JP6419012B2 - 使い捨て着用物品 - Google Patents

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本発明は、使い捨て着用物品に関する。
従来、ウエストベルトを備えた使い捨て着用物品は公知である。例えば、特許文献1には、吸収体を有するおむつ本体と、前後ウエスト域を連結するための一対のウエストベルトとを備えた使い捨て着用物品(使い捨ておむつ)が開示されている。一対のウエストベルトとおむつ本体とは、前後ウエスト域において、おむつの縦中心線に対して斜めに延びる一対の接合ラインを介して互いに接合されている。
特開平9−290003号公報
特許文献1に開示の使い捨て着用物品によれば、製造工程において、ウエストベルトをおむつ本体の搬送方向へ搬送することができ、おむつの構成材料をすべて同一方向に搬送して積層することができるので、高速の連続生産が可能であって製造効率性に優れる。また、接合ラインに複数の接合部が配置されていることによって所要の剥離強度を発揮し、着用中におけるウエストベルトとおむつ本体との分離が防止されている。
しかし、接合ラインを形成する接合部の形状、分布密度等は一様であって、剥離強度は全体的にほぼ同じである。かかる着用物品は、接合ラインが縦中心線に対して斜めに延びるという特異な態様を有することから、おむつを着用する際に、接合ラインの下端部には、それを引っ張り上げようとする力が他の部分に比して強く作用する。そのため、接合ラインの剥離強度を高く設定する必要があるが、接合ライン全体の剥離強度を高めるために接合部の面積を広くした場合には、接合ラインの剛性が過度に高くなって、着用者に違和感を与えるおそれがある。
そこで、本発明の課題は、従来の使い捨て着用物品の改良であって、着用中及び着用操作中にウエストベルトとおむつ本体とを連結する接合ラインの下端部が剥離するおそれのない使い捨て着用物品の提供にある。
本発明は、縦方向及び横方向を有し、前後ウエスト域と、前記前後ウエスト域間に位置するクロッチ域と、吸収体を有するおむつ本体と、前記前後ウエスト域を連結するための一対のウエストベルトと、ウエスト開口と一対のレッグ開口とを備える使い捨て着用物品に関する。
本発明に係る使い捨て着用物品は、前記一対のウエストベルトは、前記前後ウエスト域において、前記レッグ開口側から前記ウエスト開口側へ前記横方向の外側から内側へ向かうように傾斜する接合ラインを介して前記おむつ本体に接合されており、前記接合ラインは、前記ウエスト開口側に位置する上端部と、前記レッグ開口側に位置する下端部とを有し、前記下端部における前記縦方向の剥離強度は、前記上端部における前記縦方向の剥離強度よりも高く、前記上端部における前記横方向の剥離強度は、前記下端部における前記横方向の剥離強度よりも高いことを特徴とする。
本発明に係る使い捨て着用物品によれば、接合ラインにおいて、下端部における縦方向の剥離強度が上端部における縦方向の剥離強度よりも高いことから、着用中及び着用操作中に、下端部に縦方向に引っ張る力が強く作用しても、下端部を起点とした剥離が生じるのを抑制することができる。
図面は、本開示に係る本発明の特定の実施の形態を示し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
本発明の第1実施形態における使い捨て着用物品の一例として示す、使い捨ておむつの斜視図。 おむつを縦方向及び横方向に伸長させて、ウエストベルトの内面とおむつ本体の内面とを当接させた状態における平面図。 おむつの前後ウエスト域における接合ラインの接合を解き、おむつ本体とウエストベルトとを縦方向と横方向とに伸長した状態における展開平面図。 図2のIV−IV線に沿う概略的断面図。 図1においてVで囲んだ領域の一部拡大図。 (a)接合ラインの上端部の一部拡大図。(b)接合ラインの下端部の一部拡大図。 (a),(b)おむつを着用するときの様子を示す図。 変形例1における図5と同様の図。 (a)変更例1における接合ラインの上端部の一部拡大図。(b)接合ラインの下端部の一部拡大図。 変形例2における図5と同様の図。 変形例3における図5と同様の図。 (a)接合ラインに直交する方向の剥離強度の測定方法に関する、切り出すサンプルの様子を示す図。(b)ウエストベルトの横方向の剥離強度の測定方法に関する、切り出すサンプルの様子を示す図。(c1),(c2)ウエストベルトの縦方向の剥離強度の測定方法に関する、切り出すサンプルの様子を示す図。 (a)図12(a)で切り出したサンプルを引張試験機にセットした様子を示す図。(b)図12(b)で切り出したサンプルを引張試験機にセットした様子を示す図。(c)図12(c)で切り出したサンプルを引張り試験機にセットした様子を示す図。
下記の実施の形態は、本発明の使い捨て着用物品の一例である図1〜図13に示す使い捨ておむつ10に関し、発明の不可欠な構成ばかりではなく、選択的及び好ましい構成を含む。図2〜図4において、後述する各弾性体は、その収縮力に抗して、横方向X及び縦方向Yへの収縮力により、各弾性体が取り付けられた部材に生じたギャザーが自然な視覚によって実質的に無くなっているように見える程度にまで伸長された状態にある。
図1〜図4を参照すると、おむつ10は、縦方向Y及びそれに直交する横方向Xと、肌対向面及びその反対側の非肌対向面と、横方向Xの長さ寸法を2等分する縦中心線Pと、縦方向Yの長さ寸法を2等分する横中心線Qとを有し、前ウエスト域11と、後ウエスト域12と、前ウエスト域11および後ウエスト域12の間に位置するクロッチ域13とを含む。おむつ10は縦中心線Pに関してほぼ対称であって、ウエスト開口14と一対のレッグ開口15とを有する。
おむつ10は、吸収体23を有し縦方向Yに延びるおむつ本体16と、前後ウエスト域11,12を連結するための一対のウエストベルト17とを含む。一対のウエストベルト17は、縦中心線Pに関してほぼ対称に配置されており、レッグ開口15側からウエスト開口14側へ向かって縦中心線Pに近づく接合ライン(シールライン)18を介しておむつ本体16に接合される。接合ライン18は、おむつ本体10の後記の前後端縁16a,16bに沿って一定間隔で並ぶ複数の接合部19から形成される。接合部19は、公知の接合手段、例えば、熱エンボス加工、ソニック加工等の各種の熱溶着手段によって施されている。後記の本実施形態の効果を奏する限りにおいて、接合ライン18は、熱溶着手段のほかに、ホットメルト接着剤などの公知の接合手段を用いることもできる。
<おむつ本体>
おむつ本体16は、縦方向Yにおいて離間対向する前端縁16a及び後端縁16bと、横方向Xにおいて離間対向する両側縁16c,16dとによって画定されており、前端縁間16a間に位置する前端部20Aと、後端縁16b間に位置する後端部20Bと、前後端部20A,20Bの間に位置する中間部20Cとを有する。前後端縁16a,16bは、それぞれ、縦中心線Pに関してほぼ対称であって、縦方向Yの外側へ向かって凸状に延びている。前後端部20A,20Bは、それぞれ、おむつ10の前後ウエスト域11,12に位置し、中間部20Cはクロッチ域13に位置する。
おむつ本体16は、肌対向面に位置する透液性の内層シート21と、非肌対向面に位置する不透液性の外層シート22と、内外層シート21,22の間に位置する吸収体23と、吸収体23と外層シート22との間に位置する難透液性又は不透液性の防漏シート24とを含む。内外層シート21,22の両側には、横方向Xに互いに離間し縦方向Yへ延びる一対のサイドシート25が配置されている。
内層シート21は、略六角形状をなし、質量が約15〜35g/m、好ましくは約18〜24g/mの親水処理をした不織布で形成され、エアスルー等の短繊維不織布を使用することが好ましい。外層シート22は、質量が約10〜30g/m、好ましくは約15〜25g/mの疎水性のスパンボンド・メルトブローン・スパンボンド(以下SMSとする)繊維不織布またはスパンボンド繊維不織布から形成されていることが好ましい。
図3及び図4を参照すると、吸収体23は、縦方向Yの外側へ凸曲した前後端縁23a,23bと、前後端縁間に縦方向Yへ延びる凹曲状の両側縁23cとを有し、所要の形状に賦型された吸液性コアと、吸液性コアを覆うティッシュペーパ等の液拡散性のコアカバーシートとを含む。吸液性コアとしては、フラッフ木材パルプ、高吸収性ポリマー粒子、またはこれらの混合物を用いることができる。吸液性コアとコアカバーシートとは、ホットメルト接着剤等の公知の接合手段を用いて互いに接合することができる。
防漏シート24は、少なくとも吸収体23の非肌対向面(底面)の全体を覆うように配置されており、吸収体23と外層シート22との間において、ホットメルト接着剤等の公知の接合手段によって接合することができる。防漏シート24としては、例えば、難透液性、好ましくは、不透液性かつ通気性のプラスチックフィルムを用いることができ、防漏シート24が吸収体23の非肌対向面の全体を覆うことによって、吸収体23で吸収された体液がおむつ10の外側に漏れるのを防止することができる。図示していないが、防漏シート24に絵柄や色彩等の装飾要素を有するシートを用いて、所要の光線透過率を有する外層シート22から装飾要素を透過させることもできる。
一対のサイドシート25は、吸収体23の横方向Xの両側に配置されており、防漏シート24と内層シート21との間において、ホットメルト接着剤等の公知の接合手段によって接合されている。サイドシート25は、吸収体23側に位置する第1シート25Aと外層シート22側に位置する第2シート25Bとから形成され、両シート25A,25Bはホットメルト接着剤等の公知の手段によって接合されている。サイドシート25としては、例えば、質量が約10〜30g/mの疎水性のSMS繊維不織布またはスパンボンド繊維不織布を用いることができる。また、第2シート25Bの横方向Xの外側縁部27は、肌対向面側に折り返されたスリーブ状をなし、その内部には複数条のレッグ弾性体26が配置される。レッグ弾性体26は、おむつ本体16の前端縁16aから後端縁16bまでの間において縦方向Yへ伸長状態で収縮可能に取り付けられた複数条のストリング状またはストランド状の弾性材料から形成される。おむつ本体16の両側部にレッグ弾性体26が配設されることによって、吸収体23の両側縁23cの横方向Xの外側部分には、レッグ弾性域40が形成される。レッグ弾性域40は、前ウエスト域11に位置する接合ライン(前側接合ライン)18から後ウエスト域12に位置する接合ライン(後側接合ライン)18まで延びている。サイドシート25は、レッグ弾性体26が伸長状態で収縮可能に取り付けられる限りにおいて、一枚の繊維不織布から形成してもよいし、外層シート22の延出部分から形成してもよい。
<ウエストベルト>
ウエストベルト17は、幅方向及び長手方向と、接合ライン18を介しておむつ本体16に接合された両端縁(前後端縁)と、ウエスト開口縁を形成する第1側縁と、おむつ本体16の両側縁16c,16dとともにレッグ開口15を形成する第2側縁とを有し、第2側縁が第1側縁よりも長さ寸法が大きく、略台形状をなしている。
ウエストベルト17は、肌対向面に位置する内面シート31と、非肌対向面に位置する外面シート32と、内外面シート31,32間においてその長さ方向へ伸長状態で収縮可能に配置された複数条のウエスト弾性体33とをさらに含む。ウエストベルト17は、ウエスト弾性体33が配置されることによって、その長さ方向へ伸縮可能なウエスト弾性域を有する。ウエスト弾性域は、前ウエスト域11に位置する接合ライン18から後ウエスト域12に位置する接合ライン18まで延びている。本実施形態において、一対のウエストベルト17の第1側縁は互いに縦中心線P上において接している。ウエストベルト17がかかる構成を有することによって、縦中心線P上において連続する1つの弾性パネルから形成することができる。かかる場合には、一対のウエストベルト17を別体に形成する場合よりも、さらに製造工程を簡易にすることができる。ただし、一対のウエストベルト17は、その第1側縁どうしが横方向において互いに離間していてもよい。かかる場合には、おむつ本体16の傾斜縁の長さ寸法がウエストベルト17の両端縁の長さ寸法よりも大きくなり、交点45はウエストベルト17から上方へ突出するような先鋭状を有する。
内外面シート31,32としては、例えば、質量が約10〜30g/mのスパンボンド繊維不織布、SMS繊維不織布等を用いることができる。ウエスト弾性体33としては、幅方向において互いに離間し、長手方向へ伸長状態で収縮可能に取り付けられた複数本のストリング状またはストランド状の弾性体を用いることができる。なお、ウエスト弾性体33はこれに限られず、例えば、帯状またはシート状の弾性体を取り付ける構成であってもよい。各シート間における接合には、図示しないホットメルト接着剤等や熱溶着手段等の公知の接合手段を用いることができる。
図5を参照すると、ウエストベルト17は、第1側縁側がレッグ開口14側、第2側縁側がウエスト開口15側となるように接合ライン18を介しておむつ本体16の前後端部20A,20Bに伸長状態で収縮可能に接合される。接合ライン18は、おむつ本体16とウエストベルト17との境界線18aと外側縁18bとを有し、縦中心線Pに関して対称となるように配置された一対の直状の第1ラインと第2ラインとから形成される。第1ラインと第2ラインとの交点45は、縦中心線P上に位置している。前ウエスト域11側に位置する接合ライン18の第1ライン(又は第2ライン)と縦中心線Pとの交角である第1交角θ1は、後ウエスト域12に位置する第1ラインと縦中心線Pとの交角である第2交角θ2よりも大きくなっている。
このように前後ウエスト域11,12において接合ライン18と縦中心線Pとのなす交角θ1,θ2の値が異なることで、着用時においておむつ10の前側(腹側)と後側(背側)とを容易に識別することができる。また、接合ライン18の交角θ1,θ2を相違させてウエスト弾性域の当接される領域を前後ウエスト域11,12において変えることによって、前ウエスト域11側においては接合ライン18が大腿部の付け根に沿うように下方へハの字状に延びてウエストベルト17が横方向Xの外側へ向って僅かに上方へ延びる形状となる一方、後ウエスト域側においては接合ライン18が仙骨の両側辺りに沿うように前ウエスト域側に比してわずかに先鋭状に下方へハの字状に延びてウエストベルト17が横方向の外側へ僅かに下方に延びる形状となり、おむつ10を身体形状に沿ってフィットさせることができる。なお、本実施形態において、おむつ本体16の前後端縁16a,16bが先鋭状を有し、その外形に沿って接合ライン18が位置しているが、おむつ本体16が縦長矩形状であってもよい。かかる場合には、接合ライン18は前後端縁16a,16bに沿って配置されず、前後端部20A,20Bを縦断するように縦方向Yの外側へ向かって凸状に延びる。
本実施形態において、接合ライン18は、縦中心線Pに関して対称となるように配置された一対の直状の第1ラインと第2ラインとから形成されており、それらの交点45が縦中心線P上に位置しているが、本発明の効果を奏する限りにおいて、接合ライン18は、レッグ開口15側からウエスト開口14側へ横方向Xの外側から内側へ向かうように傾斜していればよい。すなわち、交点45が縦中心線P上ではなく、おむつ10の正面から視て左右のいずれかにずれて位置していてもよいし、その場合には、接合ライン18の一部が縦中心線Pと交差する。また、図示していないが、おむつ10の製造工程において、おむつ本体16とウエストベルト17とを1つの積層体から形成することができる。すなわち、おむつ本体16に対応する中央部と、中央部の両側にウエストベルト17に相当する弾性両側部とを有する積層体を機械方向へ搬送しながら、中央部と弾性両側部との境界近傍において機械方向へ延びるくり抜き開口を形成することによってレッグ開口15を形成し、レッグ開口15を縦断する折曲線に沿って弾性両側部を中央部に向かって折り曲げて、機械方向において互いに対向するシールライン(接合ライン18に相当)で互いに接合することによって、おむつ10を形成することができる。このような製造工程によれば、おむつ本体16とウエストベルト17とが一体の積層体から形成されるので、それらが別体から形成される場合に比して、接合ライン18における下端部62のシート強度を高くすることができる。
かかる配置態様を有する接合ライン18は、ウエスト開口14側に位置する上端部61と、レッグ開口15側に位置する下端部62と、上端部61と下端部62との間に位置する中間部63とを有する。接合ライン18は、複数の接合部19と、接合部19が配置されていない部分である非接合部85とを有する。接合ライン18は、その長さ寸法L3及び/又は面積が3等分に区分されていてもよいが、中間部63を有さずに、上下端部61,62との2つに区分されていてもよい。本実施形態においては、上端部61と下端部62とは、ほぼ同等の長さ寸法及び面積を有するものであって、例えば、それぞれ、接合ライン18の長さ寸法L3の約25〜50%の大きさ及び/又は、その全体面積のうちの約20〜50%の面積を有する。本発明の効果を有する限りにおいて、上端部61よりも下端部62の面積が大きくてもよいし、下端部62の面積が上端部61のそれよりも大きくてもよい。なお、以下においては、接合ライン18のうちの一方側のライン(第1ライン)の接合部19の構成について説明するが、他方側のライン(第2ライン)も同様の特徴構成を有している。また、前後ウエスト域11,12の接合ライン18のうちの少なくとも一方が、接合部19の特徴構成を有していればよいが、後記の技術的効果を考慮すれば、前ウエスト域11の接合ライン18がかかる特徴構成を有することが好ましい。また、上端部61と下端部62とは、それぞれ、最も力のかかりやすいウエスト開口14及びレッグ開口15の開口縁から約30mmの幅寸法(長さ方向Kの寸法)を有する領域を意味し、これらの領域内において、後記の関係にある上下接合部19A,19Bが少なくとも1つずつ存在していればよい。
図5及び図6(a),(b)を参照すると、上接合部19Aは、縦長の楕円形状であって、縦方向Yの長さ寸法M1が約0.7〜3.0mm、横方向Xの長さ寸法(幅寸法)N1が約0.5〜1.5mmである。下接合部19Bは、横長の矩形状であって、横方向Xの長さ寸法M2が約1.0〜3.0mm、縦方向Yの寸法(幅寸法)N2が約0.5〜1.5mmである。上接合部19Aと下接合部19Bとは、ほぼ同じ面積であって、上端部61と下端部62とにおける所定面積当たりの上下接合部19A,19Bの面積率は、ほぼ同じである。
図7(a)を参照すると、接合ライン18のレッグ開口15側に位置する下端部62では、おむつ10を引き上げる際に、引き上げようとする力とウエスト弾性体33の収縮作用によってウエスト周り方向へ引っ張ろうとする力が集中し、該部分を起点として破れが生じやすくなる。また、着用する前に、ウエスト開口14を拡げた状態で脚部を通すので、接合ライン18のウエスト開口14側に位置する上端部61には、横方向Xへ引っ張る力F1が作用する。
通常のプルオン(パンツ型)おむつであれば、前後ウエストベルトを連結する接合ラインが縦方向Yへほぼ並行して延びており、着用者がおむつの両側部を掴んで引っ張り上げる場合には、把持する部分(力の作用点)と接合ラインとが近接しており、また、上方に当接する体の部位もなく、大腿部に沿って引き上げるのみであるから、接合ラインの下端部に引っ張り力が集中することはない。本実施形態のおむつ10においては、接合ライン18がレッグ開口15側からウエスト開口14側に縦中心線Pへ向かって斜めに延びていることによって、下端部62が大腿部の付け根に当接した状態となるので、おむつ10を上方へ引っ張ろうとすると、上方に位置する大腿部の一部が当接して下端部62の移動が阻止され、さらに引っ張り上げることによって上方へ向かう引っ張り力F2が局所的に集中して作用することになる。また、ウエストベルト17全体を把持して引き上げるので、接合ライン18全体には、その長さ方向Kと直交する方向(斜め上方)に向かう引っ張り力F3が作用される。
図7(b)を参照すると、さらに、下端部62が大腿部の付け根を通過して適正な位置に移動する際にも、下端部62には、上方に引っ張り力F2が作用するとともに、レッグ弾性域40が伸長されて下方へ引っ張ろうとする力が作用し、さらには、ウエスト弾性体33がウエスト周り方向へ伸長されることから、下端部62にはこれらの力が集中して破れ易くなる。このように、一連の着用操作において、下端部62には局所的にそれを剥離しようとする力が作用するので、下端部62はそれらの力によっても剥離しない程度の接合強度を要する。特に、接合ライン18においては、ウエストベルト17の内面9とおむつ本体16の内面8どうしが互いに合掌状に接合されていることから(図1参照)、一方の外面と他方の内面とが積層された状態で接合されている場合に比して、剥離し易くなっている。また、接合ライン18全体には、横方向Xへ引っ張る力F1と長さ方向Kに直交する方向へ引っ張る力F3とが作用される。
このように、接合ライン18には、それをi)レッグ開口15側からウエスト開口14側へ縦方向Yに引っ張り上げようとする力F1、ii)横方向Xの内側から外側へ引っ張ろうとする力F2、iii)接合ライン18に対して直交する方向へ引っ張ろうとする力F3が作用される。既述のとおり、縦方向Yに引っ張る力F1は、下端部62に最も強く(最初に)作用するので、下端部62は縦方向Yの剥離強度が高いことが好ましい。また、横方向Xに引っ張る力F2は、上端部61に最も強く(最初に)作用するので、上端部61は横方向Xの剥離強度が高いことが好ましい。さらに、中間部63には、境界線18aの長さ方向Kに直交する方向に引っ張る力F3が最も強く(最初に)作用されるので、中間部63には直交する方向の剥離強度が高いことが好ましい。なお、図7(a),(b)においては、接合ライン18のうちでこれら引っ張り力F1〜F3のそれぞれが最も強く及び/若しくは最初に作用する部分において矢印で示しているが、引っ張り力F1〜F3は接合ライン18全体に作用するものといえる。
本実施形態においては、上接合部19Aは縦長の楕円形状を有して縦方向Yへ複数並んでおり、下接合部19Bは、横長の矩形状であって、横方向Xに複数並んでいる。ここで、「上接合部19Aが縦方向Yへ複数並んでいる」とは、任意の上接合部19Aと同一幅(上接合部19Aが円形の場合には、直径)を有する、任意の上接合部19Aを中心として互いに交差する、縦方向Yへ延びる縦断域Sと横方向Xへ延びる横断域Sにおいて、縦断域Sに位置する上接合部19Aの総面積と、横断域Sに位置する上接合部19Aの総面積とを比較したときに、前者が後者よりも大きいことを意味する。また、「下接合部19Bが横方向Xへ延びて複数並んでいる」とは、任意の下接合部19Bと同一幅を有する、任意の下接合部19Bを中心として互いに交差する、縦方向Yへ延びる縦断域Sと横方向Xへ延びる横断域Sとにおいて、縦断域Sに位置する下接合部19Bの総面積と、横断域Sに位置する下接合部19Bの総面積とを比較したときに、後者が前者よりも大きいことを意味する。また、縦横断域S〜Sは、所定幅を有する領域でなくてもよく、直線であってもよい。かかる場合には、例えば、任意の下接合部19Bの中心を通って横方向Xへ延びる横断線が複数(又は単数)の下接合部19Bと重なる横断線上の長さ寸法の合計と、その中心を通って縦方向Yへ延びる縦断線が複数(又は単数)の下接合部19Bと重なる縦断線上の長さ寸法の合計とを対比した場合に、前者が後者よりも大きいときには、下接合部19Bは横方向Xに並んでいるといえる。
再び、図6(a)を参照すると、縦断域S内には、3つの上接合部19Aの全体が位置するのに対し、横断域Sには、任意の上接合部19Aを含めて複数の上接合部19Aの一部のみが位置している。また、図6(b)を参照すると、横断域Sに位置する下接合部19Bの数は3つであってそれらのほぼ全域が位置しているのに対し、縦断域Sには、3つの下接合部19Bの一部のみが位置している。したがって、上下端部61,62における上下接合部19A,19Bの配置パターンは、前記のように定義することができる。
上端部61においては、縦方向Yに並んだ複数の上接合部19Aから構成された接合部群を形成し、下端部62においては、横方向Xに並んだ複数の下接合部19Bから構成された接合部群を形成していることから、上端部61では縦方向Yの剥離強度よりも横方向Xの剥離強度が高くなり、下端部62では、横方向Xの剥離強度よりも縦方向Yの剥離強度が高くなるようにされている。それによって、下端部62に縦方向Yに引っ張る力F1が強く作用しても下接合部19Bの接合が解除されるのを抑制することができる。
ここで、上接合部19Aと下接合部19Bとの個別の面積がほぼ同じであることを前提にすれば、下端部62の横断域Sに位置する下接合部19Bの総面積と、上端部61の横断域Sに位置する下接合部19Bの総面積とを対比すると、前者の方が後者よりも大きくなっている。したがって、下端部62における縦方向Yの剥離強度が、上端部61における縦方向Yの剥離強度よりも高いといえ、下端部62にそれを上方に引っ張ろうとする力F1が作用しても、容易に剥離することはない。一方、上端部61における縦方向Yの剥離強度が相対的に低くても、上端部61には上方へ引っ張る力F1が強く(最初に)作用することはないので、剥離するおそれはない。
また、上端部61の縦断域Sに位置する上接合部19Aの総面積と、下端部62の縦断域Sに位置する下接合部19Bの総面積とを対比すると、前者の方が後者よりも大きくなっている。したがって、上端部61における横方向Xの剥離強度が、下端部62における横方向Xの剥離強度よりも高いといえ、上端部61にそれを横方向Xの内側から外側へ向かって引っ張る力F2が作用しても、容易に剥離することはない。一方、下端部62における横方向Xの剥離強度が相対的に低いとしても、下端部62には横方向Xへ引っ張る力F2が強く(最初に)作用することはないので、剥離するおそれはない。
接合ライン18の全域に、例えば非接合部85がほぼ存在しない程度に、密に接合部19を配置して、上下端部61,62における全方向の剥離強度を高めることによって、同様の効果を得ることもできるが、その場合には、接合部19において溶着されたシート部材が硬化するので、接合ライン18全体の剛性が過度に高くなって、着用者に違和感を与えるおそれがある。したがって、本実施形態のように、下端部62においては、縦方向Yの剥離強度、上端部61においては横方向Xの剥離強度が高くなるように独立した上下接合部19A、9Bの大きさ、形状、配列パターン及び分布密度等を調整することによって、接合ライン18全域の剛性が過度に高くなるのを抑えつつ、接合ライン18の部分ごとに適した方向の剥離強度を発揮することができる。
図6(a)を参照すると、上端部61の横方向Xの剥離強度を比較的に高くするためには、縦方向Yにおいて隣接する上接合部19A間の縦方向Yの離間寸法R1はできるだけ小さいことが好ましく、例えば、離間寸法R1は、1.0〜2.0mmであることが好ましい。一方、横方向Xにおいて隣接する上接合部19A間の横方向Xの離間寸法R2が小さい場合には、境界線18aからシート破れが生じたときに、上接合部19Aをつたってシートの破断ラインが横方向Xの外側へ延びていくおそれある。したがって、上接合部19A間の横方向Xの離間寸法R2はできるだけ大きいことが好ましく、具体的には、少なくとも、1.5mm以上、1.5〜3.5mmの範囲内であることが好ましい。
図6(b)を参照すると、下端部62の縦方向Yの剥離強度を比較的に高くするためには、横方向Xにおいて隣接する下接合部19B間の横方向Xの離間寸法R3はできるだけ小さいことが好ましく、具体的には、離間寸法R3は0.5〜1.5mmであることが好ましい。一方、縦方向Yにおいて隣接する下接合部19B間の縦方向Yの離間寸法R4が小さい場合には、レッグ開口15側からシート破れが生じたときに、下接合部19Bをつたってシートの破断ラインが上方へ延びていくおそれがある。したがって、下接合部19B間の縦方向Yの離間寸法R4はできるだけ大きいことが好ましく、具体的には、少なくとも1.0mm以上、1.0〜3.0mmの範囲内であることが好ましい。
下端部62においてレッグ弾性体26とウエスト弾性体33とが互いに重なる場合には、相互の収縮力によってレッグ開口周りにおいて反対方向へ引っ張り合って、よりそれを破断させようとする力が作用する。したがって、かかる重なる領域において、両弾性体26,33を互いに平面視において重ならないように配置することによって、それらが平面視において重なっている場合に比して、互い反対方向へ引っ張る力が直接的に作用し合うことはなく、それを破断させようとする力の集中を避けることができる。
また、レッグ弾性域とウエスト弾性体33の配置されたウエスト弾性域との重なる領域において、両弾性域の単位面積当たりの伸長応力をほぼ同等にすることが好ましい。かかる場合には、レッグ開口周りにおいて連続するレッグ弾性域とウエスト弾性域とが同じ伸長応力によって身体を締め付けることによって、レッグ開口周りにおける局所的な伸長応力の変化による隙間の発生を防止し、排泄物の横漏れをさらに効果的に防止しうる。このように、レッグ弾性域とウエスト弾性域とが互いに重なる領域においてそれらの伸長応力をほぼ同等とするためには、レッグ弾性体26とウエスト弾性体33との本数、繊度、ピッチを適宜調整する必要がある。
図示してないが、下端部62に位置する下接合部19Bが上端部61に位置するうえ接合部19Aよりも大きく、かつ、下接合部19Bの総面積が上接合部19Aのそれよりも大きいことが好ましい。かかる場合には、下端部62の接合強度が上端部61の接合強度よりも高く、下端部62に対して着用操作中にそれを剥離しようとする力が作用しても容易に剥離することはない。また、接合ライン18全体を下端部62と同様に、所定の接合強度を有するように接合面積を比較的に大きくした場合には接合ライン18全体の剛性が比較的に高くなって、着用者が前屈みになったとき等に違和感を与えたりするおそれがある。特に、上端部61の剛性が比較的に高い場合には、ウエスト開口14へ向かって凸状をなす交点45近傍が身体に触れたときに刺激を与えるおそれがある。
中間部63には、下接合部19Bと同様に矩形状を有する複数の中間接合部19Cが配置されている。中間接合部19Cは、長さ方向Kに並んで配置されている。中間接合部19Cが、長さ方向Kに並んで配置されていることによって、長さ方向Kに直交する方向に引っ張る力F3に対する剥離強度が高くなっている。ただし、中間接合部19Cは、縦方向Y及び/又は横方向Xへ並んで配置されていてもよく、中間接合部19Cの形状、配置パターン等を適宜変更することによって、接合ライン18全体の剛性や一定方向に対する剥離強度を適切にコントロールすることができる。
<変更例1>
図8は、変更例の一例である、変更例1の図5と同様の図、図9(a)は、変更例1における接合ライン18の上端部61の一部拡大図、(b)接合ライン18の下端部62の一部拡大図である。
図8及び図9(a),(b)を参照すると、本変更例においては、上下接合部19A,19Bが同形同大のドット状であって、上接合部19Aは、縦方向Yへ複数並んでおり、下接合部19Bは、横方向Xに複数並んでいる。
図9(a)を参照すると、任意の外端接合部19Aの直径Dと同一幅を有する縦方向Yへ延びる縦断域Sに位置する上接合部19Aの数は5つであるのに対し、横断域Sには、任意の上接合部19Aとそれ以外の2つの上接合部19Aの一部が位置しているのみである。また、図9(b)を参照すると、任意の内端接合部19Bの直径と同一幅を有する横断域S域内に位置する下接合部19Bは5つであるのに対し、縦断域S内には任意の下接合部19Bとそれ以外の2つの下接合部19Bの一部が位置するのみである。
上端部61においては、縦方向Yに並んだ複数の上接合部19Aから構成された接合部群を形成し、下端部62においては、横方向に並んだ複数の下接合部19Bから構成された接合部群を形成することができる。上接合部19Aと下接合部19Bとは同形同大であって、下端部62の接合部群が横方向Xへ延びる一方、上端部61の接合部群が縦方向Yへ延びていることから、下端部62の縦方向Yの剥離強度は上端部61のそれよりも高く、上端部61の横方向Xの剥離強度は下端部62のそれよりも高いといえる。また、下端部62においては、縦方向Yの剥離強度が横方向の剥離強度よりも高く、上端部61においては、横方向Xの剥離強度が縦方向Yの剥離強度よりも高くなっている。
<変更例2>
図10は、変更例の一例である、変更例2の図5と同様の図である。
図10を参照すると、本変更例においては、上端部61において、横方向Xにおいて互いに離間する、縦方向Yに延びる複数の上接合部19Aが、接合ライン18の外側縁18bから境界線(内側縁)18aまで連続して延びている。また、下端部62において、縦方向Yにおいて互い離間する、横方向Xへ延びる複数の下接合部19Bが、接合ライン18の外側縁18bから境界線18aまで連続して延びている。上接合部19Aと下接合部19Bとの本数、離間寸法及び総面積はほぼ同じである。かかる上下接合部19A,19Bの配置パターンにおいても、下接合部19Bが横方向Xへ延びる一方、上接合部19Aが縦方向Yへ延びていることから、下端部62の縦方向Yの剥離強度は上端部61のそれよりも高く、上端部61の横方向Xの剥離強度は下端部62のそれよりも高いといえる。また、下端部62においては、縦方向Yの剥離強度が横方向の剥離強度よりも高く、上端部61においては、横方向Xの剥離強度が縦方向Yの剥離強度よりも高くなっている。なお、中間部63の中間接合部19Cは、接合ライン18の長さ方向において、上接合部19Aと同様に接合ライン18の幅方寸法全域に延びる縦断部分と下接合部19Bと同様に横方向へ延びる横断部分とが交互に配置された形状を有する。中間接合部19Cがかかる形状を有することによって、中間部19Cでは、縦方向Yと横方向Xとにおいてほぼ同等の剥離強度を有するといえる。
<変更例3>
図11は、変更例の一例である、変更例3の図5と同様の図である。
本変更例の接合ライン18において、上端部61の上接合部19Aと下端部62の下接合部19Bとが、それぞれ、外側縁18bから境界線18aまで縦方向Yへ延びる複数の縦断部分と横方向へ延びる複数の横断部分とを有する。上下端部61,62の縦断部分と横断部分とはその幅寸法が同じであって、上端部61においては、縦断部分の本数が横断部分の本数よりも多く、下端部62においては、横断部分の本数が縦断部分の本数よりも多くなっている。かかる上下接合部19A,19Bの配置パターンにおいても、下接合部19Bのうちの横断部分の面積が上接合部19Aの横断部分の面積よりも大きく、かつ、上接合部19Aのうちの縦断部分の面積が下接合部19Bのうちの縦断部分の面積よりも大きいことから、下端部62の縦方向Yの剥離強度は上端部61のそれよりも高く、上端部61の横方向Xの剥離強度は下端部62のそれよりも高いといえる。また、下端部62においては、縦方向Yの剥離強度が横方向の剥離強度よりも高く、上端部61においては、横方向Xの剥離強度が縦方向Yの剥離強度よりも高くなっている。
以上のように、実施形態及び各変更例において、おむつ10は、着用中及び着用操作中に接合ライン18に作用する複数の引っ張り力F1〜F3によって剥離が生じないようにするために、接合部19の大きさ、形状、組み合わせ及び配置パターンを部分ごとに変更している。その結果、接合部19の剥離が抑制されているが、接合ライン18が、これらの引っ張り力に抗して剥離を防ぐために、接合ライン18全域におけるその長さ方向Kに直交する方向の剥離強度(上下端部61,62と中間部63との剥離強度の平均値)、上端部61の横方向Xの剥離強度及び下端部62の縦方向Yの剥離強度が、それぞれ、少なくとも10N/25mmであって、15N/25mm以上であることが好ましい。接合ライン18が剥離強度を有することによって、接合ライン18は、おむつ10の着用操作中及び着用中において、不用意にその一部が剥離したり破断したりするおそれはない。
また、図示していないが、ウエスト開口14の縁部とレッグ開口15の縁部とのうちの少なくとも一方において、ウエストベルト17及び/又はおむつ本体16の一部を内面側に折り曲げて固定してもよい。このように、ウエスト開口14及び/又はレッグ開口15の縁部を複数のシート部材で形成することによって、接合ライン18の上下端部61,62の剥離強度を高くすることができる。また、それらの縁部に別体の補強シートを配置してもよいし、上下端部61,62にのみ補強シートを配置してもよい。
<ウエストベルトの剥離強度の測定方法>
図12(a)〜(c)は、図3においてXIIで示した部分の拡大図であって、図12(a)は、接合ライン18に直交する方向の剥離強度の測定方法に関する、切り出すサンプルの様子を示す図、図12(b)は、ウエストベルト17の横方向Xの剥離強度の測定方法に関する、切り出すサンプルの様子を示す図、図12(c1),(c2)は、ウエストベルト17の縦方向Yの剥離強度の測定方法に関する、切り出すサンプルの様子を示す図である。図13(a)は、図12(a)で切り出したサンプルを引張試験機にセットした様子を示す図、図13(b)は、図12(b)で切り出したサンプルを引張試験機にセットした様子を示す図、図13(c)は、図12(c1),(c2)で切り出したサンプルを引張り試験機にセットした様子を示す図である。なお、図12(a)〜(c2)及び図13(a)〜(c)において、説明の便宜上、ウエスト弾性体33については、省略している。
ウエストベルト17の剥離強度の各測定は、それぞれ、島津製作所株式会社製のオートグラフ試験機(AG−X10plus)を用いて測定した。図12(a)〜図12(c)は、図3において一点鎖線XIIで囲んだ領域の拡大図である。なお、以下においては、後ウエスト域12側の接合ライン18に関する剥離強度のみを測定しているが、前ウエスト域11側の接合ライン18も同様の剥離強度を有する。ここで、「ウエストベルト17の剥離強度」は、ウエストベルト17の剥離が開始する時点からウエストベルト17がおむつ本体16から完全に分離するまでの間における最大の引っ張り力(N/25mm)を意味する。
<直交する方向の剥離強度>
図12(a)及び図13(a)を参照すると、前ウエスト域11側の接合ライン18の接合を解除してウエストベルト17を横方向Xに伸展した状態において、境界線18aと交差して長さ方向Kに直交する方向へ延びる細長矩形片をおむつ10から切り出してサンプルとした。サンプルは、25mm幅であって、ウエストベルト17の固定部35と自由部36とを含む第1部分93とおむつ本体16から形成された第2部分94とを有する。第1部分93と第2部分94とは、同形同大であって、ウエストベルト17を展開する前の状態において、それらの一部が厚さ方向Zにおいて互いに重なる。切り出したサンプルにおいて、第1部分93のうちの自由部36からなる第1シート片93aを一方のチャック(可動治具)95に把持し、第2部分94を他方のチャック(固定治具)96に把持した状態で、サンプルをオートグラフ試験機にセットし、引っ張り速度1000mm/minにおけるサンプルの剥離強度(最大強度)を求めた。チャック幅は約50mmであって、サンプルについて25mm幅で切り出すことができない場合には、測定結果に基づいて25mm幅に換算して算出する。図12(a)に示すように、上下端部61,62及び中間部63においてサンプルを切り出し、それぞれの直交方向における剥離強度を求め、平均した値を境界接合域の直交する方向の剥離強度(N/25mm)とした。
<横方向の剥離強度>
図12(b)及び図13(b)を参照すると、ウエストベルト17を横方向Xへ展開した状態の上下端部61,62近傍において、境界線18aと交差して横方向Xへ延びる細長矩形片をおむつ10から切り出してサンプルとした。サンプルは、25mm幅であって、ウエストベルト17の固定部35と自由部36とを含む第1部分93とおむつ本体14から形成された第2部分94とを有する。第1部分93と第2部分94とは、ウエストベルト17が展開する前の状態において、それらの一部が厚さ方向Zにおいて互いに重なる。切り出したサンプルにおいて、第1部分93のうちの自由部36から形成されたシート片93aを一方のチャック(可動治具)95に把持し、第2部分94を他方のチャック(固定治具)96に把持した状態で、サンプルをオートグラフ試験機にセットし、直交方向の剥離強度の測定と同一条件で測定して横方向Xの剥離強度(N/25mm)とした。
<縦方向の剥離強度>
図12(c1),(c2)及び図13(c)を参照すると、ウエストベルト17を伸展する前の状態の上下端部61,62近傍において、境界線18aと交差して縦方向Yへ延びる細長矩形片をおむつ10から切り出してサンプルとした。サンプルは、25mm幅であって、ウエストベルト17の固定部35と自由部36と含む第1部分93と、それと厚さ方向Zにおいて対向する、おむつ本体16からなる第2部分94とを有する。ウエストベルト17を弛緩して縦方向Yの外側へ伸展した状態において、第1部分93を一方のチャック(可動治具)95で把持し、第2部分94を他方のチャック(固定治具)96で把持した状態で、サンプルをオートグラフ試験機にセットし、該サンプルを直交する方向の剥離強度の測定と同様の条件で測定して、それぞれの縦方向の剥離強度(N/25mm)を求めた。
おむつ10を構成する各構成部材には、本明細書に記載されている材料のほかに、この種の物品において通常用いられている各種の公知の材料を制限なく用いることができる、また、本発明の明細書及び特許請求の範囲において、「第1」および「第2」の用語は、同様の要素、位置などを単に区別するために用いられている。
以上の記載した本発明に関する開示は、少なくとも下記事項に整理することができる。
縦方向及び横方向を有し、前後ウエスト域と、前記前後ウエスト域間に位置するクロッチ域と、吸収体を有するおむつ本体と、前記前後ウエスト域を連結するための一対のウエストベルトと、ウエスト開口と一対のレッグ開口とを備える使い捨て着用物品において、前記一対のウエストベルトは、前記前後ウエスト域において、前記レッグ開口側から前記ウエスト開口側へ前記横方向の外側から内側へ向かうように傾斜する接合ラインを介して前記おむつ本体に接合されており、
前記接合ラインは、前記ウエスト開口側に位置する上端部と、前記レッグ開口側に位置する下端部とを有し、前記下端部における前記縦方向の剥離強度は、前記上端部における前記縦方向の剥離強度よりも高く、
前記上端部における前記横方向の剥離強度は、前記下端部における前記横方向の剥離強度よりも高いことを特徴とする。
上記段落0061に開示した本発明は、少なくとも下記の実施の形態を含むことができる。
)前記下端部における前記縦方向の剥離強度は、少なくとも10N/25mmである。
)前記上端部における前記横方向の剥離強度は、少なくとも10N/25mmである。
)前記下端部は、互いに離間して配置された複数の接合部を有する。
)前記上端部は、互いに離間して配置された複数の接合部を有する。
)前記下端部において、前記縦方向において隣接する接合部間の離間寸法が、前記横方向において隣接する接合部間の離間寸法よりも大きい。
)前記上端部において、前記横方向において隣接する接合部間の離間寸法が、前記縦方向において隣接する接合部間の離間寸法よりも大きい。
10 使い捨て着用物品(使い捨ておむつ)
11 前ウエスト域
12 後ウエスト域
13 クロッチ域
14 ウエスト開口
15 レッグ開口
16 おむつ本体
17 ウエストベルト
18 接合ライン
19 接合部
19A 接合部(上接合部)
19B 接合部(下接合部)
19C 接合部(中間接合部)
23 吸収体
61 接合ラインの上端部
62 接合ラインの下端部
63 接合ラインの中間部
85 非接合部
R1 上端接合部間の縦方向の離間寸法
R2 上端接合部間の横方向の離間寸法
R3 下端接合部間の横方向の離間寸法
R4 下端接合部間の縦方向の離間寸法
K 接合ラインの長さ方向
X 横方向
Y 縦方向

Claims (7)

  1. 縦方向及び横方向を有し、前後ウエスト域と、前記前後ウエスト域間に位置するクロッチ域と、吸収体を有するおむつ本体と、前記前後ウエスト域を連結するための一対のウエストベルトと、ウエスト開口と一対のレッグ開口とを備える使い捨て着用物品において、
    前記一対のウエストベルトは、前記前後ウエスト域において、前記レッグ開口側から前記ウエスト開口側へ前記横方向の外側から内側へ向かうように傾斜する接合ラインを介して前記おむつ本体に接合されており、
    前記接合ラインは、前記ウエスト開口側に位置する上端部と、前記レッグ開口側に位置する下端部とを有し、前記下端部における前記縦方向の剥離強度は、前記上端部における前記縦方向の剥離強度よりも高く、
    前記上端部における前記横方向の剥離強度は、前記下端部における前記横方向の剥離強度よりも高いことを特徴とする着用物品。
  2. 前記下端部における前記縦方向の剥離強度は、少なくとも10N/25mmである請求項に記載の着用物品。
  3. 前記上端部における前記横方向の剥離強度は、少なくとも10N/25mmである請求項1又は2に記載の着用物品。
  4. 前記下端部は、互いに離間して配置された複数の接合部を有する請求項1〜のいずれかに記載の着用物品。
  5. 前記上端部は、互いに離間して配置された複数の接合部を有する請求項1〜のいずれかに記載の着用物品。
  6. 前記下端部において、前記縦方向において隣接する接合部間の離間寸法が、前記横方向において隣接する接合部間の離間寸法よりも大きい請求項に記載の着用物品。
  7. 前記上端部において、前記横方向において隣接する接合部間の離間寸法が、前記縦方向において隣接する接合部間の離間寸法よりも大きい請求項に記載の着用物品。
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