JP2016147442A - インクジェットヘッド、及び、インクジェットプリンター - Google Patents
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Abstract
【課題】封止板と圧電素子との間隔がばらついたとしても圧電素子が変形できる空間を確保することが可能なインクジェットヘッド、及び、インクジェットプリンターを提供する。
【解決手段】ノズル22に連通した圧力室30が形成された圧力室形成基板29と、圧力室30の一側の面を区画して、当該区画領域35の変形が許容される振動板31と、振動板31の圧力室30側とは反対側の面に形成され、区画領域35の振動板31を変形させる圧電素子32と、振動板31に対して間隔を開けて配置された封止板33と、を備え、封止板33は、少なくとも区画領域35に対向する部分を含む領域に、圧電素子32側の面から当該面とは反対側の面に向けて凹んだ凹部41を有し、且つ当該凹部41から外れた領域に前記圧電素子32を駆動するための駆動回路46を備えた。
【選択図】図3
【解決手段】ノズル22に連通した圧力室30が形成された圧力室形成基板29と、圧力室30の一側の面を区画して、当該区画領域35の変形が許容される振動板31と、振動板31の圧力室30側とは反対側の面に形成され、区画領域35の振動板31を変形させる圧電素子32と、振動板31に対して間隔を開けて配置された封止板33と、を備え、封止板33は、少なくとも区画領域35に対向する部分を含む領域に、圧電素子32側の面から当該面とは反対側の面に向けて凹んだ凹部41を有し、且つ当該凹部41から外れた領域に前記圧電素子32を駆動するための駆動回路46を備えた。
【選択図】図3
Description
本発明は、電圧の印加により変形する圧電素子を備えたインクジェットヘッド、及び、これを備えたインクジェットプリンターに関するものである。
インクジェットプリンターはパーマネントヘッドを備え、このパーマネントヘッドから各種の液体を噴射(吐出)する装置である。インクジェットプリンター(ink jet printer)とは、非衝撃式印字装置であって、文字が用紙上にインクの粒子又は小滴の噴射によって形成されるものである(JIS X0012−1990)。複数の点で表現される文字や画像を印字するプリンターであるドットプリンターの一形態であり、インクの粒子又は小滴の噴射によって形成される複数の点で表現される文字や画像を印字する。また、パーマネントヘッド(permanent head)とは、インクの液滴を連続的又は断続的に生成する、プリンター本体の機械部又は電気部である(以下、「インクジェットヘッド」(Inkjet‐head)という)(JIS Z8123−1:2013)。このインクジェットプリンターは、画像記録装置として使用されるほか、ごく少量の液体を所定位置に正確に着弾させることができるという特長を活かして各種の製造装置にも応用されている。例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターを製造するディスプレイ製造装置,有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイやFED(面発光ディスプレイ)等の電極を形成する電極形成装置,バイオチップ(生物化学素子)を製造するチップ製造装置に応用されている。
上記のインクジェットヘッドは、複数のノズルが形成されたノズルプレート、各ノズルに対応する圧力室が形成された圧力室形成基板、各圧力室内の液体に圧力変動を生じさせる圧電素子、及び、圧電素子を収容する凹部が形成された封止板等が積層されて構成されている。そして、圧電素子に駆動信号を供給することで、圧力室内の液体に圧力変動(圧力変化)を生じさせ、この圧力変動を利用してノズルから液体を噴射するように構成されている。ここで、近年、より高画質な画像を形成するために、ノズルの高密度化が検討されている。これに伴って、圧電素子が高密度に配置されるため、従来の圧電素子に駆動信号を送るための駆動回路(ドライバ回路ともいう。)が搭載されたフレキシブルケーブルを、圧電素子から延在された端子部に接合する構成では、インクジェットヘッドの製造が困難になり、また小型化にも不利になっていた。
そこで、封止板の凹部内における圧電素子に対向する面に、ドライバ回路を形成する技術が開発されている(例えば、特許文献1参照)。このドライバ回路が形成された面には、当該ドライバ回路と圧電素子とを電気的に接続するためのバンプ電極が形成されている。なお、封止板は、半導体プロセス(即ち、成膜工程、フォトリソグラフィー工程及びエッチング工程など)によりドライバ回路を作成できることからシリコン製の基板が用いられる。しかしながら、上記の凹部は、エッチング技術により封止板に作成されるため、その内部の表面が粗くなり易い。このような面にドライバ回路が形成されると、所望の性能が得られない虞がある。また、ドライバ回路を形成するためのフォトリソグラフィー工程においてレジストを塗布する際に、凹部内にレジストを均一に塗布できない虞もある。さらに、その後の露光において、凹部内に焦点を合わせられずに、パターニング精度が落ちる虞もある。その結果、高密度なドライバ回路を凹部内に形成することが困難になっていた。
上記のような問題を解決するため、凹部が形成されていない平板状の封止板の表面にドライバ回路を形成すると共に、圧電素子が変形可能な間隔を開けた状態で、接着剤により当該封止板と圧電素子が積層された基板とを接着することが考えられている。このとき、ドライバ回路と導通するバンプ電極を対応する圧電素子と導通する電極に確実に導通させるために、当該バンプ電極を押し潰した状態で両基板を接着する。このため、封止板と圧電素子との間隔は、押し潰されたバンプ電極の高さに依存することになる。その結果、バンプ電極の高さあるいは潰し量のばらつきにより封止板と圧電素子との間隔がばらつくと、場合によっては、圧電素子の変形が封止板により阻害される虞があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、封止板と圧電素子との間隔がばらついたとしても圧電素子が変形できる空間を確保することが可能なインクジェットヘッド、及び、インクジェットプリンターを提供することにある。
本発明のインクジェットヘッドは、上記目的を達成するために提案されたものであり、ノズルに連通した圧力室が形成された圧力室形成基板と、
前記圧力室の一側の面を区画して、当該区画領域の変形が許容される振動板と、
前記振動板の圧力室側とは反対側の面に形成され、前記区画領域の振動板を変形させる圧電素子と、
前記振動板に対して間隔を開けて配置された封止板と、を備え、
前記封止板は、少なくとも前記区画領域に対向する部分を含む領域に、圧電素子側の面から当該面とは反対側の面に向けて凹んだ凹部を有し、且つ当該凹部から外れた領域に前記圧電素子を駆動するための駆動回路を備えたことを特徴とする。
前記圧力室の一側の面を区画して、当該区画領域の変形が許容される振動板と、
前記振動板の圧力室側とは反対側の面に形成され、前記区画領域の振動板を変形させる圧電素子と、
前記振動板に対して間隔を開けて配置された封止板と、を備え、
前記封止板は、少なくとも前記区画領域に対向する部分を含む領域に、圧電素子側の面から当該面とは反対側の面に向けて凹んだ凹部を有し、且つ当該凹部から外れた領域に前記圧電素子を駆動するための駆動回路を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、区画領域に対向する部分を含む領域に、圧電素子側の面から当該面とは反対側の面に向けて凹んだ凹部を有しているので、封止板と圧電素子との間隔がばらついたとしても、圧電素子の変形が阻害されることを抑制できる。また、凹部から外れた領域に圧電素子を駆動するための駆動回路を備えたので、半導体プロセスにより当該駆動回路を精度よく形成できる。
また、上記構成において、前記駆動回路は、前記圧力室形成基板と前記封止板とを接合する接着剤により被覆されたことを特徴とする。
この構成によれば、圧力室形成基板と封止板とを接合する際に、封止板の駆動回路が形成された領域にかかる応力を均一にできる。その結果、応力がかかることにより変化する駆動回路の特性を均一にできる。
さらに、上記各構成において、前記封止板は、前記駆動回路に接続される配線層を当該封止板の圧電素子側の面に露出した状態で備え、
前記配線層は、前記圧力室形成基板と前記封止板とを接合する接着剤により被覆されたことを特徴とする。
前記配線層は、前記圧力室形成基板と前記封止板とを接合する接着剤により被覆されたことを特徴とする。
この構成によれば、腐食やマイグレーション等により配線層に含まれる配線が断線することを抑制できる。また、配線層が電位の異なる複数の配線を有している場合でも、これらの配線が短絡することを抑制できる。
そして、本発明のインクジェットプリンターは、上記構成のインクジェットヘッドを備えたことを特徴とする。
以下、本発明を実施するための形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下においては、本発明のインクジェットプリンターとして、インクジェットヘッドの一種である記録ヘッド3を搭載したプリンター1を例に挙げて説明する。
プリンター1の構成について、図1を参照して説明する。プリンター1は、記録紙等の記録媒体2(着弾対象の一種)の表面に対してインク(液体の一種)を噴射して画像等の記録を行う装置である。このプリンター1は、記録ヘッド3、この記録ヘッド3が取り付けられるキャリッジ4、キャリッジ4を主走査方向に移動させるキャリッジ移動機構5、記録媒体2を副走査方向に移送する搬送機構6等を備えている。ここで、上記のインクは、液体供給源としてのインクカートリッジ7に貯留されている。このインクカートリッジ7は、記録ヘッド3に対して着脱可能に装着される。なお、インクカートリッジがプリンターの本体側に配置され、当該インクカートリッジからインク供給チューブを通じて記録ヘッドに供給される構成を採用することもできる。
上記のキャリッジ移動機構5はタイミングベルト8を備えている。そして、このタイミングベルト8はDCモーター等のパルスモーター9により駆動される。したがってパルスモーター9が作動すると、キャリッジ4は、プリンター1に架設されたガイドロッド10に案内されて、主走査方向(記録媒体2の幅方向)に往復移動する。キャリッジ4の主走査方向の位置は、位置情報検出手段の一種であるリニアエンコーダー(図示せず)によって検出される。リニアエンコーダーは、その検出信号、即ち、エンコーダーパルス(位置情報の一種)をプリンター1の制御部に送信する。
また、キャリッジ4の移動範囲内における記録領域よりも外側の端部領域には、キャリッジ4の走査の基点となるホームポジションが設定されている。このホームポジションには、端部側から順に、記録ヘッド3のノズル面(ノズルプレート21)に形成されたノズル22を封止するキャップ11、及び、ノズル面を払拭するためのワイピングユニット12が配置されている。
次に記録ヘッド3について説明する。図2は、記録ヘッド3の構成を説明する断面図である。図3は、記録ヘッド3の要部を拡大した断面図、すなわちアクチュエーターユニット14の断面図である。本実施形態における記録ヘッド3は、図2に示すように、アクチュエーターユニット14および流路ユニット15が積層された状態でヘッドケース16に取り付けられている。なお、便宜上、各部材の積層方向を上下方向として説明する。
ヘッドケース16は、合成樹脂製の箱体状部材であり、その内部には各圧力室30にインクを供給するリザーバー18が形成されている。このリザーバー18は、複数並設された圧力室30に共通なインクが貯留される空間であり、2列に列設された圧力室30の列に対応して2つ形成されている。なお、ヘッドケース16の上方には、インクカートリッジ7側からのインクをリザーバー18に導入するインク導入路(図示せず)が形成されている。また、ヘッドケース16の下面側には、当該下面からヘッドケース16の高さ方向の途中まで直方体状に窪んだ収容空間17が形成されている。後述する流路ユニット15がヘッドケース16の下面に位置決めされた状態で接合されると、連通基板24上に積層されたアクチュエーターユニット14(圧力室形成基板29、封止板33等)が収容空間17内に収容されるように構成されている。
ヘッドケース16の下面に接合される流路ユニット15は、連通基板24及びノズルプレート21を有している。連通基板24は、シリコン製の板材であり、本実施形態では、表面(上面および下面)を(110)面としたシリコン単結晶基板から作製されている。この連通基板24には、図2に示すように、リザーバー18と連通し、各圧力室30に共通なインクが貯留される共通液室25と、この共通液室25を介してリザーバー18からのインクを各圧力室30に個別に供給する個別連通路26とが、異方性エッチングにより形成されている。共通液室25は、ノズル列方向(圧力室30の並設方向)に沿った長尺な空部であり、2つのリザーバー18に対応して2列形成されている。この共通液室25は、連通基板24の板厚方向を貫通した第1液室25aと、連通基板24の下面側から上面側に向けて当該連通基板24の板厚方向の途中まで窪ませ、上面側に薄板部を残した状態で形成された第2液室25bと、から構成される。個別連通路26は、第2液室25bの薄板部において、圧力室30に対応して当該圧力室30の並設方向に沿って複数形成されている。この個別連通路26は、連通基板24と圧力室形成基板29とが位置決めされて接合された状態で、対応する圧力室30の長手方向における一側の端部と連通する。
また、連通基板24の各ノズル22に対応する位置には、連通基板24の板厚方向を貫通したノズル連通路27が形成されている。すなわち、ノズル連通路27は、ノズル列に対応して当該ノズル列方向に沿って複数形成されている。このノズル連通路27によって、圧力室30とノズル22とが連通する。本実施形態のノズル連通路27は、連通基板24と圧力室形成基板29とが位置決めされて接合された状態で、対応する圧力室30の長手方向における他側(個別連通路26とは反対側)の端部と連通する。
ノズルプレート21は、連通基板24の下面(圧力室形成基板29とは反対側の面)に接合されたシリコン製の基板(例えば、シリコン単結晶基板)である。本実施形態では、このノズルプレート21により、共通液室25となる空間の下面側の開口が封止されている。また、ノズルプレート21には、複数のノズル22が直線状(列状)に開設されている。本実施形態では、2列に形成された圧力室30の列に対応して、ノズル列が2列形成されている。この列設された複数のノズル22(ノズル列)は、一端側のノズル22から他端側のノズル22までドット形成密度に対応したピッチ(例えば600dpi)で、主走査方向に直交する副走査方向に沿って等間隔に設けられている。なお、ノズルプレートを連通基板における共通液室から内側に外れた領域に接合し、共通液室となる空間の下面側の開口を例えば可撓性を有するコンプライアンスシート等の部材で封止することもできる。このようにすれば、ノズルプレートを可及的に小さくできる。
アクチュエーターユニット14は、図2及び図3に示すように、圧力室形成基板29、振動板31、圧電素子32および封止板33が積層されてユニット化されている。このアクチュエーターユニット14は、収容空間17内に収容可能なように、収容空間17よりも小さく形成されている。
圧力室形成基板29は、シリコン製の硬質な板材であり、本実施形態では、表面(上面および下面)を(110)面としたシリコン単結晶基板から作製されている。この圧力室形成基板29には、異方性エッチングにより一部が板厚方向に完全に除去されて、圧力室30となるべき空間が複数列設されている。この空間は、下側が連通基板24により区画され、上側が振動板31により区画されて、圧力室30を構成する。また、この空間、すなわち圧力室30は、2列に形成されたノズル列に対応して2列に形成されている。各圧力室30は、ノズル列方向に直交する方向に長尺な空部であり、長手方向の一側の端部に個別連通路26が連通し、他側の端部にノズル連通路27が連通する。なお、本実施形態の圧力室30の長手方向の両側壁は、圧力室形成基板29の上面或いは下面に対して傾斜している。
振動板31は、弾性を有する薄膜状の部材であり、圧力室形成基板29の上面(連通基板24とは反対側の面)に積層されている。この振動板31によって、圧力室30となるべき空間の上部開口が封止されている。換言すると、振動板31によって、圧力室30の上面が区画されている。この振動板31における圧力室30の上面を区画する区画領域35は、圧電素子32の撓み変形に伴ってノズル22から遠ざかる方向あるいは近接する方向に変形(変位)する変位部として機能する。すなわち、振動板31における区画領域35は、撓み変形が許容される領域であり、振動板31における区画領域35から外れた領域は撓み変形が阻害される領域である。なお、振動板31は、例えば、圧力室形成基板29の上面に形成された二酸化シリコン(SiO2)からなる弾性膜と、この弾性膜上に形成された酸化ジルコニウム(ZrO2)からなる絶縁体膜と、から成る。そして、この絶縁膜上(振動板31の圧力室30側とは反対側の面)における区画領域35に対応する位置に圧電素子32がそれぞれ積層されている。
本実施形態の圧電素子32は、所謂撓みモードの圧電素子である。この圧電素子32は、2列に列設された圧力室30の列に対応して2列に列設されている。各圧電素子32は、図3に示すように、振動板31上に、下電極層37(個別電極)、圧電体層38、上電極層39(共通電極)、及び金属層40が順次積層されてなる。このように構成された圧電素子32のうち、圧電体層38を下電極層37と上電極層39との間に挟んだ領域が、圧電素子32の能動部となる。すなわち、下電極層37と上電極層39との間に両電極の電位差に応じた電界が付与されると、ノズル22から遠ざかる方向あるいは近接する方向に撓み変形し、区画領域35の振動板31を変形させる。本実施形態の能動部は、図3に示すように、圧力室30の長手方向の両側において区画領域35から外れた位置まで延在されている。なお、能動部の区画領域35の外側まで延在した部分は、圧力室形成基板29により変形(変位)が阻害される。
また、本実施形態の圧電素子32には、長手方向における両端部に金属層40が形成されている。一側(アクチュエーターユニット14における外側)の端部に形成された金属層40は、圧電体層38上において上電極層39と電気的に接続され、共通電極となる共通金属層40aである。この共通金属層40aは、区画領域35の外側の端部と重なる領域から圧電体層38から外れた領域まで延在している。他側(アクチュエーターユニット14における内側)の端部に形成された金属層40は、圧電体層38から外れた領域において下電極層37と電気的に接続され、個別電極となる個別金属層40bである。この個別金属層40bは、区画領域35から他側に外れた領域と重なる領域であって、圧電体層38の端部と重なる領域から当該圧電体層38から外れた領域まで延在している。また、本実施形態では、共通金属層40aと個別金属層40bとの間であって、上電極層39の他側の端部と重なる領域に金属層40が形成されている。この金属層40は、圧電体層38の変形を抑制する錘となる錘用金属層40cである。本実施形態の錘用金属層40cは、区画領域35と当該区画領域35外の領域との境界に跨って形成されている。この錘用金属層40cにより圧電体層38の他側の端部の変形を抑制し、区画領域35と当該区画領域35外の領域との境界で圧電体層38が破壊されることを抑制できる。なお、圧電体層38の一側の端部は、区画領域35と当該区画領域35外の領域との境界に跨って形成された共通金属層40aにより、当該境界において圧電体層38が破壊されることが抑制される。
なお、上記した下電極層37及び上電極層39としては、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、チタン(Ti)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)等の各種金属、及び、これらの合金やLaNiO3等の合金等が用いられる。また、圧電体層38としては、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の強誘電性圧電性材料や、これにニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)、マグネシウム(Mg)、ビスマス(Bi)又はイットリウム(Y)等の金属を添加したリラクサ強誘電体等が用いられる。その他、チタン酸バリウムなどの非鉛材料も用いることができる。さらに、金属層40としては、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、及び、これらの合金等からなる密着層上に金(Au)等が積層されたものが用いられる。
封止板33は、振動板31に対して間隔を開けて配置されたシリコン製の板材である。本実施形態の封止板33は、表面(上面および下面)が(110)面のシリコン単結晶基板から成り、平面視において圧力室形成基板29の外径と略同じに揃えられている。この封止板33の圧電素子32側の面における少なくとも区画領域35に対向する部分を含む領域には、当該面とは反対側の面に向けて凹んだ凹部41が形成されている。本実施形態の凹部41は、2列に形成された圧電素子32の列に対応して、当該列に沿って2列形成されている。具体的には、この凹部41は、圧電素子32の列の一側の端部に配置された圧電素子32に対応する区画領域35と対向する部分から他側の端部に配置された圧電素子32に対応する区画領域35と対向する部分まで、一連に形成されている。また、凹部41は、圧力室30の長手方向において区画領域35と対向する部分と略同じ大きさか、或いは当該部分よりも大きく形成される。本実施形態の凹部は、区画領域35と対向する部分より僅かに大きく形成されている。この凹部41により、区画領域35における圧電素子32の変形が保証される。なお、凹部41の封止板33の表面に対して直交する方向の寸法(すなわち、深さ)は、圧電素子32の変形量よりも十分に大きく設定され、例えば、数μm〜数十μmに設定される。
また、封止板33の圧電素子32側の面における凹部41から外れた領域には、2列に形成された各圧電素子32を個々に駆動するための駆動回路46(ドライバ回路)が形成されている。この駆動回路46は、封止板33となるシリコン単結晶基板(シリコンウエハー)の表面に、半導体プロセス(即ち、成膜工程、フォトリソグラフィー工程及びエッチング工程など)を用いて作成される。本実施形態の駆動回路46は、封止板33のノズル列に直交する方向における中央部であって、2列に形成された圧電素子32の列間に対向する領域に形成されている。さらに、封止板33の圧電素子32側の面における駆動回路46上には、当該駆動回路46に接続される配線層47が、封止板33の表面に露出した状態で備えられている。この配線層47は、駆動回路46内において引き回された配線の電気抵抗を下げるために、当該配線に沿って駆動回路46の表面に再配線として形成されたものであり、駆動回路46内の対応する配線と電気的に接続されている。特に、電流量の多い配線や、電圧波形のなまりを抑制したい配線等がこのように構成される。本実施形態では、配線層47に複数の配線が含まれている。例えば、クロック信号配線、COM信号配線、グランド配線等の配線が、この配線層47に含まれている。なお、図3では、各配線を配線層47として一体的に表している。また、本実施形態の配線層47は、圧力室30の長手方向において、駆動回路46よりも内側に形成されている。
また、圧電素子32の共通金属層40aおよび個別金属層40bに対向する部分には、圧力室形成基板29側に突出した、弾性を有するバンプ電極42が形成されている。このバンプ電極42は、弾性を有する内部樹脂43と、駆動回路46内の対応する配線と電気的に接続されて、内部樹脂43の表面を覆う導電膜44と、からなる。本実施形態では、区画領域35から外れた部分に対応する領域において、2列に形成された圧電素子32のそれぞれの共通金属層40aに接続される共通バンプ電極42aが2列形成されている。また、2列に形成された圧電素子32のそれぞれの個別金属層40bに接続される個別バンプ電極42bが2列形成されている。すなわち、本実施形態では、アクチュエーターユニット14の外側に共通金属層40aが形成され、内側に個別金属層40bが形成されているため、これに対応して、外側に共通バンプ電極42aが形成され、内側に個別バンプ電極42bが形成されている。なお、個別バンプ電極42bの導電膜44は、駆動回路46まで配線状に引き回されて、駆動回路46内の対応する配線と電気的に接続されている。また、共通バンプ電極42aの導電膜44は、図示しない駆動回路46から引き回された対応する配線と電気的に接続されている。なお、内部樹脂43としては、例えば、ポリイミド樹脂等の樹脂が用いられる。また、導電膜44としては、金(Au)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)等の金属が用いられる。
封止板33と、振動板31及び圧電素子32が積層された圧力室形成基板29とは、接着剤48により接合されている。この接着剤48は、凹部41およびバンプ電極42から外れた領域において、圧電素子32の列の周囲を囲うように配置されている。具体的には、接着剤48は、圧力室30の長手方向において、共通バンプ電極42aの両側及び個別バンプ電極42bの両側に、圧電素子32の列に沿って帯状に配置されている。共通バンプ電極42aの両側の接着剤48のうち共通バンプ電極42aよりも外側に配置された接着剤48は、共通金属層40aよりも外側において振動板31と封止板33とを接合している。また、共通バンプ電極42aの両側の接着剤48のうち共通バンプ電極42aよりも内側に配置された接着剤48は、共通金属層40a上において、圧電素子32と封止板33とを接合している。さらに、個別バンプ電極42bの両側の接着剤48のうち個別バンプ電極42bよりも外側に配置された接着剤48は、錘用金属層40cの一部から個別金属層40bの一部に跨る領域において、圧電素子32と封止板33とを接合している。そして、個別バンプ電極42bの両側の接着剤48のうち個別バンプ電極42bよりも内側に配置された接着剤48は、2列に形成された圧電素子32の列間において、振動板31と封止板33とを接合している。本実施形態では、この圧電素子32の列間に配置された接着剤48により、駆動回路46及び配線層47が被覆されている。すなわち、この接着剤48は、圧力室30の長手方向において、駆動回路46及び配線層47の幅よりも幅広に形成されている。なお、接着剤48としては、感光性かつ熱硬化性を有する樹脂等が好適に用いられる。例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、スチレン樹脂等を主成分に含む樹脂が望ましい。
上記のように形成された記録ヘッド3は、インクカートリッジ7からのインクをインク導入路、リザーバー18、共通液室25および個別連通路26を介して圧力室30に導入する。この状態で、駆動回路46からの駆動信号がバンプ電極42を介して圧電素子32に供給されると、圧電素子32が駆動し、圧力室30内に圧力変動が生じる。記録ヘッド3は、この圧力変動を利用することで、ノズル連通路27を介してノズル22からインク滴を噴射する。
次に、上記した記録ヘッド3、特にアクチュエーターユニット14の製造方法について説明する。本実施形態のアクチュエーターユニット14は、封止板33となる領域が複数形成されたシリコン単結晶基板(シリコンウエハ)と、振動板31及び圧電素子32が積層されて圧力室形成基板29となる領域が複数形成されたシリコン単結晶基板(シリコンウエハ)とを接着剤48により貼りあわせた状態で、切断して個片化することで得られる。
詳しく説明すると、封止板33側のシリコン単結晶基板では、まず、フォトリソグラフィー工程及びエッチング工程により、表面(圧力室形成基板29と対向する側の面)に凹部41を形成する。次に、半導体プロセスにより、表面に駆動回路46等を形成する。凹部41及び駆動回路46等が形成されたならば、表面に樹脂膜を製膜し、フォトリソグラフィー工程及びエッチング工程により、内部樹脂43を形成する。その後、蒸着やスパッタリング等により表面に金属膜を成膜し、フォトリソグラフィー工程及びエッチング工程により、導電膜44及び配線層47を形成する。これにより、シリコン単結晶基板に、個々の記録ヘッド3に対応した封止板33となる領域が複数形成される。
一方、圧力室形成基板29側のシリコン単結晶基板では、まず、表面(封止板33側と対向する側の面)に振動板31を積層する。次に、半導体プロセスにより、圧電素子32等を形成する。その後、表面に接着剤層を製膜し、フォトリソグラフィー工程により、所定の位置に接着剤48を形成する。具体的には、感光性および熱硬化性を有する液体状の接着剤を、スピンコーター等を用いて振動板31上に塗布し、加熱することで弾性を有する接着剤層を形成する。そして、露光及び現像することで、所定の位置に接着剤48の形状をパターニングする。本実施形態では、接着剤48が感光性を有するため、フォトリソグラフィー工程により、接着剤48を精度よくパターニングすることができる。
このように、封止板33側のシリコン単結晶基板に凹部41、駆動回路46、バンプ電極42等が形成され、圧力室形成基板29側のシリコン単結晶基板に振動板31、圧電素子32、接着剤48等が形成されたならば、両シリコン単結晶基板を接合する。具体的には、何れか一方のシリコン単結晶基板を他方のシリコン単結晶基板側に向けて相対的に移動させて、接着剤48を両シリコン単結晶基板の間に挟んで張り合わせる。この状態で、両シリコン単結晶基板を上下から加圧すると共に加熱し、接着剤48を硬化させる。これにより、バンプ電極42が押し潰され、確実に導通をとることができる。なお、両シリコン単結晶基板を上下から加圧する際に、封止板33側のシリコン単結晶基板の駆動回路46が形成された領域に応力がかかると、駆動回路46の特性が変化する虞がある。しかしながら、本実施形態では、駆動回路46が形成された領域に接着剤48を配置して当該駆動回路46を被覆するようにしたので、駆動回路46が形成された領域にかかる応力を均一にでき、たとえ駆動回路46の特性が変化したとしても、当該特性を均一にすることができる。
両シリコン単結晶基板が接合されたならば、圧力室形成基板29側のシリコン単結晶基板を裏面側(封止板33側のシリコン単結晶基板側とは反対側)から研磨し、当該圧力室形成基板29側のシリコン単結晶基板を薄くする。その後、フォトリソグラフィー工程及びエッチング工程により、薄くなった圧力室形成基板29側のシリコン単結晶基板に圧力室30を形成する。最後に、所定のスクライブラインに沿ってスクライブし、個々のアクチュエーターユニット14に切断する。
そして、上記の過程により製造されたアクチュエーターユニット14は、接着剤48等を用いて流路ユニット15(連通基板24)に位置決めされて固定される。そして、アクチュエーターユニット14をヘッドケース16の収容空間17に収容した状態で、ヘッドケース16と流路ユニット15とを接合することで、上記の記録ヘッド3が製造される。
このように、本実施形態にかかる記録ヘッド3では、区画領域35に対向する部分を含む領域に、圧電素子32側の面から当該面とは反対側の面に向けて凹んだ凹部41を有するので、封止板33と圧電素子32との間隔がばらついたとしても、圧電素子32の変形が阻害されることを抑制できる。また、凹部41から外れた領域に圧電素子32を駆動するための駆動回路46を備えたので、半導体プロセスにより当該駆動回路46を精度よく形成できる。さらに、封止板に駆動回路を備え、封止板33(封止板33が形成されたシリコン単結晶基板)と圧力室形成基板29(圧力室形成基板29が形成されたシリコン単結晶基板)との接合によりバンプ電極42を介して圧電素子32と駆動回路46とを電気的に接合したので、バンプ電極42と対応する圧電素子32との位置合わせ精度を向上させることができる。これにより、バンプ電極42及び圧電素子32の高密度化が可能になり、ひいてはノズル22の高密度化が可能になる。
さらに、本実施形態では、駆動回路46を接着剤48により被覆したので、圧力室形成基板29と封止板33とを接合する際に、封止板33の駆動回路46が形成された領域にかかる応力を均一にできる。その結果、応力がかかることにより変化する駆動回路46の特性を均一にできる。また、本実施形態では、駆動回路46を接着剤48により被覆したので、腐食やマイグレーション等により配線層47に含まれる配線が断線することを抑制できる。さらに、配線層47に含まれる、電位の異なる複数の配線が短絡することを抑制できる。
ところで、上記した第1実施形態では、駆動回路46及び配線層47の何れも接着剤48に被覆されたが、これには限られない。図4〜図6に示すその他の実施形態のように、駆動回路46及び配線層47の大きさは、記録ヘッド3の設計に応じて任意に変更できる。
例えば、図4に示す第2実施形態のアクチュエーターユニット14では、駆動回路46が圧電素子32の列間に配置された中央部の接着剤48と重なる領域から当該領域の外側まで延在し、配線層47も当該接着剤48と重なる領域及び当該領域の外側に配置されている。具体的には、駆動回路46は、圧力室30の長手方向の両側において個別バンプ電極42bより外側まで延在し、その端部が個別金属層40b上に配置された接着剤48と重なっている。また、配線層47は、圧力室30の長手方向の両側において個別バンプ電極42bより外側にも配置され、その一部が個別金属層40b上に配置された接着剤48と重なっている。このため、少なくとも接着剤48と重なる領域の配線層47に関しては、当該配線層47に含まれる配線の断線や短絡が抑制される。なお、その他の構成は、上記した第1実施形態と同じであるため説明を省略する。
また、図5に示す第3実施形態のアクチュエーターユニット14では、駆動回路46が圧電素子32の列間に配置された中央部の接着剤48に被覆され、配線層47が当該接着剤48と重なる領域及び当該領域の外側に配置されている。具体的には、本実施形態の駆動回路46は、上記した第1実施形態と同様に、圧電素子32の列間に対向する領域に形成され、接着剤48により被覆されている。これにより、圧力室形成基板29と封止板33とを接合する際に、封止板33の駆動回路46が形成された領域にかかる応力を均一にでき、駆動回路46の特性を均一にできる。また、配線層47は、上記した第2実施形態と同様に、圧力室30の長手方向の両側において個別バンプ電極42bより外側にも配置され、その一部が個別金属層40b上に配置された接着剤48と重なっている。このため、少なくとも接着剤48と重なる領域の配線層47に関しては、当該配線層47に含まれる配線の断線や短絡が抑制される。なお、その他の構成は、上記した第1実施形態と同じであるため説明を省略する。
さらに、図6に示す第4実施形態のアクチュエーターユニット14では、配線層47が圧電素子32の列間に配置された中央部の接着剤48に被覆され、駆動回路46が当該接着剤48と重なる領域から当該領域の外側まで延在している。具体的には、本実施形態の駆動回路46は、上記した第2実施形態と同様に、圧力室30の長手方向の両側において、個別バンプ電極42bより外側まで延在し、その端部が個別金属層40b上に配置された接着剤48と重なっている。また、配線層47は、上記した第1実施形態と同様に、圧電素子32の列間に対向する領域に形成され、接着剤48により被覆されている。これにより、配線層47に含まれる配線の断線や短絡が抑制される。なお、その他の構成は、上記した第1実施形態と同じであるため説明を省略する。
ところで、上記した各実施形態では、バンプ電極42が弾性を有する内部樹脂43の表面を導電膜44で覆ったいわゆる樹脂コアバンプで構成されたが、これには限られない。特に、本発明にかかる記録ヘッドでは、凹部により圧電素子が変形できる空間が確保されるため、バンプ電極の高さにより振動板と封止板との間隔を確保する必要が無く、種々の構成のバンプ電極を採用することができる。例えば、内部樹脂を有さずに金(Au)等の金属からなる金属バンプを採用することもできる。しかしながら、このような金属バンプの場合、両シリコン単結晶基板を加圧して貼りあわせる際に、確実に導通をとるために必要な圧力が大きくなり、シリコン単結晶基板が破損する虞がある。このため、本実施形態のように内部樹脂の表面を導電膜で覆った樹脂コアバンプを採用することが望ましい。その他、バンプ電極を設けずに、封止板上に設けた金属層を直接圧電素子の金属層等に接合することも可能である。
また、上記した各実施形態では、圧力室形成基板29と封止板33とを接合する接着剤48として、感光性を有する接着剤が用いられたが、これには限られない。種々の構成のバンプ電極を採用することができるのと同様に、種々の接着剤を採用することができる。例えば、感光性を有さない、液体状の接着剤を採用することもできる。しかしながら、液体状の接着剤を採用した場合、ディスペーサーや転写印刷等の方法により基板上に塗布されるため、塗布された接着剤が濡れ広がる虞がある。その結果、マージンを含めた接着領域を広くする必要があり、アクチュエーターユニットを小型化し難くなる。このため、本実施形態のように感光性を有する接着剤を採用し、フォトリソグラフィー工程によりパターニングすることが望ましい。
さらに、上記した各実施形態では、バンプ電極42を封止板33に設けたが、これには限られない。例えば、バンプ電極を圧力室基板側に設けることもできる。また、上記したアクチュエーターユニット14の製造方法では、圧力室形成基板29側のシリコン単結晶基板に接着剤48を塗布したが、これには限られない。例えば、接着剤を封止板側のシリコン単結晶基板に塗布することもできる。さらに、上記した各実施形態では、バンプ電極42と圧電素子32の金属層40とを導通させたが、これには限られない。例えば、金属層を設けずに、上電極層又は下電極層とバンプ電極とを導通させても良い。また、圧電素子から引き回された配線にバンプ電極を導通させても良い。
そして、以上で述べた実施形態では、インクジェットヘッドとして、インクジェットプリンターに搭載されるインクジェット式記録ヘッドを例示したが、インク以外の液体を噴射するものにも適用することができる。例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材噴射ヘッド、バイオチップ(生物化学素子)の製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等にも本発明のインクジェットヘッドを用いることができる。
1…プリンター,3…記録ヘッド,14…アクチュエーターユニット,15…流路ユニット,16…ヘッドケース,17…収容空間,18…リザーバー,21…ノズルプレート,22…ノズル,24…連通基板,25…共通液室,26…個別連通路,29…圧力室形成基板,30…圧力室,31…振動板,32…圧電素子,33…封止板,35…区画領域,37…下電極層,38…圧電体層,39…上電極層,40…金属層,41…凹部,42…バンプ電極,43…内部樹脂,44…導電膜,46…駆動回路,47…配線層,48…接着剤
Claims (4)
- ノズルに連通した圧力室が形成された圧力室形成基板と、
前記圧力室の一側の面を区画して、当該区画領域の変形が許容される振動板と、
前記振動板の圧力室側とは反対側の面に形成され、前記区画領域の振動板を変形させる圧電素子と、
前記振動板に対して間隔を開けて配置された封止板と、を備え、
前記封止板は、少なくとも前記区画領域に対向する部分を含む領域に、圧電素子側の面から当該面とは反対側の面に向けて凹んだ凹部を有し、且つ当該凹部から外れた領域に前記圧電素子を駆動するための駆動回路を備えたことを特徴とするインクジェットヘッド。 - 前記駆動回路は、前記圧力室形成基板と前記封止板とを接合する接着剤により被覆されたことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
- 前記封止板は、前記駆動回路に接続される配線層を当該封止板の圧電素子側の面に露出した状態で備え、
前記配線層は、前記圧力室形成基板と前記封止板とを接合する接着剤により被覆されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインクジェットヘッド。 - 請求項1から請求項3の何れか一項に記載のインクジェットヘッドを備えたことを特徴とするインクジェットプリンター。
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