JP4091869B2 - 汎用性の高い展着剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、農業用薬剤を植物体に散布処理するときに添加する汎用性の高い展着剤に関し、更に詳しくは、炭素数が8〜24の天然アルコールにエチレンオキサイドが平均的に1〜5モル付加されたポリオキシエチレン(以下、POEと略す)アルキルエーテルであって、未反応の天然アルコールを実質的に含有しない界面活性剤を有効成分として含有する作物に対して安全性の高い農業用展着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
農業用薬剤を散布する際に用いる展着剤は、一般展着剤、機能性展着剤、固着剤、飛散防止剤に大別される(非特許文献1)。
これらのうち、一般展着剤と機能性展着剤は、共に界面活性剤を主体とするが、機能性展着剤は、比較的高濃度で使用し、薬剤の機能を積極的に引き出すことにより、農薬とのトータルコストで利益をもたらすものであり、一方、一般展着剤は、広範囲の薬剤にごく低濃度で添加して、葉面での薬液の濡れ性を改良したり、病虫害への付着性を改良したりすることを目的とするもので、薬剤希釈時の泡立ちを抑制したり混用性を改良したりする作用もあり、薬効を安定させるばかりでなく、希釈液調製時における作業性を改善する効果をも持たせようとするものである。
このため、一般展着剤には、多くの場合、表面張力低下能の強い界面活性剤が単用で或いは配合された形で用いられる。界面活性剤の中で、よく使われるものはノニオン界面活性剤で、POEアルキルフェニルエーテル系、POEアルキルエーテル系、POEアルキルエステル系等を主体とし、場合によってはアニオン界面活性剤を配合する場合もある。
これらのうち、POEアルキルフェニルエーテルは、POEノニルフェニルエーテルやPOEオクチルフェニルエーテルで代表される界面活性剤で、表面張力低下能が強く、薬害懸念が少ないことから、多くの一般展着剤の主成分として用いられてきた。ところが、最近、アルキルフェノールに環境ホルモン作用があることが確認され、POEアルキルフェニルエーテルが自然環境中で分解し、アルキルフェノールを生成する可能性があることが懸念されるようになった。
POEアルキルフェニルエーテルに匹敵する表面張力低下能のある界面活性剤には、POEアルキルエーテル、ジアルキルスルホサクシネート塩、ポリシロキサンエーテル系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等がある。
POEアルキルエーテルは、薬剤の植物体中への取り込みを促進する作用があるが、一般に作物に対する薬害が強い。特に、POEドデシルエーテルのエチレンオキサイドの付加モル数が3〜5程度のものは、POEアルキルフェニルエーテルと同レベルまで表面張力を低下させることができるが、作物に対する薬害も強いため、除草剤に対して効力増強効果のある機能性展着剤として多く用いられる。
ジアルキルスルホサクシネート塩は、表面張力低下能が強いため湿展性向上には申し分なく、薬剤の植物体中への取り込みを促進する作用も強いが、作物に対する薬害も強く、特に薬液の付着しにくい特定の作物に対して専用の機能性展着剤として用いられる。
ポリシロキサンエーテル系界面活性剤は、表面張力低下能がさらに強く、湿展性向上の面では申し分なく、薬剤の植物体中への取り込みを促進する作用も強い、作物に対する薬害が比較的弱い等の利点があるが、他の界面活性剤と混用するとその作用が拮抗する場合が多い上に、高価である、それ自体が化学的に不安定である、わが国のように大量の水で希釈して散布する場合には、一定量以上の薬液は流れ落ちてしまうため逆に効力低下につながる場合がある等の欠点があり、わが国では未だ実用化されていない。
フッ素系界面活性剤は、ポリシロキサンエーテル系界面活性剤より更に高価である。
この他の界面活性剤で、POE脂肪酸エステルは、高濃度でも薬害が発生しにくく、広い範囲の農業用薬剤に適用性がある、それ自体の起泡性が小さいという利点があるので、展着剤に好んで用いられるものの、表面張力低下能の点で上記に劣り、単独で用いるには、一般展着剤に期待される葉面での薬液の湿展性を改善するという点で力不足である。
その他の界面活性剤は、表面張力低下能の点で劣り、一般展着剤として必須の要件である湿展性改善が達成されないため未だ実用化されていない。
【0003】
【非特許文献1】
川島和夫、アグロケミカル入門p52、米田出版、(2002)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本願は、環境ホルモン作用の危惧されるPOEアルキルフェニルエーテルを用いることなく、広い範囲の農業用薬剤の希釈液に、ごく少量を添加するだけで葉面での薬液の湿展性を改良し、しかも希釈液調製時の消泡性に優れ、安価で、しかも作物に対する薬害の少ない一般展着剤を開発することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を加えた結果、従来、薬害が強くて一般展着剤としては不向きと思われていたPOEアルキルエーテルの中で、炭素数が8〜24の天然アルコールにエチレンオキサイドが平均的に1〜5モル付加されたPOEアルキルエーテルであって、未反応の天然アルコールを実質的に含有しない界面活性剤を有効成分とする展着剤は、農業用薬剤の希釈液中にごく少量添加するだけで、表面張力が著しく低下するため、植物葉上での湿展性が優れ、安価で、しかも意外なことに多くの作物に薬害が弱く、安全であることを見出した。
更に、これにPOE脂肪酸エステルを加用すると、より薬害が軽減できること、更にはこれに少量の石鹸を加用すると、農業薬剤の希釈液を調製する際の起泡が殆ど問題にならない程度にまで抑制されることを見出し、本発明を完成した。
本発明の展着剤は、ノニオン界面活性剤を有効成分とするため、広い範囲の農業用薬剤に添加することができ、汎用性のある農業用一般展着剤としての条件を具備している。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の農業用展着剤の有効成分は、炭素数が8〜24の天然アルコールにエチレンオキサイドが平均的に1〜5モル付加されたPOEアルキルエーテルであって、未反応の天然アルコールを実質的に含有しない界面活性剤である。
原料となるアルコールは飽和アルコールでも不飽和アルコールでもかまわないが、天然物であることが必須であり、天然アルコールの炭素数が8〜24のものが使用できるが、10〜18個のものが好ましく、更に好ましくは炭素数が10〜14のものである。中でも、炭素数が12のものは表面張力低下能が著しく、14のものは消泡性に優れ、特に好ましい。
エチレンオキサイドの平均的な付加モル数は、1〜5のものが使用できるが、1〜3.5のものが薬害面から好ましい。エチレンオキサイドの付加モル数が5より高くなると、薬害が急激に強くなる。
界面活性剤中に未反応のアルコールが残存すると薬害が強化される傾向があるので、未反応アルコールは実質的に含有されない程度まで除去する必要がある。ここで実質的にとは、界面活性剤中に3%以下、好ましくは1%以下である。
従来、POEアルキルエーテル系界面活性剤は、薬害が強いとされてきた。中でも、炭素数8〜12のアルキルエーテルが最も薬害が強く、炭素数がこれより大きくなるほど薬害は弱くなる。一方、エチレンオキサイドの付加モル数は、多くなるに従い、薬害は低減されるといわれる(杉村ら、植物の化学調節19(1)34‐49(1984))。本願の有効成分は、POEアルキルエーテルの中でも、従来最も薬害が強いといわれてきた範囲に入るものである。原料として天然アルコールを用い、未反応の天然アルコールを除去するだけで、このような安全性の高い展着剤を得ることができたことは全く予想外のことであった。
このような界面活性剤は、アルキルエーテル系界面活性剤を製造する常法に従って製造することができる。即ち、原料となる天然アルコールに、適当な触媒の存在下、エチレンオキサイドガスを吹き込んでPOEアルキルエーテルを調製するか、原料となる天然アルコールとモノ‐或いはポリ‐エチレングリコールとを適当な触媒の存在下で脱水縮合させることによりPOEアルキルエーテルを調製した後、未反応の天然アルコールを蒸留するなどの方法で除去することにより、容易に得ることができる。
かくして得られる炭素数が8〜24の天然アルコールにエチレンオキサイドが平均的に1〜5モル付加されたPOEアルキルエーテルであって、実質的に未反応の天然アルコールを含有しない界面活性剤の展着剤中の含有量は、特に限定は無いが、低すぎると展着剤の希釈倍数が低くなり不利であるし、高すぎると希釈倍数が高くなりすぎて使いにくい。したがって、展着剤中に5〜70%の含量として、これを農業用薬剤の希釈液中に界面活性剤として2〜200ppm程度になるように添加すればよい。
本願の展着剤中には、POE脂肪酸エステルを配合すると、さらに薬害が低減され、且つ起泡性が抑制される傾向がある。
【0007】
POE脂肪酸エステルは、通常界面活性剤として用いられるものでよい。脂肪酸は飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でもよく、炭素数が8〜30のものが好ましい。中でも、炭素数が12〜18の液状のものが取り扱いや展着剤にした場合の物理性の面から好ましい。最も好ましい脂肪酸は、ラウリン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、リシレノール酸である。エチレンオキサイドの付加モル数は特に限定は無いが、15以下のものが好ましく、10以下のものが特に好ましい。
POE脂肪酸エステルは、展着剤中に1〜70%の含量として、これを農業用薬剤の希釈液中にPOE脂肪酸エステルとして1〜500ppm程度になるように添加すればよい。本願の展着剤中には、石鹸を配合すると消泡作用が強化される。石鹸は通常使用される高級脂肪酸のナトリウム、カリウム等アルカリ金属塩でよいが、炭素数が12〜18のもの、特にオレイン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸のナトリウム、カリウム塩が好ましい。これらの中で最も好ましいものは、ミリスチン酸のナトリウム或いはカリウム塩である。
石鹸は、展着剤中に0.1〜5%の含量として、これを農業用薬剤の希釈液中に石鹸として0.1〜50ppm程度になるように添加すればよい。
本願の展着剤には、これらの他に必要に応じて、その他の界面活性剤、安定剤、溶媒等のその他の補助剤を加えることができる。
その他の界面活性剤は、上記の有効成分以外のもので、耐雨性を付与したり、薬剤の植物体中への吸収移行を増強したり、農業用薬剤の混用性を改善したりする目的で配合する。一般に、ノニオン系或いはアニオン系界面活性剤を用いることができる。カチオン系や両性イオン系の界面活性剤は、農業用薬剤が一般にノニオン系とアニオン系界面活性剤で処方されることから、使いにくい。また、POEアルキルフェニルエーテル系の界面活性剤は、本願の目的から考えて当然ながら除外される。これらの配合量は、展着剤中に0.1〜30%である。
安定剤は、展着剤の化学的或いは物理的な安定性を向上させるために添加するもので、例えば、展着剤が経時的に沈殿を生じるのを防止するために添加するEDTAやその塩のようなキレート剤、有効成分である界面活性剤を溶媒中に溶解させるための種々の相溶化剤、pH調節剤、酸化防止剤等である。これらの配合量は、安定化剤の種類や目的によっても異なるが、一般的には、0.001〜5%である。
溶媒は、本願の有効成分である界面活性剤を使い易い濃度まで希釈し、商品として適当な物理性を保持させために添加する。一般には水を主体としたものが用いられるが、本発明の有効成分である界面活性剤は、エチレンオキサイドの付加モル数が小さくHLBが小さいので、水に対する溶解度が低い。このため、界面活性剤を水の中に溶解させるための有機溶媒が必要になることが多い。したがって、このような有機溶媒は、水と親和性が高く、且つ界面活性剤をよく溶かし、融点が低く、沸点が高く、できれば展着剤が危険物に該当しないようになるものが好ましい。
好ましい有機溶媒には、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールのようなアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール及びこれらのポリマー、或いはそれらのエーテル又はエステル類等のグリコール系溶媒、NMPやDMSO、DMAA等の極性非プロトン溶媒、アジピン酸のような二塩基酸のエステル、アセトフェノンやシクロヘキサノンのようなケトン類等が挙げられ、アルコール系やグリコール系の溶媒が特に好ましい。
溶媒の配合量は、有効成分である界面活性剤や石鹸、並びにその他の添加物の種類や含有量によって異なるが、通常1〜50%、好ましくは2〜30%である。価格面だけでなく、展着剤を危険物にしないためにも、水の配合比率をできるだけ高くする方が有利であり、この点でも有機溶媒の配合量は展着剤の物理性を損なわない限り、最小限にするべきである。
本発明の展着剤は、有効成分である界面活性剤、石鹸、その他の補助剤を均一に混合溶解して調製すればよい。石鹸の添加方法は、展着剤製造時に、これらの塩を直接添加して混合溶解しても良いが、脂肪酸と対応するアルカリを苛性アルカリ或いは炭酸アルカリの形で別々に添加して溶解し、展着剤の中で石鹸溶液としても良い。
展着剤を調製するのに用いる混合機は、通常の攪拌機のついたタンクがあれば十分であり、加温装置や超音波発信機の備えがあれば尚良い。
本発明でいう農業用薬剤とは、殺虫剤、殺ダニ剤、殺菌剤、除草剤、植物成長調節剤、倒伏防止剤等の農薬をはじめ、肥料、植物栄養剤等をも含むものであり、水で希釈して散布するものである。本発明の展着剤は、これらの農業用薬剤を水で希釈する際に希釈液中にごく少量添加して使用する。その添加量は有効成分である界面活性剤の含有量により異なるが、農業用薬剤の希釈液中に展着剤中の有効成分であるPOEアルキルエーテルの濃度が、2〜200ppm程度になるように添加すればよい。得られる希釈液は、表面張力が30dyne/cm程度まで低化し、葉面上での湿展性に優れ、作物に対する薬害の危険性が少なく、泡立ちが極めて少ない。また、有機溶媒の種類と配合量を選択すれば、危険物に該当しないものとすることができ、従来のPOEアルキルフェニルエーテルを有効成分とする展着剤に優るとも劣らぬ汎用性の高い展着剤になりうる。
以下、本発明を更に具体的に説明するために、実施例、比較例、試験例を挙げて、より詳細に説明するが、本発明はこれらだけに限定されるものではない。尚、以下の例中の部は質量基準%を表す。
【0008】
【実施例】
[試験方法]
表面張力の測定:各展着剤を、水で所定倍数(表中xで示す)に希釈し、希釈液の表面張力をDu ’Nouyの表面張力計で測定した。
葉面上での湿展性:キャベツ幼葉上に、各展着剤を水で10000倍に希釈した液10μlをマイクロピペットで添付し、葉面上での薬液の広がりを目視観察した。
●:濡れて広範囲に広がる
○:濡れるが広がり面積は小さい
△:濡れにくく水滴は球状であるが、葉を傾けても転がり落ちない
×:濡れず葉を傾けると転がり落ちる
××:水滴が転がり落ちて添付できない
起泡性試験:各展着剤の水で5000倍に希釈した液100mlを容量250mlの共栓シリンダーに入れ、20回転倒混合した後静置し、生成した泡の高さ(cm)を1分後に測定した。
薬害試験:各展着剤を水で333倍に希釈し、温室内でポットに育てた水稲、秋小麦、キャベツ、トマト、大豆、キュウリの幼苗に散布処理し、作物ごとに、約1週後の薬害を0(薬害なし)〜4(薬害大、実用不可)の5段階で評価した(各作物3ポット)。薬害度を以下の式に従って算出した。作物ごとの薬害度の値を合計し、6種の作物の平均値を算出して、薬害の強さを評価した。得られた平均値から対照としたPOE(4)ノニルフェニルエーテル(比較例15)の平均薬害度との差を求め、補正薬害度とした。
【数1】
平均薬害度=[Σ(当該薬害指数x株数)/(最大薬害指数x全株数)]x100
本発明の界面活性剤を用いて、下記処方で展着剤を調製した。
【0009】
【実施例1〜9】
Figure 0004091869
【0010】
【実施例10〜11】
Figure 0004091869
【0011】
【実施例12〜15】
Figure 0004091869
[比較例]
本発明に該当しない界面活性剤を用いて実施例と同様に展着剤を調製した。
【0012】
【比較例1〜15】
Figure 0004091869
【0013】
【比較例16〜17】
Figure 0004091869
[試験例]
【0014】
【試験例1】
物理性試験
使用した界面活性剤と、得られた展着剤の物理性を表1に示す。
【0015】
【表1】
物理性試験結果
Figure 0004091869
【0016】
Figure 0004091869
【0017】
【試験例2】
薬害試験
実施例1〜9及び比較例1〜18で試製した展着剤について、薬害試験を行った。結果を表2に示す.
【0018】
【表2】
薬害試験結果
Figure 0004091869
【0019】
表1及び2から明らかなように、本発明の界面活性剤を用いた実施例1〜9は、いずれも補正薬害度が平均で5以下或いはマイナスの値(界面活性剤としてPOE(4)ノニルフェニルエーテルを用いた比較例15と同等或いはそれより薬害が軽いことを示す)であったが、本発明に該当しないPOEアルキルエーテル系界面活性剤を用いた比較例1〜11や、ジエチルヘキシルスルホサクシネートNaやPOE(7)ジスチリルフェニルエーテルを用いた比較例12、13は、補正薬害度(平均)が10以上を示し、作物に対する薬害が強かった。また、界面活性剤にPOE(4)オレイン酸エステルを用いた比較例14は、薬害は軽かったが、希釈液の表面張力が低下せず、葉面上での湿展性がよくなかった。さらに、本発明の界面活性剤にPOE脂肪酸エステルを配合すると、薬害は軽くなリ、且つ起泡性も抑制される傾向が見られ、これに石鹸を添加すると、水希釈時に殆ど泡が立たなくなった。作物への薬害は殆ど変わらなかった。一方、本発明に該当しない界面活性剤にPOE脂肪酸エステルを配合すると、薬害は若干軽くなる傾向が見られたものの、補正薬害度の平均値は10以上の高い値を示した(比較例16、17)。
【0020】
【発明の効果】
これまで、広い範囲の農業用薬剤に適用可能な一般展着剤に用いられてきた界面活性剤は、POEアルキルフェニルエーテル系界面活性剤が多かった。しかし、この界面活性剤は、自然環境に悪影響を与えることが明らかにされており、早い機会に代替する必要がある。本発明の有効成分は、天然の高級アルコールにエチレンオキサイドを低モル付加させ、未反応のアルコールを除去したものであり、安全性の点で有利である。従来POEアルキルエーテル系界面活性剤は薬害が強いとされていたが、アルコールに天然の高級アルコールを用い、未反応のアルコールを除去するだけで、広い範囲の農業用薬剤に安心して使える一般展着剤を得ることができたことは、安価、安全、省力を要求される今日の日本農業に貢献することができる。

Claims (8)

  1. 炭素数が8〜24の天然アルコールにエチレンオキサイドが平均的に1〜5モル付加されたポリオキシエチレンアルキルエーテルであって、未反応の天然アルコールを実質的に含有しない界面活性剤を有効成分として含有する、作物に対して安全性の高い農業用展着剤。
  2. 天然アルコールの炭素数が10〜18個である請求項1記載の農業用展着剤。
  3. エチレンオキサイドの平均的な付加モル数が1〜3.5モルである請求項1乃至2項記載の農業用展着剤。
  4. さらに、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル系界面活性剤を有効成分として含有する請求項1乃至3記載の農業用展着剤。
  5. ポリオキシエチレン脂肪酸エステルが炭素数12〜18の脂肪酸エステルである請求項4記載の農業用展着剤。
  6. 石鹸を含有する請求項1乃至5項記載の農業用展着剤。
  7. 石鹸が炭素数12〜18の脂肪酸のナトリウム又はカリウム塩である請求項6項記載の農業用展着剤。
  8. 石鹸がオレイン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸のナトリウム又はカリウム塩である請求項6項記載の農業用展着剤。
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