JP6429129B2 - ロータの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、回転電機の構成部品であるロータの製造方法に関し、とくに、ロータコアに磁石を一体化したロータの製造方法に関するものである。
従来におけるロータの製造方法としては、例えば特許文献1に記載されているものがあった。特許文献1に記載のロータの製造方法は、電磁鋼板を積層して成るロータコアのスロット内に、2液常温硬化型接着剤の主剤と硬化剤とを交互に塗布した後、スロットに永久磁石を挿入して主剤及び硬化剤に埋没させ、これに伴って主剤と硬化剤を混合させてスロット内に永久磁石を固着するものである。
特開2011−172347号公報
しかしながら、上記したような従来のロータの製造方法では、ロータコアのスロット内に主剤及び硬化剤を交互に塗布することから、接着剤の硬化反応が早期に現れることになり、永久磁石の挿入作業を速やかに行う必要がある。このため、製造設備が緊急停止した場合に、組立中のロータを廃却品にせざるを得なくなる可能性が高く、また、交互に塗布した主剤及び硬化剤に永久磁石を挿入するだけでは、双方の混合が充分であるとは言い難いなどの問題点があり、これらの問題点を解決することが課題であった。
本発明は、上記従来の課題に着目して成されたものであって、2液硬化型接着剤の硬化反応が組立の最終段階で開始されるようにして、製造設備の緊急停止により生じる廃却品の低減を実現すると共に、第1液と第2液の混合性の向上、これに伴う接着強度の向上を図ることができるロータの製造方法を提供することを目的としている。
本発明に係わるロータの製造方法は、積層した複数のロータ鋼板を積層方向にかしめて互いに固着して成るロータコアと、ロータコアの周方向に所定間隔で形成したスロットに挿入された磁石とを備えたロータを製造する方法である。そして、ロータの製造方法は、ロータ鋼板の積層工程において、同層又は異層のロータ鋼板に、2液硬化型接着剤の第1液及び第2液を互いに離間する配置で供給し、スロットに磁石を挿入した後、積層したロータ鋼板を積層方向に加圧するのに伴って、第1液及び第2液をロータ鋼板の間からスロット内に流出させて混合し、混合した第1液及び第2液によりスロット内に磁石を固着させることを特徴としている。
上記構成において、ロータ鋼板の積層工程では、同層(同一)のロータ鋼板に、2液硬化型接着剤の第1液及び第2液を互いに離間する配置で供給しても良いし、異層(個別)のロータ鋼板に、第1液及び第2液を選択的に供給することで、ロータ鋼板を介して第1液と第2液が互いに離間する配置としても良い。2液硬化型接着剤の第1液と第2液は、主剤(又は硬化剤)と、硬化剤(又は主剤)であり、一例として2液常温硬化型の接着剤である。
また、ロータ鋼板は、積層後、その積層方向にかしめて互いに固着されるものであるから、積層した状態では、隣接するロータ鋼板との間にかしめ代に相当する隙間が形成され、その隙間に2液硬化型接着剤の第1液及び第2液が介在している。このため、ロータ鋼板を積層した状態では、第1液及び第2液は、供給された位置に留まり、互いに接触して硬化反応を生じることはない。
本発明に係わるロータの製造方法では、ロータ鋼板の積層工程において、同層又は異層のロータ鋼板に、2液硬化型接着剤の第1液及び第2液を互いに離間する配置で供給することから、第1液及び第2液が同一面上や積層方向に交互に配置され、加圧時における双方の接触が多数箇所で行われる。また、ロータの製造方法では、ロータコアのスロットに磁石を挿入した後、積層したロータ鋼板を積層方向に加圧するのに伴って、2液硬化型接着剤の第1液と第2液の混合が行われるので、2液硬化型接着剤の硬化反応が組立の最終段階で開始される。
これにより、ロータの製造方法によれば、組立中に2液硬化型接着剤の硬化反応が開始されることがないので、製造設備が緊急停止した場合でも、廃却品の低減を実現することができると共に、第1液及び第2液が交互に配置されて双方の接触が多数箇所で行われるので、第1液と第2液の混合性が向上し、これに伴って接着強度の向上を図ることができる。
本発明に係わるロータの製造方法の第1実施形態を説明するロータコアの平面図(A)、ロータコアの断面図(B)、及びシャフト取付後の断面図(C)である。 ロータ鋼板の積層工程に用いられる接着剤の供給装置を説明する各々斜視正面図(A)〜(C)、図Aに対応する下段側のロータ鋼板の平面図(D)、図Cに対応する上段側のロータ鋼板の平面図(E)である。 ロータ鋼板の積層後の状態を示す断面図(A)、スロットに磁石を挿入する状態を示す断面図(B)、加圧前の状態を示すロータの部分拡大図付きの断面図(C)、加圧後の状態を示すロータの部分拡大図付きの断面図(D)、及び加圧後の状態を説明するロータコアの平面図(E)である。 本発明に係わるロータの製造方法の第2実施形態を説明する下段側のロータ鋼板の平面図(A)、及び上段側のロータ鋼板の平面図(B)である。 本発明に係わるロータの製造方法の第3実施形態を説明するロータ鋼板の平面図及び断面図(A)、下段側のロータ鋼板の平面図(B)、上段側のロータ鋼板の平面図(C)、加圧前の要部を示す断面図(D)、及び加圧後の要部を示す断面図(E)である。 本発明に係わるロータの製造方法の第4実施形態において、第1液の供給装置を示す斜視正面図(A)、第2液の供給装置を示す正面図(B)、スロットに磁石を挿入する状態を示す断面図(C)、加圧前の要部を示す断面図(D)、及び加圧後の要部を示す断面図(E)である。
〈第1実施形態〉
図1に示すロータRは、積層した複数のロータ鋼板Pを積層方向にかしめて互いに固着して成るロータコアCと、ロータコアCの周方向に所定間隔で形成した外側及び内側のスロットS1,S2に挿入された磁石Mとを備えている。図示例のロータRは、8極を有し、1極あたり3個の磁石Mを備えた構造である。
ロータ鋼板Pは、円形状を成しており、その中心に配置した円形のシャフト用開口部H1と、周方向に所定間隔で配置した外側及び内側のスロット用開口部H2,H3とを有している。図示例のロータ鋼板Pは、外周部に沿って8個の外側スロット用開口部H2が等間隔で形成してあると共に、これらよりもロータ中心側に、個々の外側スロット用開口部H2に対して夫々2つずつ(合計16個)の内側スロット用開口部H3が所定間隔で形成してある。1極を構成する2つの内側スロット用開口部H3は、外側スロット用開口部H2の中心線に対して内向きに傾斜して配置されている。
ロータ鋼板Pは、複数枚積層した状態において、シャフト用開口部H1が互いに連通してシャフト取付孔SHを形成し、また、外側及び内側のスロット用開口部H2,H3が互いに連通して外側スロットS1及び内側スロットS2を形成する。
さらに、図1(C)に示すロータRは、図1(A)(B)に示すロータコアCを2つ積層し、その両端面にエンドプレートE1,E2を設けると共に、シャフト取付孔SHにシャフトSTを貫通状態に設け、このシャフトSTに対して、ロータコアCの両端面を保持する一対のリテーナR1,R2を圧入した構造になっている。
次に、図2及び図3に基づいて、ロータRの製造方法を説明する。
図2(A)〜(C)は、ロータ鋼板Pの積層工程で用いられる2液硬化型接着剤の供給装置を説明する図である。供給装置1は、積層治具11に配置されたロータ鋼板Pに対して2液硬化型接着剤の主剤である第1液と、硬化剤である第2液を供給する。接着剤は、一例として2液常温硬化型である。また、上記とは逆に、第1液を硬化剤とし、第2液を主剤としても構わない。
供給装置1は、固定フレーム2に対して垂直方向に移動可能な昇降体3と、昇降体3に対して水平方向に移動可能であり且つ下端部に吐出用ノズルを有する第1及び第2の供給ガン4A,4Bとを備えており、第1供給ガン4Aで第1液を供給し、第2供給ガン4Bで第2液を供給する。
積層治具11は、供給装置1の下側に配置され、垂直軸回りに回転駆動される基台12と、基台12の中心に立設した支持軸13とを備えている。ロータ鋼板Pは、積層治具11において、軸用開口部H1に支持軸13を貫通させた状態にして、基板12上で保持される。
ロータRの製造方法では、ロータ鋼板Pの積層工程において、同層又は異層のロータ鋼板Pに、2液硬化型接着剤の第1液及び第2液を互いに離間する配置で供給する。この実施形態では、ロータ鋼板Pの積層工程において、積層方向に隣接するロータ鋼板P同士のうちの下段側のロータ鋼板Pにおける第1液及び第2液の夫々の供給位置と、上段側のロータ鋼板Pにおける第1液及び第2液の夫々の供給位置とを相対的に異ならせることにより、 第1液及び第2液を互いに離間する配置で供給する。
具体的には、図2(A)に示すように、積層治具11に最下段のロータ鋼板Pをセットした後、第1供給ガン4Aをロータ鋼板Pの外周部、すなわち外側スロット用開口部H2の近傍位置に合わせる。また、第2供給ガン4Bを内側スロット用開口部H3のロータ外周端と内周端との間に合わせる。
そして、積層治具11とともにロータ鋼板Pを一方向に回転させながら、第1及び第2の供給ガン4A,4Bにより、長破線で示す第1液F1と、短破線で示す第2液F2とを同時に供給する。この際、第1及び第2の供給ガン4A,4Bは、ロータ鋼板Pの各スロット用開口部H2,H3の位置では、第1液F1及び第2液F2の供給を一時停止し、ロータ鋼板P上のみに第1液F1及び第2液F2を供給する。
これにより、図2(D)に示すように、ロータ鋼板P上には、外側及び内側のスロット用開口部H2,H3の配列方向に沿って、外側に第1液F1が供給されると共に、内側に第2液F2が供給される。つまり、第1液F1及び第2液F2は、互いに半径方向に離間した同心円上に供給される。
その後、図2(B)に示すように、積層治具11には、次のロータ鋼板Pがセットされる。この際、供給装置1は、ロータ鋼板Pのセットに邪魔にならないように、供給ガン4A,4Bを上方向及び横方向に移動させる。
次のロータ鋼板Pに対しては、図2(C)に示すように、第1供給ガン4Aを内側スロット用開口部H3のロータ外周端と内周端との間に合わせると共に、第2供給ガン4Bをロータ鋼板Pの外周部に合わせて、第1液F1及び第2液F2を同時に供給する。これにより、図2(E)に示すように、ロータ鋼板P上には、外側に第2液F2が供給され、内側に第1液F1が供給される。
そして、ロータRの製造方法は、図2(A)〜(C)に示す動作を繰り返して、ロータ鋼板Pの積層とともに第1液F1及び第2液F2の供給を行い、これにより、積層方向に隣接するロータ鋼板P同士では、図2(D)に示す下段側のロータ鋼板Pに対する第1液F1及び第2液F2の供給位置と、図2(E)に示す上段側のロータ鋼板Pに対する第1液F1及び第2液F2の供給位置とが相対的に異なるものとなる。なお、選択するロータ鋼板P同士によっては、図2(D)(E)の上下関係が逆になる場合もあるが、供給位置が相対的に異なることに変わりはない。
ここで、ロータ鋼板Pは、積層後、その積層方向にかしめて互いに固着されるものであるから、積層した状態では、隣接するロータ鋼板Pとの間にかしめ代に相当する隙間が形成される。具体的には、ロータ鋼板Pは、図2(A)〜(C)に示すように、シャフト用開口部H1の周囲に沿って、所定間隔でかしめ部Kを有している。このかしめ部Kは、例えば、表裏反転形状となる凹凸であって、積層したロータ鋼板Pを加圧することで相対向する凹凸同士を強制的に嵌合し、ロータ鋼板P同士を固着させるものである。
このため、積層したロータ鋼板P同士の間には、図2(C)に示すように、かしめ部Kによる隙間Aが形成され、その隙間Aに第1液F1及び第2液F2が介在している。よって、第1液F1及び第2液F2は、供給された位置に留まり、互いに接触して硬化反応を生じることはない。なお、第1液F1及び第2液F2は、ロータ鋼板Pの加圧に伴って外側及び内側のスロットS1,S2に流出し得るように、上記隙間Aの大きさや互いの供給位置、スロットS1,S2と磁石Mとの隙間の容積などを勘案して、夫々の供給量が設定される。
次に、ロータRの製造方法では、上記の如くロータ鋼板Pを積層して、図3(A)に示すロータコア(加圧前の積層体)Cを形成した後、図3(B)に示すように、各スロットS1,S2に磁石Mを挿入する。
その後、ロータRの製造方法では、積層したロータ鋼板Pを積層方向に加圧するのに伴って、第1液F1及び第2液F2をロータ鋼板Pの間から各スロットS1,S2内に流出させて混合し、混合した第1液及び第2液によりスロットS1,S2内に磁石Mを固着させる。
この際、積層したロータ鋼板Pを積層方向に加圧するには、図示しない加圧装置を用いて直接加圧することも可能であるが、この実施形態では、図3(C)及び(D)に示すように、シャフト取付孔SHに貫通させたシャフトSTに対して、ロータコアCの両端面を保持する一対のリテーナR1,R2を圧入することにより、積層したロータ鋼板Pを積層方向に加圧するものとしている。
加圧前のロータコアCでは、図3(C)中の拡大図に示すように、ロータ鋼板P同士の間に、前記かしめ部Kによる隙間Aが形成され、第1液F1及び第2液F2が互いに接触することなく介在している。このロータコアCをロータ鋼板Pの積層方向に加圧すると、隙間Aが圧縮されるのに伴って、第1液F1及び第2液F2がロータ鋼板Pの間から各スロットS1,S2内にはみ出すように流出する。
これにより、第1液F1と第2液F2が混合されて、図3(D)中の拡大図及び図3(E)に示すように、接着剤として機能する混合液F3を生成し、予め挿入した磁石MをスロットS1,S2内に固着する。その後、ロータRは、必要に応じて、外側にはみ出した接着剤の除去等を行い、完成することとなる。
このように、上記実施形態で説明したロータRの製造方法では、ロータ鋼板Pの積層工程において、同層又は異層のロータ鋼板Pに、2液硬化型接着剤の第1液F1及び第2液F2を互いに離間する配置で供給することから、第1液F1及び第2液F2が同一面上や積層方向に交互に配置され、加圧時における双方の接触が多数箇所で行われる。
また、ロータの製造方法では、ロータコアCのスロットS1,S2に磁石Mを挿入した後、積層したロータ鋼板Pを積層方向に加圧するのに伴って、第1液F1と第2液F2の混合が行われるので、2液硬化型接着剤の硬化反応が組立の最終段階で開始される。
上記のロータRの製造方法によれば、ロータコアC及び磁石Mの組立中に2液硬化型接着剤の硬化反応が開始されることがないので、製造設備が緊急停止した場合でも、廃却品の低減を実現することができる。また、第1液F1及び第2液F2が交互に配置されて加圧時における双方の接触が多数箇所で行われるので、第1液F1と第2液F2の混合性が向上し、これに伴って接着強度の向上を図ることができる。
しかも、上記のロータRの製造方法では、第1液F1及び第2液F2を個別の供給ガン4A,4Bで供給するので、例えば2液混合ノズルを用いる場合に比べて、供給装置のメンテナンスが容易である。
さらに、上記実施形態では、積層方向に隣接するロータ鋼板P同士のうちの下段側のロータ鋼板Pにおける第1液F1及び第2液F2の夫々の供給位置と、上段側のロータ鋼板Pにおける第1液F1及び第2液F2の夫々の供給位置とを相対的に異ならせている。これにより、加圧時における第1液F1及び第2液F2の接触箇所がより多くなり、第1液F1と第2液F2の混合性や接着強度のさらなる向上を実現することができる。
さらに、上記実施形態では、ロータ鋼板Pのスロット用開口部H2,H3の配列方向に沿って、第1液F1又は第2液F2を供給することから、第1液F1及び第2液F2がスロットRSに流出し易くなり、双方の混合が良好に行われると共に、接着剤の節減にも貢献することができる。また、上記実施形態では、図3(D)中の拡大図に示すように、ロータ鋼板P同士の間にも第1液F1と第2液F2の混合液F3を生成するので、混合液F3によってもロータ鋼板P同士が固着される。これにより、ロータ鋼板P同士の固着強度も向上し、全体としてロータRの捩り固有値を向上させることができる。
さらに、上記実施形態では、シャフト取付孔SHに貫通させたシャフトSTに対して、ロータコアCの両端面を保持する一対のリテーナR1,R2を圧入することにより、積層したロータ鋼板Pを積層方向に加圧することから、ロータコアCの専用の加圧工程が不要である。つまり、既存の組立装置を使用して、リテーナR1,R2を一体化したロータRが完成するので、製造時間の短縮化や製造コストの低減などに貢献することができる。
さらに、本発明に係わるロータの製造方法では、ロータ鋼板Pの積層工程において、2液硬化型接着剤の第1液及び第2液を互いに離間する配置で供給するに際し、積層方向に隣接するロータ鋼板P同士のうちの下段側のロータ鋼板に第1液F1のみを供給し、上段側のロータ鋼板Pに第2液F2のみを供給することもできる。
すなわち、当該ロータの製造方法は、上記実施形態のように、同層(同一)のロータ鋼板Pに、2液硬化型接着剤の第1液F1及び第2液F2を互いに離間する配置で供給しても良いし、異層(個別)のロータ鋼板Pに、第1液F1及び第2液F2を選択的に供給することで、ロータ鋼板Pを介して第1液F1と第2液F2が互いに離間する配置としても良い。いずれの場合でも、製造設備の緊急停止を起因とする廃却品の低減や、第1液F1と第2液F2の混合性及び接着強度の向上を図ることができる。
図4〜図6は、本発明に係わるロータの製造方法の第2〜第4の実施形態を説明する図である。以下の各実施形態において、第1実施形態と同一の構成部位は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
〈第2実施形態〉
図4に示すロータRの製造方法では、第1実施形態と同様に、ロータ鋼板Pの積層工程において、図4(A)に示す下段側のロータ鋼板Pにおける第1液F1及び第2液F2の夫々の供給位置と、図4(B)に示す上段側のロータ鋼板Pにおける第1液F1及び第2液F2の夫々の供給位置とを相対的に異ならせている。これにより、第1液F1及び第2液F2を互いに離間する配置で供給している。
より具体的には、スロット用開口部H2,H3の縁部に沿って、第1液F1又は第2液F2を供給しており、図4(A)に示す下段側のロータ鋼板Pに対しては、外側スロット用開口部H2のロータ内周側の縁部に沿って第1液F1を供給すると共に、内側スロット用開口部H3のロータ外周側の縁部に沿って第2液F2を供給する。
これに対して、図4(B)に示す上段側のロータ鋼板Pに対しては、外側スロット用開口部H2のロータ内周側の縁部に沿って第2液F2を供給すると共に、内側スロット用開口部H3のロータ外周側の縁部に沿って第1液F1を供給する。
上記の2液硬化型接着剤の供給には、図2に示す供給装置1及び積層治具11を用いることができる。外側スロット用開口部H2の縁部には、同開口部H2の長手方向が周方向に沿っているので、供給ガン4A(4B)を定位置にし、積層治具11を回転させて第1液F1(又は第2液F2)供給する。他方、内側スロット用開口部H3の縁部には、同開口部H3の長手方向が周方向に対して傾斜しているので、積層治具11を回転させつつ供給ガン4A(4B)を水平方向に移動させて第1液F1(又は第2液F2)供給する。
上記のロータRの製造方法では、第1実施形態と同様に、製造設備の緊急停止を起因とする廃却品の低減や、第1液F1と第2液F2の混合性及び接着強度の向上を図ることができる。
また、上記のロータRの製造方法では、スロット用開口部H2,H3の縁部に沿って、第1液F1又は第2液F2を供給することから、第1液F1及び第2液F2がスロットRSに流出し易くなり、双方の混合が良好に行われると共に、接着剤の節減にも貢献することができる。
さらに、上記のロータRの製造方法では、とくに、外側スロット用開口部H2のロータ内周側の縁部に沿って、第1液F1又は第2液F2を供給することから、ロータコアCの外周部への第1液F1及び第2液F2のはみ出しが防止され、後に接着剤の除去作業を行う必要がないので、製造時間の短縮化や低コスト化に貢献することができる。
〈第3実施形態〉
図5に示すロータRの製造方法では、同図5(A)に示すように、各ロータ鋼板Pが、その表面に、かしめにより圧潰可能な2本の溝部G1,G2を同心円状に有している。
そして、ロータRの製造方法では、図5(B)に示す下段側のロータ鋼板Pに対しては、一方(外側)の溝部G1に第1液F1を供給すると共に、他方(内側)の溝部G2に第2液F2を供給する。また、図5(C)に示す上段側のロータ鋼板Pに対しては、一方(外側)の溝部G1に第2液F2を供給すると共に、他方(内側)の溝部G2に第1液F1を供給する。
これにより、図5(D)に示すように、積層方向に隣接するロータ鋼板P同士において、下段側のロータ鋼板Pに対する第1液F1及び第2液F2の夫々の供給位置と、上段側のロータ鋼板Pに対する第1液F1及び第2液F2の夫々の供給位置とを相対的に異ならせている。
上記のロータRの製造方法では、積層したロータ鋼板Pをその積層方向に加圧すると、図5(E)に示すように、両溝部G1,G2が圧潰されて平坦状になると共に、第1液F1と第2液F2が混合され、接着剤として機能する混合液F3が生成される。
上記のロータRの製造方法では、先の各実施形態と同様に、製造設備の緊急停止を起因とする廃却品の低減や、第1液F1と第2液F2の混合性及び接着強度の向上を図ることができるほか、第1液F1及び第2液F2の供給及び保持が安定的に行われる。
また、上記のロータRの製造方法では、ロータ鋼板P同士の間にも混合液F3を生成するので、ロータ鋼板P同士の固着強度も向上し、全体としてロータRの捩り固有値を向上させることができる。さらに、上記のロータRの製造方法では、ロータコアCの外周部への第1液F1及び第2液F2のはみ出しが防止され、後に接着剤の除去作業を行う必要がないので、製造時間の短縮化や低コスト化に貢献することができる。
〈第4実施形態〉
図6に示すロータRの製造方法は、積層方向に隣接するロータ鋼板P同士の間に、2液硬化型接着剤の第1液F1を供給すると共に、磁石Mの表面に、前記2液硬化型接着剤の第2液F2を供給する。
第1液F1の供給には、図6(A)に示す供給装置1と積層治具11が用いられる。この供給装置1は、第1実施形態(図2参照)と同様の基本構成を有し、固定フレーム2に対して上下動可能な昇降体3に、第1液F1を供給するための1つの供給ガン4Aを水平移動可能に備えたものである。
第2液F2の供給には、図6(B)に示す供給装置21が用いられる。この供給装置21は、第1液F1のものと同様に、固定フレーム2に対して垂直方向に移動可能な昇降体3と、昇降体3に対して水平方向に移動可能な一対の供給ガン4B,4Bとを備えており、両供給ガン4B,4Bが、相手側に向けて屈曲した吐出用ノズルを有している。そして、供給装置21は、図示しない治具上にセットした磁石Mに対し、その両面側に供給ガン4B,4Bを配置し、昇降体3を上昇又は下降させながら磁石Mの表面に第2液F2を供給する。
そして、この実施形態のロータRの製造方法では、図6(C)及び(D)に示すように、ロータ鋼板Pを積層してなるロータコアCのスロットS1,S2に、第2液F2が付着した磁石Mを挿入した後、ロータコアCを加圧する。これにより、第1液F1をロータ鋼板Pの間からスロットS1,S2内に流出させて、図6(E)に示すように、磁石Mの表面の第2液F2と混合して接着剤として機能する混合液F3を生成し、その混合液F3によりスロットS1,S2内に磁石Mを固着させる。
上記のロータRの製造方法では、先の各実施形態と同様に、製造設備の緊急停止を起因とする廃却品の低減や、第1液F1と第2液F2の混合性及び接着強度の向上を図ることができるほか、第1液F1と第2液F2の混合位置及び混合面積を精度良く制御することができる。
本発明に係わるロータの製造方法は、その構成の細部が上記各実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で具体的な構成を適宜変更することが可能であり、上記各実施形態の構成の一部を組み合わせることも可能である。また、上記各実施形態では、外側及び内側の磁石を備えた構成を例示したが、周方向に単列で磁石を備えた構成でも良い。
C ロータコア
F1 第1液
F2 第2液
G1,G2 溝部
H1 シャフト用開口部
H2,H3 スロット用開口部
M 磁石
P ロータ鋼板
R ロータ
R1,R2 リテーナ
S1,S2 スロット
SH シャフト取付孔

Claims (9)

  1. 積層した複数のロータ鋼板を積層方向にかしめて互いに固着して成るロータコアと、ロータコアの周方向に所定間隔で形成したスロットに挿入された磁石とを備えたロータを製造するに際し、
    ロータ鋼板の積層工程において、同層又は異層のロータ鋼板に、2液硬化型接着剤の第1液及び第2液を互いに離間する配置で供給し、
    スロットに磁石を挿入した後、
    積層したロータ鋼板を積層方向に加圧するのに伴って、第1液及び第2液をロータ鋼板の間からスロット内に流出させて混合し、
    混合した第1液及び第2液によりスロット内に磁石を固着させることを特徴とするロータの製造方法。
  2. ロータ鋼板の積層工程において、
    積層方向に隣接するロータ鋼板同士のうちの下段側のロータ鋼板における第1液及び第2液の夫々の供給位置と、上段側のロータ鋼板における第1液及び第2液の夫々の供給位置とを相対的に異ならせることにより、
    第1液及び第2液を互いに離間する配置で供給することを特徴とする請求項1に記載のロータの製造方法。
  3. ロータ鋼板の積層工程において、
    積層方向に隣接するロータ鋼板同士のうちの下段側のロータ鋼板に第1液を供給し、上段側のロータ鋼板に第2液を供給することにより、
    2液硬化型接着剤の第1液及び第2液を互いに離間する配置で供給することを特徴とする請求項1に記載のロータの製造方法。
  4. 各ロータ鋼板が、積層状態で互いに連続してスロットを形成するスロット用開口部を周方向に所定間隔で有し、
    スロット用開口部の配列方向に沿って、第1液又は第2液を供給することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のロータの製造方法。
  5. スロット用開口部の縁部に沿って、第1液又は第2液を供給することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のロータの製造方法。
  6. スロット用開口部のロータ内周側の縁部に沿って、第1液又は第2液を供給することを特徴とする請求項5に記載のロータの製造方法。
  7. 各ロータ鋼板が、その表面に、かしめにより圧潰可能な2本の溝部を同心円状に有し、一方の溝部に第1液を供給すると共に、他方の溝部に第2液を供給することを特徴とする請求項2に記載のロータの製造方法。
  8. 各ロータ鋼板が、その中心に、積層状態で互いに連続してシャフト取付孔を形成するシャフト用開口部を有し、
    積層したロータ鋼板を積層方向に加圧する工程では、
    シャフト取付孔に貫通させたシャフトに対して、ロータコアの両端面を保持する一対のリテーナを圧入することにより、積層したロータ鋼板を積層方向に加圧することを特徴とする請求項1に記載のロータの製造方法。
  9. 積層した複数のロータ鋼板を積層方向にかしめて互いに固着して成るロータコアと、ロータコアの周方向に所定間隔で形成したスロットに挿入される磁石とを備えたロータを製造するに際し、
    積層方向に隣接するロータ鋼板同士の間に、2液硬化型接着剤の第1液を供給すると共に、磁石の表面に、前記2液硬化型接着剤の第2液を供給し、
    スロットに磁石を挿入した後、
    積層したロータ鋼板を積層方向に加圧するのに伴って、第1液をロータ鋼板の間からスロット内に流出させて磁石の表面に供給した第2液と混合し、
    混合した第1液及び第2液によりスロット内に磁石を固着させることを特徴とするロータの製造方法。
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