JP2013170227A - 光重合性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】パターン形成性に優れたインプリント用硬化性組成物の提供。
【解決手段】(A)重合性化合物および(B)一般式(I)で表される光重合開始剤を有する光硬化性組成物であって、該組成物中の亜鉛含有量およびアルミニウム含有量がそれぞれ5ppb未満であることを特徴とする光硬化性組成物と前記光硬化性組成物を基材に適用してパターン形成層を形成する工程と、前記パターン形成層の表面にモールドを圧着する工程と、前記パターン形成層に光を照射する工程とを含むパターン形成方法。一般式(I)
Figure 2013170227

【選択図】なし

Description

本発明は、アミノケトン化合物を含む組成物、特に、アミンケトン系光重合開始剤を含む組成物中の亜鉛および/またはアルミニウムの含有量を低減させる方法に関する。また、該方法によって得られる亜鉛および/またはアルミニウムの含有量が低減されたアミノケトン系光重合開始剤組成物およびそれを含有する光硬化性組成物、特にはインプリント用光硬化性組成物に関する。
近年、半導体集積回路は微細化、集積化が進んでおり、その微細加工を実現するためのパターン転写技術としてフォトリソグラフィ装置の高精度化が進められてきた。しかし、さらなる微細化要求に対して、微細パターン解像性、装置コスト、スループットの3つを満たすのが困難となってきている。これに対し、微細なパターン形成を低コストで行うための技術としてナノインプリントリソグラフィ(光ナノインプリント法)が提案されている。例えば、下記特許文献1および2にはシリコンウエハをスタンパとして用い、25nm以下の微細構造を転写により形成する光ナノインプリント技術が開示されている。
これらの光ナノインプリント技術に用いられるレジストは、通常、重合性モノマーおよび光重合開始剤を含む組成物から構成される。これらのレジストに求められる性能としては、パターン形成性およびその繰り返し適性、形成されたパターンのドライエッチング耐性などが挙げられる。
特許文献3および4には、特定の芳香族モノマーを用いることによりドライエッチング耐性を向上できることが記載されている。また、特許文献5には芳香族モノマーとともに用いる光重合開始剤としてα−アミノケトン系光重合開始剤に代表される365nmのモル吸光係数が500(L/(mol・cm))以上の光重合開始剤を用いることにより、パターン形成性が改良できることが記載されている。
しかしながら、これらのインプリト用硬化性組成物を用いて作成したパターンのインプリント性を検討した結果、必ずしも十分なレベルではなく、改善の余地があることがわかった。
一方、レジスト中の金属を低減する方法として、レジスト液を酸性水溶液で洗浄する方法が知られている(例えば特許文献6)。また、金属を低減する方法として、陽イオン交換樹脂を利用する方法やキョーワード(登録商標)シリーズ(協和化学(株)製)等の無機系吸着剤を利用する方法(例えば特許文献7)も知られている。
米国特許第5,772,905号公報 米国特許第5,259,926号公報 特開2009−218550号公報 特開2010−186979号公報 特開2011−159881号公報 特開平5−19463号公報 特開2004-155846号公報
本発明では、光重合開始剤、特にα−アミノケトン系光重合開始剤のような塩基性官能基を有する光重合開始剤を用いた光硬化性組成物であって、各種インプリント特性にも優れた組成物を提供することを目的とする。
かかる状況のもと、本願発明者が検討を行った結果、市販品や合成品の光重合開始剤、特にα−アミノケトン系光重合開始剤のような塩基性官能基を有する開始剤は、インプリント用硬化性組成物に配合すると、インプリント性が劣ることが分かった。本願発明者がさらに検討したところ、このインプリント性の低下の原因が、市販品や合成品の光重合開始剤に含まれる亜鉛やアルミニウム等の金属の含有量が多すぎる点にあることが分かった。近年の技術の進歩に伴い、市販の光重合開始剤には、金属含有量を低減した、いわゆる電子グレード品が存在している。しかしながら、本願発明者が検討したところ、かかる電子グレード品であっても、インプリント用硬化性組成物に用いるには亜鉛等の金属の含有量が高すぎることが分かった。
そこで、本願発明者は、α-アミノケトン系光重合開始剤中の亜鉛および/またはアルミニウムの含有量を簡便かつ経済的に低減する方法を模索した。ここで、レジスト中の金属を低減する方法として、上述のとおり、特許文献6には、レジスト液を酸性水溶液で洗浄する方法が開示されている。この方法を用いると、インプリント用硬化性組成物中に配合される市販品や合成品の重合性化合物に含まれる金属は容易に低減することができる。しかしながら、市販品や合成品の光重合開始剤、特にα−アミノケトン系光重合開始剤のような塩基性官能基を有する開始剤は、酸性水溶液に易溶であることから、金属含有量の低減化として上記酸洗浄法は利用することができない。
また、酸洗浄以外の金属含有量の低減化方法として、上述の特許文献7に記載のとおり、陽イオン交換樹脂を利用する方法やキョーワード(登録商標)シリーズ(協和化学(株)製)等の無機系吸着剤を利用する方法も知られている。しかしながら、陽イオン交換樹脂は一般に酸性のため、塩基性官能基を有する化合物には適用することはできない。また、無機系吸着剤については、それ自身がアルミニウムを主成分とする化合物であることから、該方法ではアルミニウム成分を完全に除去することは困難であった。
かかる状況のもと、本願発明者らが鋭意検討した結果、α-アミノケトン系光重合開始剤を含む溶液でアルカリ性水溶液、好ましくは水酸化4級アンモニウム塩水溶液で洗浄することにより簡便かつ経済的に亜鉛および/またはアルミニウムの含有量を低減することを見出した。そして、このようにして精製したα-アミノケトン系光重合開始剤と重合性化合物を含む光硬化性組成物をインプリント材料に適用したところ、驚くべきことに、基板との密着性が高く、パターン欠陥が少なく、ドライエッチング耐性が高い光硬化性組成物を提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、下記手段<1>により、好ましくは下記手段<2>〜<18>により、上記課題は解決された。
<1>(A)重合性化合物および(B)一般式(I)で表される光重合開始剤を有する光硬化性組成物であって、該組成物中の亜鉛含有量およびアルミニウム含有量がそれぞれ5ppb未満であることを特徴とする光硬化性組成物。
一般式(I)
Figure 2013170227
(一般式(I)中、RaおよびRbは、それぞれ、水素原子、ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキル基、または、ヘテロ原子を含んでいてもよいアリール基を表す。RaとRbは互いに結合して環を形成してもよい。R1とR2はそれぞれ有機基を表す。Arはヘテロ原子を含んでいてもよいアリール基を表す。)
<2>光硬化性組成物がインプリント用であることを特徴とする<1>に記載の光硬化性組成物。
<3>(A)重合性化合物の30質量%以上が、(A1)芳香族基を有する重合性化合物ある、<1>または<2>に記載の光硬化性組成物。
<4>(A1)芳香族基を有する重合性化合物が重合性官能基を2つ以上有する化合物を含む、<3>に記載の光硬化性組成物。
<5>(A1)芳香族基を有する重合性化合物がベンゼン環またはナフタレン環を含む、<3>または<4>に記載の光硬化性組成物。
<6>(A1)芳香族基を有する重合性化合物の粘度が2〜300mPa・sである、<3>〜<5>のいずれかに記載の光硬化性組成物。
<7>光硬化性組成物中の溶剤の含量が、3質量%以下である、<1>〜<6>のいずれかに記載の光硬化性組成物。
<8>光硬化性組成物の粘度が、3〜30mPa・sである、<1>〜<7>のいずれかに記載の光硬化性組成物。
<9><1>〜<8>のいずれかに記載の光硬化性組成物を基材に適用してパターン形成層を形成する工程と、前記パターン形成層の表面にモールドを圧着する工程と、前記パターン形成層に光を照射する工程と、を含むパターン形成方法、または、
<1>〜<8>のいずれかに記載の光硬化性組成物をモールド上に適用してパターン形成層を形成する工程と、前記パターン形成層の表面に基材を圧着する工程と、前記パターン形成層に光を照射する工程と、を含むパターン形成方法。
<10><9>に記載のパターン形成方法によって得られるパターン。
<11>亜鉛および/またはアルミニウムとアミノケトン系化合物を含む組成物を、有機溶媒に溶解し、その溶液をアルカリ性水溶液と接触させて液液抽出することを特徴とする、亜鉛および/またはアルミニウムとアミノケトン系化合物を含む組成物中の亜鉛および/またはアルミニウムの含有量の低減化方法。
<12>前記アミノケトン系化合物が、下記一般式(I)で表される化合物である、<11>に記載の低減化方法。
一般式(I)
Figure 2013170227
(一般式(I)中、RaおよびRbは、それぞれ、水素原子、ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキル基、または、ヘテロ原子を含んでいてもよいアリール基を表す。RaとRbは互いに結合して環を形成してもよい。R1とR2はそれぞれ有機基を表す。Arはヘテロ原子を含んでいてもよいアリール基を表す。)
<13>アルカリ性水溶液が水酸化4級アンモニウム塩水溶液であることを特徴とする<11>または<12>に記載の低減化方法。
<14>前記液液抽出前の亜鉛および/またはアルミニウムとアミノケトン系化合物を含む組成物における、亜鉛およびアルミニウムの少なくとも一方の濃度が、500ppb以上である、<11>〜<13>のいずれかに記載の低減化方法。
<15><11>〜<14>のいずれかに記載の方法によって、一般式(I)で表される重合開始剤を含む重合開始剤組成物を処理した後、(A)重合性化合物と混合することを特徴とする、光硬化性組成物の製造方法。
一般式(I)
Figure 2013170227
(一般式(I)中、RaおよびRbは、それぞれ、水素原子、ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキル基、または、ヘテロ原子を含んでいてもよいアリール基を表す。RaとRbは互いに結合して環を形成してもよい。R1とR2はそれぞれ有機基を表す。Arはヘテロ原子を含んでいてもよいアリール基を表す。)
<16>前記光硬化性組成物が、<1>〜<8>のいずれか1項に記載の光硬化性組成物である、<15>に記載の光硬化性組成物の製造方法。
<17>一般式(I)で表される重合開始剤を含む重合開始剤組成物であって、亜鉛およびアルミニウムの含有量がそれぞれ500ppb未満である重合開始剤組成物。
一般式(I)
Figure 2013170227
(一般式(I)中、RaおよびRbは、それぞれ、水素原子、ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキル基、または、ヘテロ原子を含んでいてもよいアリール基を表す。RaとRbは互いに結合して環を形成してもよい。R1とR2はそれぞれ有機基を表す。Arはヘテロ原子を含んでいてもよいアリール基を表す。)
<18>前記亜鉛およびアルミニウムの含有量がそれぞれ300ppb未満である<17>に記載の重合開始剤組成物。
<19>前記<9>に記載のパターン形成方法を含む、半導体デバイスの製造方法。
<20>前記<19>に記載の半導体デバイスの製造方法により製造された半導体デバイス。
本発明の方法により、インプリント性に優れた光硬化性組成物を提供可能になった。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
なお、本明細書中において、“(メタ)アクリレート”はアクリレートおよびメタクリレートを表し、“(メタ)アクリル”はアクリルおよびメタクリルを表し、“(メタ)アクリロイル”はアクリロイルおよびメタクリロイルを表す。また、本明細書中において、“単量体”と“モノマー”とは同義である。本発明における単量体は、オリゴマーおよびポリマーと区別され、重量平均分子量が1,000以下の化合物をいう。本明細書中において、重合性化合物とは、重合性官能基を有する化合物のことをいい、単量体であっても、ポリマーであってもよい。重合性官能基とは、重合反応に関与する基を言う。
また、本発明でいう“インプリント”は、好ましくは、1nm〜10mmのサイズのパターン転写をいい、より好ましくは、およそ10nm〜100μmのサイズ(ナノインプリント)のパターン転写をいう。
尚、本明細書における基(原子団)の表記において、置換および無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本発明における粘度は、特に述べない限り、25℃における粘度をいう。
<低減化方法>
本発明の亜鉛および/またはアルミニウムとアミノケトン系化合物を含む組成物(以下、「金属含有アミノケトン系化合物組成物」)ということがある)中の亜鉛および/またはアルミニウムの含有量の低減化方法は、金属含有アミノケトン系化合物組成物を、有機溶媒に溶解し、その溶液をアルカリ性水溶液と接触させて液液抽出することを特徴とする。このようにアルカリ性水溶液を用いることにより、塩基性化合物である、アミノケトン系化合物であっても、容易に金属を低減することができる。
従って、処理前の金属含有アミノケトン系化合物組成物は、通常、アミノケトン系化合物を主成分とし、亜鉛、アルミニウム等の微量の金属成分を含む。処理前の金属含有アミノケトン系化合物組成物は、好ましくは、その98重量%以上がアミノケトン系化合物であり、より好ましくは、その99重量%以上がアミノケトン系化合物である。
処理前の金属含有アミノケトン系化合物組成物に含まれる金属としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、鉄、アルミニウム、ニッケル、亜鉛が挙げられる。
また、処理前の金属含有アミノケトン系化合物組成物は、例えば市販品の重合開始剤などの場合、通常、金属の含有量が500ppb以上であり、さらには金属の含有量が500〜5000ppbである。本発明の方法は、処理前の金属含有アミノケトン系化合物組成物における、亜鉛およびアルミニウムの含有量が、それぞれ、500ppb以上、さらには、500〜5000ppbの場合に顕著な効果を発揮する。
本発明で用いるアミノケトン系化合物は、一般式(I)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(I)
Figure 2013170227
(一般式(I)中、RaおよびRbは、それぞれ、水素原子、ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキル基、または、ヘテロ原子を含んでいてもよいアリール基を表す。RaとRbは互いに結合して環を形成してもよい。R1とR2はそれぞれ有機基を表す。Arはヘテロ原子を含んでいてもよいアリール基を表す。)
aおよびRbで表されるヘテロ原子を含んでいてもよいアルキル基は、好ましくは炭素数1〜22の直鎖状、分岐状、短環状または縮合多環状のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜10の直鎖状、分岐状、短環状または縮合多環状のアルキル基である。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−オクチル基、ネオペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、ボロニル基等を挙げることができる。これらのアルキル基は、該アルキル基中に、一個以上の−X−(Xは、好ましくは、酸素原子または硫黄原子を表し、より好ましくは酸素原子を表す。)を有していてもよく、直鎖状または分岐鎖状のものとしては、−CH2−X−CH3、−CH2−CH2−X−CH2−CH3、−CH2−CH2−CH2−X−CH2−CH3、−(CH2−CH2−X)n−CH3(nは1〜10の整数)、−(CH2−CH2−CH2−X)n−CH3(nは1〜7の整数)、−CH2−CH(CH3)−X−CH2−CH3、−CH2−CH(XCH32等を挙げることができ、単環状または縮合多環状のものとしては、以下のようなものを挙げることができる。
Figure 2013170227
また、上記アルキル基は、一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、好ましい置換基としては例えば、水酸基、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、ニトロ基、シアノ基、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、n−ブチルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等)、アラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基、クミル基等)、アラルキルオキシ基(例えば、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、クミルオキシ基等)、アラルキルオキシカルボニル基(例えば、ベンジルオキシカルボニル基、フェネチルオキシカルボニル基、クミルオキシカルボニル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、プロペニル基、アリル基、ブテニル基等)、アルケニルオキシ基(例えば、ビニルオキシ基、プロペニルオキシ基、アリルオキシ基、ブテニルオキシ基等)、アルケニルオキシカルボニル基(例えば、ビニルオキシカルボニル基、プロペニルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ブテニルオキシカルボニル基等)、アルキニル基(例えば、エチニル基、プロピニル基等)、アルキニルオキシ基(例えばプロピニルオキシ基等)、アルキニルオキシカルボニル基(例えばプロピニルオキシカルボニル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基、)ナフチルオキシカルボニル基等)、ホルミル基、アシル基(例えば、アセチル基、ブチリル基、ベンゾイル基、バレリル基等)のアシル基、アシルオキシ基(アセチルオキシ基、ブチリルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、アミノ基、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、メチルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基等)、スルホニルアミノ基(例えば、メチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基等)、ヘテロ環基(例えば、ピリジル基、フリル基、イミダゾリル基、モルホリノ基、チオフェニル基等)を挙げることができる。
aおよびRbで表されるヘテロ原子を含んでいてもよいアリール基は、好ましくは炭素数6〜24の単環または複合多環のアリール基であり、より好ましくは炭素数6〜15の単環または複合多環のアリール基である。具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基、ピレニル基、ナフタセニル基、インデニル基、アズレニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、ペリレニル基、チエニル基、ベンゾチエニル、ナフト[2,3−b]チエニル基、チアントレニル基、フリル基、ベンゾフリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピリミジル基、インドリル基、キノリル基、イソキノリル基、フタラジニル基、クロマニル基、イソクロマニル基、ピロリニル基、インドリニル基等を挙げることができる。また、これらのアリール基は一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、好ましい置換基としては上記で述べた置換基を挙げることができる。
aおよびRbは、好ましくはヘテロ原子を含んでいてもよいアルキル基である。
1、R2で表される有機基は好ましくは、ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキル基、または、ヘテロ原子を含んでいてもよいアリール基を表す。ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキル基、および、ヘテロ原子を含んでいてもよいアリール基の好ましい例としては、RaおよびRbで述べたものを挙げることができる。R1とR2は結合して環を形成してもよく、環中にヘテロ原子を含んでいてもよい。この場合のヘテロ原子としては、好ましくは、窒素原子、酸素原子、硫黄原子である。
1およびR2は好ましくはヘテロ原子を含んでいてもよいアルキル基である。
Arはヘテロ原子を含んでいてもよいアリール基であり、好ましい例としては、RaおよびRbで述べたものを挙げることができる。Arは、好ましくはヘテロ原子を含んでいてもよいフェニル基であり、置換基としてヘテロ原子を含んでいるフェニル基である。
一般式(I)で表されるアミノケトン系化合物は、好ましくは下記一般式(II)で表されるアミノケトン系化合物である。
Figure 2013170227
式中、Ra、Rb、R1、R2はそれぞれ上記で述べたものと同義である。RcおよびRdは、それぞれ水素原子、ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキル基、または、ヘテロ原子を含んでいてもよいアリール基を表し、RcとRdは結合して環を形成してもよく、環中にヘテロ原子を含んでいてもよい。RcおよびRdの好ましい例としては、RaおよびRbで述べたものを挙げることができる。
以下に一般式(I)および/または一般式(II)で表されるアミノケトン系化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2013170227
Figure 2013170227
Figure 2013170227
本発明では、このような金属含有アミノケトン系化合物組成物を有機溶媒に溶解する。本発明で用いる有機溶媒はその種類等、特に定めるものではないが、好ましくは、20℃における水に対する溶解度が100g/100ml以下のもの、すなわち、20℃の水100mlに溶ける最大量が100g以下のものである。もちろん、実質的に水に溶解しないものであってもよい。より好ましくは、20℃における水に対する溶解度が30g/100ml以下であるもの、さらに好ましくは、20g/100ml以下であるものが用いられる。
20℃における水に対する溶解度が100g/100ml以下である有機溶媒の具体例としては、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソアミルのごとき酢酸エステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、2−ペンタノンのごときケトン類、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのごときグリコールエーテルアセテート類、トルエン、キシレンのごとき芳香族炭化水素類などが挙げられる。これらのなかでも、トルエン、2−ヘプタノン、2−ペンタノン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチルなどが好ましい。
これらの溶媒は、それぞれ単独で用いることもできるし、また2種以上を混合して用いることもできる。混合溶媒とする場合の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートとトルエン、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートと酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとトルエン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートと酢酸エチルなどが挙げられる。
金属含有アミノケトン系化合物組成物を有機溶媒に溶解する際の有機溶媒の使用量は特に限定されるものでないが、有機溶媒をあまり多く用いると、全体の液量が多くなって操作上の問題を生ずることがあり、また有機溶媒の量があまり少ないと、水または酸性水溶液で処理したあとの水層との分離が悪くなるなどの問題を生ずることがある。好適な有機溶媒の使用量は、処理対象の金属含有アミノケトン系化合物組成物の総重量に対して、20〜2000重量%程度であり、より好ましくは50〜100重量%程度、さらに好ましくは100〜500重量%程度である。
こうして有機溶媒に溶解した金属含有アミノケトン系化合物組成物溶液は、アルカリ性水溶液と接触処理され、液液抽出される。この際、金属含有アミノケトン系化合物組成物溶液にアルカリ性水溶液を添加してもよいし、あるいはアルカリ性水溶液にレジスト溶液を添加してもよい。用いるアルカリ性水溶液は、水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液のような金属水酸化物の水溶液でもよいが、金属含有量の少ないもの(例えば、金属含有量が5ppb以下の水溶液)が望ましい。本願発明者が検討したところ、水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液のような金属を含むアルカリ性水溶液を用いて液液抽出した場合、後述するインプリント用硬化性組成物に用いた場合のインプリン性が劣る傾向にあることがわかった。かかる知見に基づき、そのようなアルカリ性水溶液として、水酸化4級アンモニウム塩の水溶液(例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液、水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液、水酸化トリエチルメチルアンモニウム水溶液、水酸化テトラプロピルアンモニウム水溶液、水酸化テトラブチルアンモニウム水溶液、水酸化トリメチルオクチルアンモニウム水溶液、水酸化トリメチルベンジルアンモニウム水溶液等)が好ましく、市販の電子グレード品では、例えば、東洋合成社製の、水酸化テトラメチルアンモニウム25%水溶液(TMAH−25H)、水酸化テトラメチルアンモニウム20%水溶液(TMAH−20H)、水酸化テトラメチルアンモニウム10%水溶液(TMAH−10)、水酸化テトラエチルアンモニウム35%(TEAH−35)水溶液、水酸化トリエチルメチルアンモニウム35%水溶液(TEMAH−35)、関東化学社製の、水酸化テトラメチルアンモニウム25%水溶液(TMAH−25H)、水酸化テトラメチルアンモニウム22%水溶液(TMAH−22)が挙げられる、さらに、これらをイオン交換水で希釈したものも好ましく採用できる。アルカリ性水溶液の好ましいpHとしては、pH=10〜14であり、より好ましくはpH=12〜14である。
アルカリ性水溶液の使用量に特別な制限はないが、その量があまりに少ないと、金属除去のための抽出回数を多くする必要があり、また水または酸性水溶液の量があまりに多いと、全体の液量が多くなって操作上の問題を生ずることがある。アルカリ性水溶液の好適な使用量は、有機溶媒に溶解した金属含有アミノケトン系化合物組成物溶液の総重量に対して、10〜200重量%程度であり、より好ましくは20〜100重量%程度である。
抽出処理は通常、前記金属含有アミノケトン系化合物組成物溶液とアルカリ性水溶液とを、20〜50℃程度、好ましくは30〜45℃程度の温度で、撹拌等によりよく混合させたあと、静置することによって行われる。これにより、金属含有アミノケトン系化合物組成物溶液に含まれている亜鉛および/またはアルミニウムイオンが水層に移行する。そして得られる混合物は、金属含有アミノケトン系化合物組成物溶液層と水層の二層に分かれるので、これを分液することにより亜鉛および/またはアルミニウムが低減された金属含有アミノケトン系化合物組成物溶液を得ることができる。
得られた金属含有アミノケトン系化合物組成物溶液についてさらに、アルカリ性水溶液の投入、撹拌による混合、静置、分液という操作を数回繰り返して、亜鉛および/またはアルミニウム含有量を一層低減するのが望ましい。
低減化処理後の金属含有アミノケトン系化合物組成物中の亜鉛およびアルミニウムの含有量は、溶媒を除去した後の状態で、少なくとも一方が、500ppb未満であることが好ましく、より好ましくは300ppb未満であり、更に好ましくは100ppb未満である。さらに好ましくは、亜鉛およびアルミニウムの合計含有量が、500ppb未満であり、より好ましくは300ppb未満であり、更に好ましくは100ppb未満である。
亜鉛および/またはアルミニウム含有量を所望のレベルまで低減した後、さらに水を用いて数回抽出処理を行い、アルカリ成分を除去しておくのが望ましい。水洗の回数としては特に制約はないが、水層のpHが8以下になるまで水洗を繰り返すのが好ましい。尚、抽出に用いる水は、金属含有量の少ないものであることが好ましい。例えば、5ppb以下の水である。
こうして得られる亜鉛および/またはアルミニウム含有量の低減されたアミノケトン系化合物組成物溶液は、そのあと必要により溶媒を加え、減圧蒸留などの操作を施して、残っている水ならびに最初に加えた20℃における水に対する溶解度が100g/100ml以下である有機溶媒を除去することにより、亜鉛および/またはアルミニウム含有量の低減されたアミノケトン系化合物組成物(溶液)とすることができる。減圧蒸留前に加える溶媒としては、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートやプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類などを挙げることができる。尚、本発明の光硬化性組成物に用いることができる溶媒については後述する。
以上の方法により、亜鉛および/またはアルミニウムの含有量の低減された金属含有アミノケトン系化合物組成物を得ることができる。
本発明の亜鉛および/またはアルミニウム含有量の低減された金属含有アミノケトン系化合物組成物は、光硬化性組成物の重合開始剤成分として有用である。特に、上記一般式(I)で表される化合物を含む組成物(以下、「重合開始剤組成物」と呼ぶことがある。)を用いた場合に有用である。特に、インプリント用光硬化性組成物の重合開始剤成分として有用である。以下に本発明のインプリント用光硬化性組成物を例にとって説明する。
<インプリント用光硬化性組成物>
本発明のインプリント用光硬化性組成物に用いられる重合開始剤組成物の含有量は、溶剤を除く全組成物中、0.01〜15質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜12質量%であり、さらに好ましくは0.2〜7質量%である。2種類以上の金属含有アミノケトン系化合物組成物を用いる場合は、その合計量が前記範囲となる。
本発明では、上記重合開始剤組成物を用いることにより、インプリント用硬化性組成物の亜鉛含含有量およびアルミニウム含有量を、それぞれ、5ppb未満とすることができる。
本発明のインプリント用光硬化性組成物は、(A)重合性化合物(好ましくは、重合性単量体)として、(A1)芳香族基を有する重合性化合物を含有することが好ましいが、その他の重合性化合物を含んでいてもよい。(A)重合性化合物が有する重合性官能基としては、(メタ)アクリレート基、(メタ)アクリルアミド基、ビニル基、アリル基などのラジカル重合性官能基、エポキシ基、オキセタニル基、ビニルエーテル基などのカチオン重合性官能基などが挙げられ、ラジカル重合性官能基が好ましく、より好ましくは(メタ)アクリレート基であり、さらに好ましくは、アクリレート基である。
(A1)芳香族基を有する重合性化合物の分子量は、好ましくは150〜500、より好ましくは200〜350、さらに好ましくは200〜300である。分子量を、前記範囲に調整することで、粘度を低く抑え、かつ、本発明の組成物を基板上に設置した際に揮発しにくいため、組成物の組成変化が起こりにくい。
(A1)芳香族基を有する重合性化合物の粘度としては2〜300mPa・sが好ましく、より好ましくは3〜200mPa・s、さらに好ましくは5〜100mPa・s、特に好ましくは5〜50mPa・s、よりさらに好ましくは、5〜30mPa・sである。
(A1)芳香族基を有する重合性化合物に含まれる芳香族基としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環などの芳香族炭化水素環を骨格とする基、これらの環内に窒素原子、硫黄原子、酸素原子などのヘテロ原子を有するヘテロ芳香族基が挙げられ、好ましくは芳香族炭化水素環を骨格とする基であり、より好ましくはベンゼン環またはナフタレン環を骨格とする基、芳香族基は分子末端に置換していても、連結基として導入されていてもよい。
芳香族基は、置換基を有していてもよく、好ましい置換基としては、RaおよびRbで述べたものを挙げることができる。
本発明のインプリント用光硬化性組成物中における芳香族基を有する重合性化合物(A1)の含有量は、特に制限はないが、組成物の硬化性、および、組成物粘度の観点から、全重合性化合物中、30質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましく、90質量%以上が特に好ましい。芳香族基を有する重合性化合物の含有量を多くすることでドライエッチング耐性をより良好にすることができる。(A1)芳香族基を有する重合性化合物の含量の上限値は、特に定めるものではないが、例えば、99質量%以下である。
感度とドラエッチング耐性の両立の観点から(A1)芳香族基を有する重合性化合物の重合性基の数は、2以上が好ましい。上限値としては、特に定めるものではないが、例えば、6以下とすることができる。さらに、(A1)芳香族基を有する重合性化合物として、少なくとも、2官能の重合性化合物を含むことが好ましい。よりさらに好ましい形態としては(A1)芳香族基を有する重合性化合物が重合性官能基を2つ有する化合物を含有し、その含有量が全重合単量体に対し、30質量%以上であり、より好ましくは50質量%以上である。上限値は特に定めるものではいが、例えば、99質量%以下とすることができる。
以下に、本発明のインプリント用光硬化性組成物で用いられる(A1)芳香族基を有する重合性化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
前記芳香族基を有する重合性化合物としては、無置換または芳香環上に置換基を有しているベンジル(メタ)アクリレート、無置換または芳香環上に置換基を有しているフェネチル(メタ)アクリレート、無置換または芳香環上に置換基を有しているフェノキシエチル(メタ)アクリレート、無置換または芳香環上に置換基を有している1−または2−ナフチル(メタ)アクリレート、無置換または芳香環上に置換基を有している1−または2−ナフチルメチル(メタ)アクリレート、無置換または芳香環上に置換基を有している1−または2−ナフチルエチル(メタ)アクリレート、レゾルシノールジ(メタ)アクリレート、m−キシリレンジ(メタ)アクリレート、ナフタレンジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレートが好ましく、無置換または芳香環上に置換基を有しているベンジルアクリレート、1または2−ナフチルメチルアクリレート、m−キシリレンジアクリレート、がより好ましい。
本発明のインプリント用光硬化性組成物、特にインプリント用光硬化性組成物においては、組成物粘度、ドライエッチング耐性、インプリント適性、硬化性等の改良の観点から、前記(A)重合性化合物に加えて、該化合物以外の他の重合性化合物を併用してもよい。他の重合性化合物は、重合性単量体であることが好ましく、例えば、エチレン性不飽和結合含有基を1〜6個有する重合性不飽和単量体;オキシラン環を有する化合物(エポキシ化合物);ビニルエーテル化合物;スチレン誘導体;フッ素原子を有する化合物;プロペニルエーテルまたはブテニルエーテル等を挙げることができ、硬化性の観点から、エチレン性不飽和結合含有基を1〜6個有する重合性不飽和単量体が好ましい。
エチレン性不飽和結合含有基を1個有する重合性不飽和単量体(1官能の重合性不飽和単量体)としては、特開2009−73078号公報の段落番号0046に記載のものを好ましく採用することができる。これらの中で特に、脂環炭化水素構造を有する単官能(メタ)アクリレートがドライエッチング耐性を改善する観点から好ましく、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレートが好ましくい。
エチレン性不飽和結合含有基を2個有する多官能重合性不飽和単量体としては、特開2009−73078号公報の段落番号0047に記載のものを挙げることができる。これらの中で特に、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が本発明に好適に用いられる。
エチレン性不飽和結合含有基を3個以上有する多官能重合性不飽和単量体としては、特開2009−73078号公報の段落番号0049に記載のものを挙げることができる。これらの中で特に、EO変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、PO変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が本発明に好適に用いられる。
(メタ)アクリレート化合物のうち、アクリレート化合物の方が硬化性の観点から好ましい。
前記オキシラン環を有する化合物(エポキシ化合物)としては、例えば、多塩基酸のポリグリシジルエステル類、多価アルコールのポリグリシジルエーテル類、ポリオキシアルキレングリコールのポリグリシジルエーテル類、芳香族ポリオールのポリグリシジルエテーテル類、芳香族ポリオールのポリグリシジルエーテル類の水素添加化合物類、ウレタンポリエポキシ化合物およびエポキシ化ポリブタジエン類等を挙げることができる。これらの化合物は、その一種を単独で使用することもできるし、また、その二種以上を混合して使用することもできる。
本発明に好ましく使用することのできる前記オキシラン環を有する化合物(エポキシ化合物)としては、特開2009−73078号公報の段落番号0053に記載のものを好ましく採用することができる。
これらの中で特に、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルが好ましい。
グリシジル基含有化合物として好適に使用できる市販品としては、UVR−6216(ユニオンカーバイド社製)、グリシドール、AOEX24、サイクロマーA200、(以上、ダイセル化学工業(株)製)、エピコート828、エピコート812、エピコート1031、エピコート872、エピコートCT508(以上、油化シェル(株)製)、KRM−2400、KRM−2410、KRM−2408、KRM−2490、KRM−2720、KRM−2750(以上、旭電化工業(株)製)などを挙げることができる。これらは、一種単独で、または二種以上組み合わせて用いることができる。
また、これらのオキシラン環を有する化合物はその製法は問わないが、例えば、丸善KK出版、第四版実験化学講座20有機合成II、213〜、平成4年、Ed.by Alfred Hasfner,The chemistry of heterocyclic compounds−Small Ring Heterocycles part3 Oxiranes,John & Wiley and Sons,An Interscience Publication,New York,1985、吉村、接着、29巻12号、32、1985、吉村、接着、30巻5号、42、1986、吉村、接着、30巻7号、42、1986、特開平11−100378号公報、特許第2906245号公報、特許第2926262号公報などの文献を参考にして合成できる。
本発明で用いる他の重合性単量体として、ビニルエーテル化合物を併用してもよい。
ビニルエーテル化合物は公知のものを適宜選択することができ、例えば、特開2009−73078号公報の段落番号0057に記載のものを好ましく採用することができる。
これらのビニルエーテル化合物は、例えば、Stephen.C.Lapin,Polymers Paint Colour Journal.179(4237)、321(1988)に記載されている方法、即ち多価アルコールもしくは多価フェノールとアセチレンとの反応、または多価アルコールもしくは多価フェノールとハロゲン化アルキルビニルエーテルとの反応により合成することができ、これらは一種単独あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明で用いる他の重合性単量体としては、プロペニルエーテルおよびブテニルエーテルを用いることもできる。前記プロペニルエーテルまたはブテニルエーテルとしては、例えば1−ドデシル−1−プロペニルエーテル、1−ドデシル−1−ブテニルエーテル、1−ブテノキシメチル−2−ノルボルネン、1−4−ジ(1−ブテノキシ)ブタン、1,10−ジ(1−ブテノキシ)デカン、1,4−ジ(1−ブテノキシメチル)シクロヘキサン、ジエチレングリコールジ(1−ブテニル)エーテル、1,2,3−トリ(1−ブテノキシ)プロパン、プロペニルエーテルプロピレンカーボネート等が好適に適用できる。
本発明のインプリント用光硬化性組成物においては、離型性を向上する目的でフッ素原子とシリコン原子のうち少なくとも一方を有する重合性化合物を含有することも好ましい。
フッ素原子とシリコン原子のうち少なくとも一方を有する重合性化合物は、フッ素原子、シリコン原子、または、フッ素原子とシリコン原子の両方を有する基を少なくとも1つと、重合性官能基を少なくとも1つ有する化合物である。
フッ素原子とシリコン原子のうち少なくとも一方を有する重合性化合物は、低分子化合物でもポリマーでもよい。フッ素原子とシリコン原子のうち少なくとも一方を有する重合性化合物がポリマーである場合、フッ素原子とシリコン原子のうち少なくとも一方を有する繰り返し単位と、共重合成分として側鎖に重合性基を有する繰り返し単位を有していてもよい。また、前記フッ素原子とシリコン原子のうち少なくとも一方を有する繰り返し単位が、その側鎖、特に、末端に重合性基を有していてもよい。この場合、前記フッ素原子とシリコン原子のうち少なくとも一方を有する繰り返し単位の骨格については、本発明の趣旨に反しない限りにおいて特に制限はないが、例えばエチレン性不飽和結合含基由来の骨格を有していることが好ましく、(メタ)アクリレート骨格を有している態様がより好ましい。また、シリコン原子を有する繰り返し単位は、例えばジメチルシロキサン構造などのように、シリコン原子自体が繰り返し単位を形成していてもよい。
本発明のインプリント用硬化性組成物中におけるフッ素原子とシリコン原子のうち少なくとも一方を有する重合性化合物の含有量は、特に制限はないが、硬化性向上の観点や、組成物の低粘度化の観点から、全重合性化合物中、0.1〜20質量%が好ましく、0.2〜15質量%がより好ましく、0.5〜10質量%がさらに好ましく、0.5〜5質量%が特に好ましい。
フッ素原子を有する重合性化合物が有するフッ素原子を有する基としては、フロロアルキル基およびフロロアルキルエーテル基から選ばれる含フッ素基が好ましく、これらの少なくとも1つは、トリフロロメチル基構造を含有することがより好ましい。
フロロアルキル基としては、炭素数が2以上のフロロアルキル基であることが好ましく、4以上のフロロアルキル基であることがより好ましく、上限値としては特に定めるものではないが、20以下が好ましく、8以下がより好ましく、6以下がさらに好ましい。最も好ましくは炭素数4〜6のフロロアルキル基である。好ましいフロロアルル基としては、トリフロロメチル基、ペンタフロロエチル基、ヘプタフロロプロピル基、ヘキサフロロイソプロピル基、ノナフロロブチル基、トリデカフロロヘキシル基、ヘプタデカフロロオクチル基が挙げられる。
フロロアルキルエーテル基としては、パーフロロエチレンオキシ基、パーフロロプロピレンオキシ基及び−(CF(CF3)CF2O)−などのフロロアルキルエーテルユニットを有し、これらの末端が上記のようなフロロアルキル基であるものが好ましい。
フッ素原子とシリコン原子のうち少なくとも一方を有する重合性化合物が有する全フッ素原子の数は、1分子当たり、6〜60個が好ましく、より好ましくは9〜40個、さらに好ましくは12〜40個、特に好ましくは12〜20個である。
フッ素原子とシリコン原子のうち少なくとも一方を有する重合性化合物が重合性単量体である場合、下記に定義するフッ素含有率が20〜60%であることが好ましく、さらに好ましくは35〜60%である。フッ素原子とシリコン原子のうち少なくとも一方を有する重合性化合物が重合性基を有するポリマーの場合、フッ素含有率がより好ましくは20〜50%であり、さらに好ましくは20〜40%である。
Figure 2013170227
フッ素原子とシリコン原子のうち少なくとも一方を有する重合性化合物のフッ素原子を有する基の好ましい一例として、下記一般式(III)で表される部分構造を有する化合物が挙げられる。このような部分構造を有する化合物を採用することにより、繰り返しパターン転写を行ってもパターン形成性に優れ、かつ、組成物の経時安定性が良好となる。
一般式(III)
Figure 2013170227
一般式(III)中、nは1〜8の整数を表し、好ましくは4〜6の整数である。
フッ素原子とシリコン原子のうち少なくとも一方を有する重合性化合物の好ましい他の一例として、下記一般式(IV)で表される部分構造を有する化合物が挙げられる。もちろん、一般式(III)で表される部分構造と、一般式(IV)で表される部分構造の両方を有していてもよい。
一般式(IV)
Figure 2013170227
一般式(IV)中、L1は単結合または炭素数1〜8のアルキレン基を表し、L2は炭素数1〜8のアルキレン基を表し、m1およびm2はそれぞれ、0または1を表し、m1およびm2の少なくとも一方は1である。m3は1〜3の整数を表し、pは1〜8の整数を表し、m3が2以上のとき、それぞれの、−C pF 2p+1は同一であってもよいし異なっていてもよい。
前記L1およびL2は、それぞれ、炭素数1〜4のアルキレン基であることが好ましい。また、前記アルキレン基は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において置換基を有していてもよい。前記m3は、好ましくは1または2である。前記pは4〜6の整数が好ましい。
フッ素原子とシリコン原子のうち少なくとも一方を有する重合性化合物は、重量平均分子量2000〜100000のフッ素原子を有する重合体であることが好ましい。フッ素原子を有する重合体の重量平均分子量は、3000〜70000であることがより好ましく、5000〜40000であることが特に好ましい。なお、本明細書中、重量平均分子量とは、GPCを用いた分子量測定において、標準ポリスチレン換算で求めた値のことを言う。
以下に、本発明の組成物で用いられるフッ素原子を有する重合性化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
フッ素原子を有する重合性化合物としては、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロエチル(メタ)アクリレート、(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、パーフルオロブチル−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロプロピル(メタ)アクリレート等のフッ素原子を有する単官能重合性化合物が挙げられる。また、フッ素原子を有する重合性化合物としては、2,2,3,3,4,4−ヘキサフロロペンタンジ(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフロロヘキサンジ(メタ)アクリレートなどのフロロアルキレン基を有するジ(メタ)アクリレートを有する2以上の重合性官能基を有する多官能重合性化合物も好ましい例として挙げられる。
また、含フッ素基、例えばフロロアルキル基、フロロアルキルエーテル基を1分子中に2つ以上有する化合物も好ましく用いることができる。
フッ素原子を有する重合性単量体として好ましくは下記一般式(V)で表される重合性単量体である。
一般式(IV)
Figure 2013170227
(一般式(V)中、R3は水素原子、アルキル基、ハロゲン原子またはシアノ基を表し、Aは(a1+a2)価の連結基を表し、a1は1〜6の整数を表す。a2は2〜6の整数を表し、L2およびL3はそれぞれ炭素数1〜8のアルキレン基を表す。m1およびm2はそれぞれ、0または1を表し、m1およびm2の少なくとも一方は1である。m3は1〜3の整数を表し、Rfはフロロアルキル基またはフロロアルキルエーテル基を表す。)
3は、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子またはシアノ基を表し、水素原子またはアルキル基が好ましく、水素原子またはメチル基がより好ましく、水素原子であることがさらに好ましい。
Aは(a1+a2)価の連結基であり、好ましくはアルキレン基および/またはアリーレン基を有する連結基であり、さらにヘテロ原子を含む連結基を含有していても良い。ヘテロ原子を有する連結基としては−O−、−C(=O)O−、−S−、−C(=O)−が挙げられる。これらの基は本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において置換基を有していても良いが、有していない方が好ましい。Aは、炭素数2〜50であることが好ましく、炭素数4〜15であることがより好ましい。
1、L2、m1、m2、m3は、一般式(II)と同義であり、好ましい範囲も同義である。
Rfはフロロアルキル基、フロロアルキルエーテル基を表し、好ましくは炭素数1〜8のフロロアルキル基、炭素数3〜20のフロロアルキルエーテル基である。
a1は1〜6の整数であり、好ましくは1〜3、さらに好ましくは1または2である。
a2は2〜6の整数であり、好ましくは2または3、さらに好ましくは2である。
a1が2以上のとき、それぞれのAは同一であってもよいし、異なっていても良い。
a2が2以上のとき、それぞれのR2、R3、m1、m2、m3は同一であっても良いし、異なっていても良い。
フッ素原子を有する重合性化合物がポリマーの場合、前記フッ素原子を有する重合性化合物を繰り返し単位として含有するポリマーが好ましい。
以下に本発明で好ましく用いられるフッ素原子を有する重合性化合物の例を挙げるが本発明はこれらに限定されるものではないことは言うまでもない。R1は、水素原子またはメチル基である。
Figure 2013170227
(2)シリコン原子を有する重合性化合物
シリコン原子を有する重合性化合物が有するシリコン原子を有する官能基としては、トリアルキルシリル基、鎖状シロキサン構造、環状シロキサン構造、籠状シロキサン構造などが挙げられ、他の成分との相溶性、モールド剥離性の観点から、トリメチルシリル基またはジメチルシロキサン構造を有する官能基が好ましい。
以下に、本発明のインプリント用硬化性組成物で用いられるシリコン原子を有する重合性化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
前記シリコン原子を有する重合性化合物としては3−トリス(トリメチルシリルオキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルエチル(メタ)アクリレート、ポリジメチルシロキサンで置換されたアルキル(メタ)アクリレート、ポリジメチルシロキサン構造を有するジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
次に、本発明における重合性化合物の好ましいブレンド形態について説明する。
重合性官能基を1個有する化合物(1官能の重合性単量体)は、通常、反応性希釈剤として用いられ、本発明の硬化性組成物の粘度を低下させる効果を有し、重合性化合物の総量に対して、0〜90質量%が好ましく、0〜70質量%がより好ましく、0〜50質量%が特に好ましい。
重合性官能基を2個有する化合物(2官能重合性単量体)は、全重合性化合物に対して好ましくは20〜100質量%、より好ましくは30〜100質量%、特に好ましくは50〜100質量%の範囲で添加される。
1官能および2官能重合性単量体の割合は、全重合性化合物に対して、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは60〜100質量%、特に好ましくは70〜100質量%の範囲で添加される。
重合性官能基を3個以上有する多官能重合性単量体の割合は、全重合性化合物の、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、特に好ましくは、30質量%以下の範囲で添加される。重合性官能基を3個以上有する重合性単量体の割合を50質量%以下とすることにより、組成物の粘度を下げられるため好ましい。
本発明のインプリント用硬化性組成物は、前記(A)重合性化合物の30質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは70質量%以上が分子中に重合性官能基を2つ以上有する多官能重合性単量体であることが、硬化性、耐溶剤性の観点から好ましい。上限値としては、特に定めるものではないが、例えば、(A)重合性化合物の100重量%以下、好ましくは90質量%以下とすることができる。
本発明の硬化性組成物は、前記(A)重合性化合物の90質量%を超える量が、粘度300mPa・s以下の重合性単量体であることが、パターン形成性の観点から好ましく、(A)重合性化合物の90質量%を超える量が、粘度100mPa・s以下の重合性化合物であることがより好ましく、(A)重合性化合物の90質量%を超える量が、粘度50mPa・s以下の重合性単量体であることが特に好ましい。下限値としては、特に定めるものではないが、例えば、(A)重合性化合物の90質量%を超える量が、粘度1mPa・s以上であることが好ましい。
(その他成分)
本発明のインプリント用硬化性組成物は、上述の重合性化合物および金属含有アミノケトン系化合物組成物の他に種々の目的に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、界面活性剤、酸化防止剤、溶剤、ポリマー成分、顔料、染料等その他の成分を含んでいてもよい。本発明のインプリント用硬化性組成物としては、界面活性剤、並びに、酸化防止剤から選ばれる少なくとも一種を含有することが好ましい。
−界面活性剤−
本発明の硬化性組成物には、界面活性剤を含有していてもよい。しかしながら、本発明では、例えば、重合性化合物として、フッ素原子および/またはシリコン原子を有する化合物を添加することにより、界面活性剤を実質的に含めずに(例えば、全体の0.001質量%未満として)組成を調整することができる。本発明に用いられる界面活性剤の含有量は、全組成物中、例えば、0.001〜5質量%であり、好ましくは0.002〜4質量%であり、さらに好ましくは、0.005〜3質量%である。二種類以上の界面活性剤を用いる場合は、その合計量が前記範囲となる。界面活性剤が組成物中0.001〜5質量%の範囲にあると、塗布の均一性の効果が良好であり、界面活性剤の過多によるモールド転写特性の悪化を招きにくい。
前記界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤が好ましく、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤およびフッ素・シリコーン系界面活性剤の少なくとも一種を含むことが好ましく、フッ素系界面活性剤とシリコーン系界面活性剤との両方または、フッ素・シリコーン系界面活性剤を含むことがより好ましく、フッ素・シリコーン系界面活性剤を含むことが最も好ましい。尚、前記フッ素系界面活性剤およびシリコーン系界面活性剤としては、非イオン性の界面活性剤が好ましい。
ここで、“フッ素・シリコーン系界面活性剤”とは、フッ素系界面活性剤およびシリコーン系界面活性剤の両方の要件を併せ持つものをいう。
このような界面活性剤を用いることによって、半導体素子製造用のシリコンウエハや、液晶素子製造用のガラス角基板、クロム膜、モリブデン膜、モリブデン合金膜、タンタル膜、タンタル合金膜、窒化珪素膜、アモルファスシリコン膜、酸化錫をドープした酸化インジウム(ITO)膜や酸化錫膜などの、各種の膜が形成される基板上に本発明のインプリント硬化性組成物を塗布したときに起こるストリエーションや、鱗状の模様(レジスト膜の乾燥むら)などの塗布不良の問題を解決することが可能となる。また、モールド凹部のキャビティ内への本発明の組成物の流動性の向上、モールドとレジストとの間の剥離性の向上、レジストと基板間との密着性の向上、組成物の粘度を下げる等が可能になる。特に、本発明のインプリント組成物は、前記界面活性剤を添加することにより、塗布均一性を大幅に改良でき、スピンコーターやスリットスキャンコーターを用いた塗布において、基板サイズに依らず良好な塗布適性が得られる。
本発明で用いることのできる、非イオン性のフッ素系界面活性剤の例としては、商品名 フロラード FC−430、FC−431(住友スリーエム(株)製)、商品名サーフロン S−382(旭硝子(株)製)、EFTOP EF−122A、122B、122C、EF−121、EF−126、EF−127、MF−100((株)トーケムプロダクツ製)、商品名 PF−636、PF−6320、PF−656、PF−6520(いずれもOMNOVA Solutions, Inc.)、商品名フタージェントFT250、FT251、DFX18 (いずれも(株)ネオス製)、商品名ユニダインDS−401、DS−403、DS−451 (いずれもダイキン工業(株)製)、商品名メガファック171、172、173、178K、178A、F780F(いずれも大日本インキ化学工業(株)製)が挙げられる。
また、非イオン性の前記シリコーン系界面活性剤の例としては、商品名SI−10シリーズ(竹本油脂(株)製)、メガファックペインタッド31(大日本インキ化学工業(株)製)、KP−341(信越化学工業(株)製)が挙げられる。
また、前記フッ素・シリコーン系界面活性剤の例としては、商品名 X−70−090、X−70−091、X−70−092、X−70−093、(いずれも、信越化学工業(株)製)、商品名メガフアックR−08、XRB−4(いずれも、大日本インキ化学工業(株)製)が挙げられる。
−酸化防止剤−
さらに、本発明のインプリント用硬化性組成物には、公知の酸化防止剤を含有することが好ましい。本発明に用いられる酸化防止剤の含有量は、重合性化合物に対し、例えば、0.01〜10質量%であり、好ましくは0.2〜5質量%である。二種類以上の酸化防止剤を用いる場合は、その合計量が前記範囲となる。
前記酸化防止剤は、熱や光照射による退色およびオゾン、活性酸素、NO x、SO x(Xは整数)などの各種の酸化性ガスによる退色を抑制するものである。特に本発明では、酸化防止剤を添加することにより、硬化膜の着色の防止や、分解による膜厚減少を低減できるという利点がある。このような酸化防止剤としては、ヒドラジド類、ヒンダードアミン系酸化防止剤、含窒素複素環メルカプト系化合物、チオエーテル系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、アスコルビン酸類、硫酸亜鉛、チオシアン酸塩類、チオ尿素誘導体、糖類、亜硝酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ヒドロキシルアミン誘導体などを挙げることができる。この中でも、特にヒンダードフェノール系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤が硬化膜の着色、膜厚減少の観点で好ましい。
前記酸化防止剤の市販品としては、商品名 Irganox1010、1035、1076、1222(以上、チバガイギー(株)製)、商品名 Antigene P、3C、FR、スミライザーS、スミライザーGA80(住友化学工業(株)製)、商品名アデカスタブAO70、AO80、AO503((株)ADEKA製)等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。
−重合禁止剤−
さらに、本発明のインプリント用硬化性組成物には、重合禁止剤を含有することが好ましい。重合禁止剤の含有量としては、全重合性化合物に対し、0.001〜1質量%であり、より好ましくは0.005〜0.5質量%、さらに好ましくは0.008〜0.05質量%である、重合禁止剤を適切な量配合することで高い硬化感度を維持しつつ経時による粘度変化が抑制できる。
本発明に用いうる好ましい重合禁止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、tert−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩、フェノチアジン、フェノキサジン、4−メトキシナフトール、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルフリーラジカル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルフリーラジカル、ニトロベンゼン、ジメチルアニリン等が挙げられる。
−溶剤−
本発明のインプリント用硬化性組成物には、種々の必要に応じて、溶剤を用いることができる。ここで、本明細書中において、「溶剤」には、前記重合性化合物は含まれない。すなわち、本明細書中において、「溶剤」は、前記重合性官能基を有しない。特に膜厚500nm以下のパターンを形成する際には溶剤を含有していることが好ましい。
好ましい溶剤としては常圧における沸点が80〜200℃の溶剤である。溶剤の種類としては組成物を溶解可能な溶剤であればいずれも用いることができるが、好ましくはエステル構造、ケトン構造、水酸基、エーテル構造のいずれか1つ以上を有する溶剤である。具体的に、好ましい溶剤としてはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、ガンマブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチルから選ばれる単独あるいは混合溶剤であり、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含有する溶剤が塗布均一性の観点で最も好ましい。
本発明の組成物中における前記溶剤の含有量は、溶剤を除く成分の粘度、塗布性、目的とする膜厚によって最適に調整されるが、塗布性改善の観点から、全組成物中99質量%以下の範囲で添加することができるが、通常は、実質的に含まない(例えば、3質量%以下、より好ましくは2質量%以下)ことが好ましい。但し、膜厚500nm以下のパターンをスピン塗布などの方法で形成する際には、20〜99質量%の範囲で含めてもよく、40〜99質量%が好ましく、70〜98質量%が特に好ましい。
−ポリマー成分−
本発明の組成物では、架橋密度をさらに高める目的で、前記多官能の他の重合性化合物よりもさらに分子量の大きい多官能オリゴマーを、本発明の目的を達成する範囲で配合することもできる。光ラジカル重合性を有する多官能オリゴマーとしてはポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート等の各種アクリレートオリゴマーが挙げられる。オリゴマー成分の添加量としては組成物の溶剤を除く成分に対し、0〜30質量%が好ましく、より好ましくは0〜20質量%、さらに好ましくは0〜10質量%、最も好ましくは実質的に含まない場合(例えば、5質量%以下)である。
本発明のインプリント用硬化性組成物はドライエッチング耐性、インプリント適性、硬化性等の改良を観点からも、さらにポリマー成分を含有していてもよい。前記ポリマー成分としては側鎖に重合性官能基を有するポリマーが好ましい。前記ポリマー成分の重量平均分子量としては、重合性化合物との相溶性の観点から、2000〜100000が好ましく、5000〜50000がさらに好ましい。ポリマー成分の添加量としては組成物の溶剤を除く成分に対し、0〜30質量%が好ましく、より好ましくは0〜20質量%、さらに好ましくは0〜10質量%、最も好ましくは実質的に含まない場合(例えば、2質量%以下)である。
本発明の組成物において溶剤を除く成分中、分子量2000以上の化合物の含有量が30質量%以下であると、パターン形成性が向上することから、該成分は、少ない方が好ましく、界面活性剤や微量の添加剤を除き、樹脂成分を実質的に含まないこと(例えば、2質量%以下)が好ましい。
本発明のインプリント用硬化性組成物は、末端に少なくとも1つ水酸基を有するかまたは水酸基がエーテル化されたポリアルキレングリコール構造を有する非重合性化合物(C)を含むことも長期繰り返しパターン形成性を向上させる上で好適である。
非重合性化合物(C)が有するポリアルキレン構造としては、炭素数1〜6のアルキレン基を含むポリアルキレングリコール構造が好ましく、ポリエチレングリコール構造、ポリプロピレングリコール構造、ポリブチレングリコール構造、またはこれらの混合構造がより好ましく、ポリエチレングリコール構造、ポリプロピレングリコール構造、またはこれらの混合構造がさらに好ましく、ポリプロピレングリコール構造が特に好ましい。さらに、末端の置換基を除き実質的にポリアルキレングリコール構造のみで構成されていることが好ましい。ここで実質的にとは、ポリアルキレングリコール構造以外の構成要素が全体の5質量%以下であることをいい、好ましくは1質量%以下であるこという。本発明では特に、非重合性化合物(C)として、実質的にポリプロピレングリコール構造のみからなる化合物を含むことが特に好ましい。
ポリアルキレングリコール構造としてはアルキレングリコール構成単位を3〜1000個有していることが好ましく、4〜500個有していることがより好ましく、5〜100個有していることがさらに好ましく、5〜50個有していることが最も好ましい。
(C)成分の重量平均分子量(Mw)としては150〜10000が好ましく、200〜5000がより好ましく、500〜4000がより好ましく、600〜3000がさらに好ましい。
非重合性化合物(C)は末端に少なくとも1つ水酸基を有するかまたは水酸基がエーテル化されている。末端に少なくとも1つ水酸基を有するかまたは水酸基がエーテル化されていれば残りの末端は水酸基でも末端水酸基の水素原子が置換されているものも用いることが好ましい。このような化合物を採用することにより、より良好なパターン形成性、低いパターン欠陥性、良好なラインエッジラフネスを達成できる。ここで、非重合性化合物とは、重合性基を持たない化合物をいう。
本発明で用いる非重合性化合物(C)が有するポリアルキレン構造としては、炭素数1〜6のアルキレン基を含むポリアルキレングリコール構造が好ましく、ポリエチレングリコール構造、ポリプロピレングリコール構造、ポリブチレングリコール構造、またはこれらの混合構造がより好ましく、ポリエチレングリコール構造、ポリプロピレングリコール構造、またはこれらの混合構造がさらに好ましく、ポリプロピレングリコール構造が特に好ましい。
さらに、末端の置換基を除き実質的にポリアルキレングリコール構造のみで構成されていることが好ましい。ここで実質的にとは、ポリアルキレングリコール構造以外の構成要素が全体の5質量%以下であることをいい、好ましくは1質量%以下であるこという。本発明では特に、非重合性化合物(C)として、実質的にポリプロピレングリコール構造のみからなる化合物を含むことが特に好ましい。
ポリアルキレングリコール構造としてはアルキレングリコール構成単位を3〜1000個有していることが好ましく、4〜500個有していることがより好ましく、5〜100個有していることがさらに好ましく、5〜50個有していることが最も好ましい。
(C)成分の重量平均分子量(Mw)としては150〜10000が好ましく、200〜5000がより好ましく、500〜4000がより好ましく、600〜3000がさらに好ましい。
フッ素原子およびシリコン原子を実質的に含有しないとは、例えば、フッ素原子およびシリコン原子の合計含有率が1%以下であることを表し、フッ素原子およびシリコン原子を全く有していないことが好ましい。フッ素原子およびシリコン原子を有さないことにより、重合性化合物との相溶性が向上し、特に溶剤を含有しない組成物において、塗布均一性、インプリント時のパターン形成性、ドライエッチング後のラインエッジラフネスが良好となる。
非重合性化合物(C)は末端に少なくとも1つ水酸基を有するかまたは水酸基がエーテル化されている。末端に少なくとも1つ水酸基を有するかまたは水酸基がエーテル化されていれば残りの末端は水酸基でも末端水酸基の水素原子が置換されているものも用いることができる。末端水酸基の水素原子が置換されていてもよい基としてはアルキル基(すなわちポリアルキレングリコールアルキルエーテル)、アシル基(すなわちポリアルキレングリコールエステル)が好ましい。より好ましくは全ての末端が水酸基であるポリアルキレングリコールである。連結基を介して複数(好ましくは2または3本)のポリアルキレングリコール鎖を有している化合物も好ましく用いることができるが、ポリアルキレングリコール鎖が分岐していない、直鎖構造のものが好ましい。特に、ジオール型のポリアルキレングリコールが好ましい。
非重合性化合物(C)の好ましい具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、これらのモノまたはジメチルエーテル、モノまたはジオクチルエーテル、モノまたはジノニルエーテル、モノまたはジデシルエーテル、モノステアリン酸エステル、モノオレイン酸エステル、モノアジピン酸エステル、モノコハク酸エステルである。
非重合性化合物(C)の含有量は溶剤を除く全組成物中0.1〜20質量%が好ましく、0.2〜10質量%がより好ましく、0.5〜5質量%がさらに好ましく、0.5〜3質量%が最も好ましい。
本発明の硬化性組成物には前記成分の他に必要に応じて離型剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、光安定剤、老化防止剤、可塑剤、密着促進剤、熱重合開始剤、着色剤、エラストマー粒子、光酸増殖剤、光塩基発生剤、塩基性化合物、流動調整剤、消泡剤、分散剤等を添加してもよい。
本発明の硬化性組成物は、上述の各成分を混合して調整することができる。硬化性組成物の混合・溶解は、通常、0℃〜100℃の範囲で行われる。また、前記各成分を混合した後、例えば、孔径0.003μm〜5.0μmのフィルターで濾過することが好ましい。濾過は、多段階で行ってもよいし、多数回繰り返してもよい。また、濾過した液を再濾過することもできる。濾過に使用するフィルターの材質は、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッソ樹脂、ナイロン樹脂などのものが使用できるが特に限定されるものではない。
本発明におけるインプリント用硬化性組成物の粘度は、3〜30mPa・sであることが好ましく、5〜15mPa・sであることがさらに好ましい。このような範囲とすることにより、後述する、基材(またはモールド)への塗設性が良好になる。
[パターン形成方法]
次に、本発明のインプリント用硬化性組成物を用いたパターン(特に、微細凹凸パターン)の形成方法について説明する。本発明のパターン形成方法では、本発明の光硬化性組成物を基材に適用してパターン形成層を形成する工程と、前記パターン形成層の表面にモールドを圧着する工程と、前記パターン形成層に光を照射する工程と、を含むパターン形成方法、または、光硬化性組成物をモールド上に適用してパターン形成層を形成する工程と、前記パターン形成層の表面に基材を圧着する工程と、前記パターン形成層に光を照射する工程と、を含むパターン形成方法である。このような方法を経て本発明の組成物を硬化することで、微細な凹凸パターンを形成することができる。
ここで、本発明のインプリント用硬化性組成物は、光照射後にさらに加熱して硬化させることが好ましい。具体的には、基材(基板または支持体)上に少なくとも本発明の組成物からなるパターン形成層を設置し、必要に応じて乾燥させて本発明の組成物からなる層(パターン形成層)を形成してパターン受容体(基材上にパターン形成層が設けられたもの)を作製し、当該パターン受容体のパターン形成層表面にモールドを圧接し、モールドパターンを転写する加工を行い、微細凹凸パターン形成層を光照射により硬化させる。また、モールド上にパターン形成層を形成し、基材を圧接し、他は同様に行っても良い。本発明のパターン形成方法による光インプリントリソグラフィは、積層化や多重パターニングもでき、通常の熱インプリントと組み合わせて用いることもできる。
本発明のインプリント用硬化性組成物は、光ナノインプリント法により微細なパターンを低コスト且つ高い精度で形成すること可能である。このため、従来のフォトリソグラフィ技術を用いて形成されていたものをさらに高い精度且つ低コストで形成することができる。例えば、基板または支持体上に本発明の組成物を塗布し、該組成物からなる層を露光、硬化、必要に応じて乾燥(ベーク)させることによって、液晶ディスプレイ(LCD)などに用いられる、オーバーコート層や絶縁膜などの永久膜や、半導体集積回路、記録材料、あるいはフラットパネルディスプレイなどのエッチングレジストとして適用することも可能である。特に本発明のインプリント用硬化性組成物は、長期の繰り返しパターン形成性に優れ、また得られたパターンは、エッチング性にも優れ、フッ化炭素等を用いるドライエッチングのエッチングレジストとしても好ましく用いることができる。
液晶ディスプレイ(LCD)などに用いられる永久膜(構造部材用のレジスト)や電子材料の基板加工に用いられるレジストにおいては、製品の動作を阻害しないようにするため、レジスト中の金属あるいは有機物のイオン性不純物の混入を極力避けることが望ましい。このため、本発明のインプリント用硬化性組成物中における有機物のイオン性不純物の濃度としては、1ppb以下、望ましくは100ppb以下、さらに好ましくは10ppb以下にすることが好ましい。
以下において、本発明のインプリント用硬化性組成物を用いたパターン形成方法(パターン転写方法)について具体的に述べる。
本発明のパターン形成方法においては、まず、本発明の組成物を基材(またはモールド)上に適応してパターン形成層を形成する。
本発明のインプリント用硬化性組成物を基材上に適用する方法としては、一般によく知られた適用方法を採用できる。
本発明の適用方法としては、例えば、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法、スピンコート方法、スリットスキャン法、あるいはインクジェット法などにより基材上に塗膜あるいは液滴を適用することができ、本発明の組成物は特にインクジェット法に適している。また、本発明の組成物からなるパターン形成層の膜厚は、使用する用途によって異なるが、0.03μm〜30μm程度である。また、本発明の組成物を、多重塗布により塗布してもよい。インクジェット法などにより基材上に液滴を設置する方法において、液滴の量は1pl〜20pl程度が好ましく、液滴を間隔をあけて基材上に配置することが好ましい。さらに、基材と本発明の組成物からなるパターン形成層との間には、例えば平坦化層等の他の有機層などを形成してもよい。これにより、パターン形成層と基板とが直接接しないことから、基板に対するごみの付着や基板の損傷等を防止することができる。尚、本発明の組成物によって形成されるパターンは、基材上に有機層を設けた場合であっても、有機層との密着性に優れる。
本発明のインプリント用硬化性組成物を塗布するための基材(基板または支持体)は、種々の用途によって選択可能であり、例えば、石英、ガラス、光学フィルム、セラミック材料、蒸着膜、磁性膜、反射膜、Ni,Cu,Cr,Feなどの金属基板、紙、SOG(Spin On Glass)、ポリエステルフイルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム等のポリマー基板、TFTアレイ基板、PDPの電極板、ガラスや透明プラスチック基板、ITOや金属などの導電性基材、絶縁性基材、シリコン、窒化シリコン、ポリシリコン、酸化シリコン、アモルファスシリコンなどの半導体作製基板など特に制約されない。また、基材の形状も特に限定されるものではなく、板状でもよいし、ロール状でもよい。また、後述のように前記基材としては、モールドとの組み合わせ等に応じて、光透過性、または、非光透過性のものを選択することができる。
次いで、本発明のパターン形成方法においては、パターン形成層にパターンを転写するために、パターン形成層表面にモールド(または基材)を押接する。これにより、モールドの押圧表面にあらかじめ形成された微細なパターンをパターン形成層に転写することができる。
また、パターンを有するモールドに本発明の組成物を塗布し、基板を押接してもよい。
本発明で用いることのできるモールド材について説明する。本発明の組成物を用いた光ナノインプリントリソグラフィは、モールド材および/または基材の少なくとも一方に、光透過性の材料を選択する。本発明に適用される光インプリントリソグラフィでは、基材の上に本発明の硬化性組成物を塗布してパターン形成層を形成し、この表面に光透過性のモールドを押接し、モールドの裏面から光を照射し、前記パターン形成層を硬化させる。また、光透過性基材上に硬化性組成物を塗布し、モールドを押し当て、基材の裏面から光を照射し、硬化性組成物を硬化させることもできる。
前記光照射は、モールドを付着させた状態で行ってもよいし、モールド剥離後に行ってもよいが、本発明では、モールドを密着させた状態で行うのが好ましい。
本発明で用いることのできるモールドは、転写されるべきパターンを有するモールドが使われる。前記モールド上のパターンは、例えば、フォトリソグラフィや電子線描画法等によって、所望する加工精度に応じてパターンが形成できるが、本発明では、モールドパターン形成方法は特に制限されない。
本発明の硬化性組成物は、モールドの最小パターンサイズが50nm以下のモールドを用いてパターン転写を行う際にも良好なパターン形成性が得られる。
本発明において用いられる光透過性モールド材は、特に限定されないが、所定の強度、耐久性を有するものであればよい。具体的には、ガラス、石英、PMMA、ポリカーボネート樹脂などの光透明性樹脂、透明金属蒸着膜、ポリジメチルシロキサンなどの柔軟膜、光硬化膜、金属膜等が例示される。
本発明において光透過性の基材を用いた場合に使われる非光透過型モールド材としては、特に限定されないが、所定の強度を有するものであればよい。具体的には、セラミック材料、蒸着膜、磁性膜、反射膜、Ni、Cu、Cr、Feなどの金属基板、SiC、シリコン、窒化シリコン、ポリシリコン、酸化シリコン、アモルファスシリコンなどの基板などが例示され、特に制約されない。また、モールドの形状も特に制約されるものではなく、板状モールド、ロール状モールドのどちらでもよい。ロール状モールドは、特に転写の連続生産性が必要な場合に適用される。
本発明のパターン形成方法で用いられるモールドは、硬化性組成物とモールド表面との剥離性を向上させるために離型処理を行ったものを用いてもよい。このようなモールドとしては、シリコン系やフッソ系などのシランカップリング剤による処理を行ったもの、例えば、ダイキン工業(株)製のオプツールDSXや、住友スリーエム(株)製のNovec EGC−1720等、市販の離型剤も好適に用いることができる。本発明の硬化性組成物は離型処理を行っていないモールドを用いても優れたパターン形成性を発現する。
本発明の組成物を用いて光インプリントリソグラフィを行う場合、本発明のパターン形成方法では、通常、モールド圧力を10気圧以下で行うのが好ましい。モールド圧力を10気圧以下とすることにより、モールドや基板が変形しにくくパターン精度が向上する傾向にある。また、加圧が低いため装置を縮小できる傾向にある点からも好ましい。モールド圧力は、モールド凸部の硬化性組成物の残膜が少なくなる範囲で、モールド転写の均一性が確保できる領域を選択することが好ましい。
本発明のパターン形成方法中、前記パターン形成層に光を照射する工程における光照射の照射量は、硬化に必要な照射量よりも十分大きければよい。硬化に必要な照射量は、硬化性組成物の不飽和結合の消費量や硬化膜のタッキネスを調べて適宜決定される。
また、本発明に適用される光インプリントリソグラフィにおいては、光照射の際の基板温度は、通常、室温で行われるが、反応性を高めるために加熱をしながら光照射してもよい。光照射の前段階として、真空状態にしておくと、気泡混入防止、酸素混入による反応性低下の抑制、モールドと硬化性組成物との密着性向上に効果があるため、真空状態で光照射してもよい。また、本発明のパターン形成方法中、光照射時における好ましい真空度は、10-1Paから常圧の範囲である。
本発明の硬化性組成物を硬化させるために用いられる光は特に限定されず、例えば、高エネルギー電離放射線、近紫外、遠紫外、可視、赤外等の領域の波長の光または放射線が挙げられる。高エネルギー電離放射線源としては、例えば、コッククロフト型加速器、ハンデグラーフ型加速器、リニヤーアクセレーター、ベータトロン、サイクロトロン等の加速器によって加速された電子線が工業的に最も便利且つ経済的に使用されるが、その他に放射性同位元素や原子炉等から放射されるγ線、X線、α線、中性子線、陽子線等の放射線も使用できる。紫外線源としては、例えば、紫外線螢光灯、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノン灯、炭素アーク灯、太陽灯等が挙げられる。放射線には、例えばマイクロ波、EUVが含まれる。また、LED、半導体レーザー光、あるいは248nmのKrFエキシマレーザー光や193nmArFエキシマレーザーなどの半導体の微細加工で用いられているレーザー光も本発明に好適に用いることができる。これらの光は、モノクロ光を用いてもよいし、複数の波長の異なる光(ミックス光)でもよい。
露光に際しては、露光照度を1mW/cm2〜50mW/cm2の範囲にすることが望ましい。1mW/cm2以上とすることにより、露光時間を短縮することができるため生産性が向上し、50mW/cm2以下とすることにより、副反応が生じることによる永久膜の特性の劣化を抑止できる傾向にあり好ましい。露光量は5mJ/cm2〜1000mJ/cm2の範囲にすることが望ましい。5mJ/cm2未満では、露光マージンが狭くなり、光硬化が不十分となりモールドへの未反応物の付着などの問題が発生しやすくなる。一方、1000mJ/cm2を超えると組成物の分解による永久膜の劣化の恐れが生じる。
さらに、露光に際しては、酸素によるラジカル重合の阻害を防ぐため、チッソやアルゴンなどの不活性ガスを流して、酸素濃度を100mg/L未満に制御してもよい。
本発明のパターン形成方法においては、光照射によりパターン形成層を硬化させた後、必要におうじて硬化させたパターンに熱を加えてさらに硬化させる工程を含んでいてもよい。光照射後に本発明の組成物を加熱硬化させる熱としては、150〜280℃が好ましく、200〜250℃がより好ましい。また、熱を付与する時間としては、5〜60分間が好ましく、15〜45分間がさらに好ましい。
[パターン]
上述のように本発明のパターン形成方法によって形成されたパターンは、液晶ディスプレイ(LCD)などに用いられる永久膜(構造部材用のレジスト)やエッチングレジストとして使用することができる。また、前記永久膜は、製造後にガロン瓶やコート瓶などの容器にボトリングし、輸送、保管されるが、この場合に、劣化を防ぐ目的で、容器内を不活性なチッソ、またはアルゴンなどで置換しておいてもよい。また、輸送、保管に際しては、常温でもよいが、より永久膜の変質を防ぐため、−20℃から0℃の範囲に温度制御してもよい。勿論、反応が進行しないレベルで遮光することが好ましい。
本発明のパターン形成方法によって形成されたパターンは、エッチングレジストとしても有用である。本発明のインプリント用組成物をエッチングレジストとして利用する場合には、まず、基材として例えばSiO2等の薄膜が形成されたシリコンウエハ等を用い、基材上に本発明のパターン形成方法によってナノオーダーの微細なパターンを形成する。その後、ウェットエッチングの場合にはフッ化水素等、ドライエッチングの場合にはCF4等のエッチングガスを用いてエッチングすることにより、基材上に所望のパターンを形成することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
[実施例1]アルカリ性水溶液洗浄による亜鉛含有量及びアルミニウム含有量の低減
下記A〜ZEの方法によって精製した重合開始剤を含む組成物中の金属含有量をICP−MS(誘導結合プラズマ質量分析法)によって求めた。
10重量%のプロピレン グリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)溶液の各種金属量(ppb)を下記表に示した。
精製方法
A:重合開始剤10gを酢酸エチル200mlに溶解し、0.23重量%水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液で1回抽出した。蒸留水で4回洗浄した後、濃縮し、10重量%PGMA溶液とした。
B:重合開始剤10gを酢酸エチル200mlに溶解し、0.23重量%TMAH水溶液で2回抽出した。蒸留水で4回洗浄した後、濃縮し、10重量%PGMEA溶液とした。
C:重合開始剤10gを酢酸エチル200mlに溶解し、0.23重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液で2回抽出した。蒸留水で4回洗浄した後、濃縮し、10重量%PGMEA溶液とした。
D:重合開始剤10gを酢酸エチル200mlに溶解し、0.23重量%水酸化トリエチルメチルアンモニウム水溶液で2回抽出した。蒸留水で4回洗浄した後、濃縮し、10重量%PGMEA溶液とした。
E:重合開始剤10gを酢酸エチル200mlに溶解し、0.23重量%水酸化テトラプロピルアンモニウム水溶液で2回抽出した。蒸留水で4回洗浄した後、濃縮し、10重量%PGMEA溶液とした。
F:重合開始剤10gを酢酸エチル200mlに溶解し、0.23重量%水酸化テトラブチルアンモニウム水溶液で2回抽出した。蒸留水で4回洗浄した後、濃縮し、10重量%PGMEA溶液とした。
Z:キョーワード200SN(協和化学(株)製)を用いて処理した。
ZB:キョーワード200SNを用いて処理した後、上記Bの処理を行った。
ZC:キョーワード200SNを用いて処理した後、上記Cの処理を行った。
ZD:キョーワード200SNを用いて処理した後、上記Dの処理を行った。
ZE:キョーワード200SNを用いて処理した後、上記Eの処理を行った。
重合開始剤
(AK−1):下記に示す化合物を含む組成物(Irgacure379EG、BASF社製)
Figure 2013170227
(AK−2):下記に示す化合物を含む組成物(Irgacure369、BASF社製)
Figure 2013170227
(AK−3):下記に示す化合物を含む組成物(Irgacure970、BASF社製)
Figure 2013170227
(AK−5)で表される化合物を含む組成物(米国特許第5077402に記載の方法を参考にして合成した。)
Figure 2013170227
(AK−11)で表される化合物を含む組成物(米国特許第5077402に記載の方法を参考にして合成した。)
Figure 2013170227
(AK−12)で表される化合物を含む組成物(米国特許第5077402に記載の方法を参考にして合成した。)
Figure 2013170227
(AK−18)で表される化合物を含む組成物(米国特許第5077402に記載の方法を参考にして合成した。)
Figure 2013170227
Figure 2013170227
上記表において、単位は、ppbを示している。
上記表から明らかなとおり、本発明の方法で処理した場合、亜鉛および/またはアルミニウムの含有量が低減されることが確認された。
[実施例2]密着性および繰り返しパターン形成性
下記表に示す成分を混合し、さらに重合禁止剤として4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルフリーラジカル(東京化成社製)を重合性化合物に対して200ppb(0.02質量%)となるように加えて本発明の組成物及び比較用組成物を調整した。これを0.1μmのテトラフロロエチレン製フィルターでろ過し、硬化性組成物を調製した。表は、重量比で示した。
<重合性化合物(A)>
R−1:ベンジルアクリレート(大阪有機化学(株)製、ビスコート#160)(粘度:2.3mPa・s)
R−2:2−ナフチルメチルアクリレート(2−ブロモメチルナフタレンとアクリル酸より常法にて合成)(粘度:10.8mPa・s)
R−3:エチレングリコールジアクリレート(Aldrich社製)
R−4:m−キシリレンジアクリレート(α,α’−ジクロロ−m−キシレンとアクリル酸より常法にて合成)(粘度:10mPa・s)
R−5:イソボロニルアクリレート(IBXA、大阪有機化学(株)製)(粘度:10.7mPa・s)
R−6: 3−アクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン(Gelest社製、SIA0210)
R−7: トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学(株)社製、A−DCP)(粘度:120mPa・s)
R−8:パーフロロヘキシルエチルアクリレート(関東化学社製)(粘度:4.0mPa・s)
R−9:特開2010−239121号公報に記載の方法で合成
上記粘度は、いずれも25℃における粘度である。
Figure 2013170227
<非重合性化合物(C)>
C−1:ポリプロピレングリコール(和光純薬工業(株)製、ジオール型、平均Mw700)
C−2:ポリプロピレングリコール(和光純薬工業(株)製、ジオール型、平均Mw3000)
C−3:ポリプロピレングリコール(和光純薬工業(株)製、トリオール型、平均Mw700)
C−4:ポリエチレングリコール(和光純薬工業(株)製、平均Mw600)
C−5:ポリエチレングリコールジメチルエーテル250(関東化学(株)製)
C−6:ポリエチレングリコールモノステアレート25E.O (和光純薬工業(株)製)
(評価)
得られた各実施例および比較例の光硬化性組成物について以下の評価を行った。結果を下記表に示す。
<パターン形成方法>
モールドとして、線幅30nm、溝深さが60nmの矩形ライン/スペースパターン(1/1)を有する石英モールドで、ラインエッジラフネスは3.0nmである物を用いた。
インクジェット装置として、富士フイルムダイマティックス社製、インクジェットプリンターDMP−2831を用いて、シリコンウェハ上にノズルあたり1plの液滴量で、100μm間隔の正方配列となるように、吐出タイミングを制御して光硬化性組成物を吐出した。この際、吐出される硬化組成物の温度が25℃となるように調整した。4インチウェハー10枚全面に連続吐出し、このウェハーに0.1気圧の減圧下前記モールドをのせ、モールド側から水銀ランプを用い300mJ/cm2の条件で露光し、露光後、モールドを離し、パターンを得た。同一のモールドを用い10枚のウェハーに前記方法により繰返しパターンを転写し、10回目の転写で得られたパターンについて以下の方法で欠陥評価を行った。
<欠陥評価>
得られたパターンのパターン欠陥を走査型電子顕微鏡で観察し、以下のように評価した。
a:パターン欠陥が全くみられなかった。
b:一部の領域パターンに欠陥が見られたが、全パターン面積に対し、1%未満であった。
c:全パターン面積に対し、1%以上〜2%未満の領域でパターン欠陥が見られた。
d:全パターン面積に対し、2%以上〜5%未満の領域でパターン欠陥が見られた。
e:全パターン面積に対し、5%以上の領域でパターン欠陥が見られた。
<密着性評価>
JIS K 5600−5−6(クロスカット法)を参考とし、基材密着性を評価した。Siウェハ上に硬化後の膜厚が1μmとなるようにレジストを塗布した後、モールドを圧着せず、窒素雰囲気下で露光量240mJ/cm2で露光し硬化膜を得た。この硬化膜に、1mm×1mmの直角の格子切り込みパターンを10×10マス作製した。格子パターンにテープを貼り付け、60度の角度でテープを引き剥がした。目視にてパターンの剥離が見られたマス目の数を計測し、以下のように評価した。パターンの剥離が見られたマス目の数の数が少ないほど基材密着性が良好である。
1:剥離が見られたマス目の数が0〜5未満
2:剥離が見られたマス目の数が5以上〜10未満
3:剥離が見られたマス目の数が10以上〜30未満
4:剥離が見られたマス目の数が30以上
<ドライエッチング耐性>
Siウェハ上に硬化後の膜厚が1μmとなるようにレジストを塗布した後、モールドを圧着せず、窒素雰囲気下で露光量240mJ/cm2で露光し硬化膜を得た。これを、日立ハイテクノロジー(株)製ドライエッチャー(U−621)を用いてAr/C46/O2=100:4:2のガスで2分間プラズマドライエッチングを行い、残膜量を測定し、1 秒間当りのエッチングレートを算出した。得られたエチングレートを実験番号8の値が1となるように規格化し、これとの比較において各実施例および比較例を評価した。値が小さいほどドライエッチング耐性が良好であることを示す。
Figure 2013170227
上記結果から明らかなとおり、本発明の組成物を用いた場合、密着性に優れ、パターン欠陥が少なく、ドライエッチング耐性が高い光硬化性組成物が得られることが分かった。
<半導体集積回路の作成>
本発明の方法で処理をした重合開始剤と既知のレジストを用い、既知の方法で半導体集積回路を製造した。

Claims (20)

  1. (A)重合性化合物および(B)一般式(I)で表される光重合開始剤を有する光硬化性組成物であって、該組成物中の亜鉛含有量およびアルミニウム含有量がそれぞれ5ppb未満であることを特徴とする光硬化性組成物。
    一般式(I)
    Figure 2013170227
    (一般式(I)中、RaおよびRbは、それぞれ、水素原子、ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキル基、または、ヘテロ原子を含んでいてもよいアリール基を表す。RaとRbは互いに結合して環を形成してもよい。R1とR2はそれぞれ有機基を表す。Arはヘテロ原子を含んでいてもよいアリール基を表す。)
  2. 光硬化性組成物がインプリント用であることを特徴とする請求項1に記載の光硬化性組成物。
  3. (A)重合性化合物の30質量%以上が、(A1)芳香族基を有する重合性化合物ある、請求項1または2に記載の光硬化性組成物。
  4. (A1)芳香族基を有する重合性化合物が重合性官能基を2つ以上有する化合物を含む、請求項3に記載の光硬化性組成物。
  5. (A1)芳香族基を有する重合性化合物がベンゼン環またはナフタレン環を含む、請求項3または4に記載の光硬化性組成物。
  6. (A1)芳香族基を有する重合性化合物の粘度が2〜300mPa・sである、請求項3〜5のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
  7. 光硬化性組成物中の溶剤の含量が、3質量%以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
  8. 光硬化性組成物の粘度が、3〜30mPa・sである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の光硬化性組成物を基材に適用してパターン形成層を形成する工程と、前記パターン形成層の表面にモールドを圧着する工程と、前記パターン形成層に光を照射する工程と、を含むパターン形成方法、または、
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の光硬化性組成物をモールド上に適用してパターン形成層を形成する工程と、前記パターン形成層の表面に基材を圧着する工程と、前記パターン形成層に光を照射する工程と、を含むパターン形成方法。
  10. 請求項9に記載のパターン形成方法によって得られるパターン。
  11. 亜鉛および/またはアルミニウムとアミノケトン系化合物を含む組成物を、有機溶媒に溶解し、その溶液をアルカリ性水溶液と接触させて液液抽出することを特徴とする、亜鉛および/またはアルミニウムとアミノケトン系化合物を含む組成物中の亜鉛および/またはアルミニウムの含有量の低減化方法。
  12. 前記アミノケトン系化合物が、下記一般式(I)で表される化合物である、請求項11に記載の低減化方法。
    一般式(I)
    Figure 2013170227
    (一般式(I)中、RaおよびRbは、それぞれ、水素原子、ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキル基、または、ヘテロ原子を含んでいてもよいアリール基を表す。RaとRbは互いに結合して環を形成してもよい。R1とR2はそれぞれ有機基を表す。Arはヘテロ原子を含んでいてもよいアリール基を表す。)
  13. アルカリ性水溶液が水酸化4級アンモニウム塩水溶液であることを特徴とする請求項11または12に記載の低減化方法。
  14. 前記液液抽出前の亜鉛および/またはアルミニウムとアミノケトン系化合物を含む組成物における、亜鉛およびアルミニウムの少なくとも一方の濃度が、500ppb以上である、請求項11〜13のいずれか1項に記載の低減化方法。
  15. 請求項11〜14のいずれか1項に記載の方法によって、一般式(I)で表される重合開始剤を含む重合開始剤組成物を処理した後、(A)重合性化合物と混合することを特徴とする、光硬化性組成物の製造方法。
    一般式(I)
    Figure 2013170227
    (一般式(I)中、RaおよびRbは、それぞれ、水素原子、ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキル基、または、ヘテロ原子を含んでいてもよいアリール基を表す。RaとRbは互いに結合して環を形成してもよい。R1とR2はそれぞれ有機基を表す。Arはヘテロ原子を含んでいてもよいアリール基を表す。)
  16. 前記光硬化性組成物が、請求項1〜8のいずれか1項に記載の光硬化性組成物である、請求項15に記載の光硬化性組成物の製造方法。
  17. 一般式(I)で表される重合開始剤を含む重合開始剤組成物であって、亜鉛およびアルミニウムの含有量がそれぞれ500ppb未満である重合開始剤組成物。
    一般式(I)
    Figure 2013170227
    (一般式(I)中、RaおよびRbは、それぞれ、水素原子、ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキル基、または、ヘテロ原子を含んでいてもよいアリール基を表す。RaとRbは互いに結合して環を形成してもよい。R1とR2はそれぞれ有機基を表す。Arはヘテロ原子を含んでいてもよいアリール基を表す。)
  18. 前記亜鉛およびアルミニウムの含有量がそれぞれ300ppb未満である請求項17に記載の重合開始剤組成物。
  19. 請求項9に記載のパターン形成方法を含む、半導体デバイスの製造方法。
  20. 請求項19に記載の半導体デバイスの製造方法により製造された半導体デバイス。
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