JP6429637B2 - 容器 - Google Patents
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Description
容器に食材を収容した後、蓋を鍔部に装着して容器内を密封する。さらに、この食材を収容した容器を加熱殺菌、例えばボイル殺菌し、市場に出荷する。このように加熱殺菌することにより、食材の長期保存が可能となる。
上記不都合への対策として、容器に補強リブを形成したり容器を厚肉することにより、加熱殺菌時の容器の膨張を抑制し、冷却の過程で密閉空間内が負圧になるのを抑制しているが、コストが嵩む。
特許文献2では、容器の可撓性部が冷却時に収縮する過程で、縦に延びる凹部を仕切る稜線部で局所的な凹みが生じる可能性がある。
特許文献3では、多数の小さな三角形の面部で構成された胴部では冷却時の体積減少が比較的小さく、そのため負圧軽減効果が十分でなく、胴部と底部との境で局所的な凹部が生じる可能性がある。
上記胴部の少なくとも一部が変形予定領域として提供され、この変形予定領域には横に延びる主谷折れ罫線が形成され、これにより上記変形予定領域は、上記主谷折れ罫線から上記底部の周縁部に至る第1面部と、上記主谷折れ罫線から上記開口周縁部に至る第2面部を有し、これら第1面部と第2面部が上記開口周縁部と底部周縁部を結ぶ仮想直線から径方向、内側に配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、変形予定領域において、第1面部、第2面部のみならず、第1、第2の副谷折れ罫線の近傍部も含めて膨張領域を広げることができるため、元の形状に収縮する過程で、体積減少をより多く負担でき、負圧抑制効果をさらに高めることができる。その結果、局所的凹部の発生をより一層確実に回避することができる。
この構成によれば、主谷折れ罫線と主山折れ罫線の接続により、安定した形状復元性を得ることができる。
この構成によれば、変形予定領域において、第1面部、第2面部のみならず片側に位置する副面部も加熱時に膨張し、冷却時に元の形状へと戻るため、冷却時の体積減少をより多く負担でき、負圧抑制効果をさらに高めることができる。その結果、局所的凹部の発生をより一層確実に回避することができる。
この構成によれば、変形予定領域において、第1面部、第2面部のみならず両側に位置する副面部も加熱時に膨張し、冷却時に元の形状へと戻るため、冷却時の体積減少をより多く負担でき、負圧抑制効果をさらに高めることができる。その結果、局所的凹部の発生をより一層確実に回避することができる。
この構成によれば、胴部における収縮時の体積減少機能を最大限発揮することができ、負圧による局所的凹部の発生をより一層確実に回避することができる。
この構成によれば、胴部のみならず底部でも体積減少機能を発揮することができ、負圧による局所的凹部の発生をより一層確実に回避することができる。
なお、本実施形態では、上記辺19a,19b,19cは直線状をなし、上記辺29cも直線状をなしているが、辺29a、29bは湾曲している。
最も面積が大きな一対の変形予定領域20A,20Aは、その下縁および上縁が上記辺19a,29aで構成され、胴部20の横断面形状の短軸方向に対峙している。
最も面積が小さな一対の変形予定領域20B,20Bは、その下縁および上縁が上記辺19b,29bで構成され、胴部20の横断面形状の長軸方向に対峙している。
中間の面積を有する4つの変形予定領域20Cは、その下縁および上縁が上記辺19c、29cで構成され、それぞれ変形予定領域20Aと変形予定領域20Bの間に配置されている。
山折れ罫線21の下端は上記辺19a,19cの交点P1または辺19b,19cの交点P2に位置し、上端は辺29a,29cの交点P3または辺29b,29cの交点P4に位置する。
上記谷折れ罫線24aも開口周縁部29に向かうにしたがって谷折れ罫線22aから遠ざかるように傾斜し、上記辺29a、29cの交点P3(山折れ罫線21の上端)に至る。
なお、上記山折れ罫線26aは無くてもよい。この場合には変形予定領域20Aの両側に谷折れ形成23a,24aと山折れ罫線21によって囲まれた連続した副面部が形成されることになる。
これにより、変形予定領域20Bは、谷折れ罫線22bと左右一対の谷折れ罫線23b,23bと辺19bに囲われた第1面部25x’と、谷折れ罫線22bと左右一対の谷折れ罫線24b,24bと辺29bに囲われた第2面部25y’とを有している。図3に示すように、上記第1面部25x’、第2面部25y’は、開口周縁部29の辺29bと底部10の周縁部の辺19bを結ぶ仮想直線Sbから、径方向内側に配置されている。
さらに変形予定領域20Bは、その両側に、谷折れ罫線23bと山折れ罫線21の第1線部21xと山折れ罫線26bで囲まれた副面部27x’と、谷折れ罫線24bと山折れ罫線21の第2線部21yと山折れ罫線26bで囲まれた副面部27y’とを有している。
なお、変形予定領域20Aと同様に、変形予定領域20Bの山折れ罫線26bを省いてもよい。
谷折れ罫線22a,22b,22c,屈曲点P5、交点P6は同じ高さにあり、中心軸線Lと直交する平面上にある。
本実施形態では、蓋2が鍔部30に熱融着される。この際、上記鍔部30の突条31aを押し潰しながら熱融着されるので、蓋2は鍔部30に強く融着される。
底部1では、谷折れ罫線16が交差角度を増大させながら下方に移動し、平坦部12、テーパ部13が下方に膨らむ。
加熱殺菌後に、食材を収容した容器1は出荷される。ユーザーは、容器1の凹部33に位置する蓋2の角部を掴んで引き剥がすことができる。
図6、図7に示す実施形態では、容器1の底部10が略正六角形状をなし、胴部20の開口周縁部29は底部10より大きな略正六角形をなしている。
底部10の周縁部の各辺19aとこれに対応する胴部20の開口周縁部29の辺29aは平行をなしている。
鍔部30の外周は円形をなし、蓋のつまみ部に対応する箇所に突出部35を有している。
本実施形態では、底部10はテーパ部13を有さないが、第1実施形態と同様に形成してもよい。
各変形予定領域20A’には、横に延びる谷折れ罫線22aが形成されている。この谷折れ罫線22aの一端は山折れ罫線21の屈曲点P5に位置し、他端は谷折れ罫線23a,24aの交点P6に位置している。その結果、変形予定領域20A’は、第1面部25x、第2面部25yを有するとともに、副面部27x、27yを有している。
前記実施形態のように食材を容器に収容し密封した後でボイル殺菌する他、窯で加熱、加圧することによりレトルト殺菌してもよい。さらに、加熱殺菌された食材を容器に熱間充填し密封後に冷却してもよい。
容器に収容される内容物は食材でなくてもよい。
2 蓋
10 底部
12 平坦部
13 テーパ部
16 谷折れ罫線
20 胴部
20A,20B,20C,20A’ 変形予定領域
21 山折れ罫線(主山折れ罫線)
21x 第1線部
21y 第2線部
22a〜22c 谷折れ罫線(主谷折れ罫線)
23a,23b 谷折れ罫線(第1の副谷折れ罫線)
24a,24b 谷折れ罫線(第2の副谷折れ罫線)
25x、25x’、28x 第1面部
26a,26a’、26b 山折れ罫線(副山折れ罫線)
25y、25y’、28y 第2面部
27x、27x’、27y、27y’ 副面部
29 開口周縁部
30 鍔部
P5 屈曲点
P6 交点
Claims (9)
- 樹脂シートを成形することにより得られ、底部と、この底部に連なる胴部と、この胴部の開口周縁部から径方向、外方向に突出する環状の鍔部とを一体に有する容器において、
成形された状態において、上記胴部の少なくとも一部が変形予定領域として提供され、この変形予定領域には横に延びるとともに外側から見て谷をなすように折られた主谷折れ罫線が形成され、これにより上記変形予定領域は、上記主谷折れ罫線から上記底部の周縁部に至る第1面部と、上記主谷折れ罫線から上記開口周縁部に至る第2面部を有し、これら第1面部と第2面部が上記開口周縁部と底部周縁部を結ぶ仮想直線から径方向、内側に配置されていることを特徴とする容器。 - 上記変形予定領域において、上記主谷折れ罫線の少なくとも一端から上記底部の周縁部に向かうとともに外側から見て谷をなすように折られた第1の副谷折れ罫線と、上記主谷折れ罫線の上記一端から上記開口周縁部に向かうとともに外側から見て谷をなすように折られた第2の副谷折れ罫線が形成され、これら第1、第2の副谷折れ罫線が、上記底部の周縁部、上記開口周縁部にそれぞれ向かうにしたがって上記主谷折れ罫線の上記一端から離れるように傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の容器。
- 上記変形予定領域の両側に、上記変形予定領域を区画して縦に延びるとともに外側から見て山をなすように折られた主山折れ罫線が形成され、
上記主山折れ罫線が、中間で折れ曲がり、上記底部側の第1線部と上記開口周縁部側の第2線部を有し、
上記主山折れ罫線の屈曲点が、上記主山折れ罫線の両端を結ぶ仮想直線に対して径方向内方向または周方向に偏倚していることを特徴とする請求項1に記載の容器。 - 上記変形予定領域において、上記主谷折れ罫線の両端が上記主山折れ罫線の屈曲点に位置することを特徴とする請求項3に記載の容器。
- 上記変形予定領域において、上記主谷折れ罫線の一端が上記主山折れ罫線の屈曲点に位置し、上記主谷折れ罫線の他端と上記主山折れ罫線の両端とをそれぞれ結ぶとともに外側から見て谷をなすように折られた第1、第2の副谷折れ罫線が形成され、これにより上記変形予定領域はその一側に、上記主山折れ罫線と上記第1、第2の副谷折れ罫線とで囲まれた副面部を有することを特徴とする請求項3に記載の容器。
- 上記変形予定領域において、上記主谷折れ罫線の一端と上記主山折れ罫線の両端とをそれぞれ結ぶとともに外側から見て谷をなすように折られた第1、第2の副谷折れ罫線が形成されるとともに、上記主谷折れ罫線の他端と上記主山折れ罫線の両端とをそれぞれ結ぶ他の第1、第2の副谷折れ罫線が形成され、これにより上記変形予定領域はその両側に、上記主山折れ罫線と上記第1、第2の副谷折れ罫線とで囲まれた副面部を有することを特徴とする請求項3に記載の容器。
- 上記主谷折れ罫線と上記第1、第2の副谷折れ罫線の交点と、上記主山折れ罫線の屈曲点との間に外側から見て山をなすように折られた副山折れ罫線が形成され、この副山折れ罫線により、上記副面部が上下に区分けされて2つ形成されていることを特徴とする請求項5または6に記載の容器。
- 上記胴部の全周にわたって上記変形予定領域が複数並べられ、隣接する変形予定領域が上記主山折れ罫線により区分けされ、
上記隣接する変形予定領域の一方の変形予定領域では、上記主谷折れ罫線の一端が上記隣接する変形予定領域間に位置する上記主山折れ罫線の屈曲点に位置し、
上記隣接する変形領域の他方の変形予定領域では、上記主谷折れ罫線の一端と上記主山折れ罫線の両端とをそれぞれ結ぶとともに外側から見て谷をなすように折られた第1、第2の副谷折れ罫線が形成され、これにより上記他方の変形予定領域は、上記主山折れ罫線と上記第1、第2の副谷折れ罫線とで囲まれた副面部を有することを特徴とする請求項3に記載の容器。 - 上記底部は、その周縁部から中央に向かって高くなるテーパ部と、中央の平坦部とを有し、これらテーパ部と平坦部との境には外側から見て谷をなすように折られた環状の谷折れ罫線が形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の容器。
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