JP6409549B2 - 鋳造方法、及び、鋳造装置 - Google Patents
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本発明の第1実施形態による鋳造方法及び鋳造装置を図1〜10に基づいて説明する。
図1に、第1実施形態による鋳造装置1の模式図を示す。鋳造装置1は、内部に金属溶湯を充填可能な空間を有する。当該空間は、充填される金属溶湯が所望の形状となるよう形成されており、供給された金属溶湯が凝固することによって所望の形状の金属部材が得られる。第1実施形態による鋳造方法は、いわゆる、ダイカストであり、鋳造装置1の内部に金属溶湯が圧入され金属部材が成形される。鋳造装置1は、金型10、金属溶湯供給部20、離型剤供給部30などから構成される。なお、図1において、紙面の上側を「天」側、紙面の下側を「地」側とする。
弁室302には、弁部材40の大部分が往復移動可能に収容されている。
軸部411は、第1弁体31の内壁313に案内されるよう形成されている。軸部411の加圧室301側の端部は、引き戻しロッド42と接続する。
当接部412は、軸部411の加圧室301側に設けられる。当接部412は、外径が軸部411の外径より小さくなるよう形成されている。当接部412の径方向外側の側壁413は、第1弁体31の中心軸CA31に対して傾斜している。側壁413は、第2弁体32の内壁324と当接可能に設けられている。
軸部411の当接部412が設けられる側の端部及び当接部412は、引き戻しロッド42が挿入される挿入孔414を有する。
図6に、S102において、離型剤が入子ピン13に供給されるときの弁部材40と第1弁体31及び第2弁体32との位置関係を示す。離型剤が入子ピン13に供給されるとき、図6に示すように、第2弁体32の内壁324と加圧ロッド41の側壁413とは離間しており、かつ、第2弁体32の端面325と引き戻しロッド42の端面425とは離間している。これにより、供給通路303を通る離型剤は、図6に示す二点鎖線矢印F1のように、弁室302、第2弁体32の内壁324と加圧ロッド41の側壁413との間の隙間、引き戻しロッド42の溝424、第2弁体32の端面325と引き戻しロッド42の端面425との間の隙間、加圧室301を通って入子ピン13の通路130に供給される。
図7に、弁部材40と第2弁体32とを当接させたときの弁部材40と第1弁体31及び第2弁体32との位置関係を示す。弁部材40を入子ピン方向に移動させると、図7に示すように、加圧ロッド41の側壁413と第2弁体32の内壁324とが当接する。これにより、弁室302と加圧室301とが遮断される。
弁部材40が入子ピン方向にさらに移動すると、第2弁体32は弁部材40と一緒に入子ピン方向に移動する。これにより、加圧室301の体積が小さくなり、加圧室301及び入子ピン13の通路130に供給された離型剤の加圧が開始される(図5の時刻t1)。
第1実施形態による鋳造方法では、金属溶湯を金型10の内部に供給している最中に離型剤を入子ピン13の外壁132に供給する。これにより、外壁132と金属溶湯との間に離型剤の膜が形成され、例えば、金属溶湯との反応によって金属間化合物を生成するなどの破損を防止することができる。したがって、金型の寿命を長くすることができるため、金属部材の製造コストを低減することができる。
次に、本発明の第2実施形態による鋳造装置を図11〜14に基づいて説明する。第2実施形態は、金型が吐出孔開閉部を有する点が第1実施形態と異なる。なお、第1実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第2環状部材17では、内壁171と側壁172とを接続する接続壁174は、中心軸CA14に対して規制部材151に向かうにつれて中心軸CA41から離れる方向に傾斜するよう形成されている。また、内壁171と側壁173とを接続する接続壁175は、中心軸CA14に対して規制部材151に向かうにつれて中心軸CA41に近づく方向に傾斜するよう形成されている。
環状部181は、第3環状部材18の規制部材151側に設けられ、中心軸CA14を含む断面形状が六角形となるよう形成されている。環状部181の径方向内側の内壁184は、入子ピン14の外壁144に摺動可能に形成されている。内壁184と側壁183とを接続する接続壁185は、中心軸CA14に対して規制部材151に向かうにつれて中心軸CA41から離れる方向に傾斜するよう形成されている。
次に、S202において、第1実施形態のS102と同様に金属溶湯を金属溶湯供給部20に給湯する。また、S203において、第1実施形態のS103と同様に入子ピン13に離型剤を供給する。
次に、S205において、金型10の内部に充填された金属溶湯の一部を凝固させる。このとき、金型10の内部の金属溶湯は、金型10の内壁110、113、120、122、入子ピン14の外壁144に接触している領域MS2から凝固する(図14参照)。
S207において加圧室301の体積が小さくなる前には、入子ピン14の貫通孔140には離型剤が充填されている(図12の状態)。貫通孔140に充填されている離型剤の圧力は、第1環状部材16の接続壁164、165、第2環状部材17の接続壁174、175、第3環状部材18の接続壁185に作用すると、中心軸CA14方向の作用力に変換される。貫通孔140における離型剤の圧力が「所定の圧力」以上となり中心軸CA14方向の作用力がばね152の付勢力より大きくなると、吐出孔141、142、143を閉塞している第1環状部材16、第2環状部材17及び第3環状部材18は離型剤供給部方向に移動する。これにより、図14に示すように、吐出孔141、142、143が開放され、凝固し始めている金属溶湯の領域MS2と入子ピン14の外壁144との間に離型剤が吐出される(図14の実線矢印F3)。このとき、第3環状部材18の側壁187が位置決め部材153の側壁155に当接し、吐出孔141、142、143が開き過ぎることを防止する。
次に、S210において、吐出孔141、142、143からの離型剤の吐出を停止する。具体的には、弁部材40を駆動方向に稼働させ、第2弁体32との当接を解除すると加圧室301及び貫通孔140に充填されている離型剤の圧力が低下するため、第1環状部材16、第2環状部材17及び第3環状部材18は、ばね152の付勢力によって規制部材方向に移動する。これにより、規制部材151と第1環状部材16、第1環状部材16と第2環状部材17、第2環状部材17と第3環状部材18とがそれぞれ当接し、吐出孔141、142、143を閉塞し、離型剤の吐出が停止する。
(ア)上述の実施形態では、ダイカストによって金属部材を成形するとした。しかしながら、本発明の鋳造方法はこれに限定されない。融点より高い温度の金属を金型の内部に流し込み、所望の形状の金属部材を得ることができる鋳造方法であればよい
10 ・・・金型、
100 ・・・内部空間(金型の内部)、
101 ・・・連通路(金型の内部)、
110 ・・・内壁(金属部材成形面)、
113 ・・・内壁(金属部材成形面)、
120 ・・・内壁(金属部材成形面)、
122 ・・・内壁(金属部材成形面)、
131、141・・・吐出孔(供給孔)、
132、142・・・外壁(金属部材成形面)、
20 ・・・金属溶湯供給部、
30 ・・・離型剤供給部、
301 ・・・加圧室(第1連通室)。
Claims (10)
- 金型(10)の内部(100、101)に充填される金属溶湯を凝固し所望の形状の金属部材を成形する鋳造方法であって、
前記金型の内部を形成する金属部材成形面(110、113、120、122、132)と金属溶湯との間に離型剤を供給しつつ前記金型の内部に金属溶湯を充填する金属溶湯充填工程を含み、
前記金属溶湯充填工程において、離型剤は前記金属溶湯が前記金型の内部に充填される鋳造圧力(P1)より高い圧力(P2)で前記金型の内部に供給されることを特徴とする鋳造方法。 - 前記金属溶湯充填工程の後、離型剤を前記金型の内部に供給しつつ前記金型の内部に充填された金属溶湯を凝固させる凝固工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の鋳造方法。
- 前記金属溶湯充填工程の前に、離型剤を前記金型の内部に供給しつつ金属溶湯を金属溶湯供給部(20)に給湯する給湯工程を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の鋳造方法。
- 金型(10)の内部(100、101)に充填される金属溶湯を凝固し所望の形状の金属部材を成形する鋳造方法であって、
前記金型の内部を形成する金属部材成形面(110、113、120、122、132)と金属溶湯との間に離型剤を供給しつつ前記金型の内部に金属溶湯を充填する金属溶湯充填工程を含み、
前記金属溶湯充填工程の後、離型剤を前記金型の内部に供給しつつ前記金型の内部に充填された金属溶湯を凝固させる凝固工程を含むことを特徴とする鋳造方法。 - 金型(10)の内部(100、101)に充填される金属溶湯を凝固し所望の形状の金属部材を成形する鋳造方法であって、
前記金型の内部を形成する金属部材成形面(110、113、120、122、132)と金属溶湯との間に離型剤を供給しつつ前記金型の内部に金属溶湯を充填する金属溶湯充填工程を含み、
前記金属溶湯充填工程の前に、離型剤を前記金型の内部に供給しつつ金属溶湯を金属溶湯供給部(20)に給湯する給湯工程を含むことを特徴とする鋳造方法。 - 金属溶湯を凝固し所望の形状の金属部材を成形する鋳造装置(1,2)であって、
離型剤を供給する供給孔(131、141、142、143)を金属溶湯と接触する金属部材成形面(110、113、120、122、132)に有する金型(10)と、
前記金型の内部に金属溶湯を供給する金属溶湯供給部(20)と、
前記供給孔に連通する第1連通室(301)を有し、前記第1連通室を介して前記供給孔に離型剤を供給する離型剤供給部(30)と、
を備え、
前記離型剤供給部は、前記金属溶湯が前記金型の内部に充填される鋳造圧力より高い圧力で前記離型剤を前記金型の内部に供給することを特徴とする鋳造装置。 - 前記離型剤供給部は、
体積が変更可能な前記第1連通室、外部から供給される離型剤が通る第2連通室(303)、及び、前記第1連通室と前記第2連通室とを連通可能に設けられる弁室(302)を有する第1弁体(31)と、
前記第1弁体の内壁(313)に摺動可能に設けられる筒状の第2弁体(32)と、
前記第2弁体の前記第1連通室とは反対側に前記第1弁体の内壁に摺動可能に設けられ前記第2弁体が有する貫通孔(323)の内径より大きい外径を有する軸部(411)、前記軸部の前記第1連通室側の端部に設けられ前記第1弁体の中心軸(CA31)方向の長さが前記第2弁体の前記中心軸方向の長さより長くなるよう形成され前記貫通孔に挿通される小径部(421、422)、及び、前記小径部の前記第1連通室側の端部に前記第1連通室に収容されるよう設けられ前記貫通孔の内径より大きい外径を有する大径部(423)を有し、前記第1弁体の内部を往復移動する弁部材(40)と、
前記弁部材を前記第1弁体に対し往復移動可能な駆動部(34)と、
前記第2連通室に供給される離型剤を貯留する離型剤貯留部(35)と、
を有し、
前記軸部及び前記大径部と前記第2弁体とが離間すると前記貫通孔を介して前記第1連通室と前記第2連通室とは連通し、前記軸部及び前記大径部のいずれか一方と前記第2弁体とが当接すると前記第1連通室と前記第2連通室とは遮断され、前記第2弁体と当接している前記軸部が前記第1連通室の方向に移動すると前記第2弁体は前記第1連通室の体積を小さくするよう移動し、前記第2弁体と当接している前記大径部が前記第1連通室とは反対の方向に移動すると、前記第2弁体は前記第1連通室の体積を大きくするよう移動
することを特徴とする請求項6に記載の鋳造装置。 - 前記金型は、前記供給孔を閉塞または開放可能な供給孔開閉部(15)を有することを特徴とする請求項6または7に記載の鋳造装置。
- 前記金型は、前記金型の内部に突出する筒状の突出部(14)を有し、
前記突出部は、前記突出部の径方向に前記突出部の内側と外側とを連通する前記供給孔を有し、
前記供給孔開閉部は、
前記突出部の径方向外側に前記突出部の外壁(144)に沿って往復移動可能に設けられる複数の環状部材(16、17、18)と、前記突出部の一方の端部に設けられ前記環状部材の前記突出部の一方の端部方向への移動を規制する規制部(151)と、前記突出部の径方向外側に設けられ前記環状部材と前記規制部とが当接するよう複数の前記環状部材を前記突出部の一方の端部方向へ付勢する付勢部材(152)と、
を有し、
複数の前記環状部材が互いに当接しかつ前記環状部材が前記規制部に当接すると前記供給孔を閉塞し、複数の前記環状部材が互いに離間すると前記供給孔を開放することを特徴とする請求項8に記載の鋳造装置。 - 前記環状部材の径方向内側の内壁(161、171、184)と前記環状部材の側壁(162、163、172、173、183)とを接続する接続壁(164、165、174、175、185)は、前記突出部の中心軸(CA14)方向に対して傾斜するよう形成され、
前記供給孔開閉部は、前記接続壁に作用する前記離型剤の圧力が所定の圧力以上になると複数の前記環状部材が互いに離間することを特徴とする請求項9に記載の鋳造装置。
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