JP2015023834A - 調味エキスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 原料である肉や肉解体残渣等について、特別な前処理や複雑な工程を行うことなく、その全量又はほぼ全量を無駄なく調味素材として利用できる技術を開発することを目的とする。
【解決手段】 原料である哺乳類又は鳥類の肉、内臓、骨、皮及びその加工品、からなる群から選ばれるのいずれか1以上のものに対して、(i) 前記原料と前記原料中の水分と溶媒の総液量に対してエタノールを20〜75%(容量/容量)で含むように調製した溶媒、とが接触する条件、(ii) 温度140〜205℃及び圧力0.36〜12.5MPaの高温高圧条件、(iii) 前記原料と亜臨界状態になった水を1分間以上接触させる条件、の全てを満たすようにして亜臨界水処理を行うを特徴とする、調味エキスの製造方法、を提供する。
【選択図】 図1
【解決手段】 原料である哺乳類又は鳥類の肉、内臓、骨、皮及びその加工品、からなる群から選ばれるのいずれか1以上のものに対して、(i) 前記原料と前記原料中の水分と溶媒の総液量に対してエタノールを20〜75%(容量/容量)で含むように調製した溶媒、とが接触する条件、(ii) 温度140〜205℃及び圧力0.36〜12.5MPaの高温高圧条件、(iii) 前記原料と亜臨界状態になった水を1分間以上接触させる条件、の全てを満たすようにして亜臨界水処理を行うを特徴とする、調味エキスの製造方法、を提供する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、哺乳類又は鳥類の肉や肉解体残渣等を原料として、所定濃度のエタノールを含む水を用いて亜臨界水処理を行うことを特徴とする、調味エキスの製造方法に関する。
哺乳類や鳥類の肉は、人間の食事に極めて重要であり食材として不可欠なものである。しかし、肉には油脂分が多く、骨や各種臓器等の強固な組織が含まれるため、肉を原料として調味エキスを得る際には、通常は熱水抽出したり酵素処理したりする方法がとられている。
しかし、これらの方法は水溶性成分の抽出を主としているため、重要な風味・旨味成分である脂に由来する成分を抽出することができない。また、脂に由来する成分を回収するためには、調味エキス化の際に、油脂成分を再抽出して水溶性成分と混合する操作が必要となるため、工程が煩雑になるという問題がある。また、水溶性成分と油脂性成分を混合した場合、本来の風味バランスとは異なるものになるという問題がある。
また、肉からの調味エキスを製造するにあたり、コスト及び効率化の合理化の問題も指摘されていた。
しかし、これらの方法は水溶性成分の抽出を主としているため、重要な風味・旨味成分である脂に由来する成分を抽出することができない。また、脂に由来する成分を回収するためには、調味エキス化の際に、油脂成分を再抽出して水溶性成分と混合する操作が必要となるため、工程が煩雑になるという問題がある。また、水溶性成分と油脂性成分を混合した場合、本来の風味バランスとは異なるものになるという問題がある。
また、肉からの調味エキスを製造するにあたり、コスト及び効率化の合理化の問題も指摘されていた。
(1) そこで、肉からのエキス製造の効率化を解決する技術として、抽出残渣を酵素分解してポリペプチドを含むチキンエキスを製造する方法が開示されている(特許文献1 参照)。しかしながら、当該方法では、高価な酵素剤が必要でありコストの点での課題が指摘されている。また、酵素処理後にも大量の残渣が発生し、油脂分の分離が生じるという課題は解消できていない。
(2) また、品質の良いエキスの回収を目的として、過熱水蒸気にて原料を処理した後にエキスを調製する方法が開示されている(特許文献2 参照)。しかし、当該方法においてもエキスの調製自体は抽出法で行われるため、多量の残渣が発生する問題は解決されていない。
(3) また、高分子蛋白のまろやかさと低分子蛋白の呈味を合わせ持つ水可溶性のペースト肉素材の製造方法が開示されている(特許文献3 参照)。しかし、当該方法では、肉の磨砕処理や酵素分解処理という煩雑な前処理工程が必要となる問題がある。
(4) また、畜肉の全量を利用するために、肉と骨とを分離することなく丸ごと物理的に粗砕・磨砕する方法が開示されているが(特許文献4 参照)、硬い骨を磨砕するためにはこれに耐えうる高額で強靭なカッターが必要という課題がある。
(5) また、カゼインナトリウムと油脂の添加による擬似乳化等を行ったペースト状の畜肉調味料の製造方法が開示されている(特許文献5 参照, 特許文献6 参照)。しかし、当該方法の疑似乳化処理に特別な操作が必要であり、製造工程上の煩雑さという課題がある。
(2) また、品質の良いエキスの回収を目的として、過熱水蒸気にて原料を処理した後にエキスを調製する方法が開示されている(特許文献2 参照)。しかし、当該方法においてもエキスの調製自体は抽出法で行われるため、多量の残渣が発生する問題は解決されていない。
(3) また、高分子蛋白のまろやかさと低分子蛋白の呈味を合わせ持つ水可溶性のペースト肉素材の製造方法が開示されている(特許文献3 参照)。しかし、当該方法では、肉の磨砕処理や酵素分解処理という煩雑な前処理工程が必要となる問題がある。
(4) また、畜肉の全量を利用するために、肉と骨とを分離することなく丸ごと物理的に粗砕・磨砕する方法が開示されているが(特許文献4 参照)、硬い骨を磨砕するためにはこれに耐えうる高額で強靭なカッターが必要という課題がある。
(5) また、カゼインナトリウムと油脂の添加による擬似乳化等を行ったペースト状の畜肉調味料の製造方法が開示されている(特許文献5 参照, 特許文献6 参照)。しかし、当該方法の疑似乳化処理に特別な操作が必要であり、製造工程上の煩雑さという課題がある。
本発明は、上記課題を解決し、原料である肉や肉解体残渣等について、特別な前処理や複雑な工程を行うことなく、そのほとんど全量を無駄なく利用して、自然で好適な風味の調味素材として利用できる技術を開発することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、原料である肉や肉解体残渣等を、所定濃度のエタノールを含む水を用いて亜臨界水処理を行うことによって、原料の全量又はほぼ全量をペースト化でき且つ風味が自然で好適な調味エキスとできることを見出した。
即ち本発明者らは、当該エタノール存在下での亜臨界水処理は、骨及び脂を含む生肉をそのまま丸ごとで用いた場合でも、少量の食用に適さない極めて硬い骨を除きほぼ完全にペースト状にできるほど極めて強力な処理であることを見出した。
即ち本発明者らは、当該エタノール存在下での亜臨界水処理は、骨及び脂を含む生肉をそのまま丸ごとで用いた場合でも、少量の食用に適さない極めて硬い骨を除きほぼ完全にペースト状にできるほど極めて強力な処理であることを見出した。
本発明は、これらの知見に基づいてなされたものである。
即ち、[請求項1]に係る発明は、以下(A)に記載の原料に対して、以下(B1)〜(B3)に記載の全てを満たす条件にて亜臨界水処理を行うことを特徴とする、調味エキスの製造方法に関するものである。
(A): 哺乳類又は鳥類の肉、内臓、骨、皮及びその加工品、からなる群から選ばれるいずれか1以上のもの。
(B1): 前記原料と、;前記原料中の水分と溶媒の総液量に対してエタノールを20〜75%(容量/容量)で含むように調製した溶媒、;とが接触する条件。
(B2): 温度140〜205℃及び圧力0.36〜12.5MPaの高温高圧条件。
(B3): 前記原料と亜臨界状態になった水を1分間以上接触させる条件
また、[請求項2]に係る発明は、前記(B1)に記載の溶媒が、前記原料中の水分と溶媒の総液量に対してエタノールを25〜60%(容量/容量)で含むように調整した溶媒である、請求項1に記載の調味エキスの製造方法に関するものである。
また、[請求項3]に係る発明は、前記(B1)に記載の原料と溶媒の接触を、前記原料の乾燥重量1に対して前記原料中の水分及び溶媒の総液量の比を3以上に調整して行うものである、請求項1又は2に記載の調味エキスの製造方法に関するものである。
また、[請求項4]に係る発明は、前記(B1)に記載の溶媒が、原料中の水分と溶媒の総液量に対して有機酸を0.2〜10%(質量/容量)以下で含むように調整した溶媒である、請求項1〜3のいずれかに記載の調味エキスの製造方法に関するものである。
また、[請求項5]に係る発明は、前記(B1)に記載の溶媒が、原料中の水分と溶媒の総液量に対しクエン酸を0.2〜3%(質量/容量)以下で含むように調整した溶媒である、請求項1〜3のいずれかに記載の調味エキスの製造方法に関するものである。
また、[請求項6]に係る発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の方法により製造された調味エキスに関するものである。
また、[請求項7]に係る発明は、前記調味エキスが、前記亜臨界水処理により前記原料がペースト状になったものであり、且つ、原料の風味を有するものである、請求項6に記載の調味エキスに関するものである。
また、[請求項8]に係る発明は、前記調味エキスが、加工澱粉又は微結晶セルロース存在下にて乾燥処理を行うことにより固形状又は粉末状に加工したものである、請求項6又は7に記載の調味エキスに関するものである。
また、[請求項9]に係る発明は、請求項6〜8のいずれかに記載の調味エキスを含有してなる飲食品に関するものである。
また、[請求項10]に係る発明は、請求項6〜8のいずれかに記載の調味エキスを含有してなる調味料に関するものである。
即ち、[請求項1]に係る発明は、以下(A)に記載の原料に対して、以下(B1)〜(B3)に記載の全てを満たす条件にて亜臨界水処理を行うことを特徴とする、調味エキスの製造方法に関するものである。
(A): 哺乳類又は鳥類の肉、内臓、骨、皮及びその加工品、からなる群から選ばれるいずれか1以上のもの。
(B1): 前記原料と、;前記原料中の水分と溶媒の総液量に対してエタノールを20〜75%(容量/容量)で含むように調製した溶媒、;とが接触する条件。
(B2): 温度140〜205℃及び圧力0.36〜12.5MPaの高温高圧条件。
(B3): 前記原料と亜臨界状態になった水を1分間以上接触させる条件
また、[請求項2]に係る発明は、前記(B1)に記載の溶媒が、前記原料中の水分と溶媒の総液量に対してエタノールを25〜60%(容量/容量)で含むように調整した溶媒である、請求項1に記載の調味エキスの製造方法に関するものである。
また、[請求項3]に係る発明は、前記(B1)に記載の原料と溶媒の接触を、前記原料の乾燥重量1に対して前記原料中の水分及び溶媒の総液量の比を3以上に調整して行うものである、請求項1又は2に記載の調味エキスの製造方法に関するものである。
また、[請求項4]に係る発明は、前記(B1)に記載の溶媒が、原料中の水分と溶媒の総液量に対して有機酸を0.2〜10%(質量/容量)以下で含むように調整した溶媒である、請求項1〜3のいずれかに記載の調味エキスの製造方法に関するものである。
また、[請求項5]に係る発明は、前記(B1)に記載の溶媒が、原料中の水分と溶媒の総液量に対しクエン酸を0.2〜3%(質量/容量)以下で含むように調整した溶媒である、請求項1〜3のいずれかに記載の調味エキスの製造方法に関するものである。
また、[請求項6]に係る発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の方法により製造された調味エキスに関するものである。
また、[請求項7]に係る発明は、前記調味エキスが、前記亜臨界水処理により前記原料がペースト状になったものであり、且つ、原料の風味を有するものである、請求項6に記載の調味エキスに関するものである。
また、[請求項8]に係る発明は、前記調味エキスが、加工澱粉又は微結晶セルロース存在下にて乾燥処理を行うことにより固形状又は粉末状に加工したものである、請求項6又は7に記載の調味エキスに関するものである。
また、[請求項9]に係る発明は、請求項6〜8のいずれかに記載の調味エキスを含有してなる飲食品に関するものである。
また、[請求項10]に係る発明は、請求項6〜8のいずれかに記載の調味エキスを含有してなる調味料に関するものである。
本発明により、原料である肉や肉解体残渣等の全量又はほぼ全量をペースト化し、風味が好適な調味エキスとすることが可能となる。即ち、本発明では、特別な前処理や複雑な処理を行うことなく、‘骨や脂を含む生肉の状態’のほぼ全量を調味エキスとすることが可能となる。
また、本発明により、従来は廃棄対象となっていた、骨や内臓等の肉解体残渣についても、調味エキスの製造原料として有効利用することが可能となる。
また、本発明により、従来は廃棄対象となっていた、骨や内臓等の肉解体残渣についても、調味エキスの製造原料として有効利用することが可能となる。
本発明は、哺乳類又は鳥類の肉又は肉解体残渣等を原料として、所定濃度のエタノールを含む水を用いて亜臨界水処理を行うことを特徴とする、調味エキスの製造方法に関する。
[対象原料]
本発明では、以下に示すような肉や肉解体残渣等を対象原料として用いる方法である。
本発明では、以下に示すような肉や肉解体残渣等を対象原料として用いる方法である。
・肉
本発明における亜臨界水処理に供する原料としては、哺乳類又は鳥類の肉を挙げることができる。ここで、「肉」とは、筋肉組織だけでなく、皮下組織を構成する筋肉、脂肪、神経、血管等を全般的に含むものである。本発明では、特に、生食が可能な肉, 又は, 生食はできなくても調理後の食用が可能な肉(即ち、食肉)を好適に用いることができる。
本発明における亜臨界水処理に供する原料としては、哺乳類又は鳥類の肉を挙げることができる。ここで、「肉」とは、筋肉組織だけでなく、皮下組織を構成する筋肉、脂肪、神経、血管等を全般的に含むものである。本発明では、特に、生食が可能な肉, 又は, 生食はできなくても調理後の食用が可能な肉(即ち、食肉)を好適に用いることができる。
また、本発明の原料である肉としては、脂やスジは勿論のこと、骨、内臓、皮などを含む状態の肉(例えばぶつ切り状態の肉)であっても、好適に用いることができる。また、食用としては利用価値の低い部分であっても好適に用いることができる。すじ肉も好適に用いることができる。
また、肉の状態としては、腐敗が進行していない状態であれば問題なく用いることができる。好ましくは、鮮度の良好な屠体(死後数時間しか経過していないもの、冷蔵や冷凍保存したもの、湯通し処理をしたものなど)を用いることが望ましい。また、切断処理や磨り潰す処理を行ったものを用いることもできる。
また、肉の状態としては、腐敗が進行していない状態であれば問題なく用いることができる。好ましくは、鮮度の良好な屠体(死後数時間しか経過していないもの、冷蔵や冷凍保存したもの、湯通し処理をしたものなど)を用いることが望ましい。また、切断処理や磨り潰す処理を行ったものを用いることもできる。
対象の動物としては、哺乳類と鳥類に属する全ての動物を挙げることができるが、特に家畜や家禽が好適である。具体的には、ブタ(豚)、ウシ(牛)、ウマ(馬)、ヒツジ(羊)、ヤギ(山羊)、スイギュウ(水牛)、コブウシ、ラクダ(駱駝)、ロバ(驢馬)、トナカイ(馴鹿)、ヤク、ラバ(騾馬)、モルモット、ウサギ(兎)、イヌ(犬)、ネコ(猫)などの哺乳類、;ニワトリ(鶏)、アヒル(家鴨)、ガチョウ(鵞鳥)、シチメンチョウ(七面鳥)、キジ(雉)、ウズラ(鶉)、ダチョウ(駝鳥)、ハト(鳩)、ウ(鵜)などの鳥類、;を挙げることができる。
・肉解体残渣
本発明の原料としては、肉加工時に発生する解体残渣(即ち、食肉解体残渣)を好適に用いることができる。具体的には、肉以外の組織である‘内臓’、‘皮’、‘骨’などを挙げることができる。ここで内臓としては、具体的には、小腸、大腸、胃、肝臓、心臓、卵巣などを挙げることができる。料理においてホルモンやモツと呼ばれるものがこれらに相当し好適に用いることができる。また、鳥類の場合卵黄を含む卵巣についても好適に用いることができる。
また、皮としては、皮膚などの表皮組織を挙げることができる。また、骨としては、硬骨と軟骨を含む全ての骨組織を挙げることができる。
本発明の原料としては、肉加工時に発生する解体残渣(即ち、食肉解体残渣)を好適に用いることができる。具体的には、肉以外の組織である‘内臓’、‘皮’、‘骨’などを挙げることができる。ここで内臓としては、具体的には、小腸、大腸、胃、肝臓、心臓、卵巣などを挙げることができる。料理においてホルモンやモツと呼ばれるものがこれらに相当し好適に用いることができる。また、鳥類の場合卵黄を含む卵巣についても好適に用いることができる。
また、皮としては、皮膚などの表皮組織を挙げることができる。また、骨としては、硬骨と軟骨を含む全ての骨組織を挙げることができる。
また、肉加工時に発生する余りの肉の部分である切り落としも好適に用いることができる。また、足、手羽先、頭部、耳、鼻、尾のような残渣部分についても好適に用いることができる。
・加工品
本発明の対象原料としては、上記肉又は肉解体残渣を加工したものを好適に用いることができる。ここで、加工とは、原料に何等かの物理的、化学的、生物的な処理を行い、調味料を含む飲食品に適した状態にすることを指す。
例えば、加熱処理(煮る、蒸す、焼くなど)、乾燥処理(風乾、日陰干しなど)、燻製処理、天日干し、塩蔵処理、冷蔵処理、冷凍処理、酵素処理、発酵処理などの処理を挙げることができる。
本発明の対象原料としては、上記肉又は肉解体残渣を加工したものを好適に用いることができる。ここで、加工とは、原料に何等かの物理的、化学的、生物的な処理を行い、調味料を含む飲食品に適した状態にすることを指す。
例えば、加熱処理(煮る、蒸す、焼くなど)、乾燥処理(風乾、日陰干しなど)、燻製処理、天日干し、塩蔵処理、冷蔵処理、冷凍処理、酵素処理、発酵処理などの処理を挙げることができる。
・原料の組み合わせ
本発明の原料としては、具体的には、哺乳類又は鳥類の肉、内臓、骨、皮、及びその加工品から選ばれる1以上のものを用いることができる。特に、肉の自然な風味を有する調味エキスを得るためには、好ましくは肉又は肉加工品を含む原料であることが望ましい。
本発明の原料としては、具体的には、哺乳類又は鳥類の肉、内臓、骨、皮、及びその加工品から選ばれる1以上のものを用いることができる。特に、肉の自然な風味を有する調味エキスを得るためには、好ましくは肉又は肉加工品を含む原料であることが望ましい。
また、本発明では、上記原料のいずれを用いた場合でも全量又はほぼ全量がペースト化された好適な調味エキスを製造することができるが、用いた原料によっては調味エキスの風味が異なったものとなる。そこで本発明では、最終製品とする飲食品の性質を考慮して、原料を任意に選択して用いることが好ましい。
また、最終製品の風味を変化させるために、2種類以上を混合して用いる態様ことも好適である。
また、最終製品の風味を変化させるために、2種類以上を混合して用いる態様ことも好適である。
・破砕や粉砕等
本発明の亜臨界水処理に供する原料としては、原料の形態によってはそのままの形態で用いること可能であるが、有効成分の抽出効率が向上し抽出物の力価の高まりを考慮すると、破砕、粉砕、割砕、細断、切断等の処理を行ってから亜臨界水処理に供する方が望ましい。有効成分の抽出効率が向上し抽出物の力価が高まり好適だからである。
本発明の亜臨界水処理に供する原料としては、原料の形態によってはそのままの形態で用いること可能であるが、有効成分の抽出効率が向上し抽出物の力価の高まりを考慮すると、破砕、粉砕、割砕、細断、切断等の処理を行ってから亜臨界水処理に供する方が望ましい。有効成分の抽出効率が向上し抽出物の力価が高まり好適だからである。
[エタノール存在下での亜臨界水処理]
本発明では、前記原料を「亜臨界状態の水」と接触させる工程を必須とするものである。ここで、‘亜臨界状態の水’とは、水を常圧での沸点(100℃)から臨界温度(374℃)の範囲で加圧(高温高圧処理)することにより、外見は液体を保っているが、通常の液体の水分子よりも極めて高いエネルギーが付与されている水の状態を指す。
当該亜臨界状態の水は、比誘電率が低くイオン積が大きい等、通常の液体の水の状態とは全く異なる性質を有する。
本発明では、前記原料を「亜臨界状態の水」と接触させる工程を必須とするものである。ここで、‘亜臨界状態の水’とは、水を常圧での沸点(100℃)から臨界温度(374℃)の範囲で加圧(高温高圧処理)することにより、外見は液体を保っているが、通常の液体の水分子よりも極めて高いエネルギーが付与されている水の状態を指す。
当該亜臨界状態の水は、比誘電率が低くイオン積が大きい等、通常の液体の水の状態とは全く異なる性質を有する。
本発明では、原料が亜臨界状態の水と接触することによって、当該原料に含まれるタンパク質等が加水分解され、水溶性ペプチドや遊離アミノ酸等が生成される。なお、水以外の亜臨界状態となった溶媒(例えば、二酸化炭素)を用いた場合では、所望の加水分解作用を期待することができない。
なお、本発明では、臨界点である374℃以上で且つ22MPa以上である「臨界状態の水」で処理することは、好適ではない。臨界状態の水分子は、亜臨界状態の水分子よりもさらに高いエネルギーを有し、全く異なる性質を示す。そのため、臨界状態の水で処理した場合、所望の性状や風味適性を有する処理物を得ることができないからである。
なお、本発明では、臨界点である374℃以上で且つ22MPa以上である「臨界状態の水」で処理することは、好適ではない。臨界状態の水分子は、亜臨界状態の水分子よりもさらに高いエネルギーを有し、全く異なる性質を示す。そのため、臨界状態の水で処理した場合、所望の性状や風味適性を有する処理物を得ることができないからである。
本発明の亜臨界水処理は、原料が溶媒と接触した状態で行うことが必要である。少なくとも一部が接触していれば、接触部分から徐々に分解され、ペースト状とすることができる。好ましくは原料の少なくとも半分が、最も好ましくは原料の全体が、溶媒に浸漬した状態にて行うことにより、効率的な当該処理を行うことが可能となる。
なお、当該亜臨界水処理は、必ずしも原料と溶媒が均一に混ざった状態で処理に供することを要しない。但し、原料の形状が、粉砕物、粒状物、擂潰物、流動物などである場合には、攪拌や混合等を行って原料と溶媒が均一に混ざった状態にして行うと、処理時間の短縮となる。
なお、当該亜臨界水処理は、必ずしも原料と溶媒が均一に混ざった状態で処理に供することを要しない。但し、原料の形状が、粉砕物、粒状物、擂潰物、流動物などである場合には、攪拌や混合等を行って原料と溶媒が均一に混ざった状態にして行うと、処理時間の短縮となる。
・エタノールによる増幅作用
本発明における亜臨界水処理は、‘前記原料’と‘所定濃度のエタノールを含む水からなる溶媒’とを接触する条件にした後に、亜臨界水処理を行うことを必須とする技術である。なお、本発明の亜臨界水処理においては、エタノールは、亜臨界状態となった水分子が原料タンパク質等を加水分解する作用を「顕著に増幅する(劇的に強める)」働きをするものと認められる。即ち、エタノールの分子自体が高い加水分解力を発揮するわけではない。
従って、本発明における原料の全量又はほぼ全量をペースト状にして好適な調味素材にできる効果は、エタノールが亜臨界水処理を顕著に増幅する作用によって奏される効果であると認められる。
本発明における亜臨界水処理は、‘前記原料’と‘所定濃度のエタノールを含む水からなる溶媒’とを接触する条件にした後に、亜臨界水処理を行うことを必須とする技術である。なお、本発明の亜臨界水処理においては、エタノールは、亜臨界状態となった水分子が原料タンパク質等を加水分解する作用を「顕著に増幅する(劇的に強める)」働きをするものと認められる。即ち、エタノールの分子自体が高い加水分解力を発揮するわけではない。
従って、本発明における原料の全量又はほぼ全量をペースト状にして好適な調味素材にできる効果は、エタノールが亜臨界水処理を顕著に増幅する作用によって奏される効果であると認められる。
なお、エタノールを含まない水で亜臨界水処理(従来法での亜臨界水処理)を行った場合では、処理液と大量の未分解残渣が分離してしまい、ペースト状の処理物を生成させることができない(実施例1, 図1〜3 参照)。さらに、当該処理物(水のみの亜臨界水処理物)は、旨味を全く有さず、むしろ苦味を有する。そのため、それ自体を単独で調味素材として用いることができない(実施例1 参照)。
また、エタノール以外のアルコールを含む水を用いた場合、旨味や風味が良好な処理物を得ることができず、調味素材として用いることができない。
また、エタノール以外のアルコールを含む水を用いた場合、旨味や風味が良好な処理物を得ることができず、調味素材として用いることができない。
・エタノール濃度
当該亜臨界水処理の効果を増幅する作用は、具体的には、「原料中の水分と溶媒の総液量に対してエタノールを所定濃度(容量/容量: 以下(v/v)と表記する場合あり。)で含むように(即ち、終濃度で)調整した溶媒」を用いた場合に発揮される技術である。
当該エタノール濃度(終濃度)は、生肉等の含水量の多い原料を用いる場合には、含水率に特に注意する必要がある。
当該亜臨界水処理の効果を増幅する作用は、具体的には、「原料中の水分と溶媒の総液量に対してエタノールを所定濃度(容量/容量: 以下(v/v)と表記する場合あり。)で含むように(即ち、終濃度で)調整した溶媒」を用いた場合に発揮される技術である。
当該エタノール濃度(終濃度)は、生肉等の含水量の多い原料を用いる場合には、含水率に特に注意する必要がある。
当該増幅作用が強く発揮されるエタノール濃度(終濃度)としては、20%(v/v)以上、好ましくは25%(v/v)以上、より好ましくは30%(v/v)以上を挙げることができる。また、上限値としては、75%(v/v)以下、好ましくは60%(v/v)以下、より好ましくは45%(v/v)以下、さらに好ましくは40%(v/v)以下を挙げることができる。エタノール濃度が当該濃度範囲を外れる場合(所定濃度より低すぎる場合又は高すぎる場合)、エタノールによる当該増幅作用は十分に発揮されない。即ち、原料のペースト化を達成することができず、処理物に良好な風味を付与することができない。
これらを総合的に踏まえると、エタノール濃度(終濃度)として具体的には、20〜75%(w/v)、好ましくは20〜60%(v/v)、より好ましくは20〜50%(v/v)、さらに好ましくは25〜45%(v/v)、特に好ましくは30〜40%(v/v)の範囲が好適である。エタノール濃度を当該範囲にして亜臨界水処理を行った場合、性状及び風味適性の両方が極めて好適な処理物を得ることが可能となる。
・エントレーナーとしての有機酸
本発明の亜臨界水処理に用いる溶媒としては、微量の有機酸を含有させることが好適である。有機酸は亜臨界水処理の加水分解効率をさらに向上させる効果が発揮されるため、分解が困難な原料(例えば、骨や脂肪を多く含む生肉など)を用いた場合に、好適な添加剤と認められる。このような有機酸としては、具体的には、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、グルコン酸、酢酸などを挙げることができる。特に、クエン酸の加水分解向上効果は著しく高いため好適である。
各種有機酸を含む溶媒としては、「原料中の水分と溶媒の総液量に対して、当該有機酸を所定濃度(「%(質量/容量)」:以下「%(w/v)」と表記する場合あり。)で含むように(即ち、終濃度で)調整した溶媒」として調整することが可能となる。
ここで、溶媒中の有機酸の濃度の下限としては、0.2%(w/v)以上、好ましくは0.25%(w/v)以上、より好ましくは0.5%(w/v)以上、さらに好ましくは0.75%(w/v)以上を挙げることができる。であると当該向上作用が好適に奏されるものとなり好適である。濃度が低すぎる場合、十分な加水分解向上作用を期待することができない。
また、上限値としては、有機酸の種類によって異なるが、例えば、10%(w/v)以下、好ましくは8%(w/v)以下、より好ましくは7%(w/v)以下、さらに好ましくは6%(w/v)以下、特に好ましくは5%(w/v)以下、一層好ましくは3%(w/v)以下、より一層好ましくは2%(w/v)以下、さらに一層好ましくは1%(w/v)以下を挙げることができる。有機酸の濃度が高すぎた場合、処理物がゲル化する傾向があるため、好ましくない。
なお、これら有機酸を2種以上併存するように添加することも可能であるが、これらの合計量が上記範囲内となるように添加することが望ましい。
本発明の亜臨界水処理に用いる溶媒としては、微量の有機酸を含有させることが好適である。有機酸は亜臨界水処理の加水分解効率をさらに向上させる効果が発揮されるため、分解が困難な原料(例えば、骨や脂肪を多く含む生肉など)を用いた場合に、好適な添加剤と認められる。このような有機酸としては、具体的には、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、グルコン酸、酢酸などを挙げることができる。特に、クエン酸の加水分解向上効果は著しく高いため好適である。
各種有機酸を含む溶媒としては、「原料中の水分と溶媒の総液量に対して、当該有機酸を所定濃度(「%(質量/容量)」:以下「%(w/v)」と表記する場合あり。)で含むように(即ち、終濃度で)調整した溶媒」として調整することが可能となる。
ここで、溶媒中の有機酸の濃度の下限としては、0.2%(w/v)以上、好ましくは0.25%(w/v)以上、より好ましくは0.5%(w/v)以上、さらに好ましくは0.75%(w/v)以上を挙げることができる。であると当該向上作用が好適に奏されるものとなり好適である。濃度が低すぎる場合、十分な加水分解向上作用を期待することができない。
また、上限値としては、有機酸の種類によって異なるが、例えば、10%(w/v)以下、好ましくは8%(w/v)以下、より好ましくは7%(w/v)以下、さらに好ましくは6%(w/v)以下、特に好ましくは5%(w/v)以下、一層好ましくは3%(w/v)以下、より一層好ましくは2%(w/v)以下、さらに一層好ましくは1%(w/v)以下を挙げることができる。有機酸の濃度が高すぎた場合、処理物がゲル化する傾向があるため、好ましくない。
なお、これら有機酸を2種以上併存するように添加することも可能であるが、これらの合計量が上記範囲内となるように添加することが望ましい。
・クエン酸の効果
本発明においては、上記有機酸のうち‘クエン酸’を所定濃度で含有させた場合、原料をより微細に分解し、極めて流動性の高い性状の処理物とすることが可能となる。
そのため、クエン酸は、分解が困難な原料(例えば、軟骨や筋(すじ)など)を用いた場合に、極めて好適なエントレーナーと認められる。
ここで、クエン酸濃度としては、上記した有機酸濃度を採用することができるが、特に高い流動性を有する性状の処理物を得るためには、クエン酸濃度を0.2〜3%(w/v)、好ましくは0.25〜2%(w/v)、より好ましくは0.5〜1.5%(w/v)、さらに好ましくは0.75〜1%(w/v)とすることが好適である。当該処理物の性状が向上する原理としては、クエン酸がカルシウムイオン等をキレートし、高分子の凝集やゲル化が抑制されることにより奏されるものと考えられる。
本発明においては、上記有機酸のうち‘クエン酸’を所定濃度で含有させた場合、原料をより微細に分解し、極めて流動性の高い性状の処理物とすることが可能となる。
そのため、クエン酸は、分解が困難な原料(例えば、軟骨や筋(すじ)など)を用いた場合に、極めて好適なエントレーナーと認められる。
ここで、クエン酸濃度としては、上記した有機酸濃度を採用することができるが、特に高い流動性を有する性状の処理物を得るためには、クエン酸濃度を0.2〜3%(w/v)、好ましくは0.25〜2%(w/v)、より好ましくは0.5〜1.5%(w/v)、さらに好ましくは0.75〜1%(w/v)とすることが好適である。当該処理物の性状が向上する原理としては、クエン酸がカルシウムイオン等をキレートし、高分子の凝集やゲル化が抑制されることにより奏されるものと考えられる。
・酢酸の効果
上記有機酸のうち‘酢酸’を含有させた場合、他の有機酸と同様に、加水分解性を向上させる作用を期待することができるが、それに加えて処理物に優れた防腐効果を付与することが可能となる。
但し、酢酸を含有させた場合、処理物にゲル化傾向が付与されるため、ペースト状処理物の流動性を確保するためには、酢酸濃度を2%(w/v)以下、好ましくは1%(w/v)以下に調整することが望ましい。
上記有機酸のうち‘酢酸’を含有させた場合、他の有機酸と同様に、加水分解性を向上させる作用を期待することができるが、それに加えて処理物に優れた防腐効果を付与することが可能となる。
但し、酢酸を含有させた場合、処理物にゲル化傾向が付与されるため、ペースト状処理物の流動性を確保するためには、酢酸濃度を2%(w/v)以下、好ましくは1%(w/v)以下に調整することが望ましい。
・他のエントレーナー
また、本発明の亜臨界水処理に用いる溶媒としては、風味付け等の目的のために、有機酸以外にも様々な化合物や食品素材を含有させることが可能である。例えば、塩酸等の無機酸、;水酸化ナトリウム等のアルカリ化合物、;食塩、砂糖、醤油、食酢、みりん、酒などの調味料、;を添加することが可能である。
なお、‘水酸化ナトリウム’を含有させた場合には、処理物に旨味を付与することが可能となる。これは、水酸化ナトリウム自体によって原料タンパク質の加水分解作用が促進され、タンパク質やペプチドが遊離アミノ酸レベルに迄分解されることにより奏される効果と認められる。
また、本発明の亜臨界水処理に用いる溶媒としては、風味付け等の目的のために、有機酸以外にも様々な化合物や食品素材を含有させることが可能である。例えば、塩酸等の無機酸、;水酸化ナトリウム等のアルカリ化合物、;食塩、砂糖、醤油、食酢、みりん、酒などの調味料、;を添加することが可能である。
なお、‘水酸化ナトリウム’を含有させた場合には、処理物に旨味を付与することが可能となる。これは、水酸化ナトリウム自体によって原料タンパク質の加水分解作用が促進され、タンパク質やペプチドが遊離アミノ酸レベルに迄分解されることにより奏される効果と認められる。
[亜臨界水処理の条件]
・原料と溶媒の固液比
本発明における亜臨界水処理は、原料と溶媒の固液比を所定比率に調整して行うことで、処理物の性状と風味適性をさらに向上させることが可能である。
なお、ここでの当該固液比の調整は、含水量の多い原料を用いる場合には、原料中の含水率に注意して調整する必要がある。
・原料と溶媒の固液比
本発明における亜臨界水処理は、原料と溶媒の固液比を所定比率に調整して行うことで、処理物の性状と風味適性をさらに向上させることが可能である。
なお、ここでの当該固液比の調整は、含水量の多い原料を用いる場合には、原料中の含水率に注意して調整する必要がある。
当該固液比としては、具体的には、固体(原料の乾燥質量)1に対する液体(原料中の水分及び溶媒の総液量)の比を1以上、好ましくは2以上、さらには3以上、さらには4以上とすることが望ましい。固体に対する液体の割合が少なすぎる場合、亜臨界処理の作用が十分に発揮されず好ましくない。
一方、固体に対する液体の割合が多い場合、重大な支障は生じにくいが、液量が多過ぎて風味が薄くなり過ぎる場合がある。このような場合には、別途の濃縮工程等を行うことが必要となる。そのため、溶媒量の上限としては、固体(原料の乾燥質量)1に対する液体(原料中の水分及び溶媒の総液量)の比を30以下、好ましくは25以下、より好ましくは20以下、さらに好ましくは15以下、特に好ましくは10以下、一層好ましくは8以下、より一層好ましくは7以下に調整することが好適である。
一方、固体に対する液体の割合が多い場合、重大な支障は生じにくいが、液量が多過ぎて風味が薄くなり過ぎる場合がある。このような場合には、別途の濃縮工程等を行うことが必要となる。そのため、溶媒量の上限としては、固体(原料の乾燥質量)1に対する液体(原料中の水分及び溶媒の総液量)の比を30以下、好ましくは25以下、より好ましくは20以下、さらに好ましくは15以下、特に好ましくは10以下、一層好ましくは8以下、より一層好ましくは7以下に調整することが好適である。
これらを総合的に踏まえると、亜臨界水処理における原料と溶媒の固液比は、1:2〜1:15、好ましくは1:3〜1:15、より好ましくは1:4〜1:7であることが好適である。
・温度条件
本発明の亜臨界水処理は、140〜205℃の温度条件で行うことが必要である。当該温度範囲で処理を行うことにより、処理物には前記した性状および風味適性を付与することが可能となる。
当該亜臨界水処理では、処理温度が高いほど加水分解作用が強まる傾向がある。そのため、原料の十分なペースト化を行うためには140℃以上、好ましくは145℃以上、より好ましくは150℃以上で処理を行うことが好適である。当該処理温度が低すぎる場合、亜臨界水処理における加水分解作用自体が弱過ぎてしまい、原料をペースト化することができない。
また、当該亜臨界水処理では、処理温度が高いほど加水分解作用が強まる傾向がある。そのため、処理物に焦げや苦味が付与されることを回避するためには、205℃以下、好ましくは200℃以下、より好ましくは195℃以下、さらに好ましくは190℃以下、特に好ましくは185℃以下、一層好ましくは180℃以下、より一層好ましくは175℃以下の温度で当該処理を行うことが好適である。当該処理温度が高すぎる場合、加水分解作用自体が強過ぎてしまい、処理物の焦げや苦味が強くなり、調味素材として好適な処理物を得ることができない。
本発明の亜臨界水処理は、140〜205℃の温度条件で行うことが必要である。当該温度範囲で処理を行うことにより、処理物には前記した性状および風味適性を付与することが可能となる。
当該亜臨界水処理では、処理温度が高いほど加水分解作用が強まる傾向がある。そのため、原料の十分なペースト化を行うためには140℃以上、好ましくは145℃以上、より好ましくは150℃以上で処理を行うことが好適である。当該処理温度が低すぎる場合、亜臨界水処理における加水分解作用自体が弱過ぎてしまい、原料をペースト化することができない。
また、当該亜臨界水処理では、処理温度が高いほど加水分解作用が強まる傾向がある。そのため、処理物に焦げや苦味が付与されることを回避するためには、205℃以下、好ましくは200℃以下、より好ましくは195℃以下、さらに好ましくは190℃以下、特に好ましくは185℃以下、一層好ましくは180℃以下、より一層好ましくは175℃以下の温度で当該処理を行うことが好適である。当該処理温度が高すぎる場合、加水分解作用自体が強過ぎてしまい、処理物の焦げや苦味が強くなり、調味素材として好適な処理物を得ることができない。
これらを総合的に踏まえると、当該亜臨界水処理は、140〜205℃、好ましくは145〜200℃、より好ましくは150〜175℃の温度で行うことが好適である。
・圧力条件
本発明における亜臨界水処理の加水分解作用は、圧力条件による影響をほとんど受けない。そのため、当該圧力条件としては、上記温度にて水の亜臨界状態が担保される圧力であれば如何なる圧力でも採用できる。例えば、0.36〜12.5MPaの圧力条件であれば問題なく採用することができる。
なお、加圧や減圧等の圧力調節を行う操作や機器の手間を考慮すると、上記温度における飽和水蒸気圧で処理を行うことが好適である。
本発明における亜臨界水処理の加水分解作用は、圧力条件による影響をほとんど受けない。そのため、当該圧力条件としては、上記温度にて水の亜臨界状態が担保される圧力であれば如何なる圧力でも採用できる。例えば、0.36〜12.5MPaの圧力条件であれば問題なく採用することができる。
なお、加圧や減圧等の圧力調節を行う操作や機器の手間を考慮すると、上記温度における飽和水蒸気圧で処理を行うことが好適である。
・処理時間
本発明の亜臨界水処理では、前記原料と亜臨界状態となった水を少なくとも1分間以上接触させること(即ち、亜臨界水処理を1分間以上行うこと)によって、処理物に前記した性状および風味適性を付与することが可能となる。
なお、当該処理おける十分なペースト化作用を発揮させるためには、1分間以上、好ましくは5分間以上、さらに好ましくは10分間以上の処理を行うことが好適である。また、処理時間の上限としては、数時間以内であれば特に制限はないが、例えば、180分間以下、好ましくは120分間以下、より好ましくは90分間以下、さらに好ましくは60分間以下を挙げることができる。
但し、高温での処理の際には、処理時間が長くなると分解が進み過ぎ、焦げ及び苦味が付与される傾向がある。そこで190℃以上で処理を行う場合には、30分間以下、好ましくは20分間以下にて処理を行うことが望ましい。
本発明の亜臨界水処理では、前記原料と亜臨界状態となった水を少なくとも1分間以上接触させること(即ち、亜臨界水処理を1分間以上行うこと)によって、処理物に前記した性状および風味適性を付与することが可能となる。
なお、当該処理おける十分なペースト化作用を発揮させるためには、1分間以上、好ましくは5分間以上、さらに好ましくは10分間以上の処理を行うことが好適である。また、処理時間の上限としては、数時間以内であれば特に制限はないが、例えば、180分間以下、好ましくは120分間以下、より好ましくは90分間以下、さらに好ましくは60分間以下を挙げることができる。
但し、高温での処理の際には、処理時間が長くなると分解が進み過ぎ、焦げ及び苦味が付与される傾向がある。そこで190℃以上で処理を行う場合には、30分間以下、好ましくは20分間以下にて処理を行うことが望ましい。
[亜臨界水処理物の特徴]
・処理物の性状
上記工程を経て得られた亜臨界水処理物は、上記エタノールによって増幅された亜臨界水処理での加水分解作用によって、原料の全量又はほぼ全量がペースト状となった性状を示す。具体的には、溶媒中に平均粒子径1〜100μm程度の粒子が分散した状態のものとすることができる。
・処理物の性状
上記工程を経て得られた亜臨界水処理物は、上記エタノールによって増幅された亜臨界水処理での加水分解作用によって、原料の全量又はほぼ全量がペースト状となった性状を示す。具体的には、溶媒中に平均粒子径1〜100μm程度の粒子が分散した状態のものとすることができる。
ここで、上記各種条件の組み合わせによっては、処理後に静置することにより若干の微粒子の残渣が発生(沈殿)する可能性がある(例えば、実施例中の「△評価のもの」)。
本発明では、このような処理物についても、軽い再懸濁などの操作により分散する程度の残渣であれば、本発明の調味エキスとして問題なく採用することができる。
なお、上述のように、エントレーナーとして有機酸(特に特定濃度範囲のクエン酸)を含む溶媒を用いた場合には、処理物の流動性を大幅に向上させることが可能となる。
本発明では、このような処理物についても、軽い再懸濁などの操作により分散する程度の残渣であれば、本発明の調味エキスとして問題なく採用することができる。
なお、上述のように、エントレーナーとして有機酸(特に特定濃度範囲のクエン酸)を含む溶媒を用いた場合には、処理物の流動性を大幅に向上させることが可能となる。
・風味適性
上記工程を経て得られた亜臨界水処理物は、原料中のタンパク質の加水分解により生成された風味成分を大量に含むものとなる。具体的には、原料に由来する自然な風味を有する風味を有するものとなる。例えば、原料として生肉を用いた場合、肉と脂の甘味、旨味、コクを有する自然な風味を有するものとなる。そのため、当該処理物は、得られた全量又はほぼ全量を風味適性が良好な調味エキスとすることができる。
上記工程を経て得られた亜臨界水処理物は、原料中のタンパク質の加水分解により生成された風味成分を大量に含むものとなる。具体的には、原料に由来する自然な風味を有する風味を有するものとなる。例えば、原料として生肉を用いた場合、肉と脂の甘味、旨味、コクを有する自然な風味を有するものとなる。そのため、当該処理物は、得られた全量又はほぼ全量を風味適性が良好な調味エキスとすることができる。
なお、当該風味適性は、用いた原料の種類によって異なるものとなる。そのため、本発明では、原料の種類や組み合わせを変えることによって、最終製品(飲食品)の種類に適した風味適性を有する調味エキスを製造することが可能となる。
例えば、卵黄を含む鳥の卵巣を原料に含む場合、卵黄風味が付与されたものとなる。また、ボイルした肉を原料に含む場合には燻製様の風味が付与されたものとなる。大腸や小腸(いわゆるホルモン)を含む場合にはもつ様の風味が付与されたものとなる。肝臓を含む場合にはレバー様の風味が付与されたものとなる。ラム肉を含む場合にはチーズ様の風味が付与されたものとなる。
例えば、卵黄を含む鳥の卵巣を原料に含む場合、卵黄風味が付与されたものとなる。また、ボイルした肉を原料に含む場合には燻製様の風味が付与されたものとなる。大腸や小腸(いわゆるホルモン)を含む場合にはもつ様の風味が付与されたものとなる。肝臓を含む場合にはレバー様の風味が付与されたものとなる。ラム肉を含む場合にはチーズ様の風味が付与されたものとなる。
・安全性
上記工程を経て得られた亜臨界水処理物は、エタノールを高濃度で含有するため、肉類を原料とした場合の食中毒のリスクが大幅に軽減された調味エキスとすることができる。この点、本来取扱いの難しい肉類のエキス製造が容易とする利点がある。
上記工程を経て得られた亜臨界水処理物は、エタノールを高濃度で含有するため、肉類を原料とした場合の食中毒のリスクが大幅に軽減された調味エキスとすることができる。この点、本来取扱いの難しい肉類のエキス製造が容易とする利点がある。
・乾燥エキス
上記工程を経て得られた亜臨界水処理物は、‘所望に応じて’乾燥処理を行うことで、固形状のエキス, 又は, 粉末状のエキス, の形状とすることができる。
なお、乾燥処理としては、ペースト状態の亜臨界水処理物に粉末化担体を混合した状態にして(粉末化担体存在下にて)、乾燥を行うことが望ましい。ここで、粉末化担体としては、具体的には、加工澱粉(α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、クラスターデキストリンなど)、微結晶セルロースなどを挙げることができる。粉末化担体の量としては、例えばペースト状態の亜臨界水処理物1mLに対して0.1〜1g程度を挙げることができる。
乾燥手段としては、風味成分等の変性や劣化を伴わない方法であれば、加熱乾燥、天日乾燥、凍結乾燥などの常法により行うことができる。
なお、当該乾燥処理においては、上記亜臨界水処理物はエタノールを高濃度で含有するため、粉末化の際の乾燥が容易となる利点がある。
上記工程を経て得られた亜臨界水処理物は、‘所望に応じて’乾燥処理を行うことで、固形状のエキス, 又は, 粉末状のエキス, の形状とすることができる。
なお、乾燥処理としては、ペースト状態の亜臨界水処理物に粉末化担体を混合した状態にして(粉末化担体存在下にて)、乾燥を行うことが望ましい。ここで、粉末化担体としては、具体的には、加工澱粉(α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、クラスターデキストリンなど)、微結晶セルロースなどを挙げることができる。粉末化担体の量としては、例えばペースト状態の亜臨界水処理物1mLに対して0.1〜1g程度を挙げることができる。
乾燥手段としては、風味成分等の変性や劣化を伴わない方法であれば、加熱乾燥、天日乾燥、凍結乾燥などの常法により行うことができる。
なお、当該乾燥処理においては、上記亜臨界水処理物はエタノールを高濃度で含有するため、粉末化の際の乾燥が容易となる利点がある。
[飲食品]
上記得られた調味エキス(ペースト状物、固形物、乾燥物など)は、調味素材として、飲食品に好適に含有させることができる。
当該調味エキスの旨味及び風味の力価は、通常のだしよりも大幅に高いため、飲食品の製造工程において添加することによって、次の目的を達することが可能となる。
例えば、(i) 常法の製造レシピに加えて、本発明の調味エキスをさらに添加することによって、「通常の飲食品よりも風味が全体的に向上した飲食品」を製造することが可能となる。
また、(ii) 原料の使用量を削減し、その削減分の風味を補うように当該調味エキスを添加することによって、「原料の使用量を削減し, 且つ, 通常の飲食品の風味はそのままの飲食品」を製造することが可能となる。例えば、家禽類のエキスや酵母エキスなどの風味(旨味、香り、コク、厚みなど)付け調味素材、に代替して添加することができる。
上記得られた調味エキス(ペースト状物、固形物、乾燥物など)は、調味素材として、飲食品に好適に含有させることができる。
当該調味エキスの旨味及び風味の力価は、通常のだしよりも大幅に高いため、飲食品の製造工程において添加することによって、次の目的を達することが可能となる。
例えば、(i) 常法の製造レシピに加えて、本発明の調味エキスをさらに添加することによって、「通常の飲食品よりも風味が全体的に向上した飲食品」を製造することが可能となる。
また、(ii) 原料の使用量を削減し、その削減分の風味を補うように当該調味エキスを添加することによって、「原料の使用量を削減し, 且つ, 通常の飲食品の風味はそのままの飲食品」を製造することが可能となる。例えば、家禽類のエキスや酵母エキスなどの風味(旨味、香り、コク、厚みなど)付け調味素材、に代替して添加することができる。
本発明の調味エキスは、様々な飲食品に対して用いることが可能である調味素材であるが、具体的には、畜肉エキスや酵母エキスを含有する飲食品の全てを対象とすることができる。
例えば、スープの素、味噌汁(乾燥粉末品を含む)、煮物用調味液、鍋物用調味液、調味酢、たれ類、ドレッシング類、ふりかけ類、調味料(中華だし、洋風だし、和風だし、粉末状、ペースト状、液状)などに対して、好適に含有させることができる。
例えば、スープの素、味噌汁(乾燥粉末品を含む)、煮物用調味液、鍋物用調味液、調味酢、たれ類、ドレッシング類、ふりかけ類、調味料(中華だし、洋風だし、和風だし、粉末状、ペースト状、液状)などに対して、好適に含有させることができる。
本発明の調味エキスの飲食品への添加量(含有量)は、対象の飲食品の種類、添加の目的によって異なるため、一概に決定はできないが、所望の風味適性が奏される量を適宜調節して決定すればよい。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明の範囲はこれらにより限定されるものではない。
[実施例1]『エタノール存在下における亜臨界水処理の影響』
ぶつ切り状態での骨や脂を含む生肉に対して、エタノールを含む水を用いて亜臨界水処理を行った場合の影響を調べた。
ぶつ切り状態での骨や脂を含む生肉に対して、エタノールを含む水を用いて亜臨界水処理を行った場合の影響を調べた。
(1)「亜臨界水処理物の調製」
表1に示す原料(ぶつ切り状態での骨や脂を含む生肉)15gと、表1に示す溶媒60mLとを混合し、固液比(原料の乾燥質量1に対する原料中の水分及び溶媒の総液量の比)1:4の溶液を調製した。
これを、高圧マイクロリアクター(オーエムラボテック(株)-MMJを外部から加圧できるように改造したもの)の反応容器内に添加し封入し、反応容器内の水が亜臨界状態となる表1に示す温度及びその飽和水蒸気圧にて、表1に示す時間の亜臨界水処理を行った。
なお、加圧は耐圧ステンレスチューブをリアクターと窒素ガスボンベに接続し、充填圧14.7Mpaの窒素ガスで行った。
表1に示す原料(ぶつ切り状態での骨や脂を含む生肉)15gと、表1に示す溶媒60mLとを混合し、固液比(原料の乾燥質量1に対する原料中の水分及び溶媒の総液量の比)1:4の溶液を調製した。
これを、高圧マイクロリアクター(オーエムラボテック(株)-MMJを外部から加圧できるように改造したもの)の反応容器内に添加し封入し、反応容器内の水が亜臨界状態となる表1に示す温度及びその飽和水蒸気圧にて、表1に示す時間の亜臨界水処理を行った。
なお、加圧は耐圧ステンレスチューブをリアクターと窒素ガスボンベに接続し、充填圧14.7Mpaの窒素ガスで行った。
冷却後、得られた処理物について、性状及び風味適性に関する各種評価を行った。
「処理物の性状」については、‘処理物の状態’および‘残渣の程度’を目視にて観察した。未分解の原料残渣の程度の評価は、「◎」:沈殿が全く生じない、「○」:僅かな粒子が存在するが沈殿は生じない、「△」:僅かに沈殿が生じる、「×」:固液分離が必要な程度に沈殿が生じる、の4段階で評価した。
「処理物の風味適性」については、処理物が有する‘風味の強さ’および‘その他の風味の特徴’を官能評価にて調べた。風味の強さの評価は、「◎」:極めて強い肉や脂の風味を感じる、「○」:強い肉や脂の風味を感じる、「△」:僅かな肉や脂の風味を感じる、「×」:肉や脂の風味をほとんど感じない、の4段階で評価した。
そして、総合評価(×,△,○,◎の4段階:◎が最高。△以上であれば製品として採用可能。)を行った。これらの結果を表1に示した。また、得られた処理物の外観を撮影した写真像図を図1〜3に示した。
「処理物の性状」については、‘処理物の状態’および‘残渣の程度’を目視にて観察した。未分解の原料残渣の程度の評価は、「◎」:沈殿が全く生じない、「○」:僅かな粒子が存在するが沈殿は生じない、「△」:僅かに沈殿が生じる、「×」:固液分離が必要な程度に沈殿が生じる、の4段階で評価した。
「処理物の風味適性」については、処理物が有する‘風味の強さ’および‘その他の風味の特徴’を官能評価にて調べた。風味の強さの評価は、「◎」:極めて強い肉や脂の風味を感じる、「○」:強い肉や脂の風味を感じる、「△」:僅かな肉や脂の風味を感じる、「×」:肉や脂の風味をほとんど感じない、の4段階で評価した。
そして、総合評価(×,△,○,◎の4段階:◎が最高。△以上であれば製品として採用可能。)を行った。これらの結果を表1に示した。また、得られた処理物の外観を撮影した写真像図を図1〜3に示した。
(2)「結果」
・処理物の性状(表1-B 参照)
その結果、エタノールを含む溶媒を用いて亜臨界水処理を行うことによって、原料である骨や脂を含むぶつ切り状態の各生肉(図1〜3における(A) 参照)の全量が、少量の極めて硬い骨を除きほぼ完全なペースト状になることが示された(試料1-1, 1-5, 1-7:図1〜3における(C) 参照)。
一方、通常の条件で(エタノールを含まない溶媒を用いて)、亜臨界水処理を行った場合では、処理液と残渣が分離し、処理物がペースト化しなかった(試料1-2〜1-4, 1-6, 1-8:図1〜3における(B) 参照)。
・処理物の性状(表1-B 参照)
その結果、エタノールを含む溶媒を用いて亜臨界水処理を行うことによって、原料である骨や脂を含むぶつ切り状態の各生肉(図1〜3における(A) 参照)の全量が、少量の極めて硬い骨を除きほぼ完全なペースト状になることが示された(試料1-1, 1-5, 1-7:図1〜3における(C) 参照)。
一方、通常の条件で(エタノールを含まない溶媒を用いて)、亜臨界水処理を行った場合では、処理液と残渣が分離し、処理物がペースト化しなかった(試料1-2〜1-4, 1-6, 1-8:図1〜3における(B) 参照)。
・処理物の風味適性(表1-C 参照)
エタノールを含む水を用いて亜臨界水処理を行った処理物は、肉や脂の風味を極めて好適に有するものであった(試料1-1, 1-5, 1-7)。
一方、通常の条件で(エタノールを含まない水を用いて)、亜臨界水処理を行った処理物では、肉や脂の風味をほとんど有さなかった(試料1-2〜1-4, 1-6, 1-8)。
エタノールを含む水を用いて亜臨界水処理を行った処理物は、肉や脂の風味を極めて好適に有するものであった(試料1-1, 1-5, 1-7)。
一方、通常の条件で(エタノールを含まない水を用いて)、亜臨界水処理を行った処理物では、肉や脂の風味をほとんど有さなかった(試料1-2〜1-4, 1-6, 1-8)。
・総合評価
以上により、エタノールを含む水を用いて亜臨界水処理を行うことにより、骨等を含むぶつ切り状態の生肉を少量の極めて硬い骨を除き完全にペースト化して、そのほぼ全量を調味素材として利用できることが示された。この結果は、エタノールに、亜臨界水処理による原料の加水分解作用を劇的に強める性質があるためと推測された。
以上により、エタノールを含む水を用いて亜臨界水処理を行うことにより、骨等を含むぶつ切り状態の生肉を少量の極めて硬い骨を除き完全にペースト化して、そのほぼ全量を調味素材として利用できることが示された。この結果は、エタノールに、亜臨界水処理による原料の加水分解作用を劇的に強める性質があるためと推測された。
[実施例2]『溶媒の検討』
骨を含む生肉をペースト化するための亜臨界水処理を行うにあたり、エタノール以外のアルコールを含む水が使用可能かを検討した。
骨を含む生肉をペースト化するための亜臨界水処理を行うにあたり、エタノール以外のアルコールを含む水が使用可能かを検討した。
(1)「亜臨界水処理物の調製」
実施例1で準備した鶏がら15gと表2に示す溶媒60mLを混合し、固液比(原料の乾燥質量1に対する原料中の水分及び溶媒の総液量の比)1:4の溶液を調製した。
これを、高圧マイクロリアクターの反応容器内に添加し封入し、反応容器内の水が亜臨界状態となる表2に示す温度及びその飽和水蒸気圧にて、表2に示す時間の亜臨界水処理を行った。なお、当該処理の具体的な操作は、実施例1に記載の方法と同様にして行った。
実施例1で準備した鶏がら15gと表2に示す溶媒60mLを混合し、固液比(原料の乾燥質量1に対する原料中の水分及び溶媒の総液量の比)1:4の溶液を調製した。
これを、高圧マイクロリアクターの反応容器内に添加し封入し、反応容器内の水が亜臨界状態となる表2に示す温度及びその飽和水蒸気圧にて、表2に示す時間の亜臨界水処理を行った。なお、当該処理の具体的な操作は、実施例1に記載の方法と同様にして行った。
冷却後、得られた処理物について、性状及び香りに関する各種評価を行った。ここで、性状の評価は、実施例1に記載の方法と同様にして行った。また、香りの評価は、原料に由来する香りに関して、「◎」:肉や脂の香りを極めて強く感じる、「○」:肉や脂の香りを好適に感じる、「△」:僅かな肉や脂の香りを感じる、「×」:肉や脂の香りをほとんど感じない、の4段階で評価した。得られた結果を表2に示した。
(2)「結果」
・処理物の性状(表2-B 参照)
その結果、溶媒としてメタノール, エタノール, 1-ブタノール, 2-ブタノール, 2-プロパノール, プロピレングリコール, グリセリン, を含む水を用いて亜臨界水処理を行った処理物では、原料である鶏がらのほぼ全量(極めて硬い骨を除く)が、ペースト状になることが示された(試料2-1〜2-5, 2-8〜2-9)。
特に、メタノール, エタノール, 2-プロパノールでの処理物では、沈殿が全く生じないものとなった(試料2-1, 2-2, 2-5)。
一方、リナロール, テルピネン-4-オール, を含む水を用いた処理物では、処理液と残渣が分離し、処理物がペースト化しなかった(試料2-6〜2-7)。
・処理物の性状(表2-B 参照)
その結果、溶媒としてメタノール, エタノール, 1-ブタノール, 2-ブタノール, 2-プロパノール, プロピレングリコール, グリセリン, を含む水を用いて亜臨界水処理を行った処理物では、原料である鶏がらのほぼ全量(極めて硬い骨を除く)が、ペースト状になることが示された(試料2-1〜2-5, 2-8〜2-9)。
特に、メタノール, エタノール, 2-プロパノールでの処理物では、沈殿が全く生じないものとなった(試料2-1, 2-2, 2-5)。
一方、リナロール, テルピネン-4-オール, を含む水を用いた処理物では、処理液と残渣が分離し、処理物がペースト化しなかった(試料2-6〜2-7)。
・処理物の風味適性(表2-C 参照)
溶媒としてエタノールを含む水を用いて亜臨界水処理を行った処理物では、肉や脂本来の香りを極めて好適に有するものであった(試料2-2)。一方、それ以外のアルコールを用いた処理物では、鶏がらの香りを全く呈さないものであった。逆に、各溶媒に由来する異臭が付与されたものとなった(試料2-1, 2-3〜2-9)。
溶媒としてエタノールを含む水を用いて亜臨界水処理を行った処理物では、肉や脂本来の香りを極めて好適に有するものであった(試料2-2)。一方、それ以外のアルコールを用いた処理物では、鶏がらの香りを全く呈さないものであった。逆に、各溶媒に由来する異臭が付与されたものとなった(試料2-1, 2-3〜2-9)。
・総合評価
亜臨界水処理において原料をペースト化させる効果は、1〜3価の低級アルコールを水に添加した場合に発揮される効果であると推測された。特に、1価の低級アルコールの一種である、メタノール, エタノール, 2-プロパノールでは、その効果が大きいものと認められた。一方、エタノール以外の溶媒を用いた場合、処理物の香りは調味素材として採用できるものでなかった。
亜臨界水処理において原料をペースト化させる効果は、1〜3価の低級アルコールを水に添加した場合に発揮される効果であると推測された。特に、1価の低級アルコールの一種である、メタノール, エタノール, 2-プロパノールでは、その効果が大きいものと認められた。一方、エタノール以外の溶媒を用いた場合、処理物の香りは調味素材として採用できるものでなかった。
これらの結果から、多くのアルコールのうちエタノールを水に添加して亜臨界水処理を行った場合でのみ、骨等を含む生肉を少量の極めて硬い骨を除き完全にペースト化して、そのほぼ全量を調味素材として利用できることが示された。
[実施例3]『エタノール濃度の検討』
エタノールを含む水を用いて亜臨界水処理を行うにあたり、骨を含むぶつ切り状態の生肉の全量をペースト化することが可能なエタノール濃度範囲を検討した。
エタノールを含む水を用いて亜臨界水処理を行うにあたり、骨を含むぶつ切り状態の生肉の全量をペースト化することが可能なエタノール濃度範囲を検討した。
(1)「亜臨界水処理物の調製」
実施例1で準備した鶏がら15gと表3に示す溶媒60mLを混合し、固液比(原料の乾燥質量1に対する原料中の水分及び溶媒の総液量の比)1:4の溶液を調製した。
これを、高圧マイクロリアクターの反応容器内に添加し封入し、反応容器内の水が亜臨界状態となる表3に示す温度及びその飽和水蒸気圧にて、表3に示す時間の亜臨界水処理を行った。なお、当該処理の具体的な操作は、実施例1に記載の方法と同様にして行った。
実施例1で準備した鶏がら15gと表3に示す溶媒60mLを混合し、固液比(原料の乾燥質量1に対する原料中の水分及び溶媒の総液量の比)1:4の溶液を調製した。
これを、高圧マイクロリアクターの反応容器内に添加し封入し、反応容器内の水が亜臨界状態となる表3に示す温度及びその飽和水蒸気圧にて、表3に示す時間の亜臨界水処理を行った。なお、当該処理の具体的な操作は、実施例1に記載の方法と同様にして行った。
冷却後、得られた処理物について、性状及び風味適性に関する各種評価を行った。なお、具体的な評価は、実施例1に記載の方法と同様にして行った。得られた結果を表3に示した。
(2)「結果」
・処理物の性状(表3-B 参照)
その結果、エタノール濃度20〜75%の水を用いて亜臨界水処理を行った場合、骨を含む生肉のほぼ全量(極めて硬い骨を除く)がペースト状になることが示された(試料3-3〜3-10)。特に、エタノール濃度25〜45%の水を用いた場合の処理物では、沈殿がほとんど生じないものとなった(試料3-4〜3-7)。さらに、エタノール濃度30〜40%の水を用いた場合の処理物では、沈殿自体が全く生じなかった(試料3-5〜3-6)。
一方、エタノール濃度が低すぎる場合(エタノール濃度10%以下の水:試料3-1〜3-2), 又は, 高すぎる場合(エタノール濃度90%の水:試料3-11)では、処理物がペースト化せずに、処理液と未分解の原料残渣が分離した。
・処理物の性状(表3-B 参照)
その結果、エタノール濃度20〜75%の水を用いて亜臨界水処理を行った場合、骨を含む生肉のほぼ全量(極めて硬い骨を除く)がペースト状になることが示された(試料3-3〜3-10)。特に、エタノール濃度25〜45%の水を用いた場合の処理物では、沈殿がほとんど生じないものとなった(試料3-4〜3-7)。さらに、エタノール濃度30〜40%の水を用いた場合の処理物では、沈殿自体が全く生じなかった(試料3-5〜3-6)。
一方、エタノール濃度が低すぎる場合(エタノール濃度10%以下の水:試料3-1〜3-2), 又は, 高すぎる場合(エタノール濃度90%の水:試料3-11)では、処理物がペースト化せずに、処理液と未分解の原料残渣が分離した。
・処理物の風味適性(表3-C 参照)
エタノール濃度10〜75%の水を用いた場合の処理物は、風味を好適に有するものとなった(試料3-2〜3-10)。特に、エタノール濃度20〜75%の水を用いた場合の処理物では、極めて好適な旨味を有するものであった(試料3-3〜3-10)。
一方、エタノールを含まない場合(エタノール濃度0%の水:試料3-1), 又は, エタノール濃度が高過ぎる場合(エタノール濃度90%の水:試料3-11)の処理物では、風味をほとんど呈さなかった。
エタノール濃度10〜75%の水を用いた場合の処理物は、風味を好適に有するものとなった(試料3-2〜3-10)。特に、エタノール濃度20〜75%の水を用いた場合の処理物では、極めて好適な旨味を有するものであった(試料3-3〜3-10)。
一方、エタノールを含まない場合(エタノール濃度0%の水:試料3-1), 又は, エタノール濃度が高過ぎる場合(エタノール濃度90%の水:試料3-11)の処理物では、風味をほとんど呈さなかった。
・総合評価
以上により、エタノール濃度20〜75%の水を用いて亜臨界水処理を行うことで、原料である骨を含む生肉を少量の極めて硬い骨を除き完全にペースト化して、そのほぼ全量を好適な調味素材として利用できることが示された。特に、原料をペースト化させる効果を鑑みると、エタノール濃度25〜45%(特には30〜40%)の水を用いることが、特に好適であることが示された。
以上により、エタノール濃度20〜75%の水を用いて亜臨界水処理を行うことで、原料である骨を含む生肉を少量の極めて硬い骨を除き完全にペースト化して、そのほぼ全量を好適な調味素材として利用できることが示された。特に、原料をペースト化させる効果を鑑みると、エタノール濃度25〜45%(特には30〜40%)の水を用いることが、特に好適であることが示された。
[実施例4]『温度条件の影響』
エタノールを含む水を用いて亜臨界水処理を行うにあたり、温度条件が処理物に与える影響を検討した。
エタノールを含む水を用いて亜臨界水処理を行うにあたり、温度条件が処理物に与える影響を検討した。
(1)「亜臨界水処理物の調製」
実施例1で準備した鶏がら15gと表4に示す溶媒60mLを混合し、固液比(原料の乾燥質量1に対する原料中の水分及び溶媒の総液量の比)1:4の溶液を調製した。
これを、高圧マイクロリアクターの反応容器内に添加し封入し、反応容器内の水が亜臨界状態となる表4に示す温度及びその飽和水蒸気圧にて、表4に示す時間の亜臨界水処理を行った。なお、当該処理の具体的な操作は、実施例1に記載の方法と同様にして行った。
実施例1で準備した鶏がら15gと表4に示す溶媒60mLを混合し、固液比(原料の乾燥質量1に対する原料中の水分及び溶媒の総液量の比)1:4の溶液を調製した。
これを、高圧マイクロリアクターの反応容器内に添加し封入し、反応容器内の水が亜臨界状態となる表4に示す温度及びその飽和水蒸気圧にて、表4に示す時間の亜臨界水処理を行った。なお、当該処理の具体的な操作は、実施例1に記載の方法と同様にして行った。
冷却後、得られた処理物について、性状及び風味適性に関する各種評価を行った。なお、具体的な評価は、実施例1に記載の方法と同様にして行った。得られた結果を表4に示した。
(2)「結果」
・処理物の性状(表4-B 参照)
その結果、亜臨界水処理の温度を140℃以上で行った処理物では、原料である骨を含む生肉のほぼ全量(極めて硬い骨を除く)がペースト状になることが示された(試料4-2〜4-10)。特に、150℃以上での処理物では、沈殿が全く生じないものとなった(試料4-4〜4-10)。一方、温度が低すぎる場合(130℃:試料4-1)では、処理液と残渣が分離し、処理物がペースト化しなかった。
この結果から、原料をペースト化するためには、亜臨界水処理の温度が高い方が好適であることが示された。
・処理物の性状(表4-B 参照)
その結果、亜臨界水処理の温度を140℃以上で行った処理物では、原料である骨を含む生肉のほぼ全量(極めて硬い骨を除く)がペースト状になることが示された(試料4-2〜4-10)。特に、150℃以上での処理物では、沈殿が全く生じないものとなった(試料4-4〜4-10)。一方、温度が低すぎる場合(130℃:試料4-1)では、処理液と残渣が分離し、処理物がペースト化しなかった。
この結果から、原料をペースト化するためには、亜臨界水処理の温度が高い方が好適であることが示された。
・処理物の風味適性(表4-C 参照)
亜臨界水処理の温度を205℃以下で行った処理物は、好適な風味を有するものとなった(試料4-1〜4-9)。特に、200℃以下での処理物では、極めて好適な風味を有するものとなった(試料4-1〜4-8)。一方、温度が高すぎた場合(220℃:試料4-10)では、焦げたような苦味が強く呈されるようになり、風味適性が好適でなかった。
亜臨界水処理の温度を205℃以下で行った処理物は、好適な風味を有するものとなった(試料4-1〜4-9)。特に、200℃以下での処理物では、極めて好適な風味を有するものとなった(試料4-1〜4-8)。一方、温度が高すぎた場合(220℃:試料4-10)では、焦げたような苦味が強く呈されるようになり、風味適性が好適でなかった。
・総合評価
以上により、140〜205℃の温度条件で亜臨界水処理を行うことによって、原料である骨を含む生肉を少量の極めて硬い骨を除き完全にペースト化して、そのほぼ全量を好適な調味素材として利用できることが示された。
ここで、処理物の性状の観点を踏まえると、原料をペースト化するためには、処理温度が高い方が好適である傾向が示された。一方、処理物に好適な旨味を付与するためには、処理温度が低い方が好適となる傾向があった。
これらの観点を鑑みると、特には145〜200℃、さらには150〜175℃で処理を行うことが好適であることが示された。
以上により、140〜205℃の温度条件で亜臨界水処理を行うことによって、原料である骨を含む生肉を少量の極めて硬い骨を除き完全にペースト化して、そのほぼ全量を好適な調味素材として利用できることが示された。
ここで、処理物の性状の観点を踏まえると、原料をペースト化するためには、処理温度が高い方が好適である傾向が示された。一方、処理物に好適な旨味を付与するためには、処理温度が低い方が好適となる傾向があった。
これらの観点を鑑みると、特には145〜200℃、さらには150〜175℃で処理を行うことが好適であることが示された。
[実施例5]『処理時間の影響』
エタノールを含む水を用いて亜臨界水処理を行うにあたり、処理時間が与える影響を検討した。
エタノールを含む水を用いて亜臨界水処理を行うにあたり、処理時間が与える影響を検討した。
(1)「亜臨界水処理物の調製」
実施例1で準備した鶏がら15gと表5に示す溶媒60mLを混合し、固液比(原料の乾燥質量1に対する原料中の水分及び溶媒の総液量の比)1:4の溶液を調製した。
これを、高圧マイクロリアクターの反応容器内に添加し封入し、反応容器内の水が亜臨界状態となる表5に示す温度及びその飽和水蒸気圧にて、表5に示す時間の亜臨界水処理を行った。なお、当該処理の具体的な操作は、実施例1に記載の方法と同様にして行った。
実施例1で準備した鶏がら15gと表5に示す溶媒60mLを混合し、固液比(原料の乾燥質量1に対する原料中の水分及び溶媒の総液量の比)1:4の溶液を調製した。
これを、高圧マイクロリアクターの反応容器内に添加し封入し、反応容器内の水が亜臨界状態となる表5に示す温度及びその飽和水蒸気圧にて、表5に示す時間の亜臨界水処理を行った。なお、当該処理の具体的な操作は、実施例1に記載の方法と同様にして行った。
冷却後、得られた処理物について、性状及び風味適性に関する各種評価を行った。なお、具体的な評価は、実施例1に記載の方法と同様にして行った。得られた結果を表5に示した。
(2)「結果」
・処理物の性状(表5-B 参照)
その結果、1分間以上の亜臨界水処理を行った処理物では、骨を含む生肉のほぼ全量(極めて硬い骨を除く)がペースト状になることが示された(試料5-1〜5-3)。特に、10分間以上の処理物では、沈殿が全く生じないものとなった(試料5-2〜5-3)。
・処理物の性状(表5-B 参照)
その結果、1分間以上の亜臨界水処理を行った処理物では、骨を含む生肉のほぼ全量(極めて硬い骨を除く)がペースト状になることが示された(試料5-1〜5-3)。特に、10分間以上の処理物では、沈殿が全く生じないものとなった(試料5-2〜5-3)。
・処理物の風味適性(表5-C 参照)
1分間以上の亜臨界水処理を行った処理物は、良好な風味を有するものとなった(試料5-1〜5-3)。特に、10分間以上の処理物では、極めて好適な風味を有するものとなった(試料5-2〜5-3)。
1分間以上の亜臨界水処理を行った処理物は、良好な風味を有するものとなった(試料5-1〜5-3)。特に、10分間以上の処理物では、極めて好適な風味を有するものとなった(試料5-2〜5-3)。
・総合評価
以上により、亜臨界水処理を行うにあたり、1分間以上という短時間での処理を行うことにより、原料である骨を含む生肉を少量の極めて硬い骨を除き完全にペースト化して、そのほぼ全量を好適な調味素材として利用できることが示された。
また、原料のペースト化の程度及び処理物の旨味の度合いを向上させるためには、処理時間が長い方が好適であり、10分間以上の処理を行うことが好適であることが示された。
以上により、亜臨界水処理を行うにあたり、1分間以上という短時間での処理を行うことにより、原料である骨を含む生肉を少量の極めて硬い骨を除き完全にペースト化して、そのほぼ全量を好適な調味素材として利用できることが示された。
また、原料のペースト化の程度及び処理物の旨味の度合いを向上させるためには、処理時間が長い方が好適であり、10分間以上の処理を行うことが好適であることが示された。
[実施例6]『圧力の検討』
エタノールを含む水を用いて亜臨界水処理を行うにあたり、圧力条件が与える影響を検討した。
エタノールを含む水を用いて亜臨界水処理を行うにあたり、圧力条件が与える影響を検討した。
(1)「亜臨界水処理物の調製」
実施例1で準備した鶏がら15gと表6に示す溶媒60mLを混合し、固液比(原料の乾燥質量1に対する原料中の水分及び溶媒の総液量の比)1:4の溶液を調製した。
これを、高圧マイクロリアクターの反応容器内に添加し封入し、反応容器内の水が亜臨界状態となる表6に示す温度及び圧力にて、表6に示す時間の亜臨界水処理を行った。なお、ここで160℃における飽和水蒸気圧は0.6Mpaである。また、当該処理の具体的な操作は、実施例1に記載の方法と同様にして行った。
実施例1で準備した鶏がら15gと表6に示す溶媒60mLを混合し、固液比(原料の乾燥質量1に対する原料中の水分及び溶媒の総液量の比)1:4の溶液を調製した。
これを、高圧マイクロリアクターの反応容器内に添加し封入し、反応容器内の水が亜臨界状態となる表6に示す温度及び圧力にて、表6に示す時間の亜臨界水処理を行った。なお、ここで160℃における飽和水蒸気圧は0.6Mpaである。また、当該処理の具体的な操作は、実施例1に記載の方法と同様にして行った。
冷却後、得られた処理物について、性状及び風味適性に関する各種評価を行った。なお、具体的な評価は、実施例1に記載の方法と同様にして行った。得られた結果を表6に示した。
(2)「結果」
・処理物の性状(表6-B 参照)
その結果、0.6〜12.5Mpaの圧力で亜臨界水処理を行った処理物では、原料である骨を含む生肉のほぼ全量(極めて硬い骨を除く)がペースト状となった(試料6-1〜6-5)。このことから、飽和水蒸気圧以上の圧力の違いは、処理物の性状に影響を与えないことが示された。
・処理物の性状(表6-B 参照)
その結果、0.6〜12.5Mpaの圧力で亜臨界水処理を行った処理物では、原料である骨を含む生肉のほぼ全量(極めて硬い骨を除く)がペースト状となった(試料6-1〜6-5)。このことから、飽和水蒸気圧以上の圧力の違いは、処理物の性状に影響を与えないことが示された。
・処理物の風味適性(表6-C 参照)
0.6〜12.5Mpaの圧力で亜臨界水処理を行った処理物は、旨味を極めて好適に有するものであった(試料6-1〜6-5)。このことから、飽和水蒸気圧以上の圧力の違いは、処理物の風味適性に影響を与えないことが示された。
0.6〜12.5Mpaの圧力で亜臨界水処理を行った処理物は、旨味を極めて好適に有するものであった(試料6-1〜6-5)。このことから、飽和水蒸気圧以上の圧力の違いは、処理物の風味適性に影響を与えないことが示された。
・総合評価
以上により、0.6〜12.5Mpaの圧力条件で亜臨界水処理を行うことで、骨を含む生肉を少量の極めて硬い骨を除き完全にペースト化して、そのほぼ全量を好適な調味素材として利用できることが示された。また、亜臨界水処理における圧力の違いは、処理物の性状や風味適性に影響を与えないものと認められた。
以上により、0.6〜12.5Mpaの圧力条件で亜臨界水処理を行うことで、骨を含む生肉を少量の極めて硬い骨を除き完全にペースト化して、そのほぼ全量を好適な調味素材として利用できることが示された。また、亜臨界水処理における圧力の違いは、処理物の性状や風味適性に影響を与えないものと認められた。
[実施例7]『固液比の検討』
エタノールを含む水を用いて亜臨界水処理を行うにあたり、原料と溶媒の混合物の固液比の条件が与える影響を検討した。
エタノールを含む水を用いて亜臨界水処理を行うにあたり、原料と溶媒の混合物の固液比の条件が与える影響を検討した。
(1)「亜臨界水処理物の調製」
実施例1で準備した鶏がらと溶媒を混合し、固液比(原料の乾燥重量1に対する原料中の水分及び溶媒の総液量の比)が表7に示した比となるように、溶液を調製した。当該固液比の調整は、溶媒60mLに対する原料の量を変更することにより調製した。
これを、高圧マイクロリアクターの反応容器内に添加し封入し、反応容器内の水が亜臨界状態となる表7に示す温度及びその飽和水蒸気圧にて、表7に示す時間の亜臨界水処理を行った。なお、当該処理の具体的な操作は、実施例1に記載の方法と同様にして行った。
実施例1で準備した鶏がらと溶媒を混合し、固液比(原料の乾燥重量1に対する原料中の水分及び溶媒の総液量の比)が表7に示した比となるように、溶液を調製した。当該固液比の調整は、溶媒60mLに対する原料の量を変更することにより調製した。
これを、高圧マイクロリアクターの反応容器内に添加し封入し、反応容器内の水が亜臨界状態となる表7に示す温度及びその飽和水蒸気圧にて、表7に示す時間の亜臨界水処理を行った。なお、当該処理の具体的な操作は、実施例1に記載の方法と同様にして行った。
冷却後、得られた処理物について、性状及び風味適性に関する各種評価を行った。なお、具体的な評価は、実施例1に記載の方法と同様にして行った。得られた結果を表7に示した。
(2)「結果」
・処理物の性状(表7-B 参照)
その結果、固液比を1:2〜1:15の範囲に調整して、亜臨界水処理をした処理物では、原料である骨を含む生肉のほぼ全量(極めて硬い骨を除く)がペースト状になることが示された(試料7-1〜7-9)。特に、固液比1:4以上に液体比率を多くした場合の処理物では、沈殿がほとんど生じないものとなった(試料7-3〜7-9)。さらに固液比1:4〜1:7の範囲での処理物では、沈殿が全く生じないものとなった(試料7-3〜7-6)。
さらに固液比1:5での処理物で、抜群に取扱い性の良い性状のものとなった(表では単に「◎」と記載)。
・処理物の性状(表7-B 参照)
その結果、固液比を1:2〜1:15の範囲に調整して、亜臨界水処理をした処理物では、原料である骨を含む生肉のほぼ全量(極めて硬い骨を除く)がペースト状になることが示された(試料7-1〜7-9)。特に、固液比1:4以上に液体比率を多くした場合の処理物では、沈殿がほとんど生じないものとなった(試料7-3〜7-9)。さらに固液比1:4〜1:7の範囲での処理物では、沈殿が全く生じないものとなった(試料7-3〜7-6)。
さらに固液比1:5での処理物で、抜群に取扱い性の良い性状のものとなった(表では単に「◎」と記載)。
・処理物の風味適性(表7-C 参照)
固液比を1:2〜1:15の範囲に調製して、亜臨界水処理をした処理物は、旨味を好適に有するものであった(試料7-1〜7-9)。特に、固液比1:3以上に液体比率を多くした場合の処理物では、好適な旨味を有するものであった(試料7-3〜7-9)。さらには、固液比1:4〜1:7での処理物では、極めて好適な旨味と性状を有するものであった(試料7-3〜7-6)。
固液比を1:2〜1:15の範囲に調製して、亜臨界水処理をした処理物は、旨味を好適に有するものであった(試料7-1〜7-9)。特に、固液比1:3以上に液体比率を多くした場合の処理物では、好適な旨味を有するものであった(試料7-3〜7-9)。さらには、固液比1:4〜1:7での処理物では、極めて好適な旨味と性状を有するものであった(試料7-3〜7-6)。
・総合評価
以上より、原料と溶媒の混合物における固液比を1:2〜1:15の範囲に調製して亜臨界水処理を行うことによって、骨を含む生肉を少量の極めて硬い骨を除き完全にペースト化して、そのほぼ全量を好適な調味素材として利用できることが示された。なお、処理物の性状と風味適性の両方の観点を鑑みると、固液比1:3〜1:15、特には1:4〜1:7の範囲に調製して処理を行うことが好適であることが示された。
以上より、原料と溶媒の混合物における固液比を1:2〜1:15の範囲に調製して亜臨界水処理を行うことによって、骨を含む生肉を少量の極めて硬い骨を除き完全にペースト化して、そのほぼ全量を好適な調味素材として利用できることが示された。なお、処理物の性状と風味適性の両方の観点を鑑みると、固液比1:3〜1:15、特には1:4〜1:7の範囲に調製して処理を行うことが好適であることが示された。
[実施例8]『有機酸の効果』
エタノールを含む水を用いて亜臨界水処理を行うにあたり、溶媒中の有機酸が処理物に与える影響を検討した。
エタノールを含む水を用いて亜臨界水処理を行うにあたり、溶媒中の有機酸が処理物に与える影響を検討した。
(1)「亜臨界水処理物の調製」
実施例1で準備した鶏がら15gと表8に示す溶媒60mLを混合し、固液比(原料の乾燥質量1に対する原料中の水分及び溶媒の総液量の比)1:4の溶液を調製した。
これを、高圧マイクロリアクターの反応容器内に添加し封入し、反応容器内の水が亜臨界状態となる表8に示す温度及びその飽和水蒸気圧にて、表8に示す時間の亜臨界水処理を行った。なお、当該処理の具体的な操作は、実施例1に記載の方法と同様にして行った。
実施例1で準備した鶏がら15gと表8に示す溶媒60mLを混合し、固液比(原料の乾燥質量1に対する原料中の水分及び溶媒の総液量の比)1:4の溶液を調製した。
これを、高圧マイクロリアクターの反応容器内に添加し封入し、反応容器内の水が亜臨界状態となる表8に示す温度及びその飽和水蒸気圧にて、表8に示す時間の亜臨界水処理を行った。なお、当該処理の具体的な操作は、実施例1に記載の方法と同様にして行った。
冷却後、得られた処理物について、性状及び風味適性に関する各種評価を行った。なお、具体的な評価は、実施例1に記載の方法と同様にして行った。得られた結果を表8に示した。
(2)「結果」
・処理物の性状(表8-B 参照)
その結果、エタノール及び1%(w/v)の有機酸を含む水を用いて亜臨界水処理を行った場合においても、原料である骨を含む生肉の全量が少量の極めて硬い骨を除き完全にペースト状になることが示された(試料8-1〜8-6)。
特に、‘クエン酸’を含むようにして得た処理物では、処理物の加水分解がさらに進み、極めて良好なペースト性状を有する処理物となることが示された(試料8-1)。ここで、有機酸を添加した場合の溶媒のpHは、いずれもpH4前後であったことから、当該液状化作用は、pHによる作用ではないことが示された。
また、クエン酸以外の有機酸を含むようにして得た処理物では、原料である骨を含む生肉の全量が少量の極めて硬い骨を除き完全にペースト状になるものの、冷却後に若干(流動性が保持されている程度)のゲル状の性質が付与されることが示された(試料8-2〜8-6)。
・処理物の性状(表8-B 参照)
その結果、エタノール及び1%(w/v)の有機酸を含む水を用いて亜臨界水処理を行った場合においても、原料である骨を含む生肉の全量が少量の極めて硬い骨を除き完全にペースト状になることが示された(試料8-1〜8-6)。
特に、‘クエン酸’を含むようにして得た処理物では、処理物の加水分解がさらに進み、極めて良好なペースト性状を有する処理物となることが示された(試料8-1)。ここで、有機酸を添加した場合の溶媒のpHは、いずれもpH4前後であったことから、当該液状化作用は、pHによる作用ではないことが示された。
また、クエン酸以外の有機酸を含むようにして得た処理物では、原料である骨を含む生肉の全量が少量の極めて硬い骨を除き完全にペースト状になるものの、冷却後に若干(流動性が保持されている程度)のゲル状の性質が付与されることが示された(試料8-2〜8-6)。
・処理物の風味適性(表8-C 参照)
エタノールと有機酸を含む水を用いて亜臨界水処理を行った処理物は、やや酸味を呈するが、好適な旨味を有することが示された(試料8-1〜8-6)。また、風味の程度は、有機酸を添加しない場合と同程度であった(試料8-1〜8-7)。
エタノールと有機酸を含む水を用いて亜臨界水処理を行った処理物は、やや酸味を呈するが、好適な旨味を有することが示された(試料8-1〜8-6)。また、風味の程度は、有機酸を添加しない場合と同程度であった(試料8-1〜8-7)。
・総合評価
以上により、エタノールに加えて‘有機酸’を含む溶媒を用いて亜臨界水処理を行った場合でも、分解が困難な骨を含む生肉を少量の極めて硬い骨を除き完全にペースト化して、そのほぼ全量を好適な調味素材として利用できることが示された。特に、‘クエン酸’を低濃度で添加することによって、有機酸を添加した場合に特有のゲル化現象が起こらず、さらに性状の優れたペースト状処理物となることが示された。
以上により、エタノールに加えて‘有機酸’を含む溶媒を用いて亜臨界水処理を行った場合でも、分解が困難な骨を含む生肉を少量の極めて硬い骨を除き完全にペースト化して、そのほぼ全量を好適な調味素材として利用できることが示された。特に、‘クエン酸’を低濃度で添加することによって、有機酸を添加した場合に特有のゲル化現象が起こらず、さらに性状の優れたペースト状処理物となることが示された。
[実施例9]『クエン酸による分解作用の向上』
エタノールを含む水を用いて亜臨界水処理を行うにあたり、溶媒中のクエン酸が処理物に与える影響を詳細に検討した。
エタノールを含む水を用いて亜臨界水処理を行うにあたり、溶媒中のクエン酸が処理物に与える影響を詳細に検討した。
(1)「亜臨界水処理物の調製」
実施例1で準備した鶏がら15gと表9に示す溶媒60mLを混合し、固液比(原料の乾燥質量1に対する原料中の水分及び溶媒の総液量の比)1:4の溶液を調製した。
これを、高圧マイクロリアクターの反応容器内に添加し封入し、反応容器内の水が亜臨界状態となる表9に示す温度及びその飽和水蒸気圧にて、表9に示す時間の亜臨界水処理を行った。なお、当該処理の具体的な操作は、実施例1に記載の方法と同様にして行った。
実施例1で準備した鶏がら15gと表9に示す溶媒60mLを混合し、固液比(原料の乾燥質量1に対する原料中の水分及び溶媒の総液量の比)1:4の溶液を調製した。
これを、高圧マイクロリアクターの反応容器内に添加し封入し、反応容器内の水が亜臨界状態となる表9に示す温度及びその飽和水蒸気圧にて、表9に示す時間の亜臨界水処理を行った。なお、当該処理の具体的な操作は、実施例1に記載の方法と同様にして行った。
冷却後、得られた処理物について、性状及び風味適性に関する各種評価を行った。なお、具体的な評価は、実施例1に記載の方法と同様にして行った。得られた結果を表9に示した。
(2)「結果」
・処理物の性状(表9-B 参照)
その結果、エタノールを含む水に低濃度のクエン酸を含むようにして亜臨界水処理を行うことで、原料の加水分解が進み、優れたペースト状の性状を有する処理物となることが示された(試料9-1〜9-3)
特に、クエン酸濃度が1%(w/v)とした場合、処理物の加水分解が著しく進み、‘極めて優れたペースト状の性状を有する処理物となることが示された(試料9-3)。また、クエン酸濃度を2.5%(w/v)とした場合、やや優れた流動性を示すペースト状の処理物となった(試料9-2)。また、クエン酸濃度を5%(w/v)とした場合、処理物は少量の極めて硬い骨を除き完全にペースト化したが、冷却後にゲル状の性質が付与されることが示された(試料9-1)。
・処理物の性状(表9-B 参照)
その結果、エタノールを含む水に低濃度のクエン酸を含むようにして亜臨界水処理を行うことで、原料の加水分解が進み、優れたペースト状の性状を有する処理物となることが示された(試料9-1〜9-3)
特に、クエン酸濃度が1%(w/v)とした場合、処理物の加水分解が著しく進み、‘極めて優れたペースト状の性状を有する処理物となることが示された(試料9-3)。また、クエン酸濃度を2.5%(w/v)とした場合、やや優れた流動性を示すペースト状の処理物となった(試料9-2)。また、クエン酸濃度を5%(w/v)とした場合、処理物は少量の極めて硬い骨を除き完全にペースト化したが、冷却後にゲル状の性質が付与されることが示された(試料9-1)。
・処理物の風味適性(表9-C 参照)
エタノールとクエン酸を含む水を用いて亜臨界水処理を行った処理物は、好適な風味を有することが示された(試料9-1〜9-3)。また、風味の程度は、酢酸を添加しない場合と同程度であった(試料9-1〜9-4)。
エタノールとクエン酸を含む水を用いて亜臨界水処理を行った処理物は、好適な風味を有することが示された(試料9-1〜9-3)。また、風味の程度は、酢酸を添加しない場合と同程度であった(試料9-1〜9-4)。
・総合評価
以上により、エタノールに加えてクエン酸を含む溶媒を用いて亜臨界水処理を行うことによって、分解が困難な骨を含む生肉を少量の極めて硬い骨を除き完全にペースト化して、そのほぼ全量を好適な調味素材として利用できることが示された。特に、クエン酸濃度を1〜2.5%程度に調整することによって、流動性の特に優れたペースト状処理物が得られることが示された。
以上により、エタノールに加えてクエン酸を含む溶媒を用いて亜臨界水処理を行うことによって、分解が困難な骨を含む生肉を少量の極めて硬い骨を除き完全にペースト化して、そのほぼ全量を好適な調味素材として利用できることが示された。特に、クエン酸濃度を1〜2.5%程度に調整することによって、流動性の特に優れたペースト状処理物が得られることが示された。
[実施例10]『原料の検討』
エタノールを含む水を用いた亜臨界水処理が、各種肉類, 肉加工品, 又は肉加工残渣に対しても適用可能であるかを検討した。
エタノールを含む水を用いた亜臨界水処理が、各種肉類, 肉加工品, 又は肉加工残渣に対しても適用可能であるかを検討した。
(1)「亜臨界水処理物の調製」
実施例1で準備した各種原料15gと表10に示す溶媒60mLを混合し、固液比(原料の乾燥質量1に対する原料中の水分及び溶媒の総液量の比)1:4の溶液を調製した。なお、表において、原料として「生」と表記したものは加熱しない生の状態のものを示し、「ボイル」と表記したものは煮た状態のものを示す。
これを、高圧マイクロリアクターの反応容器内に添加し封入し、反応容器内の水が亜臨界状態となる表10に示す温度及びその飽和水蒸気圧にて、表10に示す時間の亜臨界水処理を行った。なお、当該処理の具体的な操作は、実施例1に記載の方法と同様にして行った。
実施例1で準備した各種原料15gと表10に示す溶媒60mLを混合し、固液比(原料の乾燥質量1に対する原料中の水分及び溶媒の総液量の比)1:4の溶液を調製した。なお、表において、原料として「生」と表記したものは加熱しない生の状態のものを示し、「ボイル」と表記したものは煮た状態のものを示す。
これを、高圧マイクロリアクターの反応容器内に添加し封入し、反応容器内の水が亜臨界状態となる表10に示す温度及びその飽和水蒸気圧にて、表10に示す時間の亜臨界水処理を行った。なお、当該処理の具体的な操作は、実施例1に記載の方法と同様にして行った。
冷却後、得られた処理物について、性状及び風味適性に関する各種評価を行った。なお、具体的な評価は、実施例1に記載の方法と同様にして行った。得られた結果を表10に示した。
(2)「結果」
・処理物の性状(表10-B 参照)
その結果、エタノールを含む水を用いて亜臨界水処理を行うことによって、原料である各種肉類, 肉加工品, 又は肉加工残渣のほぼ全量が、少量の極めて硬い骨を除き完全なペースト状になることが示された(試料10-1〜10-15)。
・処理物の性状(表10-B 参照)
その結果、エタノールを含む水を用いて亜臨界水処理を行うことによって、原料である各種肉類, 肉加工品, 又は肉加工残渣のほぼ全量が、少量の極めて硬い骨を除き完全なペースト状になることが示された(試料10-1〜10-15)。
・処理物の風味適性(表10-C 参照)
各種肉類, 肉加工品, 又は肉加工残渣を原料として用いた場合であっても、極めて好適な旨味を有することが示された(試料10-1〜10-15)。なお、用いる原料の違いにより風味に差異が認められたが、甘味, 旨味, コクが付与される点で共通していた。
各種肉類, 肉加工品, 又は肉加工残渣を原料として用いた場合であっても、極めて好適な旨味を有することが示された(試料10-1〜10-15)。なお、用いる原料の違いにより風味に差異が認められたが、甘味, 旨味, コクが付与される点で共通していた。
・総合評価
これらの結果が示すように、エタノールを含む水を用いて亜臨界水処理を行うことによって、各種肉類, 肉加工品, 又は肉加工残渣をペースト化して、その全量又はほぼ全量を調味素材として利用できることが示された。
これらの結果が示すように、エタノールを含む水を用いて亜臨界水処理を行うことによって、各種肉類, 肉加工品, 又は肉加工残渣をペースト化して、その全量又はほぼ全量を調味素材として利用できることが示された。
[実施例11]『液体状調味料としての使用1』
上記亜臨界水処理物をペースト状態のまま液状調味料として用いた場合の効果を検証した。
上記亜臨界水処理物をペースト状態のまま液状調味料として用いた場合の効果を検証した。
(1)「亜臨界水処理物の調製」
実施例1で準備した各原料(鶏がら、牛すじ、豚骨)15gと表11に示す溶媒60mLを混合し、固液比(原料の乾燥質量1に対する原料中の水分及び溶媒の総液量の比)1:4の溶液を調製した。これを、高圧マイクロリアクターの反応容器内に添加し封入し、反応容器内の水が亜臨界状態となる表11に示す温度及びその飽和水蒸気圧にて、表11に示す時間の亜臨界水処理を行った。なお、当該処理の具体的な操作は、実施例1に記載の方法と同様にして行った。
実施例1で準備した各原料(鶏がら、牛すじ、豚骨)15gと表11に示す溶媒60mLを混合し、固液比(原料の乾燥質量1に対する原料中の水分及び溶媒の総液量の比)1:4の溶液を調製した。これを、高圧マイクロリアクターの反応容器内に添加し封入し、反応容器内の水が亜臨界状態となる表11に示す温度及びその飽和水蒸気圧にて、表11に示す時間の亜臨界水処理を行った。なお、当該処理の具体的な操作は、実施例1に記載の方法と同様にして行った。
(2)「スープの調製及び官能評価」
調製した各ペースト状処理物48g(市販のペースト状スープの素の添加量に準じた量)を、だしの素(ほんだし、味の素製)2gが溶解してある90℃のお湯300mLに溶き、一煮立ちさせてアルコールを飛ばしてスープを調製した(試料11-1〜11-3)。
また、比較品として、ペースト状処理物の代わりに推奨される量の市販のスープの素(調味料)を添加してスープを調製した(試料11-4〜11-7)。なお、これらの市販のスープの素には元々だしの素が含まれており、調製したスープには2g/300mLのだしの素が含まれる量である。ここで、市販のスープの素としては、丸鶏がらスープ(顆粒:味の素製)、化学調味料無添加のがらスープ(顆粒:ユウキ食品製)、鶏だしつゆ(濃縮タイプ:ミツカン製)、とんこつ醤油つゆ(濃縮タイプ:ミツカン製)を用いた。
また、対照品として、だしの素2gをお湯300mLに溶いたスープを調製した(試料11-8)。
得られた各スープの風味について官能評価を4段階(I〜IV:IVが最大)で行い、結果を表11に示した。
調製した各ペースト状処理物48g(市販のペースト状スープの素の添加量に準じた量)を、だしの素(ほんだし、味の素製)2gが溶解してある90℃のお湯300mLに溶き、一煮立ちさせてアルコールを飛ばしてスープを調製した(試料11-1〜11-3)。
また、比較品として、ペースト状処理物の代わりに推奨される量の市販のスープの素(調味料)を添加してスープを調製した(試料11-4〜11-7)。なお、これらの市販のスープの素には元々だしの素が含まれており、調製したスープには2g/300mLのだしの素が含まれる量である。ここで、市販のスープの素としては、丸鶏がらスープ(顆粒:味の素製)、化学調味料無添加のがらスープ(顆粒:ユウキ食品製)、鶏だしつゆ(濃縮タイプ:ミツカン製)、とんこつ醤油つゆ(濃縮タイプ:ミツカン製)を用いた。
また、対照品として、だしの素2gをお湯300mLに溶いたスープを調製した(試料11-8)。
得られた各スープの風味について官能評価を4段階(I〜IV:IVが最大)で行い、結果を表11に示した。
(3)「結果」
その結果、骨を含む生肉を亜臨界水処理して得た処理物を混合して調製したスープは、素材本来の風味が最大限に引き出された本格的なスープとなることが示された。即ち、当該亜臨界水処理物は、スープの素(液状調味料)として極めて好適に用いることができることが示された。
その結果、骨を含む生肉を亜臨界水処理して得た処理物を混合して調製したスープは、素材本来の風味が最大限に引き出された本格的なスープとなることが示された。即ち、当該亜臨界水処理物は、スープの素(液状調味料)として極めて好適に用いることができることが示された。
[実施例12]『液体状調味料としての使用2』
市販の調味料に加えて上記亜臨界水処理物をさらに添加した場合の効果を検証した。
市販の調味料に加えて上記亜臨界水処理物をさらに添加した場合の効果を検証した。
(1)「スープの調製及び官能評価」
表12に記載の市販のスープの素に加えて、表12に記載の亜臨界水処理物(実施例11で調製したもの)12gを90℃のお湯300mLに溶き、一煮立ちさせてアルコールを飛ばしてスープを調製した(試料12-1〜12-4)。得られた各スープの風味について官能評価を4段階(I〜IV:IVが最大)で行い、結果を表12に示した。
表12に記載の市販のスープの素に加えて、表12に記載の亜臨界水処理物(実施例11で調製したもの)12gを90℃のお湯300mLに溶き、一煮立ちさせてアルコールを飛ばしてスープを調製した(試料12-1〜12-4)。得られた各スープの風味について官能評価を4段階(I〜IV:IVが最大)で行い、結果を表12に示した。
(2)「結果」
その結果、骨を含む生肉を亜臨界水処理して得た処理物を市販のスープに混合することによって、得られた各スープは、素材本来の風味が最大限に引き出された本格的なスープとなることが示された。即ち、当該亜臨界水処理物は、スープの素(調味料)として極めて好適に用いることができることが示された。
その結果、骨を含む生肉を亜臨界水処理して得た処理物を市販のスープに混合することによって、得られた各スープは、素材本来の風味が最大限に引き出された本格的なスープとなることが示された。即ち、当該亜臨界水処理物は、スープの素(調味料)として極めて好適に用いることができることが示された。
[実施例13]『粉末調味料としての使用』
上記亜臨界水処理物を粉末状調味料として用いた場合の効果を検証した。
上記亜臨界水処理物を粉末状調味料として用いた場合の効果を検証した。
(1)「粉末状処理物の調製」
実施例11で調製した牛すじ亜臨界水処理物のペースト5mLに、表13に示す粉末化担体1gを添加混合し、金属製のバットに注ぎ広げ、送風オーブンを用いて60℃にて一晩乾燥させた。そして、得られた乾燥物を粉砕し、粉末状の亜臨界水処理物(乾燥物)を得た。ここで、粉末化担体としては、加工澱粉としてα-シクロデキストリン(α-CD: シクロケム社製)、β-シクロデキストリン(β-CD: シクロケム社製)、γ-シクロデキストリン(γ-CD: シクロケム社製)、クラスターデキストリン(ClD: 日本食品加工製)を用いた。また、微結晶セルロースとしては、ビパピュアー105(BP105:Fiニュートリション社製)を用いた。
また、対照として、粉末化担体を添加せずに同様にして粉末状の亜臨界水処理物(乾燥物)を調製した。得られた乾燥物の物性を表13に示した。
実施例11で調製した牛すじ亜臨界水処理物のペースト5mLに、表13に示す粉末化担体1gを添加混合し、金属製のバットに注ぎ広げ、送風オーブンを用いて60℃にて一晩乾燥させた。そして、得られた乾燥物を粉砕し、粉末状の亜臨界水処理物(乾燥物)を得た。ここで、粉末化担体としては、加工澱粉としてα-シクロデキストリン(α-CD: シクロケム社製)、β-シクロデキストリン(β-CD: シクロケム社製)、γ-シクロデキストリン(γ-CD: シクロケム社製)、クラスターデキストリン(ClD: 日本食品加工製)を用いた。また、微結晶セルロースとしては、ビパピュアー105(BP105:Fiニュートリション社製)を用いた。
また、対照として、粉末化担体を添加せずに同様にして粉末状の亜臨界水処理物(乾燥物)を調製した。得られた乾燥物の物性を表13に示した。
(2)「みそ汁の調製とその評価」
上記粉末状の処理物(1g)を味噌汁(180mL)に添加してよくかき混ぜて味噌汁を調製した。粉末の溶解・分散のしやすさ、沈殿の発生について目視にて3段階(A〜C:Aが最大)で評価した。
また、得られた各味噌汁について、味噌汁の風味について、4段階(I〜IV:IVが最大)の官能評価により行った。結果を表13に示した。
上記粉末状の処理物(1g)を味噌汁(180mL)に添加してよくかき混ぜて味噌汁を調製した。粉末の溶解・分散のしやすさ、沈殿の発生について目視にて3段階(A〜C:Aが最大)で評価した。
また、得られた各味噌汁について、味噌汁の風味について、4段階(I〜IV:IVが最大)の官能評価により行った。結果を表13に示した。
(3)「結果」
その結果、骨を含む生肉を亜臨界水処理して得た処理物は、加工澱粉や微結晶セルロース等の粉末化担体を共存させて乾燥させることによって、良好な粉末のスープの素(粉末調味料)として用いることができることが示された(試料13-1〜13-5)。一方、粉末担体を添加しない場合、油脂分が多くべたつくため、そのままでの粉砕が困難であった(試料13-6)。
その結果、骨を含む生肉を亜臨界水処理して得た処理物は、加工澱粉や微結晶セルロース等の粉末化担体を共存させて乾燥させることによって、良好な粉末のスープの素(粉末調味料)として用いることができることが示された(試料13-1〜13-5)。一方、粉末担体を添加しない場合、油脂分が多くべたつくため、そのままでの粉砕が困難であった(試料13-6)。
本発明は、肉や調味料を扱う食品業界において、従来品より風味が好適な調味料や飲食品等の製品を提供する技術となることが期待される。また、製造コストを大幅に削減できる技術となることが期待される。
また、本発明は、従来は廃棄対象であった未利用有価物である肉解体残渣を、有効利用する技術となることが期待される。
また、本発明は、従来は廃棄対象であった未利用有価物である肉解体残渣を、有効利用する技術となることが期待される。
Claims (10)
- 以下(A)に記載の原料に対して、以下(B1)〜(B3)に記載の全てを満たす条件にて亜臨界水処理を行うことを特徴とする、調味エキスの製造方法。
(A): 哺乳類又は鳥類の肉、内臓、骨、皮及びその加工品、からなる群から選ばれるいずれか1以上のもの。
(B1): 前記原料と、;前記原料中の水分と溶媒の総液量に対してエタノールを20〜75%(容量/容量)で含むように調製した溶媒、;とが接触する条件。
(B2): 温度140〜205℃及び圧力0.36〜12.5MPaの高温高圧条件。
(B3): 前記原料と亜臨界状態になった水を1分間以上接触させる条件。 - 前記(B1)に記載の溶媒が、前記原料中の水分と溶媒の総液量に対してエタノールを25〜60%(容量/容量)で含むように調整した溶媒である、請求項1に記載の調味エキスの製造方法。
- 前記(B1)に記載の原料と溶媒の接触を、前記原料の乾燥重量1に対して前記原料中の水分及び溶媒の総液量の比を3以上に調整して行うものである、請求項1又は2に記載の調味エキスの製造方法。
- 前記(B1)に記載の溶媒が、原料中の水分と溶媒の総液量に対して有機酸を0.2〜10%(質量/容量)以下で含むように調整した溶媒である、請求項1〜3のいずれかに記載の調味エキスの製造方法。
- 前記(B1)に記載の溶媒が、原料中の水分と溶媒の総液量に対しクエン酸を0.2〜3%(質量/容量)以下で含むように調整した溶媒である、請求項1〜3のいずれかに記載の調味エキスの製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の方法により製造された調味エキス。
- 前記調味エキスが、前記亜臨界水処理により前記原料がペースト状になったものであり、且つ、原料の風味を有するものである、請求項6に記載の調味エキス。
- 前記調味エキスが、加工澱粉又は微結晶セルロース存在下にて乾燥処理を行うことにより固形状又は粉末状に加工したものである、請求項6又は7に記載の調味エキス。
- 請求項6〜8のいずれかに記載の調味エキスを含有してなる飲食品。
- 請求項6〜8のいずれかに記載の調味エキスを含有してなる調味料。
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