JP3206840U - 使い捨て着用物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】着用状態において、接合ラインの剥離を抑制するとともに、おむつ本体を連動して引き上げることができる使い捨て着用物品を提供する。【解決手段】使い捨て着用物品10は、吸収体を有する本体と、前後ウエスト域11,12において、レッグ開口15からウエスト開口へ向かって縦中心線に近づく接合ラインを介して本体に接合された一対のウエストベルト17を有する。前後ウエスト域11,12の少なくとも一方において、上レッグ開口縁17cと下レッグ開口縁16cとの境界部分9と、接合ライン18A,18Bの内端部18Cとの離隔寸法が15mm以上であって40mm以下である。【選択図】図8

Description

この考案は、使い捨て着用物品に関する。
従来、縦方向および横方向と、横方向の寸法を2等分する縦中心線とを有し、前ウエスト域と、後ウエスト域と、前後ウエスト域の間に位置するクロッチ域と、吸収体を有して縦方向へ延びるおむつ本体と、前記おむつ本体と一対の接合ラインを介して接合される、前記前ウエスト域と前記後ウエスト域とを連結するための一対のウエストベルトと、ウエスト開口と、レッグ開口とを含む使い捨て着用物品(おむつ)は公知である。
例えば、特許文献1には、クロッチ域を、伸縮性のあるパネルによって形成することが開示されている。特許文献1に記載のパネルには、縦方向へ延びる直線状の切欠き部を形成し、この切り欠き部スリットによって、レッグ開口を形成する。
特表平8−507699号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているように、横方向において、おむつ本体の両側縁部を切り落としておむつを形成するとき、切り落とされる部分の縦方向の両端が先鋭状であって展開したときに比較的に急なカーブ状を呈するので、着用状態において、接合ラインの下方に位置するレッグ開口縁の上縁付近から接合ラインへ向かってそれを剥離しようとする力が作用しやすくなり、該部分が破断したり、接合ラインの一部が剥離してしまうおそれがある。特に、着用者の大腿部を囲堯する上方レッグ開口縁部及び下方レッグ開口縁部が弾性を有する場合には、レッグ開口周りにおいて互いに引っ張り合って、より接合ラインを剥離しようとする方向へ力が作用するおそれがある。
そこで、本考案の目的は、従来の技術の改良であって、着用状態において、接合ラインの剥離を抑制するとともに、おむつ本体を連動して引き上げることができる使い捨て着用物品の提供にある。
上記課題を達成するために、本考案が対象とするのは、縦方向および横方向と、前記横方向の寸法を2等分する縦中心線とを有し、前ウエスト域と、後ウエスト域と、前後ウエスト域の間に位置するクロッチ域と、吸収体を有して前記縦方向へ延びるおむつ本体と、前記前ウエスト域と前記後ウエスト域とを連結するための一対のウエストベルトと、ウエスト開口と、一対のレッグ開口とを含む使い捨て着用物品に関する。
本考案は、上記着用物品において、前記一対のウエストベルトは、前記前後ウエスト域において、前記レッグ開口から前記ウエスト開口へ向かって前記縦中心線に近づく接合ラインを介して前記おむつ本体に接合され、前記本体は、前記縦方向へ延びる下レッグ開口縁を有し、前記ウエストベルトは、前記横方向へ延びる上レッグ開口縁を有し、前記前ウエスト域および前記後ウエスト域の少なくとも一方において、前記上レッグ開口縁と前記下レッグ開口縁との境界部分と、前記接合ラインの内端部との離隔寸法が15mm以上であって40mm以下であることを特徴とする。
前記下レッグ開口縁に沿う下方レッグ弾性域と、前記上レッグ開口縁に沿う上方レッグ弾性域とを有し、前記上方レッグ弾性域と前記下方レッグ弾性域とは、前記接合ライン側に位置する端部を有し、前記本体の内面と前記ウエストベルトの内面とをそれらの前記内面が互いに当接するように折り重ねて、かつ、前記縦方向へ伸長した状態において、前記下方レッグ弾性域の前記端部の外側縁と前記上方レッグ弾性域の前記端部の外側縁とから画成された円弧状部位の曲率半径が、5mm以上であって25mm以下ある。レッグ開口縁が掛かる形状を有することによって、接合ラインを剥離しようとする力が集中するのを抑制することができるとともに、おむつの外観において、排泄物の横漏れを生じるような印象を与えるおそれはない。
前記後ウエスト域に位置する前記円弧状部位の前記曲率半径が、前記前ウエスト域に位置する前記円弧状部位の前記曲率半径よりも大きいことから、後レッグ開口縁部が前レッグ開口縁部に比べて大きくて緩やかなカーブ形状を有し、着用者の臀部を包み込むように被覆することができる。
前記下方レッグ弾性域および前記上方レッグ弾性域は、伸縮性の繊維不織布を有することから、レッグ開口縁部の全体に弾性伸縮力が作用し、レッグ開口縁部にコントロールされた小さなギャザーが形成され、排泄物の横漏れが抑制されるとともに、下着らしい外観を呈することができる。
本考案に係る使い捨て着用物品によれば、前ウエスト域および後ウエスト域の少なくとも一方において、上レッグ開口縁と下レッグ開口縁との境界部分と、接合ラインの内端部との離隔寸法が15mm以上であって40mm以下であるため、着用状態において、レッグ開口縁部が破断して接合ラインが剥離するのを抑制することができるとともに、着用物品の着用時において、ウエストベルトを引き上げたときに、本体を連動して引き上げることができる。
図面は、本開示に係る本考案の特定の実施の形態を示し、考案の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
本考案の使い捨て着用物品の一例として示す、おむつの斜視図。 おむつを縦方向及び横方向に伸長させて、ウエストベルトの肌対向面とおむつ本体の肌対向面とを当接させた状態における平面図。 おむつの前ウエスト域及び後ウエスト域における接合ラインの接合を解き、おむつ本体とウエストベルトとを縦方向と横方向とに伸長した状態における展開平面図。 図2のIV−IV線に沿う断面図。 図2に示す態様において、おむつを側方から視た図。 図1のVI線で囲んだ領域の拡大図。 縦方向の寸法を2等分する横中心線に沿って折曲して前後ウエスト域の内面どうしを互いに当接させ、かつ、収縮した状態におけるおむつの平面図。 おむつの着用状態における側面図。 (a)〜(d)おむつの製造工程の一部を示す説明図。 図9のX線で囲んだ領域の拡大図。 (a)図9(a)のXI(a)線に沿う断面図。(b)図9(d)のXI(b)線に沿う断面図。 変形例の一例における、おむつの製造工程における図9(b)と同様の説明図。
下記の各実施の形態は、本考案の一例である図1〜図12に示す使い捨て着用物品(おむつ)に関し、考案の不可欠な構成ばかりではなく、選択的及び好ましい構成を含む。図2〜図5において、後述する各弾性体は、その収縮力に抗して、横方向X及び縦方向Yへ伸長することにより、各弾性体が取り付けられた部材に生じたギャザーが自然な視覚によって実質的に無くなっているように見える程度にまで伸長された状態にある。
図1〜図3を参照すると、本考案に係る使い捨ておむつの一例であるおむつ10は、縦方向Y及びそれに直交する横方向Xと、肌対向面及びその反対側の非肌対向面と、横方向Xの長さ寸法を2等分する縦中心線Pと、縦方向Yの長さ寸法を2等分する横中心線Qとを有し、前ウエスト域11と、後ウエスト域12と、前ウエスト域11および後ウエスト域12の間に位置するクロッチ域13とを含む。おむつ10は縦中心線Pに関してほぼ対称であって、ウエスト開口14と一対のレッグ開口15とを有する。また、おむつ10のうちの前後接合ライン18A,18Bの下方に位置する部分において、おむつ本体16とウエストベルト17との非分離部分68が位置しているが、説明の便宜上、図3においては、非分離部分68を切断・分離している。
おむつ10は、吸収体23を有するおむつ本体(本体)16と、前後ウエスト域11,12を連結するための一対のウエストベルト17とを含む。一対のウエストベルト17は、縦中心線Pに関してほぼ対称に配置され、レッグ開口15の側からウエスト開口14側へ向かって縦中心線Pに近づく、複数の独立したシール部から形成された前後接合ライン(シールライン)18A,18Bを介しておむつ本体16に接合される。シール部は、公知の接合手段、例えば、熱エンボス加工、ソニック加工等の各種の熱溶着手段によって施されている。
ウエストベルト17は、前後接合ライン18A,18Bにおいて、その肌対向面とおむつ本体16の肌対向面が互いに固定されている。かかる接合態様を有することによって、前後接合ライン18A,18Bが着用者の身体に触れて違和感や刺激を与えることはない。後記の本実施形態の効果を奏する限りにおいて、前後接合ライン18A,18Bには、熱溶着手段のほかに、ホットメルト接着剤などの公知の接合手段を用いることもできる。ウエストベルト17は、一対の弾性パネルによって形成されているが、後記の製造方法によって、おむつ本体16と同一のシート材料から形成することができる。本明細書において、ウエストベルト17の長さ方向は、図3のおむつ10の態様における横方向Xに沿う方向、ウエストベルト17の幅方向とは、図3のおむつ10の態様における縦方向Yに沿う方向をいう。
<おむつ本体(本体)>
図3〜図5を参照すると、おむつ本体16は、前端縁16a及び後端縁16bと、横方向Xにおいて離隔対向するレッグ開口縁16c,16dとによって画定されている。前後端縁16a,16bは、それぞれ、縦方向Yの外側へ向かって凸状に延びている。おむつ本体16は、前後端部と、前後端部の間に位置する中間部とを有する。前後端部は、それぞれ、おむつ10の前後ウエスト域11,12に位置し、中間部はクロッチ域13に位置する。
おむつ10は、レッグ開口縁19と前後接合ライン18A,18Bとの間において非分離部分68,69が位置する。非分離部分68,69においては、おむつ本体16とウエストベルト17とが同じシート部材から形成されており、互いに分離されていない。
図2,5を参照すると、おむつ本体16の肌対向面側とウエストベルト17の肌対向面側とが互いに当接するように折り重ねて、かつ、縦方向Yへ伸長した状態において、レッグ開口縁部は、ウエストベルト17の下側縁17cとおむつ本体16の両側縁16c,16dとの交差部分からなる円弧状部位7,8を有する。円弧状部位7,8は、おむつ本体16の非分離部分68,69の内端68a,69aどうしをつなぐ折曲ライン76を介して2つ折りにされている。円弧状部位7,8では、2つ折りにされることによって、厚さ方向Zにおいて互いに対向する円弧状部位7A,7B,8A,8Bどうしが一致するように重なり合っている。円弧状部位7,8は、折曲ライン76上に位置する中心点O1,O2、曲率半径R1,R2を有する仮想の曲率円上の円弧部分であって、曲率半径R1と曲率半径R2は、同じ大きさである。
したがって、円弧状部位7,8は、2つ折りにされた状態(図2参照)及びそれらが展開された状態(図6参照)において、同じ曲率半径を有するカーブ形状を呈する。図6に示す態様においては、円弧状部位7を構成する円弧状部位7A,7Bは、それぞれ、着用状態において、ウエストベルト17及びおむつ本体16に配置された各弾性体が伸長・収縮されることによってそのカーブ形状が変化している。本明細書において、円弧状部位7,8は、「上方レッグ弾性域41の端部の外側縁7A,8Aと下方レッグ弾性域40の端部の外側縁7B,8Bとから画成された円弧状部位」ともいう。
おむつ本体16は、肌対向面に位置する透液性の内層シート21と、非肌対向面に位置する不透液性の外層シート22と、内層シート21と外層シート22との間に位置する吸収体23と、吸収体23と外層シート22との間に位置する難透液性又は不透液性の防漏シート24とを含む。内層シート21及ぶ外層シート22の両側には、それらに介在された状態で、横方向Xに互いに離隔し縦方向Yへ延びる一対のサイドシート25が配置されている。
内層シート21は、略八角形状をなし、質量が15〜35g/m、好ましくは18〜24g/mの親水処理した疎水性のエアスルー繊維不織布、スパンボンド繊維不織布、ポイントボンド繊維不織布等から形成されていることが好ましい。外層シート22は、内層シート21とほぼ同形同大であって、質量が15〜30g/m、好ましくは18〜24g/mの疎水性のスパンボンド・メルトブローン・スパンボンド(以下SMSとする)繊維不織布またはスパンボンド繊維不織布から形成されていることが好ましい。
前後ウエスト域11,12において、おむつ本体16の内層シート21の肌対向面側には、繊維不織布製の補強シート65,66が配置されている。補強シート65,66は、前後接合ライン18A,18Bと重なって位置し、補強シート65,66が配置されることによって、前後接合ライン18A,18Bにおける剥離強度が向上するとともに、おむつ本体16の前後端部20A.20Bの剛性が向上し、着用中におけるヨレを防止することができる。
吸収体23は、縦方向Yの外側へ凸曲した前後端縁23a,23bと、前後端縁間に縦方向Yへ延びる両側縁とを有し、所要の形状に賦型された吸液性コアと、吸液性コアを覆うティッシュペーパ等の液拡散性のコアカバーシートとを含む。吸液性コアとしては、木材フラッフパルプ、高吸収性ポリマー粒子、またはこれらの混合物を用いることができる。吸液性コアとコアカバーシートとは、ホットメルト接着剤等の公知の接合手段を用いて互いに接合することができる。
防漏シート24は、少なくとも吸収体23の非肌対向面(底面)の全体を覆うように配置され、吸収体23と外層シート22との間において、ホットメルト接着剤等の公知の接合手段によって接合することができる。防漏シート24としては、例えば、難透液性、好ましくは、不透液性かつ通気性のプラスチックフィルムを用いることができ、防漏シート24が吸収体23の非肌対向面の全体を覆うことによって、吸収体23で吸収された体液がおむつ10の外側に漏れるのを防止することができる。図示していないが、防漏シート24に絵柄や色彩等の装飾要素を有するシート(イラストシート)を用いて、所要の光線透過率を有する外層シート22から装飾要素を透過させることもできる。
図4を参照すると、一対のサイドシート25は、吸収体23の横方向Xの両側に配置され、防漏シート24と内層シート21との間において、ホットメルト接着剤等の公知の接合手段によって接合されている。サイドシート25は、吸収体23側に位置する第1シート25Aと外層シート22側に位置する第2シート25Bとから形成され、両シート25A,25Bはホットメルト接着剤等の公知の手段によって接合されている。サイドシート25としては、例えば、質量が約10〜30g/mの疎水性のSMS繊維不織布またはスパンボンド繊維不織布を用いることができる。
おむつ本体16は、レッグ開口縁16c,16dの周囲に弾性を付与する、複数条の糸状弾性部材26と、糸状弾性部材26の肌対向面側に位置する下方レッグ弾性シート27と、これらの弾性体26,27の収縮力が作用する下方レッグ弾性域40を有する。糸状弾性部材26は、おむつ本体16の前端縁16aから後端縁16bまでの間において縦方向Yへ伸長状態で収縮可能に取り付けられた複数条のストリング状またはストランド状の弾性材料から形成される。下方レッグ弾性シート27は、平ゴムや弾性繊維から形成された弾性伸縮性の繊維不織布から形成される。
おむつ本体16の両側部に糸状弾性部材26と下方レッグ弾性シート27とが配置されることによって、下方レッグ弾性域40は、前ウエスト域11に位置する前接合ライン18Aから後ウエスト域12に位置する後接合ライン18Bまで延びている。本実施形態において、サイドシート25は2つのシート25A,25Bから形成されているが、一枚の繊維不織布を折り曲げて固定することによって形成してもよいし、外層シート22の延出部分から形成してもよい。
<ウエストベルト>
図2及び3を参照すると、ウエストベルト17は、前後接合ライン18A,18Bを介しておむつ本体16に接合された両端縁(前後端縁)17a,17bと、おむつ本体16のレッグ開口縁(下レッグ開口縁)16c,16dとともにレッグ開口15を形成する下側縁(上レッグ開口縁)17cと、ウエスト開口縁を形成する上側縁17dとを含む。
クロッチ域13は、説明の便宜上、横中心線Qに対して、前ウエスト域11側に位置する前側部分13Aと、後ウエスト域12側に位置する後側部分13Bとに区分されている。また、下レッグ開口縁16c,16dは、横中心線Qから前ウエスト域11側に位置する前レッグ開口縁19aと、横中心線Qから後ウエスト域12側に位置する後レッグ開口縁19bとを有する。
ウエストベルト17は、繊維不織布製のウエストシート30からそれぞれ形成された内層31と外層32とを有する。内層31と外層32との間には、ストリング状又はストランド状の弾性材料から形成された複数条のウエスト弾性体33,34が伸長状態で収縮可能に取り付けられている。ウエスト弾性体33,34は、上方部分に配置された上方ウエスト弾性体33と、下方部分に配置された下方ウエスト弾性体34とを有する。ウエストベルト17の上方部分とは、ウエスト開口14側に位置する、ウエストベルト17の幅方向の寸法W1の40〜60%の幅寸法を有する部分を意味し、下方部分とは、レッグ開口15に位置する、寸法W1の40〜60%の幅寸法を有する部分を意味する。
ウエストシート30の下側縁17c側には、弾性繊維不織布から形成された上方レッグ弾性シート35が配置されている。上方レッグ弾性シート35は、その一部が、最下に位置する下方ウエスト弾性体34と重なるように配置されている。前後ウエスト域11,12の内端部には、上方レッグ弾性シート35の収縮力が作用する上方レッグ弾性域41が形成される。上方レッグ弾性域41は、下方レッグ弾性域40とともに、着用者の大腿部を囲堯する仮想の弾性帯を形成する。また、上下方レッグ弾性域40,41に弾性繊維不織布からなる上下方レッグ弾性シート27,35が配置されることによって、レッグ開口縁部の全体に弾性伸縮力が作用し、レッグ開口縁部にコントロールされた小さなギャザーが形成され、排泄物の横漏れが抑制されるとともに、下着らしい外観を呈することができる。
また、ウエストシート30は、上側縁17d側において、その一部が内側へ折り曲げられた状態で固定されて折曲部分36が形成されている。かかる折曲部分36には、複数の上方ウエスト弾性体33が配置されている。折曲部分36に配置された上方ウエスト弾性体33と、ウエストシート30のうちの折曲部分36以外の部分(主体部)に配置された上方ウエスト弾性体33とは、それぞれ厚さ方向Zにおいてずれていることが好ましい。これにより、上方ウエスト弾性体33が厚さ方向Zにおいて重なり合うことによる伸長応力の集中を避け、広い範囲で身体へのフィット性を実現することができる。さらに、ウエスト開口14の縁部に折曲部分36が位置することによって、光線透過率が局所的に低くなり、より下着らしい外観を呈する。
本実施形態においては、ウエスト開口14側に配置された上方ウエスト弾性体33(折曲部分36に配置された弾性体を含む)は、太さ450〜500dtexであって、3.0〜3.5倍に伸長された状態で固定されている。また、上方ウエスト弾性体33のうちのレッグ開口15の側に配置された弾性体は、太さ600〜650dtexであって、2.5〜3.0倍に伸長された状態で固定されている。下方ウエスト弾性体34は、太さ600〜650dtexであって、2.5〜3.0倍に伸長された状態で固定されている。上方ウエスト弾性体33と下方ウエスト弾性体34とにおける各弾性体間のピッチ(離隔寸法)は等間隔であって、5.0〜6.0mmである。
ウエストベルト17においては、下側縁17c側に下方ウエスト弾性体34と上方レッグ弾性シート35とが配置されていることによって、ウエストベルト17の上方部分の単位面積当たりの横方向Xにおける伸長応力よりも下方部分の単位面積当たりの横方向Xにおける伸長応力が高くなっている。このように、上方部分の伸長応力を相対的に低くすることによって、着用するときに、ウエスト開口14を拡げ易くなる。一方、下方部分の伸長応力が相対的に高いことから、レッグ開口15の回りにおいて着用者の身体に安定的にフィットされて、所要の保持力を発揮することができる。特に、おむつ10は、股上の浅い、いわゆるローライズタイプのものであって、ウエストベルト17の幅寸法がおむつ本体の幅寸法よりも小さく、着用中の着用者の動きによってずれ易くなるところ、下方部分で安定的に身体にフィットされることによって、かかる位置ずれを抑制することができる。
図2及び3を参照すると、おむつ本体16の下レッグ開口縁16c,16dは、それぞれ、クロッチ域13において横中心線Qから前ウエスト域11へ向かって、縦中心線Pに対する離隔寸法が次第に大きくなる前レッグ開口縁19aと、クロッチ域13において横中心線Qから後ウエスト域12へ向かって、縦中心線Pに対する離隔寸法が次第に大きくなる後レッグ開口縁19bとを含む。具体的には、前レッグ開口縁19aと後レッグ開口縁19bとは、円弧状部位7A,7B,8A,8Bを除く部分において、互いに異なる曲率半径を有する、複数の円弧状部位から形成された曲線状を有する。
下レッグ開口縁16c,16dがかかる形状を有することから、クロッチ域13の後側部分13Bは、前側部分13Aに比べて幅広となっている。したがって、着用したときに、クロッチ域13の後ウエスト域12側に後側部分13Bで着用者の臀部を広く覆うことができる一方、クロッチ域13の前ウエスト域11側に位置する前側部分13Aが着用者の鼠蹊部に沿って、大腿部の動きを阻害しないようにフィットさせることができる。
再び、図2を参照すると、吸収体23の縦方向Yの寸法L2は、おむつ10(おむつ本体16)の縦方向Yの寸法L1の約65〜95%の大きさを有する。通常、おむつの縦方向の寸法に対して吸収体の縦方向の寸法は約60%の大きさであって、おむつの吸収体から縦方向の外側に位置するシート部材のみから形成された部分の面積が比較的に大きくなっている。本実施形態においては、吸収体23が所要の吸収性能を発揮しうるのに十分な長さ寸法を有する一方、それよりも縦方向Yの外側に位置するシート部材のみからなる部分の面積を比較的に小さくすることによって、より少ない資材で製造することができ、製造コストを抑えることができる。また、吸収体23の前後端縁23a,23bとおむつ本体16の前後端縁16a,16bとが、通常のおむつに比べて近接しているために、着用状態においてウエスト開口が臍部よりも下に位置するようなローライズですっきりとした着用態様となる。
図6を参照すると、前接合ライン18Aとレッグ開口縁19との間に非分離部分68が位置することによって、ウエストベルト17を引き上げたときに、おむつ本体16が連動して引き上げられる。おむつ10は、着用者の鼠蹊部と大転子との間にウエストベルト17を食い込ませるようにして着用するものであって、いわゆるローライズタイプであるから、着用者の体形や体勢によっては、ずり下がりやすくなるが、非分離部分68によってウエストベルト17とおむつ本体16とが連続することによって、着用者がウエストベルト17を把持して引き上げることによって、おむつ10全体を適正な位置に引き上げることができる。
一方、前ウエスト域11側のレッグ開口縁部には、下方レッグ弾性域40によって下方へ引っ張る力F1が作用するとともに、上方レッグ弾性域41によって上方へ引っ張る力F2が作用する。それによって、非分離部分68には、非分離部分68,69を破断、前接合ライン18Aへ向かってそれらを剥離しようとする力(破断・剥離しようとする力)F3が作用する。前接合ライン18Aが縦中心線Pに関して斜めに延びる態様を有することから、縦中心線Pと並行して延びる場合に比べて、剥離しようとする力F3が大きくなる。また、非分離部分68は、着用状態において、着用者の鼠蹊部に挟みこまれる部分であるから、ウエストベルト17を引き上げたときに、身体に引っ掛かって前接合ライン18Aを破断・剥離しようとする力F3が作用する。
かかるおむつ10の態様において、前接合ライン18Aの内端部18Cがレッグ開口縁19まで延びている場合には、破断・剥離しようとする力F3が作用することによって、非分離部分68が破断して、内端部18Cが剥離の起点となるおそれがある。
本実施形態においては、おむつ10の前接合ライン18Aの内端部18Cとレッグ開口縁19とが互いに離隔しており、具体的には、前接合ライン18Aの内端部18Cと上レッグ開口縁17cと下レッグ開口縁16c,16dとの境界部分68aとの離隔寸法(非分離部分68の長さ寸法)L3は、15〜40mm(15mm以上、40mm以下)である。離隔寸法L3が15mm以下の場合には、レッグ開口縁19と内端部18Cとの離隔寸法L3が比較的に小さいことから、非分離部分68が破断するとすぐに前接合ライン18Aが剥離してしまうおそれがある。一方、離隔寸法L3が40mm以上の場合には、おむつ10を廃棄するとき等に、前接合ライン18Aを剥離し難くなる。なお、下レッグ開口縁16cと上レッグ開口縁17cとの境界部分は、図2の示すようにおむつ10を折り畳んだ状態における、非分離部分68の内端68aであって、かかる折り畳んだ状態において内端68aから接合ライン18の内端部18Cまでの離間寸法を定規等によって測定することによって、離隔寸法L3を求めることができる。
また、おむつ10の製造方法の一例として示す、後記のおむつ10の製造方法においては、おむつ本体16とウエストベルト17とが同じシート材料(積層パネル)から形成される。かかる製造方法において、非分離部分68の離隔寸法L3が比較的に大きくなる場合には、相対的に、レッグ開口縁19が小さくなって着用するときに脚部を挿通し難くなるおそれがある。一方、非分離部分68の離隔寸法L3が比較的に小さくなる場合には、相対的に、レッグ開口15が比較的に大きくなって、レッグ開口縁部と着用者の脚部との間に隙間が生じてフィットしないおそれがある。また、このように、離隔寸法L3の大小によって、ウエストベルト17の幅寸法W1とレッグ開口15との大きさが変化するので、着用者の大腿部の大きさに合わせて大きさを有するレッグ開口縁部のフィット性とウエストベルト17の幅寸法W1とのバランスを考慮する必要がある。
本実施形態においては、前接合ライン18Aの内端部18Cと上レッグ開口縁17cと下レッグ開口縁16c,16dとの境界部分60との離隔寸法L3が15〜40mmであることによって、上下方レッグ弾性域40,41によってレッグ開口縁部が伸長されても、破断・剥離しようとする力F3によって、前接合ライン18Aが剥離されるおそれはなく、上下方レッグ弾性域40,41の収縮作用によってレッグ開口縁部が安定的にフィットされる。また、レッグ開口縁が適度な大きさを有するとともに、ウエストベルト17とおむつ本体16とを一体に成形する場合において、レッグ開口縁部のフィット性とウエストベルト17の所の幅寸法W1の大きさとの適度なバランスを実現することができる。
また、下方レッグ弾性域40の前接合ライン18A側の端部の外側縁7B,8Bと、上方レッグ弾性域41の前接合ライン18A側の端部の外側縁7A,8Aとは、図2に図示したおむつ10の態様において、厚さ方向Zにおいて互いに重なり合って、円弧状部位7,8を画成している。円弧状部位7は緩やかなカーブを画いており、具体的には、図2のおむつ10の態様において、円弧状部位7,8の曲率半径R1,R2は、5〜25mm(5mm以下、25mm以上)である。曲率半径R1,R2が5mm以下の場合には、円弧状部位7,8が比較的に小さなカーブ状を有し、おむつ10を着用したときに、非分離部分68の一部に剥離しようとする力F3が集中し、非分離部分68,69が破断するおそれがある。一方、曲率半径R1,R2が25mm以上であると、レッグ開口縁19が大きくなりすぎて着用者の大腿部を被覆する面積が小さくなり、おむつ10の外観において、レッグ開口縁部からの排泄物の漏れを生じるようなイメージを与えるおそれがある。
本実施形態に係るおむつ10においては、円弧状部位7,8の曲率半径R1,R2が5〜25mmであることによって、着用したときに、非分離部分68,69の破断を抑制することができるとともに、おむつ10の外観において、レッグ開口縁部から排泄物が漏れ出るようなイメージを与えるおそれはない。
<曲率半径の測定>
円弧状部位7,8の曲率半径R1,R2は、図2に示すとおり、おむつ本体16の肌対向面側とウエストベルト17の肌対向面側とが互いに当接するように折り重ねて、かつ、縦方向Yへ伸長した状態において測定することができる。具体的には、非分離部分68,69の内端68a,69aを通過する折曲ライン76上に位置する中心点O1,O2を有する仮想曲率円の半径(中心点O1,O2と内端68a,69aとの離間部分)を実際に測定又は所要の計算式に基づいて算出して、曲率半径R1,R2とした。
また、図9(a)〜(d)に示す、おむつ10の製造方法の一例において、機械方向MDに伸長された複合パネル70に刳り抜き加工を施すことによって、一対のスロット75が形成される。スロット75の機械方向MDにおける両端75a,75bが、折曲ライン76上に位置する点を中心点O1,O2、曲率半径をR1,R2とする仮想の曲率円の円弧部分から形成されているので(図2の態様は、製造方法における図9(d)に対応)、図9(b)に示す態様においても円弧状部位7,8の曲率半径R1,R2を測定することができる。さらに、製造工程の刳り抜き加工に使用する、切断刃のアール形状を有する両端部の設計上の曲率寸法によっても確認することができる。
また、非分離部分68,69を形成するシート部材、すなわち、ウエストシート30、サイドシート25及び上下方レッグ弾性シート27,35のうち少なくとも1つのシート部材は、レッグ開口に沿う方向へ(縦方向Yへ)繊維が配向されていることが好ましい。かかる場合には、繊維配向が破断・剥離しようとする力F3と直交する方向となるので、非分離部分68における破断を抑制することができる。なお、シート部材の繊維配向性とは、構成繊維のうちの約50%の繊維がレッグ開口15の周方向へ沿って延びていることをいう。
また、サイドシート25及びウエストシート30のシート材料として、融点の異なる2種類以上の原材料ポリマー(一例をあげれば、ポリプロピレンとポリエチレン)を使用した芯鞘型、サイドバイサイド型の複合繊維を含む繊維不織布を使用することが好ましい。かかる場合には、単一繊維から構成された繊維不織布に比べてシート強度が向上するとともに適度な伸度を有するので、着用するときに、ウエストベルト17を引っ張り上げても、おむつ10の一部に破断が生じるのを抑制することができる。
本実施形態に係るおむつ10においては、非分離部分68,69を前接合ライン18Aから所要寸法離隔させ、円弧状部位7,8が所要の曲率半径を有するとともに、上下方レッグ弾性域40,41によってレッグ開口縁部が伸長されるので、おむつ10の一部が身体に引っ掛かった状態でウエストベルト17を引き上げても、前後接合ライン18A,18Bが剥離するのを抑制することができる。
上記のとおり、本明細書においては、前ウエスト域11側に位置する非分離部分68について主として説明したが、後ウエスト域12側において後接合ライン18Bの下方に位置する非分離部分69についても同様の構成を有する。おむつ10は、前後ウエスト域11,12のうちのいずれか一方がかかる特徴構成を有していればよいが、好ましくは、前ウエスト域11側に位置する非分離部分68がかかる特徴を有する。
本実施形態においては、図2に示すおむつ10の態様において、前ウエスト域11側に位置する円弧状部位7の曲率半径R1と、後ウエスト域12側に位置する円弧状部位8との曲率半径R2とはほぼ同じ大きさであるが、後者が前者よりも大きくてもよい。すなわち、円弧状部位8の曲率半径R2が円弧状部位7の曲率半径R1よりも大きい場合には、後ウエスト域12側において前ウエスト域11側に比べてレッグ開口縁が緩やかな大きなカーブを描くので、臀部全体を包み込むように被覆することができる。
図3,7を参照すると、前後ウエスト域11,12における前後接合ライン18A,18Bの縦中心線Pに対する傾斜度合いが互いに異なることから、図6に示すように、おむつ10を横中心線Qに沿って折曲して前後ウエスト域11,12の内面どうしを互いに当接させ、かつ、収縮した状態において、前ウエスト域11の横方向Xの中央部と後ウエスト域12の横方向Xの中央部とが互いに重なっていない。本実施形態においては、後ウエスト域12の中央部が前ウエスト域11の中央部よりも上方へ突出し、前後ウエスト域11,12の識別がより容易になる。
股上の浅い、ローライズタイプのおむつは、成人の軽失禁用として好まれるが、前後接合ライン18A,18Bの傾斜度合いが等しい場合には、腹側においてウエストベルト17が着用者の脚の動きを阻害する位置に配置されやすくなり、背側においてウエストベルト17の端部が着用者の臀部に食い込みやすくなる。すなわち、例えば、腹側においておむつ本体16が着用者の鼠蹊部にフィットするように、前後接合ライン18A,18Bの傾斜度合いを設定すると、背側において吸収体23を十分に身体の上方へ引き上げることができず、おむつ本体16がダブついて臀部との間に隙間が生じてしまい、排泄物が漏れるおそれがある。
これに対し、本実施形態のおむつ10では、前後接合ライン18A,18Bの傾斜度合いが互いに異なっているため、腹側においてウエストベルト17が着用者の脚の動きを阻害することをなくし、背側においてウエストベルト17の端部が着用者の臀部を覆い、一部が身体に食い込むのを防止することができる。そのため、ローライズタイプのおむつ10においてフィット性を向上させることができるうえに、ショーツのような下着らしい外観を有することができる。
また、図7を参照すると、前レッグ開口縁19aと後レッグ開口縁19bとが、円弧状部位7,8を除いて、互いに異なる形状を有することから、それらが前後方向において互いに重なっていない。すなわち、前レッグ開口縁19aが横方向Xの内側へ凸曲状を有する一方、後レッグ開口縁19bが横方向Xの外側へ凸曲した形状を有することから、クロッチ域13の前側部分13Aが後側部分13Bに比べて幅狭になっている。クロッチ域13がかかる形状を有することによって、ウエストベルト17が、前側において着用者の大転子と骨盤内に収まるように、すなわち、鼠蹊部に食い込むようにして着用されることから、おむつ10が股上の浅いローライズタイプであっても、着用中にずり下がることはない。一方、クロッチ域13の後側部分13Bが、前側部分13Aよりも幅広であることによって、着用者の後面側においては、臀部が広い範囲で覆われて、外部に露出されるのを抑制することができる。
図8を参照すると、上方レッグ弾性シート35は、上レッグ開口縁17cに沿う領域において、前後接合ライン18A,18B側に位置する両端部35A,35Bからレッグ開口15の周方向における中央部分(ウエストベルト17の中央部)35Cに向かって次第に幅狭となり、中央部(最幅狭部分)35Cにおいて最も幅狭となっている。また、下方レッグ弾性シート27も同様に、前後接合ライン18A,18Bの側に位置する両端部27A,27Bからレッグ開口15の周方向の中央部(最幅狭部分)27Cに向かって次第に幅狭となり、中央部27Cにおいて最も幅狭になっている、
上下方レッグ弾性シート27,35が、かかる形状を有することによって、前後接合ライン18A,18Bの側に位置する両シートの両端部27A,27B,35A,35Bにおいて着用者の大腿部の付根に安定的にフィットされるとともに、中央部27C,35Cを身体のうちで最も動きの少ない腰骨近傍と大腿部の外側部分にそれぞれ当接することによって、各弾性シート全体を同一の幅寸法で形成する場合に比して材料コストを抑えながら、身体に対する適度なフィット性を実現することができる。なお、上方レッグ弾性シート35の中央部(最幅狭部分)35C及び下方レッグ弾性シート27の中央部(最幅狭部分)27Cをそれぞれの長さ寸法の中央部分よりも僅かに前側に変位することによって、臀部側に幅の広い領域を位置させることができるので、レッグ開口15の前方部分が後方部分よりも大きくなって、より下着のレッグ開口のラインに近くなり、下着とともに身体にフィットしやすくなる。
図9(a)〜(d)は、おむつ10の製造工程の一部を示す図である。図9(a)を参照すると、おむつ10の基材となる複合パネル70において、おむつ本体16のサイドシート25とウエストシート30とが、繊維不織布からなるベースシート71から一体的に形成されている。複合パネル70は、吸収体23が配置されたおむつ本体16の基材となる主体部73と、主体部73の両側に位置するウエストベルト17の基材となる両側部74とを有する。両側部74においてベースシート71には、2つ折りにされた状態で取り付けられるとともに、ウエスト弾性体33,34及び糸状弾性部材26を形成する連続弾性体77A,77Bを配置する。また、連続弾性体77Aの一部及びすべての連続弾性体77Bと重なるように弾性伸縮性の繊維不織布から形成された連続弾性シート79を配置する。
図9(b)を参照すると、次に、主体部73と両側部74との間に吸収体23と並行するように延びる、刳り抜き加工によって形成された、一対の楕円形状のスロット75を設ける。さらに、スロット75と重なるように延びる折曲ライン76に沿って両側部74の一部を主体部73へ向かって折り曲げる。スロット75は、ベースシート71の一部に直状の切り込みを入れることによって形成することもできるが、かかる場合には、切り込みされた端部からシートに破れが生じやすいので、おむつ10の縦方向Yに相当する機械方向MDの端部に円弧状部位を有するくり抜き加工によって、所定幅の開口を形成することが好ましい。
くり抜かれた部分では、連続弾性シート79が位置し、連続弾性シート79が刳り抜かれることによって、おむつ10の上方レッグ弾性シート35と下方レッグ弾性シート27が形成される。かかる刳り抜き加工において、レッグ開口縁16c,16dの周囲に下方レッグ弾性シート27が配置されることによって、着用者の大腿部に隙間なく当接されて排泄物の漏れを抑制することができる。さらに、下方レッグ弾性シート27を有するレッグ開口縁16c,16dの周囲は、弾性糸からなるウエスト弾性体やレッグ弾性体のみを間隔を空けて複数配置した場合に比べて、シートの浮き上がりやギャザーの形成を抑制することができ、モコモコとせずにすっきりとした外観を呈することができる。
図10を参照すると、スロット75は、折曲ライン76に関して非対称の形状を有し、交差方向CDにおいて折曲ライン76の外側に位置する外側ライン75cは、一方端(始端)75aから他方端(終端)75bまで全体としてなだらかな円弧を画く曲線状を有する。一方、折曲ライン76の内側に位置する内側ライン75dは、一方端75aから交差方向CDの内側へ凸曲した後に、他方端75bの側において折曲ライン76へ向かって凹凸にカーブした形状を有している。スロット75がかかる形状を有することによって、内側ライン75dによって画成される下レッグ開口縁16c,16dにおいて、後レッグ開口縁19bが前レッグ開口縁19aよりも横方向Xの外側に位置する。
また、スロット75は、機械方向MDにおける両方端75a,75bが、折曲ライン76上に位置する点を中心点O1,O2、曲率半径をR1,R2とする仮想の曲率円の円弧部分から形成されている。図2及び図9(d)に示すとおり、折曲ライン76に沿って複合パネル70を折り曲げることによって、一方端75aと他方端75bとが2つ折りにされ、厚さ方向Zにおいて互いに重なり合って、該折り重ね部位によって円弧状部位7,8が形成される。
図9(c),(d),図11(a)及び(b)を参照すると、熱切断工程において、ベースシート71のうちの主体部73と両側部74とが折り重ねられた部分を一対の熱切断ライン78に沿って切断することによって、おむつ10を製造することができる。一対の熱切断ライン78は、それぞれ、複合パネル70の積層シートを互いに熱融着する加熱加圧部分と、複合パネル70を切断する切断部分とを有する切断具によって形成され、吸収体23を挟んで対向して位置し、スロット75の両方端75a,75bの側からベースシート71の両端縁へ向かって斜めに延びる略V字状を有している。一対の熱切断ライン78における、V字状の開き度合いが異なることによって、前後接合ライン18A,18Bの縦中心線Pに関する傾き度合いが互いに相違する。
熱切断工程時において、積層されたベースシート71の構成材料、連続弾性体77Aの構成材料、連続弾性体77Bの構成材料、連続弾性シート79の構成材料が熱切断ライン78に沿って互いに接合され、前後接合ライン18A,18Bが形成される。おむつ本体16のレッグ開口縁16c,16dとウエストベルト17の下側縁17cとの間には、スロット75によって形成されたレッグ開口15が画成される。このように、おむつ本体16のサイドシート25とウエストシート30とを1つのベースシート71から一体的に形成することによって、より製造工程が簡易になり、製造コストを抑えることができる。
また、熱切断ライン78は、スロット75の両方端部75a,75bから機械方向MDにおいて僅かに離隔していることから、おむつ10の非分離部分68,69が形成される。このように、非分離部分68,69が形成されることによって、おむつ10の搬送中及び着用中における前後接合ライン18A,18Bの内端部18Cを始点とするウエストベルト17とおむつ本体16との分離を防止することができる。
図12は、おむつ10の変形例の一例における、おむつの製造工程の一部を説明する図9(b)と同様の図である。本変形例にかかるおむつ10の基本的構成は、本実施形態に係るおむつ10と同様であって、相違する点についてのみ以下に説明する。
本変形例のおむつ10の製造方法においては、レッグ開口を形成するためのスロット75の機械方向MDの両方端部75a,75bに、補強シート91,92が配置されている。補強シート91,92の配置態様としては、ベースシート71と連続弾性シート79との間に配置されることのほかに、ベースシート71の外面に配置されていてもよい。このように補強シート91,92が配置されることによって、前後ウエスト域11,12における非分離部分68のシート強度が向上して、着用するときに、ウエストベルト17が上方へ引っ張り上げられても、非分離部分68が破断するのを抑制することができる。
本考案に係るおむつ10は、一対のウエストベルト17とおむつ本体10とを前後接合ライン18A,18Bを介して互いに接合する構成を有しているが、ウエスト回りへ連続する1つのウエストベルトを、前ウエスト域11又は後ウエスト域12に位置する接合ラインを介しておむつ本体16に接合する構成であってもよい。本考案のおむつ10を構成する各構成部材には、明細書に記載されている材料のほかに、この種の物品において通常用いられている各種公知の材料を制限なく用いることができる。また、明細書及び特許請求の範囲において、「第1」及び「第2」の用語は、同様の要素、位置等を単に区別するために用いられる。
10 使い捨ておむつ(使い捨て着用物品)
11 前ウエスト域
12 後ウエスト域
13 クロッチ域
14 ウエスト開口
15 レッグ開口
16 おむつ本体(本体)
16c レッグ開口縁(下レッグ開口縁)
16d レッグ開口縁(下レッグ開口縁)
17 ウエストベルト
17c 下側縁(上レッグ開口縁)
18A 前接合ライン(接合ライン)
18B 後接合ライン(接合ライン)
18C 内端部
23 吸収体
27 下方レッグ弾性シート(伸縮性の繊維不織布)
35 上方レッグ弾性シート(伸縮性の繊維不織布)
40 下方レッグ弾性域
41 上方レッグ弾性域
68a,69a 境界部分
P 縦中心線
X 横方向
Y 縦方向

Claims (4)

  1. 縦方向および横方向と、前記横方向の寸法を2等分する縦中心線とを有し、前ウエスト域と、後ウエスト域と、前後ウエスト域の間に位置するクロッチ域と、吸収体を有して前記縦方向へ延びる本体と、前記前ウエスト域と前記後ウエスト域とを連結するための一対のウエストベルトと、ウエスト開口と、一対のレッグ開口とを含む使い捨て着用物品において、
    前記一対のウエストベルトは、前記前後ウエスト域において、前記レッグ開口から前記ウエスト開口へ向かって前記縦中心線に近づく接合ラインを介して前記おむつ本体に接合され、
    前記本体は、前記縦方向へ延びる下レッグ開口縁を有し、
    前記ウエストベルトは、前記横方向へ延びる上レッグ開口縁を有し、
    前記前ウエスト域および前記後ウエスト域の少なくとも一方において、前記上レッグ開口縁と前記下レッグ開口縁との境界部分と、前記接合ラインの内端部との離隔寸法が15mm以上であって40mm以下であることを特徴とする着用物品。
  2. 前記下レッグ開口縁に沿う下方レッグ弾性域と、前記上レッグ開口縁に沿う上方レッグ弾性域とを有し、前記上方レッグ弾性域と前記下方レッグ弾性域とは、前記接合ライン側に位置する端部を有し、
    前記本体の内面と前記ウエストベルトの内面とをそれらの前記内面が互いに当接するように折り重ねて、かつ、前記縦方向へ伸長した状態において、前記下方レッグ弾性域の前記端部の外側縁と前記上方レッグ弾性域の前記端部の外側縁とから画成された円弧状部位の曲率半径が、5mm以上であって25mm以下である請求項1に記載の着用物品。
  3. 前記後ウエスト域に位置する前記円弧状部位の前記曲率半径が、前記前ウエスト域に位置する前記円弧状部位の前記曲率半径よりも大きい請求項2に記載の着用物品。
  4. 前記下方レッグ弾性域および前記上方レッグ弾性域は、伸縮性の繊維不織布を有する請求項2または3に記載の着用物品。
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