JP6414583B2 - 食用油脂及びその製造方法並びにこれを用いた油脂加工食品 - Google Patents
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Description
さらに高甘味度甘味料を水溶液の状態で添加し、食用油脂中に高甘味度甘味料を含有させた食用油脂を得、上記油脂を用いることで油性感の改善する方法も考案されている。(特許文献4参照)しかし添加物は高甘味度甘味料であり、本発明とは全く異なるものである。
(1)HLB値が12〜17である油脂難溶性乳化剤としてポリグリセリン脂肪酸エステル及び/又はショ糖脂肪酸エステルを含有する食用油脂、
(2)HLB値が12〜17である油脂難溶性乳化剤としてポリグリセリン脂肪酸エステル及び/又はショ糖脂肪酸エステルを5〜750ppm含有する食用油脂、
(3)(1)又は(2)に記載の食用油脂を用いた油脂加工食品、
(4)チョコレート類である(3)記載の油脂加工食品、
(5)ホワイトチョコレート類又はミルクチョコレート類である(4)記載の油脂加工食品、
(6)乳化物製品である(5)記載の油脂加工食品、
(7)水性媒体を用いた油脂難溶性乳化剤の溶液を食用油脂に添加、分散させることを特徴とする食用油脂の製造方法である。
このような油脂難溶性の乳化剤としてはHLB値が12〜17の乳化剤を挙げることが出来、例えば、デカグリセリンモノラウレート、デカグリセリンモノミリステート、デカグリセリンモノパルミテート、デカグリセリンモノステアレート、デカグリセリンモノオレエート等の、グリセリンの重合度が通常4以上、好ましくは4〜12のポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖モノミリスチン酸エステル、ショ糖モノパルミチン酸エステル、ショ糖モノステアリン酸エステル、ショ糖モノオレイン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステルが挙げられる。
これらは2以上を組み合わせて使用してもよい。特にHLB値が13〜16の油脂難溶性乳化剤を使用すると、油性感を低減する効果が大きい。また、HLB値の異なる乳化剤を組み合わせたり、ポリグリセリン脂肪酸エステルとショ糖脂肪酸エステルを組み合わせる場合に於いても、重量比から求めたHLB値が12〜17であれば、油性感低減効果を得ることができる。
また、構成脂肪酸としてはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸などの炭素数6〜22の飽和または不飽和の脂肪酸が挙げられる。構成脂肪酸は、炭素数12〜18の脂肪酸が好ましく、比較的融点の低いラウリン酸、ミリスチン酸、オレイン酸のエステルが好適であるが、複数組合せて使用しても良い。
また、抽出トコフェロール、アスコルビン酸パルミテート、カテキン等の酸化防止剤と併用することにより油脂難溶性乳化剤の添加効果を打ち消すことなく、酸化防止効果を付与できる。
この発明において、油脂難溶性乳化剤を添加する食用油脂としては、例えば、ナタネ油、大豆油、パーム油、綿実油、シア脂、サル脂、落花生油、ヒマワリ種子油、コーン油、サフラワー油、カポック油、月見草油、ヤシ油、パーム核油等の植物性油脂並びに牛脂、ラード、魚油、鯨油等の動物性油脂が例示でき、上記食用油脂の硬化、分別、エステル交換等を施した加工油脂または合成油脂であってもよく、液油から融点の高い油脂にいたるまで幅広い油脂が適応できる。これらの食用油脂は一般に精製された油脂であることが好ましい。
温度は低すぎると、乾燥ないし脱溶媒に要する時間が長くかかり、高すぎると乳化剤の種類によっては分解が生じその効果が乏しくなる。
(デカグリセリンオレイン酸エステル「13」含有ハードバターの作製法)
デカグリセリンオレイン酸エステル「13」(HLB13、三菱化学フーズ製「O−15D」)を水に加え、1%デカグリセリンオレイン酸エステル「13」水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し1%デカグリセリンオレイン酸エステル「13」水溶液を1重量部加えて混合し、ホモミキサー(TK ROBOMIX:プライミクス株式会社製)にて10000rpmx10分の撹拌を行った。その後、50℃、2Torrの減圧条件下で、攪拌しながら30分間脱水処理を行い、デカグリセリンオレイン酸エステルを100ppm含有するデカグリセリンオレイン酸エステル「13」含有ハードバターを作製した。このハードバターを食したところ、本来ハードバターが有していた油性感はほとんど感じられなかった。
比較例1として油脂難溶性乳化剤を含有しないハードバター(「メラノNEWSS7」)を用いる他は実施例1と同様にしてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このチョコレートを食したところ強い油性感が感じられた。
(デカグリセリンステアリン酸エステル「13」含有ハードバターの作製法)
デカグリセリンステアリン酸エステル(HLB13、三菱化学フーズ製「SWA−15D」)を水に加え、1%デカグリセリンステアリン酸エステル「13」水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し1%デカグリセリンステアリン酸エステル「13」水溶液を1重量部加えた他は実施例1と同様にして、デカグリセリンステアリン酸エステル「13」を100ppm含有するデカグリセリンステアリン酸エステル「13」含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、本来ハードバターが有していた油性感はほとんど感じられなかった。このチョコレートを食したところ、油性感が弱く、すっきりした良好な乳風味が感じられた。
(デカグリセリンステアリン酸エステル「12」含有ハードバターの作製法)
デカグリセリンステアリン酸エステル(HLB12、理研ビタミン製「ポエムJ−0081HV」)を水に加え、1%デカグリセリンステアリン酸エステル「12」水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し1%デカグリセリンステアリン酸エステル「12」水溶液を1重量部加えた他は実施例1と同様にして、デカグリセリンステアリン酸エステル「12」を100ppm含有するデカグリセリンステアリン酸エステル「12」含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、本来ハードバターが有していた油性感はほとんど感じられなかった。このチョコレートを食したところ、油性感が弱く、すっきりした良好な乳風味が感じられた。
(デカグリセリンオレイン酸エステル「12」含有ハードバターの作製法)
デカグリセリンオレイン酸エステル(HLB12、理研ビタミン製「ポエムJ−0381V」)を水に加え、1%デカグリセリンオレイン酸エステル「12」水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し1%デカグリセリンオレイン酸エステル「12」水溶液を1重量部加えた他は実施例1と同様にして、デカグリセリンオレイン酸エステル「12」を100ppm含有するデカグリセリンオレイン酸エステル「12」含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、本来ハードバターが有していた油性感はほとんど感じられなかった。このチョコレートを食したところ、油性感が弱く、すっきりした良好な乳風味が感じられた。
(デカグリセリンミリスチン酸エステル「15」含有ハードバターの作製法)
デカグリセリンミリスチン酸エステル(HLB15、三菱化学フーズ製「M−10D」)を水に加え、1%デカグリセリンミリスチン酸エステル「15」水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し1%デカグリセリンミリスチン酸エステル「15」水溶液を1重量部加えた他は実施例1と同様にして、デカグリセリンミリスチン酸エステル「15」を100ppm含有するデカグリセリンミリスチン酸エステル「15」含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、本来ハードバターが有していた油性感はほとんど感じられなかった。このチョコレートを食したところ、油性感が弱く、すっきりした良好な乳風味が感じられた。
(デカグリセリンラウリン酸エステル「16」含有ハードバターの作製法)
デカグリセリンラウリン酸エステル(HLB16、三菱化学フーズ製「L−10D」)を水に加え、1%デカグリセリンラウリン酸エステル「16」水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し1%デカグリセリンラウリン酸エステル「16」水溶液を1重量部加えた他は実施例1と同様にして、デカグリセリンラウリン酸エステル「16」を100ppm含有するデカグリセリンラウリン酸エステル「16」含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、本来ハードバターが有していた油性感はほとんど感じられなかった。このチョコレートを食したところ、油性感が弱く、すっきりした良好な乳風味が感じられた。
(デカグリセリンモノパルミテート「16」含有ハードバターの作製法)
デカグリセリンモノパルミテート(HLB16、三菱化学フーズ製「P−8D」)を水に加え、1%デカグリセリンモノパルミテート「16」水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し1%デカグリセリンモノパルミテート「16」水溶液を1重量部加えた他は実施例1と同様にして、デカグリセリンモノパルミテート「16」を100ppm含有するデカグリセリンモノパルミテート「16」含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、本来ハードバターが有していた油性感はほとんど感じられなかった。このチョコレートを食したところ、油性感が弱く、すっきりした良好な乳風味が感じられた。
(デカグリセリンラウリン酸エステル「17」含有ハードバターの作製法)
デカグリセリンラウリン酸エステル(HLB17、三菱化学フーズ製「L−7D」)を水に加え、1%デカグリセリンラウリン酸エステル「17」水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し1%デカグリセリンラウリン酸エステル「17」水溶液を1重量部加えた他は実施例1と同様にして、デカグリセリンラウリン酸エステル「17」を100ppm含有するデカグリセリンラウリン酸エステル「17」含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、本来ハードバターが有していた油性感はほとんど感じられなかった。このチョコレートを食したところ、油性感が弱く、すっきりした良好な乳風味が感じられた。
(ショ糖ミリスチン酸エステル「16」含有ハードバターの作製法)
ショ糖ミリスチン酸エステル(HLB16、三菱化学フーズ製「M−1695」)を水に加え、1%ショ糖ミリスチン酸エステル「16」水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し1%ショ糖ミリスチン酸エステル「16」水溶液を1重量部加えた他は実施例1と同様にして、ショ糖ミリスチン酸エステル「16」を100ppm含有するショ糖ミリスチン酸エステル「16」含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、本来ハードバターが有していた油性感はほとんど感じられなかった。このチョコレートを食したところ、油性感が弱く、すっきりした良好な乳風味が感じられた。
(ショ糖ラウリン酸エステル「16」含有ハードバターの作製法)
ショ糖ラウリン酸エステル(HLB16、三菱化学フーズ製「L−1695」)を水に加え、1%ショ糖ラウリン酸エステル「16」水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し1%ショ糖ラウリン酸エステル「16」水溶液を1重量部加えた他は実施例1と同様にして、ショ糖ラウリン酸エステル「16」を100ppm含有するショ糖ラウリン酸エステル「16」含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、本来ハードバターが有していた油性感はほとんど感じられなかった。このチョコレートを食したところ、油性感が弱く、すっきりした良好な乳風味が感じられた。
(デカグリセリンラウリン・オレイン酸混合エステル「14.5」含有ハードバターの作製法)
デカグリセリンオレイン酸エステル(HLB13、三菱化学フーズ製「O−15D」)0.5部とデカグリセリンラウリン酸エステル(HLB16、三菱化学フーズ製「L−10D」)0.5部を水99部に加え、1%デカグリセリンラウリン・オレイン酸混合エステル「14.5」水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し1%デカグリセリンラウリン・オレイン酸混合エステル「14.5」水溶液を1重量部加えた他は実施例1と同様にして、デカグリセリンオレイン酸エステル50ppmとデカグリセリンラウリン酸エステルを50ppm含有するデカグリセリンラウリン・オレイン酸混合エステル「14.5」含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、本来ハードバターが有していた油性感はほとんど感じられなかった。このチョコレートを食したところ、油性感が弱く、すっきりした良好な乳風味が感じられた。
(デカグリセリン・ショ糖混合ミリスチン酸エステル「15.5」含有ハードバターの作製法)
デカグリセリンミリスチン酸エステル(HLB15、三菱化学フーズ製「M−10D」)0.5部とショ糖ミリスチン酸エステル(HLB16、三菱化学フーズ製「M−1695」)0.5部を水99部に加え、1%デカグリセリン・ショ糖混合ミリスチン酸エステル「15.5」水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し1%デカグリセリン・ショ糖混合ミリスチン酸エステル「15.5」水溶液を1重量部加えた他は実施例1と同様にして、デカグリセリンミリスチン酸エステル50ppmとショ糖ミリスチン酸エステルを50ppm含有するデカグリセリン・ショ糖混合ミリスチン酸エステル「15.5」含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、本来ハードバターが有していた油性感はほとんど感じられなかった。このチョコレートを食したところ、油性感が弱く、すっきりした良好な乳風味が感じられた。
(ショ糖含有ハードバターの作製法)
ショ糖(スクロース、和光純薬製)を水に加え、1%ショ糖水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し1%ショ糖水溶液を1重量部加えた他は実施例1と同様にして、ショ糖を100ppm含有するショ糖含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、強い油性感が感じられた。このチョコレートを食したところ、強い油性感が感じられた。
(ジグリセリンオレイン酸エステル「7」含有ハードバターの作製法)
ジグリセリンオレイン酸エステル(HLB7、理研ビタミン製「ポエムDO−100V」)を水に加え、1%ジグリセリンオレイン酸エステル「7」水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し1%ジグリセリンオレイン酸エステル「7」水溶液を1重量部加えた他は実施例1と同様にして、グリセリンオレイン酸エステル「7」を100ppm含有するジグリセリンオレイン酸エステル「7」含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、強い油性感が感じられた。このチョコレートを食したところ、強い油性感が感じられた。
(グリセリンオレイン酸エステル「10」含有ハードバターの作製法)
ジグリセリンオレイン酸エステル(HLB7、理研ビタミン製「ポエムDO−100V」)0.4部とデカグリセリンオレイン酸エステル(HLB12、理研ビタミン製「ポエムJ−0381V」)0.6部を水99部に加え、1%グリセリンオレイン酸エステル「10」水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し1%グリセリンオレイン酸エステル「10」水溶液を1重量部加えた他は実施例1と同様にして、グリセリンオレイン酸エステル「10」を100ppm含有するグリセリンオレイン酸エステル「10」含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、強い油性感が感じられた。このチョコレートを食したところ、強い油性感が感じられた。
(ステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン「16」含有ハードバターの作製法)
ステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(HLB16、日本油脂製「TF−60」)を水に加え、1%ステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン「16」水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し1%ステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン「16」水溶液を1重量部加えた他は実施例1と同様にして、ステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン「16」を100ppm含有するステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン「16」含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、強い油性感が感じられた。このチョコレートを食したところ、強い油性感が感じられた。
(オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン「16」含有ハードバターの作製法)
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(HLB16、日本油脂製「TF−80」)を水に加え、1%オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン「16」水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し1%オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン「16」水溶液を1重量部加えた他は実施例1と同様にして、オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン「16」を100ppm含有するオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン「16」含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、強い油性感が感じられた。このチョコレートを食したところ、強い油性感が感じられた。
比較例1で用いたホワイトチョコレートと同じ配合にデカグリセリンオレイン酸エステル(HLB13、三菱化学フーズ製「O−15D」)を25ppmを加え、定法により作製したチョコレート80部に対し、油脂難溶性乳化剤無添加のハードバター(「メラノNEWSS7」)20部を加え、シード(「チョコシードA」)テンパリング処理し冷却後、1週間のエージングを経てホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このチョコレートを食したところ油性感が強く感じられた。
比較例1で用いたホワイトチョコレートと同じ配合にショ糖ミリスチン酸エステル(HLB16、三菱化学フーズ製「M−1695」)を25ppmを加え、定法により作製したチョコレート80部に対し、油脂難溶性乳化剤無添加のハードバター(「メラノNEWSS7」)20部を加え、シード(「チョコシードA」)テンパリング処理し冷却後、1週間のエージングを経てホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このチョコレートを食したところ油性感が強く感じられた。
(デカグリセリンオレイン酸エステル、アスコルビン酸含有ハードバター)
デカグリセリンオレイン酸エステル(HLB13、三菱化学フーズ製「O−15D」)1部とアスコルビン酸(L−アスコルビン酸;和光純薬製)1部を水に加え、各1%デカグリセリンオレイン酸エステル、アスコルビン酸水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し各1%デカグリセリンオレイン酸エステル、アスコルビン酸水溶液を1重量部加えた他は実施例1と同様にして、デカグリセリンオレイン酸エステルを100ppm、アスコスビン酸を100ppm含有するデカグリセリンオレイン酸エステル、アスコルビン酸含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、本来ハードバターが有していた油性感はほとんど感じられなかった。このチョコレートを食したところ、油性感が弱く、すっきりした良好な乳風味が感じられた。
(デカグリセリンオレイン酸エステル、スクラロース含有ハードバター)
デカグリセリンオレイン酸エステル(HLB13、三菱化学フーズ製「O−15D」)1部とスクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ製「サンスイートSU−100」)1部を水に加え、各1%デカグリセリンオレイン酸エステル、スクラロース水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し各1%デカグリセリンオレイン酸エステル、スクラロース水溶液を1重量部加えた他は実施例1と同様にして、デカグリセリンオレイン酸エステルを100ppm、スクラロースを100ppm含有するデカグリセリンオレイン酸エステル、スクラロース含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、本来ハードバターが有していた油性感はほとんど感じられなかった。このチョコレートを食したところ、油性感が弱く、すっきりした良好な乳風味が感じられた。
また、実施例13〜14は、比較例1及び実施例1に比べて、油性感が少なかった。これより、油脂難溶性乳化剤とアスコルビン酸あるいはスクラロースを組み合わせることで油性感低減効果を更に増強できることが分かる。
(デカグリセリンオレイン酸エステル「13」(500ppm)含有ハードバターの作製法)
デカグリセリンオレイン酸エステル「13」(HLB13、三菱化学フーズ製「O−15D」)を水に加え、5%デカグリセリンオレイン酸エステル「13」水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し5%デカグリセリンオレイン酸エステル「13」水溶液を1重量部加えた他は実施例1と同様にして、デカグリセリンオレイン酸エステル「13」を500ppm含有するデカグリセリンオレイン酸エステル「13」(500ppm)含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、本来ハードバターが有していた油性感はほとんど感じられなかった。このチョコレートを食したところ、油性感が弱く、すっきりした良好な乳風味が感じられた。
(デカグリセリンオレイン酸エステル「13」(250ppm)含有ハードバターの作製法)
デカグリセリンオレイン酸エステル「13」(HLB13、三菱化学フーズ製「O−15D」)を水に加え、2.5%デカグリセリンオレイン酸エステル「13」水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し2.5%デカグリセリンオレイン酸エステル「13」水溶液を1重量部加えた他は実施例1と同様にして、デカグリセリンオレイン酸エステル「13」を250ppm含有するデカグリセリンオレイン酸エステル「13」(250ppm)含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、本来ハードバターが有していた油性感はほとんど感じられなかった。このチョコレートを食したところ、油性感が弱く、すっきりした良好な乳風味が感じられた。
(デカグリセリンオレイン酸エステル「13」(50ppm)含有ハードバターの作製法)
デカグリセリンオレイン酸エステル「13」(HLB13、三菱化学フーズ製「O−15D」)を水に加え、0.5%デカグリセリンオレイン酸エステル「13」水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し0.5%デカグリセリンオレイン酸エステル「13」水溶液を1重量部加えた他は実施例1と同様にして、デカグリセリンオレイン酸エステル「13」を50ppm含有するデカグリセリンオレイン酸エステル「13」(50ppm)含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、本来ハードバターが有していた油性感はほとんど感じられなかった。このチョコレートを食したところ、油性感が弱く、すっきりした良好な乳風味が感じられた。
(デカグリセリンオレイン酸エステル「13」(25ppm)含有ハードバターの作製法)
デカグリセリンオレイン酸エステル「13」(HLB13、三菱化学フーズ製「O−15D」)を水に加え、0.5%デカグリセリンオレイン酸エステル「13」水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し0.5%デカグリセリンオレイン酸エステル「13」水溶液を0.5重量部加えた他は実施例1と同様にして、デカグリセリンオレイン酸エステル「13」を25ppm含有するデカグリセリンオレイン酸エステル「13」(25ppm)含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、本来ハードバターが有していた油性感は弱かった。このチョコレートを食したところ、油性感が弱く、すっきりした良好な乳風味が感じられた。
(デカグリセリンオレイン酸エステル「13」(5ppm)含有ハードバターの作製法)デカグリセリンオレイン酸エステル「13」(HLB13、三菱化学フーズ製「O−15D」)を水に加え、0.1%デカグリセリンオレイン酸エステル「13」水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し0.1%デカグリセリンオレイン酸エステル「13」水溶液を0.5重量部加えた他は実施例1と同様にして、デカグリセリンオレイン酸エステル「13」を5ppm含有するデカグリセリンオレイン酸エステル「13」(5ppm)含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、本来ハードバターが有していた油性感は弱かった。このチョコレートを食したところ、油性感が弱く、すっきりした良好な乳風味が感じられた。
(デカグリセリンオレイン酸エステル「13」(1ppm)含有ハードバターの作製法)デカグリセリンオレイン酸エステル「13」(HLB13、三菱化学フーズ製「O−15D」)を水に加え、0.1%デカグリセリンオレイン酸エステル「13」水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し0.1%デカグリセリンオレイン酸エステル「13」水溶液を0.1重量部加えた他は実施例1と同様にして、デカグリセリンオレイン酸エステル「13」を5ppm含有するデカグリセリンオレイン酸エステル「13」(1ppm)含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、本来ハードバターが有していた油性感はやや強く感じられた。このチョコレートを食したところ油性感がやや強く感じられた。
実施例21として、溶解したホワイトチョコレート(不二製油株式会社製/油分約34%)80部に、実施例1で作製したデカグリセリンオレイン酸エステル「13」含有ハードバターを10部、ハードバター(不二製油株式会社製/商品名「BST−DP」)10部を混合し、品温を31℃に温調し、そこにシード剤(不二製油株式会社製/商品名「チョコシードA」)をチョコレートに対し0.2部を加えテンパリング処理し、卓上型ミキサーにてホイップ処理を行い比重を0.8g/mlに調製し、冷却後、1週間のエージングを経てホイップチョコレートを得た。
比較例10として油脂難溶性乳化剤を含有しないハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)を用いる他は実施例21と同様にしてホイップチョコレートを得た。実施例21のホイップチョコレートは、比較例10のホイップチョコレートに比較し、油性感が大幅に低下し、すっきりした良好な乳風味が感じられた。
(デカグリセリンオレイン酸エステル「13」含有パーム油の作製法)
実施例22として、デカグリセリンオレイン酸エステル「13」(HLB13、三菱化学フーズ製「O−15D」)を水に加え、1%デカグリセリンオレイン酸エステル「13」水溶液を作製する。次いで70℃に加温したパーム油(不二製油株式会社製/商品名「精製パーム油」)100重量部に対し1%デカグリセリンオレイン酸エステル「13」水溶液を1重量部加えて混合し、ホモミキサー(TK ROBOMIX:プライミクス株式会社製)にて10000rpmx10分の撹拌を行った。その後、70℃、2Torrの減圧条件下で、攪拌しながら30分間脱水処理を行い、デカグリセリンオレイン酸エステルを100ppm含有するデカグリセリンオレイン酸エステル「13」含有パーム油を作製した。このパーム油を食したところ、本来パーム油が有していた油性感はほとんど感じられなかった。
比較例11として、油脂難溶性乳化剤を含有しないパーム油(不二製油株式会社製/商品名「精製パーム油」)を用いる他は実施例22と同様にして焼菓子を得た。実施例22の焼菓子は、比較例11の焼菓子に比較し、油性感が大幅に低下し、すっきりと素材である小麦粉の味が良く感じられた。
これにより多様化した油脂加工食品、特に比較的油分の高い(油分30%以上)食品や、乳固形分を含む食品に応用したり、光や空気、熱に長時間曝される陳列環境に曝されている商品に応用することで油性感の増加が抑制できる。
Claims (8)
- HLB値が12〜17である油脂難溶性乳化剤としてポリグリセリン脂肪酸エステル及び/又はショ糖脂肪酸エステルを5〜750ppm含有する食用油脂の製造方法であって、油脂難溶性乳化剤を含有する水性媒体溶液を、食用油脂100重量部に対し、1重量部以下の量で添加、分散させることを特徴とする食用油脂の製造方法。
- 前記水性媒体溶液が油脂難溶性乳化剤を1重量%を超えかつ60重量%以下の量で含有する請求項1記載の食用油脂の製造方法。
- 前記油脂難溶性乳化剤を5ppm以上500ppm未満の量で含有する請求項2記載の食用油脂の製造方法。
- 前記水性媒体溶液を食用油脂に添加、分散後、乾燥又は脱溶剤してなる請求項1に記載の食用油脂の製造方法。
- 請求項1に記載の製造方法で製造された食用油脂を配合してなる油脂加工食品の製造方法。
- チョコレート類である請求項5記載の油脂加工食品の製造方法。
- ホワイトチョコレート類又はミルクチョコレート類である請求項6記載の油脂加工食品の製造方法。
- 乳化物製品である請求項5記載の油脂加工食品の製造方法。
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