JP2015157388A - 液体噴射ヘッド、及び、液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射ヘッド、及び、液体噴射装置 Download PDF

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JP2015157388A JP2014032579A JP2014032579A JP2015157388A JP 2015157388 A JP2015157388 A JP 2015157388A JP 2014032579 A JP2014032579 A JP 2014032579A JP 2014032579 A JP2014032579 A JP 2014032579A JP 2015157388 A JP2015157388 A JP 2015157388A
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仁司 鷹合
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祐馬 福澤
栄樹 平井
Eiki Hirai
栄樹 平井
本規 ▲高▼部
本規 ▲高▼部
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陽一 長沼
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Abstract

【課題】圧電体層のクラック等の不良発生をより確実に抑制することが可能な液体噴射ヘッド、及び、液体噴射装置を提供する。【解決手段】圧力室に対応する領域に当該圧力室側から第1の電極、圧電体層、および第2の電極がこの順に積層されてなる圧電素子と、を備え、隣り合う圧力室の間に対応する領域には、圧電体層を除去した開口部が形成され、第1の方向に直交する第2の方向における圧電素子の端部領域には、各圧力室の一部及び各開口部の一部とそれぞれ重畳する金属層が積層され、第2の方向において、開口部の端部は圧力室の端部より内側に位置すると共に、金属層と開口部とが重畳した領域の距離をD1、当該金属層と圧力室とが重畳した領域の距離をD2としたとき、0μm≰D1≰25μm …(1)0μm≰D2≰45μm …(2)を満たす。【選択図】図5

Description

本発明は、圧電素子の駆動により液体を噴射する液体噴射ヘッド、及び、これを備えた液体噴射装置に関するものである。
液体噴射装置は液体噴射ヘッドを備え、この噴射ヘッドから各種の液体を噴射する装置である。この液体噴射装置としては、例えば、インクジェット式プリンターやインクジェット式プロッター等の画像記録装置があるが、最近ではごく少量の液体を所定位置に正確に着弾させることができるという特長を生かして各種の製造装置にも応用されている。例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターを製造するディスプレイ製造装置,有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイやFED(面発光ディスプレイ)等の電極を形成する電極形成装置,バイオチップ(生物化学素子)を製造するチップ製造装置に応用されている。そして、画像記録装置用の記録ヘッドでは液状のインクを噴射し、ディスプレイ製造装置用の色材噴射ヘッドではR(Red)・G(Green)・B(Blue)の各色材の溶液を噴射する。また、電極形成装置用の電極材噴射ヘッドでは液状の電極材料を噴射し、チップ製造装置用の生体有機物噴射ヘッドでは生体有機物の溶液を噴射する。
上記の液体噴射ヘッドは、圧力室に液体を導入し、当該圧力室の液体に圧力変動を生じさせて、この圧力室に通じるノズルから液体を噴射するように構成されている。上記圧力室内の液体に圧力変動を生じさせる圧力発生手段としては、圧電素子が好適に用いられる。この圧電素子としては、例えば、圧力室に近い側から順に、圧力室毎に設けられる個別電極として機能する下電極膜と、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の圧電体層と、複数の圧力室に共通な共通電極として機能する上電極膜とが、成膜技術によりそれぞれ積層形成されて構成される(例えば、特許文献1)。そして、圧電体膜において上下の電極膜によって挟まれた部分が、電極膜への電圧の印加によって変形する能動部となる。このような圧電素子は、圧力室の一側(例えば、ノズルが形成されるノズルプレートとは反対側)を区画した振動板上に形成される。この振動板は、可撓性を有し、圧電素子の変形に伴って変形する。
ここで、圧電素子が変形する際において、能動部と能動部では無い部分(非能動部)との境界位置に大きな応力が発生し、この応力によって当該位置に歪みが集中する。このような歪みの集中は、圧電素子を構成する圧電体層にひび割れ(クラック)等の不良を生じさせる虞がある。このような不良の発生を抑制するため、特許文献1では、圧力室の長手方向における端部に対応する領域に圧電体層を形成すると共に、当該領域に金属層を積層し、当該領域の圧電素子の剛性を高めている。これにより、圧電素子の当該領域への歪みの集中が緩和され、上記不良の発生を抑制できる。
特開2013−158909号公報
しかしながら、上記の金属層と圧力室および圧電体層とが重畳する領域をどの程度設ければよいかについての指標は示されていない。このため、例えば、当該重畳する領域を広くし過ぎると、振動板の変形が過度に抑制される虞がある。一方、当該重畳する領域を狭くし過ぎると、上記したクラック等の不良を抑制しきれない虞がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、圧電体層のクラック等の不良発生をより確実に抑制することが可能な液体噴射ヘッド、及び、液体噴射装置を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、ノズルに連通する圧力室が第1の方向に複数形成された圧力室形成基板と、
前記圧力室に対応する領域に当該圧力室側から第1の電極、圧電体層、および第2の電極がこの順に積層されてなる圧電素子と、を備え、
隣り合う圧力室の間に対応する領域には、前記圧電体層を除去した開口部が形成され、
前記第1の方向に直交する第2の方向における前記圧電素子の端部領域には、各圧力室の一部及び各開口部の一部とそれぞれ重畳する金属層が積層され、
前記第2の方向において、前記開口部の端部は前記圧力室の端部より内側に位置すると共に、前記金属層と前記開口部とが重畳した領域の距離をD1、当該金属層と前記圧力室とが重畳した領域の距離をD2としたとき、
0μm≦D1≦25μm …(1)
0μm≦D2≦45μm …(2)
を満たすことを特徴とする。
上記構成において、前記距離D1及びD2が
5μm≦D1≦20μm …(3)
5μm≦D2≦40μm …(4)
を満たすことが望ましい。
この構成によれば、圧電素子の変形を抑制しすぎることなく、圧力室の端部に対応する領域における圧電素子の剛性を高めることができる。これにより、圧電素子を変形させる際に、圧電素子における、当該領域や能動部と非能動部との境界への歪みの集中が緩和され、クラック等の不良の発生をより確実に抑制することができる。その結果、液体噴射ヘッドの信頼性が向上する。
そして、本発明の液体噴射装置は、上記各構成の液体噴射ヘッドを備えたことを特徴とする。
プリンターの構成を説明する斜視図である。 記録ヘッドの分解斜視図である。 記録ヘッドの要部の構成を説明するノズル列に直交する方向に沿った断面の模式図である。 図3におけるA−A′断面図である。 記録ヘッドの平面図である。
以下、本発明を実施するための形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下の説明では、本発明の液体噴射装置として、液体噴射ヘッドの一種であるインクジェット式記録ヘッド(以下、記録ヘッド)を搭載したインクジェット式プリンター(以下、プリンター)を例に挙げる。
プリンター1の構成について、図1を参照して説明する。プリンター1は、記録紙等の記録媒体2(着弾対象の一種)の表面に対して液体状のインクを噴射して画像等の記録を行う装置である。このプリンター1は、記録ヘッド3、この記録ヘッド3が取り付けられるキャリッジ4、キャリッジ4を主走査方向に移動させるキャリッジ移動機構5、記録媒体2を副走査方向に移送する搬送機構6等を備えている。ここで、上記のインクは、本発明の液体の一種であり、液体供給源としてのインクカートリッジ7に貯留されている。このインクカートリッジ7は、記録ヘッド3に対して着脱可能に装着される。なお、インクカートリッジがプリンターの本体側に配置され、当該インクカートリッジからインク供給チューブを通じて記録ヘッドに供給される構成を採用することもできる。
上記のキャリッジ移動機構5はタイミングベルト8を備えている。そして、このタイミングベルト8はDCモーター等のパルスモーター9により駆動される。従ってパルスモーター9が作動すると、キャリッジ4は、プリンター1に架設されたガイドロッド10に案内されて、主走査方向(記録媒体2の幅方向)に往復移動する。
図2は、本実施形態の記録ヘッド3の構成を示す分解斜視図である。また、図3及び図4は記録ヘッド3の要部の構成を示す模式図であり、図3はノズル列に直交する方向に沿った断面図、図4は図3におけるA−A′断面図(ノズル列方向に沿った断面図)である。さらに、図5は、記録ヘッド3の平面図(上面図)である。なお、図5は、後述する封止板20が接合されていない状態を示している。すなわち、図5は、後述する各層が積層された振動板21の平面図である。この図5において、ハッチングで示される部分は金属層(共通金属層30および個別金属層40(いずれも後述))を示している。
本実施形態における記録ヘッド3は、圧力室形成基板15、ノズルプレート16、アクチュエーターユニット14、及び、封止板20等を積層して構成されている。圧力室形成基板15は、例えば、シリコン単結晶基板等からなる板材である。この圧力室形成基板15には、複数の圧力室22となる空間(以下、適宜、圧力室空間と称する。)が、隔壁22aを間に挟んで並設されている。これらの圧力室空間は、ノズル列方向(本発明における第1の方向)に直交する方向(本発明における第2の方向)に長尺な空部であり、ノズルプレート16の各ノズル25に一対一に対応して設けられている。すなわち、各圧力室空間(或いは圧力室22)は、ノズル列方向に沿って、ノズル25の形成ピッチと同じピッチで形成されている。なお、本実施形態の圧力室形成基板15は、面方位(110)のシリコン単結晶基板を、異方性エッチングすることによって作成される。このため、圧力室空間(圧力室22)の上部開口(ノズル25側とは反対側の開口)は、台形状を呈している。この圧力室空間の寸法に関し、本実施形態では、圧力室空間(詳しくは上部開口)の長さ(ノズル列方向に直交する方向の寸法)が約360μm、圧力室空間(詳しくは上部開口)の幅(ノズル列方向の寸法)が約70μmに設定されている。また、圧力室空間の高さ(すなわち、圧力室形成基板15の厚さ)が約70μmに設定されている。
また、図2に示すように、圧力室形成基板15において、圧力室空間に対して当該圧力室空間長手方向の側方(ノズル25との連通側とは反対側)に外れた領域には、圧力室形成基板15を貫通する連通部23が、圧力室空間の並設方向に沿って形成されている。この連通部23は、各圧力室空間に共通な空部である。この連通部23と各圧力室空間とは、インク供給路24を介してそれぞれ連通されている。なお、連通部23は、後述する振動板21の連通開口部26および封止板20の液室空部33と連通して、各圧力室空間(圧力室22)に共通なインク室であるリザーバー(共通液室)を構成する。インク供給路24は、圧力室22よりも狭い幅で形成されており、連通部23から圧力室22に流入するインクに対して流路抵抗となる部分である。
圧力室形成基板15の下面(アクチュエーターユニット14との接合面側とは反対側の面)には、ノズルプレート16(ノズル形成基板)が、接着剤や熱溶着フィルム等を介して接合されている。本実施形態におけるノズルプレート16は、ドット形成密度(例えば、300dpi)に相当するピッチ(隣接ノズル25の中心間距離)で各ノズル25が並設されている。各ノズル25は、圧力室空間に対してインク供給路24とは反対側の端部で連通する。なお、ノズルプレート16は、例えば、ガラスセラミックス、シリコン単結晶基板、又はステンレス鋼などからなる。
アクチュエーターユニット14は、振動板21、圧電素子19および共通金属層30等から構成される。振動板21は、圧力室形成基板15の上面に形成された弾性膜17と、この弾性膜17上に形成された絶縁体膜18と、から成る。なお、弾性膜17としては、例えば、厚さが300〜2000nmの二酸化シリコン(SiO2)が好適に用いられる。また、絶縁体膜18としては、例えば、厚さが30〜600nmの酸化ジルコニウム(ZrOx)が好適に用いられる。この振動板21における圧力室空間に対応する部分、即ち、圧力室空間の上部開口を塞いで圧力室22の一部を区画する部分は、圧電素子19の撓み変形に伴ってノズル25から遠ざかる方向あるいは近接する方向に変位する変位部として機能する。この振動板21における圧力室形成基板15の連通部23に対応する部分には、当該連通部23と連通する連通開口部26が開設されている。
振動板21(絶縁体膜18)の圧力室空間に対応する部分、すなわち変位部の上面(ノズル25側とは反対側の面)には、圧電素子19が形成されている。本実施形態における圧電素子19は、振動板21側から順に下電極膜27(本発明における第1の電極に相当)、圧電体層28および上電極膜29(本発明における第2の電極に相当)が、成膜技術により積層されて構成されている。
なお、上電極膜29および下電極膜27としては、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、チタン(Ti)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)等の各種金属や、これらの合金等が用いられる。また、圧電体層28としては、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の強誘電性圧電性材料や、これにニオブ、ニッケル、マグネシウム、ビスマス又はイットリウム等の金属を添加したリラクサ強誘電体等が用いられる。さらに、各層の厚さに関し、例えば、上電極膜29の厚さは15〜100nm、圧電体層28の厚さ(詳しくは、上電極膜29と下電極膜27とに挟まれた部分における圧電体層28の厚さ)は0.7〜5μm、下電極膜27の厚さは50〜300nmの範囲に設定されることが望ましい。
ここで、図4に示すように、下電極膜27は、個々の圧力室22毎に独立して設けられる一方、上電極膜29は、複数の圧力室22に亘って連続して設けられている。したがって、下電極膜27は、圧力室22毎の個別電極となり、上電極膜29は、各圧力室22に共通な共通電極となる。
具体的には、図4または図5に示すように、圧力室並設方向(ノズル列方向)において、下電極膜27の幅は、圧力室22(詳しくは、圧力室空間の上部開口)の幅及び圧力室22に対応する領域の圧電体層28の幅(隣り合う開口部28a(後述)の間の距離)よりも狭く形成されている。また、図5に示すように、下電極膜27は、圧力室22の長手方向(ノズル列方向に直交する方向)において、一側(図5における上側)の端部が圧力室22の端部(詳しくは、圧力室空間の上部開口縁)を超えてインク供給路24と重なる位置まで延在され、他側(図5における下側)の端部がリード電極部41(後述)まで延在されている。上電極膜29は、圧力室並設方向において、その両端部が並設された一群の圧力室22の外側まで延在されている。また、上電極膜29は、圧力室22の長手方向において、一側の端部が下電極膜27の端部を超えて外側まで延在され、他側の端部が圧力室22(詳しくは、圧力室空間の上部開口縁)の端部を超えて当該圧力室22とリード電極部41との間の領域まで延在されている。
本実施形態の圧電体層28は、圧力室22の長手方向の両端部(詳しくは、圧力室空間の両側の上部開口縁)を超えて外側まで延在されると共に、複数の圧力室22に亘って形成されている。そして、隣り合う圧力室22の間に対応する領域には、圧電体層28が部分的に除去された開口部28aが複数形成されている。すなわち、複数の開口部28aがノズル列方向に沿って、圧力室22の形成ピッチ(ノズル25の形成ピッチ)と同じピッチで形成されている。言い換えると、開口部28aと開口部28aとの間に、1つの圧力室22に対応する圧電素子19が圧力室22の形成ピッチと同じピッチで形成されている。圧力室空間上における圧電体層28のノズル列方向の幅(隣り合う開口部28aの間の距離)は、圧力室22の同方向における幅よりも狭く、且つ下電極膜27の同方向の幅よりも広く形成されている。また、開口部28aの長手方向の長さは、圧力室22の長手方向の長さより短く形成されている。すなわち、長手方向において、開口部28aの両側の端部は、いずれも圧力室22の両側の端部より内側(圧力室22の中央側)に位置している。なお、本実施形態の開口部28aは、平面視において、圧力室22の長手方向に沿って長尺な細長六角形状に形成されている。また、圧力室22の長手方向において、開口部28aから外れた領域の圧電体層28は、複数の圧力室22に亘って連続して形成されている。
このように圧電素子19は、図4に示すように、圧力室22に対応する領域において、ノズル列方向における寸法が、上電極膜29の幅、圧力室22の幅、圧電体層28の幅、下電極膜27の幅の順に小さくなっている。そして、下電極膜27と上電極膜29との間に圧電体層28が挟まれた領域が、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる能動部となる。
そして、圧力室22の長手方向における圧電素子19の端部領域には、複数の圧力室22に亘って連続する共通金属層30(本発明における金属層に相当)が積層されている。この共通金属層30は、金(Au)からなり、図示しない密着層(例えば、NiCr)を介して上電極膜29の上に積層される。本実施形態では、複数の圧力室22に亘って連続して形成されると共に、ノズル列方向に直交する方向において開口部28aを挟んだ両側に形成されている。一側(インク供給路24側、図5における上側)に形成される共通金属層30aは、開口部28aの一側における端部に対応する領域から圧力室22及びインク供給路24を超えた領域まで延在している。一方、他側(ノズル25側、図5における下側)に形成される共通金属層30bは、開口部28aの他側における端部に対応する領域から圧力室22(詳しくは、圧力室空間の上部開口縁)の端部を超えて当該圧力室22とリード電極部41との間の領域まで延在されている。
そして、一側の共通金属層30aは、図5に示すように、平面視において細長六角形状の開口部28aの一側の頂点を含む端部と重畳されると共に、圧力室22のインク供給路24との境界を含む端部と重畳されている。また、他側の共通金属層30bは、平面視において開口部28aの他側の頂点を含む端部と重畳されると共に、圧力室22の他側の端部と重畳されている。本発明では、この圧力室22の長手方向(ノズル列方向に直交する方向)における共通金属層30と開口部28aとが重畳した領域の距離、および、共通金属層30と圧力室22とが重畳した領域の距離について最適化することで、圧電素子19の変形を抑制しすぎることなく、圧力室22の端部に対応する領域における圧電素子19の剛性を高めている。この点については、後述する。なお、共通金属層30は、圧力室並設方向の外側において、リード電極部41側の端子領域(図示せず)まで延在している。そして、端子領域において、配線部材の共通電極端子と電気的に接続される。
また、圧力室22の上部開口縁よりも長手方向の外側に外れた領域における圧電体層28上であって、上電極膜29に対して所定の間隔を隔てた位置(図3における左側の位置又は図5における下側の位置)には、リード電極部41が形成されている。このリード電極部41には、図3に示すように、圧電体層28の上面から下電極膜27に至るスルーホール42が圧電体層28を貫通する状態で形成されている。このスルーホール42に対応する領域には、導通用上電極膜39が当該スルーホール42よりも僅かに大きく形成されている。この導通用上電極膜39は、スルーホール42に対応して個別にパターニングされ、スルーホール42を通じて個別電極である下電極膜27に導通されている。また導通用上電極膜39の上には、個別金属層40が下電極膜27(スルーホール42)に対応してパターニングされている。すなわち、個別金属層40は、スルーホール42に対応する領域に形成された導通用上電極膜39を介して下電極膜27と導通されている。そして、個別金属層40(リード電極部41)は図示しない端子領域まで延在され、配線部材の個別電極端子と電気的に接続される。なお、下電極膜27は、スルーホール42と相対する範囲を除いて圧電体層28に覆われている。これにより、下電極膜27からのリーク電流が極力抑えられ、また、当該リーク電流を抑制するための特別な措置(例えば、酸化アルミニウム等の保護膜による保護)を施す手間を省くことができる。
図2に示すように、アクチュエーターユニット14における圧力室形成基板15との接合面である下面とは反対側の上面には、圧電素子19を収容可能な収容空部32を有する封止板20が接合される。この封止板20には、収容空部32よりもノズル列に直交する方向の外側に外れた位置であって、振動板21の連通開口部26および圧力室形成基板15の連通部23に対応する領域には、液室空部33が設けられている。液室空部33は、封止板20を厚さ方向に貫通して圧力室空間(圧力室22)の並設方向に沿って設けられており、上述したように連通開口部26および連通部23と一連に連通して各圧力室空間の共通のインク室となるリザーバーを画成する。なお、図示しないが、封止板20には、収容空部32と液室空部33の他に、アクチュエーターユニット14の端子領域に対応する位置に、封止板20を厚さ方向に貫通する配線開口部が設けられている。この配線開口部内に端子領域の個別金属層40および共通金属層30が露出される。そして、これらの金属層30、40の露出部分には、プリンター本体側からの図示しない配線部材の端子が電気的に接続される。
上記構成の記録ヘッド3では、インクカートリッジ7からインクを取り込み、リザーバー、インク供給路24、圧力室22、およびノズル25に至るまでの流路内がインクで満たされる。そして、プリンター本体側からの駆動信号の供給により、圧力室22に対応するそれぞれの下電極膜27と上電極膜29との間に両電極の電位差に応じた電界が付与され、圧電素子19および振動板21の変位部が変位することにより、圧力室22内に圧力変動が生じる。この圧力変動を制御することで、ノズル25からインクが噴射される。
ここで、本発明に係る記録ヘッド3では、図5に示すように、圧力室22の長手方向(ノズル列方向に直交する方向)において、共通金属層30と開口部28aとが重畳した領域の距離をD1、当該共通金属層30と圧力室22とが重畳した領域の距離をD2としたとき、以下の(1)式および(2)式を満たすように構成される。
0μm≦D1≦25μm …(1)
0μm≦D2≦45μm …(2)
特に、以下の(3)式および(4)式を満たすように構成されることがより望ましい。
5μm≦D1≦20μm …(3)
5μm≦D2≦40μm …(4)
本実施形態では、圧力室22の長手方向における両側において、共通金属層30a、30bと開口部28aおよび圧力室22との位置関係が上記(1)式および(2)式(あるいは(3)式および(4)式)を満たすように構成されている。具体的には、圧力室22の長手方向の一側において、開口部28aの端部(細長六角形状の開口部28aの一側の頂点)と、共通金属層30aの内側(圧力室22の中央側)の端部との圧力室22の長手方向における距離D1′が上記(1)式(あるいは(3)式)を満たすと共に、圧力室22の端部(インク供給路24との境界)と、共通金属層30aの内側の端部との圧力室22の長手方向における距離D2′が上記(2)式(あるいは(4)式)を満たしている。また、圧力室22の長手方向の他側において、開口部28aの端部(細長六角形状の開口部28aの他側の頂点)と、共通金属層30bの内側(圧力室22の中央側)の端部との圧力室22の長手方向における距離D1が上記(1)式(あるいは(3)式)を満たすと共に、圧力室22の端部(台形状の圧力室22の最もリード電極部41側に位置する頂点)と、共通金属層30bの内側の端部との圧力室22の長手方向における距離D2が上記(2)式(あるいは(4)式)を満たしている。
このように、共通金属層30a、30bと開口部28aおよび圧力室22との位置関係が上記(1)式および(2)式(あるいは(3)式および(4)式)を満たすように構成することで、圧力室22上の共通金属層30を排除した領域(膜厚を薄くした領域)を最適な範囲に収めることができる。これにより、圧電素子19の能動部のバネ性(変位量)を十分に担保することができる。一方、圧力室22の長手方向(ノズル列方向に直交する方向)における開口部28aの両端部に共通金属層30a、30bを配置して、圧電素子19の剛性を高めることができる。また、当該方向における開口部28aの両端は圧力室22の両端よりも当該圧力室22に対して内側に在るため、圧力室22の両端部に圧電体層28が重なることとなり、その結果、圧力室22の当該両端部近傍における圧電素子19の剛性を一層高めることができる。すなわち、圧電素子19の変形を抑制しすぎることなく、圧力室22の両端部に対応する領域における圧電素子19の剛性を高めることができる。これにより、圧電素子19を変形させる際に、圧電素子19における、当該領域や能動部と非能動部との境界への歪みの集中が緩和され、クラック等の不良の発生をより確実に抑制することができる。その結果、記録ヘッド3の信頼性が向上する。
ところで、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、圧力室22の長手方向における両側において、共通金属層30a、30bと開口部28aおよび圧力室22との位置関係が上記(1)式および(2)式を満たすように構成されていたが、これには限られない、圧力室22の長手方向における少なくとも一側において、共通金属層と開口部および圧力室との位置関係が上記(1)式および(2)式を満たすように構成されていればよい。また、圧力室22(圧力室空間)の形状は、上記実施形態に限られない。例えば、圧力室空間を区画する内壁面が、流路形成基板の上下面に対してそれぞれ傾斜していてもよい。この場合、圧力室の幅(短手方向の寸法)あるいは長手方向の寸法は、圧力室空間の上部開口の開口寸法に相当する。また、上記実施形態の圧力室22(圧力室空間)は平面視において台形状を呈していたが、これには限られず、例えば、平行四辺形状や長方形状等の種々の形状を採用することができる。さらに、上記実施形態の開口部28aは平面視において細長六角形状を呈していたが、これには限られず、例えば、平行四辺形状や長方形状等の種々の形状を採用することができる。
そして、上述した実施形態では、インクジェットプリンターに搭載されるインクジェット式記録ヘッドを例示したが、上記構成の圧電素子および圧力室を有するものであれば、インク以外の液体を噴射するものにも適用することができる。例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材噴射ヘッド、バイオチップ(生物化学素子)の製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等にも本発明を適用することができる。その他、電圧の印加により能動的に変形する、いわゆるアクチュエータとして機能する圧電素子を備えたものに限らず、外部から動きが与えられることで受動的に電気信号を出力する、いわばセンサーとして機能する圧電素子を備えたものにも適用できる。
1…プリンター,3…記録ヘッド,14…アクチュエーターユニット,15…圧力室形成基板,16…ノズルプレート,17…弾性膜,18…絶縁体膜,19…圧電素子,21…振動板,22…圧力室,23…連通部,25…ノズル,27…下電極膜,28…圧電体層,28a…開口部,29…上電極膜,30…共通金属層,39…導通用上電極膜,40…個別金属層,41…リード電極部,42…スルーホール

Claims (3)

  1. ノズルに連通する圧力室が第1の方向に複数形成された圧力室形成基板と、
    前記圧力室に対応する領域に当該圧力室側から第1の電極、圧電体層、および第2の電極がこの順に積層されてなる圧電素子と、を備え、
    隣り合う圧力室の間に対応する領域には、前記圧電体層を除去した開口部が形成され、
    前記第1の方向に直交する第2の方向における前記圧電素子の端部領域には、各圧力室の一部及び各開口部の一部とそれぞれ重畳する金属層が積層され、
    前記第2の方向において、前記開口部の端部は前記圧力室の端部より内側に位置すると共に、前記金属層と前記開口部とが重畳した領域の距離をD1、当該金属層と前記圧力室とが重畳した領域の距離をD2としたとき、
    0μm≦D1≦25μm …(1)
    0μm≦D2≦45μm …(2)
    を満たすことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 前記距離D1及びD2が
    5μm≦D1≦20μm …(3)
    5μm≦D2≦40μm …(4)
    を満たすことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッド。
  3. 請求項1または請求項2に記載の液体噴射ヘッドを備えたことを特徴とする液体噴射装置。
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