JP3508359B2 - 蓄圧式燃料噴射装置 - Google Patents

蓄圧式燃料噴射装置

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JP3508359B2
JP3508359B2 JP34166995A JP34166995A JP3508359B2 JP 3508359 B2 JP3508359 B2 JP 3508359B2 JP 34166995 A JP34166995 A JP 34166995A JP 34166995 A JP34166995 A JP 34166995A JP 3508359 B2 JP3508359 B2 JP 3508359B2
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守 沖
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料供給ポンプか
ら圧送されてくる燃料を蓄圧室(コモンレール)内に一
旦高圧状態で蓄え、蓄圧室内の高圧燃料をディーゼル機
関に噴射供給するディーゼル機関の蓄圧式燃料噴射装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の蓄圧式燃料噴射装置で
は、ディーゼル機関の運転状態(回転数、負荷等)に基
づき、コモンレール内の燃料圧力(コモンレール圧)、
燃料噴射量、及び燃料噴射時期の目標値を算出し、コモ
ンレール圧がその算出した目標値となるように燃料供給
ポンプからの燃料吐出量をフィードバック制御するとと
もに、上記算出した燃料噴射量及び燃料噴射時期に応じ
て、高圧燃料をディーゼル機関に噴射供給するインジェ
クタを開閉制御している。
【0003】この種の装置によれば、コモンレール圧に
より燃料噴射圧を、またインジェクタの開弁時間及び開
弁時期により燃料噴射量及び燃料噴射時期を、夫々制御
できるため、燃料噴射ポンプとノズルからなる一般的な
燃料噴射装置に比べて、燃料噴射制御を緻密に行うこと
ができるのであるが、燃料供給ポンプからコモンレール
を通ってインジェクタに至る燃料供給系にて配管の割れ
等による燃料漏れや、インジェクタ不具合などによる気
筒内への噴放しが発生した場合、コモンレール圧が低下
するため上記フィードバック制御により燃料供給ポンプ
からの燃料の吐出量が増加し、これにより燃料漏れ、噴
放しが続いてしまうといった不具合があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】こうした問題を解消す
るため、例えば特開平5−52146号公報や特開平5
−27245号公報に開示される装置では、燃料ポンプ
の目標制御量と基準値とを比較して異常な燃料洩れを検
知するようにしている。
【0005】しかし、これら公報に開示された装置で
は、コモンレール圧力を目標値に合わせるための燃料供
給量が異常に多い時に漏れを判定するという手法をとっ
ているため漏れを直接検出するわけではなく、正確さに
欠ける。さらに、加速時や減速時などの過渡状態におい
ては目標制御量が大きく変化するため異常な燃料洩れの
検知ができず、過渡状態時におけるインジェクタの動作
不良等に基づく異常な燃料洩れを検知することができな
いという問題がある。
【0006】そこで本発明は、燃料の漏れ量を直接算出
するとともに過渡状態においても燃料供給系での異常な
燃料漏れや気筒内への噴放しを検知できるようにするこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の蓄圧式燃料噴射
装置は、燃料噴射弁の機構的に、高圧部から低圧経路へ
とリークが予定されている燃料の量を算出する予定リー
ク量算出手段と、蓄圧室内の燃料圧力の変化分に相当す
る燃料の量を算出する圧力変化相当燃料量算出手段と、
予定リーク量算出手段及び圧力変化相当燃料量算出手段
及び目標燃料噴射量算出手段の算出した燃料の量の合計
と、目標吐出量算出手段の算出した目標吐出量とに基づ
いて、予定外の燃料リークが発生しているか否かを判定
する予定外リーク判定手段とを備えることを特徴とす
る。
【0008】この蓄圧式燃料噴射装置によれば、過渡時
故に目標吐出量が増減するときも、圧力変化相当燃料量
がこれに伴って増減することから両者が相殺し合い、予
定外の燃料リークが発生しているか否かを判定すること
ができる。ここで、前記予定リーク量算出手段を、燃料
噴射弁の閉弁中に燃料噴射弁から定常的にリークする燃
料の量を算出する定常リーク量算出手段と、燃料噴射弁
を開弁することによって燃料噴射弁から低圧経路へリー
クする燃料の量を算出する開弁時リーク量算出手段とを
備える手段として構成するとよい。これは、燃料噴射弁
からは、閉弁時であっても高圧燃料が燃料噴射弁内部に
常時加わっているために内部の弁体の隙間などからわず
かずつリークが生じていることと、開弁時には弁体の動
作に伴って高圧燃料がリークする点に着目し、原因別に
燃料の予定リーク量を算出するためである。
【0009】ここで、この蓄圧式燃料噴射装置におい
て、燃料の温度を検出する燃料温度検出手段を備え、前
記定常リーク量算出手段及び前記開弁時リーク量算出手
段は、前記リークする燃料の量を算出するに当り、前記
検出される燃料の温度を考慮するように構成しておくと
よい。燃料温度は燃料の粘度と関係があり、粘度が低く
なればリークし易くなるからである。この他のパラメー
タとしては、燃料圧力もリーク量に影響を与える。燃料
圧力が高いほど燃料の予定リーク量が大きくなる。
【0010】なお、定常リーク量算出手段では1ストロ
ーク当りのリーク量として算出を行う様に、さらに、デ
ィーゼル機関の回転速度もパラメータとするとよい。ま
た、開弁時リーク量算出手段は、燃料噴射弁が2方制御
弁の場合には、さらに、燃料噴射期間を考慮することが
必要である。2方制御弁においては開弁中は高圧部と低
圧経路とが連通状態となるからである。なお、燃料噴射
期間は目標燃料噴射量に対応することから、目標燃料噴
射量でこのパラメータを代用することができる。
【0011】本発明の蓄圧式燃料噴射装置における課題
解決手段を機能に着目して説明すると上述の様になる
が、算出に必要なパラメータに着目して把握すると、燃
料の温度を検出する燃料温度検出手段と、蓄圧室内の燃
料圧力の変化分に相当する燃料の量を算出する圧力変化
相当燃料量算出手段と、圧力変化分に相当する燃料の
量、燃料の温度、蓄圧室内の燃料圧力、回転速度、目標
燃料噴射量及び目標吐出量に基づいて、予定外の燃料リ
ークが発生しているか否かを判定する予定外リーク判定
手段とを備えることを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置と
いうこともできる。圧力変化分に相当する燃料の量など
のパラメータを用いれば、特に現象別に分類しなくても
予定外の燃料リークが発生しているか否かを判定するこ
とができるからである。そして、予定外の燃料リークの
有無を、過渡運転状態においても正しく判定できる点
で、本発明の目的を十分に達成するからである。
【0012】これらの蓄圧式燃料噴射装置において、前
記予定外リーク判定手段の判定結果に基づいて、予定外
の燃料リークに対する特定の制御を行う予定外リーク時
制御手段を備える様にするとよい。この場合、前記予定
外リーク判定手段は、予定外のリーク燃料量を算出し、
このリーク燃料量に基づいて予定外の燃料リークが発生
しているか否かを判定する手段として構成され、前記予
定外リーク時制御手段は、該算出される予定外のリーク
燃料量に応じて、警告、目標吐出量の上限ガード又は車
両停止の措置をとる様に構成されているとよい。予定外
の燃料リーク量がごくわずかである場合には警告のみを
行い早めの修理を運転者に促せば十分であり、一方、あ
る程度大きなリークが生じている場合にはリークの増大
を防止するために蓄圧室圧力をある範囲内に抑える様に
しつつ修理工場等への走行を可能にするのが望ましく、
さらに大きなリークに対してはこれ異常の燃料洩れをし
ないように車両を停止させてしまうのが措置として適切
だからである。なお、上限ガードや車両停止を行う場合
にも警告をするようにしておくとよい。また、上限ガー
ドの値をリーク量に応じて変更するようにしてもよい
し、固定値としておいてもよい。リーク量に応じてガー
ド値を変更する場合には、車両停止まで行わない構成と
してもよい。また、リーク量に拘らず警告を行うのみを
行う様にしておいても構わないし、上限ガードのみを行
う様にしておいてもよい。
【0013】本発明の蓄圧式燃料噴射装置によれば、過
渡状態時にも異常な燃料洩れの有無を判定できるという
効果に加えて、燃料温度センサ以外には新たにセンサを
追加する必要がない点も有利となっている。この燃料温
度センサにしても、本発明の実施のため以外に、より緻
密な燃料噴射制御を行うためにも利用できる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につ
き、いくつかの実施例を説明する。まず図1は実施例と
しての蓄圧式燃料噴射装置全体の構成を表す概略構成図
である。
【0015】図に示す如く本実施例の蓄圧式燃料噴射装
置1は、6気筒のディーゼルエンジン2と、ディーゼル
エンジン2の各気筒に燃料を噴射供給する燃料噴射弁
(インジェクタ)3と、このインジェクタ3に供給する
高圧燃料を蓄圧する蓄圧室(コモンレール)4と、コモ
ンレール4に高圧燃料を圧送する燃料供給ポンプ5と、
これらを制御する電子制御装置(ECU)6とを備え
る。
【0016】ECU6は、回転速度センサ7及びアクセ
ルセンサ8にて検出されるエンジン回転速度NEやエン
ジン負荷を表すアクセル開度ACCを取り込み、ディーゼ
ルエンジン2の燃焼状態がこの検出された運転状態に応
じて最適となるような燃料噴射圧を実現するための目標
燃料圧力(後述の最終目標コモンレール圧PF)を算出
し、コモンレール4に設けたコモンレール圧センサ9に
て検出された実燃料圧力(実コモンレール圧PA)が目
標燃料圧力と一致するように燃料供給ポンプ5を駆動制
御する、コモンレール圧のフィードバック制御を行う。
【0017】燃料供給ポンプ5は、このECU6からの
制御指令に従って、燃料タンク10に蓄えられた燃料を
低圧ポンプ11を経て吸入し、自身の内部にて高圧に加
圧し、この加圧された高圧燃料を供給配管12を介して
コモンレール4に圧送する。各インジェクタ3は、配管
13によって、高圧燃料を蓄圧したコモンレール4と連
結されている。そして、各インジェクタ3に配設された
コントロール弁14を開閉動作することで、このコモン
レール4にて蓄圧されて目標燃料圧力となった高圧燃料
が、ディーゼルエンジン2の各気筒の燃焼室へ噴射され
る。このインジェクタ3のコントロール弁14の開閉動
作は、ECU6からのインジェクタ制御指令に基づいて
実行される。このインジェクタ制御指令は燃料噴射量や
燃料噴射時期を調節するためのものであって、回転速度
センサ7やアクセルセンサ8等からの検出信号に基づい
て算出され、回転速度センサ7や後述の気筒判別センサ
38等の検出値に基づいて、所定のタイミングでECU
6から出力される。なお、燃料供給ポンプ5に対する制
御指令も回転速度センサ7や気筒判別センサ38等から
の検出値に基づいた所定のタイミングで出力される。
【0018】また、本実施例の装置においては、燃料温
度を検出するための燃料温度センサ15も備えられてい
る。この燃料温度センサ15の検出値THFもまたEC
U6に入力されている。次に、燃料供給ポンプ5の構成
を図2及び図3に基づき説明する。
【0019】燃料供給ポンプ5は、ハウジング20と、
その下端部に配設されたカム室30と、ハウジング20
内に配設されたポンプシリンダ21と、ポンプシリンダ
21に連通し、前記低圧ポンプ11から低圧燃料の供給
を受ける導入管22と、ポンプシリンダ21の上端部に
螺着された燃料吐出制御弁としての電磁弁60とを備え
る。
【0020】ポンプシリンダ21の内部にはプランジャ
23が液密を保って摺動自在に嵌挿されている。プラン
ジャ23は円柱形状をなし、その上端面はポンプシリン
ダ21の内周面とによりポンプ室24を形成する。ポン
プシリンダ21には、コモンレール4への供給配管12
が連結される吐出孔41が穿設されている。
【0021】また、ポンプシリンダ21とハウジング2
0との間には燃料溜26が形成され、導入管22からハ
ウジング20内へ導入された低圧燃料はここへ溜るよう
になっている。なお、燃料溜26は、ポンプ室24から
溢流する燃料の逃がしとしても作用する。
【0022】吐出孔41は、逆止弁42を介して吐出口
45に連通している。ポンプ室24で加圧された燃料
は、この逆止弁42の弁体43を、リターンスプリング
44の付勢力やコモンレール圧に抗して押し開くこと
で、吐出口45から供給配管12を通り、コモンレール
4に圧送されるのである。
【0023】プランジャ23の下端部は弁座35に連結
され、弁座35はプランジャスプリング27によりカム
ローラ33を備えたタペット34に押圧されている。カ
ム室30内には、ディーゼルエンジン2の回転速度の1
/2で回転するカム軸31が挿通され、カム軸31には
カムローラ33と接触するカム32が固定されている。
そして、カム軸31の回転によりプランジャ23は、カ
ムローラ33,タペット34を介してカム32のカムプ
ロフィルに沿って上下に往復動する。
【0024】カム32は、カムプロフィルのプランジャ
23の下死点をカム角度0度とすると、カム角度0度か
ら約30度程度までの間をカム32の外側に中心を有す
る曲率R1 の円弧状の凹曲面32cと、カム32の内側
に曲率の中心を有する曲面32dとからなり、カム角度
90度でプランジャ23が上死点に至る様なカムプロフ
ィルを有するほぼ楕円形状のものである。
【0025】ポンプシリンダ21の上端に螺着された電
磁弁60は、ポンプ室24に開口する低圧通路61を開
閉する弁体62を備えている。弁体62は、いわゆる外
開弁である。従って、弁体62は、通常はスプリング6
5によりポンプ室24内へ開いた状態となって低圧通路
61を開口する状態にあり、通電されるとスプリング6
5の付勢力に抗して移動し、低圧通路61とポンプ室2
4とを遮断する状態になる。また、弁体62は、ポンプ
室24の内部の燃料圧力を閉弁方向の圧力として受ける
ことになるので、燃料圧力が高くなるほど閉弁時のシー
ル性が良くなる。
【0026】この弁体62によって開閉される低圧通路
61は、ギャラリー63及び通路64を介して燃料溜2
6に連通している。一方、プランジャ23は、カム軸3
1の回転に伴ってポンプシリンダ21内を上下動する。
なお、プランジャ23の下降は、プランジャスプリング
27の復帰力によってなされる。
【0027】プランジャ23が下降する際に、通常開弁
状態にある電磁弁60を介して、低圧燃料が燃料溜26
からポンプ室24へと吸入される。ポンプ室24へ吸入
された燃料はプランジャ23の上昇に伴って加圧傾向に
なるが、電磁弁60が通電されていない場合は、低圧通
路61,ギャラリー63及び通路64を通って燃料溜2
6に溢流し、ポンプ室24内の燃料の実質的な加圧は行
われない。
【0028】これに対し、プランジャ23の上昇中に電
磁弁60に通電がなされると、弁体62が低圧通路61
を遮断するため、ポンプ室24内の燃料は溢流すること
ができなくなり、加圧され始める。そして、ポンプ室2
4内の燃料圧力が上昇して、逆止弁42のリターンスプ
リング44の付勢力及び弁体43に加わっているコモン
レール4の圧力に打ち勝つと、逆止弁42が押し開か
れ、高圧燃料が吐出孔41,吐出口45及び供給配管1
2を通ってコモンレール4へ圧送される。
【0029】カム軸31には、図3に示す様に、一つの
タイミングギヤ36と、ディーゼルエンジン2の気筒数
の1/2の個数の燃料供給ポンプ5(本実施例において
は3個)とが配設される。なお、図では便宜的に、燃料
供給ポンプの一つは省略し、2個の燃料供給ポンプ5
a,5bだけを示している。また、図2に示したものと
同じ構成には、それぞれ添字a,bを付してあるので、
それら添字a,bの付された構成の詳細な構造等は図2
を参照されたい。
【0030】タイミングギヤ36には、合計6個の突起
37が配設されている。また、タイミングギヤ36と近
接対向して、電磁ピックアップからなる気筒判別センサ
38が設けられている。タイミングギヤ36に設けられ
た突起37は、カム軸31が1回転する間の各カム32
a,32b、…の作用によって、各高圧ポンプ5a,5
b,…で実行されるプランジャ23a,23b,…の上
昇行程の開始タイミング(即ち、下死点到達時期)を気
筒判別センサ38にて検出するためのものである。この
気筒判別センサ38で検出されたタイミング信号は、E
CU6に入力される。
【0031】ECU6は、この気筒判別センサ38によ
るタイミング信号に基づいて電磁弁60a,60b,…
へ駆動パルスを出力する。この駆動パルスは、図4に示
す様に、プランジャ23の下死点位置で検出されるタイ
ミング信号を基準パルスとして、所定期間(後述の通電
開始時期)TFだけ遅れて出力される。この駆動パルス
によって、電磁弁60への通電が開始され、電流の立上
がりの関係で期間TCだけ遅れて弁体62の閉弁が実行
される。その後は、プランジャ23の上昇に伴うポンプ
室24の圧力上昇によって弁体62の閉弁状態が維持さ
れるから、駆動パルスは短い期間TONが経過するとオ
フにされ、消費電力の節約がなされている。外開弁故の
利点である。
【0032】こうして弁体62が閉弁した後、プランジ
ャ23が上死点に至るまでの期間がポンプ室24内の燃
料加圧期間となり、図示ハッチングの部分の面積に比例
する量の燃料がコモンレール4へと圧送されることにな
る。従って、この図において、ハッチング面積が大きく
なるように、駆動パルスの出力時期を早くすればより多
くの燃料がコモンレール4へ圧送され、逆に出力時期を
遅くすればコモンレール4への燃料圧送量が減少する。
つまり、コモンレール4の圧力は、駆動パルスの出力時
期(通電開始時期TF)によって調節することができる
のである。
【0033】この実施例では、インジェクタ3として、
図5に示す様な3方制御弁を用いている。この3方制御
弁の下部のケーシング部材71はボディロア72と連結
部73とノズルボディ74からなり、リテーリングナッ
ト75により各部材72,73,74が一体化されてい
る。そのノズルボディ74内には弁体摺動孔76およひ
燃料溜り室77が形成され、先端にはその燃料溜り室7
7に連通するノズル孔78が形成されている。上記弁体
摺動孔76にはノズルニードル79の大径部80が摺動
自在に嵌合されている。このノズルニードル79の大径
部80には連結部81が形成されるとともに、下方先端
部には小径部82および弁体部83が一体形成されてい
る。そして、この弁体部83によりシート部Xが開閉さ
れノズル孔78からの噴射がオンオフされる。
【0034】上記ノズルニードル79の連結部81の先
端には、フランジ84、ピストンピン85およびピスト
ン86が一体的に連結されている。また、ノズルニード
ル79は、バネ87により閉方向に付勢されている。前
記ピストン86はボディロア72に形成されたシリンダ
88内に摺動自在に嵌合され、また、シリンダ88内に
は前ピストン86の端部を臨ませる圧力制御室89が形
成されている。圧力制御室89上部にはオリフィスを有
するプレート弁90が設けられるとともに、そのプレー
ト弁90を押圧するバネ91が配設されている。
【0035】前記ボディロア72上には三方制御弁92
(電磁弁)を有する上部のケーシング部材93が密着接
続されている。すなわち、円筒形状のボディアッパ94
をボディロア72に螺着し、そのボディアッパ94の内
部孔に三方弁ボディ25を配置し、リテーリングナット
96がボディアッパ94の内部孔内に螺入されている。
【0036】前記三方弁ボディ95内にアウタバルブ9
7が摺動自在に嵌合され、そのアウタバルブ97の内部
孔にはインナバルブ98が配設されている。そして、コ
イル99が消磁されているときにはアウタバルブ97は
バネ100の力により下方位置にあり、高圧側通路10
1と圧力制御室89とが油通路102を介して連通され
る。また、コイル99が励磁されているときにはアウタ
バルブ97は上動し、圧力制御室89とドレイン通路
(低圧側通路)103とが油通路102を介して連通さ
れる。
【0037】前記下部のケーシング部材71には燃料供
給通路104が形成され、その一端がケーシング部材
(ボディロア72)71の表面に露出され、他端が前記
燃料溜り室77に連通されるとともに、上部のケーシン
グ部材93の高圧側通路101に連通されている。さら
に、その下部のケーシング部材(ボディロア72)71
の表面部においてインレット105が螺入され、燃料供
給通路104と連通している。
【0038】そして、後記コモンレール108の高圧燃
料は前記インレット105、燃料供給通路104を介し
て燃料溜り室77に供給されるとともに、三方制御弁9
2に供給される。また、前記ドレイン通路103の燃料
はドレインタンクに抜くことができるようになってい
る。したがって、圧力制御室89に対して高圧の燃料が
供給されているときにはこの圧力を受けてピストン86
からノズルニードル79に加わる閉弁方向の力が燃料溜
り室77の圧力によって開弁方向に加わる力を上回つて
ノズルニードル79はノズル孔78を閉じている。この
状態から三方制御弁92が制御され圧力制御室89が低
圧側のドレイン通路103と連通して、圧力制御室89
の燃料が低圧側に流出することによりノズルニードル7
9が開弁方向に移動して燃料が噴射されることとなる。
このとき、液圧はプレート弁90のオリフィスの作用に
よりゆっくり降下する。
【0039】このような各気筒毎に設けられるインジェ
クタ3は、図1に示すように、配管13を介してコモン
レール4に接続している。次に、コモンレール圧、燃料
噴射量及び燃料噴射時期を制御するためにECU6にて
実行される制御量算出処理及びコモンレール圧制御処理
について図6及び図7に示すフローチャートに沿って説
明する。
【0040】制御量算出処理は、ECU6にて繰り返し
実行されるメインルーチンであり、図6に示すように、
まずステップ110にて回転速度センサ7からの検出信
号に基づきエンジン回転速度NEを算出し、続くステッ
プ120にてアクセルセンサ8からの検出信号をA/D
変換してアクセル開度ACCを算出する。
【0041】次にステップ130では、上記算出したエ
ンジン回転速度NEとアクセル開度ACCとに基づき、図
8に示す如き目標燃料噴射量算出マップを用いて目標燃
料噴射量QFを算出する。また続くステップ140で
は、この算出された目標燃料噴射量QFとエンジン回転
速度NEとに基づいて、図9に示す如き目標コモンレー
ル圧算出マップを用いてコモンレール4内の目標燃料圧
力,即ち目標コモンレール圧(図には目標圧力と記載)
PSを算出する。
【0042】次にステップ150では、後述のコモンレ
ール圧制御処理にて燃料洩れを判定したときにセットさ
れる燃料洩れ判定フラグKがセットされているか否かを
判断する。そしてこの燃料洩れ判定フラグKがリセット
状態であれば、ステップ160に移行して、上記ステッ
プ140にて求めた目標コモンレール圧PSを、制御に
実際に用いる最終目標コモンレール圧(図には最終目標
圧力と記載)PFとして設定する。
【0043】一方燃料洩れ判定フラグKがセットされて
おり、現在燃料供給系にて燃料洩れが発生している場合
には、ステップ170に移行する。そしてステップ17
0では、上記ステップ140にて求めた目標コモンレー
ル圧PSと、後述のコモンレール圧制御処理にて設定さ
れたコモンレール圧の上限値PLとを比較し、その小さ
い方を制御に用いる最終目標コモンレール圧PFとして
設定する。
【0044】また次に続くステップ180では、上記算
出したエンジン回転速度NEとアクセル開度ACCとに基
づき、燃料噴射時期を算出する周知の燃料噴射時期算出
処理を実行し、再度ステップ110に移行する。このよ
うに制御量算出処理では、ディーゼルエンジン2の運転
状態、即ちエンジン回転速度NE及びアクセル開度ACC
に基づき、燃料噴射制御のための目標燃料噴射量QF、
最終目標コモンレール圧PF及び燃料噴射時期を算出す
る。
【0045】次にコモンレール圧制御処理は、ディーゼ
ルエンジン2の回転に同期して実行される割り込みルー
チンであり、図7に示す如く処理が開始されると、まず
ステップ210を実行し、最終目標コモンレール圧PF
と目標燃料噴射量QFとに基づき、図10に示す如き基
本通電開始時期算出マップを用いて、電磁弁60の基本
通電開始時期TSを算出する。
【0046】また続くステップ220では、コモンレー
ル圧センサ9からの検出信号に基づき実コモンレール圧
PAを検出し、この値PAと最終目標コモンレール圧P
Fとの偏差(PA−PF)に基づき、予め設定された演
算式{TB=f(PA−PF)}を用いて上記基本通電
開始時期TSに対するフィードバック補正量TBを算出
する。
【0047】そしてステップ230では、この算出され
たフィードバック補正量TBとステップ210にて算出
された基本通電開始時期TSとを加算することにより、
電磁弁60を実際に駆動するのに使用する目標通電開始
時期TFを算出する。算出された上記目標通電開始時期
TFに基づき、ステップ240にて、燃料供給ポンプ5
からの燃料吐出量QTを、予め設定された演算式{QT
=f(TF)}を用いて算出する。燃料吐出量はQT
は、目標通電開始時期TFが早いタイミングとなるほど
大きな値となる。
【0048】次にステップ250にて、インジェクタの
内部リーク量QIを、燃料温度センサ15より検出され
た燃料温度THFとコモンレール圧センサ9より検出さ
れたコモンレール圧PAと回転速度センサ7より検出さ
れた回転速度NEの関数として予め設定された演算式
{QI=f(THF,PA,NE)}を用いて算出す
る。内部リークは、インジェクタ閉弁中において、部品
の隙間から燃料がリークすることにより生じる燃料洩れ
である。そして、その量QIは、燃料温度THFが高い
ほど多くなり、コモンレール圧PAが高いほど多くな
る。回転速度NEは、1ストローク当りの内部リーク量
を求めるためにパラメータとして用いられている。
【0049】そして、ステップ260にて、インジェク
タのスイッチングリーク量QSを、燃料温度センサ15
より検出された燃料温度THFとコモンレール圧センサ
9より検出されたコモンレール圧PAの関数として予め
設定された演算式{QI=f(THF,PA)}を用い
て算出する。インジェクタスイッチングリーク量は、ノ
ズルを開弁する際に、圧力制御室89からドレイン通路
103へと抜ける燃料量に相当する。その量QSは、燃
料温度THFが高いほど多くなり、コモンレール圧PA
が高いほど多くなる。
【0050】続いてステップ270にて、コモンレール
圧の変化分に相当する燃料量QPを、演算式{QP=V
・(PAi −PAi-1 )/E}(V:高圧径路容積,
E:燃料弾性係数,PAi-1 :前回の噴射後圧力,PA
i :今回の噴射後圧力)を用いて算出する。
【0051】そしてステップ280にて、燃料洩れ量Q
Lを演算式{QL=QT−(QI+QS+QP+Q
F)}にて算出する。ここで、QFは今回の燃料噴射量
である。この燃料洩れ量QLの演算式にコモンレール圧
の変化分に相当する燃料量QPを入れることにより、す
べての運転状態(過渡運転)において演算式は成り立つ
ので、ほぼすべての運転条件において燃料洩れの判定が
可能ということになる。
【0052】このように、燃料洩れ量QLが算出される
と、ステップ290に移行し、燃料洩れ量QLが予め設
定された所定値Q1以上か否かによって燃料洩れの発生
を判定する。このステップ290にて燃料洩れがないと
判定されると、ステップ330,ステップ340にて、
燃料洩れの判定に使用する燃料洩れ判定カウンタN、燃
料洩れ判定フラグKをリセットした後、当該コモンレー
ル圧制御処理を一旦終了する。一方、燃料洩れがあると
判定されるとステップ300に移行する。
【0053】ステップ300では、燃料洩れ判定カウン
タNが所定値10であるか否かを判断し、燃料洩れ判定
カウンタNが10でなければ、ステップ350にて燃料
洩れ判定カウンタNをインクリメントした後、当該コモ
ンレール圧制御処理を一旦終了し、燃料洩れ判定力ウン
タNが所定値10であれば、ステップ310にて燃料洩
れ判定フラグKをセットする。
【0054】こうしてステップ310にて燃料洩れ判定
フラグKがセットされると、ステップ320に移行し、
ステップ280にて算出された燃料洩れ量QLに基づ
き、予め設定された演算式{PL=F(QL)}を用い
て燃料洩れ量が大きくなるほど小さな値となるようコモ
ンレール圧の上限値PLを算出し、当該コモンレール圧
制御処理を終了する。
【0055】ここで、コモンレール圧の変化分に相当す
る燃料量を計算し組み入れているが、急激な圧力変化を
生ずる条件(極端な加速,減速)では、漏れを検出する
必要がない場合もあるため、必ずしも、この項を必要と
しなくてもよい。なお、QT,QI,QSを算出するた
めの各演算式の関数fは、実験データ等に基づいて近似
式を求めておいたり、あるいはマップ化しておく。
【0056】以上説明したように本実施例の蓄圧式燃料
噴射装置1においては、算出された燃料洩れ量QLが予
め設定された所定値Q1以上になったか否かによって燃
料洩れの判定を行い、燃料洩れが発生している場合に
は、燃料洩れ量QLに基づき、燃料洩れ量QLが大きい
ほど小さくなるようコモンレール圧上限値PLを決定し
て、最終目標コモンレール圧PFの上限を制限するよう
にされている。
【0057】このため、本実施例の蓄圧式燃料噴射装置
1によれば、燃料洩れ発生時には、コモンレール圧PA
の上昇を抑制し、延いては燃料供給ポンプ5からの燃料
吐出量を抑制して、燃料洩れ量を減少させることができ
る。次に、第2実施例について説明する。この実施例の
基本的な構成は上述の実施例(以下、第1実施例とよ
ぶ)とほぼ同様であるが、インジェクタとして図11,
図12に示す様な2方制御弁を用いた点で相違してい
る。そこで、相違点についてのみ説明することとする。
【0058】まず、2方制御弁を用いたインジェクタ1
10について説明する。図12において、インジェクタ
110のケーシング部材111は、ボディロア111a
とディスタンスピース111bとバルブケーシング11
1cとからなり、リテーリングリング112によりボデ
ィロア111aとディスタンスピース111bとバルブ
ケーシング111cとが一体に結合されている。バルブ
ケーシング111cには燃料溜まり113と噴孔116
とが弁体摺動孔114を介し連通するように形成され、
弁体摺動孔114を形成するバルブケーシング111c
の内壁にノズルニードル121が摺動自在に嵌合されて
いる。このノズルニードル121の先端には弁体部12
2が一体形成され、弁体部122が弁座115と離間ま
たは着座することにより噴孔116からの噴射がオンオ
フされる。
【0059】ピストン123は、連結部124と大径ピ
ストン125と小径ピストン126とがこの順番で軸方
向に形成され、ボディロア111aの内壁に軸方向に摺
動可能に支持されている。連結部124はノズルニード
ル121と連結し、圧縮コイルスプリング127により
ノズルニードル121の閉弁方向に付勢されている。大
径ピストン125と小径ピストン126との境界部には
環状の端面125aが形成されている。
【0060】図11に示すように、ケーシング部材11
1の上方には電磁弁130が設けられている。圧力制御
弁132は、円筒状に形成されバルブボディ131に摺
動可能に案内されている。軸方向に圧力制御弁132を
貫通する摺動孔140が小径内壁140aおよび大径内
壁140bにより形成されている。小径内壁140a、
大径内壁140bはピストン123側からこの順番で設
けられ、小径内壁140aに小径ピストン126が摺動
可能に案内されている。小径内壁140aと大径内壁1
40bとの境界部に環状の段差部132aが形成されて
いる。また圧力制御弁132の側壁にこの側壁を径方向
に貫通する燃料通孔132bが形成されている。圧力制
御弁132は、圧縮コイルスプリング138によりバル
ブボディ131に形成された弁座131aに向けて付勢
されている。圧力制御弁132は、圧力室141内の燃
料圧力により常に弁座131aに向けて付勢されている
ので、圧縮コイルスプリング138の付勢力は小さくて
よい。フリーピストン133は、圧力制御弁132の大
径内壁140bに摺動可能に案内されている。
【0061】図12に示すように、ソレノイドケーシン
グ134に固定される固定子135にコイル136が取
付けられている。可動鉄心137は、圧力制御弁132
に固定されコイル136への通電ON時発生する磁力に
より固定子135に吸引されるので、可動鉄心137と
ともに圧力制御弁132も図12の上方に吸引される。
圧力制御弁132が図11の下方に受ける力は、圧力室
141内の燃料圧力と圧縮コイルスプリング138の付
勢力とであり、圧力制御弁132が弁座131aから離
間する方向に受ける力は、圧力制御室142内の燃料圧
力だけである。しかし、圧力室141内の燃料圧力を受
ける面積と圧力制御室142内の燃料圧力を受ける面積
はそれぞれ小さく、圧縮コイルスプリング138の付勢
力も前述したように小さいので、小さい吸引力で圧力制
御弁132を吸引可能である。ストッパ139は固定子
135に固定されており、圧力制御弁132およびフリ
ーピストン133が図11の上方向へ動くことを規制す
る。
【0062】図11に示すように、フリーピストン13
3の下端面と小径ピストン126の上端面と圧力制御弁
132の内周壁とにより圧力室141が区画形成されて
いる。フリーピストン133はこの圧力室141内の燃
料圧力により、通常ストッパ139に押圧されている。
圧力制御室142は、ケーシング部材111の内壁、大
径ピストン125の端面125a、小径ピストン126
の外壁、弁座131aからケーシング部材111との境
界部までのバルブボディ131の内壁、圧力制御弁13
2の外壁、により区画形成され、圧力制御弁132が弁
座131aから離間し開弁するとドレイン通路160と
連通する。
【0063】図12に示すように、ボディロア111a
にはインレット150がねじ固定され、このインレット
150から燃料通路151を介して燃料溜まり113に
高圧燃料が供給される。またインレット150から、図
11に示す燃料通路152、燃料通孔132bを介し圧
力室141に高圧燃料が供給され、燃料通路152から
オリフィス153を介し圧力制御室142に高圧燃料が
供給される。この第2実施例におけるコモンレール圧制
御処理ルーチンは、図13に示す様に構成されている。
ステップ410〜450及びステップ470〜550
は、第1実施例のステップ210〜250及びステップ
270〜350と同じ内容の処理を実行する。第1実施
例と相違するのは、ステップ460であり、インジェク
タスイッチングリーク量の演算式が{QS=f(TH
W,PA,QF)}となり、パラメータが一つ増えてい
る。これは、2方制御弁の場合、インジェクタ開弁中は
高圧配管系とドレイン配管系とが連通状態となるため、
燃料が洩れ続けるからである。燃料噴射量QFは、開弁
時間と比例することから、QSを算出するパラメータと
しているのである。なお、QSは、QFが大きくなるほ
ど大きくなる。
【0064】なお、この実施例においても、QT,Q
I,QSを算出するための各演算式の関数fは、実験デ
ータ等に基づいて近似式を求めておいたり、あるいはマ
ップ化しておく。そして、この第2実施例においても、
第1実施例と同様に、こうして算出された燃料洩れ量Q
Lが予め設定された所定値Q1以上になったか否かによ
って燃料洩れの判定を行い、燃料洩れが発生している場
合には、燃料洩れ量QLに基づき、燃料洩れ量QLが大
きいほど小さくなるようコモンレール圧上限値PLを決
定して、最終目標コモンレール圧PFの上限を制限する
ようにされている。従って、第2実施例においても、燃
料洩れ発生時には、コモンレール圧PAの上昇を抑制
し、延いては燃料供給ポンプ5からの燃料吐出量を抑制
して、燃料洩れ量を減少させることができる。また、燃
料洩れ量QLの演算式にコモンレール圧の変化分に相当
する燃料量QPを入れることにより、すべての運転状態
(過渡運転)において演算式は成り立つので、この第2
実施例においても、すべての運転条件において燃料洩れ
を判定することができ、燃料洩れ発生時にはその洩れ量
を減少させることができる。
【0065】以上本発明の実施例について二つほど説明
したが、本発明を実施するに当たっては、これらに限ら
ずさらに種々なる態様を採用することができる。上述の
各実施例では、燃料洩れがある場合には、最終目標圧力
PSを上限値PLでガードすることとしたが、いくつか
の基準値を設けておき、燃料リーク量が第1の準値以上
第2の基準値未満のときは警告ランプなどを点灯するだ
けにしておき、QLが第2の基準値以上第3の基準値未
満の範囲ではPFをPLでガードするようにし、さらに
第3の基準値以上となったときには、燃料吐出ポンプを
停止し、燃料噴射も停止してエンジンを強制的に停止さ
せるといった段階的に異なる燃料洩れ対策を講じるよう
にしてもよい。
【0066】また、上述の実施例では、インジェクタか
らの燃料リーク量を定常時の内部リークとスイッチング
時のリークに分類してそれぞれを求める様にしたが、T
HF,PA,NE,QF,QTから一つの関数式で最終
的なQLの値を直接求める様にしても構わない。
【0067】さらに、実施例ではQLを求める構成とし
たが、QTと(QI+QS+QP+QF)との大小関係
から予定外の燃料リークが生じているか否かだけを判定
する様にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例のシステムを示す構成図である。
【図2】 燃料供給ポンプの構成を示す断面図である。
【図3】 燃料供給ポンプの構成を示す模式図である。
【図4】 燃料供給ポンプの作動を説明するタイミング
チャートである。
【図5】 インジェクタの構成を示す断面図である。
【図6】 ECUにて実行される制御量算出処理のフロ
ーチャートである。
【図7】 ECUにて実行されるコモンレール圧制御処
理のフローチャートである。
【図8】 目標燃料噴射量算出用のマップを表す線図で
ある。
【図9】 目標コモンレール圧算出用のマップを表す線
図である。
【図10】 基準通電開始時期算出用のマップを表す線
図である。
【図11】 第2実施例のインジェクタの構成を示す断
面図である。
【図12】 第2実施例のインジェクタの構成を示す断
面図である。
【図13】 第2実施例においてECUにて実行される
コモンレール圧制御処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1・・・蓄圧式燃料噴射装置、2・・・ディーゼルエン
ジン、3・・・インジェクタ、4・・・コモンレール、
5・・・燃料供給ポンプ、6・・・ECU、7・・・回
転速度センサ、8・・・アクセルセンサ、9・・・コモ
ンレール圧センサ、10・・・燃料タンク、11・・・
低圧ポンプ、12・・・供給配管、13・・・配管、1
4・・・コントロール弁、15・・・燃料温度センサ、
38・・・気筒判別センサ、45・・・吐出口、60・
・・電磁弁。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−109052(JP,A) 特開 平6−213051(JP,A) 特開 平5−52146(JP,A) 特開 平6−185432(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/00 - 45/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料ポンプにより吐出される燃料を高圧
    状態で一旦蓄えておく蓄圧室と、 該蓄圧室から燃料の供給を受けてディーゼル機関の気筒
    内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、 ディーゼル機関の回転速度を含む運転状態を検出する運
    転状態検出手段と、 該検出される運転状態に基づいてディーゼル機関の1回
    の燃焼に必要な目標燃料噴射量を算出する目標燃料噴射
    量算出手段と、 該算出される目標燃料噴射量に基づいて前記燃料噴射弁
    を開閉制御する燃料噴射制御手段と、 前記検出される運転状態に基づいて、前記蓄圧室内の燃
    料の目標圧力を算出する目標圧力算出手段と、 前記蓄圧室の燃料圧力を検出する燃料圧力検出手段と、 該検出される燃料圧力と前記算出される目標圧力との差
    に基づいて、前記蓄圧室に対して前記燃料ポンプから吐
    出すべき燃料の目標吐出量を算出する目標吐出量算出手
    段と、 該算出される目標吐出量に基づいて、前記燃料ポンプの
    吐出量を制御する吐出量制御手段とを備える蓄圧式燃料
    噴射装置において、 前記燃料噴射弁の機構的に、高圧部から低圧経路へとリ
    ークが予定されている燃料の量を算出する予定リーク量
    算出手段と、前記蓄圧室内の燃料圧力の変化分に相当する燃料の量を
    算出する圧力変化相当燃料量算出手段と、 前記予定リーク量算出手段及び前記圧力変化相当燃料量
    算出手段及び前記目標燃料噴射量算出手段の算出した燃
    料の量の合計と、前記目標吐出量算出手段の算出した目
    標吐出量とに基づいて、予定外の燃料リークが発生して
    いるか否かを判定する予定外リーク判定手段とを備える
    ことを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載 の蓄圧式燃料噴射装置にお
    いて、 前記予定リーク量算出手段は、 前記燃料噴射弁の閉弁中に、該燃料噴射弁から定常的に
    リークする燃料の量を算出する定常リーク量算出手段
    と、 前記燃料噴射弁を開弁することによって該燃料噴射弁か
    ら低圧経路へリークする燃料の量を算出する開弁時リー
    ク量算出手段とを備えることを特徴とする蓄圧式燃料噴
    射装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載 の蓄圧式燃料噴射装置にお
    いて、 燃料の温度を検出する燃料温度検出手段を備え、 前記定常リーク量算出手段及び前記開弁時リーク量算出
    手段は、前記リークする燃料の量を算出するに当り、前
    記検出される燃料の温度を考慮するように構成されてい
    ることを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
  4. 【請求項4】 燃料ポンプにより吐出される燃料を高圧
    状態で一旦蓄えておく蓄圧室と、 該蓄圧室から燃料の供給を受けてディーゼル機関の気筒
    内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、 ディーゼル機関の回転速度を含む運転状態を検出する運
    転状態検出手段と、 該検出される運転状態に基づいてディーゼル機関の1回
    の燃焼に必要な目標燃料噴射量を算出する目標燃料噴射
    量算出手段と、 該算出される目標燃料噴射量に基づいて前記燃料噴射弁
    を開閉制御する燃料噴射制御手段と、 前記検出される運転状態に基づいて、前記蓄圧室内の燃
    料の目標圧力を算出する目標圧力算出手段と、 前記蓄圧室の燃料圧力を検出する燃料圧力検出手段と、 該検出される燃料圧力と前記算出される目標圧力との差
    に基づいて、前記蓄圧室に対して前記燃料ポンプから吐
    出すべき燃料の目標吐出量を算出する目標吐出量算出手
    段と、 該算出される目標吐出量に基づいて、前記燃料ポンプの
    吐出量を制御する吐出量制御手段とを備える蓄圧式燃料
    噴射装置において、 燃料の温度を検出する燃料温度検出手段と、 前記蓄圧室内の燃料圧力の変化分に相当する燃料の量を
    算出する圧力変化相当燃料量算出手段と、 該算出される圧力変化分に相当する燃料の量、前記検出
    される燃料の温度、前記検出される蓄圧室内の燃料圧
    力、前記検出される回転速度、前記算出される目標燃料
    噴射量及び前記算出される目標吐出量に基づいて、予定
    外の燃料リークが発生しているか否かを判定する予定外
    リーク判定手段とを備えることを特徴とする蓄圧式燃料
    噴射装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4 のいずれか記載の蓄圧式燃
    料噴射装置において、前記予定外リーク判定手段の判定
    結果に基づいて、予定外の燃料リークに対する特定の制
    御を行う予定外リーク時制御手段を備えることを特徴と
    する蓄圧式燃料噴射装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載 の蓄圧式燃料噴射装置にお
    いて、 前記予定外リーク判定手段は、予定外のリーク燃料量を
    算出し、このリーク燃料量に基づいて予定外の燃料リー
    クが発生しているか否かを判定する手段として構成さ
    れ、 前記予定外リーク時制御手段は、該算出される予定外の
    リーク燃料量に応じて、警告、目標吐出量の上限ガード
    又は車両停止の措置をとる様に構成されていることを特
    徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
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