JP6421767B2 - 燃料ポンプの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料を加圧して吐出する燃料ポンプを制御する装置に関する。
従来、高圧燃料ポンプの作動音の低減を目的として、内燃機関の要求燃料量が少ないときに、所定期間における複数の高圧燃料ポンプの全体の作動回数を減少させるものがある(特許文献1参照)
特開2002−213326号公報
ところで、高圧燃料ポンプにより上昇させる燃料の圧力(目標燃料圧力)を高くすると(例えば100MPa)、高圧燃料ポンプにおいて加圧室内の燃料の温度が過度に上昇して、燃料蒸気による気泡が発生することを本願発明者は見出した。特許文献1に記載のものは、燃料蒸気による気泡の発生を考慮しておらず、目標燃料圧力を高くした場合に、燃料ポンプにより燃料を適切に加圧して吐出することができなくなるおそれがある。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、燃料蒸気による気泡発生を抑制することのできる燃料ポンプの制御装置を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
第1の手段は、加圧室(18)内の燃料を加圧部材(11)により加圧して吐出する吐出動作を繰り返し実行する燃料ポンプ(130)を制御する制御装置(100〜104)であって、前記加圧室内の燃料の温度である加圧室温度を取得する加圧室温度取得部と、前記加圧室温度取得部により取得された前記加圧室温度が閾値よりも高い場合に、前記燃料ポンプの1回の前記吐出動作による燃料の吐出量を増加させる吐出量制御部と、を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、燃料ポンプは、加圧室内の燃料を加圧部材により加圧して吐出する吐出動作を繰り返し実行する。加圧室内の燃料が加圧部材により加圧されると、加圧された燃料の温度が上昇する。そして、加圧室に吸入する燃料の温度が上昇することにより、燃料の蒸気圧が燃料に作用する圧力よりも上昇すると、燃料が沸騰して燃料蒸気による気泡が発生する。その結果、加圧室内を液体の燃料で満たすことができなくなる。
この点、加圧室温度取得部により加圧室内の燃料の温度である加圧室温度が取得される。そして、取得された加圧室温度が閾値よりも高い場合に、燃料ポンプの1回の吐出動作による燃料の吐出量が増加させられる。このため、1回の吐出動作により加圧室を流通する燃料量が増加し、流通する燃料による冷却効果が向上する。したがって、燃料蒸気による気泡発生を抑制することができる。
第2の手段は、加圧室(18)内の燃料を加圧部材(11)により加圧して吐出する吐出動作を繰り返し実行する燃料ポンプ(130)を制御する制御装置(100〜104)であって、前記燃料ポンプには、前記燃料ポンプにより吐出された燃料を加圧状態で保持する保持容器(140)が接続されており、前記保持容器内の燃料の圧力である保持圧力に基づいて、前記燃料ポンプの1回の前記吐出動作による燃料の吐出量を設定する吐出量設定部と、前記吐出量設定部により設定された前記吐出量が閾値よりも少ない場合に、前記燃料ポンプの1回の前記吐出動作による燃料の吐出量を増加させる吐出量制御部と、を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、吐出量設定部によって、保持容器内の燃料の圧力である保持圧力に基づいて、燃料ポンプの1回の吐出動作による燃料の吐出量が設定される。ここで、燃料ポンプの1回の吐出動作による燃料の吐出量が少ないと、1回の吐出動作により加圧室を流通する燃料量が少なくなるため、流通する燃料による冷却効果が低下する。そして、燃料の温度が上昇することにより、燃料の蒸気圧が燃料に作用する圧力よりも上昇すると、燃料が沸騰して燃料蒸気による気泡が発生する。
この点、設定された吐出量が閾値よりも少ない場合に、燃料ポンプの1回の吐出動作による燃料の吐出量が増加させられる。このため、1回の吐出動作により加圧室を流通する燃料量が増加し、流通する燃料による冷却効果が向上する。したがって、燃料蒸気による気泡発生を抑制することができる。
第3の手段は、加圧室(18)内の燃料を加圧部材(11)により加圧して吐出する吐出動作を繰り返し実行する燃料ポンプ(130)を制御する制御装置(100〜104)であって、前記燃料ポンプには、前記燃料ポンプにより吐出された燃料を加圧状態で保持する保持容器(140)が接続されており、前記保持容器内の燃料の圧力である保持圧力に基づいて、前記燃料ポンプの1回の前記吐出動作による燃料の吐出量を設定する吐出量設定部と、前記吐出量が閾値よりも少ない場合に、前記吐出量設定部により設定された前記吐出量にかかわらず、前記燃料ポンプの1回の前記吐出動作による燃料の吐出量を所定量よりも多く設定する吐出量制御部と、を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、設定された吐出量が閾値よりも少ない場合に、吐出量設定部により設定された吐出量にかかわらず、燃料ポンプの1回の吐出動作による燃料の吐出量が所定量よりも多く設定される。このため、1回の吐出動作により加圧室を流通する燃料量が多くなり、流通する燃料による冷却効果が向上する。したがって、燃料蒸気による気泡発生を抑制することができる。
第4の手段は、加圧室(18)内の燃料を加圧部材(11)により加圧して吐出する吐出動作を繰り返し実行する燃料ポンプ(130)を制御する制御装置(100〜104)であって、前記燃料ポンプには、前記燃料ポンプにより吐出された燃料を加圧状態で保持する保持容器(140)が接続されており、前記保持容器内の燃料の圧力である保持圧力に基づいて、前記燃料ポンプの1回の前記吐出動作による燃料の吐出量を設定する吐出量設定部と、前記保持圧力が閾値よりも高い場合に、前記吐出量設定部により設定された前記吐出量にかかわらず、前記燃料ポンプの1回の前記吐出動作による燃料の吐出量を所定量よりも多く設定する吐出量制御部と、を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、吐出量設定部によって、保持容器内の燃料の圧力である保持圧力に基づいて、燃料ポンプの1回の吐出動作による燃料の吐出量が設定される。ここで、保持圧力が高いと、加圧室内の燃料の圧力が高くなるため、加圧による燃料温度の上昇量が増加する。そして、燃料の温度が上昇することにより、燃料の蒸気圧が燃料に作用する圧力よりも上昇すると、燃料が沸騰して燃料蒸気による気泡が発生する。
この点、保持圧力が閾値よりも高い場合に、吐出量設定部により設定された吐出量にかかわらず、燃料ポンプの1回の吐出動作による燃料の吐出量が所定量よりも多く設定される。このため、1回の吐出動作により加圧室を流通する燃料量が多くなり、流通する燃料による冷却効果が向上する。したがって、燃料蒸気による気泡発生を抑制することができる。
燃料噴射装置を示す模式図。 図1の高圧燃料ポンプの断面図。 低レール圧時における供給温度、加圧室温度、温度上昇量の時間変化を示すグラフ。 高レール圧時における供給温度、加圧室温度、温度上昇量の時間変化を示すグラフ。 吐出量と、レール圧と、温度上昇量との関係を示すマップ。 吐出量増加前における吐出量、リーク量、噴射量等を示すタイムチャート。 吐出量増加後における吐出量、リーク量、噴射量等を示すタイムチャート。 燃料の温度と蒸気圧との関係を示すグラフ。 第1実施形態の燃料ポンプ制御の概要を示すブロック図。 ポンプ回転速度と温度上昇量との関係を示すグラフ。 図9の燃料ポンプ制御の手順を示すフローチャート。 高圧燃料ポンプの燃料吐出と、燃料噴射弁の噴射によるレール圧の変動を表す模式図。 レール圧とポンプ回転速度と必要最少吐出量Qminとの関係を示す特性線図。 第2実施形態の燃料ポンプ制御の手順を示すフローチャート。 第3実施形態の燃料ポンプ制御の手順を示すフローチャート。 第4実施形態の燃料ポンプ制御の手順を示すフローチャート。
以下、4気筒のガソリンエンジン(内燃機関)の燃料噴射装置に具体化した実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、燃料噴射装置110は、ガソリンエンジン170の気筒内に燃料を直接噴射する筒内噴射式の燃料噴射装置である。燃料噴射装置110は、低圧燃料ポンプ120、高圧燃料ポンプ130、デリバリパイプ140、燃料噴射弁150、ECU100等を備えている。
低圧燃料ポンプ120は、電動式のポンプであって、燃料タンク160の燃料を汲み上げ、高圧燃料ポンプ130に供給する。高圧燃料ポンプ130(燃料ポンプに相当)は、プランジャ11と加圧室18を備えたプランジャポンプである。高圧燃料ポンプ130は、低圧燃料ポンプ120から供給された燃料を加圧室18にて加圧し、デリバリパイプ140に供給する。高圧燃料ポンプ130は、加圧室18にて加圧された燃料の圧力が所定圧力以上となった場合に開弁し、デリバリパイプ140に高圧燃料を供給する吐出弁20を備えている。
デリバリパイプ140(保持容器に相当)は、高圧燃料ポンプ130にて圧力が高められた燃料を蓄積する。すなわち、デリバリパイプ140は、高圧燃料ポンプ130により吐出された燃料を加圧状態で保持する。デリバリパイプ140には、エンジン170の各気筒に1つずつ設けられた燃料噴射弁150が接続されている。燃料噴射弁150は、各気筒に形成される燃焼室にデリバリパイプ140から供給される高圧燃料を噴射する。
次に、高圧燃料ポンプ130の構成を図2に基づいて詳細に説明する。高圧燃料ポンプ130は、シリンダ80、ハウジングカバー90、プランジャ11、調量弁60、吐出弁20等を備えている。
シリンダ80およびハウジングカバー90は、ハウジングを構成している。シリンダ80はステンレス等で形成されている。シリンダ80はプランジャ11を往復移動可能に支持する。
そして、シリンダ80には、燃料入口側に低圧燃料ポンプ120と接続する図示しない配管継手および調量弁60が取り付けられ、燃料出口側に吐出弁20が取り付けられている。
シリンダ80には、吸入通路82、加圧室18、吐出通路83、戻し通路86等が形成されている。シリンダ80の上方には、シリンダ80の上端部とハウジングカバー90との間に吸入室91が形成されている。吐出通路83の燃料出口側には、出口部84が形成されている。
吸入通路82(供給通路に相当)は、吸入室91と加圧室18とを接続する通路である。吐出通路83は、加圧室18と出口部84とを接続する通路である。戻し通路86は、摺動部81と吸入室91とを接続する通路である。
プランジャ11(加圧部材に相当)は、シリンダ80の摺動部81に往復移動可能に支持されている。加圧室18は、プランジャ11の往復移動方向の一端側に形成されている。プランジャ11の他端側に形成されたヘッド12は、スプリング座13と結合している。スプリング座13とシリンダ80との間には、スプリング15が設けられている。
スプリング座13は、スプリング15の付勢力によりタペット14の底部内壁に押し付けられている。このタペット14の底部外壁がカム16(図1参照)の回転によりカム16と摺動することにより、プランジャ11は往復移動する。
摺動部81の加圧室18とは反対側の端部には、オイルシール17が設けられている。オイルシール17は、エンジン170内から加圧室18へのオイルの侵入を防止するとともに、加圧室18からエンジン170内への燃料漏れを防止する。プランジャ11とシリンダ80の摺動箇所からオイルシール17側に漏れたリーク燃料は、戻し通路86から低圧側の吸入室91へ戻される。すなわち、戻し通路86は、高圧燃料ポンプ130の吐出動作において吐出されずに加圧室18からリークしたリーク燃料を、吸入通路82に戻す。これにより、オイルシール17に高圧の燃料圧力が加わることを抑制することができる。
調量弁60は、弁座部材61、弁部材63、閉弁用スプリング64、スプリング座65、電磁駆動部66等を備えている。調量弁60は、吸入室91から加圧室18に吸入される燃料の量を制御する弁である。弁座部材61、弁部材63、閉弁用スプリング64およびスプリング座65は、シリンダ80に形成されている収容孔87に収容されている。収容孔87は、吸入通路82途中に形成されている。収容孔87の底部は、加圧室18側の吸入通路82に接続され、収容孔87の側壁は、吸入室91側の吸入通路82に接続されている。
弁座部材61は、円筒状に形成されており、収容孔87の側壁に支持されている。弁座部材61は、内周壁に弁部材63が着座する弁座62を有している。弁部材63は、有底円筒状に形成されており、底部外壁が弁座62に着座するように弁座部材61に収容されている。弁部材63の内周壁側には、閉弁用スプリング64が収容されている。
閉弁用スプリング64は、一方の端部が弁座部材61に取り付けられたスプリング座65に支持され、他方の端部が弁部材63の底部内壁に支持されている。弁部材63は、閉弁用スプリング64の付勢力により、弁座62に着座する方向に押し付けられる。弁部材63が弁座62に着座すると、吸入室91と加圧室18との連通が遮断される。
電磁駆動部66は、ボデー67、固定コア68、可動コア70、ピン71、開弁用スプリング72、コイル73およびコネクタ74等を備えている。
ボデー67は、収容孔87の開口部を覆うとともに磁性材から形成された固定コア68を支持する。固定コア68は、吸引部69を有している。
可動コア70は、磁性材から形成されており、固定コア68の吸引部69側に設けられている。可動コア70は、ボデー67を貫くようにして設けられたピン71と結合している。吸引部69は、可動コア70を吸引する磁気吸引力を可動コア70との間に発生する。ピン71は、可動コア70とともに往復移動し、弁部材63を離着座方向に移動させる。
固定コア68と可動コア70との間には、開弁用スプリング72が設けられている。開弁用スプリング72の付勢力は、閉弁用スプリング64の付勢力よりも大きい。このため、吸引部69に磁気吸引力が発生していないときは、可動コア70は、固定コア68から離れる方向に移動する。つまり、弁部材63を弁座62から離座する方向に移動する。その結果、吸入室91と加圧室18とが連通する。すなわち、調量弁60は、ノーマリーオープンタイプの弁である。
コイル73は、固定コア68の外周側に設けられている。コイル73の外周側には、コイル73に電力を供給するコネクタ74が設けられている。コイル73に外部からの電力が供給されると、固定コア68および可動コア70を通過する磁束が発生し、吸引部69と可動コア70との間に磁気吸引力が働く。磁気吸引力の発生により可動コア70は固定コア68側に移動し、弁部材63に弁座62が着座する。その結果、吸入室91と加圧室18との連通が遮断される。
吐出弁20は、弁座21、弁体22、ストッパ27およびスプリング28を有し、吐出通路83内に収容されている。弁座21は、吐出通路83の内壁に形成されている。弁体22は、略円筒状に形成されており、弁座21よりも出口部84側に設けられている。弁体22は、大径部23と小径部24とを有している。大径部23は、吐出通路83に摺動可能に支持されている。小径部24は、大径部23よりも加圧室18側に設けられ、弁体22が加圧室18側に移動することにより、小径部24の先端が弁座21に着座する。
小径部24の側壁には、弁体22の内部に形成される燃料通路25に連通する貫通孔26が複数個形成されている。これにより、弁体22が弁座21から離座したとき、小径部24と吐出通路83との間の隙間に流入した燃料は、貫通孔26を通過して燃料通路25に流入し、出口部84へ向かって流れる。
ストッパ27は、略円筒状に形成され、弁体22よりも出口部84側に設けられている。ストッパ27は、吐出通路83に固定され、弁体22の出口部84側への移動を規制する。スプリング28は、ストッパ27と弁体22の大径部23との間に設けられている。スプリング28は、ストッパ27と弁体22とを引き離すように付勢する。これにより、弁体22の小径部24は、弁座21に着座し、加圧室18と出口部84との連通が遮断される。
弁体22の加圧室18側と出口部84側との間に差圧が発生し、弁体22の小径部24の先端に働く力がスプリング28の付勢力を上回ると、弁体22は弁座21から離座し、加圧室18と出口部84とが連通する。
次に、高圧燃料ポンプ130の動作について説明する。
(1)吸入行程
プランジャ11が下降するとき、調量弁60のコイル73には電力が供給されていない。プランジャ11が下降すると、加圧室18の燃料圧力が低下し、吸入室91内の燃料が吸入通路82を介して加圧室18に吸入される。調量弁60のコイル73への通電は、プランジャ11が下死点に達するまでオフされた状態である。
(2)戻し行程
プランジャ11が下死点から上死点に向かって上昇しても、コイル73への通電は、オフされた状態である。このため、加圧室18の燃料は、調量弁60を介して吸入室91へ戻される。
(3)加圧行程
戻し行程中に、コイル73への通電をオンすると、固定コア68の吸引部69に磁気吸引力が発生し、可動コア70およびピン71が吸引部69に吸引される。その結果、弁部材63が弁座62に着座し、加圧室18と吸入室91との連通が遮断され、加圧室18から吸入室91への燃料の流れが停止する。
この状態で、プランジャ11がさらに上死点に向けて上昇すると、加圧室18の燃料が加圧され燃料圧力が上昇する。そして、加圧室18の燃料圧力が所定圧力以上になると、スプリング28の付勢力に抗して弁体22が弁座21から離座し、吐出弁20が開弁する。これにより、加圧室18にて加圧された燃料は、出口部84から吐出される。出口部84から吐出された燃料は、図1に示すデリバリパイプ140に供給される。
上記(1)〜(3)の行程を繰り返すことにより、高圧燃料ポンプ130は吸入した燃料を加圧して吐出する。燃料の吐出量は、調量弁60のコイル73への通電タイミングを制御することにより調量される。
ECU100は、CPUや、RAM、ROM、燃料噴射弁150を通電駆動する駆動回路、燃料ポンプ120,130を通電駆動する駆動回路等を備えている。ROMには、後述する燃料の温度と蒸気圧との関係を示すグラフ(図8)や、吐出量Qとレール圧Pcと温度上昇量ΔTpとポンプ回転速度Npとの関係を示すマップ(図5,9)等が記憶されている。ECU100には、レール圧センサ101、カム角センサ102、フィード圧センサ103、燃温センサ104等の検出信号が入力される。
レール圧センサ101(保持圧力取得部、保持圧力検出部に相当)は、デリバリパイプ140内の燃料圧力であるレール圧Pc(保持圧力に相当)を検出する。カム角センサ102は、カム16を回転させるカム軸の角度を検出する。フィード圧センサ103(供給圧力取得部に相当)は、高圧燃料ポンプ130に供給される燃料の圧力であるフィード圧Pfを検出する。燃温センサ104(供給温度取得部に相当)は、燃料タンク160に設けられており、高圧燃料ポンプ130に供給される燃料の温度である供給温度Tinを検出する。
ECU100は、カム角センサ102の検出信号に基づいて、高圧燃料ポンプ130のポンプ回転速度Np(吐出動作の速度に相当)を算出する。ECU100は、これらのセンサ101〜104の検出信号に基づいて、高圧燃料ポンプ130による燃料の吐出量、燃料噴射弁150による燃料の噴射状態等を制御する。なお、ECU100、レール圧センサ101、カム角センサ102、フィード圧センサ103、及び燃温センサ104により、燃料ポンプの制御装置が構成されている。
ここで、高圧燃料ポンプ130は、加圧室18内の燃料をプランジャ11により加圧して吐出する吐出動作を繰り返し実行する。加圧室18内の燃料がプランジャ11により加圧されると、加圧された燃料の温度が上昇する。そして、加圧室18に吸入する燃料の温度が上昇することにより、燃料の蒸気圧が燃料に作用する圧力よりも上昇すると、燃料が沸騰して燃料蒸気による気泡が発生する。
図8は、燃料の温度と蒸気圧との関係を示すグラフである。同図に示すように、燃料の温度が高いほど、燃料の蒸気圧は高くなる。そして、燃料の温度が温度Tvよりも高くなり、燃料の蒸気圧が燃料に作用するフィード圧Pfよりも高くなると、燃料が沸騰して燃料蒸気による気泡が発生する。以下、このときの燃料の温度を、気泡発生温度Tvという。気泡発生温度Tvは、フィード圧Pfに応じて変化する。
図3は、低レール圧(例えば5MPa)時における供給温度Tin、加圧室温度Tp、温度上昇量ΔTpの時間変化を示すグラフである。同図に破線で示すように、高圧燃料ポンプ130に供給される燃料の温度(供給温度Tin)は、ほぼ一定である。実線で示すように、加圧室18内の燃料の温度(加圧室温度Tp)も、ほぼ一定である。このため、加圧室温度Tpから供給温度Tinを引いた温度上昇量ΔTpも、ほぼ一定である。
図4は、高レール圧(例えば100MPa)時における供給温度Tin、加圧室温度Tp、温度上昇量ΔTpの時間変化を示すグラフである。同図に破線で示すように、供給温度Tinはほぼ一定である。実線で示すように、加圧室温度Tpは時間の経過に伴って上昇している。このため、加圧室温度Tpから供給温度Tinを引いた温度上昇量ΔTpも、時間の経過に伴って上昇している。レール圧Pcが高いと、加圧室18内の燃料の圧力が高くなるため、加圧による燃料温度の上昇量が増加することが一因である。
さらに、高圧燃料ポンプ130の吐出動作において吐出されずに加圧室18からリークしたリーク燃料は、戻し通路86により、加圧18室に燃料を供給する吸入通路82(吸入室91)に戻される。このため、加圧されて温度が上昇した燃料が加圧18室に供給されることになり、加圧室18内の燃料の温度が更に上昇し易くなる。
詳しくは、プランジャ11の外周面と加圧室18の内周面との間には、通常数μmの隙間を設けている。このため、加圧室18内の燃料がプランジャ11により加圧されると、一部の燃料が上記隙間からリークする。高圧に圧縮された状態から隙間をリークした燃料は高温となる。この高温のリーク燃料を供給燃料に混ぜると供給燃料の温度が若干上昇する。温度が若干上昇した供給燃料を加圧室18に吸入して加圧すると、温度が更に上昇したリーク燃料が発生する.このリーク燃料を供給燃料に混ぜると供給燃料の温度が更に上昇する。このように、ある一定の運転条件で高圧燃料ポンプ130を作動させ続けると、1吐出動作ごとに加圧室18に供給する燃料の温度が上昇していく。
ここで、温度が上昇していくと、高圧燃料ポンプ130の外表面と外気との熱交換等、放熱量との釣り合いによって、燃料温度がある一定値で平衡する。同じ運転条件で高圧燃料ポンプ130の運転を続けると、図4のように、加圧室18に供給する燃料温度は徐々に上昇し、一定時間後には、ある一定温度に達して、それ以上は上昇しない。
また、高圧燃料ポンプ130の1回の吐出動作、詳しくはプランジャ11の1回の上昇動作による燃料の吐出量Qが少ないと、1回の吐出動作により加圧18室を流通する燃料量が少なくなる。このため、流通する燃料による冷却効果が低下する。
高圧燃料ポンプ130の吐出流量=供給流量=高圧燃料ポンプ130内部の燃料の入れ替わり量である。このため、高圧燃料ポンプ130が大流量で吐出している運転条件では、内部で高温のリーク燃料が発生してそれを供給燃料に混ぜても、入れ替わり量に対するリーク量の割合が小さくなる。したがって、加圧室18に供給する燃料の温度が過度に上昇する事はなく、燃料は気泡化しない。これに対して、高圧燃料ポンプ130が小流量で吐出している運転条件では、入れ替わり量に対するリーク量の割合が大きくなり、加圧室18に供給する燃料の温度が過度に上昇する。
図5は、ポンプ回転速度Np一定において、高圧燃料ポンプ130の1回の吐出動作による燃料の吐出量Qと、レール圧Pcと、温度上昇量ΔTpとの関係を示すマップである。温度上昇量ΔTpは一定時間後に平衡した時の温度上昇量である。同図に示すように、レール圧Pcが高いほど、リーク燃料は高温になるので、温度上昇量ΔTpは大きくなる。また、吐出量Qが少ないほど、入れ替わり量に対するリーク量の割合が大きくなる為、温度上昇量ΔTpは大きくなる。そして、上記フィード圧Pf及び供給温度Tinが一定であるとすると、気泡の発生する温度上昇量を温度上昇量ΔTpが超えた場合に、燃料蒸気による気泡が発生する。レール圧Pcが所定圧よりも低い場合は、気泡の発生する温度上昇量を温度上昇量ΔTpが超えず、燃料蒸気による気泡は発生しない。また、吐出量Qが少ないほど、温度上昇量ΔTpは大きくなる。吐出量Qが所定量よりも多い場合は、気泡の発生する温度上昇量を温度上昇量ΔTpが超えず、燃料蒸気による気泡は発生しない。
そこで、本実施形態では、加圧室18内の燃料の温度である加圧室温度Tpを取得し、取得した加圧室温度Tpが閾値よりも高い場合に、高圧燃料ポンプ130の1回の吐出動作による燃料の吐出量Qを増加させる。例えば、図5において、点A1の状態であれば点A2の状態へ移動させて、吐出量Q1を吐出量Q2まで増加させる。これにより、高圧燃料ポンプ130内部の燃料入れ替わり量に対するリーク量の割合が小さくなるため、加圧室18に供給する燃料の温度が過度に上昇する事を防止することができる。上記閾値は、図8に示すように、燃料の蒸気圧がフィード圧Pfになる気泡発生温度Tvに設定する。なお、制御に用いるセンサの検出誤差等を考慮して、気泡発生温度Tvから所定温度を引いた温度に閾値を設定してもよい。
図6は、吐出量Qを増加させる前における吐出量Q1、リーク量QL1、噴射量等を示すタイムチャートである。同図に示すように、吐出量Qを増加させる前(通常動作)では、高圧燃料ポンプ130の1回の吐出動作に対して、燃料噴射を1回実行する。吐出動作においては、吐出量Q1に対してリーク量QL1が発生している。リーク燃料は燃料を吐出している期間だけでなく、燃料を圧縮して昇圧している期間にも発生する。また、リーク燃料は、プランジャ11が上死点を過ぎて降下している期間でも、加圧室18の燃料圧力がリークした空間の燃料圧力よりも高い間は発生する。したがって、吐出量Qが限りなく小さくなっても、燃料を圧縮する以上、一定量のリークは発生する。換言すれば、燃料を圧縮しない場合、つまりコイル73に通電せずに加圧室18の燃料を全て吸入室91に戻す運転条件のみ、リーク燃料は発生しない。リーク燃料は、戻し通路86、吸入室91、吸入通路82を通じて、加圧室18に供給される。
高圧燃料ポンプ130の1回の吐出動作による燃料の吐出量Qを増加させると、高圧燃料ポンプ130により所定期間に吐出される燃料量が増加する。そこで、本実施形態では、燃料の吐出量Qを増加させる際に、高圧燃料ポンプ130の所定期間における吐出動作の回数を減少させる。
図7は、吐出量QをQ1の2倍に増加させた後における吐出量Q2、リーク量QL2、噴射量等を示すタイムチャートである。同図に示すように、吐出量Qを増加させた後(増加時動作)では、例えば高圧燃料ポンプ130の1回の吐出動作に対して、燃料噴射を2回実行する。この場合も、吐出動作においては、吐出量Q2に対してリーク量QL2が発生している。図6と比べて吐出期間が長い為、QL2>QL1であるが、吐出期間以外の一定のリーク量がある為、QL2/QL1<2である。したがって、吐出量に対するリーク量の割合は、QL1/Q1>QL2/Q2である。つまり、吐出量を増加させた方が、入れ替わり量に対するリーク量の割合が小さくなって加圧室18に供給する燃料の温度上昇が抑制される。
図9は、本実施形態の燃料ポンプ制御の概要を示すブロック図である。この制御は、ECU100によって実行される。
フィード圧センサ103により検出されたフィード圧Pfと、ROMに記憶された燃料の蒸気圧特性(図8のグラフ)とに基づいて、気泡発生温度Tvを算出する。詳しくは、フィード圧Pfと燃料の蒸気圧とが一致する燃料の温度を、気泡発生温度Tvとして算出する。
また、カム角センサ102の検出信号に基づいて算出したポンプ回転速度Npと、レール圧センサ101により検出されたレール圧Pcと、吐出量Qとをマップに適用して、加圧室18内の燃料の温度上昇量ΔTpを算出する。ここで、レール圧Pcと吐出量Qが一定であれば、回転速度Npが低いほど温度上昇量ΔTpは大きくなる(図10)。これは回転速度Npが低いほど昇圧・吐出時間が長いので、同じレール圧Pc及び吐出量Qであってもリーク量が大きくなる為である。したがって、回転速度Npごとに図5のような関係がマップとしてROMに記録されている。若しくは、幾つかの回転速度Npにおけるマップを記録しておき、マップのない回転速度Npにおいては、記録のある回転速度Npのマップから図10の関係より補間計算等して算出してもよい。吐出量Qの初期値は要求吐出量Qreqである。要求吐出量Qreqは、レール圧Pcと目標レール圧Pctと燃料噴射弁150による燃料の噴射量とに基づいて算出する。
そして、燃温センサ104により検出された供給温度Tinに温度上昇量ΔTpを加えた加圧室温度Tpが、気泡発生温度Tvよりも高いか否か判定する。加圧室温度Tpが気泡発生温度Tvよりも高いと判定した場合、吐出量Qを増加させる。詳しくは、吐出量Qの増加比nを初期値の1から1増加させ、要求吐出量Qreqに増加比nを掛けて吐出量Qを算出する。それと共に、1回の吐出動作による吐出量Qをn倍したことに対応して、吐出動作の回数を吐出量Qの増加前の1/n倍する。ただし、吐出量Qは、高圧燃料ポンプ130により吐出可能な最大吐出量を超えない範囲内で設定する。そして、増加した吐出量Qに対して再度加圧室温度Tpを算出し、加圧室温度Tpが気泡発生温度Tvよりも高いか否か判定する。
一方、加圧室温度Tpが気泡発生温度Tvよりも高くないと判定した場合、その時の吐出量Q(n×Qreq)を1/n倍の吐出動作の回数で吐出することを確定する。その後、高圧燃料ポンプ130を、確定した動作状態で動作させる。
図11は、図9の燃料ポンプ制御の手順を示すフローチャートである。この一連の処理は、ECU100によって実行される。
まず、燃料の供給温度Tin、フィード圧Pf、ポンプ回転速度Np、レール圧Pc等を取得する(S11)。続いて、目標レール圧Pct等より、高圧燃料ポンプ130への要求吐出量Qreqを算出し、吐出量Qの初期値を要求吐出量Qreqとする(S12)。吐出量Qの増加比nを初期値の1とする(S13)。
続いて、吐出量Q、ポンプ回転速度Np、レール圧Pc、マップに基づいて、加圧室18内の燃料の温度上昇量ΔTpを算出する(S14)。フィード圧Pf、燃料の蒸気圧特性に基づいて、気泡発生温度Tvを算出する(S15)。
続いて、供給温度Tinに温度上昇量ΔTpを加えた加圧室温度Tpが、気泡発生温度Tvよりも高いか否か判定する(S16)。この判定において、加圧室温度Tpが気泡発生温度Tvよりも高いと判定した場合(S16:YES)、噴射量の増加比nに1を加える(S17)。
続いて、要求吐出量Qreqに増加比nを掛けて吐出量Qを算出する(S18)。その後、算出された吐出量Qに基づいて、S14の処理から再度実行する。
一方、S16の判定において、加圧室温度Tpが気泡発生温度Tvよりも高くないと判定した場合(S16:NO)、その時の吐出量Q(n×Qreq)を1/n倍の吐出動作の回数で吐出するように高圧燃料ポンプ130を動作させる(S19)。その後、この一連の処理を終了する(END)。
なお、S11及びS14の処理が加圧室温度取得部としての処理に相当し、S16〜S18の処理が吐出量制御部としての処理に相当する。
以上詳述した本実施形態は、以下の利点を有する。
・加圧室18内の燃料の温度である加圧室温度Tpが算出される。そして、算出された加圧室温度Tpが閾値よりも高い場合に、高圧燃料ポンプ130の1回の吐出動作による燃料の吐出量Qが増加させられる。このため、1回の吐出動作により加圧室18を流通する燃料量が増加し、流通する燃料による冷却効果が向上する。さらに、高圧燃料ポンプ130内部の燃料入れ替わり量に対するリーク量の割合が小さくなるため、加圧室18に供給する燃料の温度が過度に上昇する事はない。したがって、燃料蒸気による気泡発生を抑制することができる。
・フィード圧センサ103により、高圧燃料ポンプ130に供給される燃料の圧力であるフィード圧Pfが取得される。そして、燃料の蒸気圧がフィード圧センサ103により取得されたフィード圧Pfになる気泡発生温度Tvに基づいて、燃料温度の閾値が設定される。このため、燃料の蒸気圧が燃料に作用する圧力よりも上昇する場合に、適切に燃料温度を低下させる制御を実行することができる。
・加圧室18の周囲は温度センサ等を配置する空間が限られており、加圧室18内の燃料の温度を温度センサ等で直接検出することは難しい。この点、燃料タンク160内に設けられた燃温センサ104により取得された供給温度Tinと、レール圧センサ101により取得されたレール圧Pcと、ポンプ回転速度Npと、高圧燃料ポンプ130の1回の前記吐出動作による燃料の吐出量Qとに基づいて、加圧室温度Tpが算出される。このため、検出が難しい加圧室18内の燃料の温度を直接検出しなくても、加圧室温度Tpを適切に取得することができる。
・吐出動作において吐出されずに加圧室18からリークした燃料であるリーク燃料は、戻し通路86により、加圧室18に燃料を供給する吸入通路82に戻される。このため、高圧状態からリークして温度が上昇した燃料が加圧室18に供給されることになり、加圧室18内の燃料の温度が過度に上昇する。この点、本実施形態によれば、加圧室18内の燃料の温度が過度に上昇する構成であっても、燃料の温度上昇を緩和し、燃料蒸気による気泡発生を抑制することができる。さらに、リーク燃料を全て吸入通路82に戻す構成であるため、リーク燃料を燃料タンク160に戻す通路や、そのリーク燃料を冷却する装置を省略することができる。
・高圧燃料ポンプ130の1回の吐出動作による燃料の吐出量Qを増加させると、高圧燃料ポンプ130により所定期間に吐出される燃料量が増加する。この点、燃料の吐出量Qを増加させる際に、高圧燃料ポンプ130の所定期間における吐出動作の回数が減少させられる。このため、燃料温度を低下させる制御を実行する際に、高圧燃料ポンプ130により所定期間に吐出される燃料量が増加することを抑制することができる。ここで、吐出をしない動作とは、加圧室18に燃料を吸入した後、戻し工程でコイル73に通電せずに吸入量の全てを吸入室91に吐き戻す動作である。この場合、燃料を圧縮しない為、高温のリーク燃料は発生しない。
なお、上記実施形態を、以下のように変更して実施することもできる。上記実施形態と同一の部材については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
・図12は、高圧燃料ポンプ130の燃料吐出と、燃料噴射弁150の噴射によるレール圧Pcの変動を模式的に表したものである。高圧燃料ポンプ130の1回の吐出動作による燃料の吐出量Qを増加させる際に、燃料の吐出量Qを多くし過ぎると、レール圧Pcの脈動幅が過度に大きくなるおそれがある。脈動幅が大きいと燃料噴射弁150の噴射量の精度が低下するという問題がある。そこで、ECU100(吐出量制御部に相当)は、吐出量Qを増加させる際にレール圧Pcの脈動幅が許容値よりも小さくなるように、吐出量Qを設定してもよい。通常、加圧室18の燃料が気泡化しないように高圧燃料ポンプ130の吐出量を増量しても、脈動幅が過度に大きくならないようにデリバリパイプ140の容積を大きくしたり、燃料噴射弁150の噴射時点のレール圧Pcを予測して、燃料噴射弁150への通電時間へフィードバックしたりする事で、ある程度の脈動下でも噴射量精度を一定以上に保つといったような適合が可能である。これによって、気泡化を抑制できるような吐出量であり、かつ、レール圧Pcの脈動幅が所定内とできる吐出量を選ぶことが可能である。こうした構成によれば、保持圧力の脈動幅が過度に大きくなることを抑制することができる。
ここで、低いレール圧Pcに対しては、吐出量Q増加時にレール圧Pcの脈動幅が相対的に大きくなる。このため、レール圧Pcの脈動幅の適切な許容値は、レール圧Pcの高低に応じて変化する。そこで、ECU100は、レール圧Pcに基づいて、レール圧Pcの脈動幅が許容値よりも小さくなる範囲内で吐出量Qを設定してもよい。また、目標レール圧Pct、高圧燃料ポンプ130の吐出量、吐出回数、燃料噴射弁150の噴射量に基づいて、レール圧Pcの脈動幅を予測して、許容値よりも大きい場合に、吐出量Qを減少させてもよい。こうした構成によれば、レール圧Pcの脈動幅を許容値よりも適切に小さくすることができる。レール圧Pcに代えて目標レール圧Pctに基づいて、レール圧Pcの脈動幅が許容値よりも小さくなる範囲内で吐出量Qを設定してもよい。
また、ECU100は、レール圧センサ101により検出されたレール圧Pcの脈動幅が許容値よりも大きい場合に、吐出量Qを減少させてもよい。こうした構成によれば、吐出量Qを増加させた際に、レール圧Pcの脈動幅が許容値よりも大きくなった場合は、吐出量Qを減少させてレール圧Pcの脈動幅を縮小することができる。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。第1実施形態と同一の部材については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
供給温度Tin及びフィード圧Pfが定まれば、図5の特性線図(マップ)から回転速度Np及びレール圧Pcごとに気泡が発生しないための最少吐出量Qminが定まる。最少吐出量Qminは図13のように、レール圧Pcが高い程多く、回転速度Npが低い程多い。
第1実施形態では、図5の特性線図をマップとしてROMに記憶させたが、第2実施形態では代わりに図13の特性線図をマップとして記憶する。フィード圧Pfは時々の圧力を測定するのではなく、使用される状態での最低の圧力である最低圧PF_minを使用する。最低圧PF_minの時、気泡発生温度Tvは使用される状態での最低の温度である最低温度Tv_minをとる。一方、供給温度Tinも時々の温度を測定するのではなく、想定される使用状態での最高の温度である最高温度Tin_maxを使用する。使用される最高温度Tin_maxで燃料が供給されたとしても、燃料の温度が最低温度Tv_minを超えない為に許容される最小温度上昇量ΔTp_minが求まる。図13は、温度上昇量が最小温度上昇量ΔTp_min以内となるために必要な最少の吐出量である最少吐出量Qminを、回転速度Np及びレール圧Pcごとに算出して結んだ特性線図である。
図14は、本実施形態の燃料ポンプ制御の手順を示すフローチャートである。この一連の処理は、ECU100によって実行される。
まず、レール圧Pcとポンプ回転速度Npを取得する(S21)。続いて、燃料噴射弁150による燃料の噴射量と目標レール圧Pctに基づいて、高圧燃料ポンプ130への要求吐出量Qreqを算出する(S22)。吐出量Qの増加比nを初期値の1とする(S23)。
続いて、レール圧Pcとポンプ回転速度Npとマップに基づいて、最少吐出量Qminを算出する(S25)。詳しくは、レール圧Pcと回転速度Npを図13に示す特性線図に入力し、最少吐出量Qminを算出する。
続いて、吐出量Qが最少吐出量Qminよりも少ないか否か判定する(S26)。この判定において、吐出量Qが最少吐出量Qminよりも少ないと判定した場合(S26:YES)、噴射量の増加比nに1を加える(S27)。続いて、要求吐出量Qreqに増加比nを掛けて吐出量Qを算出する(S28)。その後、算出された吐出量Qに基づいて、S26の処理から再度実行する。
一方、S26の判定において、吐出量Qが最少吐出量Qminよりも少なくないと判定した場合(S26:NO)、その時の吐出量Q(n×Qreq)を1/n倍の吐出動作の回数で吐出するように高圧燃料ポンプ130を動作させる(S29)。その後、この一連の処理を終了する(END)。
なお、S22の処理が吐出量設定部としての処理に相当し、S26〜S28の処理が吐出量制御部としての処理に相当する。
以上詳述した本実施形態は、以下の利点を有する。ここでは、第1実施形態と異なる利点のみを述べる。
・設定された吐出量Qが最少吐出量Qminよりも少ない場合に、吐出量Qが増加させられる。このため、1回の吐出動作により加圧室18を流通する燃料量が増加し、流通する燃料による冷却効果が向上する。そして、高圧燃料ポンプ130内部の燃料入れ替わり量に対するリーク量の割合が小さくなるため、加圧室18に供給する燃料の温度が過度に上昇する事はない。したがって、燃料蒸気による気泡発生を抑制することができる。
・最少吐出量Qminはレール圧Pcとポンプ回転速度Npに基づいて設定されるため、レール圧Pcと回転速度Npの相違による燃料の温度上昇の相違を考慮して、燃料温度を低下させる制御を実行することができる。
・実施形態1と比較し、フィード圧センサ103と燃温センサ104が不要となり、簡素なシステムとできる。また、ROMの記憶情報量、CPUの演算処理回数を少なくする事ができ、簡素な情報処理システムとできる。
なお、レール圧センサ101により検出したレール圧Pcを図13のマップに適用して、最少吐出量Qmin(閾値に相当)を算出してもよいし、目標レール圧Pctを適用して最少吐出量Qminを算出してもよい。
(第3実施形態)
以下、第3実施形態について、第2実施形態との相違点を中心に説明する。第2実施形態と同一の部材については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
図15は、本実施形態の燃料ポンプ制御の手順を示すフローチャートである。この一連の処理は、ECU100によって実行される。
図13において、使用される最高のレール圧Pcと使用される最低の回転速度Npから必要な最少吐出量の最大値Qmin_Mが求まる。最大値Qmin_Mは、これ以上の量を吐出していれば、どのような運転条件であっても加圧室18へ供給される燃料が気泡化しない量である。第3実施形態では、ROMに特性線図のマップを記憶するのではなく、この最大値Qmin_Mの値を記憶する。
まず、S22,S23の処理は、図14のS22,S23の処理と同一である。続いて、吐出量Qが必要な最少吐出量の最大値Qmin_Mよりも少ないか否か判定する(S26)。この判定において、吐出量Qが最大値Qmin_Mよりも少ないと判定した場合(S26:YES)、噴射量の増加比nに1を加える(S27)。続いて、要求吐出量Qreqに増加比nを掛けて吐出量Qを算出する(S28)。その後、算出された吐出量Qに基づいて、S26の処理から再度実行する。
一方、S26の判定において、吐出量Qが必要な最少吐出量の最大値Qmin_Mよりも少なくないと判定した場合(S26:NO)、その時の吐出量Q(n×Qreq)を1/n倍の吐出動作の回数で吐出するように高圧燃料ポンプ130を動作させる(S29)。その後、この一連の処理を終了する(END)。
なお、S22の処理が吐出量設定部としての処理に相当し、S26〜S28の処理が吐出量制御部としての処理に相当する。このようにする事で、実施形態2と比較し、レール圧センサ101と回転速度Npを検知するカム角センサ102が不要となり、更に簡素なシステムとできる。また、ROMの記憶情報量、CPUの演算処理回数を少なくする事ができ、更に簡素な情報処理システムとできる。
以上詳述した本実施形態は、以下の利点を有する。ここでは、第1,第2実施形態と異なる利点のみを述べる。
設定された要求吐出量Qreqにかかわらず、高圧燃料ポンプ130の1回の吐出動作による燃料の吐出量Qが必要な最少吐出量の最大値Qmin_Mよりも多く設定される。このため、高圧燃料ポンプ130内部の燃料入れ替わり量に対するリーク量の割合が小さくなり、加圧室18に供給する燃料の温度が過度に上昇する事はない。したがって、燃料蒸気による気泡発生を抑制することができる。
(第4実施形態)
以下、第4実施形態について、第2実施形態との相違点を中心に説明する。第1実施形態と同一の部材については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。まず、図5から分かるようにレール圧Pcが十分に低いと、レール圧Pcによっては、吐出量Qが低くとも気泡が発生するほど温度が上昇しない場合がある。この温度上昇が限界値内となるレール圧Pcを閾値PhとしてROMに記憶する。閾値Phはセンサの測定誤差等を考慮し、温度上昇が限界値となるレール圧Pcから若干小さな値に設定しても良い。そしてこの実施形態では、レール圧Pc若しくは目標レール圧Pctが閾値Phよりも高い場合に、温度上昇ΔTpに基づいて吐出量Qを決定する制御モードに入る。
図16は、本実施形態の燃料ポンプ制御の手順を示すフローチャートである。この一連の処理は、ECU100によって実行される。
まず、目標レール圧Pctを取得する(S31)。続いて、燃料噴射弁150による燃料の噴射量と目標レール圧Pctに基づいて、高圧燃料ポンプ130への要求吐出量Qreqを算出する(S32)。
続いて、目標レール圧Pctが閾値Phよりも高いか否か判定する(S33)。
S33の判定において、目標レール圧Pctが閾値Phよりも高いと判定した場合(S33:YES)、目標レール圧Pctに基づいて吐出量Qを設定する(S34)。詳しくは、図5のマップを参照して、目標レール圧Pctにおいて、気泡発生する温度上昇量ΔTpとなる最少吐出量Qmin(所定量に相当)よりも多い吐出量Qに設定する。
続いて、その時の吐出量Qを、吐出量Qに応じた吐出動作の回数で吐出するように高圧燃料ポンプ130を動作させる(S35)。また、S33の判定において、目標レール圧Pctが閾値Phよりも高くないと判定した場合(S33:NO)も、S35の処理を実行する。その後、この一連の処理を終了する(END)。
なお、S32の処理が吐出量設定部としての処理に相当し、S33及びS34の処理が吐出量制御部としての処理に相当する。
以上詳述した本実施形態は、以下の利点を有する。ここでは、第1〜第3実施形態と異なる利点のみを述べる。
・目標レール圧Pctが閾値Phよりも高い場合に、設定された要求吐出量Qreqにかかわらず、高圧燃料ポンプ130の1回の吐出動作による燃料の吐出量Qが最少吐出量Qminよりも多く設定される。このため、1回の吐出動作により加圧室18を流通する燃料量が多くなり、流通する燃料による冷却効果が向上する。したがって、燃料蒸気による気泡発生を抑制することができる。
・目標レール圧Pctが高いほど、加圧室18内の燃料の圧力が高くなるため、加圧による燃料温度の上昇量が増加する。このため、目標レール圧Pctが閾値Phよりも高い場合に、燃料の温度が上昇する度合は目標レール圧Pctの高さに応じて変化する。この点、最少吐出量Qminは目標レール圧Pctに基づいて設定されるため、目標レール圧Pctの相違による燃料の温度上昇の相違を考慮して、燃料温度を適切に低下させることができる。
なお、上記実施形態を、以下のように変更して実施することもできる。上記実施形態と同一の部材については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
・レール圧センサ101により検出したレール圧Pcが閾値Phよりも高い場合に、吐出量Qを最少吐出量Qminよりも多く設定してもよい。
・レール圧Pcに基づいて最少吐出量Qminを設定してもよい。また、目標レール圧Pctやレール圧Pcにかかわらず、最少吐出量Qminを燃料蒸気による気泡発生を抑制することのできる一定量に設定してもよい。
・高圧燃料ポンプ130のプランジャ11の移動速度が低いと、吐出量Qに対するリーク燃料の割合が多くなり、加圧室18内の燃料の温度が上昇し易くなる。そこで、ECU100(吐出量制御部に相当)は、プランジャ11の移動速度が閾値よりも低い場合にも、設定された要求吐出量Qreqにかかわらず、吐出量Qを最少吐出量Qmin(所定量に相当)よりも多く設定してもよい。こうした構成によっても、加圧室18内の燃料の温度が上昇し易い場合に、燃料温度を低下させる制御を実行することができる。
また、上記の各実施形態を、以下のように変更して実施することもできる。上記の各実施形態と同一の部材については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
・燃温センサ104を、吸入室91に設けることもできる。要するに、燃温センサ104は、高圧燃料ポンプ130に供給される燃料の温度である供給温度Tinを検出するものであればよい。
・ポンプ回転速度Npを、エンジン170のクランク角を検出するクランク角センサの検出信号に基づいて算出することもできる。
・高圧燃料ポンプ130の吐出量を検出する流量センサによる検出値を、適宜要求吐出量Qreqや吐出量Qに代えて用いることもできる。
・加圧室18内の燃料の温度である加圧室温度Tpを、温度センサ等により検出することもできる。
・高圧燃料ポンプ130がシリンダ80及びプランジャ11を複数備えていてもよい。この場合、燃料の吐出量Qを増加させる際に、一部のシリンダ80及びプランジャ11の動作を停止させることにより、高圧燃料ポンプ130の所定期間における吐出動作の回数を減少させてもよい。
・燃料噴射装置110が複数の高圧燃料ポンプ130を備えていてもよい。この場合、燃料の吐出量Qを増加させる際に、一部の高圧燃料ポンプ130の動作を停止させることにより、複数の高圧燃料ポンプ130の所定期間における吐出動作の回数を減少させてもよい。
・燃料の吐出量Qを増加させる構成として、吐出量Qの増加比nを1ずつ増加させるのに代えて、2ずつ増加させたり、一度にnを4まで増加させたりしてもよい。
・図1に破線で示すように、デリバリパイプ140内の燃料の圧力を低下させる減圧弁95を設け、燃料の吐出量Qを増加させる際に、高圧燃料ポンプ130の所定期間における吐出動作の回数を減少させず、減圧弁95によりデリバリパイプ140内の燃料の圧力を低下させることもできる。
・リーク燃料を吸入通路82に戻す戻し通路86に加えて、リーク燃料の一部を燃料タンク160に戻す通路を備えていてもよい。
・高圧燃料ポンプ130が、ノーマリークローズタイプの調量弁60を備えていてもよい。高圧燃料ポンプ130として、電動式の高圧燃料ポンプを用いることもできる。
・調量弁60を備えておらず、ポンプ回転速度Npにより所定期間における吐出量を制御する高圧燃料ポンプ130を採用することもできる。この場合、ECU100(吐出量制御部)は、高圧燃料ポンプ130の1回の吐出動作による燃料の吐出量を増加させることに代えて、高圧燃料ポンプ130の回転速度を上昇させればよい。こうした構成であっても、高圧燃料ポンプ130のプランジャ11の移動速度を上昇させることにより、吐出量Qに対するリーク燃料の割合を減少させることができ、加圧室18内の燃料の温度上昇を抑制することができる。なお、高圧燃料ポンプ130の回転速度を上昇させた後に、高圧燃料ポンプ130を間欠的に停止させたり、減圧弁95によりデリバリパイプ140内の燃料の圧力を低下させたりしてもよい。要するに、加圧室18内の燃料を加圧部材により加圧して吐出する吐出動作を繰り返し実行する燃料ポンプであれば採用することができる。
・ガソリンに限らず、他の液体燃料を用いるエンジン170にも、上記の各実施形態を適用することができる。その場合に、燃料の蒸気圧特性として、使用される燃料に応じた蒸気圧特性を用いたり、想定される燃料のうち最も蒸気圧が高い燃料に応じた蒸気圧特性を用いたりしてもよい。
11…プランジャ、18…加圧室、100…ECU、101…レール圧センサ、102…カム角センサ、103…フィード圧センサ、104…燃温センサ、130…高圧燃料ポンプ。

Claims (15)

  1. 加圧室(18)内の燃料を加圧部材(11)により加圧して吐出する吐出動作を繰り返し実行する燃料ポンプ(130)を制御する制御装置(100〜104)であって、
    前記加圧室内の燃料の温度である加圧室温度を取得する加圧室温度取得部と、
    前記加圧室温度取得部により取得された前記加圧室温度が閾値よりも高い場合に、前記燃料ポンプの1回の前記吐出動作による燃料の吐出量を増加させる吐出量制御部と、
    を備え
    前記燃料ポンプには、前記燃料ポンプにより吐出された燃料を加圧状態で保持する保持容器(140)が接続されており、
    前記加圧室温度取得部は、前記燃料ポンプに供給される燃料の温度である供給温度を取得する供給温度取得部(104)と、前記保持容器内の燃料の圧力である保持圧力を取得する保持圧力取得部(101)とを備え、前記供給温度取得部により取得された前記供給温度と、前記保持圧力取得部により取得された前記保持圧力と、前記燃料ポンプの前記吐出動作の速度と、前記燃料ポンプの1回の前記吐出動作による燃料の吐出量とに基づいて、前記加圧室温度を取得することを特徴とする燃料ポンプの制御装置。
  2. 前記吐出量制御部は、前記燃料ポンプの1回の前記吐出動作による燃料の吐出量を増加させる際に、前記燃料ポンプの所定期間における前記吐出動作の回数を減少させる請求項1に記載の燃料ポンプの制御装置。
  3. 加圧室(18)内の燃料を加圧部材(11)により加圧して吐出する吐出動作を繰り返し実行する燃料ポンプ(130)を制御する制御装置(100〜104)であって、
    前記加圧室内の燃料の温度である加圧室温度を取得する加圧室温度取得部と、
    前記加圧室温度取得部により取得された前記加圧室温度が閾値よりも高い場合に、前記燃料ポンプの1回の前記吐出動作による燃料の吐出量を増加させる吐出量制御部と、
    を備え、
    前記吐出量制御部は、前記燃料ポンプの1回の前記吐出動作による燃料の吐出量を増加させる際に、前記燃料ポンプの所定期間における前記吐出動作の回数を減少させることを特徴とする燃料ポンプの制御装置。
  4. 前記燃料ポンプには、前記燃料ポンプにより吐出された燃料を加圧状態で保持する保持容器が接続されており、
    前記吐出量制御部は、前記燃料ポンプの1回の前記吐出動作による燃料の吐出量を増加させる際に、前記保持容器内の燃料の圧力である保持圧力の脈動幅が許容値よりも小さくなるように、前記燃料ポンプの1回の前記吐出動作による燃料の吐出量を設定する請求項1〜のいずれか1項に記載の燃料ポンプの制御装置。
  5. 加圧室(18)内の燃料を加圧部材(11)により加圧して吐出する吐出動作を繰り返し実行する燃料ポンプ(130)を制御する制御装置(100〜104)であって、
    前記加圧室内の燃料の温度である加圧室温度を取得する加圧室温度取得部と、
    前記加圧室温度取得部により取得された前記加圧室温度が閾値よりも高い場合に、前記燃料ポンプの1回の前記吐出動作による燃料の吐出量を増加させる吐出量制御部と、
    を備え、
    前記燃料ポンプには、前記燃料ポンプにより吐出された燃料を加圧状態で保持する保持容器が接続されており、
    前記吐出量制御部は、前記燃料ポンプの1回の前記吐出動作による燃料の吐出量を増加させる際に、前記保持容器内の燃料の圧力である保持圧力の脈動幅が許容値よりも小さくなるように、前記燃料ポンプの1回の前記吐出動作による燃料の吐出量を設定することを特徴とする燃料ポンプの制御装置。
  6. 前記吐出量制御部は、前記保持圧力に基づいて、前記保持圧力の脈動幅が前記許容値よりも小さくなる範囲内で、前記燃料ポンプの1回の前記吐出動作による燃料の吐出量を設定する請求項4又は5に記載の燃料ポンプの制御装置。
  7. 前記保持容器内の燃料の圧力である保持圧力を検出する保持圧力検出部を備え、
    前記吐出量制御部は、前記保持圧力検出部により検出された前記保持圧力の脈動幅が前記許容値よりも大きい場合に、前記燃料ポンプの1回の前記吐出動作による燃料の吐出量を減少させる請求項4又は5に記載の燃料ポンプの制御装置。
  8. 前記燃料ポンプに供給される燃料の圧力である供給圧力を取得する供給圧力取得部(103)を備え、
    前記閾値は、前記燃料の蒸気圧が前記供給圧力取得部により取得された前記供給圧力になる温度に基づいて設定される請求項1〜7のいずれか1項に記載の燃料ポンプの制御装置。
  9. 前記燃料ポンプは、前記吐出動作において吐出されずに前記加圧室からリークした燃料であるリーク燃料を、前記加圧室に燃料を供給する供給通路(82)に戻す戻し通路(86)を備えている請求項1〜のいずれか1項に記載の燃料ポンプの制御装置。
  10. 加圧室(18)内の燃料を加圧部材(11)により加圧して吐出する吐出動作を繰り返し実行する燃料ポンプ(130)を制御する制御装置(100〜104)であって、
    前記燃料ポンプには、前記燃料ポンプにより吐出された燃料を加圧状態で保持する保持容器(140)が接続されており、
    前記保持容器内の燃料の圧力である保持圧力に基づいて、前記燃料ポンプの1回の前記吐出動作による燃料の吐出量を設定する吐出量設定部と、
    前記吐出量設定部により設定された前記吐出量が閾値よりも少ない場合に、前記燃料ポンプの1回の前記吐出動作による燃料の吐出量を増加させる吐出量制御部と、
    を備えることを特徴とする燃料ポンプの制御装置。
  11. 前記閾値は、前記保持圧力と前記吐出動作の速度に基づいて設定される請求項10に記載の燃料ポンプの制御装置。
  12. 加圧室(18)内の燃料を加圧部材(11)により加圧して吐出する吐出動作を繰り返し実行する燃料ポンプ(130)を制御する制御装置(100〜104)であって、
    前記燃料ポンプには、前記燃料ポンプにより吐出された燃料を加圧状態で保持する保持容器(140)が接続されており、
    前記保持容器内の燃料の圧力である保持圧力に基づいて、前記燃料ポンプの1回の前記吐出動作による燃料の吐出量を設定する吐出量設定部と、
    前記吐出量が閾値よりも少ない場合に、前記吐出量設定部により設定された前記吐出量にかかわらず、前記燃料ポンプの1回の前記吐出動作による燃料の吐出量を所定量よりも多く設定する吐出量制御部と、
    を備えることを特徴とする燃料ポンプの制御装置。
  13. 加圧室(18)内の燃料を加圧部材(11)により加圧して吐出する吐出動作を繰り返し実行する燃料ポンプ(130)を制御する制御装置(100〜104)であって、
    前記燃料ポンプには、前記燃料ポンプにより吐出された燃料を加圧状態で保持する保持容器(140)が接続されており、
    前記保持容器内の燃料の圧力である保持圧力に基づいて、前記燃料ポンプの1回の前記吐出動作による燃料の吐出量を設定する吐出量設定部と、
    前記保持圧力が閾値よりも高い場合に、前記吐出量設定部により設定された前記吐出量にかかわらず、前記燃料ポンプの1回の前記吐出動作による燃料の吐出量を所定量よりも多く設定する吐出量制御部と、
    を備えることを特徴とする燃料ポンプの制御装置。
  14. 前記所定量は、前記保持圧力に基づいて設定される請求項12に記載の燃料ポンプの制御装置。
  15. 前記燃料ポンプは、前記吐出動作において吐出されずに前記加圧室からリークした燃料であるリーク燃料を、前記加圧室に燃料を供給する供給通路に戻す戻し通路を備えており、
    前記吐出量制御部は、前記加圧部材の移動速度が閾値よりも低い場合に、前記吐出量設定部により設定された前記吐出量にかかわらず、前記燃料ポンプの1回の前記吐出動作による燃料の吐出量を所定量よりも多く設定する請求項13又は14に記載の燃料ポンプの制御装置。
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