JP6414677B2 - 魚類エキスの製造方法 - Google Patents
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Description
項(1)
軟骨魚類を原料として、該原料を還元糖の存在下で加熱処理した後、酵素処理を行うことを特徴とする、魚類エキスの製造方法。
項(2)
前記加熱処理が95℃以上で行われる、項(1)に記載の製造方法。
項(3)
前記酵素処理が、プロテアーゼ活性を有する酵素を用いて行われる、項(1)又は項(2)に記載の製造方法。
項(4)
還元糖がキシロース、グルコース、フルクトース又はマルトースのうち少なくとも1種である、項(1)乃至項(3)のいずれか1項に記載の製造方法。
項(5)
項(1)乃至項(4)のいずれか1項に記載の製造方法により得られる、魚類エキス。
本発明によれば、従来、そのアンモニア臭の発生により利用が制限されてきた軟骨魚類を、風味良好で汎用性の高い魚類エキスとして利用することができる。
内臓を除いたナルトビエイの粉砕物(固形分:23.4%)50gに、水道水及びキシロースを表1に記載の分量でそれぞれ加えて混合した。次いで、オートクレーブを用いて130℃で1時間加熱処理を行った。加熱処理後、50℃まで冷却し、プロテアーゼ製剤であるプロテアーゼM(天野エンザイム株式会社製)を0.2g添加して50℃で3時間酵素処理を行い、さらに、90℃で10分間酵素失活処理を行うことで、本発明による魚類エキス(実施例1−1〜1−3)各90gを得た。
内臓を除いたナルトビエイの粉砕物(固形分:23.4%)50gに、水道水50gを加えて混合した。次いで、オートクレーブを用いて130℃で1時間加熱処理を行った。加熱処理後、50℃まで冷却し、プロテアーゼ製剤であるプロテアーゼM(天野エンザイム株式会社製)を0.2g添加して50℃で3時間酵素処理を行い、さらに、90℃で10分間酵素失活処理を行うことで、還元糖の非存在下で加熱処理を行った魚類エキス(比較例1)90gを得た。
実施例1で得られた本発明による魚類エキス及び比較例1で得られた還元糖の非存在下で加熱処理した魚類エキスを検体として、尿素及びグルタミン酸の含有量並びにアンモニア濃度を測定した。尿素及びグルタミン酸の含有量の測定は、酵素法による食品分析試薬であるFキット(ロシュ・ダイアグノスティックス社製)を用いて行った。アンモニア濃度の測定は、100ml容ねじ口瓶に検体20gを入れて密封し、30℃で30分間静置した後のヘッドスペースガスについて、GASTEC(登録商標) No.3L(アンモニア)(株式会社ガステック製)を用いて行った。さらに、パネラー10名により、風味(アンモニア臭及び呈味)について評価を実施した。結果を表1に示す。
内臓を除いたナルトビエイの粉砕物(固形分:23.4%)50gに、水道水30g及びキシロース20g(ナルトビエイ粉砕物の固形物100重量部に対して170.9重量部)を加えて混合した。次いで、オートクレーブを用いてそれぞれ表2に記載の温度で1時間加熱処理を行った。加熱処理後、50℃まで冷却し、プロテアーゼ製剤であるスミチームFP(新日本化学工業株式会社製)を0.2g添加して50℃で5時間酵素処理を行い、さらに、90℃で10分間酵素失活処理を行うことで、本発明による魚類エキス(実施例2−1〜2−4)各90gを得た。
実施例2で得られた本発明による魚類エキスを検体として、評価試験1と同様にして尿素及びグルタミン酸の含有量並びにアンモニア濃度を測定した。さらに、パネラー10名により、風味(アンモニア臭及び呈味)について評価を実施した。結果を表2に示す。
内臓を除いたヨシキリザメの粉砕物(固形分:20.6%)40gに、水道水16g、キシロース16g(ヨシキリザメ粉砕物の固形物100重量部に対して194.2重量部)及び食塩8gを加えて混合した。次いで、コンベクションオーブンを用いて100℃で1時間加熱処理を行った。加熱処理後、50℃まで冷却し、プロテアーゼ製剤であるスミチームFP(新日本化学工業株式会社製)を0.16g添加して50℃で3時間酵素処理を行い、さらに、90℃で10分間酵素失活処理を行うことで、本発明による魚類エキス(実施例3)70gを得た。
内臓を除いたヨシキリザメの粉砕物(固形分:20.6%)40gに、水道水16g、キシロース16g(ヨシキリザメ粉砕物の固形物100重量部に対して194.2重量部)及び食塩8gを加えて混合した。次いで、50℃まで加温し、プロテアーゼ製剤であるスミチームFP(新日本化学工業株式会社製)を0.16g添加して50℃で3時間酵素処理を行い、さらに、90℃で10分間酵素失活処理を行うことで、還元糖の存在下で加熱処理を行っていない魚類エキス(比較例2)70gを得た。
内臓を除いたヨシキリザメの粉砕物(固形分:20.6%)40gに、水道水32g及び食塩8gを加えて混合した。次いで、50℃まで加温し、プロテアーゼ製剤であるスミチームFP(新日本化学工業株式会社製)を0.16g添加して50℃で3時間酵素処理を行い、さらに、90℃で10分間酵素失活処理を行うことで、還元糖が存在せず加熱処理も行っていない魚類エキス(比較例3)70gを得た。
実施例3で得られた本発明による魚類エキス、比較例2で得られた還元糖の存在下で加熱処理を行っていない魚類エキス及び比較例3で得られた還元糖が存在せず加熱処理も行っていない魚類エキスを検体として、評価試験1と同様にして尿素の含有量及びアンモニア濃度を測定した。さらに、実際の調理における加熱加工処理を想定して、それぞれの検体を90℃で12時間保持した後、アンモニア濃度を測定した。結果を表3に示す。
内臓を除いたナルトビエイの粉砕物(固形分:23.4%)50gに、水道水40g及びグルコース(実施例4−1)又はキシロース(実施例4−2)10g(ナルトビエイ粉砕物の固形物100重量部に対して85.5重量部)をそれぞれ加えて混合した。次いで、オートクレーブを用いて130℃で1時間加熱処理を行った。加熱処理後、50℃まで冷却し、プロテアーゼ製剤であるスミチームLPL及びスミチームACP(いずれも、新日本化学工業株式会社製)を各0.1gずつ添加して50℃で3時間酵素処理を行い、さらに、90℃で10分間酵素失活処理を行うことで、本発明による魚類エキス(実施例4−1及び4−2)各90gを得た。
内臓を除いたナルトビエイの粉砕物(固形分:23.4%)50gに、水道水40g及びグルコース(比較例4−1)又はキシロース(比較例4−2)10g(ナルトビエイ粉砕物の固形物100重量部に対して85.5重量部)をそれぞれ加えて混合した。次いで、プロテアーゼ製剤であるスミチームLPL及びスミチームACP(いずれも、新日本化学工業株式会社製)を各0.1gずつ添加して50℃で3時間酵素処理を行った。酵素処理後、オートクレーブを用いて130℃で1時間加熱処理を行うことで、加熱処理前に酵素処理を行った魚類エキス(比較例4−1及び4−2)各90gを得た。
実施例4で得られた本発明による魚類エキス及び比較例4で得られた加熱処理前に酵素処理を行った魚類エキスを検体として、評価試験1と同様にして尿素及びグルタミン酸の含有量並びにアンモニア濃度を測定した。また、各検体について、その色度を比較した。色度は、各検体をイオン交換水で100倍に希釈した液の吸光度(OD430)を、分光光度計(UV−1200:株式会社島津製作所製)を用いて、光路長1cm、波長430nmの条件で測定した。さらに、パネラー10名により、風味(アンモニア臭、焦げ臭及び呈味)について評価を実施した。結果を表4に示す。
ネズミザメの肉の粉砕物(固形分:20.9%)40gに、水道水24g及びマルトース16g(ネズミザメ粉砕物の固形物100重量部に対して191.4重量部)を加えて混合した。次いで、オートクレーブを用いて130℃で1時間加熱処理を行った。加熱処理後、50℃まで冷却し、プロテアーゼ製剤であるウマミザイムG(天野エンザイム株式会社製)を0.16g添加して50℃で2時間酵素処理を行い、さらに、80℃で10分間酵素失活処理を行うことで、本発明による魚類エキス(実施例5)70gを得た。
ネズミザメの肉の粉砕物(固形分:20.9%)40gに、水道水24gを加えて混合した。次いで、オートクレーブを用いて130℃で1時間加熱処理を行った。加熱処理後、50℃まで冷却し、マルトース16g(ネズミザメ粉砕物の固形物100重量部に対して191.4重量部)を、プロテアーゼ製剤であるウマミザイムG(天野エンザイム株式会社製)を0.16g添加して50℃で2時間酵素処理を行い、さらに、80℃で10分間酵素失活処理を行うことで、還元糖の非存在下で加熱処理を行った魚類エキス(比較例5)70gを得た。
実施例5で得られた本発明による魚類エキス及び比較例5で得られた還元糖の非存在下で加熱処理を行った魚類エキスを検体として、評価試験1と同様にして尿素及びグルタミン酸の含有量並びにアンモニア濃度を測定した。さらに、パネラー10名により、風味(アンモニア臭及び呈味)について評価を実施した。結果を表5に示す。
アブラツノザメの肉の粉砕物(固形分:21.7%)40gに、水道水32g及びフルクトース8g(アブラツノザメ粉砕物の固形物100重量部に対して92.17重量部)を加えて混合した。次いで、オートクレーブを用いて130℃で1時間加熱処理を行った。加熱処理後、50℃まで冷却し、プロテアーゼ製剤であるウマミザイムG(天野エンザイム株式会社製)を0.16g添加して50℃で2時間酵素処理を行い、さらに、80℃で10分間酵素失活処理を行うことで、本発明による魚類エキス(実施例6)70gを得た。
アブラツノザメの肉の粉砕物(固形分:21.7%)40gに、水道水32gを加えて混合した。次いで、オートクレーブを用いて130℃で1時間加熱処理を行った。加熱処理後、50℃まで冷却し、フルクトース8g(アブラツノザメ粉砕物の固形物100重量部に対して92.17重量部)を、プロテアーゼ製剤であるウマミザイムG(天野エンザイム株式会社製)を0.16g添加して50℃で2時間酵素処理を行い、さらに、80℃で10分間酵素失活処理を行うことで、還元糖の非存在下で加熱処理を行った魚類エキス(比較例6)70gを得た。
実施例6で得られた本発明による魚類エキス及び比較例6で得られた還元糖の非存在下で加熱処理を行った魚類エキスを検体として、評価試験1と同様にして尿素及びグルタミン酸の含有量並びにアンモニア濃度を測定した。さらに、パネラー10名により、風味(アンモニア臭及び呈味)について評価を実施した。結果を表6に示す。
Claims (4)
- 軟骨魚類を原料として、該原料を還元糖の存在下で95℃以上で加熱処理した後、プロテアーゼ活性を有する酵素を用いて酵素処理を行うことを特徴とする、魚類エキスの製造方法。
- 還元糖の量が、軟骨魚類固形物100重量%に対して20重量部以上である、請求項1に記載の製造方法。
- 還元糖がキシロース、グルコース、フルクトース又はマルトースのうち少なくとも1種である、請求項1又は請求項2に記載の製造方法。
- 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の製造方法により得られる、魚類エキス。
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