JP6417436B2 - 発現ベクター要素の組み合わせ、新規の産生細胞生成法、およびポリペプチドの組換え産生のためのそれらの使用 - Google Patents
発現ベクター要素の組み合わせ、新規の産生細胞生成法、およびポリペプチドの組換え産生のためのそれらの使用 Download PDFInfo
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Description
遺伝子の転写レベルは、その発現レベルに対して強い影響を及ぼすことができ、従って、細胞の産生能を決定する。それは、主として、3種のベクター要素:プロモーター、ポリAシグナル配列、および(存在する場合)転写ターミネーターによって影響を受ける。
(a)−5'から3'への方向に、hCMVプロモーター、抗体軽鎖をコードする核酸、bGHポリAシグナル配列、およびhGTターミネーター配列を含む第一の発現カセット、
−5'から3'への方向に、hCMVプロモーター、抗体重鎖をコードする核酸、bGHポリAシグナル配列、およびhGTターミネーター配列を含む第二の発現カセット
を含む発現ベクターで哺乳動物細胞をトランスフェクトし、それによって、多数の組換え哺乳動物細胞を入手する工程、ならびに
(b)多数の組換え哺乳動物細胞から(単一の)組換え哺乳動物細胞を選択する工程。
(a)−5'から3'への方向に、hCMVプロモーター、抗体軽鎖をコードする核酸、bGHポリAシグナル配列、およびhGTターミネーター配列を含む第一の発現カセット、
−5'から3'への方向に、hCMVプロモーター、抗体重鎖をコードする核酸、bGHポリAシグナル配列、およびhGTターミネーター配列を含む第二の発現カセット
を含む哺乳動物細胞を培養する工程、ならびに
(b)細胞または培養培地から抗体を回収する工程。
−5'から3'への方向に、hCMVプロモーター、抗体軽鎖をコードする核酸、bGHポリAシグナル配列、およびhGTターミネーター配列を含む第一の発現カセット、
−5'から3'への方向に、hCMVプロモーター、抗体重鎖をコードする核酸、bGHポリAシグナル配列、およびhGTターミネーター配列を含む第二の発現カセット
を含む発現ベクターである。
(a)−5'から3'への方向に、hEF1αプロモーター、抗体軽鎖をコードする核酸、およびbGHポリAシグナル配列を含む第一の発現カセット、
−5'から3'への方向に、hEF1αプロモーター、抗体重鎖をコードする核酸、およびbGHポリAシグナル配列を含む第二の発現カセット
を含む発現ベクターで哺乳動物細胞をトランスフェクトし、それによって、多数の組換え哺乳動物細胞を入手する工程、ならびに
(b)多数の組換え哺乳動物細胞から(単一の)組換え哺乳動物細胞を選択する工程。
(a)−5'から3'への方向に、hEF1αプロモーター、抗体軽鎖をコードする核酸、およびbGHポリAシグナル配列を含む第一の発現カセット、
−5'から3'への方向に、hEF1αプロモーター、抗体重鎖をコードする核酸、およびbGHポリAシグナル配列を含む第二の発現カセット
を含む哺乳動物細胞を培養する工程、ならびに
(b)細胞または培養培地から抗体を回収する工程。
−5'から3'への方向に、hEF1αプロモーター、抗体軽鎖をコードする核酸、およびbGHポリAシグナル配列を含む第一の発現カセット、
−5'から3'への方向に、hEF1αプロモーター、抗体重鎖をコードする核酸、およびbGHポリAシグナル配列を含む第二の発現カセット
を含む発現ベクターである。
−5'から3'への方向に、第二のプロモーター、抗体重鎖をコードする核酸、第二のポリAシグナル配列を含み、任意で、第二の転写ターミネーター配列を含む第二の発現カセット、および
−5'から3'への方向に、第三のプロモーター、選択剤に対する耐性を付与する核酸、第三のポリAシグナル配列を含み、任意で、第三の転写ターミネーター配列を含む第三の発現カセット
を含み、3種の発現カセットが、一方向に、第一の発現カセット-第二の発現カセット-第三の発現カセットの順に構成されている発現ベクターの、抗体の安定的な組換え産生のための使用が、安定トランスフェクトされた組換え哺乳動物細胞における改善された発現収率をもたらすことが見出された。
−5'から3'への方向に、第一のプロモーター、抗体軽鎖をコードする核酸、第一のポリAシグナル配列を含み、任意で、第一の転写ターミネーター配列を含む第一の発現カセット、
−5'から3'への方向に、第二のプロモーター、抗体重鎖をコードする核酸、第二のポリAシグナル配列を含み、任意で、第二の転写ターミネーター配列を含む第二の発現カセット、および
−5'から3'への方向に、第三のプロモーター、選択剤に対する耐性を付与する核酸、第三のポリAシグナル配列を含み、任意で、第三の転写ターミネーター配列を含む第三の発現カセット
を含み、発現カセットが双方向に構成され、第一の発現カセットと第二の発現カセットとが逆方向に配置されている発現ベクターの、抗体の一過性の組換え産生のための使用は、一過性トランスフェクトされた組換え哺乳動物細胞における改善された発現収率をもたらすことが見出された。
−5'から3'への方向に、第一のプロモーター、抗体軽鎖をコードする核酸、第一のポリAシグナル配列を含み、任意で、第一の転写ターミネーター配列を含む第一の発現カセット、
−5'から3'への方向に、第二のプロモーター、抗体重鎖をコードする核酸、第二のポリAシグナル配列を含み、任意で、第二の転写ターミネーター配列を含む第二の発現カセット、および
−5'から3'への方向に、第三のプロモーター、選択剤に対する耐性を付与する核酸、第三のポリAシグナル配列を含み、任意で、第三の転写ターミネーター配列を含む第三の発現カセット
を含み、3種の発現カセットが、一方向に、第一の発現カセット-第二の発現カセット-第三の発現カセットの順に構成されている発現ベクターの、哺乳動物細胞における抗体の安定的な組換え産生のための使用である。
−5'から3'への方向に、第一のプロモーター、抗体軽鎖をコードする核酸、第一のポリAシグナル配列を含み、任意で、第一の転写ターミネーター配列を含む第一の発現カセット、
−5'から3'への方向に、第二のプロモーター、抗体重鎖をコードする核酸、第二のポリAシグナル配列を含み、任意で、第二の転写ターミネーター配列を含む第二の発現カセット、および
−5'から3'への方向に、第三のプロモーター、選択剤に対する耐性を付与する核酸、第三のポリAシグナル配列を含み、任意で、第三の転写ターミネーター配列を含む第三の発現カセット
を含み、3種の発現カセットが、一方向に、第一の発現カセット-第二の発現カセット-第三の発現カセットの順に構成されている発現ベクターである。
−5'から3'への方向に、第一のプロモーター、抗体軽鎖をコードする核酸、第一のポリAシグナル配列を含み、任意で、第一の転写ターミネーター配列を含む第一の発現カセット、
−5'から3'への方向に、第二のプロモーター、抗体重鎖をコードする核酸、第二のポリAシグナル配列を含み、任意で、第二の転写ターミネーター配列を含む第二の発現カセット、および
−5'から3'への方向に、第三のプロモーター、選択剤に対する耐性を付与する核酸、第三のポリAシグナル配列を含み、任意で、第三の転写ターミネーター配列を含む第三の発現カセット
を含み、発現カセットが双方向に構成され、第一の発現カセットと第二の発現カセットとが逆方向に配置されている発現ベクターの、哺乳動物細胞における抗体の一過性の組換え産生のための使用である。
−5'から3'への方向に、第一のプロモーター、抗体軽鎖をコードする核酸、第一のポリAシグナル配列を含み、任意で、第一の転写ターミネーター配列を含む第一の発現カセット、
−5'から3'への方向に、第二のプロモーター、抗体重鎖をコードする核酸、第二のポリAシグナル配列を含み、任意で、第二の転写ターミネーター配列を含む第二の発現カセット、および
−5'から3'への方向に、第三のプロモーター、選択剤に対する耐性を付与する核酸、第三のポリAシグナル配列を含み、任意で、第三の転写ターミネーター配列を含む第三の発現カセット
を含み、発現カセットが双方向に構成され、第一の発現カセットと第二の発現カセットとが逆方向に配置されている発現ベクターである。
−5'から3'への方向に、第一のプロモーター、抗体軽鎖をコードする核酸、および第一のポリAシグナル配列を含む第一の発現カセット、
−5'から3'への方向に、第二のプロモーター、抗体重鎖をコードする核酸、および第二のポリAシグナル配列を含む第二の発現カセット
を含む発現プラスミドである。
−本明細書に報告される発現プラスミドを含む真核細胞または本明細書に報告される細胞を培養する工程、
−真核細胞または培養培地から抗体を回収する工程
を含む、抗体の産生の方法である。
−5'から3'への方向に、第一のプロモーター、抗体軽鎖をコードする核酸、および第一のポリAシグナル配列を含む第一の発現カセット、
−5'から3'への方向に、第二のプロモーター、抗体重鎖をコードする核酸、および第二のポリAシグナル配列を含む第二の発現カセット
を含む発現プラスミドである。
−本明細書に報告される発現プラスミドを含む真核細胞または本明細書に報告される細胞を培養する工程、
−真核細胞または培養培地から抗体を回収する工程
を含む、抗体の産生の方法である。
−(i)この局面において報告される発現プラスミドと、(ii)この局面において報告される発現プラスミドによってコードされないそれぞれの他の抗体鎖をコードする核酸とを含む真核細胞を培養する工程、
−検出可能ポリペプチドを発現する細胞を選択する工程。
−本明細書に報告される発現プラスミドを含む真核細胞を培養する工程、
−細胞または培養培地から抗体を回収し、それによって、抗体を産生する工程。
−5'から3'への方向に、プロモーター、第一の抗体軽鎖をコードする核酸、ポリAシグナル配列を含み、任意で、ターミネーター配列を含む第一の発現カセット、
−5'から3'への方向に、プロモーター、第二の抗体軽鎖をコードする核酸、ポリAシグナル配列を含み、任意で、ターミネーター配列を含む第二の発現カセット、
−5'から3'への方向に、プロモーター、第一の抗体重鎖をコードする核酸、ポリAシグナル配列を含み、任意で、ターミネーター配列を含む第三の発現カセット、
−5'から3'への方向に、プロモーター、第二の抗体重鎖をコードする核酸、ポリAシグナル配列を含み、任意で、ターミネーター配列を含む第四の発現カセット
または
−5'から3'への方向に、プロモーター、抗体軽鎖をコードする核酸、ポリAシグナル配列を含み、任意で、ターミネーター配列を含む第一の発現カセット、ここで、抗体軽鎖が両方の抗体重鎖に共通の軽鎖である、第一の発現カセット
−5'から3'への方向に、プロモーター、第一の抗体重鎖をコードする核酸、ポリAシグナル配列を含み、任意で、ターミネーター配列を含む第二の発現カセット、および
−5'から3'への方向に、プロモーター、第二の抗体重鎖をコードする核酸、ポリAシグナル配列を含み、任意で、ターミネーター配列を含む第三の発現カセット
のいずれかを含む。
−抗体軽鎖発現カセット、
−第一の抗体重鎖発現カセット、
−第二の抗体重鎖発現カセット、および
−選択マーカー発現カセット
を含み、抗体重鎖発現カセットの少なくとも一方、抗体軽鎖発現カセット、および選択マーカー発現カセットが、一方向に配置されており、
一方向の発現カセットが、5'から3'へ、抗体重鎖発現カセット、抗体軽鎖発現カセット、および選択マーカー発現カセットの順に配置されているか、または5'から3'へ、抗体軽鎖発現カセット、抗体重鎖発現カセット、および選択マーカー発現カセットの順に配置されている。
−第一の抗体軽鎖発現カセット、
−第二の抗体軽鎖発現カセット、
−第一の抗体重鎖発現カセット、
−第二の抗体重鎖発現カセット、および
−選択マーカー発現カセット
を含み、抗体重鎖発現カセットの少なくとも一方、抗体軽鎖発現カセットの少なくとも一方、および選択マーカー発現カセットが、一方向に配置されており、
一方向の発現カセットが、5'から3'へ、抗体重鎖発現カセット、抗体軽鎖発現カセット、および選択マーカー発現カセットの順に配置されているか、または5'から3'へ、抗体軽鎖発現カセット、抗体重鎖発現カセット、および選択マーカー発現カセットの順に配置されている。
[本発明1001]
以下の工程を含む、組換え哺乳動物細胞を選択する方法:
(a)−5'から3'への方向に、hCMVプロモーター、抗体軽鎖をコードする核酸、bGHポリAシグナル配列、およびhGTターミネーター配列を含む第一の発現カセット、
−5'から3'への方向に、hCMVプロモーター、抗体重鎖をコードする核酸、bGHポリAシグナル配列、およびhGTターミネーター配列を含む第二の発現カセット
を含む発現ベクターで哺乳動物細胞をトランスフェクトし、かつそれによって、多数の組換え哺乳動物細胞を入手する工程、ならびに
(b)多数の組換え哺乳動物細胞から(単一の)組換え哺乳動物細胞を選択する工程。
[本発明1002]
抗体軽鎖をコードする核酸および/または抗体重鎖をコードする核酸が少なくとも1個のイントロンを含むことを特徴とする、本発明1001の方法。
[本発明1003]
抗体軽鎖をコードする核酸および/または抗体重鎖をコードする核酸がcDNAであることを特徴とする、本発明1001または1002のいずれかの方法。
[本発明1004]
第一の発現カセットおよび第二の発現カセットが、安定トランスフェクトされた細胞の選択のため、一方向に配置されていることを特徴とする、本発明1001〜1003のいずれかの方法。
[本発明1005]
第一の発現カセットおよび第二の発現カセットが、一過性トランスフェクトされた細胞の選択のため、双方向に配置されていることを特徴とする、本発明1001〜1003のいずれかの方法。
[本発明1006]
発現プラスミドが選択マーカーをさらに含むことを特徴とする、本発明1001〜1005のいずれかの方法。
[本発明1007]
発現カセットおよび選択マーカーが一方向に配置されていることを特徴とする、本発明1001〜1004および1006のいずれかの方法。
[本発明1008]
発現カセットがLC-HC-SMの順に配置されていることを特徴とする、本発明1001〜1004および1006〜1007のいずれかの方法。
[本発明1009]
哺乳動物細胞がCHO細胞、HEK細胞、BHK細胞、NS0細胞、およびSP2/0細胞から選択されることを特徴とする、本発明1001〜1008のいずれかの方法。
[本発明1010]
哺乳動物細胞が、安定トランスフェクトされた細胞の選択のため、CHO細胞であることを特徴とする、本発明1001〜1004および1006〜1008のいずれかの方法。
[本発明1011]
哺乳動物細胞が、一過性トランスフェクトされた細胞の選択のため、HEK細胞であることを特徴とする、本発明1001〜1003および1005〜1008のいずれかの方法。
[本発明1012]
以下の工程を含む、抗体を産生する方法:
(a)−5'から3'への方向に、hCMVプロモーター、抗体軽鎖をコードする核酸、bGHポリAシグナル配列、およびhGTターミネーター配列を含む第一の発現カセット、
−5'から3'への方向に、hCMVプロモーター、抗体重鎖をコードする核酸、bGHポリAシグナル配列、およびhGTターミネーター配列を含む第二の発現カセット
を含む哺乳動物細胞を培養する工程、ならびに
(b)細胞または培養培地から抗体を回収する工程。
[本発明1013]
抗体軽鎖をコードする核酸および/または抗体重鎖をコードする核酸が少なくとも1個のイントロンを含むことを特徴とする、本発明1012の方法。
[本発明1014]
抗体軽鎖をコードする核酸および/または抗体重鎖をコードする核酸がcDNAであることを特徴とする、本発明1012〜1013のいずれかの方法。
[本発明1015]
第一の発現カセットおよび第二の発現カセットが、抗体の安定的な産生のため、一方向に配置されていることを特徴とする、本発明1012〜1014のいずれかの方法。
[本発明1016]
第一の発現カセットおよび第二の発現カセットが、抗体の一過性の産生のため、双方向に配置されていることを特徴とする、本発明1012〜1014のいずれかの方法。
[本発明1017]
発現プラスミドが選択マーカーをさらに含むことを特徴とする、本発明1012〜1016のいずれかの方法。
[本発明1018]
発現カセットおよび選択マーカーが一方向に配置されていることを特徴とする、本発明1012〜1015および1017のいずれかの方法。
[本発明1019]
発現カセットがLC-HC-SMの順に配置されていることを特徴とする、本発明1012〜1015および1017〜1018のいずれかの方法。
[本発明1020]
哺乳動物細胞がCHO細胞、HEK細胞、BHK細胞、NS0細胞、およびSP2/0細胞から選択されることを特徴とする、本発明1012〜1019のいずれかの方法。
[本発明1021]
哺乳動物細胞が、抗体の安定産生のため、CHO細胞であることを特徴とする、本発明1012〜1015および1017〜1020のいずれかの方法。
[本発明1022]
哺乳動物細胞が、抗体の一過性産生のため、HEK細胞であることを特徴とする、本発明1012〜1014および1016〜1020のいずれかの方法。
[本発明1023]
−5'から3'への方向に、hCMVプロモーター、抗体軽鎖をコードする核酸、bGHポリAシグナル配列、およびhGTターミネーター配列を含む第一の発現カセット、
−5'から3'への方向に、hCMVプロモーター、抗体重鎖をコードする核酸、bGHポリAシグナル配列、およびhGTターミネーター配列を含む第二の発現カセット
を含む発現ベクター。
[本発明1024]
抗体軽鎖をコードする核酸および/または抗体重鎖をコードする核酸が少なくとも1個のイントロンを含むことを特徴とする、本発明1023の発現ベクター。
[本発明1025]
抗体軽鎖をコードする核酸および/または抗体重鎖をコードする核酸がcDNAであることを特徴とする、本発明1023〜1024のいずれかの発現ベクター。
[本発明1026]
第一の発現カセットおよび第二の発現カセットが、安定トランスフェクトされた細胞の選択のため、一方向に配置されていることを特徴とする、本発明1023〜1025のいずれかの発現ベクター。
[本発明1027]
第一の発現カセットおよび第二の発現カセットが、一過性トランスフェクトされた細胞の選択のため、双方向に配置されていることを特徴とする、本発明1023〜1025のいずれかの発現ベクター。
[本発明1028]
発現プラスミドが選択マーカーをさらに含むことを特徴とする、本発明1023〜1027のいずれかの発現ベクター。
[本発明1029]
発現カセットおよび選択マーカーが一方向に配置されていることを特徴とする、本発明1023〜1026および1028のいずれかの発現ベクター。
[本発明1030]
発現カセットがLC-HC-SMの順に配置されていることを特徴とする、本発明1023〜1026および1028〜1029のいずれかの発現ベクター。
[本発明1031]
以下の工程を含む、組換え哺乳動物細胞を選択する方法:
(a)−5'から3'への方向に、hEF1αプロモーター、抗体軽鎖をコードする核酸、およびbGHポリAシグナル配列を含む第一の発現カセット、
−5'から3'への方向に、hEF1αプロモーター、抗体重鎖をコードする核酸、bGHポリAシグナル配列を含む第二の発現カセット
を含む発現ベクターで哺乳動物細胞をトランスフェクトし、かつそれによって、多数の組換え哺乳動物細胞を入手する工程、ならびに
(b)多数の組換え哺乳動物細胞から(単一の)組換え哺乳動物細胞を選択する工程。
[本発明1032]
抗体軽鎖をコードする核酸および/または抗体重鎖をコードする核酸が少なくとも1個のイントロンを含むことを特徴とする、本発明1031の方法。
[本発明1033]
抗体軽鎖をコードする核酸および/または抗体重鎖をコードする核酸がcDNAであることを特徴とする、本発明1031〜1032のいずれかの方法。
[本発明1034]
第一の発現カセットおよび第二の発現カセットが、安定トランスフェクトされた細胞の選択のため、一方向に配置されていることを特徴とする、本発明1031〜1033のいずれかの方法。
[本発明1035]
第一の発現カセットおよび第二の発現カセットが、一過性トランスフェクトされた細胞の選択のため、双方向に配置されていることを特徴とする、本発明1031〜1033のいずれかの方法。
[本発明1036]
発現プラスミドが選択マーカーをさらに含むことを特徴とする、本発明1031〜1035のいずれかの方法。
[本発明1037]
発現カセットおよび選択マーカーが一方向に配置されていることを特徴とする、本発明1031〜1034および1036のいずれかの方法。
[本発明1038]
発現カセットがLC-HC-SMの順に配置されていることを特徴とする、本発明1031〜1034および1036〜1037のいずれかの方法。
[本発明1039]
ヒト伸長因子1αプロモーターがイントロンAを含むことを特徴とする、本発明1031〜1038のいずれかの方法。
[本発明1040]
発現ベクターが転写ターミネーター配列を含まないことを特徴とする、本発明1031〜1039のいずれかの方法。
[本発明1041]
ターミネーター配列がhGT配列であることを特徴とする、本発明1040の方法。
[本発明1042]
哺乳動物細胞がCHO細胞、HEK細胞、BHK細胞、NS0細胞、およびSP2/0細胞から選択されることを特徴とする、本発明1031〜1041のいずれかの方法。
[本発明1043]
哺乳動物細胞が、安定トランスフェクトされた細胞の選択のため、CHO細胞であることを特徴とする、本発明1042の方法。
[本発明1044]
哺乳動物細胞が、一過性トランスフェクトされた細胞の選択のため、HEK細胞であることを特徴とする、本発明1042の方法。
[本発明1045]
以下の工程を含む、抗体を産生する方法:
(a)−5'から3'への方向に、hEF1αプロモーター、抗体軽鎖をコードする核酸、およびbGHポリAシグナル配列を含む第一の発現カセット、
−5'から3'への方向に、hEF1αプロモーター、抗体重鎖をコードする核酸、およびbGHポリAシグナル配列を含む第二の発現カセット
を含む哺乳動物細胞を培養する工程、ならびに
(b)細胞または培養培地から抗体を回収する工程。
[本発明1046]
抗体軽鎖をコードする核酸および/または抗体重鎖をコードする核酸が少なくとも1個のイントロンを含むことを特徴とする、本発明1045の方法。
[本発明1047]
抗体軽鎖をコードする核酸および/または抗体重鎖をコードする核酸がcDNAであることを特徴とする、本発明1045〜1046のいずれかの方法。
[本発明1048]
第一の発現カセットおよび第二の発現カセットが、安定トランスフェクトされた細胞の選択のため、一方向に配置されていることを特徴とする、本発明1045〜1047のいずれかの方法。
[本発明1049]
第一の発現カセットおよび第二の発現カセットが、一過性トランスフェクトされた細胞の選択のため、双方向に配置されていることを特徴とする、本発明1045〜1047のいずれかの方法。
[本発明1050]
発現プラスミドが選択マーカーをさらに含むことを特徴とする、本発明1045〜1049のいずれかの方法。
[本発明1051]
発現カセットおよび選択マーカーが一方向に配置されていることを特徴とする、本発明1045〜1048および1050のいずれかの方法。
[本発明1052]
発現カセットがLC-HC-SMの順に配置されていることを特徴とする、本発明1045〜1048および1050〜1051のいずれかの方法。
[本発明1053]
ヒト伸長因子1αプロモーターがイントロンAを含むことを特徴とする、本発明1045〜1052のいずれかの方法。
[本発明1054]
発現ベクターが転写ターミネーター配列を含まないことを特徴とする、本発明1045〜1053のいずれかの方法。
[本発明1055]
ターミネーター配列がhGT配列であることを特徴とする、本発明1054の方法。
[本発明1056]
哺乳動物細胞がCHO細胞、HEK細胞、BHK細胞、NS0細胞、およびSP2/0細胞から選択されることを特徴とする、本発明1045〜1055のいずれかの方法。
[本発明1057]
哺乳動物細胞が、抗体の安定産生のため、CHO細胞であることを特徴とする、本発明1056の方法。
[本発明1058]
哺乳動物細胞が、抗体の一過性産生のため、HEK細胞であることを特徴とする、本発明1056の方法。
[本発明1059]
−5'から3'への方向に、hEF1αプロモーター、抗体軽鎖をコードする核酸、およびbGHポリAシグナル配列を含む第一の発現カセット、ならびに
−5'から3'への方向に、hEF1αプロモーター、抗体重鎖をコードする核酸、およびbGHポリAシグナル配列を含む第二の発現カセット
を含む発現ベクター。
[本発明1060]
抗体軽鎖をコードする核酸および/または抗体重鎖をコードする核酸が少なくとも1個のイントロンを含むことを特徴とする、本発明1059の発現ベクター。
[本発明1061]
抗体軽鎖をコードする核酸および/または抗体重鎖をコードする核酸がcDNAであることを特徴とする、本発明1059〜1060のいずれかの発現ベクター。
[本発明1062]
第一の発現カセットおよび第二の発現カセットが、安定トランスフェクトされた細胞の選択のため、一方向に配置されていることを特徴とする、本発明1059〜1061のいずれかの発現ベクター。
[本発明1063]
第一の発現カセットおよび第二の発現カセットが、一過性トランスフェクトされた細胞の選択のため、双方向に配置されていることを特徴とする、本発明1059〜1061のいずれかの発現ベクター。
[本発明1064]
発現プラスミドが選択マーカーをさらに含むことを特徴とする、本発明1059〜1064のいずれかの発現ベクター。
[本発明1065]
発現カセットおよび選択マーカーが一方向に配置されていることを特徴とする、本発明1059〜1062および1064のいずれかの発現ベクター。
[本発明1066]
発現カセットがLC-HC-SMの順に配置されていることを特徴とする、本発明1059〜1062および1064〜1065のいずれかの発現ベクター。
[本発明1067]
ヒト伸長因子1αプロモーターがイントロンAを含むことを特徴とする、本発明1059〜1066のいずれかの発現ベクター。
[本発明1068]
発現ベクターが転写ターミネーター配列を含まないことを特徴とする、本発明1059〜1067のいずれかの発現ベクター。
[本発明1069]
ターミネーター配列がhGT配列であることを特徴とする、本発明1068の発現ベクター。
[本発明1070]
−5'から3'への方向に、第一のプロモーター、抗体軽鎖をコードする核酸、第一のポリAシグナル配列を含み、かつ任意で、第一の転写ターミネーター配列を含む第一の発現カセット、
−5'から3'への方向に、第二のプロモーター、抗体重鎖をコードする核酸、第二のポリAシグナル配列を含み、かつ任意で、第二の転写ターミネーター配列を含む第二の発現カセット、および
−5'から3'への方向に、第三のプロモーター、選択剤に対する耐性を付与する核酸、第三のポリAシグナル配列を含み、かつ任意で、第三の転写ターミネーター配列を含む第三の発現カセット
を含み、3種の発現カセットが、一方向に、第一の発現カセット-第二の発現カセット-第三の発現カセットの順に構成されている発現ベクターの、哺乳動物細胞における抗体の安定的な組換え産生のための使用。
[本発明1071]
抗体軽鎖をコードする核酸および/または抗体重鎖をコードする核酸が少なくとも1個のイントロンを含むことを特徴とする、本発明1070の使用。
[本発明1072]
抗体軽鎖をコードする核酸および/または抗体重鎖をコードする核酸がcDNAであることを特徴とする、本発明1070〜1071のいずれかの使用。
[本発明1073]
第一および第二のプロモーターがhCMVプロモーターであり、第一および第二のポリAシグナル配列がbGHポリAシグナル配列であり、かつ転写終結配列が存在しかつhGTターミネーター配列であることを特徴とする、本発明1070〜1072のいずれかの使用。
[本発明1074]
第一および第二のプロモーターがhEF1αプロモーターであり、第一および第二のポリAシグナル配列がbGHポリAシグナル配列であり、かつ発現カセットが転写ターミネーター配列を含まないことを特徴とする、本発明1070〜1072のいずれかの使用。
[本発明1075]
哺乳動物細胞がCHO細胞、HEK細胞、BHK細胞、NS0細胞、およびSP2/0細胞から選択されることを特徴とする、本発明1070〜1074のいずれかの使用。
[本発明1076]
哺乳動物細胞がCHO細胞であることを特徴とする、本発明1070〜1075のいずれかの使用。
[本発明1077]
−5'から3'への方向に、第一のプロモーター、抗体軽鎖をコードする核酸、第一のポリAシグナル配列を含み、かつ任意で、第一の転写ターミネーター配列を含む第一の発現カセット、
−5'から3'への方向に、第二のプロモーター、抗体重鎖をコードする核酸、第二のポリAシグナル配列を含み、かつ任意で、第二の転写ターミネーター配列を含む第二の発現カセット、および
−5'から3'への方向に、第三のプロモーター、選択剤に対する耐性を付与する核酸、第三のポリAシグナル配列を含み、かつ任意で、第三の転写ターミネーター配列を含む第三の発現カセット
を含み、3種の発現カセットが、一方向に、第一の発現カセット-第二の発現カセット-第三の発現カセットの順に構成されている発現ベクター。
[本発明1078]
抗体軽鎖をコードする核酸および/または抗体重鎖をコードする核酸が少なくとも1個のイントロンを含むことを特徴とする、本発明1077の発現ベクター。
[本発明1079]
抗体軽鎖をコードする核酸および/または抗体重鎖をコードする核酸がcDNAであることを特徴とする、本発明1077〜1078のいずれかの発現ベクター。
[本発明1080]
第一および第二のプロモーターがhCMVプロモーターであり、第一および第二のポリAシグナル配列がbGHポリAシグナル配列であり、かつ転写終結配列が存在しかつhGTターミネーター配列であることを特徴とする、本発明1077〜1079のいずれかの発現ベクター。
[本発明1081]
第一および第二のプロモーターがhEF1αプロモーターであり、第一および第二のポリAシグナル配列がbGHポリAシグナル配列であり、かつ発現カセットが転写ターミネーター配列を含まないことを特徴とする、本発明1077〜1079のいずれかの発現ベクター。
[本発明1082]
−5'から3'への方向に、第一のプロモーター、抗体軽鎖をコードする核酸、第一のポリAシグナル配列を含み、かつ任意で、第一の転写ターミネーター配列を含む第一の発現カセット、
−5'から3'への方向に、第二のプロモーター、抗体重鎖をコードする核酸、第二のポリAシグナル配列を含み、かつ任意で、第二の転写ターミネーター配列を含む第二の発現カセット、および
−5'から3'への方向に、第三のプロモーター、選択剤に対する耐性を付与する核酸、第三のポリAシグナル配列を含み、かつ任意で、第三の転写ターミネーター配列を含む第三の発現カセット
を含み、発現カセットが双方向に構成され、第一の発現カセットおよび第二の発現カセットが逆方向に配置されている発現ベクターの、哺乳動物細胞における抗体の一過性の組換え産生のための使用。
[本発明1083]
抗体軽鎖をコードする核酸および/または抗体重鎖をコードする核酸が少なくとも1個のイントロンを含むことを特徴とする、本発明1082の使用。
[本発明1084]
抗体軽鎖をコードする核酸および/または抗体重鎖をコードする核酸がcDNAであることを特徴とする、本発明1082〜1083のいずれかの使用。
[本発明1085]
第一および第二のプロモーターがhCMVプロモーターであり、第一および第二のポリAシグナル配列がbGHポリAシグナル配列であり、かつ転写終結配列が存在しかつhGTターミネーター配列であることを特徴とする、本発明1082〜1084のいずれかの使用。
[本発明1086]
第一および第二のプロモーターがhEF1αプロモーターであり、第一および第二のポリAシグナル配列がbGHポリAシグナル配列であり、かつ発現カセットが転写ターミネーター配列を含まないことを特徴とする、本発明1082〜1084のいずれかの使用。
[本発明1087]
哺乳動物細胞がCHO細胞、HEK細胞、BHK細胞、NS0細胞、およびSP2/0細胞から選択されることを特徴とする、本発明1082〜1086のいずれかの使用。
[本発明1088]
哺乳動物細胞がHEK細胞であることを特徴とする、本発明1082〜1087のいずれかの使用。
[本発明1089]
−5'から3'への方向に、第一のプロモーター、抗体軽鎖をコードする核酸、第一のポリAシグナル配列を含み、任意で、第一の転写ターミネーター配列を含む第一の発現カセット、
−5'から3'への方向に、第二のプロモーター、抗体重鎖をコードする核酸、第二のポリAシグナル配列を含み、任意で、第二の転写ターミネーター配列を含む第二の発現カセット、および
−5'から3'への方向に、第三のプロモーター、選択剤に対する耐性を付与する核酸、第三のポリAシグナル配列を含み、任意で、第三の転写ターミネーター配列を含む第三の発現カセット
を含み、発現カセットが双方向に構成され、第一の発現カセットおよび第二の発現カセットが逆方向に配置されている発現ベクター。
[本発明1090]
抗体軽鎖をコードする核酸および/または抗体重鎖をコードする核酸が少なくとも1個のイントロンを含むことを特徴とする、本発明1089の発現ベクター。
[本発明1091]
抗体軽鎖をコードする核酸および/または抗体重鎖をコードする核酸がcDNAであることを特徴とする、本発明1089〜1090のいずれかの発現ベクター。
[本発明1092]
第一および第二のプロモーターがhCMVプロモーターであり、第一および第二のポリAシグナル配列がbGHポリAシグナル配列であり、かつ転写終結配列が存在しかつhGTターミネーター配列であることを特徴とする、本発明1089〜1091のいずれかの発現ベクター。
[本発明1093]
第一および第二のプロモーターがhEF1αプロモーターであり、第一および第二のポリAシグナル配列がbGHポリAシグナル配列であり、かつ発現カセットが転写ターミネーター配列を含まないことを特徴とする、本発明1089〜1091のいずれかの発現ベクター。
[本発明1094]
5'から3'への方向に、プロモーター配列、抗体重鎖または抗体軽鎖をコードする核酸、IRES要素、選択マーカーをコードする核酸配列、およびポリAシグナル配列を含み、IRES要素がEMCV-IRES要素である発現プラスミド。
[本発明1095]
5'から3'への方向に、プロモーター配列、抗体重鎖または抗体軽鎖をコードする核酸、IRES要素、選択マーカーをコードする核酸配列、およびポリAシグナル配列を含み、IRES要素がEMCV-IRES要素である発現カセットの、抗体産生細胞の選択のための使用。
[本発明1096]
以下の工程を含む、抗体を発現する真核細胞の選択の方法:
−(i)本発明1094の発現プラスミドと(ii)本発明1094の発現プラスミドによってコードされないそれぞれの他の抗体鎖をコードする核酸とを含む真核細胞を培養する工程、
−検出可能なポリペプチドを発現する細胞を選択する工程。
[本発明1097]
5'から3'への方向に、プロモーター配列、抗体軽鎖をコードする核酸、IRES要素、抗体重鎖をコードする核酸配列、およびポリAシグナル配列を含み、IRES要素がEV71-IRES要素である発現プラスミド。
[本発明1098]
5'から3'への方向に、プロモーター配列、抗体軽鎖をコードする核酸、IRES要素、抗体重鎖をコードする核酸配列、およびポリAシグナル配列を含み、IRES要素がEV71-IRES要素である発現プラスミドの、抗体の発現のための使用。
[本発明1099]
以下の工程を含む、抗体を発現する真核細胞の選択の方法:
−(i)本発明1097の発現プラスミドと(ii)本発明1097の発現プラスミドによってコードされないそれぞれの他の抗体鎖をコードする核酸とを含む真核細胞を培養する工程、
−検出可能なポリペプチドを発現する細胞を選択する工程。
[本発明1100]
発現ベクターが、
−5'から3'への方向に、プロモーター、第一の抗体軽鎖をコードする核酸、ポリAシグナル配列を含み、かつ任意で、ターミネーター配列を含む第一の発現カセット、
−5'から3'への方向に、プロモーター、第二の抗体軽鎖をコードする核酸、ポリAシグナル配列を含み、かつ任意で、ターミネーター配列を含む第二の発現カセット、
−5'から3'への方向に、プロモーター、第一の抗体重鎖をコードする核酸、ポリAシグナル配列を含み、かつ任意で、ターミネーター配列を含む第三の発現カセット、
−5'から3'への方向に、プロモーター、第二の抗体重鎖をコードする核酸、ポリAシグナル配列を含み、かつ任意で、ターミネーター配列を含む第四の発現カセット
または
−5'から3'への方向に、プロモーター、抗体軽鎖をコードする核酸、ポリAシグナル配列を含み、かつ任意で、ターミネーター配列を含む第一の発現カセットであって、ここで抗体軽鎖が両方の抗体重鎖に共通の軽鎖である、第一の発現カセット、
−5'から3'への方向に、プロモーター、第一の抗体重鎖をコードする核酸、ポリAシグナル配列を含み、かつ任意で、ターミネーター配列を含む第二の発現カセット、および
−5'から3'への方向に、プロモーター、第二の抗体重鎖をコードする核酸、ポリAシグナル配列を含み、かつ任意で、ターミネーター配列を含む第三の発現カセット
のいずれかを含むことを特徴とする、本発明1001〜1099のいずれかの発現プラスミドまたは使用または方法。
[本発明1101]
発現ベクターが二特異性抗体をコードすることを特徴とする、本発明1001〜1100のいずれかの発現プラスミドまたは使用または方法。
[本発明1102]
二特異性抗体が、第一の抗原または抗原上の第一のエピトープに特異的に結合する第一の結合特異性または結合部位を有し、かつ第二の抗原または抗原上の第二のエピトープに特異的に結合する第二の結合特異性または結合部位を有することを特徴とする、本発明1100〜1101のいずれかの発現プラスミドまたは使用または方法。
[本発明1103]
発現ベクターが、
−抗体軽鎖発現カセット、
−第一の抗体重鎖発現カセット、
−第二の抗体重鎖発現カセット、および
−選択マーカー発現カセット
を含むことを特徴とする、本発明1100〜1102のいずれかの発現プラスミドまたは使用または方法。
[本発明1104]
発現ベクターが、
−第一の抗体軽鎖発現カセット、
−第二の抗体軽鎖発現カセット、
−第一の抗体重鎖発現カセット、
−第二の抗体重鎖発現カセット、および
−選択マーカー発現カセット
を含むことを特徴とする、本発明1100〜1103のいずれかの発現プラスミドまたは使用または方法。
[本発明1105]
抗体重鎖発現カセットの一方が、ホール変異を含む抗体重鎖をコードすることを特徴とする、本発明1100〜1104のいずれかの発現プラスミドまたは使用または方法。
[本発明1106]
抗体重鎖発現カセットの一方が、ノブ変異を含む抗体重鎖をコードすることを特徴とする、本発明1100〜1105のいずれかの発現プラスミドまたは使用または方法。
[本発明1107]
抗体軽鎖発現カセットの一方が、抗体軽鎖可変ドメインおよび定常ドメインとしての抗体重鎖CH1ドメインを含む抗体軽鎖バリアントをコードし、かつ/または抗体軽鎖発現カセットの一方が、抗体軽鎖可変ドメインおよび定常ドメインとしての抗体軽鎖CLドメインを含む抗体軽鎖をコードすることを特徴とする、本発明1100〜1106のいずれかの発現プラスミドまたは使用または方法。
[本発明1108]
抗体重鎖発現カセットの一方が、第一定常ドメインとして抗体軽鎖定常ドメイン(CL)を含む抗体重鎖バリアントをコードし、かつ/または抗体重鎖発現カセットの一方が、第一定常ドメインとして抗体重鎖CH1ドメインを含む抗体重鎖をコードすることを特徴とする、本発明1100〜1107のいずれかの発現プラスミドまたは使用または方法。
I. 一般的な局面
当業者に公知であるように、組換えDNAテクノロジーの使用は、核酸および/またはポリペプチドの多数の誘導体の産生を可能にする。そのような誘導体は、例えば、置換、変更、交換、欠失、または挿入によって1個または数個の位置において改変されていてよい。改変または誘導体化は、例えば、部位特異的変異誘発によって実施され得る。そのような改変は、当業者によって容易に実施され得る(例えば、Sambrook,J.,et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,New York,USA(1999)を参照のこと)。組換えテクノロジーの使用によって、当業者は、様々な宿主細胞を異種核酸によって形質転換することが可能となる。異なる細胞の転写および翻訳、即ち、発現の機構は、同一の要素を使用するが、異なる種に属する細胞は、とりわけ、異なるいわゆるコドン使用頻度を有する場合がある。それによって、(アミノ酸配列に関して)同一のポリペプチドが、異なる核酸によってコードされ得る。また、遺伝暗号の縮重によって、異なる核酸が同一のポリペプチドをコードし得る。
「親和性成熟」抗体とは、そのような変更を保有しない親抗体と比較して、抗原に対する抗体の親和性の改善をもたらす、1個以上の超可変領域(HVR)における1個以上の変更を有する抗体をさす。
本明細書において提供される方法および組成物は、組換えモノクローナル抗体の産生のためのものである。抗体は、以下に限定されないが、単特異性抗体、多特異性抗体(例えば、二特異性抗体)、抗体断片、一価抗体、多価抗体(例えば、二価抗体)のような様々な構造のものであり得る。
ある種の態様において、本明細書に提供される方法は、抗体がグリコシル化される程度を変更するため、即ち、増加させるかまたは減少させるため、使用される。
ベクター構成に依って、(1)ベクター設計および(2)同一ベクターについての発現ベクターの性能が、一過性トランスフェクションと安定トランスフェクションとの間で異なることが見出された。
プロモーターによる転写開始
プロモーターは、遺伝子の転写レベルを決定し、従って、細胞株の産生能および安定性に対して強い影響を及ぼす:
−プロモーターによって媒介される転写開始は、組換えタンパク質へ翻訳され得るmRNAの量を決定する;
−安定的組込みにも関わらず、クローンの長期産生能は、((例えば、プロモーターメチル化による)遺伝学的遺伝子サイレンシングの結果として)急速に減少する場合がある;
−プロモーター活性は細胞型依存性である。
mRNAのポリアデニル化は様々な機能を有している。それは、核からのmRNA輸出、翻訳開始、およびmRNA安定性に対して強く影響を及ぼす。従って、ポリアデニル化過程の効率は、遺伝子の発現レベルに対して、従って、産生能に対して強力な影響を及ぼす。
発現ベクターに含まれる要素は、相互に強く干渉する場合がある(転写干渉)。これは転写過程における競合による。例えば、立体的制約による転写因子および/またはRNAポリメラーゼへの最適でないプロモーターの接近が、転写機構の資源の利用可能性を低下させる。異なる近接発現カセットの間にも、干渉が起こり得る。例えば、非効率的な転写終結のため、第一の発現単位から第二の発現単位へのRNAポリメラーゼのリードスルーが起こる場合がある。
1種以上のコード核酸、例えば、抗体鎖をコードする構造遺伝子の増強された発現のための発現ベクターが、本明細書に報告される。
ベクターp5068において、発現カセットは、SV40ポリAシグナルで終結していた。
ベクターpx6051において、発現カセットは、イントロンAを含む全長ヒトCMVプロモーターおよびSV40ポリAシグナルを含んでいた。
多数の非産生クローンおよび低産生クローンならびに遺伝子発現の低い安定性のため、現在の細胞株開発は極めて時間がかかり高コストである。数千個のクローンの中から、通常、わずか数個の安定的な「高産生体」が見出される。
−産生細胞の数の増加、
−遺伝子発現の安定性の増強、および
−選択過程のストリンジェンシーの増強
によって、選択過程が改善され得る。
−IRES要素はmRNA安定性/抗体発現に影響しないかまたは最小限に影響する。
−選択マーカーがわずかにしか発現されないよう、IRES要素は弱いIRES活性を示さなければならない。
−(選択マーカーがわずかにしか発現されないような)弱いIRES活性
−IRES要素(それぞれIRESによって連結された選択マーカーの発現)の抗体発現に対する最大でも最小限の影響。
強度のスクリーニング努力のため、現在の細胞株開発は、極めて時間がかかり高コストである。数千個のクローンの中から、一般に、ほんの数個の安定高産生体しか見出されない。
−産生されたタンパク質の直接検出のためのELISAに基づくスクリーニング戦略(時間がかかり高コストである);
−産生されたタンパク質の直接検出のための蛍光に基づくスクリーニング戦略(時間がかかり高コストである);
−産生されたタンパク質の間接検出/定量化のための定量的スクリーニングマーカー(表面タンパク質またはGFPのような蛍光マーカー)を共発現する細胞のFACSに基づくソート。
−融合タンパク質がわずかにしか発現されないよう、弱いIRES活性を提供しなければならない;
−抗体発現レベルに影響してはならない。
集団1:GFP発現なし、FL1-H(=GFP)の幾何平均(GM)0〜4
集団2:低いGFP発現レベル、GM 4〜5.5
集団3:高いGFP発現、GM 5.5〜7。
−(イントロンAを含む)ヒト伸長因子1αプロモーターの使用は、(LC-HC-SM構成において)増強された産生能を提供する。
−ウシ成長ホルモンポリAシグナル配列の使用は、SV40ポリAシグナル配列の使用と比較して増強された産生能を提供する。
−bGHポリAシグナル配列へのHGTの付加は、hCMVプロモーターを含有しているベクターにおいて、増加した産生能をもたらす。
−ベクター構成LC(3'-5')-HC-SMは改善された発現をもたらす。
−hEF1αプロモーターを含有しているベクターで生成されたプールは、バッチ分析において増強された産生能を示す。
−hEF1αプロモーターを含有しているベクターで生成されたクローンは、低下した数の低産生クローンを示す。
−hEF1αプロモーターを含有しているベクターで生成されたクローンは、IgG発現のより高い安定性を示す。
−選択マーカーが下流に位置付けられたベクター構成(LC-HC-SM)は、安定単一クローンの産生能に対して正の効果を及ぼす。
−bGHポリAシグナル配列およびhGTを含有しているベクターで生成されたクローンは、より高い産生能および安定性を有している。
数種の異なる転写関連遺伝要素およびそれらの組み合わせを、参照遺伝要素組み合わせと比較した。比較一過性実験に基づき、軽鎖および重鎖の発現カセット(軽鎖発現カセットが重鎖発現カセットの上流)の反対方向に選択マーカーのための発現カセットを含む双方向ベクター構成について、以下の結果が入手された(下記表を参照のこと)。
−イントロンAを含まないヒトCMV:100%(参照)
−イントロンAを含むヒトのCMV:一過性234%、安定プール123%、安定クローン38%
−イントロンAを含むラットCMV:一過性50%、プール60%
−イントロンAを含むヒトEF1α:一過性153%、プール564%、安定クローン:84%(SV40ポリA)、およそ100%(bGHおよびhGT)
−イントロンAおよび最適化された5'UTRを含むヒトEF1α:+40%(ヒトEF1αに対して)
−MPSV:29%
−bGHポリA:一過性146%、安定92%
−hGT:一過性131%、安定プール138%、単一クローン123%
−bGHポリAおよびhGT:一過性158%、安定プール163%、単一クローン140%
Xu et al.,J.Control.Release,81(2002)155-163.
Xia et al.,Prot.Expr.Purif.45(2006)115-124.
ラットCMVプロモーター:
Xia et al.,Prot.Expr.Purif.45(2006)115-124.
ヒトEF1αプロモーター:
Teschendorf et al.,Anticancer Res.22(2002)3325-3330.
Li et al.,J.Immunol.Methods 318(2007)113-124.
MPSVプロモーター:
Xia et al.,Prot.Expr.Purif.45(2006)115-124.
Artelt et al.,Gene 68(1988)213-219.
Stocking et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82(1985)5746-5750.
Lin et al.,Gene 147(1994)287-292.
MPSV-CMVハイブリッドプロモーター:
Liu et al.,Anal.Biochem.246(1996)150-152.
−抗体発現に対する選択圧は、高い選択性をもたらす。
−抗体および選択マーカーの連結された発現は、高い選択性をもたらす。
−弱い活性を有するIRES要素の使用は、高いストリンジェンシー、即ち、高い抗体産生および低い選択マーカー産生をもたらすことが見出された。
−IRES要素による抗体および選択マーカーの発現の連結。
−IgG発現をわずかに変更する弱い活性を有するIRES要素(EMCV/Gtx)の同定。
−選択マーカーとしてもスクリーニングマーカーとしても機能する融合タンパク質の使用。
−二機能性GFP-ネオマイシン融合タンパク質。
−オルニチンデカルボキシラーゼのPEST配列は、強力なタンパク質分解シグナル配列であり、タンパク質の低下した半減期を付与する。
−融合タンパク質のIRESによって連結された発現は、高い選択性をもたらす。
−タンパク質分解シグナル配列による短い半減期は、高いストリンジェンシーをもたらす。
−融合タンパク質の弱い発現および短い半減期のため、強力な発現が必要とされる。
−FACSによる高産生体の迅速な同定(高GFP発現クローンのソートが高産生体の選択を提供する)。
−px5068(IRESなし):100%抗体発現(参照)
−Gtx-IRES:20〜27%
−EMCV-IRES 81〜94%
−EV71-IRES 20〜36%
−ELF4G-IRES 3〜17%
−Gtx-IRES(合成)88%
Komuro et al.,EMBO J.12(1993)1387-1401.
EMCV-IRES:
Mountford et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91(1991)4303-4307.
EV71-IRES:
Lee et al.,Biotechnol.Bioeng.90(2005)656-662.
ELF4G-IRES:
Wong et al.,Gene Ther.9(2002)337-344.
Gtx(合成)-IRES:
Chappell et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA97(2000)1536-1541.
−IRESなしのpx5068:100%抗体発現(参照)
−Gtx-IRES(合成):3%
−EV71-IRES:82%
−ELF4G-IRES:5%
−EMCV-IRES:7%
SEQ ID NO:01 イントロンAを含まない短いヒトCMVプロモーター
SEQ ID NO:02 イントロンAを含まず5'UTRを含む短いヒトCMVプロモーター
SEQ ID NO:03 イントロンAを含む全長ヒトCMVプロモーター
SEQ ID NO:04 イントロンAを含まない全長ヒトEF1αプロモーター
SEQ ID NO:05 イントロンAを含む全長ヒトEF1αプロモーター
SEQ ID NO:06 イントロンAを含み5'UTRを含む短いヒトEF1αプロモーター
SEQ ID NO:07 イントロンAを含む全長ラットCMVプロモーター
SEQ ID NO:08 SV40ポリAシグナル配列
SEQ ID NO:09 bGHポリAシグナル配列
SEQ ID NO:10 hGTターミネーター配列
SEQ ID NO:11 SV40プロモーター
SEQ ID NO:12 オルニチンデカルボキシラーゼのPEST配列
SEQ ID NO:13 GFPをコードする核酸配列
SEQ ID NO:14 ネオマイシン選択マーカー
SEQ ID NO:15 GFP-PEST-NEO融合ポリペプチドをコードする核酸
SEQ ID NO:16 EMCV-IRES
SEQ ID NO:17 EV71-IRES
発現プラスミドp5068およびp5069は、WO 2005/100402に報告されるような抗P-セレクチン抗体の発現のための発現カセット(エクソン-イントロン構成が保持されているゲノム的に構成された発現カセット)を含む。
−ヒトサイトメガロウイルス(hCMV)由来の前初期エンハンサーおよびプロモーター、
−コザック配列を含む合成5'-UT、
−シグナル配列イントロンを含むマウス免疫グロブリン重鎖シグナル配列、
−独特のBsmI制限部位が5'末端に、スプライスドナー部位および独特のNotI制限部位が3'末端に配置された、クローニングされた抗P-セレクチンHuMab可変軽鎖cDNA、
−イントロン2マウスIg-κエンハンサーを含むゲノムヒトκ遺伝子定常領域(Picard,D.,and Schaffner,W.Nature 307(1984)80-82)、ならびに
−ヒト免疫グロブリンκポリアデニル化(「ポリA」)シグナル配列。
−ヒトサイトメガロウイルス(hCMV)由来の前初期エンハンサーおよびプロモーター、
−コザック配列を含む合成5'-UT、
−シグナル配列イントロンを含む改変されたマウス免疫グロブリン重鎖シグナル配列、
−独特のBsmI制限部位が5'末端に、スプライスドナー部位および独特のNotI制限部位が3'末端に配置された、クローニングされた抗P-セレクチンHuMab可変重鎖cDNA、
−マウスIgμ-エンハンサーを含むゲノムヒトγ1重鎖遺伝子定常領域(Neuberger,M.S.,EMBO J.2(1983)1373-1378)、ならびに
−ヒトγ1免疫グロブリンポリアデニル化(「ポリA」)シグナル配列。
−ハイグロマイシン耐性遺伝子、
−エプスタイン・バー(Epstein-Barr)ウイルス(EBV)の複製起点oriP
−大腸菌におけるこのプラスミドの複製を可能にするベクターpUC18由来の複製起点、および
−大腸菌におけるアンピシリン耐性を付与するβラクタマーゼ遺伝子
を含有している。
Sambrook et al.,1999(前記)に記載されるような標準的なクローニング技術を使用して、クローニングを実施した。(他に示されない限り)全ての分子生物学的試薬が、市販されているものであり、製造業者の説明書に従って使用された。
異なる遺伝要素のDNAは、Geneart AG(Regensburg)によって合成された。
DNA配列は、SequiServe(SequiServe GmbH,Germany)において実施された二本鎖配列決定によって決定された。
Vector NTI Advanceスイートバージョン9.0を、配列の生成、マッピング、分析、アノテーション、および図解のために使用した。
CHO-K1細胞を、1×HTサプリメント(Invitrogen Corp.,Gibco(登録商標)、カタログ番号11067-030)が補足されたCD-CHO培地(Invitrogen Corp.,Gibco(登録商標)、カタログ番号10743-011)において培養した。
(a)電場細胞計数システム(CASY)
CASY(登録商標)Technology Cell Counter、モデルTT(Roche Innovatis AG,Bielefeld)は、細胞計数のために電流を使用する。細胞が低電圧フィールド内の測定孔を通過する時に作出されるシグナルから情報を得るため、パルスエリア解析が使用された。細胞膜の構造的完全性は、細胞生存能の程度である。従って、生存能の決定のために、トリパンブルーのような色素は必要とされない。
Cedex HiResシステム(Roche Innovatis AG,Bielefeld)を、プール選択における細胞生存能の決定、および自動細胞計数のために使用した。
トランスフェクション効率、従って、産生能は、DNAの量および品質のような数種の因子によって強く影響される。各ベクターについての等しい出発条件を保証するため、全てのベクターのDNAの量および品質を、トランスフェクション前に入念にチェックした。
全てのベクターを、製造業者の説明書に従って、High Speed Maxiプラスミド単離キット(Qiagen GMBH,Hilden)によって同時に調製した。
全てのベクターを、フェノール/クロロホルム精製によって同時に精製した。各々500μgの直鎖化されたプラスミドDNAを、200μlのトリス緩衝50%(v/v)フェノール、48%(v/v)クロロホルム、2%(v/v)イソアミルアルコール溶液と混合し、13,000rpmで1分間遠心分離した。次いで、上方の水相を新しいチューブへ移し、200μlの96%(v/v)クロロホルム、4%(v/v)イソアミルアルコールと混合し、13,000rpmで1分間遠心分離した。上相を、新しいチューブへ再び移し、1/10(全容積)の3M酢酸ナトリウム(pH5.2)および2.5倍(全容積)の100%エタノールと混合した。反応物を混合し、室温で5分間インキュベートした後、DNAをペレット化するため、混合物を13,000rpmで5分間遠心分離した。上清を廃棄し、ペレットを900μlの70%(v/v)エタノールによって洗浄し、室温で5分間インキュベートした。5分間の最大スピードでの最後の遠心分離工程の後、上清を廃棄し、ペレットを乾燥させ、滅菌H2Oに再懸濁させた。
各ベクターのDNA量を、BioPhotometer(Eppendorf;Hamburg)を使用して決定した。DNA測定は、常に、トリス(pH8.0)での1:20希釈を使用することによって、トリプリケートに実施された。
各プラスミドのDNAの品質を、0.8%アガロースゲル上でチェックした。DNA分解、ベクターコンフォメーション、およびDNA濃度を決定した。比較可能な量および品質(DNA分解なし、類似したスーパーコイル(ccc)型、ゲル上の類似したDNA量)を示すベクターを、一過性トランスフェクションおよび安定トランスフェクションに使用した。
全てのベクターを、製造業者の説明書に従って、Amaxa 96ウェルシャトルシステム(Lonza GmbH,Germany)によってCHO-K1細胞にトランスフェクトした。各ベクターを8リプリケートでトランスフェクトした。トランスフェクトされたベクターのDNA量を、1μgの参照発現プラスミド(p5068またはp5069)により等モル量/コピー数に標準化した。トランスフェクション後4〜7日目に、産生能を決定するため、ワンステップユニバーサルELISA(Dianova)によって、無細胞細胞培養上清をIgG力価について分析した。
スピナフラスコにおいて培養したCHO-K1細胞を、850rpmでの5分間の遠心分離によってペレット化し、培養培地に再懸濁させた。環状プラスミドを、1μgの参照発現ベクターp5068またはp5069により等モル濃度で96ウェルヌクレオフェクションプレートに播種した。次いで、細胞を、1ウェル当たり4×105細胞の濃度でプレートへ添加した。トランスフェクションをAmaxaプログラムDN-137によって実施した。細胞をトランスフェクション後10分間インキュベートし、次いで、200μl培養培地を含有している96ウェル平底インキュベーションプレートへ移した。次いで、細胞を静置培養した。トランスフェクション後4〜6日目に、ワンステップユニバーサルELISAを使用して、IgGレベルを決定した。
安定トランスフェクションを、製造業者の説明書に従って、ヌクレオフェクションテクノロジー(Amaxa Biosystems,Lonza cologne AG)によって実施した。トランスフェクション前に、プラスミドを制限酵素SgrA Iによって直鎖化した。各プラスミドをデュプリケートまたはトリプリケートにトランスフェクトした。5×106個の細胞および1.2pmolの直鎖化プラスミドを1回のトランスフェクションに使用した(Nucleofector Kit T、AmaxaプログラムA33)。
ベクターをAmaxaヌクレオフェクションテクノロジーによってCHO-K1細胞へトランスフェクトし、選択剤としてハイグロマイシンBまたはG418を使用して、安定プールを選択した。各トランスフェクションをトリプリケートに実施した。安定プールの生成のため、全てのプラスミドを、SgrA Iによる制限消化によって均一に直鎖化した。AmaxaによるNucleofector Kit Tを、安定トランスフェクションを実施するために使用し、各プラスミドをトリプリケートにトランスフェクトした。
ベクターを上記のようにCHO-K1細胞へトランスフェクトした。トランスフェクションの48時間後に、選択圧をかけ(ハイグロマイシンBまたはG418)、自動ハイスループットクローン単離システム(Sciclone ALH 3000 workstation,Caliper Life Sciences GmbH,Mainz)を使用して、1ウェル当たり350〜700細胞の濃度で384ウェル平底プレートへ細胞を播種した。
産生能および安定性の差を検出するため、Caseyセルカウンターを使用してクローン/プールの細胞数を計数し、3×105細胞/mlの濃度および3.0mlの全容積で平底6ウェルプレートに均一に播種した。全てのバッチ培養物を12日間培養し、4日目、7日目、9日目、11日目、または12日目に、細胞培養上清をヒトIgGレベルについてスクリーニングした。
一過性実験およびスクリーニングフォーマット(384ウェル〜24ウェル)におけるIgG力価を、ワンステップユニバーサルELISAを使用することによって決定した。バッチ実験における安定プールおよび安定単一クローンの産生能を、プロテインA HPLCによって決定した。
ワンステップユニバーサルELISA(Dianova)を、細胞培養上清からのヒトIgGレベルを決定するために使用した。希釈緩衝液(PBS+5%(w/v)RPLA1)を使用した、0.3125〜20ng/mlの範囲の抗P-セレクチン抗体(F.Hoffmann-La Roche AG,Basle,Switzerland)の段階希釈を使用して、標準曲線を調製した。0.5μg/mlビオチン化F(ab')2-抗ヒトFc抗体(Jackson laboratories)および0.1μg/mlペルオキシダーゼ標識F(ab')2-抗ヒトFcγ抗体(Jackson laboratories;Suffolk)を含有している95μlの抗体ミックスを、ストレプトアビジンによってコーティングされた96ウェルMTP(StreptaWell,Roche Diagnostics GmbH)へ添加した。1:20,000希釈の細胞培養上清5μlを、プレートへ添加し、1時間インキュベートした。抗体によってコーティングされたプレートを、200μlの洗浄緩衝液(PBS+0.05%(v/v)Tween20)によって3回洗浄した。100μlのABTS(Roche Diagnostics GmbH,Mannheim,Germany)をプレートへ添加し、492nmの参照波長で、405nmにおいて吸光度を測定した。
バッチ分析のIgG力価は、ワンステップユニバーサルELISAと組み合わせられたHPLCに基づくクロマトグラフィを使用して、プロテインAによって決定された。
安定トランスフェクトまたは一過性トランスフェクトされた細胞の(GFP発現細胞に基づく)トランスフェクション効率またはGFP発現レベルを決定するため、蛍光標示式細胞ソートを使用した。一般に、各クローンまたは各プールの5×106個の細胞を、FACSCalibur Flow Cytometer(BD Biosciences,San Diego,CA)を使用して測定した。前方散乱および側方散乱のデータを、細胞サイズ、生存能、および細胞形態学を決定するために使用した。
Claims (21)
- (a)・5'から3'への方向に、hCMVプロモーター、抗体軽鎖をコードする核酸、bGHポリAシグナル配列、およびhGTターミネーター配列を含む、第一の発現カセット、
・5'から3'への方向に、hCMVプロモーター、抗体重鎖をコードする核酸、bGHポリAシグナル配列、およびhGTターミネーター配列を含む、第二の発現カセット
を含み、第一の発現カセットおよび第二の発現カセットが双方向に配置されている発現ベクターを哺乳動物細胞にトランスフェクトし、それによって、多数の組換え哺乳動物細胞を入手する工程、ならびに
(b)多数の組換え哺乳動物細胞から単一または複数の一過性トランスフェクトされた組換え哺乳動物細胞を抗体発現収率に基づいて選択する工程
を含む、一過性トランスフェクトされた組換え哺乳動物細胞を選択する方法。 - 抗体軽鎖をコードする核酸および/または抗体重鎖をコードする核酸が少なくとも1個のイントロンを含むことを特徴とする、請求項1記載の方法。
- 抗体軽鎖をコードする核酸および/または抗体重鎖をコードする核酸がcDNAであることを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
- 発現ベクターが選択マーカーをさらに含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。
- 発現カセットが、軽鎖−重鎖−選択マーカーの順に配置されていることを特徴とする、請求項4記載の方法。
- 哺乳動物細胞が、一過性トランスフェクトされた細胞の選択のため、HEK細胞であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。
- 発現ベクターが、第三の発現カセットおよび第四の発現カセットをさらに含み、
・5'から3'への方向に、hCMVプロモーター、第一の抗体軽鎖をコードする核酸、bGHポリAシグナル配列、およびhGTターミネーター配列を含む、第一の発現カセット、
・5'から3'への方向に、hCMVプロモーター、第一の抗体重鎖をコードする核酸、bGHポリAシグナル配列、およびhGTターミネーター配列を含む、第二の発現カセット、
・5'から3'への方向に、hCMVプロモーター、第二の抗体軽鎖をコードする核酸、bGHポリAシグナル配列、およびhGTターミネーター配列を含む、第三の発現カセット、ならびに
・5'から3'への方向に、hCMVプロモーター、第二の抗体重鎖をコードする核酸、bGHポリAシグナル配列、およびhGTターミネーター配列を含む、第四の発現カセット
を含むか;または
発現ベクターが、第三の発現カセットをさらに含み、
・5'から3'への方向に、hCMVプロモーター、抗体軽鎖をコードする核酸、bGHポリAシグナル配列、およびhGTターミネーター配列を含む、第一の発現カセットであって、ここで抗体軽鎖が両方の抗体重鎖に共通の軽鎖である、第一の発現カセット、
・5'から3'への方向に、hCMVプロモーター、第一の抗体重鎖をコードする核酸、bGHポリAシグナル配列、およびhGTターミネーター配列を含む、第二の発現カセット、ならびに
・5'から3'への方向に、hCMVプロモーター、第二の抗体重鎖をコードする核酸、bGHポリAシグナル配列、およびhGTターミネーター配列を含む、第三の発現カセット
を含む、
請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。 - 発現ベクターが二特異性抗体をコードすることを特徴とする、請求項7記載の方法。
- (a)・5'から3'への方向に、hCMVプロモーター、抗体軽鎖をコードする核酸、bGHポリAシグナル配列、およびhGTターミネーター配列を含む、第一の発現カセット、
・5'から3'への方向に、hCMVプロモーター、抗体重鎖をコードする核酸、bGHポリAシグナル配列、およびhGTターミネーター配列を含む、第二の発現カセット
を含む発現ベクターを一過性トランスフェクトされ、抗体を産生している哺乳動物細胞を培養する工程、ならびに
(b)細胞または培養培地から抗体を回収する工程
を含み、
第一の発現カセットおよび第二の発現カセットが、抗体の一過性の産生のため、双方向に配置されている、
抗体を産生する方法。 - 抗体軽鎖をコードする核酸および/または抗体重鎖をコードする核酸が少なくとも1個のイントロンを含むことを特徴とする、請求項9記載の方法。
- 抗体軽鎖をコードする核酸および/または抗体重鎖をコードする核酸がcDNAであることを特徴とする、請求項9または10記載の方法。
- 発現ベクターが選択マーカーをさらに含むことを特徴とする、請求項9〜11のいずれか一項記載の方法。
- 発現カセットが、軽鎖−重鎖−選択マーカーの順に配置されていることを特徴とする、請求項12項記載の方法。
- 哺乳動物細胞が、抗体の一過性産生のため、HEK細胞であることを特徴とする、請求項9〜13のいずれか一項記載の方法。
- ・5'から3'への方向に、hCMVプロモーター、抗体軽鎖をコードする核酸、bGHポリAシグナル配列、およびhGTターミネーター配列を含む、第一の発現カセット、
・5'から3'への方向に、hCMVプロモーター、抗体重鎖をコードする核酸、bGHポリAシグナル配列、およびhGTターミネーター配列を含む、第二の発現カセット
を含み、第一の発現カセットおよび第二の発現カセットが、一過性トランスフェクトされた細胞の選択のため、双方向に配置されている、一過性トランスフェクトされた哺乳動物細胞の選択のための発現ベクター。 - 抗体軽鎖をコードする核酸および/または抗体重鎖をコードする核酸が少なくとも1個のイントロンを含むことを特徴とする、請求項15記載の発現ベクター。
- 抗体軽鎖をコードする核酸および/または抗体重鎖をコードする核酸がcDNAであることを特徴とする、請求項15または16記載の発現ベクター。
- 発現ベクターが選択マーカーをさらに含むことを特徴とする、請求項15〜17のいずれか一項記載の発現ベクター。
- 発現カセットが、軽鎖−重鎖−選択マーカーの順に配置されていることを特徴とする、請求項18記載の発現ベクター。
- 発現ベクターが、第三の発現カセットおよび第四の発現カセットをさらに含み、
・5'から3'への方向に、hCMVプロモーター、第一の抗体軽鎖をコードする核酸、bGHポリAシグナル配列、およびhGTターミネーター配列を含む、第一の発現カセット、
・5'から3'への方向に、hCMVプロモーター、第一の抗体重鎖をコードする核酸、bGHポリAシグナル配列、およびhGTターミネーター配列を含む、第二の発現カセット、
・5'から3'への方向に、hCMVプロモーター、第二の抗体軽鎖をコードする核酸、bGHポリAシグナル配列、およびhGTターミネーター配列を含む、第三の発現カセット、ならびに
・5'から3'への方向に、hCMVプロモーター、第二の抗体重鎖をコードする核酸、bGHポリAシグナル配列、およびhGTターミネーター配列を含む、第四の発現カセット
を含むか;または
発現ベクターが、第三の発現カセットさらに含み、
・5'から3'への方向に、hCMVプロモーター、抗体軽鎖をコードする核酸、bGHポリAシグナル配列、およびhGTターミネーター配列を含む、第一の発現カセットであって、ここで抗体軽鎖が両方の抗体重鎖に共通の軽鎖である、第一の発現カセット、
・5'から3'への方向に、hCMVプロモーター、第一の抗体重鎖をコードする核酸、bGHポリAシグナル配列、およびhGTターミネーター配列を含む、第二の発現カセット、ならびに
・5'から3'への方向に、hCMVプロモーター、第二の抗体重鎖をコードする核酸、bGHポリAシグナル配列、およびhGTターミネーター配列を含む、第三の発現カセット
を含む、
請求項15〜19のいずれか一項記載の発現ベクター。 - 二特異性抗体をコードすることを特徴とする、請求項20記載の発現ベクター。
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