JP6418275B2 - 液体噴射ヘッド、液体噴射装置、圧電デバイスおよび液体噴射ヘッドの製造方法 - Google Patents

液体噴射ヘッド、液体噴射装置、圧電デバイスおよび液体噴射ヘッドの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、液体噴射ヘッド液体噴射装置、圧電デバイスおよび液体噴射ヘッドの製造方法に関する。
液体を噴射するためのノズル開口に連通する圧力発生室が形成された基板と、圧電体層、圧電体層の下方側に形成された下電極および圧電体層の上方側に形成された上電極を有する圧電素子と、を備える液体噴射ヘッドが知られている(特許文献1,2参照)。このような液体噴射ヘッドでは、下電極を圧力発生室毎に対応した個別電極とし、上電極を複数の圧力発生室に対応する複数の圧電素子にとっての共通電極としている。
特開2009‐172878号公報 特開2009‐196329号公報
上記圧電素子は、両電極間に電圧が印加されることにより変位し、圧力発生室内へ撓む。このように撓む際、圧電素子における上電極、圧電体層および下電極が重なる範囲(能動部)と、能動部では無い部分(非能動部)との境界位置には大きな応力が発生し、この応力によって当該位置には歪みが集中してしまう。このような歪みの集中は、場合によっては圧電素子を構成する圧電体層にひび割れ(クラック)等の不良を生じさせ得るため、当該不良の発生を防止するための工夫が求められていた。また、当該不良発生の防止とともに、圧電素子の撓みに応じて振動板が変形することにより圧力発生室内からノズル開口外へ排除(噴射)される液体量を増加させて液体噴射ヘッドの性能をより向上させることも求められていた。
本発明は個別電極および共通電極を有する構成の液体噴射ヘッド、液体噴射装置、圧電デバイスおよび液体噴射ヘッドの製造方法を提供する。また、圧電体層のクラック等の不良発生を抑制し、また、上記噴射される液体量の増加を実現する
本発明の態様の一つは、ノズル開口に連通する圧力発生室が形成された基板と、圧電体層と、前記圧電体層の前記基板側において前記圧力発生室に対応して形成された第1電極と、前記圧電体層の第1電極が形成された側とは逆側において複数の前記圧力発生室に亘って形成された第2電極と、を有する圧電素子と、を備える液体噴射ヘッドであって、前記第2電極は、前記圧力発生室の長手方向において前記圧力発生室の外側まで延出して形成されている。
当該構成によれば、第2電極は圧力発生室の長手方向において圧力発生室の外側まで延出して形成されている。そのため、第2電極が当該長手方向において圧力発生室を越えない範囲にしか形成されていない場合と比較して、圧電素子における上記境界位置への歪みの集中が緩和され、クラック等の不良発生が抑制される。また、圧電素子のクラック等への耐性が従来よりも向上することで、圧電素子の耐電圧も向上する。
本発明の態様の一つは、前記第1電極と、前記圧電体層と、前記第2電極と、が重なる範囲が、前記長手方向において前記圧力発生室の外側まで延出して形成されているとしてもよい。つまり、第1電極、圧電体層および第2電極が重なる範囲(能動部)が、電圧が印加された際に駆動する部位であるため、能動部を当該長手方向において圧力発生室の外側まで延出させることで、圧電素子における上記境界位置への歪みの集中が緩和され、クラック等の不良発生が抑制される。
本発明の態様の一つは、前記圧力発生室間に略対応する領域において前記圧電体層を除去した圧電体層の開口部を形成し、当該開口部は、前記長手方向において前記圧力発生室の端よりも外側まで形成されているとしてもよい。当該構成によれば、開口部が当該長手方向において圧力発生室の端よりも外側まで形成されているため、圧力発生室の端付近における圧電素子の変位量が向上し、結果、圧電素子の撓みに応じて噴射される液体量が増加する。
本発明の態様の一つは、前記第2電極に対して積層されて配線として機能する金属層が、前記圧力発生室の内外を跨ぐ位置に形成されているとしてもよい。当該構成によれば、金属層が圧力発生室の内外を跨ぐ位置に形成されることで、圧電素子における上記境界位置への歪みの集中がさらに緩和され、クラック等の不良発生が抑制される。
本発明は以下の各態様であってもよい。
ノズル開口に連通し隔壁によって区画される圧力発生室が形成された基板と、圧電体層と、第1電極膜から形成され前記圧電体層の前記基板側において前記圧力発生室に対応して形成された第1電極と、第2電極膜から形成され前記圧電体層の前記第1電極が形成された側とは逆側において複数の前記圧力発生室に亘って形成された第2電極と、前記第2電極膜から形成され、かつ、前記第2電極とは離間して形成された電極膜と、前記第1電極に配線として接続するリード電極と、前記圧電体層を貫通する貫通部と、を備え、前記リード電極は、前記貫通部を介して前記第1電極と接続しており、前記リード電極と前記第1電極との間には前記電極膜が設けられている液体噴射ヘッド。
前記貫通部は、前記圧力発生室の長手方向において前記圧力発生室の端よりも外側に設けられている液体噴射ヘッド。
前記電極膜は、前記貫通部の表面に設けられており、前記貫通部の表面に設けられた前記電極膜を介して前記リード電極と前記第1電極とが接続されている液体噴射ヘッド。
前記第2電極の膜厚は、前記電極膜の膜厚よりも大きい液体噴射ヘッド。
前記第2電極は、前記圧力発生室の長手方向において前記圧力発生室の外側まで延出して形成されている液体噴射ヘッド。
隔壁によって区画される室が形成された基板と、圧電体層と、第1電極膜から形成され前記圧電体層の前記基板側において前記室に対応して形成された第1電極と、第2電極膜から形成され前記圧電体層の前記第1電極が形成された側とは逆側において複数の前記室に亘って形成された第2電極と、前記第2電極膜から形成され、かつ、前記第2電極とは離間して形成された電極膜と、前記第1電極に配線として接続するリード電極と、前記圧電体層を貫通する貫通部と、を備え、前記リード電極は、前記貫通部を介して前記第1電極と接続しており、前記リード電極と前記第1電極との間には前記電極膜が設けられている圧電デバイス。
前記貫通部は、前記室の長手方向において前記室の端よりも外側に設けられている圧電デバイス。
前記電極膜は、前記貫通部の表面に設けられており、前記貫通部の表面に設けられた前記電極膜を介して前記リード電極と前記第1電極とが接続されている圧電デバイス。
前記第2電極の膜厚は、前記電極膜の膜厚よりも大きい圧電デバイス。
前記第2電極は、前記室の長手方向において前記室の外側まで延出して形成されている圧電デバイス。
基板に第1電極膜を形成する工程と、前記第1電極膜の前記基板とは逆側に圧電体層を形成する工程と、前記圧電体層を貫通する貫通部を形成する工程と、前記圧電体層の前記第1電極膜とは逆側の領域および前記貫通部に第2電極膜を形成する工程と、前記貫通部に形成された前記第2電極膜を介して前記第1電極に配線として接続するリード電極を形成する工程と、を含む液体噴射ヘッドの製造方法。
本発明にかかる技術的思想は液体噴射ヘッドという形態のみで実現されるものではなく、例えば、上述したいずれかの態様の液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置も、一つの発明として把握することができる。また、上述したようないずれかの態様の圧電素子や液体噴射ヘッドや液体噴射装置の製造過程を含む製造方法(圧電素子の製造方法、液体噴射ヘッドの製造方法、液体噴射装置の製造方法など)の発明も把握することができる。
記録ヘッドの概略を示す分解斜視図である。 記録ヘッドの長手方向に平行な面による断面図である。 基板上の一部領域についての平面図である。 図3における各線による断面図である。 圧電素子の製造過程の一部を順に示す図である。 圧電素子の製造過程の一部を順に示す図である。 変形例にかかる基板上の一部領域についての平面図である。 変形例による効果を説明するための図である。 インクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
1.液体噴射ヘッドの概略構成
図1は、液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッド1(以下、記録ヘッド1)の概略を、分解斜視図により示している。
図2は、記録ヘッド1における圧力発生室12の長手方向に平行な面であって一つの圧力発生室12に対応する下電極膜2を通過する面による垂直断面図を示している。
記録ヘッド1は、基板(流路形成基板)10を備える。基板10は、例えばシリコン単結晶基板からなり、その一方側の面には、振動板50が形成されている。振動板50は、例えば、基板10に接する酸化膜からなる弾性膜51と、弾性膜51とは異なる材料の酸化膜からなり弾性膜51に積層される絶縁体膜55とを含む。基板10には、隔壁11によって区画されて一方側の面が振動板50で閉じられた複数の圧力発生室12が、その短手方向(幅方向)に並設されている。
基板10には、圧力発生室12の長手方向の一端側に、隔壁11によって区画されて各圧力発生室12に連通するインク供給路14が設けられている。インク供給路14の外側には、各インク供給路14と連通する連通部13が設けられている。連通部13は、後述する保護基板30のリザーバ部31と連通して、各圧力発生室12の共通のインク室(液体室)となるリザーバ9の一部を構成する。
インク供給路14は、上記幅方向における断面積が圧力発生室12よりも狭くなるように形成されており、連通部13から圧力発生室12に流入するインクの流路抵抗を一定に保持している。なお、インク供給路14の断面積は、上記幅方向において絞るのではなく、基板10の厚さ方向において絞ることで、圧力発生室12の断面積よりも狭くなるようにしてもよい。基板10の材料としては、シリコン単結晶基板に限定されず、例えば、ガラスセラミックス、ステンレス鋼等を用いても良い。
基板10の、振動板50が形成される面とは逆側の面には、ノズルプレート20が接着剤や熱溶着フィルム等によって固着されている。ノズルプレート20においては、各圧力発生室12に対応して、上記長手方向の他端側近傍に連通するノズル開口21が穿設されている。ノズルプレート20は、例えば、ガラスセラミックス、シリコン単結晶基板、ステンレス鋼等からなる。
振動板50の、基板10とは逆側の面には、下電極膜2と、圧電体層5と、上電極膜4とを有する圧電素子3が複数上記幅方向に並んで形成されている。圧電素子3は、各圧力発生室12に対応して形成されている。下電極膜2は、圧電体層3の基板10側において圧力発生室12毎に対応して形成された第1電極に該当する。一方、上電極膜4は、圧電体層5の第1電極が形成された側とは逆側において複数の圧力発生室12に対応する領域に亘って形成された第2電極に該当する。圧電素子3は、下電極膜2、圧電体層5及び上電極膜4が重なる範囲(能動部)を含む。また、圧電素子3と当該圧電素子3の駆動により変位が生じる振動板50とを合わせてアクチュエータ装置と称する。一般的に圧電素子3は、圧電体層5を挟むいずれか一方の電極を共通電極とし、他方の電極を個別電極として構成されるが、本実施形態では、下電極膜2が各圧力発生室12に対応する圧電素子3毎の個別電極であり、上電極膜4が各圧力発生室12に対応する各圧電素子3にとっての共通電極である。
また図1に示したように、圧電体層5には、圧電体層5が除去されて凹部となった開口部5aが複数形成されている。複数の開口部5aは上記幅方向に並んでおり、圧力発生室12間に略対応する領域に形成されている。言い換えると、開口部5aと開口部5aとの間に、能動部を含み一つの圧力発生室12に対応する圧電素子3が形成されている。なお、開口部5aの表面は上電極膜4によって覆われている。
さらに、振動板50の圧電素子3が形成される側には、コンプライアンス基板40が固着された保護基板30が固着されている。本実施形態では、記録ヘッド1のコンプライアンス基板40側を上側、ノズルプレート20側を下側として適宜説明を行なう。
圧電素子3が形成された振動板50上には、圧電素子3に対向する領域にその運動を阻害しない程度の空間を確保可能な圧電素子保持部32を有する保護基板30が接着剤35を介して接合されている。圧電素子3は、圧電素子保持部32内に形成されているため、外部環境の影響を殆ど受けない状態で保護される。また、保護基板30には、基板10の連通部13に対応する領域にリザーバ部31が設けられている。リザーバ部31は、例えば、保護基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の幅方向に沿って設けられており、上述したように基板10の連通部13と連通してリザーバ9を構成している。保護基板30の材料としては、例えば、ガラス、セラミックス材料、金属、樹脂等が挙げられるが、基板10の熱膨張率と略同一の材料で形成されていることがより好ましく、本実施形態では、基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成した。
さらに、図2に示すように、共通電極としての上電極膜4に対してはリード電極60が接続しており、個別電極としての下電極膜2に対してはリード電極61が接続している。図1では、リード電極60,61やリード電極61を下電極膜2に接続するために圧電体層5を貫通するスルーホール5b(後述)等については図示を省略している。リード電極60,61は、不図示のリード線等を介して、圧電素子3を駆動するための駆動IC等を実装した駆動回路120(図1)に接続される。リード電極60は、第2電極に対して積層されて配線として機能する金属層に該当する。なお図2の例では、個別電極に接続するリード電極61を、上記長手方向の他端側に配置した構成を示したが、当該リード電極61の位置は上記長手方向の一端側であってもよい。
保護基板30上には、更に、封止膜41及び固定板42からなるコンプライアンス基板40が接合されている。封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料からなり、この封止膜41によってリザーバ部31の一方面が封止されている。固定板42は、金属等の硬質の材料で形成される。この固定板42のリザーバ9に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、リザーバ9の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
このような記録ヘッド1では、図示しない外部のインク供給手段からインクを取り込み、リザーバ9からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、上記駆動ICからの記録信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの圧電素子3に電圧を印加し、圧電素子3を撓み変形させる。その結果、各圧力発生室12内の圧力が高まり、ノズル開口21からインク滴(液体)が吐出(噴射)する。
2.能動部の形成範囲
次に、本実施形態にかかる圧電素子3の構造について図1,2および以下の図3,4に基づいて詳しく説明する。図3は、基板10上の一部領域であって一つの圧力発生室12に対応する圧電素子3が形成された領域についての平面図である。図4Aは、図3におけるA‐A´線による垂直断面図、図4Bは、図3におけるB‐B´線による垂直断面図、図4Cは、図3におけるC‐C´線による垂直断面図をそれぞれ示している。
図3では、圧力発生室12およびそれに連通するインク供給路14の形状を、2点鎖線により例示している。なお、図3に示した圧力発生室12およびインク供給路14の形状は、図1,2に示したものと若干異なるが、どちらに示した形状を採用してもよい。また図3では、個別電極としての下電極膜2の範囲を細い鎖線で例示し、圧電体層5の範囲を太い鎖線で例示し、共通電極としての上電極膜4の範囲をグレーで塗ることにより例示している。さらに図3では、上電極膜4の一部に積層されるリード電極60の範囲および圧電体層5の一部に積層されるリード電極61の範囲を、ハッチングを付すことにより例示している。圧電体層5の一部には上記スルーホール5bが形成されており、リード電極61は、スルーホール5bを介して下電極膜2と電気的に接続している。
下電極膜2は、上記幅方向においては圧力発生室12の幅に収まるように形成され、上記長手方向においては圧力発生室12よりも長く形成されている。具体的には、上記長手方向の一端側では、下電極膜2の端部はインク供給路14の位置まで延伸しており、上記長手方向の他端側では、下電極膜2の端部は圧力発生室12の端よりも外側へ延伸している。また、下電極膜2は、スルーホール5bと相対する範囲を除いて圧電体層5に覆われている。これにより、下電極膜2からのリーク電流が極力抑えられ、また、当該リーク電流を抑制するための特別な措置(例えば、酸化アルミニウム等の保護膜による保護)を施す手間を省くことができる。
圧力発生室12の上記幅方向における両側の隔壁11上に略対応する領域の一部では、上述の開口部5aが形成されており、図4Bからも判るように圧電体層5が除去されている。かかる開口部5aの存在により、圧力発生室12上の圧電体層5は、大部分において圧力発生室12の幅に収まるように形成されている。一方、上記長手方向においては、圧電体層5の両端は圧力発生室12の外側まで延出して形成されており、圧力発生室12の長さを完全にカバーしている。上電極膜4は、上記幅方向においてはもちろんのこと、上記長手方向においても、圧力発生室12の外側まで延出して形成されており、圧力発生室12の長さを完全にカバーしている。すなわち本実施形態では、圧力発生室12毎に対応する能動部は、上記長手方向において圧力発生室12の外側まで延出して形成されている。図3では、上記長手方向における能動部の長さをL1、圧力発生室12の長さをL2としており、L1はL2の範囲を覆っていることが判る。
なお、基板10上(正確には絶縁体膜55上)には、図3に示した構成が各圧力発生室12に対応して上記幅方向に繰り返し形成されているため、圧電体層5、上電極膜4およびリード電極60の各々は、上記幅方向において連続して形成されている(適宜図1参照)。また、図3においては2か所に形成されているリード電極60(図4Aに示したリード電極60と図4Cに示したリード電極60)は不図示の所定位置で互いに接続しており、全体で一つの共通電極を形成している。
このように本実施形態では、圧力発生室12の長手方向において能動部の両端が圧力発生室12の外側まで延出するように構成した。そのため、圧力発生室12の長手方向において能動部の端部が圧力発生室12の外側まで延出していない構成と比較して、圧電素子3の能動部が駆動して圧電素子3が撓み変形する際に、圧電素子3における能動部と非能動部との境界位置への歪みの集中が緩和され、圧電体層5のクラック等の不良発生が抑制される。また、圧電素子3のクラック等への耐性が従来よりも向上することで、同時に圧電素子3の耐電圧も向上することとなる。
また本実施形態では、図2,3から判るように、リード電極60が、圧力発生室12の内外(圧力発生室12の端部)を跨ぐ位置に形成されている。このような位置にリード電極60を形成することにより、圧電素子3における能動部と非能動部との境界や、当該端部近傍の圧電素子3の箇所への歪みの集中が緩和され、上記クラック等の不良発生の抑制効果がより高まる。
開口部5aは、能動部周辺の膜厚を薄くすることで能動部のバネ性を担保する役割を果たす。従って、開口部5aの広さは能動部の撓み易さに大きな影響を与える。ここで、本実施形態では図3から判るように、上記長手方向において開口部5aの長さL3は圧力発生室12の長さL2に収まるように形成されている。つまり、上記長手方向における開口部5aの両端はいずれも、圧力発生室12の両端よりも内側に在る。そのため、上記長手方向における圧力発生室12の両端には圧電体層5が重なることとなり、結果、圧力発生室12の当該両端近傍における圧電素子3の剛性が高まる。これにより、圧電素子3における、能動部と非能動部との境界や当該両端近傍の箇所への歪みの集中が緩和され、上記クラック等の不良発生の抑制効果がより高まる。
3.製造方法
次に、本実施形態にかかる記録ヘッド1の製造方法の一例を説明する。
図5A,B,Cおよび図6A,B,Cは、記録ヘッド1を構成する圧電素子3が製造される過程を順に示している。これら図5,6では、図2と同様の視点による上記長手方向に平行な面での垂直断面図と、図中のD‐D´線による垂直断面図との組合せにより、各工程による変化を示している。ただし図5,6では、圧電素子3の構成要素以外の基板10等は適宜省略している。まず、基板10の素材となるシリコン単結晶基板(不図示)上に、二酸化シリコン(SiO2)からなる弾性膜51および酸化ジルコニウム(ZrO2)からなる絶縁体膜55を形成(特開2005‐8841号公報等参照)する。そして、例えば、スパッタ法等により白金とイリジウムとを絶縁体膜55上に積層することにより下電極膜を成膜後、下電極膜上に、例えばゾル−ゲル法等を用いて圧電体層を薄く形成する。ここで言う、薄く形成するとは、少なくとも最終的に完成する圧電素子3において必要とされる圧電体層5の膜厚よりも薄く形成するという意味である。
このように形成された下電極膜および圧電体層に対して、フォトエッチングを施すことにより、各圧力発生室12が形成される予定の各位置に対応する所定形状に下電極膜および圧電体層をパターニングする。図5Aでは、このパターニングにより形成された下電極膜2および下電極膜2上の圧電体層500を示している。次に、図5Aに示した状態に対し、さらにゾル−ゲル法等を用いて圧電体層を上記圧電素子3において最終的に必要とされる膜厚となるまで形成し、当該圧電体層上に、例えばイリジウムからなる上電極膜をスパッタ法等により薄く形成する。ここで言う、薄く形成するとは、少なくとも最終的に完成する圧電素子3において必要とされる上電極膜4の膜厚よりも薄く形成するという意味である。図5Bでは、ここまでの工程により形成された圧電体層501および圧電体層501上の上電極膜400を示している。
次に、図5Bに示した状態において、上電極膜400および圧電体層501に対してフォトエッチングを施すことにより、下電極膜2を覆う所定膜厚分の圧電体層およびその上の上電極膜が残るようにパターニングする。つまり、開口部5aに相当する凹部を形成する。本実施形態ではこのような開口部5aを形成するための圧電体層のエッチングを、適宜“圧電体層の第1エッチング工程”と呼ぶ。図5Cでは、ここまでの工程により形成された圧電体層502および圧電体層502上の上電極膜401を示している。
次に、図5Cに示した状態において、上電極膜401および圧電体層502に対してフォトエッチングを施すことにより、下電極膜2の一部を露出させるスルーホール5bを形成する。本実施形態ではスルーホール5bを形成するための圧電体層のエッチングを、適宜“圧電体層の第2エッチング工程”と呼ぶ。図6Aでは、ここまでの工程により形成された圧電体層5および圧電体層5上の上電極膜402を示している。図6Aに示すように、圧電体層5および上電極膜402には、スルーホール5bが貫通している。このように本実施形態では、図5Bに示した状態以後において、開口部5aを形成するための圧電体層のエッチングと、スルーホール5bを形成するための圧電体層のエッチングとを分けて行なっている。その理由については後述する。
次に、図6Aに示した状態に対し、さらにスパッタ法等により上電極膜を上記圧電素子3において最終的に必要とされる膜厚となるまで形成し、その上で、上電極膜に対してフォトエッチングを施すことにより、各圧力発生室12が形成される予定の各位置に対応する所定形状およびスルーホールの範囲を含む所定形状(図3参照)に上電極膜をパターニングする。図6Bでは、このパターニングにより形成された上電極膜4を示している。次に、図6Bに示した状態に対し、リード電極60,61の素材となる金属層(例えば、金AuおよびニクロムNiCrを含む金属層)をスパッタ法等により形成し、かつ当該金属層に対するフォトエッチングを行なうことにより、リード電極60,61を形成する。リード電極60は上電極膜4に接続している。一方、リード電極61は、スルーホール5bおよびスルーホール5bの表面に成膜された上電極膜4(図6B)を介して下電極膜2に接続している。なお、スルーホール5bの表面に成膜された上電極膜4(図6B)は、上記駆動回路120と個別電極(下電極膜2)とを接続する配線の一部として機能する。
図6Cでは、ここまでの工程により形成された構成を示している。図6Cに示した構成は、図2や図3に示した圧電素子3の構成と一致している。その後は、圧電素子3側への保護基板30の接合、基板10のエッチングによる圧力発生室12やインク供給路14等の形成、基板10へのノズルプレート20の接合、保護基板30上へのコンプライアンス基板40の接合といった各工程を経て、記録ヘッド1が完成する。なお、上述した記録ヘッド1の製造方法は、あくまで一例であり、種々の変更が可能である。上述した圧電体層の成膜方法も限定されず、スパッタ法で形成してもよい。また、圧電体層の材料としては、チタン酸ジルコン酸鉛系の材料やチタン酸バリウム等に代表される非鉛(鉛を使用しない。)のペロブスカイト型酸化物等、種々の材料を採用可能である。
上記製造方法において、圧電体層の第1エッチング工程と圧電体層の第2エッチング工程とをそれぞれ設けた理由について説明する。図5Bに示したように、下電極膜2および下電極膜2周囲の絶縁体膜55を覆うように圧電体層501を成膜した場合、製造の精度上、絶縁体膜55上の圧電体層501の膜厚と、下電極膜2上の圧電体層501の膜厚とを同じにすることは必ずしも容易ではない。特に、ゾル‐ゲル法に代表されるように液体を用いて圧電体層を形成した場合に、このような膜厚の不均一性が顕著である。そのため、絶縁体膜55を露出させるため(開口部5aを形成するため)に最適な圧電体層501のエッチング量と下電極膜2を露出させるため(スルーホール5bを形成するため)に最適な圧電体層501へのエッチング量も同じではない。このような状況において、絶縁体膜55を露出させるためのエッチングと下電極膜2を露出させるためのエッチングを同時に実行すると、場所毎のエッチング量の正確なコントロールは困難であるため、絶縁体膜55と下電極膜2の一方に対してはオーバーエッチング(削り過ぎの状態)となったり、他方に対してはアンダーエッチング(削り足りない状態)となったりし得る。
例えば、絶縁体膜55上の圧電体層501の膜厚>下電極膜2上の圧電体層501の膜厚である場合、これらのエッチングを同時に行なうと、絶縁体膜55上の圧電体層501を除去しようとする際に下電極膜2に対しオーバーエッチングとなり、下電極膜2の断線の可能性が生じる。また、下電極膜2のオーバーエッチングを避けようとすると、絶縁体膜55を露出させられないことがある。あるいは、絶縁体膜55上の圧電体層501の膜厚<下電極膜2上の圧電体層501の膜厚である場合、これらのエッチングを同時に行なうと、下電極膜2上の圧電体層501を除去しようとする際に絶縁体膜55に対しオーバーエッチングとなる。すると、開口部5aにおける膜厚が必要以上に薄くなり、必要な剛性が得られず開口部5aにクラック等が発生する可能性がある。また、絶縁体膜55のオーバーエッチングを避けようとすると、下電極膜2を露出させられないことがある。
そこで上述したように、本実施形態では、圧電体層の第1エッチング工程と圧電体層の第2エッチング工程とをそれぞれ設け、それぞれの工程にて処理対象とする範囲の圧電体層の膜厚に最適なエッチング量を設定する。これにより、開口部5aを形成するために最適な圧電体層501のエッチングと、スルーホール5bを形成するために最適な圧電体層501のエッチングとを実現し、上述したようなオーバーエッチングやアンダーエッチングの発生を回避することができる。なお、圧電体層の第1エッチング工程と圧電体層の第2エッチング工程の実行順序は、上記説明と逆であってもよい。
4.変形例
本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば以下に述べるような変形例も可能である。各実施形態や変形例を適宜組み合わせた内容も、本発明の開示範囲である。
以下では、上述の実施形態と異なる点について説明し、上述の実施形態と共通する構成や作用は説明を適宜省略する。
図7は、一つの変形例にかかる基板10上の一部領域についての平面図であって、図3と同様に一つの圧力発生室12に対応する圧電素子3が形成された領域を示している。図7と図3の構成を比較した場合、開口部5aの上記長手方向の長さが両構成間で異なる。具体的には、図7に示した開口部5aの方が長く、当該開口部5aは、上記長手方向において圧力発生室12の両端よりも外側まで形成されている。つまり、図7においては、上記長手方向の開口部5aの長さL3は、圧力発生室12の長さL2を含むように形成されている。かかる構成によれば、上記長手方向における圧力発生室12の両端近傍における圧電素子3の剛性が低下し、圧力発生室12の両端付近における圧電素子3の変位量が向上する。
図8は、当該変形例による効果を説明するための図である。図8では、上記長手方向における圧力発生室12と、圧力発生室12の上側を閉じる弾性膜51との位置関係をごく簡単に例示している。圧力発生室12に対応して形成された圧電素子3に電圧が印加されて能動部が駆動すると、能動部の変位と共に弾性膜51が圧力発生室12内へ撓む。この撓む前の位置(図8において実線で示した弾性膜51の位置)と撓んだ状態の位置との上下方向における差が変位量Δhである。また、図8では、撓んだ状態の弾性膜51の位置を、鎖線、2点鎖線のそれぞれで例示している。鎖線で示した位置は、開口部5aの長さL3が圧力発生室12の長さL2に収まるように形成された構成を採用した場合の位置を例示し、2点鎖線で示した位置は、開口部5aの長さL3が圧力発生室12の長さL2を含むように形成された構成(図7の構成)を採用した場合の位置を例示している。
図8から判るように、上記長手方向における圧力発生室12の中央部での変位量Δhは、開口部5aの長さL3の上記違いによらずほぼ同じである。しかし、圧力発生室12の端付近では、開口部5aの長さL3が長い構成の方が、変位量Δhが増えている。このように圧力発生室12の端付近で変位量Δhが増加することで、圧電素子3の撓みによって吐出される液体量が増加する。すなわち図7に示した変形例によれば、当該吐出される液体量をより増加させることで、記録ヘッド1の性能を向上させることができる。なお図7に示した構成においては、B‐B´線による垂直断面図は、図4Bに示したものと同様となる。また、A‐A´線による垂直断面図およびC‐C´線による垂直断面図にも、B‐B´線による垂直断面図と同様に開口部5aが出現し、開口部5aへは上電極膜4およびリード電極60が積層される。
その他:
上述した記録ヘッド1は、インクカートリッジ等と連通するインク流路を備える記録ヘッドユニットの一部を構成して、液体噴射装置としてのインクジェット式記録装置に搭載される。図9は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。図9に示すように、記録ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A,1Bは、インク供給手段を構成するカートリッジ2A,2Bが着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A,1Bを搭載したキャリッジ16は、装置本体17に取り付けられたキャリッジ軸18に軸方向移動自在に設けられている。この記録ヘッドユニット1A,1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。そして、駆動モータ19の駆動力が図示しない複数の歯車及びタイミングベルト7を介してキャリッジ16に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A,1Bを搭載したキャリッジ16はキャリッジ軸18に沿って移動される。一方、装置本体17には、キャリッジ軸18に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラなどによって給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8上を搬送されるようになっている。
なお、上記においては、本発明の液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを説明したが、液体噴射ヘッドは、上述したものに限定されるものではない。本発明は、広く液体噴射ヘッドの全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射するものにも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(電界放出ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
また、本発明にかかる圧電素子は、液体噴射ヘッドに用いられる圧電素子に限定されず、その他のデバイスにも用いることができる。その他のデバイスとしては、例えば、超音波発信器等の超音波デバイス、超音波モータ、温度−電気変換器、圧力−電気変換器、強誘電体トランジスター、圧電トランス、赤外線等の有害光線の遮断フィルター、量子ドット形成によるフォトニック結晶効果を使用した光学フィルター、薄膜の光干渉を利用した光学フィルター等のフィルターなどが挙げられる。
また、センサーとして用いられる圧電素子、強誘電体メモリーとして用いられる圧電素子にも本発明は適用可能である。圧電素子が用いられるセンサーとしては、例えば、赤外線センサー、超音波センサー、感熱センサー、圧力センサー、焦電センサー、及びジャイロセンサー(角速度センサー)等が挙げられる。
1…記録ヘッド、1A,1B…記録ヘッドユニット、2A,2B…カートリッジ、2…下電極膜、3…圧電素子、4…上電極膜、5…圧電体層、5a…開口部、5b…スルーホール、7…タイミングベルト、8…プラテン、9…リザーバ、10…基板、11…隔壁、12…圧力発生室、13…連通部、14…インク供給路、16…キャリッジ、17…装置本体、18…キャリッジ軸、19…駆動モータ、20…ノズルプレート、21…ノズル開口、30…保護基板、31…リザーバ部、32…圧電素子保持部、40…コンプライアンス基板、41…封止膜、42…固定板、43…開口部、50…振動板、51…弾性膜、55…絶縁体膜、60,61…リード電極

Claims (12)

  1. ノズル開口に連通し隔壁によって区画される圧力発生室が形成された基板と、
    圧電体層と、
    第1電極膜から形成され前記圧電体層の前記基板側において前記圧力発生室に対応して形成された第1電極と、
    第2電極膜から形成され前記圧電体層の前記第1電極が形成された側とは逆側において複数の前記圧力発生室に亘って形成された第2電極と、
    前記第2電極膜から形成され、かつ、前記第2電極とは離間して形成された電極膜と、
    前記第1電極に配線として接続するリード電極と、
    前記圧電体層を貫通する貫通部と、を備え、
    前記リード電極は、前記貫通部を介して前記第1電極と接続しており、前記リード電極と前記第1電極との間には前記電極膜が設けられており、
    前記第2電極に対して積層されて配線として機能する金属層が、前記圧力発生室の内外を跨ぐ位置に形成されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 前記貫通部は、前記圧力発生室の長手方向において前記圧力発生室の端よりも外側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッド。
  3. 前記電極膜は、前記貫通部の表面に設けられており、前記貫通部の表面に設けられた前記電極膜を介して前記リード電極と前記第1電極とが接続されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体噴射ヘッド。
  4. 前記第2電極の膜厚は、前記電極膜の膜厚よりも大きいことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の液体噴射ヘッド。
  5. 前記第2電極は、前記圧力発生室の長手方向において前記圧力発生室の外側まで延出して形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の液体噴射ヘッド。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の液体噴射ヘッドを備えることを特徴とする液体噴射装置。
  7. 隔壁によって区画される室が形成された基板と、
    圧電体層と、
    第1電極膜から形成され前記圧電体層の前記基板側において前記室に対応して形成された第1電極と、
    第2電極膜から形成され前記圧電体層の前記第1電極が形成された側とは逆側において複数の前記室に亘って形成された第2電極と、
    前記第2電極膜から形成され、かつ、前記第2電極とは離間して形成された電極膜と、
    前記第1電極に配線として接続するリード電極と、
    前記圧電体層を貫通する貫通部と、を備え、
    前記リード電極は、前記貫通部を介して前記第1電極と接続しており、前記リード電極と前記第1電極との間には前記電極膜が設けられており、
    前記第2電極に対して積層されて配線として機能する金属層が、前記室の内外を跨ぐ位置に形成されていることを特徴とする圧電デバイス。
  8. 前記貫通部は、前記室の長手方向において前記室の端よりも外側に設けられていることを特徴とする請求項7に記載の圧電デバイス。
  9. 前記電極膜は、前記貫通部の表面に設けられており、前記貫通部の表面に設けられた前記電極膜を介して前記リード電極と前記第1電極とが接続されていることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の圧電デバイス。
  10. 前記第2電極の膜厚は、前記電極膜の膜厚よりも大きいことを特徴とする請求項7〜請求項9のいずれかに記載の圧電デバイス。
  11. 前記第2電極は、前記室の長手方向において前記室の外側まで延出して形成されていることを特徴とする請求項7〜請求項10のいずれかに記載の圧電デバイス。
  12. 基板に第1電極膜を形成する工程と、
    前記第1電極膜の前記基板とは逆側に圧電体層を形成する工程と、
    前記圧電体層を貫通する貫通部を形成する工程と、
    前記圧電体層の前記第1電極膜とは逆側の領域および前記逆側の領域とは離間した前記貫通部に第2電極膜を形成する工程と、
    前記貫通部に形成された前記第2電極膜を介して前記第1電極に配線として接続するリード電極と、前記逆側の領域に形成された前記第2電極膜に配線として接続する金属層とを形成する工程と、を含み、
    前記金属層は、前記逆側の領域に形成された前記第2電極膜に対して積層されて、前記基板に形成される圧力発生室の内外を跨ぐ位置に形成されることを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
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