JP6414207B2 - バレル研磨用メディア及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明の一側面及び実施形態は、バレル研磨用メディア及びその製造方法に関する。
下記特許文献1には、粗仕上げ研磨が可能なバレル研磨用メディア(以下、適宜「メディア」という。)が開示されている。このようなメディアは、被加工物の角部に丸みを付すための面取り加工、すなわち、R付け加工に用いられる。更に、前記メディアは、被加工物の表面のバリ取り、面粗度の調整、又は表面層の除去等の加工にも用いられる。
国際公開第2012/086679号パンフレット
しかしながら、研磨能力の持続性を向上させながらメディア自体の割れ欠けの発生を抑える点においては改善の余地がある。
本発明の一側面は、上記事実を考慮して、研磨能力の持続性を向上させながらメディア自体の割れ欠けの発生を抑えることができるバレル研磨用メディア及びその製造方法を得ることが目的である。
本発明の一側面に係るバレル研磨用メディアは、60〜80質量%の酸化アルミニウム(Al)と、10〜30質量%の二酸化珪素(SiO)と、4〜8質量%の酸化ジルコニウム(ZrO)と、1〜3質量%の酸化カルシウム(CaO)と、1〜4質量%の酸化マグネシウム(MgO)と、を少なくとも含み、分散された空隙を有する多孔質の焼結体によって構成される。
上記構成によれば、バレル研磨用メディアは、分散された空隙を有する多孔質の焼結体によって構成されているので、研磨中に表面が削れても新たな砥材が出現する。このように研磨中にバレル研磨用メディアの表面が削れても新たな砥材が出現するので、研磨の経過にかかわらず研磨力を持続することができる。一方、バレル研磨用メディアが多孔質の焼結体で構成される場合、バレル研磨用メディアの強度が懸念される場合がある。しかしながら、上記構成によれば、1〜4質量%の酸化マグネシウムが含まれるので、バレル研磨用メディアの強度を向上させることができる。このバレル研磨用メディアの強度向上(割れ欠けの発生率の抑制)については実験によって確認されている。
一実施形態では、前記焼結体の空隙率は、1〜40%であってもよい。
上記構成のように、バレル研磨用メディアの空隙率が1〜40%に設定される場合には、バレル研磨用メディアの研磨能力を良好に持続させながらバレル研磨用メディアの損耗率を抑えることができる。このことも実験で確認されている。ここで、空隙率とは、メディアの単位体積あたりにおける隙間の割合を百分率で表した値である。
本発明の他の側面に係るバレル研磨用メディアの製造方法は、前述のバレル研磨用メディアを製造する製造方法であって、砥粒と、バインダと、酸化マグネシウムと、消失材料粉末と、を混練する混練工程と、前記混練工程で混練された混練物を所定の形状に成形する成形工程と、前記成形工程で成形された成形体を焼結すると共に前記消失材料粉末を消失させる焼結工程と、を含む。
上記構成によって、多孔質で且つ強度低下のない(又は少ない)焼結体のメディアを得ることができる。なお、混練工程では、必要に応じて水を添加してもよい。
一実施形態では、前記砥粒と、前記バインダと、前記酸化マグネシウムと、前記消失材料粉末と、の合計を100質量%としたときに、前記消失材料粉末の含有量は、1〜40質量%であってもよい。
上記構成によって、上記工程により製造されるバレル研磨用メディアの空隙率を1〜40%程度に設定することができる。
一実施形態では、前記消失材料粉末は、水酸化アルミニウムの粉末であってもよい。
上記構成のように消失材料粉末が水酸化アルミニウムの粉末である場合には、焼結工程において、上記水酸化アルミニウムは、脱水分解する結果、酸化アルミニウムに変化して固形分として体積が減少し、水酸基は水蒸気となって発散する。この焼結工程で多孔質の焼結体が形成される。
一実施形態において、前記混練工程では、前記砥粒、前記バインダ、前記酸化マグネシウム及び前記消失材料粉末を含む混合材料に、酸化マンガン及び酸化鉄の少なくとも一方を添加し、前記混合材料と、前記酸化マンガン及び前記酸化鉄の少なくとも一方と、の合計を100質量%としたときに、前記酸化マンガン及び前記酸化鉄の少なくとも一方の含有量は、5質量%以下であってもよい。
上記構成によれば、焼結工程では、添加した酸化マンガン及び酸化鉄の少なくとも一方が焼結助剤として効果的に機能する。
一実施形態では、前記砥粒は、白色アルミナ系砥粒であってもよい。
一実施形態では、前記砥粒の平均粒子径は、1μm〜150μmであってもよい。
以上説明したように、本発明の種々の側面によれば、研磨能力の持続性を向上させながらメディア自体の割れ欠けの発生を抑えることができるという優れた効果を有する。
一実施形態に係るバレル研磨用メディアが装入される乾式バレル研磨装置を示す概略構成図である。 メディアを模式的に示す図である。 被加工物の加工状態を模式的に示す図である。
本実施形態に係るバレル研磨用メディア及びその製造方法について説明する。図1には、本実施形態に係るバレル研磨用メディア40(以下、適宜「メディア40」という。)が装入される乾式バレル研磨装置10が示されている。まず、この乾式バレル研磨装置10について概説する。
(乾式バレル研磨装置の構成)
乾式バレル研磨装置10(以下、単に「バレル研磨装置10」という。)は、研磨槽であるバレル槽12を備えている。バレル槽12は、容器状とされて台座(図示省略)に固定されている。バレル槽12の内側表面にはライニング14が固着されている。このバレル槽12には、メディア40及び被加工物W等(これらは総じて「マス」と呼ばれる)が装入される。なお、図中では、メディア40及び被加工物Wを模式化して示している。
バレル槽12の底部には、集塵ホース20の一端部が連結されている。集塵ホース20の他端部は、集塵機16の吸入部側に連結されている。集塵機16は、集塵ホース20内の空気を吸入するファン(図示省略)と、塵埃を排出させないためのフィルタ(図示省略)とを備えている。
バレル槽12の上方側には、集塵フード18が配置されている。集塵フード18には、集塵ホース20Aの一端部が連結されている。集塵ホース20Aの他端部は、集塵ホース20の他端部側に接続されている。
一方、バレル槽12の底部上面側には、回転盤22が配置されている。回転盤22は、その中央部が軸取付部とされて回転軸24に固定されている。また、バレル槽12の底部には、軸受部26が設けられている。回転盤22に固定された回転軸24は、バレル槽12の軸受部26に回転可能に軸支されている。そして、回転軸24の下端部は、バレル槽12の底部下方側で駆動力伝達機構28に接続されている。
駆動力伝達機構28は、一対のプーリー30、32と、一対のプーリー30、32に巻き掛けられたVベルト34と、を含んでいる。前述した回転軸24は、一方のプーリー30の軸心部に対して同軸に固着されている。また、他方のプーリー32の軸心部には、減速機付きのモータ36の出力軸が同軸に固着されている。
以上により、バレル研磨装置10は、モータ36の駆動により回転盤22を回転させることによって、マスをバレル槽12内で流動させる。このようなバレル研磨の方式は、流動式バレルと呼ばれている。
(メディア)
次に、バレル槽12に装入されるメディア40について概説する。メディア40は、研磨の目的に応じて、数ミリから数十ミリの球形、三角錘形、三角柱形、円柱形、円柱を斜めカットした形、又は四角柱形等の任意形状に形成された小粒体である。本実施形態のメディア40は、一例として、高さ6mmの三角柱形状とされている。メディア40は、バレル槽12の中で被加工物Wと共に流動し、被加工物Wとの間に生じる摩擦力によって被加工物Wを研磨する。
メディア40は、粒子(砥粒)の焼結により形成され、分散された空隙を有する多孔質(全体がポーラス)の焼結体によって構成される。本実施形態では、メディア40の空隙率は例えば1〜40%である。また、メディア40の表面には、凹凸が形成されており、メディア40は自生作用(研磨中に新しい砥粒が表面に順次露出する作用)を有する。なお、一般に焼結体のメディアは、樹脂と砥材とを混合して成型した樹脂のメディアに比べて低コストであり、研磨力が樹脂のメディアに比べて強い。
メディア40は、60〜80質量%の酸化アルミニウム(Al)と、10〜30質量%の二酸化珪素(SiO)と、4〜8質量%の酸化ジルコニウム(ZrO)と、1〜3質量%の酸化カルシウム(CaO)と、1〜4質量%の酸化マグネシウム(MgO)と、を少なくとも含み、その他に若干の不可避不純物(例えば、KO、TiO、NaO、HfO又はP等)を含んでいる。不可避不純物は、少ないほうが良く、3%以下(より好ましくは2%以下)とするのが好ましい。
また、一般に、砥粒同士を焼結させて形成されたメディア(焼結メディアと呼ばれることもある)は、粘土質材料と砥粒とを焼成させて形成されたメディア(焼成メディアと呼ばれることもある)に比べて、損耗量が少なく、仕上がり(表面粗さ)が細かく、且つ割れ欠けが少ない、という利点がある。ここで、メディアの損耗量が少ない場合には、高寿命でスラッジの発生が少なくなる(換言すれば、環境に優しく処理費用が抑えられる)。また、メディアの割れ欠けや損耗が少ない場合には、高寿命で、仕上がり精度の管理が容易になる。
(メディアの製造方法)
ここで、メディア40を製造するための方法(メディア40の製造方法)について説明する。
メディア40の製造方法では、まず、混練工程がなされる。この混練工程では、砥粒と、バインダ(結合材)と、補強材料としての酸化マグネシウムと、消失材料粉末としての水酸化アルミニウム(Al(OH))の粉末と、を所定の含有量となるように秤量した後混練する(これらの材料を総じて、以降「混合材料aと記す」)。混練の際、必要に応じて水を添加してもよい。水酸化アルミニウムの粉末の添加量は、混合材料aを100質量%としたときの1〜40質量%の量とする。なお、この水酸化アルミニウムの粉末の添加量は、混合材料aを100質量%としたときの5〜25質量%の量とすることが好ましい。
砥粒としては、アルミナ系砥粒(アランダム)、炭化珪素系砥粒(カーボランダム)、ジルコニアアルミナ砥粒、ダイヤモンド砥粒、又はCBN砥粒等を用いることができる。砥粒として白色アルミナ系砥粒(WA)を用いた場合には、低価格で研磨力が高く、且つ被加工物に砥粒の色が転写されないので、好ましい。また、砥粒の平均粒子径は1μm〜150μmとするのが好ましい。砥粒の粒子径が小さすぎるとメディアの研磨力が低くなる。一方、砥粒の粒子径が大きすぎると粒子同士の結合力が弱く、メディアの強度が低下する。
バインダは、焼結する際に砥粒同士を結合させるための結合材である。バインダは砥粒の種類や焼結温度等によって適宜選択される。本実施形態では、バインダは、少なくとも二酸化珪素と酸化ジルコニウムと酸化カルシウムとを含む。なお、バインダに酸化マグネシウムが含まれる場合は、その酸化マグネシウムを補強材料として利用できる。
この混練工程における水酸化アルミニウムの添加割合が大きい場合、最終的に製造されるメディア40の自生作用は強くなって研磨力が強くなる。しかしながら、水酸化アルミニウムの添加割合が大きい場合には、隣接する粒子が少なくなり、その結果メディア40全体としての強度が低下するので、寿命が短くなる。また、比重が軽くなるので、メディア40の研磨力が低下する。このため、本実施形態では、前述の割合で水酸化アルミニウムの粉末が添加されている。
また、本実施形態の混練工程では、一例として、混合材料aに焼結助剤を添加する。焼結助剤は、酸化マンガン及び酸化鉄の少なくとも一方(すなわち、いずれか一方又は双方)とすることができる。焼結助剤の添加量は、混合材料aと、焼結助剤と、の合計を100質量%としたときに、5質量%以下(焼結助剤として複数の材料を用いた場合はそれらの合計が5質量%以下)であってもよい。
次の成形工程では、混練工程で混練された混練物を押出し成形機に投入して所定の形状(本実施形態では一例として高さ6mmの三角柱形状)に成形する。
次の焼結工程では、成形工程で成形された成形体を乾燥させた状態で耐熱容器に装入すると共に炉内において所定温度で所定時間焼結する。この焼結工程では、水酸化アルミニウムは、脱水分解する結果、酸化アルミニウム(Al)に変化して固形分として体積が減少し、水酸基は水蒸気となって発散する。つまり、この工程では、水酸化アルミニウムを消失させる。そして、前述の混練によって水酸化アルミニウムは混合材料aに均一に分散されているので、水酸基が水蒸気となって発散することで、メディア40に空隙が均一に分散して形成されるものと推測される。このような焼結工程によって多孔質のメディア40が得られる。
なお、この焼結工程では、混練工程で添加した酸化マンガン及び酸化鉄の少なくとも一方が焼結助剤として効果的に機能している。
(乾式バレル研磨方法)
次に、メディア40を用いた乾式バレル研磨方法について説明する。
まず、図1に示される集塵機16を作動させる。また、バレル研磨装置10のバレル槽12内にメディア40と被加工物Wとを装入し、メディア40と被加工物Wとをバレル槽12内で混合させる。
次に、バレル研磨装置10を作動させ、メディア40と被加工物Wとをバレル槽12内で流動させて被加工物Wにメディア40を接触させることによって、被加工物Wを研磨する。ここで、本実施形態では、メディア40は、分散された空隙を有する多孔質の焼結体によって構成され、1〜4質量%の酸化マグネシウムを含んでいる。このため、研磨中に表面が削れても、新たな砥材が出現するので、研磨の経過にかかわらず研磨力を持続することができる。
補足説明すると、バレル研磨が進行して、砥粒同士の間に被加工物Wの研磨粉又は削れたメディアの粉等の微粉が入り込む(目詰まりする)と、研磨時間の経過に伴って研磨力が低下する。これに対して、本実施形態では、メディア40が目詰まりを起こす前に、メディア40の表層を摩耗させ、新たな砥粒を露出させることができるので、長時間にわたって研磨力を維持することができる。このため、例えば、メディアの目詰まりを防ぐために、微粉を取り除くためのドレッシング液を添加する必要もない。
一方、メディアが多孔質の焼結体である場合、当該メディアの更なる強度の向上が求められる。しかしながら、本実施形態のように、メディア40に1〜4質量%の酸化マグネシウムが含まれることによってメディア40の強度は向上されている。このメディア40の強度向上(割れ欠けの発生率の抑制)については後述の実験によって確認されている。また、詳しいメカニズムは確認されていないが、以下のように推測される。酸化マグネシウムの組成率が適正な範囲内であると、材料の混練時に酸化マグネシウムの二次粒子が形成されない。そのため、酸化マグネシウムの粒子が酸化アルミニウムの粒子の隙間に入り込むような状態となり、これを焼結することで強度向上を図ることができると推測される。これに対して、酸化マグネシウムの組成率が高すぎると、材料の混練時に酸化マグネシウムの二次粒子が形成されてしまう。この状態で焼結すると、酸化マグネシウムの二次粒子が酸化アルミニウムの粒子の不純物として残留することになるため、強度の低下を招いてしまう。
また、本実施形態では、図1に示されるメディア40の空隙率が1〜40%であることによって、メディア40のR付け加工における研磨能力を良好に持続させると共にメディア40の損耗率を抑えることができる。このことも後述の実験で確認されている。
乾式バレル研磨方法の手順の説明に戻ると、バレル研磨装置10を作動させてから所定時間経過後にバレル研磨装置10の作動を停止させ、更にその後に集塵機16の作動を停止させる。そして、バレル研磨装置10のバレル槽12からメディア40及び被加工物Wを排出し、これらを分別して被加工物Wを回収する。
次に、実施例について説明する。
上記実施形態で説明した組成比率を有し且つ多孔質の焼結体によって構成されるバレル研磨用メディアを実施例(実施例1〜7)とし、上記組成比率を有しないバレル研磨用メディア、及び多孔質ではないバレル研磨用メディアを比較例(比較例1〜6)とした。これらのバレル研磨用メディアをバレル槽(研磨槽)内で被加工物と混合させた状態で流動させることによって被加工物を研磨する試験を行った。
この試験では、同一のメディアを用いて10回(10バッチ)の研磨を行った。補足説明すると、実際の研磨処理では、1回目の研磨後、被加工物が取り出され、その後に新しい被加工物が装入されて2回目の研磨が同一のメディアで行われるといったように、同一のメディアを用いて研磨と被加工物の取り出し及び装入が繰り返される。この試験では、研磨と被加工物の取り出し及び装入とを10回繰り返した。研磨(バレル研磨)の条件は、次の表1に示す通りである。
また、下記の表2には、実施例1〜7及び比較例1〜6の各条件及び評価を示す。
表2のAlの組成率における「残分」は、100%からSiO、ZrO、CaO及びMgOの各組成率を引き、更に不可避的に僅かに含まれてしまう不可避不純物の組成率を引いた組成率を示す。また、焼結前のAl(OH)の比率の項目は、メディアを製造する際の混練工程における水酸化アルミニウムの粉末の添加量を、混合材料(前述した実施形態では混合材料a)を100質量%としたときの質量%で示す。なお、Al(OH)が添加されている場合、メディアは多孔質体となり、Al(OH)が添加されていない場合、メディアは多孔質体とならずに緻密体となる。
また、「空隙率」は、「メディアの嵩比重」及び「メディアの真比重」をそれぞれ測定し、下記の数式1にて算出した結果である。「空隙率」の単位は、体積%である。「メディアの嵩比重」の概念を下記の数式2に示し、「メディアの真比重」の概念を下記の数式3に示す。また、図2で示すように、メディア固体部42とはメディア40の固体部分のことであり、開空隙44とは外気と接続している空隙(連続気泡構造)のことであり、閉空隙46とはメディア40の内部において孤立している空隙(独立気泡構造)のことである。このように、メディア40は、分散された空隙である開空隙44と閉空隙46を有しており、開空隙44及び閉空隙46を有する多孔質の焼結体によって構成される。
また、表2の「Rα」の項目は、外周面ダレ量(mm)を測定した結果を示し、表2の「Rβ」の項目は、端面ダレ量(mm)を測定した結果を示す。図3には、外周面ダレ量である「Rα」及び端面ダレ量である「Rβ」がそれぞれどの部分の長さであるかが示されている。なお、この試験において、前提となる研磨目的は、R付けであり、研磨目標値は、Rα=Rβ=0.40mmである。
また、表2の「加工能力」における「評価」の項目は、ダレ量評価を示す項目であり、以下の基準を基に評価した。まず、Rα及びRβが共に0.40mm以上であり、且つ、Rα/Rβが0.8〜1.2である場合には、「○」とした。また、Rα及びRβが共に0.30mm以上であってRα及びRβの少なくとも一方が0.40mm未満であり、且つ、Rα/Rβが0.8〜1.2である場合には、「△」とした。更に、Rα及びRβの少なくとも一方が0.30mm未満である場合、又は、Rα/Rβが0.8未満若しくは1.2超過である場合には、「×」とした。但し、今回の実施例1〜7及び比較例1〜6には、「×」と評価されたものはなかった。
また、表2の「割れ欠け」の項目は、1回目(1バッチ目)の研磨が終了した後に、無作為に50個のメディアをバレル槽内から抜き出し、割れ欠けがあるメディアの数をカウントした項目である。
また、「損耗率」は、精密電子天秤((株)島津製作所製;IPS−DP10)によって「加工前のメディアの質量」及び「加工後のメディアの質量」のそれぞれを測定し、下記の数式4を用いて算出した結果である。「損耗率」の単位は、%/hである。
表2の結果によれば、比較例1、3、5、6では、加工能力の評価が「△」となっている。また、比較例2、4では、加工能力の評価は「○」となっているものの、メディアの割れ欠けの個数が多くなっている。これに対して、実施例1〜7では、加工能力の評価が「○」で且つメディアの割れ欠けの個数も抑えられていることが判る。また、実施例1〜6は、実施例7に比べて損耗率が抑えられていることが判る。
以上説明したように、本実施形態によれば、R付け加工における研磨能力の持続性を向上させると共に、メディア40自体の割れ欠けの発生を抑えることができる。
(実施形態の補足説明)
なお、メディアを用いた被加工物の研磨は、研磨槽の遊星回転又は振動等によりマスを流動化させることによって行ってもよい。なお、バレル研磨の種類としては、上記実施形態のような流動式バレルの他、例えば、遠心式バレル、振動式バレル、回転式バレル、及びジャイロ式バレル等と呼ばれるものがある。
また、上記実施形態では、加工目的を「R付け加工」としているが、その他の加工目的においても良好に研磨を行うことができる。その他の加工目的としては、例えば、被加工物の表面のバリ取り、面粗度の調整、又は表面層の除去等の加工が挙げられる。
また、上記実施形態では、メディア40が乾式バレル研磨方法に用いられた例を挙げたが、メディア40は、湿式バレル研磨方法に用いられてもよい。なお、湿式バレル研磨方法では、被加工物、メディア、水、及び必要に応じてコンパウンドがバレル槽(研磨槽)に装入される。
また、メディアの空隙率は、上記実施形態のように、1〜40%に設定されるのが好ましいが、5〜25%に設定されるのが更に好ましい。但し、メディアの空隙率は、これらの範囲外に設定されてもよい。
また、上記実施形態のメディアの製造方法の変形例として、消失材料粉末は、例えば、発泡スチロール樹脂の粉末等のような他の消失材料粉末であってもよい。なお、セラミックスバインダーに消失材料として発泡スチロール樹脂を使用すると、焼結後のメディア内に消失材料を原因とする不純物(例えば、炭素)が結晶粒界に残る可能性があり、この不純物はメディアの強度低下の一因(クラックの発生)となる可能性がある。これに対して、上記実施形態のように、消失材料として水酸化アルミニウムを使用した場合には、焼結を行っても、水酸化アルミニウムは、水蒸気と、メディアの主成分である酸化アルミニウム(Al)と、に分解する。従って、焼結後のメディア内に消失材料を原因とする不純物が残らないという利点がある。
また、上記実施形態のメディアの製造方法の変形例として、混練工程において酸化マンガン及び酸化鉄が添加されないような方法も採り得る。
なお、上記実施形態及び上述の複数の変形例は、適宜組み合わされて実施可能である。
以上、実施形態及び変形例について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その趣旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
40…バレル研磨用メディア、44…開空隙、46…閉空隙。

Claims (7)

  1. 60〜80質量%の酸化アルミニウムと、10〜30質量%の二酸化珪素と、4〜8質量%の酸化ジルコニウムと、1〜3質量%の酸化カルシウムと、1〜4質量%の酸化マグネシウムと、を少なくとも含み、
    分散された空隙を有する多孔質の焼結体によって構成され
    前記焼結体の空隙率は、1〜40%である、
    バレル研磨用メディア。
  2. 請求項に記載のバレル研磨用メディアを製造する製造方法であって、
    砥粒と、バインダと、酸化マグネシウムと、消失材料粉末と、を混練する混練工程と、
    前記混練工程で混練された混練物を所定の形状に成形する成形工程と、
    前記成形工程で成形された成形体を焼結すると共に前記消失材料粉末を消失させる焼結工程と、を含む、
    バレル研磨用メディアの製造方法。
  3. 前記砥粒と、前記バインダと、前記酸化マグネシウムと、前記消失材料粉末と、の合計を100質量%としたときに、前記消失材料粉末の含有量は、1〜40質量%である、
    請求項記載のバレル研磨用メディアの製造方法。
  4. 前記消失材料粉末は、水酸化アルミニウムの粉末である、
    請求項2又は3に記載のバレル研磨用メディアの製造方法。
  5. 前記混練工程では、前記砥粒、前記バインダ、前記酸化マグネシウム及び前記消失材料粉末を含む混合材料に、酸化マンガン及び酸化鉄の少なくとも一方を添加し、前記混合材料と、前記酸化マンガン及び前記酸化鉄の少なくとも一方と、の合計を100質量%としたときに、前記酸化マンガン及び前記酸化鉄の少なくとも一方の含有量は、5質量%以下である、
    請求項2〜4のいずれか1項に記載のバレル研磨用メディアの製造方法。
  6. 前記砥粒は、白色アルミナ系砥粒である、
    請求項2〜5のいずれか1項に記載のバレル研磨用メディアの製造方法。
  7. 前記砥粒の平均粒子径は、1μm〜150μmである、
    請求項2〜6のいずれか1項に記載のバレル研磨用メディアの製造方法。
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