JP6410209B2 - ガラスフィルム剥離装置 - Google Patents

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Description

本発明は、支持体上に積層された可撓性を有するガラスフィルムを当該支持体から剥離させるガラスフィルム剥離装置に関する。
周知のように、ガラスフィルム積層体は、薄肉化(例えば、板厚が300μm)された可撓性を有するガラスフィルムと、これを支持する支持ガラスとの各々について、相互に接触する側の面となる合わせ面の表面粗さRaを2.0nm以下とし、両合わせ面を直接に面接触させることで、ガラスフィルムと支持ガラスとを積層したものである。
このガラスフィルム積層体によれば、支持ガラスと積層したことにより、ガラスフィルムの撓みやすい性質が一時的に排除されると共に、ガラスフィルムと支持ガラスとが適度に密着して一体なものとして振舞うようになる。このため、ガラス製品の製造工程におけるガラスフィルムの取り扱いが極めて簡便となる。
例えば、液晶ディスプレイ(LCD)用のガラスフィルムは、その製造工程において、支持ガラス上に積層され、ガラスフィルム積層体とされた後、透明電極の形成等、各種の処理を施される。そして、処理を終えたガラスフィルムは、製品に組み込むため支持ガラスから剥離されることとなる。
ここで、特許文献1には、ガラスフィルムを剥離させる対象としたものではないが、薄板ガラス基板と、樹脂層を介して該基板を支持する支持ガラス基板とを含む積層体について、支持ガラス基板、及び樹脂層(以下、これらをまとめて支持基板と表記する)を薄板ガラス基板から剥離させるための装置が開示されている。同文献に開示された装置は、積層体の側方から薄板ガラス基板と支持基板との相互間に挿入されるナイフと、支持基板の表面を吸着する複数の吸着パッドとを備えている。
そして、ナイフの挿入により部分的に剥離した支持基板の端部を起点として、吸着パッドの各々が、順々に薄板ガラス基板から離間する方向に動作して支持基板を引っ張ることで、当該支持基板を段階的に薄板ガラス基板から剥離させるように構成されている。なお、吸着パッドの各々から支持基板に作用する引張力は、全て同じ態様のもと、各パッドと連結されたシリンダー内の圧力を高めることで次第に大きくなるように制御されている。
国際公開第2010/090147号
ところで、上述したガラスフィルム積層体を利用して、ガラスフィルムに加熱を伴う処理を施した場合、当該ガラスフィルムと支持ガラスとの密着力の分布にムラを生じることがある。例えば、その一要因としては、ガラスフィルムと支持ガラスとが密着した密着部の全部位が一様な温度に加熱されなかったことによる、ガラスフィルム積層体の温度分布のムラが考えられる。このような温度分布のムラが生じた場合、相対的に高温まで加熱された部位と、低温までしか加熱されなかった部位との間で、ガラスフィルムと支持ガラスとの間に作用する密着力の大きさに差異が発生する。
詳述すると、両者の密着部のうち、300℃程度まで加熱された部位においては、他の部位と比較して、ガラスフィルムと支持ガラスとの間に作用する密着力が大きく増大する。この原因は、水素結合によって密着していたガラスフィルムと支持ガラスとが、加熱により300℃前後を境界として、より強力な密着力を生み出す共有結合によって密着した状態へと移行するためであると想定されている。
そして、部位の間に発生する密着力の大きさの差異に起因して、支持ガラスからのガラスフィルムの剥離に、特許文献1に開示された装置を用いた場合、下記のような問題が生じる。すなわち、この場合、ガラスフィルムと支持ガラスとの密着力の大きさが、部位の間で差異を生じているか否かに拘らず、各吸着パッドは、ガラスフィルムに対して同じ態様のもとで順々に引張力を負荷することになる。
このため、密着力の大きい部位においても、密着力の小さい部位と同様にしてガラスフィルムに引張力が負荷されてしまうことになる。これにより、当該ガラスフィルムに過大な応力が作用し、ガラスフィルムに割れが発生する事態を招いてしまう。そこで、このような不具合の発生を回避するため、予め密着力が大きくなっている部位が存在することを想定して、当該部位に適した剥離の態様でもって、密着力の小さい部位も含めた全部位を一様に剥離させることが考えられる。
このような態様によってガラスフィルムを支持ガラスから剥離させる場合、当該ガラスフィルムにおける割れの発生については防止できる可能性がある。しかしながら、密着力が小さく、本来的により高速で剥離作業を実施し得る部位においても、密着力が大きい部位に合わせた速度で剥離作業を実施しなければならないことになる。その結果、製造効率を著しく悪化させるという新たな問題が生じてしまう。
なお、このような問題は、上述のように、ガラスフィルムと支持ガラスとを直接に面接触させて積層した積層体について、ガラスフィルムを支持ガラスから剥離させる場合にのみ生じるものではない。例えば、両者が接着層を介して積層された積層体について、ガラスフィルムを剥離させる場合や、ガラス以外で構成された支持体からガラスフィルムを剥離させる場合にも、部位間での密着力の大きさの差異によって同様に生じ得るものである。
さらに、このような問題は、一つの積層体内において、ガラスフィルムと支持体との密着部における部位間で、密着力の大きさに差異が生じている場合にのみ発生するものでもない。例えば、複数のガラスフィルム積層体の相互間で密着力の大きさに差異が生じているような場合にも、この差異に起因して同様に生じ得るものである。
上記事情に鑑みなされた本発明は、支持体からガラスフィルムを剥離させる際に、当該ガラスフィルムの割れを防止しつつ、可及的に高速で剥離作業を実施可能とすることを技術的課題とする。
上記課題を解決するために創案された本発明に係る装置は、支持体上に積層された可撓性を有するガラスフィルムを支持体から剥離させる剥離手段を備えたガラスフィルム剥離装置であって、ガラスフィルムを剥離させる際の抵抗の大きさに応じて変化する特性値を検出する検出手段と、検出された特性値に基づいて剥離手段による剥離動作を制御する制御手段とを備えることに特徴付けられる。
ここで、「剥離手段による剥離動作」とは、停止した(固定された)状態のガラスフィルム及び支持体に対し、剥離手段が動作してガラスフィルムを剥離させる場合のみを意味するものではない。ガラスフィルム及び支持体に対し、剥離手段が相対的に動作してガラスフィルムを剥離させる場合をも含むことを意味するものである(以下、同じ)。
このような構成によれば、検出手段がガラスフィルムを剥離させる際の抵抗の大きさに応じて変化する特性値を検出することにより、ガラスフィルムと支持体とが密着した密着部の各部位において、両者の間に作用する密着力の大きさを独立して検出することが可能となる。そして、検出された特性値に基づいて、制御手段が各部位に応じた適切な剥離動作を行うように剥離手段を制御することができる。その結果、ガラスフィルムの割れを防止しつつ、可及的に高速で剥離作業を実施することが可能となる。
上記の構成において、剥離手段は、ガラスフィルムと支持体との相互間を横断移動することで、両者が積層された積層部と剥離した剥離部との境界となる剥離進行部を横断移動させる剥離具であってもよい。
上記の構成において、特性値は、剥離具に対し移動方向逆向きに作用する抗力、又は抗力に基づいた計算値であってもよい。
このようにすれば、剥離具に対し移動方向逆向きに作用する抗力、又は抗力に基づいた計算値から、ガラスフィルムと支持体との密着部における各部位で、両者の密着力の大きさを独立して検出することが可能となる。その結果、剥離具が各部位に応じた適切な剥離動作を行うことができる。
上記の構成において、計算値は、抗力を、剥離進行部における剥離具の先端部に沿う方向の長さとなる幅長さで除した値であってもよい。
剥離進行部における幅長さが変化した場合、ガラスフィルムと支持体との密着部における部位間で両者の密着力の大きさに差異が無かったとしても、剥離具に作用する抗力が変化してしまう。そのため、この抗力に基づいて制御手段が剥離具の移動を制御した場合には、当該剥離具が各部位に応じた適切な剥離動作を行えなくなってしまう。しかしながら、当該抗力を幅長さで除した値を特性値とすれば、幅長さの変化とは無関係で、且つ両者の密着力の大小に基づいて変化する値を検出することが可能となる。その結果、剥離具が各部位に応じた適切な剥離動作を行うことができる。
上記の構成において、特性値は、剥離具と支持体との接触部における先端と、剥離進行部との間の距離であってもよい。
このようにすれば、接触部における先端と剥離進行部との間の距離から、ガラスフィルムと支持体との密着部における各部位で、両者の密着力の大きさを独立して検出することが可能となる。その結果、剥離具が各部位に応じた適切な剥離動作を行うことができる。
上記の構成において、検出手段は、剥離具と支持体との接触部における先端、及び剥離進行部を含む画像を撮像する撮像手段と、画像を処理することにより距離を検出する画像処理手段とを含んでいてもよい。
このようにすれば、エッジ検出処理等の画像処理により、接触部における先端と、剥離進行部との間の距離を、より確実に検出することができる。そのため、剥離具が各部位に応じた適切な剥離動作を行う上で、その精度を高めることが可能となる。
上記の構成において、制御手段は、特性値と特性値の所定の基準値とに基づいて(1)剥離具の移動速度を速くする、(2)剥離具の移動速度を遅くする、(3)剥離具を停止させる、(4)剥離具を逆向きに移動させる、のいずれかの制御を実行するように構成されていることが好ましい。
このようにすれば、検出された特性値と、当該特性値の所定の基準値とに基づいて、ガラスフィルムと支持体との密着力が小さい部位においては、制御手段が(1)剥離具の移動速度を速くする制御を実行することで、当該部位でのガラスフィルムの剥離をより高速で実施することが可能となる。一方、両者の密着力が大きい部位においては、制御手段が段階的に(2)剥離具の移動速度を遅くする、(3)剥離具を停止させる、(4)剥離具を逆向きに移動させる制御を実行することで、当該部位でガラスフィルムに割れが発生することをより的確に防止することができる。より詳細には、剥離具による力がガラスフィルムに伝わり、ガラスフィルムに割れが発生するまでには、ある程度の遅れが存在する場合がある。よって,剥離の際における抵抗の大小を検出し、その瞬間に剥離具を停止等させる制御を実行することによって、ガラスフィルムの割れを防ぐことができる。
上記の構成において、検出手段は、剥離具の移動方向に直交する方向の中央部を基準とした両側で、特性値を個別に検出するように構成されると共に、制御手段が、剥離具の中央部を基準とした各側で、検出された特性値に基づいて剥離具の移動速度を個別に制御するように構成されていてもよい。
このようにすれば、剥離具の中央部を基準とした両側の部位でガラスフィルムと支持体との密着力の大きさが異なっていた場合には、剥離具の両側のうち、一方側が他方側に対して先行した状態で移動することが可能となる。これにより、本来的により高速で剥離作業を実施することが可能であるはずの側(密着力の小さい部位の側)が、低速でしか剥離作業を実施することが出来ない側(密着力の大きい部位の側)に合わせた速度で剥離作業を実施せざるをえなくなるような事態を回避することができる。その結果、さらにガラスフィルムを高速で剥離させることが可能となる。
上記の構成において、剥離具は、剥離具から剥離進行部側に流体を噴射する流体噴射手段を有し、制御手段が、特性値に基づいて流体噴射手段による流体の噴射量を制御するように構成されていてもよい。
このようにすれば、ガラスフィルムと支持体との密着力が小さい部位においては、剥離具から剥離進行部側に流体が噴射されることにより、支持体からのガラスフィルムの剥離をより促進することができる。
上記の構成において、剥離手段は、ガラスフィルムと支持体とのうち、一方の表面を吸着した状態で他方から離反する離反方向に移動することにより、両者が積層された積層部と剥離した剥離部との境界となる剥離進行部を横断移動させる吸着部材であってもよい。
上記の構成において、特性値は、吸着部材に対し離反方向とは逆向きに作用する抗力であってもよい。
このようにすれば、吸着部材に対し離反方向とは逆向きに作用する抗力から、ガラスフィルムと支持体との密着部における各部位で、両者の密着力の大きさを独立して検出することが可能となる。その結果、吸着部材が各部位に応じた適切な剥離動作を行うことができる。
上記の構成において、特性値は、剥離進行部が横断移動する際の移動速度、又は加速度であってもよい。
このようにすれば、剥離進行部が横断移動する際の移動速度、又は加速度から、ガラスフィルムと支持体との密着部における各部位で、両者の密着力の大きさを独立して検出することが可能となる。その結果、吸着部材が各部位に応じた適切な剥離動作を行うことができる。
上記の構成において、制御手段は、特性値と当該特性値の所定の基準値とに基づいて(1)吸着部材の離反方向への移動速度を速くする、(2)吸着部材の離反方向への移動速度を遅くする、(3)吸着部材を停止させる、(4)吸着部材を離反方向とは逆向きに移動させる、のいずれかの制御を実行するように構成されていることが好ましい。
このようにすれば、検出された特性値と、当該特性値の所定の基準値とに基づいて、ガラスフィルムと支持体との密着力が小さい部位においては、制御手段が(1)吸着部材の離反方向への移動速度を速くする制御を実行することで、当該部位でのガラスフィルムの剥離をより高速で実施することが可能となる。一方、両者の密着力が大きい部位においては、制御手段が段階的に(2)吸着部材の離反方向への移動速度を遅くする、(3)吸着部材を停止させる、(4)吸着部材を離反方向とは逆向きに移動させる制御を実行することで、当該部位でガラスフィルムに割れが発生することをより的確に防止することができる。
上記の構成において、吸着部材を複数備え、複数の吸着部材の各々は、剥離進行部の横断移動予定方向と直交する方向に延びる境界線によって、上記一方の表面が複数に区画されてなる各領域をそれぞれ吸着すると共に、横断移動予定方向の上流側に位置する吸着部材から順々に隣接する吸着部材が離反方向に移動するように構成されていることが好ましい。
このようにすれば、複数に区画されてなる各領域をそれぞれ吸着する複数の吸着部材を備えていることから、吸着部材一つあたりが支持体から剥離させるべきガラスフィルムの部位を細分化することが可能となる。これにより、ガラスフィルムと支持体とが密着した密着部の各部位において、両者の間に作用する密着力の大きさをより正確に特性値として検出することが可能となる。その結果、吸着部材の各々が適切な剥離動作を行う上で有利となる。
以上のように、本発明によれば、支持体からガラスフィルムを剥離させる際に、当該ガラスフィルムの割れを防止しつつ、ガラスフィルムを可及的に高速で剥離させることが可能となる。
本発明の第一実施形態に係るガラスフィルム剥離装置を示す平面図である。 本発明の第一実施形態に係るガラスフィルム剥離装置を示す縦断側面図である。 本発明の第一実施形態に係るガラスフィルム剥離装置の制御機構を示すブロック図である。 本発明の第一実施形態に係るガラスフィルム剥離装置の制御フローチャートを示す図である。 本発明の第二実施形態に係るガラスフィルム剥離装置を示す平面図である。 本発明の第二実施形態に係るガラスフィルム剥離装置の制御機構を示すブロック図である。 本発明の第二実施形態に係るガラスフィルム剥離装置の制御フローチャートを示す図である。 本発明の第三実施形態に係るガラスフィルム剥離装置を示す平面図である。 本発明の第三実施形態に係るガラスフィルム剥離装置を示す縦断側面図である。 本発明の第三実施形態に係るガラスフィルム剥離装置の制御機構を示すブロック図である。 本発明の第三実施形態に係るガラスフィルム剥離装置の制御フローチャートを示す図である。 本発明の他の実施形態に係るガラスフィルム剥離装置の制御機構を示すブロック図である。 本発明の他の実施形態に係るガラスフィルム剥離装置の制御機構を示すブロック図である。 本発明の他の実施形態に係るガラスフィルム剥離装置の制御機構を示すブロック図である。 本発明の第四実施形態に係るガラスフィルム剥離装置を示す側面図である。 本発明の第四実施形態に係るガラスフィルム剥離装置を示す平面図である。 本発明の第四実施形態に係るガラスフィルム剥離装置の制御機構を示すブロック図である。 本発明の第四実施形態に係るガラスフィルム剥離装置の制御フローチャートを示す図である。 本発明の第五実施形態に係るガラスフィルム剥離装置を示す側面図である。 本発明の第五実施形態に係るガラスフィルム剥離装置の制御機構を示すブロック図である。 本発明の第五実施形態に係るガラスフィルム剥離装置の制御フローチャートを示す図である。 実施例及び比較例において、剥離の対象となるガラスフィルムと、当該ガラスフィルムを支持する支持ガラスとを積層したガラスフィルム積層体を示す平面図である。
以下、本発明の実施形態に係るガラスフィルム剥離装置について添付の図面を参照して説明する。なお、以下に説明する各実施形態において、ガラスフィルム剥離装置は、厚みが300μm以下の可撓性を有するガラスフィルムと、これを支持する支持体としての支持ガラスとを積層したガラスフィルム積層体について、支持ガラスからガラスフィルムを剥離させるための装置となっている。しかしながら、後述するように、本発明に係るガラスフィルム剥離装置は、ガラス以外で構成された支持体からガラスフィルムを剥離させるような場合や、ガラスフィルムと支持体とが接着層を介して積層された積層体について、ガラスフィルムを剥離させる場合にも使用することが可能である。
まず、本発明の各実施形態において剥離の対象となるガラスフィルムと、当該ガラスフィルムを支持する支持体としての支持ガラスと、これらを積層したガラスフィルム積層体について説明する。
可撓性を有するガラスフィルムと、支持体である支持ガラスとの各々は、相互に接触する側の面となる合わせ面の表面粗さRaが2.0nm以下とされ、両合わせ面を直接に面接触させることでガラスフィルム積層体とされている。また、ガラスフィルムは、ガラスフィルム積層体の状態で既に加熱を伴う処理を施されており、ガラスフィルム積層体は、当該処理中にガラスフィルムと支持ガラスとの密着部の温度分布にムラを生じたものである。これにより、密着部の部位間で両ガラスの間に作用する密着力の大きさに差異が発生している。
<第一実施形態>
以下、本発明の第一実施形態に係るガラスフィルム剥離装置について説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係るガラスフィルム剥離装置1を示す平面図であり、図2は、ガラスフィルム剥離装置1に備えられたブレード3の近傍を拡大して表示した縦断側面図である。これらの図に示すように、ガラスフィルム剥離装置1は、ガラスフィルムGFと支持ガラスSGとが積層されたガラスフィルム積層体Gを載置するテーブル2と、ガラスフィルムGFと支持ガラスSGとの相互間を横断移動するブレード3と、ブレード3が移動する際に、当該ブレード3に対し移動方向Xの逆向きに作用する抗力Rを検出するロードセル4とを備えている。
図3は、ガラスフィルム剥離装置1の制御機構を示すブロック図であり、図4は、制御フローチャートを示す図である。これらの図に示すように、ガラスフィルム剥離装置1は、その制御機構として、ロードセル4からの信号S1を受信して後述の特性値Zを検出(算出)する演算装置5と、演算装置5からの信号S2を受信し、特性値Zに対して後述の判定を実施する判定回路6と、判定回路6からの信号S3に基づいて、ブレード3の移動速度Vを、駆動ローラーを介して制御するサーボモーター7と、判定回路6からの信号S4に基づいて、ブレード3から噴射される圧縮エアーAの噴射量Qを、調節弁を介して制御するサーボモーター8とを備えている。
テーブル2は、ガラスフィルム積層体Gを載置する載置面2aを備えている。載置面2aは平面となっており、その外周輪郭は矩形に形成されている。また、矩形の外周輪郭を構成するテーブル2の長側面2bと短側面2cとが、それぞれガラスフィルム積層体Gの長手方向、幅方向(長手方向と直交する方向)と平行となるように、ガラスフィルム積層体Gが載置面2a上に固定された状態で載置される。
ブレード3は、ガラスフィルム積層体Gの長手方向に平行なX方向に沿って、ガラスフィルムGFと支持ガラスSGとの相互間を横断移動するように構成されている。そして、横断移動するための機構として、テーブル2における一対の長側面2bの各々に沿って、それぞれ転動する図示省略の駆動ローラーを備えている。そして、当該駆動ローラーに、サーボモーター7(図1,図2においては図示を省略している)から動力が伝達されることで、ブレード3がX方向に移動する構成となっている。ブレード3のX方向への移動速度Vは、サーボモーター7により制御される。なお、本実施形態においては、ブレード3の材質としてステンレスを用いている。しかしながら、ブレード3の材質はこれに限らず、例えば、テフロン(登録商標)樹脂など、剥離時によりガラスフィルムGFを傷つけにくい材質を用いることができる。
また、ブレード3は、ガラスフィルム積層体Gの幅方向に沿って長尺となるように形成されている。さらに、その先端部3aは、X方向の前方側から後方側に向かって登り勾配となるように形成されている。そして、ブレード3は、X方向への移動に伴って、支持ガラスSGからガラスフィルムGFを漸次に剥離させる。これにより、両ガラスGF,SGが積層された積層部GFaと、剥離した剥離部GFbとの境界となる剥離進行部GFcがX方向に横断移動する。なお、本実施形態において、剥離進行部GFcにおけるブレード3の先端部3aに沿う方向の長さとなる幅長さWは、ガラスフィルムGFの幅方向の長さと実質的に同一となる。
加えて、ブレード3の先端部3aには、圧縮エアーAを噴射するための噴射口3bがガラスフィルム積層体Gの幅方向に沿って複数形成されている。この噴射口3bは、図示省略のエアコンプレッサーと接続されており、当該エアコンプレッサーから供給された圧縮エアーAがブレード3から剥離進行部GFc側に噴射される。圧縮エアーAの噴射量Qは、調節弁の開度により調節される。また、調節弁の開度は、サーボモーター8によって制御される。なお、圧縮エアーA以外に水や油脂、界面活性剤を含む液体等の流体を噴射口3bから噴射する構成としてもよい。ここで、本実施形態においては、ブレード3が剥離手段(剥離具)を構成し、エアコンプレッサーと調節弁とが流体噴射手段を構成している。
ロードセル4は、ブレード3の両端にそれぞれ備えられている。二つのロードセル4は、ブレード3の中央部を基準として対称な位置に存している。そして、ロードセル4a,4bの各々が、ガラスフィルムGFと支持ガラスSGとの密着部の各部位において、両ガラスGF,SGの密着力の大きさによって変化する抗力R(R1,R2)を検出する構成となっている。
次に、上記のガラスフィルム剥離装置1の制御機構の詳細について、図3及び図4を参照して説明する。まず、二つのロードセル4(4a,4b)により検出された抗力R(R1,R2)が信号S1として演算装置5に伝達される。ロードセル4からの信号S1を受信した演算装置5は、抗力Rの和であるR1+R2を、剥離進行部GFcの幅長さWで除することで特性値Zを検出(算出)する。すなわち、特性値Zは、抗力Rに基づいた計算値としてZ=(R1+R2)/Wで表される。特性値Zは、ガラスフィルムGFを支持ガラスSGから剥離させる際の抵抗の大きさに応じて変化する値である。演算装置5は、検出(算出)した当該特性値Zを信号S2として判定回路6へと送信する。ここで、本実施形態においては、ロードセル4と演算装置5とにより検出手段が構成されている。
演算装置5からの信号S2を受信した判定回路6は、まず、受信した信号S2としての特性値Zが、その所定の基準値Zに対して小さい場合(Z<Z:以下、パターン1という)と、大きい場合(Z>Z:以下、パターン2という)と、等しい場合(Z=Z:以下、パターン3という)とのいずれの場合であるかを判定する。ここで、基準値Zの値は、例えば、以下のような手順によって決定すればよい。(手順1)両ガラスGF,SGが水素結合によって密着している部位を剥離させる際に、ガラスフィルムGFに割れを生じずにブレード3を移動させることが可能な限界の移動速度V(以下、この移動速度Vを基準速度Vと表記する)を割り出す。(手順2)割り出された基準速度Vでブレード3が移動している際に、演算装置5によって検出される特性値Zの値を基準値Zとして決定する。なお、この基準値Z(基準速度V)の値は、ガラスフィルムGFの板厚等、種々の条件によって異なってくるため、ガラスフィルムGFの剥離作業を実施する前に予め試験等により適切な値を割り出しておくことが好ましい。
そして、パターン1の場合には、判定結果として信号S3が、サーボアンプを介してサーボモーター7に伝達された後、信号S3を受信したサーボモーター7が、駆動ローラーに伝達する動力を増大させる。これにより、ブレード3のX方向への移動速度Vを速くする制御が実行される。なお、移動速度Vは、検出された特性値Zと基準値Zとの差分量と連動させて、差分量が大きくなる程、移動速度Vが速くなるように制御してもよいし、差分量に拘らず、一定の速度だけ加速するように制御してもよい。
また、パターン1の場合には、判定結果としての信号S4がサーボアンプを介してサーボモーター8に伝達された後、信号S4を受信したサーボモーター8が、調節弁の開度を拡げる。これにより、圧縮エアーAの噴射量Qを増加させる制御が実行される。ここで、噴射量Qは、ブレード3の移動速度Vと同様に、特性値Zと基準値Zとの差分量と連動させて、差分量が大きくなる程、噴射量Qが増加するように制御してもよいし、一定量だけ増加するように制御してもよい。
パターン2の場合には、特性値Zの値について、さらに判定回路6が以下のような判定を実施する。すなわち、特性値Zの値が、ブレード3の移動速度Vを遅くするか、ブレード3の移動を停止させるかの閾となる基準値Z以下である場合(Z<Z≦Z:以下、パターン21という)と、Zよりも大きく、尚且つブレード3の移動を停止させるか、ブレード3をX方向とは逆向きに移動させるかの閾となる基準値Z以下である場合(Z<Z≦Z:以下、パターン22という)と、Zよりも大きい場合(Z>Z:以下、パターン23という)とのいずれの場合であるかを判定する。なお、これらの基準値Z,Zは任意の手法により定めて良い。例えば、基準値Z,Zは、基準値Zを定数倍して算出しても良いが、上述の基準値Zと同様に試験により予め適切な値を割り出しておくことが好ましい。
そして、パターン21の場合には、判定結果として信号S3が、サーボアンプを介してサーボモーター7に伝達された後、信号S3を受信したサーボモーター7が、駆動ローラーに伝達する動力を減少させる。これにより、ブレード3のX方向への移動速度Vを遅くする制御を実行する。また、パターン22の場合には、サーボモーター7が、駆動ローラーを停止させ、ブレード3の移動を停止させる制御が実行される。さらに、パターン23の場合には、サーボモーター7が、駆動ローラーを逆向きに転動させ、ブレード3をX方向に対して逆向きに移動させる制御が実行される。ここで、本実施形態においては、判定回路6と両サーボモーター7,8とが制御手段を構成している。なお、パターン21の場合におけるブレード3の移動速度Vは、検出された特性値Zと基準値Zとの差分量と連動させて、差分量が大きくなる程、移動速度Vが遅くなるように制御してもよいし、差分量に拘らず、一定の速度だけ減速するように制御してもよい。また、パターン21の場合には、圧縮エアーAの噴射量Qを低減するように、サーボモーター8によって調節弁の開度が狭められる。さらに、パターン22、23の場合には、圧縮エアーAの噴射量Qがゼロとなるように、サーボモーター8によって調節弁が完全に閉じられる。
パターン3の場合には、判定結果として信号S3が、サーボアンプを介してサーボモーター7に伝達された後、信号S3を受信したサーボモーター7が駆動ローラーに伝達する動力を維持する。これにより、ブレード3のX方向への移動速度Vが維持される。また、判定結果としての信号S4がサーボアンプを介してサーボモーター8に伝達された後、信号S4を受信したサーボモーター8が調整弁の開度を維持する。これにより、エアーAの噴射量Qが維持される。
以上のように、検出された特性値Zと、当該特性値の所定の基準値Z(基準値Z,Z)とに基づいてブレード3の移動が制御される。そして、この制御が実行されることにより、ブレード3が移動する際に当該ブレード3に作用する抗力Rの大きさが変化する。この変化した抗力Rをロードセル4が再び検出するという一連のループが、支持ガラスSGからのガラスフィルムGFの剥離が完了するまで連続的に繰り返される。なお、本実施形態では、抗力Rに基づいた計算値として、Z=(R1+R2)/Wを特性値Zとして検出している。しかしながら、本実施形態においては、剥離進行部GFcの幅長さWの値は実質的に変化しない(ガラスフィルムGFの幅長さと実質的に同一)ため、特性値Zを抗力として、Z=(R1+R2)を検出する構成としてもよい。
以下、上記の第一実施形態に係るガラスフィルム剥離装置1を、支持ガラスSGからのガラスフィルムGFの剥離に使用した場合の作用・効果について説明する。
上記のガラスフィルム剥離装置1によれば、ロードセル4と演算装置5とが、ガラスフィルムGFを剥離させる際の抵抗の大きさに応じて変化する特性値Zを検出することにより、ガラスフィルムGFと支持ガラスSGとが密着した密着部の各部位において、両ガラスGF,SGの間に作用する密着力の大きさを独立して検出することが可能となる。
そして、検出された特性値Zと、当該特性値Zの所定の基準値Zとに基づき、判定回路6とサーボモーター7とが、ガラスフィルムGFと支持ガラスSGとの密着力が小さい部位においては、ブレード3の移動速度Vを速くする制御(パターン1の場合)を実行することで、当該部位でのガラスフィルムGFの剥離を、より高速で実施することが可能となる。さらには、サーボモーター8の制御により、ブレード3から剥離進行部GFc側に圧縮エアーAが噴射されることで、支持ガラスSGからのガラスフィルムGFの剥離を、さらに促進することができる。
一方、両ガラスGF,SGの密着力が大きい部位においては、判定回路6とサーボモーター7とが段階的に、ブレード3の移動速度Vを遅くする制御(パターン21の場合)、ブレード3の移動を停止させる制御(パターン22の場合)、ブレード3をX方向に対して逆向きに移動させる制御(パターン23の場合)を実行する。これにより、ガラスフィルムGFに割れが生じることを確実に防止することが可能となる。また、これらの制御の実行時には、エアーAの噴射量Qについても、噴射量Qを低減するなど適切な制御が行われる。そのため、ガラスフィルムGFの割れが、より確実に防止される。
以上により、ガラスフィルムGFの割れを防止しつつ、可及的に高速で剥離作業を実施することが可能となる。また、上記のガラスフィルム剥離装置1によれば、後述する各実施形態に係るガラスフィルム剥離装置とは異なり、ガラスフィルムGFの剥離の進行に伴って変化するパラメータが、ブレード3に作用する抗力Rのみとなる。そのため、取り扱うデータ量を少なくすることができるという利点を有している。さらに、特性値Zを抗力として、Z=(R1+R2)を検出する構成とした場合には、演算装置5の演算負荷が低減されるため、処理を速く行うことができる。
<第二実施形態>
以下、本発明の第二実施形態に係るガラスフィルム剥離装置について説明する。なお、以降の第二、第三実施形態に係るガラスフィルム剥離装置の説明において、上述した第一実施形態に係るガラスフィルム剥離装置の構成要素と同一の機能、又は形状を有する構成要素については、第二、第三実施形態について説明するための図面に同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略している。また、以降の第二、第三実施形態においては、第一実施形態と相違している点についてのみ説明する。
図5は、本発明の第二実施形態に係るガラスフィルム剥離装置1を示す平面図であり、図6は、ガラスフィルム剥離装置1の制御機構を示すブロック図である。また、図7は、制御フローチャートを示す図である。これらの図に示すように、この第二実施形態に係るガラスフィルム剥離装置1が、上記の第一実施形態に係るガラスフィルム剥離装置と相違している点は、ブレード3が、ガラスフィルム積層体Gの対角線方向に沿ってガラスフィルムGFと支持ガラスSGとの相互間を横断移動している点と、ガラスフィルム剥離装置1が、その制御機構として、新たにガラスフィルム積層体Gを撮影するカメラ9(図5において図示を省略している)と、カメラ9で撮影された画像の画像データGDを処理する画像処理装置10とを備えている点である。
カメラ9は、テーブル2の上方に固定して設置され、ガラスフィルム積層体Gの全体を撮影するように構成されている。カメラ9で撮影された画像の画像データGDは、画像処理装置10へと伝達される。なお、カメラ9は、ブレード3のX方向への移動に追従するようにX方向へと移動し、剥離進行部GFcの近傍のみを撮影するような構成であってもよい。
画像処理装置10は、カメラ9からの画像データGDを受信すると共に、画像データGDからエッジ検出によって、ブレード3のX方向への移動に伴って漸次変化する剥離進行部GFcの幅長さWを検出する。そして、検出結果を信号S5として演算装置5に送信するように構成されている。
演算装置5は、ロードセル4から受信した信号S1と、画像処理装置10から受信した信号S5とに基づいて、ガラスフィルムGFを支持ガラスSGから剥離させる際の抵抗の大きさに応じて変化する特性値Z(抗力Rに基づいた計算値)としてZ=(R1+R2)/Wを検出(算出)する。そして、当該特性値Zを信号S2として判定回路6へと送信する。ここで、本実施形態においては、ロードセル4と、カメラ9と、画像処理装置10と、演算装置5とにより検出手段が構成されている。
この第二実施形態に係るガラスフィルム剥離装置1を、支持ガラスSGからのガラスフィルムGFの剥離に使用した場合においても、上述した第一実施形態に係るガラスフィルム剥離装置と同様の作用・効果を享受することができる。
なお、本実施形態においては、ブレード3のX方向への移動に伴って、剥離進行部GFcの幅長さWが変化する。この場合、ガラスフィルムGFと支持ガラスSGとの密着部における部位間で両ガラスGF,SGの密着力の大きさに差異が無かったとしても、ロードセル4が検出する抗力Rの大きさが変化してしまう(幅長さWが長い程、抗力Rが大きくなる)。しかしながら、当該抗力Rを幅長さWで除した値を特性値Zとしているため、幅長さWの変化とは無関係で、且つ両ガラスGF,SGの密着力の大小に基づいて変化する値を検出することが可能となる。
<第三実施形態>
以下、本発明の第三実施形態に係るガラスフィルム剥離装置について説明する。
図8は、本発明の第三実施形態に係るガラスフィルム剥離装置1を示す平面図であり、図9は、ガラスフィルム剥離装置1に備えられたブレード3の近傍を拡大して表示した縦断側面図である。また、図10は、ガラスフィルム剥離装置1の制御機構を示す図であり、図11は、制御フローチャートを示す図である。これらの図に示すように、この第三実施形態に係るガラスフィルム剥離装置1が、上記の第一実施形態に係るガラスフィルム剥離装置と相違している点は、ロードセル4が取り除かれている点と、ガラスフィルム剥離装置1が、その制御機構として、新たにガラスフィルム積層体Gを撮影する複数のカメラ9(図8,図9において図示を省略している)と、各カメラ9で撮影された画像の画像データGDを処理する複数の画像処理装置10とを備えている点である。
各カメラ9は、テーブル2の上方に固定して設置されており、ガラスフィルム積層体Gの幅方向に沿って相互が並んでいる。そして、各カメラ9は、その下方をX方向に通過するブレード3の近傍(後述する剥離進行部GFcと、ブレード3と支持ガラスSGとの接触部における先端Pとを含む領域)を、それぞれの設置位置において撮影するように構成されている。各カメラ9で撮影された画像の画像データGDは、各カメラ9と接続された画像処理装置10へと伝達される。
各画像処理装置10は、カメラ9からの画像データGDを受信すると共に、画像データGDからエッジ検出によって、剥離進行部GFcと、ブレード3と支持ガラスSGとの接触部における先端Pとを検出する。そして、剥離進行部GFcと先端Pとの間の距離Dを信号S6として演算装置5に送信するように構成されている。
演算装置5は、各画像処理装置10から受信した信号S6に基づき、ガラスフィルムGFを支持ガラスSGから剥離させる際の抵抗の大きさに応じて変化する特性値Zとして、剥離進行部GFcと先端Pとの間の距離Dの平均値D’を検出(算出)する。そして、当該特性値Z(=D’)を信号S2として判定回路6へと送信する。ここで、本実施形態においては、カメラ9の各々が撮像手段、画像処理装置10の各々が画像処理手段を構成している。また、複数のカメラ9と、複数の画像処理装置10と、演算装置5とにより検出手段が構成されている。
演算装置5からの信号S2を受信した判定回路6は、まず、受信した信号S2としての特性値Zが、その所定の基準値Zに対して大きい場合(Z>Z:以下、パターン4という)と、小さい場合(Z<Z:以下、パターン5という)と、等しい場合(Z=Z:以下、パターン6という)とのいずれの場合であるかを判定する。ここで、基準値Zの値は、例えば、上述の第一実施形態と同様の手順によって決定すればよい。
そして、パターン4の場合には、判定結果として信号S3が、サーボアンプを介してサーボモーター7に伝達された後、信号S3を受信したサーボモーター7が、駆動ローラーに伝達する動力を増大させる。これにより、ブレード3のX方向への移動速度Vを速くする制御が実行される。また、パターン4の場合には、判定結果としての信号S4がサーボアンプを介してサーボモーター8に伝達された後、信号S4を受信したサーボモーター8が調節弁の開度を拡げる。これにより、圧縮エアーAの噴射量Qを増加させる制御が実行される。
パターン5の場合には、特性値Zの値について、さらに判定回路6が以下のような判定を実施する。すなわち、特性値Zの値が、ブレード3の移動速度Vを遅くするか、ブレード3の移動を停止させるかの閾となる基準値Z以上である場合(Z≦Z<Z:以下、パターン51という)と、Zよりも小さく、尚且つブレード3の移動を停止させるか、ブレード3をX方向とは逆向きに移動させるかの閾となる基準値Z以上である場合(Z≦Z<Z:以下、パターン52という)と、Zよりも小さい場合(Z<Z:以下、パターン53という)とのいずれの場合であるかを判定する。なお、これらの基準値Z,Zは、上記の第一実施形態と同様に任意の手法により定めて良い。例えば、基準値Z,Zは、基準値Zを定数倍して算出しても良い。
そして、パターン51の場合には、判定結果として信号S3が、サーボアンプを介してサーボモーター7に伝達された後、信号S3を受信したサーボモーター7が、駆動ローラーに伝達する動力を減少させる。これにより、ブレード3のX方向への移動速度Vを遅くする制御が実行される。また、パターン52の場合には、サーボモーター7が、駆動ローラーを停止させ、ブレード3の移動を停止させる制御が実行される。さらに、パターン53の場合には、サーボモーター7が、駆動ローラーを逆向きに転動させ、ブレード3をX方向に対して逆向きに移動させる制御が実行される。なお、パターン51の場合には、圧縮エアーAの噴射量Qを低減するように、サーボモーター8によって調節弁の開度が狭められる。さらに、パターン52、53の場合には、圧縮エアーAの噴射量Qがゼロとなるように、サーボモーター8によって調節弁が完全に閉じられる。
パターン6の場合には、判定結果として信号S3が、サーボアンプを介してサーボモーター7に伝達された後、信号S3を受信したサーボモーター7が駆動ローラーに伝達する動力を維持する。これにより、ブレード3のX方向への移動速度Vが維持される。また、判定結果としての信号S4がサーボアンプを介してサーボモーター8に伝達された後、信号S4を受信したサーボモーター8が調整弁の開度を維持する。これにより、エアーAの噴射量Qが維持される。
以上のように、検出された特性値Zと、当該特性値の所定の基準値Z(基準値Z,Z)とに基づいてブレード3の移動が制御される。そして、この制御が実行されることにより、ブレード3が移動する際の剥離進行部GFcと先端Pとの間の距離D、ひいては、その平均値D’が変化する。この変化した距離Dをカメラ9が再び検出するという一連のループが、支持ガラスSGからのガラスフィルムGFの剥離が完了するまで連続的に繰り返される。
この第三実施形態に係るガラスフィルム剥離装置1を、支持ガラスSGからのガラスフィルムGFの剥離に使用した場合においても、剥離進行部GFcと先端Pとの間の距離Dの平均値D’から、ガラスフィルムGFと支持ガラスSGとの密着部における各部位で、両ガラスGF,SGの密着力の大きさを独立して検出することが可能となる。これにより、上述した第一実施形態に係るガラスフィルム剥離装置と同様の作用・効果を享受することができる。また、本実施形態では、エッジ検出によって剥離進行部GFcと先端Pとの間の距離Dを、ひいては、特性値Z(=D’)の値を確実に検出することができる。このため、ブレード3がガラスフィルムGFと支持ガラスSGとの密着部の各部位に応じた適切な移動を行う上で、その精度を高めることが可能である。
なお、本実施形態に係るガラスフィルム剥離装置1は、上述の第二実施形態に係るガラスフィルム剥離装置のように、ガラスフィルム積層体Gの対角線方向に沿って、ブレード3がガラスフィルムGFと支持ガラスSGとの相互間を横断移動する構成とすることも可能である。
ここで、上述した第一〜第三実施形態に係るガラスフィルム剥離装置1は、ブレード3の中央部を基準とした両側で、ブレード3のX方向への移動速度Vを個別に制御(以下、両側個別制御という)するように構成することもできる。このような構成とした場合におけるガラスフィルム剥離装置1の制御機構を図12a〜図12cに示す。
図12aは、第一実施形態に係るガラスフィルム剥離装置1において、両側個別制御を実施する場合の制御機構を示す図である。同図に示すように、ブレード3の両端に備えられたロードセル4a,4bの各々が、それぞれ抗力R1,R2を検出し、信号S1として二基の演算装置5にそれぞれ伝達する。ロードセル4a,4bからの信号S1を受信した演算装置5は、抗力R1,R2を、それぞれ剥離進行部GFcの幅長さWで除することで特性値Zを検出(算出)する。すなわち、特性値Zは、抗力Rに基づいた計算値としてZ=R1/W、Z=R2/Wで表される。そして、当該特性値Zを信号S2として判定回路6へとそれぞれ送信する。そして、第一実施形態と同様にして各信号が伝達されていく。これにより、ブレード3における中央部を基準とした一方側と他方側とで、ブレード3の移動速度V1,V2と、圧縮エアーAの噴射Q1(ブレード3の一方側における圧縮エアーAの噴射量),Q2(ブレード3の他方側における圧縮エアーAの噴射量)とが個別に制御される。
図12bは、第二実施形態に係るガラスフィルム剥離装置1において、両側個別制御を実施する場合の制御機構を示す図である。同図に示すように、ブレード3の両端に備えられたロードセル4a,4bの各々が、それぞれ抗力R1,R2を検出し、信号S1として二基の演算装置5にそれぞれ伝達する。また、画像処理装置10から、漸次変化する剥離進行部GFcの幅長さWが信号S5として二基の演算装置5の各々に伝達される。演算装置5は、特性値ZとしてZ=R1/W、Z=R2/Wを検出(算出)する。そして、当該特性値Zを信号S2として判定回路6へとそれぞれ送信する。そして、第二実施形態と同様にして各信号が伝達されていく。これにより、ブレード3における中央部を基準とした一方側と他方側とで、ブレード3の移動速度V1,V2と、圧縮エアーAの噴射Q1,Q2とが個別に制御される。
図12cは、第三実施形態に係るガラスフィルム剥離装置1において、両側個別制御を実施する場合の制御機構を示す図である。同図に示すように、ブレード3の中央部を基準として一方側に備えられた各カメラ9aと、他方側に備えられた各カメラ9bとの全てが、それぞれの設置位置において撮影した画像データGDを画像処理装置10に伝達する。各画像処理装置10は、剥離進行部GFcと先端Pとの間の距離Dを信号S6として演算装置5に送信する。このとき、カメラ9aと接続された画像処理装置10から送信される信号S6と、カメラ9bと接続された画像処理装置10から送信される信号S6とは、異なる演算装置5にそれぞれ送信される。演算装置5は、特性値ZとしてZ=D’1(ブレード3の一方側におけるDの平均値)、Z=D’2(ブレード3の他方側におけるDの平均値)を検出(算出)する。そして、当該特性値Zを信号S2として判定回路6へとそれぞれ送信する。そして、第三実施形態と同様にして各信号が伝達されていく。これにより、ブレード3における中央部を基準とした一方側と他方側とで、ブレード3の移動速度V1,V2と、圧縮エアーAの噴射Q1,Q2とが個別に制御される。
なお、これらのように両側個別制御を実施する場合においても、特性値Zの基準値Z、及び基準値Z,Zの値は、ガラスフィルムGFの板厚等、種々の条件によって異なってくるため、予め試験等により適切な値を割り出しておくことが好ましい。
このような両側個別制御によれば、ブレード3の中央部を基準とした両側の部位でガラスフィルムGFと支持ガラスSGとの密着力の大きさが異なっている場合に、ブレード3の両側のうち、一方側が他方側に対して先行した状態で移動することが可能となる。これにより、本来的により高速で剥離作業を実施することが可能であるはずの側(密着力の小さい部位の側)が、低速でしか剥離作業を実施することが出来ない側(密着力の大きい部位の側)に合わせた速度で剥離作業を実施せざるをえなくなるような事態を回避することができる。その結果、さらにガラスフィルムGFを高速で剥離させることが可能となる。
<第四実施形態>
以下、本発明の第四実施形態に係るガラスフィルム剥離装置について説明する。
図13は、本発明の第四実施形態に係るガラスフィルム剥離装置11を示す側面図であり、図14は、ガラスフィルム剥離装置11を示す平面図である。これらの図に示すように、ガラスフィルム剥離装置11は、ガラスフィルムGFの表面を吸着した状態で支持ガラスSGから離反する離反方向Yへと移動可能な剥離手段としての複数の吸着部材12と、複数の吸着部材12の各々を離反方向Y、及び離反方向Yの逆方向へと移動させるための複数の昇降装置13と、各吸着部材12が移動する際に当該吸着部材12に対し離反方向Yとは逆向きに作用する抗力Rを、特性値Zとして検出する検出手段としての複数のロードセル14とを備えている。
図15は、ガラスフィルム剥離装置11の制御機構を示すブロック図であり、図16は、制御フローチャートを示す図である。これらの図に示すように、ガラスフィルム剥離装置11は、その制御機構として、ロードセル14が検出した特性値Z(抗力R)を信号S7として受信し、特性値Zに対して後述の判定を実施する判定回路15と、判定回路15からの信号S8に基づいて、吸着部材12の移動を制御するサーボモーター16とを備えている。ここで、本実施形態においては、判定回路15とサーボモーター16とが制御手段を構成している。
複数の昇降装置13の各々は、サーボモーター16を内蔵し、且つガラスフィルムGFと対向するように配置された板に固定される本体部13aと、サーボモーター16の動力によって昇降する棒状に形成された昇降部13bとを備えている。本体部13a及び板には、昇降部13bを挿入するための孔がそれぞれ形成されており、これらの孔を貫通した昇降部13bを、サーボモーター16の動力によって回転する駆動ローラーが移動自在に保持している。そして、駆動ローラーを介してサーボモーター16からの動力を昇降部13bに伝達することにより、吸着部材12を移動させると共に、その移動速度Vを制御する構成となっている。
複数の吸着部材12の各々は、ガラスフィルムGFの表面との当接部に多数の吸引孔が形成された複数の吸着パッド12aと、複数の吸着パッド12aをまとめて保持する保持板12bとを備えている。各吸着パッド12aに形成された多数の吸引孔は、真空ポンプと接続されており、当該真空ポンプの稼働によってガラスフィルムGFに負圧を発生させることにより、吸着パッド12aがガラスフィルムGFの表面を吸着する。保持板12bは、昇降装置13の稼働によって保持板12b自身が移動することで、複数の吸着パッド12aを一括して移動させる。なお、本実施形態においては、複数の吸着部材12の各々が、同じ個数の吸着パッド12aを備えている。
また、複数の吸着部材12の各々は、境界線L1〜L4によってガラスフィルムGFの表面が複数に区画されてなる各領域AR1〜AR5をそれぞれ吸着する。境界線L1〜L4は、両ガラスGF,SGが積層された積層部GFaと剥離した剥離部GFbとの境界となる剥離進行部GFcの横断移動予定方向Cと直交する方向に延びている。そして、横断移動予定方向Cの上流側に位置する吸着部材12から順々に隣接する吸着部材12が離反方向Yへと移動することにより、剥離進行部GFcを横断移動させる。なお、複数の吸着部材12の各々は、自身が離反方向Yへの移動を開始してから、隣接する吸着部材12が離反方向Yへの移動を開始するまでの間、その移動を制御される構成となっている。また、剥離進行部GFcの横断移動予定方向Cは、ガラスフィルムGFの長手方向と平行となっている。
ロードセル14は、昇降装置13に備えられた昇降部13bと、吸着部材12に備えられた保持板12bとの間に介在すると共に、これらの双方に固定された状態で取り付けられている。そして、吸着部材12の離反方向Yへの移動時に、ガラスフィルムGFと支持ガラスSGとの密着部の各部位において、両ガラスGF,SGの密着力の大きさによって変化する抗力Rを特性値Zとして検出する構成となっている。
次に、上記のガラスフィルム剥離装置11の制御機構の詳細について、図15及び図16を参照して説明する。横断移動予定方向Cの最上流に位置する吸着部材12が、領域AR1を吸着した状態で支持ガラスSGから離反する離反方向Yへの移動を開始すると、判定回路15が以下のような判定を実施する。
ロードセル14からの信号S7を受信した判定回路15は、まず、受信した信号S7としての特性値Z(抗力R)が、その所定の基準値Zに対して小さい場合(Z<Z:以下、パターン7という)と、大きい場合(Z>Z:以下、パターン8という)と、等しい場合(Z=Z:以下、パターン9という)とのいずれの場合であるかを判定する。ここで、基準値Zの値は、例えば、以下のような手順によって決定すればよい。(手順1)両ガラスGF,SGが水素結合によって密着している部位を剥離させる際に、ガラスフィルムGFに割れを生じずに吸着部材12を移動させることが可能な限界の移動速度Vを割り出す。(手順2)割り出された限界の移動速度Vで吸着部材12が移動している際に、ロードセル14が検出する特性値Z(抗力R)の値を基準値Zとして決定する。なお、この基準値Zの値は、ガラスフィルムGFの板厚等、種々の条件によって異なってくるため、ガラスフィルムGFの剥離作業を実施する前に予め試験等により適切な値を割り出しておくことが好ましい。
そして、パターン7の場合には、判定結果として信号S8が、サーボアンプを介してサーボモーター16に伝達された後、信号S8を受信したサーボモーター16が、駆動ローラーに伝達する動力を増大させる。これにより、吸着部材12の離反方向Yへの移動速度Vを速くする制御が実行される。なお、移動速度Vは、検出された特性値Zと基準値Zとの差分量と連動させて、差分量が大きくなる程、移動速度Vが速くなるように制御してもよいし、差分量に拘らず、一定の速度だけ加速するように制御してもよい。
パターン8の場合には、特性値Zの値について、さらに判定回路15が以下のような判定を実施する。すなわち、特性値Zの値が、吸着部材12の移動速度Vを遅くするか、吸着部材12の移動を停止させるかの閾となる基準値Z以下である場合(Z<Z≦Z:以下、パターン81という)と、Zよりも大きく、尚且つ吸着部材12の移動を停止させるか、吸着部材12を離反方向Yとは逆向きに移動させるかの閾となる基準値Z以下である場合(Z<Z≦Z:以下、パターン82という)と、Zよりも大きい場合(Z>Z:以下、パターン83という)とのいずれの場合であるかを判定する。なお、これらの基準値Z,Zは任意の手法により定めて良い。例えば、基準値Z,Zは、基準値Zを定数倍して算出しても良いが、上述の基準値Zと同様に試験により予め適切な値を割り出しておくことが好ましい。
そして、パターン81の場合には、判定結果として信号S8が、サーボアンプを介してサーボモーター16に伝達された後、信号S8を受信したサーボモーター16が、駆動ローラーに伝達する動力を減少させる。これにより、吸着部材12の離反方向Yへの移動速度Vを遅くする制御を実行する。また、パターン82の場合には、サーボモーター16が、駆動ローラーを停止させ、吸着部材12の移動を停止させる制御が実行される。なお、パターン81の場合における吸着部材12の移動速度Vは、検出された特性値Zと基準値Zとの差分量と連動させて、差分量が大きくなる程、移動速度Vが遅くなるように制御してもよいし、差分量に拘らず、一定の速度だけ減速するように制御してもよい。
パターン83の場合には、特性値Zの値について、さらに判定回路15が以下のような判定を実施する。すなわち、特性値Zの値が、制御対象となる吸着部材12を切り替えるか否かの閾となる基準値Zmax以下である場合(Zmax≧Z>Z:以下、パターン831という)と、Zmaxよりも大きい場合(Z>Zmax:以下、パターン832という)とのいずれの場合であるかを判定する。ここで、基準値Zmaxの値は、例えば、以下のような手順によって決定すればよい。(手順1)領域AR2を吸着する吸着部材12が、支持ガラスSGから未剥離のガラスフィルムGFの表面と当接した状態の下で、領域AR1を吸着した吸着部材12を離反方向Yへと移動させる。このとき、領域AR2を吸着する吸着部材12がガラスフィルムGFと当接していることで、領域AR1を吸着した吸着部材12の離反方向Yへの移動に伴って次第にガラスフィルムGFに作用する応力、及び検出される特性値Z(抗力R)の値が大きくなっていく。(手順2)ガラスフィルムGFに割れを生じない限界の位置まで吸着部材12を離反方向Yへと移動させた際に検出される特性値Zの値を基準値Zmaxとして決定する。この基準値Zmaxの値は、上述の基準値Zと同様に試験により予め適切な値を割り出しておくことが好ましい。
そして、パターン831の場合には、判定結果として信号S8が、サーボアンプを介してサーボモーター16に伝達された後、信号S8を受信したサーボモーター16が、駆動ローラーを逆向きに転動させ、吸着部材12を離反方向Yに対して逆向きに移動させる制御が実行される。また、パターン832の場合には、制御対象となる吸着部材12が横断移動予定方向Cにおいて下流側に隣接する吸着部材12に切り替わる。つまり、領域AR1を吸着する吸着部材12から、領域AR2を吸着する吸着部材12に制御対象が切り替わり、領域AR2を吸着する吸着部材12が離反方向Yへの移動を開始する(以降の制御対象の切り替えについても同様に行われる)。
パターン9の場合には、判定結果として信号S8が、サーボアンプを介してサーボモーター16に伝達された後、信号S8を受信したサーボモーター16が駆動ローラーに伝達する動力を維持する。これにより、吸着部材12の離反方向Yへの移動速度Vが維持される。
以上のように、検出された特性値Z(抗力R)と、当該特性値の所定の基準値Z(基準値Z,Z)とに基づいて吸着部材12の移動が制御される。また、検出された特性値Zと、基準値Zmaxとに基づいて制御対象となる吸着部材12が切り替わる。そして、これらの制御が実行されることにより、吸着部材12が移動する際に当該吸着部材12に作用する抗力Rの大きさが変化する。この変化した抗力Rをロードセル14が再び検出するという一連のループが、支持ガラスSGからのガラスフィルムGFの剥離が完了するまで連続的に繰り返される。
この第四実施形態に係るガラスフィルム剥離装置11によっても、上記の第一実施形態に係るガラスフィルム剥離装置1と同様の作用・効果を得ることができる。また、このガラスフィルム剥離装置11は、ガラスフィルムGFの表面が複数に区画されてなる各領域AR1〜AR5をそれぞれ吸着する複数の吸着部材12を備えている。このため、吸着部材12一つあたりが支持ガラスSGから剥離させるべきガラスフィルムGFの部位を細分化することが可能となる。これにより、ガラスフィルムGFと支持ガラスSGとが密着した密着部の各部位において、両ガラスGF,SGの間に作用する密着力の大きさをより正確に特性値Zとして検出することが可能となる。その結果、吸着部材12の各々が適切な剥離動作を行う上で有利となる。
<第五実施形態>
以下、本発明の第五実施形態に係るガラスフィルム剥離装置について説明する。なお、この第五実施形態に係るガラスフィルム剥離装置の説明において、上述した第四実施形態に係るガラスフィルム剥離装置の構成要素と同一の機能、又は形状を有する構成要素については、第五実施形態について説明するための図面に同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略し、第四実施形態と相違している点についてのみ説明する。
図17は、本発明の第五実施形態に係るガラスフィルム剥離装置11を示す側面図であり、図18は、ガラスフィルム剥離装置11の制御機構を示すブロック図である。また、図19は、制御フローチャートを示す図である。これらの図に示すように、第五実施形態に係るガラスフィルム剥離装置11が、上記の第四実施形態に係るガラスフィルム剥離装置11と相違している点は、ロードセル14が取り除かれている点と、制御機構として、ガラスフィルム積層体Gを撮影するカメラ17と、カメラ17で撮影された画像の画像データGDを処理する画像処理装置18と、画像処理装置18の処理結果に基づいて、後述の特性値Zを検出(算出)するための演算装置19とを備えている点である。
カメラ17は、剥離進行部GFcの横断移動予定方向Cと平行に延びるガラスフィルム積層体Gの側面(端部)について、その全長を視野に収めるように設置されている。そして、剥離進行部GFcが横断移動する際に、ガラスフィルム積層体Gの側面を一定の時間間隔で連続的に撮影するように構成されている。カメラ17で連続的に撮影された各画像の画像データGDは、カメラ17と接続された画像処理装置18へと伝達される。
画像処理装置18は、カメラ17からの画像データGDを受信すると共に、各画像が撮影された時点における剥離進行部GFcの位置を検出する。そして、検出された各時点における剥離進行部GFcの位置を信号S9として演算装置19に送信する。
演算装置19は、画像処理装置18から受信した信号S9に基づき、時系列的に連続して検出された二つの剥離進行部GFcの位置から、カメラ17が撮影を行う時間間隔あたりに剥離進行部GFcが横断移動した距離DDを算出する。その後、算出された距離DDをカメラ17が撮影を行う時間間隔で除することにより、剥離進行部GFcが横断移動する際の移動速度VVを、特性値Zとして連続的に検出(算出)する。そして、検出された特性値Zを信号S10として判定回路15へと送信する。ここで、本実施形態においては、カメラ17と、画像処理装置18と、演算装置19とにより検出手段が構成されている。
次に、上記のガラスフィルム剥離装置11の制御機構の詳細について、図18及び図19を参照して説明する。横断移動予定方向Cの最上流に位置する吸着部材12が、領域AR1を吸着した状態で支持ガラスSGから離反する離反方向Yへの移動を開始すると、判定回路15が以下のような判定を実施する。
演算装置19からの信号S10を受信した判定回路15は、まず、受信した信号S10としての特性値Z(移動速度VV)が、その所定の基準値Zに対して大きい場合(Z>Z:以下、パターン10という)と、小さい場合(Z<Z:以下、パターン11という)と、等しい場合(Z=Z:以下、パターン12という)とのいずれの場合であるかを判定する。ここで、基準値Zの値は、例えば、以下のような手順によって決定すればよい。(手順1)両ガラスGF,SGが水素結合によって密着している部位を剥離させる際に、ガラスフィルムGFに割れを生じずに吸着部材12を移動させることが可能な限界の移動速度Vを割り出す。(手順2)割り出された限界の移動速度Vで吸着部材12が移動している際に、演算装置19が検出する特性値Z(移動速度VV)の値を基準値Zとして決定する。なお、この基準値Zの値についても、ガラスフィルムGFの剥離作業を実施する前に予め試験等により適切な値を割り出しておくことが好ましい。
そして、パターン10の場合には、判定結果として信号S11が、サーボアンプを介してサーボモーター16に伝達された後、信号S11を受信したサーボモーター16が、駆動ローラーに伝達する動力を増大させる。これにより、吸着部材12の離反方向Yへの移動速度Vを速くする制御が実行される。
パターン11の場合には、特性値Zの値について、さらに判定回路15が以下のような判定を実施する。すなわち、特性値Zの値が、吸着部材12の移動速度Vを遅くするか、吸着部材12の移動を停止させるかの閾となる基準値Z以上である場合(Z≦Z<Z:以下、パターン111という)と、Zよりも小さく、尚且つ吸着部材12の移動を停止させるか、吸着部材12を離反方向Yとは逆向きに移動させるかの閾となる基準値Z以上である場合(Z≦Z<Z:以下、パターン112という)と、Zよりも小さい場合(Z<Z:以下、パターン113という)とのいずれの場合であるかを判定する。なお、これらの基準値Z,Zは、上記の第四実施形態と同様に任意の手法により定めて良い。例えば、基準値Z,Zは、基準値Zを定数倍して算出しても良い。
そして、パターン111の場合には、判定結果として信号S11が、サーボアンプを介してサーボモーター16に伝達された後、信号S11を受信したサーボモーター16が、駆動ローラーに伝達する動力を減少させる。これにより、吸着部材12の離反方向Yへの移動速度Vを遅くする制御が実行される。また、パターン112の場合には、サーボモーター16が、駆動ローラーを停止させ、吸着部材12の移動を停止させる制御が実行される。さらに、パターン113の場合には、サーボモーター16が、駆動ローラーを逆向きに転動させ、吸着部材12の離反方向Yに対して逆向きに移動させる制御が実行される。
パターン12の場合には、判定結果として信号S11が、サーボアンプを介してサーボモーター16に伝達された後、信号S11を受信したサーボモーター16が駆動ローラーに伝達する動力を維持する。これにより、吸着部材12の離反方向Yへの移動速度Vが維持される。
なお、この第五実施形態に係るガラスフィルム剥離装置11では、制御対象となる吸着部材12の切り替えについて、上記の第四実施形態に係るガラスフィルム剥離装置11とは異なり、剥離進行部GFcの位置を検出することで行っている。詳述すると、領域AR1を吸着した吸着部材12が離反方向Yへと移動を開始した後、剥離進行部GFcが領域AR2を吸着する吸着部材12に備えられた吸着パッド12aの直下まで到達すると、制御対象となる吸着部材12が、領域AR2を吸着する吸着部材12に切り替わる。そして、当該吸着部材12が離反方向Yへの移動を開始する(以降の制御対象の切り替えについても同様に行われる)。
以上のように、検出された特性値Z(移動速度VV)と、当該特性値の所定の基準値Z(基準値Z,Z)とに基づいて吸着部材12の移動が制御される。そして、この制御が実行されることにより、剥離進行部GFcが横断移動する際の移動速度VVが変化する。この移動速度VVの変化した剥離進行部GFcをカメラ17が再び撮影するという一連のループが、支持ガラスSGからのガラスフィルムGFの剥離が完了するまで連続的に繰り返される。
なお、本実施形態においては、剥離進行部GFcが横断移動する際の移動速度VVを特性値Zとして検出しているが、移動速度VVに代えて加速度を特性値Zとして検出し、この特性値Z(加速度)に基づいて吸着部材12の移動を制御する構成としてもよい。例えば、演算装置19が検出した移動速度VVを記憶する記憶装置を設け、時系列的に連続して検出された二つの移動速度VVの値を記憶させる。その後、記憶装置から二つの移動速度VVの値を信号として別途に設けた演算装置に送信させる。そして、当該演算装置によって二つの移動速度VVの値の差分をカメラ17が撮影を行う時間間隔で除する演算を実行させることで、剥離進行部GFcが横断移動する際の加速度を特性値Zとして検出する構成としてもよい。
この第五実施形態に係るガラスフィルム剥離装置11によっても、上記の第一実施形態に係るガラスフィルム剥離装置1と同様の作用・効果を得ることが可能である。
ここで、本発明に係るガラスフィルム剥離装置は、支持ガラスに支持されたガラスフィルムのみを剥離の対象とするものではない。例えば、シリコン等、支持ガラス以外で構成された支持体からガラスフィルムを剥離させるような場合にも、本発明に係るガラスフィルム剥離装置を使用することが可能である。また、上記の各実施形態においては、ガラスフィルムと支持ガラスとを直接に面接触させて積層したガラスフィルム積層体について、支持ガラスからガラスフィルムを剥離させる態様となっている。しかしながら、ガラスフィルムと支持体とが接着層を介して積層された積層体について、支持体からガラスフィルムを剥離させるような場合においても、本発明に係るガラスフィルム剥離装置を使用することができる。さらには、例えば、支持体とガラスフィルムとの密着力が相互に異なった複数のガラスフィルム積層体について、連続的に各支持体から各ガラスフィルムを剥離させるような場合にも使用することが可能である。
また、本発明に係るガラスフィルム剥離装置は、上記の各実施形態で説明した構成に限定されるものではない。例えば、上記の第一実施形態〜第三実施形態においては、テーブル上に固定された状態のガラスフィルム積層体に対し、ブレードが移動することによって支持ガラスからガラスフィルムを剥離させる構成となっている。しかしながら、ブレードを固定した状態でガラスフィルム積層体を載置したテーブルを移動させると共に、その移動速度を制御してガラスフィルムを剥離させる構成としてもよい。また、ブレード3の移動方向についても、ガラスフィルム積層体の長手方向や、対角線方向に限らず、任意の方向とすることが可能である。
さらに、上記の第一実施形態〜第三実施形態に係るガラスフィルム剥離装置には、ガラスフィルムの表面を吸着しながら当該ガラスフィルムに引張力を作用させることで、ガラスフィルムの剥離を補助する複数の吸着パッドを設けてもよい。この場合、ブレードの移動方向に沿って各吸着パッドを設置し、特性値に基づいて、各吸着パッドからガラスフィルムに作用させる引張力の大きさを制御する構成としてもよい。また、特性値に基づいて、全吸着パッドの中からガラスフィルムに引張力を作用させる吸着パッドを選択する構成としてもよい。
加えて、上記の第一実施形態〜第三実施形態において、カメラはいずれも積層体を上方から撮影するように構成されているが、下方から撮影を実施する構成としてもよい。このとき、カメラとしては種々のものを使用することができる。例えば、シリコン等の可視光に対し不透明な材料を支持体として使用する場合であっても、赤外線カメラを採用することで、該支持体を透視してエッジ検出を実施することができる場合がある。
また、上述の各実施形態において、ガラスフィルム剥離装置の制御機構に何らかの外乱が働いた場合への対策として、フィードバック制御を実施する構成としてもよい。このような場合の一例として、ガラスフィルム剥離装置に、ブレード(吸着部材)の移動速度を検出する検出器等を新たに設ける。そして、検出器が検出した速度を信号として、ブレード(吸着部材)の移動速度を制御するサーボモーター(サーボアンプ)にフィードバックするような構成とすることが可能である。
また、上述の各実施形態では特性値の基準値を予め試験等により求める例について説明したが、他の方法を用いて求めても良い。例えば、シミュレーションにより求めても良いし、前後の工程のタクトタイム等に応じて任意に定めても良い。
また、上述の第一実施形態〜第三実施形態、及び、第五実施形態では、演算装置と判定回路とが個別のハードウェアとして構成されている場合を例として説明したが、演算装置及び判定回路の機能構成は、単一のコンピュータ及び該コンピュータが備えるソフトウェアにより実現されても構わない。
また、上記の第一実施形態〜第三実施形態では、ブレードに代えて、紐や樹脂シートを使用してガラスフィルムを剥離させる構成としてもよい。紐の材質としては、例えば、ポリエチレン、ナイロン(登録商標)、テフロン(登録商標)を使用することができる。また、樹脂シートの材質としては、例えば、テフロン(登録商標)を使用することができる。紐や樹脂シートは、ブレードと比較してその厚みが薄いため、これらを使用すれば、紐や樹脂シートが横断移動する際にロードセルが検出する抗力の値を小さくすることが可能となる。
また、上記の第四実施形態、及び第五実施形態では、吸着部材がガラスフィルムの表面を吸着した状態で支持ガラスから離反する離反方向へと移動することにより、ガラスフィルムを剥離させる構成となっている。しかしながら、この限りではなく、吸着部材が支持ガラスの表面を吸着した状態でガラスフィルムから離反する離反方向へと移動することにより、ガラスフィルムを剥離させる構成としてもよい。
また、上記の第五実施形態では、剥離進行部が横断移動する際に、カメラがガラスフィルム積層体の側面(端部)を連続的に撮影する構成となっているが、ガラスフィルム積層体の表面、又は裏面を連続的に撮影する構成としてもよい。このようにしても、剥離進行部が横断移動する際の移動速度、又は加速度を特性値として検出することができる。
また、上記の実施形態では、複数に区画された各領域に配される吸着パッドの個数が同数である場合を一例として説明したが、複数に区画された各領域に配される吸着パッドの個数は、領域毎に変更してもよい。すなわち、吸着パッドの配置に分布を持たせた形態としてもよい。例えば、ガラスフィルム又は支持ガラスの端面付近の吸着パッドの個数を他の部分より多くすることによって、ガラスの端面への部分的な応力集中を低減し、剥離時の割れを防止することができる。なお、このような形態の場合、各領域に配された吸着パッドの個数に応じて基準値を定めることが好ましい。具体的には、吸着パッドの個数が相対的に多い区画においては各吸着パッドに付随するロードセルが検出する抗力が相対的に小さくなるため、基準値を相対的に低く設定するとよい。一方、吸着パッドの個数が相対的に少ない区画においては、各吸着パッドに付随するロードセルが検出する抗力が相対的に大きくなるため、基準値を相対的に高く設定するとよい。
本発明の実施例として、上記の第一〜第三実施形態に係るガラスフィルム剥離装置1を使用して、図20に示すガラスフィルム積層体Gについて、後述する4つの条件(実施例3つ、比較例1つ)の下で、支持ガラスSGからガラスフィルムGFを剥離させた。そして、剥離の際にガラスフィルムGFに割れを生じるか否かを検証した。
まず、実施例、及び比較例において、剥離の対象となるガラスフィルムGF、支持ガラスSG、ガラスフィルム積層体Gについて説明する。ガラスフィルムGF、及び支持ガラスSGとして、日本電気硝子社製の無アルカリガラスOA−10Gを使用した。両ガラスGF,SGの板厚は、それぞれガラスフィルムGF:0.2mm、支持ガラスSG:0.5mmであり、面の寸法(縦×横)は、双方共に1000mm×1000mmである。そして、両ガラスGF,SGの相互に接触する側の面となる合わせ面の表面粗さRaを、両ガラスGF,SGの各々で2.0nm以下として、両ガラスGF,SGを直接に面接触させて積層し、ガラスフィルム積層体Gを作製した。
そして、作製したガラスフィルム積層体Gに以下の処理を施した。まず、ガラスフィルム積層体Gの全体を200℃で30分間加熱した。その後、ガラスフィルムGF、及び支持ガラスSGの面の中心から半径50mmの部位(図20中にハッチングを施した範囲であり、同図においては説明を簡便にするため誇張して図示している)のみを300℃まで加熱した。これにより、当該部位における両ガラスGF,SGの間に作用する密着力の大きさを他の部位よりも大きくした。
以下、3つの実施例1〜3、及び比較例におけるガラスフィルム剥離装置の動作について説明する。
実施例1においては、上記の第一実施形態に係るガラスフィルム剥離装置1を使用し、図20に示すT方向にブレード3を移動させることで、支持ガラスSGからのガラスフィルムGFの剥離を実施した。ここで、実施例1においては、特性値Zの基準値Zの値はZ=0.04[N/mm]とした。また、ブレード3の移動速度Vの基準速度V(Z=Zの場合のブレード3の移動速度)の値はV=30[mm/min]とした。そして、特性値Zの値がZより大きくなった場合(Z>Zの場合)には、ブレード3の移動速度Vを基準速度VからV=10[mm/min]に減速させた。また、特性値Zの値が基準値Zに戻った場合には、ブレード3を加速させて移動速度Vを基準速度Vに戻した。なお、実施例1において、ブレード3の移動を停止させる制御、及びブレード3を逆向きに移動させる制御については省略している。
実施例2においては、上記の第二実施形態に係るガラスフィルム剥離装置1を使用し、図20に示すU方向にブレード3を移動させることで、支持ガラスSGからのガラスフィルムGFの剥離を実施した。ここで、実施例2における特性値Zの基準値Zの値、及びブレード3の移動速度Vの基準速度Vの値は、実施例1と同一である。また、ブレード3の移動速度Vの制御態様についても、実施例1と同一である。さらに、この実施例2においても、ブレード3の移動を停止させる制御、及びブレード3を逆向きに移動させる制御については省略している。
実施例3においては、上記の第三実施形態に係るガラスフィルム剥離装置1を使用し、図20に示すT方向にブレード3を移動させることで、支持ガラスSGからのガラスフィルムGFの剥離を実施した。ここで、実施例3においては、特性値Zの基準値Zの値はZ=10[mm]とした。また、ブレード3の移動速度Vの基準速度V(Z=Zの場合のブレード3の移動速度)の値はV=30[mm/min]とした。そして、特性値Zの値がZより小さくなった場合(Z<Zの場合)には、ブレード3の移動速度Vを基準速度VからV=10[mm/min]に減速させた。また、特性値Zの値が基準値Zに戻った場合には、ブレード3を加速させて移動速度Vを基準速度Vに戻した。なお、この実施例3においても、ブレード3の移動を停止させる制御、及びブレード3を逆向きに移動させる制御については省略している。
比較例においては、上記の第一実施形態に係るガラスフィルム剥離装置1を使用すると共に、ガラスフィルムGFの剥離の開始から終了まで、特性値Zの変化とは無関係に、ブレード3をV=30[mm/min]の一定の移動速度Vで移動させることで、ガラスフィルムGFを支持ガラスSGから剥離させた。
以下に実施例1〜3、及び比較例の検証の結果を示す。実施例1〜3では、ガラスフィルムGFに割れを生じることなく、支持ガラスSGからガラスフィルムGFを剥離させることが可能であった。一方、比較例では、ガラスフィルムGFに割れを生じる結果となった。この結果から、本発明に係るガラスフィルム剥離装置によれば、支持体からガラスフィルムを剥離させる際に、当該ガラスフィルムの割れを防止しつつ、ガラスフィルムを可及的に高速で剥離させることが可能となるものと推認される。
1 ガラスフィルム剥離装置
2 テーブル
2a 載置面
2b 長側面
2c 短側面
3 ブレード
3a 先端部
3b 噴射口
4 ロードセル
5 演算装置
6 判定回路
7 サーボモーター
8 サーボモーター
9 カメラ
10 画像処理装置
11 ガラスフィルム剥離装置
12 吸着部材
12a 吸着パッド
12b 保持板
13 昇降装置
13a 本体部
13b 昇降部
14 ロードセル
15 判定回路
16 サーボモーター
17 カメラ
18 画像処理装置
19 演算装置
G ガラスフィルム積層体
SG 支持ガラス
GF ガラスフィルム
GFa 積層部
GFb 剥離部
GFc 剥離進行部
W 幅長さ
X ブレードの移動方向
T ブレードの移動方向
U ブレードの移動方向
V ブレード(吸着部材)の移動速度
R 抗力
A 圧縮エアー
Q 圧縮エアーの噴射量
Z 特性値
基準値
基準値
基準値
max 基準値
P 先端
D 剥離進行部と先端との間の距離
D’ 距離の平均値
GD 画像データ
S1〜S11 信号
VV 剥離進行部の移動速度
Y 離反方向
C 剥離進行部の横断移動予定方向
L1〜L4 境界線
AR1〜AR5 領域
DD 剥離進行部が横断移動した距離

Claims (9)

  1. 支持体上に積層された可撓性を有するガラスフィルムを前記支持体から剥離させる剥離手段を備えたガラスフィルム剥離装置であって、
    前記ガラスフィルムを剥離させる際の抵抗の大きさに応じて変化する特性値を検出する検出手段と、検出された前記特性値に基づいて前記剥離手段による剥離動作を制御する制御手段とを備え
    前記剥離手段は、前記ガラスフィルムと前記支持体との相互間を横断移動することで、両者が積層された積層部と剥離した剥離部との境界となる剥離進行部を横断移動させる剥離具であり、
    前記検出手段は、前記剥離具の移動方向に直交する方向の中央部を基準とした両側で、前記特性値を個別に検出するように構成されると共に、
    前記制御手段が、前記剥離具の中央部を基準とした各側で、検出された特性値に基づいて該剥離具の移動速度を個別に制御するように構成されていることを特徴とするガラスフィルム剥離装置。
  2. 支持体上に積層された可撓性を有するガラスフィルムを前記支持体から剥離させる剥離手段を備えたガラスフィルム剥離装置であって、
    前記ガラスフィルムを剥離させる際の抵抗の大きさに応じて変化する特性値を検出する検出手段と、検出された前記特性値に基づいて前記剥離手段による剥離動作を制御する制御手段とを備え、
    前記剥離手段は、前記ガラスフィルムと前記支持体との相互間を横断移動することで、両者が積層された積層部と剥離した剥離部との境界となる剥離進行部を横断移動させる剥離具であり、
    前記剥離具は、該剥離具から前記剥離進行部側に流体を噴射する流体噴射手段を有し、
    前記制御手段が、前記特性値に基づいて前記流体噴射手段による前記流体の噴射量を制御するように構成されていることを特徴とするガラスフィルム剥離装置。
  3. 支持体上に積層された可撓性を有するガラスフィルムを前記支持体から剥離させる剥離手段を備えたガラスフィルム剥離装置であって、
    前記ガラスフィルムを剥離させる際の抵抗の大きさに応じて変化する特性値を検出する検出手段と、検出された前記特性値に基づいて前記剥離手段による剥離動作を制御する制御手段とを備え、
    前記剥離手段は、前記ガラスフィルムと前記支持体との相互間を横断移動することで、両者が積層された積層部と剥離した剥離部との境界となる剥離進行部を横断移動させる剥離具であり、
    前記特性値は、前記剥離具に対し移動方向逆向きに作用する抗力に基づいた計算値であり、
    前記計算値は、前記抗力を、前記剥離進行部における前記剥離具の先端部に沿う方向の長さとなる幅長さで除した値であることを特徴とするガラスフィルム剥離装置。
  4. 支持体上に積層された可撓性を有するガラスフィルムを前記支持体から剥離させる剥離手段を備えたガラスフィルム剥離装置であって、
    前記ガラスフィルムを剥離させる際の抵抗の大きさに応じて変化する特性値を検出する検出手段と、検出された前記特性値に基づいて前記剥離手段による剥離動作を制御する制御手段とを備え、
    前記剥離手段は、前記ガラスフィルムと前記支持体との相互間を横断移動することで、両者が積層された積層部と剥離した剥離部との境界となる剥離進行部を横断移動させる剥離具であり、
    前記特性値は、前記剥離具と前記支持体との接触部における先端と、前記剥離進行部との間の距離であることを特徴とするガラスフィルム剥離装置。
  5. 前記検出手段は、
    前記剥離具と前記支持体との接触部における先端、及び前記剥離進行部を含む画像を撮像する撮像手段と、
    前記画像を処理することにより前記距離を検出する画像処理手段とを含むことを特徴とする請求項に記載のガラスフィルム剥離装置。
  6. 前記制御手段は、前記特性値と該特性値の所定の基準値とに基づいて(1)前記剥離具の移動速度を速くする、(2)前記剥離具の移動速度を遅くする、(3)前記剥離具を停止させる、(4)前記剥離具を逆向きに移動させる、のいずれかの制御を実行するように構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のガラスフィルム剥離装置。
  7. 支持体上に積層された可撓性を有するガラスフィルムを前記支持体から剥離させる剥離手段を備えたガラスフィルム剥離装置であって、
    前記ガラスフィルムを剥離させる際の抵抗の大きさに応じて変化する特性値を検出する検出手段と、検出された前記特性値に基づいて前記剥離手段による剥離動作を制御する制御手段とを備え、
    前記剥離手段は、前記ガラスフィルムと前記支持体とのうち、一方の表面を吸着した状態で他方から離反する離反方向に移動することにより、両者が積層された積層部と剥離した剥離部との境界となる剥離進行部を横断移動させる吸着部材であり、
    前記制御手段は、前記特性値の変化に応じて前記吸着部材の前記離反方向への移動速度を変化させることに追随して、前記剥離進行部の移動速度を変化させるように構成されていることを特徴とするガラスフィルム剥離装置。
  8. 前記特性値は、前記吸着部材に対し前記離反方向とは逆向きに作用する抗力であることを特徴とする請求項に記載のガラスフィルム剥離装置。
  9. 前記吸着部材を複数備え、
    複数の前記吸着部材の各々は、前記剥離進行部の横断移動予定方向と直交する方向に延びる境界線によって前記一方の表面が複数に区画されてなる各領域をそれぞれ吸着すると共に、前記横断移動予定方向の上流側に位置する前記吸着部材から順々に隣接する前記吸着部材が前記離反方向に移動するように構成されていることを特徴とする請求項7又は8に記載のガラスフィルム剥離装置。
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