JP6425982B2 - 農薬用展着剤及び農薬製剤 - Google Patents

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Description

本発明は、農薬用展着剤及び農薬製剤に関し、更に詳しくは、作物や雑草、害虫等の濡れ難い表面への展着性に優れ、同時にハンドリング性にも優れた農薬用展着剤及びかかる農薬用展着剤を用いた農薬製剤に関する。
従来、農薬用展着剤として、炭素数13の高級アルコールにエチレンオキシドを平均5〜8モル付加したポリオキシエチレントリデシルエーテル(例えば、特許文献1参照)、炭素数6〜30の直鎖もしくは分岐の脂肪族アルコールにエチレンオキシド及びプロピレンオキシドを特定の順序で付加したポリオキシアルキレンアルキルエーテル(例えば、特許文献2参照)、炭素数8〜24の天然アルコールにエチレンオキシドを平均1〜5モル付加したポリオキシエチレンアルキルエーテル(例えば、特許文献3参照)等が提案されている。しかし、これら従来の農薬用展着剤には、作物や雑草、害虫等の濡れ難い表面への展着性が不充分であり、またハンドリング性も不充分という問題がある。
特開平9−278605号公報 特開平11−35406号公報 特開2004−300073号公報
本発明が解決しようとする課題は、作物や雑草、害虫等の濡れ難い表面への展着性に優れ、同時にハンドリング性にも優れた農薬用展着剤及びかかる農薬用展着剤を用いた農薬製剤を提供する処にある。
本発明者らは、前記の課題を解決すべく研究した結果、農薬用展着剤としては、特定の飽和脂肪族アルコールにエチレンオキシド及びプロピレンオキシドを所定割合で付加させたポリオキシアルキレンアルキルエーテルから成るものが正しく好適であることを見出した。
すなわち本発明は、分岐の炭素数の飽和脂肪族1価アルコール1モル当たり、又は分岐の炭素数の飽和脂肪族1価アルコールと直鎖の炭素数の飽和脂肪族1価アルコールとを混合した飽和脂肪族1価アルコール1モル当たり、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドを合計で〜15モルとなるよう付加させたポリオキシアルキレンアルキルエーテルから成る農薬用展着剤に係る。また本発明は、かかる農薬用展着剤を用いた農薬製剤に係る。
先ず、本発明に係る農薬用展着剤(以下、本発明の展着剤という)について説明する。展着剤としては、分岐の炭素数8〜9の飽和脂肪族1価アルコール1モル当たり、又は分岐の炭素数8〜9の飽和脂肪族1価アルコールと直鎖の炭素数8〜9の飽和脂肪族1価アルコールとを混合した飽和脂肪族1価アルコール1モル当たり、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを合計で2〜15モルとなるよう付加させたポリオキシアルキレンアルキルエーテルから成るものが挙げられる本発明の展着剤は、分岐の炭素数9の飽和脂肪族1価アルコール1モル当たり、又は分岐の炭素数9の飽和脂肪族1価アルコールと直鎖の炭素数9の飽和脂肪族1価アルコールとを混合した飽和脂肪族1価アルコール1モル当たり、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドを合計で4〜15モルとなるよう付加させたポリオキシアルキレンアルキルエーテルから成るものである。
分岐の炭素数8〜9の飽和脂肪族1価アルコールとしては、2−エチルヘキサノール、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール、イソオクタノール、イソノナノール等が挙げられ、また直鎖の炭素数8〜9の飽和脂肪族1価アルコールとしては、n−オクタノール、n−ノナノールが挙げられる。本発明では、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール、イソノナノール、n−ノナノール等の炭素数9の飽和脂肪族アルコールが用いられる
本発明の展着剤に供するポリオキシアルキレンアルキルエーテルは、前記した飽和脂肪族1価アルコールにエチレンオキシド及びプロピレンオキシドを合計で〜15モルとなるよう付加させたものであるが、なかでもエチレンオキシド及びプロピレンオキシドを合計で10モルとなるよう付加させたものが好ましい。また、本発明の展着剤に供するポリオキシアルキレンアルキルエーテルは、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドが、下記の数1で示されるEO率が45〜95%の範囲内にある。エチレンオキシド及びプロピレンオキシドの付加形態に特に制限はなく、その付加形態としてはエチレンオキシドを付加させた後にプロピレンオキシドをブロック付加させる形態、プロピレンオキシドを付加させた後にエチレンオキシドをブロック付加させる形態、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドをランダム付加させる形態、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドをランダム付加させた後、エチレンオキシドをブロック付加させる形態が挙げられる。その他参考例として、エチレンオキシドのみを付加させる形態、プロピレンオキシドのみを付加させる形態等が挙げられる。
具体的に、展着剤に供するポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、ポリ(m=3、mはオキシエチレン単位の数、以下同じ)オキシエチレンポリ(n=3、nはオキシプロピレン単位の数、以下同じ)オキシプロピレン−3,5,5−トリメチル−1−ヘキシルエーテル、ポリ(m=7)オキシエチレンポリ(n=6)オキシプロピレン−3,5,5−トリメチル−1−ヘキシルエーテル、ポリ(m=7)オキシエチレン−3,5,5−トリメチル−1−ヘキシルエーテル、ポリ(m=6)オキシエチレンポリ(n=2)オキシプロピレンイソノニルエーテル、ポリ(m=6)オキシエチレンポリ(n=6)オキシプロピレンイソノニルエーテル、ポリ(m=5)オキシエチレンイソノニルエーテル、ポリ(m=3)オキシエチレンポリ(n=2)オキシプロピレン−2−エチルヘキシルエーテル、ポリ(m=2)オキシエチレン−2−エチルヘキシルエーテル、ポリ(m=4)オキシエチレンポリ(n=3)オキシプロピレンイソノニルエーテルとポリ(m=4)オキシエチレンポリ(n=3)オキシプロピレン−n−ノニルエーテルの混合物、ポリ(m=8)オキシエチレンポリ(n=5)オキシプロピレンイソノニルエーテルとポリ(m=8)オキシエチレンポリ(n=5)オキシプロピレン−n−ノニルエーテルの混合物、ポリ(m=7)オキシエチレンイソノニルエーテルとポリ(m=7)オキシエチレン−n−ノニルエーテルの混合物等が挙げられる。
本発明の展着剤に供するポリオキシアルキレンアルキルエーテルの場合は、具体的にはポリ(m=3)オキシエチレンポリ(n=3)オキシプロピレン−3,5,5−トリメチル−1−ヘキシルエーテル、ポリ(m=7)オキシエチレンポリ(n=6)オキシプロピレン−3,5,5−トリメチル−1−ヘキシルエーテル、ポリ(m=6)オキシエチレンポリ(n=2)オキシプロピレンイソノニルエーテル、ポリ(m=6)オキシエチレンポリ(n=6)オキシプロピレンイソノニルエーテル、ポリ(m=4)オキシエチレンポリ(n=3)オキシプロピレンイソノニルエーテルとポリ(m=4)オキシエチレンポリ(n=3)オキシプロピレン−n−ノニルエーテルの混合物、ポリ(m=8)オキシエチレンポリ(n=5)オキシプロピレンイソノニルエーテルとポリ(m=8)オキシエチレンポリ(n=5)オキシプロピレン−n−ノニルエーテルの混合物等が挙げられる。
これらのなかでもポリ(m=3)オキシエチレンポリ(n=3)オキシプロピレン−3,5,5−トリメチル−1−ヘキシルエーテル、ポリ(m=7)オキシエチレンポリ(n=6)オキシプロピレン−3,5,5−トリメチル−1−ヘキシルエーテル、ポリ(m=6)オキシエチレンポリ(n=2)オキシプロピレンイソノニルエーテル、ポリ(m=6)オキシエチレンポリ(n=6)オキシプロピレンイソノニルエーテル、ポリ(m=4)オキシエチレンポリ(n=3)オキシプロピレンイソノニルエーテルとポリ(m=4)オキシエチレンポリ(n=3)オキシプロピレン−n−ノニルエーテルの混合物、ポリ(m=8)オキシエチレンポリ(n=5)オキシプロピレンイソノニルエーテルとポリ(m=8)オキシエチレンポリ(n=5)オキシプロピレン−n−ノニルエーテルの混合物等が好ましく、ポリ(m=3)オキシエチレンポリ(n=3)オキシプロピレン−3,5,5−トリメチル−1−ヘキシルエーテル、ポリ(m=7)オキシエチレンポリ(n=6)オキシプロピレン−3,5,5−トリメチル−1−ヘキシルエーテル、ポリ(m=6)オキシエチレンポリ(n=2)オキシプロピレンイソノニルエーテル、ポリ(m=6)オキシエチレンポリ(n=6)オキシプロピレンイソノニルエーテル、ポリ(m=4)オキシエチレンポリ(n=3)オキシプロピレンイソノニルエーテルとポリ(m=4)オキシエチレンポリ(n=3)オキシプロピレン−n−ノニルエーテルの混合物、ポリ(m=8)オキシエチレンポリ(n=5)オキシプロピレンイソノニルエーテルとポリ(m=8)オキシエチレンポリ(n=5)オキシプロピレン−n−ノニルエーテルの混合物等がより好ましく、ポリ(m=3)オキシエチレンポリ(n=3)オキシプロピレン−3,5,5−トリメチル−1−ヘキシルエーテル、ポリ(m=6)オキシエチレンポリ(n=2)オキシプロピレンイソノニルエーテル、ポリ(m=4)オキシエチレンポリ(n=3)オキシプロピレンイソノニルエーテルとポリ(m=4)オキシエチレンポリ(n=3)オキシプロピレン−n−ノニルエーテルの混合物等が特に好ましい。
本発明の展着剤に供するポリオキシアルキレンアルキルエーテルは、公知の方法で合成することができる。例えば相当する飽和脂肪族1価アルコールに、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムやナトリウムメトキシド等の塩基性触媒下で、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシドを逐次付加反応させる方法で合成できる。
次に、本発明に係る農薬製剤(以下、本発明の農薬製剤という)について説明する。本発明の農薬製剤は、以上説明した本発明の展着剤と、農薬原体とを含有して成るものである。農薬原体としては、それ自体は公知の各種の除草剤、殺虫剤、殺菌剤等を適用できる。例えば、除草剤としては、1−(ジエチルカルバモイル)−3−(2,4,6−トリメチルフェニルスルホニル)−1,2,4−トリアゾール(カフェンストロール)、1−(α,α−ジメチルベンジル)−3−(p−トリル)ウレア(ダイムロン)、2−クロロ−2’,6’−ジエチル−N−(2−ブトキシメチル)アセトアニリド(ブタクロール)、2−クロロ−2’,6’−ジエチル−N−(2−プロポキシエチル)アセトアニリド(プレチラクロール)、α−(2ーナフトキシ)プロピオンアニリド(ナプロアニリド)、2−メチルチオ−4,6−ビス(エチルアミノ)−S−トリアジン(シメトリン)、S−ターシャリーブチル−3−(2,4−ジクロロ−5−イソプロポキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾリン−2−オン(オキサジアゾン)、S−(2−メチル−1−ピペリジル−カリボニルメチル−O,O−ジ−n−プロピルジチオホスフェート(ピペロホス)、3−イソプロピル−2,1,3−ベンゾ−チアジアノン−(4)−2,2−ジオキシド(ベンタゾン)、2−メチルチオ−4−エチルアミノ−6−(1,2−ジメチルプロピルアミノ)−s−トリアジン(ジメタメトリン)、3−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−1−[(2−メトキシカルバニルベンジル)スルフォニル]ウレア(ベンスルフロンメチル)等が挙げられる。
また殺虫剤としては、1−ナフチル−N−メチルカーバメート(NAC)、メタトリル−N−メチルカーバメート(MTMC)、2−イソプロピルフェニル−N−メチルカーバメート(MIPC)、2−セカンダリーブチルフェニル−N−メチルカーバメート(BPMC)、3,4−キシリル−N−メチルカーバメート(MPMC)、2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチルベンゾフラン−7−イル(ジブチルアミノチオ)メチルカルバマート(カルボスルファン)、O−n−ブチル−O’−(2,2−)ジメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−7−イル)−N,N’−チオ−ジカルバマート(フラチオカルブ)、(RS)α−シアノ−3−フェノキシベンジル=(RS)−2,2−1−(4−エトキシフェニル)シクロプロパンカルボキシラート(シクロプロトリン)、2−タ−シャリ−ブチルイミノ−3−イソプロピル−5−フェニル−1,3,5−チアジアジナン−4−オン(ブプロフェジン)、2−(4−エトキシフェニル)−2−メチルプロピル−3−フェノキシベンジルエーテル(エトフェンプロックス)、O,O−ジメチル−O−(メチル−4−ニトロフェニル)チオフォスフェート(MEP)、(2−イソプロピル−4−メチルピリミジル−6)−ジエチルチオフォスフェート(ダイアジノン)、S,S’−[2−(ジメチルアミノ)トリメチレン]ビス−ベンゼンチオスルフォネート(ベンスルタップ)等が挙げられる。
更に殺菌剤としては、5−メチル−1,2,4−トリアゾロ(3,4−b)ベンゾチアゾール(トリシクラゾール)、ジメチル4,4−(o−フェニレン)ビス3−チオアロファネート(トップジンM)、O,O−ジイソプロピル−S−ベンジルチオフォスフェート(IBP)、3−アリルオキシ−1,2−ベンゾイソチアゾール−1,1−ジオキシド(プロペナゾール)、O−エチル−S,S−ジフェニルジチオフォスフェート(EDDP)、ジイソプロピル−1,3−ジチオラン−2−イリデン−マロネート(イソプロチオラン)、3−イソプロポキシ−2−メチルベンズアニリド(メプロニル)、(E,Z)−4,6−ジメチル−2−[1−(O−トリル)−1−エチリデン−ヒドラジノ]ピリミジン(フェリムゾン)、1−(4−クロロベンジル)−1−シクロペンチル−3−フェニル尿素(ペンシクロン)等が挙げられる。
本発明の農薬製剤の形態としては、乳剤、乳濁剤、フロアブル剤、液剤等が挙げられ、これらの農薬製剤は公知の方法で調製できる。例えば乳剤は、農薬原体、本発明の展着剤、溶剤、乳化剤及びその他補助剤を撹拌下に均一に溶解することで調製できる。乳濁剤は、農薬原体、本発明の展着剤、乳化剤、その他補助剤および水を混合し、プロペラ撹拌機、ホモミキサー、ホモジナイザー、サンドミル、サンドグラインダー等の各種の乳化機で微粒子化することにより調製できる。フロアブル剤は、農薬原体を予めジェット・オ・マイザーのような乾式粉砕機にて微粉砕し、これに水、本発明の展着剤、分散剤、消泡剤等を混合し、混合液をサンドグラインダーのような湿式粉砕機にて混合粉砕し、さらに凍結防止剤、増粘剤等を配合して、調製することができる。湿式粉砕機としてはサンドグラインダーの他にダイノーミル、ビスコミル、グレンミル等も使用できる。液剤は、農薬原体、本発明の展着剤、溶剤、水等を撹拌下に均一に溶解することで調製できる。
実際に本発明の農薬製剤、例えば液剤を用いて植物を処理するに際しては、農薬原体を含有する水性液に、前記した本発明の展着剤を100〜5000倍希釈となるよう添加して溶解させた水性液を植物に付与することができる。農薬原体は、前記した通りのものである。植物へは公知の方法で付与することができ、例えば農薬原体を含有する水性液に、本発明の展着剤を100〜5000倍希釈となるよう添加して溶解させた水性液を、人力噴霧器、動力噴霧器、スピードスプレーヤ、ズームスプレーヤ、スプリンクラー、ラジコンヘリコプター等の航空噴霧器によって噴霧することにより付与することができる。
以上説明した本発明によると、作物や雑草、害虫等の濡れ難い表面への優れた展着性を発揮でき、同時に優れたハンドリング性を発揮できるという効果がある。
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明がこれらの実施例に限定されるというものではない。尚、以下の実施例及び比較例において、部は質量部を、また%は質量%を意味する。
試験区分1(農薬用展着剤としてのポリオキシアルキレンアルキルエーテルの合成)
・実施例1
分岐の炭素数9の飽和脂肪族1価アルコール(KHネオケム株式会社製、商品名3,3,5−トリメチル−1−ヘキサノール)1モル(144.3g)をオートクレーブに仕込み、触媒として水酸化カリウム粉末1gを加えた後、オートクレーブ内を充分に窒素で置換した。撹拌下に反応温度を130〜150℃に維持しつつ、エチレンオキシド3モル(132g)を圧入して付加重合反応を行い、同温度で1時間熟成してエチレンオキシドの付加重合反応を終了した。続いてプロピレンオキシド3モル(174.3g)を圧入して同様に付加重合反応を行い、同温度で1時間熟成してプロピレンオキシドの付加重合反応を終了した。触媒を燐酸で中和した後、副生成物を分子蒸留により分離して、分岐の炭素数9の飽和脂肪族1価アルコール(KHネオケム株式会社製、商品名3,3,5−トリメチル−1−ヘキサノール)1モルにエチレンオキシド3モル及びプロピレンオキシド3モル(合計6モル)をエチレンオキシド→プロピレンオキシドの順にブロック付加させたポリオキシアルキレンアルキルエーテルを得た。
・実施例2〜6、参考例7〜9及び比較例1〜8
実施例1と同様にして、表1に記載した各例のポリオキシアルキレンアルキルエーテルを合成した。
表1において、
*1:KHネオケム社製、商品名ノナノール
*2:サソールジャパン社製、商品名LIAL99
*3:サソールジャパン社製、商品名Safol23
*4:シェルケミカルズジャパン社製、商品名NEODOL23
*5:協和発酵ケミカル社製、商品名イソトリデカノール
*6:花王社製、商品名カルコール4098
EO:エチレンオキシド
PO:プロピレンオキシド
試験区分2(農薬用展着剤の評価)
・表面張力
試験区分1で合成した各例のポリオキシアルキレンアルキルエーテルの表面張力を、吊り板式表面張力計(協和界面化学社製(感度0.1mN/m)、WILHELMY式表面張力計)を用い、下記の条件にて測定した。
測定温度:20℃
吊り板(プレート):協和界面化学製、白金板
濃度:0.1%水溶液
前記で得られた表面張力を以下の基準にて評価し、結果を表2にまとめて示した。
◎:表面張力が30mN/m未満
○:表面張力が30mN/m以上40mN/m未満
△:表面張力が40mN/m以上50mN/m未満
×:表面張力が50mN/m以上
・浸透力
試験区分1で合成した各例のポリオキシアルキレンアルキルエーテルの浸透力を、ドレイブス法に基づき、下記の手順により求めた秒数で測定した。
1)ポリオキシアルキレンアルキルエーテルを0.1%水溶液に調製する。
2)1)の0.1%水溶液550mlを20℃に合わせ、メスシリンダーに泡立てないように注意して入れる。
3)リング状のアンカーに20mm離した状態でナイロン糸により虫ピンフックを取り付け、この虫ピンフックを試験布(恒川フェルト工業社製の商品名ORIX<<NY1318>>を30×200mmに切断した布)の一端に掛け、アンカーと共にこれらを2)のメスシリンダーの0.1%水溶液の中に入れ、同時にストップウォッチを押す。
4)試験布が沈下し始めて、フックの下端がアンカーに達した時にストップウォッチを止め、秒数を読む。
前記で得られた秒数を以下の基準で評価し、結果を表2にまとめて示した。
◎:1秒以上10秒未満
○:10秒以上20秒未満
△:20秒以上30秒未満
×:31秒以上
・ハンドリング性
農薬原体としてベンゾイミダゾール系殺菌剤であるチオファネートメチルの70%水和剤(日本曹達社製、商品名トップジンM)の20000倍希釈水溶液を試験管に100mlとり、そこに試験区分1で合成した各例のポリオキシアルキレンアルキルエーテルを1000倍希釈になるよう加えて、均一に溶解されるまで試験管を転倒させたときの転倒数を以下の基準で評価し、結果を表2にまとめて示した。
◎:転倒数が0〜3回
○:転倒数が4〜10回
×:転倒数が11回以上

Claims (3)

  1. 分岐の炭素数の飽和脂肪族1価アルコール1モル当たり、又は分岐の炭素数の飽和脂肪族1価アルコールと直鎖の炭素数の飽和脂肪族1価アルコールとを混合した飽和脂肪族1価アルコール1モル当たり、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドを合計で〜15モルとなるよう付加させたポリオキシアルキレンアルキルエーテルから成り、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドが、下記の数1で示されるEO率が45〜95%の範囲内にあることを特徴とする農薬用展着剤。
  2. エチレンオキシド及びプロピレンオキシドを合計で〜10モルとなるよう付加させたポリオキシアルキレンアルキルエーテルから成る請求項記載の農薬用展着剤。
  3. 請求項1又は2に記載の農薬用展着剤と、農薬原体とを含有して成ることを特徴とする農薬製剤。
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