JP2007239610A - エンジンの目標燃圧設定装置及び目標燃圧設定方法 - Google Patents
エンジンの目標燃圧設定装置及び目標燃圧設定方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007239610A JP2007239610A JP2006063209A JP2006063209A JP2007239610A JP 2007239610 A JP2007239610 A JP 2007239610A JP 2006063209 A JP2006063209 A JP 2006063209A JP 2006063209 A JP2006063209 A JP 2006063209A JP 2007239610 A JP2007239610 A JP 2007239610A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fuel
- fuel pressure
- engine
- pressure
- target
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
- F02D41/00—Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
- F02D41/30—Controlling fuel injection
- F02D41/38—Controlling fuel injection of the high pressure type
- F02D41/3809—Common rail control systems
- F02D41/3836—Controlling the fuel pressure
- F02D41/3845—Controlling the fuel pressure by controlling the flow into the common rail, e.g. the amount of fuel pumped
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
- F02D41/00—Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
- F02D41/22—Safety or indicating devices for abnormal conditions
- F02D41/221—Safety or indicating devices for abnormal conditions relating to the failure of actuators or electrically driven elements
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
- F02D41/00—Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
- F02D41/22—Safety or indicating devices for abnormal conditions
- F02D2041/224—Diagnosis of the fuel system
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
- F02D2250/00—Engine control related to specific problems or objectives
- F02D2250/31—Control of the fuel pressure
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Combustion & Propulsion (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Fuel-Injection Apparatus (AREA)
- Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
- Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
Abstract
【課題】エンジン駆動される燃料ポンプによって高圧化された燃料が供給されるエンジンにおいて、エンジンの運転状態にかかわらず燃料量の不足を生じさせないように目標燃圧を設定する目標燃圧設定装置及び目標燃圧設定方法を提供する。
【解決手段】エンジン駆動される燃料ポンプによって高圧化された燃料が供給されるエンジンの目標燃圧を設定する目標燃圧設定装置であって、エンジンの運転状態に基づいて目標燃圧を設定する目標燃圧設定手段(ステップS5)と、燃圧がその目標燃圧のもとで、燃料ポンプの吐出可能な燃料量が、エンジンの必要とする燃料量に不足するときに、目標燃圧を低下させる目標燃圧変更手段(ステップS1〜S4)とを有することを特徴とする。
【選択図】図5
【解決手段】エンジン駆動される燃料ポンプによって高圧化された燃料が供給されるエンジンの目標燃圧を設定する目標燃圧設定装置であって、エンジンの運転状態に基づいて目標燃圧を設定する目標燃圧設定手段(ステップS5)と、燃圧がその目標燃圧のもとで、燃料ポンプの吐出可能な燃料量が、エンジンの必要とする燃料量に不足するときに、目標燃圧を低下させる目標燃圧変更手段(ステップS1〜S4)とを有することを特徴とする。
【選択図】図5
Description
この発明は、エンジン駆動される燃料ポンプによって高圧化された燃料が供給されるエンジンの目標燃圧を設定する目標燃圧設定装置及び目標燃圧設定方法に関する。
シリンダ内に燃料を直接噴射する筒内直噴式エンジンにおいては、非常に高い燃料圧力(以下「燃圧」という)が要求されるので、モータ駆動のフィードポンプ(低圧ポンプ)が吐出した燃料を、エンジン駆動のプランジャポンプ(高圧ポンプ)で高圧化してエンジンに供給する。
エンジン気筒内の圧力は、エンジンの運転状態、例えばエンジンの回転数や負荷に応じて変わる。そこで従来から、エンジンの運転状態に応じて燃圧を可変制御してエンジンに供給している。例えば、高速域および高負荷域では比較的高圧にし、低速低負荷域では比較的低圧にし、残りの中速域および中負荷域では、中間の燃圧とするように、運転状態に応じた燃圧にしている。
このようなエンジンでは燃料温度(以下「燃温」という)が異常に高温になると、燃料の粘性が低下し、摺動部分での潤滑油膜が不足し、フリクションが増加し、燃費の悪化や極端な場合は摺動部分が摩耗するおそれがあった。そこで特許文献1では燃温が異常高温であるときには燃圧を下げることで燃料ポンプの各摺動部分に加わる面圧を低下させることで摺動部分における油膜厚さを増大させることでフリクション増加を防止している。
特開2000−110621号公報
ところで発明者らの最近の研究によれば、燃圧をさらに精緻に制御し、また負荷の増大に応じてさらに高燃圧に制御することで、燃費や燃焼安定性を向上できる。しかし、そのように高燃圧に制御する場合、エンジンの運転状態によっては燃料量が不足し、燃焼安定性が悪化し、リーン失火するおそれがあることが知見された。
本発明は、発明者らのこのような知見に基づいてなされたものであり、エンジン駆動される燃料ポンプによって高圧化された燃料が供給されるエンジンにおいて、エンジンの運転状態にかかわらず燃料量の不足を生じさせないように目標燃圧を設定する目標燃圧設定装置及び目標燃圧設定方法を提供することを目的としている。
本発明は以下のような解決手段によって前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために本発明の実施形態に対応する符号を付するが、これに限定されるものではない。
本発明は、エンジン駆動される燃料ポンプ(21)によって高圧化された燃料が供給されるエンジンの目標燃圧を設定する目標燃圧設定装置であって、エンジンの運転状態に基づいて目標燃圧を設定する目標燃圧設定手段(ステップS5)と、燃圧が前記目標燃圧のもとで、前記燃料ポンプの吐出可能な燃料量が、エンジンの必要とする燃料量に不足するときに、目標燃圧を低下させる目標燃圧変更手段(ステップS1〜S4)とを有することを特徴とする。
本発明によれば、燃料ポンプの吐出可能な燃料量が、エンジンの必要とする燃料量に不足することを判定したときには、目標燃圧を低下させるようにした。このような目標燃圧に基づいてエンジンを制御すれば吐出性能が高いプランジャポンプを必要とせず、コストアップを抑えることができる。
以下では図面等を参照して本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
図1は、本発明による燃料噴射制御装置の一実施形態を示す図である。
燃料噴射装置1は、燃料圧送部10と、燃料高圧化部20と、高圧燃料噴射部30とを備える。
燃料圧送部10は、フィードポンプ(低圧ポンプ)11と、プレッシャレギュレータ12と、燃料フィルタ13と、燃料タンク14とを備える。
燃料タンク14は、燃料を貯留するとともに、フィードポンプ11、プレッシャレギュレータ12を収納する。フィードポンプ11は、電動モータ11aで駆動され、燃料タンク14内の燃料を燃料供給通路15を介して燃料高圧化部20に供給する。燃料フィルタ13はフィードポンプ11の上流及び下流にそれぞれ配置される。プレッシャレギュレータ12は、燃料供給通路15から分岐するリターン通路16に設けられ、フィードポンプ11の吐出圧が一定圧以上にならないように、燃料タンク14に余剰燃料を戻す。また燃料供給通路15にはダンパ17が設けられる。このダンパ17は燃料供給通路15の圧力脈動を抑制する。
燃料高圧化部20は、プランジャポンプ(高圧ポンプ)21と、吸入チェックバルブ22と、スピル調整ソレノイド23と、吐出チェックバルブ24とを備える。
プランジャポンプ21は、シリンダ21aと、プランジャ21bと、スプリング21cとを有する。プランジャ21bはシリンダ21a内を往復動する。プランジャ21bは、ポンプ駆動カム(板カム)25の周面に従動する。ポンプ駆動カム25は、吸気バルブ用カムシャフト26に一体に形成されている。吸気バルブ用カムシャフト26はチェーン又はベルトを介してクランクシャフトによって駆動される。スプリング21cはプランジャ21bをカム25の周面に向けて付勢する。
吸入チェックバルブ22はシリンダ21aの吸入側に設けられている。吸入チェックバルブ22は、燃料がシリンダ21aから燃料圧送部10に逆流することを防止する。
スピル調整ソレノイド23は、スピルシャフト23aを制御する。スピルシャフト23aは、吸入チェックバルブ22を強制的に開放する。吸入チェックバルブ22がスピルシャフト23aによって強制的に開放されると、シリンダ21a内の燃料は、スピル通路27を通って燃料タンク14に戻される。
吐出チェックバルブ24はシリンダ21aの吐出側に設けられている。吐出チェックバルブ24は、燃料が高圧燃料噴射部30からシリンダ21aに逆流することを防止する。
プランジャ21bがポンプ駆動カム25の周面に従動して下降するときに、フィードポンプ11からの低圧燃料が吸入チェックバルブ22を介してシリンダ21aに充満する。そしてプランジャ21bがポンプ駆動カム25の周面に従動して上昇するときに、シリンダ21aの燃料の圧力が上昇して吐出チェックバルブ24が開き、高圧の燃料がオリフィス28を介してデリバリパイプ31に供給され、デリバリパイプ31内が高圧化する。なお、プランジャポンプ21の吐出量は、スピル調整ソレノイド23によってコントロールされる。すなわち、プランジャ21bが上昇するときに、スピルシャフト23aによる吸入チェックバルブ22の開放時間を長くすれば、スピル通路27を通って燃料タンク14に戻される燃料量が増大し、プランジャポンプ21の吐出量、すなわちデリバリパイプ31への燃料供給量は減少する。反対にスピルシャフト23aによる吸入チェックバルブ22の開放時間を短くすれば、スピル通路27を通って燃料タンク14に戻される燃料量が少なくなり、プランジャポンプ21の吐出量、すなわちデリバリパイプ31への燃料供給量は増大する。
高圧燃料噴射部30は、デリバリパイプ31と、高圧燃料噴射弁32a〜32dとを備える。
デリバリパイプ31は、プランジャポンプ21から吐出される高圧燃料を蓄える。デリバリパイプ31に蓄えられた高圧燃料は、高圧燃料噴射弁32a〜32dからエンジンのシリンダ内に直接噴射される。
デリバリパイプ31は、安全弁33を備える。この安全弁33はデリバリパイプ31内の燃料圧力が許容圧力を超えたときに開いて、デリバリパイプ31内の高圧燃料の一部を燃料タンク14に戻す。すなわちこの安全弁33の開閉によってデリバリパイプ31内の燃料圧力を調整する。
デリバリパイプ31内の燃料の温度及び圧力は、温度圧力センサ51によって検出される。なおセンサは温度及び圧力をそれぞれ検出する複数のセンサで検出しても、また例えば圧力から温度を算出(間接的に検出)するようにしてもよい。
コントローラ50は温度圧力センサ51、クランク角センサ52、アクセルペダル踏込量センサ53の信号を入力し、電動モータ11a、スピル調整ソレノイド23、高圧燃料噴射弁32a〜32dを制御する。コントローラ50はクランク角センサ52の信号に基づいてエンジン回転速度を算出する。コントローラ50はアクセルペダル踏込量センサ53の信号に基づいて負荷を算出する。コントローラ50は中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。コントローラ50を複数のマイクロコンピュータで構成してもよい。
ここで本発明の解決課題を確認する。
フィードポンプ(低圧ポンプ)11で圧送された燃料は、プランジャポンプ(高圧ポンプ)21で高圧化され、デリバリパイプ31に一旦貯留されて高圧燃料噴射弁から噴射される。このときの噴射圧力を、エンジンの運転状態に応じて変化させることで、燃費や燃焼安定性を向上できる。
ところが実際に噴射される燃料量は、エンジンの運転状態(燃料の温度圧力)によって変化する。そのため目標燃料量を設定しても、実際には目標通りの燃料量を供給することができず、燃料量が不足するおそれのあることが分かった。
これについて図2を参照して説明する。図2はプランジャポンプ(高圧ポンプ)の吐出可能燃料量とエンジンの必要燃料量との関係を示す図である。図中太線は通常燃温通常燃圧であるときにプランジャポンプから吐出可能な燃料量を示す。細線は高燃温高燃圧であるときのプランジャポンプから吐出可能な燃料量を示す。破線は或る一定負荷のときにエンジンが必要とする燃料量を示す。
プランジャポンプは、エンジンのクランクシャフトによって駆動されるので、プランジャポンプの吐出量はエンジン回転数に比例する。
燃料が高燃温高燃圧の状態になると、通常燃温通常燃圧の状態に比べてプランジャポンプから吐出可能な燃料量が減少し(グラフの傾きが緩やかである)、エンジンの要求燃料量に不足する領域(図中の斜線領域)が存在することとなる。図2ではエンジン回転数がNe0(三千数百rpm程度)からNe1(六千rpm程度)の範囲で吐出量の不足する領域がある。
このようになる理由についての発明者らの見解について図3を参照して説明する。図3は燃温及び燃圧を変えたときのプランジャポンプの吐出効率を示す図である。図3の菱形は燃圧が5MPaであり、四角は燃圧が10MPaであり、円は燃圧が10MPaである。また黒塗り及び細線は、燃温が常温(例えば40〜50℃程度)であり、白抜き及び太線は、燃温が高温(例えば80〜90℃程度)であることを示す。
ここで吐出効率について補足する。
プランジャポンプ21は、上述のようにプランジャ21bがシリンダ21a内を往復動することによって燃料を吐出する。このときプランジャ21bの移動容積が理論上の吐出量である。ところが実際の吐出量(実吐出量)は理論吐出量に満たない。この比が吐出効率である。すなわち吐出効率は以下の式で表される。
なお理論吐出量は以下の式で表される。
図3を見ると、燃温が一定の場合には、燃温が常温で一定の場合でも、燃温が高温で一定の場合でも、燃圧が5MPa→10MPa→15MPaと上昇するにつれて吐出効率が低下していることが分かる。
また燃圧が一定の場合には、燃圧が5MPaで一定のときも、燃圧が10MPaで一定のときも、燃圧が15MPaで一定のときも、燃温が常温→高温と上昇するにつれて吐出効率が低下していることが分かる。
以上から、高燃温高燃圧のときに吐出効率が低いことが分かる。理論吐出量は一定であるので、吐出効率は実吐出量に比例する。したがって高燃温高燃圧のときに吐出効率が低いのは、実吐出量が低下しているためである。
ここで高燃温高燃圧のときに実吐出量が低下する理由について説明する。
まず燃温が上昇するにつれて実吐出量が低下することについて説明する。
プランジャポンプ21は、上述のようにプランジャ21bがシリンダ21a内を往復動することによって燃料を吐出する。したがってプランジャ21bの移動容積が理論上の吐出量である。ところで燃料の密度は燃温が高くなるほど低くなる。燃温が10℃上昇すると、密度が1%程度低下することが発明者らの知見である。そこで燃温が高温になるほど、プランジャ21bの往復動によって実際に吐出される燃料量は減少する。
次に燃圧が上昇するにつれて実吐出量が低下することについて説明する。
プランジャポンプ21は、上述のようにプランジャ21bがシリンダ21a内を往復動することによって燃料を吐出する。したがってプランジャ21bの移動容積が理論上の吐出量になる。ところが、図4に示すように、そのうちの一部が燃圧の昇圧分に消費され、残りが実際の吐出量になる。したがって、燃圧が高圧になり、昇圧分が大きくなればなるほど、実際に吐出される燃料量が少なくなる。
また燃圧が高圧になると燃温も上昇する。これによっても実吐出量が減少するのである。
また燃圧が高圧になると燃温も上昇する。これによっても実吐出量が減少するのである。
このようにプランジャポンプの実吐出量は、燃料温度が高温になればなるほど、また燃料圧力が高圧になればなるほど、低下し、吐出効率が下がる。そして図2に示すようにエンジンの運転状態によっては必要燃料量に不足する事態が発生するのである。このような場合でも目標燃料量を高いままエンジン制御を行っては、実際に望まれる制御を実行できない。そこで本発明ではそのようなときには目標値を変更するようにしたのである。すなわち、燃料温度や燃料圧力を下げることができれば吐出効率がアップする。燃料温度は容易に下げることができない。そこで本発明では、目標燃料圧力を下げるようにし、この目標燃料圧力に基づいてエンジンを制御するようにしたのである。
このように目標燃料圧力を下げれば燃費の低下は低下する可能性がある。しかしこのような制御の必要な運転範囲は限定的である。すなわち図2ではエンジン回転数がNe0(三千数百rpm程度)からNe1(六千rpm程度)の範囲であって高燃温高燃圧のときにのみ吐出量が不足するからである。
エンジンがそのような運転範囲よりも低速のときは、図3に示すように吐出効率は低い。ところが必要な燃料量も少ないので、図2に示すように実際に供給可能な燃料量が必要燃料量に対して不足しない。
またエンジンが高速のときは、図3に示すようにエンジンの回転数が上がるほど吐出効率が低下する。ところが燃温燃圧違いによる吐出効率の差異は少なくなり、燃温燃圧にかかわらず、吐出効率は略同じになる。したがってエンジン回転数の上昇による吐出効率の低下を考慮して目標燃料量を増量補正することで、図2に示すように実際に供給可能な燃料量が必要燃料量に対して不足しない。
ところが図2のエンジン回転数がNe0(三千数百rpm程度)からNe1(六千rpm程度)の範囲では、燃温燃圧違いによって吐出効率は変わる。また必要な燃料量自体の量も多い。そのためエンジンの運転状態によっては燃料量が不足するのである。
このような運転範囲において目標燃料量を増量補正することも考えられる。しかしそのためには吐出能力の高いプランジャポンプが必要となる。エンジン回転数が所定範囲であって、かつ燃料が高燃温高燃圧であるという限られた運転状態のために、高性能なポンプを使用してコストアップを招くことは望ましくない。
そこで本発明では、吐出効率の低下することで吐出量が不足する運転範囲を検出し、このような範囲では、燃費向上よりもポンプ性能を優先して目標燃圧を低下するようにしたのである。このような目標燃圧に基づいてエンジンを制御すれば吐出性能が高いプランジャポンプを必要とせず、コストアップを抑えることができるのである。
以下ではコントローラ50の具体的な制御ロジックについて図5のフローチャートに沿って説明する。
ステップS1において、コントローラ50は、燃料温度を検出し、その燃料温度が規定温度よりも高温であるか否かを判定する。なお規定温度はあらかじめ実験を通じて設定され、ROMに格納されている。高温であればステップS2に処理を移行し、そうでなければステップS5に処理を移行する。
ステップS2において、コントローラ50は、エンジン負荷が規定負荷よりも高負荷であるか否かを判定する。なお規定負荷はあらかじめ実験を通じて設定され、ROMに格納されている。高負荷であればステップS3に処理を移行し、そうでなければステップS5に処理を移行する。
ステップS3において、コントローラ50は、エンジン回転速度が規定回転速度よりも高回転であるか否かを判定する。なお規定回転速度はあらかじめ実験を通じて設定され、ROMに格納されている。高回転であればステップS4に処理を移行し、そうでなければステップS5に処理を移行する。
ステップS4において、コントローラ50は、燃圧マップとして図6(B)に示す高水温時の目標燃圧マップを使用して燃圧制御を行う。
ステップS5において、コントローラ50は、燃圧マップとして図6(A)に示す通常時の目標燃圧マップを使用して燃圧制御を行う。
ここで図6に示した燃圧マップについて説明する。
図6(A)は通常時に使用する目標燃圧マップであり、図6(B)は高燃温時に使用する目標燃圧マップである。これらのマップはあらかじめ実験を通じて設定され、ROMに格納されている。
燃圧P1,P2,P3,P4,P5,P6は、以下の関係にある。
プランジャポンプの実吐出量は、燃料温度が高温になればなるほど、また燃料圧力が高圧になればなるほど、低下し、吐出効率が下がる。そしてエンジンの運転状態によっては必要燃料量に不足する事態が発生する。このような場合でも目標燃料量を高いままエンジン制御を行っては、実際に望まれる制御を実行できない。そこで本発明ではそのようなときには目標値を変更するようにしたのである。すなわち、燃料温度や燃料圧力を下げることができれば吐出効率がアップする。燃料温度は容易に下げることができない。そこで本発明では、目標燃料圧力を下げるようにし、この目標燃料圧力に基づいてエンジンを制御するようにしたのである。
このように目標燃料圧力を下げれば燃費は低下する可能性がある。しかしこのような制御の必要な運転範囲は限定的である。すなわちエンジン回転数が所定範囲であって高燃温高燃圧のときにのみ吐出量が不足するからである。
このような運転範囲において目標燃料量を増量補正することも考えられる。しかしそのためには吐出能力の高いプランジャポンプが必要となる。エンジン回転数が所定範囲であって、かつ燃料が高燃温高燃圧であるという限られた運転状態のために、高性能なポンプを使用してコストアップを招くことは望ましくない。
そこで本発明では、プランジャポンプの吐出効率が低下することで吐出量が不足する運転範囲を検出し、このような範囲では、燃費向上よりもポンプ性能を優先して目標燃圧を低下するようにしたのである。このような目標燃圧に基づいてエンジンを制御すれば吐出性能が高いプランジャポンプを必要とせず、コストアップを抑えることができるのである。
またそのような稀なエンジン運転領域以外では燃費及び燃焼安定性を向上できる。したがってトータルとして優れた燃費及び燃焼安定性を得ることができるのである。
以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明と均等であることは明白である。
11 フィードポンプ(低圧ポンプ)
21 プランジャポンプ(高圧ポンプ)
21a シリンダ
21b プランジャ
ステップS1〜S3 不足判定手段
ステップS4 目標燃圧変更手段
ステップS5 目標燃圧設定手段
21 プランジャポンプ(高圧ポンプ)
21a シリンダ
21b プランジャ
ステップS1〜S3 不足判定手段
ステップS4 目標燃圧変更手段
ステップS5 目標燃圧設定手段
Claims (6)
- エンジン駆動される燃料ポンプによって高圧化された燃料が供給されるエンジンの目標燃圧を設定する目標燃圧設定装置であって、
エンジンの運転状態に基づいて目標燃圧を設定する目標燃圧設定手段と、
燃圧が前記目標燃圧のもとで、前記燃料ポンプの吐出可能な燃料量が、エンジンの必要とする燃料量に不足するときに、目標燃圧を低下させる目標燃圧変更手段と、
を有することを特徴とするエンジンの目標燃圧設定装置。 - 燃圧が前記目標燃圧のもとで、前記燃料ポンプの吐出可能な燃料量が、エンジンの必要とする燃料量に不足するか否かを、燃温に基づいて判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの目標燃圧設定装置。 - 燃圧が前記目標燃圧のもとで、前記燃料ポンプの吐出可能な燃料量が、エンジンの必要とする燃料量に不足するか否かを、負荷に基づいて判定する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエンジンの目標燃圧設定装置。 - 燃圧が前記目標燃圧のもとで、前記燃料ポンプの吐出可能な燃料量が、エンジンの必要とする燃料量に不足するか否かを、エンジン回転速度に基づいて判定する、
ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のエンジンの目標燃圧設定装置。 - 燃圧が前記目標燃圧のもとで、前記燃料ポンプの吐出可能な燃料量が、エンジンの必要とする燃料量に不足するか否かを、エンジン回転速度及び負荷が所定範囲内にあり、燃温が規定温度よりも高温であることに基づいて判定する、
ことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のエンジンの目標燃圧設定装置。 - エンジン駆動される燃料ポンプによって高圧化された燃料が供給されるエンジンの目標燃圧を設定する目標燃圧設定方法であって、
エンジンの運転状態に基づいて目標燃圧を設定する目標燃圧設定工程と、
燃圧が前記目標燃圧のもとで、前記燃料ポンプの吐出可能な燃料量が、エンジンの必要とする燃料量に不足するときに、目標燃圧を低下させる目標燃圧変更工程と、
を有することを特徴とするエンジンの目標燃圧設定方法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006063209A JP2007239610A (ja) | 2006-03-08 | 2006-03-08 | エンジンの目標燃圧設定装置及び目標燃圧設定方法 |
EP07103407A EP1832736A2 (en) | 2006-03-08 | 2007-03-02 | Target fuel pressure setting |
US11/715,023 US20070209639A1 (en) | 2006-03-08 | 2007-03-07 | Target fuel pressure setting apparatus for engine and method for setting the target fuel pressure |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006063209A JP2007239610A (ja) | 2006-03-08 | 2006-03-08 | エンジンの目標燃圧設定装置及び目標燃圧設定方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007239610A true JP2007239610A (ja) | 2007-09-20 |
Family
ID=38126830
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006063209A Pending JP2007239610A (ja) | 2006-03-08 | 2006-03-08 | エンジンの目標燃圧設定装置及び目標燃圧設定方法 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20070209639A1 (ja) |
EP (1) | EP1832736A2 (ja) |
JP (1) | JP2007239610A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009114919A (ja) * | 2007-11-05 | 2009-05-28 | Toyota Motor Corp | 燃料ポンプの異常診断装置 |
JP2009150383A (ja) * | 2007-12-10 | 2009-07-09 | Delphi Technologies Inc | オリフィス減衰用噴射口部材 |
JP2014092092A (ja) * | 2012-11-05 | 2014-05-19 | Mitsubishi Motors Corp | 高圧ポンプの異常判定装置 |
JP2020190205A (ja) * | 2019-05-20 | 2020-11-26 | マツダ株式会社 | エンジンの制御装置及びエンジンシステム |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101349509B1 (ko) * | 2012-05-24 | 2014-01-09 | 현대자동차주식회사 | 엘피아이 연료시스템 및 리턴연료 최소화 방법 |
CN105008709B (zh) * | 2013-03-05 | 2018-04-20 | 斯坦蒂内有限责任公司 | 电控式入口计量单活塞燃油泵 |
CN103485912A (zh) * | 2013-09-27 | 2014-01-01 | 无锡商业职业技术学院 | 一种油泵开关 |
WO2015085136A1 (en) * | 2013-12-05 | 2015-06-11 | Svmtech, Llc | Fuel pressure control system for an internal combustion engine |
DE102016200232A1 (de) * | 2016-01-12 | 2017-07-13 | Continental Automotive Gmbh | Kraftstoffeinspritzsystem |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3298352B2 (ja) * | 1995-03-16 | 2002-07-02 | 日産自動車株式会社 | ディーゼルエンジン |
JPH1182134A (ja) * | 1997-09-03 | 1999-03-26 | Fuji Heavy Ind Ltd | 筒内燃料噴射エンジンの高圧燃料系診断装置及び制御装置 |
JP4345688B2 (ja) * | 2005-02-24 | 2009-10-14 | 株式会社日立製作所 | 内燃機関の診断装置および制御装置 |
-
2006
- 2006-03-08 JP JP2006063209A patent/JP2007239610A/ja active Pending
-
2007
- 2007-03-02 EP EP07103407A patent/EP1832736A2/en not_active Withdrawn
- 2007-03-07 US US11/715,023 patent/US20070209639A1/en not_active Abandoned
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009114919A (ja) * | 2007-11-05 | 2009-05-28 | Toyota Motor Corp | 燃料ポンプの異常診断装置 |
JP2009150383A (ja) * | 2007-12-10 | 2009-07-09 | Delphi Technologies Inc | オリフィス減衰用噴射口部材 |
JP2014092092A (ja) * | 2012-11-05 | 2014-05-19 | Mitsubishi Motors Corp | 高圧ポンプの異常判定装置 |
JP2020190205A (ja) * | 2019-05-20 | 2020-11-26 | マツダ株式会社 | エンジンの制御装置及びエンジンシステム |
JP7272104B2 (ja) | 2019-05-20 | 2023-05-12 | マツダ株式会社 | エンジンの制御装置及びエンジンシステム |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP1832736A2 (en) | 2007-09-12 |
US20070209639A1 (en) | 2007-09-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2007239610A (ja) | エンジンの目標燃圧設定装置及び目標燃圧設定方法 | |
KR100710523B1 (ko) | 내부 연소 엔진용 연료 공급 장치 | |
JP4165572B2 (ja) | 内燃機関の燃料供給装置 | |
US6609500B2 (en) | Device for controlling the flow of a high-pressure pump in a common-rail fuel injection system of an internal combustion engine | |
JP5212546B2 (ja) | 燃料供給装置 | |
JP2004239168A (ja) | 内燃機関の燃料供給システム | |
JP4317133B2 (ja) | 内燃機関のためのコモンレール式燃料噴射システムの運転法 | |
KR20010021122A (ko) | 고압 연료 펌프 및 고압 연료 펌프용 캠 | |
JP2005036794A (ja) | 蓄圧式燃料噴射システム | |
JP4386016B2 (ja) | 燃料噴射制御装置 | |
JP2013231362A (ja) | 燃料圧力制御装置 | |
JP2015102033A (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP5310464B2 (ja) | 燃料噴射装置 | |
JP2009221906A (ja) | 筒内噴射式内燃機関の低圧ポンプ制御装置 | |
JP3941667B2 (ja) | 蓄圧式燃料噴射装置 | |
JP2007224785A (ja) | 燃料供給装置 | |
JP2009103059A (ja) | 筒内噴射式内燃機関の制御装置 | |
JP4300582B2 (ja) | 燃料供給装置 | |
JP2008064053A (ja) | 燃料噴射制御装置 | |
JP6022986B2 (ja) | 燃料供給システム | |
JPH07310620A (ja) | 燃料噴射ポンプ | |
JP2011256726A (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP5835117B2 (ja) | 内燃機関の燃料供給制御装置 | |
JP2011163138A (ja) | 高圧燃料ポンプの基準時期算出装置 | |
JP2007032454A (ja) | 内燃機関の燃料系統の制御装置 |