JP2007077898A - 燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料ポンプにより蓄圧室へと加圧供給される燃料へのエアの混入を適切に判定し、これに対処することのできる燃料噴射制御装置を提供する。
【解決手段】燃料ポンプによるコモンレールへの燃料の圧送期間における燃圧の上昇量ΔP1が閾値A以下であるとき(ステップS42:YES)、燃料漏れ又は、圧送される燃料へのエアの混入のおそれがある旨のフラグFを「1」とする(ステップS46)。圧送期間及び噴射期間でないときにフラグFが「1」である(ステップS50:YES)なら、コモンレールの燃圧の低下量ΔP2が閾値B以下であるか否かを判断する(ステップS52)。そして、閾値B以下であるときには、燃料漏れではないことから、エア混入であると判定する(ステップS56)。
【選択図】 図7

Description

本発明は、燃料を高圧状態で蓄える蓄圧室と、該蓄圧室に燃料を加圧供給する燃料ポンプと、前記蓄圧室に蓄えられた燃料を噴射する燃料噴射弁とを備える車載内燃機関の燃料噴射装置について、該噴射装置を操作することで燃料噴射制御を行なう燃料噴射制御装置に関する。
この種の燃料噴射装置としては、ディーゼル機関の各気筒の燃料噴射弁に高圧の燃料を供給する共通の蓄圧室(コモンレール)を備えるものが周知である。このコモンレール式のディーゼル機関によれば、機関運転状態に応じて、コモンレール内の燃圧を自由に制御することができ、ひいては燃料噴射弁に供給される燃圧を自由に制御することができる。
上記コモンレール内の燃圧の制御は、通常、ディーゼル機関の運転状態に応じて目標燃圧を設定するとともに、コモンレール内の燃圧を検出し、検出される燃圧を目標燃圧にフィードバック制御することで行なわれている。
ところで、燃料ポンプによって燃料の汲み上げられる燃料タンク内の燃料残量が低下するときには、燃料ポンプによってコモンレールに加圧供給される燃料にエアが混入するおそれがある。そして、燃料にエアが混入すると、コモンレール内に加圧供給される燃料量が減少し、コモンレール内の実際の燃圧が目標燃圧よりも低下する。このため、コモンレール内に加圧供給される燃料量を増量すべく、上記フィードバック制御により燃料ポンプが操作される。しかし、エア混入は通常断続的に生じるものであるため、燃料ポンプにより燃料を増量するための操作がなされるときに、上記加圧供給される燃料にエアが混入しなくなる場合がある。そして、この場合、コモンレールに燃料が過剰に加圧供給されて、コモンレール内の燃圧が過度に上昇するおそれがある。
このため、燃料へのエアの混入を判定してこれに適切に対処する技術が望まれている。なお、こうした技術として下記特許文献1に記載されるものがあるが、エア混入への対処手法としては必ずしも満足のいくものではなかった。
特開2000−282938号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、燃料ポンプにより蓄圧室へと加圧供給される燃料へのエアの混入を適切に判定し、これに対処することのできる燃料噴射制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、前記蓄圧室内の燃圧を検出する検出手段の検出結果を取り込む手段と、前記加圧供給時に検出される燃圧の上昇量が前記燃料噴射制御が正常であるときに想定される上昇量よりも低いことに基づき、前記燃料にエアが混入したと判定する判定手段とを備えることを特徴とする。
上記構成において、燃料ポンプにより加圧供給される燃料にエアが混入しているときには、蓄圧室内に加圧供給される燃料が不足する。このため、蓄圧室内の燃圧の上昇量は、燃料噴射制御の正常時に想定されるものよりも低くなる。上記構成では、この性質を利用することで、エア混入を適切に判定することができ、ひいては、これに対処することができるようになる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記判定手段は、前記検出される燃圧の上昇量が前記想定される上昇量よりも低いか否かを判断する判断手段と、前記想定される上昇量よりも低いと判断されるときにその要因が前記エアの混入以外でないとの条件を前記判定を行なうための許可条件として、該許可条件が成立するか否かを判断する許可手段とを備え、前記判断手段により前記検出される燃圧の上昇量が前記想定される上昇量より低いと判断されて且つ前記許可手段により許可条件が成立すると判断されるときに前記エアが混入したと判断することを特徴とする。
上述したように、燃料ポンプにより加圧供給される燃料にエアが混入するときには、検出される燃圧の上昇量が想定される上昇量よりも低くなる。しかし、例えば燃料ポンプから燃料噴射弁までの燃料経路に燃料漏れが生じているときにも、検出される燃圧の上昇量が想定される上昇量よりも低くなる。このため、検出される燃圧の上昇量が想定される上昇量よりも低いときには、燃料経路の燃料漏れとエア混入との少なくとも2つの要因がある。この点、上記構成では、こうしたいくつかの要因のうちエア混入以外の要因ではないと考えられるときに上記許可条件が成立するとすることで、エア混入をより適切に判定することができる。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記許可手段は、前記加圧供給のなされていない期間における前記検出される燃圧の低下量が許容範囲内であるときに前記許可条件が成立したと判断することを特徴とする。
上記構成において、燃料の加圧供給のなされない期間における蓄圧室内の燃圧の変動は、蓄圧室からの燃料の流出(リーク)によって生じる。すなわち、燃料噴射弁による燃料の噴射により蓄圧室から燃料が流出する動的リークや、燃料噴射のなされていないときに燃料噴射弁のクリアランス等を介して燃料が燃料タンクへと戻される静的リーク等によって生じる。ただし、こうしたリーク量は、燃料噴射制御が正常であるときにはある範囲内に収まる。そこで、上記構成では、燃料噴射制御が正常であるときに想定されるリーク量の範囲を許容範囲とする。そして、燃料の低下量が許容範囲内であるときには、上記上昇量の低下の要因が燃料漏れではない考えられるため、上記許可条件を成立させることができる。
請求項4記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記燃料ポンプによって燃料が汲み上げられる燃料タンクについて、その燃料残量を検出する検出手段の検出結果を取り込む手段を更に備え、前記許可手段は、前記検出される燃料残量が予め定められた閾値未満であるとき、前記許可条件が成立したと判断することを特徴とする。
上記構成において、燃料タンクの燃料残量が少ないときには燃料ポンプによって汲み上げられる燃料にエアが混入しやすい。このため、燃料残量が閾値未満であるときには、上記上昇量の低下の要因がエアの混入と考えられるため、上記許可条件を成立させることができる。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、前記検出される燃圧を目標燃圧にフィードバック制御すべく、前記燃料ポンプを操作する燃圧制御手段と、前記判定手段により前記燃料にエアが混入したと判定されるとき、前記燃圧制御手段による前記燃料ポンプの操作量を制限する操作量制限手段とを更に備えることを特徴とする。
上記構成において、燃料にエアが混入するときには、蓄圧室内の燃圧が目標燃圧よりも低下するために、上記フィードバック制御により燃料の加圧供給量を増量するように燃料ポンプが操作される。一方、燃料へのエアの混入は断続的に生じる傾向にある。このため、燃料へのエアの混入により加圧供給量を増量させるような燃料ポンプの操作がなされるときに、エアの混入が一旦解消すると、過剰な燃料が蓄圧室内に供給されて蓄圧室内の燃圧が過度に上昇するおそれがある。この点、上記構成では、エアが混入したと判断されるときに燃料ポンプの操作量が制限されるために、蓄圧室内の燃圧の過度の上昇を回避することができる。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記燃圧制御手段は、前記燃圧と前記目標燃圧との差の積算値に応じて、前記燃料ポンプの操作量を定めるための積算項を算出する積算項算出手段を備えることを特徴とする。
上記構成では、積算項算出手段を備えるために、目標燃圧と実際の燃圧との定常的な乖離を補償することができ、実際の燃圧の目標燃圧への追従性を向上させることができる。ただし、この場合、加圧供給される燃料へのエアの混入により目標燃圧に対して実際の燃圧が低下する状況が継続すると、積算項が非常に大きな値となる。そして、こうした状況下、加圧供給される燃料へのエアの混入が一旦解消されると、積算項に基づく操作量により燃料ポンプが操作されることで、蓄圧室内に燃料が過剰に供給され、燃圧が過度に上昇するおそれがある。この点、上記構成では、エアが混入したと判定されるときに、燃料ポンプの操作量を制限することで、燃圧の追従性を向上させつつも、蓄圧室内の燃圧が過度に上昇することを好適に回避することができる。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明において、前記操作量制限手段は、前記判定手段により前記燃料にエアが混入したと判定されるとき、前記積算項の上限値を制限することを特徴とする。
上記構成によれば、エアが混入したと判定されるときに積算項の上限値を制限するために、エアの混入により積算項が過大となることに起因して蓄圧室内の燃圧が過度に上昇することを好適に回避することができる。
請求項8記載の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の発明において、前記判定手段により前記燃料にエアが混入したと判定されるとき、前記燃料噴射弁からの燃料噴射量を制限する噴射量制限手段を備えることを特徴とする。
上記構成では、エアが混入したと判定されるときに、燃料噴射量を制限することで、内燃機関の出力が制限され、ひいては、ユーザに燃料残量の低下を知らしめて給油を促すことができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる燃料噴射制御装置をディーゼル機関の燃料噴射制御装置に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態にかかるエンジンシステムの全体構成を示す。
図示されるように、燃料タンク2内の燃料は、燃料フィルタ4を介して燃料ポンプ6によって汲み上げられる。この燃料ポンプ6は、ディーゼル機関の出力軸であるクランク軸8から動力を付与されて燃料を吐出するものである。詳しくは、燃料ポンプ6は、吸入調量弁10を備えており、この吸入調量弁10が操作されることで、外部に吐出される燃料量が決定される。また、燃料ポンプ6は、2つのプランジャを備えており、これらプランジャが上死点及び下死点間を往復運動することで、燃料が吸入及び吐出される。
燃料ポンプ6からの燃料は、コモンレール12に加圧供給(圧送)される。コモンレール12は、燃料ポンプ6から圧送された燃料を高圧状態で蓄え、これを高圧燃料通路14を介して各気筒(ここでは、4気筒を例示)の燃料噴射弁16に供給する。なお、燃料噴射弁16は、低圧燃料通路18を介して燃料タンク2と接続されている。
また、コモンレール12には、その燃圧が所定以上となると燃料を低圧燃料通路18へと逃がすためのプレッシャレギュレータ20が設けられている。このプレッシャレギュレータ20により、コモンレール12内の燃圧がその耐圧の上限値を超えて上昇することが回避される。
このプレッシャレギュレータ20は、コモンレール12側と連通する高圧室21と、低圧燃料通路18側と連通する低圧室22とを備えている。そして、これら高圧室21と低圧室22とは、遮蔽部材23に設けられた孔24によって連通可能となっている。ただし、この孔24は、スプリング25により遮蔽部材23側に押し付けられたバルブ26により通常は遮蔽されている。そして、高圧室21内の燃圧が所定以上となると、高圧室21内の燃圧が孔24を介してバルブ26を押す力が、スプリング25がバルブ26を遮蔽部材23へと押し付ける力に打ち勝つため、バルブ26が開弁する。なお、遮蔽部材23に設けられた孔24は、低圧室22側においてその口径が拡大されており、一旦バルブ26が開弁すると、開弁状態が保持されやすい構成となっている。
上記エンジンシステムは、燃料ポンプ6内の燃料の温度を検出する燃温センサ30や、コモンレール12内の燃圧を検出する燃圧センサ32、クランク軸8の回転角度を検出するクランク角センサ34、燃料タンク2内の燃料残量を検出する残量センサ36等、ディーゼル機関の運転状態や運転環境等を検出する各種センサを備えている。更に、エンジンシステムは、ユーザによる加速要求に応じて操作されるアクセルペダルの操作量を検出するアクセルセンサ38を備えている。
一方、電子制御装置(ECU40)は、マイクロコンピュータを主体として構成され、上記各種センサの検出結果を取り込み、これに基づきディーゼル機関の出力を制御するものである。
上記ECU40は、ディーゼル機関の出力制御を適切に行なうべく、燃料噴射制御を行う。そして、この燃料噴射制御に際しては、コモンレール12内の燃圧を、ディーゼル機関の運転状態や運転環境に応じて設定される目標燃圧にフィードバック制御する。
図2に、上記フィードバック制御の処理手順を示す。この処理は、ECU40により、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS10において、燃料噴射弁16を操作する際の指令噴射量を取り込む。この指令噴射量は、アクセルセンサ38の検出値及びクランク角センサ34の検出値に基づき、図示しない別の処理により算出されるものである。続くステップS12では、クランク角センサ34による回転速度の検出値を取り込む。そして、ステップS14では、指令噴射量と回転速度とに基づき、コモンレール12内の目標燃圧を設定する。
続くステップS16では、燃圧センサ32による燃圧の検出値を取り込む。続くステップS18では、燃圧の検出値を目標燃圧にフィードバック制御するための操作量を算出する。ここで、燃料ポンプ6の操作量は、吸入調量弁10に対する通電量である。詳しくは、吸入調量弁10に対するDutyである。上記燃料ポンプ6は、吸入調量弁10に対する通電量に応じて、吸入調量弁10の開度が連続的に調整されるものである。
上記フィードバック制御は、PID制御である。このため、燃圧の検出値と目標燃圧との差に基づき、比例項、微分項、積分項を算出し、これら各項に応じた操作量が算出されることとなる。
ステップS18において操作量が算出されると、ステップS20において、算出された操作量に応じて燃料ポンプ6が操作される。
図3に、上記フィードバック制御によるコモンレール12内の燃圧の挙動を示す。詳しくは、図3(a)に、燃料ポンプ6の一方のプランジャ(第1プランジャ)による燃料の吸入、吐出(圧送)態様の推移を、図3(b)に、他方のプランジャ(第2プランジャ)による燃料の吸入、吐出(圧送)態様の推移をそれぞれ示す。また、図3(c)〜図3(f)に、1番気筒から4番気筒の燃料噴射弁16に対する燃料噴射の指令期間(指令噴射期間)をそれぞれ示す。更に、図3(g)に、コモンレール12内の燃圧の推移を示す。
図示されるように、第1プランジャや第2プランジャが下死点へ向けて変位しているときに燃料ポンプ6により燃料が吸入される。そして、第1プランジャや第2プランジャが次回上死点へ向けて変位するときに前回吸入された燃料が吐出される。
また、本実施形態では、第1プランジャからコモンレール12に燃料が圧送されるときと対応して1番気筒又は3番気筒の燃料噴射弁16を介して燃料が噴射される。また、第2プランジャからコモンレール12に燃料が圧送されるときと対応して2番気筒又は4番気筒の燃料噴射弁16を介して燃料が噴射される。このように、本実施形態では、燃料ポンプ6によるコモンレール12への燃料の供給のタイミングと、燃料噴射弁16を介した燃料の噴射のタイミングとが1対1に対応している(同期している)。
本実施形態では、更に、燃料噴射弁16に対する指令噴射期間と、燃料ポンプ6からの燃料の圧送期間とが重複しないように燃料の噴射タイミングが設定されている。このため、コモンレール12内の燃圧は、燃料の圧送により上昇量ΔP1だけ上昇し、その後、燃料噴射により燃圧が低下する。また、燃料噴射の終了後から次の圧送までの間には、燃料噴射弁16を介した高圧燃料通路14から低圧燃料通路18への燃料のリーク等により、燃料が低下量ΔP2だけ低下している。
ところで、燃料タンク2内の燃料残量が低下すると、燃料ポンプ6によって汲み上げられてコモンレール12へと圧送される燃料にエアが混入するおそれがある。そして、この場合、コモンレール12に十分な燃料が圧送されないために、コモンレール12内の燃圧が低下する。図4に、燃料にエアが混入したときのコモンレール12内の燃圧の挙動を例示する。
図4(a)は第1プランジャによる燃料の吸入、吐出(圧送)態様の推移を、図4(b)は第2プランジャによる燃料の吸入、吐出(圧送)態様の推移をそれぞれ示す。また、図4(c)〜図4(f)は、1番気筒から4番気筒の燃料噴射弁16に対する燃料噴射の指令期間(指令噴射期間)をそれぞれ示す。更に、図4(g)は、コモンレール12内の燃圧の推移を示す。図示されるように、燃料にエアが混入すると、コモンレール12内の燃圧は低下していく。
ところで、このエアの混入は、断続的に生じ得る。そして、この場合、エアの混入が一旦解消すると、コモンレール12内に過剰な燃料が供給されるおそれがある。図5にこうした状況を例示する。
図5(a)は、コモンレール12内の燃圧の推移について実際の燃圧を実線でまた目標燃圧を一点鎖線でそれぞれを示し、図5(b)は、燃料ポンプ6の操作量(詳しくは、吸入調量弁10の操作量)の推移を示す。ちなみに、図5は、先の図4に示したものよりも巨視的な時間スケールに対応する。これは、エア混入は通常数秒に渡って継続されるためである。
図5では、目標燃圧が一旦低下した後、また上昇している例を示している。これは、燃料へのエアの混入が、燃料残量が少ないときにアクセルペダルの操作量を変化させることで生じやすいために、図5においては、アクセルペダルの操作量を意図的に変化させたときの実験データを示したためである。ちなみに、アクセルペダルの操作量を変化させたときに燃料にエアが混入しやすいのは、アクセルペダルの操作によって車両がゆれるためと考えられる。
図示されるように、時刻t1において燃料へのエアの混入によりコモンレール12内の燃圧が目標燃圧から一旦低下している。これにより、コモンレール12への燃料の圧送量を増量すべく、燃料ポンプ6の操作量が増量される。ただし、燃料ポンプ6の操作量は、目標燃圧に対する燃圧の検出値の低下量が減少することで、減少する。特に、エアの混入が一旦解消するなどしてコモンレール12内の燃圧の検出値が目標燃圧よりも高くなる時刻t2から時刻t3までの期間においては、燃料ポンプ6の操作量も低減する。しかし、時刻t3以降、燃料へエアが再度混入するなどしてコモンレール12内の燃圧が目標燃圧を再度下回ると、燃料ポンプ6の操作量は増量されていく。そして、その後、エアの混入が再度解消すると、燃料ポンプ6によってコモンレール12へ圧送される燃料量が過剰となり、コモンレール12内の燃圧が目標燃圧を大きく上回るオーバーシュートが生じる(時刻t4)。
こうした現象は、特に先の図2に示したフィードバック制御において、積分制御を取り入れているために生じやすい。すなわち、積分制御は、目標燃圧に対する燃圧の検出値の差の積算値にゲインが乗算された積分項に応じて操作量を設定するものであるため、燃料にエアが混入することで燃圧の検出値が目標燃圧を下回った状態が継続されると、燃料ポンプ6の操作量が大きな量となりやすい。一方、ディーゼル機関の運転状態等に応じて都度可変設定される目標燃圧に対する燃圧の検出値の追従性を高めるためには、積分項等のゲインを極力大きくすることが望まれる。このため、燃料の追従性を極力向上させる設計とした場合には、燃料へのエアの混入により特に上記オーバーシュートが生じやすい。
ここで、オーバーシュートが生じ燃圧がコモンレール12の耐圧の上限値を超えて上昇しようとすると、プレッシャレギュレータ20が開弁することとなる。これにより、コモンレール12内の燃料が低圧燃料通路18を介して燃料タンク2へと逃されるためにコモンレール12内の燃圧が上記耐圧を超えて上昇することは避けられる。しかし、先の図1に示したバルブ26が一旦開弁されてしまうと、スプリング25やバルブ26が消耗するため、プレッシャレギュレータ20の信頼性が低下するおそれがある。このため、通常、プレッシャレギュレータ20が開弁した場合には、プレッシャレギュレータ20を交換することが要求されている。このため、プレッシャレギュレータ20を開弁させることなく、制御により燃圧のオーバーシュートを回避することが望ましい。
上記オーバーシュートを回避すべく、燃料ポンプ6の操作量にガードを設けることも考えられる。しかし、これは次の理由により非常に困難なものとなっている。すなわち、燃料噴射弁16を介して高圧燃料通路14から低圧燃料通路18へと流出するリーク燃料量には、燃料噴射弁16の個体差に起因したばらつきがある。また、上記リーク量は、指令噴射量や、燃料性状、燃料の温度等に応じて異なり得る。したがって、こうしたリーク量を補償するために必要な燃料量を圧送することができるようにするためには、これらによって定まる操作量の上限値を上限ガードとしなければならない。しかし、この場合、上記リーク量が最大とならないときには、この上限ガード以下の圧送量としても、コモンレール12内の燃圧がオーバーシュートする可能性がある。このため、上記フィードバック制御における操作量に上限ガードを設けることによっては、エア混入に起因したオーバーシュートを回避することが非常に困難である。
そこで本実施形態では、燃料ポンプ6によるコモンレール12への燃料の圧送期間におけるコモンレール12内の燃圧の上昇量に基づき、燃料ポンプ6によって汲み上げられる燃料へのエアの混入を判定する。すなわち、先の図3に示したように、燃料噴射制御が正常であるときには、上記フィードバック制御によりコモンレール12からの燃料のリークを補う燃料量が圧送されるため、これに見合った上昇量だけ燃圧が上昇すると考えられる。これに対し、エアの混入時には、先の図4に示したように、圧送によるコモンレール12内の燃圧の上昇量は、上記燃料噴射制御が正常であるときの上昇量よりも低いと考えられる。このため、この性質を利用してエアの混入を判定する。
ただし、圧送によるコモンレール12内の燃圧の上昇量の低下の要因としては、エアの混入以外に、燃料ポンプ6から燃料噴射弁16までの燃料経路の燃料漏れ等が考えられる。このため、本実施形態では、圧送及び燃料噴射のなされないときのコモンレール12内の燃圧の変動が許容範囲内であることを、圧送によるコモンレール12内の燃圧の上昇量の低下に基づきエア混入を判定するための許可条件とする。すなわち、先の図3に示したように、圧送及び燃料噴射がなされていないときには、燃料噴射弁16のクリアランスを介して高圧燃料通路14から低圧燃料通路18へと燃料がリークする静的リークにより燃圧がわずかに低下するのみであるため、この静的リークとして想定される燃圧の低下よりも低下量が大きいときには上記燃料漏れのおそれがある。このため、このときには、上記上昇量の低下の要因が燃料漏れによって生じている可能性があるとして、許可条件が成立しないとする。
上記燃料噴射制御の正常時の燃圧の上昇量や、静的リークの許容範囲は、ディーゼル機関の運転状態に応じて変化する。このため、本実施形態では、上記エア混入の判定に際して用いる閾値を可変設定する。以下、これについて説明する。
図6に、上記閾値の算出にかかる処理の手順を示す。この処理は、ECU40により、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS30において、圧送及び噴射のなされていないときのコモンレール12からの燃料の流出量である静的リーク量LSを算出する。この静的リーク量LSは、燃圧センサ32によって検出される燃圧と、燃温センサ30によって検出される燃料の温度と、クランク角センサ34によって検出される回転速度とに基づき算出される。ここで、静的リーク量LSは、コモンレール12内の燃圧が高いほど多くなる。これは、燃圧が高いほど、燃料噴射弁16のクリアランスを介して高圧燃料通路14から低圧燃料通路18へと燃料を流出させる力が強くなることによる。また、静的リーク量LSは、燃料の温度が高いほど、多くなる傾向にある。これは、燃料の温度が高いほど、燃料の粘性が低下するためである。更に、回転速度が大きいほど、圧送及び噴射のなされない各期間は短くなるため、静的リーク量LSが少なくなる。
続くステップS32では、燃料噴射制御が正常であるときの静的リーク量LSによる燃圧の低下の許容範囲を定める閾値Bを算出する。詳しくは、閾値Bは、静的リーク量LSに体積弾性係数Eを乗算し且つ燃料ポンプ6からコモンレール12までの容積とコモンレール12の容積との和Vで除算した値に、所定のマージン量αを加えた値とする。すなわち、閾値Bは、「E/V×LS+α」として算出される。ここで、マージン量αは、燃料噴射装置の個体差ばらつき等による静的リーク量LSの変動を考慮して設定される。
続くステップS34では、指令噴射量に基づき、動的リーク量LDを算出する。この動的リーク量LDは、燃料噴射弁16を介して噴射される燃料量と、燃料噴射に際して燃料噴射弁16を介して高圧燃料通路14から低圧燃料通路18へと流出する燃料量との和として算出される。これは、例えば指令噴射量に応じたマップ演算によって算出すればよい。
続くステップS36では、目標燃圧の変化量ΔPを算出する。
更に、ステップS38では、圧送によるコモンレール12内の燃圧の上昇量の閾値Aを算出する。これは、「E/V(LS+LD)+ΔP−β」として算出される。ここでは、静的リーク量LS及び動的リーク量LDを補償する燃料量による燃圧の上昇量と、目標燃圧の変化ΔPに追従するための燃圧の上昇量とから、マージン量βを減算することで閾値Aを定めている。ここで、マージン量βは、燃料噴射装置の個体差による燃圧の上昇量のばらつきを考慮して設定される。ちなみに、「E/V(LS+LD)+ΔP」は、燃料噴射制御が正常であるときに想定される燃圧の上昇量である。
なお、ステップS38の処理が完了すると、この一連の処理を一旦終了する。
図7に、上記閾値A,Bを用いたエア混入判定にかかる処理の手順を示す。この処理は、ECU40により、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS40において、燃料ポンプ6によるコモンレール12への燃料の圧送期間であるか否かを判断する。そして、圧送期間であると判断されると、ステップS42に移行する。ステップS42では、圧送による燃圧の上昇量ΔP1(先の図3参照)が、上記閾値A以下であるか否かを判断する。そして、閾値Aよりも高いと判断されるときには、ステップS44において正常であるとして、先の図2に示したフィードバック制御を行なう。これに対し、ステップS42において閾値A以下であると判断されるときには、燃料漏れやエア混入等の可能性がある旨のフラグFを「1」とする。
一方、ステップS40において圧送期間ではないと判断されると、ステップS48において噴射期間であるか否かを判断する。そして、ステップS48において噴射期間でないと判断されると、ステップS50に移行する。ステップS50では、上記燃料漏れやエア混入等の可能性がある旨のフラグFが「1」であるか否かを判断する。そして、フラグFが「1」であると判断されるときには、ステップS52においてコモンレール12内の燃圧の低下量ΔP2(先の図3参照)が閾値B以上であるか否かを判断する。
そしてステップS52において燃圧の低下量が閾値B以上であるときには、ステップS54において燃料漏れ診断を実施する。この燃料漏れの診断にかかる処理は周知であるため、ここではその説明を割愛する。
一方、ステップS52において、燃圧の低下量ΔP2が閾値B未満であるときには、ステップS56において、燃料ポンプ6によって汲み上げられてコモンレール12へ圧送される燃料にエアが混入したと判定する。そして、先の図2に示したPID制御の積分項の上限ガード値を低減する。これにより、積分項が極端に大きくなることによる上述したオーバーシュートを回避する。また、噴射量制限を行なう。これにより、ディーゼル機関の出力が制限されるために、ユーザに燃料残量の低下を意識させしめ、給油を促すことができる。また、燃料残量が少ない状況下、噴射量制限をすることで、走行距離を伸ばすこともできる。更に、指令噴射量が制限される場合には、先の図2に示した処理によって算出される目標燃圧が低下するために、積分項が過度に大きくなることを抑制することもできる。
なお、ステップS44,S46,S54,S56の処理が完了するときや、ステップS48において噴射期間であると判断されるとき、更にはステップS50においてフラグFが「1」でないと判断されるときには、この一連の処理を一旦終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)燃料の圧送時に検出される燃圧の上昇量が燃料噴射制御が正常であるときに想定される上昇量よりも低いことに基づき、燃料にエアが混入したと判定した。これにより、エア混入を適切に判定することができる。
(2)圧送及び噴射のなされていない期間における燃圧の低下量が許容範囲内であるときに、燃圧の上昇量の低下に基づくエア混入の判定を許可した。このように燃料の低下量が許容範囲内であるときには、上記上昇量の低下の要因が燃料漏れではないと考えられるため、この許可条件を設けることでエア混入を適切に判定することができる。
(3)燃圧の検出値と目標燃圧との差の積算値に応じて、燃料ポンプ6の操作量を定める積分制御を行い、エア混入と判定されるときに、積分項の上限ガード値を低減した。この積分制御は、検出される燃圧を目標燃圧へと追従させる追従性を向上させることができる反面、燃料へのエアの混入が断続して生じることで燃圧のオーバーシュートを生じさせやすい。この点、本実施形態では、エア混入判定時に積分項の上限ガード値を低減することで、燃圧の追従性を向上させつつも、コモンレール12内の燃圧の過度の上昇を好適に回避することができる。
(4)燃料にエアが混入したと判定されるとき、燃料噴射弁16からの燃料噴射量を制限した。これにより、ディーゼル機関の出力が制限され、ひいては、ユーザに燃料残量の低下を知らしめて給油を促すことができる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、指令噴射期間と圧送期間とが重複するようにして燃料の噴射制御を行う。図8に、本実施形態にかかる燃料噴射制御の態様を示す。詳しくは、図8(a)に、第1プランジャによる燃料の吸入、吐出(圧送)態様の推移を、図8(b)に、第2プランジャによる燃料の吸入、吐出(圧送)態様の推移をそれぞれ示す。また、図8(c)〜図7(f)に、1番気筒から4番気筒の燃料噴射弁16に対する指令噴射期間をそれぞれ示す。更に、図8(g)に、コモンレール12内の燃圧の推移を示す。
図示されるように、第1プランジャからコモンレール12に燃料が圧送される期間と1番気筒又は3番気筒の燃料噴射弁16の指令噴射期間とが重複している。また、第2プランジャからコモンレール12に燃料が圧送される期間と2番気筒又は4番気筒の燃料噴射弁16の指令噴射期間とが重複している。
この場合、圧送期間における燃圧の上昇量ΔP1は、燃料噴射のために、先の図3に示したものよりも低減される。このため、本実施形態では、燃料噴射の開始までの燃圧の上昇量に基づき上記閾値Aを算出する。ちなみに、燃料噴射開始までの燃圧の上昇量は、先の図6の処理にて推定される圧送量「LS+LD+ΔP×V/E」と、噴射開始タイミングとに基づき算出することができる。詳しくは、まず、推定される圧送量と、燃料ポンプ6とクランク軸8との幾何学的な関係とに基づき、圧送開始時点を算出する。次に、圧送開始時点と噴射開始時期とから噴射開始時期までの圧送量を算出する。
また、圧送及び噴射でない期間が先の図3に示したものよりも長くなるため、静的リーク量LSが増加する。このため、これを考慮して閾値Bを算出する。
以上説明した本実施形態によっても、先の第1の上記(1)〜(4)の効果を得ることができる。
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、圧送時の燃圧の上昇量ΔP1が閾値A以下であるときにエア混入判定を許可する許可条件を、残量センサ36によって検出される燃料タンク2内の燃料の残量が閾値C以下であることとする。以下、これについて説明する。
図9は、本実施形態にかかるエア混入判定にかかる処理の手順を示す。この処理は、ECU40により、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、先の図7のステップS40と同様、ステップS60において圧送期間であるか否かを判断する。そして圧送期間であると判断されると、ステップS62において、先の図7のステップS42と同様、燃圧の上昇量ΔP1が閾値A以下であるか否かを判断する。そして、閾値Aを上回ると判断されるときには、ステップS64において先の図2に示した通常の制御を行う。
これに対し、ステップS62において閾値A以下であると判断されるときには、ステップS66において、残量センサ36によって検出される燃料タンク2内の燃料残量が閾値C以下であるか否かを判断する。この閾値Cは、燃料残量が低下し、燃料ポンプ6により圧送される燃料にエアが混入しやすい状況にあるか否かを判断するためのものである。
ステップS66において燃料残量が閾値Cを上回るときには、先の図7のステップS54と同様、ステップS68において燃料漏れ診断を行なう。
これに対し、ステップS66のおいて燃料残量が閾値C以下であると判断されると、ステップS70において、エア混入時と判定し、先の図7のステップS56と同様の処理を行なう。
以上詳述した本実施形態によれば、先の第1の上記(1)、(3)、(4)の効果に加えて更に以下の効果が得られるようになる。
(5)燃料タンク2内の燃料残量が閾値C以下であるときに、上昇量ΔP1が閾値A以下であることに基づくエア混入判定を許可した。これにより、エア混入判定をより適切に行なうことができる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・燃料ポンプ6の操作量の制限は、プレッシャレギュレータ20の開弁を回避する目的に限らない。例えば、燃料ポンプ6の耐圧は、通常、回転速度に応じて変化する。詳しくは、低回転領域では、耐圧が低下する。このため、コモンレール12内の燃圧がその耐圧の上限値近傍の圧力でなくても、回転速度が低い領域において通常以上の燃圧となると燃料ポンプ6の劣化が促進されることが懸念される。このため、エア混入により燃圧が目標燃圧に対してオーバーシュートすることは、それがコモンレール12の耐圧の上限値近傍でないときであれ、燃料ポンプ6の劣化を抑制するために回避されることが望ましい。
更に、プレッシャレギュレータ20を備えないものであっても、コモンレール12内の燃圧のオーバーシュートを回避することは、オーバーシュートによる燃焼音の増大やドライバビリティの悪化を抑制することができるため、有効である。
・第1の実施形態において、圧送期間以外の期間における燃圧の低下に基づき許可条件を設定してもよい。この場合、許容範囲は、静的リーク量LS及び動的リーク量LDに基づき設定される。
・第3の実施形態において、噴射時期と圧送期間とを重複させてもよい。
・燃料噴射制御としては、圧送期間と噴射期間とが必ず重複しない構成や、必ず重複する構成に限らず、ディーゼル機関の運転状態等に応じて圧送期間と噴射期間とが重複したり重複しなかったりするものであってもよい。この現象は、非同期式の噴射噴射制御システムにおいて生じやすい。この場合であっても、閾値Aを、圧送期間と噴射期間との重複態様に応じて設定することができる。
・エア混入判定の許可条件を、噴射及び圧送のなされないときの燃圧の変動量が許容範囲内であることと燃料残量が閾値C以下であることとの論理積条件としてもよい。
・燃料漏れ診断を所定周期で行なう構成とするなら、燃料漏れ異常であるとの判断がなされていないことを、上昇量ΔPが閾値A以下であるときにエア混入判定することの許可条件としてもよい。
・エア混入判定時の燃料ポンプ6の操作量の制限としては、積分項の上限ガード値を制限するものに限らず、例えば燃料ポンプ6に対するDutyを制限する等、操作量を直接制限するものであってもよい。
・コモンレール12内の燃圧のフィードバック制御としては、PID制御に限らない。ただし、燃圧の検出値と目標燃圧との差の積算値に応じて、燃料ポンプ6の操作量を定めるための積算項を用いるものであるなら、断続的にエアが混入するに際して操作量が過大となりやすいため、本発明の適用が特に有効である。
・噴射量制限としては、指令噴射量を制限するものに限らない。例えば指令噴射量の算出に用いられるアクセルペダルの操作量を制限するようにしてもよい。
・燃料ポンプ6としては、Dutyによってその開弁量が連続的に調整されることで吐出量が調整されるものに限らない。例えば開弁及び閉弁の2値的な操作によって、吐出量が調整されるものであってもよい。また、燃料ポンプ6のプランジャ数は任意でよい。
・内燃機関としては、ディーゼル機関に限らず、例えば筒内噴射式ガソリン機関であってもよい。また、これら内燃機関の気筒数も任意でよい。
第1の実施形態にかかるエンジンシステムの構成を示す図。 同実施形態にかかる燃圧のフィードバック制御の手順を示すフローチャート。 上記フィードバック制御の態様を示すタイムチャート。 燃料にエアが混入したときの燃圧の挙動を示すタイムチャート。 燃料にエアが混入したときの燃圧の挙動を示すタイムチャート。 上記実施形態におけるエア混入判定のための閾値の算出の手順を示すフローチャート。 同実施形態にかかるエア混入判定の処理手順を示すフローチャート。 第2の実施形態にかかる燃料噴射制御の態様を示すタイムチャート。 第3の実施形態にかかるエア混入判定の処理手順を示すフローチャート。
符号の説明
2…燃料タンク、6…燃料ポンプ、12…コモンレール、16…燃料噴射弁、40…電子制御装置(ECU)。

Claims (8)

  1. 燃料を高圧状態で蓄える蓄圧室と、該蓄圧室に燃料を加圧供給する燃料ポンプと、前記蓄圧室に蓄えられた燃料を噴射する燃料噴射弁とを備える車載内燃機関の燃料噴射装置について、該噴射装置を操作することで燃料噴射制御を行なう燃料噴射制御装置において、
    前記蓄圧室内の燃圧を検出する検出手段の検出結果を取り込む手段と、
    前記加圧供給時に検出される燃圧の上昇量が前記燃料噴射制御が正常であるときに想定される上昇量よりも低いことに基づき、前記燃料にエアが混入したと判定する判定手段とを備えることを特徴とする燃料噴射制御装置。
  2. 前記判定手段は、前記検出される燃圧の上昇量が前記想定される上昇量よりも低いか否かを判断する判断手段と、前記想定される上昇量よりも低いと判断されるときにその要因が前記エアの混入以外でないとの条件を前記判定を行なうための許可条件として、該許可条件が成立するか否かを判断する許可手段とを備え、前記判断手段により前記検出される燃圧の上昇量が前記想定される上昇量より低いと判断されて且つ前記許可手段により許可条件が成立すると判断されるときに前記エアが混入したと判断することを特徴とする請求項1記載の燃料噴射制御装置。
  3. 前記許可手段は、前記加圧供給のなされていない期間における前記検出される燃圧の低下量が許容範囲内であるときに前記許可条件が成立したと判断することを特徴とする請求項2記載の燃料噴射制御装置。
  4. 前記燃料ポンプによって燃料が汲み上げられる燃料タンクについて、その燃料残量を検出する検出手段の検出結果を取り込む手段を更に備え、
    前記許可手段は、前記検出される燃料残量が予め定められた閾値未満であるとき、前記許可条件が成立したと判断することを特徴とする請求項2記載の燃料噴射制御装置。
  5. 前記検出される燃圧を目標燃圧にフィードバック制御すべく、前記燃料ポンプを操作する燃圧制御手段と、
    前記判定手段により前記燃料にエアが混入したと判定されるとき、前記燃圧制御手段による前記燃料ポンプの操作量を制限する操作量制限手段とを更に備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の燃料噴射制御装置。
  6. 前記燃圧制御手段は、前記燃圧と前記目標燃圧との差の積算値に応じて、前記燃料ポンプの操作量を定めるための積算項を算出する積算項算出手段を備えることを特徴とする請求項5記載の燃料噴射制御装置。
  7. 前記操作量制限手段は、前記判定手段により前記燃料にエアが混入したと判定されるとき、前記積算項の上限値を制限することを特徴とする請求項6記載の燃料噴射制御装置。
  8. 前記判定手段により前記燃料にエアが混入したと判定されるとき、前記燃料噴射弁からの燃料噴射量を制限する噴射量制限手段を備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の燃料噴射制御装置。
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