JP6418275B2 - 液体噴射ヘッド、液体噴射装置、圧電デバイスおよび液体噴射ヘッドの製造方法 - Google Patents
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Description
当該構成によれば、第2電極は圧力発生室の長手方向において圧力発生室の外側まで延出して形成されている。そのため、第2電極が当該長手方向において圧力発生室を越えない範囲にしか形成されていない場合と比較して、圧電素子における上記境界位置への歪みの集中が緩和され、クラック等の不良発生が抑制される。また、圧電素子のクラック等への耐性が従来よりも向上することで、圧電素子の耐電圧も向上する。
ノズル開口に連通し隔壁によって区画される圧力発生室が形成された基板と、圧電体層と、第1電極膜から形成され前記圧電体層の前記基板側において前記圧力発生室に対応して形成された第1電極と、第2電極膜から形成され前記圧電体層の前記第1電極が形成された側とは逆側において複数の前記圧力発生室に亘って形成された第2電極と、前記第2電極膜から形成され、かつ、前記第2電極とは離間して形成された電極膜と、前記第1電極に配線として接続するリード電極と、前記圧電体層を貫通する貫通部と、を備え、前記リード電極は、前記貫通部を介して前記第1電極と接続しており、前記リード電極と前記第1電極との間には前記電極膜が設けられている液体噴射ヘッド。
前記貫通部は、前記圧力発生室の長手方向において前記圧力発生室の端よりも外側に設けられている液体噴射ヘッド。
前記電極膜は、前記貫通部の表面に設けられており、前記貫通部の表面に設けられた前記電極膜を介して前記リード電極と前記第1電極とが接続されている液体噴射ヘッド。
前記第2電極の膜厚は、前記電極膜の膜厚よりも大きい液体噴射ヘッド。
前記第2電極は、前記圧力発生室の長手方向において前記圧力発生室の外側まで延出して形成されている液体噴射ヘッド。
隔壁によって区画される室が形成された基板と、圧電体層と、第1電極膜から形成され前記圧電体層の前記基板側において前記室に対応して形成された第1電極と、第2電極膜から形成され前記圧電体層の前記第1電極が形成された側とは逆側において複数の前記室に亘って形成された第2電極と、前記第2電極膜から形成され、かつ、前記第2電極とは離間して形成された電極膜と、前記第1電極に配線として接続するリード電極と、前記圧電体層を貫通する貫通部と、を備え、前記リード電極は、前記貫通部を介して前記第1電極と接続しており、前記リード電極と前記第1電極との間には前記電極膜が設けられている圧電デバイス。
前記貫通部は、前記室の長手方向において前記室の端よりも外側に設けられている圧電デバイス。
前記電極膜は、前記貫通部の表面に設けられており、前記貫通部の表面に設けられた前記電極膜を介して前記リード電極と前記第1電極とが接続されている圧電デバイス。
前記第2電極の膜厚は、前記電極膜の膜厚よりも大きい圧電デバイス。
前記第2電極は、前記室の長手方向において前記室の外側まで延出して形成されている圧電デバイス。
基板に第1電極膜を形成する工程と、前記第1電極膜の前記基板とは逆側に圧電体層を形成する工程と、前記圧電体層を貫通する貫通部を形成する工程と、前記圧電体層の前記第1電極膜とは逆側の領域および前記貫通部に第2電極膜を形成する工程と、前記貫通部に形成された前記第2電極膜を介して前記第1電極に配線として接続するリード電極を形成する工程と、を含む液体噴射ヘッドの製造方法。
本発明にかかる技術的思想は液体噴射ヘッドという形態のみで実現されるものではなく、例えば、上述したいずれかの態様の液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置も、一つの発明として把握することができる。また、上述したようないずれかの態様の圧電素子や液体噴射ヘッドや液体噴射装置の製造過程を含む製造方法(圧電素子の製造方法、液体噴射ヘッドの製造方法、液体噴射装置の製造方法など)の発明も把握することができる。
1.液体噴射ヘッドの概略構成
図1は、液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッド1(以下、記録ヘッド1)の概略を、分解斜視図により示している。
図2は、記録ヘッド1における圧力発生室12の長手方向に平行な面であって一つの圧力発生室12に対応する下電極膜2を通過する面による垂直断面図を示している。
記録ヘッド1は、基板(流路形成基板)10を備える。基板10は、例えばシリコン単結晶基板からなり、その一方側の面には、振動板50が形成されている。振動板50は、例えば、基板10に接する酸化膜からなる弾性膜51と、弾性膜51とは異なる材料の酸化膜からなり弾性膜51に積層される絶縁体膜55とを含む。基板10には、隔壁11によって区画されて一方側の面が振動板50で閉じられた複数の圧力発生室12が、その短手方向(幅方向)に並設されている。
圧電素子3が形成された振動板50上には、圧電素子3に対向する領域にその運動を阻害しない程度の空間を確保可能な圧電素子保持部32を有する保護基板30が接着剤35を介して接合されている。圧電素子3は、圧電素子保持部32内に形成されているため、外部環境の影響を殆ど受けない状態で保護される。また、保護基板30には、基板10の連通部13に対応する領域にリザーバ部31が設けられている。リザーバ部31は、例えば、保護基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の幅方向に沿って設けられており、上述したように基板10の連通部13と連通してリザーバ9を構成している。保護基板30の材料としては、例えば、ガラス、セラミックス材料、金属、樹脂等が挙げられるが、基板10の熱膨張率と略同一の材料で形成されていることがより好ましく、本実施形態では、基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成した。
次に、本実施形態にかかる圧電素子3の構造について図1,2および以下の図3,4に基づいて詳しく説明する。図3は、基板10上の一部領域であって一つの圧力発生室12に対応する圧電素子3が形成された領域についての平面図である。図4Aは、図3におけるA‐A´線による垂直断面図、図4Bは、図3におけるB‐B´線による垂直断面図、図4Cは、図3におけるC‐C´線による垂直断面図をそれぞれ示している。
次に、本実施形態にかかる記録ヘッド1の製造方法の一例を説明する。
図5A,B,Cおよび図6A,B,Cは、記録ヘッド1を構成する圧電素子3が製造される過程を順に示している。これら図5,6では、図2と同様の視点による上記長手方向に平行な面での垂直断面図と、図中のD‐D´線による垂直断面図との組合せにより、各工程による変化を示している。ただし図5,6では、圧電素子3の構成要素以外の基板10等は適宜省略している。まず、基板10の素材となるシリコン単結晶基板(不図示)上に、二酸化シリコン(SiO2)からなる弾性膜51および酸化ジルコニウム(ZrO2)からなる絶縁体膜55を形成(特開2005‐8841号公報等参照)する。そして、例えば、スパッタ法等により白金とイリジウムとを絶縁体膜55上に積層することにより下電極膜を成膜後、下電極膜上に、例えばゾル−ゲル法等を用いて圧電体層を薄く形成する。ここで言う、薄く形成するとは、少なくとも最終的に完成する圧電素子3において必要とされる圧電体層5の膜厚よりも薄く形成するという意味である。
本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば以下に述べるような変形例も可能である。各実施形態や変形例を適宜組み合わせた内容も、本発明の開示範囲である。
以下では、上述の実施形態と異なる点について説明し、上述の実施形態と共通する構成や作用は説明を適宜省略する。
上述した記録ヘッド1は、インクカートリッジ等と連通するインク流路を備える記録ヘッドユニットの一部を構成して、液体噴射装置としてのインクジェット式記録装置に搭載される。図9は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。図9に示すように、記録ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A,1Bは、インク供給手段を構成するカートリッジ2A,2Bが着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A,1Bを搭載したキャリッジ16は、装置本体17に取り付けられたキャリッジ軸18に軸方向移動自在に設けられている。この記録ヘッドユニット1A,1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。そして、駆動モータ19の駆動力が図示しない複数の歯車及びタイミングベルト7を介してキャリッジ16に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A,1Bを搭載したキャリッジ16はキャリッジ軸18に沿って移動される。一方、装置本体17には、キャリッジ軸18に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラなどによって給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8上を搬送されるようになっている。
また、センサーとして用いられる圧電素子、強誘電体メモリーとして用いられる圧電素子にも本発明は適用可能である。圧電素子が用いられるセンサーとしては、例えば、赤外線センサー、超音波センサー、感熱センサー、圧力センサー、焦電センサー、及びジャイロセンサー(角速度センサー)等が挙げられる。
Claims (12)
- ノズル開口に連通し隔壁によって区画される圧力発生室が形成された基板と、
圧電体層と、
第1電極膜から形成され前記圧電体層の前記基板側において前記圧力発生室に対応して形成された第1電極と、
第2電極膜から形成され前記圧電体層の前記第1電極が形成された側とは逆側において複数の前記圧力発生室に亘って形成された第2電極と、
前記第2電極膜から形成され、かつ、前記第2電極とは離間して形成された電極膜と、
前記第1電極に配線として接続するリード電極と、
前記圧電体層を貫通する貫通部と、を備え、
前記リード電極は、前記貫通部を介して前記第1電極と接続しており、前記リード電極と前記第1電極との間には前記電極膜が設けられており、
前記第2電極に対して積層されて配線として機能する金属層が、前記圧力発生室の内外を跨ぐ位置に形成されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。 - 前記貫通部は、前記圧力発生室の長手方向において前記圧力発生室の端よりも外側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッド。
- 前記電極膜は、前記貫通部の表面に設けられており、前記貫通部の表面に設けられた前記電極膜を介して前記リード電極と前記第1電極とが接続されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体噴射ヘッド。
- 前記第2電極の膜厚は、前記電極膜の膜厚よりも大きいことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の液体噴射ヘッド。
- 前記第2電極は、前記圧力発生室の長手方向において前記圧力発生室の外側まで延出して形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の液体噴射ヘッド。
- 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の液体噴射ヘッドを備えることを特徴とする液体噴射装置。
- 隔壁によって区画される室が形成された基板と、
圧電体層と、
第1電極膜から形成され前記圧電体層の前記基板側において前記室に対応して形成された第1電極と、
第2電極膜から形成され前記圧電体層の前記第1電極が形成された側とは逆側において複数の前記室に亘って形成された第2電極と、
前記第2電極膜から形成され、かつ、前記第2電極とは離間して形成された電極膜と、
前記第1電極に配線として接続するリード電極と、
前記圧電体層を貫通する貫通部と、を備え、
前記リード電極は、前記貫通部を介して前記第1電極と接続しており、前記リード電極と前記第1電極との間には前記電極膜が設けられており、
前記第2電極に対して積層されて配線として機能する金属層が、前記室の内外を跨ぐ位置に形成されていることを特徴とする圧電デバイス。 - 前記貫通部は、前記室の長手方向において前記室の端よりも外側に設けられていることを特徴とする請求項7に記載の圧電デバイス。
- 前記電極膜は、前記貫通部の表面に設けられており、前記貫通部の表面に設けられた前記電極膜を介して前記リード電極と前記第1電極とが接続されていることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の圧電デバイス。
- 前記第2電極の膜厚は、前記電極膜の膜厚よりも大きいことを特徴とする請求項7〜請求項9のいずれかに記載の圧電デバイス。
- 前記第2電極は、前記室の長手方向において前記室の外側まで延出して形成されていることを特徴とする請求項7〜請求項10のいずれかに記載の圧電デバイス。
- 基板に第1電極膜を形成する工程と、
前記第1電極膜の前記基板とは逆側に圧電体層を形成する工程と、
前記圧電体層を貫通する貫通部を形成する工程と、
前記圧電体層の前記第1電極膜とは逆側の領域および前記逆側の領域とは離間した前記貫通部に第2電極膜を形成する工程と、
前記貫通部に形成された前記第2電極膜を介して前記第1電極膜に配線として接続するリード電極と、前記逆側の領域に形成された前記第2電極膜に配線として接続する金属層とを形成する工程と、を含み、
前記金属層は、前記逆側の領域に形成された前記第2電極膜に対して積層されて、前記基板に形成される圧力発生室の内外を跨ぐ位置に形成されることを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
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