JP7094730B2 - 調味料組成物 - Google Patents
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Description
[1] 豚皮1に対して水0.3~10重量部を含む原料を、80℃以上100℃未満で4~8時間、加熱する工程1;および
工程1の後に行われる、65℃以上95℃未満で、6~24時間、加熱する工程2
を含み、
工程1および工程2を経て得られる豚皮抽出物が、原料の1/5~4/5 重量部である、
豚皮抽出物を含有する調味料組成物の製造方法。
[2] 工程1および工程2を経て得られる豚皮抽出物が、乳化状態または懸濁状態である、1に記載の製造方法。
[3] 工程1および工程2を経て得られる豚皮抽出物が、粗脂肪分を8~21%含む、1または2に記載の製造方法。
[4] 工程1および工程2を経て得られる豚皮抽出物が、コラーゲンまたはゼラチンを8~11%含む、1~3のいずれか1項に記載の製造方法。
[5] 工程1が、92~98℃で4~6時間行われる、1~4のいずれか1項に記載の製造方法。
[6] 工程2が、70~85℃で8~16時間行われる、1~5のいずれか1項に記載の製造方法。
[7] 調味料組成物が乳化剤を含まない、1~6のいずれか1項に記載の製造方法。
[8] 豚皮1に対して水0.3~10重量部を含む原料を、80℃以上100℃未満で4~8時間、加熱する工程1;および
工程1の後に行われる、65℃以上95℃未満で、6~24時間、加熱する工程2
を含み、
工程1および工程2を経て得られる豚皮抽出物を、原料の1/5~4/5重量部とする、
豚皮抽出物の改良方法。
[9] 炊き出し感またはコクの増強能の向上のための、8に記載の改良方法。
[10] 豚皮を原料とし、粗脂肪分を8~21%、およびコラーゲンまたはゼラチンを8~11%含む、脂分と溶液分とが混合された状態である、調味料組成物。
[11] 乳化剤を含まない、10に記載の調味料組成物。
[12] 10または11に記載の調味料組成物を用いる、食品における炊き出し感またはコクの向上方法。
本発明は、従来の畜産物原料からのエキス類と比較してコラーゲンが少なく、かつ脂分を多く含む豚皮抽出物、およびそれを含む調味料組成物を提供することができる。これらにおいては、従来の多くのエキス類では除かれていた脂分が活かされている。そのため、これらは脂肪酸由来の香気を多く有しうるものであり、脂分に由来すると考えられるコクや粘性を有しうるものである。
本発明により提供される豚皮抽出物、またはそれを含む調味料組成物を用いたスープ類は、従来の加工食品にはない炊き出し感を有しうる。
本発明により提供される豚皮抽出物、またはそれを含む調味料組成物は、用いる食品において、コクを増強することができる。
工程1の後に行われる、65℃以上95℃未満で、6~24時間、加熱する工程2。
本発明においては、原料として、食品原料として許容される豚皮を用いる。豚皮は、必要に応じて豚毛や異物を除去し、バンドソー等を用いて切断、細断等の前処理を行うことができる。豚皮は、凍結した状態であってもよい。
工程2は、工程1に続いて行われる。 工程2の温度は、95未満である。95℃未満であれば、長時間加熱した場合であっても、豚皮から抽出されたゼラチンが変質する恐れが少ないからである。温度は、好ましくは90℃以下であり、より好ましくは85℃以下である。工程2はまた、63℃以上で行うことが好ましい。固形分を完全に軟化・溶解することができ、成分の十分な溶出が達成できるからである。より好ましくは、65℃以上であり、さらに好ましくは70℃以上において行われる。工程2においても加圧することは可能ではあるが、炊き出し感を失うことになるので、常圧で行うことが好ましい。
工程1および工程2を経て得られる豚皮抽出物は、常温において、溶液分(水溶性の成分が溶解した水性の液の相。水相、エキス分と称されることもある。)と脂分(脂溶性の成分が溶解した非水性の液状の相。油脂相、油相、脂相と称されることもある。)とが混ざり合っており、全体が白濁しており、粘度が比較的高い状態である。特に乳化剤を加えなくても、また乳化処理を行わなくても、混合状態は比較的安定である。また、脂分と溶液分とは分離できるが、撹拌することにより容易に安定な混合状態にすることができる。例えば、このような豚皮抽出物は、凍結することができ、凍結した際には脂分と溶液分とが分離しうるが、凍結物を融解し、撹拌すれば、再度安定な混合状態とすることができる。
豚皮抽出物はそのままで、又は食品として許容される種々の呈味性添加物、例えば、食塩、砂糖、各種うまみ調味料(例えば、グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸及びそれらの水溶性の塩)を添加して、調味料として用いるのに適した組成物(調味料組成物)とすることができる。このような調味料組成物における豚皮抽出物の含量は、0.1%以上であり、好ましくは1%以上であり、典型的には3.0~100%である。
本発明の製造方法により得られた調味料組成物は、種々の食品に対して用いることができる。食品への添加量は、効果を発揮しうる限り様々とすることができるが、典型的な例は、本発明の調味料組成物(液状)相当として、0.01~5.0%であり、好ましくは0.05~4.0%であり、より好ましくは0.1~3.0%である。
豚皮抽出物の製造に際し、加熱条件の検討を行った。
なお、豚皮が溶解し、全体が撹拌可能になった時点から、撹拌を行った。
また、5時間後の抽出液を採取し、その外観、状況を観察した。
実施例1と同様の比の豚皮と水を、95℃で5時間加熱し、抽出を行った。その後、さらに加熱して抽出することについて検討した。各温度で12時間加熱した際の抽出液を採取し、特性の変化を観察した。
実施例の結果から、製造工程を以下のように決定した。
凍結されている豚皮1250kgおよび水1250kgを加熱ニーダーに投入し、常圧で90℃で5時間加熱し、さらに85℃で12時間、加熱した。この加熱処理された抽出液に、酸化防止剤(ミックストコフェロール)を0.5質量%となるように添加し、ストレーナで抽出液中の残存した固形物を除去した。加水などによりBrixを20に調整した後、加熱殺菌したものを豚皮抽出物とした。ここから、1440kgの豚皮抽出物を得ることができた。
実施例2の試験区2-3で製造された豚皮抽出物(以下、実施例2で製造された豚皮抽出物というときは、これを指す。)について、下記の方法で成分を分析した。
タンパク質;ケルダール法
粗脂肪;ソックスレー抽出法
灰分:直接灰化法
塩分:電位差滴定法
水分;常圧乾燥減量法
(2)チキンブロスCS-201(富士食品工業):鶏肉から抽出したエキス
(3)ポークエキスJP(ジャパンエコロジーシンキング):豚骨から抽出したエキス
(4)豚コクだしNo.1(あみ印):豚皮から抽出したエキス
上記実施例2で製造された豚皮抽出物の窒素量、およびヒドロキシプロリン量を測定した。2-a~2-dは、実施例2で製造された豚皮抽出物の製造バッチ違いである。
コラーゲンタンパク質のみに含まれるヒドロキシプロリン(以下Hypと略記)を測定することにより、コラーゲン量を求めた。豚コラーゲンのアミノ酸1000残基中のHypは93.6残基であることから、含有率は13.56%であり、Hypからのコラーゲンへの換算係数を7.38として計算した。なお、鶏由来のエキスについても同様に換算した。(服部他;FRAGRANCE JOURNAL 11月、52-57、2001)
試料0.5gに6N塩酸10mlを加え、減圧封管、110℃、24時間、加水分解し、塩酸を除去した後に25mlにメスアップし、さらに4倍希釈した後、その0.05mlを用い、ジメチルアミノベンズアルデヒド比色法で定量した。(Kivrikko,K.I.(1967) Anal.Biochem.19,249 Inayama,S. (1978) Keio J. Med, 27, 43)
[実施例4:ラーメンスープ]
ラーメンスープ(拉麺だれ極み汐 富士食品工業(株))に実施例3の豚皮抽出物を下表の量で添加した。熟練されたパネラー10名で、豚皮抽出物を添加しない対照区と比較して、甘味、塩味、匂い(香ばしさ)について官能評価を行った。評価結果を下表に示した。
ラーメンスープ(鉄人とんこつ醤油、富士食品工業(株))と中華麺(NEW 中華麺 200g、テーブルマーク(株))を用いて製造したラーメンの官能評価を行った。熟練されたパネラー6名で、塩味、うま味、香ばしさについて評価を行った。
元になるスープ(豚骨から12時間抽出したもの、95℃)に、実施例2で製造された豚皮抽出物等を以下のように添加し、効果を検証した
下記の配合のチャーハンを作製し、5名のパネラーが試食し、評価した。
下記の配合のお好み焼きを作製し、5名のパネラーが試食し、評価した。
下記配合の豚皮抽出物を添加したものと無添加の焼きそばを作成し、5名のパネラーが試食し、評価した。
Claims (12)
- 豚皮1に対して水0.3~10重量部を含む原料を、80℃以上100℃未満で4~8時間、加熱する工程1;および
工程1の後に行われる、65℃以上95℃未満で、6~24時間、加熱する工程2
を含み、
工程1および工程2を経て得られる豚皮抽出物が、原料の1/5~4/5重量部である、
豚皮抽出物を含有する調味料組成物の製造方法。 - 工程1および工程2を経て得られる豚皮抽出物が、乳化状態または懸濁状態である、請求項1に記載の製造方法。
- 工程1および工程2を経て得られる豚皮抽出物が、粗脂肪分を8~21%含む、請求項1または2に記載の製造方法。
- 工程1および工程2を経て得られる豚皮抽出物が、コラーゲンまたはゼラチンを8~11%含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の製造方法。
- 工程1が、92~98℃で4~6時間行われる、請求項1~4のいずれか1項に記載の製造方法。
- 工程2が、70~85℃で8~16時間行われる、請求項1~5のいずれか1項に記載の製造方法。
- 調味料組成物が乳化剤を含まない、請求項1~6のいずれか1項に記載の製造方法。
- 豚皮1に対して水0.3~10重量部を含む原料を、80℃以上100℃未満で4~8時間、加熱する工程1;および
工程1の後に行われる、65℃以上95℃未満で、6~24時間、加熱する工程2
を含み、
工程1および工程2を経て得られる豚皮抽出物を、原料の1/5~4/5重量部とする、
豚皮抽出物の改良方法。 - 炊き出し感またはコクの増強能の向上のための、請求項8に記載の改良方法。
- 豚皮1に対して水0.3~10重量部を含む原料を、80℃以上100℃未満で4~8時間、加熱する工程1;
工程1の後に行われる、65℃以上95℃未満で、6~24時間、加熱する工程2;および
工程1および工程2を経て得られた豚皮抽出物を含む調味料組成物を原材料として用いて食品を製造する工程
を含む、食品の製造方法。 - 調味料組成物が乳化剤を含まない、請求項10に記載の製造方法。
- 炊き出し感またはコクの向上した食品を製造するための、請求項10または11に記載の製造方法。
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