JP6414583B2 - 食用油脂及びその製造方法並びにこれを用いた油脂加工食品 - Google Patents

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Description

この発明は、油性感を軽減した食用油脂の製造方法に関する。さらに詳しくは、精製油脂の油性感を減少させることにより、特定の食品用に限定されることなく幅広く使用できる食用油脂を製造する方法に関するものである。
一般の食用油脂は、常法により精製された場合においても、実際には各々食用油脂固有の油っぽさがあり、幾分でも好ましくない油味を有することがあり、しかも、かかる不快な油味は経時的に増加するという欠点を有する。また、代表的な油脂加工食品であるチョコレートは、典型的にはカカオマス、ココアバター、砂糖、粉乳等から製造される。これに対し、チョコレートの物性改良や原料コストの節約の目的から、ココアバターの一部または全部をハードバターや、さらに他の食用油脂に置き換えることも一般的に行われる。このうちカカオ成分をほとんど用いない、チョコレート類も存在する(以下においてチョコレート類というときは、各国の法令や規格の規定にかかわらず、所謂準チョコレート等も含包して呼称する)。近年のチョコレート菓子は単独で食されるだけでなく他の食品、例えば焼き菓子等と組み合わせたものや、含気泡チョコレート、冬季限定の低融点化チョコレートといった商品も多く見られる。
このような多様なチョコレート菓子を製造するためには、ハードバターをはじめとする多種多様な食用油脂を用いてチョコレートの物性を改良する機会も増加しており、特に油分を増加させた場合には、油性感(油っぽさ・油くささ)が強くなる傾向にある。さらに同じ油分であってもビターチョコレート(スイートチョコレート、ブラックチョコレート)に比べ、乳成分の多いミルクチョコレートやカカオマスやココアを全く含まないホワイトチョコレートのほうが、油性感が強い傾向にある。また、光や空気、熱に長時間曝されるとよりこの傾向は顕著となる。
食用油脂の油性感を低減させる方法、あるいは経時的に増加する油性感を抑制する方法については、様々な試みがなされている。実際に食用油脂の酸化を酸化防止剤にて抑制し、酸化によって発生する悪風味を低減させる方法はかなり以前よりなされている。(例えば、特許文献1参照)しかし、用いる酸化防止剤が特殊な上、酸化防止自体に対しての効果を期待したものであるため、本件にて目標とする油性感の低減には触れられていない。食用油脂に乳製品粉末と還元糖を添加したものを混合・加熱処理を施すことでコク味を呈した風味油とすることにより硬化臭をマスキングすること技術が考案されている。(例えば、特許文献2参照)しかし、還元糖と乳製品粉末の組合せが必須であり、しかも強い風味が付く為に用途が限定される。
他にもアスコルビン酸等の有機酸溶液を減圧下、攪拌しながら脱溶媒することで得られる有機酸の含まれた食用油脂で油性感の改善する方法も考案されている。(例えば、特許文献3参照)しかし添加物は有機酸であり、当発明とは全く異なるものであった。
さらに高甘味度甘味料を水溶液の状態で添加し、食用油脂中に高甘味度甘味料を含有させた食用油脂を得、上記油脂を用いることで油性感の改善する方法も考案されている。(特許文献4参照)しかし添加物は高甘味度甘味料であり、本発明とは全く異なるものである。
特開平9−87619号公報 特開平7−46961号公報 特開2003−235447号公報 特開2005−204511号公報
本発明の目的は、上記する如く食用油脂本来が好ましくない風味を有するという欠点を解決するとともに、チョコレート等を用いた油脂加工食品等の油性感を改善し、それに適した食用油脂を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、本来、油脂に難溶性であるHLB値が高い乳化剤を食用油脂に含有させることで、チョコレート等の油脂加工食品の油性感を大きく軽減できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)HLB値が12〜17である油脂難溶性乳化剤としてポリグリセリン脂肪酸エステル及び/又はショ糖脂肪酸エステルを含有する食用油脂、
(2)HLB値が12〜17である油脂難溶性乳化剤としてポリグリセリン脂肪酸エステル及び/又はショ糖脂肪酸エステルを5〜750ppm含有する食用油脂、
(3)(1)又は(2)に記載の食用油脂を用いた油脂加工食品、
(4)チョコレート類である(3)記載の油脂加工食品、
(5)ホワイトチョコレート類又はミルクチョコレート類である(4)記載の油脂加工食品、
(6)乳化物製品である(5)記載の油脂加工食品、
(7)水性媒体を用いた油脂難溶性乳化剤の溶液を食用油脂に添加、分散させることを特徴とする食用油脂の製造方法である。
本発明によって、特殊な添加剤を多量に使用することなく、平易な方法で、油性感の低減し、あるいは経時的に油性感が増加しにくい食用油脂またはその食用油脂を用いた油脂加工食品が得られる。
本発明は油脂に油脂難溶性乳化剤を含有させることを特徴とし、油脂難溶性とは油脂にほとんど溶解しないか、ごく微量しか溶解させることができない水溶性の性質を示すものを表す。
このような油脂難溶性の乳化剤としてはHLB値が12〜17の乳化剤を挙げることが出来、例えば、デカグリセリンモノラウレート、デカグリセリンモノミリステート、デカグリセリンモノパルミテート、デカグリセリンモノステアレート、デカグリセリンモノオレエート等の、グリセリンの重合度が通常4以上、好ましくは4〜12のポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖モノミリスチン酸エステル、ショ糖モノパルミチン酸エステル、ショ糖モノステアリン酸エステル、ショ糖モノオレイン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステルが挙げられる。
これらは2以上を組み合わせて使用してもよい。特にHLB値が13〜16の油脂難溶性乳化剤を使用すると、油性感を低減する効果が大きい。また、HLB値の異なる乳化剤を組み合わせたり、ポリグリセリン脂肪酸エステルとショ糖脂肪酸エステルを組み合わせる場合に於いても、重量比から求めたHLB値が12〜17であれば、油性感低減効果を得ることができる。
また、構成脂肪酸としてはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸などの炭素数6〜22の飽和または不飽和の脂肪酸が挙げられる。構成脂肪酸は、炭素数12〜18の脂肪酸が好ましく、比較的融点の低いラウリン酸、ミリスチン酸、オレイン酸のエステルが好適であるが、複数組合せて使用しても良い。
油脂難溶性乳化剤の含有量は、食用油脂中5ppm以上含有するのが良く、少なすぎると油性感を減少させる効果に乏しい。また油脂難溶性乳化剤は油脂に溶解しなくい性質のため、あまり多量に含有させることは困難であり、通常750ppmより少ない。またこれら油脂難溶性乳化剤は、固体・粉体の状態のものを単純に食用油脂中に分散させた状態では効果の発現が十分でなく、好ましくは以下に述べるように、水性媒体の溶液にして食用油脂中に分散させる方が良い。
上記油脂難溶性乳化剤以外に、アスコルビン酸、エリソルビン酸、リンゴ酸等の有機酸や、がスクラロース、アセスルファムカリウム、ソーマチン、アスパルテーム等の高甘味度甘味料を併用することで、油脂難溶性乳化剤の添加効果を増加させることができる。その場合の適した使用量は通常10〜1000ppmの範囲にあるとよい。
また、抽出トコフェロール、アスコルビン酸パルミテート、カテキン等の酸化防止剤と併用することにより油脂難溶性乳化剤の添加効果を打ち消すことなく、酸化防止効果を付与できる。
この発明において、油脂難溶性乳化剤を添加する食用油脂としては、例えば、ナタネ油、大豆油、パーム油、綿実油、シア脂、サル脂、落花生油、ヒマワリ種子油、コーン油、サフラワー油、カポック油、月見草油、ヤシ油、パーム核油等の植物性油脂並びに牛脂、ラード、魚油、鯨油等の動物性油脂が例示でき、上記食用油脂の硬化、分別、エステル交換等を施した加工油脂または合成油脂であってもよく、液油から融点の高い油脂にいたるまで幅広い油脂が適応できる。これらの食用油脂は一般に精製された油脂であることが好ましい。
本発明の油脂難溶性乳化剤を含有してなる食用油脂の好ましい製造法としては、例えば、デカグリセリンモノオレエートを含有してなる油脂を得ようとすれば、加温ないし加熱した油脂中にデカグリセリンモノオレエート溶液、最も通常にはデカグリセリンモノオレエート水溶液を加え、ホモミキサー等の分散機を用いデカグリセリンモノオレエート溶液を均一分散させ、温度50〜110℃、真空度0.5〜10Torrの条件で攪拌しながら乾燥ないし脱溶媒するのがよい。油脂難溶性乳化剤溶液の濃度は0.1〜60%で行うことができ、1〜40%が好ましい。低すぎると、油脂に対する水などの溶媒の量が多くなり生産効率の悪いものになってしまう。高すぎると、デカグリセリンモノオレエート溶液の粘度が高くなり、分散が難しくなる。
温度は低すぎると、乾燥ないし脱溶媒に要する時間が長くかかり、高すぎると乳化剤の種類によっては分解が生じその効果が乏しくなる。
真空度は高いほど短時間で乾燥することができる。熱安定性の油脂難溶性乳化剤については乾燥ないし脱溶媒時の温度を可及的に低くするか、もしくは以下に述べる方法で製造するのが好ましい。即ち別の製造法としては減圧脱水した油脂に上記範囲内で可及的高濃度にした油脂難溶性乳化剤の水溶液を加えて、分散させることで所期の効果を得ることが可能となる。
以上の如く、この発明によって得られる油性感を軽減した食用油脂は特定の食品用に限定されること無く、チョコレート用、クリーム用、フライ用、スプレー用等各種食品の用途に適した食用油脂として使用しうるものである。油脂加工食品が油性感の軽減を要求される食品であれば、この食用油脂を使用することにより食品の好ましい風味を強化、あるいは好ましくない風味を軽減することができる。中でも油性感を感じやすい場面での用途において特に適しており、比較的油分の高い(油分30%以上)食品や、乳固形分を含む食品、光や熱に長時間曝される油脂加工食品(例えば終日営業のコンビニエンスストアの棚置きされる油脂加工食品)等に、この油脂を使用することにより油性感を軽減する効果はよく顕現する。上記比較的油分の高い食品の例としてチョコレート類があげられ、一般にコーティングチョコレートやチョコレートを用いた乳化物であるガナッシュのように油分が30〜70%のものによくこの技術を応用できる。また同じ油分のチョコレート類であっても、ブラックチョコレートやスイートチョコレートよりは、ホワイトチョコレートやミルクチョコレートの方がより効果が大きい。
油脂難溶性乳化剤含有油脂のその利用食品への使用方法は特に限定されず、例えばチョコレート類の場合、融解した状態で他の全原料とともに混合し、あるいはコンチング後の追油として添加することができる。また前記乳化物の乳化型は特に限定はされないが油中水型、あるいは一部不安定な状態を含む乳化状態の組成物やそれを用いた製菓が例示される。
以下に実施例及び比較例を例示して、本発明効果をより一層明瞭にする。なお、例示中部及び%及びppmはいずれも重量基準を意味する。
(実施例1)
(デカグリセリンオレイン酸エステル「13」含有ハードバターの作製法)
デカグリセリンオレイン酸エステル「13」(HLB13、三菱化学フーズ製「O−15D」)を水に加え、1%デカグリセリンオレイン酸エステル「13」水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し1%デカグリセリンオレイン酸エステル「13」水溶液を1重量部加えて混合し、ホモミキサー(TK ROBOMIX:プライミクス株式会社製)にて10000rpmx10分の撹拌を行った。その後、50℃、2Torrの減圧条件下で、攪拌しながら30分間脱水処理を行い、デカグリセリンオレイン酸エステルを100ppm含有するデカグリセリンオレイン酸エステル「13」含有ハードバターを作製した。このハードバターを食したところ、本来ハードバターが有していた油性感はほとんど感じられなかった。
別に融解したホワイトチョコレート(不二製油株式会社製/油分約34%)80部に、上記のように作製したデカグリセリンオレイン酸エステル「13」含有ハードバター20部を加え、品温を31℃に温調し、そこにシード剤(不二製油株式会社製/商品名「チョコシードA」)をチョコレートに対し0.2部を加えテンパリング処理し冷却後、1週間のエージングを経てホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このチョコレートを食したところ、油性感が弱く、すっきりした良好な乳風味が感じられた。
(比較例1)
比較例1として油脂難溶性乳化剤を含有しないハードバター(「メラノNEWSS7」)を用いる他は実施例1と同様にしてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このチョコレートを食したところ強い油性感が感じられた。
(実施例2)
(デカグリセリンステアリン酸エステル「13」含有ハードバターの作製法)
デカグリセリンステアリン酸エステル(HLB13、三菱化学フーズ製「SWA−15D」)を水に加え、1%デカグリセリンステアリン酸エステル「13」水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し1%デカグリセリンステアリン酸エステル「13」水溶液を1重量部加えた他は実施例1と同様にして、デカグリセリンステアリン酸エステル「13」を100ppm含有するデカグリセリンステアリン酸エステル「13」含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、本来ハードバターが有していた油性感はほとんど感じられなかった。このチョコレートを食したところ、油性感が弱く、すっきりした良好な乳風味が感じられた。
(実施例3)
(デカグリセリンステアリン酸エステル「12」含有ハードバターの作製法)
デカグリセリンステアリン酸エステル(HLB12、理研ビタミン製「ポエムJ−0081HV」)を水に加え、1%デカグリセリンステアリン酸エステル「12」水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し1%デカグリセリンステアリン酸エステル「12」水溶液を1重量部加えた他は実施例1と同様にして、デカグリセリンステアリン酸エステル「12」を100ppm含有するデカグリセリンステアリン酸エステル「12」含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、本来ハードバターが有していた油性感はほとんど感じられなかった。このチョコレートを食したところ、油性感が弱く、すっきりした良好な乳風味が感じられた。
(実施例4)
(デカグリセリンオレイン酸エステル「12」含有ハードバターの作製法)
デカグリセリンオレイン酸エステル(HLB12、理研ビタミン製「ポエムJ−0381V」)を水に加え、1%デカグリセリンオレイン酸エステル「12」水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し1%デカグリセリンオレイン酸エステル「12」水溶液を1重量部加えた他は実施例1と同様にして、デカグリセリンオレイン酸エステル「12」を100ppm含有するデカグリセリンオレイン酸エステル「12」含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、本来ハードバターが有していた油性感はほとんど感じられなかった。このチョコレートを食したところ、油性感が弱く、すっきりした良好な乳風味が感じられた。
(実施例5)
(デカグリセリンミリスチン酸エステル「15」含有ハードバターの作製法)
デカグリセリンミリスチン酸エステル(HLB15、三菱化学フーズ製「M−10D」)を水に加え、1%デカグリセリンミリスチン酸エステル「15」水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し1%デカグリセリンミリスチン酸エステル「15」水溶液を1重量部加えた他は実施例1と同様にして、デカグリセリンミリスチン酸エステル「15」を100ppm含有するデカグリセリンミリスチン酸エステル「15」含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、本来ハードバターが有していた油性感はほとんど感じられなかった。このチョコレートを食したところ、油性感が弱く、すっきりした良好な乳風味が感じられた。
(実施例6)
(デカグリセリンラウリン酸エステル「16」含有ハードバターの作製法)
デカグリセリンラウリン酸エステル(HLB16、三菱化学フーズ製「L−10D」)を水に加え、1%デカグリセリンラウリン酸エステル「16」水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し1%デカグリセリンラウリン酸エステル「16」水溶液を1重量部加えた他は実施例1と同様にして、デカグリセリンラウリン酸エステル「16」を100ppm含有するデカグリセリンラウリン酸エステル「16」含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、本来ハードバターが有していた油性感はほとんど感じられなかった。このチョコレートを食したところ、油性感が弱く、すっきりした良好な乳風味が感じられた。
(実施例7)
(デカグリセリンモノパルミテート「16」含有ハードバターの作製法)
デカグリセリンモノパルミテート(HLB16、三菱化学フーズ製「P−8D」)を水に加え、1%デカグリセリンモノパルミテート「16」水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し1%デカグリセリンモノパルミテート「16」水溶液を1重量部加えた他は実施例1と同様にして、デカグリセリンモノパルミテート「16」を100ppm含有するデカグリセリンモノパルミテート「16」含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、本来ハードバターが有していた油性感はほとんど感じられなかった。このチョコレートを食したところ、油性感が弱く、すっきりした良好な乳風味が感じられた。
(実施例8)
(デカグリセリンラウリン酸エステル「17」含有ハードバターの作製法)
デカグリセリンラウリン酸エステル(HLB17、三菱化学フーズ製「L−7D」)を水に加え、1%デカグリセリンラウリン酸エステル「17」水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し1%デカグリセリンラウリン酸エステル「17」水溶液を1重量部加えた他は実施例1と同様にして、デカグリセリンラウリン酸エステル「17」を100ppm含有するデカグリセリンラウリン酸エステル「17」含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、本来ハードバターが有していた油性感はほとんど感じられなかった。このチョコレートを食したところ、油性感が弱く、すっきりした良好な乳風味が感じられた。
(実施例9)
(ショ糖ミリスチン酸エステル「16」含有ハードバターの作製法)
ショ糖ミリスチン酸エステル(HLB16、三菱化学フーズ製「M−1695」)を水に加え、1%ショ糖ミリスチン酸エステル「16」水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し1%ショ糖ミリスチン酸エステル「16」水溶液を1重量部加えた他は実施例1と同様にして、ショ糖ミリスチン酸エステル「16」を100ppm含有するショ糖ミリスチン酸エステル「16」含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、本来ハードバターが有していた油性感はほとんど感じられなかった。このチョコレートを食したところ、油性感が弱く、すっきりした良好な乳風味が感じられた。
(実施例10)
(ショ糖ラウリン酸エステル「16」含有ハードバターの作製法)
ショ糖ラウリン酸エステル(HLB16、三菱化学フーズ製「L−1695」)を水に加え、1%ショ糖ラウリン酸エステル「16」水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し1%ショ糖ラウリン酸エステル「16」水溶液を1重量部加えた他は実施例1と同様にして、ショ糖ラウリン酸エステル「16」を100ppm含有するショ糖ラウリン酸エステル「16」含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、本来ハードバターが有していた油性感はほとんど感じられなかった。このチョコレートを食したところ、油性感が弱く、すっきりした良好な乳風味が感じられた。
(実施例11)
(デカグリセリンラウリン・オレイン酸混合エステル「14.5」含有ハードバターの作製法)
デカグリセリンオレイン酸エステル(HLB13、三菱化学フーズ製「O−15D」)0.5部とデカグリセリンラウリン酸エステル(HLB16、三菱化学フーズ製「L−10D」)0.5部を水99部に加え、1%デカグリセリンラウリン・オレイン酸混合エステル「14.5」水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し1%デカグリセリンラウリン・オレイン酸混合エステル「14.5」水溶液を1重量部加えた他は実施例1と同様にして、デカグリセリンオレイン酸エステル50ppmとデカグリセリンラウリン酸エステルを50ppm含有するデカグリセリンラウリン・オレイン酸混合エステル「14.5」含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、本来ハードバターが有していた油性感はほとんど感じられなかった。このチョコレートを食したところ、油性感が弱く、すっきりした良好な乳風味が感じられた。
(実施例12)
(デカグリセリン・ショ糖混合ミリスチン酸エステル「15.5」含有ハードバターの作製法)
デカグリセリンミリスチン酸エステル(HLB15、三菱化学フーズ製「M−10D」)0.5部とショ糖ミリスチン酸エステル(HLB16、三菱化学フーズ製「M−1695」)0.5部を水99部に加え、1%デカグリセリン・ショ糖混合ミリスチン酸エステル「15.5」水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し1%デカグリセリン・ショ糖混合ミリスチン酸エステル「15.5」水溶液を1重量部加えた他は実施例1と同様にして、デカグリセリンミリスチン酸エステル50ppmとショ糖ミリスチン酸エステルを50ppm含有するデカグリセリン・ショ糖混合ミリスチン酸エステル「15.5」含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、本来ハードバターが有していた油性感はほとんど感じられなかった。このチョコレートを食したところ、油性感が弱く、すっきりした良好な乳風味が感じられた。
(比較例2)
(ショ糖含有ハードバターの作製法)
ショ糖(スクロース、和光純薬製)を水に加え、1%ショ糖水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し1%ショ糖水溶液を1重量部加えた他は実施例1と同様にして、ショ糖を100ppm含有するショ糖含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、強い油性感が感じられた。このチョコレートを食したところ、強い油性感が感じられた。
(比較例3)
(ジグリセリンオレイン酸エステル「7」含有ハードバターの作製法)
ジグリセリンオレイン酸エステル(HLB7、理研ビタミン製「ポエムDO−100V」)を水に加え、1%ジグリセリンオレイン酸エステル「7」水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し1%ジグリセリンオレイン酸エステル「7」水溶液を1重量部加えた他は実施例1と同様にして、グリセリンオレイン酸エステル「7」を100ppm含有するジグリセリンオレイン酸エステル「7」含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、強い油性感が感じられた。このチョコレートを食したところ、強い油性感が感じられた。
(比較例4)
(グリセリンオレイン酸エステル「10」含有ハードバターの作製法)
ジグリセリンオレイン酸エステル(HLB7、理研ビタミン製「ポエムDO−100V」)0.4部とデカグリセリンオレイン酸エステル(HLB12、理研ビタミン製「ポエムJ−0381V」)0.6部を水99部に加え、1%グリセリンオレイン酸エステル「10」水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し1%グリセリンオレイン酸エステル「10」水溶液を1重量部加えた他は実施例1と同様にして、グリセリンオレイン酸エステル「10」を100ppm含有するグリセリンオレイン酸エステル「10」含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、強い油性感が感じられた。このチョコレートを食したところ、強い油性感が感じられた。
(比較例5)
(ステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン「16」含有ハードバターの作製法)
ステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(HLB16、日本油脂製「TF−60」)を水に加え、1%ステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン「16」水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し1%ステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン「16」水溶液を1重量部加えた他は実施例1と同様にして、ステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン「16」を100ppm含有するステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン「16」含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、強い油性感が感じられた。このチョコレートを食したところ、強い油性感が感じられた。
(比較例6)
(オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン「16」含有ハードバターの作製法)
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(HLB16、日本油脂製「TF−80」)を水に加え、1%オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン「16」水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し1%オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン「16」水溶液を1重量部加えた他は実施例1と同様にして、オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン「16」を100ppm含有するオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン「16」含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、強い油性感が感じられた。このチョコレートを食したところ、強い油性感が感じられた。
実施例1〜12及び比較例1〜6の結果を表1に示す。
Figure 0006414583
5人のパネラーにより、以上のように調製したチョコレートについてその風味を比較すると、比較例1〜5は実施例1〜12に比べて油性感が強かった。表1における油性感は、油性感が強い方が点数を大きく、油性感が少ない方が点数が小さく記載した。また、比較例1を10点とし、相対値にて記載した。以上の結果より、油脂難溶性乳化剤のHLBは12〜17にて油性感低減効果があり、13〜16において油性感低減効果が大きいことが分かる。
(比較例7)
比較例1で用いたホワイトチョコレートと同じ配合にデカグリセリンオレイン酸エステル(HLB13、三菱化学フーズ製「O−15D」)を25ppmを加え、定法により作製したチョコレート80部に対し、油脂難溶性乳化剤無添加のハードバター(「メラノNEWSS7」)20部を加え、シード(「チョコシードA」)テンパリング処理し冷却後、1週間のエージングを経てホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このチョコレートを食したところ油性感が強く感じられた。
(比較例8)
比較例1で用いたホワイトチョコレートと同じ配合にショ糖ミリスチン酸エステル(HLB16、三菱化学フーズ製「M−1695」)を25ppmを加え、定法により作製したチョコレート80部に対し、油脂難溶性乳化剤無添加のハードバター(「メラノNEWSS7」)20部を加え、シード(「チョコシードA」)テンパリング処理し冷却後、1週間のエージングを経てホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このチョコレートを食したところ油性感が強く感じられた。
(実施例13)
(デカグリセリンオレイン酸エステル、アスコルビン酸含有ハードバター)
デカグリセリンオレイン酸エステル(HLB13、三菱化学フーズ製「O−15D」)1部とアスコルビン酸(L−アスコルビン酸;和光純薬製)1部を水に加え、各1%デカグリセリンオレイン酸エステル、アスコルビン酸水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し各1%デカグリセリンオレイン酸エステル、アスコルビン酸水溶液を1重量部加えた他は実施例1と同様にして、デカグリセリンオレイン酸エステルを100ppm、アスコスビン酸を100ppm含有するデカグリセリンオレイン酸エステル、アスコルビン酸含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、本来ハードバターが有していた油性感はほとんど感じられなかった。このチョコレートを食したところ、油性感が弱く、すっきりした良好な乳風味が感じられた。
(実施例14)
(デカグリセリンオレイン酸エステル、スクラロース含有ハードバター)
デカグリセリンオレイン酸エステル(HLB13、三菱化学フーズ製「O−15D」)1部とスクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ製「サンスイートSU−100」)1部を水に加え、各1%デカグリセリンオレイン酸エステル、スクラロース水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し各1%デカグリセリンオレイン酸エステル、スクラロース水溶液を1重量部加えた他は実施例1と同様にして、デカグリセリンオレイン酸エステルを100ppm、スクラロースを100ppm含有するデカグリセリンオレイン酸エステル、スクラロース含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、本来ハードバターが有していた油性感はほとんど感じられなかった。このチョコレートを食したところ、油性感が弱く、すっきりした良好な乳風味が感じられた。
実施例13〜14及び比較例7、8の結果を表2に示す。
Figure 0006414583
以上のように調製したチョコレートについてその風味を比較すると、表2に示す様に、比較例7、8は実施例1〜10に比べて油性感が強かった。尚、油性感は、5人のパネラーにより評価し、油性感が強い方が点数を大きく、油性感が少ない方が点数が小さく記載した。また、比較例1を10点とし、相対値にて記載した。以上の結果より、油脂難溶性乳化剤を油脂中に分散させることで油性感低減効果が得られることが分かる。
また、実施例13〜14は、比較例1及び実施例1に比べて、油性感が少なかった。これより、油脂難溶性乳化剤とアスコルビン酸あるいはスクラロースを組み合わせることで油性感低減効果を更に増強できることが分かる。
(実施例15)
(デカグリセリンオレイン酸エステル「13」(500ppm)含有ハードバターの作製法)
デカグリセリンオレイン酸エステル「13」(HLB13、三菱化学フーズ製「O−15D」)を水に加え、5%デカグリセリンオレイン酸エステル「13」水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し5%デカグリセリンオレイン酸エステル「13」水溶液を1重量部加えた他は実施例1と同様にして、デカグリセリンオレイン酸エステル「13」を500ppm含有するデカグリセリンオレイン酸エステル「13」(500ppm)含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、本来ハードバターが有していた油性感はほとんど感じられなかった。このチョコレートを食したところ、油性感が弱く、すっきりした良好な乳風味が感じられた。
(実施例16)
(デカグリセリンオレイン酸エステル「13」(250ppm)含有ハードバターの作製法)
デカグリセリンオレイン酸エステル「13」(HLB13、三菱化学フーズ製「O−15D」)を水に加え、2.5%デカグリセリンオレイン酸エステル「13」水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し2.5%デカグリセリンオレイン酸エステル「13」水溶液を1重量部加えた他は実施例1と同様にして、デカグリセリンオレイン酸エステル「13」を250ppm含有するデカグリセリンオレイン酸エステル「13」(250ppm)含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、本来ハードバターが有していた油性感はほとんど感じられなかった。このチョコレートを食したところ、油性感が弱く、すっきりした良好な乳風味が感じられた。
(実施例17)
(デカグリセリンオレイン酸エステル「13」(50ppm)含有ハードバターの作製法)
デカグリセリンオレイン酸エステル「13」(HLB13、三菱化学フーズ製「O−15D」)を水に加え、0.5%デカグリセリンオレイン酸エステル「13」水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し0.5%デカグリセリンオレイン酸エステル「13」水溶液を1重量部加えた他は実施例1と同様にして、デカグリセリンオレイン酸エステル「13」を50ppm含有するデカグリセリンオレイン酸エステル「13」(50ppm)含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、本来ハードバターが有していた油性感はほとんど感じられなかった。このチョコレートを食したところ、油性感が弱く、すっきりした良好な乳風味が感じられた。
(実施例18)
(デカグリセリンオレイン酸エステル「13」(25ppm)含有ハードバターの作製法)
デカグリセリンオレイン酸エステル「13」(HLB13、三菱化学フーズ製「O−15D」)を水に加え、0.5%デカグリセリンオレイン酸エステル「13」水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し0.5%デカグリセリンオレイン酸エステル「13」水溶液を0.5重量部加えた他は実施例1と同様にして、デカグリセリンオレイン酸エステル「13」を25ppm含有するデカグリセリンオレイン酸エステル「13」(25ppm)含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、本来ハードバターが有していた油性感は弱かった。このチョコレートを食したところ、油性感が弱く、すっきりした良好な乳風味が感じられた。
(実施例19)
(デカグリセリンオレイン酸エステル「13」(5ppm)含有ハードバターの作製法)デカグリセリンオレイン酸エステル「13」(HLB13、三菱化学フーズ製「O−15D」)を水に加え、0.1%デカグリセリンオレイン酸エステル「13」水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し0.1%デカグリセリンオレイン酸エステル「13」水溶液を0.5重量部加えた他は実施例1と同様にして、デカグリセリンオレイン酸エステル「13」を5ppm含有するデカグリセリンオレイン酸エステル「13」(5ppm)含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、本来ハードバターが有していた油性感は弱かった。このチョコレートを食したところ、油性感が弱く、すっきりした良好な乳風味が感じられた。
(実施例20)
(デカグリセリンオレイン酸エステル「13」(1ppm)含有ハードバターの作製法)デカグリセリンオレイン酸エステル「13」(HLB13、三菱化学フーズ製「O−15D」)を水に加え、0.1%デカグリセリンオレイン酸エステル「13」水溶液を作製する。次いで50℃に加温したハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)100重量部に対し0.1%デカグリセリンオレイン酸エステル「13」水溶液を0.1重量部加えた他は実施例1と同様にして、デカグリセリンオレイン酸エステル「13」を5ppm含有するデカグリセリンオレイン酸エステル「13」(1ppm)含有ハードバターを作製した。また、実施例1と同様に本ハードバターを用いてホワイトチョコレート(油分約48%)を得た。このハードバターを食したところ、本来ハードバターが有していた油性感はやや強く感じられた。このチョコレートを食したところ油性感がやや強く感じられた。
実施例15〜20の結果を表3に示す。
Figure 0006414583
以上のように調製したチョコレートについてその風味を比較すると、表3に示す様に、実施例15〜20は、油性感が低下した。尚、油性感は、5人のパネラーにより評価し、油性感が強い方が点数を大きく、油性感が少ない方が点数が小さく記載した。また、比較例1を10点とし、相対値にて記載した。以上の結果より、ハードバター中1〜5ppmの油脂難溶性乳化剤の添加量であっても油性感の低減効果は見られるが、油脂難溶性乳化剤を油脂中に添加する量が多い程、油性感の低減効果は顕著であった。
(実施例21)
実施例21として、溶解したホワイトチョコレート(不二製油株式会社製/油分約34%)80部に、実施例1で作製したデカグリセリンオレイン酸エステル「13」含有ハードバターを10部、ハードバター(不二製油株式会社製/商品名「BST−DP」)10部を混合し、品温を31℃に温調し、そこにシード剤(不二製油株式会社製/商品名「チョコシードA」)をチョコレートに対し0.2部を加えテンパリング処理し、卓上型ミキサーにてホイップ処理を行い比重を0.8g/mlに調製し、冷却後、1週間のエージングを経てホイップチョコレートを得た。
(比較例10)
比較例10として油脂難溶性乳化剤を含有しないハードバター(不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」)を用いる他は実施例21と同様にしてホイップチョコレートを得た。実施例21のホイップチョコレートは、比較例10のホイップチョコレートに比較し、油性感が大幅に低下し、すっきりした良好な乳風味が感じられた。
(実施例22)
(デカグリセリンオレイン酸エステル「13」含有パーム油の作製法)
実施例22として、デカグリセリンオレイン酸エステル「13」(HLB13、三菱化学フーズ製「O−15D」)を水に加え、1%デカグリセリンオレイン酸エステル「13」水溶液を作製する。次いで70℃に加温したパーム油(不二製油株式会社製/商品名「精製パーム油」)100重量部に対し1%デカグリセリンオレイン酸エステル「13」水溶液を1重量部加えて混合し、ホモミキサー(TK ROBOMIX:プライミクス株式会社製)にて10000rpmx10分の撹拌を行った。その後、70℃、2Torrの減圧条件下で、攪拌しながら30分間脱水処理を行い、デカグリセリンオレイン酸エステルを100ppm含有するデカグリセリンオレイン酸エステル「13」含有パーム油を作製した。このパーム油を食したところ、本来パーム油が有していた油性感はほとんど感じられなかった。
薄力粉60部に砂糖10部に対し、上記のように作製したデカグリセリンオレイン酸エステル「13」含有パーム油30部を加え、卓上型ミキサーにて混ぜ、成型後、オーブンにて170℃×30分焼成を行い、焼菓子を得た。
(比較例11)
比較例11として、油脂難溶性乳化剤を含有しないパーム油(不二製油株式会社製/商品名「精製パーム油」)を用いる他は実施例22と同様にして焼菓子を得た。実施例22の焼菓子は、比較例11の焼菓子に比較し、油性感が大幅に低下し、すっきりと素材である小麦粉の味が良く感じられた。
本発明によって、特殊な添加剤を使用することなく、平易な方法で調製することで、油性感が低減し、あるいは経時的に油性感が増加しない食用油脂またはその食用油脂を使用した油脂加工食品が得られる。
これにより多様化した油脂加工食品、特に比較的油分の高い(油分30%以上)食品や、乳固形分を含む食品に応用したり、光や空気、熱に長時間曝される陳列環境に曝されている商品に応用することで油性感の増加が抑制できる。

Claims (8)

  1. HLB値が12〜17である油脂難溶性乳化剤としてポリグリセリン脂肪酸エステル及び/又はショ糖脂肪酸エステルを5〜750ppm含有する食用油脂の製造方法であって、油脂難溶性乳化剤を含有する水性媒体溶液を、食用油脂100重量部に対し、1重量部以下の量で添加、分散させることを特徴とする食用油脂の製造方法。
  2. 前記水性媒体溶液が油脂難溶性乳化剤を1重量%を超えかつ60重量%以下の量で含有する請求項1記載の食用油脂の製造方法。
  3. 前記油脂難溶性乳化剤を5ppm以上500ppm未満の量で含有する請求項2記載の食用油脂の製造方法。
  4. 前記水性媒体溶液を食用油脂に添加、分散後、乾燥又は脱溶剤してなる請求項1に記載の食用油脂の製造方法。
  5. 請求項1に記載の製造方法で製造された食用油脂を配合してなる油脂加工食品の製造方法。
  6. チョコレート類である請求項5記載の油脂加工食品の製造方法。
  7. ホワイトチョコレート類又はミルクチョコレート類である請求項6記載の油脂加工食品の製造方法。
  8. 乳化物製品である請求項5記載の油脂加工食品の製造方法。
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