構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリイミド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、環状ポリオレフィンおよびポリエチレンナフタレートからなる群から選ばれる1種からなるものである。また、透明基材7は適度な柔軟性を有することが好ましく、樹脂基材を用いる場合には、樹脂基材の厚さは25〜500μmの範囲であることが好ましい。
<光硬化性樹脂組成物>
樹脂層9を構成するインプリント用光硬化性樹脂組成物は、モノマーと、前記モノマー100質量部に対して光開始剤及び重合禁止剤をそれぞれ0.1質量部以上含有し、硬化光(UV光、可視光、電子線などの、樹脂を硬化可能なエネルギー線の総称)の照射によって硬化する性質を有する。
(a)モノマー
モノマーとしては、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、オレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等を形成するための光重合性のモノマーが挙げられ、光重合性の(メタ)アクリル系モノマーが好ましい。なお、本明細書において、(メタ)アクリルとは、メタクリルおよび/またはアクリルを意味し、(メタ)アクリレートはメタクリレートおよび/またはアクリレートを意味する。
光重合性の(メタ)アクリル系モノマーとしては、多官能(メタ)アクリル酸エステル、単官能(メタ)アクリル酸エステルおよび官能基含有モノマーが挙げられる。
本発明で使用される多官能(メタ)アクリル酸エステルとしては、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4‐ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1 ,6‐へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9‐ノナンジオールジ(メタ)アクリレ一ト、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコ一ルジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ (メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ (メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエステル (メタ) アクリレートおよびウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明では、上記のような多官能(メタ)アクリル酸エステルと共に、単官能(メタ)アクリル酸エステルを使用することもできる。ここで使用することができる単官能(メタ)アクリル酸エステルの例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n‐プロピル(メタ)アクリレート、n‐ブチル(メタ)アクリレート、n‐ペンチル(メタ)アクリレート、n‐ヘキシル(メタ)アクリレート、n‐オクチル(メタ)アクリレート、n‐ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレートおよびステアリル(メタ)アクリレートなどの直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート;
iso-プロピル(メタ)アクリレート、iso-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレートおよびイソオクチル(メタ)アクリレートなどの分岐状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル;
イソボルニル(メタ)アクリレートおよびシクロへキシル(メタ)アクリレートなどの環状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル;
ベンジル(メタ)アクリレートおよびフェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの芳香環基を有する(メタ)アクリル酸エステルなどを挙げることができる。
官能基含有モノマーとしては、水酸基含有モノマー、酸基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、アミド基含有モノマーおよびシアノ基含有モノマーを挙げることができる。
ここで水酸基含有モノマーの例としては、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸-4-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸とポリプロピレングリコールまたはポリエチレングリコールとのモノエステルおよびラクトン類と(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチルとの付加物のようなヒドロキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーなどの水酸基含有化合物を挙げることができる。
また、酸基含有モノマーの例としては、(メタ)アクリル酸のようなカルボキシル基含有(メタ)アクリル系モノマー、酸無水物基含有(メタ)アクリル系モノマー、リン酸基含有(メタ)アクリル系モノマーおよび硫酸基含有(メタ)アクリル系モノマーを挙げることができる。
さらに、アミノ基含有モノマーあるいはアミド基含有モノマーの例としては、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのアミノ基含有(メタ)アクリル系モノマーならびに(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-プロピル(メタ)アクリルアミドおよびN−ヘキシル(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有(メタ)アクリル系モノマーを挙げることができる。
またさらにシアノ基含有モノマーの例としては、シアノ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
さらに、(メタ)アクリル系モノマーとしては、上記のような(メタ)アクリル系モノマーの他に、以下に記載するような上記(メタ)アクリル系モノマーと共重合可能な他の(メタ)アクリル系モノマーが挙げられる。
このような共重合可能な他の(メタ)アクリル系モノマーの例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテルなどのエポキシ基含有(メタ)アクリレート、アルコキシ(メタ)アクリレートおよびアリル(メタ)アクリレートを挙げることができる。
上記(メタ)アクリル系モノマー100質量部の中で、多官能(メタ)アクリル酸エステルは、好ましくは50〜100質量部、より好ましくは70〜100質量部、単官能(メタ)アクリル酸エステルは、好ましくは0〜30質量部、より好ましくは0〜20質量部、官能基含有モノマーは、好ましくは0〜30質量部、より好ましくは0〜10質量部、共重合可能な他の(メタ)アクリル系モノマーは、好ましくは0〜30質量部、より好ましくは0〜10質量部である。(メタ)アクリル系モノマーの構成が上記範囲であると、表面硬度の点で好ましい。
上記(メタ)アクリル系モノマーの中でも、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレートのモノマーが好ましい。
本発明のインプリント用光硬化性樹脂組成物は、(メタ)アクリル系モノマー以外に、本発明の特性を損なわない範囲で他の光重合性モノマーを含んでいてもよい。他の光重合性モノマーとしては、スチレン系モノマー、ビニル系モノマーが挙げられる。
ここでスチレン系モノマーの例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、トリエチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、ヘプチルスチレンおよびオクチルスチレン等のアルキルスチレン;フロロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレンおよびヨードスチレンなどのハロゲン化スチレン;ニトロスチレン、アセチルスチレンおよびメトキシスチレンなどを挙げることができる。
ビニル系モノマーの例としては、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルカルバゾール、ジビニルベンゼン、酢酸ビニルおよびアクリロニトリル;ブタジエン、イソプレンおよびクロロプレン等の共役ジエンモノマー;塩化ビニルおよび臭化ビニル等のハロゲン化ビニル;塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデンなどを挙げることができる。
(b)光開始剤
光開始剤は、モノマーの重合を促進するために添加される成分であり、前記モノマー100質量部に対して0.1質量部以上含有される。光開始剤の含有量の上限は、特に規定されないが、例えば前記モノマー100質量部に対して20質量部である。光開始剤の含有量は、具体的には例えば、前記モノマー100質量部に対して0.1、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20質量部であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。光開始剤の種類は特に限定されないがアルキルフェノン系光開始剤(B1)およびアシルフォスフィンオキサイド系光開始剤(B2)を組み合わせて用いることが好ましい。
光開始剤としてアルキルフェノン系光開始剤(B1)およびアシルフォスフィンオキサイド系光開始剤(B2)を組み合わせて用いることで、重合速度が適度に低くなり、重合して収縮した樹脂とマスターモールドとの間に未重合の樹脂組成物が入り重合していくため、本発明の組成物を光硬化して得られる構造体の硬化収縮を低減することができるとともに、後から重合した樹脂は表面で充分に架橋構造を形成するため、先に重合した樹脂より硬度が高く、その表面硬度を高くすることができると考えられる。
本発明において、インプリント用光硬化性樹脂組成物中の両光開始剤の使用量は、インプリント用光硬化性樹脂組成物中のモノマー100質量部に対して、前記アルキルフェノン系光開始剤(B1)を好ましくは0.1〜15質量部、さらに好ましくは0.5〜10質量部用いて、前記アシルフォスフィンオキサイド系光開始剤(B2)を好ましくは0.1〜15質量部、さらに好ましくは0.5〜10質量部用いる。
アルキルフェノン系光開始剤(B1)およびアシルフォスフィンオキサイド系光開始剤(B2)を上記範囲で使用すると、ラジカルの発生量をコントロールすることができる。
また、前記アルキルフェノン系光開始剤(B1)と前記アシルフォスフィンオキサイド系光開始剤(B2)との重量比(B1:B2)は、1:99〜90:10であり、5:95〜80:20が好ましく、10:90〜70:30がより好ましく、10:90〜40:60が最も好ましい。
アルキルフェノン系光開始剤(B1)およびアシルフォスフィンオキサイド系光開始剤(B2)を上記重量比で使用すると、比較的硬質の重合体を適度に重合速度を落として形成することができると共に、得られる重合体の黄変を抑制することができる。
アルキルフェノン系光開始剤としては、窒素を含まない化合物が好ましく、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オンおよび2−ヒドロキシ−1−{[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル-プロパン−1−オンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましく、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンが最も好ましい。
アルキルフェノン系光開始剤の市販品としては、IRGACURE651、IRGACURE184、IRGACURE2959、IRGACURE127、IRGACURE907、IRGACURE369(いずれもBASF社製)、IRGACURE1173(チバ・ジャパン株式会社製)が挙げられる。
アシルフォスフィンオキサイド系光開始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドおよびビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドが最も好ましい。
アシルフォスフィンオキサイド系光開始剤の市販品としては、LUCIRIN TPO、IRGACURE819(いずれもBASF社製)が挙げられる。
(c)重合禁止剤
重合禁止剤は、モノマーの重合を抑制するために添加される成分であり、マスク内硬化侵食の抑制のために添加される。重合禁止剤は、前記モノマー100質量部に対して0.1質量部以上含有される。重合禁止剤の含有量の上限は、特に規定されないが、例えば前記モノマー100質量部に対して20質量部である。光開始剤の含有量は、具体的には例えば、前記モノマー100質量部に対して0.1、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20質量部であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。また、光開始剤の含有量に比べて重合禁止剤の含有量が多すぎると、モノマーの重合が開始されないか又は不十分となる場合があるので、重合禁止剤/光開始剤の質量比は、0.01〜0.5であることが好ましい。この質量比は、0.01、0.02、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
重合禁止剤の種類は、特に限定されないが、具体的には、たとえば、フェノチアジン、ベンゾキノン、ハイドロキノン、ナフトキノン、p−メトキシフェノール、ハイドロキノンモノメチルエーテル、t−ブチルハイドロキノン、t−ブチルカテコール、N−メチル−N−ニトロソアニリン、N−フェニルナフチルアミン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルのほかに和光純薬工業社製のQ−1300、Q-1301、川崎化成工業社製のキノパワーQS−W10、キノパワーQS−30のような上市品等が挙げられる。なかでも、ベンゾキノン又は4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルが好適である。
(d)その他の成分
本発明のインプリント用光硬化性樹脂組成物は、溶剤、連鎖移動剤、酸化防止剤、光増感剤、充填剤、レベリング剤等の成分をインプリント用光硬化性樹脂組成物の性質に影響を与えない範囲で含んでいてもよい。
本発明のインプリント用光硬化性樹脂組成物は、上記成分を公知の方法で混合することにより製造することができる。
また、本発明のインプリント用光硬化性樹脂組成物を、スピンコート、スプレーコート、バーコート、ディップコート、ダイコートおよびスリットコート等の方法で透明基材7に塗布して樹脂層9を形成することによって、樹脂層9を透明基材7上に備える積層体11が得られる。
(2)被覆工程
この工程では、図2に示すように、樹脂層9よりも面積が小さく且つ微細パターン2aを有するモールド2の前記微細パターン2aを樹脂層9に押し当てると共に樹脂層9のうち前記モールド2が押し当てられている領域の少なくとも一部が露出領域Eとなるように前記積層体11を遮光マスク5で被覆する。
<モールド>
モールド2は、微細パターン2aを有しており、この微細パターン2aを樹脂層9に押し当てた状態で樹脂層9を硬化させることによって、微細パターン2aの反転パターン10aを有する硬化樹脂層10を形成する。
本実施形態においては、モールド2は、金属(ニッケル)などの光不透過性の材料で形成し、透明基材7側から硬化光Pを樹脂層9に対して照射しているが、モールド2は、透明材料で形成してもよい。透明材料からなるモールド2は、例えば、透明基材上に透明樹脂層を形成し、この透明樹脂層に微細パターン2aを形成することによって形成可能である。また、モールド2が透明材料からなる場合、樹脂層9側から硬化光Pを照射して、モールド2を介して樹脂層9に対して硬化光Pを照射してもよい。なお、この場合、遮光マスク5も樹脂層9側に配置する。
微細パターン2aの形状は、特に制限はないが、通常、凹凸であり、一定の周期で繰り返すパターンであり、周期10nm〜2mm、深さ10nm〜500μm、転写面1.0〜1.0×10mmのものが好ましく、周期20nm〜20μm、深さ50nm〜1μm、転写面1.0〜0.25×10mmのものがより好ましい。このように設定すれば、樹脂層9に充分な微細パターン2aを転写することができる。凹凸の具体的な形状としては、モスアイ、線、円柱、モノリス、円錐、多角錐、マイクロレンズが挙げられる。
微細パターン2aの表面は、樹脂層9との付着を防止するための剥離処理がされていてもよく、剥離処理は剥離層(図示せず)を形成するものであってもよい。剥離層(図示せず)を形成する離型剤としては、好ましくはフッ素系シランカップリング剤、アミノ基又はカルボキシル基を有するパーフルオロ化合物およびアミノ基又はカルボキシル基を有するパーフルオロエーテル化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種からなり、より好ましくは、フッ素系シランカップリング剤、片末端アミン化パーフルオロ(パーフルオロエーテル)化合物ならびに片末端カルボキシル化パーフルオロ(パーフルオロエーテル)化合物の単体または単体および複合体の混合物からなる群から選ばれる少なくとも1種からなる。離型剤として上記のものを用いると、モールド2への密着が良好であるとともに、インプリントを行う樹脂との剥離性が良好である。剥離層(図示せず)の厚さは、好ましくは0.5〜20nm、より好ましくは0.5〜10nm、最も好ましくは0.5〜5nmの範囲内である。なお、剥離層とモールド2の密着性を向上すべく、透明樹脂層6には、WO2012/018045に開示されているような、離型剤と結合可能な基を有する添加剤を添加してもよい。
<遮光マスク>
遮光マスク5は、遮光性材料からなり、例えば積層体11の透明基材7側に貼り付けることによって積層体11に固定する。本実施形態では、遮光マスク5は、平面視において(図2の矢印V方向から見たときに)、遮光マスク5の端部がモールド2の端部と略一致して、平面視において遮光マスク5がモールド2に重ならないように配置されている。このため、樹脂層9は、モールド2が押し当てられている領域の全体が露出領域Eとなっている。なお、遮光マスク5は、図6に示すように、平面視において、遮光マスク5がモールド2に部分的に重なるように配置してもよい。この場合、樹脂層9は、モールド2が押し当てられている領域のうち一部(遮光マスク5で覆われていない部分)が露出領域Eとなる。
(3)硬化工程
硬化工程では、図2に示すように、樹脂層9に対して硬化光Pを照射することによって、樹脂層9のうち露出領域Eにある部分を硬化させる。これによって、モールド2の微細パターン2aが転写された状態で樹脂層9が硬化されて、図3〜図4に示すように、微細パターン2aの反転パターン10aを有する硬化樹脂層10が形成される。
硬化光Pは、UV光、可視光、電子線などの、樹脂を硬化可能なエネルギー線の総称である。硬化光Pは、樹脂層9のうち露出領域Eにある部分が十分に硬化する程度の積算光量で照射すればよく、積算光量は、例えば100〜10000mJ/cmであり、具体的には例えば、100、150、200、250、300、350、400、450、500、1000、1500、2000、2500、3000、4000、5000、10000mJ/cmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
樹脂層9に対して硬化光Pを照射すると、各種部材において硬化光Pが反射、散乱、又は回折されることなどによって生じる迷光によって、図3、図7及び図9において点線で示すように、樹脂層9のうち遮光マスク5で覆われている部分(被覆部分)が侵食幅Aの範囲で硬化されてしまう「マスク内硬化侵食」現象が生じる。樹脂層9の材料として、重合禁止剤がほとんど又は全く含まれていない光硬化性樹脂組成物を用いた場合は、図9の参考例に示すように、侵食幅Aが例えば1.5mmといった非常に大きな値になっていた。一方、本実施形態では、図3に示すように、重合禁止剤を特定量配合した光硬化性樹脂組成物を用いて樹脂層を形成することによってマスク内硬化侵食が抑制されて、侵食幅Aが大幅に小さくなっている。
(4)繰り返し工程
繰り返し工程では、モールド2を樹脂層9の未硬化部分9aに移動させて前記被覆工程と前記硬化工程を1回以上繰り返す繰り返し工程とを備える。
この工程では、図3に示すように硬化樹脂層10に接触しているモールド2を硬化樹脂層10から分離させ、モールド2を樹脂層9の未硬化部分9aに移動させて、図4に示すように、モールド2を未硬化部分9aに押し当てる。そして、図4に示すように、樹脂層9のうちモールド2が押し当てられている領域の少なくとも一部が露出領域Eとなるように遮光マスク5を配置し、その状態で、樹脂層9に硬化光Pを照射して、反転パターン10aを有する硬化樹脂層10を形成する。
図3〜図4に示すように、硬化樹脂層10に隣接した位置の未硬化部分9aに押し当てるようにモールド2を移動させる場合、モールド2が侵食幅Aの部分の樹脂層9を押し潰すようにモールド2を押し付けることになるが、本実施形態によれば、侵食幅Aが非常に小さいのでその部分の樹脂層9は容易に押しつぶされるので、ステップアンドリピート方式による構造体の製造には悪影響をほとんど又は全く与えない。なお、モールド2は、侵食幅Aの部分の樹脂層9を避けるように、樹脂層9の未硬化部分9aに押し当ててもよい。
図4では、遮光マスク5で硬化樹脂層10を覆うことによって、樹脂層9の硬化後に硬化光Pが過剰に照射されることを防いでいるが、硬化樹脂層10は、必ずしも遮光マスク5で覆う必要はない。
図4に示す硬化工程の後に、遮光マスク5及びモールド2を取り除いた状態を図5に示す。この状態から、イソプロピルアルコールなどの有機溶剤を用いて、樹脂層9の未硬化部分9aを洗い流すことによって、反転パターン10aを有する硬化樹脂層10が透明基材7上に形成された構造体が得られる。
この構造体は、インプリントモールド、反射防止フィルム、拡散フィルムおよび細胞培養シート等の用途に用いられる。インプリントモールド用途には、構造体の表面に形成されたパターンが用途に合わせた様々な形状のナノあるいはマイクロ凹凸構造であるものが好適に用いられ、反射防止フィルム用途には、構造体の表面に形成されたパターンがモスアイの形状であるものが好適に用いられ、拡散フィルム用途には、構造体の表面に形成されたパターンがマイクロレンズアレイの形状であるものが好適に用いられる。
2.第2実施形態
図6〜図8を用いて、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態の構造体の製造方法は、第1実施形態と類似しているが、図6に示すように、平面視において、遮光マスク5がモールド2に部分的に重なるように配置されている点を特徴としているので、以下、この点を中心に説明を進める。
第1実施形態では、樹脂層9のうちの、モールド2が押し当てられている領域(モールド押し当て領域)の全体が露出領域Eとなっていたが、本実施形態では、モールド押し当て領域の一部のみが露出領域Eとなっている。このため、図6に示すように露出領域Eに対して硬化光Pの照射を行っても、図7に示すようにモールド押し当て領域の一部(本実施形態では図6〜図7のモールド2の右端部分)が未硬化のまま残る。
そして、次にモールド2を移動させる際には、図8に示すように、モールド2の移動前後の露出領域Eの間に隙間ができないようにモールド2を移動させ、遮光マスク5を配置することによって、隣接する硬化樹脂層10の間に未硬化部分9aが残らないようにする。なお、図8では、隣接する露出領域Eの端が一致するようにしているが、隣接する露出領域Eが部分的に重なるようにしてもよい。
以下、本発明の実施例及び比較例を示す。
まず、ニッケル製のマスターモールド(100mm×100mmの正方形)の微細パターン(形状高さ339nm、周期350nmモスアイパターン)をフッ素系離型剤(ダイキン工業社製、オプツール HD−2100)で剥離処理を施した。
次に、トリプロピレングリコールジアクリレート75質量部、メチルメタクリレート20質量部、及びグリシジルメタクリレート5質量部からなるモノマー(合計100質量部)に対して表1に示す重合禁止剤及び光開始剤を表1に示す質量部で配合した光硬化性樹脂組成物を厚さ10μmでPET(ポリエチレンテレフタレート)からなる透明基材上に120mm×120mmの範囲で塗布することによって樹脂層を形成し、この樹脂層に対して、上記マスターモールドの微細パターンを押し付けた。
次に、UV光を遮蔽する遮光マスクを、上記マスターモールドの各辺の端から平面視で10mmの幅で重なるように、透明基材側に貼り付けた。これによって、平面視で、マスターモールドの端部が10mmの幅で遮光マスクによって覆われ、中央に80mm×80mmの露出領域が形成された。
次に、その後、UV照射装置(テクノビジョン社製、型式:UVC−408)にて表1に示す積算光量でUV光を照射し、樹脂を硬化させた後、PET/硬化させた樹脂の積層体をマスターモールドより離型して試料を得た。露出領域の周囲にある、樹脂層の未硬化部分は、イソプロピルアルコールを用いて洗い流した。このようにして得られた試料は、以下「構造体」という。
得られた構造体を光学顕微鏡で観察して、遮光マスクの端からの侵食幅を測定した。また、モスアイパターンを電子顕微鏡で観察して、形状安定性を以下の基準で評価した。
(形状安定性)
○:形状倒れが観察された
×:形状倒れが観察されなかった

表1中の略号の意味は、以下の通りである。
OH−TEMPO:4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル−1−オキシル
PBQ:p−ベンゾキノン
IRGACURE184:1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製)
IRGACURE819:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製)
(考察)
比較例1に示すように、重合禁止剤を含有していない光硬化性樹脂組成物を用いた場合、構造体に形成される反転パターンの形状安定性は良好であったが、侵食幅が1600μmという非常に大きなものであった。
この状態を改善するために、比較例2〜3では、モノマー100質量部に対して重合禁止剤を0.05質量部を添加したところ、侵食幅はいくらか減少したものの十分に小さくはならなかった。
また、比較例4では、重合禁止剤を添加する代わりにUV積算光量を減らすことによって、侵食幅を減少させることを試みたところ、侵食幅は若干改善されたものの、樹脂の硬化が不十分となって形状倒れが発生してしまった。
また、比較例5では、重合禁止剤を添加する代わりに光開始剤を減らすことによって、侵食幅を減少させることを試みたところ、侵食幅は若干改善されたものの、樹脂の硬化が不十分となって形状倒れが発生してしまった。
一方、モノマー100質量部に対して光開始剤と重合禁止剤をそれぞれ0.1質量部以上含有させた光硬化性樹脂組成物を用いて実施例1〜4では、形状安定性に悪影響を与えることなく、侵食幅を十分に小さくすることができた。
2:モールド、2a:微細パターン、4:透明基材、5:遮光マスク、7:透明基材、9:樹脂層、10:硬化樹脂層、10a:反転パターン、11:積層体

Claims (4)

  1. 光重合性のモノマーと、前記モノマー100質量部に対して光開始剤及び重合禁止剤をそれぞれ0.1質量部以上含有するインプリント用光硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を透明基材上に備える積層体を形成する積層体形成工程と、
    前記樹脂層よりも面積が小さく且つ微細パターンを有するモールドの前記微細パターンを前記樹脂層に押し当てると共に前記樹脂層のうち前記モールドが押し当てられている領域の少なくとも一部が露出領域となるように前記積層体を遮光マスクで被覆する被覆工程と、
    前記樹脂層に対して硬化光を照射することによって前記樹脂層のうち前記露出領域にある部分を硬化させる硬化工程と、
    前記モールドを前記樹脂層の未硬化部分に移動させて前記被覆工程と前記硬化工程を1回以上繰り返す繰り返し工程とを備え
    前記遮光マスクは、前記透明基材側に配置されて前記積層体を被覆し、
    前記硬化光は、前記透明基材側から前記樹脂層に対して照射される、構造体の製造方法。
  2. 前記硬化工程において、前記樹脂層のうち前記遮光マスクで覆われた部分が硬化される幅は、前記遮光マスクの端から200μm以下である、請求項1に記載の構造体の製造方法。
  3. 前記光硬化性樹脂組成物中の前記重合禁止剤の含有量は、前記モノマー100質量部に対して20質量部以下である、請求項1又は2に記載の構造体の製造方法。
  4. 前記重合禁止剤の質量は、前記光開始剤の質量に対して0.01〜0.5倍である、請求項1〜3の何れか1つに記載の構造体の製造方法。


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