JP6422727B2 - 金属化フィルムコンデンサにおけるバスバー溶接構造 - Google Patents

金属化フィルムコンデンサにおけるバスバー溶接構造 Download PDF

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Description

本発明は金属化フィルムコンデンサにおけるバスバー溶接構造に関する。
金属化フィルムコンデンサは概ね次のような構成を有している。誘電体フィルムの少なくとも片面に金属蒸着電極を形成してなる金属化フィルムが巻回または積層され、その軸方向両端に金属微粒子の溶射によるメタリコンが形成されてコンデンサ素子が構成される。ここで、奇数層目の金属蒸着電極が軸方向一端側のメタリコン(正極)に接続され、偶数層目の金属蒸着電極が軸方向他端側のメタリコン(負極)に接続される。コンデンサ素子の軸方向両端のメタリコンに正極および負極のバスバーの基部が抵抗溶接される。バスバーの端部は外部の給電ラインに接続するための接続端子部となっている。そして、バスバーの接続端子部を除いて全体を外装樹脂で被覆して金属化フィルムコンデンサが構成される。
図6は第1の従来例の金属化フィルムコンデンサにおけるバスバー溶接構造を示す断面図、図7は第2の従来例のバスバー溶接構造を示す断面図である。いずれも、溶接電極3を用いて銅、アルミニウムなどの断面形状矩形のバスバー2を亜鉛、錫または亜鉛と錫の合金などのメタリコン1に抵抗溶接している。すなわち、図6においては、メタリコン1に対してバスバー2を押圧する溶接電極3は、その作用面3aの幅が断面形状矩形のバスバー2の幅より小さいものとなっている。これに対して、図7においては、溶接電極3の作用面3aの幅は断面形状矩形のバスバー2の幅より大きいものとなっている。図6、図7のいずれにおいても、抵抗溶接は図の(a)から(b)へと進行し、バスバー2がメタリコン1に喰い込む深さが増していく。メタリコン1においてバスバー2が喰い込んだ領域が凹部1aとなる。つまり、溶接電極3を用いてバスバー2をメタリコン1に対して圧入溶接する際に、メタリコン1の一部が溶出する。メタリコン1が溶出したものが溶出金属4である。喰い込み深さが増加するにつれて、溶出金属4の体積も増加する。
特開平7−115040号公報 特開平8−64468号公報
上記で説明した従来例のバスバー溶接構造にあっては、図6(b)、図7(b)に示すように、バスバー2はメタリコン1の凹部1aに喰い込む状態で抵抗溶接され、溶出金属4はバスバー2の上側面2bよりも高い位置まで大きくはみ出している。このように大きくはみ出した溶出金属4は、コンデンサ素子を組み付けて金属化フィルムコンデンサを構成する際に確保しなければならない絶縁距離の増大を招く。すなわち、金属化フィルムコンデンサにおける体積効率の悪化を招く。
本発明はこのような事情に鑑みて創作したものであり、絶縁距離の増大化の問題や体積効率の悪化の問題を抑制できる金属化フィルムコンデンサにおけるバスバー溶接構造を提供することを目的としている。
本発明は、次の手段を講じることにより上記の課題を解決する。
本発明によるバスバー溶接構造は、
溶接電極を用いてのバスバーのメタリコンに対する圧入溶接の際に、前記メタリコンの一部が溶出して矩形断面形状の凹部が形成され、前記バスバーはその一部が前記凹部に喰い込んだ状態で前記メタリコンに溶接されるバスバー溶接構造であって、
前記バスバーの断面形状は前記凹部の矩形断面形状に対して外側面部が除去された非矩形状に形成され、かつ、前記凹部の底面に接触する辺と前記溶接電極の作用面に接する辺とが互いに平行をなす台形となっており、
前記バスバー断面形状が台形の斜面をなす外側面と、前記凹部の内側面と、前記メタリコンの表面と、これに対向する状態で前記バスバーに当接する前記溶接電極の作用面とで囲まれる領域に限定された状態で前記溶出金属が連続的に展開していることを特徴とする。
バスバーが圧入によってメタリコンに喰い込むことでメタリコンに形成される凹部は、その断面形状が矩形となる。上記した従来例の場合には、バスバーの断面形状も矩形であるため、矩形断面形状の凹部の全領域に対してバスバーが喰い込む状態となり、メタリコンの一部である溶出金属は、その全量が凹部からはみ出す状態となる。これに対して、本発明の場合は、バスバーが非矩形状に形成されている。すなわち、非矩形状のバスバーは、その断面形状がメタリコンの凹部の矩形断面形状に対して外側面部が除去されたものとなっている。溶出金属の体積は、非矩形状のバスバーの一部が喰い込むことでメタリコンに形成される凹部の体積と同じであるが、非矩形状のバスバーのうち凹部に喰い込んでいるバスバー部分の体積は凹部の体積よりも小さい。したがって、凹部の一部の領域(凹部の内側面に隣接する領域)に留まることになる。そして、溶出金属のうちの残りの部分が凹部の外側に溢れ出ることになる。この凹部の外側に溢れ出た溶出金属部分の体積と非矩形状のバスバーのうち凹部に喰い込んでいるバスバー部分の体積とは互いに等しい。溢れ出た溶出金属部分は凹部の一部の領域に留まっている溶出金属部分に対して連続している。
前記バスバーの断面形状(非矩形状)としては、いくつかのパターンがある。
まず、前記バスバーの断面形状が、前記凹部の底面に接触する辺と前記溶接電極の作用面に接する辺とが互いに平行をなす台形となるパターンである。この場合、前記バスバー断面形状が台形の斜面をなす外側面と、前記凹部の内側面と、前記メタリコンの表面と、これに対向する状態で前記バスバーに当接する前記溶接電極の作用面とで囲まれる領域に限定された状態で前記溶出金属が連続的に展開することになる。
また、前記バスバーの断面形状が、前記凹部の底面に接触する辺と前記溶接電極の作用面に接する頂点をもつ三角形となるパターンである。この場合、前記バスバー断面形状が三角形の斜面をなす外側面と、前記凹部の内側面と、前記メタリコンの表面と、これに対向する状態で前記バスバーに当接する前記溶接電極の作用面とで囲まれる領域に限定された状態で前記溶出金属が連続的に展開することになる。
また、前記バスバーの断面形状が曲線となるパターンである。この場合、前記バスバー断面形状が曲線をなす外側面と、前記凹部の内側面と、前記メタリコンの表面と、これに対向する状態で前記バスバーに当接する前記溶接電極の作用面とで囲まれる領域に限定された状態で前記溶出金属が連続的に展開することになる。
本発明では、溢れ出た溶出金属部分を、メタリコンの表面に対向する溶接電極の作用面とメタリコンの表面との間の空間領域に閉じ込めるようにしている。すなわち、メタリコンの表面と凹部の外側に位置する非矩形状のバスバーの外側面と溶接電極の作用面とで囲まれた領域に溶出金属が閉じ込められる。換言すれば、溶出金属が溶接電極の作用面からバスバーの圧入方向とは反対側にはみ出すことを規制する。このような溶出金属の閉じ込めのために、本発明では、溶接電極の外側面の境界位置を次のように定める。すなわち、溶接電極の外側面を、メタリコンの表面と溶接電極の作用面とに挟まれた領域にある溶出金属の外側面よりもさらに外側方位置まで延在させている。
なお、上記構成の本発明のバスバー溶接構造には、次のようないくつかの好ましい態様がある。
前記の溶接電極の外側面の延在位置については、非矩形状のバスバーの断面形状が台形の場合、三角形の場合のそれぞれにつき、次のように設定することが好ましい。溶接電極の外側面の延在位置につき断面形状台形または三角形のバスバーの幅方向の中心線からの
延在寸法をyとする。
断面形状台形のバスバーの場合、台形の下底(バスバーの下辺)の寸法を2×a、台形の上底(バスバーの上辺)の寸法を2×b、バスバーの全高寸法のうち凹部より外部に位置する高さ寸法の
割合をγとする。溶接電極の外側面の中心線からの延在寸法yは、
y≧(a+b)/2γ
と設定する。
一方、断面形状三角形のバスバーの場合は、上記の寸法b=0として、
溶接電極の外側面の中心線からの延在寸法yは、
y≧a/2γ
と設定する。
本発明によれば、金属化フィルムコンデンサにおけるバスバー溶接構造につき、バスバーの断面形状を外側面部が除去された非矩形状(台形、三角形、曲線)となし、溶出金属の存在領域が、メタリコンの表面とこれに対向する溶接電極の作用面とで囲まれる領域に限定されるように構成したことにより、上述の従来例に認められた絶縁距離の増大化の問題や体積効率の悪化の問題を抑制することができる。
本発明の第1の実施例の金属化フィルムコンデンサにおけるバスバー溶接構造の構成を示す断面図 本発明の第1の実施例のバスバー溶接構造における作用説明図 本発明の第1の実施例のバスバー溶接構造におけるにおけるバリエーションの説明図 本発明の第2の実施例の金属化フィルムコンデンサにおけるバスバー溶接構造を示す断面図 本発明の第3の実施例の金属化フィルムコンデンサにおけるバスバー溶接構造を示す断面図 第1の従来例の金属化フィルムコンデンサにおけるバスバー溶接構造を示す断面図 第2の従来例の金属化フィルムコンデンサにおけるバスバー溶接構造を示す断面図
以下、上記構成の本発明のバスバー溶接構造につき、その実施の形態を具体的な実施例のレベルで詳しく説明する。
以下、本発明にかかわるバスバー溶接構造の実施例を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施例の金属化フィルムコンデンサにおけるバスバー溶接構造を示す断面図である。図1において、1は亜鉛、錫または亜鉛と錫の合金などの金属材料で構成されたメタリコン(金属溶射電極)、2は銅、アルミニウムなどの金属材料で構成されたバスバー(板状導体)、3はバスバー2をメタリコン1に対して抵抗溶接する際に用いられる溶接電極である。
溶接電極3を用いてバスバー2をメタリコン1に対して圧入溶接する際に、メタリコン1の一部が溶出する。メタリコン1が溶出したものが溶出金属4である。メタリコン1の溶出の結果、メタリコン1には矩形断面形状の凹部1aが形成される。バスバー2はその縦方向の下半側の一部が凹部1aに喰い込んだ状態でメタリコン1に溶接される。
バスバー2は、その断面形状がメタリコン1における凹部1aの矩形断面形状に対して、その外側面部が除去された非矩形状に形成されている。より具体的には、非矩形状のバスバー2は、本実施例では、その断面形状が、凹部1aの底面に接触する辺と溶接電極3の作用面3aに接する辺とが互いに平行をなす台形となっている。2aは断面形状台形のバスバー2における底辺をなす下側面、2bは上辺をなす上側面、2cは左右の脚であって斜面をなす外側面であり、下側面2aと上側面2bとは互いに平行である。断面形状台形のバスバー2の上側面2bに当接する溶接電極3の作用面3aはメタリコン1の表面1bに対して平行となっている。
Aは、断面形状台形のバスバー2の斜面をなす外側面2cと、メタリコン1における凹部1aの内側面1a1 と、メタリコン1の表面1bと、このメタリコン1の表面1bに対向する状態でバスバー2の上側面2bに当接する溶接電極3の作用面3aとで囲まれる領域である。この領域Aは、メタリコン1が溶けた溶出金属4を連続的に展開させる空間部分であり、溶出金属展開領域Aと記載する。溶出金属展開領域Aは、断面形状台形のバスバー2の幅方向の中心線Oに関して左右対称に2箇所存在している。溶出金属4はこの溶出金属展開領域Aの内部に限定される状態で展開されている。
溶接電極3を取り除いた状態で、左右の溶出金属4の上側面4aは、断面形状台形のバスバー2の上側面2bに対して面一状態となっている。
溶接電極3を用いてバスバー2をメタリコン1に対して溶接する作業は、次のように行われる。凹部1aがまだ形成されていない状態で、メタリコン1の表面1bに断面形状台形のバスバー2の下側面2aを載置当接し、さらにバスバー2の上側面2bに溶接電極3の作用面3aを当接した上で、押圧力を印加する。そして、その加圧状態で溶接電極3に通電を行う(もう1つの溶接電極は図示しないコンデンサ素子の軸方向反対側のメタリコンに当接されている)。このときに行われるのが抵抗溶接である。この抵抗溶接作業の進行に従って、メタリコン1が加熱され、溶出する。この溶出につれて、メタリコン1にはバスバー2が喰い込む凹部1aが形成される。凹部1aは、次第にその深さを増していき、それに伴って、溶出金属4もその量が増加していく。
凹部1aの内部において、バスバー2の斜面をなす外側面2cと凹部1aの内側面1a1 との間の断面形状三角形の空間領域A1 (これは図2でCEDで囲まれる領域で凹部1aの一部分を形成する)が次第に大きくなっていくが、量が増加していく溶出金属4は、その一部が断面形状三角形の空間領域A1 に溜まることになる。溶出金属4のうちの残りの部分は凹部1aの外側に溢れ出る。凹部1aの外側に溢れ出た溶出金属部分の体積と断面形状台形のバスバー2のうち凹部1aに喰い込んでいるバスバー部分の体積とは互いに等しい。
作用面3aに対して垂直をなす溶接電極3の外側面3bの境界位置は、メタリコン1の表面1bに対向する溶接電極3の作用面3aとメタリコン1の表面1bとの間の空間領域A2 (図2でDFGHで囲まれた領域)に、凹部1aから溢れ出た溶出金属4を閉じ込めることができるように定めている。すなわち、溶接電極3の外側面3bを、メタリコン1の表面1bと溶接電極3の作用面3aとに挟まれた領域A2 にある溶出金属4の外側面4bよりもさらに外側方位置まで延在させている。これにより、溶出金属4が溶接電極3の作用面3aからバスバー2の圧入方向(下向き方向)とは反対側(上側)にはみ出すこと
を規制している。
次に溶接電極3の外側面3bの延在位置の設定について説明する。図2は第1の実施例のバスバー溶接構造における作用説明図である。結論から先に説明すると、図2に示すように、断面形状台形のバスバー2の幅方向の中心線Oからの延在寸法をyとし、バスバー2の下側面2aの寸法を2a、上側面2bの寸法を2b、バスバー2の全高寸法ho のうち凹部1aより上方外部に位置する高さ寸法h2 の割合をγとして、
y≧(a+b)/2γ………(1)
γ=h2 /ho ………(2)
のように設定する。ここで、(バスバー2の下側面2aの寸法2a)>(バスバー2の上側面2bの寸法2b)である。すなわち、バスバー2の下側面2aを長辺とし、バスバー2の上側面2bを短辺とする。バスバー2の全高寸法ho のうち凹部1a内に存在する高さ寸法h1 については、
o =h1 +h2 ………(3)
の関係となっている。図2では断面形状台形のバスバー2の幅方向の中心線Oから右半分のみを図示している。左半分は図示した右半分に対して左右対称形となっている。
先に、凹部1aの外側に溢れ出た溶出金属部分の体積と断面形状台形のバスバー2のうち凹部1aに喰い込んでいるバスバー部分の体積とは互いに等しい、と説明した。図2は断面図であり、以下の計算では、体積に代えて面積を用いることとする。面積での計算は、体積での計算と等価なものである。
断面形状台形のバスバー2のうち凹部1aに喰い込んでいるバスバー部分(右上から左下に向かうハンチングで示す四角形ABCD)の面積をS1、凹部1aの外側に溢れ出た溶出金属部分(左上から右下に向かうハンチングで示す四角形DFGH)の面積をS2とする。
S1=(a+c)・h1 /2………(4)
S2=(d+e)・(ho −h1 )/2………(5)
式(4)と式(5)を等しいとおいて、
(a+c)・h1 =(d+e)・(ho −h1 )………(6)
角HCB=αとして、勾配mは、
m=tan α=ho /(a−b)………(7)
o =m・(a−b)………(8)
1 =m・(a−c)………(9)
o −h1 =m・(e−d)………(10)
1 =m・(d−x)………(11)
ここで、a=BC、b=IH、c=AD、d=DF、e=HG、x=EFである。
式(9)から、
c=a−(h1 /m)………(12)
式(10)と式(11)から、
d=(h1 /m)+x………(13)
e=(ho /m)+x………(14)
式(12)〜(14)を式(6)に代入して、
(2am−h1 )・h1 =(2mx+ho +h1 )(ho −h1 )………(15)
式(15)からxを求めると、
x=(2am・h1 −ho 2 )/2m(ho −h1 )………(16)
ここで、溶接電極3の外側面3bの延在寸法yの最小値をym とすると、
m =x+a………(17)
として、ym を求めると、
m =(2am−ho )・ho /2m(ho −h1 )………(18)
式(2)と式(3)を用いると、
o /(ho −h1 )=1/γ………(19)
また、式(8)より、
m=ho /(a−b)………(20)
式(19)、式(20)を式(18)に代入して式(18)からmを消去すると、
m ={2a・ho /(a−b)−ho }/2γ・ho /(a−b)
={2a−(a−b)}ho /2γ・ho
∴ ym =(a+b)/2γ………(21)
以上により、溶出金属4が溶接電極3の作用面3aからバスバー2の圧入方向(下向き方向)とは反対側(上側)にはみ出すことを規制するためには、溶接電極3の外側面3bの延在位置は、断面形状台形のバスバー2の幅方向の中心線Oからの延在寸法をyとすると、y≧ym であって、
y≧(a+b)/2γ………(22)
であればよいことが分かる。式(22)はすでに記載した式(1)と同じものである。ここで、aは断面形状台形のバスバー2の下側面2aの寸法の2分の1の寸法、bは上側面2bの寸法の2分の1の寸法、γはバスバー2の全高寸法ho のうち凹部1aより上方外部に位置する高さ寸法h2 の割合である。
yの最小値ym はγに反比例する。ちなみに、
γ=0.1のとき、y≧5・(a+b)
γ=0.2のとき、y≧2.5・(a+b)
γ=0.3のとき、y≧1.67・(a+b)
γ=0.4のとき、y≧1.25・(a+b)
γ=0.5のとき、y≧1・(a+b)
γ=0.6のとき、y≧0.833・(a+b)
γ=0.7のとき、y≧0.714・(a+b)
γ=0.75のとき、y≧0.667・(a+b)
γ=0.8のとき、y≧0.625・(a+b)
γ=0.9のとき、y≧0.556・(a+b)
γ=1.0のとき、y≧0.5・(a+b)
のようになる。図3は第1の実施例のバスバー溶接構造におけるバリエーションの説明図である。図3の(a),(b),(c),(d)は一例を示す。抵抗溶接の最終工程でメタリコン1に対するバスバー2の喰い込み深さが大きいものから小さいものにかけて例示している。図3で明らかなように、喰い込み深さが大きい構造のものほど、溶出金属4の水平方向展開寸法が大きく、その溶出金属4が溶接電極3の作用面3aより上側に回り込まないように、喰い込み深さが大きい構造のものほど、溶接電極3の横幅を大きなものにしている。
寸法ym と寸法aの関係では、y≧aとなるのが好ましいので、
m =(a+b)/2γ≧a………(23)
すなわち、
γ≦(a+b)/2a………(24)
とするのがよい。
以上のような次第につき、溶接電極3を用いてのバスバー2のメタリコン1に対する抵抗溶接においては、変位制御を行うことが好ましい。
図4は本発明の第2の実施例の金属化フィルムコンデンサにおけるバスバー溶接構造を
示す断面図である。この実施例の場合、非矩形状のバスバー2の断面形状として、メタリコン1の凹部1aの底面に接触する辺と溶接電極3の作用面3aに接する頂点をもつ三角形を採用したものである。第2の実施例の場合、式(22)において、b=0を代入すればよい。すなわち、溶接電極3の外側面3bのバスバー2の幅方向の中心線Oからの延在寸法yは、
y≧a/2γ………(25)
とすればよい。また、式(23)において、b=0を代入した上で整理すると、
γ≦1/2………(26)
となる。すなわち、メタリコン1に対するバスバー2の喰い込みは、バスバー2の全高ho の2分の1以上とする。
図5は本発明の第3の実施例の金属化フィルムコンデンサにおけるバスバー溶接構造を示す断面図である。この実施例の場合、非矩形状のバスバー2の断面形状として、その外側面2cの断面形状を曲線としたものである。図示のものは、バスバー2の外側面2cを内側(下側)に凹入する曲線としたが、これとは逆に外側(上側)突出する曲線としてもよい。図5に示すように、バスバー2の外側面2cを内側(下側)に湾曲させた曲線とすることにより、第1の実施例と比較して溶出金属4を保持する空間領域を増加させることができ、溶出金属4がバスバー2の上側面2bよりも高い位置まではみ出すのを確実に防止することができる。この曲線の態様は、図4のような外側面2cが三角形のバスバー2の場合にも適用し得る。また、バスバー2の外側面については、曲面に限らず、互いに傾斜角度の異なる平面状(断面が直線状)の傾斜面を複数組み合わせることによりバスバー2の外側面を構成してもよい。
上記のいずれの実施例にあっても、金属化フィルムコンデンサにおけるバスバー溶接構造につき、バスバー2の断面形状を外側面部が除去された非矩形状となし、溶出金属4の存在領域が、メタリコン1の表面1bとこれに対向する溶接電極3の作用面3aとで囲まれる領域に限定されるように構成したことにより、上述の従来例に認められた絶縁距離の増大化の問題および体積効率の悪化の問題を解消することができるに至った。
本発明は、金属化フィルムコンデンサにおけるバスバー溶接構造において、必要とされる絶縁距離の削減化および体積効率の向上を図る技術として有用である。
1 メタリコン
1a 凹部
1a1 凹部の内側面
1b メタリコンの表面
2 バスバー
2c バスバーの外側面
3 溶接電極
3a 溶接電極の作用面

Claims (6)

  1. 溶接電極を用いてのバスバーのメタリコンに対する圧入溶接の際に、前記メタリコンの一部が溶出して矩形断面形状の凹部が形成され、前記バスバーはその一部が前記凹部に喰い込んだ状態で前記メタリコンに溶接されるバスバー溶接構造であって、
    前記バスバーの断面形状は前記凹部の矩形断面形状に対して外側面部が除去された非矩形状に形成され、かつ、前記凹部の底面に接触する辺と前記溶接電極の作用面に接する辺とが互いに平行をなす台形となっており、
    前記バスバー断面形状が台形の斜面をなす外側面と、前記凹部の内側面と、前記メタリコンの表面と、これに対向する状態で前記バスバーに当接する前記溶接電極の作用面とで囲まれる領域に限定された状態で前記溶出金属が連続的に展開していることを特徴とする金属化フィルムコンデンサにおけるバスバー溶接構造。
  2. 溶接電極を用いてのバスバーのメタリコンに対する圧入溶接の際に、前記メタリコンの一部が溶出して矩形断面形状の凹部が形成され、前記バスバーはその一部が前記凹部に喰い込んだ状態で前記メタリコンに溶接されるバスバー溶接構造であって、
    前記バスバーの断面形状は、前記凹部の矩形断面形状に対して外側面部が除去された非矩形状に形成され、かつ、前記凹部の底面に接触する辺と前記溶接電極の作用面に接する頂点をもつ三角形となっており、
    前記バスバー断面形状が三角形の斜面をなす外側面と、前記凹部の内側面と、前記メタリコンの表面と、これに対向する状態で前記バスバーに当接する前記溶接電極の作用面とで囲まれる領域に限定された状態で前記溶出金属が連続的に展開していることを特徴とする金属化フィルムコンデンサにおけるバスバー溶接構造。
  3. 溶接電極を用いてのバスバーのメタリコンに対する圧入溶接の際に、前記メタリコンの一部が溶出して矩形断面形状の凹部が形成され、前記バスバーはその一部が前記凹部に喰い込んだ状態で前記メタリコンに溶接されるバスバー溶接構造であって、
    前記バスバーの断面形状は、前記凹部の矩形断面形状に対して外側面部が除去された非矩形状に形成され、かつ、その外側面の断面形状が曲線となっており、
    前記バスバー断面形状が曲線をなす外側面と、前記凹部の内側面と、前記メタリコンの表面と、これに対向する状態で前記バスバーに当接する前記溶接電極の作用面とで囲まれる領域に限定された状態で前記溶出金属が連続的に展開していることを特徴とする金属化フィルムコンデンサにおけるバスバー溶接構造。
  4. 前記溶接電極の外側面の延在位置は、前記断面形状台形のバスバーの幅方向の中心線からの延在寸法をyとし、前記断面形状台形のバスバーの下辺である下底の寸法を2a、その上辺である上底の寸法を2b、全高寸法のうち前記凹部より外部に位置する高さ寸法の割合をγとして、
    y≧(a+b)/2γ
    に設定されている請求項に記載の金属化フィルムコンデンサにおけるバスバー溶接構造。
  5. 前記溶接電極の外側面の延在位置は、前記断面形状三角形のバスバーの幅方向の中心線からの延在寸法をyとし、前記断面形状三角形のバスバーの下辺である下底の寸法を2a、全高寸法のうち前記凹部より外部に位置する高さ寸法の割合をγとして、
    y≧a/2γ
    に設定されている請求項に記載の金属化フィルムコンデンサにおけるバスバー溶接構造。
  6. 前記溶接電極の外側面は、前記メタリコンの表面と前記溶接電極の作用面とに挟まれた領域にある前記溶出金属の外側面よりもさらに外側方位置まで延在していることを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の金属化フィルムコンデンサにおけるバスバー溶接構造。
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