JP2016123242A - ダミーカシメを有する積層体及びその製造方法、並びに積層鉄心の製造方法 - Google Patents

ダミーカシメを有する積層体及びその製造方法、並びに積層鉄心の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ダミーカシメを有する複数の加工体が積層されてなる積層ブロックを含む積層体であって、この積層ブロックを構成する加工体と、他の加工体との境界を把握しやすく且つ当該積層体から積層鉄心を製造するに際してダミーカシメを十分容易に取り外すことができる積層体を提供する。【解決手段】本発明の積層体は、ダミーカシメをそれぞれ有する複数の加工体で構成され且つ当該ダミーカシメによって当該複数の加工体が連結されてなる第1積層ブロックと、第1積層ブロックの上に積層された少なくとも一枚のバラコアとを備える。【選択図】図4

Description

本発明は、ダミーカシメを有する積層体及びその製造方法、並びに積層鉄心の製造方法に関する。なお、本発明において、打抜き加工によって製造される複数の加工体を一時的に一体化させるのに使用され且つ製品(積層鉄心)を製造する過程において当該複数の加工体からなる積層体から取り除かれる部分を「ダミーカシメ」と称する。また、本発明において、カシメ(ダミーカシメを含む)が形成されていない加工体であって隣接する加工体と連結されない加工体を「バラコア」と称する。
積層鉄心はモーターの部品であり、所定の形状に加工された複数の電磁鋼板を積み重ね、これらを締結することによって形成される。モーターは積層鉄心からなる回転子(ロータ)及び固定子(ステータ)を備え、固定子にコイルを巻き付ける工程、回転子にシャフトを取り付ける工程などを経て完成する。積層鉄心が採用されたモーターは、従来、冷蔵庫、エアコン、ハードディスクドライブ、電動工具等の駆動源として使用され、近年ではハイブリッドカーの駆動源としても使用されている。
積層鉄心を製造する過程において上下方向で隣り合う電磁鋼板同士を締結する手段として、カシメ及び溶接が知られている。これらの締結手段はコスト及び作業効率性の点において優れ、従来、広く採用されている。一方、モーターの高いトルク、低い鉄損及び高い寸法精度を優先させる場合には、カシメ又は溶接の代わりに、樹脂材料又は接着剤を用いて電磁鋼板同士が締結されることもある。
特許文献1は、積層鉄心の製造方法であって、積層後に打抜き除去する不要な除去薄板部を半抜き状態又は完全打抜き状態で一旦打抜き加工した後に、打抜き穴内に押し戻して圧入状態で嵌合することによって形成し、この除去薄板部をかしめ結合に利用する方法を開示する。
特許第3294348号公報
特許文献1に記載の方法においては、積層鉄心14の積層方向の全体にかしめ結合部17が形成される(特許文献1の図3,4参照)。このように形成されたかしめ結合部17は取り外しが困難であるという点で改善の余地があった。
ところで、カシメのない(カシメレス)の積層鉄心を製造するには、カシメを有しない加工体(バラコア)を積層させて積層体を製造し、これを一体化させてもよい。しかし、バラコアからなる積層体は取り扱い性に難点があり、例えば、積層体を搬送する過程で積層体に衝撃が加わると積層体が崩れてしまうことがあった。また、カシメを有しない加工体(バラコア)からなる積層体は、どの加工体とどの加工体との間で転積を実施したか把握しにくいという点でも改善の余地があった。転積とは、加工体を積層させて積層体を得るに際し、既に積み重ねされている加工体の積層体と、当該積層体に新たに積み重ねる積層体との角度を相対的にずらすことをいう。転積は、主に被加工板の板厚偏差を相殺することを目的に実施される。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ダミーカシメを有する複数の加工体が積層されてなる積層ブロックを含む積層体であって、以下の(1)〜(3)の利点を有する積層体を提供することを目的とする。また本発明は、当該積層体の製造方法及び積層鉄心の製造方法を提供することを目的とする。
(1)ダミーカシメを十分容易に取り外すことができ、これによりカシメのない(カシメレス)の積層鉄心を効率的に製造できる。
(2)積層されたバラコアが崩れにくい、つまり取り扱い性に優れる。
(3)上記積層ブロックを構成する加工体と、他の加工体との境界を把握しやすい。
本発明に係る積層体は、ダミーカシメをそれぞれ有する複数の加工体を含み且つ当該ダミーカシメによって当該複数の加工体が連結されてなる第1積層ブロックと、第1積層ブロックの上に積層された少なくとも一枚のバラコアとを備える。
上記積層体によれば、ダミーカシメを有する加工体と、バラコアとを併用したことで、ダミーカシメを有する加工体で積層体の全体を構成する場合と比較し、複数のダミーカシメが積層されてなるブロック(以下、ダミーカシメブロック)の積層厚を薄くでき、積層体からダミーカシメブロックを十分容易に取り外すことができる。これによりカシメのない(カシメレス)の積層鉄心を効率的に製造できる。
上記積層体によれば、第1積層ブロックがその上に積層されるバラコアの台の役割を果たすことができる。これにより、バラコアが崩れにくい、換言すれば、積層体の取り扱い性に優れるという効果が奏される。
上記積層体によれば、第1積層ブロックと、その上に積層されるバラコアとの境界を把握しやすいという効果が奏される。この境界は目視で確認できる場合がある。仮に目視による確認が困難であっても、第1積層ブロックとバラコアとは分離可能であるから、この分離箇所を確認することで境界を把握できる。例えば、第1積層ブロックと、その上に積層されるバラコアで構成されるセグメント単位で転積をすることで、どのタイミングで転積を行ったかを把握できる。
上記積層体は、少なくとも一枚以上の上記バラコアの上に積層された第2積層ブロックを更に備えてもよい。第2積層ブロックは、ダミーカシメをそれぞれ有する複数の加工体で構成され且つ当該ダミーカシメによって当該複数の加工体が連結されてなる。上述のとおり、第1積層ブロックが台の役割を果たし、これに加え、第2積層ブロックが重しの役割を果たすことで、バラコアがより一層崩れにくい(積層体の取り扱い性が向上する)という効果が奏される。
第1積層ブロックは、第2積層ブロックよりも厚いことが好ましい。かかる構成を採用することにより、金型で打抜き加工と加工体の積層とを実施する場合、金型から積層体を排出させる準備が整う前に積層体が金型から排出されることを十分に抑制できる(図6参照)。
第1積層ブロック、バラコアのグループ及び第2積層ブロックを転積させる場合、これらは以下の構成を備えることが好ましい。すなわち、第1積層ブロック及び第2積層ブロックは、平面視において当該積層体の中心とする円の周方向に沿って並んでいる複数のダミーカシメと、複数の貫通孔とをそれぞれ有し、バラコアは、平面視において上記円の周方向に沿って並んでいる複数の貫通孔を有することが好ましい。平面視において、第1積層ブロックのダミーカシメの位置と、第2積層ブロックの貫通孔の位置と、バラコアの貫通孔の位置とが一致しており且つ第1積層ブロックの貫通孔の位置と、第2積層ブロックのダミーカシメの位置と、バラコアの貫通孔の位置とが一致していることが好ましい。
上記ダミーカシメは、被加工板を打抜き加工することによって加工体を製造する過程において、被加工板を半抜き、あるいは、打抜き後のプッシュバックによって形成されたものであってもよい。つまり、製品(積層鉄心)とならない部分(以下、「スクラップ」と称する。)そのものをダミーカシメとして利用してもよい。かかる構成を採用することにより、スクラップ以外の部分に別途ダミーカシメを形成する場合と比較し、小型の金型を使用することができ、低コスト化を図ることができる。
上記積層体の製造方法は、以下の工程を備える。
(a)被加工板の打抜き加工を行うことにより、ダミーカシメを有する加工体を得る工程。
(b)複数の加工体を積み重ね、これらをダミーカシメによって一体化させることによって第1積層ブロックを得る工程。
(c)被加工板の打抜き加工を行うことにより、バラコアを得る工程。
(d)第1積層ブロックの上に少なくとも一枚のバラコアを積層する工程。
上記製造方法は、上記(c)工程後であり且つ上記(d)工程前に、第1積層ブロックと、当該第1積層ブロックに新たに積み重ねる加工体との角度を相対的にずらす工程(転積工程)を更に有してもよい。
本発明に係る積層鉄心の製造方法は、上記製造方法によって製造された上記積層体を樹脂材料、溶接、接着又はこれらを併用して締結する工程と、積層体からダミーカシメを取り外す工程とを備える。
上記積層鉄心の製造方法によれば、ダミーカシメを積層体から取り外すことで、カシメを有しない積層鉄心を最終的に得ることができる。
本発明によれば、ダミーカシメを有する複数の加工体が積層されてなる積層ブロックを含む積層体であって、上記(1)〜(3)の利点を有する積層体が提供される。
回転子(ロータ)の一例を示す斜視図である。 図1に示すII−II線における模式断面図である。 図1に示す回転子用のダミーカシメ付き積層体の一例(第一実施形態)を示す斜視図である。 (a)は図3に示すIV−IV線における模式断面図であり、(b)はダミーカシメを拡大して示す模式断面図である。 本発明に係る積層体を製造するための装置の一例を示す概略図である。 加工体を積層させる機構と、積層体を金型から排出する機構とを模式的に示す断面図である。 (a)は図4(a)に示す積層体を更に模式的に示す側面図であり、(b)及び(c)は(a)に示す積層体の変形例を模式的にそれぞれ示す側面図である。 (a)本発明に係る積層体の第二実施形態を模式的に示す側面図であり、(b)は(a)に示す積層体の変形例を模式的に示す側面図である。 (a)及び(b)は複数のセグメントの一部の上下を反転させて配置された積層体を模式的にそれぞれ示す側面図である。 本発明の第三実施形態に係る積層体の製造に使用される加工体を模式的に示す平面図である。 本発明の第三実施形態に係る積層体の模式断面図である。 (a)はダミーカシメを有する加工体の他の例を示す平面図であり、(b)は(a)に示すb−b線における模式断面図である。 (a)はダミーカシメを有する加工体の更に他の例を示す平面図であり、(b)は(a)に示すb−b線における模式断面図である。 (a)はダミーカシメを有する加工体の更に他の例を示す平面図であり、(b)は(a)に示すb−b線における模式断面図である。 固定子(ステータ)の一例を示す斜視図である。 図15に示す固定子用の加工体であってダミーカシメを一部のスロットに有する加工体を模式的に示す平面図である。 固定子用の積層鉄心に形成される貫通孔の例を示す平面図である。 固定子用の積層鉄心に形成される貫通孔の他の例を示す平面図である。 (a)は半抜きによってダミーカシメを形成する工程を示す模式断面図であり、(b)及び(c)は打抜き及びその後のプッシュバックによってダミーカシメを形成する工程をそれぞれ示す模式断面図である。 (a)はカシメを有するダミーカシメ(スクラップ)を模式的に示す断面図であり、(b)は(a)に示すカシメの中央部に開口(張り調整部)を更に有するダミーカシメを模式的に示す断面図である。
図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
<第一実施形態>
(回転子用積層鉄心)
図1及び図2は本実施形態に係る回転子用の積層鉄心Rの斜視図及び断面図である。積層鉄心Rの形状は略円筒形である。積層鉄心Rは、複数の電磁鋼板MRからなる積層体10と、積層体10の中央部に位置しておりシャフト(不図示)を挿入するための軸孔12と、磁石を挿入するための磁石挿入孔15と、軸孔12と磁石挿入孔15との間に形成される軽量孔18とを備える。なお、図2には便宜上、計27枚の電磁鋼板MRからなる積層体10を図示したが、電磁鋼板MRの枚数はこれに限定されるものではない。
積層鉄心Rは計16個の磁石挿入孔15を有する。隣接する2つの磁石挿入孔15が対をなしており、8対の磁石挿入孔15が積層鉄心Rの外周に沿って等間隔に並んでいる。それぞれの磁石挿入孔15は積層鉄心Rの上面から下面まで延びている。なお、磁石挿入孔15の総数は16個に限定されず、モーターの用途、要求させる性能などに応じて決定すればよい。また、磁石挿入孔15の形状及び位置もモーターの用途、要求させる性能などに応じて決定すればよい。
磁石挿入孔15には磁石(不図示)が収容されている。磁石は永久磁石であり、例えばネオジム磁石などの焼結磁石を使用できる。それぞれの磁石挿入孔15に入れる磁石の個数は一つでも二つ以上であってもよい。磁石の種類はモーターの用途、要求させる性能などに応じて決定すればよく、焼結磁石の代わりに例えばボンド磁石を使用してもよい。また、積厚方向若しくは幅方向、或いはこれら両方に複数に分割された磁石を使用してもよい。磁石挿入孔15の磁石を入れた後、磁石挿入孔15に樹脂材料16を充填することによって磁石挿入孔15内に磁石を固定することができる。
樹脂材料16として、例えば熱硬化性樹脂を使用できる。熱硬化性樹脂の具体例としては、エポキシ樹脂と、硬化開始剤と、添加剤とを含む樹脂組成物が挙げられる。添加剤としては、フィラー、難燃剤、応力低下剤などが挙げられる。樹脂材料16は上下方向で隣り合う電磁鋼板MR同士を接合する。なお、樹脂材料16として熱可塑性樹脂を使用してもよい。樹脂材料16(フラックスバリア部に使用される樹脂材料を除く)は磁性体を含んでもよい。樹脂材料16が磁性体を含む場合、その含有量は5〜90体積%の範囲とすることができる。樹脂材料16における磁性体の含有量が5体積%未満であるとモーターのトルクが低下したり熱膨張率の差に起因するクラックが発生したりする傾向にあり、90体積%を超えると鋼板(加工体)同士が電気的により強固に接続され、これに起因して積層鉄心Rの磁気的特性が低下する傾向にある。
積層鉄心Rは、軸孔12と磁石挿入孔15との間に計8個の軽量孔18を有する。軽量孔18は略三角形状を呈している。8個の軽量孔18は軸孔12の周方向に沿って並んでいる。より具体的には、8個の軽量孔18は積層鉄心Rの中心軸を対称点とする点対称をなすように配置されており且つこの対称点を中心として45°回転させると各軽量孔18の位置が一致するように形成されている。図2に示すとおり、各軽量孔18は積層鉄心Rの上面から下面までを貫通するように形成されている。なお、軽量孔18は積層鉄心Rを冷却する効果をもたらす場合もある。
(ダミーカシメを有する回転子用積層体)
図3及び図4は積層鉄心Rの製造に使用される積層体20の斜視図及び断面図である。積層体20は、積層鉄心Rにおける軽量孔18に相当する位置にダミーカシメ8を有する。積層体20の磁石挿入孔15内に樹脂材料16を充填する工程、積層体20からダミーカシメ8を取り外す工程などを経ることで上述の積層鉄心Rが製造される。
図4を参照しながら、積層体20の構成について説明する。図4の(a)に示すとおり、積層体20は、3つのセグメント20A,20B,20Cによって構成されている。セグメント20Aは、ダミーカシメ8をそれぞれ有する複数の加工体WRを含み且つダミーカシメ8によって複数の加工体WRが連結されてなる第1積層ブロック21と、第1積層ブロック21の上に積層された少なくとも一枚のバラコアからなるグループ22と、グループ22の上の積層されており、ダミーカシメ8をそれぞれ有する複数の加工体WRを含み且つダミーカシメ8によって複数の加工体WRが連結されてなる第2積層ブロック23とによって構成されている。セグメント20B,20Cもセグメント20Aと同様の構成を有する。
積層体20を連続して製造する際、既に製造された第2積層ブロック(図示せず)に対して第1積層ブロック21がダミーカシメ8によって締結されないように、第1積層ブロック21の最下層をなす加工体WRにはダミーカシメ8の代わりに貫通孔9が形成されている(図4の(b)参照)。バラコアからなるグループ22に対して第2積層ブロック23がダミーカシメ8によって締結されないように、第2積層ブロック23の最下層をなす加工体WRにもダミーカシメ8の代わりに貫通孔9が形成されている。なお、図4には便宜上、第1積層ブロック21、グループ22及び第2積層ブロック23がそれぞれ3枚の加工体WRからなる積層体20を図示したが、電磁鋼板MRの枚数はこれに限定されるものではない。
(打抜き装置)
図5は積層体20を構成する加工体WRを打抜き加工によって製造する打抜き装置の一例を示す概要図である。同図に示す打抜き装置100は、巻重体Cが装着されるアンコイラー110と、巻重体Cから引き出された電磁鋼板(以下「被加工板W」という。)の送り装置130と、被加工板Wに対して打抜き加工を行う順送り金型140と、順送り金型140を動作させるプレス機械120とを備える。
アンコイラー110は、巻重体Cを回転自在に保持する。巻重体Cを構成する電磁鋼板の長さは例えば500〜10000mである。巻重体Cを構成する電磁鋼板の厚さは0.1〜0.5mm程度であればよく、積層鉄心Rのより優れた磁気的特性を達成する観点から、0.1〜0.3mm程度であってもよい。電磁鋼板(被加工板W)の幅は50〜500mm程度であればよい。
送り装置130は被加工板Wを上下から挟み込む一対のローラ130a,130bを有する。被加工板Wは、送り装置130を介して順送り金型140へと導入される。順送り金型140は、被加工板Wに対して打抜き加工、プッシュバックなどを連続的に実施するためのものである。順送り金型140は、打抜き加工によって得た加工体WRを順次重ね合わせ積層ブロックを製造する機能と、製造した積層ブロックを排出する機能とを有する。図6に示すとおり、加工体WRの外周抜きを行うパンチPの下方にはダイ141が配置され、ダイ141の下にスクイズリング141aが配置されている。スクイズリング141aは、加工体WRの外径よりも一回り小さい内径を有する。パンチPによって打ち抜かれた加工体WRはダイ141のスクイズリング141aの上側開口に圧入される。ダミーカシメ8によって締結されるべき加工体WR同士はパンチPの押圧力と後述のシリンダ142の反力とスクイズリング141aの内面との摩擦力とによって締結される。他方、スクイズリング141aの下側開口からは徐々に加工体WRが押し出されてくる。
図4の(a)に示すとおり、第1積層ブロック21はダミーカシメ8によって一体化されているのに対し、第1積層ブロック21と、バラコアからなるグループ22とは一体化されていない。このため、第1積層ブロック21とグループ22との境界がスクイズリング141aの下側開口の位置まで押し出されると、第1積層ブロック21が下方に落下するおそれがある。これを防止するため、スクイズリング141aの下方には上下方向に移動可能であり、スクイズリング141aの下側開口から出てくる第1積層ブロック21を保持するシリンダ142が設けられている。シリンダ142上に所定の枚数の加工体WRからなる積層体20が形成されると、シリンダ142は下方に移動し、ステージ143と面一となる。この状態において側方に位置するプッシャー145が作動し、積層体20を次の工程へと搬送する。プッシャー145によって積層体20を押し出す際に積層体20が倒れたり崩れたりしないように、積層体20を支持する機構を設けたり、プッシャー145の駆動モーターとしてサーボモーターを使用することにより、押し始めと押し終わりのスピードが遅くなるように制御してもよい。
図7の(a)は積層体20の構成を更に模式的に示す側面図である。この図においては、第1積層ブロック21及び第2積層ブロック23を白い四角形で表し、バラコアからなるグループ22を複数本の横線で表している。図7の(b)に示す積層体20は、セグメント20Aの第1積層ブロック21がその第2積層ブロック23よりも厚く構成されている点において図7の(a)に示す積層体20と相違する。積層体20の最も下側に位置する第1積層ブロック21を厚くすることで、シリンダ142の上昇が間に合わずにこの第1積層ブロック21がスクイズリング141aから落下することを防止できる。第1積層ブロック21の落下をより一層確実に防止するには図7の(c)に示すようにセグメント20Aの全体を積層ブロック21で構成してもよい。
(回転子用積層鉄心の製造方法)
次に積層鉄心Rの製造方法について説明する。積層鉄心Rの製造方法は、ダミーカシメ8によって一体化された積層体20を製造するプロセス(下記(A)〜(F)工程)と、積層体20から積層鉄心Rを製造するプロセス(下記(D)工程及び(E)工程)とを経て製造される。より具体的には、積層鉄心Rの製造方法は以下の工程を備える。
(A)順送り金型140において被加工板Wの打抜き加工を行うことにより、ダミーカシメ8を有する加工体WRを得る工程。
(B)複数の加工体WRを積み重ね、これらをダミーカシメ8によって一体化させることによって第1積層ブロック21を得る工程。
(C)順送り金型140において被加工板Wの打抜き加工を行うことにより、バラコアを得る工程。
(D)第1積層ブロック21の上に少なくとも一枚のバラコアを積層する工程。
(E)複数の加工体WRを積み重ね、これらをダミーカシメ8によって一体化させることによって第2積層ブロック23を得る工程。
(F)少なくとも一枚のバラコアからなるグループ22の上に第2積層ブロック23を積層することによって積層体20を得る工程。
(G)磁石挿入孔15に樹脂材料16を充填することによって積層体20を締結する工程。
(H)ダミーカシメ8を積層体20から取り外す工程。
ダミーカシメ8を除去しても積層体20がバラバラにならない限り、樹脂材料16による締結前にダミーカシメ8を除去してもよい。例えば、樹脂充填の装置に積層体20を固定した状態とすれば、樹脂材料16の充填前にダミーカシメ8を除去し、その後に磁石挿入孔15に樹脂材料16を充填してもよい。更に、樹脂材料16の充填と同時にダミーカシメ8を除去してもよい。
なお、本実施形態においては、積層体20の磁石挿入孔15に樹脂材料16を充填することによって最終的に締結する場合を例示したが、磁石挿入孔15の他に樹脂を充填するための孔(不図示)を別途設け、これに樹脂材料16を充填することによって積層体20の締結を補強してもよい。また、樹脂材料16と、他の締結手段(溶接及び接着など)とを併用してもよい。加工体WRのひずみを解消するために焼鈍を実施する場合、焼鈍は適切なタイミングで実施すればよい。例えば、樹脂材料16によって積層体20を一体化させる場合は樹脂材料16の充填に先立って焼鈍を実施すればよいし、溶接を併用する場合には溶接後にも焼鈍を実施してもよい。
積層体20によれば、以下の効果(1)〜(3)が奏される。
(1)積層体の積層方向の全体に形成されたダミーカシメと比較し、積層体20の積層方向において部分的にダミーカシメ8が形成されている(図4の(a)参照)。このため、ダミーカシメ8を取り外す際に生じる摩擦力(抵抗)を十分に小さくでき、これにより、ダミーカシメ8を十分容易に取り外すことができる。したがって、カシメのない(カシメレス)の積層鉄心Rを効率的に製造できる。
(2)バラコアからなるグループ22が第1積層ブロック21上に積層され且つグループ22の上に第2積層ブロック23が配置されている。つまり、第1積層ブロック21が台の役割を果たし且つ第2積層ブロック23が重しの役割を果たす。これにより、プッシャー145で積層体20を押し出してもバラコアからなるグループ22が崩れにくい(取り扱い性に優れる)。例えば、台の役割を果たす第1積層ブロック21を保持して転積作業を実施したり積層作業を実施したりすることができる。
(3)第1積層ブロックを構成する加工体WRと、第2積層ブロックを構成する加工体WRとの境界を把握しやすい。例えば、第2積層ブロック23と、その上に積層される第1積層ブロック21との間で転積をすることで、どのタイミングで転積を行ったかを把握できる。なお、転積は、順送り金型140から排出された積層体20に対して作業者が手作業で実施してもよく、自動機を用いて実施してもよく、あるいはこれらを併用して実施してもよい。更に転積は順送り金型140内で実施してもよい。順送り金型140内で転積を実施する場合、図6に示すスクイズリング141aを所定のタイミングで回転させればよい。転積の有無を明確にするため、加工体WRに識別形状、例えば加工体WRの外周に切欠きなどを設けてもよい。
<第二実施形態>
図8の(a)に示すとおり、第二実施形態に係る積層体25は、第1積層ブロック21と、その上に積層されたバラコアからなるグループ22とによってセグメント25A,25B,25Cがそれぞれ構成され、第2積層ブロック23を具備しない点において第一実施形態に係る積層体20と相違する。
積層体25によれば、積層体20と同様、上記(1)の効果が奏される。上記(2)の効果に関し、積層体25によれば、バラコアからなるグループ22が第1積層ブロック21上に積層されていることで、つまり、第1積層ブロック21が台の役割を果たすことで、プッシャー145で積層体25を押し出してもバラコアからなるグループ22が崩れにくい(取り扱い性に優れる)。例えば、台の役割を果たす第1積層ブロック21を保持して転積作業を実施したり積層作業を実施したりことができる。上記(3)の効果に関し、積層体25によれば、第1積層ブロックを構成する加工体WRと、バラコア(グループ22)との境界を把握しやすい。例えば、第1積層ブロック21と、その上に積層されるバラコアで構成されるセグメント単位で転積をすることで、どのタイミングで転積を行ったかを把握できる。
図8の(b)に示す積層体25は、セグメント25Aの第1積層ブロック21がセグメント25B,25Cの第1積層ブロック21,21よりも厚く構成されている点において図8の(a)に示す積層体25と相違する。積層体25の最も下側に位置する第1積層ブロック21を厚くすることで、シリンダ142の上昇が間に合わずにこの第1積層ブロック21がスクイズリング141aから落下することを防止できる。第1積層ブロック21の落下をより一層確実に防止するため、図示しないがセグメント20Aの全体を積層ブロック21で構成してもよい。上述した第二実施形態によれば、第2積層ブロック23を具備しないため、積層体25から積層鉄心Rを製造するにあたり、第1積層ブロック21が有するダミーカシメ8を除去すればよく、積層鉄心Rをより一層効率的に製造できる。
上記第一実施形態及び第二実施形態は、順送り金型140から排出される向きのまま積層セグメントを重ね合せることを想定したものであるが、図9の(a)及び(b)に示すとおり、積層体20,25を構成する複数のセグメントのうち、一部のセグメントの上下を反転させて配置してもよい。積層体25の上面及び下面にダミーカシメ8によって一体化された第1積層ブロック21を配置することで、バラコアが崩れることをより確実に防止できる。なお、積厚方向端面に位置する加工体WR(電磁鋼板)の跳ね上がりを防止することを目的に、第1積層ブロックを構成する複数の加工体WRをカシメ、溶接、接着、樹脂モールド又はこれらの組み合わせによって一体化させてもよい。
<第三実施形態>
図10は、第三実施形態に係る積層体30の製造に使用される加工体WR(ダミーカシメ付き)を模式的に示す平面図である。図10に示す加工体WRは、8個の軽量孔18のうち、一個おきに計4個のダミーカシメ8が設けられている点において第一実施形態に係る積層体20と相違する。
ダミーカシメ8の個数を少なくすることで、一層容易にダミーカシメ8の除去作業を実施でき、一層効率的にカシメのない(カシメレス)の積層鉄心Rを効率的に製造できる。また、図10に示す加工体WRによれば、セグメントとセグメントとの境界において転積を実施することで、積層体30の上面から下面まで至る軽量孔18において、ダミーカシメ8のブロックの個数を少なくすることができ、これにより、より一層容易にダミーカシメ8の除去作業を実施できる(図11参照)。
第1積層ブロック21及び第2積層ブロック23は、平面視において積層体20の中心とする円の周方向に沿って並んでいる複数のダミーカシメ8と、複数の軽量孔(貫通孔)18とをそれぞれ有する。バラコアは、平面視において上記円の周方向に沿って並んでいる複数の軽量孔18を有する。平面視において、第1積層ブロック21のダミーカシメ8の位置と、第2積層ブロック23の軽量孔18の位置と、バラコアの軽量孔18の位置とが一致しており且つ第1積層ブロック21の軽量孔18の位置と、第2積層ブロック23のダミーカシメ8の位置と、バラコアの軽量孔18の位置とが一致している(図10,11参照)。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、加工体WRの軽量孔18となるスクラップをダミーカシメ8として利用する場合を例示したが、ダミーカシメ8として利用できるスクラップは軽量孔18に限定されるものではない。図12は、軸孔12となるスクラップをダミーカシメ8として利用した加工体WRを示す図である。なお、図12に示すように、ダミーカシメ8(軸孔12となるスクラップ)の中央部に必要に応じて開口8aを形成してもよい。ダミーカシメ8に開口8aを形成することで、ダミーカシメ8の張り具合を緩和でき、ダミーカシメ8を取り外しやすくすることができる。これに加え、開口8aを設けることで、実際にダミーカシメ8を取り外す作業をする際、この開口8aに棒状部材を挿入して押し込むことによってダミーカシメ8を効率的に取り外すことができる。
図13は、磁石挿入孔15となるスクラップをダミーカシメ8として利用した加工体WRを示す図である。この加工体WRは計4個のダミーカシメ8を有する。この場合も、図13に示すように、ダミーカシメ8(磁石挿入孔15となるスクラップ)の中央部に必要に応じて開口8aを形成してもよい。
上記実施形態においては、スクラップをダミーカシメ8として利用する場合を例示したが、スクラップの一部を残存させ、そこにダミーカシメ8を形成してもよい。図14に示す加工体WRは、磁石挿入孔15の対向する二辺を橋渡しするようにスクラップの一部が残存しており、これによってカシメ(ダミーカシメ)8を有するダミーカシメ部8Aが形成されている。ダミーカシメ部8Aと磁石挿入孔15の内面との境は切り込み8bが形成されている。スクラップの一部を残存させてダミーカシメ8を設ける場合に限定されず、例えば、加工体WRの外周や内周に凹部を設け、この凹部に嵌り込むようなダミーカシメ部8Aを設け、その部分にカシメ(ダミーカシメ)8を形成してもよい。
(固定子用積層鉄心)
上記実施形態においては、ダミーカシメ8を有する積層体から回転子用の積層鉄心Rを製造する場合を例示したが、本発明は固定子用の積層鉄心Sの製造に適用されてもよい。図15は固定子を構成する積層鉄心Sの斜視図である。積層鉄心Sの形状は略円筒形であり、中央部に位置する開口Saは積層鉄心R(回転子)を配置するためのものである。積層鉄心Sは略円環状のヨーク部Syと、ヨーク部Syの内周側から中心方向に延びるティース部Stとを有する。
積層鉄心Sは、計12本のティース部Stを有する。なお、ティース部Stの本数は12本に限定されるものではない。積層鉄心Sは、ヨーク部Syに形成された樹脂充填孔41と、ティース部Stに形成された樹脂充填孔42とを有する。樹脂充填孔41,42に樹脂材料16を充填することで、積層体40を構成する複数の電磁鋼板MSが一体化されている。
図16は、隣り合うティース部Stの間の領域(以下「スロットSL」という。)となるスクラップをダミーカシメ8として利用した加工体WSを示す図である。この加工体WSは計4個のダミーカシメ8を有する。この場合も、図16に示すように、ダミーカシメ8(スロットSLとなるスクラップ)の中央部に必要に応じて開口8aを形成してもよい。
なお、スロットSLの側面が平行に形成されている場合や、スロットSLの側面がヨーク部Syから中心方向に向けて広がるように形成されている場合、スロットSLとなるダミーカシメ8を開口Saの中心方向(径方向)に取り外すことができるという利点がある。ここでは、スロットSLにダミーカシメ8を形成する場合を例示したが、積層鉄心Sの外周に例えばボルト固定用の開口を有する耳部(不図示)を設ける場合、この耳部の開口を形成するためのスクラップをダミーカシメ8として利用してもよい。
図17は、固定子用の積層鉄心Sに形成される樹脂充填孔(貫通孔)の例を示す平面図である。図17に示すとおり、ヨーク部Syに樹脂充填孔41が形成され、ティース部Stに樹脂充填孔42が形成されている。樹脂充填孔41の位置及び形状はコイルの巻き方として集中巻を想定したものである。樹脂充填孔41,42は、磁束が疎の領域に設けられている。また、樹脂充填孔41,42の形状は、磁束の流れをなるべく阻害しないように工夫されている。
樹脂充填孔41は平面視において各ティース部Stの径方向に延びる中心線C1の延長線上であり且つヨーク部Syの外周に沿って設けられている。樹脂充填孔41は略三角形の断面形状を有する。略三角形の一つの頂点41aはティース部St側に向いており、頂点41aの対辺である辺はヨーク部Syの外周に沿って延びている。頂点41aを構成する二辺はヨーク部Syの内周側から外周側に向けて互いに遠ざかる方向に延びている。樹脂充填孔41を構成する三辺は、それぞれ中央部に凸部42bを有する。凸部42bは樹脂充填孔41を打抜き加工する際にカス上がりが発生することを抑制するためのものである。
樹脂充填孔42は、各ティース部Stの径方向に延びる中心線C1上であってティース部Stの先端側に設けられている。ティース部Stの径方向に延びる中心線C1上に樹脂充填孔42を設けることで、樹脂充填孔42によって磁束の流れが阻害されること及び磁気的なアンバランスを必要最小限に抑制できる。樹脂充填孔42は、図17に示すとおり、細長い形状を有し、長径が中心線C1と一致するように配置されている。図17に示す長径の長さAと短径の長さBの比(A/B)は好ましくは2〜5であり、より好ましくは3〜4である。樹脂充填孔42も、上述の樹脂充填孔41と同様、カス上がりの発生を抑制する観点から、凸部42aを有する。
図18は、固定子用の積層鉄心Sに形成される貫通孔の他の例を示す平面図である。図18に示すとおり、ヨーク部Syに樹脂充填孔43が形成され、ティース部Stに樹脂充填孔42が形成されている。樹脂充填孔43の位置及び形状はコイルの巻き方として分布巻を想定したものである。樹脂充填孔43は、磁束が比較的疎の領域に設けられている。また、樹脂充填孔42,43の形状は、磁束の流れをなるべく阻害しないように工夫されている。
樹脂充填孔42の位置及び形状は図17に示した樹脂充填孔42と同様であるのに対し、樹脂充填孔43の位置及び形状は図17に示した樹脂充填孔41と相違している。樹脂充填孔43は樹脂充填孔42と同様の形状を有する。樹脂充填孔43は、各ティース部Stの径方向に延びる中心線C1上であってヨーク部Syの幅方向の中央部に設けられ且つ長径がヨーク部Syの周方向と一致するように配置されている。なお、樹脂充填孔43の位置は中心線C1上に限定されず、ヨーク部Syの周方向の別の位置であってもよい。
図19は、被加工板Wにダミーカシメ8を形成する方法のバリエーションを示す図である。図19の(a)は半抜きによってダミーカシメ8を形成する工程を示す。半抜き加工によれば被加工板Wは完全には切断されないのに対し、図19の(b)及び(c)に示す打抜き加工によれば被加工板Wは切断される。図19の(b)は切断されたスクラップ(ダミーカシメ8)がプッシュバックによって開口に押し戻されているが、ダミーカシメ8は被加工板Wの下面側に突出している。図19の(c)は切断されたスクラップ(ダミーカシメ8)のプッシュバック量(押し戻し量)を増やすことにより、スクラップ(ダミーカシメ8)は被加工板Wの上面側に突出している。上面側にダミーカシメ8を突出させることで、後工程の作業を効率的に実施できる場合がある。例えば、上方に向けてダミーカシメ8を外す場合などである。なお、図19(b)及び(c)に示す態様によれば、プッシュバック量(押し戻し量)を調整することで、ダミーカシメ8の位置をある程度自由に設定できる。
図20の(a)はカシメ8cを有するダミーカシメ8(スクラップ)を模式的に示す断面図である。ダミーカシメ8をカシメ8cによって一体化させることで、積層体からダミーカシメ8を一体的に取り外しやすいという利点がある。なお、ダミーカシメ8にカシメ8cを形成したことによってダミーカシメ8の張り具合が過度の強くなるようであれば、図20の(b)に示すように、カシメ8cの中央部に開口8aを設けることによってダミーカシメ8の張り具合を緩和すればよい。図20に示す最下層のダミーカシメ8は、カシメ8cの代わりに穿孔8dが形成されていてもよく、他の加工体WRと同様、カシメ8cが形成されていてもよい。
上記実施形態は、一枚の被加工板Wから加工体WR及び加工体WSをそれぞれ打抜き加工する場合を想定したものであるが、複数の被加工板Wを重ね合せて加工体WR及び加工体WSをそれぞれ打ち抜くようにしてもよい。この場合、複数の被加工板Wを併用する場合、種類、厚さ及び/又は幅が異なるものを組み合わせて使用してもよい。更に、一つの被加工板Wから加工体WR及び固定子用の加工体の両方を打ち抜いてもよい。また、上記実施形態においては、ダミーカシメ8を有する加工体(製品となる部分にカシメを有しない加工体)を使用してカシメのない(カシメレス)積層鉄心を製造する場合を例示したが、第1積層ブロック21及び/又は第2積層ブロック23はダミーカシメ8に加え、必要に応じて製品(積層鉄心)となる部分にカシメを有してもよい。
8…ダミーカシメ、15…磁石挿入孔(貫通孔)、18…軽量孔(貫通孔)、21…第1積層ブロック、22…グループ(少なくとも一枚のバラコア)、23…第2積層ブロック、WR,WS…加工体。

Claims (8)

  1. ダミーカシメをそれぞれ有する複数の加工体を含み且つ当該ダミーカシメによって当該複数の加工体が連結されてなる第1積層ブロックと、
    前記第1積層ブロックの上に積層された少なくとも一枚のバラコアと、
    を備える積層体。
  2. 前記少なくとも一枚以上のバラコアの上に積層された第2積層ブロックを更に備え、
    前記第2積層ブロックは、ダミーカシメをそれぞれ有する複数の加工体で構成され且つ当該ダミーカシメによって当該複数の加工体が連結されてなる、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記第1積層ブロックは、前記第2積層ブロックよりも厚い、請求項2に記載の積層体。
  4. 前記第1積層ブロック及び前記第2積層ブロックは、平面視において当該積層体の中心とする円の周方向に沿って並んでいる複数の前記ダミーカシメと、複数の貫通孔とをそれぞれ有し、
    前記バラコアは、平面視において前記円の周方向に沿って並んでいる複数の貫通孔を有し、
    平面視において、前記第1積層ブロックの前記ダミーカシメの位置と、前記第2積層ブロックの前記貫通孔の位置と、前記バラコアの前記貫通孔の位置とが一致しており且つ前記第1積層ブロックの前記貫通孔の位置と、前記第2積層ブロックの前記ダミーカシメの位置と、前記バラコアの前記貫通孔の位置とが一致している、請求項2又は3に記載の積層体。
  5. 前記ダミーカシメは、被加工板を打抜き加工することによって前記加工体を製造する過程において、前記被加工板を半抜き、あるいは、打抜き後のプッシュバックによって形成されたものである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層体。
  6. ダミーカシメを有する積層体の製造方法であって、
    (a)被加工板の打抜き加工を行うことにより、ダミーカシメを有する加工体を得る工程と、
    (b)複数の前記加工体を積み重ね、これらを前記ダミーカシメによって一体化させることによって第1積層ブロックを得る工程と、
    (c)被加工板の打抜き加工を行うことにより、バラコアを得る工程と、
    (d)前記第1積層ブロックの上に少なくとも一枚の前記バラコアを積層する工程と、
    を備える積層体の製造方法。
  7. 前記(c)工程後であり且つ前記(d)工程前に、前記第1積層ブロックと、当該第1積層ブロックに新たに積み重ねる前記加工体との角度を相対的にずらす工程を更に有する、請求項6に記載の積層体の製造方法。
  8. 請求項6又は7に記載の製造方法によって製造された積層体を樹脂材料、溶接、接着又はこれらを併用して締結する工程と、
    前記積層体から前記ダミーカシメを取り外す工程と、
    を備える、積層鉄心の製造方法。
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