JP2010065614A - コモンレールのピーク圧検出装置及び検出方法、並びにコモンレールの圧力制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】コモンレールのピーク圧が精度良く検出され、蓄圧式燃料噴射装置の耐久性を低下させることなく、コモンレール圧のフィードバック制御が正確に行われるコモンレールのピーク圧検出装置及び検出方法、並びにコモンレールの圧力制御装置を提供する。
【解決手段】内燃機関に燃料を噴射する蓄圧式燃料噴射装置のコモンレールのピーク圧を検出するコモンレールのピーク圧検出装置であって、単位周期ごとにコモンレールの圧力値を複数回検出し、単位周期内での圧力値の期間最大値を、前回の単位周期の期間最大値と比較して、期間最大値の変化が正から負に転換したときに、前回の単位周期の期間最大値をコモンレールのピーク圧と判定することを特徴とする。
【選択図】図4
【解決手段】内燃機関に燃料を噴射する蓄圧式燃料噴射装置のコモンレールのピーク圧を検出するコモンレールのピーク圧検出装置であって、単位周期ごとにコモンレールの圧力値を複数回検出し、単位周期内での圧力値の期間最大値を、前回の単位周期の期間最大値と比較して、期間最大値の変化が正から負に転換したときに、前回の単位周期の期間最大値をコモンレールのピーク圧と判定することを特徴とする。
【選択図】図4
Description
本発明は、内燃機関に燃料を噴射する蓄圧式燃料噴射装置のコモンレールのピーク圧検出装置及び検出方法、並びにコモンレールの圧力制御装置に関する。特に、圧力脈動が大きい場合であっても、ピーク圧を正確に検出することができるコモンレールのピーク圧検出装置及び検出方法、並びにそのように検出されるピーク圧を利用したコモンレールの圧力制御装置に関する。
従来、ディーゼルエンジンをはじめとする内燃機関に燃料を供給する装置として、複数の燃料噴射弁が接続されるとともに高圧の燃料が蓄積されるコモンレールを備え、高圧化された燃料が各燃料噴射弁に供給された状態で燃料噴射弁の通電制御を行うことによって、燃料の緻密な噴射制御が可能にされた蓄圧式燃料噴射装置が知られている。
この蓄圧式燃料噴射装置は、燃料タンクと、低圧フィードポンプと、高圧ポンプと、コモンレールと、燃料噴射弁とを主たる要素として構成されたものであり、燃料タンク内の燃料が、低圧フィードポンプによって高圧ポンプに送られ、さらに高圧ポンプによって昇圧されてコモンレールに圧送されることによって、各燃料噴射弁に高圧の燃料が供給される。そして、この状態で燃料噴射弁の通電制御が行われることによって内燃機関への燃料噴射が行われるため、様々な噴射パターンが実現可能となっている。
この蓄圧式燃料噴射装置は、燃料タンクと、低圧フィードポンプと、高圧ポンプと、コモンレールと、燃料噴射弁とを主たる要素として構成されたものであり、燃料タンク内の燃料が、低圧フィードポンプによって高圧ポンプに送られ、さらに高圧ポンプによって昇圧されてコモンレールに圧送されることによって、各燃料噴射弁に高圧の燃料が供給される。そして、この状態で燃料噴射弁の通電制御が行われることによって内燃機関への燃料噴射が行われるため、様々な噴射パターンが実現可能となっている。
このような蓄圧式燃料噴射装置においては、コモンレールの圧力(以下、「レール圧」と称する。)がそのときの内燃機関の運転状態に見合った値となるようにするため、内燃機関の回転数及びアクセル操作量に応じてそのときの要求噴射量を演算し、この演算結果に応じてレール圧の目標値(目標レール圧)を決定し、実際のレール圧(実レール圧)が目標レール圧となるようにレール圧のフィードバック制御が行われる。このような蓄圧式燃料噴射装置においては、コモンレール圧をいかに安定かつ確実に目標レール圧とするかが噴射特性の良否に大きく影響する。
そのため、実際のレール圧を制御上好適な値に変換し、レール圧のフィードバック制御をより高精度に実行するコモンレール圧検出値のフィルタ処理装置及びコモンレール式燃料噴射制御装置が提案されている。より具体的には、圧力センサによって検出されたレール圧の検出値を、少なくともサプライポンプの圧送周期ΔTの半分以下のクランク角周期Δtで読み込み、各読み込み時期(例えばt1)において、その読み込み時期から1圧送周期前までの各検出値(例えばS(1)、S(0)・・・S(−4))を平均化し、これにより得られた値(例えばPav(1))を実際のコモンレール圧の代表値算出された平均処理化後レール圧の値を用いてレール圧のフィードバック制御を実行するようにしたフィルタ処理装置が提案されている(特許文献1参照)。あるいは制御値である平均処理化後レール圧とする。そして、このように移動平均により
上記特許文献1に記載のレール圧検出値のフィルタ処理装置は、所定の期間内に検出された圧力センサの検出値を平均化した平均処理化後レール圧を用いてレール圧のフィードバック制御を行っている。このようなレール圧制御の場合、コモンレール内の圧力の脈動が打ち消されることからレール圧制御の安定性が高められるものの、レール圧のピーク値(以下、「ピーク圧」と称する。)が蓄圧式燃料噴射装置の許容最大圧力を超えるおそれがある。レール圧のピーク値が許容最大圧力を超えると、蓄圧式燃料噴射装置を構成するコモンレールや高圧燃料供給系の耐久性が低下することになるため、コモンレールのピーク圧を正確に検出できる方法が望まれている。
この点、上記特許文献1に記載されたレール圧検出値のフィルタ処理装置を利用してピーク圧を検出しようとした場合、レール圧の検出値を読み込むクランク角周期Δtによっては、レール圧の検出値を読み込む時期がレール圧のピーク到達時からずれてしまい、ピーク圧が正確に検出されないおそれがある。特に、高圧ポンプの上流側で燃料流量を調節する調量弁を備えていない場合や、調量弁を備えていても当該調量弁を用いないでコモンレールに接続された圧力調整手段のみでレール圧のフィードバック制御を行う場合には、レール圧の脈動の振幅が大きくなるため、ピーク圧として検出されるレール圧のずれ幅が大きくなる可能性がある。例えば、調量弁を利用する場合のレール圧の脈動の振幅が±1MPa程度であるのに対して、調量弁を使用しない場合のレール圧の脈動の振幅は±5MPa程度になる場合がある。
一方、特許文献1に記載されたレール圧検出値のフィルタ処理装置において、クランク角周期Δtを小さく設定することによって、レール圧の検出値を読み込む時期とピーク圧の到達時期とが大きくずれることを防ぐことが考えられるが、クランク角周期Δtを小さく設定しすぎると、内燃機関の回転数が大きい場合に制御装置の処理能力を越えてしまい、クランク角周期Δtおきにレール圧の検出値を読み込むことができなくなるおそれがある。
さらに、実際のレール圧は、サプライポンプの圧送周期と同期して脈動しているだけでなく、燃料噴射弁からの燃料噴射等に応じて微小に脈動している。そのため、レール圧の検出値を読み込むクランク角周期Δtを小さく設定しすぎると、どの検出値がピーク圧であるかの判断が困難となるおそれがある。
さらに、実際のレール圧は、サプライポンプの圧送周期と同期して脈動しているだけでなく、燃料噴射弁からの燃料噴射等に応じて微小に脈動している。そのため、レール圧の検出値を読み込むクランク角周期Δtを小さく設定しすぎると、どの検出値がピーク圧であるかの判断が困難となるおそれがある。
そこで、本発明の発明者らは鋭意努力し、単位時間おきにコモンレールの圧力値を読み込むとともに単位周期ごとに圧力値の期間最大値を選択し、期間最大値の変化量が正から負に転換した単位周期の1回前の単位周期の期間最大値をピーク圧と判定することにより、このような問題を解決できることを見出し、本発明を完成させたものである。すなわち、本発明は、コモンレールのピーク圧が精度良く検出され、蓄圧式燃料噴射装置の耐久性を低下させることなく、コモンレール圧のフィードバック制御が正確に行われるコモンレールのピーク圧検出装置及び検出方法、並びにコモンレールの圧力制御装置を提供することを目的とする。
本発明によれば、内燃機関に燃料を噴射する蓄圧式燃料噴射装置のコモンレールのピーク圧を検出するコモンレールのピーク圧検出装置であって、単位周期ごとにコモンレールの圧力値を複数回検出し、単位周期内での圧力値の期間最大値を、前回の単位周期の期間最大値と比較して、期間最大値の変化が正から負に転換したときに、前回の単位周期の期間最大値をコモンレールのピーク圧と判定することを特徴とするコモンレールのピーク圧検出装置が提供され、上述した問題を解決することができる。
また、本発明のコモンレールのピーク圧検出装置を構成するにあたり、コモンレールの圧力値を単位時間おきに読み込む圧力値読込部と、所定回数の圧力値の読み込みを一周期とする単位周期ごとに圧力値の期間最大値を選択する期間最大値選択部と、期間最大値から期間最大値の前回値を減算して期間最大値の変化量を求める最大値変化量演算部と、期間最大値の変化量が正から負に転換したときの変化量演算に用いられた期間最大値の前回値をコモンレールのピーク圧と判定するピーク圧判定部と、を備えることが好ましい。
また、本発明のコモンレールのピーク圧検出装置を構成するにあたり、脈動するコモンレールの圧力値の振幅が±3MPa以上となる蓄圧式燃料噴射装置に用いられることが好ましい。
また、本発明の別の態様は、内燃機関に燃料を噴射する蓄圧式燃料噴射装置のコモンレールのピーク圧を検出するコモンレールのピーク圧検出方法であって、コモンレールの圧力値を単位時間おきに読み込むステップと、所定回数の圧力値の読み込みを一周期とする単位周期ごとに圧力値の期間最大値を選択するステップと、期間最大値から期間最大値の前回値を減算して期間最大値の変化量を求めるステップと、期間最大値の変化量が正から負に転換したときの変化量演算に用いられた期間最大値の前回値をコモンレールのピーク圧と判定するステップと、を含むことを特徴とするコモンレールのピーク圧検出方法である。
また、本発明のさらに別の態様は、内燃機関に燃料を噴射する蓄圧式燃料噴射装置のコモンレールの圧力を検出する圧力センサのセンサ値をもとに、コモンレールの圧力のフィードバック制御を行うコモンレールの圧力制御装置であって、コモンレールの圧力値を単位時間おきに読み込む圧力値読込部と、所定回数の圧力値の読み込みを一周期とする単位周期ごとに圧力値の期間最大値を選択する期間最大値選択部と、期間最大値から期間最大値の前回値を減算して期間最大値の変化量を求める最大値変化量演算部と、期間最大値の変化量が正から負に転換したときの変化量演算に用いられた期間最大値の前回値をコモンレールのピーク圧と判定するピーク圧判定部と、ピーク圧が所定の目標値となるようにコモンレールの圧力調整手段を制御する圧力調整手段制御部と、を備えることを特徴とするコモンレールの圧力制御装置である。
本発明のコモンレールのピーク圧検出装置及び検出方法によれば、単位周期ごとの圧力の期間最大値の変化量が正から負に転換した周期の前回の周期における期間最大値がピーク圧と判定されるため、レール圧の脈動の振幅が大きい場合や、内燃機関の回転数が大きい場合であっても、コモンレールのピーク圧が精度良く検出される。したがって、ピーク圧が蓄圧式燃料噴射装置の許容最大圧力を超えないようにレール圧制御を行うことが可能になり、蓄圧式燃料噴射装置の耐久性の向上が図られる。
また、本発明のコモンレールの圧力制御装置によれば、単位周期ごとの圧力の期間最大値の変化量が正から負に転換したときの変化量演算に用いられた期間最大値の前回値がピーク圧と判定されるため、レール圧の脈動の振幅が大きい場合や、内燃機関の回転数が大きい場合であっても、レール圧のピーク値が精度良く検出される。したがって、コモンレールのピーク圧をもとにしたレール圧のフィードバック制御が精度良く行われるため、燃料噴射量制御が精度良く行われ、燃費や燃焼特性の向上が図られる。
以下、図面を参照して、本発明のコモンレールのピーク圧検出装置及び検出方法、並びにコモンレールの圧力制御装置に関する実施の形態について具体的に説明する。ただし、かかる実施の形態は本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更することが可能である。
なお、それぞれの図中、同じ符号を付してあるものは同一の部材を示しており、適宜説明が省略されている。
なお、それぞれの図中、同じ符号を付してあるものは同一の部材を示しており、適宜説明が省略されている。
1.蓄圧式燃料噴射装置
(1)基本的構成
図1は、本実施形態のコモンレールのピーク圧検出装置及び圧力制御装置が備えられる本実施形態の蓄圧式燃料噴射装置10の概略構成を示している。
この図1に示す蓄圧式燃料噴射装置10は、例えば船舶や建設機械、農業機械等に搭載される産業用ディーゼルエンジン(図示せず。)に高圧燃料を供給する蓄圧式燃料噴射装置であって、燃料タンク17と、低圧フィードポンプ2と、高圧ポンプ20と、コモンレール11と、コモンレール11内の燃料を排出する圧力調整手段13と、インジェクタ15等を主要な構成要素として備えている。また、蓄圧式燃料噴射装置10は、ピーク圧検出装置あるいは圧力制御装置としての機能を有する制御装置(以下、単に「ECU(Electronic Control Unit)」と称する。)14を備えている。以下、構成要素ごとに詳細に説明する。
(1)基本的構成
図1は、本実施形態のコモンレールのピーク圧検出装置及び圧力制御装置が備えられる本実施形態の蓄圧式燃料噴射装置10の概略構成を示している。
この図1に示す蓄圧式燃料噴射装置10は、例えば船舶や建設機械、農業機械等に搭載される産業用ディーゼルエンジン(図示せず。)に高圧燃料を供給する蓄圧式燃料噴射装置であって、燃料タンク17と、低圧フィードポンプ2と、高圧ポンプ20と、コモンレール11と、コモンレール11内の燃料を排出する圧力調整手段13と、インジェクタ15等を主要な構成要素として備えている。また、蓄圧式燃料噴射装置10は、ピーク圧検出装置あるいは圧力制御装置としての機能を有する制御装置(以下、単に「ECU(Electronic Control Unit)」と称する。)14を備えている。以下、構成要素ごとに詳細に説明する。
(2)内燃機関
蓄圧式燃料噴射装置10によって燃料が供給されるディーゼルエンジン等の内燃機関は、クランクシャフトに対してギア等を介して接続されたカムシャフト18を備えている。また、カムシャフト18には、内燃機関に取り付けられる高圧ポンプ20のプランジャの数に対応する数のカム19が固定されている。また、図示しないものの、内燃機関のハウジングには、カム19の位置に対応して高圧ポンプ20の取り付け箇所となる一つ又は複数の開口が設けられている。
蓄圧式燃料噴射装置10によって燃料が供給されるディーゼルエンジン等の内燃機関は、クランクシャフトに対してギア等を介して接続されたカムシャフト18を備えている。また、カムシャフト18には、内燃機関に取り付けられる高圧ポンプ20のプランジャの数に対応する数のカム19が固定されている。また、図示しないものの、内燃機関のハウジングには、カム19の位置に対応して高圧ポンプ20の取り付け箇所となる一つ又は複数の開口が設けられている。
本実施形態の蓄圧式燃料噴射装置10は、高圧ポンプ20側ではなく内燃機関側にカム19を備える構成であるため、従来の高圧ポンプに備えられるカムと比較してカムのベース径の選択幅が広がり、カム設計が容易になる。また、カムのベース径を大きくできることから、高圧ポンプ20を駆動させる際にかかる応力が緩和される。また、本実施形態の蓄圧式燃料噴射装置10では、後述のように、高圧ポンプ20にはひたすら燃料を加圧して圧送する機能のみが要求されることから、従来の高圧ポンプで採用されていたようなカム山の複雑な設計が省略されている。したがって、燃料流量を増やすために高圧ポンプ20を高速回転させた場合であっても、カム19の耐久性が向上し、高圧ポンプ20の信頼性の向上が図られる。
さらに、カム19が内燃機関側に備えられていることから、高圧ポンプ20の取り付け時に、内燃機関のギア等とカム19を同期させる手間が省略され、取り付け作業が効率化されるとともに、高圧ポンプ20の動作安定性の向上が図られる。
(3)低圧フィードポンプ
低圧フィードポンプ2は、低圧燃料通路を介して高圧ポンプ20に向けて低圧燃料を供給する。本実施形態における低圧フィードポンプ2は、燃料が貯蔵された燃料タンク17内に設けられた電磁低圧ポンプであって、バッテリーから供給される電流によって駆動され所定の流量の低圧燃料を圧送する。この低圧フィードポンプ2の燃料吸い込み口にはプレフィルタ(図示せず。)が介在し、燃料タンク17内の燃料に異物が混入している場合に、それらの異物が低圧フィードポンプ2に吸い込まれないように捕集される。さらに、燃料タンク17と高圧ポンプ20とを接続する低圧燃料通路の途中にはメインフィルタ4が備えられており、このメインフィルタ4によっても燃料中の異物が捕集され、高圧ポンプ20に流入しないようになっている。
低圧フィードポンプ2は、燃料タンク17と高圧ポンプ20とを接続する低圧燃料通路の途中に設けられていてもよい。
低圧フィードポンプ2は、低圧燃料通路を介して高圧ポンプ20に向けて低圧燃料を供給する。本実施形態における低圧フィードポンプ2は、燃料が貯蔵された燃料タンク17内に設けられた電磁低圧ポンプであって、バッテリーから供給される電流によって駆動され所定の流量の低圧燃料を圧送する。この低圧フィードポンプ2の燃料吸い込み口にはプレフィルタ(図示せず。)が介在し、燃料タンク17内の燃料に異物が混入している場合に、それらの異物が低圧フィードポンプ2に吸い込まれないように捕集される。さらに、燃料タンク17と高圧ポンプ20とを接続する低圧燃料通路の途中にはメインフィルタ4が備えられており、このメインフィルタ4によっても燃料中の異物が捕集され、高圧ポンプ20に流入しないようになっている。
低圧フィードポンプ2は、燃料タンク17と高圧ポンプ20とを接続する低圧燃料通路の途中に設けられていてもよい。
(4)高圧ポンプ
図2は、本実施形態の蓄圧式燃料噴射装置10に備えられた高圧ポンプ20を、プランジャ25の軸方向に沿って切断した断面を示している。
この高圧ポンプ20は、両端が開放された円柱空間21aを有するハウジング21と、当該ハウジング21の円柱空間21aに挿入された実質的に円筒状のバレル23と、当該バレル23によって摺動自在に保持され、内燃機関に備えられたカム19の回転によって燃料を加圧するためのプランジャ25と、当該プランジャ25を、燃料を加圧する方向とは反対方向へ付勢するスプリング27と、プランジャ25によって加圧された燃料を吐出するための吐出弁29等を備えている。
図2は、本実施形態の蓄圧式燃料噴射装置10に備えられた高圧ポンプ20を、プランジャ25の軸方向に沿って切断した断面を示している。
この高圧ポンプ20は、両端が開放された円柱空間21aを有するハウジング21と、当該ハウジング21の円柱空間21aに挿入された実質的に円筒状のバレル23と、当該バレル23によって摺動自在に保持され、内燃機関に備えられたカム19の回転によって燃料を加圧するためのプランジャ25と、当該プランジャ25を、燃料を加圧する方向とは反対方向へ付勢するスプリング27と、プランジャ25によって加圧された燃料を吐出するための吐出弁29等を備えている。
この高圧ポンプ20では、スプリング27の付勢力によってプランジャ25が押し下げられている状態において、低圧フィードポンプ2によって圧送されてきた燃料が、ハウジング21に設けられた燃料通路35を介して、ハウジング21の円柱空間21aとバレル23の外周面の溝部23aとで形成された圧力導入室31に導入される。また、圧力導入室31に導入された燃料は、バレル23に設けられた、燃料加圧室33と圧力導入室31をつなぐ燃料通路37を介して燃料加圧室33内に流入する。
そして、内燃機関に備えられたカム19の回転に伴ってプランジャ25が押し上げられると、燃料加圧室33に臨んでいたバレル23の燃料通路37がプランジャ25によって閉じられるとともに、燃料加圧室33内の燃料が高圧化される。その後、燃料加圧室33内の燃料の圧力が吐出弁29の開弁圧を超えると吐出弁29が開放され、燃料がコモンレール側に圧送される。
そして、内燃機関に備えられたカム19の回転に伴ってプランジャ25が押し上げられると、燃料加圧室33に臨んでいたバレル23の燃料通路37がプランジャ25によって閉じられるとともに、燃料加圧室33内の燃料が高圧化される。その後、燃料加圧室33内の燃料の圧力が吐出弁29の開弁圧を超えると吐出弁29が開放され、燃料がコモンレール側に圧送される。
本実施形態の蓄圧式燃料噴射装置は、後述するように高圧ポンプ20よりも下流側でレール圧の調節を行うものであるため、高圧ポンプ20には、燃料を加圧して継続的に圧送する機能のみが要求される。そのため、従来の燃料噴射ポンプのように、燃料流量制御や圧力調整を行うべく、プランジャにリードが設けられたり、プランジャの回転位置を制御するためのラックやガバナ機構が設けられたりしていない。したがって、高圧燃料のスピル対策を施したり、プランジャのストローク量や噴射タイミングを緻密に制御したりする必要がない。
前述のような高圧ポンプ20であれば、それぞれの部材の機械的構成が省略され、著しく簡素化されるため、機械的強度が向上し、より高圧の燃料を供給する場合であっても磨耗や損傷が少なくなる。また、ポンプの構成が著しく簡素化されるために、内燃機関の種類、仕様等に限らず高圧ポンプの汎用化が可能になり、経済的な設計や生産が可能となる。
前述のような高圧ポンプ20であれば、それぞれの部材の機械的構成が省略され、著しく簡素化されるため、機械的強度が向上し、より高圧の燃料を供給する場合であっても磨耗や損傷が少なくなる。また、ポンプの構成が著しく簡素化されるために、内燃機関の種類、仕様等に限らず高圧ポンプの汎用化が可能になり、経済的な設計や生産が可能となる。
また、前述のような高圧ポンプ20であれば、従来のコモンレールシステムに用いられているような独立した形態のポンプと比較して搭載スペースが小さく済むため、高圧ポンプ20のレイアウト設計が比較的容易になる。また、高圧ポンプ20の脱着が容易であるために、高圧ポンプ20の修理、脱着等のメンテナンス作業の効率化が図られる。
さらに、コモンレールシステムのポンプとして、内燃機関の開口に装着される高圧ポンプ20を採用することにより、カム19とプランジャ25、スプリングシート43、タペット45との接触面やタペット45の摺動面に満たす潤滑油として、内燃機関内に投入されるエンジンオイルの利用が可能になるため、従来のコモンレールシステムに使用される独立型のポンプと比較して、潤滑油の管理、メンテナンスが容易になる。また、従来は潤滑油としてエンジン燃料を使用する場合もあったが、エンジンオイルを潤滑油として使用すれば、エンジン燃料の清浄度にかかわらず潤滑性が確保される。そして、それぞれの部位の潤滑性が向上するために、従来よりも高圧の燃料を供給する場合であっても、耐久性に優れ、信頼性の高い高圧ポンプ20が提供される。
さらに、コモンレールシステムのポンプとして、内燃機関の開口に装着される高圧ポンプ20を採用することにより、カム19とプランジャ25、スプリングシート43、タペット45との接触面やタペット45の摺動面に満たす潤滑油として、内燃機関内に投入されるエンジンオイルの利用が可能になるため、従来のコモンレールシステムに使用される独立型のポンプと比較して、潤滑油の管理、メンテナンスが容易になる。また、従来は潤滑油としてエンジン燃料を使用する場合もあったが、エンジンオイルを潤滑油として使用すれば、エンジン燃料の清浄度にかかわらず潤滑性が確保される。そして、それぞれの部位の潤滑性が向上するために、従来よりも高圧の燃料を供給する場合であっても、耐久性に優れ、信頼性の高い高圧ポンプ20が提供される。
(5)コモンレール
図1に戻り、コモンレール11は、高圧ポンプ20から圧送されてくる高圧燃料を蓄積するとともに、複数のインジェクタ15に対して、均等な圧力で燃料を供給する。インジェクタ15に対して常に高圧の燃料が供給されていれば、インジェクタ15の開閉時期を制御することによって燃料噴射タイミングの制御が自由に行えるようになる。このコモンレール15としては公知のものが用いられる。
また、コモンレール11には圧力センサ12が取り付けられており、圧力センサ12のセンサ値はECU14に送られ、コモンレールのピーク圧の検出や、後述の圧力調整手段13によるレール圧制御に用いられる。
図1に戻り、コモンレール11は、高圧ポンプ20から圧送されてくる高圧燃料を蓄積するとともに、複数のインジェクタ15に対して、均等な圧力で燃料を供給する。インジェクタ15に対して常に高圧の燃料が供給されていれば、インジェクタ15の開閉時期を制御することによって燃料噴射タイミングの制御が自由に行えるようになる。このコモンレール15としては公知のものが用いられる。
また、コモンレール11には圧力センサ12が取り付けられており、圧力センサ12のセンサ値はECU14に送られ、コモンレールのピーク圧の検出や、後述の圧力調整手段13によるレール圧制御に用いられる。
(6)圧力調整手段
圧力調整手段13は、例えば公知の電磁比例制御弁(圧力制御弁)等が用いられ、上述のコモンレール11に備えられた圧力センサ12によって検知された圧力値と目標レール圧との差分に応じて、ECU14によって弁の開度が調節される。そして、コモンレール11内の高圧燃料の一部が排出されることにより、レール圧が所望の値に調整される。
圧力調整手段13は、例えば公知の電磁比例制御弁(圧力制御弁)等が用いられ、上述のコモンレール11に備えられた圧力センサ12によって検知された圧力値と目標レール圧との差分に応じて、ECU14によって弁の開度が調節される。そして、コモンレール11内の高圧燃料の一部が排出されることにより、レール圧が所望の値に調整される。
コモンレール11がこのような圧力調整手段13を備えることにより、高圧ポンプ20において、圧送する高圧燃料の圧力や燃料流量を制御する必要がなく、高圧ポンプ20では、燃料をひたすら加圧して圧送し続けるだけで足りるようになる。したがって、従来のコモンレールシステムと比較して、高圧ポンプ20からの圧送量を制御する複雑な電子制御部分が省略される一方、カムとプランジャの設計のみで高圧ポンプ20からの圧送量の調整が可能となり、高圧ポンプ20の構成が著しく簡素化される。
ただし、高圧ポンプ20よりも下流側でレール圧の制御を行う場合には、内燃機関への噴射に必要な流量よりも多くの流量の高圧燃料がコモンレール11に導入されるため、高圧ポンプ20からの圧送タイミングに同期して発生するレール圧の脈動が比較的大きくなる。
ただし、高圧ポンプ20よりも下流側でレール圧の制御を行う場合には、内燃機関への噴射に必要な流量よりも多くの流量の高圧燃料がコモンレール11に導入されるため、高圧ポンプ20からの圧送タイミングに同期して発生するレール圧の脈動が比較的大きくなる。
この圧力調整手段13を取り付ける位置に関し、高圧ポンプ20の吐出弁29とインジェクタ15との間であれば特に制限されるものではないが、例えば、圧力調整手段13はコモンレール11の端部位置に取り付けられる。圧力調整手段13がこのような位置に取り付けられることにより、レール圧が直接的に変化させられ、制御応答性が確保される。
なお、排出される余剰の燃料は、燃料循環通路を介して、燃料タンク17に還流される。
なお、排出される余剰の燃料は、燃料循環通路を介して、燃料タンク17に還流される。
(7)インジェクタ及び噴射制御手段
インジェクタ15は、コモンレール11に接続され、コモンレール11から圧送される高圧燃料を噴射して、内燃機関の気筒内に燃料を供給する。インジェクタ15の構成は特に制限されるものではないが、例えば、ニードル弁体が着座する着座面と、この着座面の弁体当接部位よりも下流側に形成される噴射孔とを有するノズルボディを備え、ニードル弁体のリフト時に着座面の上流側から供給される燃料を噴射孔へ導くような構成のインジェクタ15が用いられる。
インジェクタ15は、コモンレール11に接続され、コモンレール11から圧送される高圧燃料を噴射して、内燃機関の気筒内に燃料を供給する。インジェクタ15の構成は特に制限されるものではないが、例えば、ニードル弁体が着座する着座面と、この着座面の弁体当接部位よりも下流側に形成される噴射孔とを有するノズルボディを備え、ニードル弁体のリフト時に着座面の上流側から供給される燃料を噴射孔へ導くような構成のインジェクタ15が用いられる。
前述のインジェクタ15は、スプリング等によってニードル弁体が着座面に向かって常時付勢され、ソレノイドの通電、非通電の切り替えによってニードル弁体が着座面から離座又は着座させられる電磁弁型とすることができる。この場合、電磁弁の通電のタイミングや通電時間を制御するためのECU14によって、燃料噴射量や燃料噴射タイミングが制御される。燃料噴射量や燃料噴射タイミングが制御されることにより、エンジン運転時の騒音や、排気ガスに含まれる粒子状物質やNOX(窒素酸化物)等を低減させることができる。
(8)蓄圧式燃料噴射装置の動作
これまで説明した本実施形態の蓄圧式燃料噴射装置における燃料の流れを、図1及び図2を参照して説明すると以下のとおりとなる。
まず、燃料タンク17内の燃料が、異物を捕集するプレフィルタ(図示せず)を介して、低圧フィードポンプ2によって汲み上げられるとともに、さらにメインフィルタ4を介して、高圧ポンプ20の圧力導入室31に送られる。圧力導入室31内に送られた燃料は、高圧ポンプ20のバレル23に設けられた燃料通路37を介して燃料加圧室33内に送られる。そして、内燃機関に備えられたカム19の回転に伴ってプランジャ25が押し上げられることにより、燃料加圧室33に面するバレル23の燃料通路37が閉じられるとともに、燃料加圧室33内の燃料が加圧され、吐出弁29を介してコモンレール11に圧送される。圧送された高圧燃料は、コモンレール11内に蓄積されるとともに、圧力調整手段13によって圧力が調節されつつ、それぞれのインジェクタ15に対して均等な圧力で供給される。この状態でインジェクタ15の噴射孔が開放されることにより燃料が噴射され、内燃機関の気筒内に燃料が供給される。
これまで説明した本実施形態の蓄圧式燃料噴射装置における燃料の流れを、図1及び図2を参照して説明すると以下のとおりとなる。
まず、燃料タンク17内の燃料が、異物を捕集するプレフィルタ(図示せず)を介して、低圧フィードポンプ2によって汲み上げられるとともに、さらにメインフィルタ4を介して、高圧ポンプ20の圧力導入室31に送られる。圧力導入室31内に送られた燃料は、高圧ポンプ20のバレル23に設けられた燃料通路37を介して燃料加圧室33内に送られる。そして、内燃機関に備えられたカム19の回転に伴ってプランジャ25が押し上げられることにより、燃料加圧室33に面するバレル23の燃料通路37が閉じられるとともに、燃料加圧室33内の燃料が加圧され、吐出弁29を介してコモンレール11に圧送される。圧送された高圧燃料は、コモンレール11内に蓄積されるとともに、圧力調整手段13によって圧力が調節されつつ、それぞれのインジェクタ15に対して均等な圧力で供給される。この状態でインジェクタ15の噴射孔が開放されることにより燃料が噴射され、内燃機関の気筒内に燃料が供給される。
すなわち、本実施形態の蓄圧式燃料噴射装置10は、高圧ポンプ20の下流側でレール圧を制御する構成であるため、高圧ポンプ20では、ひたすら燃料を高圧化してコモンレール11側に吐出する作業が繰り返され、レール圧は常に高圧状態に保持される。また、高圧状態にされたレール圧は、圧力調整手段13によって比較的容易に所望の圧力値に調節され、所定圧力の高圧燃料がインジェクタ15に供給される。
2.制御装置(ECU)
次に、上述した蓄圧式燃料噴射装置10に備えられたECU14の構成について説明する。図3は、ECU14のうち、ピーク圧の検出及びレール圧制御に関する部分を機能毎にブロックで表している。
このECU14は、公知のマイクロコンピュータを中心に構成されたものであり、圧力値読込部(図3では「Preal読込」と表記。)と、期間最大値選択部(図3では「Pmax選択」と表記。)と、最大値変化量演算部(図3では「ΔPmax演算」と表記。)と、ピーク圧判定部(図3では「Ppeak判定」と表記。)と、目標レール圧演算部(図3では「Ptgt演算」と表記。)と、圧力調整手段制御部(図3では「PCV制御」と表記。)と、各部で読み込まれたり求められたりする値を記憶するRAM(Random Access Memory)等を含んで構成されている。これらの各部は、具体的にはマイクロコンピュータの実行によって実現される。
次に、上述した蓄圧式燃料噴射装置10に備えられたECU14の構成について説明する。図3は、ECU14のうち、ピーク圧の検出及びレール圧制御に関する部分を機能毎にブロックで表している。
このECU14は、公知のマイクロコンピュータを中心に構成されたものであり、圧力値読込部(図3では「Preal読込」と表記。)と、期間最大値選択部(図3では「Pmax選択」と表記。)と、最大値変化量演算部(図3では「ΔPmax演算」と表記。)と、ピーク圧判定部(図3では「Ppeak判定」と表記。)と、目標レール圧演算部(図3では「Ptgt演算」と表記。)と、圧力調整手段制御部(図3では「PCV制御」と表記。)と、各部で読み込まれたり求められたりする値を記憶するRAM(Random Access Memory)等を含んで構成されている。これらの各部は、具体的にはマイクロコンピュータの実行によって実現される。
このうち、圧力値読込部は、コモンレールに備えられた圧力センサのセンサ値Prealを単位時間Δtおきに読み込む部分であり、読み込まれたセンサ値PrealはRAMに記憶される。センサ値Prealを読み込む単位時間Δtは、ECU14の処理能力によって異なるが、例えば、0.1〜0.0005秒に設定される。本実施形態のECU14では、Δt=0.001秒に設定されている。単位時間Δtが短いほど、より精度の高いピーク圧の検出や、レール圧制御が実現できる。
期間最大値選択部は、所定回数のセンサ値Prealの読み込みを一周期とする単位周期ごとに、圧力値読込部によって読み込まれたセンサ値Prealの中から期間最大値Pmaxを選択する部分であり、選択された期間最大値PmaxはRAMに記憶される。本実施形態のECU14の例では、10回のセンサ値Prealの読み込みが一単位周期として設定され、0.01秒ごとに、周期内に読み込まれた10個のセンサ値Prealの中から期間最大値Pmaxが選択される。単位周期を規定するセンサ値Prealの読込回数は10回よりも少なくしたり、逆に多くしたりしてもよいが、単位周期の期間が過度に長くなると、高圧ポンプの回転数が高い場合、すなわち、高圧ポンプによる高圧燃料の圧送によるレール圧の脈動の周波数が短くなる場合に、一周期内に複数のピーク圧が含まれるおそれがある。したがって、センサ値Prealを読み込む単位時間Δtや、単位周期の期間の長さを考慮して、単位周期を規定するセンサ値Prealの読込回数を設定することが好ましい。
最大値変化量演算部は、期間最大値選択部によって選択された単位周期ごとの期間最大値Pmaxをもとにして、各期間最大値Pmax(n)から前回値Pmax(n-1)を減算し、期間最大値の変化量ΔPmaxを求める部分であり、求められた期間最大値の変化量ΔPmaxはRAMに記憶される。この最大値変化量演算部は、少なくとも、期間最大値の変化量ΔPmaxが正の値であるか負の値であるかが求められるようになっていればよく、期間最大値の変化量ΔPmaxの具体的数値の代わりに、期間最大値の変化量ΔPmaxが正であるか負であるかがRAMに記憶されるようにしてもよい。
ピーク圧判定部は、最大値変化量演算部で求められた期間最大値の変化量ΔPmaxをもとにして、期間最大値の変化量ΔPmaxの値が正から負に転換したときの変化量演算に用いられた期間最大値の前回値Pmax(n-1)をコモンレールのピーク圧Ppeakと判定する部分である。求められたピーク圧PpeakはRAMに記憶される。
目標レール圧演算部は、内燃機関の回転数Neやアクセルペダルの操作量Ac、インジェクタの目標噴射量等に基づいてコモンレールの目標レール圧Ptgtを算出する。本実施形態のECU14は、コモンレールのピーク圧Ppeakを制御対象としてレール圧制御が行われる。
圧力調整手段制御部は、ピーク圧判定部で求められるピーク圧Ppeakが目標レール圧Ptgtとなるように、コモンレールに設けられた圧力調整手段の駆動部分に対して、制御信号を出力する部分である。具体的には、圧力調整手段制御部は、ピーク圧判定部で求められたピーク圧Ppeakを、目標レール圧演算部で算出された目標レール圧Ptgtの値と比較し、ピーク圧Ppeakが目標レール圧Ptgtよりも低い場合には圧力調整手段の開度が小さくなるように制御信号を出力し、レール圧を上昇させる。一方、ピーク圧Ppeakが目標レール圧Ptgtよりも高い場合には、圧力調整手段制御部は、圧力調整手段の開度が大きくなるように制御信号を出力し、レール圧を下降させる。このとき、ピーク圧Ppeakが蓄圧式燃料噴射装置の許容最大圧力を越えないように制御が行われる。
3.ピーク圧検出のタイミングチャート
次に、上述したECUによって実行されるコモンレールのピーク圧の検出方法について、図4のタイミングチャートに基づいて説明する。
コモンレールの実レール圧が変動する中で、単位時間Δtおきにコモンレールに接続された圧力センサのセンサ値Prealが読み込まれる。図4では、実レール圧の変位がなめらかな曲線で表されているが、実際には小さく脈動しながら変位している。
この単位時間Δtごとのセンサ値Prealの読み込みが、単位周期として規定された10回に到達すると、当該単位周期内での最大のセンサ値Prealが期間最大値Pmaxとして選択される。
次に、上述したECUによって実行されるコモンレールのピーク圧の検出方法について、図4のタイミングチャートに基づいて説明する。
コモンレールの実レール圧が変動する中で、単位時間Δtおきにコモンレールに接続された圧力センサのセンサ値Prealが読み込まれる。図4では、実レール圧の変位がなめらかな曲線で表されているが、実際には小さく脈動しながら変位している。
この単位時間Δtごとのセンサ値Prealの読み込みが、単位周期として規定された10回に到達すると、当該単位周期内での最大のセンサ値Prealが期間最大値Pmaxとして選択される。
また、期間最大値Pmaxが選択されるごとに、今回の期間最大値Pmax(n)から前回の期間最大値Pmax(n-1)が減算され、期間最大値の変化量ΔPmax(n)が求められる。そして、期間最大値の変化量ΔPmaxが正の値から負の値に転換したとき、すなわち、前回の期間最大値の変化量ΔPmax(n-1)が正の値であって、かつ、今回の期間最大値の変化量ΔPmax(n)が負の値となったときの変化量演算に用いられた前回の期間最大値Pmax(n-1)がコモンレールのピーク圧Ppeakとして判定される。
4.ピーク圧の検出及びレール圧制御方法のフロー
次に、上述したECUの制御によって行われるピーク圧検出のステップを含むレール圧制御方法の一例について、図5に示すフローを参照しながら説明する。
まず、ステップS1では、単位時間Δtごとにコモンレールに備えられた圧力センサのセンサ値Preal(t)が読み込まれて記憶されるとともに、カウンタが1進められる。次いで、ステップS2では、ステップS1で進められたカウンタ値が、単位周期として規定された値に到達したか否かが判別される。カウンタ値が規定値未満であればステップS1に戻る一方、規定値に到達していればステップS3に進む。本実施形態のECUでは、カウンタの規定値は10に設定されている。
次に、上述したECUの制御によって行われるピーク圧検出のステップを含むレール圧制御方法の一例について、図5に示すフローを参照しながら説明する。
まず、ステップS1では、単位時間Δtごとにコモンレールに備えられた圧力センサのセンサ値Preal(t)が読み込まれて記憶されるとともに、カウンタが1進められる。次いで、ステップS2では、ステップS1で進められたカウンタ値が、単位周期として規定された値に到達したか否かが判別される。カウンタ値が規定値未満であればステップS1に戻る一方、規定値に到達していればステップS3に進む。本実施形態のECUでは、カウンタの規定値は10に設定されている。
次いで、ステップS3では、10個のセンサ値Prealのうちの期間最大値Pmax(n)が選択され記憶された後、ステップS4で、カウンタがリセットされる。
次いで、ステップS5では、すでに記憶されている期間最大値の前回値Pmax(n-1)が存在するか否かが判別され、前回値Pmax(n-1)が記憶されていなければステップS1に戻る一方、前回値Pmax(n-1)が記憶されていればステップS6に進む。基本的に、内燃機関の始動後、最初の期間最大値Pmaxの選択時以外においては、前回値Pmax(n-1)は記憶された状態となっている。
次いで、ステップS5では、すでに記憶されている期間最大値の前回値Pmax(n-1)が存在するか否かが判別され、前回値Pmax(n-1)が記憶されていなければステップS1に戻る一方、前回値Pmax(n-1)が記憶されていればステップS6に進む。基本的に、内燃機関の始動後、最初の期間最大値Pmaxの選択時以外においては、前回値Pmax(n-1)は記憶された状態となっている。
次いで、ステップS6では、ステップS3で選択された期間最大値Pmax(n)から前回値Pmax(n-1)が減算され、前回からの期間最大値の変化量ΔPmax(n)が求められ記憶される。
次いで、ステップS7では、ステップS6で求められた期間最大値の変化量ΔPmax(n)が負の値であるか否かが判別される。期間最大値の変化量ΔPmax(n)が正の値である場合には、レール圧はピークに到達せずに上昇段階にあることになるためステップS1に戻る一方、期間最大値の変化量ΔPmax(n)が負の値である場合にはステップS8に進む。
次いで、ステップS7では、ステップS6で求められた期間最大値の変化量ΔPmax(n)が負の値であるか否かが判別される。期間最大値の変化量ΔPmax(n)が正の値である場合には、レール圧はピークに到達せずに上昇段階にあることになるためステップS1に戻る一方、期間最大値の変化量ΔPmax(n)が負の値である場合にはステップS8に進む。
期間最大値の変化量ΔPmax(n)が負の場合には、ステップS8において、すでに記憶されている期間最大値の変化量の前回値ΔPmax(n-1)が存在するか否かが判別され、前回値ΔPmax(n-1)が記憶されていなければステップS1に戻る一方、前回値ΔPmax(n-1)が記憶されていればステップS9に進む。基本的に、内燃機関の始動後、最初の期間最大値の変化量ΔPmaxの演算時以外においては、前回値ΔPmax(n-1)は記憶された状態となっている。
次いで、ステップS9では、期間最大値の変化量の前回値ΔPmax(n-1)が正の値であるか否かが判別される。前回値ΔPmax(n-1)が負の値である場合には、レール圧は継続的な下降段階にあり、前回の周期から今回の周期を通じてレール圧がピークに到達していないことになるためステップS1に戻る。一方、前回値ΔPmax(n-1)が正の値である場合には、前回の周期の期間最大値Pmax(n-1)よりも今回の周期の期間最大値Pmax(n)が小さくなっていることから、前回の周期でレール圧がピークに到達したことになるため、ピーク圧を判定するステップS10に進む。そして、ステップS10では、前回の周期における期間最大値Pmax(n-1)がコモンレールのピーク圧Ppeakと判定される。
次いで、ステップS11では、求められたピーク圧Ppeakと、内燃機関の回転数Neやアクセルペダルの操作量Ac等をもとに算出された目標レール圧Ptgtとが比較され、ピーク圧Ppeakが目標レール圧Ptgtとなるように圧力調整手段PCVの操作量が決定される。このとき、設定される目標レール圧Ptgtは、蓄圧式燃料噴射装置の許容最大圧力未満となるように設定されている。
そして、ステップS12で、決定された圧力調整手段PCVの操作量に基づいて、圧力調整手段PCVの駆動部に対して制御信号が出力された後、ステップS1に戻る。
以下、これまでの各ステップが繰り返される。
そして、ステップS12で、決定された圧力調整手段PCVの操作量に基づいて、圧力調整手段PCVの駆動部に対して制御信号が出力された後、ステップS1に戻る。
以下、これまでの各ステップが繰り返される。
以上説明したように行われるコモンレールのピーク圧検出方法によれば、内燃機関の回転数やコモンレールの圧力脈動の振幅にかかわらず、ピーク圧が精度良く検出される。その結果、コモンレールのピーク圧が蓄圧式燃料噴射装置の許容最大圧力を越えないようにレール圧のフィードバック制御が行われ、蓄圧式燃料噴射装置の耐久性の向上が図られる。
本発明は、ピーク圧の検出のずれによる制御性の低下が顕著となりやすい、レール圧の脈動の大きな蓄圧式燃料噴射装置、例えば、圧力の脈動の振幅が±3MPa以上、より好ましくは圧力の脈動の振幅が±5MPa以上の蓄圧式燃料噴射装置に適用することが好ましい。
本発明は、ピーク圧の検出のずれによる制御性の低下が顕著となりやすい、レール圧の脈動の大きな蓄圧式燃料噴射装置、例えば、圧力の脈動の振幅が±3MPa以上、より好ましくは圧力の脈動の振幅が±5MPa以上の蓄圧式燃料噴射装置に適用することが好ましい。
2:低圧フィードポンプ、4:メインフィルタ、10:蓄圧式燃料噴射装置、11:コモンレール、12:圧力センサ、13:圧力調整手段、14:制御装置(ECU)、15:インジェクタ、17:燃料タンク、18:カムシャフト、19:カム、20:高圧ポンプ、21:ハウジング、21a:円柱空間、23:バレル、23a:溝部、25:プランジャ、27:スプリング、29:吐出弁、31:圧力導入室、33:燃料加圧室、35・37:燃料通路、43:スプリングシート、45:タペット
Claims (5)
- 内燃機関に燃料を噴射する蓄圧式燃料噴射装置のコモンレールのピーク圧を検出するコモンレールのピーク圧検出装置において、
単位周期ごとに前記コモンレールの圧力値を複数回検出し、前記単位周期内での前記圧力値の期間最大値を、前回の単位周期の期間最大値と比較して、前記期間最大値の変化が正から負に転換したときに、前記前回の単位周期の期間最大値をコモンレールのピーク圧と判定することを特徴とするコモンレールのピーク圧検出装置。 - 前記コモンレールの圧力値を単位時間おきに読み込む圧力値読込部と、
所定回数の前記圧力値の読み込みを一周期とする単位周期ごとに前記圧力値の期間最大値を選択する期間最大値選択部と、
前記期間最大値から前記期間最大値の前回値を減算して前記期間最大値の変化量を求める最大値変化量演算部と、
前記期間最大値の変化量が正から負に転換したときの変化量演算に用いられた前記期間最大値の前回値を前記コモンレールのピーク圧と判定するピーク圧判定部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のコモンレールのピーク圧検出装置。 - 脈動する前記コモンレールの圧力値の振幅が±3MPa以上となる蓄圧式燃料噴射装置に用いられることを特徴とする請求項1又は2に記載のコモンレールのピーク圧検出装置。
- 内燃機関に燃料を噴射する蓄圧式燃料噴射装置のコモンレールのピーク圧を検出するコモンレールのピーク圧検出方法において、
前記コモンレールの圧力値を単位時間おきに読み込むステップと、
所定回数の前記圧力値の読み込みを一周期とする単位周期ごとに前記圧力値の期間最大値を選択するステップと、
前記期間最大値から前記期間最大値の前回値を減算して前記期間最大値の変化量を求めるステップと、
前記期間最大値の変化量が正から負に転換したときの変化量演算に用いられた前記期間最大値の前回値を前記コモンレールのピーク圧と判定するステップと、
を含むことを特徴とするコモンレールのピーク圧検出方法。 - 内燃機関に燃料を噴射する蓄圧式燃料噴射装置のコモンレールの圧力を検出する圧力センサのセンサ値をもとに、前記コモンレールの圧力のフィードバック制御を行うコモンレールの圧力制御装置において、
前記コモンレールの圧力値を単位時間おきに読み込む圧力値読込部と、
所定回数の前記圧力値の読み込みを一周期とする単位周期ごとに前記圧力値の期間最大値を選択する期間最大値選択部と、
前記期間最大値から前記期間最大値の前回値を減算して前記期間最大値の変化量を求める最大値変化量演算部と、
前記期間最大値の変化量が正から負に転換したときの変化量演算に用いられた前記期間最大値の前回値を前記コモンレールのピーク圧と判定するピーク圧判定部と、
前記ピーク圧が所定の目標値となるように前記コモンレールの圧力調整手段を制御する圧力調整手段制御部と、
を備えることを特徴とするコモンレールの圧力制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008233125A JP2010065614A (ja) | 2008-09-11 | 2008-09-11 | コモンレールのピーク圧検出装置及び検出方法、並びにコモンレールの圧力制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010065614A true JP2010065614A (ja) | 2010-03-25 |
Family
ID=42191403
Family Applications (1)
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JP2008233125A Pending JP2010065614A (ja) | 2008-09-11 | 2008-09-11 | コモンレールのピーク圧検出装置及び検出方法、並びにコモンレールの圧力制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2010065614A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016014322A (ja) * | 2014-07-01 | 2016-01-28 | ボッシュ株式会社 | レール圧フィルタリング方法及びコモンレール式燃料噴射制御装置 |
-
2008
- 2008-09-11 JP JP2008233125A patent/JP2010065614A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016014322A (ja) * | 2014-07-01 | 2016-01-28 | ボッシュ株式会社 | レール圧フィルタリング方法及びコモンレール式燃料噴射制御装置 |
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