JP6420719B2 - 繊維強化熱可塑性樹脂及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、強化繊維と熱可塑性樹脂とを含む繊維強化熱可塑性樹脂及びその製造方法に関する。
熱可塑性樹脂は、再溶融が可能であり、熱硬化性樹脂に比して成形時間が短い、延性破壊し易い等の特性を有する。このような特性を利用して、繊維強化樹脂のリサイクル性、量産性及び耐衝撃性等を向上させるべく、熱硬化性樹脂に代え、熱可塑性樹脂を母材とする繊維強化熱可塑性樹脂(FRTP)が着目されている。
ところで、繊維強化樹脂からなる構造体の強度特性等を向上させるためには、強化繊維と母材との界面の接着性を高めることが求められる。しかしながら、FRTPでは、熱硬化性樹脂を母材とする繊維強化樹脂に比して、上記界面の接着性が劣る傾向がある。これは、モノマーの状態で強化繊維を含浸させる熱硬化性樹脂に比して、溶融させたポリマーの状態で強化繊維を含浸させる熱可塑性樹脂では、強化繊維に対する濡れ性が低く、強化繊維の表面に存在する官能基との化学結合も生じ難いためである。
そこで、特許文献1には、熱可塑性樹脂と強化繊維との界面の接着性を向上させるべく、脂肪族エポキシ化合物及び芳香族エポキシ化合物を含むサイジング剤を塗布した強化繊維を用いたFRTPが提案されている。具体的には、脂肪族エポキシ化合物及び芳香族エポキシ化合物を有機溶媒又は水に溶解させたサイジング剤溶液中に強化繊維を浸漬した後、該有機溶媒等を乾燥除去する塗布処理工程を経てFRTPを得ている。
特開2014−145036号公報
特許文献1記載のFRTPを得るには、強化繊維の表面にサイジング剤を塗布するための塗布処理工程を行ったり、サイジング剤用の樹脂を用意したりする必要がある。このため、製造工程が煩雑になるとともに、製造コストが増大する。また、上記の塗布処理工程を行う場合、サイジング剤溶液中から乾燥除去しきらずに残留した有機溶媒等が熱可塑性樹脂に混入して、界面接着性を向上させることが一層困難になってしまう懸念がある。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、強化繊維と熱可塑性樹脂との界面の接着性を簡便に且つ低コストで高めることができ、これにより、曲げ剛性や、エネルギ吸収性及び耐衝撃性等に優れた構造体を得ることが可能な繊維強化熱可塑性樹脂及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、強化繊維と、熱可塑性樹脂とを有する繊維強化熱可塑性樹脂であって、前記強化繊維の表面に、水酸基が化学修飾された薄膜層が形成され、前記強化繊維の単位重量当たりに含まれる前記水酸基が1×10-7mol/g以上であることを特徴とする。
本発明に係る繊維強化熱可塑性樹脂では、強化繊維の表面に形成された薄膜層に、上記の含有量となるように多くの水酸基が化学修飾されている。これによって、水酸基と熱可塑性樹脂との間に水素結合を効果的に形成することができるため、強化繊維に対する溶融熱可塑性樹脂の濡れ性を向上させることができる。その結果、熱可塑性樹脂に強化繊維を良好に含浸させて、強化繊維と熱可塑性樹脂との界面の接着性を向上させることが可能になる。
また、この薄膜層は、化学的蒸着(CVD)や、物理的蒸着(PVD)等の気相法を用いて形成することができる。このため、本発明に係る繊維強化熱可塑性樹脂を得る際、上述した塗布処理工程を経て強化繊維にサイジング剤を塗布する必要がなく、加えてサイジング剤塗布後の乾燥熱処理といったエネルギを大量消費するプロセスも必要無い。これによって、製造工程の簡素化や、製造コストの削減が可能となる。また、有機溶媒等が熱可塑性樹脂に混入する懸念を払拭できるため、強化繊維と熱可塑性樹脂との界面の接着性を一層着実に向上させることができる。
以上から、本発明に係る繊維強化熱可塑性樹脂では、強化繊維と熱可塑性樹脂との接着性を簡便に且つ低コストで高めることができ、これによって、曲げ剛性や、エネルギ吸収性及び耐衝撃性等に優れた構造体を得ることが可能となる。
上記の繊維強化熱可塑性樹脂において、前記薄膜層は、前記水酸基が化学修飾されたSiOx系ガラス膜であることが好ましい。この場合、上記の含有量となるように水酸基が化学修飾された薄膜層を一層容易且つ効率的に形成することが可能となる。
また、本発明は、強化繊維と、熱可塑性樹脂とを有する繊維強化熱可塑性樹脂の製造方法であって、前記強化繊維の表面に前駆体膜を形成する前駆体膜形成工程と、前記前駆体膜に対して酸化処理を施すことで、前記強化繊維の単位重量あたりに1×10-7mol/g以上の水酸基が化学修飾された薄膜層を形成する薄膜層形成工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、上記の繊維強化熱可塑性樹脂を容易且つ効率的に製造することが可能になる。つまり、強化繊維と熱可塑性樹脂との接着性を簡便に且つ低コストで高めた繊維強化熱可塑性樹脂を得ることができる。また、この繊維強化熱可塑性樹脂から、曲げ剛性や、エネルギ吸収性及び耐衝撃性等に優れた構造体を得ることが可能になる。
上記の繊維強化熱可塑性樹脂の製造方法において、前記前駆体膜形成工程では、出発材料に対してプラズマガスを接触させることで前記前駆体膜を形成することが好ましい。この場合、放電、熱、光等のエネルギによって気体をプラズマ化するプラズマ装置を用いて前駆体膜形成工程を行うことができる。すなわち、出発材料に対してプラズマガスを接触させ、これにより生じた分解物を強化繊維の表面に膜状に堆積させることで、前駆体膜を容易に且つ低コストで形成できる。
さらに、上記の繊維強化熱可塑性樹脂の製造方法において、前記薄膜層形成工程では、前記前駆体膜に対してプラズマガスを接触させることで前記薄膜層を形成することが好ましい。この場合、薄膜層形成工程における前駆体膜に対する酸化処理も上記のプラズマ装置を用いて行うことができる。すなわち、プラズマ装置により、前駆体膜に対してプラズマガスを接触させることで、前駆体膜の表面の官能基(例えば、メチル基)を化学酸化によって水酸基に置換して薄膜層を形成することができる。このように、前駆体膜及び薄膜層の両方を同一のプラズマ装置を用いて形成することができるため、繊維強化熱可塑性樹脂を一層容易に且つ低コストで、しかも効率的に製造することができる。
本発明によれば、水酸基が化学修飾された薄膜層が強化繊維の表面に設けられている。これにより、水酸基と熱可塑性樹脂との間に水素結合を形成することができるため、強化繊維に対する溶融熱可塑性樹脂の濡れ性を良好に向上させることができる。その結果、熱可塑性樹脂に強化繊維を良好に含浸させて、強化繊維と熱可塑性樹脂との界面の接着性を簡便に且つ低コストで高めた繊維強化熱可塑性樹脂を得ることができる。ひいては、該繊維強化熱可塑性樹脂からなる構造体の曲げ剛性やエネルギ吸収性及び耐衝撃性を効果的に向上させることができる。
本発明の実施形態に係る繊維強化熱可塑性樹脂を得る過程で使用されるプラズマ発生装置の要部概略縦断面図である。 実施例1の炭素繊維織物から抜き出したフィラメントを熱可塑性樹脂に含浸させて形成したマイクロドロップレットの顕微鏡写真である。 比較例1の炭素繊維織物から抜き出したフィラメントを熱可塑性樹脂に含浸させて形成したマイクロドロップレットの顕微鏡写真である。 比較例2の炭素繊維織物から抜き出したフィラメントを熱可塑性樹脂に含浸させて形成したマイクロドロップレットの顕微鏡写真である。 実施例1及び比較例1、2のフィラメントと熱可塑性樹脂の界面せん断強度を測定した結果を示すグラフである。 実施例1a〜1c、比較例1a〜1c、比較例2a〜2cのそれぞれの曲げ弾性率(平均値)を示すグラフである。 実施例1a〜1c、比較例1a〜1c、比較例2a〜2cのそれぞれの曲げ強度(平均値)を示すグラフである。 3点曲げ試験を行った後の実施例1a、1b、1cの写真である。 3点曲げ試験を行った後の比較例1a、1b、1cの写真である。 3点曲げ試験を行った後の比較例2a、2b、2cの写真である。 実施例1aの破断面の走査型電子顕微鏡写真である。 比較例1aの破断面の走査型電子顕微鏡写真である。 比較例2aの破断面の走査型電子顕微鏡写真である。
以下、本発明に係る繊維強化熱可塑性樹脂及びその製造方法につき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態に係る繊維強化熱可塑性樹脂(FRTP)は、強化繊維と熱可塑性樹脂とを有する。強化繊維は、FRTPの強化材として採用可能なものであれば特に限定されるものではなく、炭素繊維、ガラス繊維、セラミックス繊維等の無機繊維であってもよく、アラミド繊維等の有機繊維であってもよい。また、強化繊維は、連続繊維、長繊維、短繊維の何れであってもよく、その配向方向は、一方向であっても、ランダム方向を含む複数方向であってもよい。すなわち、強化繊維は、織物(クロス材)であってもよく、不織布であってもよい。さらに、強化繊維の直径や、繊維束の本数、織り方についても特に限定されるものではない。
強化繊維の表面には、例えば、SiOx系ガラス膜からなる薄膜層が形成されている。この薄膜層には、強化繊維の単位重量当たり1×10-7mol/g以上の水酸基が化学修飾されている。
なお、水酸基量は、以下の測定方法により算出することができる。すなわち、先ず、臭素を分子構造中に含んだケイ素化合物の溶液に、薄膜層が形成された強化繊維の試料を一晩浸漬することにより、該試料表面に存在する水酸基に前記ケイ素化合物を化学修飾させる。次に、試料表面を溶媒で洗浄して乾燥させた後、該試料表面の前記ケイ素化合物を1000℃で加熱分解する。これにより発生したガスをアルカリ水溶液に吸収させ、イオンクロマトグラフィにて、該アルカリ水溶液中の臭素量を測定する。このようにして得られた臭素量に基づいて、水酸基量が求められる。上記熱分解及び臭素量測定はヤナコテクニカルサイエンス社製「SQ−1型/HSU−35型」、及びダイオネクス社製「ICS−2000型自動燃焼ハロゲン・硫黄分析システム」を用いて行った。
熱可塑性樹脂は、熱可塑性を示し、且つFRTPの母材として採用可能なものであれば特に限定されるものではないが、好適な材料としては、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。
このようなFRTPは、前駆体膜形成工程と、薄膜層形成工程とを経た強化繊維12(図1参照)を用いて製造することができる。以下では、プラズマを用いた化学的気相成長(プラズマCVD)法により、前駆体膜形成工程及び薄膜層形成工程を行う場合を例に挙げて説明する。
先ず、前駆体膜形成工程を行うことに先立ち、図1に示すシート状の強化繊維12の表面に対して清浄化処理を施す。なお、清浄化処理は、本実施形態に係るFRTPの製造方法における必須の構成ではなく、必要に応じて行えばよい。
清浄化処理としては、有機溶剤や水等を用いた洗浄処理、エキシマ光処理、コロナ放電処理、フレーム処理等の種々の手法を用いることができるが、プラズマ処理を採用することが好ましい。この場合、前駆体膜形成工程及び薄膜層形成工程と同一のプラズマ発生装置を用いて清浄化処理を行うことができるため、該清浄化処理を簡素な設備で低廉に行うことが可能になる。
このようなプラズマ発生装置としては、例えば、プラズマトリート社製のオープンエア(登録商標)プラズマシステムを用いることができる。ここで、図1を参照しつつ、プラズマ発生装置30の概略構成について説明する。図1は、プラズマ発生装置30の要部概略縦断面図である。
プラズマ発生装置30は、中空状のケーシング32と、該ケーシング32の内部に収容された電極34とを有する。電極34には、通電を行うための電源36が電気的に接続される。なお、ケーシング32の内壁には、円環形状のインシュレータ38が電極34を囲繞するようにして設けられる。
ケーシング32において、図1中の下端部にはノズル部材40が連結される。このノズル部材40には、強化繊維12の表面に対してプラズマガスを吐出するための吐出孔42が形成されている。
すなわち、ケーシング32の上端部にはガス供給管44が連結され、このガス供給管44からは、ケーシング32の内部に向かってイグニッションガスが導出される。イグニッションガスの一部は電極34の作用下にプラズマ化し、プラズマガスとして吐出孔42から吐出される。プラズマガスは、吐出孔42に対向するように配置された強化繊維12に向かって流通する。
この吐出孔42の近傍には、図示しない出発材料供給源に接続された出発材料供給管46が配設される。該出発材料供給管46の位置は、ケーシング32とノズル部材40との間に図示しないスペーサを介装したり、又は該スペーサを取り外したりすることにより、電極34に対して離間又は接近するように可変である。すなわち、電極34と出発材料供給管46の離間距離を適宜変更することによって、出発材料がプラズマガスに接触する時点でのプラズマの温度や酸化力の強度を調整することが可能となっている。
また、この出発材料供給管46からノズル部材40内には、プラズマガスの流通方向に対して直交する方向に流通するように、前駆体膜を形成するための出発材料が導出される。ただし、出発材料は、前駆体膜形成工程時にのみ供給され、清浄化処理時及び薄膜層形成工程時には供給されない。
このようなプラズマ発生装置30で清浄化処理を実施するには、電源36から電極34に通電を行うとともに、ガス供給管44を介してケーシング32の内部にイグニッションガス(例えば、乾燥空気や乾燥窒素)を導入する。通電により、電極34とノズル部材40との間でグロー放電が起こるようになる。このグロー放電により、イグニッションガスの一部が励起されてプラズマガスとなる。
このようにして得られたプラズマガスは、吐出孔42から強化繊維12に向かって吐出される。従って、プラズマ発生装置30を強化繊維12に沿って走査することにより、その表面が清浄化される。
次に、上記のようにして清浄化された強化繊維12の表面にSiOx系ガラス膜からなる前駆体膜を形成する前駆体膜形成工程を行う。このためには、吐出孔42からプラズマガスを吐出すると同時に、前記出発材料供給管46からノズル部材40内に、前駆体膜を形成するための出発材料を供給する。
出発材料としては、例えば、シロキサン類やケイ素系アルコキシド類の化合物を用いることができる。具体的には、ヘキサメチルジシロキサン、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン等を用いることができる。ペンタメチルジシロキサン、テトラメチルジシロキサンのように、有機基の一部が水素置換されたものや、オクタメチルトリシロキサンのようにシロキサンの繰り返し構造を有するものであってもよい。
この出発材料は、ノズル部材40内でプラズマガスの高エネルギにより部分的に分解する。すなわち、分解物が得られる。この分解物は、プラズマガスとともに強化繊維12の表面に吹き付けられて該表面に付着した後、重合して高分子化する。その結果、強化繊維12の表面上にSiOx系ガラスからなる前駆体膜が形成される。この時点で、前駆体膜では、Si同士がOを介して結合し、且つSiにメチル(−CH3)基が結合している。
次に、この前駆体膜に対し、メチル基を水酸基に置換する酸化処理を施すことで、薄膜層を形成する薄膜層形成工程を行う。このためには、イグニッションガスとして、例えば、乾燥空気や乾燥窒素を供給してプラズマガスを得る。このプラズマガスを、吐出孔42を介して前駆体膜に吐出する。その結果としてメチル基が水酸基に置換され、水酸基で修飾されたSiOx系ガラス膜が形成される。なお、上記の通り、この工程では、出発材料を供給する必要はない。
以上により、強化繊維12の単位重量当たりに1×10-7mol/g以上の水酸基が化学修飾された薄膜層を表面に備える強化繊維12が得られる。この強化繊維12を溶融熱可塑性樹脂に含浸することで、本実施形態に係るFRTPが得られる。この際、強化繊維12の表面に形成された薄膜層に、上記の含有量となるように多くの水酸基が化学修飾されているため、水酸基と熱可塑性樹脂との間に水素結合を効果的に形成することができる。これによって、強化繊維12に対する溶融熱可塑性樹脂の濡れ性を向上させることができるため、熱可塑性樹脂に強化繊維12を良好に含浸させて、強化繊維12と熱可塑性樹脂との界面の接着性を向上させることが可能になる。
また、本実施形態では、上記の通り、1個のプラズマ発生装置30を用いて、清浄化処理、前駆体膜形成工程、及び薄膜層形成工程を実施することができる。しかも、このプラズマ発生装置30を用いたプラズマCVD法は、大気圧下で行うことができるため、チャンバや排気ポンプ等の真空設備が不要であり、生産ラインに容易に取り入れることができる。従って、FRTPを製造するための設備を簡素化することや、設備投資も低廉化することが可能になる。また、バッチ処理によらずにFRTPを得ることができるため、大量生産の観点からも好ましい。さらに、強化繊維織物中において特に熱可塑樹脂との接着性改善が必要な箇所のみを選んでこれらの処理を行うことも容易である。
なお、1個のプラズマ発生装置30を用いることに代えて、清浄化処理、前駆体膜形成工程、薄膜層形成工程のそれぞれにおいて最適化したノズルを有する複数のプラズマ発生装置を組み合わせて用いるようにしてもよい。この場合、清浄化処理、前駆体膜形成工程、薄膜層形成工程を流れ作業として行うことができるため、FRTPを効率的に製造することが可能となる。
また、前駆体膜形成工程及び薄膜層形成工程を行うための手法は、プラズマ発生装置30を用いたプラズマCVD法に限定されるものではない。例えば、プラズマ発生装置30では、グロー放電により、イグニッションガスの一部をプラズマ化したが、グロー放電以外の電気放電や火炎等を利用してプラズマ化を行ってもよい。また、プラズマCVD法を実施する環境は、大気圧下に限られず、低圧、真空、不活性雰囲気であってもよい。
さらに、前駆体膜形成工程では、強化繊維12の表面に前駆体膜を形成することができればよく、プラズマに代えて、熱、光等を成膜のエネルギ源として出発材料を分解してもよい。また、物理的気相成長(PVD)法により前駆体膜を形成してもよい。薄膜層形成工程では、薄膜層を形成することができればよく、酸化剤による化学プロセスや、酸化雰囲気中での加熱、紫外光等の光照射、オゾン処理、コロナ放電等によって前駆体膜の酸化処理を行ってもよい。
このような手法により得られる本実施形態に係るFRTPでは、強化繊維12の表面にサイジング剤を塗布するための塗布処理工程を経る必要や、サイジング剤用の樹脂を用いる必要がない。従って、製造工程の簡素化や、製造コストの削減を図ることができる。しかも、有機溶媒等が熱可塑性樹脂に混入する懸念を払拭できるため、強化繊維12と熱可塑性樹脂との界面の接着性を一層着実に向上させることができる。
また、SiOx系ガラス膜は、孔径が1nm未満の微細孔が多数存在し、面粗度が比較的大きいため、実質的な表面積(比表面積)が、平面として計算される面積(平面積)よりも著しく大きい。このようなSiOx系ガラス膜からなる前駆体膜の表面に対して酸化処理を施すことにより、効率的に水酸基を化学修飾することができる。これによって、上記のように多くの水酸基を有する薄膜層を容易且つ効率的に得ることが可能となる。
以上から、本実施形態に係るFRTPでは、強化繊維12と熱可塑性樹脂との接着性を簡便に且つ低コストで高めることができ、これによって、強度や耐衝撃性等に優れた構造体を得ることができる。
本発明は、上記した実施の形態に特に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
[実施例1]
強化繊維として、綾織炭素繊維織物(CO6347B:東レ株式会社製)を400℃大気圧の乾燥窒素中で1時間熱処理して既存のサイジング剤を分解除去したものを選定した。この強化繊維の表面に対し、先ず、図1に示すプラズマ発生装置30を用いて清浄化処理を施した。具体的には、イグニッションガスを乾燥空気として3000リットル/時間で供給し、プラズマ電圧を300V、プラズマ電流を20Aとするジェネレータ設定でプラズマ放電を行った。この際、吐出孔42と処理対象面との距離(図1に示す照射距離L)を10mmとし、処理速度を5m/分として表面上を走査した。
次に、清浄化した強化繊維の表面に前駆体膜を形成するべく、イグニッションガスを乾燥窒素として1740リットル/時間で供給し、プラズマ電圧を283V、プラズマ電流を13Aとするジェネレータ設定でプラズマ放電を行った。また、120リットル/時間で供給した乾燥窒素をキャリアガスとし、85℃に保ったエバポレータを介して、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO:関東化学株式会社製)を40g/時間の速度で出発材料供給管46から導出した。これにより、ヘキサメチルジシロキサンを強化繊維の表面で重合させ、SiOx系ガラス膜からなる前駆体膜を形成した。この際、照射距離Lを10mmとし、処理速度を20m/分とした。また、出発材料供給管46は、原位置(市販時の位置)から4.5mm下方、すなわち、電極34から一層離間する位置に設定した。
次に、得られた前駆体膜に対し、プラズマガスによる酸化処理を施して薄膜層を形成した。具体的には、イグニッションガスとして乾燥空気を3000リットル/時間で供給し、プラズマ電圧を300V、プラズマ電流を20Aとするジェネレータ設定でプラズマ放電を行った。この際、照射距離Lを10mmとし、処理速度を20m/分とした。
以上により、水酸基が化学修飾された薄膜層が表面に形成された炭素繊維織物を得た。これを実施例1とする。実施例1に係る炭素繊維織物の単位重量当たりに含まれる水酸基を上記の測定方法により求めた結果、2.3×10-7mol/gであった。
[実施例1a〜1c]
実施例1の炭素繊維織物を4枚得て、互いの間に厚さ0.1mmのナイロン−6フィルム(ダイアミロンC:三菱樹脂株式会社製)を介装させつつ積層することにより、積層体を形成した。この際、積層方向に隣接する炭素繊維織物における繊維の配向方向を互いに直交させた。
次に、積層体を金型ホットプレス内にセットして、金型を270℃に昇温するとともに、該金型によるプレス圧力を10MPaとして10分間保持した。このようにして炭素繊維織物を熱可塑性樹脂に含浸させた後、金型を60℃まで降温して、FRTPからなる成形板を得た。この成形板から60×15mmの試験片を、その長手方向に対し、0°と90°に強化繊維が配向されるように切り出した。同様にして、合計3つの試験片を得て、それぞれ実施例1a、1b、1cとした。
[比較例1]
実施例1の製造工程のうち、清浄化処理のみを行って炭素繊維織物を得た。すなわち、前駆体膜形成工程及び薄膜層形成工程を省略した以外は実施例1と同様にして得た炭素繊維織物を比較例1とする。比較例1に係る炭素繊維織物の単位重量当たりに含まれる水酸基を上記の測定方法により求めた結果、9.4×10-8mol/gであった。
[比較例1a〜1c]
実施例1a〜1cと同様に、比較例1の炭素繊維織物に熱可塑性樹脂を含浸させてFRTPからなる成形板を得て、該成形板から合計3つの試験片を切り出した。これらの試験片をそれぞれ比較例1a、1b、1cとした。
[比較例2]
実施例1で選定した綾織炭素繊維織物をそのまま用いた。これを比較例2とする。比較例2に係る炭素繊維織物の単位重量当たりに含まれる水酸基を上記の測定方法により求めた結果、4.5×10-8mol/gであった。
[比較例2a〜2c]
実施例1a〜1cと同様に、比較例2の炭素繊維織物に熱可塑性樹脂を含浸させてFRTPからなる成形板を得て、該成形板から合計3つの試験片を切り出した。これらの試験片をそれぞれ比較例2a、2b、2cとする。
以上の実施例1、比較例1、2の炭素繊維織物からそれぞれフィラメントを抜き出した。そして、東栄産業株式会社製「HM410型復合材界面特性評価装置」を用い、210℃の窒素雰囲気下において、該フィラメントを熱溶融状態のナイロン−6(アミランCM1007:東レ株式会社製)に含浸し、引き上げた。これにより形成されたマイクロドロップレットについて、実施例1、比較例1、2の顕微鏡写真をそれぞれ図2、図3及び図4に示す。
マイクロドロップレットは、フィラメントの表面に対する溶融樹脂の濡れ性が低いほど縮径し、フィラメント上において分散する傾向がある。図2〜図4から、実施例1では、比較例1、2に比して、マイクロドロップレットの径が大きく均一であり、フィラメントの表面に対する熱可塑性樹脂の濡れ性が高いことが分かる。
次に、上記の実施例1、比較例1、2に係るフィラメントを窒素雰囲気下において室温まで降温し、マイクロドロップレットを硬化させた後、該フィラメントの移動のみを許容し、マイクロドロップレットの移動を阻止するブレードを配設する。そして、ブレード又はホルダの何れか一方を固定した状態で、ブレードと、ホルダとを0.12mm/分の速さで相対的に移動させることで、該ブレードによりマイクロドロップレットがフィラメントから剥離するまで荷重を加える。この際にマイクロドロップレットに作用する最大荷重を測定し、この値を測定前のマイクロドロップレットとフィラメントとの接触面積で除することで、実施例1、比較例1、2におけるフィラメントと熱可塑性樹脂との接着強度(界面せん断強度)をそれぞれ算出した。その結果を、図5に示す。
図5から、実施例1では、比較例1、2に比して界面せん断強度が大きく、フィラメントと熱可塑性樹脂とが良好に接着されていることが分かる。また、フィラメントに含まれる水酸基の量が多いほど、界面せん断強度を向上させることができるといえる。
次に、実施例1a〜1c及び比較例1a〜1c、2a〜2cの曲げ物性を3点曲げ試験(曲げ弾性率、曲げ強度)にて評価した。なお、測定には、株式会社島津製作所製の万能試験機(AG−5000)を使用し、この際の支点間距離を試験片板厚の40倍、試験速度を1mm/分とした。
実施例1a〜1cについて、上記の3点曲げ試験により曲げ弾性率をそれぞれ測定した。得られた結果の平均値を図6に示す。比較例1a〜1c、2a〜2cについても同様にして曲げ弾性率の平均値を求めた結果を図6に併せて示す。図6から、実施例1a〜1cでは、比較例1a〜1c、2a〜2cに比して曲げ弾性率が大きく、良好な曲げ剛性を示すことが分かる。
また、実施例1a〜1cについて、上記の3点曲げ試験により曲げ強度(最大曲げ強度)をそれぞれ測定した。得られた結果の平均値を図7に示す。比較例1a〜1c、2a〜2cについても同様にして曲げ強度の平均値を求めた。その結果を図7に併せて示す。さらに、上記の3点曲げ試験を行った後の実施例1a〜1c、比較例1a〜1c、2a〜2cの写真をそれぞれ図8、図9、図10に示す。
図7から、実施例1a〜1c及び比較例1a〜1c、2a〜2cでは、曲げ強度の値は互いに同程度であった。これは、上記の3点曲げ試験により得られる曲げ強度の値は、強化繊維と熱可塑性樹脂との界面の接着性よりも、試験片の長手方向の炭素繊維の強度に支配されるためである。このように、曲げ強度の値が同程度であるにも関わらず、図8〜図10に示すように、実施例1a〜1c及び比較例1a〜1c、2a〜2cの各試験片の破壊形態には大きな差があることが認められた。
すなわち、比較例1a〜1c、2a〜2cでは、最大強度を超えて一部の強化繊維が破断した時点で、急激に試験片の破断が進展した。つまり、試験片に脆性的な破壊が生じた。これに対し、実施例1a〜1cでは、最外層の強化繊維の一部のみが切断され、試験片は破断せずに湾曲した。つまり、試験片に延性的な破壊が生じた。
従って、実施例1a〜1cは、比較例1a〜1c、2a〜2cに比して延性破壊が生じ易い、換言すると、脆性破壊が生じ難いため、エネルギ吸収性や耐衝撃性に優れるといえる。
次に、実施例1aの試験片に対して、曲げ荷重をさらに付与して破断を生じさせた。これにより得られた実施例1aの試験片の破断面と、比較例1a、2aの試験片の破断面の走査型電子顕微鏡写真を図11、図12、図13にそれぞれ示す。図11から、実施例1aの試験片では、強化繊維の表面が良好に熱可塑性樹脂で覆われていることや、熱可塑性樹脂に、長手方向に対する配向方向が90°である強化繊維が接着していた痕が形成されていることが確認された。従って、実施例1aでは、強化繊維と熱可塑性樹脂とが良好に接着されている。
一方、図12及び図13から、比較例1a、2aの試験片では、表面が熱可塑性樹脂で覆われていない強化繊維や、強化繊維が抜き取られることで熱可塑性樹脂に形成された穴、及び強化繊維から熱可塑性樹脂が剥離することで形成される間隙等が多数存在していることが確認された。従って、比較例1a、2aでは、強化繊維と熱可塑性樹脂とが十分に接着されていない。
以上から、本実施形態に係るFRTPは、強化繊維と熱可塑性樹脂との界面の接着性を簡便に且つ低コストで高めることができ、これにより、曲げ剛性や、エネルギ吸収性及び耐衝撃性等に優れた構造体を得られることが明らかである。
12…強化繊維 30…プラズマ発生装置
32…ケーシング 34…電極
36…電源 38…インシュレータ
40…ノズル部材 42…吐出孔
44…ガス供給管 46…出発材料供給管

Claims (5)

  1. 強化繊維と、熱可塑性樹脂とを有する繊維強化熱可塑性樹脂であって、
    前記強化繊維の表面に、水酸基が化学修飾された薄膜層が形成され、
    前記強化繊維の単位重量当たりに含まれる前記水酸基が1×10-7mol/g以上であることを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂。
  2. 請求項1記載の繊維強化熱可塑性樹脂において、
    前記薄膜層は、前記水酸基が化学修飾されたSiOx系ガラス膜であることを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂。
  3. 強化繊維と、熱可塑性樹脂とを有する繊維強化熱可塑性樹脂の製造方法であって、
    前記強化繊維の表面に前駆体膜を形成する前駆体膜形成工程と、
    前記前駆体膜に対して酸化処理を施すことで、前記強化繊維の単位重量あたりに1×10-7mol/g以上の水酸基が化学修飾された薄膜層を形成する薄膜層形成工程と、
    を有することを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂の製造方法。
  4. 請求項3記載の製造方法において、前記前駆体膜形成工程では、出発材料に対してプラズマガスを接触させることで前記前駆体膜を形成することを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂の製造方法。
  5. 請求項3又は4記載の製造方法において、前記薄膜層形成工程では、前記前駆体膜に対してプラズマガスを接触させることで前記薄膜層を形成することを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂の製造方法。
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